IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社寺岡精工の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】POSレジスタ
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240917BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240917BHJP
   G06Q 30/0238 20230101ALI20240917BHJP
【FI】
G07G1/12 361D
G07G1/01 301E
G06Q30/0238
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023043622
(22)【出願日】2023-03-17
(62)【分割の表示】P 2021087670の分割
【原出願日】2015-09-15
(65)【公開番号】P2023073316
(43)【公開日】2023-05-25
【審査請求日】2023-04-14
(31)【優先権主張番号】P 2014188056
(32)【優先日】2014-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2014ニューバランスフェア、平成26年8月27日,28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】久保井 太郎
(72)【発明者】
【氏名】古沢 麻綾
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-170049(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
G06Q 20/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
買上げ対象の商品を登録する商品販売データ処理装置であって、
免税対象の商取引であることを受け付ける免税受付手段と、
前記免税受付手段が、免税対象の商取引であることを受け付けた場合、免税適用対象額を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された免税適用対象額が免税対象額であるか否かを判定する判定手段と、
商取引が行われると、当該商取引についての情報を所定の紙媒体に印刷する印刷手段と、
を備え、
前記印刷手段は、前記判定手段により前記免税適用対象額が前記免税対象額でないと判定された場合に、所定の操作が行われると、前記免税受付手段が受け付けた商取引について、当該商取引を示す商取引識別情報とともに、後の商取引との合算により免税対象とする予定のある旨を印刷す
商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記算出手段は、現在の商取引に対応する金額に対して、記憶部に記憶された過去の商取引ごとの明細のうち商取引識別情報により特定された商取引の明細から抽出した金額を合算して免税適用対象額を算出する
請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
買上げ対象の商品を登録する商品販売データ処理装置としてのコンピュータを、
免税対象の商取引であることを受け付ける免税受付手段、
前記免税受付手段が、免税対象の商取引であることを受け付けた場合、免税適用対象額を算出する算出手段、
前記算出手段により算出された免税適用対象額が免税対象額であるか否かを判定する判定手段、
商取引が行われると、当該商取引についての情報を所定の紙媒体に印刷する印刷手段、
として機能させるためのプログラムであって、
前記印刷手段は、前記判定手段により前記免税適用対象額が前記免税対象額でないと判定された場合に、所定の操作が行われると、前記免税受付手段が受け付けた商取引について、当該商取引を示す商取引識別情報とともに、後の商取引との合算により免税対象とする予定のある旨を印刷す
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POSレジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、免税対象の商品を消費税込みで購入した利用者に対して消費税還付すなわち税金返金を行うための税金返金システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5386654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
輸出物品販売場制度の改正に伴い、従来、輸出物品販売場における免税販売の対象外とされていた消耗品が、平成26年10月1日より、所定の条件に合致する場合に限り免税販売の対象となる予定である。しかしながら、従来のPOSレジスタでは、一般物品である免税対象物品と、消耗品である免税対象物品と、非免税対象物品とを区別して商品登録を行うことができなかった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、オペレータの操作性を改善して免税対象物品の販売を容易に行わせることができるPOSレジスタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]上述した課題を解決するための本発明の一態様は、商品登録処理部が買上げ対象の商品を登録するPOSレジスタであって、商品ごとに、前記商品の商品コードと、前記商品の免税の種別として、一般物品である免税対象物品と、消耗品である免税対象物品と、非免税対象物品とのいずれの区分であるのかを示す免税種別情報とを関係付けて記憶する免税種別情報記憶部と、商取引が免税対象であることの指定を受け付ける免税指定受付部と、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記登録された商品の免税種別情報を前記免税種別情報記憶部から読み出し、前記免税種別情報が示す免税の種別の区分別に、前記商品登録処理部に商品を登録させる制御部と、印刷部と、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記商品登録処理部が登録した商品の明細のうち、消耗品に該当する商品の明細を、前記印刷部により紙媒体に印刷させる印刷制御部と、外国語を選択するための言語選択キーとを備え、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記印刷制御部は、前記消耗品に該当する商品の明細を、押下された言語選択キーに対応付けられた外国語で、前記印刷部により前記紙媒体に印刷させる、POSレジスタである。
【0006】
[2]本発明の一態様は、商品登録処理部が買上げ対象の商品を登録するPOSレジスタであって、商品ごとに、前記商品の商品コードと、前記商品の免税の種別として、一般物品である免税対象物品と、消耗品である免税対象物品と、非免税対象物品とのいずれの区分であるのかを示す免税種別情報とを関係付けて記憶する免税種別情報記憶部と、商取引が免税対象であることの指定を受け付ける免税指定受付部と、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記登録された商品の免税種別情報を前記免税種別情報記憶部から読み出し、前記免税種別情報が示す免税の種別の区分別に、前記商品登録処理部に商品を登録させる制御部と、印刷部と、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記商品登録処理部が登録した商品の明細のうち、消耗品に該当する商品の明細を、前記印刷部により紙媒体に印刷させる印刷制御部とを備え、前記免税指定受付部は、集積回路が埋め込まれた旅券の前記集積回路に記憶された情報を読み取り可能な読取り装置であり、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記印刷制御部は、前記消耗品に該当する商品の明細を、前記免税指定受付部が旅券の集積回路から読み取った国籍に対応する外国語によって、前記印刷部により前記紙媒体に印刷させる、POSレジスタである。
[3]本発明の一態様は、[1]または[2]に記載のPOSレジスタであって、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記印刷制御部は、前記消耗品に該当する商品の明細を、前記外国語および日本語の併記によって、前記印刷部により前記紙媒体に印刷させる。
[4]本発明の一態様は、商品登録処理部が買上げ対象の商品を登録するPOSレジスタであって、商品ごとに、前記商品の商品コードと、前記商品の免税の種別として、一般物品である免税対象物品と、消耗品である免税対象物品と、非免税対象物品とのいずれの区分であるのかを示す免税種別情報とを関係付けて記憶する免税種別情報記憶部と、商取引が免税対象であることの指定を受け付ける免税指定受付部と、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記登録された商品の免税種別情報を前記免税種別情報記憶部から読み出し、前記免税種別情報が示す免税の種別の区分別に、前記商品登録処理部に商品を登録させる制御部と、印刷部と、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記商品登録処理部が登録した商品の明細のうち、消耗品に該当する商品の明細を、前記印刷部により紙媒体に印刷させる印刷制御部とを備え、前記印刷部はラベルプリンタであり、前記紙媒体はラベルである、POSレジスタである。
[5]本発明の一態様は、商品登録処理部が買上げ対象の商品を登録するPOSレジスタであって、商品ごとに、前記商品の商品コードと、前記商品の免税の種別として、一般物品である免税対象物品と、消耗品である免税対象物品と、非免税対象物品とのいずれの区分であるのかを示す免税種別情報とを関係付けて記憶する免税種別情報記憶部と、商取引が免税対象であることの指定を受け付ける免税指定受付部と、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記登録された商品の免税種別情報を前記免税種別情報記憶部から読み出し、前記免税種別情報が示す免税の種別の区分別に、前記商品登録処理部に商品を登録させる制御部と、印刷部と、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記商品登録処理部が登録した商品の明細のうち、消耗品に該当する商品の明細を、前記印刷部により紙媒体に印刷させる印刷制御部とを備え、前記印刷部は、印刷形態がそれぞれ異なる複数の印刷部を含み、前記複数の印刷部から印刷に用いる印刷部を選択する選択部、を更に有し、前記印刷制御部は、前記選択部で選択された印刷部により、前記消耗品に該当する商品の明細を印刷させるPOSレジスタである。
[6]本発明の一態様は、商品登録処理部が買上げ対象の商品を登録するPOSレジスタであって、商品ごとに、前記商品の商品コードと、前記商品の免税の種別として、一般物品である免税対象物品と、消耗品である免税対象物品と、非免税対象物品とのいずれの区分であるのかを示す免税種別情報とを関係付けて記憶する免税種別情報記憶部と、商取引が免税対象であることの指定を受け付ける免税指定受付部と、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記登録された商品の免税種別情報を前記免税種別情報記憶部から読み出し、前記免税種別情報が示す免税の種別の区分別に、前記商品登録処理部に商品を登録させる制御部と、登録された商品についての小計結果が免税対象となる条件を満たさない場合に、小計結果が免税対象となる条件を満たさないことを報知する免税対象条件対応報知部と、前記免税対象条件対応報知部による報知が行われたことに応じて、小計結果が免税対象となる条件を満たさない場合に対応する会計方法を選択する会計方法選択部と、を備えるPOSレジスタである。
[7]本発明の一態様は、商品登録処理部が買上げ対象の商品を登録するPOSレジスタとしてのコンピュータを、商品ごとに、前記商品の商品コードと、前記商品の免税の種別として、一般物品である免税対象物品と、消耗品である免税対象物品と、非免税対象物品とのいずれの区分であるのかを示す免税種別情報とを関係付けて記憶する免税種別情報記憶部、商取引が免税対象であることの指定を受け付ける免税指定受付部、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記登録された商品の免税種別情報を前記免税種別情報記憶部から読み出し、前記免税種別情報が示す免税の種別の区分別に、前記商品登録処理部に商品を登録させる制御部、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記商品登録処理部が登録した商品の明細のうち、消耗品に該当する商品の明細を、印刷部により紙媒体に印刷させる印刷制御部として機能させるためのプログラムであって、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記印刷制御部は、前記消耗品に該当する商品の明細を、外国語を選択するための言語選択キーのうち押下された言語選択キーに対応付けられた外国語で、前記印刷部により前記紙媒体に印刷させる、プログラムである。
[8]本発明の一態様は、商品登録処理部が買上げ対象の商品を登録するPOSレジスとしてのコンピュータを、商品ごとに、前記商品の商品コードと、前記商品の免税の種別として、一般物品である免税対象物品と、消耗品である免税対象物品と、非免税対象物品とのいずれの区分であるのかを示す免税種別情報とを関係付けて記憶する免税種別情報記憶部、商取引が免税対象であることの指定を受け付ける免税指定受付部、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記登録された商品の免税種別情報を前記免税種別情報記憶部から読み出し、前記免税種別情報が示す免税の種別の区分別に、前記商品登録処理部に商品を登録させる制御部、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記商品登録処理部が登録した商品の明細のうち、消耗品に該当する商品の明細を、印刷部により紙媒体に印刷させる印刷制御部として機能させるためのプログラムであって、前記免税指定受付部は、集積回路が埋め込まれた旅券の前記集積回路に記憶された情報を読み取り可能な読取り装置であり、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記印刷制御部は、前記消耗品に該当する商品の明細を、前記免税指定受付部が旅券の集積回路から読み取った国籍に対応する外国語によって、前記印刷部により前記紙媒体に印刷させる、プログラムである。
[9]本発明の一態様は、商品登録処理部が買上げ対象の商品を登録するPOSレジスタとしてのコンピュータを、商品ごとに、前記商品の商品コードと、前記商品の免税の種別として、一般物品である免税対象物品と、消耗品である免税対象物品と、非免税対象物品とのいずれの区分であるのかを示す免税種別情報とを関係付けて記憶する免税種別情報記憶部、商取引が免税対象であることの指定を受け付ける免税指定受付部、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記登録された商品の免税種別情報を前記免税種別情報記憶部から読み出し、前記免税種別情報が示す免税の種別の区分別に、前記商品登録処理部に商品を登録させる制御部、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記商品登録処理部が登録した商品の明細のうち、消耗品に該当する商品の明細を、ラベルプリンタである印刷部によりラベルである紙媒体に印刷させる印刷制御部、として機能させるためのプログラムである。
[10]本発明の一態様は、商品登録処理部が買上げ対象の商品を登録するPOSレジスタとしてのコンピュータを、商品ごとに、前記商品の商品コードと、前記商品の免税の種別として、一般物品である免税対象物品と、消耗品である免税対象物品と、非免税対象物品とのいずれの区分であるのかを示す免税種別情報とを関係付けて記憶する免税種別情報記憶部、商取引が免税対象であることの指定を受け付ける免税指定受付部、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記登録された商品の免税種別情報を前記免税種別情報記憶部から読み出し、前記免税種別情報が示す免税の種別の区分別に、前記商品登録処理部に商品を登録させる制御部、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記商品登録処理部が登録した商品の明細のうち、消耗品に該当する商品の明細を、印刷部により紙媒体に印刷させる印刷制御部、前記印刷部に含まれる印刷形態がそれぞれ異なる複数の印刷部から、印刷に用いる印刷部を選択する選択部として機能させるためのプログラムであって、前記印刷制御部は、前記選択部で選択された印刷部により、前記消耗品に該当する商品の明細を印刷させる、プログラムである。
[11]商品登録処理部が買上げ対象の商品を登録するPOSレジスタとしてのコンピュータを、商品ごとに、前記商品の商品コードと、前記商品の免税の種別として、一般物品である免税対象物品と、消耗品である免税対象物品と、非免税対象物品とのいずれの区分であるのかを示す免税種別情報とを関係付けて記憶する免税種別情報記憶部、商取引が免税対象であることの指定を受け付ける免税指定受付部、前記免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、前記登録された商品の免税種別情報を前記免税種別情報記憶部から読み出し、前記免税種別情報が示す免税の種別の区分別に、前記商品登録処理部に商品を登録させる制御部、登録された商品についての小計結果が免税対象となる条件を満たさない場合に、小計結果が免税対象となる条件を満たさないことを報知する免税対象条件対応報知部、前記免税対象条件対応報知部による報知が行われたことに応じて、小計結果が免税対象となる条件を満たさない場合に対応する会計方法を選択する会計方法選択部、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、オペレータの操作性を改善して免税対象物品の販売を容易に行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態(第1実施形態)であるPOSレジスタが適用されたPOSシステムの概略のブロック図である。
図2】第1実施形態におけるPOSレジスタの概略の外観平面図である。
図3】第1実施形態におけるPOSレジスタの電気的な構成を示すブロック図である。
図4】第1実施形態におけるストアコントローラに格納される商品情報テーブルのデータ構成の例を示す図である。
図5】第1実施形態におけるPOSレジスタのタッチパネル付表示部の商品登録画面の表示の例を示す図である。
図6】第1実施形態におけるPOSレジスタのタッチパネル付表示部の商品返品画面の表示の例を示す図である。
図7】第1実施形態における印字部が印刷する購入記録票の貼付用明細書の例を示す図である。
図8】第1実施形態における印字部が印刷する購入者誓約書の貼付用明細書の例を示す図である。
図9】第1実施形態における印字部が印刷するお客様控え用明細書の例を示す図である。
図10】第1実施形態における印字部が印刷する購入記録票の英語の貼付用明細書の例を示す図である。
図11】第1実施形態における印字部が印刷する購入者誓約書の英語の貼付用明細書の例を示す図である。
図12】第1実施形態における印字部が印刷する英語のお客様控え用明細書の例を示す図である。
図13】第1実施形態における印字部が印刷する梱包リスト用明細書の例を示す図である。
図14】第1実施形態における印字部が印刷する領収書の例を示す図である。
図15】第1実施形態における印字部が印刷する集計レポートの例を示す図である。
図16】第1実施形態におけるPOSレジスタの処理手順の例を示すフローチャートである。
図17】第1実施形態におけるPOSレジスタの処理手順の例を示すフローチャートである。
図18】本発明のその他の実施形態(第2実施形態)であるPOSレジスタの電気的な構成を示すブロック図である。
図19】第3実施形態における免税対象額不足通知画面の態様例を示す図である。
図20】第3実施形態におけるPOSレジスタが実行する処理手順例を示すフローチャートである。
図21】第4実施形態における購入記録票の貼付用明細書の一例を示す図である。
図22】第4実施形態における購入者誓約書の貼付用明細書の一例を示す図である。
図23】第4実施形態における梱包リスト用明細書の一例を示す図である。
図24】第4実施形態におけるお客様控え用明細書の一例を示す図である。
図25】第4実施形態の変形例における購入記録票の貼付用明細書の一例を示す図である。
図26】第4実施形態の変形例における購入記録票の貼付用明細書の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態であるPOSレジスタ(商品販売データ処理装置)が適用されたPOSシステムの概略のブロック図である。図1に示すように、POSシステム1は、3台のPOSレジスタ3と、ストアコントローラ4と、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network;LAN)5とを含む。3台のPOSレジスタ3とストアコントローラ4とは、LAN5を介してそれぞれ接続されている。なお、図1には、3台のPOSレジスタ3の例を示すが、これらPOSレジスタ3の台数は3台に限られるものではない。
【0010】
POSレジスタ3は、顧客の買上対象の商品の商品登録処理を実行する商品登録処理部と、商品登録処理部で登録された商品販売データに基づいて会計処理(精算処理)を実行する会計処理部とを備えるキャッシュレジスタ端末である。本実施形態において、顧客は非居住者である。非居住者とは、日本国に一時的に滞在している、旅券(パスポート)等を所持した外国人旅行客等である。
【0011】
よって、POSレジスタ3は、所定の条件において免税対象物品の商品登録処理と会計処理とを実行する。免税対象物品は、例えば、一般物品および消耗品に区分される。一般物品は、例えば、家電製品、着物、服、鞄である。同一の非居住者に対する同一店舗における一日の一般物品の販売合計額が1万円を超える場合に免税となる。また、消耗品は、例えば、食品類、飲料類、薬品類、化粧品類、その他の消耗品である。同一の非居住者に対する同一店舗における一日の消耗品の販売合計額が5千円を超え、50万円までの範囲内である場合に免税となる。
【0012】
POSレジスタ3のオペレータ(輸出物品販売場である免税店の店員)は、非居住者から旅券等の提示がされて免税対象物品の買上げの申し出があった場合に、POSレジスタ3を免税処理モードに設定して動作させる。この免税処理モードに設定されたPOSレジスタ3は、購入記録票に貼付するための商品の明細書と、購入者誓約書に貼付するための商品の明細書と、梱包リストのための商品の明細書と、非居住者の控えのための商品の明細書とを印刷する。その他、店舗の控えのための商品の明細書を印刷してもよい。
【0013】
購入記録票は、店舗により作成される帳票である。購入記録票には、以下の(1)~(6)の項目が記載される。
(1)購入者の氏名、国籍、生年月日、在留資格、および上陸年月日
(2)購入者の所持する旅券等の種類および番号
(3)輸出物品販売場を経営する事業者の氏名または名称
(4)輸出物品販売場を経営する事業者の納税地および所轄税務署名、輸出物品販売場の所在地
(5)購入年月日
(6)品名、品名ごとの数量、および価額、物品の価額の合計額、販売価額の合計額
上記の(6)として、POSレジスタ3が印刷した商品の明細書が用いられる。つまり、購入記録票の貼付用明細書を購入記録票に貼付し割印することによって、項目(6)の購入記録票への記載が省略できる。
【0014】
購入者誓約書は、非居住者により署名され、店舗に少なくとも7年間保存される帳票である。購入者誓約書には、以下の(1)~(6)の項目が記載される。
(1)購入者の氏名、国籍、生年月日、在留資格、および上陸年月日
(2)購入者の所持する旅券等の種類および番号
(3)輸出物品販売場を経営する事業者の氏名または名称
(4)購入年月日
(5)品名、品名ごとの数量、および価額、物品の価額の合計額、販売価額の合計額
(6)購入後において輸出することを誓約する旨(消耗品の場合、購入した日から30日以内に輸出することを誓約する旨)および購入者の署名
上記の(5)として、POSレジスタ3が印刷した商品の明細書が用いられる。つまり、購入者誓約書の貼付用明細書を購入者誓約書に貼付し割印することによって、項目(5)の購入者誓約書への記載が省略できる。
【0015】
梱包リストは、例えば、消耗品が箱で梱包されることによって内容物やその個数が確認できない場合に、その梱包箱に添付または貼付される帳票である。梱包リストには、少なくとも、内容物の品名および品名ごとの数量が記載される。梱包リストとしてPOSレジスタ3が印刷した商品の明細書、またはこの明細書から品名および品名ごとの数量を抽出して印刷したリストが用いられる。
【0016】
ストアコントローラ4は、商品情報の管理、免税店の販売実績の集計、顧客の管理等の事務処理が行われる情報処理装置である。ストアコントローラ4は、商品ごとの商品情報を格納した商品情報テーブルを記憶する。例えば、商品情報テーブルには、商品の商品コードと当該商品の免税の種別を表す免税種別情報とが関係付けられて格納されている。免税種別情報は、商品が免税対象物品であるか非免税対象物品であるかを示す。また、免税種別情報は、商品が免税対象物品である場合、一般物品であるか消耗品であるかを示す。
LAN5は、店舗内に敷設されたコンピュータネットワークである。LAN5は、インターネットと接続されていてもよい。
【0017】
POSシステム1において、3台のPOSレジスタ3は店舗内のチェックアウトコーナに設置され、ストアコントローラ4は店舗のバックヤード(事務所等)に設置される。
【0018】
図2は、POSレジスタ3の概略の外観平面図である。図2(a)はオペレータ側から見た場合の正面図であり、図2(b)は側面図である。POSレジスタ3は、タッチパネル付表示部14と、キー操作部15と、顧客用表示部16と、自動釣銭機17と、スキャナ部18と、印字部19と、ドロア30とを備える。キー操作部15およびスキャナ部18は、商品コード入力部である。また、キー操作部15および自動釣銭機17は、入金部である。また、タッチパネル付表示部14および顧客用表示部16は、報知部である。
【0019】
タッチパネル付表示部14は、商品登録処理時および会計処理時における入力操作が可能なタッチパネル14aを備えたオペレータ(店員)用の表示装置である。後述する中央処理装置(Central Processing Unit;CPU)がプログラムを実行することによって、タッチパネル付表示部14に、POSレジスタ3を免税処理モードに設定するための免税モード設定キー、免税処理モード時における小計キーである免税指定キー(免税キー)等のグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface;GUI)画像が表示され、タッチパネル14aの当該GUI画像部分がキー(ボタン)として機能する。キー操作部15は、商品登録処理時において数量、会計処理時において顧客から受け取った預金の金額の入力を行うための数字キー、会計を締めるための締めキー等の操作キーが設けられたキーボードである。顧客用表示部16は、顧客に対して買上対象の商品の商品名や価格を通知するための表示装置である。自動釣銭機17は、顧客に支払うべき釣銭のうち、少なくとも貨幣を釣銭排出口17aに排出するための釣銭機であり、顧客から預かった預金のうち少なくとも貨幣を投入するための預金投入口17bを備える。
【0020】
スキャナ部18は、買上げ対象の商品に付されたコード情報(例えば、バーコード等)、または、商品カタログや商品注文シートに表記されたコード情報を読み取る。なお、スキャナ部18は、バーコードのみならず、例えば二次元コードを読み取る読取り装置であってもよい。印字部19は、買上げ対象の商品の明細書を各種帳票(レシート)として印字出力するプリンタ装置である。ドロア30は、顧客から受け取った紙幣および貨幣を収納する収納部であり、キー操作部15の操作に応じて図2(b)の矢印Aの方向に引き出されるようになっている。
【0021】
図3は、POSレジスタ3の電気的な構成を示すブロック図である。図3において、図2に示した構成に対応するブロックには同一の符号を付してその説明を省略する。図3に示すように、POSレジスタ3は、CPU11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、タッチパネル付表示部14と、キー操作部15と、顧客用表示部16と、自動釣銭機17と、スキャナ部18と、印字部19(印刷部)と、通信部20と、ドロア30とを備える。CPU11と、ROM12と、RAM13と、タッチパネル付表示部14と、キー操作部15と、顧客用表示部16と、自動釣銭機17と、スキャナ部18と、印字部19と、通信部20と、ドロア30とは、内部バスおよび通信線を介してそれぞれ接続されている。
【0022】
通信部20は、ストアコントローラ4との間で通信を行う。ROM12は、CPU11に実行させるプログラムやタッチパネル付表示部14に表示させるGUI画像データ等を記憶する。RAM13は、ROM12から読み出されたプログラムやワークエリアを展開するメモリである。また、RAM13には、ストアコントローラ4から取り込んだ商品情報テーブルが展開される。商品情報には、商品コードと免税種別情報とが関係付けて含まれている。よって、RAM13は、商品の商品コードと当該商品の免税の種別を表す免税種別情報とを関係付けて記憶する免税種別情報記憶部である。なお、免税種別情報記憶部は、ROM12に含まれていてもよい。CPU11は、ROM12から読み込んだプログラムを実行することにより、図3に示したCPU11以外の各部を制御する。
【0023】
CPU11がROM12から読み込んだプログラムを実行することにより、POSレジスタ3は、商品登録処理部と、免税指定受付部と、制御部と、判定部と、エラー情報出力部と、印刷制御部と、分割部との機能を実現する。また、CPU11がプログラムを実行して、ROM12に記憶、またはRAM13に展開されたGUI画像をタッチパネル付表示部14に表示させることにより、免税指定キーと、選択キーと、領収書印刷キーと、梱包リスト印刷キーと、追加印刷キーと、言語選択キーと、集計レポートキーとの機能を実現する。
【0024】
商品登録処理部は、商品コード入力部によって入力された商品コードに基づいて、買上げ対象の商品を登録する。
免税指定受付部は、商取引が免税対象であることの指定を受け付ける。例えば、POSレジスタ3のオペレータが、顧客である非居住者から旅券を提示された場合、商取引が免税対象であることの指定を後述する免税指定キーの操作によって行う。また、例えば、免税指定受付部は、ICチップ(集積回路)が埋め込まれた旅券の当該ICチップに記憶された情報を読み取り可能な読取り装置としてもよい。これにおいて、免税指定受付部は、顧客から提示された旅券のICチップから国籍情報を読み取り、国籍情報が示す国籍が日本国でない場合に、商取引が免税対象であることの指定を受け付ける。
【0025】
制御部は、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、商品コード入力部によって入力された商品コードに関係付けられた免税種別情報を免税種別情報記憶部から読み出し、免税種別情報別(例えば、一般物品、消耗品、および非免税対象物品別)に、商品登録処理部に商品を登録させる。
【0026】
判定部は、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、スキャナ部18またはキー操作部15によって入力された商品コードに関係付けられた免税種別情報をRAM13、ROM12、またはストアコントローラ4から取得し、免税種別情報に基づいて商品コードに対応する商品の免税の種別(例えば、一般物品、消耗品、または非免税対象物品)を判定する。すなわち、判定部は、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、商品コード入力部によって入力された商品コードに関係付けられた免税種別情報を免税種別情報記憶部から読み出し、免税種別情報に基づいて商品コードに対応する商品の免税の種別を判定する。
【0027】
エラー情報出力部は、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合であって、判定部が読み出した免税種別情報が非免税対象物品を示す場合に、エラー情報を出力する。エラー情報の出力方法は、例えば、タッチパネル付表示部14への表示である。具体的に、エラー情報出力部は、タッチパネル付表示部14に、「この商品は、免税対象ではありません。」という内容のメッセージを表示させる。表示方法は、例えば、メッセージのポップアップ表示でもよい。また、エラー情報出力部は、エラー情報を、顧客用表示部16に表示させてもよい。また、エラー情報出力部は、エラー情報の内容を音声とした音声情報を、POSレジスタ3が具備するスピーカから出力させてもよい。
【0028】
ただし、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合であって、判定部が読み出した免税種別情報が免税対象物品(例えば、一般物品または消耗品)を示す場合に、前記の商品登録処理部は、免税種別情報に応じた免税ルールにしたがって商品登録を行う。例えば、商品登録処理部は、一般物品の同日における販売合計額が1万円を超える場合に、消費税額を免税するように商品を登録する。また、例えば、商品登録処理部は、消耗品の同日における販売合計額が5千円を超え、50万円までの範囲内である場合に、消費税額を免税するように商品を登録する。
【0029】
印刷制御部は、商品登録処理部が登録した商品の明細を、印字部19により紙媒体(例えば、レシート用紙)に印刷させる。商品の明細は、例えば、買上げ対象の商品ごとの、商品名、価格、数量、免税額、合計額を含む。商品の明細の具体例については、後述する。例えば、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、印刷制御部は、商品の明細を、購入記録票の貼付用明細書、購入者誓約書の貼付用明細書、および控えとして、印字部19によりそれぞれ紙媒体に印刷させる。
【0030】
なお、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、印刷制御部は、商品登録処理部が登録した商品の明細のうち、消耗品に該当する商品の明細および取引番号を、印字部19により紙媒体に印刷させてもよい。取引番号は、バーコードや二次元コードであってもよい。一取引では免税対象額に達していない場合でも、同日の同一店舗のおける複数回の取引により合算額が免税対象額に達する場合は、免税対象となる。例えば、1回目の取引で3500円(外税)の消耗品を購入した場合、この購入金額は免税対象額の範囲外であるため、免税とはならず、顧客は消費税も含めて3780円(8%消費税の場合)を支払う。その後、この同一顧客が同日に同一店舗にて2000円(外税)の消耗品を購入した場合、販売合計額が5500円(5千円を超える)となるため、販売合計額に対して免税となる。よって、この顧客は、販売合計額である5500円から既に支払った3780円を差し引いた1720円を支払えばよい。POSレジスタ3は、商品の明細を取引番号に関係付けてRAM13またはストアコントローラ4に記憶させるとともに、紙媒体に取引番号を印刷しておくことにより、取引番号に基づいて複数回にわたる取引から販売額を抽出することができる。よって、POSレジスタ3は、抽出した販売額を合算して得た額が免税額の範囲内(5千円を超え、50万円以下)に入ると判断した場合に、免税した会計処理を行う。
あるいは、同日の同一店舗における複数回の取引により合算額が免税対象額に達する場合の会計としては、以下のような処理によって行われてもよい。即ち、同日の同一店舗のおける複数回の取引のうち、免税対象額に達していないことで免税対象とならなかった取引については、「返品」、「訂正」、「取り消し」などにより一旦キャンセルされた状態とする。そのうえで、同日の同一店舗のおけるこれまでの各取引をまとめて会計するようにしてもよい。
なお、顧客の要求に応じて、所定のキーを押下することにより、印刷制御部は、後の合算精算の意思があることを示す文章またはマーキングを、消耗品に該当する商品の明細書と取引番号とともに、紙媒体に印刷させてもよい。
【0031】
また、印刷制御部は、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、商品登録処理部が登録した商品の明細のうち、消耗品に該当する商品のみの明細を、印字部19により紙媒体に印刷させてもよい。
【0032】
分割部は、判定部が読み出した免税種別情報が示す免税の種別に応じて商品の明細を分割する。例えば、分割部は、一般物品、消耗品、および非免税対象物品別に、商品の明細を分割する。または、例えば、分割部は、商品の種類(分類)ごとに、商品の明細を分割する。または、例えば、分割部は、商品登録順の所定数の商品ごとに、商品の明細を分割する。そして、印刷制御部は、分割部が分割した商品の各明細を、印字部19により、明細ごとの紙媒体に印刷させる。つまり、例えば、印字部19は、一般物品の明細と、消耗品の明細と、非免税対象物品の明細とを別々の紙媒体に印刷する。なお、各紙媒体に、頁数と総頁数とを、例えば、“頁数/総頁数”として印刷してもよい。
なお、分割部は、免税指定キーが操作されたことに応じて上記の処理を行うようにされてもよい、また、同日の同一店舗における複数の取引をまとめて会計した場合には、一般物品と消耗品とが混在する可能性がある。そこで、このような状況に対応して、POSレジスタ3について以下のように構成してもよい。つまり、POSレジスタ3が、まとめられた複数の取引のうちから消耗品を選別して免税対象額に達しているか否かについて判定したうえで、一般物品の明細と消耗品の明細とを個別に発行するようにしてもよい。この際、免税対象額に達しているとの判定が得られていれば、消耗品の明細には、免税を適用して会計された結果が示されるように印字が行われる。このような構成とすれば、例えば店員が一般物品と消耗品とを振り分けて、消耗品について免税対象額に達しているか否かをPOSレジスタ3に判定させる操作を行わなくともよくなり、利便性が向上する。
【0033】
なお、印刷制御部は、分割部が分割した商品の各明細を、印字部19により紙媒体に区分して印刷させてもよい。つまり、印字部19は、例えば、一般物品の明細と、消耗品の明細と、非免税対象物品の明細とを紙媒体上で区分して印刷する。区分の方法は、空欄や区分線でもよいし、広告情報や店舗情報等の情報でもよい。
【0034】
免税指定キーは、免税販売を指定するための、タッチパネル付表示部14に表示されるGUIキーである。例えば、免税指定キーは、オペレータが顧客から旅券の提示を受けた後の商取引の最初または登録途中において押下されるキーであってもよいし、買上げ対象の商品を登録する際に小計キーとして押下されるキーであってもよい。
【0035】
選択キーは、購入記録票、購入者誓約書、および控えの各帳票を選択するための、タッチパネル付表示部14に表示されるGUIキーである。免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、印刷制御部は、押下された選択キーに対応付けられた帳票のための商品の明細を、印字部19により紙媒体に印刷させる。
【0036】
領収書印刷キーは、領収書を印刷させるための、タッチパネル付表示部14に表示されるGUIキーである。免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合であって、領収書印刷キーが押下された場合に、印刷制御部は、商品の明細のうち、現計の金額、および消費税が“0円”であること(免税されたこと)を表した領収書を、印字部19により紙媒体に印刷させる。
【0037】
梱包リスト印刷キーは、梱包リストを印刷させるための、タッチパネル付表示部14に表示されるGUIキーである。免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合であって、梱包リスト印刷キーが押下された場合に、印刷制御部は、商品の明細または、明細のうち、品名および品名ごとの数量を示す情報を、梱包リストとして印字部19により紙媒体に印刷させる。
【0038】
追加印刷キーは、梱包リストを追加印刷させるための、タッチパネル付表示部14に表示されるGUIキーである。免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合であって、追加印刷キーが押下された場合に、印刷制御部は、商品の明細と頁数を表す頁数情報とを、追加梱包リストとして印字部19により紙媒体に印刷させる。
頁数情報は、例えば、“1”から始まる頁番号と総頁数とを、“頁番号/総頁数”として含む。印字制御部は、頁数情報を、例えば、紙媒体の下端部付近または上端部付近に印字部19により印字させる。なお、例えば、商品名の左側に“□”マークを印刷するようにしてもよい。これにより、梱包の内容物のチェックを行う場合に、“□”マークに印を記入して用いる等の利用が可能である。
【0039】
言語選択キーは、紙媒体に印字される言語を選択するための、タッチパネル付表示部14に表示されるGUIキーである。言語選択キーは、各言語のキー(例えば、日本語キー、英語キー、中国語キー、韓国語キー)をタッチパネル付表示部14に並べて表示させてもよいし、言語選択キーが押下(タップ)された場合に、各言語の選択キーをタッチパネル付表示部14の画面にポップアップ表示させてもよい。免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、印刷制御部は、消耗品に該当する商品の明細を、押下された言語選択キーに対応付けられた言語で、印字部19により紙媒体に印刷させる。または、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、印刷制御部は、商品の明細を、押下された言語選択キーに対応付けられた言語で、印字部19により紙媒体に印刷させる。なお、店舗の控え用として明細を印字させる場合は、印刷制御部は、商品の明細を、日本語で紙媒体に印刷させる。また、領収書印刷キーが押下された場合は、印刷制御部は、領収書を、押下された言語選択キーに対応付けられた言語で、印字部19により紙媒体に印刷させる。
【0040】
なお、免税指定受付部が、ICチップが埋め込まれた旅券の当該ICチップに記憶された情報を読み取り可能な読取り装置である場合、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けると、印刷制御部は、消耗品に該当する商品の明細を、免税指定受付部が旅券のICチップから読み取った国籍に対応する外国語によって、印字部19により紙媒体に印刷させてもよい。
【0041】
また、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、印刷制御部は、消耗品に該当する商品の明細を、外国語および日本語の併記によって、印字部19により紙媒体に印刷させてもよい。外国語および日本語の併記の方法は、例えば、2行にわたって併記してもよいし、日本語の後に外国語、または外国語の後に日本語を記載してもよい。
【0042】
集計レポートキーは、例えば、日締め等、締めた後の集計レポートを印刷させるための、タッチパネル付表示部14に表示されるGUIキーである。会計処理を締めた後、集計レポートキーが押下された場合、印刷制御部は、所定期間分(例えば、1日分)の商品の売上合計額、免税対象額、免税額等を含む集計レポートを、印字部19により紙媒体に印刷させる。
【0043】
図4は、ストアコントローラ4に格納される商品情報テーブルのデータ構成の例を示す図である。商品情報テーブルは、商品ごとの商品情報を含む。図4に示すように、商品情報は、例えば、商品コードと、商品名と、大分類と、中分類と、小分類と、税区分と、税率と、免税種類と、価格とを関係付けて含む。商品コードは、商品を識別する識別情報である。商品名は、商品の名称を表す情報である。大分類は、商品の最上位の分類(商品カテゴリ)を表す情報である。中分類は、商品の中位の分類を表す情報である。小分類は、商品の最下位の分類を表す情報である。税区分は、外税か内税かを表す情報である。税率は、消費税率を表す情報である。免税種類は、商品が、一般物品であるか、消耗品であるか、非免税対象物品であるかを表す情報である。価格は、商品の価格である。税区分が外税である場合、免税価格は、価格そのものであり、税区分が内税(例えば8%)である場合、免税価格は、価格を1.08で除算して得た価格(小数点以下は切り上げ)となる。
【0044】
図4の商品情報テーブルには、商品コードが“12345678”、商品名が“化粧品”、大分類が“生活用品”、中分類が“雑貨”、小分類が“化粧品”、税区分が“外”(外税)、税率が“8%”、免税種類が“消耗品”、価格が“5500”(5500円)である商品情報が含まれている。また、図4の商品情報テーブルには、商品コードが“34567890”、商品名が“ドレス”、大分類が“衣料品”、中分類が“婦人服”、小分類が“ドレス”、税区分が“外”(外税)、税率が“8%”、免税種類が“一般物品”、価格が“23000”(23000円)である商品情報が含まれている。
【0045】
なお、大分類、中分類、小分類は空欄(“null”ヌル)であってもよい。
また、商品情報テーブルには、商品名、大分類、中分類、および小分類の各項目について、日本語のほか、外国語の項目を含めてもよい。または、商品コードと、商品名と、大分類と、中分類と、小分類とを関係付けた言語ごとのテーブルを設けてもよい。この場合、商品コードをキーとして、所望の言語の商品名を読み出すことができる。
【0046】
図5は、POSレジスタ3のタッチパネル付表示部14の商品登録画面の表示の例を示す図である。図5の商品登録画面50は、5500円(8%内税)の商品“化粧品”を商品登録する際の画面である。免税指定キー(免税キー)51が押下されることにより、5500円の8%内税額である407円が免税欄に表示され、内税額を除く5093円が請求金額欄(不足欄)に表示される。
【0047】
また、商品登録画面50には、言語選択キーである英語キー52と、中国語キー53と、韓国語キー54とが表示される。英語キー52が押下されることにより、印字部19が印字する商品の明細書は英語表記となる。同様に、中国語キー53が押下されることにより、印字部19が印字する商品の明細書は中国語表記となる。同様に、韓国語キー54が押下されることにより、印字部19が印字する商品の明細書は韓国語表記となる。
【0048】
また、商品登録画面50には、明細書を再発行するための再発行キー55が表示される。免税取引後に、再発行キー55が押下されると、例えば、お客様控え用明細書、購入記録票の貼付用明細書、購入者誓約書の貼付用明細書、および貼付リスト用明細書が選択可能な選択画面が表示される。この選択画面において、所望の明細書が選択されることにより、POSレジスタ3は、印字部19によって選択された明細書を印刷させて再発行する。なお、再発行される明細書には、当該明細書が再発行されたものであることが分かる表記(例えば“再発行”)があってもよい。
【0049】
図6は、POSレジスタ3のタッチパネル付表示部14の商品返品画面の表示の例を示す図である。図6の商品返品画面60は、5500円(8%内税)の商品“化粧品”を返品登録する際の画面である。免税指定キー(免税キー)61が押下されることにより、-5500円の8%内税額である-407円が免税欄に表示され、内税額を除く-5093円が返金額欄(残額欄)に表示される。なお、マイナス符号は、返品による返金を表す。
また、商品返品画面60においても、再発行キー62が押下されることにより、明細書の再発行が可能である。
【0050】
図7は、印字部19が印刷する購入記録票の貼付用明細書の例を示す図である。図7(a)は内税の場合の例であり、図7(b)は外税の場合の例である。図7(a),(b)に示すように、購入記録票の貼付用明細書には、例えば“購入記録票(添付用)”というタイトルが印刷される。また、図7(a)の購入記録票の貼付用明細書には、商品名が“化粧品”、価格が5500円、単価が5500円、組み合わせ数が1個、小計が5500円、内税額が407円、買上点数が1点、合計が5500円、免税が407円、現計が5093円、お釣りが0円であることが印刷されている。また、図7(b)の購入記録票の貼付用明細書には、商品名が“化粧品”、価格が5500円、単価が5500円、組み合わせ数が1個、小計が5500円、課税対象が5500円、消費税が440円、買上点数が1点、合計が5940円、免税が440円、現計が5500円、お釣りが0円であることが印刷されている。なお、図7(a),(b)において、組み合わせ数が1個である場合は、単価および組み合わせ数の記載を省略してもよい。
【0051】
図8は、印字部19が印刷する購入者誓約書の貼付用明細書の例を示す図である。図8(a)は内税の場合の例であり、図8(b)は外税の場合の例である。図8(a),(b)に示すように、購入者誓約書の貼付用明細書には、例えば“購入者誓約書(添付用)”というタイトルが印刷される。また、図8(a)の購入者誓約書の貼付用明細書には、商品名が“化粧品”、価格が5500円、単価が5500円、組み合わせ数が1個、小計が5500円、内税額が407円、買上点数が1点、合計が5500円、免税が407円、現計が5093円、お釣りが0円であること、およびサインのための署名欄が印刷されている。また、図8(b)の購入者誓約書の貼付用明細書には、商品名が“化粧品”、価格が5500円、単価が5500円、組み合わせ数が1個、小計が5500円、課税対象が5500円、消費税が440円、買上点数が1点、合計が5940円、免税が440円、現計が5500円、お釣りが0円であること、およびサインのための署名欄が印刷されている。なお、図8(a),(b)において、組み合わせ数が1個である場合は、単価および組み合わせ数の記載を省略してもよい。
【0052】
図9は、印字部19が印刷するお客様控え用明細書(レシート)の例を示す図である。
図9(a)は内税の場合の例であり、図9(b)は外税の場合の例である。図9(a),(b)に示すように、お客様控え用明細書には、例えば“お客様控”というタイトルが印刷される。また、図9(a)のお客様控え用明細書には、商品名が“化粧品”、価格が5500円、単価が5500円、組み合わせ数が1個、小計が5500円、内税額が407円、買上点数が1点、合計が5500円、免税が407円、現計が5093円、お釣りが0円であることが印刷されている。また、図9(b)のお客様控え用明細書には、商品名が“化粧品”、価格が5500円、単価が5500円、組み合わせ数が1個、小計が5500円、課税対象が5500円、消費税が440円、買上点数が1点、合計が5940円、免税が440円、現計が5500円、お釣りが0円であることが印刷されている。なお、図9(a),(b)において、組み合わせ数が1個である場合は、単価および組み合わせ数の記載を省略してもよい。
【0053】
図10は、印字部19が印刷する購入記録票の英語の貼付用明細書の例を示す図である。図10(a)は内税の場合の例であり、図10(b)は外税の場合の例である。図10(a),(b)に示すように、購入記録票の英語の貼付用明細書には、例えば“Record of Purchase Card”(購入記録票)というタイトルが印刷される。また、図10(a)の購入記録票の英語の貼付用明細書には、商品名が“Cosmetics”、価格が5500円、単価が5500円、組み合わせ数が1個、小計(Subtotal)が5500円、内税(Tax included)が407円、買上点数(Number of Item)が1点、合計(Total)が5500円、免税(Tax-Exempt)が407円、現計(Amount Paid)が5093円、お釣り(Change)が0円であることが印刷されている。また、図10(b)の購入記録票の英語の貼付用明細書には、商品名が“Cosmetics”、価格が5500円、単価が5500円、組み合わせ数が1個、小計(Subtotal)が5500円、課税対象(Taxable)が5500円、消費税(Tax)が440円、買上点数(Number of Item)が1点、合計(Total)が5940円、免税(Tax-Exempt)が440円、現計(Amount Paid)が5500円、お釣り(Change)が0円であることが印刷されている。
なお、図10(a),(b)において、組み合わせ数が1個である場合は、単価および組み合わせ数の記載を省略してもよい。
【0054】
図11は、印字部19が印刷する購入者誓約書の英語の貼付用明細書の例を示す図である。図11(a)は内税の場合の例であり、図11(b)は外税の場合の例である。図11(a),(b)に示すように、購入者誓約書の英語の貼付用明細書には、例えば“Covenant of Purchaser”(購入者誓約書)というタイトルが印刷される。また、図11(a)の購入者誓約書の英語の貼付用明細書には、商品名が“Cosmetics”、価格が5500円、単価が5500円、組み合わせ数が1個、小計(Subtotal)が5500円、内税(Tax included)が407円、買上点数(Number of Item)が1点、合計(Total)が5500円、免税(Tax-Exempt)が407円、現計(Amount Paid)が5093円、お釣り(Change)が0円であることが印刷されている。また、図11(b)の購入者誓約書の英語の貼付用明細書には、商品名が“Cosmetics”、価格が5500円、単価が5500円、組み合わせ数が1個、小計(Subtotal)が5500円、課税対象(Taxable)が5500円、消費税(Tax)が440円、買上点数(Number of Item)が1点、合計(Total)が5940円、免税(Tax-Exempt)が440円、現計(Amount Paid)が5500円、お釣り(Change)が0円であることが印刷されている。なお、図11(a),(b)において、組み合わせ数が1個である場合は、単価および組み合わせ数の記載を省略してもよい。
【0055】
図12は、印字部19が印刷する英語のお客様控え用明細書の例を示す図である。図12(a)は内税の場合の例であり、図12(b)は外税の場合の例である。図12(a),(b)に示すように、英語のお客様控え用明細書には、例えば“Customer's Copy”(お客様控)というタイトルが印刷される。また、図12(a)の英語のお客様控え用明細書には、商品名が“Cosmetics”、価格が5500円、単価が5500円、組み合わせ数が1個、小計(Subtotal)が5500円、内税(Tax included)が407円、買上点数(Number of Item)が1点、合計(Total)が5500円、免税(Tax-Exempt)が407円、現計(Amount Paid)が5093円、お釣り(Change)が0円であることが印刷されている。また、図12(b)の英語のお客様控え用明細書には、商品名が“Cosmetics”、価格が5500円、単価が5500円、組み合わせ数が1個、小計(Subtotal)が5500円、課税対象(Taxable)が5500円、消費税(Tax)が440円、買上点数(Number of Item)が1点、合計(Total)が5940円、免税(Tax-Exempt)が440円、現計(Amount Paid)が5500円、お釣り(Change)が0円であることが印刷されている。なお、図12(a),(b)において、組み合わせ数が1個である場合は、単価および組み合わせ数の記載を省略してもよい。
【0056】
図13は、印字部19が印刷する梱包リスト用明細書の例を示す図である。図13(a)は内税の場合の例であり、図13(b)は外税の場合の例である。図13(a),(b)に示すように、梱包リスト用明細書には、例えば“梱包リスト”というタイトルが印刷される。また、図13(a)の梱包リスト用明細書には、商品名が“化粧品”および“Cosmetics”(併記)、価格が5500円、単価が5500円、組み合わせ数が1個、小計が5500円、内税額が407円、買上点数が1点、合計が5500円、免税が407円、現計が5093円、お釣りが0円であることが印刷されている。そして、商品名の左側には、□マークのチェック欄(筆記具によるチェック欄)が印刷されている。また、図13(b)の梱包リスト用明細書には、商品名が“化粧品”および“Cosmetics”(併記)、価格が5500円、単価が5500円、組み合わせ数が1個、小計が5500円、課税対象が5500円、消費税が440円、買上点数が1点、合計が5940円、免税が440円、現計が5500円、お釣りが0円であることが印刷されている。そして、商品名の左側には、□マークのチェック欄(筆記具によるチェック欄)が印刷されている。
なお、梱包リストには、内容物の品名および品名ごとの数量が記載されていればよいため、図13(a),(b)において梱包リスト用明細書の小計以下の欄を省略してもよい。また、図13(a),(b)において、組み合わせ数が1個である場合は、単価および組み合わせ数の記載を省略してもよい。
【0057】
図14は、印字部19が印刷する領収書の例を示す図である。図14の領収書には、現計の金額が5093円、消費税額が0円(免税されていることを示す。)であることが印刷されている。
【0058】
図15は、印字部19が印刷する集計レポートの例を示す図である。図15は、客数が“2”、点数が“2”、総売上が“10593円”についての集計レポートの例である。
図15に示すように、免税販売を行った場合の集計レポートには、符号70で示された枠内にあるように、免税対象額“10593”(10593円)と、免税額“847”(847円)とが記載される。
【0059】
次に、POSレジスタ3の動作について説明する。
図16および図17は、POSレジスタ3の処理手順の例を示すフローチャートである。CPU11がROM12に記憶されたプログラムを読み込んで実行し、免税モード設定キーが押下されることにより、POSレジスタ3は免税処理モードに設定され、本フローチャートによる処理が実行される。
【0060】
制御部は、キー操作部15のキーの押下、またはスキャナ部18によるバーコードのスキャンが行われるまで待機している。スキャナ部18によって買上げ対象の商品に対応付けられたバーコードのスキャンが行われた場合(ステップS1:スキャン)はステップS2の処理に移し、キー操作部15のキーが押下された場合(ステップS1:キー)はステップS5の処理に移す。
【0061】
ステップS2において、制御部は、バーコードを読み取ったスキャナ部18が供給する商品コードを取り込む。
次に、ステップS3において、制御部は、商品コードをキーとして、ストアコンピュータから予め取得した商品情報テーブルを検索し、商品コードに対する商品情報(商品名、大分類、中分類、小分類、税区分、税率、免税種類、価格等)を抽出する。
次に、ステップS4において、制御部は、商品情報のうち購入情報(例えば、商品名、税区分、税率、価格等)をタッチパネル付表示部14に表示させる。なお、制御部は、購入情報を顧客用表示部16にも表示させてもよい。次に、制御部は、ステップS1の処理に戻す。
【0062】
一方、ステップS5において、制御部は、キー操作部15から操作情報を取得し、この操作情報に基づき、数字キーが押下されたと判定した場合(ステップS5:YES)はステップS6の処理に移し、数字キー以外のキーが押下されたと判定した場合(ステップS5:NO)はステップS7の処理に移す。
【0063】
ステップS6において、制御部は、操作情報(数の情報)により数量を取得し、この数量をタッチパネル付表示部14に表示させる。なお、制御部は、数量を顧客用表示部16に表示させてもよい。次に、ステップS1の処理に戻す。
【0064】
ステップS7において、制御部は、操作情報に基づき、免税指定キー(免税キー)が押下されたと判定した場合(ステップS7:YES)はステップS8の処理に移し、免税指定キー以外のキーが押下されたと判定した場合(ステップS7:NO)はステップS1の処理に戻す。
【0065】
ステップS8において、制御部は、会計情報を顧客用表示部16に表示させる。
次に、ステップS9において、制御部は、紙幣および硬貨またはいずれかが自動釣銭機17に投入されるまで待機する(ステップS9:NO)。
【0066】
ステップS10において、紙幣および硬貨またはいずれかが自動釣銭機17に投入されると、制御部は、会計開始画面をタッチパネル付表示部14に表示させて会計キーが押下されるまで待機する(ステップS10:NO)。ステップS1からステップS10:NOまでの処理が、商品登録処理である。
【0067】
オペレータによって会計キーが押下されると(ステップS10:YES)、ステップS11において、制御部は、会計処理の実行を開始する。なお、この会計キーを免税指定キーとしてもよい。
【0068】
次に、ステップS12において、預かり金額と合計金額とに差額がある場合(ステップS12:YES)はステップS13の処理に移し、差額がない場合(ステップS12:NO)はステップS14の処理に移す。
【0069】
ステップS13において、制御部は、差額分の紙幣および硬貨またはいずれかを自動釣銭機17に排出する。自動釣銭機17は、紙幣排出口および硬貨排出口から紙幣および硬貨が取り去られたか否かをセンサにより検出し、検出結果を制御部に通知する。制御部は、紙幣および硬貨が取り去られたとの検出結果にしたがってステップS14の処理に移す。
【0070】
次に、ステップS14において、印刷制御部は、商品の明細を、購入記録票の貼付用明細書、購入者誓約書の貼付用明細書、および控えとして、印字部19によりそれぞれ紙媒体に印刷させ、この印刷後の紙媒体を排出口から出力する。ステップS10:YESからステップS14までの処理が、会計処理である。
【0071】
なお、図16および図17のフローチャートは、数量を示す数字キーを押下してバーコードをスキャンする操作にしたがう処理の流れを示したが、例えば、数字キーの押下によって割引や値引きの置数を行った後、所定のプリセットキー(「×」、「%」、「円引き」)の押下によって割引や値引きを指定するようにしてもよい。
【0072】
[第2実施形態]
図18は、本発明の第2実施形態であるPOSレジスタの電気的な構成を示すブロック図である。図18に示すブロック図は、上述した実施形態における図3のブロック図に対して、通信部20にラベルプリンタ40(印刷部)が追加されたものである。ラベルプリンタ40は、台紙付ラベルに印刷するプリンタでもよいし、台紙レスラベル(ロール式ラベル紙)に印刷するプリンタでもよい。ラベルは、紙媒体である。ラベルプリンタ40が用いるラベルは、貼付後の引き剥がしが容易なように、弱粘着タイプであることが好ましい。免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、印刷制御部は、商品登録処理部が登録した商品の明細のうち、消耗品に該当する商品の明細を、ラベルプリンタ40によりラベルに印刷させる。または、印刷制御部は、印字部19に印刷する内容を、ラベルプリンタ40によりラベルに印刷させてもよい。
【0073】
POSレジスタは、レシートの印刷部である印字部19とラベルの印刷部であるラベルプリンタ40とのうちいずれかを選択する選択部を有してもよい。この場合、印刷制御部は、選択部で選択された印刷部(印字部19またはラベルプリンタ40)により、消耗品に該当する商品の明細を印刷させる。これにより、例えば、購入記録票の貼付用明細書や梱包リスト用明細書をラベルで印刷し、購入者誓約書の貼付用明細書やお客様控え用明細書をレシートで印刷することができる。
また、一般的なプリンタ(例えば、レーザプリンタ、インクジェットプリンタ)をPOSレジスタに接続し、POSレジスタが、商品名や数量とを含む取引データをもとに、購入記録票や購入者誓約書の印字フォーマットにデータを埋め込んで印刷してもよい。また、選択部は、印刷形態がそれぞれ異なる、レシートの印刷部である印字部19と、ラベルプリンタ40と、上記の一般的なプリンタとを、帳票の種類に応じて選択できるようにしてもよい。また、POSレジスタをコンピュータ装置に接続し、POSレジスタが、コンピュータ装置を介して印刷を行ってもよい。
【0074】
なお、購入記録票は旅券に貼付されるものであるため、購入記録票の貼付用明細書としてのラベルは、旅券の見開きの大きさよりも小さい大きさとするのがよい。また、購入者誓約書は店舗に少なくとも7年間保管される帳票であるため、上記の一般的なプリンタを用いて印刷するのが好ましい。梱包リストは、長期間の保存の義務があるわけではない(長くても購入から30日間程度)ため、感熱タイプのレシートを用いるプリンタやラベルプリンタで印刷するのがよく、特に、ラベルプリンタを用いるのが好ましい。
【0075】
上述した実施形態は、商品登録処理部および会計処理部を備えたPOSレジスタであったが、実施形態は、商品登録処理部と会計処理部とが分離したPOSシステムにも適用できる。このPOSシステムは、商品登録処理部の機能を実現する商品登録装置と、会計処理部の機能を実現する精算装置とを含む。このPOSシステムにおいて、商品登録装置は、登録された商品の情報(商品販売データ)を直接、またはストアコントローラ4を介して精算装置に送信する。商品販売データを受信した精算装置は、会計処理を実行するとともに、各種帳票(購入記録票の貼付用明細書、購入者誓約書の貼付用明細書、控え、梱包リスト等)を印刷する。
【0076】
または、商品登録装置が商品販売データを記録した二次元コードを印刷した会計用レシートを発行し、この会計用レシートの二次元コードを精算装置で読み取らせることによって、精算装置が商品販売データを取得し、会計処理を実行するとともに、各種帳票を印刷してもよい。
【0077】
なお、印刷制御部は、購入記録票の貼付用明細書ではなく、購入記録票そのものを印字部19により印刷させてもよい。具体的に、購入記録票の印刷内容は、商品の明細書の他、以下の(1)~(5)の項目の記載欄を含む。
(1)購入者の氏名、国籍、生年月日、在留資格、および上陸年月日の記載欄
(2)購入者の所持する旅券等の種類および番号の記載欄
(3)輸出物品販売場を経営する事業者の氏名または名称の記載欄
(4)輸出物品販売場を経営する事業者の納税地および所轄税務署名、輸出物品販売場の所在地の記載欄
(5)購入年月日の記載欄
【0078】
また、印刷制御部は、購入者誓約書の貼付用明細書ではなく、購入者誓約書そのものを印字部19により印刷させてもよい。具体的に、購入者誓約書の印刷内容は、商品の明細書の他、以下の(1)~(5)の項目の記載欄を含む。
(1)購入者の氏名、国籍、生年月日、在留資格、および上陸年月日の記載欄
(2)購入者の所持する旅券等の種類および番号の記載欄
(3)輸出物品販売場を経営する事業者の氏名または名称の記載欄
(4)購入年月日の記載欄
(5)購入後において輸出することを誓約する旨(消耗品の場合、購入した日から30日以内に輸出することを誓約する旨)および購入者の署名の記載欄
【0079】
なお、免税指定受付部が、ICチップ(集積回路)が埋め込まれた旅券の当該ICチップに記憶された情報を読み取り可能な読取り装置である場合、顧客の旅券のICチップを免税指定受付部に読み取らせることによって、印刷制御部は、ICチップから読み取られた顧客の氏名、国籍、生年月日、旅券番号等の情報を、購入記録票や購入者誓約書に印字させてもよい。
【0080】
[第3実施形態]
続いて第3実施形態について説明する。
一回の商取引について免税対象であることが指定されたのであるが、例えば顧客(非居住者)の勘違いなどで、小計キーに対する操作(小計操作)に応じてPOSレジスタ3が算出した登録商品についての小計金額が下限免税対象額に到達していなかったという状況となる可能性がある。ここで、下限免税対象額とは、免税対象になるものとして定められた購入金額の範囲における最小額である。具体的に、一般物品の下限免税対象額は10001円であり、消耗品の下限免税対象額は5001円である。
【0081】
小計金額が下限免税対象額未満である場合には、一部のケース(後述する)を除いて、その商取引について免税対象とすることができない。ただし、上記の一部のケースの場合においても、同じ日に同じ店舗で既に免税適用を受けた買い物を顧客が行っていることを顧客が証明する必要がある。このために、小計金額が下限免税対象額未満であるのにかかわらず、免税対象であることが指定されていることにより、POSレジスタ3が無条件で免税対応の会計を行ってしまうことは避けられるようにしなければならない。
【0082】
そこで、本実施形態においては、免税対象として指定された商取引において、小計操作に応じて求められた小計金額が下限免税対象額に満たない場合には、小計金額が下限免税対象額に満たないことを報知するように構成される。具体的には、POSレジスタ3のタッチパネル付表示部14において、小計金額が下限免税対象額に満たないことを報知するエラー画面(免税対象額不足通知画面)が表示される。
【0083】
図19は、免税対象額不足通知画面の態様例を示している。同図の免税対象額不足通知画面は、商品登録画面に対して重畳して配置されるダイアログボックスDLB1として表示される。同図のダイアログボックスDLB1は、小計操作が行われ、この際の小計金額が下限免税対象額に満たなかった場合に表示される。
免税対象額不足通知画面としてのダイアログボックスDLB1においては、小計金額が下限免税対象額未満であることを店員に通知するメッセージが表示される。同図では「免税額に達していません」とのメッセージが表示された例が示されている。
【0084】
また、ダイアログボックスDLB1においては、商品追加ボタンBT1、免税無効ボタンBT2および免税有効ボタンBT3が配置されている。これらのボタンは、小計金額が下限免税対象額未満であった場合に応じた会計方法を選択するためのボタンである。
小計金額が下限免税対象額未満であった場合の会計方法としては、3つの選択肢がある。まず、1つの会計方法は、「商品追加」である。「商品追加」の会計方法の場合、POSレジスタ3は、最後に行われた小計操作を取り消して商品登録が可能なモードに戻すことで、買上対象として登録する商品を追加できるようにする。「商品追加」の会計方法は、商品追加ボタンBT1を操作することによって選択される。
もう1つの会計方法は、「免税無効」である。「免税無効」の会計方法の場合、POSレジスタ3は、今回の取引について先に行われた免税対象としての指定を解除(無効化)し、免税を行うことなく規定の税率を適用した通常の小計金額を算出しなおしたうえで、会計を行う。「免税無効」の会計方法は、免税無効ボタンBT2を操作することによって選択される。
もう1つの会計方法は、「免税有効」である。POSレジスタ3が配置された店で、今回の商取引を行った顧客が、当日において既に下限免税対象額以上の商取引を行って免税を受けている場合がある。この場合、今回の商取引における小計金額が下限免税対象額であっても、当日における買上金額としては、既に下限免税対象額以上となっている。この場合、例えば顧客が、当日において既に下限免税対象額以上の買い物を行ったことを証明するレシート(お客様控)や領収書などを店員に提示すれば、今回の商取引については、小計金額が下限免税対象額未満であっても免税対象となる。この場合、POSレジスタ3は、「免税有効」の会計方法として、今回の小計操作に応じて、免税を適用して求められた小計金額に応じた会計を行う。「免税有効」の会計方法は、免税有効ボタンBT3を操作することによって選択される。
【0085】
上記のように、1回の商取引について免税対象であることが指定された場合において、当該商取引において小計操作が行われたことに応じて求められた小計金額が下限免税対象額未満であった場合には、免税対象額不足通知画面が表示される。免税対象額不足通知画面が表示されることで、店員は、小計金額が下限免税対象額未満であることを把握できる。これにより、小計金額が下限免税対象額未満である状態のまま免税が適用された会計が行われてしまうことが防がれる。特に、免税対象額不足通知画面を表示させることによっては、所定の操作が行われなければ他の画面には移行できないようにすることができるので、店員が気付くことなく免税が適用された会計が行われてしまうことは確実に避けられる。
具体的に、免税対象額不足通知画面においては、小計金額が下限免税対象額未満であった場合に対応し得る会計方法を選択可能なようにされている。これにより、顧客の意思や、同じ店舗における前回までの買い物の実績に応じて、迅速に適切な対応を図ることができる。
【0086】
図20のフローチャートを参照して、本実施形態のPOSレジスタ3が実行する処理手順例について説明する。なお、同図の説明にあたっては、商取引を免税対象として指定する操作と小計操作とが分けられている場合を例に挙げる。つまり、本実施形態においては、商取引を免税対象として指定する操作(免税宣言操作)が行われる免税指定キーと、小計操作を行う小計キーとがそれぞれ個別に設けられている。そのうえで、免税指定キーは、1回の商取引の最初、または商品登録が開始されてから小計キーが操作されるまでの間において操作される。従って、1商取引は、免税指定キーに対する操作または1回目の商品登録のための操作(商品登録操作)に応じて開始される。そして、商品登録を終えて小計を求めるときには、免税指定キーと異なる小計キーが操作されるものである。
【0087】
ステップS101:POSレジスタ3は、商品登録操作が行われたか否かについて判定する。
ステップS102:ステップS101により商品登録操作の行われたことが判定されると、POSレジスタ3は、商品登録処理を行う。この際、POSレジスタ3は、登録された商品について、通常に税率を適用して会計に関する処理を行うモード(通常モード)に対応する商品データと、免税を適用して会計に関する処理を行うモード(免税処理モード)に対応する商品データとをバッファに保持させる。また、免税処理モードが設定されたうえで商品登録が行われた場合には、商品登録画面に表示される商品登録内容として免税を適用した商品の単価が示される。一方、免税処理モードが設定されない通常モードのもとで商品登録が行われた場合には、商品登録画面に表示される商品登録内容として規定の税率が適用された商品の単価が示される。
ステップS103:ステップS101にて商品登録操作が行われなかったことが判定された場合、あるいはステップS102の処理の後、POSレジスタ3は、免税宣言操作が行われたか否かについて判定する。免税宣言操作は、通常モードが設定されている状態での免税指定キーに対する操作である。
ステップS104:ステップS103により免税宣言操作が行われたことが判定された場合、POSレジスタ3は免税処理モードを設定する。
【0088】
ステップS105:ステップS103により免税宣言操作が行われなかったことが判定された場合、あるいはステップS104の処理の後、POSレジスタ3は、小計操作が行われたか否かについて判定する。
小計操作が行われないことが判定された場合にはステップS101に処理が戻される。
なお、商取引が開始されていない段階、即ち、1回目の商品登録操作と免税宣言操作とのいずれもが行われていない段階において小計キーに対する操作が行われたとしても、この際の小計キーに対する操作は小計操作としては無効であるとして扱われ、ステップS101に処理が戻される。
【0089】
ステップS106:ステップS105により小計操作が行われたことが判定された場合、POSレジスタ3は、現在において免税処理モードが設定されているか否かについて判定する。
ステップS107:免税処理モードが設定されてないことが判定された場合、POSレジスタ3は、通常モードに対応する小計金額を算出する。つまり、POSレジスタ3は、これまでの商品登録処理によってバッファに保持された商品ごとの商品データのうち、通常モードの会計に対応する商品データを利用して小計金額を算出する。このように算出される小計金額は、規定の税率が適用された金額となる。
ステップS108:次に、POSレジスタ3は、ステップS107により算出された通常モード対応の小計金額が示される小計画面を表示する。
ステップS109:次に、POSレジスタ3は、通常モードに対応した会計処理を実行する。ステップS109の会計処理において、POSレジスタ3は、規定の税率が適用された小計金額に対応する会計結果が示されたレシート(お客様控え用明細書)を発行する。この場合、購入記録票の貼付用明細書、購入者誓約書の貼付用明細書および梱包リスト用明細書については発行されない。
【0090】
ステップS110:ステップS106にて免税処理モードであることが判定された場合、POSレジスタ3は免税処理モード対応の小計金額を算出する。つまり、POSレジスタ3は、これまでの商品登録処理によってバッファに保持された商品ごとの商品データのうち、免税処理モードに対応する商品データを利用して小計金額を算出する。このように算出される小計金額は、税率が適用されていない金額となる。
ステップS111:次にPOSレジスタ3は、ステップS110により算出された小計金額が下限免税対象額以上であるか否かについて判定する(ステップS111)。
ステップS112:算出された小計金額が下限免税対象額未満であった場合、POSレジスタ3は、図19に例示したように免税対象額不足通知画面をタッチパネル付表示部14に表示させる。
【0091】
ステップS113:図19にて説明したように、免税対象額不足通知画面が表示されると、店員は、顧客から確認をとったうえで適切な会計方法を選択すると、商品追加ボタンBT1、免税無効ボタンBT2および免税有効ボタンBT3のうちから、選択した会計方法に対応するボタンを操作する。つまり、店員は会計方法を指定する操作を行う。
そこで、POSレジスタ3は、商品追加ボタンBT1、免税無効ボタンBT2および免税有効ボタンBT3のいずれかが操作されたことに応じて、選択された会計方法が「商品追加」と「免税無効」と「免税有効」とのうちのいずれであるのかについて判定する。
ステップS113にて選択された会計方法が「商品追加」であることが判定された場合、ステップS101に処理が戻される。これにより、免税処理モードが維持されたうえで、商品登録が可能な状態となる。
【0092】
ステップS114:選択された会計方法が「免税無効」であることがステップS113により判定された場合、POSレジスタ3は、先のステップS104により設定した免税処理モードを解除する。そのうえで、ステップS107~S109の処理を実行する。つまり、この場合のPOSレジスタ3は、改めて通常モードに対応する小計金額を算出したうえで会計処理を行う。
【0093】
ステップS115:小計金額が下限免税対象額以上であることがステップS111により判定された場合、あるいはステップS113にて「免税有効」の会計方法が選択された場合、POSレジスタ3は以下の処理を行う。つまり、POSレジスタ3は、ステップS110により算出された免税処理モード対応の小計金額が示される小計画面を表示する。
ステップS116:次に、POSレジスタ3は、免税処理モードに対応した会計処理を実行する。ステップS116の会計処理において、POSレジスタ3は、免税が適用された小計金額に対応する会計結果が示されたレシート(お客様控え用明細書)、購入記録票の貼付用明細書、購入者誓約書の貼付用明細書および梱包リスト用明細書などを発行する。
【0094】
なお、同図においては省略したが、商品登録が開始されてから小計キーが操作されるまでの間において、免税処理モードを解除する操作に応じて、POSレジスタ3が免税処理モードを解除するようにしてもよい。
【0095】
[第4実施形態]
続いて、第4実施形態について説明する。先に図7図8図10図11および図13に示したように、購入記録票の貼付用明細書、購入者誓約書の貼付用明細書および梱包リスト用明細書においては、税率と、免税により価格から差し引かれる金額(免税額)とが印刷(印字)されていた。更に、釣銭の金額などについても印刷されていた。
ここで、購入記録票の貼付用明細書と梱包リスト用明細書は、税関にて職員が梱包された商品の内容を確認し、例えば免税適用が取り消されるべき場合には、税額を不足分として徴収するのに用いられる。この点で、購入記録票の貼付用明細書と梱包リスト用明細書とにおいて必要な情報は、商品ごとの税率適用後の価格(少なくとも単価)と個数である。このような観点からすると、例えば、図7などのように、合計金額または小計金額として税率適用価格を示したうえで、税率と免税額とを示し、税率適用価格から免税額を減算した価格を現計として示す様式は冗長であって、かえって紛らわしく見づらくなる場合もある。
また、店舗が保管する購入者誓約書の貼付用明細書は、店舗にて帳簿に記入する際に用いられるが、この際には、免税が適用された金額を記入することが行われる。この場合にも、税率、免税額、釣銭などの情報は記入する必要がないことから不要であり、これらの情報が印刷されていることで、免税が適用された金額を即座に認識しにくくなる可能性がある。
このような観点からすれば、税率適用価格、税率、免税額を示したうえで現計として免税適用価格を示すという様式は、購入記録票の貼付用明細書、購入者誓約書の貼付用明細書および梱包リスト用明細書には不向きであるとの考え方をとることができる。
そこで、本実施形態におけるPOSレジスタ3は、購入記録票の貼付用明細書、購入者誓約書の貼付用明細書および梱包リスト用明細書について、以下のような様式で印刷を行うように構成される。
【0096】
図21は、本実施形態における購入記録票の貼付用明細書の一例を示している。同図に示される購入記録票の貼付用明細書の内容は、商品1、商品2および商品3が購入された場合に対応する。
商品1については、免税適用による単価(即ち、税率が適用されてない本体価格)が1,019円であり、5個が購入されたことに応じて、免税適用による合計価格が5,095円であることが示されている。ここで、5,095円の金額には「免」の文字が付加されていることで、免税適用による合計価格であることが示されている。
同様に、商品2については、免税適用による単価が1,112円であり、1個が購入されたことに応じて免税適用による合計価格も同じ1,112円であることが示されている。
同様に、商品3については、免税適用による単価が463円であり、1個が購入されたことに応じて免税適用による合計価格も同463円であることが示されている。
また、各商品の会計内容の欄の下において会計の集計的な内容を示す集計欄においては、小計金額と買上点数が示されているが釣銭については示されていない。なお、釣銭のほか、例えば顧客が支払いのために店員に渡した預け入れ金額など、精算に関する内容も印字が省略されている。
このように、本実施形態の購入記録票の貼付用明細書においては、商品ごとの購入数と免税適用後の価格(単価及び合計金額)とについては示されているが、税率、免税額および精算に関する内容については省略されている。
【0097】
図22は、本実施形態における購入者誓約書の貼付用明細書の一例を示している。同図は、図21と同様に商品1、商品2および商品3が購入された場合に対応する。同図に示されるように、購入者誓約書の貼付用明細書においても、図21と同様の様式により、商品ごとの購入数と免税適用後の価格(単価及び合計金額)とについては示されているが、税率、免税額および精算に関する内容が省略される。
【0098】
図23は、本実施形態における梱包リスト用明細書の一例を示している。同図は、図21と同様に商品1、商品2および商品3が購入された場合に対応する。同図のように、梱包リスト用明細書においても、図21と同様の様式により、商品ごとの購入数と免税適用後の価格(単価及び合計金額)とについては示されているが、税率、免税額および精算に関する内容が省略される。
【0099】
また、本実施形態においては、レシート(お客様控え用明細書)についても、図24に示すように、図21と同様の様式により税率、免税額に関する内容が省略されてもよい。
ただし、レシートに関しては、顧客が自分の買い物についての会計内容を確認するためのものであるため、預かり金や釣銭などの情報は省略されることなく印刷されている。
また、上記のように顧客の会計内容の確認に用いられるものであることを考慮すれば、レシートに関しては、購入記録票の貼付用明細書、購入者誓約書の貼付用明細書および梱包リスト用明細書とは異なり、税率、免税額についても印刷されるようにしてよい。
【0100】
次に、第4実施形態の変形例について説明する。
非居住者への商品の販売にあたり、免税に加えて、更に店舗独自のサービスとしてクーポンなどの提示に応じた割引きをすることも考えられる。このように免税と割引きとを併用した会計が行われた場合に応じてPOSレジスタ3が発行する購入記録票の貼付用明細書の一例を図25(a)に示す。
【0101】
図25(a)の購入記録票の貼付用明細書には、お土産品1、お土産品2およびお土産品3の3つの商品が購入された場合に対応する。同図には、まず、お土産品1について、免税適用による単価が1,019円であり、購入数が5個であることと、5個のお土産品1についての免税適用による合計金額が5,095円であることが示されている。つまり、同図の例においても、図21と同様に、税率および免税額などの印刷が省略されている。
そのうえで、お土産品1については、1個あたり20%の割引きが行われることに応じて、割引率が20%であることと、免税適用による合計金額である5,095円の20%である1,020円の割引き額を減額することが示されている。
また、お土産品2ついては、免税適用による単価が1,112円であり、1個が購入されたことに応じて免税適用による合計価格も同じ1,112円であることが示されている。
同様に、お土産品3については、免税適用による単価が463円であり、1個が購入されたことに応じて免税適用による合計価格も同463円であることが示されている。
なお、同図の購入記録票の貼付用明細書についても、図21と同様に、集計欄においては、小計金額と買上点数は示されているが、釣銭などの精算に関する内容の印刷は省略されている。
【0102】
ここで、前述のように、購入記録票の貼付用明細書に必要な情報としては、商品ごとの商品名、購入個数、価格であることを考慮すると、図25(a)の購入記録票の貼付用明細書のお土産1において示されるような、税率適用の合計価格に対して、割引き率と割引額とを示す様式も冗長であるとの考えをとることもできる。そこで、購入記録票の貼付用明細書について、割引き率と割引額との印刷を省略し、税率適用と割引きとのいずれもが反映された単価および合計金額とが示されるようにした様式としてもよい。
【0103】
図25(b)は、図25(a)の購入記録票の貼付用明細書について、上記のように割引き率と割引額との印刷を省略した様式とした例を示している。
同図と図25(a)とを比較して分かるように、お土産品1については、購入数が5個であることが示されるとともに、免税を適用し、かつ20%の割引きも適用した後の単価が815円であることが示される。そして、5個のお土産品1の合計金額としては、免税を適用し、かつ20%の割引きも適用した後の4,075円(=815円×5個)が示される。
【0104】
なお、本実施形態においては、図25(a)の様式と図25(b)の様式とのいずれが採用されてもよい。また、図示は省略するが、本実施形態においては、購入者誓約書の貼付用明細書と梱包リスト用明細書とについても、図25(a)と図25(b)のいずれかと同様の様式とされればよい。更には、レシートについても、図25(a)と図25(b)のいずれかと同様の様式とされてよい。
【0105】
また、非居住者への商品の販売にあたり、免税に加えて、更に店舗独自のサービスとして、同一商品について規定の複数個をまとめ買いした場合に、まとめ買いした個数の商品を対象として値引き(組み合わせ値引き)をすることも考えられる。このように免税と組み合わせ値引きとを併用した会計が行われた場合に応じてPOSレジスタ3が発行する購入記録票の貼付用明細書の一例を図26(a)に示す。
【0106】
図26(a)の購入記録票の貼付用明細書には、お土産品1、お土産品2およびお土産品3の3つの商品が購入された場合に対応する。同図では、お土産品1について免税適用お及び組み合わせ値引きが行われた例が示されている。この場合の組み合わせ値引きは、お土産品1を3個まとめて購入すると、3個に対して300円を値引きするというものである。
同図では、お土産品1について、免税適用による単価が1,019円であり、購入数が5個であることと、5個のお土産品1についての免税適用による合計金額が5,095円であることが示されている。そのうえで、5個のうちの3個が組み合わせ値引きの対象となることに応じて、300円の組み合わせ値引き額が合計金額から減算されることが示されている。
お土産品2、お土産品3ごとの会計内容と集計欄の内容については、図25(a)と同様である。
【0107】
また、この場合にも、購入記録票の貼付用明細書に必要な情報としては、商品ごとの商品名、購入個数、価格であることを考慮すると、図26(a)のように税率適用の合計価格に対して、組み合わせ値引き額を示す様式も冗長であるとの考えをとることもできる。
そこで、購入記録票の貼付用明細書について、図20(a)から組み合わせ値引き額を省略し、税率適用と組み合わせ値引き額とのいずれもが反映された単価および合計金額とが示されるようにした様式としてもよい。
【0108】
図26(b)は、図26(a)の購入記録票の貼付用明細書について、上記のように組み合わせ値引き額を省略した様式とした例を示している。
同図と図26(a)とを比較して分かるように、お土産品1に関して、5個の購入数のうちの2個については、免税は適用されるが組み合わせ値引きの適用されない1,019円の単価であることが示される。また、5個の購入数のうちの3個については、免税適用と組み合わせ値引きの適用とが併用されたことで、919円の単価であることが示される。919円の単価は、3個の組み合わせで300円の値引きが行われることに応じて、300円の組み合わせ値引き額を「3」で除算した金額である100円を1,019円から減算して得られるものである。また、お土産品1について組み合わせ値引き後の単価が示される形式とされたことに伴い、免税適用されたお土産品1の総額は、4,795円となる。
お土産品2、お土産品3ごとの会計内容と集計欄の内容については、図26(a)と同様である。
【0109】
なお、本実施形態においては、図26(a)の様式と図26(b)の様式とのいずれが採用されてもよい。また、図示は省略するが、本実施形態においては、購入者誓約書の貼付用明細書と梱包リスト用明細書とについても、図26(a)と図26(b)のいずれかと同様の様式とされてよい。更には、レシートについても、図26(a)と図26(b)のいずれかと同様の様式とされてよい。
【0110】
[変形例]
続いて、上記各実施形態における各種変形例について説明する。
(第1の変形例)
例えば切手、商品券などのように課税対象とされていない、非課税商品と呼ばれる商品がある。このような非課税商品は免税対象とすることができない場合がある。そこで、このような場合に対応して、POSレジスタ3について、免税宣言操作が行われて免税処理モードとされた状態において、非課税商品については商品登録処理を行わないように構成してもよい。
【0111】
また、例えば乾電池などのように免税対象から除外された分類外商品と呼ばれるものがある。そこで、POSレジスタ3について、免税処理モードの状態では分類外商品については商品登録処理を行わないように構成してもよい。
また、POSレジスタ3について、非課税商品と分類外商品との少なくともいずれか一方が登録された後においては免税宣言が行えないように構成されてもよい。
【0112】
(第2の変形例)
また、店舗の運用により、非居住者には店舗の会員となる資格を与えないものと定めている場合がある。このような場合に対応して、POSレジスタ3について、会員向けに値引き価格や特売価格などが設定された商品については免税対象から除外するように構成してもよい。
【0113】
(第3の変形例)
また、一般物品に関して購入金額が規定の金額(現状では100万円)を越えた場合には、パスポートの写しを店舗で管理することが定められている。そこで、POSレジスタ3について、登録された商品についての小計金額が上記の規定の金額を超えた場合には、規定の金額を超過した旨(即ち、パスポートの写しが必要である旨)を店員に報知するように構成してもよい。
なお、消耗品について上記の規定が適用された場合には、消耗品に関しても上記と同様の構成が採られればよい。
【0114】
(第4の変形例)
また、例えば酒類やたばこなどのように未成年が購入することのできない商品(未成年購入禁止商品)がある。このような未成年購入禁止商品の購入に際しては、年齢確認の操作を受け付けた後でなければ会計ができないようにされたPOSレジスタがある。
しかし、免税品として購入される場合には、免税適用を受けた国内で消費しないことが前提であり、また、国によっては、18歳で飲酒、喫煙が可能である。
そこで、上記したことを考慮して、POSレジスタ3について、未成年購入禁止商品が購入される場合であっても、免税宣言操作が行われた場合には、年齢確認の操作を受け付けなくとも会計が行えるように構成してもよい。
【0115】
また、例えば商品マスタなどの商品管理情報において、未成年購入禁止商品については、国ごとの未成年購入禁止商品の購入が許可される最低年齢情報を記憶させておくようにする。
そのうえで、例えば商品の登録操作または小計操作などに際して、国と最低年齢との組み合わせを示すボタンをタッチパネル付表示部14に表示させ、客からの年齢の申し出に応じて店員が該当のボタンを操作したことに応じて、未成年購入禁止商品についての購入が可能となるようにPOSレジスタ3を構成することもできる。
あるいは、POSレジスタ3について、以下のように構成することができる。つまり、POSレジスタ3は、例えば非居住者に関する情報が記憶されたICチップを備えるパスポートから国及び年齢の情報を読み込み、最低年齢情報と照合する。そして、POSレジスタ3は、照合の結果、未成年購入禁止商品の購入が可能であることが判定されれば、未成年購入禁止商品についての購入が可能なようにする。
【0116】
(第5の変形例)
また、例えば商品マスタなどの商品管理情報において、消耗品については、容積や重量などの容量に関する容量関連情報を記憶させておく。そして、例えば小計の際などにおいて、POSレジスタ3が、容量関連情報に基づいて、消耗品について最適とされる包装の仕方を特定し、特定した包装の仕方をタッチパネル付表示部14に表示して店員に提示するように構成してもよい。包装の仕方として、例えば商品を容れる包装用品の種別(段ボール製の箱、プラスチック製の袋などの種別)、包装用品のサイズ、包装用品の数などを提示することができる。
【0117】
(第6の変形例)
また、これまでの説明において図により示した購入記録票の貼付用明細書、購入者誓約書の貼付用明細書、お客様控え用明細書、及び梱包リスト用明細書などには、発行を行った店舗の名称及び住所などの店舗を示す情報が印字されることが好ましい。
【0118】
(第7の変形例)
また、現状において、免税による商品の販売にあっては、非居住者である顧客に免税手続についての説明シートを店員が提示して説明を行ったり、免税品が消耗品である場合には免税向けの特有の梱包を行ったりすることが必要である。このため、現状では有人対応による会計が行われている。その一方で、POSシステムとして、店員が商品の登録を行う登録装置と顧客が精算を行う精算装置とが分離された構成が知られている。このようなPOSシステムは、登録装置は有人対応であるものの、精算装置は店員による対応がない。
しかし、例えば上記のようなPOSシステムについて、登録装置にて免税宣言操作を行ってから精算装置にて顧客が精算を完了するまでの所定のタイミング(例えば支払いのための現金の投入に応じたタイミング(投入開始時、投入中、または投入完了時)、あるいはクレジットカードの読み込みが行われたタイミングなど)で、説明シートで説明を行う店員を呼び出すように構成する。店員の呼出は、例えばランプなどの点灯、店員の端末への通知などにより実現できる。そして、精算後において店員により梱包が行われるようにする。このようにすれば、登録装置と精算装置とが分離された構成のPOSシステムにも本実施形態の構成を適用可能になる。
【0119】
(第8の変形例)
また、商品の登録から精算までを店員が対応せずに顧客自身が行うようにされた、セルフ型のPOSレジスタも知られている。例えば免税手続の説明について、対人によらず、例えば画面に表示させた説明シートの内容に対して顧客が確認の操作を行うようにしてもよい状況となった場合には、例えば以下のように、セルフ型のPOSレジスタによっても免税適用の会計に対応することができる。
つまり、顧客は、旅券のICチップをPOSレジスタに読み取らせることで免税宣言を行う。そのうえで、顧客はPOSレジスタに対して商品登録と精算とに応じた操作を行う。POSレジスタは、操作に応じて免税適用に応じた商品登録処理と会計処理とを行うようにされる。この際、POSレジスタは、会計が完了するまでの所定のタイミングで、免税手続の説明シートを画面に表示させる。免税手続の説明シートの表示にあたっては、所定の複数の言語による説明シートが表示されるようにしてよい。そして、顧客が表示された説明シートの内容に対して確認(承諾)したことの操作を行うと、POSレジスタは免税適用に応じた会計を許可する。
【0120】
以上、詳述したように、実施形態であるPOSレジスタ3は、商品コード入力部によって入力された商品コードに基づいて、商品登録処理部が買上げ対象の商品を登録するPOSレジスタである。POSレジスタ3は、商品ごとに、商品の商品コードと商品の免税の種別を表す免税種別情報とを関係付けて記憶する免税種別情報記憶部と、商取引が免税対象であることの指定を受け付ける免税指定受付部と、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、商品コード入力部によって入力された商品コードに関係付けられた免税種別情報を免税種別情報記憶部から読み出し、免税種別情報に基づいて商品コードに対応する商品の免税の種別を判定する判定部と、を備える。
この構成により、商取引が免税対象である場合、POSレジスタ3は、取引する商品が免税対象であるか否か、また、免税対象である場合は、その種別を取得することができる。
【0121】
また、POSレジスタ3において、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合であって、判定部が読み出した免税種別情報が非免税対象物品を示す場合に、エラー情報を出力するエラー情報出力部、を更に備えてもよい。
これにより、商取引が免税対象である場合、非免税対象物品を誤って免税により精算するおそれを低減することができる。
【0122】
また、POSレジスタ3において、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合であって、判定部が読み出した免税種別情報が免税対象物品を示す場合に、商品登録処理部は、免税種別情報に応じた免税ルールにしたがって商品登録を行ってもよい。
これにより、商取引が免税対象である場合、免税の種別に応じた免税ルール、例えば、免税対象額の範囲内に入っているか否か等を判定して、正しい免税の精算を行うことができる。
【0123】
また、POSレジスタ3において、前記免税指定受付部は、免税販売を指定するための免税指定キーとしてもよい。この免税指定キーは、オペレータが顧客から旅券の提示を受けた後の商取引の最初において押下されるキーであってもよいし、買上げ対象の商品を登録する際に小計キーとして押下されるキーであってもよい。
【0124】
また、POSレジスタ3において、免税指定受付部は、ICチップ(集積回路)が埋め込まれた旅券のICチップに記憶された情報を読み取り可能な読取り装置としてもよい。
ここで、読取り装置によってICチップから読み取られる情報は、例えば、国籍を表す国籍情報である。
【0125】
また、POSレジスタ3において、印字部19(印刷部)と、商品登録処理部が登録した商品の明細を、印字部19により紙媒体に印刷させる印刷制御部と、を更に備えてもよい。
また、POSレジスタ3において、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、印刷制御部は、商品の明細を、購入記録票の貼付用明細書、購入者誓約書の貼付用明細書、および控えとして、前記印刷部によりそれぞれ紙媒体に印刷させてもよい。
この構成により、顧客および輸出物品販売場の免税店の店員は、購入記録票や購入者誓約書への、商品の品名、品名ごとの数量および価格、物品の価格の合計額、販売価格の合計額等の記入の手間を省くことができる。
【0126】
また、POSレジスタ3において、購入記録票、購入者誓約書、および控えの各帳票を選択するための選択キー、を更に備え、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、印刷制御部は、押下された選択キーに対応付けられた帳票のための商品の明細を、印字部19により紙媒体に印刷させてもよい。
これにより、POSレジスタ3のオペレータは、所望の帳票を選んで印刷させることができる。
【0127】
また、POSレジスタ3において、梱包リストを印刷させるための梱包リスト印刷キー、を更に備え、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合であって、梱包リスト印刷キーが押下された場合に、印刷制御部は、商品の明細を、梱包リストとして印字部19により紙媒体に印刷させてもよい。
これにより、例えば、消耗品が箱詰めされて外側から内容物を確認できない場合等に、箱の内容を示す梱包リストとして用いることができる。
【0128】
また、POSレジスタ3において、梱包リストを追加印刷させるための追加印刷キー、を更に備え、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合であって、追加印刷キーが押下された場合に、印刷制御部は、商品の明細と頁数を表す頁数情報とを、追加梱包リストとして印字部19により紙媒体に印刷させてもよい。
この構成により、複数の箱を用いて商品を梱包する場合に、梱包リストを箱の数量分だけ印刷することができる。
【0129】
また、POSレジスタ3において、判定部が読み出した免税種別情報が示す免税の種別に応じて商品の明細を分割する分割部、を更に備え、印刷制御部は、分割部が分割した商品の各明細を、印字部19により、明細ごとの紙媒体に印刷させてもよい。
この構成により、商品の明細を、免税の種別ごとの紙媒体に印刷することができる。
【0130】
また、POSレジスタ3において、印刷制御部は、分割部が分割した商品の各明細を、印字部19により紙媒体に区分して印刷させてもよい。
この構成により、商品の明細を、免税の種別ごとに区分して、一枚の紙媒体に印刷することができる。
【0131】
また、本実施形態であるPOSレジスタ3は、商品コード入力部によって入力された商品コードに基づいて、商品登録処理部が買上げ対象の商品を登録するPOSレジスタである。そして、POSレジスタ3は、商品ごとに、商品の商品コードと商品の免税の種別を表す免税種別情報とを関係付けて記憶する免税種別情報記憶部と、商取引が免税対象であることの指定を受け付ける免税指定受付部と、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、商品コード入力部によって入力された商品コードに関係付けられた免税種別情報を免税種別情報記憶部から読み出し、免税種別情報別に、商品登録処理部に商品を登録させる制御部と、を備える。
この構成により、免税の種別ごとに、買上げ対象の商品を登録することができる。
【0132】
なお、POSレジスタ3において、ラベルプリンタ40と、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、商品登録処理部が登録した商品の明細のうち、消耗品に該当する商品の明細を、ラベルプリンタ40によりラベルに印刷させる印刷制御部と、を更に備えてもよい。
【0133】
また、POSレジスタ3において、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、印刷制御部は、商品登録処理部が登録した商品の明細のうち、消耗品に該当する商品の明細および取引番号を、ラベルプリンタ40によりラベルに印刷させてもよい。
この構成により、同一日において同一店舗における複数回にわたる商品の明細を用いて合計額の合算をすることができる。これにより、一取引では免税対象額に達していない場合でも、同日の複数回の取引により合算額が免税対象額に達する場合は、免税対象の精算処理を行うことができる。
【0134】
また、POSレジスタ3において、外国語を選択するための言語選択キー、を更に備え、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、印刷制御部は、消耗品に該当する商品の明細を、押下された言語選択キーに対応付けられた外国語で、ラベルプリンタ40によりラベルに印刷させてもよい。
この構成により、所望の言語による商品の明細書を得ることができる。
【0135】
また、POSレジスタ3において、免税指定受付部は、ICチップ(集積回路)が埋め込まれた旅券のICチップに記憶された情報を読み取り可能な読取り装置であり、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、印刷制御部は、消耗品に該当する商品の明細を、免税指定受付部が旅券のICチップから読み取った国籍に対応する外国語によって、ラベルプリンタ40によりラベルに印刷させてもよい。
この構成により、言語選択キーを選ぶ手間が省ける。
【0136】
また、POSレジスタ3において、免税指定受付部が、商取引が免税対象であることの指定を受け付けた場合、印刷制御部は、消耗品に該当する商品の明細を、外国語および日本語の併記によって、前記ラベル印刷部によりラベルに印刷させてもよい。
これにより、店舗のオペレータにも、顧客である非居住者にも見易い明細書を得ることができる。
【0137】
また、POSレジスタ3において、登録された商品についての小計結果が免税対象となる条件を満たさない場合に、小計結果が免税対象となる条件を満たさないことを報知する免税対象条件対応報知部を更に備えてもよい。
これにより、小計結果が免税対象となる条件を満たさない状態のまま免税が適用された会計が行われてしまうことが防がれる。ここで、小計結果が免税対象となる条件を満たさない場合とは、これまでに説明した、小計金額が下限免税対象額に満たない場合のほか、例えば、消耗品についての小計金額が規定の免税対象上限金額(例えば現行では50万円)を越える場合も含まれてよい。また、例えば購入商品数について免税対象の条件が適用されることとなった場合には、小計結果が免税対象となる条件を満たさない場合として、購入商品数が上限より多かったり下限より少なかったりした場合も含まれてよい。
なお、ここでの「小計結果」とは、必ずしも小計キー操作などの小計操作が行われたことに応じて求められる小計に限定されない。例えば、ここでの「小計結果」は、小計操作が行われる前において免税宣言操作が行われたときにおいて、これまでに登録された商品について求められる小計も含まれてよい。この場合においては、免税宣言操作が行われた後においてもPOSレジスタ3に対する商品の登録が可能である。そこで、この場合のPOSレジスタ3は、免税宣言操作後において、小計結果が免税対象となる条件が満たされる状態となるまで、小計結果が免税対象となる条件を満たさないことを報知する状態を継続する。そして、POSレジスタ3は、或る商品が登録された段階で小計結果が免税対象となる条件を満たしたことに応じて、小計結果が免税対象となる条件が満たされたことの報知に切り替えるようにしてもよい。このような構成において、小計結果が免税対象となる条件を満たさないことを報知する態様としては、例えば、タッチパネル付表示部14に表示される商品登録画面の所定位置におけるメッセージの表示、商品登録画面の全体もしくは一部について警告を表す色で表示したり点滅あるいは明滅させたりするといった例を挙げることができる。また、小計結果が免税対象となる条件が満たされる状態となったことを報知する態様としては、商品登録画面に表示されていた小計結果が免税対象となる条件を満たさないことを報知するメッセージの消去、商品登録画面の全体もしくは一部において行われていた警告を表す色や点滅、明滅などの表示の停止、更には、例えば商品登録画面における免税宣言キーなどの特定のキーについて免税適用可能であることを表す所定の態様の表示に変更するなどの例を挙げることができる。
【0138】
また、POSレジスタ3において、前記免税対象条件対応報知部による報知が行われたことに応じて、小計結果が免税対象となる条件を満たさない場合に対応する会計方法を選択する会計方法選択部を更に備えてもよい。
これにより、小計結果が免税対象となる条件を満たさなかった場合に、迅速に適切な対応を図ることができる。
なお、小計結果が免税対象となる条件を満たさなかった場合の対応としては、上記実施形態にて挙げた、小計金額が下限免税対象額に満たない場合に応じた例のほか、消耗品についての小計金額が規定の免税対象上限金額を越えた場合において、「返品」、「訂正」、「取り消し」等の処理によって登録された商品の内訳を変更して、免税対象となる条件が満たされるように処理することも含まれてよい。
また、購入商品数が上限より多かったり下限より少なかったりした場合に、「返品」、「訂正」、「取り消し」「登録追加」の処理などによって、購入商品数が免税対象となる条件を満たすように処理することも含まれてよい。
【0139】
以上により、本発明の実施形態によれば、POSレジスタ3の操作性が良く、これにより免税対象物品の販売を容易に行わせることができる。
【0140】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はその実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0141】
1…POSシステム、3…POSレジスタ、4…ストアコントローラ、5…LAN、11…CPU、12…ROM、13…RAM、14…タッチパネル付表示部、14a…タッチパネル、15…キー操作部、16…顧客用表示部、17…自動釣銭機、17a…釣銭排出口、17b…預金投入口、18…スキャナ部、19…印字部、20…通信部、30…ドロア、40…ラベルプリンタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26