(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUV
(51)【国際特許分類】
B63C 11/48 20060101AFI20240917BHJP
B63C 11/00 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
B63C11/48 D
B63C11/00 B
(21)【出願番号】P 2023220401
(22)【出願日】2023-12-27
【審査請求日】2023-12-27
(31)【優先権主張番号】202310544896.9
(32)【優先日】2023-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】524001075
【氏名又は名称】浙大城市学院濱江創新中心
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 芳
(72)【発明者】
【氏名】黎 為
【審査官】三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第115367083(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第114180024(CN,A)
【文献】特開2019-061963(JP,A)
【文献】特開平10-181685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63C 11/00 ― 11/48
B63G 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間ハウジング、頭部ハウジング及び尾部ハウジングを含み、前記中間ハウジングの前端と後端は、それぞれ前記頭部ハウジングと前記尾部ハウジングに接続され、前記中間ハウジングの内部には、エネルギーモジュールが設置され、前記中間ハウジングの内部であり、且つ前記頭部ハウジングに近い一端にはホバリング機構が設置され、前記尾部ハウジングの内部にはベクトル推進機構が設置され、前記ホバリング機構の直下の前記中間ハウジングには作業扉が設けられ、
前記エネルギーモジュールには、酸素タンク、水素タンク及び水タンクが含まれ、前記エネルギーモジュールは、複数のタンク設置板を介して前記中間ハウジング内に固定され、前記エネルギーモジュールの前記尾部ハウジングに近い一端には、ポンプボックスと燃料電池スタックを備えた電池室が設置され、前記燃料電池スタックの負極の外側には石綿が巻かれ、前記酸素タンク及び前記水素タンクは前記ポンプボックスを介して前記燃料電池スタックの正極及び負極にそれぞれ接続され、前記水タンクは前記ポンプボックスを介して前記燃料電池スタックの負極石綿に接続され、
前記ベクトル推進機構は固定台を介して前記エネルギーモジュールに固定接続され、前記固定台上には、電動プッシュロッドを介して移動台が接続され、前記移動台の中央にはスクリュープロペラが設置され、前記電動プッシュロッド及び前記スクリュープロペラはいずれも前記燃料電池スタックに電気的に接続され、
前記ホバリング機構は、駆動モータと巻き戻しホイールを含み、前記巻き戻しホイールと前記駆動モータの間はベルトを介して接続され、前記巻き戻しホイールは巻き戻しロープを介して制御ブロックに接続され、前記制御ブロックには吸着円筒と制御ポンプが接続され、前記吸着円筒の壁面内には数枚の可動挿入板が挿入されて、前記制御ポンプには、前記制御ブロック及び前記吸着円筒を貫通する制御管が接続されていることを特徴とする海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUV。
【請求項2】
前記複数のタンク設置板が前記中間ハウジングの内部で互いに平行に配置され、前記タンク設置板の間には支持ロッド及び位置決めロッドが設置され、且つ前記タンク設置板の間には、水平方向に沿って前記支持ロッド及び前記位置決めロッドが設置され、前記酸素タンク、前記水素タンク、前記水タンクは前記複数のタンク設置板を順番に貫通し、且つボルトで固定され、前記頭部ハウジングに近い片側のタンク設置板には調整ポンプが設置され、前記調整ポンプの一端は高圧配管を介して前記水タンクに接続され、前記調整ポンプの他端は、前記高圧配管を通って前記中間ハウジングを貫通することを特徴とする請求項1に記載の海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUV。
【請求項3】
前記ポンプボックス内には水素ポンプ、酸素ポンプ及び水ポンプが設置され、前記ポンプボックスの側壁には前記電池室が固定設置され、前記電池室内には前記燃料電池スタックが設置され、前記燃料電池スタックの負極の外側には石綿が巻かれ、前記酸素タンクは、前記酸素ポンプ及び高圧配管を介して前記燃料電池スタックの正極に接続され、前記水素タンクは、前記水素ポンプ及び前記高圧配管を介して前記燃料電池スタックの負極に接続され、前記水タンクは、前記水ポンプ及び前記高圧配管を介して前記燃料電池スタックの負極の石綿に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUV。
【請求項4】
前記尾部ハウジングの一端に近いタンク設置板は、位置決めロッドを介して前記固定台を固定接続し、前記固定台の片側には、円周方向に等間隔で3つの固定座が設置され、各固定座には、それぞれ1本の電動プッシュロッドがヒンジ接続され、前記電動プッシュロッドの内芯の最先端にはボールロッドが溶接され、前記ボールロッドの頂部にはボールシャフトが接続され、複数の前記ボールシャフトの片側には前記移動台が固定設置されることを特徴とする請求項1に記載の海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUV。
【請求項5】
前記ホバリング機構にはクロスバーが含まれ、前記クロスバーは、前記頭部ハウジングに近いタンク設置板の片側に固定設置され、前記クロスバーの外壁には固定円板が固定設置され、且つ、前記固定円板の外側壁は前記中間ハウジングの内壁に固定接続され、2枚の前記固定円板の間には、支持板を介して前記駆動モータが固定設置され、前記駆動モータの真下には前記巻き戻しホイールが設けられ、前記巻き戻しホイールは前記2枚の固定円板の間に回転可能に設置され、前記巻き戻しホイールと前記駆動モータの駆動軸の間は前記ベルトによって接続され、前記巻き戻しホイールの外壁には前記巻き戻しロープが巻かれ、前記巻き戻しロープの底部には接続キャップが固定接続され、前記接続キャップの内部には、円周方向に等間隔に挿入ロッドが挿入され、前記挿入ロッドの底部には前記制御ブロックが固定接続され、前記制御ブロックの底部には前記吸着円筒が溶接され、前記制御ブロックの内部には空洞が開設され、前記空洞内には前記制御ポンプが設置され、前記制御ポンプの出力端には前記制御管が接続され、前記制御管は前記制御ブロック及び前記吸着円筒を貫通し、且つ前記制御ブロック内部空洞内にはさらに、前記制御ポンプの作業を駆動するための蓄電電源と遠隔制御ユニットが設置されていることを特徴とする請求項1に記載の海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUV。
【請求項6】
前記吸着円筒内には、載置穴が数箇所開設され、各載置穴の内部には、いずれも可動挿入板が挿接され、前記載置穴の前記吸着円筒の壁面に垂直する方向には丸穴が開設され、各可動挿入板には、壁面に垂直する方向に貫通穴が開設され、且つ前記丸穴と前記貫通穴は1対1に対応し、各可動挿入板の頂部両側には、いずれもT型ロッドが挿接され、前記T型ロッドの底部は、前記吸着円筒の上端面に溶接され、前記T型ロッドと各可動挿入板との間には支持バネが設置され、各可動挿入板の前記吸着円筒の上端面より高い位置には、方形穴が開設され、前記制御ブロックの外輪縁部には等間隔に載置溝が開設され、各載置溝内には、いずれも偏向ブロックが回転設置され、各偏向ブロックには、いずれも梃が嵌め込み、前記梃の一端は方形穴内に挿接し、他端は接続キャップの縁部まで延びていることを特徴とする請求項1に記載の海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUV。
【請求項7】
2枚の固定円板の間に保護カバーが固定設置され、前記保護カバーは前記巻き戻しホイールの外側に設置され、前記保護カバーの底部には平板が溶接され、前記平板の中心位置には受力穴が開設され、前記受力穴と接続キャップは同軸にあり、且つ前記受力穴の直径は前記接続キャップの直径より大きいことを特徴とする請求項1に記載の海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUV。
【請求項8】
前記タンク設置板と固定円板の側壁には、いずれもセンサーを設置するための載置室が設けられ、且つ前記載置室と前記タンク設置板及び前記固定円板の間は耐圧シールで接続され、前記頭部ハウジングの表面には信号穴が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUV。
【請求項9】
前記ポンプボックスは水素と酸素を前記燃料電池スタックに送り込み、水素と酸素は前記燃料電池スタック内で反応して前記ホバリング機構や推進機構に電力を供給して、前記スクリュープロペラを駆動し、前記電動プッシュロッドの伸びを調整することで前記スクリュープロペラの角度を変える第1ステップと、
海底シルト層の上方まで航行すると、前記作業扉が開き、モータを駆動して前記巻き戻しホイールを回転させることにより、前記巻き戻しロープが繰り出され、前記吸着円筒は重力の作用下でシルト層表面に向かって移動し、シルト層に一定の深さまで沈み、その後制御ポンプを起動し、前記吸着円筒が静置するまでシルト層中に入り続けるように、前記吸着円筒内の海水を前記制御管で抽出し、前記ベクトル推進機構を停止し、前記巻き戻しロープでAUVを海水中でホバリングするように制御し、低消費電力探知モードに入る第2ステップと、
ホバリング作業を終了する場合、前記制御ポンプで海水を前記制御管に沿って前記吸着円筒内に送り込み、前記巻き戻しホイールを巻き戻して、前記ホバリング機構を前記中間ハウジングに引き戻し後、前記作業扉を閉じ、前記ベクトル推進機構を起動する第3ステップを含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の、海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUVの使用方法。
【請求項10】
前記第2ステップにおいて、前記吸着円筒自体の重力によって接続キャップは挿入ロッドの最上部まで変位するように駆動され、前記接続キャップの縁部は梃一端に推力を加え、前記梃は偏向ブロックを軸として偏向して、方形穴に垂直下向きの推力を加えて、支持バネは圧縮し、前記可動挿入板は載置穴に沿って下降して、丸穴と貫通穴は重なり、海水は前記丸穴と前記貫通穴の重なる位置から通過し、前記吸着円筒がシルト層に接触したら、一部分の巻き戻しロープを解し続けて、前記巻き戻しロープを弛緩させ、前記接続キャップは重力の作用下で前記挿入ロッドの最底部に滑り落ち、前記支持バネは反発により前記可動挿入板を前記載置穴内まで収縮するように駆動され、前記丸穴と前記貫通穴は重なった状態から千鳥状態になることを特徴とする請求項9に記載の海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUVの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は潜水機設備分野に属し、特に海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUVに関する。
【背景技術】
【0002】
無人潜水機とは、水中偵察や遠隔操作探知などのために回収可能な小型の水中自走運搬体を指し、潜水艦や水上艦を支援台座として使用し、自律型及び遠隔的に水中を長時間航行できる無人インテリジェント小型探知装置である。海洋開発、海洋防衛、海洋科学研究の発展に伴い、偵察、捜索、機雷対策、海洋調査を主な任務とする小型自律型潜水機(AUV)は多くの分野で広く使用されている。
【0003】
上記の応用分野において、嵌込型サイドスキャンソナーは小型AUVの重要な負荷の1つとして、その総合的なパフォーマンスは、対応するタスクの成否を直接的に決定する。このうち、無人潜水機の動力出力は一般的に電力駆動を採用し、より具体的にはリチウム電池によって駆動されるが、リチウム電池は一度に運べる電力量が限られており、騒音も大きいため、水中での稼働時間が短いという問題があり、耐久運転サイクルを長くする必要がある場合、作られたリチウム電池の体積が増え、それに伴って無人潜水機全体の体積も大きくなる。
【0004】
同時に、従来の潜水機はノンストップ航行方式で作業するため、潜水機の駆動端であるバッテリーは継続的に稼働状態にあるため、消費電力が大きく、固海域で探知作業を行う場合、低電力モードに移行できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術の欠点を克服し、海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUVを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUVは、中間ハウジング、頭部ハウジング及び尾部ハウジングを含み、中間ハウジングの前端と後端は、それぞれ頭部ハウジングと尾部ハウジングに接続され、中間ハウジング内部にはエネルギーモジュールが設置され、中間ハウジング内部の頭部ハウジングに近い一端にはホバリング機構が設置され、尾部ハウジングの内部にはベクトル推進機構が設置され、ホバリング機構の直下の中間ハウジングには作業扉が設けられ、
エネルギーモジュールは、酸素タンク、水素タンク及び水タンクが含まれ、ネルギモジュールは、複数のタンク設置板を介して中間ハウジング内に固定され、エネルギーモジュールの尾部ハウジングに近い一端には、ポンプボックスと燃料電池スタックを備えた電池室が設置され、燃料電池スタックの負極の外側には石綿が巻かれ、酸素タンク及び水素タンクはポンプボックスを介して燃料電池スタックの正極及び負極にそれぞれ接続され、水タンクはポンプボックスを介して燃料電池スタックの負極石綿に接続され、
ベクトル推進機構は固定台を介してエネルギーモジュールに固定接続され、固定台上には、電動プッシュロッドを介して移動台が接続され、移動台の中央にはスクリュープロペラが設置され、電動プッシュロッド及びスクリュープロペラはいずれも燃料電池スタックに電気的に接続され、
ホバリング機構は、駆動モータと巻き戻しホイールを含み、巻き戻しホイールと駆動モータの間はベルトを介して接続され、巻き戻しホイールは巻き戻しロープを介して制御ブロックに接続され、制御ブロックには吸着円筒と制御ポンプが接続され、吸着円筒の壁面内には数枚の可動挿入板が挿入されて、制御ポンプには、制御ブロック及び吸着円筒を貫通する制御管が接続されている。
【0007】
好ましい態様として:いくつかの前記タンク設置板が中間ハウジング内部で互いに平行に配置され、タンク設置板の間には支持ロッド及び位置決めロッドが設置され、且つタンク設置板の間には、水平方向に沿って支持ロッド及び位置決めロッドが設置され、酸素タンク、水素タンク、水タンクは複数のタンク設置板を順番に貫通し、且つボルトで固定され、前記頭部ハウジングに近い片側のタンク設置板には調整ポンプが設置され、調整ポンプの一端は高圧配管を介して水タンクに接続され、調整ポンプの他端は、高圧配管を通って中間ハウジングを貫通する。
【0008】
好ましい態様として:ポンプボックス内には水素ポンプ、酸素ポンプ及び水ポンプが設置され、ポンプボックスの側壁には電池室が固定設置され、電池室内には燃料電池スタックが設置され、燃料電池スタックの負極外側には石綿が巻かれ、酸素タンクは、酸素ポンプ及び高圧配管を介して燃料電池スタックの正極に接続され、水素タンクは、水素ポンプ及び高圧配管を介して燃料電池スタックの負極に接続され、水タンクは、水ポンプ及び高圧配管を介して燃料電池スタックの負極石綿に接続されている。
【0009】
好ましい態様として:尾部ハウジング一端に近いタンク設置板は、位置決めロッドを介して固定台を固定接続し、固定台の片側には、円周方向に等間隔で複数の固定座が設置され、各固定座には、それぞれ1本の電動プッシュロッドがヒンジ接続され、電動プッシュロッド内芯の最先端にはボールロッドが溶接され、ボールロッドの頂部にはボールシャフトが接続され、いくつかの前記ボールシャフトの片側には移動台が固定設置される。
【0010】
好ましい態様として:前記ホバリング機構にはクロスバーが含まれ、クロスバーは、頭部ハウジングに近いタンク設置板の片側に固定設置され、クロスバーの外壁には固定円板が固定設置され、且つ、固定円板の外側壁は中間ハウジングの内壁に固定接続され、2枚の前記固定円板の間には支持板を介して駆動モータが固定設置され、駆動モータの真下には巻き戻しホイールが設けられ、巻き戻しホイールは2枚の固定円板の間に回転可能に設置され、巻き戻しホイールと駆動モータの駆動軸の間はベルトによって接続され、巻き戻しホイールの外壁には巻き戻しロープが巻かれ、巻き戻しロープの底部には接続キャップが固定接続され、接続キャップの内部には、円周方向に等間隔に挿入ロッドが挿入され、挿入ロッドの底部には制御ブロックが固定接続され、制御ブロックの底部には吸着円筒が溶接され、制御ブロックの内部には空洞が開設され、空洞内には制御ポンプが設置され、制御ポンプの出力端には制御管が接続され、制御管は制御ブロック及び吸着円筒を貫通し、且つ制御ブロック内部空洞内にはさらに、制御ポンプの作業を駆動するための蓄電電源と遠隔制御ユニットが設置されている。
【0011】
好ましい態様として:前記吸着円筒内には、載置穴が数箇所開設され、各前記載置穴の内部には、いずれも可動挿入板が挿接され、載置穴の吸着円筒壁面に垂直する方向には丸穴が開設され、可動挿入板には壁面方向に垂直な貫通穴が開設され、且つ丸穴と貫通穴は1対1に対応し、各前記可動挿入板の頂部両側には、いずれもT型ロッドが挿接され、T型ロッドの底部は、吸着円筒の上端面に溶接され、T型ロッドと可動挿入板との間には支持バネが設置され、可動挿入板の吸着円筒の上端面より高い位置には、方形穴が開設され、制御ブロックの外輪縁部には等間隔に載置溝が開設され、各前記載置溝内にはいずれも偏向ブロックが回転設置され、各前記偏向ブロックには、いずれも梃が嵌め込み、梃の一端は方形穴内に挿接し、他端は接続キャップの縁部まで延びている。
【0012】
好ましい態様として:2つの前記固定円板の間に保護カバーが固定設置され、保護カバーは巻き戻しホイールの外側に設置され、保護カバーの底部には平板が溶接され、平板の中心位置には受力穴が開設され、受力穴と接続キャップは同軸にあり、且つ受力穴の直径は接続キャップの直径より大きい。
【0013】
好ましい態様として:前記タンク設置板と固定円板の側壁には、いずれもセンサーを設置するための載置室が設けられ、且つ載置室とタンク設置板及び固定円板の間は耐圧シールで接続され、頭部ハウジング表面には信号穴が設けられている。
【0014】
この海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUVの使用方法は、以下のステップを含む。
第1ステップ:ポンプボックスは水素と酸素を燃料電池スタックに送り込み、水素と酸素は燃料電池スタック内で反応してホバリング機構やベクトル推進機構に電力を供給して、スクリュープロペラを駆動し、電動プッシュロッドの伸びを調整することでスクリュープロペラの角度を変えるステップ、
第2ステップ:海底シルト層の上方まで航行すると、作業扉が開き、モータを駆動して巻き戻しホイールを回転させることにより、巻き戻しロープが繰り出され、吸着円筒は重力の作用下でシルト層表面に向かって移動し、シルト層に一定の深さまで沈み、その後制御ポンプを起動し、吸着円筒が静置するまでシルト層中に入り続けるように、吸着円筒内の海水を制御管で抽出し、ベクトル推進機構を停止し、巻き戻しロープでAUVを海水中でホバリングするように制御し、低消費電力探知モードに入るステップ、
第3ステップ:ホバリング作業を終了する場合、制御ポンプで海水を制御管に沿って吸着円筒内に送り込み、巻き戻しホイールを巻き戻して、ホバリング機構を中間ハウジングに引き戻し後、作業扉を閉じ、ベクトル推進機構を起動するステップ。
【0015】
好ましい態様として:第2ステップにおいて、吸着円筒自体の重力によって接続キャップは挿入ロッドの最上部まで変位するように駆動され、接続キャップの縁部は梃一端に推力を加え、梃は偏向ブロックを軸として偏向して方形穴に垂直下向きの推力を加えて、支持バネは圧縮し、可動挿入板は載置穴に沿って下降して丸穴と貫通穴は重なり、海水は丸穴と貫通穴の重なる位置から通過し、吸着円筒がシルト層に接触したら、一部分の巻き戻しロープを解し続けて、巻き戻しロープを弛緩させ、接続キャップは重力の作用下で挿入ロッドの最底部に滑り落ち、支持バネは反発により可動挿入板を載置穴内まで収縮するように駆動され、丸穴と貫通穴は重なった状態から千鳥状態になる。
【発明の効果】
【0016】
1)本発明に記載の海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUVは、完全にクリーンエネルギーを利用し、水素と酸素だけが反応して電気エネルギーを生成し、生成物は水であるため、環境を汚染せず、且つ水素は再生可能エネルギーであり、製造が容易であると同時に、熱効率が高く、適量の水素を携帯することで長時間の航続が実現でき、本発明は作業時に騒音がほとんどなく、潜航作業時の隠蔽性を向上できる。
【0017】
2)本発明に記載の海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUVは、AUVの水中自由航行を完了するには、1セットのベクトル推進機構のみが必要であり、ベクトル推進機構は柔軟で信頼性が高く、複雑な舵、横方向プロペラ及びその他の機械構造を必要とせず、3本の伸縮式プッシュロッドでプロペラの推力方向を大きな角度で変更でき、内部スペースが比較的に広く、且つ複数のセンサー設置点を設置し、その中で、ソナーシステムとPHINS慣性航法システムは、AUVが水中で自律的に航行できることを保証でき、また、さまざまな海底作業のニーズを満たすために特定の監視機器を搭載することもできる。
【0018】
3)本発明に記載の海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUVは、本発明はホバリング機構等の部品設置し、作業扉を通じて吸着円筒を解繰り出し、駆動モータの制御により、制御ポンプは吸着円筒を海底シルト層に差し込むことができ、吸着円筒は海底シルト層との摩擦と海水圧や大気圧の作用によって固定され、次に、巻き戻しロープによって本発明の本体を横方向に引きずり、海水中でホバリングさせ、巻き戻しホイールを介して巻き戻しロープを繰り出して吸着円筒を駆動する過程では、吸着円筒自体の重力を駆動力として梃を偏向するように駆動して、丸穴と貫通穴が重なるようにし、海水の流れの一部が丸穴と貫通穴の重なった位置を通過することにより、海水流による吸着円筒外壁への影響が低減されるため、吸着円筒の下降過程において、接続キャップと巻き戻しロープとの接続箇所の揺動角度が減少し、即ち、吸着円筒がシルト層に接触するまで落下すると、吸着円筒はシルト層の表面までほぼ垂直に落下し、このように吸着円筒とシルト層との接触面積が大きくなり、摩擦力が大きくなり、横抗力が大きくなると同時に、当該状態では、シルト層内一部のシルトは丸穴と可動挿入板の間に侵入し、吸着円筒とシルト層の間の摩擦をさらに増加させ、ホバリング機構の作業安定性を確保した。
【0019】
4)本発明に記載の海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUVは、吸着円筒がシルト層内に差し込んで、本発明の本体が海水中にホバリングしている場合、低消費電力検測モードに入ることができ、低消費電力検測モードでの消費電力は小さく、本発明の作業サイクル要件を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図3】本発明の中間ハウジング、頭部ハウジング及び尾部ハウジングを除いた全体構造の概略図であり、
【
図4】本発明の
図3のM-M方向に沿った断面図であり、
【
図5】本発明のベクトル推進機構全体構造の概略図であり、
【
図6】本発明ホバリング機構の全体構造の概略図であり、
【
図7】本発明の
図3のN-N方向に沿った断面図であり、
【
図8】本発明の
図7のA領域の部分拡大概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明する。以下の実施例の説明は、本発明の理解を助けるためにのみ提供される。当業者にとって、本発明の原理から逸脱することなく本発明にいくつかの修正を加えることができ、これらの改良及び修正も本発明の特許請求の範囲の保護範囲内に含まれることに留意されたい。
【0022】
実施例1
一実施形態としては、
図1~
図8に示すように、本発明の前記海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUVは、中間ハウジング1、頭部ハウジング2及び尾部ハウジング3を含み、前記中間ハウジング1の前端と後端は、それぞれボルトとシールリングを介して頭部ハウジング2と尾部ハウジング3に接続され、中間ハウジング1内部の中央に近い位置にはエネルギーモジュール4が設置され、中間ハウジング1内部にあり、且つ頭部ハウジング2に近い位置には、ホバリング機構6が設置され、尾部ハウジング3の内部には航行動力を提供するためのベクトル推進機構5が設置され、中間ハウジング1の外周にあり、且つホバリング機構6の直下の位置には、油圧プッシュロッドを介して作業扉11が接続され、ホバリング機構6が作業するとき、作業扉11は油圧プッシュロッドを介して開く必要があり、油圧プッシュロッドの電気エネルギーはエネルギーモジュール4によって提供され、頭部ハウジング2の外側には、センサー信号の伝播を容易にするために、センサーが信号を収集するための信号穴が設けられ、
エネルギーモジュール4は、中間ハウジング1の内壁に固定設置されたタンク設置板41を含み、複数の前記タンク設置板41は、互いに平行に中間ハウジング1内部に分布され、且ついくつかの前記タンク設置板41の間には、水平方向に沿ってそれぞれ支持ロッド45と位置決めロッド46が設置され、タンク設置板41はいずれもボルトを介して酸素タンク42、水素タンク43及び水タンク44が固定設置され、尾部ハウジング3に近いタンク設置板41の端面には、ポンプボックス47が設置されて、ポンプボックス47内には、水素ポンプと、酸素ポンプ及び水ポンプが設置され、ポンプボックス47の側壁には、電池室48が固定設置され、電池室48内には燃料電池スタック49が設置され、燃料電池スタック49の負極の外側には石綿が巻かれ、酸素タンク42は、酸素ポンプ及び高圧配管を介して燃料電池スタック49の正極に接続され、水素タンク43は、水素ポンプ及び高圧配管を介して燃料電池スタック49の負極に接続され、水タンク44は水ポンプ及び高圧配管を介して燃料電池スタック49の負極石綿に接続されて、酸素タンク42及び水素タンク43はいずれもアルミニウム製ハウジングであり、0.1MPa以上の外圧に耐え、エアタンクの内圧が35MPa以下であれば、水深10m以内のエリアでも正常に作業できる。
【0023】
本実施形態では、酸素タンク42と水素タンク43の合計容積を260Lとすると、水素タンクの作業圧力を35MPaとし、V
1を水素タンクの容積260Lと定義する場合を例に説明すると、
式P
1V
1=n
1RTにより、ここでRは8.14を取り、作業水深の海水温が約17℃であるため、式中の熱力学的温度Tは290.15Kを取ると、水素の総物質量n
1は約3772.32molになり、
携帯される水素の総質量をm
1と定義すると、水素のモル質量Mrが2g/molであると既に知られており、そうすると、m
1=n
1×Mr=3772.32×2=7544.64gとなり、本実施形態では、水素の総質量は約7.545kgであり、同様に、酸素の総質量は60.36kgであり、完全に反応した場合の水素と酸素の質量比は1:8であり、本発明により携帯されるガスの質量はこの比に適合し、
ηを燃料電池作業効率として定義し、60%を取り、Qを燃料電池によって生成されるエネルギーとして定義し、qは水素の発熱量で約1.4×10
8J/kgであることが知られており、Q=ηm1qによると、燃料電池内で運ばれた水素が反応した後に放出されるエネルギーは6.34×10
8であることがわかり、電気エネルギーに換算すると、Q=176.1kWhが得られ、本発明の作業時の主な電力消費機器は、ベクトル推進機構5、ホバリング機構6及び各種センサーであり、実際の状況に基づいて、30日間の総電力消費量は約96kWhであると推定され、電力予備量は本発明が1ヶ月間のタスクを実行するのに十分であるので、長時間の航続が実現でき、生成物の水は燃料電池スタック49内の石綿によって収集され、ポンプボックス47内の水ポンプによって水タンク44に送られ、
図3及び
図5を参照すると、ベクトル推進機構5は、位置決めロッド46の先端に固定設置された固定台51を含み、固定台51の片側には、円周方向に等間隔で複数の固定座52が設置され、各固定座52内にはそれぞれ電動プッシュロッド53が設置され、電動プッシュロッド53の内芯最先端にはボールロッド54が溶接され、ボールロッド54の頂部にはボールシャフト55が接続され、いくつかの前記ボールシャフト55の片側には移動台56が固定設置され、移動台56内部の中心位置にはスクリュープロペラ57が設置され、電動プッシュロッド53及びスクリュープロペラ57はいずれも燃料電池スタック49に電気的に接続されている。
【0024】
図3、
図6~
図8を参照すると、前記ホバリング機構6にはタンク設置板41の片側に固定設置されたクロスバー61を含み、クロスバー61の外壁には固定円板62が固定設置され、且つ固定円板62の外側壁は中間ハウジング1の内壁に固定接続され、2枚の前記固定円板62の間には支持板を介して駆動モータ63が固定設置され、駆動モータ63の真下には巻き戻しホイール64が設けられ、巻き戻しホイール64の両端は固定円板62の内壁に回転可能に設置され、巻き戻しホイール64と駆動モータ63の駆動軸の間はベルト65によって接続され、巻き戻しホイール64の外壁には巻き戻しロープ66が巻かれ、巻き戻しロープ66の底部には接続キャップ661が固定接続され、接続キャップ661の内部には、円周方向に等間隔に挿入ロッド662が挿入され、挿入ロッド662の底部には制御ブロック67が固定接続され、制御ブロック67の底部には吸着円筒68が溶接され、制御ブロック67の内部には空洞が開設され、空洞内には制御ポンプ60が設置され、制御ポンプ60の出力端には制御管69が接続され、制御管69は制御ブロック67及び吸着円筒68を貫通し、且つ制御ブロック67内部空洞内にはさらに、制御ポンプ60の作業を駆動するための蓄電電源と遠隔制御ユニットが設置され、蓄電電源は、制御ポンプ60及び遠隔制御ユニットに電気エネルギーを供給し、遠隔制御ユニットは、制御ポンプ60の作業を制御でき、蓄電電源の電気エネルギーはエネルギーモジュール4によって供給されず、遠隔制御ユニットは既存の無線制御モジュールを使用でき、ホバリング機構6の電気的接続に関わるワイヤーハーネスは、海水から遮断するために全てシール層で処理されている。
【0025】
前記吸着円筒68内部には、周方向等間隔に載置穴681が開設され、各前記載置穴681それぞれの内部には、いずれも可動挿入板682が挿接され、載置穴681内には、その垂直方向に沿って等間隔に丸穴683が開設され、可動挿入板682内にはその垂直方向に沿って等間隔に貫通穴684が開設され、各前記可動挿入板682それぞれの頂部両側には、いずれもT型ロッド685が挿接され、T型ロッド685の底部は、吸着円筒68の上端面に溶接され、T型ロッド685と可動挿入板682との間には支持バネ686が設置され、可動挿入板682の上側の位置には、方形穴687が開設され、制御ブロック67の輪端に等間隔に載置溝671が開設され、各前記載置溝671内にはいずれも偏向ブロック672が回転設置され、各前記偏向ブロック672それぞれには、いずれも梃673が嵌め込み、梃673の一端は方形穴687内に挿接し、梃673の他端は接続キャップ661縁部に当接している。
【0026】
図7を参照すると、2つの前記固定円板62の間に保護カバー611が固定設置され、保護カバー611の底部には平板612が溶接され、平板612の中心位置には受力穴613が開設され、受力穴613と接続キャップ661は同軸にあり、且つ受力穴613の直径は接続キャップ661の直径より大きい。
【0027】
図3を参照すると、前記頭部ハウジング2に近い片側のタンク設置板41の側壁には調整ポンプ40が設置され、調整ポンプ40の一端は高圧配管を介して水タンク44に接続され、調整ポンプ40の他端は、高圧配管を介して中間ハウジング1を貫通し、調整ポンプ40にも同様に、エネルギーモジュール4から電気エネルギーが供給され、水タンク44は鋼製ハウジングであり、0.1MPa程度の外圧に耐えることができ、水タンク44は内部が水で満たされていない場合、水深10メートル以内の領域で正常に作業でき、調整ポンプ40をオンにすることによって水タンク44内の水の重量を調製でき、本発明全体の重力を制御することは、水中で水タンク44が受ける浮力と重力のバランスを実現できる。
【0028】
図3を参照すると、前記タンク設置板41と固定円板62の側壁には、いずれもセンサーを設置するための載置室7が設けられ、且つ載置室7とタンク設置板41及び固定円板62の間は耐圧シールで接続され、載置室7は、大きな容積を有し、様々なソナーセンサーを設置して収容でき、全体の探知効果をより良くする。
【0029】
図2を参照すると、前記尾部ハウジング3は開口構造であり、且つスクリュープロペラ57は前記開口部の外側に位置して海水と接触し、固定台51及び尾部ハウジング3の内壁には耐圧シール処理が施されて、スクリュープロペラ57と燃料電池スタック49の電気的接続用のワイヤーハーネスの外周にシール防水層を設けることで、ベクトル推進機構5を海水に直接接触させることができ、圧力室が不要となり、ベクトル推進機構5の移動台56を自由に回転させることができ、柔軟な航行の目的を達成できる。
【0030】
実施例2
別の実施形態として、海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUVの使用方法には、以下のステップを含む。
第1ステップ:ポンプボックス47内の水素ポンプは水素タンク43から水素を抽出して、燃料電池スタック49に送り、燃料電池スタック49は耐圧密閉構造のデザインを使用し、同時にポンプボックス47内の酸素ポンプは酸素タンク42から酸素を抽出して、燃料電池スタック49に送り、燃料電池スタック49内で水素と酸素は反応して電気エネルギーと生成物の水を発生し、その電気エネルギーはホバリング機構6やベクトル推進機構5の作業に供給され、エネルギーモジュール4によって生成された電気エネルギーは、スクリュープロペラ57を駆動し、スクリュープロペラ57は、海水中での航行するように本発明を推し進め、そして、電動プッシュロッド53が作業する場合、異なる位置の電動プッシュロッド53の内芯の伸びを調整することで、電動プッシュロッド53の内芯頂端にあるボールロッド54によるボールシャフト55に対する作用力の位置を変化させて、移動台56の偏向を実現して、スクリュープロペラ57の角度を変化させて、海底の複雑な環境のニーズに対応するために、大角度の航行路線変化を実現する。
【0031】
第2ステップ:本発明が海底シルト層上方まで航行すると、油圧プッシュロッドにより作業扉11を開き、駆動モータ63は制御により作業状態になり、駆動モータ63により巻き戻しホイール64が回転駆動されて、巻き戻しホイール64に巻き取られた巻き戻しロープ66を解し、吸着円筒68は、自体の重力の作用によりシルト層に向かって移動し、吸着円筒68がシルト層に接触すると、吸着円筒68の一部は自体重力によりシルト層に沈み込み、次に、制御ポンプ60が作業状態になるように制御され、制御ポンプ60は制御管69を介して、吸着円筒68内の海水を抽出し、吸着円筒68の内部と外部との間には圧力差が形成され、海水の圧力と大気圧により吸着円筒68は静止するまでより深いシルト層に押し込まれ、
図1に示すように、吸着円筒68が落下する場合、吸着円筒68自体の重力により接続キャップ661は挿入ロッド662の最上部まで変位するように駆動され、接続キャップ661の縁部はいくつかの梃673一端に推力を加え、梃673は当該推力の作用下で、偏向ブロック672を軸として偏向が発生し、梃673の他端の垂直高さは下降、即ち、梃673下降する一端は方形穴687に垂直下向きの推力を加え、支持バネ686は圧縮されて反発力を有し、当該推力により可動挿入板682は載置穴681に沿って下降して、丸穴683と貫通穴684は重なり、このようにすると、吸着円筒68を下降する過程において、海水の海流の一部は、丸穴683と貫通穴684が重なる位置を通過して、吸着円筒68の外壁に対する海水の海流の影響を低減させて、吸着円筒68の下降過程中の、接続キャップ661と巻き戻しロープ66の接続箇所の揺動角度を減少させ、即ち、吸着円筒68がシルト層と接触するまで下降すると、ほぼ垂直にシルト層表面に落下し、このようにして、吸着円筒68はシルト層との接触面積が大きくなり、摩擦がより大きくなり、横方向の抗力がより大きくなり、吸着円筒68がシルト層に接触したら、巻き戻し部分は巻き戻しロープ66を繰り出し続けて、巻き戻しロープ66を弛緩状態にして、接続キャップ661は自体の重力作用により挿入ロッド662の最底部に滑り落ち、可動挿入板682は梃673の作用力を失い、支持バネ686は圧縮される際に発生する反発力により、可動挿入板682は載置穴681内まで収縮するように駆動され、丸穴683と貫通穴684は重なった状態から千鳥状態になり、同様に、制御ポンプ60の制御により、可動挿入板682と吸着円筒68は一体になってシルト層内に入ることができ、同時に、当該状態では、シルト層内の泥の一部は丸穴683と可動挿入板682の間に入り、吸着円筒68とシルト層との間の摩擦はさらに増加し、ホバリング機構6の作業安定性を保証する。このとき、本発明はベクトル推進機構5を停止し、巻き戻しロープ66を介して本発明を横方向に引っ張ることができ、即ち、海水中でホバリングし、低消費電力探知モードに入ることができ、本発明がホバリング状態に入ると、巻き戻しロープ66他端の力負担点は、巻き戻しロープ66と受力穴613縁部の接触点であり、したがって、力負担点が巻き戻しホイール64に直接作用することを低減し、巻き戻しホイール64の摩耗を軽減する。
【0032】
第3ステップ:ホバリング操作を終了する必要がある場合、制御ポンプ60を制御して、海水を制御管69に沿って吸着円筒68内に送り込むだけで、吸着円筒68の内側と外側の圧力は徐々に均衡し、巻き戻しホイール64の作用により、ホバリング機構6は中間ハウジング1内に引き込まれ、最後に、作業扉11は油圧プッシュロッドによって閉じられる。
【符号の説明】
【0033】
中間ハウジング1、頭部ハウジング2、尾部ハウジング3、エネルギーモジュール4、ベクトル推進機構5、ホバリング機構6、載置室7、作業扉11、固定台51、固定座52、電動プッシュロッド53、ボールロッド54、ボールシャフト55、移動台56、スクリュープロペラ57、調整ポンプ40、タンク設置板41、酸素タンク42、水素タンク43、水タンク44、支持ロッド45、位置決めロッド46、ポンプタンク47、電池室48、燃料電池スタック49、クロスバー61、固定円板62、駆動モータ63、巻き戻しホイール64、ベルト65、巻き戻しロープ66、接続キャップ661、挿入ロッド662、制御ブロック67、吸着円筒68、制御管69、制御ポンプ60、載置穴681、可動挿入板682、丸穴683、貫通穴684、T型ロッド685、支持バネ686、載置溝671、偏向ブロック672、梃673、保護カバー611、平板612、受力穴613。
【要約】
【課題】海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUVを提供する。
【解決手段】 本発明は海底潜航に適した水素エネルギー駆動AUVに関し、中間ハウジング1、頭部ハウジング2及び尾部ハウジング3を含み、中間ハウジング1の前端と後端は、ボルトとシールリングを介して頭部ハウジング2と尾部ハウジング3に接続され、中間ハウジング1内部の中央に近い位置にはエネルギーモジュール4が設置され、中間ハウジング内部1の頭部ハウジング2に近い位置にはホバリング機構6が設置され、尾部ハウジング3の内部には、航行動力を提供するためのベクトル推進機構5が設置され、中間ハウジング1の外周にあり、且つホバリング機構6の直下の位置には、油圧プッシュロッドを介して作業扉11が接続され、エネルギーモジュール4には、中間ハウジング1の内壁に固定設置されたタンク設置板41を含む。
【選択図】
図1