(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】首掛け扇風機
(51)【国際特許分類】
F04D 25/08 20060101AFI20240917BHJP
F24F 1/0378 20190101ALI20240917BHJP
F24F 1/04 20110101ALI20240917BHJP
【FI】
F04D25/08 301A
F24F1/0378
F24F1/04
(21)【出願番号】P 2023527809
(86)(22)【出願日】2021-11-12
(86)【国際出願番号】 CN2021130428
(87)【国際公開番号】W WO2022100708
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-06-02
(31)【優先権主張番号】202022621762.7
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517261084
【氏名又は名称】深▲せん▼市藍禾技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】劉 凱
(72)【発明者】
【氏名】頼 友
(72)【発明者】
【氏名】楊 広
(72)【発明者】
【氏名】李 偉平
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第211781697(CN,U)
【文献】中国実用新案第211039122(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2020/0187574(US,A1)
【文献】特表2018-507987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 25/08
F24F 1/0378
F24F 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
首掛け扇風機であって、首装着フレーム、前記首装着フレーム内に収納された扇風機及び冷却アセンブリを含み、前記首装着フレーム内に第一風路及び第二風路が形成され、前記第一風路の側壁に風吹出口が設けられており、前記冷却アセンブリは、前記第二風路内に位置し、前記冷却アセンブリに半導体冷却シートが含まれており、前記半導体冷却シートのコールド端は、前記第二風路の側壁に貼設され、前記首装着フレームにおける前記第二風路に対応する部分には、放熱孔が設けられており、前記扇風機が発生した気流は、前記第一風路に流入した後に前記風吹出口から吹き出され、及び前記第二風路に流入した後に前記放熱孔から吹き出され
、
前記首装着フレームは、人体の首部に接触するための内側壁と、前記人体の首部とは離反する外側壁とを含み、前記半導体冷却シートのコールド端は、前記内側壁に貼設される、ことを特徴とする首掛け扇風機。
【請求項2】
前記首装着フレーム内に導風部材が設けられており、前記導風部材により前記首装着フレームの内部の空間が仕切られて前記第一風路及び前記第二風路が形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の首掛け扇風機。
【請求項3】
前記放熱孔は、前記外側壁に設けられている、ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の首掛け扇風機。
【請求項4】
前記内側壁は、熱伝導材料製であ
る、又は、前記内側壁は、前記半導体冷却シートに対応して設けられる熱伝導シートを含み
前記半導体冷却シートのコールド端は
前記熱伝導シートに貼設されている、ことを特徴とする請求項3に記載の首掛け扇風機。
【請求項5】
前記内側壁は、前記半導体冷却シートに対応して設けられる切欠き及び熱伝導シートを含み、前記半導体冷却シートのコールド端は、前記切欠き内に位置するとともに前記熱伝導シートに貼設されているか、又は、前記熱伝導シートには、前記切欠き内に位置する凸起部が対応して凸設され、前記半導体冷却シートのコールド端は、前記凸起部に貼設されている、ことを特徴とする請求項3に記載の首掛け扇風機。
【請求項6】
前記首装着フレーム内に仕切り板が設けられており、前記仕切り板により前記首装着フレームの内部の空間が仕切られて、前記第一風路及び前記第二風路から分離された収容キャビティが形成され、前記収容キャビティ内には、電池及び/又は回路板が設けられている、ことを特徴とする請求項3に記載の首掛け扇風機。
【請求項7】
前記首装着フレームは、第一ケース及び第二ケースを含み、前記第一ケースと前記第二ケースとは、弾性接続部材を介して接続され、前記弾性接続部材は、前記第一ケース及び前記第二ケースへ互いに近接させる弾性力を提供することで、前記首掛け扇風機が前記人体の首部に装着されたとき、前記内側壁と前記人体の首部とが互いに貼設されるように維持される、ことを特徴とする請求項3に記載の首掛け扇風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、家庭電化製品の技術分野に関し、特に、首掛け扇風機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人々からは、生活の利便性がますます求められており、アウトドア活動や他の生活シーンにおける扇風機の使用ニーズを満たすために、市場には、例えば首装着式扇風機といった様々な携帯型温度調節製品が登場している。
【0003】
首装着式扇風機は、扇風機の手持ちに起因した活動の制限を解決した。スポーツ、アウトドア活動やオフィス等の使用シーンの何れでも、首装着式扇風機は、ユーザの両手を解放可能であり、手持ちせずにいつでもどこでも送風するという効果を実現できる。しかしながら、首装着式扇風機は、機能が単一であり、送風による降温にしか使用できず、その降温効率は、一部のユーザの使用ニーズを満たせない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来に存在する技術的問題を解決するために、本願は、降温効率がより高くて応用シーンの範囲がより広くなる首掛け式温度調節装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本願の実施例の技術案は、以下のように実現されている。
首掛け扇風機であって、首装着フレーム、前記首装着フレーム内に収納された扇風機及び冷却アセンブリを含み、前記首装着フレーム内に導風部材が設けられており、前記導風部材により前記首装着フレームの内部の空間が仕切られて第一風路及び第二風路が形成され、前記第一風路の側壁に風吹出口が設けられており、前記冷却アセンブリは、前記第二風路内に位置し、前記冷却アセンブリに半導体冷却シートが含まれており、前記半導体冷却シートのコールド端は、前記第二風路の側壁に貼設され、前記首装着フレームにおける前記第二風路に対応する部分には、放熱孔が設けられており、前記扇風機が発生した気流は、一部が前記第一風路に流入した後に前記風吹出口から吹き出され、他部が前記第二風路に流入した後に前記放熱孔から吹き出される。
【0006】
前記首装着フレームは、人体の首部に接触するための内側壁と、前記人体の首部とは離反する外側壁とを含み、前記半導体冷却シートのコールド端は、前記内側壁又は前記導風部材に貼設され、前記放熱孔は、前記外側壁に設けられている。
【0007】
前記内側壁は、熱伝導材料製であるか、又は、前記内側壁における前記半導体冷却シートに対応する部位には、熱伝導シートが設けられ、前記半導体冷却シートのコールド端は、前記内側壁における前記熱伝導シートに貼設されている。
【0008】
前記内側壁における前記半導体冷却シートに対応する部位には、切欠き及び熱伝導シートが設けられており、前記半導体冷却シートの前記コールド端は、前記切欠き内に位置するとともに前記熱伝導シートに貼設されている。
【0009】
前記首装着フレームは、互いに接続された第一ケース及び第二ケースを含み、前記第一ケースと前記第二ケースとは、弾性接続部材を介して接続され、前記弾性接続部材は、前記第一ケース及び前記第二ケースへ互いに近接させる弾性力を提供することで、前記首掛け扇風機が前記人体の首部に装着されたとき、前記内側壁と前記人体の首部とが互いに貼設されるように維持される。
【0010】
前記首装着フレームは、互いに接続された第一ケース及び第二ケースを含み、前記第一ケースと前記第二ケースとは、回動可能構造又は湾曲可能構造を介して接続されている。
【0011】
前記首装着フレーム内には、前記導風部材と前記外側壁との間に仕切り板が設けられており、前記仕切り板により前記首装着フレームの内部の空間が仕切られて、前記第一風路及び前記第二風路から分離された収容キャビティが形成され、前記収容キャビティ内には、電池及び/又は回路板が設けられている。
【0012】
前記冷却アセンブリは、前記半導体冷却シートのホット端に貼設された放熱部材を更に含み、前記放熱部材は、前記ホット端に貼設された底板と、前記底板から、前記半導体冷却シートとは離反する方向に延在する放熱シートとを含み、隣り合う前記放熱シートの間に導流溝が形成され、前記放熱孔は、前記導流溝に対応して設けられている。
【0013】
前記内側壁には、前記扇風機に対応して風取込口が設けられており、前記内側壁における前記風取込口に対応する位置には、濾過網がインサート成形されている。
【0014】
前記外側壁には、前記扇風機に対応して、風取込口と、前記風取込口に位置する保護蓋とが設けられ、前記保護蓋には、前記風取込口に連通する網孔が設けられている。
【発明の効果】
【0015】
上記実施例による首掛け扇風機では、首装着フレーム内に導風部材が設けられており、前記導風部材により前記首装着フレームの内部の空間が仕切られて第一風路及び第二風路が形成され、前記第一風路の側壁に風吹出口が設けられており、前記冷却アセンブリは、前記第二風路内に位置し、冷却アセンブリに半導体冷却シートが含まれており、前記半導体冷却シートのコールド端は、前記第二風路の側壁に貼設され、前記首装着フレームにおける前記第二風路に対応する部分には、放熱孔が設けられており、前記扇風機が発生した気流は、一部が前記第一風路に流入した後に前記風吹出口から吹き出され、他部が前記第二風路に流入した後に、前記冷却アセンブリの動作中に発生した熱を運んで前記放熱孔から吹き出される。こうして、本願は、扇風機の送風による降温が可能であるとともに、冷却アセンブリの冷却による降温も可能であり、両者が連携して、より高い降温効率を実現でき、それに、扇風機が発生した風量の一部は、冷却アセンブリの放熱のために使用可能であるため、冷却アセンブリについては、放熱ファンの設置を省くことができ、その結果、構造の簡素化及びコストの削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本願の実施例における首掛け扇風機の斜視図である。
【
図3】
図2における首掛け扇風機のさらなる分解図である。
【
図4】本願の実施例における首掛け扇風機の断面図である。
【
図5】本願の別の実施例における首掛け扇風機の分解図である。
【
図6】本願の更に別の実施例における首掛け扇風機の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、明細書の図面及び具体的な実施例を参照して、本願の技術案を更に詳しく説明する。特に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、本願の技術分野に属する当業者が通常理解する意味と同じである。本願の明細書で使用される用語は、具体的な実施例を説明するためのものに過ぎず、本願を制限することを意図するものではない。以下の記述では、「いくつかの実施例」に関し、それは、全ての可能な実施例のサブセットを記述するものであるが、理解できるように、「いくつかの実施例」は、全ての可能な実施例の同じサブセット又は異なるサブセットであってもよく、且つ矛盾しない場合に互いに組み合わせることが可能である。
【0018】
説明すべきなのは、要素が別の要素に「固定される」とは、要素が別の要素に直接存在していてもよいし、介在した要素が存在していてもよい。また、1つの要素が別の要素に「接続される」とみなされる場合には、別の要素に直接接続されていてもよいし、介在した要素が同時に存在していてもよい。また、本文中で使用される「垂直」、「水平」、「内」、「外」、「左」、「右」及び類似した記載は、説明の便宜上のものに過ぎず、唯一の実施形態を表すものではない。
【0019】
図1~
図4を併せて参照して、本願の一実施例は、首掛け扇風機20を提供し、当該首掛け扇風機20は、首装着フレーム10、前記首装着フレーム10内に収納された扇風機20及び冷却アセンブリ30を含み、前記首装着フレーム10内に導風部材14が設けられており、前記導風部材14により前記首装着フレーム10の内部の空間が仕切られて第一風路121及び第二風路122が形成され、前記第一風路121の側壁に風吹出口11が設けられており、前記冷却アセンブリ30は、前記第二風路122内に位置し、前記冷却アセンブリ30に半導体冷却シート(ペルチェ素子ともいう)32が含まれており、前記半導体冷却シート32のコールド端は、前記第二風路122の側壁に貼設され、前記首装着フレーム10における前記第二風路122に対応する部分には、放熱孔12が設けられており、前記扇風機20が発生した気流は、一部が前記第一風路121に流入した後に前記風吹出口11から吹き出され、他部が前記第二風路122に流入した後に前記放熱孔12から吹き出される。
【0020】
上記実施例における首掛け扇風機20では、導風部材14により首装着フレーム10の内部の空間が仕切られて第一風路121及び第二風路122が形成され、前記第一風路121の側壁に風吹出口11が設けられており、前記冷却アセンブリ30は、前記第二風路122内に位置し、冷却アセンブリ30に半導体冷却シート32が含まれており、前記半導体冷却シート32のコールド端は、前記第二風路122の側壁に貼設され、前記首装着フレーム10における前記第二風路122に対応する部分には、放熱孔12が設けられており、前記扇風機20が発生した気流は、一部が前記第一風路121に流入した後に前記風吹出口11から吹き出され、他部が前記第二風路122に流入した後に、前記冷却アセンブリ30の動作中に発生した熱を運んで前記放熱孔12から吹き出される。こうして、本願に係る首掛け扇風機は、扇風機20の送風による降温が可能であるとともに、冷却アセンブリ30の冷却による降温も可能であり、両者が連携して、より高い降温効率を実現でき、それに、扇風機20が発生した風量の一部は、冷却アセンブリ30の放熱のために使用可能であるため、冷却アセンブリ30については、放熱ファンの設置を省くことができ、その結果、構造の簡素化及びコストの削減が可能となる。
【0021】
前記首装着フレーム10は、人体の首部に接触するための内側壁110と、前記人体の首部とは離反する外側壁111とを含み、前記半導体冷却シート32のコールド端は、前記内側壁110又は前記導風部材14に貼設されていることが好ましく、前記放熱孔12は、前記外側壁111における前記第二風路122に対応する部分に設けられている。半導体冷却シート32のコールド端が前記内側壁110に貼設されていれば、内側壁110を介して人体の首部に冷エネルギーを直接かつ迅速に伝導し、降温及び放熱効率を加速させることに有利であるが、勿論、他の実施例において、半導体冷却シート32のコールド端は、外側壁111に貼設されていてもよい。このようにすれば、半導体冷却シート32が発生した冷エネルギーは、外側壁111を介して内側壁110に伝導されてから、人体の首部に伝導されて人体を降温させることになる。又は、半導体冷却シート32のコールド端は、前記導風部材14に貼設されていてもよい。このようにすれば、導風部材14を介して第一風路121内の気流に冷エネルギーを迅速に伝導して、第一風路121から風吹出口11を経由して吹き出された気流の温度を低下させることに有利であり、より良好な降温効果が達成される。選択的に、前記扇風機20は、首装着フレーム10の対向する両端における収納キャビティ21内に位置し、第一風路121及び第二風路122は、それぞれ収納キャビティ21に連通し、導風部材14は、前記首装着フレーム10の長さ方向に沿って延在し、一端が前記扇風機20の気流出口に近接しており、他端が前記首装着フレーム10の中部に指向している。前記第一風路121と前記第二風路122とは、前記首装着フレーム10の長さ方向に沿って並設されている。選択的に、前記風吹出口11は、首装着フレーム10が人体の首部に装着されたときに頭部に向く頂端側壁に設けられ、第一風路121は、前記頂端側壁に近接しており、風吹出口11は、第一風路121の延在方向に沿って前記頂端側壁に配列された複数の風吹出孔を含む。
【0022】
選択的に、前記冷却アセンブリ30は、前記半導体冷却シート32のホット端に貼設された放熱部材33を更に含み、前記放熱部材33は、前記ホット端に貼設された底板と、前記底板から、前記半導体冷却シート32とは離反する方向に延在する放熱シートとを含み、隣り合う前記放熱シートの間に導流溝330が形成され、前記放熱孔12は、前記導流溝330に対応して設けられている。前記底板の形状及び寸法は、前記半導体冷却シート32のホット端の形状及び寸法に対応するものであってもよく、前記底板により前記半導体冷却シート32のホット端が覆われることで、ホット端が発生した熱は、タイムリーに底板に伝導されて、底板から更に放熱シートに伝導されることが可能となる。好ましくは、底板と前記ホット端とが熱伝導性の接着層を介して貼設されている。前記放熱シートは、底板から首装着フレーム10の外側壁111の方向に向かって延在し、隣り合う放熱シートの間に形成された導流溝330の延在方向は、前記第二風路122の延在方向と同じであり、扇風機20が発生した気流は、第二風路122に流入した後に前記導流溝330を流れるとき、放熱シートにおける熱を奪うとともに、導流溝330に対応する放熱孔12から吹き出されて、タイムリーに放熱部材33の熱を奪うことができるため、第二風路122内に熱が蓄積することを回避できる。
【0023】
選択的に、前記内側壁110は、熱伝導材料製であるか、又は、前記内側壁110における前記半導体冷却シート32に対応する部位には、熱伝導シート31が貼設され、即ち熱伝導シート31は、内側壁110及び第二風路122の側壁の一部として形成され、前記コールド端は、前記内側壁110における前記熱伝導シート31に貼設されている。内側壁110は、例えば金属材料のような熱伝導材料製である。1つの選択的な具体例において、内側壁110は、アルミニウム材料製である。こうすれば、冷却装置が発生した冷エネルギーを人体の首部により良好に伝達し、降温効率を向上させることができる。本実施例において、前記内側壁110における前記半導体冷却シート32に対応する部位には、熱伝導シート31が貼設されており、熱伝導シート31は、熱伝導性能の良い熱伝導材料製であるため、内側壁110の全体が熱伝導材料製であるようになっていない場合でも、熱伝導シート31を設けることで、降温及び放熱のために、半導体冷却シート32のコールド端が発生した冷エネルギーを人体の首部にタイムリーに伝導することを確保できる。選択的に、前記内側壁110における前記半導体冷却シート32に対応する部位には、切欠き113が設けられ、前記半導体冷却シート32の前記コールド端は、前記切欠き113内に位置するとともに前記熱伝導シート31に貼設されていてもよい。切欠き113を設けることで、半導体冷却シート32のコールド端は、熱伝導シート31と直接貼り合わせられることができるため、コールド端が発生した冷エネルギーを熱伝導シート31に伝達する効率が高められ、人体の首部に対する降温及び放熱の効果が高められる。他の実施例において、熱伝導シート31には、前記切欠き113内に位置する凸起部が対応して凸設され、前記半導体冷却シート32のコールド端は、前記凸起部に貼設されていてもよい。これにより、冷エネルギーは、迅速に熱伝導シート31に伝達される。
【0024】
首装着フレーム10は、弧状をなし、人体の首部に装着されたときに人体の首部の形状に適合するためのものであり、前記首装着フレーム10は、一体のものであってもよいし、複数段で接続されたものであってもよい。いくつかの実施例において、前記首装着フレーム10は、対称に設けられた第一ケース151及び第二ケース152を含み、前記第一ケース151と前記第二ケース152とは、弾性接続部材を介して接続され、前記弾性接続部材は、前記第一ケース151及び前記第二ケース152へ互いに近接させる弾性力を提供することで、前記首掛け扇風機20が前記人体の首部に装着されたとき、前記内側壁110と前記人体の首部とが互いに貼設されるように維持される。弾性接続部材により第一ケース151と第二ケース152とが接続された後、第一ケース151と第二ケース152とが互いに近づくようにされ、この際、第一ケース151と第二ケース152との間の開口は、人体の首部の外周寸法よりもやや小さくてもよく、首装着フレーム10を人体の首部に装着する必要がある場合、第一ケース151及び第二ケース152を把持して互いに離れる方向に外向きに開く必要があり、弾性接続部材は、第一ケース151と第二ケース152との間の開口が広げられるように変形可能であるため、人体の首部が開口を通過可能となり、首装着フレーム10を人体の首部に装着し易くなり、首装着フレーム10が人体の首に装着された後に、第一ケース151及び第二ケース152に加えられている外向きの開き力を撤回すると、弾性接続部材は、変形から復元することで、第一ケース151と第二ケース152とは、互いに近づく傾向にあり、その結果、首装着フレーム10の内側壁110が人体の首部に緊密に貼り合わせられるように維持される。
【0025】
いくつかの実施例において、前記首装着フレーム10は、対称に設けられた第一ケース151及び第二ケース152を含み、前記第一ケース151と前記第二ケース152とは、回動可能構造13を介して接続されている。前記回動可能構造13は、前記第一ケース151と前記第二ケース152との間の距離を調節するために使用可能であり、回動可能構造13を設けて両者の間の距離を調節することで、異なるユーザの装着時における首装着フレーム10と人体の首部との貼設についての異なる緊密度のニーズに適合可能となり、首装着フレーム10の内側壁110が人体の首部に緊密に貼り合わせられるように維持され、半導体冷却シート32によって発生された冷エネルギーが内側壁110を介して人体の首部に伝導される際の降温及び放熱の効率を向上させることができる。他の実施例において、前記第一ケース151と前記第二ケース152とは、湾曲可能構造を介して接続されていてもよい。こうすれば、ユーザは、前記第一ケース151と前記第二ケース152との間の距離を調節可能となる。
【0026】
選択的に、前記首装着フレーム10内には、前記導風部材14と前記外側壁111との間に仕切り板16が設けられており、前記仕切り板16により前記首装着フレーム10の内部の空間が仕切られて、前記第一風路121及び前記第二風路122から分離された収容キャビティが形成され、前記収容キャビティは、電池171及び/又は回路板172を取り付けるためのものである。仕切り板16は、導風部材14における内側壁110から離れた側に設けられていてもよく、仕切り板16の形状及び寸法は、首装着フレーム10の内部の空間が仕切られて、第一風路121及び前記第二風路122から分離された収容キャビティとされるように、首装着フレーム10内の空間の横断面の形状及び寸法と同じであってもよい。両風路は、首装着フレーム10内における前記内側壁110に近い側に位置するのに対して、収容キャビティは、前記外側壁111に近い側に位置し、前記首装着フレーム10の内部の空間内においては、風路及び収容キャビティの配列方向と、前記第一風路121及び第二風路122の配列方向とは、互いに垂直である。仕切り板16における冷却アセンブリ30に対応する位置には、肉抜きの逃げ孔160が設けられており、放熱部材33の放熱シートは、導流溝330が外側壁111における放熱孔12に直接連通されるように、前記逃げ孔160内に位置してもよい。こうすれば、冷却アセンブリ30を流れて半導体冷却シート32の動作中に発生した熱を運んでいる気流は、外側壁111における放熱孔12を通ってスムーズに流出可能となる。勿論、他の実施例において、仕切り板16は、首装着フレームにおける対応するケース内の他の位置に設けられていてもよいが、本願では、ケース内における仕切り板16の具体的な設置位置が限定されず、第一風路121、第二風路122及び収容キャビティを仕切ることができればよい。
【0027】
選択的に、前記内側壁110及び外側壁111には、前記扇風機20に対応して、風取込口18がそれぞれ設けられている。内側壁110に設けられた風取込口18内には、首装着フレーム10が人体の首部に装着されたときに髪の毛が挟み込まれてしまうことを回避するために、風取込口18を部分的に遮蔽するための遮風部が設けられていてもよい。外側壁111に設けられた風取込口18には、外側壁111外に突き出す保護蓋182が設けられていてもよく、前記保護蓋182と前記風取込口18との間に隙間が形成され、風取込口18は、前記保護蓋182の周縁と外側壁111との間に形成されており、保護蓋182によれば、首装着フレーム10内への外部の不純物の進入を防止できるとともに、髪の毛の挟み込みも防止できる。
【0028】
図5を参照して、同図は、本願の別の実施例による首掛け扇風機20であり、上記実施例との主な違いとしては、前記半導体冷却シート32のコールド端が前記導風部材14に貼設されている点にある。導風部材14によれば、半導体冷却シート32のコールド端が発生した冷エネルギーを第一風路121内に伝達して、第一風路121内に流入した気流を降温させることができるため、第一風路121を通って風吹出口11へ流れる気流がより涼しくなり、ユーザの送風体験が向上される。
【0029】
図6を参照して、同図は、本願の更に別の実施例による首掛け扇風機20であり、前述した実施例との主な違いとしては、前記内側壁110における前記風取込口18に対応する位置には、濾過網185がインサート成形されている点にある。前記内側壁110には、前記濾過網185に対応して、複数の位置決め孔186が更に設けられており、前記位置決め孔186は、前記濾過網185が前記風取込口18にインサート成形されたときに前記濾過網185を位置決めするためのものである。内側壁110に設けられた風取込口18は、円形の開孔とされるとともに、前記開孔内には、首掛け扇風機20の使用中における髪の毛挟み込みを防止するために、濾過網185がインサート成形されていてもよい。内側壁110における濾過網185に対応する位置には、複数の位置決め孔186が更に設けられている。これにより、濾過網185が前記風取込口18にインサート成形されたとき、金型のエジェクタケースにより位置決め孔186を介して濾過網185が位置決めされ、射出成形時の濾過網185の位置ずれが防止される。それに、前記保護蓋182には、風取込口18に連通する網孔183が分布されていてもよく、保護蓋182に網孔183を設けていれば、風取込口18の風取込量を更に確保可能となる。
【0030】
本願の実施例による首掛け扇風機20は、少なくとも以下の特徴を備えている。
第一に、導風部材14により首装着フレーム10の内部の空間が仕切られて第一風路121及び第二風路122が形成され、扇風機20の気流は、一部が前記第一風路121に流入した後に風吹出口11から吹き出されて放熱され、他部が前記第二風路122に流入した後に、第二風路122内に位置する冷却アセンブリ30の動作に発生した熱を運んで放熱孔12から吹き出されることが可能であり、冷却アセンブリ30による人体の降温及び放熱の効率が確保される。こうして、扇風機20及び冷却アセンブリ30の両方により、同時に人体が降温されて放熱され、放熱効率を向上させることができるとともに、冷却アセンブリ30に放熱ファンを別途に設ける必要が無くなり、製品の構造の簡素化及びコストの低減が可能となる。
第二に、半導体冷却シート32のコールド端は、前記内側壁110に貼設されているか、又は、内側壁110に設けられた熱伝導シート31に貼設されていてもよく、内側壁110及び/又は熱伝導シート31は、熱伝導材料製であるため、冷却装置が発生した冷エネルギーを人体の首部により良好に伝達し、降温効率を高めることができる。半導体冷却シート32も、導風部材14に貼設されていてもよく、導風部材14によれば、半導体冷却シート32のコールド端が発生した冷エネルギーを第一風路121内に伝達して、第一風路121内に流入した気流を降温させることができるため、第一風路121を通って風吹出口11へ流れる気流は、より涼しくなり、ユーザの送風体験が向上される。
第三に、首装着フレーム10の内側壁110に設けられた風取込口18には、濾過網185がインサート成形されていてもよく、外側壁111に設けられた風取込口18における保護蓋182には、網孔183が設けられていてもよく、髪の毛の挟み込みを効果的に回避するとともに、扇風機20の風取込量を確保することができる。
【0031】
上述したのは、本願の具体的な実施形態に過ぎず、本願の保護範囲は、これに限定されず、当業者であれば、本願に開示された技術的範囲内では、変形又は置換を容易に想到可能であり、何れの変形又は置換も、本願の保護範囲内に含まれるべきである。本願の保護範囲は、添付の特許請求の範囲による保護範囲に準じるべきである。