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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】電動弁制御装置および電動弁装置
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/04 20060101AFI20240917BHJP
【FI】
F16K31/04 K
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023555074
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 JP2022035700
(87)【国際公開番号】W WO2023067988
(87)【国際公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-06-20
(31)【優先権主張番号】P 2021171258
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】391002166
【氏名又は名称】株式会社不二工機
(74)【代理人】
【識別番号】110002608
【氏名又は名称】弁理士法人オーパス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】成川 文太
(72)【発明者】
【氏名】西森 宏樹
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-169986(JP,A)
【文献】国際公開第2019/098360(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/00-31/05
37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステッピングモーターを有する電動弁を制御する電動弁制御装置であって、
前記電動弁の現在の弁開度を示す現在弁開度情報を有し、前記現在弁開度情報に基づいて前記電動弁の弁開度を最小開度から最大開度の範囲内で変更し、
前記電動弁の異常を検出したとき、前記現在弁開度情報に前記最大開度を設定することを特徴とする電動弁制御装置。
【請求項2】
前記電動弁の前回の制御終了時の状態を示す状態情報と、前記電動弁の前回の制御終了時の弁開度を示す前回弁開度情報と、を格納する不揮発性の記憶部を有し、
前記電動弁の制御開始時に前記状態情報が正常終了を示す情報だったとき、前記現在弁開度情報に前記前回弁開度情報に示される前記弁開度を設定し、前記状態情報に異常終了を示す情報を設定し、
前記電動弁の制御開始時に前記状態情報が異常終了を示す情報だったとき、前記現在弁開度情報に前記最大開度を設定し、
前記電動弁の制御開始時に前記状態情報が正常終了を示す情報でありかつ前記電動弁の制御開始時以降に前記電動弁の異常を検出しなかったとき、前記電動弁の制御終了時に前記状態情報に正常終了を示す情報を設定する、請求項1に記載の電動弁制御装置。
【請求項3】
前記電動弁と、請求項1または請求項2に記載の電動弁制御装置と、を有する電動弁装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動弁制御装置および電動弁制御装置を有する電動弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、従来の電動弁の一例を開示している。このような電動弁は、エアコンの冷凍サイクルに組み込まれる。電動弁は、弁本体と、弁体と、弁体を移動させるためのステッピングモーターと、を有している。ステッピングモーターは、ローターとステーターとを有している。ステッピングモーターにパルスが入力されるとローターが回転する。ローターの回転に応じて弁体が移動し、電動弁の弁開度が変更される。
【0003】
電動弁は、電動弁制御装置によって制御される。電動弁制御装置は、電動弁の弁開度を最小開度から最大開度の範囲内(例えば、0%~100%の範囲内)で変更する。電動弁制御装置は、電動弁の現在の弁開度を示す情報(現在弁開度情報)を有している。電動弁制御装置は、エアコン制御装置から電動弁の弁開度を変更する命令を受信すると、現在弁開度情報に基づいて算出した数のパルスをステッピングモーターに入力し、電動弁の弁開度を当該命令で指定された弁開度に変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-13197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電動弁の電源電圧の低下や冷媒中の異物によるローターの回転不良などの異常発生によって、現在弁開度情報に示される弁開度が、電動弁の実際の弁開度と異なることがある。そして、電動弁の実際の弁開度が現在弁開度情報に示される弁開度より大きいことがある。このときに電動弁制御装置が電動弁の弁開度を最大開度に変更する命令を受信すると、ローターが開弁方向に回転して、ローターの位置が最大開度に対応する位置を超える。これにより、ローターの回転を直線運動に変換するねじ機構からローターが外れたり、ステッピングモーターが脱調したりするおそれがある。ステッピングモーターと異なる種類のモーターを有する電動弁においても、ローターの位置が最大開度に対応する位置を超えることにより、不具合が生じるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、モーターのローターの位置が電動弁の最大開度に対応する位置を超えることを抑制できる電動弁制御装置および電動弁制御装置を有する電動弁装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電動弁制御装置は、モーターを有する電動弁を制御する電動弁制御装置であって、前記電動弁の現在の弁開度を示す現在弁開度情報を有し、前記現在弁開度情報に基づいて前記電動弁の弁開度を最小開度から最大開度の範囲内で変更し、前記電動弁の異常を検出したとき、前記現在弁開度情報に前記最大開度を設定することを特徴とする。
【0008】
本発明において、前記電動弁制御装置が、前記電動弁の前回の制御終了時の状態を示す状態情報と、前記電動弁の前回の制御終了時の弁開度を示す前回弁開度情報と、を格納する不揮発性の記憶部を有し、前記電動弁の制御開始時に前記状態情報が正常終了を示す情報だったとき、前記現在弁開度情報に前記前回弁開度情報に示される前記弁開度を設定し、前記状態情報に異常終了を示す情報を設定し、前記電動弁の制御開始時に前記状態情報が異常終了を示す情報だったとき、前記現在弁開度情報に前記最大開度を設定し、前記電動弁の制御開始時に前記状態情報が正常終了を示す情報でありかつ前記電動弁の制御開始時以降に前記電動弁の異常を検出しなかったとき、前記電動弁の制御終了時に前記状態情報に正常終了を示す情報を設定する、ことが好ましい。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の他の一態様に係る電動弁装置は、電動弁と、前記電動弁制御装置と、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、電動弁制御装置が、電動弁の現在の弁開度を示す現在弁開度情報を有し、現在弁開度情報に基づいて電動弁の弁開度を最小開度から最大開度の範囲内で変更する。そして、電動弁制御装置が、電動弁の異常を検出したとき、現在弁開度情報に最大開度を設定する。このようにしたことから、電動弁制御装置が、電動弁の異常を検出したとき、電動弁の実際の弁開度に関わらず、電動弁の弁開度が最大開度であるとする。これにより、電動弁制御装置が、異常を検出したときの電動弁の実際の弁開度に対応する位置を超えて、ローターを開弁方向に回転させることを防ぐことができる。そのため、電動弁制御装置は、モーターのローターの位置が最大開度に対応する位置を超えることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施例に係る電動弁装置を有するエアコンシステムのブロック図である。
図2図1の電動弁装置の断面図である。
図3図2の電動弁装置が有する弁軸ホルダー、ストッパ部材、ローターおよびステーターの平面図である。
図4図2の電動弁装置が有するコンピュータ、モータードライバおよびステッピングモーターを説明する図である。
図5図2の電動弁装置が有するコンピュータが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図6図2の電動弁装置が有するコンピュータが実行する処理の一例を示すフローチャートである(図5の続き)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施例に係る電動弁装置について、図1図6を参照して説明する。本実施例に係る電動弁装置1は、例えば、エアコンの冷凍サイクルにおいて冷媒流量を制御する流量制御弁として使用される。
【0013】
図1は、本発明の一実施例に係る電動弁装置を有するエアコンシステムのブロック図である。図2は、図1の電動弁装置の断面図である。図2において、ステーターおよび電動弁制御装置を模式的に示している。図3は、図2の電動弁装置が有する弁軸ホルダー、ストッパ部材、ローターおよびステーターの平面図である。図3において、ステーターを模式的に示している。また、図3において、ローターの磁極を模式的に示している。図4は、図2の電動弁装置が有するコンピュータ、モータードライバおよびステッピングモーターを説明する図である。図4Aは、コンピュータとモータードライバとステッピングモーターとの接続を模式的に示す。図4Bは、パルスとモータードライバがステーターに供給する駆動電流との対応の一例を示す。図5図6は、図2の電動弁装置が有するコンピュータが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0014】
図1に、車両に搭載されるエアコンシステム100の一例を示す。このエアコンシステム100は、配管105を介して順に接続された圧縮機101、凝縮器102、電動弁装置1(電動弁5)および蒸発器103を有している。電動弁装置1は、膨張弁である。エアコンシステム100は、エアコン制御装置110を有している。エアコン制御装置110は、電動弁装置1と通信可能に接続されている。エアコン制御装置110は、電動弁装置1を用いて配管105を流れる冷媒の流量を制御する。
【0015】
図2に示すように、電動弁装置1は、電動弁5と、電動弁制御装置70と、を有している。
【0016】
電動弁5は、弁本体10と、キャン20と、弁体30と、駆動機構40と、ステーター60と、を有している。
【0017】
弁本体10は、本体部材11と、接続部材13と、を有している。本体部材11は、円柱形状を有している。本体部材11は、弁室14を有している。本体部材11には、第1導管15および第2導管16が接合されている。第1導管15は、軸線Lと直交する方向(図2の左右方向)に沿って配置され、弁室14に接続されている。第2導管16は、軸線L方向(図2の上下方向)に沿って配置され、弁口17を介して弁室14に接続されている。弁口17は、弁室14において円環形状の弁座18に囲まれている。本体部材11は、円形の嵌合穴11aを有している。嵌合穴11aは、本体部材11の上端面に配置されている。嵌合穴11aの内周面は、図2において左方を向く平面11dを有している。嵌合穴11aの底面には、弁室14に通じる貫通孔11bが設けられている。接続部材13は、円環板形状を有している。接続部材13の内周縁は、本体部材11の上端部に接合されている。本体部材11および接続部材13は、アルミニウム合金、ステンレスまたは真ちゅうなどの金属製である。
【0018】
キャン20は、ステンレスなどの金属製である。キャン20は、円筒形状を有している。キャン20は、下端部が開口しかつ上端部が塞がれている。キャン20の下端部は、接続部材13の外周縁に接合されている。
【0019】
弁体30は、第1軸部31と、第2軸部32と、弁部33と、を有している。第1軸部31は、円柱形状を有している。第2軸部32は、円柱形状を有している。第2軸部32の径は、第1軸部31の径より小さい。第2軸部32は、第1軸部31の上端部に同軸に連設されている。弁体30は、上方を向く円環状の平面である段部34を有している。段部34は、第1軸部31と第2軸部32との連設部分に配置されている。弁部33は、上方から下方に向かうにしたがって径が小さくなる略円錐形状を有している。弁部33は、第1軸部31の下端部に同軸に連設されている。弁部33は、弁口17に配置される。弁部33と弁口17との間に可変絞り部が形成される。弁部33は、弁座18と向かい合って配置される。弁部33が弁座18に接すると、弁口17が閉じる。
【0020】
駆動機構40は、弁体30を上下方向(軸線L方向)に移動させる。弁体30の移動によって弁口17の開度(すなわち、電動弁5の弁開度)が変わる。駆動機構40は、ローター41と、弁軸ホルダー42と、ガイドブッシュ43と、ストッパ部材44と、固定具45と、を有している。
【0021】
ローター41は、円筒形状を有している。ローター41の外径は、キャン20の内径より若干小さい。ローター41は、キャン20の内側に配置される。ローター41は、弁本体10に対して回転可能である。ローター41は、複数のN極および複数のS極を有している。複数のN極および複数のS極は、ローター41の外周面に配置されている。複数のN極および複数のS極は、上下方向に延在している。複数のN極および複数のS極は、周方向に等角度間隔で交互に配置されている。電動弁装置1において、ローター41は、例えば、N極を12個有し、S極を12個有している。互いに隣り合うN極とS極との間の角度は、15度である。
【0022】
弁軸ホルダー42は、円筒形状を有している。弁軸ホルダー42は、下端部が開口しかつ上端部が塞がれている。弁軸ホルダー42はローター41の嵌合孔41aに嵌合されている。弁軸ホルダー42は、ローター41と共に回転する。弁軸ホルダー42の外周面の下端部には、径方向外方に突出する突部である可動ストッパ42sが配置されている。弁軸ホルダー42は、軸孔42bを有している。軸孔42bは、弁軸ホルダー42の上壁部42aに配置されている。軸孔42bには、弁体30の第2軸部32が軸線L方向に移動可能に配置される。弁軸ホルダー42の上壁部42aの下面にはワッシャー46が配置される。ワッシャー46と弁体30の段部34との間には閉弁ばね47が配置される。閉弁ばね47は、コイルばねであり、弁体30を弁座18に向けて押す。弁軸ホルダー42の内周面には、雌ねじ42cが形成されている。可動ストッパ42sは、ローター41に対して固定されている。
【0023】
ガイドブッシュ43は、基部43aと、支持部43bと、を有している。基部43aは、円筒形状を有している。支持部43bは、円筒形状を有している。基部43aの外周面は、平面43dを有している。基部43aは本体部材11の嵌合穴11aに圧入され、平面43dが嵌合穴11aの平面11dと接する。これにより、本体部材11の中心軸とガイドブッシュ43の中心軸とが軸線L上で一致し、ガイドブッシュ43が本体部材11に対して軸線L周りに正しく位置付けられる。支持部43bの外径は、基部43aの外径より小さい。支持部43bの内径は、基部43aの内径と同じである。支持部43bは、基部43aの上端部に同軸に連設されている。支持部43bの外周面には、雄ねじ43cが形成されている。雄ねじ43cは、弁軸ホルダー42の雌ねじ42cと螺合される。弁軸ホルダー42とガイドブッシュ43とは、ローター41の回転を直線運動に変換するねじ機構を構成する。ガイドブッシュ43の内側には、弁体30の第1軸部31が配置される。ガイドブッシュ43は、弁体30を軸線L方向に移動可能に支持する。
【0024】
ストッパ部材44は、ストッパ本体44aを有している。ストッパ本体44aは、円筒形状を有している。ストッパ本体44aの内周面には、雌ねじ44cが形成されている。ストッパ本体44aの外周面には、径方向外方に突出する突部である固定ストッパ44sが配置されている。雌ねじ44cは、ストッパ本体44aがガイドブッシュ43の基部43aに当接するまで雄ねじ43cに螺合されている。これにより、ストッパ部材44は、ガイドブッシュ43に固定される。固定ストッパ44sは、弁本体10に対して固定されている。
【0025】
固定具45は、固定部45aと、フランジ部45bと、を有している。固定部45aは、段付きの円筒形状を有している。固定部45aの内側には、弁体30の第2軸部32が配置される。固定部45aは、第2軸部32に接合される。フランジ部45bは、固定部45aの下端部に連設されている。固定具45の外側には、復帰ばね48が配置される。復帰ばね48は、コイルばねである。なお、本発明において復帰ばね48は必須の構成要素ではない。
【0026】
ステーター60は、円筒形状を有している。ステーター60は、A相ステーター61と、B相ステーター62と、を有している。
【0027】
A相ステーター61は、複数のクローポール型の極歯61a、61bを内周に有している。極歯61aの先端は下方に向いており、極歯61bの先端は上方に向いている。極歯61aと極歯61bとは、周方向に等角度間隔で交互に配置されている。電動弁装置1において、A相ステーター61は、例えば、極歯61aを12個有し、極歯61bを12個有している。互いに隣り合う極歯61aと極歯61bとの間の角度は、15度である。A相ステーター61のコイル61cが通電されると、極歯61aと極歯61bとは互いに異なる極性の磁極となる。
【0028】
B相ステーター62は、複数のクローポール型の極歯62a、62bを内周に有している。極歯62aの先端は下方に向いており、極歯62bの先端は上方に向いている。極歯62aと極歯62bとは、周方向に等角度間隔で交互に配置されている。電動弁装置1において、B相ステーター62は、例えば、極歯62aを12個有し、極歯62bを12個有している。互いに隣り合う極歯62aと極歯62bとの間の角度は、15度である。B相ステーター62のコイル62cが通電されると、極歯62aと極歯62bとは互いに異なる極性の磁極となる。
【0029】
A相ステーター61とB相ステーター62とは、同軸に配置されている。A相ステーター61は、B相ステーター62と接している。軸線L方向から見たときに互いに隣り合うA相ステーター61の極歯61aとB相ステーター62の極歯62aとの間の角度は、7.5度である。つまり、B相ステーター62は、極歯61aと極歯62aとが軸線L方向に並ぶ位置からA相ステーター61に対して軸線L周りに7.5度回転した位置にある。図4Aに示すように、A相ステーター61のコイル61cの端子A1、A2およびB相ステーター62のコイル62cの端子B1、B2は、電動弁制御装置70のモータードライバ77に接続されている。
【0030】
ステーター60の内側には、キャン20が配置される。キャン20の内側には、ローター41が配置される。ステーター60とローター41とは、ステッピングモーター66を構成する。
【0031】
ステッピングモーター66にパルスPが入力されることによりローター41が回転する。具体的には、ステッピングモーター66のステーター60にパルスPに応じた駆動電流が供給されることによりローター41が回転する。本明細書において、「ステッピングモーター66にパルスPが入力されること」は、「ステッピングモーター66のステーター60にパルスPに応じた駆動電流が供給されること」と同義である。
【0032】
ステッピングモーター66には、図4Bに示すパルスP[1]~P[8]が順番に入力される。
【0033】
ローター41を第一方向(図3において時計方向)に回転させる場合、ステッピングモーター66にパルスPを昇順(パルスP[1]~P[8]の順番)で循環的に入力する。ローター41が第一方向に回転すると、弁軸ホルダー42の雌ねじ42cとガイドブッシュ43の雄ねじ43cとのねじ送り作用によってローター41および弁軸ホルダー42が下方に移動する。ローター41(弁軸ホルダー42)が、閉弁ばね47を介して弁体30を下方に押す。弁体30が下方に移動して弁部33が弁座18に接する。このときのローター41の位置は、閉弁位置Rcである。この状態からローター41を第一方向にさらに回転させると、閉弁ばね47が圧縮されてローター41および弁軸ホルダー42が下方にさらに移動する。弁体30は下方に移動しない。そして、弁軸ホルダー42の可動ストッパ42sがストッパ部材44の固定ストッパ44sに接すると、ローター41の第一方向への回転が規制される。このときのローター41の位置は、基準位置Rxである。可動ストッパ42sおよび固定ストッパ44sは、ローター41の第一方向への回転を規制するストッパ機構49である。
【0034】
ローター41を第一方向と反対の第二方向(図3において反時計方向)に回転させる場合、ステッピングモーター66にパルスPを降順(パルスP[8]~P[1]の順番)で循環的に入力する。ローター41が第二方向に回転すると、弁軸ホルダー42の雌ねじ42cとガイドブッシュ43の雄ねじ43cとのねじ送り作用によってローター41および弁軸ホルダー42が上方に移動する。ローター41(弁軸ホルダー42)が固定具45を上方に押す。固定具45とともに弁体30が上方に移動して、弁体30が弁座18から離れる。所定の流量測定環境において弁口17における流体の流量が所定の設定値であるときのローター41の位置を開弁位置Roとする。設定値は、電動弁装置1の構成や用途などに応じて適宜設定される。また、ステッピングモーター66に所定数(例えば500)のパルスを入力して、ローター41を基準位置Rxから第二方向に回転させたときのローター41の位置を全開位置Rzとする。
【0035】
ローター41が第一方向に回転すると弁口17が閉じ、ローター41が第二方向に回転すると弁口17が開く。すなわち、第一方向は閉弁方向であり、第二方向は開弁方向である。
【0036】
ローター41が閉弁位置Rcにあるとき、弁体30が弁座18に接して弁口17が閉じており、弁口17の開度は最小開度(0%)である。ローター41が全開位置Rzにあるとき、弁体30が電動弁5の実用動作範囲内で弁座18から最も離れており、弁口17の開度は最大開度(100%)である。弁口17の開度は、電動弁5の弁開度に関連している。
【0037】
電動弁制御装置70は、電動弁5の弁開度が最小開度から最大開度の範囲内となるように当該電動弁5を制御する。電動弁制御装置70が電動弁5の制御に用いる弁開度の最小開度および最大開度について説明する。ローター41がストッパ機構49によって第一方向への回転が規制された位置(基準位置Rx)にあるときの電動弁5の弁開度が、最小開度(0%)である。また、弁口17が電動弁5の最大流量(例えばCv値)の90%の流量の冷媒が流動可能な開度となる位置にローター41があるときの電動弁5の弁開度が、最大開度(100%)である。
【0038】
ただし、電動弁制御装置70が電動弁5の制御に用いる弁開度の最小開度および最大開度の設定は上記に限定されない。例えば、ローター41が開弁位置Roにあるときの電動弁5の弁開度が、最小開度(0%)でもよい。開弁位置Roは、例えば、閉弁位置Rcから開弁方向に回転していくときに電動弁5の弁漏れ量が所定流量に達した位置である。また、ローター41が雄ねじ43cと雌ねじ42cとの螺合が外れる直前の位置にあるときの電動弁5の弁開度が、最大開度(100%)でもよい。ローター41が全開位置Rzにあるときの電動弁5の弁開度が、最大開度(100%)でもよい。
【0039】
電動弁制御装置70は、複数の電子部品(図示なし)が実装された基板71を有している。電動弁制御装置70は、図1に示すように、不揮発性メモリ75と、通信装置76と、モータードライバ77と、コンピュータ80と、を有している。電動弁制御装置70は、エアコン制御装置110から受信した命令に基づいて電動弁5を制御する。
【0040】
不揮発性メモリ75は、電源が切断された場合でも保持する必要があるデータを記憶する。不揮発性メモリ75は、例えば、EEPROMやフラッシュメモリである。不揮発性メモリ75は、不揮発性の記憶部である。
【0041】
不揮発性メモリ75の一部の領域は、電動弁5の前回の制御終了時の状態を示す情報である状態情報J1が格納される状態記憶部M1である。また、不揮発性メモリ75の他の一部の領域は、電動弁5の前回の制御終了時の弁開度を示す情報である前回弁開度情報J2が格納される前回弁開度記憶部M2である。
【0042】
通信装置76は、有線通信バス120を介してエアコン制御装置110と通信可能に接続されている。エアコンシステム100は、例えば、Local Interconnect Network(LIN)やController Area Network(CAN)などの通信方式を採用している。なお、通信装置76は、エアコン制御装置110と無線通信可能に接続されていてもよい。
【0043】
モータードライバ77は、コンピュータ80から入力されるパルスPに基づいてステッピングモーター66に駆動電流を供給する。図4Aに示すように、モータードライバ77は、A相ステーター61のコイル61cの端子A1、A2およびB相ステーター62のコイル62cの端子B1、B2と接続されている。図4Bに、パルスPとモータードライバ77が供給する駆動電流との対応の一例を示す。図4Bにおいて、(+)は、端子A1から端子A2への駆動電流、または、端子B1から端子B2への駆動電流を供給することを示し、(-)は、端子A2から端子A1への駆動電流、または、端子B2から端子B1への駆動電流を供給することを示し、(0)は、駆動電流を供給しないことを示す。
【0044】
コンピュータ80は、CPU、ROM、RAM、入出力インタフェース(I/O)およびアナログ-デジタル変換器(ADC)などが1つのパッケージに組み込まれた組込機器用のマイクロコンピュータである。コンピュータ80は、不揮発性メモリ75、通信装置76およびモータードライバ77を含んでいてもよい。
【0045】
コンピュータ80のROMには、CPUが実行するプログラムや書き換えが不要な各種設定値などが格納される。
【0046】
コンピュータ80のRAMは、CPUがプログラムを実行する際に使用される作業用メモリである。コンピュータ80のRAMの一部の領域は、電動弁5の現在の弁開度を示す情報である現在弁開度情報J3が格納される現在弁開度記憶部M3である。また、コンピュータ80のRAMの他の一部の領域は、電動弁5の起動時診断の結果を示す情報である起動時診断結果情報J4と、電動弁5の通常運転時診断の結果を示す情報である通常運転時診断結果情報J5と、が格納される診断結果記憶部M4である。
【0047】
次に、電動弁制御装置70が実行する処理の一例を、図5図6を参照して説明する。
【0048】
電動弁制御装置70(具体的にはコンピュータ80)は、電源が投入されると、または、スリープモードから復帰すると、動作モードに移行して、図5図6に示すフローチャートに示す処理を実行する。図5のステップS110~S170が起動処理であり、図6のステップS210~S290が通常運転処理である。
【0049】
起動処理において、電動弁制御装置70は、前回の制御終了時の状態(終了状態)が「正常」だったとき(S110でY)、電動弁5の現在の弁開度として「前回の制御終了時の弁開度」を設定し(S120)、制御終了時の状態として「異常終了」を保存する(S130)。
【0050】
具体的には、電動弁制御装置70は、状態情報J1が「正常終了」を示す情報だったとき、前回弁開度情報J2を現在弁開度情報J3として現在弁開度記憶部M3に格納する。そして、電動弁制御装置70は、「異常終了」を示す情報を状態情報J1として状態記憶部M1に格納する。電動弁制御装置70は、起動処理において状態情報J1に「異常終了」を示す情報を設定することで、突然の電源喪失後に再起動したときなどに、異常終了が生じたことを検出できる。
【0051】
または、電動弁制御装置70は、前回の制御終了時の状態が「異常」だったとき(S110でN)、電動弁5の現在の弁開度として「最大開度」を設定する(S140)。
【0052】
具体的には、電動弁制御装置70は、状態情報J1が「異常終了」を示す情報だったとき、最大開度(100%)を示す情報を現在弁開度情報J3として現在弁開度記憶部M3に格納する。
【0053】
電動弁制御装置70は、電動弁5の起動時診断を行う(S150)。電動弁制御装置70は、起動時診断として、例えば、電源電圧が適正範囲内であるか否か、ステッピングモーター66に入力したパルスPに応じてローターが適切に回転するか否か、などを確認する。そして、電動弁制御装置70は、起動時診断の結果を示す情報を起動時診断結果情報J4として診断結果記憶部M4に格納する。
【0054】
電動弁制御装置70は、起動時診断の結果が「正常」であるとき(S160でY)、通常運転処理(S210)に進む。または、電動弁制御装置70は、起動時診断の結果が「異常」であるとき(S160でN)、電動弁5の現在の弁開度として「最大開度」を設定して(S170)、通常運転処理(S210)に進む。
【0055】
具体的には、電動弁制御装置70は、起動時診断結果情報J4が「正常」を示す情報だったとき、ステップS210に進む。または、電動弁制御装置70は、起動時診断結果情報J4が「異常」を示す情報だったとき、最大開度(100%)を示す情報を現在弁開度情報J3として現在弁開度記憶部M3に格納し、ステップS210に進む。
【0056】
通常運転処理において、電動弁制御装置70は、電動弁5の通常運転時診断を行う(S210)。電動弁制御装置70は、通常運転時診断として、例えば、電源電圧が適正範囲内にあるか否か、ステッピングモーター66が脱調していないか否か、などを確認する。そして、電動弁制御装置70は、通常運転時診断の結果を示す情報を通常運転時診断結果情報J5として診断結果記憶部M4に格納する。なお、電動弁制御装置70は、各種センサーの出力やタイマーなどをトリガーとして実行される割り込み処理や、本フローチャートに示す処理と並行して実行される他の処理などにおいて、通常運転時診断を行ってもよい。
【0057】
電動弁制御装置70は、通常運転時診断の結果が「正常」であるとき(S220でY)、エアコン制御装置110からの命令の受信処理(S240)に進む。または、電動弁制御装置70は、通常運転時診断の結果が「異常」であるとき(S220でN)、電動弁5の現在の弁開度として「最大開度」を設定して(S230)、エアコン制御装置110からの命令の受信処理(S240)に進む。
【0058】
具体的には、電動弁制御装置70は、通常運転時診断結果情報J5が「正常」を示す情報だったとき、ステップS240に進む。または、電動弁制御装置70は、通常運転時診断結果情報J5が「異常」を示す情報だったとき、最大開度(100%)を示す情報を現在弁開度情報J3として現在弁開度記憶部M3に格納し、ステップS240に進む。
【0059】
電動弁制御装置70は、エアコン制御装置110から受信した命令がスリープ命令でないとき(S240でY、S250でN)、当該命令を実行して(S260)、通常運転時診断に戻る(S210)。
【0060】
例えば、電動弁制御装置70が電動弁5の弁開度を変更する命令を受信したとき、電動弁制御装置70は、現在弁開度情報J3に基づいて算出した数のパルスPをステッピングモーター66に入力する。電動弁制御装置70は、電動弁5の弁開度を現在弁開度情報J3に示される弁開度から当該命令で指定された弁開度に変更するためのパルスPの数およびローター41の回転方向を取得する。ステッピングモーター66にパルスPが入力されると、ローター41が閉弁方向または開弁方向にパルスPに応じた角度の回転をする。これにより、電動弁5の弁開度が、当該命令で指定された弁開度に変更される。そして、電動弁制御装置70は、パルスPの入力に応じて、弁開度を示す情報を現在弁開度情報J3として現在弁開度記憶部M3に格納する。
【0061】
電動弁制御装置70は、通常運転処理において、最小開度(0%)から最大開度(100%)の範囲内で弁開度を変更する。例えば、電動弁制御装置70が受信した命令に基づいて電動弁5の弁開度を大きくしている途中で現在弁開度情報J3に示される弁開度が最大開度(100%)になったとき、電動弁制御装置70は弁開度の変更を中止する。または、現在弁開度情報J3に示される弁開度が最大開度(100%)である場合に電動弁制御装置70が弁開度を大きくする命令を受信したとき、電動弁制御装置70は弁開度を変更せず、当該命令を破棄する。電動弁制御装置70は、現在弁開度情報J3が実際の弁開度を示しているか否かにかかわらず、当該現在弁開度情報J3が最大開度(100%)を示していれば、ローター41を開弁方向に回転させない。なお、電動弁制御装置70は、命令の実行を中止したり、命令を実行せずに破棄したりしたとき、命令が正常に終了しなかった旨の応答をエアコン制御装置110に送信してもよい。また、電動弁制御装置70が原点出し命令を受信したとき、電動弁制御装置70は、ローター41を全開位置Rzから基準位置Rxまで第一方向に回転させるのに十分な数のパルスPをステッピングモーター66に入力する。そして、電動弁制御装置70は、ローター41が基準位置Rxに位置付けられると、現在弁開度情報J3に最小開度(0%)を設定する。具体的には、電動弁制御装置70は、ローター41が基準位置Rxに位置付けられると、最小開度(0%)を示す情報を現在弁開度情報J3として現在弁開度記憶部M3に格納する。
【0062】
電動弁制御装置70は、エアコン制御装置110から命令を受信しない期間が4秒未満であるとき(S240でN、S270でN)、通常運転時診断に戻る(S210)。
【0063】
電動弁制御装置70は、エアコン制御装置110から受信した命令がスリープ命令であるとき(S240でY、S250でY)、または、エアコン制御装置110から命令を受信しない期間が4秒以上であるとき(S240でN、S270でY)、スリープモードに移行するため、次のステップS280に進む。
【0064】
電動弁制御装置70は、起動時診断の結果および通常運転時診断の結果が「正常」であるとき(S280でY)、電動弁5の現在の弁開度を制御終了時の弁開度として保存し、制御終了時の状態として「正常終了」を保存して(S290)、スリープモードに移行する。
【0065】
具体的には、電動弁制御装置70は、起動時診断結果情報J4および通常運転時診断結果情報J5がともに「正常」を示す情報だったとき、現在弁開度情報J3を前回弁開度情報J2として前回弁開度記憶部M2に格納し、「正常終了」を示す情報を状態情報J1として状態記憶部M1に格納する。そして、電動弁制御装置70は、本フローチャートの処理を終えて、スリープモードに移行する。
【0066】
または、電動弁制御装置70は、起動時診断の結果および通常運転時診断の結果の少なくとも一方が「異常」であるとき(S280でN)、スリープモードに移行する。
【0067】
具体的には、電動弁制御装置70は、起動時診断結果情報J4および通常運転時診断結果情報J5の少なくとも一方が「異常」を示す情報だったとき、本フローチャートの処理を終えて、スリープモードに移行する。
【0068】
以上説明したように、電動弁装置1は、電動弁5と、電動弁制御装置70と、を有している。電動弁制御装置70は、電動弁5の現在の弁開度を示す現在弁開度情報J3を有しており、現在弁開度情報J3に基づいて電動弁5の弁開度を最小開度から最大開度の範囲内で変更する。そして、電動弁制御装置70が、電動弁5の異常を検出したとき(1:前回の制御終了時の状態が「異常」だったとき、2:起動時診断の結果が「異常」だったとき、3:通常運転時診断の結果が「異常」だったとき)、現在弁開度情報J3に最大開度を設定する。
【0069】
電動弁制御装置70は、電動弁5の異常を検出したとき、電動弁5の現在の弁開度に係る情報が信用できず、実際の弁開度が不明となるため、電動弁5の現在の弁開度を最大開度(100%)とみなす。そして、電動弁制御装置70は、電動弁5の現在の弁開度に係る情報が最大開度を示すとき、ローター41を開弁方向に回転させない。つまり、電動弁制御装置70は、電動弁5の異常を検出したときに、電動弁5の実際の弁開度がそれ以上大きくならないようにする。
【0070】
このようにしたことから、電動弁制御装置70が、電動弁5の異常を検出したとき、電動弁5の実際の弁開度に関わらず、電動弁5の現在の弁開度が最大開度(100%)であるとする。これにより、電動弁制御装置70が、異常を検出したときの電動弁5の実際の弁開度に対応する位置を超えて、ローター41を開弁方向に回転させることを防ぐことができる。そのため、電動弁制御装置70は、ローター41の位置が電動弁5の最大開度に対応する位置を超えることを抑制できる。例えば、ローター41における電動弁5の最大開度に対応する位置が全開位置Rzだった場合、ローター41の位置が全開位置Rzを超えることを抑制できる。また、電動弁5においてローター41の開弁方向の回転を規制する他のストッパ機構が不要であり、電動弁5の製造コストを低減できる。
【0071】
また、電動弁制御装置70は、電動弁5の前回の制御終了時の状態を示す状態情報J1と、電動弁5の前回の制御終了時の弁開度を示す前回弁開度情報J2と、を格納する不揮発性メモリ75を有している。電動弁制御装置70は、電動弁5の制御開始時に状態情報J1が「正常終了」を示す情報だったとき、現在弁開度情報J3に前回弁開度情報J2に示される弁開度を設定し、状態情報J1に「異常終了」を示す情報を設定する。または、電動弁制御装置70は、電動弁5の制御開始時に状態情報J1が「異常終了」を示す情報だったとき、現在弁開度情報J3に最大開度(100%)を設定する。そして、電動弁制御装置70は、電動弁5の制御開始時に状態情報J1が「正常終了」を示す情報でありかつ電動弁5の制御開始時以降に電動弁5の異常を検出しなかったとき、電動弁5の制御終了時に状態情報J1に「正常終了」を示す情報を設定する。
【0072】
このようにすることで、電動弁制御装置70は、電動弁5の前回の制御終了時の状態が「正常」であれば、電動弁5の前回の制御終了時の弁開度を引き継ぐ。または、電動弁制御装置70は、電動弁5の前回の制御終了時の状態が「異常」であれば、電動弁5の制御開始時の実際の弁開度を最大開度(100%)とする。そのため、電動弁5の前回の制御終了時の状態が「異常」であっても、電動弁制御装置70が、電動弁5の制御開始時の実際の弁開度に対応する位置を超えて、ローター41を開弁方向に回転させることを防ぐことができる。また、電動弁制御装置70は、突然の電源喪失後に再起動したときなどに、異常終了が生じたことを検出できる。
【0073】
電動弁5はステッピングモーター66を有しているが、電動弁5は、ステッピングモーター66に代えて、他の種類のモーターを有していてもよい。
【0074】
また、電動弁5はローター41の回転を減速しない駆動機構40を有しているが、電動弁5は、駆動機構40に代えて、ローター41の回転を減速する減速機構を有する駆動機構を有していてもよい。
【0075】
本明細書において、「円筒」や「円柱」等の形状を示す各用語は、実質的にその用語の形状を有する部材や部材の部分にも用いられている。例えば、「円筒形状の部材」は、円筒形状の部材と実質的に円筒形状の部材とを含む。
【0076】
上記に本発明の実施例を説明したが、本発明は実施例に限定されるものではない。前述の実施例に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、実施例の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の趣旨に反しない限り、本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
1…電動弁装置、5…電動弁、10…弁本体、11…本体部材、11a…嵌合穴、11b…貫通孔、11d…平面、13…接続部材、14…弁室、15…第1導管、16…第2導管、17…弁口、18…弁座、20…キャン、30…弁体、31…第1軸部、32…第2軸部、33…弁部、34…段部、40…駆動機構、41…ローター、41a…嵌合孔、42…弁軸ホルダー、42a…上壁部、42b…軸孔、42c…雌ねじ、42s…可動ストッパ、43…ガイドブッシュ、43a…基部、43b…支持部、43c…雄ねじ、43d…平面、44…ストッパ部材、44a…ストッパ本体、44c…雌ねじ、44s…固定ストッパ、45…固定具、45a…固定部、45b…フランジ部、46…ワッシャー、47…閉弁ばね、48…復帰ばね、49…ストッパ機構、60…ステーター、61…A相ステーター、61a…極歯、61b…極歯、61c…コイル、62…B相ステーター、62a…極歯、62b…極歯、62c…コイル、66…ステッピングモーター、70…電動弁制御装置、71…基板、75…不揮発性メモリ、76…通信装置、77…モータードライバ、80…コンピュータ、100…エアコンシステム、101…圧縮機、102…凝縮器、103…蒸発器、105…配管、110…エアコン制御装置、120…有線通信バス、A1、A2、B1、B2…端子、L…軸線、Rc…閉弁位置、Ro…開弁位置、Rx…基準位置、Rz…全開位置、J1…状態情報、J2…前回弁開度情報、J3…現在弁開度情報、J4…起動時診断結果情報、J5…通常運転時診断結果情報、M1…状態記憶部、M2…前回弁開度記憶部、M3…現在弁開度記憶部、M4…診断結果記憶部

図1
図2
図3
図4
図5
図6