(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】小型壁掛け貯湯タンクの利用方法
(51)【国際特許分類】
F24H 1/00 20220101AFI20240917BHJP
F24H 15/281 20220101ALI20240917BHJP
F24H 15/31 20220101ALI20240917BHJP
F24H 15/36 20220101ALI20240917BHJP
F24H 15/156 20220101ALI20240917BHJP
【FI】
F24H1/00 A
F24H15/281
F24H15/31
F24H15/36
F24H15/156
(21)【出願番号】P 2024023541
(22)【出願日】2024-02-20
【審査請求日】2024-02-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】305060969
【氏名又は名称】石井 孝
(72)【発明者】
【氏名】石井 孝
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-329303(JP,A)
【文献】特開2000-225059(JP,A)
【文献】特開2005-114189(JP,A)
【文献】特開2018-044760(JP,A)
【文献】特開2017-172862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00
F24H 15/281
F24H 15/31
F24H 15/36
F24H 15/156
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯タンク(1)は外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)より上部に位置し、湯の流れは外部瞬間型給湯器(10)から入湯給湯管(7)、入湯開閉弁(5)、貯湯タンク(1)、出湯口(8-0)、出湯管(8)外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)の順に流れ、貯湯タンク(1)へ入湯する条件を満たす場合に、入湯開閉弁(5)を開き貯湯タンク(1)へ外部瞬間型給湯器(10)の最低作動流量以上の湯が流れ、
入湯の条件を満たさない項目の中に安全上限温度超過の条件があり、入湯の条件を満たさない場合は入湯開閉弁(5)を閉め、貯湯タンク(1)内への湯の流れは止め、貯湯タンク(1)の湯が増減を繰り返しながら、外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)のいずれか、または、複数開くことで、安定した温度と安定した節水流量が、外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)へ流れることを特徴とする小型壁掛け貯湯タンクの利用方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、節水率の高い蛇口利用で、瞬間型給湯器の最低作動流量未満のため、水しか出ない問題に対応策として、節水率の高い蛇口でも給湯を可能にする外付け貯湯タンクの利用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コストダウンのため、大規模厨房の洗い場等で節水率の高い蛇口の利用が増加しているが、しかし、節水率の高い蛇口利用で貯湯式給湯器と瞬間型給湯器の問題がある。
貯湯式給湯器は、給湯器自体が大きく設置場所の問題と湯を使い切った後はなかなか湯の温度が上昇しない問題がある。
瞬間型給湯器は、湯の流量が最低作動流量未満の時は蛇口に水しか出ない問題、または、湯を出すには節水率の高い蛇口は利用できない問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題の内、貯湯式給湯器の設置場所については、物理的に解決できないため、瞬間型給湯器の問題について解決することを考える。
瞬間型給湯器ついて、節水率の高い蛇口利用時に湯の流量が最低作動流量未満の時でも蛇口に湯が出るようにし、コストダウンと冬季の冷水で手作業する身体的な苦痛を解消することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
バケツ1,2杯程度の少量を貯湯するための外付けの小型壁掛け貯湯タンクを蛇口より上部に位置する壁へ設置し、瞬間型給湯器の最低作動流量以上の流量で小型壁掛け貯湯タンクへ湯を一時的に貯湯し、貯湯タンクから蛇口へ湯を供給することで瞬間型給湯器の最低作動流量未満の節水率が高い蛇口でも湯が出ることを可能にする。
【発明の効果】
【0006】
大規模厨房の洗い場等、一日の内、長時間食器を洗うような場所では、コストダウンのため節水蛇口で流量制限していることが多い。しかし、瞬間型給湯器の最低作動流量未満の流量にして水しか出ないようにするか、瞬間型給湯器の最低作動流量以上の流量で湯を使用できるようにするかであるが、本発明は流量が少なくても湯が出ることで、コストダウンと冬季の冷水で手作業する身体的な苦痛を解消する両方が期待でき、発明の効果は十分ある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【符号の説明】
【0008】
1 貯湯タンク
2-1 空防止電極
2-2 溢れ防止電極
3 温度センサー
3-1 コントローラー
4 蓋
5 入湯開閉弁
6 電源スイッチ
7 入湯給湯管
8 出湯管
8-0 出湯口
9-1 外部蛇口
9-2 外部蛇口
9-3 外部蛇口
10 外部瞬間型給湯器
【発明を実施するための形態】
【0009】
外部瞬間型給湯器と節水蛇口の間に、節水蛇口より上部に位置する壁へ小型壁掛け貯湯タンクを設置し、外部瞬間型給湯器の最低作動流量以上の流量で、小型壁掛け貯湯タンクへ湯を貯湯し、節水率の高い外部蛇口へ湯を供給する。
【実施例1】
【0010】
図1から、外部瞬間型給湯器(10)から湯を貯湯タンク(1)へ貯湯するが、電源スイッチ(6)、空防止電極(2-1)、溢れ防止電極(2-2)、温度センサー(3)の状態をコントローラー(3-1)が判断し、入湯開閉弁(5)を開閉し、貯湯タンク(1)の貯湯量を調節する。
【0011】
湯の流れは外部瞬間型給湯器(10)から入湯給湯管(7)、入湯開閉弁(5)、貯湯タンク(1)、出湯口(8-0)、出湯管(8)、外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)の順に流れる。貯湯タンク(1)の上には入湯の際、湯が飛び散ることを防止する蓋(4)がある。
【0012】
貯湯タンク(1)に入湯する条件は、電源スイッチ(6)が入の時、かつ、貯湯タンク(1)内の空防止電極(2-1)が湯に浸かっていない時、かつ、外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)の使用者等が火傷等しないように、温度センサー(3)の測定温度が安全上限温度以下の時、コントローラー(3-1)が条件を判断し入湯開閉弁(5)を開き、外部瞬間型給湯器(10)から最低作動流量以上の流量で、貯湯タンク(1)内に湯を溜める。安全上限温度は任意で決めるが45℃以下にすることが火傷の危険がない安全温度と考えられる。
【0013】
貯湯タンク(1)への入湯を止める条件は、電源スイッチ(6)が切の時、または、溢れ防止電極(2-2)が湯に浸かった時、または、温度センサー(3)の測定温度が安全上限温度を超過した時、コントローラー(3-1)が条件を判断し、入湯開閉弁(5)を閉めることで外部瞬間型給湯器(10)からの入湯を止めるが、貯湯タンク(1)内の湯が減少等し、本明細書段落0012の入湯の条件を満たし湯が入る。
【0014】
貯湯タンク(1)に湯があり、外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)のいずれか、または、複数を開き、湯を使用すると、コントローラー(3-1)により入湯の条件を判断し、貯湯タンク(1)内の湯は増減を繰り返し、外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)は安定した温度、流量の湯を使用できる。
【0015】
貯湯タンク(1)が外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)より上部に位置することで外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)を開き、湯を出した時、節水率が高く外部瞬間型給湯器(10)の最低作動流量未満の流量しかなくても、湯は外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)へ流れる。貯湯タンク(1)の湯が少なくなると補充され、外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)の湯は安定して使用できる。
【0016】
貯湯タンク(1)は外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)より上部に位置し、湯の流れは外部瞬間型給湯器(10)から入湯給湯管(7)、入湯開閉弁(5)、貯湯タンク(1)、出湯口(8-0)、出湯管(8)外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)の順に流れ、貯湯タンク(1)へ入湯する条件を満たす場合に、入湯開閉弁(5)を開き貯湯タンク(1)へ外部瞬間型給湯器(10)の最低作動流量以上の湯が流れ、入湯の条件を満たさない場合は入湯開閉弁(5)を閉め、貯湯タンク(1)内への湯の流れは止め、貯湯タンク(1)の湯が増減を繰り返しながら、外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)のいずれか、または、複数開くことで、安定した温度と安定した節水流量が、外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)へ流れる。
【0017】
通常、外部瞬間型給湯器(10)は外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)のように3か所給湯では24号(24リットル/分)程度必要とされているが80%程度の節水蛇口を使用すると、3か所給湯で(5リットル/分)程度で大幅に節湯できる。また、外部蛇口(9-4)(9-5)(9-6)……のように増設も可能である。
【0018】
貯湯タンク(1)や外部瞬間型給湯器(10)は流量に余裕があることで、外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)の安定使用が可能である。
【0019】
今後の課題として
火傷の危険がない安全温度を確保のため、外部瞬間型給湯器(10)の設定温度を自動的に下げる。自動的に水を混合し湯の温度を下げる。のように、自動的に湯の温度を下げる機能を追加する等、将来的に考えることも大切である。
【0020】
停電や故障等により、湯が使えなくなった時はバイパス水路を確保して、水が外部蛇口(9-1)(9-2)(9-3)へ出るようにしておくことが最良である。
【産業上の利用可能性】
【0021】
節水蛇口をコストダウンのために利用していることが多く、瞬間型給湯器でも湯が出ることを可能にすることで、
1冬場の冷水時は直接水に触れる身体的な苦痛がなくなる。
2流量が少なくても湯が出ることで節湯でき、コストダウンできる。
両方のメリットが期待でき、産業上の利用の可能性は十分ある。
【要約】
【課題】
節水目的で節水率の高い蛇口を利用すると、瞬間型給湯器の最低作動流量未満の流量不足であった、瞬間型給湯器が作動せず冬は冷水しか使用できないため、身体的苦痛があった。湯を使用するには節水型蛇口は使用できず、節水なし蛇口は湯量が多くコスト高であった。
【解決手段】
瞬間型給湯器の作動流量で一時的に上部の小型壁掛け貯湯タンクに湯を溜め、貯湯タンクから下部の節水蛇口へ湯を流すことで、節水蛇口でも湯の使用を可能にする。コストダウンと冬の身体的な苦痛もなくなる。
【選択図】
図1