(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】採用管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20240917BHJP
【FI】
G06Q10/1053
(21)【出願番号】P 2024093967
(22)【出願日】2024-06-10
【審査請求日】2024-06-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523397768
【氏名又は名称】株式会社リードパス
(74)【代理人】
【識別番号】100141829
【氏名又は名称】山田 牧人
(74)【代理人】
【識別番号】100123663
【氏名又は名称】広川 浩司
(72)【発明者】
【氏名】浅羽 赳夫
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】スクリーニングクエスチョン:質問とは何か、どのように使うか+例題 [online],2024年03月02日,[検索日2024.07.24], Internet<URL:https://web.archive.org/web/20240302172333/https://developer.indeed.com/docs/ja-jp/indeed-apply/direct-employer/>
【文献】スクリーニング用の質問 [online],2024年02月21日,[検索日2024.07.16],Internet<URL:https://web.archive.org/web/20240221170954/https://www.questionpro.com/blog/ja/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%82%AF%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%A7%E3%83%B3%EF%BC%9A%E8%B3%AA%E5%95%8F%E3%81%A8%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%8B%E3%80%81%E3%81%A9/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
採用プロセスにおいて、求人に対する応募者が利用する端末との間でネットワークを介して採用選考に関する情報を送受信し、前記端末からの情報に基づき前記応募者の絞り込みを行う採用管理システムであって、
前記応募者に対する複数の質問事項と、該質問事項に対する回答となる複数の選択肢と、前記選択肢ごとに設定されOK属性とNG属性及びOUT属性のいずれかを示す属性情報と、を対応づけて記憶した質問記憶部から情報を読み出し、複数の前記質問事項と対応する複数の前記選択肢を前記応募者の前記端末に送信して表示させ、応募者が選択した前記選択肢の情報を受信する送受信手段と、
前記送受信手段で受信した前記選択肢の情報に基づき前記応募者の絞り込みを行う判定手段と、を備え、
前記判定手段は、前記質問記憶部を参照して前記応募者が選択した前記選択肢に対応する前記属性情報を取得し、前記属性情報に少なくとも1つの前記OUT属性を含む場合は、前記採用プロセスの終了処理を行い、前記属性情報が全て前記OK属性である場合または前記OK属性と前記NG属性の両方を含む場合は、前記採用プロセスの続行処理を行う採用管理システム。
【請求項2】
前記判定手段は、全ての前記属性情報が前記NG属性である場合は、前記採用プロセスの終了処理を行う請求項1に記載の採用管理システム。
【請求項3】
前記判定手段は、前記応募者が選択した前記選択肢に対応する前記属性情報に予め設定した数以上の前記NG属性を含む場合は、前記採用プロセスの終了処理を行う請求項1に記載の採用管理システム。
【請求項4】
前記判定手段は、前記応募者が選択した前記選択肢に対応する前記属性情報に少なくとも1つの前記OUT属性を含む場合または全ての前記属性情報が前記NG属性である場合に、前記採用プロセスの終了処理とともに別の採用プロセスを開始する請求項1に記載の採用管理システム。
【請求項5】
前記判定手段は、前記応募者が1つの前記質問事項に対して回答する度に、前記質問記憶部を参照して前記応募者が選択した前記選択肢に対応する前記属性情報を取得し、前記属性情報が前記OUT属性である場合は、前記採用プロセスの終了処理を行う請求項1に記載の採用管理システム。
【請求項6】
前記判定手段は、前記応募者が
複数の選択肢を選択可能な前記質問事項に
おいて、前記応募者が選択した複数の前記選択肢に対応する属性情報がすべてNG属性である場合は、前記採用プロセスの終了処理を行う請求項5に記載の採用管理システム。
【請求項7】
求人を出す採用者が利用する端末との間でネットワークを介して情報を送受信する採用者設定
手段を備え、
採用者が利用する端末から前記採用者設定手段を介して前記質問事項と前記選択肢および前記属性情報を前記質問記憶部に記憶させる請求項1~6のいずれか1項に記載の採用管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、求職中の応募者が端末から入力した情報に基づき効率的なスクリーニングを実施する採用管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
採用者が応募者の採用を行う際には、応募書類や面接などの採用プロセスを通じて、応募者自身の情報や職務経験の情報、あるいは職務への適性に関する情報といった選考のために必要な情報(以下、選考情報という)を取得する。採用者は、取得した選考情報に基づき、応募者をスクリーニングし、採用プロセスを進める。
【0003】
採用プロセスを効率化するため、対話型のインターフェースを備え、面接に近い形で応募者から選考情報を取得する採用管理システムが知られている。このような採用管理システムとして、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のような採用管理システムを用いて、採用者が応募者から選考情報を取得したとしても、採用者は、取得した選考情報から応募者をスクリーニングする必要がある。アルバイトやパートを大量に採用する業種の採用者においては、多数の応募があって選考情報が膨大になるため、採用プロセスに時間や労力を要することとなる。このため、採用管理システムにおいて応募者をある程度絞り込む一次的なスクリーニングを行い、ここで絞り込まれた応募者に対して採用者がさらに二次的なスクリーニングを行うことで、採用プロセスをより効率的に実施することができる。
【0006】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、応募者が端末で入力した情報に基づき一次的なスクリーニングを行うことのできる採用管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明に係る採用管理システムは、採用プロセスにおいて、求人に対する応募者が利用する端末との間でネットワークを介して採用選考に関する情報を送受信し、前記端末からの情報に基づき前記応募者の絞り込みを行う採用管理システムであって、前記応募者に対する複数の質問事項と、該質問事項に対する回答となる複数の選択肢と、前記選択肢ごとに設定されOK属性とNG属性及びOUT属性のいずれかを示す属性情報と、を対応づけて記憶した質問記憶部から情報を読み出し、複数の前記質問事項と対応する複数の前記選択肢を前記応募者の前記端末に送信して表示させ、応募者が選択した前記選択肢の情報を受信する送受信手段と、前記送受信手段で受信した前記選択肢の情報に基づき前記応募者の絞り込みを行う判定手段と、を備え、前記判定手段は、前記質問記憶部を参照して前記応募者が選択した前記選択肢に対応する前記属性情報を取得し、前記属性情報に少なくとも1つの前記OUT属性を含む場合は、前記採用プロセスの終了処理を行い、前記属性情報が全て前記OK属性である場合または前記OK属性と前記NG属性の両方を含む場合は、前記採用プロセスの続行処理を行う。
【0008】
また、本発明に係る採用管理システムは、前記判定手段は、全ての前記属性情報が前記NG属性である場合は、前記採用プロセスの終了処理を行う。
【0009】
また、本発明に係る採用管理システムは、前記判定手段は、前記応募者が選択した前記選択肢に対応する前記属性情報に予め設定した数以上の前記NG属性を含む場合は、前記採用プロセスの終了処理を行う。
【0010】
また、本発明に係る採用管理システムは、前記判定手段は、前記応募者が選択した前記選択肢に対応する前記属性情報に予め設定した数以上の前記NG属性を含む場合は、前記採用プロセスの終了処理を行う。
【0011】
また、本発明に係る採用管理システムは、前記判定手段は、前記応募者が1つの前記質問事項に対して回答する度に、前記質問記憶部を参照して前記応募者が選択した前記選択肢に対応する前記属性情報を取得し、前記属性情報が前記OUT属性である場合は、前記採用プロセスの終了処理を行う。
【0012】
また、本発明に係る採用管理システムは、前記判定手段は、前記応募者が複数の選択肢を選択可能な前記質問事項において、前記応募者が選択した複数の前記選択肢に対応する属性情報がすべてNG属性である場合は、前記採用プロセスの終了処理を行う。
【0013】
また、本発明に係る採用管理システムは、求人を出す採用者が利用する端末との間でネットワークを介して情報を送受信する採用者設定手段を備え、採用者が利用する端末から前記採用者設定手段を介して前記質問事項と前記選択肢および前記属性情報を前記質問記憶部に記憶させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る採用管理システムによれば、取得した属性情報の一部のみNG属性の場合に採用プロセスが続行されるので、採用可能性のある応募者を取りこぼすことなく一次的なスクリーニングを行うことができる。また、採用できる見込みが極めて小さいと考えられる応募者は選考から除外できるので、採用者が採用可否につき判断する二次的なスクリーニングを効率的に進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態の採用管理システムを用いた採用プロセスのフローチャートである。
【
図3】採用者が質問事項を設定する際における採用者端末の表示画面例である。
【
図5】応募者が選択肢の選択を進めた際における応募者端末の表示画面例である。
【
図6】
図1の続行判定におけるフローチャートである。
【
図7】第1変形例に係る
図1の続行判定におけるフローチャートである。
【
図8】第2変形例に係る
図1の続行判定におけるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態について、図面に沿って詳細に説明する。本実施形態の採用管理システム10は、採用プロセスにおいて、求人に対する応募者が利用する応募者端末11との間でネットワークを介して採用選考に関する情報を送受信し、応募者端末11からの情報に基づき応募者の絞り込みを行うために用いられる。
【0017】
採用管理システム10を用いた採用プロセスについて説明する。採用プロセスは、特定の採用者が特定の職種について応募者から選考情報を取得し、条件に合致する応募者を選考して採用するプロセスである。
【0018】
図1に示すように、応募者が採用を希望する場合、応募者は応募者端末11においてチャットを開始する(S1)。採用管理システム10は、採用者が予め設定した質問事項を応募者端末11に表示し(S2)、応募者は質問に対する回答を選択して送信することで、採用管理システム10は選考情報を取得する(S3)。取得した選考情報に基づき、採用管理システム10は採用プロセスを続行するか否かを判定する(S4)。S4において、選考情報が一定の条件を満たす応募者に絞り込む一次的なスクリーニングを行うことができる。採用管理システム10が採用プロセスを続行すると判定した場合、採用管理システム10は採用プロセスの続行処理を行う(S5)。採用プロセスの続行処理では、選考情報を採用者に送信あるいは通知するなどの処理が行われる。採用者は、一次的なスクリーニングで絞り込まれた応募者につき、選考情報を基に採用可否を判断する(S6)。S4において採用管理システム10が採用プロセスを終了すると判定した場合、採用管理システム10は採用プロセスの終了処理を行う(S7)。採用プロセスの終了処理では、応募者とのチャットを終了し、当該応募者の情報に不採用との情報を追加するなどして、採用プロセスを終了する。
【0019】
次に、採用管理システム10の構成について説明する。
図2に示すように、採用管理システム10は、応募者端末11とネットワークを介して情報のやり取りを行う送受信手段20と、選考情報に基づきS4の判定を行う判定手段21と、採用者端末12とネットワークを介して情報のやり取りを行う採用者設定手段22と、応募者に対する質問事項と対応する選択肢および選択肢ごとに設定される属性情報を記憶する質問記憶部25と、を有している。
【0020】
採用管理システム10を構成する各手段は、中央演算処理装置とメモリとを有するコンピュータによって実現することができる。コンピュータは、サーバー装置であってもよいし、PCなどの小型コンピュータであってもよい。質問記憶部25は、本実施形態では採用管理システム10に含まれているが、採用管理システム10の外部に設けられるデータベース等で構成されてもよい。この場合、採用管理システム10と質問記憶部25との間の通信により、質問記憶部25からの情報の読み出しおよび情報の書き込みを行うことができる。
【0021】
応募者端末11と採用者端末12は、スマートフォンなどの携帯情報端末またはPC等のコンピュータにより構成することができる。応募者端末11と採用者端末12は、ブラウザ等の汎用のアプリを用いて、採用管理システム10との情報のやり取りを行うことができる。応募者端末11のブラウザでは、採用管理システム10との間で対話型インターフェース、すなわちチャット形式で情報のやり取りを行うことができる。採用者端末12のブラウザでは、採用管理システム10との間で質問記憶部25に記憶させる情報の入力を行うことができる。なお、応募者端末11と採用者端末12には、本システムを利用するためのアプリが予めインストールされていてもよい。
【0022】
質問記憶部25には、採用者が設定した複数の質問事項が記憶されている。質問事項には、それぞれ回答となる複数の選択肢の情報が対応づけて記憶されている。また、選択肢の情報には、それぞれOK属性とNG属性及びOUT属性のいずれかを示す属性情報が対応づけられている。表1には、質問記憶部25に記憶される情報の構造を示している。この例では、質問記憶部25には質問1~3の3つの質問事項が記憶される。質問1には、選択肢1-1~1-4の4つの選択肢が対応づけられている。また、選択肢1-1にはOK属性が、選択肢1-2にはOK属性が、選択肢1-3にはNG属性が、選択肢1-4にはOUT属性が、それぞれ対応づけられている。質問2、質問3についても、それぞれ複数の選択肢が対応づけられ、さらに選択肢ごとに属性情報が対応づけられている。質問事項や選択肢の数、および質問事項や選択肢の内容については、採用者が募集に際して必要と考える任意の数や内容に設定することができる。また、選択肢ごとの属性情報についても、採用者が必要に応じて任意に設定することができる。
【0023】
【0024】
より具体的には、質問事項と選択肢とが表2に示すように設定される。この例では、すべての質問事項に対してOUT属性が対応づけられた選択肢が存在しているが、OK属性とNG属性のいずれかのみが対応づけられた選択肢を有する質問事項が存在してもよい。表2に示す質問事項と選択肢は、あくまで一例であり、前述のように質問事項と選択肢の数や内容は、採用者の必要に応じて任意に設定されうる。
【0025】
【0026】
採用者設定手段22は、採用者端末12から受信した質問事項と複数の選択肢および各選択肢に対応する属性情報を質問記憶部25に記憶させる。採用者設定手段22は、採用者端末12に
図3に示すような画面を表示させる。採用者端末12の画面には、質問事項テキストボックス30と回答パターン選択部31および選択肢設定部32が表示される。質問事項テキストボックス30には、質問事項を入力することができる。回答パターン選択部31は、応募者が当該質問事項に対する回答として1つの選択肢のみ選択できるか、または複数の選択肢を選択できるか、あるいは回答をテキストで入力するかを選択できるようになっている。
【0027】
選択肢設定部32では、「+」のボタンを押すことで、設定する選択肢を増やし、選択肢となるテキストを入力することができる。各選択肢には、属性情報を設定する選択肢が表示されている。前述のように、属性情報はOK属性とNG属性とOUT属性のいずれかであるため、選択肢ごとに「OK」と「NG」と「OUT」のいずれかを選択することができる。採用者は、当該選択肢が採用の条件に合致する場合は「OK」を選択する。採用者は、当該選択肢が採用の条件に合致しないが必ずしもそれだけの理由で不採用とはしない場合に「NG」を選択する。採用者は、当該選択肢が採用の条件に合致せず、それだけの理由で不採用となる場合に「OUT」を選択する。
図3の例では、勤務時間帯について「早朝」と「午後」および「夕方・夜」の各選択肢につき、人材を採用したい時間帯であることから「OK」を選択している。「午前」と「お昼」の各選択肢は、今回人材を採用したい時間帯ではないが必要に応じて採用しうるため、「NG」を選択している。「どれも不可(深夜のみ)」の選択肢は、採用の条件に合致しえないため、「OUT」を選択している。
【0028】
また、選択肢設定部32には、各選択肢の左端に上下矢印のマークが表示されており、ここを押したまま選択肢を移動させることで、選択肢の表示される順番を変更することができる。また、各選択肢の右端には「削除」ボタンが表示され、選択肢ごとに削除することができる。なお、
図3の画面はあくまで一例であり、配置やデザインなどは任意に設定できる。
【0029】
送受信手段20は、質問記憶部25から情報を読み出し、質問事項と対応する複数の選択肢を応募者端末11に送信して表示させ、応募者から回答を受信したら、次の質問事項と対応する複数の選択肢を応募者端末11に送信して表示させる。送受信手段20は、これをすべての質問事項につき繰り返す。これにより、送受信手段20はすべての質問事項に対する回答を応募者から取得することができる。
【0030】
送受信手段20は、採用プロセスのS2において、応募者端末11に
図4に示すような画面を表示させる。この画面に表示されている質問事項および選択肢は、
図3で採用者が設定した質問事項および選択肢に対応している。応募者端末には、採用者の名称と質問事項および複数の選択肢が表示される。応募者は、複数の選択肢のうち該当する選択肢をタップして選択状態とすることができる。
図4の例では、「午前」と「お昼」および「午後」の選択肢を選択した状態となっている。応募者は、選択肢の下端に表示された「選択完了」ボタンをタップすることで、選択した選択肢の情報を採用管理システム10に送信することができる。
【0031】
図5に示すように、応募者が選択を完了すると、応募者側の発言として選択した選択肢(午前 お昼 午後)が表示される。次に採用管理システム10側から応募者端末11に表示された質問事項(週3日以上の勤務は可能ですか?)と選択肢に対して応募者が選択を完了すると、応募者側の発言として選択した選択肢(勤務可能)が表示される。すると、さらに採用管理システム10側から応募者端末に質問事項(勤務にあたって「髪の色」が職場に見合わない場合、社内規定に合った髪の色に変えることをご了承いただけますか?)と選択肢(「了承する」、「了承できない」)が表示される。
図5において、最新の質問事項に対する選択肢はまだ選択されていない状態である。応募者は、選択肢のいずれかを選択して選択完了ボタンをタップすることで、やりとりをさらに先に進めることができる。このように質問と回答を繰り返すことで、応募者にとっては他人とチャットを行っている感覚で選考情報を入力していくことができる。なお、
図4、5の画面はあくまで一例であり、配置やデザインなどは任意に設定できる。
【0032】
採用者設定手段22では、応募者に回答として選択肢ではなくテキストを入力させる質問事項を設定することができる。この場合、応募者端末11には質問事項とテキストボックスとが表示され、応募者は質問事項に対する回答としてテキストを入力することができる。例えば、応募者の自宅の最寄り駅を尋ねる質問事項において、このような質問形式を採ることができる。応募者が入力したテキストは、受信した送受信手段20により当該応募者の選考情報の一つとして記憶される。
【0033】
次に、採用プロセスのS4における判定手段21のフローについて説明する。
図6には、判定手段21のフローチャートを示している。判定手段21は、送受信手段20で取得した応募者が選択した選択肢に対応する属性情報を取得する(S4-1)。属性情報は、質問記憶部25を参照することで取得することができる。次に、判定手段21は、取得した属性情報に少なくとも1つのOUT属性を含むか否かを判別する(S4-2)。属性情報に1つでもOUT属性を含む場合、判定手段21は、採用プロセスを終了させる判定を行う(S4-5)。S4-2において属性情報にOUT属性を含まない場合、判定手段21は、さらに属性情報がすべてNG属性であるか否かを判別する(S4-3)。属性情報がすべてNG属性の場合、判定手段21は、採用プロセスを終了させる判定を行う(S4-5)。S4-3において属性情報が全てOK属性である場合またはOK属性とNG属性の両方を含む場合、判定手段21は、採用プロセスを続行させる判定を行う(S4-4)。
【0034】
判定手段21は、属性情報がすべてOK属性である場合の他、属性情報のうち一部がNG属性であっても、採用プロセスを続行させる。採用者は、条件の一部にNGがあったとしても、採用後のシフトや条件等を調整することにより、採用が可能となる場合もありうるため、より幅広く人材を採用することができる。一方で、属性情報がすべてNG属性または1つでもOUT属性を含む場合は、採用できる見込みが極めて小さいと考えられることから、採用管理システム10の段階において選考対象から除外することができる。これにより、採用管理システム10は、応募者を選考情報に基づいて適切に絞り込むことができ、採用プロセスを効率的に進めることができる。採用プロセスのS4における判定手段21のフローは、応募者が1つの質問事項に対して回答する度に行ってもよい。この場合、応募者がOUT属性に対応する選択肢を選択した時点で、チャットは終了し、採用プロセスの終了処理が行われる。また、応募者が複数の選択肢を選択可能な質問事項において、応募者が選択した複数の選択肢に対応する属性情報がすべてNG属性である場合も、チャットは終了し、採用プロセスの終了処理が行われる。一方、判定手段21のフローは、応募者がすべての質問事項に対して回答した後に行ってもよい。この場合、応募者がいずれかの質問事項に対する回答に1つでもOUT属性に対応する選択肢を選択しているか、または、すべての質問事項に対する回答がNG属性に対応する選択肢である場合に、採用プロセスの終了処理が行われる。
【0035】
判定手段21の変形例にかかるフローについて説明する。
図7には、判定手段21の第1変形例にかかるフローチャートを示している。判定手段21は、
図5の場合と同様、属性情報を取得し(S4-1)、属性情報に少なくとも1つのOUT属性を含むか否かを判別し(S4-2)、OUT属性を含まない場合は属性情報がすべてNG属性であるか否かを判別する(S4-3)。S4-3で条件が否定された場合、判定手段21は、属性情報に含まれるNG属性の数が予め設定した数N以上であるか否かを判別する(S4-4)。NG属性の数がN未満である場合、判定手段21は採用プロセスを続行させる判定を行う(S4-5)。S4-2において属性情報に少なくとも1つのOUT属性を含む場合、またはS4-3において属性情報がすべてNG属性である場合、またはS4-4においてNG属性の数がN以上である場合、判定手段21は採用プロセスを終了させる判定を行う(S4-6)。例えば、採用者が予め設定するNG属性の数が4であった場合、NG属性が3つまでであれば採用プロセスを続行するが、NG属性が4つ以上なら採用プロセスを終了する。このように、属性情報がすべてNG属性ではないがNG属性の数が多い応募者については、一次的なスクリーニングの段階で不採用とすることができる。これは、特に応募者数が多い職種において、応募者をより絞り込むことを可能とし、採用プロセスをより効率化することができる。
【0036】
図8には、判定手段21の第2変形例にかかるフローチャートを示している。本例では、判定手段21による属性情報の判定については
図6の場合と同様であるため、説明を省略する。判定手段21は、属性情報に少なくとも1つのOUT属性を含むか、すべてがNG属性の場合、S4-5において終了判定を行い、その後、別の採用プロセスを開始する(S4-6)。別の採用プロセスは、例えば元の採用プロセスと並行して行っている別の職種についての採用プロセスが挙げられる。この例として、元の採用プロセスがデリバリースタッフの募集であった場合に、調理スタッフの募集にかかる採用プロセスを別の採用プロセスとして開始することが該当する。別の採用プロセスを開始した場合、
図1のS2のステップからチャットが再度開始される。この場合に、元の採用プロセスにおいて既に表示した質問事項については、別の採用プロセスでは省略するようにしてもよい。また、別の採用プロセスとしては、職種が異なる募集の他、同じ職種で勤務開始時期が異なる募集など、元の採用プロセスとは異なる採用条件の募集であれば、任意に設定することができる。これにより、応募者が採用プロセスの条件に合致しなかったとしても、別の条件の募集で採用することができる可能性があるため、採用の最適化をより図ることができる。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用され得る。上述の実施形態では、応募者端末11においてチャット形式で質問事項に対して回答するようにしているが、応募者端末11からは質問事項に対する回答が入力できればチャット形式には限定されず、例えば回答を入力するため、ウェブフォームのような形式で応募者端末11に表示されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0038】
10 採用管理システム
11 応募者端末
12 採用者端末
20 送受信手段
21 判定手段
22 採用者設定手段
25 質問記憶部
30 質問事項テキストボックス
31 回答パターン選択部
32 選択肢設定部
【要約】
【課題】応募者が端末で入力した情報に基づき一次的なスクリーニングを行うことのできる採用管理システムを提供する。
【解決手段】応募者に対する複数の質問事項と、質問事項に対応する複数の選択肢と、選択肢ごとに設定されOK属性とNG属性及びOUT属性のいずれかを示す属性情報と、を対応づけて記憶した質問記憶部25から情報を読み出し、質問事項と複数の選択肢を応募者の端末に送信して表示させ、応募者が選択した選択肢の情報を受信する送受信手段20と、選択肢の情報に基づき応募者の絞り込みを行う判定手段21と、を備え、判定手段21は、応募者が選択した選択肢に対応する属性情報を取得し、属性情報に少なくとも1つのOUT属性を含む場合は、採用プロセスの終了処理を行い、属性情報が全てOK属性である場合またはOK属性とNG属性の両方を含む場合は、採用プロセスの続行処理を行う。
【選択図】
図1