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特許7555659情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20240101AFI20240917BHJP
【FI】
G06Q10/08
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2024520821
(86)(22)【出願日】2024-03-15
(86)【国際出願番号】 JP2024010186
【審査請求日】2024-04-04
(31)【優先権主張番号】P 2023133885
(32)【優先日】2023-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523318006
【氏名又は名称】株式会社J・MADE
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】吉川 正晃
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2023/181239(WO,A1)
【文献】特開2006-259868(JP,A)
【文献】特開2002-298029(JP,A)
【文献】特開2001-034668(JP,A)
【文献】中堅酒販店5社が共配センターで仕入れ・配送車両を約40%減車,MATERIAL FLOW,株式会社流通研究社,2007年07月01日,第48巻, 第7号,第33-38ページ,ISSN:1342-4599
【文献】長島慎二,RFIDとクラウドサービスによるリアルタイム在庫可視化事例,月刊自動認識,日本,日本工業出版株式会社,2016年08月10日,第29巻, 第9号,第20-26ページ,ISSN:0915-1060
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定商品を納品する複数の納品者の夫々により操作される複数の第1種装置と、当該所定商品の納品先により操作される第2種装置と、前記複数の第1種装置及び前記第2種装置の夫々と通信をする第3種装置とを含む情報処理システムにおいて、
前記第3種装置は、
前記複数の納品者毎に、在庫となる前記所定商品に関する1以上の項目の情報を商品情報として前記複数の第1種装置の夫々から取得する商品情報取得手段と、
複数の前記所定商品のうち所有権を在庫管理を行う第三者に移転して在庫として取り扱うと予め決定されたものを対象として、前記商品情報の前記1以上の項目及び在庫場所を示す項目を含む複数の項目の情報を在庫情報として、前記複数の項目のうち1以上の項目を検索条件とする検索が可能となるように商品マスタに登録することで一元管理する在庫一元管理手段と、
前記第2種装置からの前記検索条件を伴うアクセスに応じて、前記商品マスタによる一元管理の前記対象となっている複数の前記所定商品のうち前記検索条件に合致するものについて、前記在庫情報の少なくとも一部を含む画像のデータを生成して当該第2種装置に送信することで、当該データに係る当該画像を当該第2種装置に表示させる制御を実行する在庫表示制御手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記納品先は複数存在し、
複数の前記納品先のうち所定納品先からの前記所定商品の購買数及び共同購買に関する要望を当該所定納品先の前記第2種装置から受付けると、前記複数の前記納品先のうち当該所定納品先以外の他納品先の夫々の前記第2種装置に対して、当該所定商品の共同購買を促す旨の報知を行うと共に、当該共同購買に応じた1以上の当該他納品先の当該第2種装置から、当該所定商品の購買数を受け付け、前記所定納品先及び前記1以上の他納品先の夫々から受け付けた前記購買数の総和数から共有在庫の数を減算した数量の前記所定商品の発注に関する処理を、前記複数の納品者のうち少なくとも一部の前記第1種装置に対して行うまでの一連の処理を含む、当該共同購買に関する所定処理の実行を制御する共同購買制御手段、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記共同購買の対象となる複数の前記所定商品を、前記所定納品先及び前記1以上の他納品先の夫々に配送するための依頼を所定の物流業者の装置に対して行う処理の実行を制御する共同物流制御手段、
をさらに備える請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
所定商品を納品する複数の納品者の夫々により操作される複数の第1種装置と、当該所定商品の納品先により操作される第2種装置と、前記複数の第1種装置及び前記第2種装置の夫々と通信をする第3種装置とを含む情報処理システムにおける、前記第3種装置として機能する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記複数の納品者毎に、在庫となる前記所定商品に関する1以上の項目の情報を商品情報として前記複数の第1種装置の夫々から取得する商品情報取得ステップと、
複数の前記所定商品のうち所有権を在庫管理を行う第三者に移転して在庫として取り扱うと予め決定されたものを対象として、前記商品情報の前記1以上の項目及び在庫場所を示す項目を含む複数の項目の情報を在庫情報として、前記複数の項目のうち1以上の項目を検索条件とする検索が可能となるように商品マスタに登録することで一元管理する在庫一元管理ステップと、
前記第2種装置からの前記検索条件を伴うアクセスに応じて、前記商品マスタによる一元管理の前記対象となっている複数の前記所定商品のうち前記検索条件に合致するものについて、前記在庫情報の少なくとも一部を含む画像のデータを生成して当該第2種装置に送信することで、当該データに係る当該画像を当該第2種装置に表示させる制御を実行する在庫表示制御ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項5】
所定商品を納品する複数の納品者の夫々により操作される複数の第1種装置と、当該所定商品の納品先により操作される第2種装置と、前記複数の第1種装置及び前記第2種装置の夫々と通信をする第3種装置とを含む情報処理システムにおける、前記第3種装置を制御するコンピュータに、
前記複数の納品者毎に、在庫となる前記所定商品に関する1以上の項目の情報を商品情報として前記複数の第1種装置の夫々から取得する商品情報取得ステップと、
複数の前記所定商品のうち所有権を在庫管理を行う第三者に移転して在庫として取り扱うと予め決定されたものを対象として、前記商品情報の前記1以上の項目及び在庫場所を示す項目を含む複数の項目の情報を在庫情報として、前記複数の項目のうち1以上の項目を検索条件とする検索が可能となるように商品マスタに登録することで一元管理する在庫一元管理ステップと、
前記第2種装置からの前記検索条件を伴うアクセスに応じて、前記商品マスタによる一元管理の前記対象となっている複数の前記所定商品のうち前記検索条件に合致するものについて、前記在庫情報の少なくとも一部を含む画像のデータを生成して当該第2種装置に送信することで、当該データに係る当該画像を当該第2種装置に表示させる制御を実行する在庫表示制御ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットを使い、ホテルの現場から入力された発注依頼を納品業者向け注文書にまとめてホテルのホームページに掲載させることで、ホテル側の発注作業の削減を実現しようとした技術としては、例えば特許文献1に開示された技術が知られている。
上述の納品業者もインターネットを使い、決められた業者コードを入力すると共に、ホテルのホームページの発注リストを参照して受注・納品伝票の作成を行い、その上で商品をホテルに納品する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-249991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の特許文献1を含む従来の技にあっては、複数の納品業者が夫々、複数のホテルに対して納品対応をするといったN対Nのビジネスモデルを展開していたため、複数の納品業者と複数のホテルの双方が効率化を推進していけるような状況ではなかった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、複数の納品業者と複数のホテルの双方が効率化を推進していくことが可能な技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理システムは、
所定商品を納品する複数の納品者の夫々により操作される複数の第1種装置と、当該所定商品の納品先により操作される第2種装置と、前記複数の第1種装置及び前記第2種装置の夫々と通信をする第3種装置とを含む情報処理システムにおいて、
前記第3種装置は、
前記複数の納品者毎に、在庫となる前記所定商品に関する情報を商品情報として前記複数の第1種装置の夫々から取得する商品情報取得手段と、
複数の前記所定商品のうち所有権を所定の管理者に移転して在庫としたものについて、前記商品情報を在庫情報として一元管理する在庫一元管理手段と、
前記第2種装置からのアクセスに応じて、在庫として一元管理がなされている複数の前記所定商品のうち少なくとも一部に関する情報を可視化して当該第2種装置に表示させる制御を実行する在庫表示制御手段と、
を備える。
【0007】
本発明の一態様の上記情報処理システムに対応する情報処理方法及びプログラムも、本発明の一態様の情報処理方及びプログラムとして提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数の納品業者と複数のホテルの双方が効率化を推進していくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態にかかる情報処理システムにより実現可能なサービスと、従来からある物流との基本的な流れを比較した図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理システムにより実現可能となる、複数のホテル事業所に向けた本サービスの概要を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理システムにより実現可能となる、複数のホテルに向けた本サービスの概要を示す図である。
図4】本サービスによる共有在庫の可視化についての一例を示す図である。
図5】共有在庫の概要について示す図である。
図6】本サービスによる他ホテルとの共同購買についての一例を示す図である。
図7図6の共同購入についての一例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
図9図8の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図10図8の情報処理システムにおける図9のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図11図8の情報処理システムのうちサーバの記憶部に記憶される取引マスタの登録時における画面例を示す図である。
図12図8の情報処理システムのうちサーバの記憶部に記憶される部署マスタの登録時における画面例を示す図である。
図13図8の情報処理システムのうちサーバの記憶部に記憶されるユーザマスタに係る画面例を示す図である。
図14図8の情報処理システムのうちサーバの記憶部に記憶される商品マスタの登録時における画面例を示す図である。
図15図14の商品マスタの更新及び削除に係る画面例を示す図である。
図16】在庫状況の検索及び在庫一覧の画面例を示す図である。
図17】納品業者の作業負担軽減に関しての例を示す図である。
図18図1のバース予約に関しての例を示す図である。
図19】効率化推進に関する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムにより実現可能なサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)と、従来からある物流との基本的な流れを比較した図である。
【0012】
本サービスは、サービス提供者Sにより提供されるサービスであって、複数の納品業者と複数のホテルの双方が効率化を推進していくことができるようにしたサービスである。
本サービスにおいて、サービス提供者Sは、ホテル向けの調達物流プラットホームとして機能する。また、サービス提供者Sは、本サービスを提供することにより、情報の流れ及び物の流れをコントロールする。
【0013】
先ず従来がどのような状況であったのかについて、図1の左側に示す例を参照しながら説明する。
従来は、図1の左側に示されるように、所定商品を納品する複数の納品者NG-1乃至NG-mが存在していた(mは1以上の整数値)。また、所定商品の納品先となるホテル事業所HJ-1乃至HJ-nも複数存在していた。
ここで、上述の複数の納品者NG-1乃至NG-mとしては、ホテル厨房に食材を納品する業者や、アメニティグッズを納品する業者等、様々な業者が該当するものとする。
また、商品としては、生鮮食品(青果及び鮮魚等)、貯蔵品・加工食品(常温、冷凍、冷蔵品)、資材・消耗品(水、スリッパ、歯ブラシ、包材等)が該当するものとする。
また、ホテル側、即ちホテル事業所HJ-1乃至HJ-nとしては、ここでは同じ系列の例えば横浜にあるホテル、東京にあるホテル、伊豆にあるゴルフ場、本社等が該当するものとする(上述の横浜にあるホテル内の各部署であってもよい。或いは、系列でない様々なホテルであってもよい)。
なお、シティホテルやビジネスホテル、リゾートホテルのいずれであってもよく、また、旅館等の宿泊施設が含まれていても当然によいものとする。
【0014】
従来、例えば納品者NG-1は、ホテル事業所HJ-1から発注があると、その発注された所定商品(受注した所定商品)をホテル事業所HJ-1に納品する。納品にあたっては、納品者NG-1から依頼されたトラック事業者のトラックNT-1がホテル事業所HJ-1まで配送して納品する。
納品者NG-1は、ホテル事業所HJ-2やホテル事業所HJ-nから発注があれば、上述同様にトラックNT-1が都度、ホテル事業所HJ-2乃至ホテル事業所HJ-nに夫々所定商品を納品する。
納品者NG-2も上述同様に所定商品を、発注があったホテル事業所HJ-1乃至HJ-nに夫々納品する(納品者NG-2から依頼されたトラック事業者のトラックNT-2が都度、配送する)。
また、納品者NG-mも上述同様に所定商品を、発注があったホテル事業所HJ-1乃至HJ-nに夫々納品する(納品者NG-mから依頼されたトラック事業者のトラックNT-k(kは1以上の整数値)が配送する)。
【0015】
従来、複数の納品者NG-1乃至NG-mは、複数のホテル事業所HJ-1乃至HJ-nの夫々事情に配慮した納品を行っていた。即ち、複数のホテル事業所HJ-1乃至HJ-nに夫々個別対応をしていた。そのため、所定商品の納品準備や配送手配、納品先への連絡等、一連の作業等が煩雑になっていた。
一方、複数のホテル事業所HJ-1乃至HJ-nは、個別事情を配慮してもらえる等のメリットがあるものの、業者毎の荷受対応や事務処理等が生じていて、こちらも作業等が煩雑になっていた。
この他、複数のホテル事業所HJ-1乃至HJ-nでは、複数の納品者NG-1乃至NG-mからの夫々の納品(複数のトラックNT-1乃至トラックNT-kによる夫々の納品)があることにより、ホテル周辺での交通渋滞を懸念していた。また、不特定多数の搬入によるセキュリティ面でのリスクも懸念していた。
トラック事業者に関しては、納品に際して駐車渋滞、受付待機時間が長い等、輸送効率が悪くなっていた。また、トラック事業者に関しては、駐車渋滞や受付待機時間が長くなることから、CO2排出量の削減に取り組み難い状況であった。
【0016】
以上のように従来では、N対Nのビジネスモデルを展開していたため、即ち複数の納品者NG-1乃至NG-mが夫々複数のホテル事業所HJ-1乃至HJ-nに全て納品対応するようなビジネスモデルを展開していたため、複数の納品業者及び複数のホテル双方の効率が低下した状況であった。
また、従来のようなビジネスモデルの展開により、トラック事業者に関しても効率が低下した状況になっていた。
【0017】
本実施形態では、上述のN対NのビジネスモデルからN対1対Nのビジネスモデルに転換するようなサービス(本サービス)を提供する。これにより、複数の納品業者及び複数のホテルの双方が効率化を推進していくことができる。
また、本サービスの提供により、トラック事業者に関しても効率化を推進していくことができる。
具体的には、図1の右側に示す例を参照しながら以下に説明する(トラック事業者に関しての効率化推進については別途説明する)。
【0018】
上述の「N対1対N」のうち、例えば左側の「N」としては、複数の納品者NG-1乃至NG-mが該当する。また、右側の「N」としては、複数のホテル、即ちAホテルHA乃至PホテルHPや、これらホテルに夫々属する複数のホテル事業所HJ-1乃至HJ-nが該当する。また、真ん中の「1」としては、本サービスを提供するサービス提供者Sが該当する。サービス提供者Sは、ホテル向けの調達物流プラットホームとして機能する。
【0019】
詳細は後述するが、本実施形態では本サービスがサービス提供者Sにより提供されることにより、情報の流れ及び物の流れがコントロールされ、その結果、複数の納品業者と複数のホテルの双方が効率化を推進していくことができるようになる。
【0020】
複数の納品者NG-1乃至NG-mのうち、納品者NG-1は、ホテル側から発注された所定商品(納品者NG-1が受注した所定商品)をサービス提供者Sに納品する。納品にあたっては、納品者NG-1から依頼されたトラック事業者TJのトラックNT-1がサービス提供者Sまで配送して納品する。
なお、サービス提供者Sまで所定商品を配送するトラックNT-1は、サービス提供者Sがトラック事業者TJに対し依頼してもよいものとする(以下同様とする)。
納品者NG-2もホテル側から発注された所定商品をサービス提供者Sに納品する。納品にあたっては、納品者NG-2から依頼されたトラック事業者TJのトラックNT-2がサービス提供者Sまで配送して納品する。
納品者NG-mもホテル側から発注された所定商品をサービス提供者Sに納品する。納品にあたっては、納品者NG-mから依頼されたトラック事業者TJのトラックNT-kがサービス提供者Sまで配送して納品する。
【0021】
本実施形態では、複数の納品者NG-1乃至NG-mが夫々ホテル側から発注された所定商品をサービス提供者Sに納品する。
サービス提供者Sは、複数の納品者NG-1乃至NG-mから夫々納品された所定商品のうち、所有権を移転したものを在庫として保管する。即ち、サービス提供者Sは、所定商品を買い取って自身の在庫として保管する。
なお、本実施形態では、入荷検品がOKとなった所定商品の所有権をサービス提供者Sに移転するものとする(入荷検品は一例であり特に限定されないものとする)。
サービス提供者Sは、所有権を移転したものを在庫として保管することから、後述する共有在庫を持つことができる。
【0022】
サービス提供者Sにより管理されるサーバ1(後述する)は、複数の納品者NG-1乃至NG-mから夫々納品された所定商品に関し、その商品情報を後述する納品業者端末2から夫々取得する。
商品情報としては、商品そのものの情報(例えば製造者情報や温度管理情報、賞味期限・消費期限情報等)、トレーサビリティに関連する情報、納品先に関する情報(納品場所や数量等の納品先からの発注に関する情報(納品業者が受注した情報)を含む)等が挙げられる。
取得された商品情報は、サーバ1により在庫情報として一元管理される。言い換えれば、共有在庫に係る情報がサーバ1により一元管理される。
【0023】
サービス提供者Sは、商品情報に基づき(具体的には、納品先からの発注に関する情報(納品業者が受注した情報)に基づき)在庫として保管していた所定商品の仕分けをして、この所定商品を納品先(例えばホテル事業所HJ-1乃至HJ-nのうち該当する事業所)に納品する。
なお、納品先への所定商品の納品は、例えばサービス提供者Sから依頼されたトラック事業者TJのトラックSTが納品先まで配送して納品する。
サービス提供者Sが所定商品の仕分けを行うことから、納品業者では、従来生じていた煩雑な作業を行うことがない。また、仕分けされた所定商品がサービス提供者Sから納品されることから、ホテル側では、サービス提供者Sのみと荷受対応や事務処理等を行えばよい。
【0024】
サーバ1は、納品先からの発注に関する情報(納品業者が受注した情報)を納品業者側から取得していることから、情報に基づいて効率の良い配送ルートを立案することができる。
そのため、サービス提供者Sは、サーバ1が立案した配送ルートで所定商品を納品先に配送することができる(例えばミルクラン方式の納品ができる)。
【0025】
サーバ1は、複数の納品者NG-1乃至NG-mにより夫々管理される後述の納品業者端末2との間を通信可能に接続して、データ連携を制御する。
また、サーバ1は、ホテルや複数のホテル事業所HJ-1乃至HJ-nにより夫々管理される後述のホテル端末3との間でも通信可能に接続して、データ連携を制御する。
【0026】
本サービスでは、サーバ1がデータ連携の実行を制御すると共に、共有在庫に係る在庫情報の一元管理をすることにより、情報の流れ及び物の流れをコントロールすることができる。その結果、共有在庫の可視化や、適正在庫・適正発注をすることができる。さらには、複数のホテル(AホテルHA乃至PホテルHP)が共同して行う共同購買を実現することもできる。また、後述するが、効率の良いバース予約も実現することができる。
このような効果については、以下で説明していく。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムにより実現可能となる、複数のホテル事業所に向けた本サービスの概要を示す図である。
【0028】
サービス提供者Sにより管理されるサーバ1は、上述の通り、複数の納品者NG-1乃至NG-mにより夫々管理される後述の納品業者端末2との間を通信可能に接続して、データ連携を制御する。
また、サーバ1は、複数のホテル事業所HJ-1乃至HJ-nにより夫々管理される後述のホテル端末3との間でも通信可能に接続して、データ連携を制御する。
サーバ1は、複数の納品者NG-1乃至NG-mから夫々納品された所定商品に関し、その商品情報を後述する納品業者端末2から夫々取得し、この取得した商品情報を共有在庫に係る在庫情報として一元管理する。
【0029】
サーバ1は、複数の納品者NG-1乃至NG-mの納品業者端末2から夫々アクセスがあると、そのアクセスに応じて、共有在庫として一元管理がなされている複数の所定商品のうちの少なくとも一部に関する情報の可視化を制御すると共に、その可視化した情報を納品業者端末2に表示させるように制御する。
また、サーバ1は、複数のホテル事業所HJ-1乃至HJ-nのホテル端末3から夫々アクセスがあると、そのアクセスに応じて上述同様に、共有在庫として一元管理がなされている複数の所定商品のうちの少なくとも一部に関する情報の可視化を制御すると共に、その可視化した情報をホテル端末3に表示させるように制御する。
【0030】
複数の納品者NG-1乃至NG-mの夫々は、納品業者端末2に表示された上述の共有在庫に係る情報を見ることにより、所定商品の在庫状況を確認することができる。そのため本サービスは、適正在庫の実現に寄与することができる。
また、複数の納品者NG-1乃至NG-mの夫々は、上述の共有在庫に係る情報を見ることにより、納品後、該当するホテル事業所に出荷されたか否かの状況確認することもできる。
複数のホテル事業所HJ-1乃至HJ-nの夫々は、ホテル端末3に表示された上述の共有在庫に係る情報を見ることにより、所定商品の在庫状況を確認することができる。そのため本サービスは、適正発注の実現に寄与することができる。
また、複数のホテル事業所HJ-1乃至HJ-nの夫々は、上述の共有在庫に係る情報を見ることにより、所定商品の発注状況を確認することもできる(発注履歴の確認をすることもできる)。
【0031】
一方、サービス提供者Sにおいては、サーバ1が複数の納品者NG-1乃至NG-mの納品業者端末2から夫々商品情報を取得し、これを共有在庫に係る情報としていることから、共有在庫に係る情報を利用して、例えば担当者がハンディーターミナルで入荷検品をしたり、仕分け作業をしたりすることができる。
入荷検品に係る情報や仕分け作業に係る情報は、ハンディーターミナル等からサーバ1に送信されて一元管理される。
なお、仕分け作業にあっては、デジタルピッキングを行えるようなシステム構成が好ましい。
仕分け作業では、共有在庫に係る情報に基づいて、常温で保管できる商品、冷蔵での保管が必要な商品、及び冷凍での保管が必要な商品に仕分けられる。仕分けられた商品は、出荷までの間、温度管理がなされた倉庫に保管される。
出荷時は、例えば担当者がハンディーターミナルを用いて出荷検品を行う。トラックへの積込を終えた後は、サーバ1により予め立案された配送ルートに基づいて出荷される。
【0032】
サーバ1は、共有在庫に係る情報に基づいて、上述の倉庫に保管された所定商品の温度管理や期限管理(賞味期限や出荷の時期を含む)等の制御をする。
出荷検品に係る情報や出荷に係る情報は、ハンディーターミナル等からサーバ1に送信されて一元管理される。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムにより実現可能となる、複数のホテルに向けた本サービスの概要を示す図である。
【0034】
サービス提供者Sにより管理されるサーバ1は、上述の通り、複数の納品者NG-1乃至NG-mにより夫々管理される後述の納品業者端末2との間を通信可能に接続して、データ連携を制御する。
また、サーバ1は、複数のホテル、即ちAホテルHA乃至PホテルHPにより夫々管理される後述のホテル端末3との間でも通信可能に接続して、データ連携を制御する。
サーバ1は、複数の納品者NG-1乃至NG-mから夫々納品された所定商品に関し、その商品情報を後述する納品業者端末2から夫々取得し、この取得した商品情報を共有在庫に係る在庫情報として一元管理する。
【0035】
サーバ1は、複数の納品者NG-1乃至NG-mの納品業者端末2から夫々アクセスがあると、そのアクセスに応じて、共有在庫として一元管理がなされている複数の所定商品のうちの少なくとも一部に関する情報の可視化を制御すると共に、その可視化した情報を納品業者端末2に表示させるように制御する。
また、サーバ1は、複数のホテル(AホテルHA乃至PホテルHP)のホテル端末3から夫々アクセスがあると、そのアクセスに応じて上述同様に、共有在庫として一元管理がなされている複数の所定商品のうちの少なくとも一部に関する情報の可視化を制御すると共に、その可視化した情報をホテル端末3に表示させるように制御する。
さらに、サーバ1は、複数のホテル(AホテルHA乃至PホテルHP)のホテル端末3から夫々、所定商品の共同購買に関する要望に係るアクセスがあると、そのアクセスに応じて共同購買に関する所定処理の実行を制御する。
【0036】
複数の納品者NG-1乃至NG-mの夫々は、納品業者端末2に表示された上述の共有在庫に係る情報を見ることにより、所定商品の在庫状況を確認することができる。そのため本サービスは、適正在庫の実現に寄与することができる。
また、複数のホテル(AホテルHA乃至PホテルHP)の夫々も、ホテル端末3に表示された上述の共有在庫に係る情報を見ることにより、所定商品の在庫状況を確認することができる。そのため本サービスは、適正発注の実現に寄与することができる。
また、複数のホテル事業所HJ-1乃至HJ-nの夫々は、上述の共有在庫に係る情報を見ることにより、所定商品の発注状況を確認することもできる(発注履歴の確認をすることもできる)。
【0037】
複数のホテル(AホテルHA乃至PホテルHP)の夫々は、上述の所定商品の共同購買に関する要望をすることにより、所定商品を例えば安価に購入することができる。そのため本サービスは、複数のホテルがメリットを享受するような購買基盤を提供することができる。
【0038】
なお、サービス提供者Sに関しては、図2で説明した通りであるので、ここでは省略する。
【0039】
図4は、本サービスによる共有在庫の可視化についての一例を示す図である。
【0040】
サーバ1は、共有在庫の一元管理を行い、後述する納品業者端末2及びホテル端末3から夫々アクセスがあると、そのアクセスに応じて複数の所定商品のうちの少なくとも一部に関する情報の可視化を制御する。
具体的には、ホテルの事業所に合わせた在庫情報や納品業者に合わせた在庫情報の可視化を制御する。
例えば、A事業所〇〇部署担当者や、B事業所××部署担当者、本社購買部担当者等は、可視化された在庫情報を閲覧することにより、数量確認や発注調整をすることができる。
また、本社購買部担当者は、可視化された在庫情報を閲覧することにより、納品業者の担当者と商談・調整・発注をすることができる(本サービスを通じて例えばチャット等で商談・調整・発注を行えるようにしてもよい)。
一方、各納品業者は、可視化された在庫情報を閲覧することにより、数量確認や納品調整をすることができる。
なお、各納品業者は、サービス提供者S側で仕分けが行われることから、所定商品を一括して納品する(図中の制限数に関しては後述する)。
【0041】
ここで図4を参照しながら、本サービスの利用ケースについて簡単に説明する。
ホテル側では、「鶏卵」を常用品として購買を行っているものとする。
例えば、鳥インフルエンザウィルスなどの発生により納品業者から一定期間の発注制限がかかるとの連絡を受けた場合、本社購買部担当者は、期間内に発注できる数量を納品業者に確認し、その発注できる数量の分をサービス提供者S側へ一括納品するように調整する。
この時、本社購買部担当者は、並行して各事業所の担当者から部署別の「鶏卵」の期間内の利用数を確認し、サービス提供者S側にある在庫を各事業所用に割り当てる。各事業所の担当者は、サービス提供者S側にある在庫情報を確認しながら、制限数量の注文を実施する。
本社購買部担当者は、在庫情報を確認しながら以降の発注を納品業者と調整していく。
【0042】
このような例において、ホテル側では、本サービスの提供を受けていることで、発注制限がかかった商品を多く確保することができる。
また、ホテル側では、本サービスの提供を受けていることで、全事業所担当者が在庫情報の確認をしながら注文調整をすることができる。従って、供給制限の商品に対し適正発注をすることができる。
一方、納品業者側では、本サービスの提供を受けていることで、上述のような例の場合、荷主側でのコントロールをすることができ、その結果、供給調整をし易くすることができる。
また、納品業者側では、本サービスの提供を受けていることで、上述のような例の場合、小出しの納品をせずにまとまった数量で一括納品をすることができる。従って、納品工数を削減することができる。
【0043】
上述とは別の利用ケースについて簡単に説明する。
納品業者は、中国産の「フルーツ一斗缶」を取り扱っている。「フルーツ一斗缶」は、常温品で賞味期限が長い商品であったため、ホテル側では、まとまった数量で発注し、サービス提供者S側へ一括納品するように調整する。
ホテル側では、各事業所/部署より都度必要に応じて在庫から注文する。なお、サーバ1からの賞味期限に係るアラートを受けた場合、ホテル側では在庫確認をし、各事業所の購買担当と連携しながら期限内に消化完了できるように、該当する商品を使用するメニューの変更等を行う。
【0044】
このような例において、ホテル側では、本サービスの提供を受けていることで、まとまった数量の発注であっても、在庫ロスの発生を防止することができる。
また、ホテル側では、本サービスの提供を受けていることで、各事業所/部署より都度必要に応じて在庫から注文することができる。即ち、在庫数を見ながら適宜必要数の注文をすることができる。
一方、納品業者側では、本サービスの提供を受けていることで、納品工数の削減及び在庫リスクを軽減することができる。
【0045】
ここで上述の共有在庫の一例について説明する。図5は、共有在庫の概要について示す図である。
【0046】
図5に示されるように、納品業者NG-1は、ワインW1乃至W3をAホテルHAに納品するため例えば倉庫に保管する。この倉庫には、納品業者NG-2がBホテルHB向けのワインW4及びW5を保管している。ここで、ワインW1乃至W3とワインW4及びW5は同じ商品であるものとする。
AホテルHAから至急4本納品するように注文があった場合、倉庫における在庫本数は5本であるが、ワインW4及びW5の所有者は納品業者NG-2であり、BホテルHB向けの商品であることから、AホテルHAに納品することができない。即ち、AホテルHAからの至急4本納品する、という注文に応じることができない。
【0047】
これに対し本サービスでは、ワインW1乃至W3とワインW4及びW5の所有権をサービス提供者Sに移転した上で在庫することから、AホテルHAから至急4本納品するように注文があった場合であっても、サービス提供者Sの所有する在庫5本のうち、4本(ワインW1乃至W4)をAホテルHAに納品することができる。
本サービスでは、所有権をサービス提供者Sに移転して共有在庫にすることから、上述の例のような急な注文にも応じることができる。
なお、納品業者NG-1は、共有在庫の情報を確認して、ワインW1乃至W3をサービス提供者Sに納品すればよい。また、納品業者NG-2も共有在庫の情報を確認して、ワインW4をサービス提供者Sに納品すればよい。
【0048】
図6は、本サービスによる他ホテルとの共同購買についての一例を示す図である。
【0049】
サーバ1は、共有在庫の一元管理を行い、後述する納品業者端末2及びホテル端末3から夫々アクセスがあると、そのアクセスに応じて複数の所定商品のうちの少なくとも一部に関する情報の可視化を制御する。
具体的には、図6に示されるように、Aホテル、Bホテル、及びCホテル等の各ホテルに合わせた在庫情報や納品業者に合わせた在庫情報の可視化を制御する。
例えば、Aホテル購買部当者や、Bホテル購買部担当者、Cホテル購買部担当者等は、可視化された在庫情報を閲覧することにより、数量確認や発注調整をすることができる。
【0050】
ホテル内で使用される商品は、ホテルの分類(シティホテル、ビジネスホテル等)により多少の違いがあるが、常用する「定番品」とされる商品は多く存在している。
例えば、資材関連であれば、包材、歯ブラシ、スリッパ、歯磨き粉等が挙げられる。また、アメニティグッズであれば、シャンプー、リンス等が挙げられる。また、食品であれば、米、砂糖、油、調味料、卵等が挙げられる。
通常、各ホテル購買担当者は、仕入れ先(納品業者)を選定して合い見積もりを取り、より安い条件の仕入れ先に定番品を発注している。
なお、従来では、各ホテルの購買力にばらつきがあり、仕入れコストに差がでてくるという問題点がある。
このような問題点に対し、本サービスでは、各ホテルで使用される「定番品」の量をサーバ1が割り出して、トータルロットで仕入れ先へ発注することができ、以てホテル側では商品調達コストの削減を図ることができる。
具体的に本サービスでは、Aホテル、Bホテル、及びCホテル等の各ホテルが共同購入(共同購買)することができる(共同購入についての一例は後述する)。
【0051】
図7は、図6の共同購入についての一例を示す図である。
【0052】
図7に示されるように、例えばサービス提供者Sにおける歯ブラシの共有在庫は100個であるとする。なお、歯ブラシは、上述の「定番品」とされた商品のうちの一つである。
図7のステップS1において、Aホテル担当者H1から歯ブラシが120個ほしい旨の注文があると、サーバ1(後述する)は、ステップS2において、現在の共有在庫が100個であるため20個追加発注をする必要があることをAホテル担当者H1に向けて報知する。この時、サーバ1は、追加発注が50個になると20%オフになるコメントと、追加発注をするにあたり共同購入を促す「共同購入ボタン」とを併せてAホテル担当者H1に報知する。
Aホテル担当者H1は、20%オフになればお得になるため、他のホテル担当者が共同購入に応じてもらえるよう、ステップS3で上述の「共同購入ボタン」を押すことにする。
【0053】
Aホテル担当者H1により「共同購入ボタン」が押されると、ステップS4において、サーバ1は、歯ブラシを30個以上注文すると通常よりも20%オフになる旨を他のホテル担当者に対して報知し、共同購入を促す。
ここではBホテル担当者H2と、Cホテル担当者H3とが共同購入に応じたことにする。ステップS5Aにおいて、Bホテル担当者H2は、歯ブラシを20個注文する。また、ステップS5Bにおいて、Cホテル担当者H3は、歯ブラシを10個注文する。
サーバ1は、Bホテル担当者H2及びCホテル担当者H3からの30個の注文を受け付けると共に、Aホテル担当者H1からの20個を受け付け、合計50個の追加発注をするための処理を実行する。
【0054】
ステップS6において、ここではサービス提供者Sが納品業者NGに対し歯ブラシを50個追加発注する(なお、納品業者NGに対して歯ブラシ50個を自動で追加発注できるような制御をサーバ1が行ってもよい)。
ステップS7において、納品業者NGから歯ブラシ50個の納品があると、サービス提供者Sにおける歯ブラシの共有在庫は150個になる。このうち120個はAホテルに納品され、20個はBホテルに納品される。また、10個はCホテルに納品される。
共同購入により、Aホテル担当者H1からの120個注文のうち20個は20%オフになる(ステップS8A)。また、Bホテル担当者H2からの20個も20%オフになる(ステップS8B)。さらに、Cホテル担当者H3からの10個も20%オフになる(ステップS8C)。
従って、本サービスによれば、共同購入の機能により、ホテル側では商品調達コストの削減を図ることができる。
【0055】
ここで共同購入に関し、本サービスの利用ケースについて簡単に説明する。
例えば、「業務用食用油」の価格が大幅に値上がりするような場合、各ホテル同士が連携し合い、共同購入の機能を活用して大量仕入れをすれば、値上げ後の一定期間は値上げ前の商品として購入することができる。
大量仕入れをした「業務用食用油」は、サービス提供者Sにより共有在庫として適切に保管され、共有在庫にかかる在庫情報はサーバ1により一元管理されることから、在庫確認をした上で必要に応じて都度注文することができる。
【0056】
続いて、図8を参照して本発明の一実施形態に係る情報処理システムについて説明をする。
図8は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【0057】
図8に示される情報処理システムは、サービス提供者Sが管理するサーバ1と、納品業者NG-1乃至NG-m(mは1以上の任意の整数値)の夫々が操作する納品業者端末2-1乃至2-mの夫々と、AホテルHA乃至PホテルHPにおける例えば事業所の担当の夫々が操作する複数のホテル端末(例えばAホテルHAではホテル端末3-A1、3-A2、・・・が該当する。また、BホテルHBではホテル端末3-B1、3-B2、・・・が該当する。また、PホテルHPではホテル端末3-P1、3-P2、・・・が該当する)の夫々と、トラック事業者TJの例えば運転手の夫々が操作するトラック事業者端末4-1乃至4-k(kは1以上の任意の整数値)の夫々とを含むように構成されている。
【0058】
サーバ1と、納品業者端末2-1乃至2-mの夫々と、複数のホテル端末(ホテル端末3-A1、3-A2、・・・等)の夫々と、トラック事業者端末4-1乃至4-kの夫々とは、インターネット(Internet)等のネットワークNを介して相互に接続されている。
【0059】
納品業者端末2-1乃至2-mの夫々は、例えばスマートフォン、タブレット等で構成されている。なお、納品業者端末2-1乃至2-mの夫々を区別する必要がない場合は、単に納品業者端末2と呼ぶことにする。
【0060】
複数のホテル端末(ホテル端末3-A1、3-A2、・・・等)の夫々は、例えばスマートフォン、タブレット等で構成されている。なお、複数のホテル端末の夫々を区別する必要がない場合は、単にホテル端末3と呼ぶことにする。
【0061】
トラック事業者端末4-1乃至4-kの夫々は、例えばスマートフォン、タブレット等で構成されている。なお、トラック事業者端末4-1乃至4-kの夫々を区別する必要がない場合は、単にトラック事業者端末4と呼ぶことにする。
【0062】
図9は、図8の情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0063】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0064】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0065】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0066】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば図8の納品業者端末2、ホテル端末3及びトラック事業者端末4)との間で通信を行う。
【0067】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0068】
なお、図示はしないが、図8の納品業者端末2、ホテル端末3及びトラック事業者端末4も、図9に示されるハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。したがって、納品業者端末2、ホテル端末3及びトラック事業者端末4のハードウェア構成についての説明は省略する。
【0069】
このような図9のサーバ1を含む図8の情報処理システムを構成する各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、図1の本サービスを提供するための各種処理を実行することができる。
【0070】
図10は、図8の情報処理システムにおける図9のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0071】
図10に示されるように、サーバ1のCPU11においては、商品情報取得部51と、在庫一元管理部52と、在庫表示制御部53と、共同購買制御部54と、共同物流制御部55とが機能する。
また、サーバ1の記憶部18の一領域には、納品業者DB81と、ホテルDB82と、トラック業者DB83と、在庫情報DB84とが設けられている。
【0072】
納品業者DB81には、複数の納品業者NG-1乃至NG-mの夫々に関する情報が格納されている。
ホテルDB82には、複数のホテル(AホテルHA乃至PホテルHP)の夫々に関する情報や、ホテル事業所HJ-1乃至HJ-nの夫々に関する情報が格納されている。
トラック業者DB83には、トラック事業者TJに関する情報が格納されている。
在庫情報DB84には、共有在庫に関する情報や、受発注に関する情報等が格納されている。
【0073】
商品情報取得部51は、複数の納品業者NG-1乃至NG-m毎に、在庫となる所定商品に関する情報を商品情報として複数の納品業者端末2-1乃至2-mの夫々から取得し、これを納品業者DB81に格納する。
在庫一元管理部52は、複数の所定商品のうち所有権をサービス提供者Sに移転して共有在庫としたものについて、その商品情報を在庫情報として一元管理すると共に、当該在庫情報を在庫情報DB84に格納する。
【0074】
在庫表示制御部53は、納品業者端末2及び/又はホテル端末3からのアクセスに応じて、在庫として一元管理がなされている複数の所定商品のうち少なくとも一部に関する情報を可視化して、上述のアクセスをした端末に表示させる制御を実行する。
このように、商品情報取得部51と、在庫一元管理部52と、在庫表示制御部53とが機能することにより、共有在庫を可能にすると共に、共有在庫の可視化も可能にし、その結果、適正在庫・適正発注を実現することができる。
従って、複数の納品業者と複数のホテルの双方が効率化を推進していくことができる。
【0075】
共同購買制御部54は、複数の納品業者NG-1乃至NG-mの夫々からの所定商品の共同購買(例えば図6及び図7の共同購入)に関する要望を複数のホテル端末3の夫々から受付けて、当該共同購買に関する所定処理の実行を制御すると共に、当該共同購買に関する情報をホテルDB82又は在庫情報DB84に格納する。
このように、共同購買制御部54が機能することにより、共同購買を実現することができ、以てさらなる効率化を推進していくことができる。
【0076】
共同物流制御部55は、上述の共同購買の対象となる複数の所定商品を、複数のホテル等の夫々に配送するための物流に関する所定処理の実行を制御する。
このように、共同物流制御部55が機能することにより、共同物流を実現することができ、以てさらなる効率化を推進していくことができる。
【0077】
続いて、図11乃至図16を参照して各種の画面例について説明する。
図11は、図8の情報処理システムのうちサーバの記憶部に記憶される取引マスタの登録時における画面例を示す図である。
【0078】
図11に示される取引マスタの例の画面においては、取引先(本実施形態では納品業者)に関する情報の登録が可能になる。
登録可能な情報は、取引先コード、取引先名、取引先名カナ、郵便番号、住所1、住所1カナ、住所2、住所2カナ、電話番号等である。
なお、画面左上の「マスタ管理」を選択することで、取引先マスタの上述の登録が可能になる。取引先マスタの他には、ユーザマスタ、倉庫マスタ、バースマスタ、バース予約枠マスタ、事務所マスタ、部署マスタ、商品マスタ、在庫単位マスタがあり、各種登録をすることができる。
上述の登録により、取引先に関する情報は、例えば納品業者DB81に格納される。
【0079】
図12は、図8の情報処理システムのうちサーバの記憶部に記憶される部署マスタの登録時における画面例を示す図である。
図12に示される部署マスタの例の画面においては、事業所や部署に関する情報の新規登録や検索が可能になる。
登録可能な情報は、部署コード、部署名、部署名カナ、事業所である。
検索に関しては、部署名、部署名カナ、事業所で検索することが可能である。図12では、事業所にAホテルを入力して検索した結果が示されている。
上述の登録により、事業所や部署に関する情報は、例えばホテルDB82に格納される。
【0080】
図13は、図8の情報処理システムのうちサーバの記憶部に記憶されるユーザマスタに係る画面例を示す図である。
図13に示されるユーザマスタの例の画面においては、ユーザマスタに係る情報の更新や削除をすることが可能である。
【0081】
図14は、図8の情報処理システムのうちサーバの記憶部に記憶される商品マスタの登録時における画面例を示す図である。
図14に示される商品マスタの例の画面においては、取引先毎の商品に関する情報の新規登録や検索が可能になる。
登録可能な情報は、商品コード、商品名、商品名カナ、メーカー、在庫単位、入数等である。
検索に関しては、取引先で検索することが可能である。
上述の登録により、商品に関する情報は、例えば納品業者DB81に格納される。
【0082】
図15は、図14の商品マスタの更新及び削除に係る画面例を示す図である。
図15に示されるように、商品マスタに登録された各種情報は、更新したり削除したりすることが可能である。
図15の画面例では、商品名、在庫単位、入数、温度帯等の更新・削除が可能であることが示されている。
【0083】
図16は、在庫状況の検索及び在庫一覧の画面例を示す図である。
図16に示される例の画面においては、在庫状況の検索及び在庫一覧の閲覧が可能になる。なお、ここでの在庫とは、共有在庫のことである。
例えば納品業者における各担当者やホテルにおける各部署の担当者は、保管している場所や商品名等から該当する現在の在庫状況を検索することが可能である。
また、上述の担当者は、在庫一覧(共有在庫の一覧)を閲覧することが可能である。
在庫一覧(共有在庫の一覧)から閲覧可能な情報としては、商品名、実在庫数、論理在庫数、メーカー、単位、入数、温度帯等である。
また、本実施形態では、ロット別在庫一覧の閲覧も可能である。ロット別在庫一覧からは、例えば賞味期限/消費期限、在庫数、引当可能数等が閲覧可能である。即ち、該当の商品の、ロット(例えば賞味期限)毎の在庫数を閲覧することができる。
【0084】
以上のような一覧は、サーバ1が共有在庫の一元管理等をしていることから、生成することができる。
サーバ1は、在庫一覧やロット別在庫一覧のように可視化することから、適正在庫・適正発注を実現することができる。
【0085】
図17は、納品業者の作業負担軽減に関しての例を示す図である。
本実施形態において、納品業者NGに対し、例えばAホテルHAの「〇部署」から商品Aが2本、「×部署」から商品Aが1本、「△部署」から商品Aが3本、の注文があると、これを受注した納品業者NGは、商品Aを6本まとめて1箱に梱包し、サービス提供者Sに納品する。なお、納品はトラックNTを1回だけ出せば済む。
商品Aを6本まとめて納品できるのは、サービス提供者Sが納品された商品Aを、納品業者NGから取得した商品情報に基づき仕分けをし、そして、AホテルHAに向けて出荷するような物流を実現しているからである。
【0086】
図17の比較例において、上述と同様に納品業者NGに対し、AホテルHAの「〇部署」から商品Aが2本、「×部署」から商品Aが1本、「△部署」から商品Aが3本、の注文があると、これを受注した納品業者NGは、「〇部署」向けに商品Aを2本梱包した上で、トラックNTにより「〇部署」に納品する。また、納品業者NGは、「×部署」向けに商品Aを1本梱包した上で、別途、トラックNTにより「×部署」に納品する。さらに、納品業者NGは、「△部署」向けに商品Aを3本梱包した上で、別途、トラックNTにより「△部署」に納品する。
【0087】
以上のように、本実施形態では、サービス提供者Sがホテル向けの調達物流プラットホームとして機能することから、納品業者NGの作業負担を軽減することができる。また、トラックNTの輸送効率も向上させることができる。
【0088】
図18は、図1のバース予約に関しての例を示す図である。
本サービスでは、トラック事業者TJがサービス提供者Sへ納品する際に、効率的なバース予約をすることができるようにしている。
即ち、トラック事業者TJがトラック事業者端末4(図8参照)を操作してサーバ1に対しバース予約をすると、サーバ1では、自動優先順位付けによる予約枠の推薦処理を制御する。
図18の例では、バース予約状況として、3つの予約済みと、空枠(1)乃至(6)が存在しているものとする。このようなバース予約状況において、サーバ1は優先付けを行い、例えば優先第1位が空枠(4)、優先第2位が空枠(6)、優先第3位が空枠(2)、をトラック事業者TJに推薦する。
推薦を受け付けたトラック事業者TJは、例えば空枠(4)を選択することで効率的なバース予約をすることができる。
【0089】
図19は、効率化推進に関する例を示す図である。
本実施形態では、サービス提供者Sがホテル向けの調達物流プラットホームとして機能することから、例えば輸送効率推進事業として、図19に示されるような各種システムの実現が可能になる。
【0090】
以上、図1乃至図19を参照して説明したように、本実施形態では、サーバ1のCPU11において、商品情報取得部51と、在庫一元管理部52と、在庫表示制御部53とが機能することにより、共有在庫を可能にすると共に、共有在庫の可視化を可能にし、その結果、適正在庫・適正発注を実現することができる。
従って、本実施形態では、複数の納品業者と複数のホテルの双方が効率化を推進していくことができる。
【0091】
また、サーバ1のCPU11において、共同購買制御部54が機能することにより、共同購買を実現することができ、以てさらなる効率化を推進していくことができる。
また、サーバ1のCPU11において、共同物流制御部55が機能することにより、共同物流を実現することができ、以てさらなる効率化を推進していくことができる。
【0092】
本実施形態では、納品業者がサービス提供者Sへ一括納品すれば、サーバ1が一元管理し、該当ホテルの複数事業所へ注文毎に納品することができる。
また、ホテル専用納品伝票の発行を納品業者でなく、サーバ1にて代行発行することができる。
また、サービス提供者Sによる在庫機能を利用して、発注頻度の多い商品をまとめて保管(買取保管、委託保管等)したり、例えば大型連休時の期間内注文の先付納品をしたり、BCP対策をしたりすることができ、サーバ1がその管理を実行することができる。
また、サーバ1による共有在庫の可視化・閲覧を可能にすることができる。
また、商流(帳合口座)機能を持たせれば、納品業者にあっては、ホテルへの新規取引を可能にすることができ、ホテル側にあっては、例えば地方の産品やイベントでの仕入れ取引口座を開設することなく調達をすることができる。
【0093】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
例えば、図1においてデータ連携について挙げていたが、複数の納品業者の夫々が管理するEDI(Electronic Data Interchange)との連携、及び、複数のホテルの夫々が管理するEDIとの連携をすることも本発明に含まれるものとする。
【0094】
例えば、図2に示すシステム構成、及び図3に示すサーバ1のハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0095】
また、図10に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した各種処理を全体として実行できる機能が図8の情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは、特に図10の例に限定されない。
【0096】
また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、図10に限定されず、任意でよい。
例えばサーバ1側に配置された機能ブロック及びデータベースの少なくとも一部を、納品業者端末2側、ホテル端末3側、トラック事業者端末4側、又は図示せぬ他の情報処理装置が備える構成としてもよい。
【0097】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0098】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0099】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0100】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0101】
以上をまとめると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理システム(例えば図8に示される情報処理システム)は、
所定商品(例えば図7の歯ブラシ等)を納品する複数の納品者(例えば図1乃至図3の複数の納品業者NG-1乃至NG-m)の夫々により操作される複数の第1種装置(例えば図9の複数の納品業者端末2-1乃至2-m)と、当該所定商品の納品先(例えば図1図3及び図8のAホテルHA乃至PホテルHP、或いは図1及び図2のホテル事業所HJ-1乃至HJ-n)により操作される第2種装置(例えば図8のホテル端末3-B1、3-B2、・・・等)と、前記複数の第1種装置及び前記第2種装置の夫々と通信をする第3種装置(例えば図8乃至図10のサーバ1)とを含む情報処理システム(例えば図8の情報処理システム)において、
前記第3種装置は、
前記複数の納品者毎に、在庫となる前記所定商品に関する情報を商品情報として前記複数の第1種装置の夫々から取得する商品情報取得手段(例えば図10の商品情報取得部51)と、
複数の前記所定商品のうち所有権を所定の管理者(例えば図1乃至図7のサービス提供者S)に移転して在庫としたもの(例えば図5のワインW1乃至W5等の共有在庫)について、前記商品情報を在庫情報(例えば図14の商品マスタに登録される情報等)として一元管理する在庫一元管理手段(例えば図10の在庫一元管理部52)と、
前記第2種装置からのアクセスに応じて、在庫として一元管理がなされている複数の前記所定商品のうち少なくとも一部に関する情報を可視化(例えば図4及び図6の在庫一覧)して当該第2種装置に表示させる制御を実行する在庫表示制御手段(例えば図10の在庫表示制御部53)と、
を備えれば足りる。
【0102】
これにより、共有在庫を可能にすると共に、共有在庫の可視化を可能にし、その結果、適正在庫・適正発注を実現することができる。
従って、複数の納品業者と複数のホテルの双方が効率化を推進していくことができる。
【0103】
前記納品先は複数存在し、
複数の前記納品先からの前記所定商品の共同購買(例えば図6及び図7の共同購入)に関する要望(例えば図7の歯ブラシの追加注文)を複数の前記第2種装置の夫々から受付けて、当該共同購買に関する所定処理(例えば図7の歯ブラシの追加発注)の実行を制御する共同購買制御手段(例えば図10の共同購買制御部54)、
をさらに備える、
ことができる。
これにより、共同購買を実現することができ、以てさらなる効率化を推進していくことができる。
【0104】
前記共同購買の対象となる複数の前記所定商品を、前記複数の納品先の夫々に配送(例えば図1のミルクラン方式の配送)するための物流に関する所定処理(例えば配送ルートの自動立案等)の実行を制御する共同物流制御手段(例えば図10の共同物流制御部55)、
をさらに備える、
ことができる。
これにより、共同物流を実現することができ、以てさらなる効率化を推進していくことができる。
【符号の説明】
【0105】
1・・・サーバ、2・・・納品業者端末、3・・・ホテル端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・入力部、17・・・出力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、30・・・リムーバブルメディア、51・・・商品情報取得部、52・・・在庫一元管理部、53・・・在庫表示制御部、54・・・共同購買制御部、55・・・共同物流制御部、81・・・納品業者DB、82・・・ホテルDB、83・・・トラック業者DB、84・・・在庫情報DB
【要約】
複数の納品業者と複数のホテルの双方が効率化を推進していくことが可能な技術を提供すること。
商品情報取得部51は、複数の納品業者NG-1乃至NG-m毎に、在庫となる所定商品に関する情報を商品情報として複数の納品業者端末2-1乃至2-mの夫々から取得する。在庫一元管理部52は、複数の所定商品のうち所有権をサービス提供者Sに移転して共有在庫としたものについて、その商品情報を在庫情報として一元管理する。在庫表示制御部53は、納品業者端末2やホテル端末3からのアクセスに応じて、在庫として一元管理がなされている複数の所定商品のうち少なくとも一部に関する情報を可視化して、上述のアクセスをした端末に表示させる制御を実行する。
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