(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240917BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240917BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240917BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240917BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20240917BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/09 F
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/20
(21)【出願番号】P 2021040325
(22)【出願日】2021-03-12
【審査請求日】2023-11-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594013044
【氏名又は名称】株式会社データ・テック
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】田野 通保
【審査官】白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-093088(JP,A)
【文献】特開2020-144617(JP,A)
【文献】特開2020-061120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00
G08G 1/09
G16Y 10/40
G16Y 20/20
G16Y 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者の運転診断に必要な移動体の運転診断情報を運転診断サーバに出力する情報処理装置であって、
前記運転者が運転する前記移動体に関する前記運転診断情報を前記運転診断サーバに送信する通信方式で規定されるデータ量の制限内で取得する取得部と、
前記取得部により取得された前記運転診断情報を用いて、前記通信方式に対応する形式
と制限、及び
前記移動体の運転状況に応じて設定される送信回数に基づいて、
前記送信回数が1回の場合は、前記運転診断情報に含まれる情報のうち前記運転診断に有用となる情報のデータ量を縮小して運転診断情報電文を生成し、前記送信回数が2回の場合は、各々に送信する運転診断電文を紐づけし、運転診断電文を生成する生成部と、
前記生成部により生成された前記運転診断情報電文を、前記通信方式に基づいて前記運転診断サーバに送信する送信部と、
を備えること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記生成部により前記運転診断情報電文が生成される通信方式は、LPWA(Low Power Wide Area)で構築されるネットワークに関する通信方式であること、
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得部により取得される前記運転診断情報は、
ブレーキ開始速度、ブレーキの強さ、ブレーキ開始速度、停止時のブレーキの強さ、ハンドル操作中の最大速度、操作中のハンドルの角度の最大角速度、交差点進入速度、交差点進入5秒前ブレーキ、平均速度、及び前後加速度標準偏差の少なくとも何れかを含む第1運転診断情報群と、
ブレーキ操作の穏やかさ、ブレーキの強さ、停止時間、ブレーキ開始速度、ハンドル操作の穏やかさ、操作中のハンドルの角度の最大角速度、交差点最大速度、遠心力、角速度標準偏差、及び平均速度の少なくとも何れかを含む第2運転診断情報群の、少なくとも何れかを含むこと、
を特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通信方式と、前記運転者の運転操作状況、及び前記運転者の過去の運転診断結果を示す運転操作情報と、移動している場所の状況に関する外部環境情報と、に基づいて、前記運転診断情報電文を送信する間隔に関する送信間隔情報、前記運転診断情報電文を送信する回数に関する送信回数情報、及び送信対象の前記運転診断情報を含む送信対象情報を設定する送信設定部をさらに備え、
前記送信部は、前記送信対象情報に基づいて前記運転診断情報電文を送信すること、
を特徴とする請求項1~3の何れか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記送信設定部は
前記送信回数が1の場合は、前記取得部により取得されたブレーキの最大値及び速度の最大値、又はブレーキの平均値及び速度の平均値の少なくとも何れかを含む前記運転診断情報を前記送信対象情報として設定し、
前記送信回数が2以上の場合は、前記取得部により取得された前記運転診断情報を分割し、一組の前記送信対象情報として設定すること、
を特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
運転者の運転診断に必要な移動体の運転診断情報を運転診断サーバに出力する情報処理方法であって、
前記運転者が運転する前記移動体に関する前記運転診断情報を前記運転診断サーバに送信する通信方式で規定されるデータ量の制限内で取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された前記運転診断情報を用いて、前記通信方式に対応する形式
と制限、及び
前記移動体の運転状況に応じて設定される送信回数に基づいて、
前記送信回数が1回の場合は、前記運転診断情報に含まれる情報のうち前記運転診断に有用となる情報のデータ量を縮小して運転診断情報電文を生成し、前記送信回数が2回の場合は、各々に送信する運転診断電文を紐づけし、運転診断情報電文を生成する生成ステップと、
前記生成ステップにより生成された前記運転診断情報電文を、前記通信方式に基づいて前記運転診断サーバに送信する送信ステップと、
を有すること
を特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者の運転診断に必要な移動体の運転診断情報を運転診断サーバに出力する情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等に備わる車載センサから運転者の運転操作を検出し、LTE(Long Term Evolution)、5G等の広域無線通信規格や、Wi-Fi (登録商標)、LPWA(Low Power Wide Area)等の通信方式で構築されたネットワークで通信を行い、運転者の運転診断装を行う装置として、例えば特許文献1の処理配置制御装置等が提案されている。
【0003】
特許文献1に開示された処理配置制御装置は、車両に搭載された車載コンピュータと、車両の外部に設けられた外部コンピュータと、を相互に通信可能なノードとして備え、車両の運転支援に関する処理を実行するシステムにおける、処理のノードへの配置を制御する車両に搭載された処理配置制御装置であって、処理をいずれかのノードに配置した場合に処理が中断される配置リスクを、ノード間の通信状況および車両のバッテリ残量の少なくとも一方に基づいて推定する配置リスク推定部と、配置リスクに基づいて、処理を配置するノードを決定する配置決定部と、を有する。このため、システムにて実行される処理を各サーバへ配置することができる。これにより、処理が配置されるノードを車両の状況の変化に伴い処理を継続させることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、運転者の運転診断情報を運転診断サーバに出力する車載端末等の情報処理装置については、情報処理装置の消費電力を抑え、送信データ量を削減し、運転診断に有用な情報を、遠距離通信により実現する送信処理の効率向上が求められている。この点、特許文献1では、運転支援に関する処理の配置リスクを考慮し、運転診断サーバ側に処理を配置する技術について開示されているに留まり、情報処理装置側の処理効率や運転診断情報の送信効率を向上することができない。
【0006】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、情報処理装置側の処理効率、さらには運転診断情報の送信効率の向上を図ることができる情報処理装置及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明に係る情報処理装置は、運転者の運転診断に必要な移動体の運転診断情報を運転診断サーバに出力する情報処理装置であって、前記運転者が運転する前記移動体に関する前記運転診断情報を前記運転診断サーバに送信する通信方式で規定されるデータ量の制限内で取得する取得部と、前記取得部により取得された前記運転診断情報を用いて、前記通信方式に対応する形式と制限、及び前記移動体の運転状況に応じて設定される送信回数に基づいて、前記送信回数が1回の場合は、前記運転診断情報に含まれる情報のうち前記運転診断に有用となる情報のデータ量を縮小して運転診断情報電文を生成し、前記送信回数が2回の場合は、各々に送信する運転診断電文を紐づけし、運転診断情報電文を生成する生成部と、前記生成部により生成された前記運転診断情報電文を、前記通信方式に基づいて前記運転診断サーバに送信する送信部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
第2発明に係る情報処理装置は、第1発明において、前記生成部により前記運転診断情報電文が生成される通信方式は、LPWA(Low Power Wide Area)で構築されるネットワークに関する通信方式であること、を特徴とする。
【0009】
第3発明に係る情報処理装置は、第1発明又は第2発明において、前記取得部により取得される前記運転診断情報は、ブレーキ開始速度、ブレーキの強さ、ブレーキ開始速度、停止時のブレーキの強さ、ハンドル操作中の最大速度、操作中のハンドルの角度の最大角速度、交差点進入速度、交差点進入5秒前ブレーキ、平均速度、及び前後加速度標準偏差の少なくとも何れかを含む第1運転診断情報群と、ブレーキ操作の穏やかさ、ブレーキの強さ、停止時間、ブレーキ開始速度、ハンドル操作の穏やかさ、操作中のハンドルの角度の最大角速度、交差点最大速度、遠心力、角速度標準偏差、及び平均速度の少なくとも何れかを含む第2運転診断情報群の、少なくとも何れかを含むこと、を特徴とする。
【0010】
第4発明に係る情報処理装置は、第1発明~ 第3発明の何れかにおいて、前記通信方式と、前記運転者の運転操作状況、及び前記運転者の過去の運転診断結果を示す運転操作情報と、移動している場所の状況に関する外部環境情報と、に基づいて、前記運転診断情報電文を送信する間隔に関する送信間隔情報、前記運転診断情報電文を送信する回数に関する送信回数情報、及び送信対象の前記運転診断情報を含む送信対象情報を設定する送信設定部をさらに備え、前記送信部は、前記送信対象情報に基づいて前記運転診断情報電文を送信すること、を特徴とする。
【0011】
第5発明に係る情報処理装置は、第4発明において、前記送信設定部は前記送信回数が1の場合は、前記取得部により取得されたブレーキの最大値及び速度の最大値、又はブレーキの平均値及び速度の平均値の少なくとも何れかを含む前記運転診断情報を前記送信対象情報として設定し、前記送信回数が2以上の場合は、前記取得部により取得された前記運転診断情報を分割し、一組の前記送信対象情報として設定すること、を特徴とする。
【0012】
第6発明に係る情報処理方法は、運転者の運転診断に必要な移動体の運転診断情報を運転診断サーバに出力する情報処理方法であって、前記運転者が運転する前記移動体に関する前記運転診断情報を前記運転診断サーバに送信する通信方式で規定されるデータ量の制限内で取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された前記運転診断情報を用いて、前記通信方式に対応する形式と制限、及び前記移動体の運転状況に応じて設定される送信回数に基づいて、前記送信回数が1回の場合は、前記運転診断情報に含まれる情報のうち前記運転診断に有用となる情報のデータ量を縮小して運転診断情報電文を生成し、前記送信回数が2回の場合は、各々に送信する運転診断電文を紐づけし、運転診断情報電文を生成する生成ステップと、前記生成ステップにより生成された前記運転診断情報電文を、前記通信方式に基づいて前記運転診断サーバに送信する送信ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1発明~第5発明によれば、生成部は、運転診断情報を運転診断サーバに送信する通信方式に対応する形式の運転診断情報電文を生成する。このため、送信データ量を削減し、運転診断に有用な情報のみ遠距離通信することができる。これにより、情報処理装置側の処理効率と、運転診断情報の送信効率の向上を図ることが可能となる。
【0014】
特に、第1発明によれば、取得部は、運転者が運転する移動体に関する運転診断情報を取得する。このため、生成部は、運転診断サーバに送信する通信方式に応じて運転診断情報電文を生成することができる。これにより、情報処理装置側の処理効率と、運転診断情報の送信効率の向上を図ることが可能となる。
【0015】
特に、第2発明によれば、通信方式は、LPWAのネットワークに関する通信方式に基づく。このため、情報処理装置の消費電力を抑え、送信データ量を削減し、運転診断に有用な情報を、運転診断サーバに送信することができる。これにより、運転診断情報の送信効率の向上を図ることが可能となる。
【0016】
特に、第3発明によれば、取得部により取得される運転診断情報は、第1運転診断情報群と、第2運転診断情報群の、少なくとも何れかを含む。このため、運転診断に有用な情報を選択することができる。これにより、情報処理装置側の処理効率の向上を図ることが可能となる。
【0017】
特に、第4発明によれば、送信設定部は、運転診断情報電文の送信間隔、送信回数、及び送信する前記運転診断情報に関する通信内容を設定する。このため、情報処理装置の消費電力を抑え、送信データ量を削減し、運転診断に有用な情報の送信設定をすることができる。これにより、情報処理装置側の処理効率と、運転診断情報の送信効率の向上を図ることが可能となる。
【0018】
特に、第5発明によれば、送信部は、送信設定部により設定された送信回数を判別し、送信回数を変えて運転診断情報を送信する。このため、送信データ量を削減し、運転診断に有用な情報のみを送信することができる。これにより、情報処理装置側の処理効率と、運転診断情報の送信効率の向上を図ることが可能となる。
【0019】
第6発明によれば、生成ステップは、運転診断情報を運転診断サーバに送信する通信方式に対応する形式の運転診断情報電文を生成する。このため、送信データ量を削減し、運転診断に有用な情報のみ遠距離通信することができる。これにより、情報処理装置側の処理効率と、運転診断情報の送信効率の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本実施形態における情報処理装置の一例を示す模式図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における情報処理装置の動作の一例を示す模式図である。
【
図3】
図3(a)は、本実施形態における情報処理装置の構成の一例を示す模式図であり、
図3(b)は、本実施形態における情報処理装置の機能の一例を示す模式図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における運転診断情報の一例を示す模式図である。
【
図5】
図5(a)は、本実施形態における運転診断情報電文(通常)の形式の一例を示す模式図であり、
図5(b)本実施形態における運転診断情報電文(1回)の形式の一例を示す模式図である。
【
図6】
図6(a)は、本実施形態における運転診断情報電文(通常)の送信の一例を示す模式図であり、
図6(b)本実施形態における運転診断情報電文(1回)の送信の一例を示す模式図である。
【
図7】
図7(a)は、本実施形態における運転診断情報(最大値)の一例を示す模式図であり、
図7(b)本実施形態における運転診断情報(平均値)の一例を示す模式図である。
【
図8】
図8は、本実施形態における情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を適用した実施形態における情報処理装置、及び情報処理方法の一例について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1を参照して、本実施形態における情報処理装置1の一例について説明する。
【0023】
本実施形態における情報処理装置1は、例えば
図1に示すように、運転診断システム100により構成される。情報処理装置1は、例えばトラック等の移動体2に搭載され、情報処理装置1に備わる通信モジュールにより、例えば通信網3を介して運転診断サーバ4や運転診断の管理や評価等を行う端末5に接続される。
【0024】
情報処理装置1は、例えば運転者(図示せず)が運転する移動体2に搭載され、加速度センサ、ジャイロ等のセンサを備える。情報処理装置1は、例えば情報処理装置1に搭載されている各種のセンサ(例えば加速度センサ、ジャイロセンサ、GPS等)により取得する情報のみ(自律情報)で運転診断情報を生成する。加速度センサは、例えば移動体2の加速や減速、交差点での横方向の加速度を検出する。ジャイロセンサは、例えば運転者のハンドル操作を検出する。GPSは、例えば移動体2の位置と車速を検出する。情報処理装置1は、例えば移動体2に備わる故障診断用のポート(例えばOBD2:On Board Diagnosis second generation)を介して、移動体2の操作や運航に関する各種のデータや運転診断を評価するための運転診断情報を取得するようにしてもよい。
【0025】
情報処理装置1は、例えば移動体2に備わる外部との情報やデータの入出力用のポートに接続される。その後、情報処理装置1は、接続されたポートを介して、移動体2に関する各種の運転診断情報を取得し、例えばLPWA(Low Power Wide Area)の通信方式に準じたモジュールにより運転診断サーバ4に送信する。運転診断サーバ4は、例えば情報処理装置1により送信された移動体2の運転診断情報に基づいて、移動体2の運転者の運転操作等の診断を行う。運転診断サーバ4により診断された診断結果は、例えば運転診断の管理や指導を行う管理者の端末5で参照できるほか、例えば移動体2に備わる情報表示を行うモニターや運転者が所持する端末(図示せず)で参照等できるようにしてもよい。
【0026】
情報処理装置1は、例えば
図2に示すように、運転者による移動体2の始動後に、移動体2の運転診断情報の取得を開始する。情報処理装置1は、例えば移動体2の運転を終了するまでの間、移動体2に関する各種の運転診断情報を取得し、例えば後述する送信の間隔、送信の回数、送信の内容で運転診断情報電文として生成し、運転診断サーバ4に送信する。
【0027】
運転診断サーバ4は、情報処理装置1から送信された運転診断情報電文に基づき、移動体2の運転者の運転操作等の運転診断を行う。運転診断サーバ4により解析等され、運転診断の結果として出力される診断結果は、例えば運転診断の管理者の端末5の表示部109に運転診断結果5aとして表示される。管理者は、例えば移動体2の運転者の運転診断結果5aを参照し、例えば運転者の運転操作の評価が低い場合等は改善指導を行い、また運転者の運転操作の評価が高い場合は模範運転として賞賛等を行うようにしてもよい。
【0028】
運転診断結果5aは、例えば情報処理装置1により取得した各種の運転診断情報がプロットされた複数の散布図として示されてもよい。運転者は、例えば運転診断結果5aの複数の散布図を参照することで、自分の運転操作の傾向や特徴を俯瞰的、視覚的に把握することができる。運転者は、運転診断結果5aを参照することで、例えば移動体2の運転操作で気を付けるべき運転操作や、安全な運転操作等を認識することが可能となる。
【0029】
情報処理装置1として、例えばLPWAのモジュールと、LPWAアンテナ、GPSアンテナ、バッテリ、各種の設定情報を記憶するメモリ等を備える。管理者の端末5として、パーソナルコンピュータ(PC)等の電子機器が用いられるほか、例えばスマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末、IoT(Internet of Things)デバイス等の電子機器、Raspberry Pi(登録商標)等のシングルボードコンピュータが用いられてもよい。
【0030】
情報処理装置1は、例えば移動体2に備わる外部との情報やデータの入出力用のポートに接続され、移動体2側の各種の操作に応じて、操作や設定される。また情報処理装置1は、例えば移動体2の納車時や定期点検時、整備時等に、移動体2で想定される各種機能や設定、パラメータ、LPWA等の通信等の設定が組み込まれ、その後に移動体2のポートに接続されるようにしてもよい。情報処理装置1は、例えば移動体2のキー操作によるキー操作連動信号(ING)を識別し、起動又は停止するようにしてもよい。
【0031】
(情報処理装置1)
次に、
図3を参照して、本実施形態における情報処理装置1の一例を説明する。
図3(a)は、本実施形態における情報処理装置1の構成の一例を示す模式図であり、
図3(b)は、本実施形態における情報処理装置1の機能の一例を示す模式図である。
【0032】
情報処理装置1は、例えば
図3(a)に示すように、筐体10と、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、保存部104と、I/F105~107とを備える。各構成101~107は、内部バス110により接続される。
【0033】
CPU101は、情報処理装置1の全体を制御する。ROM102は、CPU101の動作コードを格納する他に、例えば予備領域も保持するようにしてもよい。RAM103は、CPU101の動作時に使用される作業領域である。保存部104は、評価対象情報や参照データベース等の各種情報の他、例えば設定情報(例えば送信間隔、送信回数等)が保存される。保存部104として、例えばHDD(Hard Disk Drive)の他、SSD(Solid State Drive)やSDカード、miniSDカード等のデータ保存装置が用いられる。保存部104は、例えばROM102の予備領域、及びRAM103の作業領域内に設けられてもよい。なお、例えば情報処理装置1は、図示しないGPU(Graphics Processing Unit)を有してもよい。GPUを有することで、通常よりも高速演算処理が可能となる。
【0034】
I/F105は、例えば移動体2との各種情報の送受信を行うためのポートのインターフェースであるほか、例えば移動体2から情報処理装置1が取得する自律情報より詳細な情報を得るようにしてもよい。I/F105は、例えばインターネット等の通信網3を介して、運転診断サーバ4や他の端末5等との各種情報の送受信を行うためのインターフェースでもよい。
【0035】
I/F106は、例えば移動体2の入力部108a、緊急通報ボタン108bとの情報の送受信を行うためのインターフェースである。入力部108a、緊急通報ボタン108bとして、例えば移動体2に設置される各種の操作スイッチ、キーボードやボタン等が用いられる。移動体2の運転者、または情報処理装置1の管理を行う管理者等は、例えば外部接続される入力部108a、緊急通報ボタン108bを介して、各種情報又は情報処理装置1の制御コマンド、緊急通報等を入力する。なお緊急通報ボタン108bは、例えば情報処理装置1に接続され、専用ボタンとして移動体2内に設置されてもよい。緊急通報は、例えば情報処理端末1が取得した運転診断情報に基づいて、情報処理装置1に予め設定された閾値以上の数値(例えば衝撃等)を情報処理装置1が取得した場合に、自動的に緊急通報情報として運転診断サーバ4や管理者の端末5等に通報されるようにしてもよい。
【0036】
I/F107は、例えば移動体2や管理者の端末5等の表示部109との各種情報の送受信を行うためのインターフェースである。表示部109は、例えば保存部104に保存された評価結果等の各種情報、又は情報処理装置1の処理状況等を出力する。表示部109として、ディスプレイが用いられ、例えばタッチパネル式でもよい。
【0037】
<参照データベース>
保存部104に保存された参照データベースには、予め取得された各種の設定情報や運転診断情報、過去の運転履歴や故障履歴、アラート情報、移動体の各種の機能診断ステータス等が記憶される。参照データベースには、例えば過去の運転診断の評価対象情報、連関性、及び運転診断の参照情報が記憶されてもよい。またROM102の予備領域、及びRAM103の保存部104に記憶されるようにしてもよい。
【0038】
図3(b)は、情報処理装置1の機能の一例を示す模式図である。情報処理装置1は、例えば取得部11と、生成部12と、送信部13と、送信設定部14とを備える。なお、
図3(b)に示した各機能は、例えばCPU101が、RAM103を作業領域として、保存部104等に保存されたプログラムを実行することにより実現され、例えば人工知能により制御されてもよい。
【0039】
<取得部11>
取得部11は、例えば移動体2に予め備わる各種のセンサにより、移動体2の各種の挙動データ(車速、減速G、旋回G等)、操作データ、外部気温、運転者の生体情報等の情報を取得するほか、情報処理装置1に備わるセンサを介して、例えば後述する運転診断情報を取得する。取得部11は、例えば運転者により移動体2の電源ON(始動)により各種の運転診断情報の取得を開始し、電源OFF(停止、終了)で運転診断情報の取得を終了する。
【0040】
ここで
図4を用いて、取得部11が移動体2に関する各種の運転診断情報を取得する一例について説明する。
図4は、本実施形態における運転診断情報の一例を示す模式図である。
【0041】
取得部11は、LPWAで規定されるデータ量(ペイロード:11~16Byte)の制限に基づいて、その制限内で運転診断情報を取得する。なおLPWAのペイロード値(可能送信量)は、例えばLPWAを提供する各々の通信会社で決めたペイロード値としてもよい。本実施形態では、例えばペイロードを16Byteとして説明するが、他のペイロード値であってもよい。取得部11が取得する運転診断情報は、例えば「ブレーキ」、「停止」、「ハンドル」、「右折」、「スムーズ」の5項目に分類される情報であり、例えば第1運転診断情報群と第2運転診断情報群として、それらが各々の一対の運転診断情報として取得される。
【0042】
取得部11は、例えば移動体2に関して取得する各種の運転診断情報として、例えばブレーキ開始速度、ブレーキの強さ、ブレーキ開始速度、停止時のブレーキの強さ、ハンドル操作中の最大速度、操作中のハンドルの角度の最大角速度、交差点進入速度、交差点進入5秒前ブレーキ、平均速度、及び前後加速度標準偏差等の少なくとも何れかを含む各種の情報を、移動体2の第1運転診断情報群として取得する。
【0043】
また取得部11は、さらにブレーキ操作の穏やかさ、ブレーキの強さ、停止時間、ブレーキ開始速度、ハンドル操作の穏やかさ、操作中のハンドルの角度の最大角速度、交差点最大速度、遠心力、角速度標準偏差、及び平均速度等の少なくとも何れかを含む各種の情報を、移動体2の第2運転診断情報群として取得する。
【0044】
取得部11は、運転者が運転する移動体2の運転操作に基づいて、例えば「第1運転診断情報群」に含まれる「ブレーキ」項目では、例えば運転診断対象の運転診断情報として、「ブレーキ開始速度 0~120km/h」と「ブレーキの強さ 0~0.5G」に相当する運転診断情報を取得する。取得部11は、例えば移動体2において、それらの挙動が発生する都度に運転診断情報として取得する。
【0045】
また取得部11は、例えば「第1運転診断情報群」に含まれる「停止」項目では、例えば運転診断対象の運転診断情報として、例えば「ブレーキ開始速度 0~120km/h」と「停止時のブレーキの強さ 0~0.5G」に相当する運転診断情報を取得する。取得部11は、例えば移動体2において、それらの挙動が発生する都度に運転診断情報として取得する。
【0046】
なお取得部11は、移動体2の情報処理装置1に備わるセンサにより、例えば移動体2の速度、加速度、ヨーレート等の各種の情報を組み合わせにより生成するようにしてもよい。取得部11は、前述の各種の運転診断情報を、例えば移動の最中に発生するごとに、その一部、または全てを取得するようにしてもよい。
【0047】
また取得部11は、移動体2のポートを介して取得する情報の他、例えば情報処理装置1に備わる通信モジュールを介し、直接に送信された各種情報を受信するようにしてもよい。取得部11は、例えば通信網3及びI/F105を介して、他の端末5等の外部端末から送信された設定情報や更新情報等の各種情報を受信してもよい。なお、取得部11が運転診断情報を取得する頻度及び周期は、任意である。
【0048】
取得部11は、例えば保存部104に保存された学習モデルを参照し、運転診断情報の取得や診断等に対応する設定情報を選択し、運転診断評価対象情報として取得する。
【0049】
<生成部12>
生成部12は、運転診断情報電文を生成する。生成部12は、取得部11により取得された運転診断情報を用いて、LPWAの通信方式(例えば、提供各社の通信規約等)で構築されるネットワークに対応する形式の運転診断情報電文を生成する。ここで
図5を用いて、生成部12が生成する運転診断情報電文の形式について説明する。
【0050】
図5(a)は、本実施形態における運転診断情報電文(通常)の形式の一例を示す模式図であり、
図5(b)本実施形態における運転診断情報電文(1回)の形式の一例を示す模式図である。
【0051】
図5(a)は、生成部12により生成される運転診断情報電文(通常)の形式の一例を示す。生成部12は、LPWAで構築されるネットワークに関する通信方式の制限に基づいて、例えば取得部11により取得した運転診断情報を送信する場合、通常は2回に分けて各々に送信する運転診断情報電文として生成する。
【0052】
生成部12は、例えば1件目の運転診断情報電文(No.1)として「電文ID:1Byte」、「緯度+経度:5Byte」、「運転診断情報(No.1):10Byte」とし、2件目の運転診断情報電文(No.2)として「電文ID:1 Byte」、「緯度+経度:5Byte」、「運転診断情報(No.2):5Byte」、「速度:1Byte」、「注意挙動回数:4Byte」として生成する。なお「電文ID:1Byte」は、「カウンタ値:4bit」、「EMC(緊急通報情報):1bit」、「稼働ON/OFF:1bit」、「電文ID:1bit」とし、それらを1組のセットとして紐づけて生成する。
【0053】
次に
図5(b)は、生成部12により生成される運転診断情報電文(1回)の形式の一例を示す。生成部12は、1回の運転診断情報電文として生成する場合は、例えば1件目の運転診断情報電文(No.1)として「電文ID:1Byte」、「緯度+経度:5Byte」、「運転診断情報:8Byte」、「注意挙動回数:2Byte」として生成し、「電文ID:1Byte」は「カウンタ値:4bit」、「EMC(緊急通報情報):1bit」、「稼働ON/OFF:1bit」、「電文ID:1bit」として生成する。
【0054】
生成部12は、LPWAで構築されるネットワークに関する通信方式の制限に基づいて運転診断情報(ペイロード:11~16Byte)を生成する。生成部12は、例えば運転診断情報電文を、通常の2回から1回で送信する場合は、取得した運転診断情報を、1Byteから6bitに縮小して生成する。生成部12は、1回の送信としてデータ量を削減して行う場合は、例えば送信する運転診断情報電文を縮小して生成する。
【0055】
生成部12は、これにより、運転診断結果5aで示される散布図としては、本来の散布図としては分解能力が粗くなるが、各々の運転診断情報がプロットされる散布図に大きな変化はない。このため生成部12が生成する1回の運転診断情報(1回で送信する運転診断情報電文)であっても、全体の運転診断結果(運転診断情報のプロット全体)には影響がないこととなる。これにより、送信データ量を削減し、運転診断に有用な情報を生成することが可能となる。
【0056】
生成部12は、後述する送信設定部14による運転診断情報電文を送信する間隔に関する送信間隔情報、運転診断情報電文を送信する回数に関する送信回数情報、及び送信対象の運転診断情報を含む送信対象情報に基づき、通常(2回)、または1回の運転診断情報電文として生成する。
【0057】
生成部12が生成する運転診断情報電文は、例えば運転者の運転操作状況や過去の運転診断結果、移動している場所の状況(道路の混雑状況、事故の発生状況、移動の危険度等)の各種の運転操作情報や外部環境情報などに基づいて、適宜に生成される。
【0058】
<送信部13>
送信部13は、例えば生成部12により生成された運転診断情報電文を、LPWAの通信方式に基づいて運転診断サーバ4に送信する。ここで
図6を用いて、送信部13が生成部12により生成された運転診断情報電文の送信について説明する。
【0059】
図6(a)は、本実施形態における運転診断情報電文(通常)の送信の一例を示す模式図であり、
図6(b)本実施形態における運転診断情報電文(1回)の送信の一例を示す模式図である。
【0060】
送信部13は、
図6(a)に示すとおり、移動体2において電源ON(PWR)、GPS測位後に、第1運転診断情報群(運転診断情報電文のNo.1)を送信周期a分、2a分の間隔で運転診断サーバ4に送信する。さらに送信部13は、第2運転診断情報群(運転診断情報電文のNo.2)を、運転診断情報電文(No.1)の送信後に、同様の送信周期a分、2a分の間隔で運転診断サーバ4に送信する。送信部13は、運転診断情報電文を2回で送信する場合は、運転診断情報電文No.1とNo.2はセットで一つとして各々に対応付けて送信する。
【0061】
また送信部13は、
図6(b)に示すとおり、移動体2において電源ON(PWR)、GPS測位後に、1回の運転診断情報電文として運転診断サーバ4に送信する。送信部13は、例えば第1運転診断情報群(運転診断情報電文のNo.1)と第2運転診断情報群(運転診断情報電文のNo.2)の何れかの運転診断情報電文を、送信周期a分の間隔で運転診断サーバ4に送信する。
【0062】
送信部13は、生成部12により生成された運転診断情報電文を、LPWAで構成される通信方式に基づいて運転診断サーバ4に送信することで、情報処理装置1の消費電力を抑え、送信データ量を削減し、運転診断に有用な情報を送信することができる。これにより、情報処理装置1側の処理効率や運転診断情報の送信効率を向上することができる。
【0063】
<送信設定部14>
送信設定部14は、例えば情報処理装置1に予め設定されるLPWAによる通信方式と、取得部11により取得された移動体2の各種の運転診断情報とに基づいて、生成部12において生成される運転診断情報電文の送信間隔情報、送信回数情報、及び運転診断情報を含む送信対象情報を設定する。
【0064】
送信設定部14は、例えば運転者の運転操作状況や過去の運転診断結果、移動している場所の状況(道路の混雑状況、事故の発生状況、移動の危険度等)の各種の運転操作情報や外部環境情報などに基づいて、生成部12が運転診断情報電文を生成するための情報を設定する。
【0065】
送信設定部14は、例えば予め管理者により設定された送信回数に基づいて、送信間隔情報、送信回数情報、及び運転診断情報を設定するようにしてもよい。なお送信回数は、移動体のポート、または通信網3を介して適宜に設定されてもよく、その他に移動体2の運転状況(例えば深夜に高速道路を長時間走行中、昼間の渋滞の市街地を走行中、荷積みして配送中、荷届後の戻り中、事故渋滞中など)に応じて、適宜に設定、あるいは外部からの指示に応じて選択して1回、2回、それ以上、等の送信回数が設定されるようにしてもよく、送信回数の設定方法は任意である。
【0066】
また送信設定部14は、例えば前述の移動体2における各種の運転診断情報に基づいて、送信回数が1の場合は、取得部11により取得されたブレーキの最大値及び速度の最大値、又はブレーキの平均値及び速度の平均値の少なくとも何れかを含む運転診断情報を送信対象の情報として設定する。また、送信設定部14は、例えば送信回数が2以上の場合は、取得部11により取得された運転診断情報を分割する。送信設定部14は、例えば運転診断情報の項目やデータ量に応じて分割し、それぞれ分割した送運転診断情報を、一組の送信対象情報として設定するようにしてもよい。
【0067】
ここで、
図7に送信設定部14により設定される送信回数が1の場合におけるブレーキの最大値及び速度の最大値と、ブレーキの平均値及び速度の平均値を示す。
図7(a)に示す運転診断情報(最大値)は、例えば取得部11により取得された移動体2のブレーキと速度のデータの中から各々最大値として取得されたデータである。
【0068】
送信設定部14は、例えば移動体2の運転診断情報、その他の走行データとして記録されたものの中から、例えば散布図のX軸方向の値をx1、Y軸方向の値をy1とした時、送信間隔2a分の中で(xa,ya)が最大値となる(x1,y1)の情報を運転診断サーバ4に送信する運転診断情報電文として設定する。これにより、送信データ量を削減し、運転診断に有用な情報を運転診断サーバ4に送信することができ、LPWAの遠距離通信により送信処理の効率を向上することが可能となる。
【0069】
また
図7(b)に示す運転診断情報(平均値)は、例えば取得部11により取得された移動体2のブレーキと速度の平均値として取得されたデータである。
【0070】
送信設定部14は、例えば移動体2の運転診断情報、その他の走行データとして記録されたものの中から、例えば散布図のX軸方向の値をx1、Y軸方向の値をy1とした時、送信間隔2a分の中で(xa,ya)の平均値となる(x1,y1)の情報を運転診断サーバ4に送信する運転診断情報電文として設定する。これにより、送信データ量を削減し、運転診断に有用な情報を運転診断サーバ4に送信することができ、LPWAの遠距離通信により送信処理の効率を向上することが可能となる。
【0071】
送信設定部14は、例えば送信回数が1の場合に、ブレーキの最大値及び速度の最大値、またはブレーキの平均値及び速度の平均値を設定し、生成部12は、例えば送信設定部14で設定された各種の情報に基づいて1回送信、または2回送信以上の運転診断情報電文を生成し、送信部13は、生成部12で生成された運転診断情報電文を1回、または2回以上で運転診断サーバ4に送信する。
【0072】
<記憶部>
記憶部は、保存部104に保存された参照データベース等の各種情報を必要に応じて取出す。記憶部は、各構成11、13~15により取得又は生成された各種情報を、保存部104に保存する。
【0073】
<出力部>
出力部は、診断結果を出力する。出力部は、I/F107を介して表示部109に診断結果を送信するほか、例えばI/F105を介して、他の端末5等に診断結果を送信する。出力部は、例えば
図1に示した運転診断サーバ4により診断された診断結果や端末5からの各種の情報やデータを、表示部109等に出力する。
【0074】
<表示部109>
表示部109は、例えば取得した運転診断情報や診断結果を表示する。表示部109は、例えば
図2に示すように運転診断結果5aを表示する。運転診断結果5aは、例えば運転診断サーバ4により生成された運転診断結果と取得部11が取得した各種の運転診断情報に基づく複数の散布図が映された画像を示す。
【0075】
<通信網3>
通信網3は、例えば情報処理装置1等が通信回路を介して接続されるインターネット網等である。通信網3は、いわゆる光ファイバ通信網で構成されてもよい。また、通信網3は、有線通信網のほか、無線通信網等の公知の通信網で実現してもよい。
【0076】
<運転診断サーバ4>
運転診断サーバ4には、例えば上述した各種情報が記憶される。運転診断サーバ4には、例えば通信網3を介して送られてきた各種情報が蓄積される。運転診断サーバ4には、例えば保存部104と同様の情報が保存され、通信網3を介して1つ以上の情報処理装置1と各種情報の送受信が行われてもよい。即ち、情報処理装置1は、保存部104の代わりに運転診断サーバ4を用いてもよい。
【0077】
<他の端末5>
他の端末5は、例えば管理者が使用する端末5であり、運転診断サーバ4と接続する。端末5は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等の電子機器が用いられるほか、例えばスマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末、IoT(Internet of Things)デバイス等の電子機器、Raspberry Pi(登録商標)等のシングルボードコンピュータが用いられてもよい。他の端末5は、例えば複数の情報処理装置1と通信可能な中央制御装置等を示し、例えば複数の情報処理装置1と接続可能となる。他の端末5は、例えば複数個所で生成された運転診断サーバ4の診断結果を分析することができ、移動体2の運転操作の改善等を図ることが可能となる。
【0078】
(情報処理装置1の動作の一例)
次に、本実施形態における情報処理装置1の動作の一例について説明する。
図8は、本実施形態における情報処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0079】
<取得手段S110>
図8に示すように、運転者が運転する移動体2に関する各種の運転診断情報を取得する(取得手段S110)。取得部11は、例えば運転診断情報として、ブレーキ開始速度、ブレーキの強さ、ブレーキ開始速度、停止時のブレーキの強さ、ハンドル操作中の最大速度、操作中のハンドルの角度の最大角速度、交差点進入速度、交差点進入5秒前ブレーキ、平均速度、及び前後加速度標準偏差を少なくとも含む第1運転診断情報群と、ブレーキ操作の穏やかさ、ブレーキの強さ、停止時間、ブレーキ開始速度、ハンドル操作の穏やかさ、操作中のハンドルの角度の最大角速度、交差点最大速度、遠心力、角速度標準偏差、及び平均速度を少なくとも含む第2運転診断情報群の少なくとも何れかを取得する。取得部11は、例えば記憶部を介して、評価対象情報を保存部104に保存する。
【0080】
<生成手段S120>
次に、取得部11により取得された各種の運転診断情報に基づいて、運転診断サーバ4に送信するLPWAの通信方式に対応する形式の運転診断情報電文を生成する(生成手段S120)。生成部12は、取得部11により取得された評価対象情報を取得し、例えば保存部104に保存されたデータベースを取得する。
【0081】
<送信手段S130>
次に、運転診断情報電文を送信する(送信手段S130)。送信部13は、LPWAで構築されるネットワークで接続される運転診断サーバ4に運転診断情報電文を送信する。送信部13は、例えば通信網3を介して他の端末5に送信してもよい。
【0082】
<送信設定手段S140>
また、送信対象情報を設定する(送信設定手段S140)。送信設定部14は、LPWAの通信方式と運転診断情報に基づいて、運転診断情報電文を送信する間隔に関する送信間隔情報、運転診断情報電文を送信する回数に関する送信回数情報、及び送信対象の運転診断情報を含む送信対象情報を設定する。
【0083】
送信設定部14は、設定された送信回数に基づいて、例えば送信回数が1の場合は、取得部11により取得されたブレーキの最大値及び速度の最大値、又はブレーキの平均値及び速度の平均値の少なくとも何れかを、運転診断情報の送信対象情報として設定する。また、送信設定部14は、送信回数が2以上の場合は、取得部11により取得された運転診断情報を分割し、一組の前記送信対象情報として設定する。
【0084】
生成部12は、例えば送信設定部14により設定された送信対象情報に含まれる運転診断情報に基づいて運転診断情報電文を生成する。また送信部13は、例えば送信設定部14により設定された送信対象情報に含まれる送信回数情報に基づいて、運転診断情報電文を送信する。
【0085】
これにより、本実施形態における情報処理装置1の動作が終了する。
【0086】
また、本実施形態によれば、運転者の運転診断に必要な移動体の運転診断情報を運転診断サーバに出力する情報処理方法は、取得手段S110を行う取得ステップ、生成手段S120を行う生成ステップ、送信手段S130を行う送信ステップ、送信設定手段S140を行う送信設定ステップにより提供することができる。
【0087】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
1 :情報処理装置
2 :移動体
3 :通信網
4 :運転診断サーバ
5 :端末
5a :運転診断結果
10 :筐体
11 :取得部
12 :生成部
13 :送信部
14 :送信設定部
100 :運転診断システム
101 :CPU
102 :ROM
103 :RAM
104 :保存部
105 :I/F
106 :I/F
107 :I/F
108 :入力部
109 :表示部
110 :内部バス
S110 :取得手段
S120 :生成手段
S130 :送信手段
S140 :送信設定手段