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特許7555700情報提供サーバ、情報提供システム、情報提供方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】情報提供サーバ、情報提供システム、情報提供方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20240917BHJP
   G08B 21/10 20060101ALI20240917BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20240917BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B21/10
G08B27/00 C
H04M11/04
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019204160
(22)【出願日】2019-11-11
(65)【公開番号】P2020098579
(43)【公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】P 2018233343
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(72)【発明者】
【氏名】青山 元
(72)【発明者】
【氏名】鷹田 良樹
【審査官】瀬戸 康平
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-041777(JP,A)
【文献】特開2010-004177(JP,A)
【文献】国際公開第2016/084198(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 19/00-31/00
H04M 3/00, 7/00,11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
気象または災害に関する警戒対象地域を示す情報である気象災害情報を取得する気象災害情報取得部と、
ユーザの住宅であるユーザ宅の住所情報または位置情報を含むユーザ情報と、前記気象災害情報取得部によって取得された前記気象災害情報とに基づいて、前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれるか否かを判定する第1判定部と、
ユーザ宅の竣工時の前記ユーザ宅の建物、敷地、付属する構造物に関する情報である第2情報、または、ユーザ宅の引き渡し後の前記ユーザ宅のリフォーム、過去の災害時の被災状況、および復旧のいずれかに関する情報である第3情報の少なくとも一方を含むユーザ情報を参照して、気象災害の危険度分布の情報をユーザ宅ごとに変換する被災住宅抽出部と、
ユーザ宅ごとに変換された気象災害の危険度の情報である災害危険度と、時間との積である被災重大度をユーザ宅ごとに算出することにより、ユーザ宅ごとの被災重大度を算出する被災重大度算出部と、
算出されたユーザ宅ごとの前記被災重大度に基づいて、被災ユーザ宅リストを生成する被災度マップ生成部と、
前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれると前記第1判定部によって判定された場合に、前記気象災害情報取得部によって取得された前記気象災害情報に基づいてアラートコンテンツを生成するコンテンツ生成部と、
前記コンテンツ生成部によって生成された前記アラートコンテンツを配信するコンテンツ配信部とを備え、
前記警戒対象地域は、複数のメッシュ領域によって構成されており、
前記気象災害情報は、各メッシュ領域の危険度を示す情報であり、
前記第1判定部は、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるか否かを判定し、
前記コンテンツ生成部は、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれる場合に、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度と、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の周囲に位置するメッシュ領域である周囲メッシュ領域の危険度とを示す前記アラートコンテンツを生成し、
前記コンテンツ配信部は、前記ユーザによって利用される端末装置に前記アラートコンテンツを配信する、
情報提供サーバ。
【請求項2】
前記気象災害情報には、土砂災害警戒判定メッシュ情報が含まれ、
前記第1判定部は、前記ユーザ宅が、前記土砂災害警戒判定メッシュ情報において前記警戒対象地域として地図上に表示される前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるか否かを判定する、
請求項1に記載の情報提供サーバ。
【請求項3】
前記気象災害情報には、地震に関する前記警戒対象地域を示す情報が含まれ、
前記第1判定部は、前記ユーザ宅が、地震に関する前記警戒対象地域として地図上に表示される前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるか否かを判定する、
請求項1に記載の情報提供サーバ。
【請求項4】
前記コンテンツ生成部は、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度と前記周囲メッシュ領域の危険度とを示す電子メールを前記アラートコンテンツとして生成し、
前記コンテンツ配信部は、前記コンテンツ生成部によって生成された前記電子メールを、前記ユーザが利用する端末装置に送信する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報提供サーバ。
【請求項5】
前記第1判定部は、前記ユーザ宅が、前記気象災害情報において前記警戒対象地域として地図上に表示される前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるか否かを判定し、
前記コンテンツ生成部は、前記気象災害情報において前記複数のメッシュ領域が表示される前記地図のカスタマイズを実行するカスタマイズ部を備え、
前記カスタマイズ部は、前記地図のカスタマイズを実行することによってカスタム地図を生成し、
前記カスタム地図では、前記地図中の前記ユーザ宅が、前記カスタム地図の周囲部以外の位置に移動させられており、
前記カスタム地図には、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域と、前記周囲メッシュ領域とが含まれ、
前記コンテンツ配信部は、前記カスタマイズ部によって生成され、前記端末装置によって表示可能な前記カスタム地図を配信する、
請求項2または請求項3に記載の情報提供サーバ。
【請求項6】
前記端末装置には、前記ユーザによって携帯される端末装置が含まれる、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の情報提供サーバ。
【請求項7】
前記端末装置には、前記ユーザ宅内に配置された端末装置が含まれる、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報提供サーバ。
【請求項8】
前記端末装置には、前記ユーザによって携帯されるスマートフォンが含まれ、
前記第1判定部は、前記ユーザ宅が、前記気象災害情報において前記警戒対象地域として地図上に表示される前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるか否かを判定し、
前記コンテンツ生成部は、前記気象災害情報において前記複数のメッシュ領域が表示される前記地図のカスタマイズを実行するカスタマイズ部を備え、
前記カスタマイズ部は、前記地図のカスタマイズを実行することによってカスタム地図を生成し、
前記カスタム地図では、前記地図中の前記ユーザ宅が、前記カスタム地図の周囲部以外の位置に移動させられており、
前記コンテンツ配信部は、前記カスタマイズ部によって生成され、前記スマートフォンによって表示される前記カスタム地図を配信し、
前記コンテンツ配信部は、前記スマートフォンの専用アプリケーションにおいて前記ユーザに前記カスタム地図の表示を促すプッシュ通知を前記スマートフォンに対して送信する、
請求項2または請求項3に記載の情報提供サーバ。
【請求項9】
前記端末装置には、前記ユーザによって利用される電話機が含まれ、
前記コンテンツ生成部は、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれる場合に、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度を示す自動音声メッセージを前記アラートコンテンツとして生成し、
前記コンテンツ配信部は、前記ユーザによって利用される前記電話機に前記自動音声メッセージを送信する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報提供サーバ。
【請求項10】
前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度に時間による重みを反映したものが所定値に到達した場合に、
前記第1判定部は、前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれると判定し、
前記コンテンツ生成部は、前記アラートコンテンツを生成し、
前記コンテンツ配信部は、前記アラートコンテンツを配信する、
請求項1に記載の情報提供サーバ。
【請求項11】
前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度に時間による重みを反映したものが所定値に到達した時点から所定時間が経過した場合に、
前記第1判定部は、前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれると判定し、
前記コンテンツ生成部は、前記アラートコンテンツを生成し、
前記コンテンツ配信部は、前記アラートコンテンツを配信する、
請求項1に記載の情報提供サーバ。
【請求項12】
前記情報提供サーバの管理者は、前記ユーザ宅の建築請負を行った会社である、
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の情報提供サーバ。
【請求項13】
前記ユーザ情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶されている前記ユーザ情報と、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度と、前記周囲メッシュ領域の危険度とに基づいて、前記ユーザ宅内のユーザが前記ユーザ宅外に避難するべきか、あるいは、前記ユーザ宅内のユーザが前記ユーザ宅内にとどまるべきかを判定する第2判定部と、
前記ユーザ宅内のユーザが前記ユーザ宅外に避難するべきか、あるいは、前記ユーザ宅内のユーザが前記ユーザ宅内に留まるべきかの前記第2判定部による判定結果を前記端末装置に送信する判定結果送信部とを更に備える、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の情報提供サーバ。
【請求項14】
前記コンテンツ生成部は、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度を示す情報ないしは危険度を示す情報に基づくコンテンツを、前記端末装置に通知するインターフェースへの前記アラートコンテンツとして生成し、
前記コンテンツ配信部は、前記コンテンツ生成部によって生成された前記アラートコンテンツを、前記インターフェースを介して前記端末装置に送信する、
請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の情報提供サーバ。
【請求項15】
気象または災害に関する警戒対象地域を示す情報である気象災害情報を発表する気象災害情報発表部と、前記気象災害情報発表部によって発表された前記気象災害情報を配信する気象災害情報データ配信部と、情報提供サーバと、端末装置とを備える情報提供システムであって、
前記情報提供サーバは、
前記気象災害情報データ配信部によって配信された前記気象災害情報を取得する気象災害情報取得部と、
ユーザの住宅であるユーザ宅の住所情報または位置情報を含むユーザ情報と、前記気象災害情報取得部によって取得された前記気象災害情報とに基づいて、前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれるか否かを判定する第1判定部と、
ユーザ宅の竣工時の前記ユーザ宅の建物、敷地、付属する構造物に関する情報である第2情報、または、ユーザ宅の引き渡し後の前記ユーザ宅のリフォーム、過去の災害時の被災状況、および復旧のいずれかに関する情報である第3情報の少なくとも一方を含むユーザ情報を参照して、気象災害の危険度分布の情報をユーザ宅ごとに変換する被災住宅抽出部と、
ユーザ宅ごとに変換された気象災害の危険度の情報である災害危険度と、時間との積である被災重大度をユーザ宅ごとに算出することにより、ユーザ宅ごとの被災重大度を算出する被災重大度算出部と、
算出されたユーザ宅ごとの前記被災重大度に基づいて、被災ユーザ宅リストを生成する被災度マップ生成部と、
前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれると前記第1判定部によって判定された場合に、前記気象災害情報取得部によって取得された前記気象災害情報に基づいてアラートコンテンツを生成するコンテンツ生成部と、
前記コンテンツ生成部によって生成された前記アラートコンテンツを配信するコンテンツ配信部とを備え、
前記警戒対象地域は、複数のメッシュ領域によって構成されており、
前記気象災害情報は、各メッシュ領域の危険度を示す情報であり、
前記第1判定部は、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるか否かを判定し、
前記コンテンツ生成部は、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれる場合に、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度と、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の周囲に位置するメッシュ領域である周囲メッシュ領域の危険度とを示す前記アラートコンテンツを生成し、
前記コンテンツ配信部は、前記ユーザによって利用される前記端末装置に前記アラートコンテンツを配信し、
前記端末装置は、前記アラートコンテンツを出力する、
情報提供システム。
【請求項16】
気象または災害に関する警戒対象地域を示す情報である気象災害情報を取得する気象災害情報取得ステップと、
ユーザの住宅であるユーザ宅の住所情報または位置情報を含むユーザ情報と、前記気象災害情報取得ステップにおいて取得された前記気象災害情報とに基づいて、前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれるか否かを判定する判定ステップと、
ユーザ宅の竣工時の前記ユーザ宅の建物、敷地、付属する構造物に関する情報である第2情報、または、ユーザ宅の引き渡し後の前記ユーザ宅のリフォーム、過去の災害時の被災状況、および復旧のいずれかに関する情報である第3情報の少なくとも一方を含むユーザ情報を参照して、気象災害の危険度分布の情報をユーザ宅ごとに変換する被災住宅抽出ステップと、
ユーザ宅ごとに変換された気象災害の危険度の情報である災害危険度と、時間との積である被災重大度をユーザ宅ごとに算出することにより、ユーザ宅ごとの被災重大度を算出する被災重大度算出ステップと、
算出されたユーザ宅ごとの前記被災重大度に基づいて、被災ユーザ宅リストを生成する被災度マップ生成ステップと、
前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれると前記判定ステップにおいて判定された場合に、前記気象災害情報取得ステップにおいて取得された前記気象災害情報に基づいてアラートコンテンツを生成するコンテンツ生成ステップと、
前記コンテンツ生成ステップにおいて生成された前記アラートコンテンツを配信するコンテンツ配信ステップとを備え、
前記警戒対象地域は、複数のメッシュ領域によって構成されており、
前記気象災害情報は、各メッシュ領域の危険度を示す情報であり、
前記判定ステップでは、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるか否かが判定され、
前記コンテンツ生成ステップでは、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれる場合に、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度と、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の周囲に位置するメッシュ領域である周囲メッシュ領域の危険度とを示す前記アラートコンテンツが生成され、
前記コンテンツ配信ステップでは、前記ユーザによって利用される端末装置に前記アラートコンテンツが配信される、
情報提供方法。
【請求項17】
コンピュータに、
気象または災害に関する警戒対象地域を示す情報である気象災害情報を取得する気象災害情報取得ステップと、
ユーザの住宅であるユーザ宅の住所情報または位置情報を含むユーザ情報と、前記気象災害情報取得ステップにおいて取得された前記気象災害情報とに基づいて、前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれるか否かを判定する判定ステップと、
ユーザ宅の竣工時の前記ユーザ宅の建物、敷地、付属する構造物に関する情報である第2情報、または、ユーザ宅の引き渡し後の前記ユーザ宅のリフォーム、過去の災害時の被災状況、および復旧のいずれかに関する情報である第3情報の少なくとも一方を含むユーザ情報を参照して、気象災害の危険度分布の情報をユーザ宅ごとに変換する被災住宅抽出ステップと、
ユーザ宅ごとに変換された気象災害の危険度の情報である災害危険度と、時間との積である被災重大度をユーザ宅ごとに算出することにより、前記気象災害情報とに基づいて、ユーザ宅ごとの被災重大度を算出する被災重大度算出ステップと、
算出されたユーザ宅ごとの前記被災重大度に基づいて、被災ユーザ宅リストを生成する被災度マップ生成ステップと、
前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれると前記判定ステップにおいて判定された場合に、前記気象災害情報取得ステップにおいて取得された前記気象災害情報に基づいてアラートコンテンツを生成するコンテンツ生成ステップと、
前記コンテンツ生成ステップにおいて生成された前記アラートコンテンツを配信するコンテンツ配信ステップと
を実行させるためのプログラムであって、
前記警戒対象地域は、複数のメッシュ領域によって構成されており、
前記気象災害情報は、各メッシュ領域の危険度を示す情報であり、
前記判定ステップでは、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるか否かが判定され、
前記コンテンツ生成ステップでは、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれる場合に、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度と、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の周囲に位置するメッシュ領域である周囲メッシュ領域の危険度とを示す前記アラートコンテンツが生成され、
前記コンテンツ配信ステップでは、前記ユーザによって利用される端末装置に前記アラートコンテンツが配信される、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報提供サーバ、情報提供システム、情報提供方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、災害等に関する避難を促す字幕情報がテレビ画面に表示されている。ところで、テレビ画面に表示される避難を促す字幕情報は、通常、市区町村単位である。つまり、住民の避難が促されている市区町村には、真に避難の必要があるエリアのみならず、避難の必要が無いエリアも存在する可能性がある。
従って、テレビ画面に表示される字幕情報のみによっては、避難が促されている市区町村の各住民は、真に避難の必要があるエリアに自宅が属しているのか、あるいは、避難の必要が無いエリアに自宅が属しているのかを正確に判断することができない。
【0003】
また、従来から、例えば気象庁によって発表される土砂災害警戒情報、土砂災害警戒判定メッシュ情報(大雨による土砂災害発生の危険度の高まりを、5km四方のメッシュ領域ごとに5段階に色分け表示する情報)などのような、気象または災害に関する警戒対象地域を示す詳細情報が提供されている。仮に、避難が促されている市区町村の各住民に対して土砂災害警戒判定メッシュ情報が提供されれば、各住民は、真に避難の必要があるエリアに自宅が属しているのか、あるいは、避難の必要が無いエリアに自宅が属しているのかを、土砂災害警戒判定メッシュ情報に基づいて正確に判断できると考えられる。
ところが、過去に避難が促された市区町村の住民の多くは、土砂災害警戒情報、土砂災害警戒判定メッシュ情報などの詳細情報が気象庁によって発表されていたことを知らず、そのような詳細情報を利用した経験が無いのが実情である。
また、ある市区町村内に含まれる、住民の避難が必要なメッシュ領域(例えば「極めて危険」の危険度を示すメッシュ領域)の数が少ない場合には、そのメッシュ領域内の住民に避難を促す情報を伝えるべきであるにもかかわらず、そのメッシュ領域を含む市区町村の住民に避難を促す字幕情報がテレビ画面に表示されないのが実情である。
【0004】
特許文献1には、携帯情報端末に防災情報を配信する防災情報配信システムが記載されている。特許文献1に記載された技術では、ユーザの携帯情報端末に対して防災情報が配信される。
ところで、特許文献1の図9に記載された技術では、ユーザの携帯情報端末に対して配信される防災情報が、「土砂災害警報:2時間以内の発生リスクは80%です。」、「対象場所:なおとの学校」、「避難に時間がかかる方はすぐに避難を開始することをお勧めします。」である。
つまり、特許文献1に記載された技術では、2時間以内に土砂災害が発生するリスクが80%である旨がユーザに対して提供されるものの、2時間以内に土砂災害が発生するリスクが80%であるエリアの大きさの情報は、ユーザに対して提供されない。すなわち、特許文献1に記載された技術では、例えば土砂災害警戒判定メッシュ情報などのような詳細情報がユーザに対して提供されない。
そのため、特許文献1に記載された技術によっては、ユーザは、避難が促されている市区町村に自分が属していることを把握できるものの、真に避難の必要があるエリアに自分が属しているのか、あるいは、避難の必要が無いエリアに自分が属しているのかを正確に判断することができない。すなわち、特許文献1に記載された技術によっては、ユーザは、真に避難の必要があるのか否か等の状況判断を正確に行うことができない。
【0005】
特許文献2には、ユーザに必要な栽培情報を適宜提供する園芸コンサルタントシステムが記載されている。特許文献2に記載された技術では、ユーザ情報に基づいて、情報サーバに予め蓄積された対応情報の中から適切な栽培情報が生成され、その栽培情報がユーザ端末に送信される。
ところで、特許文献2に記載された技術において、ユーザ端末に送信される情報は栽培情報である。そのため、特許文献2に記載された技術によっても、ユーザは、真に避難の必要があるのか否か等の状況判断を正確に行うことができない。
【0006】
特許文献3には、被害が拡大する恐れのある災害の発生時や発生の危険性のある緊急時に、災害情報公開用のメールを自動配信する災害情報配信システムが記載されている。特許文献3に記載された技術では、災害情報配信システムが、災害情報データを抽出する災害情報抽出手段と、抽出された災害情報を公開可能とするように加工する公開情報加工手段と、公開可能に加工された災害情報データに基づいてメール用の所定のメールデータを作成するメール作成手段と、作成されたメールデータをWEBサーバに送信して所定のアドレスにメールを送信するように制御するWEB制御手段とを備えた情報管理サーバを有する。
ところで、特許文献3に記載された技術では、災害情報が、会員のみに限定されて配信される。また、特許文献3に記載された技術において配信される災害情報は、住民に避難を促すものではない。そのため、特許文献3に記載された技術によっても、ユーザは、真に避難の必要があるのか否か等の状況判断を正確に行うことができない。
【0007】
特許文献4には、自然災害の発生を事前に予測した災害事前情報を受信した場合に災害対策動作を行う防災システムが記載されている。特許文献4に記載された技術では、災害事前情報と家屋情報とに基づいて、住人の避難の要否が判断され、避難が必要と判断された場合に、避難指示情報が報知される。
ところで、特許文献4に記載された技術では、土砂崩れを起こす可能性があるか否かが、各建物において独自に決定された降雨閾値と、広域ネットワーク通信手段で受信した降雨量とに基づいて、各建物において独自に判断される。また、土砂崩れを起こす可能性があると判断された場合に、その建物の住人に対して避難指示が出力される。
つまり、特許文献4に記載された技術では、土砂崩れを起こす可能性があるか否かが、警戒対象地域を示す例えば土砂災害警戒情報、土砂災害警戒判定メッシュ情報などの気象災害情報に基づいて判断されるのでなく、各建物において独自に判断される。そのため、特許文献4に記載された技術によっても、ユーザは、真に避難の必要があるのか否か等の状況判断を正確に行うことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2017-041777号公報
【文献】特開2002-215718号公報
【文献】特開2003-132473号公報
【文献】特開2005-301547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した問題点に鑑み、本発明は、真に避難の必要があるのか否か等の状況判断をユーザが正確に行うことができる情報提供サーバ、情報提供システム、情報提供方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、気象または災害に関する警戒対象地域を示す情報である気象災害情報を取得する気象災害情報取得部と、ユーザの住宅であるユーザ宅の住所情報または位置情報を含むユーザ情報と、前記気象災害情報取得部によって取得された前記気象災害情報とに基づいて、前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれるか否かを判定する第1判定部と、ユーザ宅の竣工時の前記ユーザ宅の建物、敷地、付属する構造物に関する情報である第2情報、または、ユーザ宅の引き渡し後の前記ユーザ宅のリフォーム、過去の災害時の被災状況、および復旧のいずれかに関する情報である第3情報の少なくとも一方を含むユーザ情報を参照して、気象災害の危険度分布の情報をユーザ宅ごとに変換する被災住宅抽出部と、ユーザ宅ごとに変換された気象災害の危険度の情報である災害危険度と、時間との積である被災重大度をユーザ宅ごとに算出することにより、ユーザ宅ごとの被災重大度を算出する被災重大度算出部と、算出されたユーザ宅ごとの前記被災重大度に基づいて、被災ユーザ宅リストを生成する被災度マップ生成部と、前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれると前記第1判定部によって判定された場合に、前記気象災害情報取得部によって取得された前記気象災害情報に基づいてアラートコンテンツを生成するコンテンツ生成部と、前記コンテンツ生成部によって生成された前記アラートコンテンツを配信するコンテンツ配信部とを備え、前記警戒対象地域は、複数のメッシュ領域によって構成されており、前記気象災害情報は、各メッシュ領域の危険度を示す情報であり、前記第1判定部は、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるか否かを判定し、前記コンテンツ生成部は、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれる場合に、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度と、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の周囲に位置するメッシュ領域である周囲メッシュ領域の危険度とを示す前記アラートコンテンツを生成し、前記コンテンツ配信部は、前記ユーザによって利用される端末装置に前記アラートコンテンツを配信する、情報提供サーバである。
【0011】
本発明の一態様の情報提供サーバでは、前記気象災害情報には、土砂災害警戒判定メッシュ情報が含まれ、前記第1判定部は、前記ユーザ宅が、前記土砂災害警戒判定メッシュ情報において前記警戒対象地域として地図上に表示される前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるか否かを判定してもよい。
【0012】
本発明の一態様の情報提供サーバでは、前記気象災害情報には、地震に関する前記警戒対象地域を示す情報が含まれ、前記第1判定部は、前記ユーザ宅が、地震に関する前記警戒対象地域として地図上に表示される前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるか否かを判定してもよい。
【0013】
本発明の一態様の情報提供サーバでは、前記コンテンツ生成部は、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度と前記周囲メッシュ領域の危険度とを示す電子メールを前記アラートコンテンツとして生成し、前記コンテンツ配信部は、前記コンテンツ生成部によって生成された前記電子メールを、前記ユーザが利用する端末装置に送信してもよい。
【0014】
本発明の一態様の情報提供サーバでは、前記第1判定部は、前記ユーザ宅が、前記気象災害情報において前記警戒対象地域として地図上に表示される前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるか否かを判定し、前記コンテンツ生成部は、前記気象災害情報において前記複数のメッシュ領域が表示される前記地図のカスタマイズを実行するカスタマイズ部を備え、前記カスタマイズ部は、前記地図のカスタマイズを実行することによってカスタム地図を生成し、前記カスタム地図では、前記地図中の前記ユーザ宅が、前記カスタム地図の周囲部以外の位置に移動させられており、前記カスタム地図には、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域と、前記周囲メッシュ領域とが含まれ、前記コンテンツ配信部は、前記カスタマイズ部によって生成され、前記端末装置によって表示可能な前記カスタム地図を配信してもよい。
【0015】
本発明の一態様の情報提供サーバでは、前記端末装置には、前記ユーザによって携帯される端末装置が含まれてもよい。
【0016】
本発明の一態様の情報提供サーバでは、前記端末装置には、前記ユーザ宅内に配置された端末装置が含まれてもよい。
【0017】
本発明の一態様の情報提供サーバでは、前記端末装置には、前記ユーザによって携帯されるスマートフォンが含まれ、前記第1判定部は、前記ユーザ宅が、前記気象災害情報において前記警戒対象地域として地図上に表示される前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるか否かを判定し、前記コンテンツ生成部は、前記気象災害情報において前記複数のメッシュ領域が表示される前記地図のカスタマイズを実行するカスタマイズ部を備え、前記カスタマイズ部は、前記地図のカスタマイズを実行することによってカスタム地図を生成し、前記カスタム地図では、前記地図中の前記ユーザ宅が、前記カスタム地図の周囲部以外の位置に移動させられており、前記コンテンツ配信部は、前記カスタマイズ部によって生成され、前記スマートフォンによって表示される前記カスタム地図を配信し、前記コンテンツ配信部は、前記スマートフォンの専用アプリケーションにおいて前記ユーザに前記カスタム地図の表示を促すプッシュ通知を前記スマートフォンに対して送信してもよい。
【0018】
本発明の一態様の情報提供サーバでは、前記端末装置には、前記ユーザによって利用される電話機が含まれ、前記コンテンツ生成部は、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれる場合に、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度を示す自動音声メッセージを前記アラートコンテンツとして生成し、前記コンテンツ配信部は、前記ユーザによって利用される前記電話機に前記自動音声メッセージを送信してもよい。
【0019】
本発明の一態様の情報提供サーバでは、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度に時間による重みを反映したものが所定値に到達した場合に、前記第1判定部は、前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれると判定し、前記コンテンツ生成部は、前記アラートコンテンツを生成し、前記コンテンツ配信部は、前記アラートコンテンツを配信してもよい。
【0020】
本発明の一態様の情報提供サーバでは、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度に時間による重みを反映したものが所定値に到達した時点から所定時間が経過した場合に、前記第1判定部は、前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれると判定し、前記コンテンツ生成部は、前記アラートコンテンツを生成し、前記コンテンツ配信部は、前記アラートコンテンツを配信してもよい。
【0021】
本発明の一態様の情報提供サーバでは、前記情報提供サーバの管理者は、前記ユーザ宅の建築請負を行った会社であってもよい。
【0022】
本発明の一態様の情報提供サーバは、前記ユーザ情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶されている前記ユーザ情報と、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度と、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の周囲に位置するメッシュ領域である周囲メッシュ領域の危険度とに基づいて、前記ユーザ宅内のユーザが前記ユーザ宅外に避難するべきか、あるいは、前記ユーザ宅内のユーザが前記ユーザ宅内にとどまるべきかを判定する第2判定部と、前記ユーザ宅内のユーザが前記ユーザ宅外に避難するべきか、あるいは、前記ユーザ宅内のユーザが前記ユーザ宅内に留まるべきかの前記第2判定部による判定結果を前記端末装置に送信する判定結果送信部とを更に備えてもよい。
【0023】
本発明の一態様の情報提供サーバでは、前記コンテンツ生成部は、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度を示す情報ないしは危険度を示す情報に基づくコンテンツを、前記端末装置に通知するインターフェースへの前記アラートコンテンツとして生成し、前記コンテンツ配信部は、前記コンテンツ生成部によって生成された前記アラートコンテンツを、前記インターフェースを介して前記端末装置に送信してもよい。
【0024】
本発明の一態様は、気象または災害に関する警戒対象地域を示す情報である気象災害情報を発表する気象災害情報発表部と、前記気象災害情報発表部によって発表された前記気象災害情報を配信する気象災害情報データ配信部と、情報提供サーバと、端末装置とを備える情報提供システムであって、前記情報提供サーバは、前記気象災害情報データ配信部によって配信された前記気象災害情報を取得する気象災害情報取得部と、ユーザの住宅であるユーザ宅の住所情報または位置情報を含むユーザ情報と、前記気象災害情報取得部によって取得された前記気象災害情報とに基づいて、前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれるか否かを判定する第1判定部と、ユーザ宅の竣工時の前記ユーザ宅の建物、敷地、付属する構造物に関する情報である第2情報、または、ユーザ宅の引き渡し後の前記ユーザ宅のリフォーム、過去の災害時の被災状況、および復旧のいずれかに関する情報である第3情報の少なくとも一方を含むユーザ情報を参照して、気象災害の危険度分布の情報をユーザ宅ごとに変換する被災住宅抽出部と、ユーザ宅ごとに変換された気象災害の危険度の情報である災害危険度と、時間との積である被災重大度をユーザ宅ごとに算出することにより、ユーザ宅ごとの被災重大度を算出する被災重大度算出部と、算出されたユーザ宅ごとの前記被災重大度に基づいて、被災ユーザ宅リストを生成する被災度マップ生成部と、前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれると前記第1判定部によって判定された場合に、前記気象災害情報取得部によって取得された前記気象災害情報に基づいてアラートコンテンツを生成するコンテンツ生成部と、前記コンテンツ生成部によって生成された前記アラートコンテンツを配信するコンテンツ配信部とを備え、前記警戒対象地域は、複数のメッシュ領域によって構成されており、前記気象災害情報は、各メッシュ領域の危険度を示す情報であり、前記第1判定部は、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるか否かを判定し、前記コンテンツ生成部は、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれる場合に、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度と、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の周囲に位置するメッシュ領域である周囲メッシュ領域の危険度とを示す前記アラートコンテンツを生成し、前記コンテンツ配信部は、前記ユーザによって利用される前記端末装置に前記アラートコンテンツを配信し、前記端末装置は、前記アラートコンテンツを出力する、情報提供システムである。
【0025】
本発明の一態様は気象または災害に関する警戒対象地域を示す情報である気象災害情報を取得する気象災害情報取得ステップと、ユーザの住宅であるユーザ宅の住所情報または位置情報を含むユーザ情報と、前記気象災害情報取得ステップにおいて取得された前記気象災害情報とに基づいて、前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれるか否かを判定する判定ステップと、ユーザ宅の竣工時の前記ユーザ宅の建物、敷地、付属する構造物に関する情報である第2情報、または、ユーザ宅の引き渡し後の前記ユーザ宅のリフォーム、過去の災害時の被災状況、および復旧のいずれかに関する情報である第3情報の少なくとも一方を含むユーザ情報を参照して、気象災害の危険度分布の情報をユーザ宅ごとに変換する被災住宅抽出ステップと、ユーザ宅ごとに変換された気象災害の危険度の情報である災害危険度と、時間との積である被災重大度をユーザ宅ごとに算出することにより、ユーザ宅ごとの被災重大度を算出する被災重大度算出ステップと、算出されたユーザ宅ごとの前記被災重大度に基づいて、被災ユーザ宅リストを生成する被災度マップ生成ステップと、前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれると前記判定ステップにおいて判定された場合に、前記気象災害情報取得ステップにおいて取得された前記気象災害情報に基づいてアラートコンテンツを生成するコンテンツ生成ステップと、前記コンテンツ生成ステップにおいて生成された前記アラートコンテンツを配信するコンテンツ配信ステップとを備え、前記警戒対象地域は、複数のメッシュ領域によって構成されており、前記気象災害情報は、各メッシュ領域の危険度を示す情報であり、前記判定ステップでは、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるか否かが判定され、前記コンテンツ生成ステップでは、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれる場合に、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度と、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の周囲に位置するメッシュ領域である周囲メッシュ領域の危険度とを示す前記アラートコンテンツが生成され、前記コンテンツ配信ステップでは、前記ユーザによって利用される端末装置に前記アラートコンテンツが配信される、情報提供方法である。
【0026】
本発明の一態様は、コンピュータに、気象または災害に関する警戒対象地域を示す情報である気象災害情報を取得する気象災害情報取得ステップと、ユーザの住宅であるユーザ宅の住所情報または位置情報を含むユーザ情報と、前記気象災害情報取得ステップにおいて取得された前記気象災害情報とに基づいて、前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれるか否かを判定する判定ステップと、ユーザ宅の竣工時の前記ユーザ宅の建物、敷地、付属する構造物に関する情報である第2情報、または、ユーザ宅の引き渡し後の前記ユーザ宅のリフォーム、過去の災害時の被災状況、および復旧のいずれかに関する情報である第3情報の少なくとも一方を含むユーザ情報を参照して、気象災害の危険度分布の情報をユーザ宅ごとに変換する被災住宅抽出ステップと、ユーザ宅ごとに変換された気象災害の危険度の情報である災害危険度と、時間との積である被災重大度をユーザ宅ごとに算出することにより、ユーザ宅ごとの被災重大度を算出する被災重大度算出ステップと、算出されたユーザ宅ごとの前記被災重大度に基づいて、被災ユーザ宅リストを生成する被災度マップ生成ステップと、前記ユーザ宅が前記警戒対象地域に含まれると前記判定ステップにおいて判定された場合に、前記気象災害情報取得ステップにおいて取得された前記気象災害情報に基づいてアラートコンテンツを生成するコンテンツ生成ステップと、前記コンテンツ生成ステップにおいて生成された前記アラートコンテンツを配信するコンテンツ配信ステップとを実行させるためのプログラムであって、前記警戒対象地域は、複数のメッシュ領域によって構成されており、前記気象災害情報は、各メッシュ領域の危険度を示す情報であり、前記判定ステップでは、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるか否かが判定され、前記コンテンツ生成ステップでは、前記ユーザ宅が前記複数のメッシュ領域のいずれかに含まれる場合に、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度と、前記ユーザ宅を含むメッシュ領域の周囲に位置するメッシュ領域である周囲メッシュ領域の危険度とを示す前記アラートコンテンツが生成され、前記コンテンツ配信ステップでは、前記ユーザによって利用される端末装置に前記アラートコンテンツが配信される、プログラムである。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度とユーザ宅を含むメッシュ領域の周囲に位置するメッシュ領域の危険度とをユーザに確実に把握させることができる情報提供サーバ、情報提供システム、情報提供方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第1実施形態の情報提供サーバの一例を示す図である。
図2】第1実施形態の情報提供システムの一例を示す図である。
図3】土砂災害警戒判定メッシュ情報において警戒対象地域として地図上に表示される複数のメッシュ領域の一例などを示す図である。
図4】第1実施形態の情報提供サーバのコンテンツ生成部がアラートコンテンツを生成する一例を説明するための図である。
図5】第1実施形態の情報提供サーバにおいて実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図6】第1実施形態の情報提供システムの他の例を示す図である。
図7】第1実施形態の情報提供サーバの他の例を示す図である。
図8】ユーザ宅を含むメッシュ領域、ユーザ宅を含むメッシュ領域の周囲に位置する周囲メッシュ領域などを説明するための図である。
図9図7に示す第1実施形態の情報提供サーバの適用例を示す図である。
図10図7に示す情報提供サーバを備える第1実施形態の情報提供システムの一例を示す図である。
図11】第2実施形態の情報提供サーバのコンテンツ生成部がアラートコンテンツを生成する一例などを説明するための図である。
図12】第3実施形態の情報提供システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の情報提供サーバ、情報提供システム、情報提供方法およびプログラムの実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0030】
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の情報提供サーバ1の一例を示す図である。
図1に示す例では、情報提供サーバ1が、例えば気象災害情報取得部11と、ユーザ情報記憶部12と、第1判定部13と、コンテンツ生成部14と、コンテンツ配信部15と、災害対応部18とを備えている。
図1に示す例では、情報提供サーバ1が災害対応部18を備えているが、他の例では、情報提供サーバ1が災害対応部18を備えていなくてもよい。
【0031】
図1に示す例では、気象災害情報取得部11が、気象または災害に関する警戒対象地域を示す情報である気象災害情報を、情報提供サーバ1の外部から取得する。気象災害情報には、例えば気象庁が発表する土砂災害警戒情報、土砂災害警戒判定メッシュ情報、気象警報、台風情報、地震情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などに関するデータが含まれる。
警戒対象地域は、例えば気象庁によって発表される土砂災害警戒判定メッシュ情報の警戒対象地域、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報の警戒対象地域(黄色、赤色、薄い紫色、濃い紫色の危険度が出現した地域)などのように、複数のメッシュ領域によって構成されている。
例えば気象庁によって発表される土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などが各メッシュ領域の危険度を示す情報であるのと同様に、気象災害情報取得部11によって取得される気象災害情報は、各メッシュ領域の危険度を示す情報である。
【0032】
図1に示す例では、ユーザ情報記憶部12が、ユーザの住宅であるユーザ宅の住所情報または位置情報を含むユーザ情報を記憶する。位置情報は、例えば緯度経度のような情報(座標情報)である。緯度経度を示す点は、ユーザ宅の敷地上の点であれば、例えば敷地の中心点、例えば敷地の外周上の点、敷地の面積重心点、例えば矩形の敷地の対角線の交点などのように、敷地上のどの点であってもよい。
図1に示す例では、情報提供サーバ1の管理者が、ユーザ宅の建築請負を行った会社である。ユーザ情報記憶部12には、情報提供サーバ1の管理者が建築請負を行った複数のユーザ宅の住所情報または位置情報を含むユーザ情報が記憶されている。他の例では、情報提供サーバ1の管理者が、ユーザ宅の建築請負を行った会社でなくてもよい。
【0033】
図1に示す例では、ユーザ情報記憶部12に記憶されているユーザ情報に、例えばユーザ宅の建築工事の着工前の建設地およびその周辺の調査によって得られた情報(第1情報)が含まれる。第1情報には、例えば敷地およびその周囲の高低差、斜面の角度などが含まれる。また、第1情報には、地質、地下水位、地盤強度などが含まれる。また、第1情報には、土留め、擁壁等の構造物の状態が含まれる。また、第1情報には、側溝、水路等の状態、深さが含まれる。
また、ユーザ情報記憶部12に記憶されているユーザ情報には、例えばユーザ宅の建築工事の竣工時の建物、敷地、付属する構造物等の情報(第2情報)が含まれる。第2情報には、例えば建物の形状、形態(階数や屋上有無など)、配置、基礎仕様等の情報が含まれる。また、第2情報には、敷地内および周囲との高低差が含まれる。また、第2情報には、新設した土留め、擁壁、塀等の情報が含まれる。
また、ユーザ情報記憶部12に記憶されているユーザ情報には、例えばユーザ宅の引き渡し後の情報(第3情報)が含まれる。第3情報には、例えば建物のリフォーム等の情報が含まれる。また、第3情報には、過去の災害時の被災状況や復旧に関する情報が含まれる。
また、ユーザ情報記憶部12に記憶されているユーザ情報には、例えばユーザ宅の居住者に関する情報(第4情報)が含まれる。第4情報には、例えばユーザ(ユーザ宅の居住者)の性別、年齢、勤務先、通学・通園先、健康状態(健常度合)、就寝する部屋などが含まれる。
ユーザ情報記憶部12に記憶されているユーザ情報は、例えばユーザ宅が被災した場合に、被害の予測や救援の優先順位付けに活用することができる。
【0034】
図1に示す例では、第1判定部13が、気象災害情報取得部11によって取得された気象災害情報と、ユーザ情報記憶部12に記憶されているユーザ情報とに基づいて、ユーザ宅が警戒対象地域に含まれるか否かを判定する。詳細には、第1判定部13は、気象災害情報取得部11によって取得された気象災害情報が示す警戒対象地域を構成する複数のメッシュ領域のいずれかに、ユーザ宅が含まれるか否かを判定する。
他の例では、第1判定部13が、気象災害情報取得部11によって取得された気象災害情報と、例えば情報提供サーバ1に直接入力されるユーザ情報とに基づいて、ユーザ宅が警戒対象地域に含まれるか否かを判定してもよい。
【0035】
図1に示す例では、コンテンツ生成部14は、ユーザ宅が警戒対象地域に含まれると第1判定部13によって判定された場合に、気象災害情報取得部11によって取得された気象災害情報に基づいてアラートコンテンツを生成する。詳細には、コンテンツ生成部14は、気象災害情報取得部11によって取得された気象災害情報が示す警戒対象地域を構成する複数のメッシュ領域のいずれかに、ユーザ宅が含まれる場合に、ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度を示すアラートコンテンツを生成する。
コンテンツ生成部14はカスタマイズ部14Aを備えている。カスタマイズ部14Aは、例えば気象庁によって発表される土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などにおける複数のメッシュ領域が表示される地図のカスタマイズを実行する。
コンテンツ配信部15は、コンテンツ生成部14によって生成されたアラートコンテンツを配信する。詳細には、コンテンツ配信部15は、ユーザ(例えば、ユーザ宅の居住者の全員のそれぞれ)によって利用される端末装置にアラートコンテンツを配信する。
【0036】
図1に示す例では、災害対応部18は、ユーザ宅が被災した場合にユーザ宅の被災重大度判定を行う。災害対応部18は、被災重大度算出部18Aと、土砂災害危険度情報収集部18Bと、被災住宅抽出部18Cと、被災度マップ生成部18Dと、対応スケジュール策定部18Eとを備えている。
被災重大度算出部18Aは、ユーザ宅が被災した場合に、ユーザ宅の災害危険度と時間との積である被災重大度をユーザ宅ごとに算出する。例えば気象庁によって発表される土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などの5段階のうちの「極めて危険」が、「災害危険度10」に相当する。土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などの5段階のうちの「非常に危険」が、「災害危険度7」に相当する。土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などの5段階のうちの「警戒」が、「災害危険度3」に相当する。土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などの5段階のうちの「注意」が、「災害危険度1」に相当する。土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などの5段階のうちの「今後の情報等に留意」が、「災害危険度0」に相当する。
他の例では、上述した災害危険度の代わりに、例えばユーザ宅が達した最大の災害危険度を用いてもよい。
【0037】
図1に示す例では、土砂災害危険度情報収集部18Bが、気象災害情報取得部11によって取得される気象災害情報から、全国の土砂災害危険度情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などを一覧データとして一定時間ごとに収集する。
被災住宅抽出部18Cは、ユーザ情報記憶部12に記憶されているユーザ情報を参照しながら、土砂災害危険度情報収集部18Bによって収集された土砂災害危険度情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などを、ユーザ宅ごとに変換し、蓄積する。
被災度マップ生成部18Dは、被災住宅抽出部18Cによって蓄積された情報に基づいて、被災したユーザ宅のリスト(被災ユーザ宅リスト)および被災度マップ(被災したユーザ宅の位置、密度などを示すマップ)を生成する。被災ユーザ宅リストは、被災重大度算出部18Aによってユーザ宅ごとに算出された被災重大度を、被災重大度が高い順にソートすることによって生成される。
対応スケジュール策定部18Eは、被災度マップ生成部18Dによって生成された被災ユーザ宅リストに基づいて、被災重大度が高い順に対応スケジュールを策定する。
情報提供サーバ1の管理者(ユーザ宅の建築請負を行った会社)は、対応スケジュール策定部18Eによって策定された対応スケジュールに基づいて、被災したユーザ宅のサポートを行う。
【0038】
詳細には、情報提供サーバ1の管理者(ユーザ宅の建築請負を行った会社)は、例えば、台風や水害などで被害のあった地域のユーザ宅に対し、架電による被害状況のヒアリングを行う。また、情報提供サーバ1の管理者は、ユーザ宅からのサービスコールの有無、内容の確認を行う。また、情報提供サーバ1の管理者は、公的な災害レベルの情報(警報・注意報の発令、避難指示、インフラ停止情報など)などを鑑みて、現地調査、必要な修復個所の特定・見積もり、保険適用の有無判断、修復作業などを行う。
図1に示す例では、これらのことを行うか否かを判断する基準として、「ユーザ宅がどの程度の土砂災害危険度に達したか」、「ユーザ宅がどの程度の浸水災害危険度に達したか」などが用いられる。
情報提供サーバ1の管理者が運営するWebサイトなどでは、上述した被災ユーザ宅リストに基づいて情報が出し分けられ、被災重大度が高いユーザ宅からの受電(問い合わせ)が優先される。被災重大度が低いユーザ宅については、FAQ(Frequently Asked Questions)紹介などが行われる。
【0039】
図2は第1実施形態の情報提供システムXの一例を示す図である。
図2に示す例では、情報提供システムXが、気象または災害に関する警戒対象地域を示す情報である気象災害情報を発表する気象災害情報発表部A1と、気象災害情報発表部A1によって発表された気象災害情報を配信する気象災害情報データ配信部A2と、図1に示す情報提供サーバ1と、端末装置B1とを備えている。
例えば気象庁などのような気象災害情報発表部A1が、例えば土砂災害警戒情報、土砂災害警戒判定メッシュ情報、気象警報、台風情報、地震情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などのような気象災害情報を発表する。
例えば気象データ提供サービス会社などのような気象災害情報データ配信部A2は、気象災害情報発表部A1によって発表された気象災害情報のデータを利用(加工)可能な形式で配信する。
情報提供サーバ1の気象災害情報取得部11(図1参照)は、気象災害情報データ配信部A2によって配信された気象災害情報のデータ(例えば土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などのデータ)を取得する。例えば土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報では、警戒対象地域(危険度が高まっている地域)が、複数のメッシュ領域によって地図上に表示されている。
【0040】
図3は土砂災害警戒判定メッシュ情報において警戒対象地域として地図上に表示される複数のメッシュ領域の一例などを示す図である。
図3(A)に示す例では、警戒対象地域として、大雨による土砂災害発生の危険度の高まりが「非常に危険」に相当する6個のメッシュ領域が、土砂災害警戒判定メッシュ情報の地図上に表示されている。図3(A)中の最も右側かつ下側の「非常に危険」に相当するメッシュ領域には、情報提供サーバ1のユーザ宅が含まれている。
【0041】
図2および図3(A)に示す例では、情報提供サーバ1の第1判定部13(図1参照)は、ユーザ宅が、土砂災害警戒判定メッシュ情報における警戒対象地域(図3(A)に示す6個のメッシュ領域のいずれか)に含まれていると判定する。詳細には、第1判定部13は、ユーザ宅が「非常に危険」に相当するメッシュ領域に含まれていると判定する。
そのため、情報提供サーバ1のコンテンツ生成部14(図1参照)は、気象災害情報取得部11によって取得された気象災害情報に基づいて(詳細には、ユーザ宅を含むメッシュ領域が、「非常に危険」に相当するメッシュ領域である旨の情報に基づいて)アラートコンテンツを生成する。
【0042】
つまり、図2および図3(A)に示す例では、ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度が、所定の危険度に到達した場合に、第1判定部13は、ユーザ宅が警戒対象地域に含まれると判定し、コンテンツ生成部14はアラートコンテンツを生成し、コンテンツ配信部15はアラートコンテンツを配信する。
他の例では、ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度に時間による重みを反映したものが、所定値に到達した場合に、第1判定部13は、ユーザ宅が警戒対象地域に含まれると判定し、コンテンツ生成部14はアラートコンテンツを生成し、コンテンツ配信部15はアラートコンテンツを配信してもよい。
更に他の例では、ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度に時間による重みを反映したものが所定値に到達した時点から所定時間が経過した場合に、第1判定部13は、ユーザ宅が警戒対象地域に含まれると判定し、コンテンツ生成部14はアラートコンテンツを生成し、コンテンツ配信部15はアラートコンテンツを配信してもよい。
【0043】
図4は第1実施形態の情報提供サーバ1のコンテンツ生成部14がアラートコンテンツを生成する一例を説明するための図である。
図4(A)に示す例では、情報提供サーバ1のコンテンツ生成部14が、ユーザ宅(図3(A)参照)を含むメッシュ領域(図3(A)中の「非常に危険」に相当する6個のメッシュ領域のうちの最も右側かつ下側のメッシュ領域)の危険度(「非常に危険」)と、ユーザ宅を含むメッシュ領域の周囲に位置するメッシュ領域(周囲メッシュ領域)の危険度とを示す電子メールをアラートコンテンツとして生成する。
情報提供サーバ1のコンテンツ配信部15(図1参照)は、コンテンツ生成部14によって生成された電子メールを、ユーザが利用する端末装置B1に送信する。
図4に示す例では、ユーザが利用する端末装置B1が、例えばスマートフォンのような、ユーザによって携帯される端末装置である。他の例では、端末装置B1が、スマートフォン以外の携帯端末装置であってもよい。
【0044】
図4(A)に示す例では、コンテンツ生成部14によって生成され、コンテンツ配信部15によってユーザの端末装置B1に送信される電子メールに、土砂災害警戒判定メッシュ情報における危険度の高まりが「非常に危険」に相当するメッシュ領域に、ユーザ宅が含まれている旨が記載されている。また、その電子メールには、後述するカスタム地図をユーザが閲覧するためのURL(Uniform Resource Locator)が記載されている。ユーザは、電子メールに記載されたカスタム地図閲覧用のURLを見ることによって、カスタム地図の配信を把握することができる。
上述したように、情報提供サーバ1のコンテンツ生成部14のカスタマイズ部14Aは、例えば気象庁によって発表される土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などにおける複数のメッシュ領域が表示される地図のカスタマイズを実行する。図3(A)および図3(B)に示す例では、カスタマイズ部14Aが、図3(A)に示す地図のカスタマイズを実行することによって、図3(B)に示すカスタム地図を生成する。
図3(A)および図3(B)に示すように、図3(B)に示すカスタム地図では、図3(A)に示す地図中のユーザ宅が、図3(B)に示すカスタム地図の中心位置に移動させられている。他の例では、カスタム地図において、ユーザ宅が、カスタム地図の中心位置以外の位置に移動させられていてもよい。この例においても、ユーザ宅は、カスタム地図の周囲部以外の位置に移動させられ、ユーザ宅を含むメッシュ領域の周囲に位置する8個のメッシュ領域(周囲メッシュ領域)も、カスタム地図に含められる。つまり、図3(A)に示す地図が、カスタム地図としてそのまま用いられてもよい。
図4(B)に示す例では、コンテンツ配信部15が、カスタマイズ部14Aによって生成され、端末装置B1によって表示可能なカスタム地図(図3(B)参照)を配信する。
【0045】
上述したように、図1図4に示す例では、ユーザは、ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度が「非常に危険」に相当する旨、および、3個の周囲メッシュ領域の危険度が「非常に危険」に相当する旨を把握することができる。その結果、ユーザは、真に避難の必要があるのか否か、もし避難する場合には図3の右下向きが妥当である等の状況判断を正確に行うことができる。詳細には、ユーザは、例えば気象庁による発表に遅れることなく、状況判断をリアルタイムで行うことができる。
また、図1図4に示す例では、図3(B)および図4(B)に示すように、ユーザは、ユーザ宅を含む市区町村の危険度ではなく、ユーザ宅を含むメッシュ領域(市区町村よりも狭い領域)の危険度が「非常に危険」に相当する旨、および、3個の周囲メッシュ領域の危険度が「非常に危険」に相当する旨を把握することができる。
また、図1図4に示す例では、図4(A)および図4(B)に示すように、ユーザは、例えば気象庁によって発表される土砂災害警戒判定メッシュ情報などの気象災害情報を示すホームページを閲覧する必要なく、電子メールによってユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度が「非常に危険」に相当する旨および周囲メッシュ領域の危険度が「非常に危険」に相当する旨を把握することができる。
また、図1図4に示す例では、図3(B)および図4(B)に示すように、ユーザは、カスタム地図によってユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度が「非常に危険」に相当する旨、および、3個の周囲メッシュ領域の危険度が「非常に危険」に相当する旨を視覚的に把握することができる。
また、図1図4に示す例では、図4(A)および図4(B)に示すように、ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度が「非常に危険」に相当する旨および周囲メッシュ領域の危険度が「非常に危険」に相当する旨を示すアラートコンテンツが、ユーザによって携帯される端末装置B1に配信される。そのため、ユーザは、ユーザ宅外にいる場合であっても、ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度が「非常に危険」に相当する旨および周囲メッシュ領域の危険度が「非常に危険」に相当する旨を把握することができる。その結果、ユーザ宅外にいるユーザが、ユーザ宅内にいるユーザに対してユーザ宅の危険を知らせたり、避難などの対応を促したりすることもできる。また、ユーザ宅外にいるユーザは、ユーザ宅への帰宅を回避すべきか否かをユーザ宅外で判断することができる。
また、図1図4に示す例では、上述したように、情報提供サーバ1の管理者が、ユーザ宅の建築請負を行った会社である。そのため、情報提供サーバ1は、ユーザ宅の建築時に得たユーザ情報を活用して、ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度などの情報を適切にユーザに提供することができる。
【0046】
図1図4に示す例では、上述したように、ユーザ宅の住所情報または位置情報が、情報提供サーバ1の管理者(ユーザ宅の建築請負を行った会社)によって提供され、ユーザ情報記憶部12に記憶されているが、他の例では、ユーザ宅の住所情報または位置情報が、ユーザ宅に設置された機器によって取得され、ユーザ情報記憶部12に記憶されてもよい。この例では、例えばGPS(Global Positioning System)、インターネット位置情報、LTE(Long Term Evolution)接続基地局情報などを用いることによって、ユーザ宅の住所情報または位置情報が取得される。
また、図1図4に示す例では、情報提供サーバ1がユーザ宅外に配置されている。詳細には、情報提供サーバ1が関東地方以外の地域に配置されている。他の例では、情報提供サーバ1の一部または全部はクラウド上に配置されていてもよい。
また、図1図4に示す例では、情報提供サーバ1が非常用電源と免振装置とを備えている。情報提供サーバ1の各構成要素は、同一のデータセンター内であって、同一のファイアウォール内に配置されている。そのため、情報提供サーバ1の危機管理およびバックアップ体制を向上させることができる。
【0047】
図5は第1実施形態の情報提供サーバ1において実行される処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図5に示す例では、ステップS1において、気象災害情報取得部11が、気象または災害に関する警戒対象地域を示す情報である気象災害情報を取得する。
また、ステップS2において、ユーザ情報記憶部12が、ユーザの住宅であるユーザ宅の住所情報または位置情報を含むユーザ情報を記憶する。
次いで、ステップS3では、第1判定部13が、ステップS1において取得された気象災害情報と、ステップS2において記憶されたユーザ情報とに基づいて、ユーザ宅が警戒対象地域に含まれるか否かを判定する。詳細には、ステップS3では、第1判定部13は、ユーザ宅が、警戒対象地域を構成する複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるか否かを判定する。
ユーザ宅が警戒対象地域に含まれるとステップS3において判定された場合に、ステップS4では、コンテンツ生成部14が、ステップS1において取得された気象災害情報に基づいてアラートコンテンツを生成する。詳細には、ユーザ宅が複数のメッシュ領域のいずれかに含まれるとステップS3において判定された場合に、ステップS4では、コンテンツ生成部14が、ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度と、ユーザ宅を含むメッシュ領域の周囲に位置するメッシュ領域である周囲メッシュ領域の危険度とを示すアラートコンテンツを生成する。
次いで、ステップS5では、コンテンツ配信部15が、ステップS4において生成されたアラートコンテンツを配信する。詳細には、ステップS5では、コンテンツ配信部15は、ユーザによって利用される端末装置B1にアラートコンテンツを配信する。
【0048】
図6は第1実施形態の情報提供システムXの他の例を示す図である。
図6(A)に示す例では、情報提供システムXが、気象災害情報発表部A1と、気象災害情報データ配信部A2と、図1に示す情報提供サーバ1と、端末装置B2とを備えている。
図6(A)に示す例では、図2に示す例と同様に、気象災害情報発表部A1が、例えば土砂災害警戒情報、土砂災害警戒判定メッシュ情報、気象警報、台風情報、地震情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などのような気象災害情報を発表する。気象災害情報データ配信部A2は、気象災害情報発表部A1によって発表された気象災害情報のデータを利用(加工)可能な形式で配信する。
情報提供サーバ1の気象災害情報取得部11(図1参照)は、気象災害情報データ配信部A2によって配信された気象災害情報のデータ(例えば土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などのデータ)を取得する。
情報提供サーバ1の第1判定部13(図1参照)は、ユーザ宅が、土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などにおける警戒対象地域(例えば図3(A)に示す「非常に危険」に相当する6個のメッシュ領域のいずれか)に含まれているか否かを判定する。
ユーザ宅が警戒対象地域に含まれている場合に、情報提供サーバ1のコンテンツ生成部14(図1参照)は、気象災害情報取得部11によって取得された気象災害情報に基づいてアラートコンテンツを生成する。
【0049】
図6(B)に示す例では、情報提供サーバ1のコンテンツ生成部14が、例えばユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度が「非常に危険」である旨および周囲メッシュ領域の危険度が「非常に危険」に相当する旨が記載された電子メールをアラートコンテンツとして生成する。
情報提供サーバ1のコンテンツ配信部15(図1参照)は、コンテンツ生成部14によって生成された電子メールを、ユーザが利用する端末装置B2に送信する。
図6に示す例では、ユーザが利用する端末装置B2が、例えばパーソナルコンピュータのような、ユーザ宅内に配置された端末装置である。他の例では、端末装置B2が、パーソナルコンピュータ以外の端末装置(例えばインターネット接続可能なテレビなどの機器)であってもよい。
【0050】
図6(B)に示す例では、コンテンツ配信部15によってユーザの端末装置B2に送信される電子メールに、カスタム地図をユーザが閲覧するためのURLが記載されている。
図6(C)に示す例では、コンテンツ配信部15が、カスタマイズ部14Aによって生成され、端末装置B2によって表示可能なカスタム地図(例えば図3(B)参照)を配信する。
【0051】
図6(B)および図6(C)に示す例では、図4(A)および図4(B)に示す例とは異なり、アラートコンテンツが、ユーザ宅内に配置された端末装置B2に配信される。そのため、図6に示す例では、ユーザ宅内のユーザが、ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度が「非常に危険」である旨および周囲メッシュ領域の危険度が「非常に危険」に相当する旨を把握することができる。
【0052】
図7は第1実施形態の情報提供サーバ1の他の例を示す図である。
図7に示す例では、情報提供サーバ1が、例えば気象災害情報取得部11と、ユーザ情報記憶部12と、第1判定部13と、コンテンツ生成部14と、コンテンツ配信部15と、第2判定部16と、判定結果送信部17と、災害対応部18とを備えている。
図7に示す例では、情報提供サーバ1が災害対応部18を備えているが、他の例では、情報提供サーバ1が災害対応部18を備えていなくてもよい。
【0053】
図7に示す例では、第2判定部16が、ユーザ情報記憶部12に記憶されているユーザ情報と、ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度と、ユーザ宅を含むメッシュ領域の周囲に位置するメッシュ領域である周囲メッシュ領域の危険度とに基づいて、ユーザ宅内のユーザがユーザ宅外に避難するべきか、あるいは、ユーザ宅内のユーザがユーザ宅内にとどまるべきかを判定する。
判定結果送信部17は、ユーザ宅内のユーザがユーザ宅外に避難するべきか、あるいは、ユーザ宅内のユーザがユーザ宅内に留まるべきかの第2判定部16による判定結果を、ユーザによって利用される端末装置B1に送信する。
【0054】
図8はユーザ宅を含むメッシュ領域MU、ユーザ宅を含むメッシュ領域MUの周囲に位置する周囲メッシュ領域MS1~MS8などを説明するための図である。
図8(A)に示す例では、警戒対象地域として、大雨による土砂災害発生の危険度の高まりが「非常に危険」に相当する6個のメッシュ領域M1、M2、MS1、MS2、MS4、MUが、土砂災害警戒判定メッシュ情報の地図上に表示されている。メッシュ領域MUには、情報提供サーバ1のユーザ宅が含まれている。
ユーザ宅を含むメッシュ領域MUの周囲に位置する周囲メッシュ領域MS1~MS8のうちの、メッシュ領域MUの北西側に位置する周囲メッシュ領域MS1と、メッシュ領域MUの北側に位置する周囲メッシュ領域MS2と、メッシュ領域MUの西側に位置する周囲メッシュ領域MS4とが、「非常に危険」の危険度に相当している。
周囲メッシュ領域MS1~MS8のうちの、メッシュ領域MUの北東側に位置する周囲メッシュ領域MS3と、メッシュ領域MUの東側に位置する周囲メッシュ領域MS5と、メッシュ領域MUの南西側に位置する周囲メッシュ領域MS6と、メッシュ領域MUの南側に位置する周囲メッシュ領域MS7と、メッシュ領域MUの南東側に位置する周囲メッシュ領域MS8とが、「今後の情報等に留意」の危険度に相当している。
図7および図8(A)に示す例では、第2判定部16が、ユーザ宅内のユーザは、危険度が「今後の情報等に留意」に相当する周囲メッシュ領域であって、危険度が「非常に危険」に相当するメッシュ領域M1、M2、MS1、MS2、MS4から離れている周囲メッシュ領域である周囲メッシュ領域MS8に、ユーザ宅内のユーザは避難するべきであると判定する。
【0055】
図9図7に示す第1実施形態の情報提供サーバ1の適用例を示す図である。
図9に示す例では、図2に示す例と同様に、気象災害情報発表部A1が、例えば土砂災害警戒情報、土砂災害警戒判定メッシュ情報、気象警報、台風情報、地震情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などのような気象災害情報を発表する。気象災害情報データ配信部A2は、気象災害情報発表部A1によって発表された気象災害情報のデータを利用(加工)可能な形式で配信する。
情報提供サーバ1の気象災害情報取得部11(図7参照)は、気象災害情報データ配信部A2によって配信された気象災害情報のデータ(例えば土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などのデータ)を取得する。
情報提供サーバ1の第1判定部13(図7参照)は、ユーザ宅が、土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などにおける警戒対象地域(例えば図8(A)に示す6個のメッシュ領域M1、M2、MS1、MS2、MS4、MUのいずれか)に含まれているか否かを判定する。
ユーザ宅が警戒対象地域に含まれている場合に、情報提供サーバ1のコンテンツ生成部14(図7参照)は、気象災害情報取得部11によって取得された気象災害情報に基づいてアラートコンテンツを生成する。
【0056】
図9(A)に示す例では、情報提供サーバ1のコンテンツ生成部14が、例えばユーザ宅を含むメッシュ領域MUの危険度「非常に危険」と、メッシュ領域MUの北西側に位置する周囲メッシュ領域MS1の危険度「非常に危険」と、メッシュ領域MUの北側に位置する周囲メッシュ領域MS2の危険度「非常に危険」と、メッシュ領域MUの北東側に位置する周囲メッシュ領域MS3の危険度「今後の情報等に留意」と、メッシュ領域MUの西側に位置する周囲メッシュ領域MS4の危険度「非常に危険」と、メッシュ領域MUの東側に位置する周囲メッシュ領域MS5の危険度「今後の情報等に留意」と、メッシュ領域MUの南西側に位置する周囲メッシュ領域MS6の危険度「今後の情報等に留意」と、メッシュ領域MUの南側に位置する周囲メッシュ領域MS7の危険度「今後の情報等に留意」と、メッシュ領域MUの南東側に位置する周囲メッシュ領域MS8の危険度「今後の情報等に留意」とを示す電子メールを、アラートコンテンツとして生成する。
情報提供サーバ1のコンテンツ配信部15(図7参照)は、コンテンツ生成部14によって生成された電子メールを、ユーザが利用する端末装置B1に送信する。
図9に示す例では、ユーザが利用する端末装置B1が、例えばスマートフォンのような、ユーザによって携帯される端末装置である。他の例では、端末装置B1が、スマートフォン以外の携帯端末装置であってもよい。
【0057】
図9(A)に示す例では、コンテンツ生成部14によって生成され、コンテンツ配信部15によってユーザの端末装置B1に送信される電子メールに、図8(B)に示すカスタム地図をユーザが閲覧するためのURLが記載されている。ユーザは、電子メールに記載されたカスタム地図閲覧用のURLを見ることによって、カスタム地図の配信を把握することができる。
図8(A)および図8(B)に示す例では、カスタマイズ部14A(図7参照)が、図8(A)に示す地図のカスタマイズを実行することによって、図8(B)に示すカスタム地図を生成する。
図8(A)および図8(B)に示すように、図8(B)に示すカスタム地図では、図8(A)に示す地図中のユーザ宅が、図8(B)に示すカスタム地図の周囲部以外の位置(詳細には、中心位置)に移動させられている。
図9(B)に示す例では、コンテンツ配信部15が、カスタマイズ部14Aによって生成され、端末装置B1によって表示可能なカスタム地図(図8(B)参照)を配信する。
【0058】
上述したように、図7図9に示す例では、コンテンツ生成部14が、ユーザ宅を含むメッシュ領域MUの危険度「非常に危険」と、ユーザ宅を含むメッシュ領域MUの周囲に位置する周囲メッシュ領域MS1、MS2、MS4の危険度「非常に危険」と、周囲メッシュ領域MS3、MS5、MS6、MS7、MS8の危険度「今後の情報等に留意」とを示す電子メールを生成する。
そのため、図7図9に示す例では、ユーザは、ユーザ宅を含むメッシュ領域MUの危険度「非常に危険」のみならず、周囲メッシュ領域MS1、MS2、MS4の危険度「非常に危険」および周囲メッシュ領域MS3、MS5、MS6、MS7、MS8の危険度「今後の情報等に留意」を把握することによって、周囲メッシュ領域MS1、MS2、MS4の危険度「非常に危険」および周囲メッシュ領域MS3、MS5、MS6、MS7、MS8の危険度「今後の情報等に留意」を把握しない場合よりも適切なユーザ宅からの避難経路を考えることができる。
【0059】
図7図9に示す例では、図8(B)に示すカスタム地図に、ユーザ宅を含むメッシュ領域MUの危険度「非常に危険」と、周囲メッシュ領域MS1、MS2、MS4の危険度「非常に危険」と、周囲メッシュ領域MS3、MS5、MS6、MS7、MS8の危険度「今後の情報等に留意」とが含まれる。また、図8(B)に示すカスタム地図が、コンテンツ配信部15によって配信され、ユーザの端末装置B1によって表示される。
そのため、図7図9に示す例では、ユーザは、図8(B)に示すカスタム地図によってユーザ宅を含むメッシュ領域MUの危険度「非常に危険」と、周囲メッシュ領域MS1、MS2、MS4の危険度「非常に危険」と、周囲メッシュ領域MS3、MS5、MS6、MS7、MS8の危険度「今後の情報等に留意」とを視覚的に把握することができる。
【0060】
図7図9に示す例では、上述したように、ユーザ宅内のユーザがユーザ宅外に避難するべきか、あるいは、ユーザ宅内のユーザがユーザ宅内にとどまるべきかの第2判定部16による判定結果が、判定結果送信部17によって、ユーザの端末装置B1に送信される。
そのため、図7図9に示す例では、ユーザは、判定結果送信部17によって送信された判定結果を、ユーザ宅外に避難するべきかあるいはユーザ宅内にとどまるべきかの判断材料として用いることができる。
【0061】
図10図7に示す情報提供サーバ1を備える第1実施形態の情報提供システムXの一例を示す図である。
図10(A)に示す例では、情報提供システムXが、気象災害情報発表部A1と、気象災害情報データ配信部A2と、図7に示す情報提供サーバ1と、端末装置B2とを備えている。
気象災害情報発表部A1は、例えば土砂災害警戒情報、土砂災害警戒判定メッシュ情報、気象警報、台風情報、地震情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などのような気象災害情報を発表する。気象災害情報データ配信部A2は、気象災害情報発表部A1によって発表された気象災害情報のデータを利用(加工)可能な形式で配信する。
情報提供サーバ1の気象災害情報取得部11(図7参照)は、気象災害情報データ配信部A2によって配信された気象災害情報のデータ(例えば土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などのデータ)を取得する。
情報提供サーバ1の第1判定部13(図7参照)は、ユーザ宅が、土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などにおける警戒対象地域(例えば図8(A)に示す6個のメッシュ領域M1、M2、MS1、MS2、MS4、MUのいずれか)に含まれているか否かを判定する。
ユーザ宅が警戒対象地域に含まれている場合に、情報提供サーバ1のコンテンツ生成部14(図2参照)は、気象災害情報取得部11によって取得された気象災害情報に基づいてアラートコンテンツを生成する。
【0062】
図10(B)に示す例では、情報提供サーバ1のコンテンツ生成部14が、例えばユーザ宅を含むメッシュ領域MUの危険度「非常に危険」と、周囲メッシュ領域MS1、MS2、MS4の危険度「非常に危険」と、周囲メッシュ領域MS3、MS5、MS6、MS7、MS8の危険度「今後の情報等に留意」とが記載された電子メールをアラートコンテンツとして生成する。
情報提供サーバ1のコンテンツ配信部15(図7参照)は、コンテンツ生成部14によって生成された電子メールを、ユーザが利用する端末装置B2に送信する。
図10に示す例では、ユーザが利用する端末装置B2が、例えばパーソナルコンピュータのような、ユーザ宅内に配置された端末装置である。他の例では、端末装置B2が、パーソナルコンピュータ以外の端末装置(例えばインターネット接続可能なテレビなどの機器)であってもよい。
【0063】
図10(B)に示す例では、コンテンツ配信部15によってユーザの端末装置B2に送信される電子メールに、カスタム地図をユーザが閲覧するためのURLが記載されている。
図10(C)に示す例では、コンテンツ配信部15が、カスタマイズ部14Aによって生成され、端末装置B2によって表示可能なカスタム地図(例えば図8(B)参照)を配信する。
【0064】
また、図10に示す例では、情報提供サーバ1の判定結果送信部17(図7参照)は、ユーザ宅内のユーザがユーザ宅外に避難するべきか、あるいは、ユーザ宅内のユーザがユーザ宅内にとどまるべきかの第2判定部16(図7参照)による判定結果を、ユーザの端末装置B2に送信する。
【0065】
上述した例では、カスタマイズ部14Aは、気象庁によって発表される土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などにおける複数のメッシュ領域が表示される地図のカスタマイズを実行する。
他の例では、カスタマイズ部14Aは、例えば気象庁によって発表される洪水警報の危険度分布などのような、土砂災害警戒判定メッシュ情報および大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報以外の情報(例えば地震に関する警戒対象地域を示す情報など)における複数のメッシュ領域が表示される地図のカスタマイズを実行してもよい。
【0066】
<第2実施形態>
以下、本発明の情報提供サーバ、情報提供システム、情報提供方法およびプログラムの第2実施形態について説明する。
第2実施形態の情報提供サーバ1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の情報提供サーバ1と同様に構成されている。従って、第2実施形態の情報提供サーバ1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の情報提供サーバ1と同様の効果を奏することができる。
【0067】
第2実施形態の情報提供サーバ1は、図1に示す第1実施形態の情報提供サーバ1と同様に構成されている。
第2実施形態の情報提供システムXの一例では、気象災害情報発表部A1(図2参照)が、例えば土砂災害警戒情報、土砂災害警戒判定メッシュ情報、気象警報、台風情報、地震情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などのような気象災害情報を発表する。気象災害情報データ配信部A2(図2参照)は、気象災害情報発表部A1によって発表された気象災害情報のデータを利用(加工)可能な形式で配信する。
情報提供サーバ1の気象災害情報取得部11(図1参照)は、気象災害情報データ配信部A2によって配信された気象災害情報のデータ(例えば土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報、地震情報などのデータ)を取得する。
【0068】
第2実施形態の情報提供サーバ1の一例では、情報提供サーバ1の第1判定部13(図1参照)は、ユーザ宅が、土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報、地震情報などにおける警戒対象地域(例えば図3(A)に示す6個のメッシュ領域のいずれか)に含まれているか否かを判定する。
情報提供サーバ1のコンテンツ生成部14(図1参照)は、ユーザ宅が警戒対象地域に含まれると第1判定部13によって判定された場合に、気象災害情報取得部11によって取得された気象災害情報に基づいてアラートコンテンツを生成する。コンテンツ生成部14はカスタマイズ部14A(図1参照)を備えている。カスタマイズ部14Aは、例えば気象庁によって発表される土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報、地震情報などにおける複数のメッシュ領域が表示される地図のカスタマイズを実行し、カスタム地図(図3(B)参照)を生成する。
情報提供サーバ1のコンテンツ配信部15(図1参照)は、コンテンツ生成部14によって生成されたアラートコンテンツとしてのカスタム地図などを配信する。
【0069】
図11は第2実施形態の情報提供サーバ1のコンテンツ生成部14がアラートコンテンツを生成する一例などを説明するための図である。
図11(A)に示す例では、ユーザ宅が土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報、地震情報などにおける警戒対象地域に含まれていると第1判定部13によって判定された場合に、情報提供サーバ1のコンテンツ配信部15が、ユーザによって携帯される端末装置(スマートフォン)B1に対してプッシュ通知を送信する。コンテンツ配信部15によって送信されるプッシュ通知は、端末装置(スマートフォン)B1の専用アプリケーションにおいてユーザにカスタム地図(図3(B)参照)の表示を促す通知である。
図11(B)に示す例では、コンテンツ配信部15が、カスタマイズ部14Aによって生成され、端末装置(スマートフォン)B1によって表示されるカスタム地図を配信する。
【0070】
上述したように、第2実施形態の情報提供サーバ1の一例では、カスタム地図の表示を促すプッシュ通知が、情報提供サーバ1からユーザによって携帯される端末装置(スマートフォン)B1に送信される。そのため、プッシュ通知が送信されない場合よりも、ユーザがカスタム地図の表示操作を行わないおそれを抑制することができる。
【0071】
第2実施形態の情報提供サーバ1の他の例では、情報提供サーバ1が、図7に示す情報提供サーバ1と同様に構成されている。この例では、第2判定部16が、ユーザ情報記憶部12に記憶されているユーザ情報と、ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度と、ユーザ宅を含むメッシュ領域の周囲に位置するメッシュ領域である周囲メッシュ領域の危険度とに基づいて、ユーザ宅内のユーザがユーザ宅外に避難するべきか、あるいは、ユーザ宅内のユーザがユーザ宅内にとどまるべきかを判定する。
また、この例では、判定結果送信部17は、ユーザ宅内のユーザがユーザ宅外に避難するべきか、あるいは、ユーザ宅内のユーザがユーザ宅内に留まるべきかの第2判定部16による判定結果を、ユーザによって利用される端末装置(スマートフォン)B1に送信する。
【0072】
第2実施形態の情報提供サーバ1の更に他の例では、情報提供サーバ1の第1判定部13(図7参照)は、ユーザ宅が、土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報、地震情報などにおける警戒対象地域(例えば図8(A)に示す6個のメッシュ領域M1、M2、MS1、MS2、MS4、MUのいずれか)に含まれているか否かを判定する。
情報提供サーバ1のコンテンツ生成部14(図7参照)は、ユーザ宅が警戒対象地域に含まれると第1判定部13によって判定された場合に、気象災害情報取得部11によって取得された気象災害情報に基づいてアラートコンテンツを生成する。コンテンツ生成部14はカスタマイズ部14A(図7参照)を備えている。カスタマイズ部14Aは、例えば気象庁によって発表される土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報、地震情報などにおける複数のメッシュ領域が表示される地図(図8(A)参照)のカスタマイズを実行し、カスタム地図(図8(B)参照)を生成する。
情報提供サーバ1のコンテンツ配信部15(図7参照)は、コンテンツ生成部14によって生成されたアラートコンテンツとしてのカスタム地図などを配信する。
【0073】
上述したように、第2実施形態の情報提供サーバ1の各例では、カスタマイズ部14Aは、気象庁によって発表される土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報、地震情報などにおける複数のメッシュ領域が表示される地図のカスタマイズを実行する。
第2実施形態の情報提供サーバ1の他の例では、カスタマイズ部14Aは、例えば気象庁によって発表される洪水警報の危険度分布などのような、土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報、地震情報以外の情報における複数のメッシュ領域が表示される地図のカスタマイズを実行してもよい。
【0074】
<第3実施形態>
以下、本発明の情報提供サーバ、情報提供システム、情報提供方法およびプログラムの第3実施形態について説明する。
第3実施形態の情報提供サーバ1は、後述する点を除き、上述した第1実施形態の情報提供サーバ1と同様に構成されている。従って、第3実施形態の情報提供サーバ1によれば、後述する点を除き、上述した第1実施形態の情報提供サーバ1と同様の効果を奏することができる。
【0075】
第3実施形態の情報提供サーバ1は、図1に示す第1実施形態の情報提供サーバ1とほぼ同様に構成されている。
図12は第3実施形態の情報提供システムXの一例を示す図である。
図12に示す例では、情報提供システムXが、気象災害情報発表部A1と、気象災害情報データ配信部A2と、図1に示す情報提供サーバ1と、端末装置B3とを備えている。
気象災害情報発表部A1は、例えば土砂災害警戒情報、土砂災害警戒判定メッシュ情報、気象警報、台風情報、地震情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報などのような気象災害情報を発表する。気象災害情報データ配信部A2は、気象災害情報発表部A1によって発表された気象災害情報のデータを利用(加工)可能な形式で配信する。
情報提供サーバ1の気象災害情報取得部11(図1参照)は、気象災害情報データ配信部A2によって配信された気象災害情報のデータ(例えば土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報、地震情報などのデータ)を取得する。
【0076】
図12に示す例では、情報提供サーバ1の第1判定部13(図1参照)は、ユーザ宅が、土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報、地震情報などにおける警戒対象地域(例えば図3(A)に示す6個のメッシュ領域のいずれか)に含まれているか否かを判定する。
情報提供サーバ1のコンテンツ生成部14(図1参照)は、ユーザ宅が警戒対象地域に含まれると第1判定部13によって判定された場合に、気象災害情報取得部11によって取得された気象災害情報に基づいてアラートコンテンツを生成する。詳細には、コンテンツ生成部14は、ユーザ宅(図3(A)参照)を含むメッシュ領域の危険度「非常に危険」と、ユーザ宅を含むメッシュ領域の周囲に位置するメッシュ領域である周囲メッシュ領域の危険度とを示す自動音声メッセージをアラートコンテンツとして生成する。
情報提供サーバ1のコンテンツ配信部15(図1参照)は、コンテンツ生成部14によって生成されたアラートコンテンツとしての自動音声メッセージを、ユーザによって利用される端末装置(電話機)B3に送信する。
【0077】
上述したように、第3実施形態の情報提供システムXの一例では、ユーザ宅が警戒対象地域に含まれる場合に、ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度と周囲メッシュ領域の危険度とを示す自動音声メッセージが、ユーザによって利用される端末装置(電話機)B3に送信される。そのため、第3実施形態の情報提供システムXの一例では、ユーザは、スマートフォン、パーソナルコンピュータなどを操作できない場合であっても、ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度と周囲メッシュ領域の危険度とを把握することができる。
【0078】
上述したように、第3実施形態の情報提供システムXの一例では、第1判定部13は、ユーザ宅が、土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報、地震情報などにおける警戒対象地域に含まれているか否かを判定する。
第3実施形態の情報提供システムXの他の例では、第1判定部13は、例えば気象庁によって発表される洪水警報の危険度分布などのような、土砂災害警戒判定メッシュ情報、大雨警報(浸水害)の危険度分布の情報、地震情報以外の情報における警戒対象地域にユーザ宅が含まれているか否かを判定してもよい。
【0079】
上述した第1から第3実施形態の情報提供サーバ1の他の例では、コンテンツ生成部14が、ユーザ宅を含むメッシュ領域の危険度を示す情報ないしは危険度を示す情報に基づくコンテンツを、端末装置B1、B2に通知するインターフェース(例えば電子メール、端末装置(スマートフォン)B1の専用アプリケーションなど)へのアラートコンテンツとして生成してもよい。
この例では、コンテンツ配信部15が、コンテンツ生成部14によって生成されたアラートコンテンツを、インターフェースを介して端末装置B1、B2に送信する。
【0080】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。上述した各実施形態および各例に記載の構成を適宜組み合わせてもよい。
【0081】
なお、上述した実施形態における情報提供システムXが備える各部の機能全体あるいはその一部は、これらの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶部のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【符号の説明】
【0082】
1…情報提供サーバ、11…気象災害情報取得部、12…ユーザ情報記憶部、13…第1判定部、14…コンテンツ生成部、14A…カスタマイズ部、15…コンテンツ配信部、16…第2判定部、17…判定結果送信部、18…災害対応部、18A…被災重大度算出部、18B…土砂災害危険度情報収集部、18C…被災住宅抽出部、18D…被災度マップ生成部、18E…対応スケジュール策定部、X…情報提供システム、A1…気象災害情報発表部、A2…気象災害情報データ配信部、B1…端末装置、B2…端末装置、B3…端末装置
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