(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】表示装置及びその駆動方法
(51)【国際特許分類】
G09G 3/325 20160101AFI20240917BHJP
G09G 3/3275 20160101ALI20240917BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240917BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20240917BHJP
H10K 59/12 20230101ALI20240917BHJP
【FI】
G09G3/325
G09G3/3275
G09G3/20 624Z
G09G3/20 624B
H05B33/14 Z
H10K59/12
(21)【出願番号】P 2020024302
(22)【出願日】2020-02-17
【審査請求日】2023-02-08
(31)【優先権主張番号】10-2019-0018782
(32)【優先日】2019-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】ソン ジュン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョン キュ
(72)【発明者】
【氏名】リム ジェ クン
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-120405(JP,A)
【文献】特開2018-072827(JP,A)
【文献】特開2015-108828(JP,A)
【文献】特開2014-029424(JP,A)
【文献】特表2018-508033(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0151121(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0154578(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 5/42
H05B 33/00 - 33/28
H05B 44/00
H05B 45/60
H10K 50/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが第1走査線と第2走査線とデータ線に接続される複数の画素と、
それぞれの第1走査線に第1走査信号を印加し、それぞれの第2走査線に第2走査信号を印加するデータ駆動部と、
を含み、
それぞれ前記複数の画素のそれぞれは、
ゲート電極が第1ノードに接続され、一電極が第1電源線に接続され、他の電極が第2ノードに接続される第1トランジスタと、
ゲート電極が第1走査線に接続され、一電極がデータ線に接続され、他の電極が前記第1ノードに接続される、前記第1走査信号が印加されるフレーム期間の第1期間においてターンオン状態である第2トランジスタと、
ゲート電極が第2走査線に接続され、一電極が前記第2ノードに接続され、他の電極が初期化線に接続される、前記フレーム期間の前記第1期間及び前記第2走査信号が印加される少なくとも2つの第2期間においてターンオン状態である第3トランジスタと、
一電極が前記第1ノードに接続され、他の電極が前記第2ノードに接続されるストレージキャパシタと、
アノードが前記第2ノードに接続され、カソードが第2電源線に接続される発光ダイオードと、
前記ストレージキャパシタとは異なり、一電極が前記発光ダイオードの前記アノードに接続され、他の電極が前記初期化線と接続されたブーストキャパシタと、
を含み、
前記フレーム期間において、前記複数の画素のそれぞれに印加される前記第1走査信号及び前記第2走査信号の数は互いに異な
り、
前記フレーム期間において、前記第2期間の回数が制御され前記複数の画素のそれぞれの発光期間が調節される、ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第2期間のそれぞれにおいて、前記初期化線に印加される初期化電圧と前記第2電源線に印加される第2電源電圧の差は、前記発光ダイオードの発光しきい値電圧より低いことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1期間において、前記フレーム期間に対応するデータ信号が前記データ線に印加されることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1期間及び前記第2期間のそれぞれにおいて、前記発光ダイオードは非発光状態であり、
前記発光ダイオードは、前記フレーム期間において前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタがともにターンオフ状態のとき、前記データ信号に対応する輝度で発光することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記フレーム期間は、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタが同時にターンオンされる時点から、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタが再び同時にターンオンされる時点までの期間を意味することを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
移動度センシング期間において、前記初期化線は移動度センシング部に接続されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記移動度センシング部は、
増幅器と、
前記増幅器の反転端子と出力端子との間に接続されたキャパシタと、
前記増幅器の出力端子に接続されたアナログデジタルコンバータと、を含み、
前記移動度センシング期間において、前記初期化線は前記増幅器の反転端子に接続されることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
しきい値電圧センシング期間において、前記初期化線に接続されるしきい値電圧センシング部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記しきい値電圧センシング部は、
基準電圧端子と、
キャパシタと、
前記キャパシタの一電極に接続されたアナログデジタルコンバータと、を含み、
前記しきい値電圧センシング期間において、前記初期化線は前記基準電圧端子にまず接続され、次に前記初期化線は前記キャパシタの一電極に接続されることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
それぞれが第1走査線と第2走査線とデータ線に接続される複数の画素と、
それぞれの第1走査線に第1走査信号を印加し、それぞれの第2走査線に第2走査信号を印加するデータ駆動部と、
を含み、
前記複数の画素のそれぞれは、
ゲート電極が第1ノードに接続され、一電極が第1電源線に接続され、他の電極が第2ノードに接続される第1トランジスタと、
ゲート電極が第1走査線に接続され、一電極が前記第2ノードに接続され、他の電極がデータ線に接続され、前記第1走査信号が印加されるフレーム期間の第1期間においてターンオン状態である第2トランジスタと、
ゲート電極が第2走査線に接続され、一電極が初期化線に接続され、他の電極が前記第1ノードに接続され、前記フレーム期間の前記第1期間及び前記第2走査信号が印加される少なくとも1つの第2期間においてターンオン状態である第3トランジスタと、
一電極が前記第1ノードに接続され、他の電極が前記第2ノードに接続されるストレージキャパシタと、
アノードが前記第2ノードに接続され、カソードが第2電源線に接続される発光ダイオードと、
前記ストレージキャパシタとは異なり、一電極が前記発光ダイオードのアノードに接続され、他の電極が前記初期化線と接続されたブーストキャパシタと、を含み、
前記フレーム期間において、前記複数の画素のそれぞれに印加される前記第1走査信号及び前記第2走査信号の数は互いに異な
り、
前記フレーム期間において、前記第2期間の回数が制御され前記複数の画素のそれぞれの発光期間が調節される、ことを特徴とする表示装置。
【請求項11】
前記第2期間において、前記第2ノードに印加される電圧と前記第2電源線に印加される第2電源電圧の差は、前記発光ダイオードの発光しきい値電圧より低いことを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1期間において、前記フレーム期間に対応するデータ信号が前記データ線に印加されることを特徴とする請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1期間及び前記第2期間において、前記発光ダイオードは非発光状態であり、
前記発光ダイオードは、前記フレーム期間において前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタがともにターンオフ状態のとき、前記データ信号に対応する輝度で発光することを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記フレーム期間は、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタが同時にターンオンされる時点から、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタが再び同時にターンオンされる時点までの期間を意味することを特徴とする請求項13に記載の表示装置。
【請求項15】
表示装置の駆動方法であって、
前記表示装置は、複数の画素を含み、
前記複数の画素のそれぞれは、
第1電源線と発光ダイオードとの間に接続される第1トランジスタと、
ゲート電極が第1走査線に接続され、前記第1トランジスタとデータ線との間に接続される第2トランジスタと、
ゲート電極が第2走査線に接続され、前記第1トランジスタと初期化線との間に接続される第3トランジスタと、
ストレージキャパシタとは異なり、一電極が前記発光ダイオードのアノードに接続され、他の電極が前記初期化線と接続されたブーストキャパシタと、を含み、
前記駆動方法は、
前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタが同時にターンオンされるように、フレーム期間の第1期間において、前記第1走査線及び前記第2走査線に第1走査信号及び第2走査信号を印加することと、
前記第3トランジスタがターンオンされるように、前記フレーム期間の少なくとも2つの第2期間のそれぞれにおいて、前記第2走査線に第2走査信号を印加することと、を含み、
前記フレーム期間において、前記複数の画素のそれぞれに印加される前記第1走査信号及び前記第2走査信号の数は互いに異な
り、
前記フレーム期間において、前記第2期間の回数が制御され前記複数の画素のそれぞれの発光期間が調節される、表示装置の駆動方法。
【請求項16】
前記第2期間のそれぞれにおいて、前記初期化線に印加される初期化電圧と第2電源線に印加される第2電源電圧の差は、前記発光ダイオードの発光しきい値電圧より低いことを特徴とする請求項15に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項17】
前記第1期間において、前記フレーム期間に対応するデータ信号が前記データ線に印加されることを特徴とする請求項16に記載の表示装置の駆動方法。
【請求項18】
前記第1期間及び前記第2期間のそれぞれにおいて、前記発光ダイオードは非発光状態であり、
前記発光ダイオードは、前記フレーム期間において前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタがともにターンオフ状態のとき、前記データ信号に対応する輝度で発光し、
前記フレーム期間は、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタが同時にターンオンされる時点から、前記第2トランジスタ及び前記第3トランジスタが再び同時にターンオンされる時点までの期間を意味することを特徴とする請求項17に記載の表示装置の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化技術が発達するにつれて、ユーザと情報との連結媒体である表示装置の重要性が浮かび上がっている。これに応じて、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device)、有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display Device)、プラズマ表示装置(Plasma Display Device)などの表示装置の使用が増加している。
【0003】
表示装置は画素を含み、画素の発光の組み合わせにより映像を表示することができる。例えば、表示装置が60個のフレームを1秒間順次表示するのであれば、該当表示装置は60Hzで駆動されると表現することができる。
【0004】
既存の表示装置には、それぞれの画素の発光時間を調節するために、別途の発光制御トランジスタを備える必要がある。例えば、発光制御トランジスタがターンオフされると、駆動トランジスタに供給される電源が遮断されることにより、該当画素は非発光状態になることができる。
【0005】
しかし、全ての画素に発光制御トランジスタが備えられ、このような発光制御トランジスタを制御するための別途の発光制御駆動部が備えられる場合、表示装置の表示面積が狭くならざるを得ない問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0136110号公報
【文献】韓国公開特許第10-2018-0066629号公報
【文献】韓国公開特許第10-2016-0070642号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、別途の発光制御トランジスタと発光制御駆動部を備えることなく、発光を制御可能な表示装置及びその駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態による表示装置は、画素を含み、それぞれの画素は、ゲート電極が第1ノードに接続され、一電極が第1電源線に接続され、他の電極が第2ノードに接続される第1トランジスタと、ゲート電極が第1走査線に接続され、一電極がデータ線に接続され、他の電極が上記第1ノードに接続される第2トランジスタと、ゲート電極が第2走査線に接続され、一電極が上記第2ノードに接続され、他の電極が初期化線に接続される第3トランジスタと、一電極が上記第1ノードに接続され、他の電極が上記第2ノードに接続されるストレージキャパシタと、アノードが上記第2ノードに接続され、カソードが第2電源線に接続される発光ダイオードと、を含み、上記第2トランジスタ及び上記第3トランジスタは、一フレーム期間の第1期間においてターンオン状態であり、上記フレーム期間の第2期間において、上記第2トランジスタはターンオフ状態であり、上記第3トランジスタはターンオン状態である。
【0009】
上記第2期間において、上記初期化線に印加される初期化電圧と上記第2電源線に印加される第2電源電圧の差は、上記発光ダイオードの発光しきい値電圧より低くてもよい。
【0010】
上記第1期間において、上記フレーム期間に対応するデータ信号が上記データ線に供給されてもよい。
【0011】
上記第1期間及び上記第2期間において、上記発光ダイオードは非発光状態であり、上記発光ダイオードは、上記フレーム期間において上記第2トランジスタ及び上記第3トランジスタがともにターンオフ状態のとき、上記データ信号に対応する輝度で発光することができる。
【0012】
上記フレーム期間は、上記第2トランジスタ及び上記第3トランジスタがターンオンされる時点から、上記第2トランジスタ及び上記第3トランジスタが再びターンオンされる時点までの期間を意味することができる。
【0013】
移動度センシング期間において、上記初期化線は移動度センシング部に接続されてもよい。
【0014】
上記移動度センシング部は、増幅器と、上記増幅器の反転端子と出力端子との間に接続されたキャパシタと、上記増幅器の出力端子に接続されたアナログデジタルコンバータと、を含み、上記移動度センシング期間において、上記初期化線は上記増幅器の反転端子に接続されてもよい。
【0015】
しきい値電圧センシング期間において、上記初期化線はしきい値電圧センシング部に接続されてもよい。
【0016】
上記しきい値電圧センシング部は、基準電圧端子と、キャパシタと、上記キャパシタの一電極に接続されたアナログデジタルコンバータと、を含み、上記しきい値電圧センシング期間において、上記初期化線は上記基準電圧端子にまず接続され、次に上記初期化線は上記キャパシタの一電極に接続されてもよい。
【0017】
上記画素は、一電極が上記発光ダイオードのアノードに接続され、他の電極が上記初期化線と接続されたブーストキャパシタをさらに含んでもよい。
【0018】
本発明の一実施形態による表示装置は、画素を含み、それぞれの画素は、ゲート電極が第1ノードに接続され、一電極が第1電源線に接続され、他の電極が第2ノードに接続される第1トランジスタと、ゲート電極が第1走査線に接続され、一電極が上記第2ノードに接続され、他の電極がデータ線に接続される第2トランジスタと、ゲート電極が第2走査線に接続され、一電極が初期化線に接続され、他の電極が上記第1ノードに接続される第3トランジスタと、一電極が上記第1ノードに接続され、他の電極が上記第2ノードに接続されるストレージキャパシタと、アノードが上記第2ノードに接続され、カソードが第2電源線に接続される発光ダイオードと、を含み、上記第2トランジスタ及び上記第3トランジスタは、一フレーム期間の第1期間においてターンオン状態であり、上記フレーム期間の第2期間において、上記第2トランジスタはターンオフ状態であり、上記第3トランジスタはターンオン状態であることができる。
【0019】
上記第2期間において、上記第2ノードに印加される電圧と上記第2電源線に印加される第2電源電圧の差は、上記発光ダイオードの発光しきい値電圧より低くてもよい。
【0020】
上記第1期間において、上記フレーム期間に対応するデータ信号が上記データ線に供給されてもよい。
【0021】
上記第1期間及び上記第2期間において、上記発光ダイオードは非発光状態であり、上記発光ダイオードは、上記フレーム期間において上記第2トランジスタ及び上記第3トランジスタがともにターンオフ状態のとき、上記データ信号に対応する輝度で発光することができる。
【0022】
上記フレーム期間は、上記第2トランジスタ及び上記第3トランジスタがターンオンされた時点から、上記第2トランジスタ及び上記第3トランジスタが再びターンオンされる時点までの期間を意味することができる。
【0023】
上記画素は、一電極が上記発光ダイオードのアノードに接続され、他の電極が上記初期化線と接続されたブーストキャパシタをさらに含んでもよい。
【0024】
本発明の一実施形態による表示装置の駆動方法は、画素を含む表示装置の駆動方法であって、それぞれの画素は、ゲート電極が第1ノードに接続され、一電極が第1電源線に接続され、他の電極が第2ノードに接続される第1トランジスタと、ゲート電極が第1走査線に接続され、一電極がデータ線に接続され、他の電極が上記第1ノードに接続される第2トランジスタと、ゲート電極が第2走査線に接続され、一電極が上記第2ノードに接続され、他の電極が初期化線に接続される第3トランジスタと、一電極が上記第1ノードに接続され、他の電極が上記第2ノードに接続されるストレージキャパシタと、アノードが上記第2ノードに接続され、カソードが第2電源線に接続される発光ダイオードと、を含み、フレーム期間の第1期間において上記第2トランジスタ及び上記第3トランジスタをターンオンさせ、上記フレーム期間の第2期間において、上記第2トランジスタはターンオフさせ、上記第3トランジスタはターンオンさせる。
【0025】
上記第2期間において、上記初期化線に印加される初期化電圧と上記第2電源線に印加される第2電源電圧の差は上記発光ダイオードの発光しきい値電圧より低くてもよい。
【0026】
上記第1期間において、上記フレーム期間に対応するデータ信号が上記データ線に供給されてもよい。
【0027】
上記第1期間及び上記第2期間において、上記発光ダイオードは非発光状態であり、上記発光ダイオードは、上記フレーム期間において上記第2トランジスタ及び上記第3トランジスタがともにターンオフ状態のとき、上記データ信号に対応する輝度で発光することができる。
【0028】
上記フレーム期間は、上記第2トランジスタ及び上記第3トランジスタがターンオンされた時点から、上記第2トランジスタ及び上記第3トランジスタが再びターンオンされる時点までの期間を意味することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明による表示装置及びその駆動方法は、別途の発光制御トランジスタと発光制御駆動部を備えることなく、発光を制御可能である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の一実施形態による表示装置を説明するための図である。
【
図2】本発明の一実施形態による走査駆動部を説明するための図である。
【
図3】本発明の一実施形態による画素を説明するための図である。
【
図4】
図3の画素の駆動方法を説明するための図である。
【
図5】本発明の他の実施形態による画素を説明するための図である。
【
図6】
図5の画素の駆動方法を説明するための図である。
【
図7】本発明の一実施形態による画素を説明するための図である。
【
図8】
図7の画素の駆動方法を説明するための図である。
【
図9】本発明の一実施形態による画素を説明するための図である。
【
図10】本発明の一実施形態による移動度センシング部を説明するための図である。
【
図11】本発明の一実施形態によるしきい値電圧センシング部を説明するための図である。
【
図12】
図11のしきい値電圧センシング期間を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付した図面を参考して、本発明の様々な実施形態について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は、様々な異なる形態で具現されてもよく、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0032】
本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、明細書の全体にわたって同一または類似する構成要素に対しては同じ参照符号を付する。従って、上述した参照符号は他の図面でも使用することができる。
【0033】
また、図面に示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で示したものであり、本発明は必ずしも図示されたものに限定されない。図面において、複数の層及び領域を明確に表現するために厚さを誇張して示すことができる。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置を説明するための図である。
【0035】
図1を参照すると、本発明の一実施形態による表示装置10は、タイミング制御部11、データ駆動部12、走査駆動部13、画素部14、及び初期化電源供給部15を含む。
【0036】
タイミング制御部11は、外部プロセッサからフレーム情報と制御信号を受信することができる。タイミング制御部11は、受信されたフレーム情報と制御信号を表示装置10の仕様(specification)に適合するように変換し、データ駆動部12及び走査駆動部13に供給することができる。例えば、タイミング制御部11は、画素部14の画素のそれぞれに対する階調値及び制御信号をデータ駆動部12に供給することができる。また、タイミング制御部11は、クロック信号、走査開始信号などの制御信号を走査駆動部13に供給することができる。
【0037】
データ駆動部12は、タイミング制御部11から受信した階調値及び制御信号を利用してデータ線D1、D2、D3、...、Dmに供給するデータ信号を生成することができる。このとき、mは0より大きい整数であることができる。例えば、画素行単位で生成されたデータ信号はデータ線D1~Dmに同時に供給されてもよい。
【0038】
走査駆動部13は、タイミング制御部11からクロック信号、走査開始信号などの制御信号を供給され、第1走査線S11、S12、...、S1n及び第2走査線S21、S22、...、S2nに供給する走査信号を生成することができる。このとき、nは0より大きい整数であることができる。例えば、走査駆動部13は、第1走査線S11~S1nに順にターンオンレベルの走査信号を供給することにより、データ信号が書き込まれる画素行を選択することができる。
【0039】
画素部14は画素を含む。それぞれの画素PXijは、対応するデータ線、第1走査線、第2走査線、及び初期化線と接続される。また、各画素PXijは、第1電源線ELVDD及び第2電源線ELVSSと接続される。例えば、データ信号がデータ駆動部12からデータ線D1~Dmに供給されると、走査駆動部13からターンオンレベルの第1走査信号を供給された画素行にデータ信号が書き込まれる。
【0040】
初期化電源供給部15は、初期化線I1、I2、I3、...、Imに初期化電圧を印加する。このとき、初期化電圧と第2電源線ELVSSに印加される電圧の差は、各画素の発光ダイオードの発光しきい値電圧より低くてもよい。一実施形態において、初期化電源供給部15は、初期化線I1、I2、I3、...、Imに連続して初期化電圧を印加することができる。他の実施形態では、初期化電源供給部15は、タイミング制御部11または他の制御部に応じて初期化線I1、I2、I3、...、Imに不連続的に初期化電圧を印加することもできる。例えば、初期化電源供給部15は、ターンオンレベルの第2走査信号に同期して初期化電圧を印加する。
【0041】
また、
図1に図示されていないが、表示装置10は、移動度センシング部MBSU(
図10を参照)及びしきい値電圧センシング部THSU(
図11を参照)をさらに含んでもよい。初期化線I1、I2、I3、...、Imがセンシング線として機能する本発明の一実施形態において(
図3及び
図5)、移動度センシング部MBSU及びしきい値電圧センシング部THSUは初期化電源供給部15に含まれてもよい。データ線D1~Dmがセンシング線として機能する本発明の一実施形態において(
図7及び
図9)、移動度センシング部MBSU及びしきい値電圧センシング部THSUはデータ駆動部12に含まれてもよい。本発明の一実施形態において、移動度センシング部MBSU及びしきい値電圧センシング部THSUは、データ駆動部12及び初期化電源供給部15とは別に構成されてもよい。
【0042】
図2は、本発明の一実施形態による走査駆動部を説明するための図である。
【0043】
走査駆動部13は、複数のステージST1、ST2、ST3、...を含んでもよい。それぞれのステージST1、ST2、ST3、...は、実質的に同じ回路構造で構成されてもよい。
【0044】
それぞれのステージST1、ST2、ST3、...は、クロック信号CLKsを供給され、高電圧VDD、及び低電圧VSSを印加される。また、第1ステージST1を除いた他のステージST2、ST3、...は、前段ステージから対応するキャリー信号CR1、CR2、CR3、...を供給される。第1ステージST1は前段ステージがないため、走査開始信号STVをタイミング制御部11から供給される。
【0045】
それぞれのステージST1、ST2、ST3、...は、クロック信号CLKs及びキャリー信号CR1、CR2、CR3、...を供給されると、第1走査線S11、S12、S13、...に第1走査信号を供給し、第2走査線S21、S22、S23、...に第2走査信号を供給する。従って、ステージST1、ST2、ST3、...は、順にターンオンレベルの第1走査信号または第2走査信号を供給することができる。
【0046】
ターンオンレベルとは、該当信号をゲート電極に供給されるトランジスタがターンオンする電圧レベルを意味する。例えば、該当トランジスタがN型(例えば、NMOS)である場合、ターンオンレベルはロジックハイレベル(logic high level)であってもよい。また、該当トランジスタがP型(例えば、PMOS)である場合、ターンオンレベルはロジックローレベル(logic low level)であってもよい。以下では、トランジスタがN型で構成される場合を想定して説明する。このとき、ターンオンレベルはロジックハイレベルであってもよい。
【0047】
本発明の一実施形態において、第1走査線S11、S12、S13、...は、対応するスイッチSW1、SW2、SW3、...と接続される。スイッチSW1、SW2、SW3、...は、低電圧VSSが印加される電源線、または、対応する第2走査線S21、S22、S23、...に接続されてもよい。即ち、ステージST1、ST2、ST3、...が第2走査線S21、S22、S23、...にターンオンレベルの第2走査信号を供給すると、スイッチSW1、SW2、SW3の接続状態に応じ、第1走査線S11、S12、S13、...にターンオンレベルの第1走査信号が供給されるのか、低電圧VSS状態の第1走査信号が供給されるのかが決定される。スイッチSW1、SW2、SW3の接続状態は、タイミング制御部11または他の制御部によって制御される。
【0048】
本発明の一実施形態によると、単一走査駆動部13を利用し、第1走査線S11、S12、S13、...及び第2走査線S21、S22、S23、...に対する走査信号の供給が可能であるため、走査駆動部13による表示装置10の表示面積をより広く確保することができる。
【0049】
図3は、本発明の一実施形態による画素を説明するための図である。
【0050】
図3を参照すると、画素PXijaはトランジスタT1a、T2a、T3a、ストレージキャパシタCSa、及び発光ダイオードLDaを含む。
【0051】
第1トランジスタT1aはゲート電極が第1ノードN1aに接続され、一電極が第1電源線ELVDDに接続され、他の電極が第2ノードN2aに接続される。第1トランジスタT1aは駆動トランジスタと名付けられる。
【0052】
第2トランジスタT2aはゲート電極が第1走査線S1iに接続され、一電極がデータ線Djに接続され、他の電極が第1ノードN1aに接続される。第2トランジスタT2aは走査トランジスタ、スイッチングトランジスタなどと名付けられてもよい。
【0053】
第3トランジスタT3aはゲート電極が第2走査線S2iに接続され、一電極が第2ノードN2aに接続され、他の電極が初期化線Ijに接続される。第3トランジスタT3aはセンシングトランジスタと名付けられてもよい。
【0054】
ストレージキャパシタCSaは一電極が第1ノードN1aに接続され、他の電極が第2ノードN2aに接続される。
【0055】
発光ダイオードLDaはアノードが第2ノードN2aに接続され、カソードが第2電源線ELVSSに接続される。発光ダイオードLDaは、有機発光ダイオード(organic light emitting diode)であってもよいし、無機発光ダイオード(inorganic light emitting diode)であってもよい。
【0056】
ここで、iは0より大きい整数である。また、jは0より大きい整数である。
【0057】
図4は、
図3の画素の駆動方法を説明するための図である。
【0058】
図3及び
図4を参照し、画素PXijaに対する一フレーム期間1FRAMEを基準として表示装置10の動作を説明する。
【0059】
ここで、一フレーム期間1FRAMEは、第2トランジスタT2a及び第3トランジスタT3aが同時にターンオンされる時点から、第2トランジスタT2a及び第3トランジスタT3aが再び同時にターンオンされる時点までの期間を意味することができる。ここで定義された一フレーム期間1FRAMEは各画素行ごとに開始時点と終了時点が異なってもよい。しかし、全ての画素行の一フレーム期間1FRAMEの長さは互いに同一である。
【0060】
図3に示される一フレーム期間1FRAMEは、一つ前のフレーム期間において、画素PXijaの第1ノードN1aには電圧(VD1-VINT)+VN2が印加された状態であり、第2ノードN2aには電圧VN2が印加された状態である。即ち、ストレージキャパシタCSaは、一つ前のフレーム期間のデータ信号VD1と初期化電圧VINTの差分だけの電圧を保持し、第1トランジスタT1aはストレージキャパシタCSaが保持する電圧に対応して第1電源線ELVDDと第2電源線ELVSSの間に流れる電流量を調節する。従って、発光ダイオードLDaは、データ信号VD1に対応する輝度で発光することができる。
【0061】
それぞれのフレーム期間1FRAMEにおいて、ターンオンレベルの第1走査信号が、第1走査線S1iにp回供給されることができ、ターンオンレベルの第2走査信号が、第2走査線S2iにq回供給されることができる。pは0より大きい整数であることができ、qはpより大きい整数であることができる。
図4に示される本発明の一実施形態において、pは1であり、qは3である場合が図示されているが、本発明の一実施形態において、pとqは異なって設定されてもよい。
【0062】
第1期間P1において、走査駆動部13によって、ターンオンレベルの第1走査信号が、第1走査線S1iに供給され、ターンオンレベルの第2走査信号が、第2走査線S2iに供給されることができる。これにより、第2トランジスタT2a及び第3トランジスタT3aがターンオンされることができる。また、データ駆動部12によってフレーム期間1FRAMEに対応するデータ信号VD2がデータ線Djに供給されることができる。また、初期化電源供給部15によって初期化電圧VINTが初期化線Ijに印加されることができる。従って、第2トランジスタT2aを介して第1ノードN1aにデータ信号VD2が供給され、第3トランジスタT3aを介して第2ノードN2aに初期化電圧VINTが印加されることができる。
【0063】
初期化線Ijに印加される初期化電圧VINTと第2電源線ELVSSに印加される第2電源電圧の差は、発光ダイオードLDaの発光しきい値電圧より低くてもよい。発光ダイオードLDaは、アノードとカソードに印加される電圧の差が発光しきい値電圧を超えなければ発光することができない。従って、第1期間P1において発光ダイオードLDaは非発光状態であることができる。第1期間P1は、データ書き込み区間と名付けられてもよい。
【0064】
第1期間P1が終了すると、ターンオフレベルの第1走査信号及び第2走査信号が、それぞれ第1走査線S1i及び第2走査線S2iに供給されることができる。従って、第2トランジスタT2a及び第3トランジスタT3aがターンオフされることができる。
【0065】
ストレージキャパシタCSaは、第1トランジスタT1aのゲート電極とソース電極の電圧差を保持するため、第1トランジスタT1aはターンオン状態であることができる。従って、第1電源線ELVDDから第2電源線ELVSSに電流が流れ、第2ノードN2aには電圧VN2が印加されることができる。電圧VN2は下記に示される数式1によって決定されることができる。
【0066】
【0067】
ここで、ELVDDvは第1電源線ELVDDに印加される電圧値、ELVSSvは第2電源線ELVSSに印加される電圧値、T1rは第1トランジスタT1aのターンオン抵抗値、LDrは発光ダイオードLDaの抵抗値であることができる。即ち、電圧VN2は第1トランジスタT1aと発光ダイオードLDa間の抵抗比によって決定されることができる。
【0068】
ストレージキャパシタCSaは、一電極と他の電極との間の電圧差を保持するため、第1ノードN1aの電圧は電圧(VD2-VINT)+VN2に変化する。
【0069】
従って、発光ダイオードLDaは、フレーム期間1FRAMEにおいて第2トランジスタT2a及び第3トランジスタT3aがともにターンオフ状態のとき、データ信号VD2に対応する輝度で発光することができる。
【0070】
第2期間P2において、走査駆動部13によって、ターンオフレベル第1走査信号が、第1走査線S1iに供給され、ターンオンレベルの第2走査信号が、第2走査線S2iに供給されることができる。これにより、第2トランジスタT2aはターンオフ状態で、第3トランジスタT3aはターンオンされることができる。このとき、初期化電源供給部15によって初期化電圧VINTが初期化線Ijに印加されることができる。従って、第3トランジスタT3aを介して第2ノードN2aに初期化電圧VINTが印加され、第1ノードN1aはフローティング状態(floating state)であることができる。ストレージキャパシタCSaは、一電極と他の電極との間の電圧差を保持するため、第2ノードN2aの電圧に応じて第1ノードN1aの電圧が下降することができる。
【0071】
初期化線Ijに印加される初期化電圧VINTと第2電源線ELVSSに印加される第2電源電圧の差は、発光ダイオードLDaの発光しきい値電圧より低くてもよい。従って、第2期間P2において発光ダイオードLDaは非発光状態であることができる。第2期間P2は非発光区間と名付けられてもよい。
【0072】
第2期間P2が終了すると、ターンオフレベルの第1走査信号及び第2走査信号がそれぞれ第1走査線S1i及び第2走査線S2iに供給されることができる。従って、第2トランジスタT2a及び第3トランジスタT3aがターンオフされることができる。
【0073】
ストレージキャパシタCSaの一電極と他の電極間の電圧差は持続的に保持されることができ、発光ダイオードLDaは、フレーム期間1FRAMEにおいて第2トランジスタT2a及び第3トランジスタT3aがともにターンオフ状態のとき、データ信号VD2に対応する輝度で発光することができる。
【0074】
第3期間P3において、表示装置10は第2期間P2と実質的に同様に駆動されるため、ここでは重複する説明を省略する。
【0075】
フレーム期間1FRAMEが終了し、次のフレーム期間は第4期間P4を含んでもよい。第4期間P4では、データ線Djにデータ信号VD3が印加されることができる。第4期間P4において、表示装置10は第1期間P1と実質的に同様に駆動されるため、ここでは重複する説明を省略する。
【0076】
本発明の一実施形態によると、走査駆動部13は、一フレーム期間1FRAME中の非発光区間P2、P3の回数を調節することにより、画素PXijaの発光時間を調節することができる。従って、本発明の一実施形態による表示装置は、発光制御トランジスタ及び発光制御駆動部を備えていなくても、画素PXijaの発光時間を調節することができる。特に、データ信号の調節のみで、低階調を表現することは困難である可能性が高い。本発明の一実施形態のように、データ信号の大きさとともに該当画素PXijaの発光時間を調節することによって、低階調をよりよく表現することができる。
【0077】
図5は、本発明の一実施形態による画素を説明するための図である。
【0078】
図5の画素PXija’は、
図3の画素PXijaと比べてブーストキャパシタCBaをさらに含む。
【0079】
ブーストキャパシタCBaは一電極が発光ダイオードLDaのアノードに接続され、他の電極が初期化線Ijと接続されることができる。
【0080】
図6は、
図5の画素の駆動方法を説明するための図である。
【0081】
図6の駆動方法において、
図4と重複する部分のここでの説明は省略する。
図6には、
図4のタイミング図を、第2期間P2を中心として拡大して示した。
【0082】
初期化電源供給部15は、初期化線Ijに初期化電圧VINTを不連続的に印加することができる。例えば、初期化電源供給部15は、第2走査線S2(i-1)、S2i、S2(i+1)に供給されるターンオンレベルの第2走査信号に同期し、初期化線Ijに初期化電圧VINTを印加することができる。初期化電源供給部15は、初期化電圧VINTが印加されないとき、初期化線Ijをフローティングさせ、不定の状態(undefined state)にすることができる。
【0083】
本発明の一実施形態によると、第3トランジスタT3aがターンオンされるときと同期し、初期化線Ijの電圧を不定の状態から初期化電圧VINTに変化させ、ブーストキャパシタCBaによって第2ノードN2aの電圧をさらに早く放電することができる。従って、フレーム期間1FRAMEの第1~第3期間P1、P2、P3において発光ダイオードLDaが迅速に非発光状態になることにより、発光ダイオードLDaの発光時間をさらに精密に調節することができる。
【0084】
図5の画素PXija’の初期化線Ijに連続して初期化電圧VINTが印加されると、第3トランジスタT3aがターンオン状態である場合においても、ブーストキャパシタCBaは第2ノードN2aと初期化線Ij間の電圧差を保持することができる。従って、本発明の一実施形態によると、長い時間をかけて、発光ダイオードLDaを非発光状態にすることもできる。
【0085】
また、本発明の一実施形態において、初期化電源供給部15は、初期化線Ijに初期化電圧VINTより大きい電圧を印加することもできる。このような場合、第3トランジスタT3aがターンオンされるときと同期し、初期化線Ijに下降パルスが発生し、第2ノードN2aの電圧をさらに早く放電することができる。
【0086】
図7は、本発明の他の実施形態による画素を説明するための図である。
【0087】
図7を参照すると、画素PXijbはトランジスタT1b、T2b、T3b、ストレージキャパシタCSb、及び発光ダイオードLDbを含んでもよい。
【0088】
第1トランジスタT1bはゲート電極が第1ノードN1bに接続され、一電極が第1電源線ELVDDに接続され、他の電極が第2ノードN2bに接続されることができる。第1トランジスタT1bは駆動トランジスタと名付けられてもよい。
【0089】
第2トランジスタT2bはゲート電極が第1走査線S1iに接続され、一電極が第2ノードN2bに接続され、他の電極がデータ線Djに接続されることができる。第2トランジスタT2bは走査トランジスタ、スイッチングトランジスタなどと名付けられてもよい。
【0090】
第3トランジスタT3bはゲート電極が第2走査線S2iに接続され、一電極が初期化線Ijに接続され、他の電極が第1ノードN1bに接続される。第3トランジスタT3bはセンシングトランジスタと名付けられてもよい。
【0091】
ストレージキャパシタCSbは一電極が第1ノードN1bに接続され、他の電極が第2ノードN2bに接続されることができる。
【0092】
発光ダイオードLDbはアノードが第2ノードN2bに接続され、カソードが第2電源線ELVSSに接続されることができる。発光ダイオードLDbは、有機発光ダイオードまたは無機発光ダイオードであってもよい。
【0093】
図8は、
図7の画素の駆動方法を説明するための図である。
【0094】
図7及び
図8を参照して、画素PXijbに対する一フレーム期間1FRAMEを基準として表示装置10の動作を説明する。
【0095】
図8に示される一フレーム期間1FRAMEは、一つ前のフレーム期間において、画素PXijbの第1ノードN1bには電圧(VINT-VD1)+VN2が印加された状態であり、第2ノードN2bには電圧VN2が印加された状態である。ストレージキャパシタCSbは、一つ前のフレーム期間の初期化電圧VINTとデータ信号VD1の差分の電圧を保持し、第1トランジスタT1bはストレージキャパシタCSbが保持する電圧に応じ、第1電源線ELVDDと第2電源線ELVSSの間に流れる電流量を調節する。従って、発光ダイオードLDbは、データ信号VD1に対応する輝度で発光することができる。
【0096】
第1期間P1において、走査駆動部13によって、ターンオンレベルの第1走査信号が、第1走査線S1iに供給され、ターンオンレベルの第2走査信号が、第2走査線S2iに供給されることができる。これにより、第2トランジスタT2b及び第3トランジスタT3bがターンオンされることができる。また、データ駆動部12によってフレーム期間1FRAMEに対応するデータ信号VD2がデータ線Djに供給されることができる。また、初期化電源供給部15によって初期化電圧VINTが初期化線Ijに印加されることができる。従って、第2トランジスタT2bを介して第2ノードN2bにデータ信号VD2が供給され、第3トランジスタT3bを介して第1ノードN1bに初期化電圧VINTが印加されることができる。
【0097】
第2ノードN2bに印加される電圧(例えば、データ信号VD2)と第2電源線ELVSSに印加される第2電源電圧の差は、発光ダイオードLDbの発光しきい値電圧より低くてもよい。従って、第1期間P1において、発光ダイオードLDbは非発光状態であることができる。第1期間P1はデータ書き込み区間と名付けられてもよい。
【0098】
第1期間P1が終了すると、ターンオフレベルの第1走査信号及び第2走査信号が、それぞれ、第1走査線S1i及び第2走査線S2iに供給されることができる。従って、第2トランジスタT2b及び第3トランジスタT3bがターンオフされることができる。
【0099】
ストレージキャパシタCSbは、第1トランジスタT1bのゲート電極とソース電極の電圧差を保持するため、第1トランジスタT1bはターンオン状態であることができる。従って、第1電源線ELVDDから第2電源線ELVSSに電流が流れ、第2ノードN2bには電圧VN2が印加されることができる。電圧VN2は上述した数式1を参照する。
【0100】
ストレージキャパシタCSbは一電極と他の電極との間の電圧差を保持するため、第1ノードN1bの電圧は、電圧(VINT-VD2)+VN2に変化する。
【0101】
従って、発光ダイオードLDbは、フレーム期間1FRAMEにおいて第2トランジスタT2b及び第3トランジスタT3bがともにターンオフ状態のとき、データ信号VD2に対応する輝度で発光することができる。
【0102】
第2期間P2において、走査駆動部13によって、ターンオフレベルの第1走査信号が、第1走査線S1iに供給され、ターンオンレベルの第2走査信号が、第2走査線S2iに供給されることができる。これにより、第2トランジスタT2bはターンオフ状態であり、第3トランジスタT3bはターンオンされることができる。このとき、初期化電源供給部15によって初期化電圧VINTが初期化線Ijに印加されると、第3トランジスタT3bを介して第1ノードN1bに初期化電圧VINTが印加されることができる。ストレージキャパシタCSbは一電極と他の電極との間の電圧差を保持するため、第1ノードN1bの電圧に応じて第2ノードN2bの電圧が下降することができる。従って、第2期間P2において、発光ダイオードLDbは非発光状態であることができる。第2期間P2は非発光区間と名付けられてもよい。
【0103】
第2期間P2が終了すると、ターンオフレベルの第1走査信号及び第2走査信号が、それぞれ第1走査線S1i及び第2走査線S2iに供給されることができる。従って、第2トランジスタT2b及び第3トランジスタT3bがターンオフされることができる。
【0104】
ストレージキャパシタCSbの一電極と他の電極との間の電圧差は継続して保持され、発光ダイオードLDbは、フレーム期間1FRAMEにおいて第2トランジスタT2b及び第3トランジスタT3bがともにターンオフ状態のとき、データ信号VD2に対応する輝度で発光することができる。
【0105】
第3期間P3において、表示装置10は第2期間P2と実質的に同様に駆動されるため、ここでは重複する説明を省略する。
【0106】
フレーム期間1FRAMEが終了し、次のフレーム期間は第4期間P4を含んでもよい。第4期間P4では、データ線Djにデータ信号VD3が供給されることができる。第4期間P4において、表示装置10は第1期間P1と実質的に同様に駆動されるため、ここでは重複する説明を省略する。
【0107】
本発明の一実施形態によると、走査駆動部13は、一フレーム期間1FRAME中の非発光区間P2、P3の回数を調節することにより、画素PXijbの発光時間を調節することができる。従って、本発明の一実施形態による表示装置は、発光制御トランジスタ及び発光制御駆動部を備えていなくても、画素PXijbの発光時間を調節することができる。特に、データ信号の調節のみで、低階調を表現することは困難である可能性が高い。本発明の一実施形態のように、データ信号の大きさとともに該当画素PXijbの発光時間を調節することによって、低階調をよりよく表現することができる。
【0108】
図9は、本発明の他の実施形態による画素を説明するための図である。
【0109】
図9の画素PXijb’は、
図7の画素PXijbと比べてブーストキャパシタCBbをさらに含んでもよい。
【0110】
ブーストキャパシタCBbは一電極が発光ダイオードLDbのアノードに接続され、他の電極が初期化線Ijと接続されることができる。
【0111】
図9の画素PXijb’の駆動方法は、
図6の駆動方法と同様の方法が適用できるため、ここでは重複する説明を省略する。
【0112】
図10は、本発明の一実施形態による移動度センシング部を説明するための図である。
【0113】
図10を参照して、移動度センシング部MBSUが
図3の画素PXijaに接続される場合を説明する。移動度センシング部MBSUが
図5の画素PXija’に接続される場合も同様であるため、ここでは重複する説明を省略する。
【0114】
移動度センシング部MBSUは、増幅器AMP、キャパシタCI、及びアナログデジタルコンバータADC1を含んでもよい。
【0115】
本実施形態において、増幅器AMPの反転端子を第3ノードN3と定義し、出力端子を第4ノードN4と定義する。増幅器AMPの非反転端子には第1基準電圧Vref1が印加されることができる。
【0116】
キャパシタCIは、増幅器AMPの反転端子(即ち、第3ノードN3)と出力端子(即ち、第4ノードN4)の間に接続されることができる。
【0117】
アナログデジタルコンバータADC1は、増幅器AMPの出力端子(即ち、第4ノードN4)に接続されることができる。
【0118】
移動度センシング期間において、初期化線Ijは移動度センシング部MBSUと接続されることができる。例えば、初期化線Ijは、スイッチSWMを介して移動度センシング部MBSUと接続されることができる。
【0119】
移動度センシング期間は、フレーム期間1FRAMEとは別途の期間で構成され、映像表示に影響を与えないようにすることもできる。本発明の一実施形態において、移動度センシング期間をフレーム期間1FRAMEの一部として構成し、一部の画素に対してのみ遂行することにより、映像表示に与える影響を最小限に抑えることができる。
【0120】
移動度センシング期間において、第1走査線S1i及び第2走査線S2iに、それぞれ、ターンオンレベルの第1走査信号及び第2走査信号が印加されることができるため、第2及び第3トランジスタT2a、T3aをターンオンすることができる。このとき、データ線Djには特定の電圧が印加されることができ、第1ノードN1aに前記特定の電圧を印加することができる。
【0121】
増幅器AMPは、反転端子と非反転端子の電圧が同じであってもよい(例えば、OP-AMP)。従って、第3ノードN3の電圧は第1基準電圧Vref1であってもよい。
【0122】
例えば、第1トランジスタT1aが飽和状態のとき、第1トランジスタT1aに流れる電流は、下記数式2によって決定されてもよい。
【0123】
【0124】
このとき、Idは第1トランジスタT1aに流れる電流であり、uは移動度(mobility)であり、Coは第1トランジスタT1aのチャネル、絶縁層、及びゲート電極で形成されるキャパシタンスであり、Wは第1トランジスタT1aのチャネルの幅であり、Lは第1トランジスタT1aのチャネルの長さであり、Vgsは第1トランジスタT1aのゲート電極とソース電極との間の電圧差であり、Vthは第1トランジスタT1aのしきい値電圧値であってもよい。
【0125】
ここで、Co、W、Lは定数である。Vthは他の検出方法(例えば、
図11及び
図12を参照)で検出されてもよい。例えば、Vgsは特定の電圧と第1基準電圧Vref1の差である。IdはアナログデジタルコンバータADC1によって測定された第4ノードN4の電圧を利用して算出することができる(増幅器AMPとキャパシタCIは積分器の形態で配置される)。従って、残りの変数である移動度uを求めることができる。
【0126】
移動度センシング部MBSUは、
図7の画素PXijbまたは
図9の画素PXijb’に接続されてもよい。このとき、移動度センシング部MBSUは、画素PXijb、PXijb’のデータ線Djに接続される点において、
図10の実施形態とは異なるが、移動度センシング方法は
図10と実質的に類似するため、ここでは重複する説明を省略する。
【0127】
図11は本発明の一実施形態によるしきい値電圧センシング部を説明するための図であり、
図12は
図11のしきい値電圧センシング期間を説明するための図である。
【0128】
図11及び
図12を参照して、しきい値電圧センシング部THSUが
図3の画素PXijaに接続される場合を説明する。しきい値電圧センシング部THSUが
図5の画素PXija’に接続される場合も同様であるため、ここでは重複する説明を省略する。
【0129】
しきい値電圧センシング部THSUは、基準電圧端子Vref2、キャパシタCTH、及びアナログデジタルコンバータADC2を含んでもよい。
【0130】
基準電圧端子Vref2には第2基準電圧が印加される。例えば、スイッチSWTa、SWTbがターンオンされる場合、基準電圧端子Vref2は、初期化線Ijと接続されることができる。
【0131】
キャパシタCTHは一電極がアナログデジタルコンバータADC2と接続され、他の電極には支持基準端子Srefが接続されることができる。例えば、支持基準端子Srefには接地電圧が印加されることができる。例えば、スイッチSWTa、SWTcがターンオンされる場合、キャパシタCTHの一電極は、初期化線Ijと接続されることができる。
【0132】
しきい値電圧センシング期間において、初期化線Ijはしきい値電圧センシング部THSUに接続されることができる。例えば、しきい値電圧センシング期間において、初期化線IjはスイッチSWTaを介してしきい値電圧センシング部THSUに接続されることができる。
【0133】
しきい値電圧センシング期間は、フレーム期間1FRAMEとは別途の期間で構成されて、映像表示に影響を与えないようにすることもできる。本発明の一実施形態において、しきい値電圧センシング期間をフレーム期間1FRAMEの一部として構成し、一部の画素に対してのみ遂行することにより、映像表示に与える影響を最小限に抑えることができる。
【0134】
しきい値電圧センシング期間において、初期化線Ijは、スイッチSWTa及びスイッチSWTbを介して基準電圧端子Vref2にまず接続される。次に初期化線Ijは、スイッチSWTcを介してキャパシタCTHの一電極に接続されることができる。以下では、
図12を参照してより詳細に説明する。
【0135】
まず、第1時点t1において、第2電源線ELVSSの電圧が上昇させ、第2電源線ELVSSの電圧を第2ノードN2aの電圧よりも高くすることにより、発光ダイオードLDaの発光を予め防止することができる。
【0136】
次いで、第2時点t2において、基準電圧端子が初期化線Ijと接続されることにより、初期化線Ijが第2基準電圧Vref2に放電される。
【0137】
第3時点t3において、第1走査線S1i及び第2走査線S2iに、ターンオンレベルの第1走査信号及び第2走査信号が印加されることができる。このとき、データ線Djにデータ基準電圧Drefが印加されることができる。また、初期化線Ijは、キャパシタCTHの一電極と接続されることができる。
【0138】
第2ノードN2aは、第2基準電圧Vref2から電圧Dref-Vtまで上昇することができる。第2ノードN2aが電圧Dref-Vthまで上昇すると、第1トランジスタT1aはターンオフされるため、第2ノードN2aの電圧はそれ以上上昇しない。
【0139】
このとき、アナログデジタルコンバータADC2は、第2ノードN2aの電圧が書き込まれたキャパシタCTHの一電極の電圧を受信することにより、第1トランジスタT1aのしきい電圧値Vthを算出することができる。
【0140】
しきい値電圧センシング部THSUは、
図7の画素PXijbまたは
図9の画素PXijb’にも接続されることができる。このとき、しきい値電圧センシング部THSUは、画素PXijb、PXijb’のデータ線Djに接続される点において、
図11の実施形態とは異なるが、しきい値電圧センシング方法は
図12と実質的に類似するため、ここでは重複する説明を省略する。
【0141】
以上、参照した図面と記載された発明の詳細な説明は、本発明の例示的なものであり、これは本発明の一実施形態を説明するための目的で使用されたに過ぎず、意味の限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使用されたものではない。従って、本技術分野の通常の知識を有する者であれば、そこから様々な変形及び均等な他の実施形態が可能であるというが理解できるだろう。従って、本発明の本当の技術的保護範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的思想によって定まるべきである。
【符号の説明】
【0142】
PXija 画素
T1a 第1トランジスタ
T2a 第2トランジスタ
T3a 第3トランジスタ
CSa ストレージキャパシタ
LDa 発光ダイオード