(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】安定化剤を含有する糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物、糖化タンパク質測定試薬、糖化タンパク質の測定方法、糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法、及び糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法
(51)【国際特許分類】
C12N 9/96 20060101AFI20240917BHJP
C12Q 1/26 20060101ALI20240917BHJP
C12Q 1/37 20060101ALI20240917BHJP
C12Q 1/28 20060101ALI20240917BHJP
C12N 9/50 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
C12N9/96
C12Q1/26
C12Q1/37
C12Q1/28
C12N9/50
(21)【出願番号】P 2020113305
(22)【出願日】2020-06-30
【審査請求日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】P 2019122875
(32)【優先日】2019-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】303046299
【氏名又は名称】旭化成ファーマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】今野 翔太
【審査官】伊達 利奈
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-049063(JP,A)
【文献】特開2005-278626(JP,A)
【文献】特開2014-150772(JP,A)
【文献】国際公開第2018/021530(WO,A1)
【文献】国際公開第2006/079346(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12Q 1/00
C12N 9/00
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、
糖化アミノ酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、及びトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物と、
を備える糖化タンパク質測定試薬であって、
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物
が、
(1)4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼを含み、かつ、
(2)3-カルバモイルフェニルボロン酸、3-アセトアミドフェニルボロン酸、及び3-アミノフェニルボロン酸からなる群から選択される少なくとも一つの安定化剤をさらに含む、
糖化タンパク質測定試薬。
【請求項2】
液状である、請求項1に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項3】
(1)4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼと、(2)3-カルバモイルフェニルボロン酸、3-アセトアミドフェニルボロン酸、及び3-アミノフェニルボロン酸からなる群から選択される少なくとも一つの安定化剤と、が、予め混合されている、請求項1又は2に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項4】
前記安定化剤が
、プロピレングリコール
、トリメチレングリコール、2-カルボキシフェニルボロン酸、及び3-カルボキシフェニルボロン酸からなる群から選択される少なくとも一つをさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項5】
プロピレングリコールの濃度をa(wt/vol%)、トリメチレングリコールの濃度をb(wt/vol%)、2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度をc(wt/vol%)、3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度をd(wt/vol%)、3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度をe(wt/vol%)、3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度をf(wt/vol%)、3-アミノフェニルボロン酸の濃度をg(wt/vol%)として、aからgが下記(1)式を満たす、請求項
4に記載の糖化タンパク質測定試薬。
a*(1/600)+b*(1/800)+c*(1/4)+d*(1/6)+e*(1)+f*(1/2)+g*(1/4)≧0.05 (1)
【請求項6】
キレート剤をさらに含む、請求項1から
5のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項7】
前記キレート剤が、クエン酸又はその塩である、請求項
6に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項8】
前記キレート剤が、ナトリウム塩である、請求項
6又は
7に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項9】
前記フェロシアン化物が、フェロシアン化カリウムである、請求項1から
8のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項10】
2℃以上10℃以下で保存される、請求項1から
9のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項11】
2℃以上10℃以下で少なくとも1か月間保存可能である、請求項1から
10のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項12】
前記糖化タンパク質が糖化アルブミンである、請求項1から
11のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬。
【請求項13】
検体にトリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有部分組成物とを接触させることと、
検体中に存在する糖化タンパク質に依存する発色を検出することと、
を含み、
トリンダー試薬含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、及びトリンダー試薬を含み、
4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、(1)4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼを含み、かつ、(2)3-カルバモイルフェニルボロン酸、3-アセトアミドフェニルボロン酸、及び3-アミノフェニルボロン酸からなる群から選択される少なくとも一つの安定化剤をさらに含
み、
検体に前記トリンダー試薬含有部分組成物を接触せしめ、次いで、前記検体と前記トリンダー試薬含有部分組成物の混合液に前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物を接触せしめる、
糖化タンパク質の測定方法。
【請求項14】
前記トリンダー試薬含有部分組成物及び前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物を添加された検体に対して、糖化アルブミンの濃度に依存する吸光度を測定する、請求項
13に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【請求項15】
検体にトリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有部分組成物とを接触させることと、
検体中に存在する糖化タンパク質に依存する発色を検出することと、
を含み、
トリンダー試薬含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、及びトリンダー試薬を含み、
4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、(1)4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼを含み、かつ、(2)3-カルバモイルフェニルボロン酸、3-アセトアミドフェニルボロン酸、及び3-アミノフェニルボロン酸からなる群から選択される少なくとも一つの安定化剤をさらに含み、
前記検体に前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物を接触させる前に、前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物の(1)4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼと、(2)3-カルバモイルフェニルボロン酸、3-アセトアミドフェニルボロン酸、及び3-アミノフェニルボロン酸からなる群から選択される少なくとも一つの安定化剤と、が、予め混合され保存されている、
糖化タンパク質の測定方法。
【請求項16】
検体に前記トリンダー試薬含有部分組成物を接触せしめ、次いで、前記検体と前記トリンダー試薬含有部分組成物の混合液に前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物を接触せしめる、請求項15に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【請求項17】
糖化タンパク質測定試薬の安定化方法であって、
前記糖化タンパク質測定試薬が、
4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、
糖化アミノ酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、及びトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物と、
を備え、
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物に、(1)4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼと、(2)3-カルバモイルフェニルボロン酸、3-アセトアミドフェニルボロン酸、及び3-アミノフェニルボロン酸からなる群から選択される少なくとも一つの安定化剤と、を含有せしめること、
を含む、糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【請求項18】
糖化タンパク質測定試薬の保存方法であって、
前記糖化タンパク質測定試薬が、
4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、
糖化アミノ酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、及びトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物と、
を備え、
(1)4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼを含み、かつ、(2)3-カルバモイルフェニルボロン酸、3-アセトアミドフェニルボロン酸、及び3-アミノフェニルボロン酸からなる群から選択される少なくとも一つの安定化剤をさらに含む、
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物を調製することと、
前記4-アミノアンチピリン含有部分組成物を保存することと、
を含む、糖化タンパク質測定試薬の保存方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は検査薬に関し、糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物、糖化タンパク質測定試薬、糖化タンパク質の測定方法、糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法、及び糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病の診断及び管理を行う上で、糖化タンパク質の測定は重要であり、過去約1から2ヶ月の平均血糖値を反映する糖化ヘモグロビン(HbA1c等)、過去約2週間の平均血糖値を反映する糖化アルブミン(GA)、及び血清中の糖化タンパク質の総称であるフルクトサミン(FRA)等が日常的に測定されている。
【0003】
精度が高く、安価で、簡便に糖化タンパク質を測定する方法として、酵素法が挙げられる。例えば特許文献1、2は、糖化タンパク質にプロテアーゼを作用させ、生じた糖化アミノ酸又は糖化ペプチドに作用するケトアミンオキシダーゼを用いて過酸化水素を発生させ、さらにペルオキシダーゼ、トリンダー試薬、4-アミノアンチピリンを用いて比色定量することで血清中の糖化タンパク質を測定できることを記載している。特許文献3は、糖化タンパク質にプロテアーゼを作用させ、生じた糖化アミノ酸又は糖化ペプチドに作用するケトアミンオキシダーゼを用いた際の酸素の消費量を発色反応又は酸素電極で測定することで血清中の糖化タンパク質を測定できることを記載している。特許文献4、5は、具体的に、糖化ヘモグロビンや糖化アルブミンにプロテアーゼを作用させ、生じた糖化アミノ酸又は糖化ペプチドに作用するケトアミンオキシダーゼを用いて過酸化水素を発生させ、さらにペルオキシダーゼ、トリンダー試薬、及び4-アミノアンチピリンを用いて比色定量することで糖化ヘモグロビンや糖化アルブミンを測定できることを記載している。
【0004】
現在、酵素法の測定試薬としては液状品が主流となっており、さらに、保存安定性を考慮して、試薬成分を2つの液状保存用部分組成物に分けた2試薬系が主流となっている。2つの液状保存用部分組成物は、それぞれ、第1試薬、第2試薬と呼ばれることがある。糖化タンパク質測定試薬においては、プロテアーゼによるケトアミンオキシダーゼの分解を防ぐためにケトアミンオキシダーゼとプロテアーゼを別々の液状保存用部分組成物に含有させ、保存中の自然発色を防ぐためにトリンダー試薬と4-アミノアンチピリンを別々の液状保存用部分組成物に含有させるのが好ましい。しかしながら2試薬系でもなお保存安定性が不十分であることから、保存安定性を向上させるための種々の技術が提供されている。
【0005】
例えば、特許文献5は、糖アルコール、スクロース、水溶性マグネシウム塩、水溶性カルシウム塩、硫安、アミノ酸、又はザルコシンを測定試薬に含有させることでケトアミンオキシダーゼの安定性を向上させ、測定試薬の保存安定性を改善できることを記載している。また、特許文献5は、ジメチルスルホキシド、アルコール、水溶性カルシウム塩、食塩、第四級アンモニウム塩、又は第四級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤を測定試薬に含有させることでプロテアーゼの安定性を向上させ、測定試薬の安定性を改善できることを記載している。特許文献6は、ポリアミノカルボン酸系のキレート試薬と、アンモニウム塩、オキシカルボン酸系のキレート試薬、糖アルコール類、アミノ酸類より選ばれる1種以上の試薬と、を共存させることで、フルクトシルペプチドオキシダーゼを含む液状の測定試薬の保存安定性を改善できることを記載している。特許文献7は、キレート剤を測定試薬に含有させることでケトアミンオキシダーゼ及びアスコルビン酸オキシダーゼの安定性を向上させ、測定試薬の保存安定性を改善できることを記載している。特許文献8は、緩衝剤や4-アミノアンチピリンの濃度を上げることで、測定試薬の保存安定性を改善できることを記載している。
【0006】
また、測定試薬に関する言及はないものの、特許文献9は、プロテアーゼ阻害剤としてホウ酸、ボロン酸、フェニルボロン酸を含有することで液体洗剤中のプロテアーゼの貯蔵安定性を改善できると記載している。特許文献10は、油中水エマルジョン中の酵素としてのプロテアーゼを安定化させるために、ポリオールが有効であることを記載している。特許文献11、12は、液体洗剤組成物中のペプチドアルデヒド、カルシウムイオン、ホウ素組成物、ポリオール、及び塩酸ベンズアミジンが、プロテアーゼの安定化剤として用いられることができると記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開平6-46846号公報
【文献】特開平5-192193号公報
【文献】特開平2-195900号公報
【文献】国際公開第1997/13872号
【文献】国際公開第2002/061119号
【文献】特開2006-325547号公報
【文献】特開2004-129531号公報
【文献】特開2005-298632号公報
【文献】国際公開第1996/041859号
【文献】国際公開第1995/028092号
【文献】国際公開第98/13462号
【文献】国際公開第98/13459号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、従来、測定試薬やプロテアーゼの様々な安定化方法が提案されているが、4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼを含む試薬を十分に安定化させる方法はない。そこで、本発明は、4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼを含みながら安定な糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物、糖化タンパク質測定試薬、糖化タンパク質の測定方法、糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法、及び糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法を提供することを課題の一部とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明者は鋭意研究を行った結果、4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼを含む試薬に、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、2-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルバモイルフェニルボロン酸、3-アセトアミドフェニルボロン酸、及び3-アミノフェニルボロン酸からなる群から選択される少なくとも一つを添加すると、試薬が安定することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明としては以下のものが挙げられる。
【0010】
[1]糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物であって、(1)4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼを含み、かつ、(2)プロピレングリコール、トリメチレングリコール、2-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルバモイルフェニルボロン酸、3-アセトアミドフェニルボロン酸、及び3-アミノフェニルボロン酸からなる群から選択される少なくとも一つの安定化剤をさらに含む、糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0011】
[2]液状である、[1]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0012】
[3](1)4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼと、(2)プロピレングリコール、トリメチレングリコール、2-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルバモイルフェニルボロン酸、3-アセトアミドフェニルボロン酸、及び3-アミノフェニルボロン酸からなる群から選択される少なくとも一つの安定化剤と、が、予め混合されている、[1]又は[2]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0013】
[4]包装されている、[1]から[3]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0014】
[5]安定化剤がプロピレングリコールである、[1]から[4]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0015】
[6]安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸である、[1]から[4]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0016】
[7]プロピレングリコールの濃度をa(wt/vol%)、トリメチレングリコールの濃度をb(wt/vol%)、2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度をc(wt/vol%)、3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度をd(wt/vol%)、3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度をe(wt/vol%)、3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度をf(wt/vol%)、3-アミノフェニルボロン酸の濃度をg(wt/vol%)として、aからgが下記(1)式を満たす、[1]から[4]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
a*(1/600)+b*(1/800)+c*(1/4)+d*(1/6)+e*(1)+f*(1/2)+g*(1/4)≧0.05 (1)
【0017】
[8]安定化剤がプロピレングリコールであり、当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が30wt/vol%以上80wt/vol%以下である、[1]から[4]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0018】
[9]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が30wt/vol%以上である、[8]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0019】
[10]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が35wt/vol%以上である、[8]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0020】
[11]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が80wt/vol%以下である、[8]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0021】
[12]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が60wt/vol%以下である、[8]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0022】
[13]安定化剤がトリメチレングリコールであり、当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が40wt/vol%以上80wt/vol%以下である、[1]から[4]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0023】
[14]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が40wt/vol%以上である、[13]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0024】
[15]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が45wt/vol%以上である、[13]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0025】
[16]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が80wt/vol%以下である、[13]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0026】
[17]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が70wt/vol%以下である、[13]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0027】
[18]安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸であり、当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上10wt/vol%以下である、[1]から[4]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0028】
[19]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上である、[18]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0029】
[20]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.4wt/vol%以上である、[18]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0030】
[21]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が10wt/vol%以下である、[18]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0031】
[22]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[18]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0032】
[23]安定化剤が3-カルボキシフェニルボロン酸であり、当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.3wt/vol%以上10wt/vol%以下である、[1]から[4]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0033】
[24]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.3wt/vol%以上である、[23]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0034】
[25]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.5wt/vol%以上である、[23]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0035】
[26]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が10wt/vol%以下である、[23]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0036】
[27]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[23]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0037】
[28]安定化剤が3-カルバモイルフェニルボロン酸であり、当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が0.05wt/vol%以上5wt/vol%以下である、[1]から[4]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0038】
[29]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が0.05wt/vol%以上である、[28]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0039】
[30]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が0.1wt/vol%以上である、[28]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0040】
[31]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[28]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0041】
[32]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が2wt/vol%以下である、[28]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0042】
[33]安定化剤が3-アセトアミドフェニルボロン酸であり、当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が0.1wt/vol%以上10wt/vol%以下である、[1]から[4]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0043】
[34]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が0.1wt/vol%以上である、[33]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0044】
[35]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上である、[33]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0045】
[36]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が10wt/vol%以下である、[33]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0046】
[37]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[33]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0047】
[38]安定化剤が3-アミノフェニルボロン酸であり、当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上10wt/vol%以下である、[1]から[4]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0048】
[39]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上である、[38]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0049】
[40]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が0.4wt/vol%以上である、[38]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0050】
[41]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が10wt/vol%以下である、[38]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0051】
[42]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[38]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0052】
[43]キレート剤をさらに含む、[1]から[42]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0053】
[44]キレート剤が、クエン酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩、ニトリロトリス(メチルホスホン酸)及びその塩、シュウ酸及びその塩、ニトリロ三酢酸及びその塩、並びにN-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸及びその塩からなる群より選択される少なくとも1種である、[43]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0054】
[45]キレート剤が、クエン酸又はその塩である、[43]又は[44]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0055】
[46]キレート剤が、ナトリウム塩である、[43]から[45]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0056】
[47]キレート剤がクエン酸ナトリウムであり、安定化剤がプロピレングリコールである、[43]から[46]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0057】
[48]キレート剤がクエン酸ナトリウムであり、安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸である、[43]から[46]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0058】
[49]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が5μmol/L以上1000mmol/L以下である、[43]から[48]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0059】
[50]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が5μmol/L以上である、[49]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0060】
[51]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が10μmol/L以上である、[49]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0061】
[52]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が1000mmol/L以下である、[49]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0062】
[53]当該4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が100mmol/L以下である、[49]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0063】
[54]フェロシアン化物が、フェロシアン化カリウムである、[1]から[53]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0064】
[55]プロテアーゼがエンドペプチダーゼである、[1]から[54]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0065】
[56]プロテアーゼがセリンエンドペプチダーゼである、[1]から[54]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0066】
[57]プロテアーゼがBacillus由来又はTritirachium由来である、[1]から[54]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0067】
[58]糖化アミノ酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、及びトリンダー試薬を含まない、[1]から[57]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0068】
[59]2℃以上10℃以下で保存される、[1]から[58]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0069】
[60]2℃以上10℃以下で少なくとも1か月間保存可能である、[1]から[59]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0070】
[61]糖化タンパク質が糖化アルブミンである、[1]から[60]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物。
【0071】
[62][1]から[61]のいずれかに記載の4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、糖化アミノ酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、及びトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物と、を備える糖化タンパク質測定試薬。
【0072】
[63]4-アミノアンチピリンとトリンダー試薬とが組み合わされることにより、糖化タンパク質が存在する際に発色反応が生じ、発色反応に対応する吸光度から算出される濃度が0.1g/dL以上7.5g/dL以下の糖化タンパク質の検出に使用可能である、[62]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0073】
[64]液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で6か月間保存した後、トリンダー試薬含有部分組成物と組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度残存率が、液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で1か月間保存した場合と比較して92%以上100%以下である、[62]又は[63]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0074】
[65]液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で12か月間保存した後、トリンダー試薬含有部分組成物と組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度残存率が、液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で1か月間保存した場合と比較して88%以上100%以下である、[62]又は[63]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0075】
[66]液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を10℃で6か月間保存した後、トリンダー試薬含有部分組成物と組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度残存率が、液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で1か月間保存した場合と比較して87%以上100%以下である、[62]又は[63]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0076】
[67]液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を10℃で12か月間保存した後、トリンダー試薬含有部分組成物と組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度残存率が、液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で1か月間保存した場合と比較して78%以上100%以下である、[62]又は[63]に記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0077】
[68]トリンダー試薬含有部分組成物が液状である、[62]から[67]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0078】
[69]トリンダー試薬含有部分組成物において、糖化アミノ酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、及びトリンダー試薬が予め混合されている、[62]から[68]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0079】
[70]トリンダー試薬含有部分組成物が包装されている、[62]から[69]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0080】
[71]トリンダー試薬がN,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン2ナトリウムである、[62]から[70]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0081】
[72]糖化タンパク質が糖化アルブミンである、[62]から[71]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬。
【0082】
[73]検体にトリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有部分組成物とを接触させることと、
検体中に存在する糖化タンパク質に依存する発色を検出することと、
を含み、
トリンダー試薬含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、及びトリンダー試薬を含み、
4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、(1)4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼを含み、かつ、(2)プロピレングリコール、トリメチレングリコール、2-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルバモイルフェニルボロン酸、3-アセトアミドフェニルボロン酸、及び3-アミノフェニルボロン酸からなる群から選択される少なくとも一つの安定化剤をさらに含む、 糖化タンパク質の測定方法。
【0083】
[74]4-アミノアンチピリン含有部分組成物が液状である、[73]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0084】
[75]液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃以上10℃以下で少なくとも1か月間保存した後に実施される、[73]又は[74]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0085】
[76]4-アミノアンチピリン含有部分組成物において、(1)4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼと、(2)プロピレングリコール、トリメチレングリコール、2-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルバモイルフェニルボロン酸、3-アセトアミドフェニルボロン酸、及び3-アミノフェニルボロン酸からなる群から選択される少なくとも一つの安定化剤と、が、予め混合されている、[73]から[75]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0086】
[77]4-アミノアンチピリン含有部分組成物が包装されている、[73]から[76]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0087】
[78]安定化剤がプロピレングリコールである、[73]から[77]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0088】
[79]安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸である、[73]から[77]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0089】
[80]プロピレングリコールの濃度をa(wt/vol%)、トリメチレングリコールの濃度をb(wt/vol%)、2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度をc(wt/vol%)、3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度をd(wt/vol%)、3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度をe(wt/vol%)、3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度をf(wt/vol%)、3-アミノフェニルボロン酸の濃度をg(wt/vol%)として、aからgが下記(2)式を満たす、[73]から[77]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
a*(1/600)+b*(1/800)+c*(1/4)+d*(1/6)+e*(1)+f*(1/2)+g*(1/4)≧0.05 (2)
【0090】
[81]安定化剤がプロピレングリコールであり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が30wt/vol%以上80wt/vol%以下である、[73]から[77]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0091】
[82]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が30wt/vol%以上である、[81]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0092】
[83]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が35wt/vol%以上である、[81]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0093】
[84]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が80wt/vol%以下である、[81]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0094】
[85]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が60wt/vol%以下である、[81]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0095】
[86]安定化剤がトリメチレングリコールであり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が40wt/vol%以上80wt/vol%以下である、[73]から[77]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0096】
[87]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が40wt/vol%以上である、[86]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0097】
[88]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が45wt/vol%以上である、[86]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0098】
[89]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が80wt/vol%以下である、[86]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0099】
[90]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が70wt/vol%以下である、[86]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0100】
[91]安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸であり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上10wt/vol%以下である、[73]から[77]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0101】
[92]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上である、[91]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0102】
[93]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.4wt/vol%以上である、[91]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0103】
[94]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が10wt/vol%以下である、[91]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0104】
[95]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[91]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0105】
[96]安定化剤が3-カルボキシフェニルボロン酸であり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.3wt/vol%以上10wt/vol%以下である[73]から[77]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0106】
[97]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.3wt/vol%以上である、[96]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0107】
[98]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.5wt/vol%以上である、[96]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0108】
[99]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が10wt/vol%以下である、[96]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0109】
[100]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[96]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0110】
[101]安定化剤が3-カルバモイルフェニルボロン酸であり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が0.05wt/vol%以上5wt/vol%以下である、[73]から[77]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0111】
[102]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が0.05wt/vol%以上である、[101]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0112】
[103]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が0.1wt/vol%以上である、[101]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0113】
[104]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[101]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0114】
[105]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が2wt/vol%以下である、[101]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0115】
[106]安定化剤が3-アセトアミドフェニルボロン酸であり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が0.1wt/vol%以上10wt/vol%以下である、[73]から[77]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0116】
[107]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が0.1wt/vol%以上である、[106]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0117】
[108]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上である、[106]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0118】
[109]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が10wt/vol%以下である、[106]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0119】
[110]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[106]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0120】
[111]安定化剤が3-アミノフェニルボロン酸であり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上10wt/vol%以下である、[73]から[77]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0121】
[112]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上である、[111]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0122】
[113]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が0.4wt/vol%以上である、[111]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0123】
[114]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が10wt/vol%以下である、[111]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0124】
[115]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[111]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0125】
[116]4-アミノアンチピリン含有部分組成物がキレート剤をさらに含む、[73]から[115]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0126】
[117]キレート剤が、クエン酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩、ニトリロトリス(メチルホスホン酸)及びその塩、シュウ酸及びその塩、ニトリロ三酢酸及びその塩、並びにN-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種である、[116]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0127】
[118]キレート剤が、クエン酸又はその塩である、[116]又は[117]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0128】
[119]キレート剤が、ナトリウム塩である、[116]から[118]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0129】
[120]キレート剤がクエン酸ナトリウムであり、安定化剤がプロピレングリコールである、[116]から[119]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0130】
[121]キレート剤がクエン酸ナトリウムであり、安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸である、[116]から[119]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0131】
[122]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が5μmol/L以上1000mmol/L以下である、[116]から[121]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0132】
[123]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が5μmol/L以上である、[122]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0133】
[124]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が10μmol/L以上である、[122]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0134】
[125]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が1000mmol/L以下である、[122]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0135】
[126]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が100mmol/L以下である、[122]に記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0136】
[127]フェロシアン化物が、フェロシアン化カリウムである、[73]から[126]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0137】
[128]プロテアーゼがエンドペプチダーゼである、[73]から[127]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0138】
[129]プロテアーゼがセリンエンドペプチダーゼである、[73]から[127]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0139】
[130]プロテアーゼがBacillus由来又はTritirachium由来である、[73]から[127]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0140】
[131]濃度が0.1g/dL以上7.5g/dL以下の糖化タンパク質を検出可能である、[73]から[130]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0141】
[132]トリンダー試薬含有部分組成物及び4-アミノアンチピリン含有部分組成物を添加された検体に対して、糖化タンパク質の濃度に依存する吸光度を測定する、[73]から[131]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0142】
[133]4-アミノアンチピリンとトリンダー試薬とが組み合わされることにより、糖化タンパク質が存在する際に発色反応が生じ、発色反応に対応する吸光度から算出される濃度が0.1g/dL以上7.5g/dL以下の糖化タンパク質を検出可能である、[73]から[132]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0143】
[134]検体にトリンダー試薬含有部分組成物を接触せしめ、次いで、検体とトリンダー試薬含有部分組成物の混合液に4-アミノアンチピリン含有部分組成物を接触せしめる、[73]から[133]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0144】
[135]トリンダー試薬含有部分組成物において、糖化アミノ酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、及びトリンダー試薬が予め混合されている、[73]から[134]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0145】
[136]トリンダー試薬含有部分組成物が液状である、[73]から[135]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0146】
[137]トリンダー試薬含有部分組成物が包装されている、[73]から[136]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0147】
[138]トリンダー試薬がN,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン2ナトリウムである、[73]から[137]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0148】
[139]糖化タンパク質が糖化アルブミンである、[73]から[138]のいずれかに記載の糖化タンパク質の測定方法。
【0149】
[140]糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法であって、
糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物に、(1)4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼと、(2)プロピレングリコール、トリメチレングリコール、2-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルバモイルフェニルボロン酸、3-アセトアミドフェニルボロン酸、及び3-アミノフェニルボロン酸からなる群から選択される少なくとも一つの安定化剤と、を含有せしめること、
を含む、糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0150】
[141]4-アミノアンチピリン含有部分組成物が液状である、[140]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0151】
[142]4-アミノアンチピリン含有部分組成物を包装することをさらに含む、[140]又は[141]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0152】
[143]安定化剤がプロピレングリコールである、[140]から[142]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0153】
[144]安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸である、[140]から[142]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0154】
[145]プロピレングリコールの濃度をa(wt/vol%)、トリメチレングリコールの濃度をb(wt/vol%)、2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度をc(wt/vol%)、3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度をd(wt/vol%)、3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度をe(wt/vol%)、3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度をf(wt/vol%)、3-アミノフェニルボロン酸の濃度をg(wt/vol%)として、aからgが下記(3)式を満たす、[140]から[142]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
a*(1/600)+b*(1/800)+c*(1/4)+d*(1/6)+e*(1)+f*(1/2)+g*(1/4)≧0.05 (3)
【0155】
[146]安定化剤がプロピレングリコールであり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が30wt/vol%以上80wt/vol%以下である、[140]から[142]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0156】
[147]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が30wt/vol%以上である、[146]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0157】
[148]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が35wt/vol%以上である、[146]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0158】
[149]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が80wt/vol%以下である、[146]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0159】
[150]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が60wt/vol%以下である、[146]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0160】
[151]安定化剤がトリメチレングリコールであり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が40wt/vol%以上80wt/vol%以下である、[140]から[142]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0161】
[152]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が40wt/vol%以上である、[151]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0162】
[153]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が45wt/vol%以上である、[151]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0163】
[154]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が80wt/vol%以下である、[151]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0164】
[155]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が70wt/vol%以下である、[151]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0165】
[156]安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸であり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上10wt/vol%以下である、[140]から[142]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0166】
[157]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上である、[156]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0167】
[158]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.4wt/vol%以上である、[156]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0168】
[159]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が10wt/vol%以下である、[156]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0169】
[160]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[156]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0170】
[161]安定化剤が3-カルボキシフェニルボロン酸であり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.3wt/vol%以上10wt/vol%以下である、[140]から[142]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0171】
[162]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.3wt/vol%以上である、[161]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0172】
[163]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.5wt/vol%以上である、[161]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0173】
[164]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が10wt/vol%以下である、[161]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0174】
[165]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[161]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0175】
[166]安定化剤が3-カルバモイルフェニルボロン酸であり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が0.05wt/vol%以上5wt/vol%以下である、[140]から[142]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0176】
[167]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が0.05wt/vol%以上である、[166]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0177】
[168]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が0.1wt/vol%以上である、[166]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0178】
[169]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[166]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0179】
[170]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が2wt/vol%以下である、[166]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0180】
[171]安定化剤が3-アセトアミドフェニルボロン酸であり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が0.1wt/vol%以上10wt/vol%以下である、[140]から[142]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0181】
[172]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が0.1wt/vol%以上である、[171]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0182】
[173]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上である、[171]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0183】
[174]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が10wt/vol%以下である、[171]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0184】
[175]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[171]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0185】
[176]安定化剤が3-アミノフェニルボロン酸であり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上10wt/vol%以下である、[140]から[142]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0186】
[177]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上である、[176]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0187】
[178]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が0.4wt/vol%以上である、[176]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0188】
[179]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が10wt/vol%以下である、[176]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0189】
[180]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[176]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0190】
[181]糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物にキレート剤をさらに含有せしめる、[140]から[180]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0191】
[182]キレート剤が、クエン酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩、ニトリロトリス(メチルホスホン酸)及びその塩、シュウ酸及びその塩、ニトリロ三酢酸及びその塩、並びにN-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種である、[181]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0192】
[183]キレート剤が、クエン酸又はその塩である、[181]又は[182]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0193】
[184]キレート剤が、ナトリウム塩である、[181]から[183]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0194】
[185]キレート剤がクエン酸ナトリウムであり、安定化剤がプロピレングリコールである、[181]から[184]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0195】
[186]キレート剤がクエン酸ナトリウムであり、安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸である、[181]から[184]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0196】
[187]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が5μmol/L以上1000mmol/L以下である、[181]から[186]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0197】
[188]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が5μmol/L以上である、[187]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0198】
[189]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が10μmol/L以上である、[187]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0199】
[190]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が1000mmol/L以下である、[187]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0200】
[191]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が100mmol/L以下である、[187]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0201】
[192]フェロシアン化物が、フェロシアン化カリウムである、[140]から[191]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0202】
[193]プロテアーゼがエンドペプチダーゼである、[140]から[192]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0203】
[194]プロテアーゼがセリンエンドペプチダーゼである、[140]から[192]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0204】
[195]プロテアーゼがBacillus由来又はTritirachium由来である、[140]から[192]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0205】
[196]4-アミノアンチピリン含有部分組成物に、糖化アミノ酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、及びトリンダー試薬を含有せしめない、[140]から[195]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0206】
[197]4-アミノアンチピリン含有部分組成物が2℃以上10℃以下で保存される、[140]から[196]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0207】
[198]4-アミノアンチピリン含有部分組成物が2℃以上10℃以下で少なくとも1か月間保存可能である、[140]から[197]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0208】
[199]4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、及びトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物と組み合わせて使用可能である、[140]から[198]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0209】
[200]4-アミノアンチピリンとトリンダー試薬とが組み合わされることにより、糖化タンパク質が存在する際に発色反応が生じ、発色反応に対応する吸光度から算出される濃度が0.1g/dL以上7.5g/dL以下の糖化タンパク質の検出に、糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物が使用可能である[199]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0210】
[201]液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で6か月間保存した後、トリンダー試薬含有部分組成物と組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度残存率が、液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で1か月間保存した場合と比較して92%以上100%以下である、[199]又は[200]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0211】
[202]液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で12か月間保存した後、トリンダー試薬含有部分組成物と組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度残存率が、液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で1か月間保存した場合と比較して88%以上100%以下である、[199]又は[200]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0212】
[203]液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を10℃で6か月間保存した後、トリンダー試薬含有部分組成物と組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度残存率が、液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で1か月間保存した場合と比較して87%以上100%以下である、[199]又は[200]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0213】
[204]液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を10℃で12か月間保存した後、トリンダー試薬含有部分組成物と組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度残存率が、液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で1か月間保存した場合と比較して78%以上100%以下である、[199]又は[200]に記載の糖化タンパク質測定試薬の安定化方法。
【0214】
[205]トリンダー試薬含有部分組成物が液状である、[199]から[204]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0215】
[206]トリンダー試薬含有部分組成物が包装されている、[199]から[205]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0216】
[207]トリンダー試薬がN,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン2ナトリウムである、[199]から[206]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0217】
[208]糖化タンパク質が糖化アルブミンである、[140]から[207]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法。
【0218】
[209]糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法であって、
(1)4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼを含み、かつ、(2)プロピレングリコール、トリメチレングリコール、2-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルバモイルフェニルボロン酸、3-アセトアミドフェニルボロン酸、及び3-アミノフェニルボロン酸からなる群から選択される少なくとも一つの安定化剤をさらに含む、糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を調製することと、
4-アミノアンチピリン含有部分組成物を保存することと、
を含む、糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0219】
[210]糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物が液状である、[209]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0220】
[211]糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を包装して保存する、[209]又は[210]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0221】
[212]安定化剤がプロピレングリコールである、[209]から[211]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0222】
[213]安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸である、[209]から[211]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0223】
[214]プロピレングリコールの濃度をa(wt/vol%)、トリメチレングリコールの濃度をb(wt/vol%)、2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度をc(wt/vol%)、3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度をd(wt/vol%)、3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度をe(wt/vol%)、3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度をf(wt/vol%)、3-アミノフェニルボロン酸の濃度をg(wt/vol%)として、aからgが下記(4)式を満たす、[209]から[211]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
a*(1/600)+b*(1/800)+c*(1/4)+d*(1/6)+e*(1)+f*(1/2)+g*(1/4)≧0.05 (4)
【0224】
[215]安定化剤がプロピレングリコールであり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が30wt/vol%以上80wt/vol%以下である、[209]から[211]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0225】
[216]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が30wt/vol%以上である、[215]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0226】
[217]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が35wt/vol%以上である、[215]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0227】
[218]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が80wt/vol%以下である、[215]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0228】
[219]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度が60wt/vol%以下である、[215]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0229】
[220]安定化剤がトリメチレングリコールであり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が40wt/vol%以上80wt/vol%以下である、[209]から[211]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0230】
[221]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が40wt/vol%以上である、[220]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0231】
[222]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が45wt/vol%以上である、[220]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0232】
[223]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が80wt/vol%以下である、[220]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0233】
[224]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度が70wt/vol%以下である、[220]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0234】
[225]安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸であり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上10wt/vol%以下である、[209]から[211]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0235】
[226]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上である、[225]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0236】
[227]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.4wt/vol%以上である、[225]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0237】
[228]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が10wt/vol%以下である、[225]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0238】
[229]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[225]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0239】
[230]安定化剤が3-カルボキシフェニルボロン酸であり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.3wt/vol%以上10wt/vol%以下である、[209]から[211]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0240】
[231]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.3wt/vol%以上である、[230]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0241】
[232]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が0.5wt/vol%以上である、[230]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0242】
[233]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が10wt/vol%以下である、[230]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0243】
[234]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[230]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0244】
[235]安定化剤が3-カルバモイルフェニルボロン酸であり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が0.05wt/vol%以上5wt/vol%以下である、[209]から[211]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0245】
[236]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が0.05wt/vol%以上である、[235]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0246】
[237]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が0.1wt/vol%以上である、[235]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0247】
[238]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[235]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0248】
[239]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度が2wt/vol%以下である、[235]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0249】
[240]安定化剤が3-アセトアミドフェニルボロン酸であり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が0.1wt/vol%以上10wt/vol%以下である、[209]から[211]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0250】
[241]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が0.1wt/vol%以上である、[240]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0251】
[242]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上である、[240]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0252】
[243]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が10wt/vol%以下である、[240]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0253】
[244]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[240]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0254】
[245]安定化剤が3-アミノフェニルボロン酸であり、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上10wt/vol%以下である、[209]から[211]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0255】
[246]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が0.2wt/vol%以上である、[245]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0256】
[247]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が0.4wt/vol%以上である、[245]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0257】
[248]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が10wt/vol%以下である、[245]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0258】
[249]4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度が5wt/vol%以下である、[245]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0259】
[250]4-アミノアンチピリン含有部分組成物がキレート剤をさらに含む、[209]から[249]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0260】
[251]キレート剤が、クエン酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩、ニトリロトリス(メチルホスホン酸)及びその塩、シュウ酸及びその塩、ニトリロ三酢酸及びその塩、並びにN-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種である、[250]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0261】
[252]キレート剤が、クエン酸又はその塩である、[250]又は[251]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0262】
[253]キレート剤が、ナトリウム塩である、[250]から[252]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0263】
[254]キレート剤がクエン酸ナトリウムであり、安定化剤がプロピレングリコールである、[250]又は[251]に記載の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0264】
[255]キレート剤がクエン酸ナトリウムであり、安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸である、[250]又は[251]に記載の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0265】
[256]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が5μmol/L以上1000mmol/L以下である、[250]から[255]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法の保存方法。
【0266】
[257]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が5μmol/L以上である、[256]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0267】
[258]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が10μmol/L以上である、[256]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0268】
[259]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が1000mmol/L以下である、[256]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0269】
[260]4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるキレート剤の濃度が100mmol/L以下である、[256]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0270】
[261]フェロシアン化物が、フェロシアン化カリウムである、[209]から[260]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0271】
[262]プロテアーゼがエンドペプチダーゼである、[209]から[261]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0272】
[263]プロテアーゼがセリンエンドペプチダーゼである、[209]から[261]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0273】
[264]プロテアーゼがBacillus由来又はTritirachium由来である、[209]から[261]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0274】
[265]糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物に、糖化アミノ酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、及びトリンダー試薬を含有せしめない、[209]から[264]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0275】
[266]4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃以上10℃以下で保存する、[209]から[265]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0276】
[267]4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃以上10℃以下で少なくとも1か月間保存する、[209]から[266]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0277】
[268]保存された4-アミノアンチピリン含有部分組成物が、糖化アミノ酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、及びトリンダー試薬を含むトリンダー試薬含有部分組成物と組み合わせて使用可能である、[209]から[267]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0278】
[269]4-アミノアンチピリンとトリンダー試薬とが組み合わされることにより、糖化タンパク質が存在する際に発色反応が生じ、発色反応に対応する吸光度から算出される濃度が0.1g/dL以上7.5g/dL以下の糖化タンパク質の検出に、保存された4-アミノアンチピリン含有部分組成物が使用可能である、[268]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0279】
[270]液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で6か月間保存した後、トリンダー試薬含有部分組成物と組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度残存率が、液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で1か月間保存した場合と比較して92%以上100%以下である、[268]又は[269]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0280】
[271]液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で12か月間保存した後、トリンダー試薬含有部分組成物と組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度残存率が、液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で1か月間保存した場合と比較して88%以上100%以下である、[268]又は[269]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0281】
[272]液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を10℃で6か月間保存した後、トリンダー試薬含有部分組成物と組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度残存率が、液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で1か月間保存した場合と比較して87%以上100%以下である、[268]又は[269]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0282】
[273]液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を10℃で12か月間保存した後、トリンダー試薬含有部分組成物と組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度残存率が、液状の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を2℃で1か月間保存した場合と比較して78%以上100%以下である、[268]又は[269]に記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0283】
[274]トリンダー試薬含有部分組成物が液状である、[268]から[273]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0284】
[275]トリンダー試薬含有部分組成物が包装されている、[268]から[274]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0285】
[276]トリンダー試薬がN,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン,2ナトリウムである、[268]から[275]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【0286】
[277]糖化タンパク質が糖化アルブミンである、[209]から[276]のいずれかに記載の糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法。
【発明の効果】
【0287】
本発明によれば、4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼを含みながら安定な糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物、糖化タンパク質測定試薬、糖化タンパク質の測定方法、糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の安定化方法、及び糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存方法を提供することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0288】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下において、「実施形態」という。)について詳細に説明する。なお以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は構成部材の組み合わせ等を下記のものに特定するものではない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において種々の変更を加えることができる。
【0289】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物は、(1)4-アミノアンチピリン、フェロシアン化物、及びプロテアーゼを含み、かつ、(2)プロピレングリコール、トリメチレングリコール、2-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルバモイルフェニルボロン酸、3-アセトアミドフェニルボロン酸、及び3-アミノフェニルボロン酸からなる群から選択される少なくとも一つの安定化剤をさらに含む。
【0290】
本開示において、試薬とは、測定対象を測定する試薬であり、例えば部分組成物の集合体である。試薬は、それのみで測定対象を検出可能である。部分組成物とは、試薬の一部を構成する組成物である。部分組成物は、それのみでは測定対象を測定することができない。
【0291】
糖化タンパク質は、例えば糖化アルブミン(GA)、糖化ヘモグロビン(HbA1c等)である。
【0292】
糖化アルブミン等の糖化タンパク質を測定する際、実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物は、トリンダー試薬含有部分組成物と組み合わせて使用され得る。トリンダー試薬含有部分組成物は、糖化アミノ酸オキシダーゼ、トリンダー試薬、及びペルオキシダーゼを含み得る。実施形態に係る4-アミノアンチピリン含有部分組成物は、糖化アミノ酸オキシダーゼ、トリンダー試薬、及びペルオキシダーゼを含まないことが好ましい。
【0293】
実施形態に係る4-アミノアンチピリン含有部分組成物は液状であってもよく、トリンダー試薬含有部分組成物と混合されるまで保存されてもよい。トリンダー試薬含有部分組成物は液状であってもよく、実施形態に係る4-アミノアンチピリン含有部分組成物と混合されるまで保存されてもよい。実施形態に係る4-アミノアンチピリン含有部分組成物の含有物は、予め混合されていてもよい。トリンダー試薬含有部分組成物の含有物は、予め混合されていてもよい。実施形態に係る4-アミノアンチピリン含有部分組成物とトリンダー試薬含有部分組成物は、それぞれ、包装されてもよい。
【0294】
実施形態に係る4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、トリンダー試薬含有部分組成物と、測定対象の検体(サンプル検体)に含まれるグルコースが結合したタンパク質(糖化タンパク質)と、を接触させると、糖化タンパク質がプロテアーゼにより糖化アミノ酸あるいは糖化ペプチドに分解される。糖化アミノ酸あるいは糖化ペプチドは、糖化アミノ酸オキシダーゼによりアミノ酸あるいはペプチドとグルコソンに分解される。また、この際、糖化アミノ酸オキシダーゼにより、水と酸素が反応して、過酸化水素が生じる。トリンダー試薬と、4-アミノアンチピリンと、は、過酸化水素及びペルオキシダーゼの存在下、酸化縮合反応し呈色する。例えばトリンダー試薬として、N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン,2ナトリウム(TODB)を用いた場合、青紫色に呈色する発色反応が生じる。青紫色の呈色は、波長546nmにおける吸光度の測定により検出される。波長546nmにおける吸光度に基づき、検体に含まれる糖化タンパク質の濃度が定量化される。
【0295】
糖化タンパク質の濃度を測定する際、サンプル検体に最初にトリンダー試薬含有部分組成物を添加すると、サンプル検体に混在する遊離の糖化アミノ酸あるいは糖化ペプチドが消去されるので、好ましいことが知られている。実施形態に係る部分組成物の通常の使用方法においては、サンプル検体に最初にトリンダー試薬含有部分組成物を添加し、数分、例えば5分から10分程度、サンプル検体とトリンダー試薬含有部分組成物の混合物を放置して、その後、当該混合物に実施形態に係る4-アミノアンチピリン含有部分組成物を添加し、発色の程度を測定することによって、糖化タンパク質が測定できる。ただし、場合によっては、サンプル検体に添加する際に、トリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有部分組成物とを同時に添加混合してもよいし、トリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有部分組成物を予め添加して直ぐに使用してもよいし、先ず4-アミノアンチピリン含有部分組成物をサンプル検体に添加し、その後、トリンダー試薬含有部分組成物を添加してもよい。
【0296】
糖化タンパク質を定量するためには、通常、糖化タンパク質濃度が既知である1つ以上の検量用物質(キャリブレーター)を測定し、キャリブレーションを行うことが多い。キャリブレーターの作成方法やキャリブレーション方法としては公知情報に基づき当業者は実施することができるが、例えば、国際公開第2001/094618号や特開2005-261383号公報等の記載を参考に適宜実施することができる。また、測定試薬保存中の感度低下による測定値の変動を補正するために、例えば1か月に1回等定期的にキャリブレーションを行うのが通常である。
【0297】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含まれるプロテアーゼとしては、ヒトタンパク質由来の糖化タンパク質を分解して糖化アミノ酸又は糖化ペプチドを有効に生成するものであればよい。プロテアーゼは、例えば、エンドペプチダーゼである。エンドペプチダーゼの例としては、セリンエンドペプチダーゼが挙げられる。プロテアーゼは、バチルス(Bacillus)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、トリチラチウム(Tritirachium)属、及びアスペルギルス(Aspergillus)属等の微生物由来プロテアーゼが好ましい。バチルス属由来プロテアーゼの例としては、アルカラーゼ、ニュートラーゼ、エスペラーゼ、サビナーゼ(以上、ノボザイムズ社製)ビオプラーゼ OP、ビオプラーゼ SP-20FG、ビオプラーゼ 30L、ビオプラーゼ 30G、ビオプラーゼ AL-15FG、ビオプラーゼ APL-30、プロテアーゼCL-15(以上、ナガセケムテックス社製)、プロチン SD PC-10CF、サモアーゼ PC-10F、プロチン SD-AY10、プロチン SD-NY10(以上、アマノエンザイム社製)、Multifect PR6L、Optimase PR40L、Optimase PR40X、Optimase PR40E(以上、ダニスコジャパン社製)、オリエンターゼ 22BF、ヌクレイシン、オリエンターゼ10NL、オリエンターゼ90N(以上、エイチビイアイ社製)、アロアーゼ AP-10、アロアーゼ NP-10、アロアーゼ XA-10(以上、ヤクルト薬品工業社製)、サブチリシン、細菌プロテイナーゼ タイプ XXIV、プロテアーゼ Bacillus licheniformis由来 タイプ VIII、プロテアーゼ Bacillus polymyxa由来 タイプ IX、サーモリシン Geobacillus Stearothermophilus由来 タイプ X、プロテアーゼ Bacillus polymyxa由来 タイプ XV、細菌プロテイナーゼ タイプ XXIV、プロテアーゼ Bacillus sp.由来 タイプ XXVII、プロテアーゼ Bacillus licheniformis由来 タイプ XXXI(以上、シグマ社製)、サーモリシン(富士フイルム和光純薬社製)、ディスパーゼI、ディスパーゼII(以上、合同酒精社製)、Neutral Proteinase(TOYOBO USA社製)等が挙げられる。ストレプトマイセス属由来プロテアーゼの例としては、プロナーゼ、プロテアーゼ Streptomyces griseus由来 タイプ XIV(以上、シグマ社製)、Alkalophilic proteinase(TOYOBO USA社製)、デナチーム PMC SOFTER(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。トリチラチウム属由来プロテアーゼの例としては、プロテイナーゼK(シグマ社製)等が挙げられる。アスペルギルス属由来プロテアーゼの例としては、プロテアーゼ P「アマノ」3SD、プロテアーゼ A「アマノ」SD、プロテアーゼ M「アマノ」SD(以上、アマノエンザイム社製)、スミチーム MP、スミチーム LPL-G、スミチーム LP50D、スミチーム AP(以上、新日本化学工業社製)、オリエンターゼ OP、オリエンターゼ AY(以上、エイチビイアイ社製)、プロテアーゼ Aspergillus saitoi由来 タイプ XIII、プロテアーゼ Aspergillus sojae由来 タイプ XIX、プロテアーゼ Aspergillus melleus由来 タイプ XXIII、プロテアーゼ Aspergillus oryzae由来(以上、シグマ社製)、デナチーム AP、デナプシン 2P(以上、ナガセケムテックス社製)、パンチダーゼ NP-2、パンチダーゼ MP、パンチダーゼ P(以上、ヤクルト薬品工業社製)等が挙げられる。これらのうち、アルカラーゼ、ビオプラーゼ SP-20FG、プロチン SD-AY10、Multifect PR6L、Optimase PR40L、アロアーゼ XA-10、サブチリシン、プロナーゼ、プロテイナーゼK、PR"Amano"Kが好適である。
【0298】
また別の観点から実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含まれるプロテアーゼとしては、例えば、酵素番号がEC:3.4、又はEC:3.4.21のプロテアーゼが好ましい例として挙げられる。またEC:3.4.21.62のプロテアーゼもさらに好ましい例として挙げられる。
【0299】
拘束されるものではないが、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、2-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルバモイルフェニルボロン酸、3-アセトアミドフェニルボロン酸、及び3-アミノフェニルボロン酸は、プロテアーゼを安定化するものと考えられる。安定化剤は、有効濃度、溶解度、及びコスト等の観点から、好ましくは、プロピレングリコール又は2-カルボキシフェニルボロン酸である。
【0300】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物はジメチルスルホキシドを含まなくてもよい。
【0301】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含まれるフェロシアン化物は、検体に含まれるビリルビンが糖化タンパク質の測定に影響を与えることを抑制する。フェロシアン化物の例としては、フェロシアンイオンを含有するいずれの化合物であってもよく、フェロシアン化カリウム(Fe(CN)6K4)及びフェロシアン化ナトリウム(Fe(CN)6Na4)などが挙げられる。
【0302】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物は、キレート剤をさらに含んでいてもよい。キレート剤は、糖化タンパク質測定試薬の感度の低下を抑制する。キレート剤の塩を使用すると、pH変動が抑制されるため好ましい。キレート剤の例としては、クエン酸及びその塩、リンゴ酸及びその塩、ニトリロトリス(メチルホスホン酸)及びその塩、シュウ酸及びその塩、ニトリロ三酢酸及びその塩、並びにN-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸及びその塩が挙げられる。好ましいキレート剤は、例えば、クエン酸及びその塩である。
【0303】
キレート剤の塩としては、塩を形成するものであればその種類は特に限定されず、酸付加塩又は塩基付加塩のいずれであってもよく、双性イオンの形態をとっていてもよい。塩基付加塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基との塩基付加塩、あるいはメチルアミン、2-アミノエタノール、アルギニン、リジン、若しくはオルニチン等の有機塩基との塩基付加塩などが含まれる。これらのうち無機塩基との塩基付加塩が好適である。なお、代表的な塩基付加塩としては、ナトリウム塩が例示される。
【0304】
キレート剤の濃度は、実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を安定化するのに十分な濃度であればよく、下限としては、5μmol/L以上、好ましくは10μmol/L以上が例示される。また安定化の効果の程度は飽和する場合もあるので、費用等の観点から上限を決めることもでき、例えば、上限としては、1000mmol/L以下、好ましくは100mmol/L以下が例示される。
【0305】
有効濃度、溶解度、及びコスト等の観点から、安定化剤とキレート剤の好ましい組み合わせは、プロピレングリコールとクエン酸ナトリウム、あるいは2-カルボキシフェニルボロン酸とクエン酸ナトリウムである。
【0306】
トリンダー試薬含有部分組成物に含まれる糖化アミノ酸オキシダーゼとしてはヒトタンパク質由来の糖化アミノ酸あるいは糖化ペプチドに有効に作用する糖化アミノ酸オキシダーゼであればよく、その例としては、ギベレラ(Gibberella)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、カンジダ(Candida)属、ペニシリウム(Penicillium)属、フサリウム(Fusarium)属、アクレモニウム(Acremonium)属、デバリオマイゼス(Debaryomyces)属、及びコリネバクテリウム(Corynebacterium)属由来の糖化アミノ酸オキシダーゼ、並びにその遺伝子組み換え型糖化アミノ酸オキシダーゼ変異体等が挙げられる。さらに具体的には、ケトアミンオキシダーゼ(KAOD、旭化成ファーマ社製、Clinica Chimica Acta、2002年、324、p.61-71に記載)、変異型KAOD(KAOD-V、旭化成ファーマ社製、特許文献1に記載)、及びFAOD-E(キッコーマン社製)等が挙げられる。
【0307】
トリンダー試薬含有部分組成物に含まれるトリンダー試薬の例としては、具体的にはN-(3-スルホプロピル)アニリンナトリウム一水和物(HALPS)、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3-メチルアニリンナトリウム一水和物(TOPS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリンナトリウム一水和物(MAOS)、N-(3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリンナトリウム一水和物(HDAPS)、N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリンナトリウム(HDAOS)、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリンナトリウム一水和物(DAPS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリンナトリウム(DAOS)、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)アニリンナトリウム(ALPS)、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3-メトキシアニリンナトリウム一水和物(ADPS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3-メトキシアニリンナトリウム二水和物(ADOS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-m-トルイジン(TOOS)、N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン二ナトリウム(TODB)、及び3-ヒドロキシ-2,4,6-トリヨード安息香酸(HTIB)等が挙げられる。これらのうち、TOPS、ALPS、TOOS、及びTODBが好適である。
【0308】
TOPSを用いた場合の発色波長は550nmである。ALPSを用いた場合の発色波長は561nmである。TOOSを用いた場合の発色波長は555nmである。TODBを用いた場合の発色波長は550nmである。ただし、吸光度を測定する装置が測定する波長は、発色波長と厳密に一致している必要はない。例えば、波長546nmにおける吸光度を測定する装置で、TOPS、ALPS、TOOS、及びTODBのそれぞれを用いた場合の発色反応を測定することが可能である。
【0309】
なお、トリンダー試薬と4-アミノアンチピリンとを同一試薬中に含めると、自然に酸化縮合反応して保存中に呈色するため、トリンダー試薬はトリンダー試薬含有部分組成物に含有され、4-アミノアンチピリンは実施形態に係る4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含有される。
【0310】
従来、測定試薬や検体などに由来する過酸化物によって非特異的な発色反応が起こり、この非特異的な発色反応による吸光度が測定精度を低下させることがある。この非特異的な発色を試薬ブランクという。これに対し、トリンダー試薬含有部分組成物に含まれるペルオキシダーゼは、トリンダー試薬と4-アミノアンチピリンの酸化縮合反応を促進するとともに、過酸化物を消去して、試薬ブランクを低減する機能を有する。ペルオキシダーゼはいずれの由来のものも使用でき、その例としては、西洋わさび由来等の植物由来のペルオキシダーゼ、及び細菌由来、カビ由来などの微生物由来のペルオキシダーゼ等が挙げられる。具体的には、Peroxidase from horseradish(Sigma社製)、ペルオキシダーゼ、西洋わさび由来(和光純薬社製)、PO"AMANO"3(天野エンザイム社製)、及びPeroxidase(東洋紡エンザイム社製)等が挙げられる。
【0311】
実施形態に係る4-アミノアンチピリン含有部分組成物及びトリンダー試薬含有部分組成物のそれぞれは、溶媒として、水及び有機溶媒等をさらに含んでいてもよい。有機溶媒の例としては、アルコール系溶媒(炭素数1~18のアルコールが挙げられ、具体的には、メタノール、ブタノール、エチレングリコール、及びグリセリン等)、ケトン系溶媒(アセトン、及びメチルエチルケトン等)、並びにエーテル系溶媒等(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、及び環状エーテル等)が挙げられる。
【0312】
また、実施形態に係る4-アミノアンチピリン含有部分組成物及びトリンダー試薬含有部分組成物のそれぞれは、緩衝剤を含んでいてもよい。緩衝剤の例としては、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(TES)、3-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]プロパンスルホン酸(EPPS)、2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸(HEPES)、2-ヒドロキシ-3-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]プロパンスルホン酸(HEPPSO)、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)、N-(2-アセトアミド)イミノジ酢酸(ADA)、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン(Bicine)、ビス(2-ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis-Tris)、N-シクロヘキシル-3-アミノプロパンスルホン酸(CAPS)、N-シクロヘキシル-2-ヒドロキシ-3-アミノプロパンスルホン酸(CAPSO)、N-シクロヘキシル-2-アミノエタンスルホン酸(CHES)、3-[N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)、2-モルフォリノエタンスルホン酸(MES)、3-モルフォリノプロパンスルホン酸(MOPS)、2-ヒドロキシ-3-モルフォリノプロパンスルホン酸(MOPSO)、ピペラジン-1,4-ビス(2-エタンスルホン酸(PIPES)、ピペラジン-1,4-ビス(2-ヒドロキシ-3-プロパンスルホン酸)(POPSO)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPS)、2-ハイドロキシ-N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸(TAPSO)、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン(Tricine)、及びトリスヒドロキシメチルアミノメタン(Tris)、等を用いた緩衝剤、又はホウ酸、アンモニア、グリシン、炭酸、酢酸、リン酸、ジエタノールアミン、p-フェノールスルホン酸、2-アミノ-2-メチルプロパン-1,3-ジオール、カコジル酸、マレイン酸、ベロナール及び3,3-ジメチルグルタル酸等が挙げられる。
【0313】
また、実施形態に係る4-アミノアンチピリン含有部分組成物及びトリンダー試薬含有部分組成物のそれぞれは、その他の添加物として防腐剤、酵素の安定化剤、界面活性剤、及びその他の酵素等をさらに含んでいてもよい。防腐剤の例としては、アジ化ナトリウム、及びプロクリン(ProClin)等が挙げられる。酵素の安定化剤としては、保存中に酵素を安定化させる安定化剤であればいずれも利用可能であるが、例えば、シクロデキストリン、スクロース、マンノース、フルクトース、ラクトース、ガラクトース及びトレハロース等の糖、ソルビトール、マンニトール等の糖アルコールが挙げられる。界面活性剤としては、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤の何れを用いてもよく、例えば非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。また、両性界面活性剤の例としては、アルキルベタイン、酢酸ベタイン、スルホベタイン、及びアルキルアミンオキサイド等が挙げられる。その他の酵素としては、例えばアスコルビン酸オキシダーゼ、ビリルビンオキシダーゼ、カタラーゼ等が挙げられ、これは検体中に含まれるアスコルビン酸やビリルビン、また試薬中に含まれる過酸化物が測定値に影響を与えるのを抑制するために用いられる。
【0314】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物に含まれる4-アミノアンチピリンの濃度は、生じた過酸化水素と反応するのに十分な濃度であればよく、下限としては、0.01mmol/L以上、好ましくは0.1mmol/L以上、さらに好ましくは0.5mmol/L以上が例示される。また、上限としては、コストの観点から、100mmol/L以下、好ましくは50mmol/L以下、さらに好ましくは10mmol/L以下が例示される。フェロシアン化物の濃度は、検体に含まれるビリルビンが糖化タンパク質の測定に与える影響を抑制するのに十分な濃度であればよく、下限としては、0.001mmol/L以上、好ましくは0.01mmol/L以上、より好ましくは0.02mmol/L以上が例示される。また、コストの観点から、上限としては、10mmol/L以下、好ましくは1mmol/L以下、より好ましくは0.5mmol/L以下が例示される。
【0315】
プロテアーゼの濃度は、適当な時間内に糖化タンパク質を分解できる濃度であればよく、下限としては、100U/mL以上、好ましくは1kU/mL以上、より好ましくは10kU/mL以上が例示される。また、上限としては、コストの観点から、1000kU/mL以下、好ましくは200kU/mL以下、より好ましくは100kU/mL以下が例示される。
【0316】
安定化剤の濃度は、実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物を安定化するのに十分な濃度であればよい。また安定化の効果の程度が飽和する場合もあるので、費用等の観点から安定化剤の濃度の上限を決めてもよい。
【0317】
安定化剤がプロピレングリコールである場合、4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度の下限は、例えば、30wt/vol%以上、好ましくは35wt/vol%以上である。4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるプロピレングリコールの濃度の上限は、例えば、80wt/vol%以下、好ましくは60wt/vol%以下である。
【0318】
安定化剤がトリメチレングリコールである場合、4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度の下限は、例えば、40wt/vol%以上、好ましくは45wt/vol%以上である。また、4-アミノアンチピリン含有部分組成物におけるトリメチレングリコールの濃度の上限は、例えば、80wt/vol%以下、好ましくは70wt/vol%以下である。
【0319】
安定化剤が2-カルボキシフェニルボロン酸である場合、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度の下限は、例えば、0.2wt/vol%以上、好ましくは0.4%wt/vol以上である。4-アミノアンチピリン含有部分組成物における2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度の上限は、例えば、10wt/vol%以下、好ましくは5wt/vol%以下である。
【0320】
安定化剤が3-カルボキシフェニルボロン酸である場合、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度の下限は、例えば、0.3wt/vol%以上、好ましくは0.5wt/vol%以上である。4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度の上限は、例えば、10wt/vol%以下、好ましくは5wt/vol%以下である。
【0321】
安定化剤が3-カルバモイルフェニルボロン酸である場合、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度の下限は、例えば、0.05wt/vol%以上、好ましくは0.1wt/vol%以上である。4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度の上限は、例えば、5wt/vol%以下、好ましくは2wt/vol%以下である。
【0322】
安定化剤が3-アセトアミドフェニルボロン酸である場合、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度の下限は、例えば、0.1wt/vol%以上、好ましくは0.2wt/vol%以上である。4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度の上限は、例えば、10wt/vol%以下、好ましくは5wt/vol%以下である。
【0323】
安定化剤が3-アミノフェニルボロン酸である場合、4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度の下限は、例えば、0.2wt/vol%以上、好ましくは0.4wt/vol%以上である。4-アミノアンチピリン含有部分組成物における3-アミノフェニルボロン酸の濃度の上限は、例えば、10wt/vol%以下、好ましくは5wt/vol%以下である。
【0324】
まとめると、安定化剤の濃度の下限の例は、以下のとおりである。
プロピレングリコール:30wt/vol%以上
トリメチレングリコール:40wt/vol%以上
2-カルボキシフェニルボロン酸:0.2wt/vol%以上
3-カルボキシフェニルボロン酸:0.3wt/vol%以上
3-カルバモイルフェニルボロン酸:0.05wt/vol%以上
3-アセトアミドフェニルボロン酸:0.1wt/vol%以上
3-アミノフェニルボロン酸:0.2wt/vol%以上
【0325】
濃度の下限が最も低い3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度の下限を1に規格化すると、他の安定化剤の濃度の下限は、以下のとおりである。
プロピレングリコール:600
トリメチレングリコール:800
2-カルボキシフェニルボロン酸:4
3-カルボキシフェニルボロン酸:6
3-カルバモイルフェニルボロン酸:1
3-アセトアミドフェニルボロン酸:2
3-アミノフェニルボロン酸:4
【0326】
例えば、プロピレングリコールは、下限において、3-カルバモイルフェニルボロン酸の600倍の濃度が必要であるので、プロピレングリコールの安定化剤として効果は、3-カルバモイルフェニルボロン酸の1/600である。同様に、他の安定化剤の効果を、3-カルバモイルフェニルボロン酸を基準にして計算すると、以下のとおりである。
プロピレングリコール:1/600
トリメチレングリコール:1/800
2-カルボキシフェニルボロン酸:1/4
3-カルボキシフェニルボロン酸:1/6
3-カルバモイルフェニルボロン酸:1
3-アセトアミドフェニルボロン酸:1/2
3-アミノフェニルボロン酸:1/4
【0327】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物に、これらの安定化剤を組み合わせて添加する場合、組み合わされて添加された安定化剤の効果が、0.05wt/vol%の3-カルバモイルフェニルボロン酸と同等以上であればよい。ここで、プロピレングリコールの濃度をa(wt/vol%)、トリメチレングリコールの濃度をb(wt/vol%)、2-カルボキシフェニルボロン酸の濃度をc(wt/vol%)、3-カルボキシフェニルボロン酸の濃度をd(wt/vol%)、3-カルバモイルフェニルボロン酸の濃度をe(wt/vol%)、3-アセトアミドフェニルボロン酸の濃度をf(wt/vol%)、3-アミノフェニルボロン酸の濃度をg(wt/vol%)として、aからgが下記(5)式を満たす場合、組み合わされて添加された安定化剤の効果が、0.05wt/vol%の3-カルバモイルフェニルボロン酸の効果と同等以上になる。ただし、組み合わされる安定化剤によっては、左辺から算出される値が0.05未満であっても、組み合わされて添加された安定化剤の効果が、0.05wt/vol%の3-カルバモイルフェニルボロン酸の効果と同等以上になる場合もあり得る。
a*(1/600)+b*(1/800)+c*(1/4)+d*(1/6)+e*(1)+f*(1/2)+g*(1/4)≧0.05 (5)
【0328】
例えば、安定化剤どうしの組み合わせとしては、濃度15wt/vol%以上のプロピレングリコールと、濃度0.1wt/vol%以上の2-カルボキシフェニルボロン酸と、の組み合わせが挙げられる。
【0329】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物がキレート剤を含む場合、クエン酸及びその塩の濃度の下限としては、10μmol/L以上、好ましくは100μmol/L以上、さらに好ましくは1mmol/L以上が例示される。リンゴ酸及びその塩の濃度の下限としては、1mmol/L以上、好ましくは5mmol/L以上、さらに好ましくは10mmol/L以上が例示される。ニトリロトリス(メチルホスホン酸)及びその塩の下限としては、5μmol/L以上、好ましくは10μmol/L以上が例示される。シュウ酸及びその塩の濃度の下限としては、10μmol/L以上、好ましくは100μmol/L以上、さらに好ましくは500μmol/L以上が例示される。ニトリロ三酢酸及びその塩の濃度の下限としては、10μmol/L以上、好ましくは100μmol/L以上、さらに好ましくは500μmol/L以上が例示される。N-(2-ヒドロキシエチル)イミノ二酢酸及びその塩の濃度の下限としては、5μmol/L以上、好ましくは10μmol/L以上、さらに好ましくは50μmol/L以上が例示される。
【0330】
フェロシアン化物に対するキレート剤の濃度比は、糖化タンパク質測定試薬の安定化作用を得る観点から、下限としては、0.001以上、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.1以上が例示される。また、溶解性の観点から、上限としては、10000以下、好ましくは1000以下、より好ましくは200以下が例示される。
【0331】
トリンダー試薬含有部分組成物に含まれる糖化アミノ酸オキシダーゼの濃度は、生じた糖化アミノ酸または糖化ペプチドと反応するのに十分な濃度であればよく、下限としては、0.1U/mL以上、好ましくは1U/mL以上、さらに好ましくは10U/mL以上が例示される。また、コストの観点から、上限としては、1000U/mL以下、好ましくは200U/mL以下、さらに好ましくは100U/mL以下が例示される。ペルオキシダーゼの濃度は、生じた過酸化水素と反応するのに十分な濃度であればよく、下限としては、0.01U/mL以上、好ましくは0.1U/mL以上、さらに好ましくは1U/mL以上が例示される。また、コストの観点から、上限としては、500U/mL以下、好ましくは100U/mL以下、さらに好ましくは50U/mL以下が例示される。トリンダー試薬の濃度は、生じた過酸化水素と反応するのに十分な濃度であればよく、下限としては、0.01mmol/L以上、好ましくは0.1mmol/L以上、さらに好ましくは0.5mmol/L以上が例示される。また、上限としては、コストの観点から、100mmol/L以下、好ましくは10mmol/L以下、さらに好ましくは5mmol/L以下が例示される。
【0332】
安定化剤を含んでいない、糖化タンパク質測定試薬用の部分組成物は、保存安定性に問題が生じ得る。これに対し、実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物は、安定化剤を含んでいるため、長期にわたって保存安定性が良好である。そのため、長期にわたって、糖化タンパク質を正確に測定することが可能である。糖化タンパク質測定時に、例えば、糖化アルブミン等の糖化タンパク質の濃度が7.5g/dL以下、好ましくは7g/dL以下、さらに好ましくは6g/dL以下のように低い場合、安定化剤による保存安定性の効果が顕著に表れる。測定可能な糖化アルブミン等の糖化タンパク質の濃度の下限としては、0.1g/dL以上、好ましくは0.15g/dL以上、さらに好ましくは0.2g/dL以上が例示される。
【0333】
実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物は、流通に要する実用的な期間の間、安定的に保存することが可能である。例えば、実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物は、少なくとも1か月間、保存可能である。実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存期間の下限としては、1日以上、1か月以上、6ヶ月以上、あるいは1年以上が例示される。また、実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存期間の上限としては、7日以下、6か月以下、1年3か月以下、1年6か月以下、あるいは2年以下が例示される。実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存温度の下限としては、2℃以上、4℃以上、あるいは5℃以上が例示される。また、実施形態に係る糖化タンパク質測定試薬用の4-アミノアンチピリン含有部分組成物の保存温度の上限としては、10℃以下、8℃以下、あるいは5℃以下が例示される。
【0334】
2℃で1か月間保存された実施形態に係る4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、5℃で1か月間保存されたトリンダー試薬含有部分組成物とを組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度に対する、所定の温度で所定の期間保存された実施形態に係る4-アミノアンチピリン含有部分組成物と、5℃で所定の期間保存されたトリンダー試薬含有部分組成物とを組み合わせて使用した場合の糖化タンパク質の測定感度の比を、感度残存率という。
【0335】
所定の温度が2℃で所定の期間が6か月間である場合、感度残存率の下限としては、92%以上、あるいは93%以上が例示される。上限としては、100%以下、99%以下、あるいは98%以下が例示される。
【0336】
所定の温度が2℃で所定の期間が12か月間である場合、感度残存率の下限としては、88%以上、あるいは89%以上が例示される。上限としては、100%以下、98%以下、あるいは96%以下が例示される。
【0337】
所定の温度が10℃で所定の期間が6か月間である場合、感度残存率の下限としては、87%以上、88%以上、あるいは89%以上が例示される。上限としては、100%以下、99%以下、あるいは98%以下が例示される。
【0338】
所定の温度が10℃で所定の期間が12か月間である場合、感度残存率の下限としては、78%以上、80%以上、あるいは82%以上が例示される。上限としては、100%以下、98%以下、あるいは96%以下が例示される。
【実施例】
【0339】
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではないことはもちろんである。
【0340】
[4-アミノアンチピリン含有部分組成物における4-アミノアンチピリン濃度残存率の測定方法]
(濃度測定用試薬の組成)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、塩酸でpH7.5に調整して、濃度測定用試薬を得た。
100mmol/L トリスヒドロキシメチルアミノメタン(メルク社製)
2mmol/L N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン2ナトリウム(同仁化学社製)
5U/mL ペルオキシダーゼ(アマノエンザイム社製)
0.0175vol/vol% 過酸化水素(国産化学社製)
【0341】
(4-アミノアンチピリン含有部分組成物の希釈)
後述する各実施例に係る4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を精製水で適宜希釈した。
【0342】
(測定機器)
7180形日立自動分析装置(日立ハイテクフィールディング社製)
主波長を546nm、副波長を700nmと設定し、波長546nmにおける吸光度をA546、波長700nmにおける吸光度をA700として、4-アミノアンチピリンの濃度の算出に用いる吸光度AAを、下記(6)式で定義した。
AA=A546-A700 (6)
【0343】
(測定手順)
37℃にインキュベートされた濃度測定用試薬180μLに適宜希釈した4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物4.5μLを添加し、37℃で5分間反応させた後、上記(6)式で与えられる吸光度AAを測定した。保存初日の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を用いた際の吸光度を100%として、保存後の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を用いた際の吸光度の残存率を4-アミノアンチピリン残存率として計算した。
【0344】
[プロテアーゼ活性残存率の測定方法]
(活性測定用第1試薬の組成)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、塩酸でpH7.5に調整して、活性測定用第1試薬を得た。
37.5mmol/L トリスヒドロキシメチルアミノメタン(メルク社製)
62.5vol/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
【0345】
(活性測定用第2試薬の組成)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解して調整して、活性測定用第2試薬を得た。
6.6mg/mL Z-Gly-ONp(国産化学社製)
90vol/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
【0346】
(4-アミノアンチピリン含有部分組成物の希釈)
後述する各実施例に係る4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を10vol/vol% ジメチルスルホキシド水溶液で適宜希釈した。
【0347】
(測定機器)
7180形日立自動分析装置(日立ハイテクフィールディング社製)
主波長を405nm、副波長を660nmと設定し、波長405nmにおける吸光度をA405、波長660nmにおける吸光度をA660として、プロテアーゼの作用で生じる基質(Z-Gly-ONp)の加水分解物の濃度に比例する吸光度ASを、下記(7)式で定義した。
AS=A405-A660 (7)
【0348】
(測定手順)
37℃にインキュベートされた活性測定用第1試薬180μLに希釈された4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物7μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、活性測定用第2試薬20μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。活性測定用第1試薬と希釈された4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の混合溶液に活性測定用第2試薬を添加して97秒後の吸光度から4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を添加した151秒後の吸光度の変化を測定した。97秒後の吸光度をASt=97、151秒後の吸光度をASt=151として、下記(8)式より、吸光度変化ACを算出した。
AC=ASt=151-ASt=97 (8)
【0349】
保存初日の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を用いた際の吸光度変化を100%として、保存後の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を用いた際の吸光度変化の残存率をプロテアーゼ活性残存率として計算した。なお、吸光度変化を測定する時間は、吸光度が直線的に変化する時間範囲であればよく、適宜決定できる。
【0350】
[実施例1:安定化剤のスクリーニング]
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を調製した。
200mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin 300(スペルコ社製)
5mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
0.1mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
40kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
後述する濃度の安定化剤
【0351】
(実施例に係る4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物に含有させた安定化剤)
30wt/vol% プロピレングリコール(和光純薬社製)
50wt/vol% トリメチレングリコール(和光純薬社製)
0.6wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
0.8wt/vol% 3-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
0.15wt/vol% 3-カルバモイルフェニルボロン酸(東京化成社製)
0.3wt/vol% 3-アセトアミドフェニルボロン酸(東京化成社製)
0.6wt/vol% 3-アミノフェニルボロン酸(東京化成社製)
【0352】
(比較例に係る4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物に含有させた安定化剤)
30wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
50wt/vol% グリセロール(和光純薬社製)
50wt/vol% D(-)-ソルビトール(和光純薬社製)
1wt/vol% ベンズアミジン塩酸塩(和光純薬社製)
1wt/vol% ホウ酸(和光純薬社製)
【0353】
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の保存)
30℃で2週間、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を保存した。
【0354】
(4-アミノアンチピリン濃度残存率の測定)
上記の方法で、保存初日に対する、30℃で2週間保存した後の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物中の4-アミノアンチピリン濃度残存率を測定した。結果を表1に示す。
【0355】
(プロテアーゼ活性残存率の測定)
上記の方法で、保存初日に対する、30℃で2週間保存した後の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物中のプロテアーゼの活性残存率を測定した。結果を表1に示す。
【0356】
【0357】
30℃で2週間保存した後の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の4-アミノアンチピリン残存率が好ましくは90%以上、少なくとも88%以上であり、かつプロテアーゼ活性残存率が少なくとも70%以上あれば、冷蔵保存(2℃以上10℃以下)における4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の長期保存安定性も良好になることが期待される。そのため、当該基準をもって、安定化剤の有効性を判断した。
【0358】
表1から明らかなように、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、2-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルボキシフェニルボロン酸、3-カルバモイルフェニルボロン酸、3-アセトアミドフェニルボロン酸、又は3-アミノフェニルボロン酸を添加した4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物は、4-アミノアンチピリン残存率及びプロテアーゼ活性残存率の両方の基準を満足した。
【0359】
一方、比較例に記載した安定化剤を添加した4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物では、4-アミノアンチピリン残存率及びプロテアーゼ活性残存率の一方あるいは両方が基準を満たさなかった。このことから、実施例に係る安定化剤を用いた場合に、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の長期保存安定性が良好になることが期待された。
【0360】
[実施例2:キレート剤の効果]
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を調製した。また、クエン酸三ナトリウムを含有しない以外は、組成が同じ4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物も調製した。
200mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin 300(スペルコ社製)
5mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
0.1mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
40kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
1mmol/L クエン酸三ナトリウム(和光純薬)
後述する濃度の安定化剤
【0361】
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物に含有させた安定化剤)
30wt/vol% プロピレングリコール(和光純薬社製)
50wt/vol% トリメチレングリコール(和光純薬社製)
0.6wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
0.8wt/vol% 3-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
0.15wt/vol% 3-カルバモイルフェニルボロン酸(東京化成社製)
0.3wt/vol% 3-アセトアミドフェニルボロン酸(東京化成社製)
0.6wt/vol% 3-アミノフェニルボロン酸(東京化成社製)
【0362】
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の保存)
30℃で2週間、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を保存した。
【0363】
(4-アミノアンチピリン濃度残存率の測定)
上記の方法で、保存初日に対する、30℃で2週間保存した後の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物中の4-アミノアンチピリン濃度残存率を測定した。結果を表2に示す。
【0364】
(プロテアーゼ活性残存率の測定)
上記の方法で、保存初日に対する、30℃で2週間保存した後の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物中のプロテアーゼ活性残存率を測定した。結果を表2に示す。
【0365】
【0366】
表2から明らかなように、実施例1で4-アミノアンチピリン残存率とプロテアーゼ活性残存率の基準を両方とも満足した安定化剤を含有せしめた組成物に、さらにクエン酸三ナトリウムを加えることで、4-アミノアンチピリン残存率又はプロテアーゼ活性残存率が同程度か、それ以上に向上することが示された。このことから、実施例に係る安定化剤にキレート剤を組み合わせても、4-アミノアンチピリン残存率又はプロテアーゼ活性残存率は同程度か、それ以上に向上することが示された。
【0367】
[実施例3:長期安定性の検証]
(トリンダー試薬含有部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるように精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.6に調整して、トリンダー試薬含有部分組成物を調製した。
100mmol/L N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(同仁化学社製)
0.05wt/vol% アジ化ナトリウム(メルク社製)
1mmol/L エチレンジアミン四酢酸ナトリウム(国産化学社製)
6wt/vol% D(-)-ソルビトール(和光純薬社製)
2mmol/L N,N-ビス(4-スルホブチル)-3-メチルアニリン2ナトリウム(同仁化学社製)
10U/mL ペルオキシダーゼ(アマノエンザイム社製)
30U/mL ケトアミンオキシダーゼ(旭化成ファーマ社製)
【0368】
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を調製した。安定化剤としてプロピレングリコール又は2-カルボキシフェニルボロン酸を含有する4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物において、クエン酸三ナトリウムを含有する部分組成物と、クエン酸三ナトリウムを含有しない部分組成物を調製した。
200mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin 300(スペルコ社製)
5mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
0.1mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
40kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
1mmol/L クエン酸三ナトリウム(和光純薬)
後述する濃度の安定化剤
【0369】
(実施例に係る4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物に含有させた安定化剤)
30wt/vol% プロピレングリコール(和光純薬社製)
0.6wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
【0370】
(比較例に係る4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物に含有させた安定化剤)
30wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
【0371】
(サンプル検体)
以下のサンプル検体を用意した。
管理血清L(旭化成ファーマ社製)
管理血清H(旭化成ファーマ社製)
健常人血清2検体
【0372】
(部分組成物の保存)
調製したトリンダー試薬含有部分組成物を5℃で1か月、6か月及び12か月間保存した。また、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を2℃及び10℃で1か月、6か月及び12か月間保存した。
【0373】
(4-アミノアンチピリン濃度残存率の測定)
上記の方法で、保存初日に対する、2℃及び10℃で6か月間及び12か月間保存した後の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物における4-アミノアンチピリンの濃度残存率を測定した。結果を表3に示す。
【0374】
(プロテアーゼ活性残存率の測定)
上記の方法で、保存初日に対する、2℃及び10℃で6か月間及び12か月間保存した後の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物におけるプロテアーゼの活性残存率を測定した。結果を表3に示す。
【0375】
(糖化アルブミンの測定手順)
37℃にインキュベートされたトリンダー試薬含有部分組成物180μLにサンプル検体4.5μLを添加し、37℃で5分間反応させた後に、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物45μLを添加してさらに37℃で5分間反応させた。トリンダー試薬含有部分組成物にサンプル検体を添加して5分後の吸光度Abs1からトリンダー試薬含有部分組成物とサンプル検体の混合液に4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を添加して5分後の吸光度Abs2までの吸光度変化を測定した。吸光度変化ACは下記(9)式で与えられる。
AC=(Abs2)-(Abs1)×180/225 (9)
ここで180とはトリンダー試薬含有部分組成物の液量を、225とはトリンダー試薬含有部分組成物と4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の総液量を意味する。
【0376】
サンプル検体の代わりに精製水を用いた測定時の吸光度を試薬ブランクとし、サンプル検体を用いた測定時に得られた吸光度変化ACSから試薬ブランクの変化ACBを引いて感度ΔAbsを算出した。感度ΔAbsは、下記(10)式で与えられる。
ΔAbs=ACS-ACB (10)
【0377】
5℃で1か月間保存したトリンダー試薬含有部分組成物と2℃で1か月間保存した4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を用いた測定した時に得られた感度ΔAbsを100%として、5℃で6か月間又は12か月間保存したトリンダー試薬含有部分組成物と2℃又は10℃で6か月間又は12か月間保存した4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を用いて測定した時に得られたΔAbsの残存率(感度残存率)を算出した。結果を表4に示す。なお、感度残存率は、試薬調製直後は感度が上振れするため、感度が定常状態になる1か月間保存した試薬をコントロール群とした。
【0378】
【0379】
【0380】
表3から明らかなように、プロピレングリコール又は2-カルボキシフェニルボロン酸を含有せしめた4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物において、保存中のプロテアーゼ活性の低下は見られず、かつ4-アミノアンチピリン残存率も良好であった。さらにクエン酸三ナトリウムを含有せしめた4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物においても、プロテアーゼ活性残存率の低下は見られず、4-アミノアンチピリン残存率が向上していた。一方、ジメチルスルホキシドを含有せしめた4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物においては、プロテアーゼ活性の低下は見られなかったものの、4-アミノアンチピリン残存率が顕著に低下した。
【0381】
また、表4から明らかなように、プロピレングリコールと2-カルボキシフェニルボロン酸を含有せしめた4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を用いると、良好な感度残存率が得られた。さらにクエン酸三ナトリウムを含有せしめた4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物においては、感度残存率は同程度あるいは向上していた。一方、ジメチルスルホキシドを含有せしめた4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を用いると、感度残存率は低下した。したがって、実施例1、2で示した基準を満足する安定化剤を選択することで、長期保存においても十分な4-アミノアンチピリン残存率、及びプロテアーゼ活性残存率を維持でき、さらに測定試薬としての感度安定性を良好に維持できることが示された。
【0382】
[実施例4:安定化剤の濃度]
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を調製した。
200mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin 300(スペルコ社製)
5mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
0.1mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
40kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
後述する濃度の安定化剤
【0383】
(実施例に係る4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物に含有させた安定化剤)
30wt/vol%~60wt/vol% プロピレングリコール(和光純薬社製)
0.2wt/vol%~1wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
【0384】
(比較例に係る4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物に含有させた安定化剤)
30wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
【0385】
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の保存)
4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を、30℃で2週間保存した。
【0386】
(4-アミノアンチピリン濃度残存率の測定)
上記の方法で、保存初日に対する、30℃で2週間保存した後の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物中の4-アミノアンチピリンの濃度残存率を測定した。結果を表5に示す。
【0387】
(プロテアーゼ活性残存率の測定)
上記の方法で、保存初日に対する、30℃で2週間保存した後の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物中のプロテアーゼの活性残存率を測定した。結果を表5に示す。
【0388】
【0389】
表5から明らかなように、30wt/vol%以上のプロピレングリコール、及び0.2wt/vol%以上の2-カルボキシフェニルボロン酸は、4-アミノアンチピリン残存率とプロテアーゼ活性残存率の両方の基準を満足していた。
【0390】
[実施例5:添加剤の影響]
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を調製した。
200mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin 300(スペルコ社製)
5mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
0.1mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
40kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
後述する濃度の安定化剤
後述する濃度の添加物
【0391】
(実施例に係る4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物に含有させた安定化剤)
30wt/vol% プロピレングリコール(和光純薬社製)
0.6wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
【0392】
(比較例に係る4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物に含有させた安定化剤)
30wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
【0393】
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物に含有させた添加物)
1wt/vol% α-シクロデキストリン(和光純薬社製)
1wt/vol% スクロース(和光純薬社製)
0.1wt/vol% ノニオン P-213(日油社製)
0.1wt/vol% ノニオン S-15.4(日油社製)
0.1wt/vol% ニッコール PBC-44(日光ケミカルズ社製)
100U/mL カタラーゼ(ナガセケムテックス社製)
【0394】
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の保存)
4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を30℃で2週間保存した。
【0395】
(4-アミノアンチピリン濃度残存率の測定)
上記の方法で、保存初日に対する、30℃で2週間保存した後の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物中の4-アミノアンチピリン濃度残存率を測定した。結果を表6に示す。
【0396】
(プロテアーゼ活性残存率の測定)
上記の方法で、保存初日に対する、30℃で2週間保存した後の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物中のプロテアーゼ活性残存率を測定した。結果を表6に示す。
【0397】
【0398】
表6から明らかなように、安定化剤としてプロピレングリコール又は2-カルボキシフェニルボロン酸を含有せしめた4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物にさらに添加物を加えた場合も、4-アミノアンチピリン残存率とプロテアーゼ活性残存率の両方の基準を満足していた。以上より、通常の測定試薬として含有されうる糖類、界面活性剤、及び酵素等をプロピレングリコール又は2-カルボキシフェニルボロン酸を含有せしめた4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物に加えても、4-アミノアンチピリン残存率とプロテアーゼ活性残存率の両方の基準が満たされることが示された。
【0399】
[実施例6:プロテアーゼの種類の影響]
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を調製した。
200mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin 300(スペルコ社製)
5mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
0.1mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
後述する濃度のプロテアーゼ
後述する濃度の安定化剤
【0400】
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物に含有させたプロテアーゼ)
40kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
1.5wt/vol% プロテイナーゼK(ナカライテスク社製)
20vol/vol% Optimase PR40L(ダニスコジャパン社製)
【0401】
(実施例に係る4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物に含有させた安定化剤)
30wt/vol%あるいは35wt/vol% プロピレングリコール(和光純薬社製)
0.06wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
【0402】
(比較例に係る4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物に含有させた安定化剤)
30wt/vol% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
【0403】
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の保存)
4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を30℃で2週間保存した。
【0404】
(4-アミノアンチピリン濃度残存率の測定)
上記の方法で、保存初日に対する、30℃で2週間保存した後の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物中の4-アミノアンチピリン濃度残存率を測定した。結果を表7に示す。
【0405】
(プロテアーゼ活性残存率の測定)
上記の方法で、保存初日に対する、30℃で2週間保存した後の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物中のプロテアーゼ活性残存率を測定した。結果を表7に示す。
【0406】
【0407】
糖化アルブミン用プロテアーゼとOptimase PR40Lの一般名はサブチリシンである。サブチリシンはBacillus由来である。プロテイナーゼKはTritirachium由来である。表7から明らかなように、プロピレングリコール又は2-カルボキシフェニルボロン酸を含有せしめた4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物において、プロテアーゼの種類に依らずに、4-アミノアンチピリン残存率とプロテアーゼ活性残存率の両方の基準を満足していた。
【0408】
[実施例7:安定化剤の併用]
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の調製)
下記の試薬成分を記載の濃度になるよう精製水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH7.5に調整して、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を調製した。
200mmol/L 3,3-ジメチルグルタル酸(東京化成社製)
0.05wt/vol% ProClin 300(スペルコ社製)
5mmol/L 4-アミノアンチピリン(アクテック社製)
0.1mmol/L フェロシアン化カリウム(国産化学社製)
40kU/mL 糖化アルブミン用プロテアーゼ(旭化成ファーマ社製、特許第4565807号に記載の方法に準じて得た。)
後述する濃度の安定化剤
【0409】
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物に含有させた安定化剤)
30wt/vol% プロピレングリコール(和光純薬社製);
0.2wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製);
15wt/vol% プロピレングリコール(和光純薬社製)と0.1wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製);
7.5wt/vol% プロピレングリコール(和光純薬社製)と0.15wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製);
22.5wt/vol% プロピレングリコール(和光純薬社製)と0.05wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製);
20wt/vol% プロピレングリコール(和光純薬社製)と0.15wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製);
15wt/vol% プロピレングリコール(和光純薬社製)と0.15wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製);
20wt/vol% プロピレングリコール(和光純薬社製)と0.1wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製);又は
10wt/vol% プロピレングリコール(和光純薬社製)と0.1wt/vol% 2-カルボキシフェニルボロン酸(東京化成社製)
【0410】
(比較例に係る4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物に含有させた安定化剤)
30% ジメチルスルホキシド(ナカライテスク社製)
【0411】
(4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物の保存)
30℃で2週間、4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物を保存した。
【0412】
(4-アミノアンチピリン濃度残存率の測定)
上記の方法で、保存初日に対する、30℃で2週間保存した後の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物中の4-アミノアンチピリン濃度残存率を測定した。結果を表8に示す。
【0413】
(プロテアーゼ活性残存率の測定)
上記の方法で、保存初日に対する、30℃で2週間保存した後の4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物中のプロテアーゼ活性残存率を測定した。結果を表8に示す。
【0414】
【0415】
表8から明らかなように、(5)式による計算値で0.05以上、組み合わせによっては0.04以上となるようにプロピレングリコールと2-カルボキシフェニルボロン酸を混合して添加した4-アミノアンチピリン含有液状部分組成物は、4-アミノアンチピリン残存率及びプロテアーゼ活性残存率の両方の基準を満足した。