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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】組み立て型車両
(51)【国際特許分類】
   B62D 24/00 20060101AFI20240917BHJP
【FI】
B62D24/00
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020147736
(22)【出願日】2020-09-02
(65)【公開番号】P2021172332
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-06-12
(31)【優先権主張番号】10-2020-0048749
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 珍 皓
(72)【発明者】
【氏名】車 東 垠
(72)【発明者】
【氏名】李 尚 憲
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102017216779(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0001507(US,A1)
【文献】中国実用新案第207219533(CN,U)
【文献】独国特許出願公開第102018203120(DE,A1)
【文献】特開2004-338421(JP,A)
【文献】実開平01-171069(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第107521383(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00-25/08
B62D 25/14-29/04
B60K 1/00-6/12,7/00-8/00
B60K 16/00
B23Q 3/00-3/154
B23Q 3/16-3/18
H01F 7/02,7/20
G01B 7/00-7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体を形成するボディモジュールと、
バッテリーと駆動ホイールが設けられ、前記ボディモジュールに締結されるプラットフォームモジュールと、
前記ボディモジュール及び前記プラットフォームモジュールのうちのいずれか一方にマグネチックモジュールが内蔵され、いずれか他方にアマチュアが内蔵され、前記ボディモジュールと前記プラットフォームモジュールとが締結されると前記マグネチックモジュールと前記アマチュアが対向するように構成される連結部と、
前記マグネチックモジュールに電力を印加して前記マグネチックモジュールと前記アマチュアとが磁力によって連結されるようにすることにより、前記ボディモジュールと前記プラットフォームモジュールを容易に交換することができるように連結させる制御器と、を含み、
前記ボディモジュール及び前記プラットフォームモジュールのうちのいずれか一方の一側にはレールが設けられ、いずれか他方の一側には前記レールが挿入されるガイドが設けられ、前記レールが前記ガイドに挿入されることにより、前記ボディモジュールと前記プラットフォームモジュールとが締結され、
前記ガイドの一側面は開放され、前記ガイドの他側面は閉鎖されて、前記レールが前記ガイドの一側面に挿入されるように構成され、
前記レールの端部と前記ガイドの他側面のうちのいずれか一方にはガイドピンが突設され、いずれか他方には前記ガイドピンの挿入されるガイドホールが設けられることにより、前記ボディモジュールと前記プラットフォームモジュールとが完全に締結されると前記ガイドピンが前記ガイドホールに挿入されることを特徴とする、組み立て型車両。
【請求項2】
前記ボディモジュールは、前記車体の前面部となるフロントモジュール、前記車両の内部空間を形成するキャビンモジュール、及び前記車体の後面部となるリアモジュールで構成され、
前記フロントモジュール、前記リアモジュール及び前記キャビンモジュールの連結によって前記車体が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の組み立て型車両。
【請求項3】
前記レールは、2つが設けられ、前記ガイドは、それぞれレールが挿入される第1ガイド及び第2ガイドで構成され、
前記第1ガイドには、前記ガイドピンが挿入されて固定されるように前記ガイドピンの大きさに対応する形状からなる第1ガイドホールが形成され、前記第2ガイドには、前記ガイドピンが挿入された後に一定間隔移動することができるように前記ガイドピンの大きさよりも大きい第2ガイドホールが形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の組み立て型車両。
【請求項4】
前記連結部は、サイドシル(side sill)に設けられたことを特徴とする、請求項1に記載の組み立て型車両。
【請求項5】
前記サイドシルは、前記プラットフォームモジュールのフロアに対して上方に一定間隔離隔して形成され、前記ボディモジュールと前記プラットフォームモジュールとの締結時にバッテリーが干渉することを防止することができることを特徴とする、請求項4に記載の組み立て型車両。
【請求項6】
前記ボディモジュールは、前記プラットフォームモジュールに対して前後方向に締結されることを特徴とする、請求項1に記載の組み立て型車両。
【請求項7】
前記ボディモジュールの下面と前記プラットフォームモジュールの上面のうちのいずれか一方には、前後方向に延びたレールが設けられ、いずれか他方には、前後方向に延びて前記レールの挿入されるガイドが設けられ、前記ガイドの一側面は開放され、前記ガイドの他側面は閉鎖され、前記レールが前記ガイドの開放された一側面に挿入されて締結されることを特徴とする、請求項6に記載の組み立て型車両。
【請求項8】
前記ボディモジュールは、前記車体の前面部となるフロントモジュール、前記車両の内部空間を形成するキャビンモジュール、及び前記車体の後面部となるリアモジュールで構成され、
前記フロントモジュールと前記リアモジュールが前記プラットフォームモジュールと一体に形成され、前記キャビンモジュールが前記フロントモジュールと前記リアモジュールとの間に左右方向に締結されることにより、前記車体が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の組み立て型車両。
【請求項9】
前記キャビンモジュールの前面及び後面には、左右方向に延びたレールが設けられ、前記フロントモジュールの後面及び前記キャビンモジュールの前面には、左右方向に延びて前記レールが挿入されるガイドが設けられ、前記ガイドの一側面は開放され、前記ガイドの他側面は閉鎖され、前記レールが前記ガイドの開放された一側面に挿入されて締結されることを特徴とする、請求項8に記載の組み立て型車両。
【請求項10】
前記ボディモジュールは、前記プラットフォームモジュールに対して上下方向に締結されることを特徴とする、請求項1に記載の組み立て型車両。
【請求項11】
前記ボディモジュールの下面と前記プラットフォームモジュールの上面のうちのいずれか一方には、上下方向に突設されたガイドピンが備えられ、いずれか他方には、上下方向に凹設されて前記ガイドピンの挿入されるガイドホールが備えられ、前記ボディモジュールと前記プラットフォームモジュールとの締結時に前記ガイドピンが前記ガイドホールに挿入されることを特徴とする、請求項10に記載の組み立て型車両。
【請求項12】
前記連結部は、磁場の形成による電圧を測定するホールセンサーを含み、前記ホールセンサーで測定された測定値によって前記ボディモジュールと前記プラットフォームモジュールとの完全結合か否かを判断することを特徴とする、請求項1に記載の組み立て型車両。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボディモジュールとプラットフォームモジュールが連結又は分離可能であって、目的に応じて適切な車両を構成して使用することができ、ボディモジュールとプラットフォームモジュールを物理的に締結した後、磁力によって堅固に結合して安定的に使用することができる組み立て型車両に関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的な自動車の概念は、完成した車体を運行して人や物を輸送する手段として認識されてきた。しかし、自動車の外形、内装材、部品に対する開発が絶え間なく行われ、現代的な自動車の概念は、単なる輸送手段を越えて一つの生活空間として認識されている。
【0003】
ところが、今までは、自動車購入者は、完成車メーカーで生産した完成車を購入して使用することに限定されている。購入者は、目的に応じて完成車を購入しなければならないため、使用用途に応じて自動車を購入しなければならなかった。例えば、運行用乗用車を所有した人も、貨物輸送のためには貨物車を購入しなければならなかった。特に、製造メーカが備えた完成車の限度で車両を購入することができた。使用目的や好みに合わせて能動的に車体を構成することができる車両は、まだ開発されていない。
【0004】
完成車メーカーは、完成した車両だけを製造して販売するので、完成車の在庫が発生した。したがって、従来の車両は、生産コストが増加し、在庫車両の処理費用が発生するという問題点があった。
【0005】
本発明は、世界で初めてボディモジュールとプラットフォームモジュールを連結又は分離可能に構成して車両を目的に応じて変形させて使用することができるパーパスビルトビークル(Purpose Built Vehicle、PBV)の車両締結構造と締結方式に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-045071
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、ボディモジュールとプラットフォームモジュールの物理的な締結構造と磁力による連結部を含むことにより、分離、交換、結合が自由でありながらも結合時に安定性が確保できる組み立て型車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係る組み立て型車両は、車体を形成するボディモジュールと、バッテリーと駆動ホイールが設けられ、前記ボディモジュールに締結されるプラットフォームモジュールと、前記ボディモジュール及び前記プラットフォームモジュールのうちのいずれか一方にマグネチックモジュールが内蔵され、いずれか他方にアマチュアが内蔵され、前記ボディモジュールと前記プラットフォームモジュールとが締結されると前記マグネチックモジュールと前記アマチュアが対向するように構成される連結部と、前記マグネチックモジュールに電力を印加して前記マグネチックモジュールと前記アマチュアが磁力によって連結されるようにすることにより、前記ボディモジュールと前記プラットフォームモジュールを容易に交換することができるように連結させる制御器と、を含むことができる。
【0009】
前記ボディモジュールは、前記車体の前面部となるフロントモジュール、前記車両の内部空間を形成するキャビンモジュール、及び前記車体の後面部となるリアモジュールで構成され、前記フロントモジュール、前記リアモジュール及び前記キャビンモジュールの連結によって前記車体が形成できる。
【0010】
前記ボディモジュール及び前記プラットフォームモジュールのうちのいずれか一方の一側にはレールが設けられ、いずれか他方の一側には前記レールの挿入されるガイドが設けられ、前記レールが前記ガイドに挿入されることにより、前記ボディモジュールと前記プラットフォームモジュールとが締結され得る。
【0011】
また、前記ガイドの一側面は開放され、前記ガイドの他側面は閉鎖されて前記レールが前記ガイドの一側面に挿入されるように構成され、前記レールの端部と前記ガイドの他側面のうちのいずれか一方にはガイドピンが突設され、いずれか他方には前記ガイドピンの挿入されるガイドホールが設けられることにより、前記ボディモジュールと前記プラットフォームモジュールとが完全に締結されると、前記ガイドピンが前記ガイドホールに挿入され得る。
【0012】
前記レールは、2つが設けられ、前記ガイドは、それぞれレールが挿入される第1ガイド及び第2ガイドで構成され、前記第1ガイドには、前記ガイドピンが挿入されて固定されるように前記ガイドピンの大きさに対応する形状からなる第1ガイドホールが形成され、前記第2ガイドには、前記ガイドピンが挿入された後、一定間隔移動することができるように前記ガイドピンの大きさよりも大きい第2ガイドホールが形成され得る。
【0013】
前記連結部は、サイドシル(side sill)に設けられ得る。
前記サイドシルは、前記プラットフォームモジュールのフロアに対して上方に一定間隔離隔して形成され、前記ボディモジュールと前記プラットフォームモジュールとの締結時にバッテリーが干渉することを防止することができる。
【0014】
前記ボディモジュールは、前記プラットフォームモジュールに対して前後方向に締結され得る。
【0015】
前記ボディモジュールの下面と前記プラットフォームモジュールの上面のうちのいずれか一方には、前後方向に延びたレールが設けられ、いずれか他方には、前後方向に延びて前記レールの挿入されるガイドが設けられ、前記ガイドの一側面は開放され、前記ガイドの他側面は閉鎖され、前記レールがガイドの開放された一側面に挿入されて締結され得る。
【0016】
前記ボディモジュールは、前記車体の前面部となるフロントモジュール、前記車両の内部空間を形成するキャビンモジュール、及び前記車体の後面部となるリアモジュールで構成され、前記フロントモジュールと前記リアモジュールが前記プラットフォームモジュールと一体に形成され、前記キャビンモジュールが前記フロントモジュールと前記リアモジュールとの間に左右方向に締結されることにより、前記車体が形成できる。
【0017】
前記キャビンモジュールの前面及び後面には、左右方向に延びたレールが設けられ、前記フロントモジュールの後面及び前記キャビンモジュールの前面には、左右方向に延びて前記レールが挿入されるガイドが設けられ、前記ガイドの一側面は開放され、前記ガイドの他側面は閉鎖され、前記レールが前記ガイドの開放された一側面に挿入されて締結され得る。
【0018】
前記ボディモジュールは、前記プラットフォームモジュールに対して上下方向に締結され得る。
【0019】
前記ボディモジュールの下面と前記プラットフォームモジュールの上面のうちのいずれか一方には、上下方向に突設されたガイドピンが備えられ、いずれか他方には、上下方向に凹設されて前記ガイドピンの挿入されるガイドホールが備えられ、前記ボディモジュールと前記プラットフォームモジュールとの締結時に前記ガイドピンが前記ガイドホールに挿入され得る。
【0020】
前記連結部は、磁場の形成による電圧を測定するホールセンサーを含み、前記ホールセンサーで測定された測定値によって前記ボディモジュールと前記プラットフォームモジュールとの完全結合か否かを判断することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、車両を構成するボディモジュールとプラットフォームモジュールが分離及び結合され、車両を使用する目的に合わせて車両の構成を変更することができるため、様々な目的の車両に改造可能であるという利点がある。
【0022】
また、物理的な結合だけでなく、マグネチックモジュールの自己経路制御によって結合及び分離が可能であって、構成が簡単で、制御が容易であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明に係る組み立て型車両の構成を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る組み立て型車両のボディモジュールとプラットフォームモジュールを示す図である。
図3図2のA-A線に沿った断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る組み立て型車両のレールがガイドに挿入される様子を示す図である。
図5】本発明の第2実施形態に係る組み立て型車両が締結される様子を示す図である。
図6図5のB-B線に沿った断面図である。
図7】本発明の第3実施形態に係る組み立て型車両が締結される様子を示す図である。
図8図7のC-C線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書に開示する本発明の実施態様に対して、特定の構造的又は機能的説明は単に本発明に係る実施態様を説明するために例示されたものに過ぎず、本発明に係る実施態様は、様々な形態で実施でき、本明細書に説明する実施態様に限定されるものではない。
【0025】
本発明に係る実施態様は、多様な変更を加えることができ、種々の形態を有することができるので、特定の実施態様を図面に例示し詳細に説明する。しかし、これは、本発明の概念による実施様態を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物又は代替物を含むものと理解されるべきである。
【0026】
「第1」及び/又は「第2」等の用語は多様な構成要素の説明に使用できるが、これらの構成要素はこれらの用語によって限定されてはならない。上記の用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使う。例えば、本発明の概念による権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素とも命名でき、これと同様に、第2構成要素は第1構成要素とも命名できる。
【0027】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる或いは「接続されて」いるとした場合には、該他の構成要素に直接連結又は接続されていることもあるが、それらの間に別の構成要素が介在することもあると理解されるべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる或いは「直接接続されて」いるとされた場合には、それらの間に別の構成要素が介在しないと理解されるべきである。構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち「~間に」と「すぐ~間に」又は「~に隣り合う」と「~に直接隣り合う」等も同様に解釈されるべきである。
【0028】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明することにより、本発明を詳細に説明する。各図面に提示した同一の参照符号は、同一の部材を示す。
【0029】
図1は本発明に係る組み立て型車両の構成を示す図である。図1に示すように、本発明は、車両がボディを形成するボディモジュール100と駆動部を形成するプラットフォームモジュール200で構成され、ボディモジュール100とプラットフォームモジュール200が分離可能に連結されて組み立てが可能な車両に関する。
【0030】
ボディモジュール100は、車体の前面部となるフロントモジュール101、車両の内部空間を形成するキャビンモジュール102、及び車体の後面部となるリアモジュール103で構成できる。フロントモジュール101とリアモジュール103との間にキャビンモジュール102が連結されて全体的にボディモジュール100が形成できる。
【0031】
プラットフォームモジュール200には、車両を駆動する駆動ホイールW、及び駆動エネルギーを提供するバッテリー201が設けられ得る。ボディモジュール100とプラットフォームモジュール200とが連結されている場合、バッテリー201は、ボディモジュール100に電気を供給することができる。
【0032】
図2に示すように、ボディモジュール100とプラットフォームモジュール200とは、物理的に締結された後、マグネチックモジュール320に電力が印加されると、連結部300に磁力が発生して連結できる。したがって、物理的、磁気的に連結されて堅固に連結され、電力を反対方向に印加すると、容易に分離可能である。
【0033】
連結部300は、車両の外側面に設けられたサイドシル(side sill)120に備えられる。サイドシル120は、剛性の高い材質で出来ているため、外部からの衝撃があっても、連結部300の破損を防止することができる。
【0034】
また、サイドシル120は、プラットフォームモジュール200のフロアに対して上方に一定間隔離隔して形成できる。したがって、アマチュア310とマグネチックモジュール320は、フロアの位置に対して一定間隔上方に位置することができる。プラットフォームモジュール200にバッテリー201が内蔵されるために、フロアの一部が上方に屈曲するように形成できる。この場合、ボディモジュール100の締結時にバッテリー201が干渉することがあるため、一定間隔をおいて干渉を回避することができる。
【0035】
図2は本発明の第1実施形態に係る組み立て型車両のボディモジュール100とプラットフォームモジュール200を示す図であり、図3図2のA-A線に沿った断面図である。
【0036】
図2を参照すると、本発明の第1実施形態に係る組み立て型車両は、ボディモジュール100がプラットフォームモジュール200の前方又は後方から挿入されて締結されるように構成できる。
【0037】
連結部300は、アマチュア310とマグネチックモジュール320で構成できる。マグネチックモジュール320は、電力が印加されると磁力が発生する電磁石を含むことができる。アマチュア310は、磁性物質(magnetic material)であって、磁力によってマグネチックモジュール320に対して結合又は分離できる。連結部300は、永久磁石ワークホールディング装置(permanent magnet workholding device)などの磁性体ホールディング装置に該当する。このような磁性体ホールディング装置は、結合しようとする対象を永久磁石の磁力を用いて付着させ、磁気流れを逆に制御して分離させる装置であって、様々な工作機械に広く使用されている。
【0038】
マグネチックモジュール320から発生する閉循環磁気経路がアマチュア310を通過して互いに付着できる。一定時間電力が印加されてアマチュア310とマグネチックモジュール320とが磁力によって付着すると、電力供給が中断しても、磁気経路が維持されて結合力が保たれるので、構造の安定性の確保に有利であるという効果を有する。
【0039】
アマチュア310とマグネチックモジュール320は、それぞれボディモジュール100又はプラットフォームモジュール200に内蔵できる。図2に示すように、ボディモジュール100にアマチュア310が内蔵され、プラットフォームモジュール200にマグネチックモジュール320が内蔵されてもよく、逆に、ボディモジュール100にマグネチックモジュール320が内蔵され、プラットフォームモジュール200にアマチュア310が内蔵されてもよい。
【0040】
ボディモジュール100とプラットフォームモジュール200とが締結されて車両を形成する場合、アマチュア310とマグネチックモジュール320が対向するように構成されて連結部300が形成できる。マグネチックモジュール320に電力が印加されると磁力が発生し、磁性体であるアマチュア310が付着するので、両者は対向するように構成されて連結部300を形成するのである。これにより、効果的に付着して車両を形成することができる。
【0041】
制御器400は、マグネチックモジュール320に対して電力を印加又は解除する装置である。制御器400は、マグネチックモジュール320と電気的に接続できる。ボディモジュール100とプラットフォームモジュール200とが締結されて車両を形成した後、制御器400は、電力を印加してマグネチックモジュール320に磁力が発生して一方向に流れるようにして、アマチュア310が付着するようにすることができる。車両を分離する場合、制御器400は、磁力が反対方向に流れるように制御してアマチュア310とマグネチックモジュール320が分離されるようにすることができる。
【0042】
このように、制御器400の電力印加制御と電力方向制御によって結合及び分離が容易に行われることが可能なので、ボディモジュール100とプラットフォームモジュール200の交換が容易であるという効果を有することができる。
【0043】
図2に示すように、制御器400は、プラットフォームモジュール200に設けられてもよいが、これに限定されるものではない。すなわち、制御器400は、ボディモジュール100に設けられてもよい。制御器は、マグネチックモジュール320が設けられたモジュールに備えられることが好ましい。
【0044】
また、ボディモジュール100とプラットフォームモジュール200のうちのいずれか一方の一側にはレール110が設けられ、いずれか他方の一側にはガイド210が設けられ得る。第1実施形態において、レール110とガイド210は前後方向に延びて形成される。レール110がガイド210に挿入されることにより、ボディモジュール100とプラットフォームモジュール200とが締結できる。
【0045】
レール110とガイド210の位置は入れ替わってもよい。すなわち、ボディモジュール100にレール110が設けられた場合にはプラットフォームモジュール200にガイド210が設けられ、逆にボディモジュール100にガイド210が設けられた場合にはプラットフォームモジュール200にレール110が設けられる。これは他の実施形態の場合にも同様である。図示した実施形態の場合は、ボディモジュール100にレール110が設けられ、プラットフォームモジュール200にガイド210が設けられているが、これに限定されない。
【0046】
ガイド210の一側面は開放され、ガイド210の他側面は閉鎖され得る。レール110は、ガイド210の開放された一側面から挿入され、閉鎖された他側面まで挿入されて締結できる。第1実施形態のようにボディモジュール100が前後方向に挿入される場合には、ガイド210の前面又は後面が開放又は閉鎖できる。後述する第2実施形態のようにボディモジュール100が左右方向に挿入される場合には、ガイド210の側面が開放又は閉鎖できる。
【0047】
また、レール110の端部とガイド210の他側面のうちのいずれか一方にはガイドピン111が突設され、いずれか他方にはガイドピン111の挿入されるガイドホールが設けられ得る。したがって、ボディモジュール100とプラットフォームモジュール200とが完全に締結されると、ガイドピン111がガイドホールに挿入できる。ガイドピン111とガイドホールによって外力が加わっても、堅固に締結できる。
【0048】
図2及び図3を参照すると、レール110は2つ設けられ得る。プラットフォームモジュール200には、それぞれのレール110が挿入される第1ガイド211及び第2ガイド221が設けられ得る。第1ガイド211には、ガイドピン111が挿入されて固定されるようにガイドピン111の大きさに対応する形状からなる第1ガイドホール212が設けられ得る。したがって、第1ガイド211にガイドピン111が挿入されると、抜けずに固定できる。
【0049】
第2ガイド221には、ガイドピン111が挿入された後に一定間隔移動できるようにガイドピン111の大きさよりも大きい第2ガイドホール222が設けられ得る。ガイドピン111が第2ガイドホール222に挿入されると一定間隔移動することができるので、締結後に適切に動いて公差が除去できる。締結後に連結部300によってボディモジュール100とプラットフォームモジュール200とが連結されると、公差が除去された状態で固定できる。
【0050】
図4は本発明の第1実施形態に係る組み立て型車両のレール110がガイド210に挿入される様子を示す図である。図4では、ボディモジュール100にレール110が設けられ、プラットフォームモジュール200にガイド210が設けられた場合を示している。
【0051】
車両を形成するためにボディモジュール100とプラットフォームモジュール200とを締結する場合、レール110をガイド210に挿入させてスライドすることができる。レール110がスライドされながらガイド210に挿入され、完全に挿入されると、ガイドホールにガイドピン111が挿入されて固定できる。設計寸法の公差が存在する場合、上述した第2ガイドホール222によって除去できる。ガイドホールにガイドピン111が結合して位置が固定されると、マグネチックモジュール320に電力が印加されて磁力によって固定できる。
【0052】
図5は本発明の第2実施形態に係る組み立て型車両が締結される様子を示す図、図6図5のB-B線に沿った断面図である。
【0053】
図5及び図6を参照すると、本発明の第2実施形態に係る組み立て型車両は、ボディモジュール100がフロントモジュール101、キャビンモジュール102及びリアモジュール103で構成できる。フロントモジュール101とリアモジュール103がプラットフォームモジュール200に一体に形成され、キャビンモジュール102がフロントモジュール101とリアモジュール103との間に左右方向に締結されることにより、ボディモジュール100を形成することができる。
【0054】
図6を参照すると、キャビンモジュール102の前面及び後面には、左右方向に延びたレール110が設けられ得る。レール110が挿入されるガイド210は、フロントモジュール101の後面及びリアモジュール103の前面に左右方向に延びて設けられ得る。したがって、キャビンモジュール102のレール110がガイド210に挿入されてフロントモジュール101及びリアモジュール103に締結されることにより、ボディモジュール100を形成することができる。
【0055】
制御器400は、ボディモジュール100が形成された後、マグネチックモジュール320に電力を印加してボディモジュール100とプラットフォームモジュール200とを連結する。
【0056】
本発明の第2実施形態に係る組み立て型車両の場合、キャビンモジュール102が分離可能であって、必要に応じてキャビンモジュール102のみを交換することが可能であるという利点を有することができる。キャビンモジュール102は、車両の内部空間を形成し、搭乗者が搭乗する空間であるので、交換要求が最も高いため、目的に応じて交換して車両を使用することができる。また、キャビンモジュール102の前面と後面が締結されて堅固に結合することができるという利点を有する。
【0057】
図7は本発明の第3実施形態に係る組み立て型車両が締結される様子を示す図、図8図7のC-C線に沿った断面図である。
【0058】
図7及び図8を参照すると、ボディモジュール100は、プラットフォームモジュール200に対して上下方向に締結できる。車両を形成するために、ボディモジュール100とプラットフォームモジュール200とを締結する場合、ボディモジュール100がプラットフォームモジュール200の上部で締結できる。
【0059】
本発明の第3実施形態に係る組み立て型車両は、ボディモジュール100の下面とプラットフォームモジュール200の上面のうちのいずれか一方にはガイドピン111が設けられ、いずれか他方にはガイドホールが設けられ得る。ガイドピン111は上下方向に突設され、ガイドホールは上下方向に凹設されることにより、ガイドピン111がガイドホールに挿入できる。したがって、ガイドピン111がガイドホールに挿入されてボディモジュール100とプラットフォームモジュール200とが締結できる。ガイドピン111とガイドホールは、複数設けられてもよく、個数は制限されない。
【0060】
次に、図8を参照して、ボディモジュール100とプラットフォームモジュール200とが締結される過程を説明する。プラットフォームモジュール200の上側でボディモジュール100が締結され、ガイドピン111がガイドホールに挿入されて固定できる。締結が完了すると、アマチュア310とマグネチックモジュール320とは、互いに対向して接触する。締結が完了した後、制御器400によって電力が印加されると、マグネチックモジュール320に磁気経路が形成されて連結部300が形成できる。連結部300によってボディモジュール100とプラットフォームモジュール200とが堅固に結合されて車両が形成されるのである。分離する場合に、制御器400は、電力を反対方向に印加して、連結部300に形成された磁気経路を除去すると、アマチュア310とマグネチックモジュール320が互いに分離される。
【0061】
また、連結部300はホールセンサーSを含むことができる。ホールセンサーSは、磁場と反応して電圧を発生させ、発生した電圧を増幅させてセンシングする装置である。ホールセンサーSで測定された電圧によって完全に締結されたか否かを判断することができる。完全に締結された場合、ホールセンサーSで測定される電圧の数値を基準値として設定することができる。
【0062】
ホールセンサーSは、アマチュア310またはマグネチックモジュール320に設けられる。ホールセンサーSは、連結部300に形成される磁場と反応して電圧を測定することができる。もし、ボディモジュール100とプラットフォームモジュール200との締結が不完全な場合に、ホールセンサーSで測定される電圧の数値が基準値から大きく外れるので、締結を点検することができる。不完全に締結された状態で車両が走行する場合、事故が発生するリスクがあるため、ホールセンサーSによって完全に締結されたかを予め判断した後、車両を用いて事故を予防することができるという効果がある。ホールセンサーSによって不完全締結と判断された場合には、警告信号が送出できる。
【0063】
本発明に係る組み立て型車両は、車両を構成する各パーツを分離又は結合することができるので、車両を目的に応じて変更して使用することができる。さらに、本発明は、ユーザが用途別に車両を別途購入する必要なく、一つのプラットフォームモジュール200にボディモジュール100のみを変更して使用することができ、連結部300によって安定的に構成できるという利点がある。
【0064】
本発明の特定の実施形態に関連して図示及び説明したが、以下の特許請求の範囲によって提供される本発明の技術的思想を逸脱することなく、本発明に多様な改良及び変化を加え得ることは、当該分野における通常の知識を有する者にとって自明であろう。
【符号の説明】
【0065】
100 ボディモジュール
101 フロントモジュール
102 キャビンモジュール
103 リアモジュール
110 レール
111 ガイドピン
120 サイドシル
200 プラットフォームモジュール
201 バッテリー
210 ガイド
211 第1ガイド
212 第1ガイドホール
221 第2ガイド
222 第2ガイドホール
300 連結部
310 アマチュア
320 マグネチックモジュール
400 制御器
S ホールセンサー
W 駆動ホイール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8