(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20240917BHJP
H02J 7/34 20060101ALI20240917BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20240917BHJP
G05F 1/67 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
H02J1/00 306C
H02J1/00 304G
H02J1/00 304H
H02J7/34 J
H02J7/35 K
G05F1/67 A
(21)【出願番号】P 2020182706
(22)【出願日】2020-10-30
【審査請求日】2023-05-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000233044
【氏名又は名称】株式会社日立パワーソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直充
(72)【発明者】
【氏名】叶田 玲彦
(72)【発明者】
【氏名】菊池 輝
(72)【発明者】
【氏名】井出 一正
(72)【発明者】
【氏名】石川 拓也
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-051083(JP,A)
【文献】特開2003-339118(JP,A)
【文献】特表2015-512080(JP,A)
【文献】特開平08-103023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00
H02J 7/34
H02J 7/35
G05F 1/67
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電モジュールを備え、直流バスへの出力電圧であるバス電圧に応じて発電電力が決定する太陽光発電部と、
前記直流バスに対して前記太陽光発電部と並列に接続され、前記直流バスに対して電力を供給し、または前記直流バスから電力を吸収することによって前記バス電圧を変化させる電圧制御装置と、
前記バス電圧が
第1の負荷装置における
第1の入力電圧上限値以下であることを条件として、前記
第1の負荷装置を前記直流バスに接続する
とともに、前記バス電圧が第2の負荷装置における、前記第1の入力電圧上限値とは異なる第2の入力電圧上限値以下であることを条件として、前記第2の負荷装置を前記直流バスに接続する負荷接続装置と、
を備え、
前記負荷接続装置は、
前記
第1の負荷装置に対する電力供給が要求されていることを検知すると、前記電圧制御装置に対して、前記バス電圧を前記
第1の入力電圧上限値以下にすることを要求する
第1の電圧上限指令を出力する機能
と、
前記第2の負荷装置に対する電力供給が要求されていることを検知すると、前記電圧制御装置に対して、前記バス電圧を前記第2の入力電圧上限値以下にすることを要求する第2の電圧上限指令を出力する機能と、を有
し、
前記電圧制御装置は、前記第1および第2の電圧上限指令の双方を受信すると、前記バス電圧を、前記第1の入力電圧上限値および前記第2の入力電圧上限値のうち最小の値以下にする
ことを特徴とする電力供給システム。
【請求項2】
前記負荷接続装置は、
前記
第1の負荷装置に対する電力供給が要求されていることと、前記バス電圧が
前記第1の入力電圧上限値以下であることと、を共に検知したことを条件として、前記
第1の負荷装置を前記直流バスに接続する
機能と、
前記第2の負荷装置に対する電力供給が要求されていることと、前記バス電圧が前記第2の入力電圧上限値以下であることと、を共に検知したことを条件として、前記第2の負荷装置を前記直流バスに接続する機能と、をさらに備える
ことを特徴とする請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記負荷接続装置は、前記
第1または第2の負荷装置に対して放電電圧指令を出力できる機能を有し、
前記
第1または第2の負荷装置は、前記放電電圧指令によって指定された電圧で前記直流バスに対して放電する機能を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項4】
前記電圧制御装置は、前記バス電圧を前記
第1または第2の入力電圧上限値以下にすることを要求する
第1または第2の電圧上限指令を受信した後に、前記直流バスに対して電力を供給し、または前記直流バスから電力を吸収することによって前記バス電圧が前記
第1または第2の入力電圧上限値以下になるよう制御する機能を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項5】
前記電圧制御装置は、双方向電力変換器と、蓄電池と、を備え、
前記双方向電力変換器は、前記
第1または第2の電圧上限指令を受信した後に、前記バス電圧が前記
第1または第2の入力電圧上限値以下になるように前記蓄電池を充電する機能を有する
ことを特徴とする請求項
4に記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記電圧制御装置は、双方向電力変換器と、蓄電池と、を備え、
前記双方向電力変換器は、前記
第1または第2の電圧上限指令を受信した後に、前記バス電圧が前記
第1または第2の入力電圧上限値以下になる範囲内で前記蓄電池を放電させる機能を有する
ことを特徴とする請求項
4に記載の電力供給システム。
【請求項7】
前記電圧制御装置は、双方向電力変換器と、蓄電池と、を備え、
前記双方向電力変換器は、前記
第1または第2の負荷装置に供給される負荷電力の変化に対応して、前記蓄電池に対する充電電力または放電電力を変化させ、前記バス電圧を前記
第1または第2の入力電圧上限値以下になる範囲に維持する機能を有する
ことを特徴とする請求項
4ないし6の何れか一項に記載の電力供給システム。
【請求項8】
前記電圧制御装置は、
バリスタと、
前記直流バスと前記バリスタとの間に直列接続されたスイッチと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記バス電圧を前記
第1または第2の入力電圧上限値以下にすることを要求する
第1または第2の電圧上限指令を受信した後に、前記バス電圧が前記
第1または第2の入力電圧上限値を超えた場合に前記スイッチを閉状態に設定することにより、前記バス電圧を前記
第1または第2の入力電圧上限値以下の値に制御する機能を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として、下記特許文献1の要約には、「直流バスにおける負荷機器の接続点での電圧を予め規定された電圧範囲内に保つ。直流バス2と、発電装置3a,3bと、蓄電池11および双方向DC/DCコンバータ14を有する直流電源装置6と、直流バス2と負荷機器71aとの間に接続されたDC/DCコンバータ5aとを備え、双方向DC/DCコンバータ14による直流バス2から蓄電池11への、または蓄電池11から直流バス2への電力変換を実行して、直流バス2における双方向DC/DCコンバータ14の接続点P1での電圧を制御する直流給電システム1であって、双方向DC/DCコンバータ14に対する制御を実行して、接続点P1での電圧を、接続点P1と直流バス2におけるDC/DCコンバータ5aの接続点P21との間の距離L1に応じて変更することにより、接続点P21での電圧を予め規定された電圧範囲内に維持する電力管理装置9を備えている。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した技術においては、発電装置と直流バスとの間にDC/DCコンバータが挿入され、直流バスと負荷機器との間にもDC/DCコンバータが挿入され、DC/DCコンバータ等の電力変換器の数が多くなるという問題があった。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、電力変換器の数を少なくできる電力供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明の電力供給システムは、太陽光発電モジュールを備え、直流バスへの出力電圧であるバス電圧に応じて発電電力が決定する太陽光発電部と、前記直流バスに対して前記太陽光発電部と並列に接続され、前記直流バスに対して電力を供給し、または前記直流バスから電力を吸収することによって前記バス電圧を変化させる電圧制御装置と、前記バス電圧が第1の負荷装置における第1の入力電圧上限値以下であることを条件として、前記第1の負荷装置を前記直流バスに接続するとともに、前記バス電圧が第2の負荷装置における、前記第1の入力電圧上限値とは異なる第2の入力電圧上限値以下であることを条件として、前記第2の負荷装置を前記直流バスに接続する負荷接続装置と、を備え、前記負荷接続装置は、前記第1の負荷装置に対する電力供給が要求されていることを検知すると、前記電圧制御装置に対して、前記バス電圧を前記第1の入力電圧上限値以下にすることを要求する第1の電圧上限指令を出力する機能と、前記第2の負荷装置に対する電力供給が要求されていることを検知すると、前記電圧制御装置に対して、前記バス電圧を前記第2の入力電圧上限値以下にすることを要求する第2の電圧上限指令を出力する機能と、を有し、前記電圧制御装置は、前記第1および第2の電圧上限指令の双方を受信すると、前記バス電圧を、前記第1の入力電圧上限値および前記第2の入力電圧上限値のうち最小の値以下にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、電力変換器の数を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】好適な第1実施形態による電力供給システムのブロック図である。
【
図2】太陽光発電モジュールの出力電力と出力電圧の関係の一例を示す図である。
【
図3】蓄電池に充電を行う場合における、各電力の関係例を説明する図である。
【
図4】蓄電池に放電させる場合における、各電力の関係例を説明する図である。
【
図5】電力供給システムの電圧制御動作を示すフローチャートである。
【
図6】好適な第2実施形態による電力供給システムのブロック図である。
【
図7】好適な第3実施形態による電力供給システムのブロック図である。
【
図8】好適な第4実施形態による電力供給システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
〈第1実施形態の構成〉
図1は、好適な第1実施形態による電力供給システム100のブロック図である。
電力供給システム100は、太陽光発電部10と、直流バス3と、電圧制御装置40と、負荷接続装置50と、を備えている。負荷装置60は、負荷接続装置50に対して着脱可能になっており、負荷装置60に電力供給すべき場合に負荷接続装置50に接続される。
【0009】
太陽光発電部10は、太陽光発電モジュール11と、接続箱12とを備えている。接続箱12は、ダイオード(符号なし)と、ブレーカ(符号なし)と、を備えている。太陽光発電モジュール11は、接続箱12を介して直流バス3に接続される。太陽光発電モジュール11から直流バス3に供給される電力を発電電力Pbと呼び、直流バス3に現れる電圧をバス電圧Vbと呼ぶ。
【0010】
電圧制御装置40および負荷接続装置50は、太陽光発電部10と並列に直流バス3に接続されている。電圧制御装置40は、双方向DC/DCコンバータ41(双方向電力変換器)と、蓄電池42と、を備えている。双方向DC/DCコンバータ41は、バス電圧Vbと、蓄電池42の充放電電圧とを双方向に変換する。また、双方向DC/DCコンバータ41は、蓄電池42への充電電力Pcおよび蓄電池42からの放電電力Pdを制御する制御部41aを備えている。
【0011】
負荷接続装置50は、スイッチ50aと、制御部50bと、ケーブル50cと、を備えている。スイッチ50aは、ケーブル50cは、必要に応じて負荷装置60に接続される。スイッチ50aは、例えば、機械スイッチまたは電磁開閉器であり、直流バス3とケーブル50cの接続/非接続状態を切り替える。直流バス3から負荷装置60に供給される電力を負荷電力Psと呼ぶ。また、負荷装置60において許容されている入力電圧の上限値を、入力電圧上限値Vmと呼ぶ。制御部50bは、電圧制御装置40の制御部41aに対して入力電圧上限値Vmを指定する電圧上限指令を送信する。
【0012】
制御部41aおよび制御部50bは、何れもCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、SSD(Solid State Drive)等、一般的なコンピュータとしてのハードウエアを備えており、SSDには、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、各種データ等が格納されている。OSおよびアプリケーションプログラムは、RAMに展開され、CPUによって実行される。
【0013】
負荷装置60がケーブル50cに接続されていない場合(より一般的に述べると、負荷装置60に対する電力供給が要求されていない場合)、双方向DC/DCコンバータ41は、バス電圧Vbを、蓄電池42に対する充電電圧に変換する。これにより、双方向DC/DCコンバータ41は、太陽光発電モジュール11の発電電力によって蓄電池42を充電することができる。双方向DC/DCコンバータ41は、MPPT(Maximum Power Point Tracking;最大電力点追従)を実行する機能を備えている。そして、負荷装置60に対する電力供給が要求されていない場合、双方向DC/DCコンバータ41は、MPPTを実行することができる。
【0014】
ここで、MPPTとは、太陽電池が発電する際に出力電力を最大化できる電流、電圧の動作点である最大電力点を求め、太陽電池の動作点をこの最大電力点に近づける制御方法である。一般的に、太陽電池は、設置場所や天候により最大電力点が変動するが、MPPTによって、最大出力電力に近い出力を得ることが可能となる。双方向DC/DCコンバータ41がMPPTを実行することにより、太陽光発電モジュール11の発電電力を最大化して蓄電池42を充電することができる。
【0015】
〈第1実施形態の動作〉
次に、本実施形態の動作を説明する。
図2は、太陽光発電モジュール11の出力電力と出力電圧の関係の一例を示す図である。
図2における横軸は、太陽光発電モジュール11に抵抗負荷(図示せず)を接続した場合の太陽光発電モジュール11の出力電圧V
aであり、縦軸は太陽光発電モジュール11の発電電力P
aである。なお、出力電圧V
aおよび発電電力P
aは、
図1におけるバス電圧V
bおよび発電電力P
bに略等しい。
図2における特性F1,F2,F3は、それぞれ、光量が強い場合、中程度の場合、および弱い場合における特性である。各特性F1,F2,F3において出力電圧V
aの最大値は、太陽光発電モジュール11の開放時(無負荷時)の出力電圧V
aであり、それよりも低い電圧において、発電電力P
aが極大値になる最大電力点Q1,Q2,Q3を有している。また、図示の例において、特性F2の最大電力点Q2は、入力電圧上限値V
mにおいて生じている。
【0016】
また、目標動作点P1,P2,P3は、負荷装置60が直流バス3に接続されている場合に、各特性F1,F2,F3に対して、制御部41a(
図1参照)が目標とする動作点である。すなわち、制御部41aは実際に現れている動作点が目標動作点P1,P2,P3に近づくように双方向DC/DCコンバータ41を制御する。目標動作点P2,P3は、最大電力点Q2,Q3にそれぞれ一致している。一方、特性F1の最大電力点Q1におけるバス電圧V
bは入力電圧上限値V
mを超えるため、特性F3においては、入力電圧上限値V
mに対応する位置に目標動作点P3が設定される。
【0017】
図3は、蓄電池42に充電を行う場合における、各電力の関係例を説明する図である。但し、
図3においては、説明の簡略化のため、接続箱12内のダイオード、直流バス3、双方向DC/DCコンバータ41等における電力損失が「0」であることとしている。
図示の特性F1は、
図2に示した特性F1と同様である。図示のように、太陽光発電モジュール11の発電電力P
bが負荷装置60に供給すべき負荷電力P
sより大きい場合、該負荷電力P
sと蓄電池42に供給される充電電力P
cとの和が発電電力P
bと等しくなる。従って、充電電力P
cを制御することによって、発電電力P
bおよび直流バス3に現れるバス電圧V
bを制御できる。
【0018】
図4は、蓄電池42に放電させる場合における、各電力の関係例を説明する図である。
図4においても、接続箱12内のダイオード、直流バス3、双方向DC/DCコンバータ41等における電力損失が「0」であることとしている。
図示の特性F3は、
図2に示した特性F3と同様である。図示のように、太陽光発電モジュール11の発電電力P
bよりも負荷装置60に供給すべき負荷電力P
sが大きい場合、双方向DC/DCコンバータ41の制御部41aは、蓄電池42に不足分の放電電力P
d出力させることによって、負荷装置60に負荷電力P
sを供給する。
【0019】
また、双方向DC/DCコンバータ41の制御部41aは、バス電圧Vbが入力電圧上限値Vm以下になるように蓄電池42を放電させる。これにより、発電電力Pbと放電電力Pdとの和が負荷電力Psとして負荷装置60に供給される。このように、制御部41aがバス電圧Vbおよび放電電力Pdを制御することにより、負荷装置60に対して所望の負荷電力Psを供給できる。
【0020】
負荷装置60が、DC/DCコンバータおよび蓄電池(何れも図示せず)を備えたもの(例えば、電動移動体)であった場合、負荷装置60における蓄電池の状態(端子電圧、温度、SOC(State of Charge)等)によって給電すべき負荷電力Psが変化する。負荷電力Psが変化すると、直流バス3におけるバス電圧Vbも変動するが、制御部41aが蓄電池42の充放電電力を制御することにより、バス電圧Vbが一定値になるように制御することができる。これにより、負荷電力Psが変化した場合であっても、入力電圧上限値Vm以下の一定のバス電圧Vbを維持して、負荷装置60に所望の負荷電力Psを供給できる。
【0021】
図5は、電力供給システム100の電圧制御動作を示すフローチャートである。なお、
図5は、制御部41a,50bおよびユーザの動作を含んでいる。
≪ステップS1≫
まず、ステップS1において、ユーザは、負荷接続装置50のケーブル50cに負荷装置60を接続する。なお、負荷装置60をケーブル50cに接続する前、および接続した時点では、スイッチ50aは開状態であり、負荷装置60に直流バス3の電圧は印加されず、給電も開始されない。
【0022】
≪ステップS2≫
次に、ステップS2において、負荷接続装置50の制御部50bは、ケーブル50cに負荷装置60が接続されたことを検知すると(負荷装置60に対する電力供給が要求されていることを検知すると)、電圧制御装置40の制御部41aに対して、入力電圧上限値Vmを指定する電圧上限指令を、例えば無線通信によって供給する。ここで、負荷接続装置50の制御部50bが入力電圧上限値Vmを取得する方法については、種々の方法が考えられる。
【0023】
例えば、ケーブル50cに通信機能を持たせ、負荷装置60と制御部50bとの間で通信して入力電圧上限値Vmを取得することができる。また、ケーブル50cに接続され得る複数種類の負荷装置60と、各々の入力電圧上限値Vmとを対応付けた表を制御部50bに格納し、接続された負荷装置60に応じて入力電圧上限値Vmを得ることができる。また、複数の負荷装置60の入力電圧上限値Vmが同一である場合には、入力電圧上限値Vmを固定してもよい。また、入力電圧上限値Vmが同一である場合には、入力電圧上限値Vmを予め制御部41aに記憶させておいてもよい。これにより、制御部50bから制御部41aに入力電圧上限値Vmを送信する必要はなくなる。
【0024】
≪ステップS3≫
次に、ステップS3において、双方向DC/DCコンバータ41の制御部41aは、バス電圧Vbが受信した入力電圧上限値Vm以下になるように、蓄電池42に供給する充電電力Pcを制御する。
≪ステップS4≫
次に、ステップS4において、負荷接続装置50の制御部50bは、バス電圧Vbが入力電圧上限値Vm以下であるか否かを判定する。ここで「NO」と判定されると、双方向DC/DCコンバータ41の制御部41aは、ステップS3の処理を繰り返す。これにより、バス電圧Vbが入力電圧上限値Vm以下になると、ステップS4において「YES」と判定され、処理はステップS5に進む。
【0025】
≪ステップS5≫
次に、ステップS5において、負荷接続装置50の制御部50bは、ケーブル50cに負荷装置60が接続されているか否かを判定する。ここで「Yes」と判定されると、処理はステップS6に進む。
≪ステップS6≫
ステップS6において、制御部50bはスイッチ50aを閉じる。これにより、直流バス3から負荷装置60への電力供給が開始される。
【0026】
≪ステップS7≫
負荷装置60への給電が開始された後、双方向DC/DCコンバータ41の制御部41aは、直流バス3のバス電圧Vbが入力電圧上限値Vm以下になるように、蓄電池42の充電電力Pcまたは放電電力Pdを制御する。双方向DC/DCコンバータ41が蓄電池42に対して充電を行っている場合は、このステップS7の制御により、負荷装置60に供給される負荷電力Psだけ蓄電池42の充電電力Pcが減少する。
【0027】
≪ステップS8≫
次に、処理がステップS8に進むと、負荷接続装置50の制御部50bは、「負荷装置60がケーブル50cから取り外された」、または「負荷装置60への給電が終了した」のうち何れかの状態が生じたか否かが判定される。ここで「NO」と判定されると、双方向DC/DCコンバータ41の制御部41aによってステップS7の制御が繰り返される。
【0028】
≪ステップS9≫
一方、ステップS8において「YES」と判定されると、処理はステップS9に進む。また、上述したステップS5において、「NO」と判定された場合(ケーブル50cに負荷装置60が接続されていない場合)も、処理はステップS9に進む。ステップS9においては、負荷接続装置50の制御部50bは、スイッチ50aを開状態にする。
【0029】
≪ステップS10≫
次に、処理がステップS10に進むと、負荷接続装置50の制御部50bは、双方向DC/DCコンバータ41の制御部41aに対する電圧上限指令および入力電圧上限値Vmの送信を停止する。
≪ステップS11≫
次に、処理がステップS11に進むと、双方向DC/DCコンバータ41の制御部41aは、電圧上限指令および入力電圧上限値Vmを受信する前の制御、すなわちステップS2以前に実行していた制御を再び実行する。このステップS11において実行される制御内容は、例えば、上述したMPPTである。以上により、負荷装置60に関連する動作が終了する。
【0030】
[第2実施形態]
図6は、好適な第2実施形態による電力供給システム120のブロック図である。なお、以下の説明において、上述した第1実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
電力供給システム120は、第1実施形態による電力供給システム100(
図1参照)と同様に、太陽光発電部10と、直流バス3と、電圧制御装置40と、負荷接続装置50と、を備えている。
【0031】
また、第1実施形態と同様に、負荷装置60は負荷接続装置50に対して着脱可能になっており、負荷装置60に電力供給すべき場合に負荷接続装置50に接続される。但し、以下の説明において、負荷装置60に供給される負荷電力をPs1と呼び、負荷装置60の入力電圧上限値をVm1と呼ぶ。さらに、本実施形態の電力供給システム120は、負荷接続装置51を備えている。負荷接続装置51は、負荷接続装置50に対して並列に直流バス3に接続されている。
【0032】
負荷装置61は、負荷接続装置51に対して着脱可能になっており、負荷装置61に電力供給すべき場合に負荷接続装置51に接続される。負荷接続装置51は、スイッチ51aと、制御部51bと、ケーブル51cと、を備えており、これらの機能は、それぞれ、負荷接続装置50における構成要件50a,50b,50cのものと同様である。負荷装置61に供給される負荷電力をP
s2と呼び、負荷装置61の入力電圧上限値をV
m2と呼ぶ。なお、
図6においては、各2台の負荷接続装置50,51および負荷装置60,61を適用した例を示したが、3台以上の負荷接続装置および負荷装置を適用してもよい。
【0033】
制御部50b,51bは、それぞれ負荷装置60,61の入力電圧上限値V
m1,V
m2を双方向DC/DCコンバータ41の制御部41aに送信する。そして、制御部41aは、複数の入力電圧上限値(上述の例ではV
m1およびV
m2)を受信すると、受信した入力電圧上限値のうち最小の値を、電圧制御動作(
図5参照)における入力電圧上限値V
mとして採用する。負荷装置60,61の負荷電力をP
s1,P
s2と呼ぶ。上述した以外の第2実施形態の構成および動作は、第1実施形態のものと同様である。
【0034】
例えば、
図6に示す構成例において、ケーブル50cに入力電圧上限値V
m1の負荷装置60が接続され、ケーブル51cには、負荷装置61が接続されていない場合を想定する。この場合、制御部41aは、入力電圧上限値V
m1を入力電圧上限値V
mとして採用し、双方向DC/DCコンバータ41に蓄電池42を充電させる。そして、直流バス3のバス電圧V
bが入力電圧上限値V
m1以下になると、制御部50bはスイッチ50aを閉状態に設定し、負荷装置60への給電を開始させる。
【0035】
ここで、ケーブル51cに、新たに負荷装置61が接続されたとする。すると、制御部51bは、負荷装置61の入力電圧上限値Vm2を双方向DC/DCコンバータ41の制御部41aに送信する。ここで、入力電圧上限値Vm2は、Vm1よりも低いこととする。制御部41aは、入力電圧上限値Vm2を受信すると、これを既に受信した入力電圧上限値(上記例ではVm1)と比較し、最小の値を入力電圧上限値Vmとして設定する。すなわち、上記例においては、入力電圧上限値Vm2が新たな入力電圧上限値Vmとして設定される。
【0036】
次に、制御部41aは、バス電圧Vbが入力電圧上限値Vm(=Vm2)以下になるように、双方向DC/DCコンバータ41を制御する。そして、バス電圧Vbが入力電圧上限値Vm以下になると、制御部51bはスイッチ51aを閉状態に設定し、負荷装置61への給電を開始させる。このように、負荷装置60,61の双方に給電が開始されると、双方向DC/DCコンバータ41の制御部41aは、バス電圧Vbが入力電圧上限値Vm(=Vm2)以下になるように、蓄電池42に対する充電電力Pcを制御する。
【0037】
太陽光発電モジュール11の発電電力Pbが負荷装置60,61への負荷電力Ps1,Ps2の和より大きい場合、これらと蓄電池42の充電電力Pcとの和(Ps1+Ps2+Pc)が、太陽光発電モジュール11の発電電力Pbと等しくなる。一方、負荷装置60,61への給電電力の和が太陽光発電モジュール11の発電電力Pbよりも大きい場合、蓄電池42を放電させることによって、負荷装置60,61への給電電力を賄う。その際、双方向DC/DCコンバータ41の制御部41aは、バス電圧Vbが負荷装置61の入力電圧上限値Vm2以下の電圧になるように、蓄電池42の充放電放電を制御する。
【0038】
太陽光発電モジュール11からは、双方向DC/DCコンバータ41の放電電圧すなわちバス電圧Vbに対応する電力を取り出すことができ、蓄電池42の放電電力Pdと、太陽光発電モジュール11から出力された発電電力Pbとの和が、直流バス3を介して負荷装置60,61に供給される。このように、本実施形態においても、蓄電池42の充放電電力を制御することによって、太陽光発電モジュール11の発電電力Pbおよび出力電圧、すなわち直流バス3のバス電圧Vbを制御でき、負荷装置60,61に対して所望の電力を供給できる。
【0039】
ここで、負荷装置60への給電が終了し、負荷装置60がケーブル50cから取り外されると、負荷接続装置50の制御部50bはスイッチ50aを開状態にして、双方向DC/DCコンバータ41の制御部41aへの電圧上限指令が解除される。このとき、制御部51bからの入力電圧上限値Vm2は解除されていないため、制御部41aはバス電圧Vbが入力電圧上限値Vm2以下となるよう、蓄電池42の充放電電力を制御する。これにより、ケーブル51cに接続された負荷装置61には、入力電圧上限値Vm2以下のバス電圧Vbが給電される。
【0040】
ここで、さらに負荷装置61への給電が終了し、負荷装置61がケーブル51cから取り外されると、負荷接続装置51の制御部51bはスイッチ51aを開状態にして、双方向DC/DCコンバータ41の制御部41aへの電圧上限指令が解除される。これにより、制御部41aは入力電圧上限値の指令を一切受信しない状態になり、制御部41aは、負荷装置60,61が接続されていない場合の制御(例えばMPPT)を実行し、太陽光発電部10の発電電力Pbを蓄電池42に充電する。
【0041】
負荷装置60が、DC/DCコンバータおよび蓄電池(何れも図示せず)を備えたもの(例えば、電動移動体)であった場合、このとき、負荷装置60に搭載されているDC/DCコンバータによって負荷装置60から電力を放電して負荷装置61に給電することが可能である。負荷装置60から電力を放電する場合、負荷接続装置50の制御部50bは直流バス3のバス電圧Vbを検出し、その電圧値を放電電圧指令として、ケーブル50cを介して負荷装置60に送信する。負荷装置60は受信した放電電圧指令の電圧値で直流バス3へ放電を開始する。
【0042】
負荷装置60が放電を開始すると、太陽光発電モジュール11の発電電力Pbおよび蓄電池42の充放電電力に負荷装置60の放電電力が加算されるため、バス電圧Vbが上昇する。しかし、双方向DC/DCコンバータ41の制御部41aは、バス電圧Vbが、直流バス3に接続されている負荷装置60,61等の入力電圧上限値Vmのうち最小値(以下、電圧Vm_minと呼ぶ)以下になるように蓄電池42の充放電電力を制御する。これにより、直流バス3のバス電圧Vbは電圧Vm_min以下に保たれる。上述した以外の本実施形態の構成および動作は第1実施形態のものと同様である。
【0043】
[第3実施形態]
図7は、好適な第3実施形態による電力供給システム130のブロック図である。なお、以下の説明において、上述した他の実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
電力供給システム130は、第1実施形態による電力供給システム100(
図1参照)と同様に、太陽光発電部10と、直流バス3と、負荷接続装置50と、を備えている。また、第1実施形態と同様に、負荷装置60は負荷接続装置50に対して着脱可能になっており、負荷装置60に電力供給すべき場合に負荷接続装置50に接続される。
【0044】
但し、電力供給システム130においては、第1実施形態における電圧制御装置40(
図1参照)に代えて、電圧制御装置43が設けられている。そして、電圧制御装置43は、スイッチ44と、バリスタ45と、制御部46と、を備えている。スイッチ44とバリスタ45とは、直流バス3と接地点(符号なし)との間に直列接続されており、制御部46はスイッチ44の開閉状態を制御する。
【0045】
図7においては、負荷接続装置50および負荷装置60を1台ずつ適用した例を示すが、第2実施形態(
図6参照)と同様に、複数の負荷接続装置50,51および複数の負荷装置60,61を適用してもよい。
負荷接続装置50のケーブル50cには、複数種類の(入力電圧上限値V
mが異なる)負荷装置60のうち何れかを接続することができる。バリスタ45は、これら複数種類の負荷装置60の入力電圧上限値V
mのうち最小値以下のバリスタ電圧を有するものが選択される。
【0046】
本実施形態において、スイッチ44の初期状態は開である。負荷接続装置50の動作は第1,第2実施形態のものと同様であるが、電圧上限指令の送信先が異なり、電圧上限指令はスイッチ44を制御する制御部46へ送信される。すなわち、負荷接続装置50のケーブル50cに負荷装置60が接続されると、負荷接続装置50の制御部50bは、負荷装置60の要求する入力電圧上限値Vmを、電圧制御装置43の制御部46へ送信する。
【0047】
制御部46は、入力電圧上限値Vmを受信するとスイッチ44を閉じ、バリスタ45を直流バス3に接続する。直流バス3のバス電圧Vbがバリスタ電圧を超過していると、バリスタ45に電流が流れ、直流バス3の抵抗成分によってバス電圧Vbが降下し、電圧制御装置43の接続点よりシステム下流ではバス電圧Vbがバリスタ電圧以下になる。上述のように、バリスタ45には、そのバリスタ電圧が、負荷接続装置50のケーブル50cに接続され得る負荷装置60の入力電圧上限値Vmのうちの最小電圧以下のものを選定している。これにより、直流バス3のバス電圧Vbは、負荷装置60の要求する入力電圧上限値Vm以下になる。
【0048】
本実施形態においては、入力電圧上限値Vmは、上記のように専らバリスタ45の直流バス3への接続要否に用いられるため、制御部50bから制御部46に供給する電圧上限指令は、必ずしも入力電圧上限値Vmを伴う必要はなく、バリスタ45の接続要否を表す二値信号(例えば、接点信号)であってもよい。負荷接続装置50の制御部50bは、直流バス3のバス電圧Vbが負荷装置60の要求する入力電圧上限値Vm以下であることを検出し、ケーブル50cに負荷装置60が接続されていることを検出すると、スイッチ50aを閉状態にして、負荷装置60への給電を開始する。
【0049】
負荷装置60がケーブル50cから取り外された場合、または負荷装置60への給電が終了した場合の負荷接続装置50の動作は第1,第2実施形態のものと同様である。すなわち、負荷接続装置50の制御部50bはスイッチ50aを開状態にして、制御部46への入力電圧上限値Vmの送信を解除する。制御部46は、全ての入力電圧上限値の指令が解除されると、スイッチ44を開にしてバリスタ45を直流バス3から切り離す。なお、上述した以外の本実施形態の構成および動作は第1,第2実施形態のものと同様である。
【0050】
[第4実施形態]
図8は、好適な第4実施形態による電力供給システム140のブロック図である。なお、以下の説明において、上述した他の実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
電力供給システム140は、第1実施形態による電力供給システム100(
図1参照)と同様に、太陽光発電部10と、直流バス3と、電圧制御装置40と、負荷接続装置50と、を備えている。さらに、電力供給システム140は、第3実施形態の電力供給システム130(
図7参照)と同様に、電圧制御装置43を備えている。
【0051】
また、第1実施形態と同様に、負荷装置60は負荷接続装置50に対して着脱可能になっており、負荷装置60に電力供給すべき場合に負荷接続装置50に接続される。
図8においては、負荷接続装置50および負荷装置60を1台ずつ適用した例を示すが、第2実施形態(
図6参照)と同様に、複数の負荷接続装置50,51および複数の負荷装置60,61を適用してもよい。
【0052】
本実施例において、負荷接続装置50の動作は第1~第3実施形態と同様であるが、入力電圧上限値Vmの送信先は、電圧制御装置40,43の双方の制御部41a,46になる。また、入力電圧上限値Vmを受信した場合、および負荷装置60がケーブル50cから取り外されたときの電圧制御装置40および電圧制御装置43の動作も、第1~第3実施形態のものと同様である。この動作により、蓄電池42の充放電電力により、太陽光発電部10の発電電力Pbと、直流バス3のバス電圧Vbとを制御して負荷装置60に給電することができる。さらに、本実施形態によれば、バリスタ45への分流によって、より確実に直流バス3の電圧上限値を入力電圧上限値Vmに設定できる。
【0053】
[実施形態の効果]
以上のように好適な実施形態によれば、電力供給システム100,120,130,140は、太陽光発電モジュール11を備え、直流バス3への出力電圧であるバス電圧Vbに応じて発電電力Pbが決定する太陽光発電部10と、直流バス3に対して太陽光発電部10と並列に接続され、直流バス3に対して電力を供給し、または直流バス3から電力を吸収することによってバス電圧Vbを変化させる電圧制御装置40,43と、バス電圧Vbが負荷装置60,61における入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2以下であることを条件として、負荷装置60,61を直流バス3に接続する負荷接続装置50,51と、を備える。これにより、太陽光発電部10が出力するバス電圧Vbを入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2に応じて変更できるため、電力変換器の数を少なくすることができる。
【0054】
また、負荷接続装置50,51は、負荷装置60,61に対する電力供給が要求されていることを検知すると、電圧制御装置40,43に対して、バス電圧Vbを入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2以下にすることを要求する電圧上限指令を出力する機能を有すると一層好ましい。これにより、負荷装置60,61に電力供給しない場合には、バス電圧Vbを入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2よりも高くすることができ、電圧制御装置40,43を効率的に運用することができる。
【0055】
また、負荷接続装置50,51は、負荷装置60,61に対する電力供給が要求されていることと、バス電圧Vbが負荷装置60,61における入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2以下であることと、を共に検知したことを条件として、負荷装置60,61を直流バス3に接続すると一層好ましい。これにより、負荷装置60,61に電力供給が可能になった場合に、負荷装置60,61を直流バス3に接続することができる。
【0056】
また、負荷接続装置50,51は、負荷装置60,61に対して放電電圧指令を出力できる機能を有し、負荷装置60,61は、放電電圧指令によって指定された電圧で直流バス3に対して放電する機能を有すると一層好ましい。これにより、負荷装置60,61を電源装置としても活用することができる。
【0057】
また、電圧制御装置40,43は、バス電圧Vbを入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2以下にすることを要求する電圧上限指令を受信した後に、直流バス3に対して電力を供給し、または直流バス3から電力を吸収することによってバス電圧Vbが入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2以下になるよう制御する機能を有すると一層好ましい。これにより、電圧制御装置40,43は、バス電圧Vbを入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2以下になるよう制御することができる。
【0058】
また、電圧制御装置40は、双方向電力変換器(41)と、蓄電池42と、を備え、双方向電力変換器(41)は、電圧上限指令を受信した後に、バス電圧Vbが入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2以下になるように蓄電池42を充電する機能を有すると一層好ましい。これにより、バス電圧Vbを入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2以下に保ちつつ、余った電力によって蓄電池42を充電することができる。
【0059】
また、電圧制御装置40は、双方向電力変換器(41)と、蓄電池42と、を備え、双方向電力変換器(41)は、電圧上限指令を受信した後に、バス電圧Vbが入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2以下になる範囲内で蓄電池42を放電させる機能を有すると一層好ましい。これにより、蓄電池42に蓄えられたエネルギーによって、バス電圧Vbを入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2以下になる範囲内で上昇させることができる。
【0060】
また、電圧制御装置40は、双方向電力変換器(41)と、蓄電池42と、を備え、双方向電力変換器(41)は、負荷装置60,61に供給される負荷電力Ps,Ps1,Ps2の変化に対応して、蓄電池42に対する充電電力Pcまたは放電電力Pdを変化させ、バス電圧Vbを入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2以下になる範囲に維持する機能を有する。これにより、双方向電力変換器(41)と、蓄電池42とによって、バス電圧Vbを入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2の範囲で制御することができる。
【0061】
また、電圧制御装置43は、バリスタ45と、直流バス3とバリスタ45との間に直列接続されたスイッチ44と、制御部46と、を備え、制御部46は、バス電圧Vbを入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2以下にすることを要求する電圧上限指令を受信した後に、バス電圧Vbが入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2を超えた場合にスイッチ44を閉状態に設定することにより、バス電圧Vbを入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2以下の値に制御する機能を有すると、一層好ましい。これにより、バリスタ45を用いた安価な構成で、バス電圧Vbを入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2以下に制御することができる。
【0062】
[変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、もしくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上で必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
【0063】
(1)上記各実施形態において、負荷接続装置50,51の制御部50b,51bは、制御部41a等に対して入力電圧上限値Vm,Vm1,Vm2を伴う電圧上限指令を出力したが、制御部50b,51bは、必ずしも電圧上限指令を出力しなくてもよい。例えば、ユーザが制御部41aに対して入力電圧上限値Vmをマニュアル操作で入力することによって、制御部41aに入力電圧上限値Vmを設定してもよい。
【0064】
(2)上記実施形態における制御部41a,50b,51bのハードウエアは一般的なコンピュータによって実現できるため、
図5に示したフローチャート、その他上述した各種処理を実行するプログラム等を記憶媒体に格納し、または伝送路を介して頒布してもよい。
【0065】
(3)また、
図5に示した処理、その他上述した各処理は、上記実施形態ではプログラムを用いたソフトウエア的な処理として説明したが、その一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit;特定用途向けIC)、あるいはFPGA(Field Programmable Gate Array)等を用いたハードウエア的な処理に置き換えてもよい。
【0066】
(4)上記実施形態において実行される各種処理は、図示せぬネットワーク経由でサーバコンピュータが実行してもよく、上記実施形態において記憶される各種データも該サーバコンピュータに記憶させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0067】
3 直流バス
10 太陽光発電部
11 太陽光発電モジュール
40 電圧制御装置
40,43 電圧制御装置
41 双方向DC/DCコンバータ(双方向電力変換器)
42 蓄電池
43 電圧制御装置
44 スイッチ
45 バリスタ
46 制御部
50 負荷接続装置
50,51 負荷接続装置
51 負荷接続装置
60 負荷装置
60,61 負荷装置
61 負荷装置
100,120,130,140 電力供給システム
Pb 発電電力
Pc 充電電力
Pd 放電電力
Ps 負荷電力
Ps,Ps1,Ps2 負荷電力
Vb バス電圧
Vm,Vm1,Vm2 入力電圧上限値