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特許7555800対象物の配置位置決定方法、制御装置、プログラム、荷役装置、及び、荷役システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】対象物の配置位置決定方法、制御装置、プログラム、荷役装置、及び、荷役システム
(51)【国際特許分類】
   B25J 13/08 20060101AFI20240917BHJP
   B65G 57/03 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
B25J13/08 A
B65G57/03 G
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020192056
(22)【出願日】2020-11-18
(65)【公開番号】P2022080779
(43)【公開日】2022-05-30
【審査請求日】2023-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】牛山 隆文
(72)【発明者】
【氏名】丸山 修
(72)【発明者】
【氏名】堀内 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】大鶴 佳秀
【審査官】樋口 幸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-040158(JP,A)
【文献】特開2018-052691(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0199142(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 13/08
B65G 57/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置の記憶部に記憶された収容部の寸法、及び、前記収容部に収容される複数の対象物の寸法の情報に基づいて、前記対象物が前記収容部の境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を第の方向で探すことと、
前記第の方向で前記対象物が前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置がないと、前記第の方向に直交する第の方向にずれた位置で、前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を前記第の方向で探すことと、
を具備し、
前記第の方向に平行で且つ前記対象物の先端を規定する複数の基準線を設定することを含み、
前記収容部の前記第の方向で一端に設定される前記基準線は、前記一端側に配置される前記対象物の前記先端を規定し、
他の前記基準線は、前記一端側で隣接する前記基準線に対して前記対象物を前記収容部に配置する荷役装置が有する装置による前記対象物の前記第の方向に沿う最大移動距離をこえた位置に配置位置があり、かつ、前記一端側で隣接する前記基準線に近い前記対象物の前記先端を規定する、
ことを具備する対象物の配置位置決定方法。
【請求項2】
前記基準線からの前記探す位置をずらす量の合計が、前記最大移動距離をこえると、配置位置が決定された前記対象物に対して所定高さ位置まで積む前記対象物の配置位置を探すことと、
前記積む前記対象物の配置位置が決定されると、前記対象物が前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を前記第の方向で探すことと、
を具備する請求項1に記載の対象物の配置位置決定方法。
【請求項3】
前記第の方向で隣接する2つの前記基準線間の距離を算出し、前記荷役装置の移動距離として求めることを具備する請求項1に記載の対象物の配置位置決定方法。
【請求項4】
前記収容部は、前記荷役装置が通る開口部、及び、前記開口部に相対する壁部を有し、
一段目の前記対象物の配置位置を前記開口部側にずらし、少なくとも最上段の前記対象物を前記一段目の前記対象物に比較して前記壁部側に配置する補正をすることを具備する
請求項2に記載の対象物の配置位置決定方法。
【請求項5】
前記収容部は、前記荷役装置が通る開口部、及び、前記開口部に相対する壁部を有し、
積む前記対象物の数を、前記開口部側で前記壁部側に比較して少なくする請求項1に記載の対象物の配置位置決定方法。
【請求項6】
収容部の寸法、及び、前記収容部に収容される複数の対象物の寸法の情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記収容部の寸法、及び、前記複数の対象物の寸法の情報に基づいて、前記対象物が前記収容部の境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を第の方向で探し、前記第の方向で前記対象物が前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置がないと、前記第の方向に直交する第の方向にずれた位置で、前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を前記第の方向で探す演算部と、
を具備し、
前記演算部は、前記第の方向に平行で且つ前記対象物の先端を規定する複数の基準線を設定し、
前記収容部の前記第の方向で一端に設定される前記基準線は、前記一端側に配置される前記対象物の前記先端を規定し、
他の前記基準線は、前記一端側で隣接する前記基準線に対して前記対象物を前記収容部に配置する荷役装置が有する装置による前記対象物の前記第の方向に沿う最大移動距離をこえた位置に配置位置があり、かつ、前記一端側で隣接する前記基準線に近い前記対象物の前記先端を規定する、
御装置。
【請求項7】
前記演算部は、前記基準線からの前記探す位置をずらす量の合計が、前記最大移動距離をこえると、配置位置が決定された前記対象物に対して所定高さ位置まで積む前記対象物の配置位置を探し、
前記積む前記対象物の配置位置が決定されると、前記対象物が前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を前記第の方向で探す、
請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記演算部は、前記第の方向で隣接する2つの前記基準線間の距離を算出し、前記荷役装置の移動距離として求める、請求項6に記載の制御装置。
【請求項9】
前記収容部は、前記荷役装置が通る開口部、及び、前記開口部に相対する壁部を有し、
前記演算部は、一段目の前記対象物の配置位置を前記開口部側にずらし、少なくとも最上段の前記対象物を前記一段目の前記対象物に比較して前記壁部側に配置する補正をする、
請求項6に記載の制御装置。
【請求項10】
前記収容部は、前記荷役装置が通る開口部、及び、前記開口部に相対する壁部を有し、
前記演算部は、積む前記対象物の数を、前記開口部側で前記壁部側に比較して少なくする、請求項6に記載の制御装置。
【請求項11】
コンピュータに、
制御装置の記憶部に記憶された収容部の寸法、及び、前記収容部に収容される複数の対象物の寸法の情報に基づいて、前記対象物が前記収容部の境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を第の方向で探す機能と、
前記第の方向で前記対象物が前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置がないと、前記第の方向に直交する第の方向にずれた位置で、前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を前記第の方向で探す機能と、
を実行させ
前記コンピュータに、前記第の方向に平行で且つ前記対象物の先端を規定する複数の基準線を設定する機能を実行させ、
前記収容部の前記第の方向で一端に設定される前記基準線は、前記一端側に配置される前記対象物の前記先端を規定し、
他の前記基準線は、前記一端側で隣接する前記基準線に対して前記対象物を前記収容部に配置する荷役装置が有する装置による前記対象物の前記第の方向に沿う最大移動距離をこえた位置に配置位置があり、かつ、前記一端側で隣接する前記基準線に近い前記対象物の前記先端を規定する、
ログラム。
【請求項12】
前記コンピュータに
前記基準線からの前記探す位置をずらす量の合計が、前記最大移動距離をこえると、配置位置が決定された前記対象物に対して所定高さ位置まで積む前記対象物の配置位置を探す機能と、
前記積む前記対象物の配置位置が決定されると、前記対象物が前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を前記第の方向で探す機能と、
を実行させる請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記コンピュータに、
前記第の方向で隣接する2つの前記基準線間の距離を算出し、前記荷役装置の移動距離として求める機能を実行させる、請求項11に記載のプログラム。
【請求項14】
前記コンピュータに、
一段目の前記対象物の配置位置を、前記収容部の開口部側にずらし、少なくとも最上段の前記対象物を前記一段目の前記対象物に比較して、前記収容部の前記開口部に相対する壁部側に配置する補正をする機能を実行させる、請求項12に記載のプログラム。
【請求項15】
前記コンピュータに、
積む前記対象物の数を、前記収容部の開口部側で、前記収容部の前記開口部に相対する壁部側に比較して少なくする、請求項11に記載のプログラム。
【請求項16】
対象物を保持する保持部と、
前記保持部を移動する装置と、
前記保持部及び前記装置を支持し、走行する走行装置と、
請求項6乃至請求項10のいずれか1項に記載の制御装置と、
を具備する荷役装置。
【請求項17】
請求項16に記載の荷役装置と、
前記荷役装置を管理する外部装置と、
を具備し、
前記制御装置は、前記外部装置と通信可能に構成された荷役システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、対象物の配置位置決定方法、制御装置、プログラム、荷役装置、及び、荷役システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従前から、コンテナ等に対する対象物の荷役に、コンベヤ等の荷役装置が用いられている。コンベヤは、荷役作業を行うときに、コンテナ内及びコンテナ外に亘って設置される。作業者は、コンテナ外からコンベヤによりコンテナ内に搬送された対象物を、手作業によりコンテナ内に積む。
【0003】
矩形の対象物の荷役作業をロボットで自動化するために必要な対象物の配置方法を、演算によって求めることが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6684404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、矩形以外の対象物であっても、配置効率を向上できる対象物の配置位置の決定方法、制御装置、プログラム、荷役装置、及び、荷役システムを提供することである
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、対象物の配置位置の決定方法は、制御装置の記憶部に記憶された収容部の寸法、及び、前記収容部に収容される複数の対象物の寸法の情報に基づいて、前記対象物が前記収容部の境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を第の方向で探すことと、前記第の方向で前記対象物が前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置がないと、前記第の方向に直交する第の方向にずれた位置で、前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を前記第の方向で探すことと、を備える。前記第1の方向に平行で且つ前記対象物の先端を規定する複数の基準線を設定することを含み、前記収容部の前記第2の方向で一端に設定される前記基準線は、前記一端側に配置される前記対象物の前記先端を規定し、他の前記基準線は、前記一端側で隣接する前記基準線に対して前記対象物を前記収容部に配置する荷役装置が有する装置による前記対象物の前記第2の方向に沿う最大移動距離をこえた位置に配置位置があり、かつ、前記一端側で隣接する前記基準線に近い前記対象物の前記先端を規定する、ことを備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施形態に係る荷役装置の構成を示す側面図。
図2】同荷役装置の構成を示す斜視図。
図3】同荷役装置の制御装置及び外部装置を含む荷役システムを示す説明図。
図4】同制御装置による対象物の配置位置の探索の一例を説明する図。
図5】同制御装置による同対象物の配置位置の探索の一例を説明する図。
図6】同制御装置による基準線の設定の一例を説明する図。
図7】同制御装置による同対象物の配置位置の決定方法の一例を示す流れ図。
図8】同荷役装置による同対象物を収容部に配置する動作の一例を示す流れ図。
図9】同対象物の配置位置を説明する図。
図10】第2の実施形態に係る荷役装置の制御装置による配置位置の補正を説明する図。
図11】同制御装置による積み上げる対象物の個数の補正を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一実施形態に係る荷役装置10を、図1乃至図9を用いて説明する。
図1は、荷役装置10の構成を示す側面図である。図2は、荷役装置10の構成を示す斜視図である。図3は、荷役装置10の制御装置120及び外部搬送部130を含む荷役システムを示す説明図である。図4は、制御装置120による荷物5の配置位置の探索の一例を説明する図である。図5は、制御装置120による荷物5の配置位置の探索の一例を説明する図である。図6は、制御装置120による基準線Lの設定の一例を説明する図である。図7は、制御装置120による荷物5の配置位置の決定方法の一例を示す流れ図である。図8は、荷役装置10による荷物5を収容部6に配置する動作の一例を示す流れ図である。図9は、荷物5の配置位置を説明する図である。
【0009】
図1に示すように、荷役装置10は、装置本体20と、制御装置120と、を備える。
荷役装置10は、外部搬送部130により搬送された荷物5を、装置本体20により収容部6内の目標位置に配置する。目標位置は、制御装置120が計画する荷物5の配置位置である。このように、荷役装置10は、荷役の一例として、荷積みを行う。
【0010】
また、荷役装置10は、収容部6内の荷物5を装置本体20により外部搬送部130に移動する。そして、外部搬送部130により、荷物5の集積所等の目標位置に荷物5を搬送する。荷役装置10は、このように、荷役の一例として、荷降ろしを行う。また、荷役装置10は、外部搬送部130により搬送された荷物5を、別のコンベヤ等の装置に移動することも可能である。荷役装置10による搬送先となる目標位置は、適宜設定可能である。
【0011】
荷役装置10は、例えば、出荷バース1で用いられる。出荷バース1の集積所2等では、外部搬送部130に対して荷物5の荷役が行われる。外部搬送部130に対する荷役には、例えばロボットアーム3が用いられる。また、このロボットアーム3により、例えば外部搬送部130とパレット4との間で荷物5が移動される。パレット4は、例えばフォークリフト8により搬送される。パレット4は、複数の荷物5が載置される。
【0012】
荷物5は、荷役装置10により荷役される対象物の一例である。荷物5は、例えば、直方体状以外の形状であり、具体例として、円筒形状の対象物である。荷物5は、本実施形態の例では、タイヤである。
【0013】
収容部6は、荷物5を収容できるものであり、本実施形態の例では、トラック7により搬送されるコンテナである。しかしながら、収容部6は、コンテナに限定されるものではない。収容部6は、例えば、トラックの荷台、または、工場の一画に設けられた荷物5の保管スペースであってもよい。または、収容部6は、床等の荷物5を配置できる平面に設けられた配置領域であってもよい。収容部6に収容するとは、配置スペース、保管スペースや配置領域等に荷物5を配置することも含む概念である。
【0014】
収容部6は、例えば、床面6aと、前面6b、天井面6cと、一対の側面6dと、開口部6eと、を有する。床面6aは、例えば一方向に長い矩形状に構成される。なお、収容部6の構成の他の例では、収容部6は、床面6a、前面6b、2つの側面6dを有し、天井面6cを有さない構成であってもよい。
【0015】
外部搬送部130は、例えば収容部6外の荷物5の集積所、及び、搬送部50の間で対象物を搬送可能に構成される。外部搬送部130は、例えば、搬送方向に伸縮可能なコンベヤである。
【0016】
ここで、方向の一例を定義する。略水平方向は、水平方向と、水平方向に対して若干傾斜する方向と、を含む。また、略鉛直方向は、水平方向と交差する鉛直方向と、鉛直方向に対して若干傾斜する方向と、を含む。
【0017】
収容部6の前後方向及び幅方向を定義する。収容部6の前後方向は、開口部6eから前面6bへ向かう方向を前方向とし、その逆方向を後ろ方向として設定する。幅方向は、一方の側面6dから他方の側面6dへ向かう方向及びこの逆方向である。収容部6が例えば水平面に配置された状態では、収容部6の前後方向及び水平方向は、略水平方向となる。
【0018】
図1及び図2に示すように、装置本体20は、外部搬送部130から搬送された荷物5を収容部6の目標位置に配置すること、及び、収容部6内の荷物5を外部搬送部130に搬送することを可能に構成される。収容部6の目標位置に配置するとは、収容部6の床面6aに平積みすること、及びその床面6aに平積みして配置された荷物5の上にさらに荷物5を1つ以上積むことを含む。
【0019】
装置本体20は、例えば、走行装置30と、保持部40と、搬送部50と、保持部移動装置60と、支持部70と、支持部移動装置80と、検出部90と、高さ検出部91と、荷物検出部100と、位置決め装置110と、を備える。装置本体20は、走行装置30により移動し、荷物5を保持部40で保持し、保持部移動装置60及び支持部移動装置80により保持部40を移動させることで、荷物5を移動させる。
【0020】
ここで、装置本体20に、第1の方向X、第2の方向Y、及び第3の方向Zを設定する。第1の方向X、第2の方向Y、及び第3の方向Zのそれぞれは、互いに直交する一軸方向である。荷役装置10が、鉛直方向に直交する水平面に載置されたときに、第1の方向X及び第2の方向Yは、それぞれ、略水平方向に平行となり、第3の方向Zは略鉛直方向に平行となる。ここで言う一軸方向とは、一方向及びこの一方向に対して反対の方向を含む。
【0021】
走行装置30は、装置本体20を、収容部6外から収容部6内へ移動可能に、かつ収容部6内から収容部6外へ移動可能に構成される。走行装置30は、例えば、走行装置用基部31と、走行装置用基部31に設けられる走行部32と、を備える。
【0022】
保持部40は、荷物5を着脱可能に保持可能に構成される。
【0023】
搬送部50は、搬送面50aを有する。搬送部50は、搬送面50aに載置された荷物5を外部搬送部130及び保持部40の間で搬送可能に構成される。
【0024】
保持部移動装置60は、荷物5を一方向及びこの一方向に直交する他の一方向に移動する装置の一例である。保持部移動装置60は、本実施形態の例では、保持部40を、例えば、第1の方向X、第2の方向Y及び第3の方向Zに移動する。保持部移動装置60は、支持部70の例えば上面に支持されている。
【0025】
支持部70は、搬送部50の上方に、支持部移動装置80により、搬送部50に支持される。
支持部移動装置80は、支持部70を、走行装置用基部31に支持する。支持部移動装置80は、支持部70を、走行装置用基部31に対して第3の方向Zに移動可能に支持する。
【0026】
検出部90は、収容部6の内部を検出可能に構成される。検出部90は、例えば、床面6a上の荷物5を検出可能に構成される。検出部90は、例えば、カメラである。検出部90は、撮影した情報を制御装置120に送信する。
【0027】
高さ検出部91は、収容部6内に配置された荷物5の高さを検出する。高さ検出部91は、例えばセンサである。高さ検出部91は、例えば、搬送部50の、第1の方向Xで一端の下端に設けられている。
【0028】
荷物検出部100は、搬送面50a上の荷物5を検出可能に構成される。荷物検出部100は、例えば、搬送部50に沿って複数設けられ、搬送面50a上の荷物5を検出するセンサである。荷物検出部100は、検出結果を制御装置120に送信する。
【0029】
位置決め装置110は、例えば、搬送部50の第1の方向Xで一端部に設けられる。位置決め装置110は、搬送面50aの第1の方向Xで一端部に搬送された荷物5を、所定位置に位置決めする。
【0030】
制御装置120は、走行装置30、保持部40、搬送部50、保持部移動装置60、支持部移動装置80、及び、位置決め装置110を制御する。また、制御装置120は、荷物5を収容部6内に配置する配置位置を決定する。制御装置120は、例えば、制御基盤、制御基盤を含む制御ボックスや、処理端末等である。処理端末は、例えば、パーソナルコンピュータである。制御装置120は、例えば装置本体20の支持部70に固定される。
【0031】
図3に示すように、制御装置120は、外部装置200と荷役システムを構成する。外部装置200は、制御装置120と通信を行う装置である。外部装置200は、本実施形態の例では、複数の荷役装置10を管理する管理装置である。
【0032】
外部装置200は、例えば、パーソナルコンピュータ等の処理端末である。外部装置200は、例えば、記憶部201と、通信部202と、入力部204と、表示部205と、プロセッサ203と、を備えている。外部装置200は、通信部202により、複数の制御装置120の各々と通信することが可能である。
【0033】
記憶部201は、例えば、収容部6の寸法の情報、及び、荷物5の寸法情報、荷物5の装置本体20へ送られる順番の情報等を記憶する。また、記憶部201は、制御装置120から受信した荷物5の配置位置の情報を記憶する。また、記憶部201は、プロセッサ203が実行するプログラム等を記憶する。通信部202は、複数の荷役装置10の制御装置120と通信する。
【0034】
入力部204は、作業者がデータ等を入力する際に操作される。入力部204は、例えばキーボードである。
表示部205は、例えば、記憶部201に記憶されたプログラムや情報、作業者が入力部204により入力したデータ等を表示する。
プロセッサ203は、例えば、記憶部201に記憶されたプログラムを実行することで、各種制御を行う。
【0035】
制御装置120は、例えば、記憶部121と、通信部122と、入力部123と、表示部124と、インターフェース125と、制御部126と、を備える。
【0036】
記憶部121は、メモリ等の記憶媒体である。記憶部121は、制御部126が実行するプログラム等を記憶する。また、記憶部121は、収容部6の寸法の情報、収容部6に収容される複数の荷物5の寸法の情報、及び、複数の荷物5の装置本体20へ送られる順番の情報を記憶する。
【0037】
また、記憶部121は、制御部126が決定した荷物5の配置位置を記憶する。また、記憶部121は、荷物5の配置位置の探索に用いられる情報を記憶する。この情報は、例えば、距離T及び閾値THを含む。
【0038】
距離Tは、荷物5の配置位置を探索する前後方向の位置を、前回の位置から後方にずらす距離である。距離Tは、荷物5が収容部6に配置された状態での前後方向の寸法、本実施形態の例では荷物5の直径よりも小さい。例えば、距離Tは、小さい量であることが好ましい。ここで言う小さいとは、ずらす前と後で、探索対象となる荷物5、及び、配置位置が決定された荷物5の間に生じる隙間を十分小さくできる量である。閾値THは、保持部移動装置60による保持部40の第1の方向Xでの最大移動距離である。
【0039】
通信部122は、外部装置200と通信する。通信部122は、例えば、インターネットなどの外部ネットワーク又はLAN(Local Area Network)などの内部ネットワークを通じて外部装置200と接続する。
【0040】
入力部123は、例えば、キーボード等である。入力部123は、例えば、記憶部121に記憶する情報の入力等に用いられる。
【0041】
表示部124は、例えばディスプレーである。表示部124は、例えば、記憶部121に記憶された情報、操作者が入力部123を操作する際の表示や、作業者が入力した情報等を表示する。
【0042】
インターフェース125は、装置本体20と接続される。インターフェース125は、本実施形態の例では、検出部90及び高さ検出部91が接続される。
【0043】
制御部126は、コンピュータである。制御部126は、例えば、プロセッサである。制御部126は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等である。制御部126は、記憶部121に記憶された情報、検出部90、高さ検出部91、及び、荷物検出部100の検出結果に基づいて、装置本体20を制御する。制御部126は、記憶媒体126aと、処理部126bと、を備える。
【0044】
記憶媒体126aは、例えば、制御部126が実行するプログラム等を記憶するレジスタである。なお、本実施形態の例では、制御部126が実行するプログラムは、記憶媒体126a及び記憶部121の少なくとも一方に記憶されればよい。
【0045】
処理部126bは、演算部128と、駆動部129と、を備えている。処理部126bは、例えば、記憶部121及び記憶媒体126aの少なくとも一方に記憶されたプログラムを実行することで、演算部128と駆動部129として機能する。
【0046】
演算部128は、記憶部121及び記憶媒体126aの少なくとも一方に記憶された、収容部6の寸法情報、荷物5の寸法の情報、距離T、及び閾値TH等に基づいて、荷物5の配置位置の探索を行う。ここで、荷物5の配置位置を探索するとは、収容部6の寸法、及び、荷物5の寸法に基づいて、荷物5を配置可能な位置を探すことである。
【0047】
ここで、荷物5の配置位置の探索とは、収容部6の境界及び他の荷物5に干渉しないような位置を見つけることである。収容部6の境界及び他の荷物5に干渉しないとは、荷物5の配置領域が、収容部6の境界である側面6d、及び、他の荷物5の配置領域に重ならないことであり、荷物5が収容部6の境界である側面6d及び他の荷物5の外面に接することを含む。
【0048】
演算部128は、例えば、側面6d及び探索対象の荷物5の中心の間の距離が、探索対象の荷物5の半径以上であり、かつ、探索対象の荷物5の中心、及び、すでに配置位置が決定された他の荷物5の中心間の距離が、これら2つの荷物5の半径の和以上となる位置を、幅方向で探索する。幅方向で探索する際に、探索対象となる荷物5の前端の位置は、前後方向で一定の位置に配置される。換言すると、すでに配置位置が決定された荷物5の前端の位置と、探索対象となる荷物5の前端の位置は、前後方向で同じ位置となる。
【0049】
探索の一例は、探索対象となる荷物5の寸法、及び、すでに配置位置が決定された荷物5の寸法に基づいて、探索対象となる荷物5の配置位置を求める方法である。具体的には、演算部128は、まず、探索開始位置を決定する。探索開始位置は、荷物5の幅方向での探索を開始する位置であり、少なくとも、探索対象の荷物5の前端の位置が前後方向で所定の位置となる位置である。本実施形態の例では、探索開始位置は、探索対象の荷物5の前端が所定の位置となり、さらに、探索対象の荷物5が一方の側面6dに当接する位置である。
【0050】
そして、演算部128は、探索開始位置に荷物5を配置し、荷物5が収容部6の境界と干渉しない場合は、探索開始位置を荷物5の配置位置に決定する。そして、演算部128は、探索開始位置を適正化する。適正化は、探索対象となる荷物5の寸法、及び、すでに配置位置が決定された荷物5の寸法に基づいて、なされる。
【0051】
以下、図4を用いて、同制御装置による対象物の配置位置の探索の一例を説明する。
ここでは、すでに配置位置が決定された荷物5の中心位置の座標を(x1、y1)とし、半径をr1とし、探索対象となる荷物5の半径をr2とする。x1は、前後方向の位置である。y1は、幅方向の位置である。ここで、床面6aの前端の右側の一端を原点としている。探索対象となる荷物5の中心位置を(x2、y2)とすると、適正化された探索開始位置のy2は、y2=y1+√{(r1+r2)^2-(r1-r2)^2}となる。
【0052】
本実施形態の図4では、例えば探索対象となる荷物5の径が、すでに配置位置が決定された荷物5の径と異なる場合を示している。ここでは、探索対象となる荷物5の半径r2がr1より小径である荷物5を示している。また、探索対象となる荷物5の幅方向の中心座標r2の値と配置位置が決定された荷物5の径r1が等しい場合、適正化された探索位置は、y2=y1+2r1となる。このように、適正化された探索開始位置は、収容部6の側面6dに干渉しない場合は、探索開始位置が配置位置となる。
【0053】
図5に示すように、探索の他例は、探索対象の荷物5を、探索開始位置から幅方向で所定値ずつずらし、配置位置を決定する方法である。
【0054】
演算部128は、まず探索開始位置を決定する。そして、演算部128は、探索開始位置から探索対象となる荷物5を幅方向に所定距離ずつずらす。そして、演算部128は、ずらした都度に、収容部6の境界及び探索対象となる荷物5の中心の間の距離を計算し、探索対象となる荷物5の中心位置、及び、すでに配置位置が決定された荷物5の中心位置の間の距離を計算する。
【0055】
すでに配置位置が決定された荷物5が複数ある場合は、演算部128は、それぞれについて、探索対象となる荷物5の中心との距離を求める。そして、演算部128は、側面6d及び探索対象となる荷物5の中心の間の距離が、探索対象となる荷物5の半径以上となり、探索対象となる荷物5の中心位置、及び、すでに配置位置が決定された荷物5の中心位置の間の距離が、これら2つの荷物5の半径の和以上となる位置を、配置位置に決定する。
【0056】
この探索方法を用いる場合は、探索対象となる荷物5を幅方向にずらす所定量の情報が、記憶部121に記憶される。この所定量は、小さい量であることが好ましい。ここで言う小さいとは、ずらす前と後で、探索対象となる荷物5、及び、配置位置が決定された荷物5の間に生じる隙間を十分小さくできる量である。
【0057】
図5に示す探索の例を具体的に説明すると、演算部128は、まず(a)に示すように、探索開始位置を決定する。この例では、探索開始位置は、探索対象となる荷物5が、前面6b及び一方の側面6dに接触する位置である。次に、演算部128は、最初の荷物5の配置位置を、探索開始位置に決定する。
【0058】
次に演算部は、(b)に示すように、次の探索対象となる荷物5を探索開始位置から幅方向に所定距離ずつずらし、側面6d及び探索対象となる荷物5の中心の間の距離が探索対象となる荷物5の半径以上であり、すでに配置位置が決定された他の荷物5の中心、及び、探索対象の荷物5の中心間の距離がこれら2つの荷物5の半径の和以上となる位置を探索する。
【0059】
(c)は、2つ目の探索対象となる荷物5を、側面6d及び探索対象となる荷物5の中心の間の距離が探索対象となる荷物5の半径以上であって、かつ、すでに配置位置が決定された他の荷物5の中心、及び、探索対象の荷物5の中心間の距離がこれら2つの荷物5の半径の和以上となる位置まで所定距離ずつずらした状態を示している。演算部128は、2個目の荷物について、この位置を配置位置に決定する。
【0060】
演算部128は、3個目の荷物5についても同様に、(b)、(c)に示すように幅方向に所定距離ずつずらす。そして、演算部128は、(d)に示すように、側面6d及び探索対象となる荷物5の中心の間の距離が探索対象となる荷物5の半径以上であって、かつ、すでに配置位置が決定された他の荷物5の中心、及び、探索対象の荷物5の中心間の距離がこれら2つの荷物5の半径の和以上となる位置がない場合は、(e)に示すように、探索開始位置を、後方に距離Tずらし、再び、(b)、(c)に示すように配置位置を探索する。
【0061】
(f)は、探索開始位置を後方に距離Tずらすことを例えば複数回繰り返してその合計が距離T1となったところで、探索対象の荷物5の配置位置があった状態を示している。
【0062】
演算部128は、探索対象となる荷物5の配置位置の探索の結果、配置位置があると、当該位置を探索対象となる荷物5の配置位置に決定するとともに、荷物5に紐づけて、記憶部121に記憶する。
【0063】
演算部128は、このような上述の2つの探索方法のうちいずれか一方を、荷物5に応じて使用してもよい。
【0064】
また、演算部128は、幅方向に平行で、且つ、荷物5の先端を規定する複数の基準線Lを設定する。ここで、収容部6の前端に設定される基準線Lを第1の基準線L1とし、第1の基準線L1よりも後方に設定される基準線を第2の基準線L2とする。
【0065】
図6に示すように、第1の基準線L1は、収容部6に収容される荷物5のうち、最も前面6bに近い荷物5の前端を規定する。第1の基準線L1は、本実施形態の例では、収容部6の前端に配置される荷物5の前端を規定する。ここで、荷物5の前端を規定するとは、基準線Lに荷物5の前端の位置が重なる、または、基準線Lに対して、荷物5の前端の位置が所定距離離れた位置に配置されることである。
【0066】
第2の基準線L2は、基準線Lに対して後方で閾値THを越えた位置に配置位置が決定された荷物5であって、かつ、基準線Lに位置が最も近い荷物5の前端を規定する。
【0067】
また、演算部128は、基準線Lに対して荷物5の探索開始位置を後方へのずらした量の合計値が閾値THを超えると、すでに配置位置が決定された荷物5に対して所定高さまで積み上げる荷物5の配置位置の探索を行う。演算部128は、例えば、2段目以降の荷物5の配置位置を、中心を1段目の荷物5の中心に上下方向で合わせた位置に決定する。演算部128は、求めた配置位置を記憶部121に記憶する。
【0068】
ここで、所定高さ位置とは、本実施形態の例では、荷物5が天井面6cに干渉しない高さ位置であって、最上段の荷物5が天井面6cに近く、かつ、装置本体20の荷物5を積み動作時に、装置本体20が天井面6cに干渉しない高さ位置である。また、演算部128は、最上段の荷物5が所定高さとなる個数を決定する。演算部128は、求めた個数を記憶部121に記憶する。
【0069】
また、演算部128は、1段目の荷物5に積む荷物5の配置位置を決定すると、床面6aのさらに後方において、再び、荷物5の配置位置を探索する。
【0070】
また、演算部128は、装置本体20により荷物5を収容部6に配置する際の、装置本体20の走行装置30の移動距離を求める。ここで、移動距離とは、前後方向に並ぶ2つの基準線L間の領域に荷物5を配置できる位置から、この領域に後方で隣接する、前後方向で並ぶ2つの基準線L間の領域に荷物5を配置できる位置までの移動距離である。例えば、移動距離に関しては、前後方向に並ぶ2つの基準線L間とは、上記の基準線L1と基準線L2の間のことを表す。
【0071】
演算部128は、本実施形態の例では、前後方向に並ぶ2つの基準線L間の距離を、走行装置30の移動距離として求める。演算部128は、求めた移動距離を、記憶部121に記憶する。
【0072】
駆動部129は、装置本体20により、記憶部121に記憶された荷物5の配置位置に荷物5を配置させる為に装置本体20に供給される電力を制御する。
【0073】
次に、図7を用いて、制御装置120による荷物5の配置位置の決定方法の一例を説明する。なお、この例では、装置本体20に外部搬送部130から送られる複数の荷物5の寸法は、等しい。
【0074】
演算部128は、まず、収容部6の床面6aの前端に探索開始位置を設定する(ステップST1)。
【0075】
次に、演算部128は、第1の基準線L1を設定する。第1の基準線L1は、探索開始位置に配置された荷物5の前端を規定する。演算部128は、床面6aの前端に第1の基準線L1を設定する(ステップST2)。
【0076】
次に、演算部128は、幅方向で、荷物5の配置位置を探索する(ステップST3)。次に、演算部128は、配置位置があるか否かを判定する(ステップST4)。演算部128は、荷物5の配置位置があると(ステップST4のYES)、その位置を、荷物5の配置位置に決定して記憶部121に記憶する(ステップST5)。次に、演算部128は、ステップST3に戻る。
【0077】
演算部128は、荷物5の配置位置がない場合(ステップST4のNO)、探索開始位置を、後方に距離Tずらす(ステップST5)。
【0078】
次に、演算部128は、第1の基準線L1に対する、探索開始位置を後方へずらした量の合計が、閾値THをこえた否かを判定する(ステップST7)。演算部128は、閾値THをこえるまで(ステップST7のYES)、ステップST3乃至ステップST6の動作を繰り返す。
【0079】
演算部128は、第1の基準線L1に対する、探索開始位置を後方へのずらした量の合計値が閾値THをこえると(ステップST7のYES)、配置位置が決定された荷物5に所定高さ位置まで積む荷物5の配置位置の探索に切り替える。換言すると、2段目以降の荷物5の配置位置の探索に切り替える(ステップST8)。
【0080】
演算部128は、例えば、2段目以降の荷物5の配置位置として、中心を1段目の荷物5の中心に合わせた位置を、配置位置に決定する。また、演算部128は、所定高さに応じて、積む荷物5の個数を決定する。
【0081】
次に、演算部128は、2段目以降の荷物5の配置位置を決定すると、床面6aのさらに後方において、荷物5の配置位置を探索する。具体的には、ステップST3乃至ST6の動作と同様の動作を行う。そして、演算部128は、最初に配置位置が決定された荷物5の先端を規定する第2の基準線L2を設定する(ステップST9)。換言すると、先に設定された基準線Lに対して閾値THを超えて配置位置が決定された荷物5のうち、先に設定された基準線Lに最も近い荷物5の前端を規定する第2の基準線L2を設定する。
【0082】
演算部128は、第2の基準線L2が設定されると、前後方向に並ぶ基準線L間の距離を算出して、装置本体20の走行装置30による走行距離として、記憶部121に記憶する(ステップST10)。
【0083】
次に、演算部128は、配置位置が未決定の荷物5があると(ステップST11のYES)、ステップST3に戻る。
【0084】
演算部128は、配置位置が未決定の荷物5がないと(ステップST11のNO)、荷物5の配置位置の決定の動作を終了する。これにより、図9に示すように、全ての荷物5に対して、配置位置が決定される。
【0085】
次に、装置本体20による収容部6への荷物5の配置の動作の一例を説明する。
【0086】
図8に示すように、駆動部129は、記憶部121に記憶された、荷物5の配置位置の情報、及び、走行装置30による収容部6内での走行距離の情報を読み出す(ステップST21)。
【0087】
次に駆動部129は、走行装置30を駆動して、装置本体20を、収容部6内の、荷物5を配置する位置に移動する。このとき、駆動部129は、装置本体20の第1の方向X、第2の方向Y、及び第3の方向Zを、収容部6の前後方向、幅方向、及び上下方向に合わせる。
【0088】
次に、駆動部129は、保持部40、搬送部50、及び、保持部移動装置60を制御して、床面6aの前後方向に並ぶ2つの基準線L間に配置位置が決定された荷物5を、床面6aに配置する(ステップST22)。
【0089】
次に、駆動部129は、保持部移動装置60または支持部移動装置80を制御して、1段目に配置された荷物5の上に、2段目以降の荷物5を配置する(ステップST23)。
【0090】
次に、駆動部129は、未配置の荷物があるか否かを判定する(ステップST24)。駆動部129は、未配置の荷物5があると(ステップST24のYES)、駆動部129は、走行装置30を制御して、装置本体20を、ステップST11で読みだした、走行装置30による走行量後方に移動し(ステップST25)、ステップST22に戻る。
【0091】
駆動部129は、全ての荷物5の配置が完了するまで(ステップST24のNO)、ステップST22乃至ステップST25を繰り返す。
【0092】
駆動部129は、全ての荷物5の配置が完了すると(ステップST24のNO)、荷物5の配置作業を完了する。
【0093】
このように構成される荷役装置10では、記憶部121に記憶された収容部6の寸法の情報、及び、荷物5の寸法の情報に基づいて、演算部128が荷物5の配置位置を探索する。具体的には、演算部128は、荷物5の配置位置を幅方向で探索し、荷物5が収容部6の境界及び他の荷物5と干渉しない位置があるとその位置を荷物5の配置位置として決定する。そして、演算部128は、探索の結果、幅方向で、荷物5が収容部6の境界及び他の荷物5と干渉しない位置がないと、後方に距離Tずれた位置で、再び、荷物5の配置位置を探索する。
【0094】
この為、荷物5が矩形状でない場合であっても、荷物5の寸法に基づいて、荷物5の配置位置を探索することが可能となる。そして、隣接する他の対象物と接する位置、または、隣接する他の対象物との間の隙間が小さくなる位置が、配置位置となる。
【0095】
この為、荷物5が矩形状でない場合であっても、収容部6に対する荷物5の配置効率を向上できる。
【0096】
さらに、基準線Lを設定することで、床面6aに対する荷物5の配置位置の探索から、上下方向に積む荷物5の配置位置の探索に切り替えること、及び、装置本体20の収容部6内での移動距離を求めることが可能となる。
【0097】
さらに、基準線Lに対する、探索開始位置を後方にずらしたずれ量の合計が閾値THをこえると、2段目以降の荷物5の配置位置の探索に切り替えることで、装置本体20の保持部移動装置60による荷物5の移動範囲を最大に利用することができるので、装置本体20の収容部6内での走行及び停止の切り替え回数を少なくすることが可能となる。この為、荷物5の配置作業の効率を向上できる。
【0098】
さらに、前後方向で隣り合う基準線L間の距離を、装置本体20の収容部6内での走行距離として求めることで、保持部移動装置60による荷物5の可動範囲を最大に利用しつつ、収容部6内での装置本体20の走行装置30による走行量を最小限とすることが可能となるので、荷物5の配置作業の効率を向上できる。
【0099】
この実施形態によれば、直方体以外の対象物であっても、収容部6への配置効率を向上できる。
【0100】
なお、上述の例では、記憶部121は、荷物5の実際の寸法を記憶する構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、記憶部121に記憶する荷物5の寸法として、実際の寸法よりも大きい寸法を記憶してもよい。記憶部121に記憶する荷物5の寸法を実際の寸法より大きい寸法とすることで、収容部6での荷物5の位置ずれを吸収することができる。なお、記憶部121に記憶する寸法は、想定される、ずれ量考慮して、このずれを吸収できる値に決定されてもよい。
【0101】
また、上述の例では、荷役装置10は、荷積み及び荷降ろしを可能に構成される例が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、荷役装置10は、荷積みのみを行ってもよい。
【0102】
また、上述の例では、荷物5を収容部6に配置する前に、全ての荷物5の配置位置を決定し、記憶部121に記憶し、記憶部121に記憶された配置位置に基づいて、荷物5を収容部6に配置する例が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、制御装置120による荷物5の配置位置の計画、及び、装置本体20による荷物5の収容部6への配置の動作が並行して行われてもよい。
【0103】
また、上述の例では、2段目以降に荷物5を配置する例が説明されたが、これに限定されない。他の例では、荷物5を積む配置位置の探索はせず、荷物5を床面6aに1段のみ配置する配置位置の計画を行ってもよい。例えば、荷役装置10が荷降ろし作業をする場合に、荷降ろしした荷物5を、搬送部50に搬送するのではなく、例えば平面状の配置領域に、荷物5を1段並べることを行うこともできる。
【0104】
なお、上述の例では、制御装置120は、円筒状である荷物5の配置位置の決定を行ったが、これに限定されない。例えば、荷物5は、他の例として、端面が多角形状となる形状であってもよい。この例としては、3角柱状、直方体、6角柱状の形状であってもよい。
【0105】
例えば、荷物5の形状が円筒または円柱状以外の形状である場合は、荷物5の情報は、収容部6に配置される際の荷物5の姿勢の情報を含んでもよい。収容部6に配置される際の荷物5の姿勢から、探索対象となる荷物5の中心、及び、収容部6の境界との間の距離、並びに、探索対象となる荷物5の中心、及び、すでに配置位置が決定された荷物5の中心の間の距離を算出することが可能となる。
【0106】
また、上述の例では、外部搬送部130から装置本体20におくられる複数の荷物5の寸法が等しい例が説明されたが、これに限定されない。他の例では、装置本体20に先に送られた対象物に比較して、後におくられる荷物5の半径が小径であってもよい。換言すると、大きい荷物5から送られる順番に装置本体20に送られてもよい。この場合であっても、2段目以降に積み重ねられる荷物5の配置位置として、中心位置を1段目の荷物5の配置位置と揃えることが可能となる。
【0107】
2段目以降に積み上げられる荷物5の径が、下段に配置される荷物5の径よりも大きい場合には、それ以降積み上げる荷物5の配置位置の探索を中止してもよい。または、上段の荷物5の径が、下段の荷物5の径よりも大きい場合は、上段の荷物5を下段の荷物5に安定して配置できるよう、下段の荷物5の配置位置を補正してもよい。また、この補正に伴って、周囲の荷物5の配置位置も補正してもよい。
【0108】
また、外部搬送部130から装置本体20に送る荷物5の寸法が異なる場合、同じ寸法の荷物5で組を作り、この組ごとに外部搬送部130から装置本体20に送ってよい。このようにすることで、同じ寸法の荷物が連続して送られることで、2段目以降に積む荷物5の配置位置を決定しやすい。
【0109】
なお、上述の例では、探索開始位置の幅方向の位置は、一定である例が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、探索対象の荷物5が変わるごとに、探索開始位置を幅方向で変更してもよい。具体例としては、先の探索対象の荷物5の探索開始位置の幅方向の位置を、一方の側面6dに接する位置と、次の探索対象の荷物5の探索開始位置の幅方向の位置を、他方の側面6dに接する位置としてもよい。
【0110】
次に、第2の実施形態に係る荷役装置10を、図10を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態は、荷物5の配置位置を、計画段階で補正する点が、第1の実施形態と異なる。
【0111】
本実施形態の例では、荷物5の配置位置及び上下方向に積む荷物5の個数の少なくとも一方を補正する。
【0112】
図10に示すように、本実施形態の例では、演算部128は、荷物5の配置位置の補正を行う。演算部128は、例えば全ての荷物5の配置位置を決定した後に、配置位置の補正を行う。演算部128は、例えば、一段目の荷物5に対して、少なくとも最上段の荷物5が、開口部6eに相対する壁の一部である前面6b側に配置されるよう、補正を行う。演算部128は、例えば、一段目から最上段までの荷物5の一体物の重心が、前面6b寄りとなるよう、配置位置をずらす補正を行う。演算部128は、例えば、図10に示すように、一段目の荷物5の位置を、前面6bから離れる方向にずらし、2段目以降の荷物5の配置位置を、下段の荷物5に対して前面6b側に配置されるよう、配置位置の補正を行ってもよい。なお、一段目の荷物5に対して少なくとも最上段の荷物5を前面6b側に配置されるよう補正するにあたり、一段目から上端までの複数の荷物5のうち、いずれかの荷物によっては、配置位置が不要な場合も生じえる。
【0113】
一段目の荷物5のずらす量は、所定値として記憶部121に記憶されてもよい。他の例としては、一段目の荷物5をずらす量を求める為の係数が記憶部121に記憶されており、この係数及び一段目の荷物5の第2の方向の寸法の積により、ずらす量を求めてもよい。また、2段目以降の荷物5のずらす量は、所定値として記憶部121に記憶されてもよい。または、2段目以降の荷物5のずらす量は、一段目の荷物5の配置位置のずれ量、及び、積む荷物5の数に応じて適宜計算により求めてもよい。
【0114】
このように、一段目の荷物5に対して少なくとも最上段の荷物5の配置位置が前面6b側にあることで、荷物5の荷崩れを抑制できる。なお、図10では、前面6bに対向する荷物5について説明したが、例えば、前面6bから後方に離れた位置に配置される荷物5についても、同様に、配置位置が補正されてもよい。
【0115】
なお、図10に示す例では、2段目から最上段までの荷物5のそれぞれが、下段の荷物5に対して前面6b側に配置されるよう、配置位置が補正されたが、補正後の荷物5の配置位置は、これに限定されない。他の例では、所定段目以降、例えば2段目以降の荷物5の中心位置が上下方向で揃えられてもよい。
【0116】
また、図11を用いて、積む荷物5の数を補正する例を説明する。例えば、演算部128は、この例では、開口部6e側の最上段の荷物5の高さ位置を、前面6b側よりも低くするよう、荷物5の積む個数を補正する。
【0117】
例えば、図11に示すように、収容部6の空きスペースによっては、収容部6に収容する荷物5の個数を維持しつつ、荷物5の積み上げ個数を変更可能である。このような場合、演算部128は、開口部6e側に配置される荷物5の個数を調整することで、前面6b側に向かうにつれて最上段の荷物5の高さ位置が高くなるよう、積む荷物5の個数を補正してもよい。または、収容部6に収容する荷物5の数を少なくすることで、開口部6e側の最上段の荷物5の高さ位置を、前面6b側に比較して低くしてもよい。
【0118】
このように、開口部6e側の最上段の荷物5の高さ位置が、前面6b側の最上段の荷物5の高さ位置に比較して低くなることで、荷崩れを防止できる。
【0119】
次に、第3の実施形態に係る荷役装置10を説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成については、第1の実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
【0120】
本実施形態は、荷物5を収容部6での位置が、事前に計画した配置位置に対してずれが生じている場合、このずれをセンサ等で検出することで、未配置の荷物5の配置位置を補正する点が、第1の実施形態と異なる。
【0121】
例えば、演算部128は、センサの一例として、検出部90や高さ検出部91や検を用いることができる。演算部128は、例えば、高さ検出部91による検出の結果が、事前に計画された荷物5の配置位置に基づく高さ位置と異なる場合は、当該荷物5の上段に積み重ねられる未配置の荷物5の上下方向の配置位置を、補正する。例えば、荷物5の重さにより、荷物5の上下方向の高さ寸法が変化することで、配置した荷物5の高さ位置が、事前に求めた配置位置と異なる場合が生じえる。
【0122】
または、例えば荷物5の高さ寸法が記憶部121に記憶されている高さ寸法とことなっている場合であっても、この荷物5の上段に配置される荷物5の配置位置を補正することが可能である。
【0123】
また、収容部6に配置された荷物5の位置に基づいて未配置の荷物5の配置位置を補正する補正の変形例として、検出部90を用いてもよい。検出部90により収容部6に配置された荷物5を撮影することで、荷物5の幅方向及び前後方向の少なくとも一方にずれを検出し、未配置の荷物5の配置位置を補正することが可能となる。
【0124】
なお、上述の例では、配置された荷物5の位置をセンサで検出し、検出値に基づいて、未配置の荷物5の配置位置を補正する例が説明されたが、これに限定されない。他の例では、例えば、収容部6配置された荷物5の位置を、装置本体20により移動することで配置位置をずらしてもよい。
【0125】
また、これら第1乃至第3の実施形態の2以上を組み合わせてもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、矩形以外の対象物であっても、収容部6への配置効率を向上できる。
【0126】
なお、本実施形態では、既存の有形の収容部など(例えば、倉庫、コンテナ)ではなく、所定の領域を任意に設定して、その領域内に矩形以外の対象物を配置することも可能である。二次元形状の領域においては、所定の領域を、例えばX、Y軸方向の寸法を規定することで矩形状の平面を設定して、その領域に矩形以外の対象物を配置することが可能である。また、三次元形状の領域においては、所定の領域を、例えばX、Y、Z軸方向の寸法を規定することで矩形状の空間に設定して、その空間内に矩形以外の対象物を配置することが可能である。
【0127】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、この出願の特許出願時の特許請求の範囲を付記する。
[付記1]
制御装置の記憶部に記憶された所定領域の寸法、及び、前記所定領域内に収容される複数の対象物の寸法の情報に基づいて、前記対象物が前記所定領域の境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を第1の方向で探すことと、
前記第1の方向で前記対象物が前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置がないと、前記第1の方向に直交する第2の方向にずれた位置で、前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を前記第1の方向で探すことと、
を具備する対象物の配置位置決定方法。
[付記2]
制御装置の記憶部に記憶された収容部の寸法、及び、前記収容部に収容される複数の対象物の寸法の情報に基づいて、前記対象物が前記収容部の境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を第1の方向で探すことと、
前記第1の方向で前記対象物が前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置がないと、前記第1の方向に直交する第2の方向にずれた位置で、前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を前記第1の方向で探すことと、
を具備する対象物の配置位置決定方法。
[付記3]
前記第1の方向に平行で且つ前記対象物の先端を規定する複数の基準線を設定することを含み、
前記収容部の前記第2の方向で一端に設定される前記基準線は、前記一端側に配置される前記対象物の前記先端を規定し、
他の前記基準線は、前記一端側で隣接する前記基準線に対して前記対象物を前記収容部に配置する荷役装置が有する装置による前記対象物の前記第2の方向に沿う最大移動距離をこえた位置に配置位置があり、かつ、前記一端側で隣接する前記基準線に近い前記対象物の前記先端を規定する、
ことを具備する付記2に記載の対象物の配置位置決定方法。
[付記4]
前記基準線からの前記探す位置をずらす量の合計が、前記最大移動距離をこえると、配置位置が決定された前記対象物に対して所定高さ位置まで積む前記対象物の配置位置を探すことと、
前記積む前記対象物の配置位置が決定されると、前記対象物が前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を前記第1の方向で探すことと、
を具備する付記3に記載の対象物の配置位置決定方法。
[付記5]
前記第2の方向で隣接する2つの前記基準線間の距離を算出し、前記荷役装置の移動距離として求めることを具備する付記3に記載の対象物の配置位置決定方法。
[付記6]
前記収容部は、前記荷役装置が通る開口部、及び、前記開口部に相対する壁部を有し、 一段目の前記対象物の配置位置を前記開口部側にずらし、少なくとも最上段の前記対象物を前記一段目の前記対象物に比較して前記壁部側に配置する補正をすることを具備する 付記4に記載の対象物の配置位置決定方法。
[付記7]
前記収容部は、前記荷役装置が通る開口部、及び、前記開口部に相対する壁部を有し、 積む前記対象物の数を、前記開口部側で前記壁部側に比較して少なくする付記3に記載の対象物の配置位置決定方法。
[付記8]
収容部の寸法、及び、前記収容部に収容される複数の対象物の寸法の情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記収容部の寸法、及び、前記複数の対象物の寸法の情報に基づいて、前記対象物が前記収容部の境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を第1の方向で探し、前記第1の方向で前記対象物が前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置がないと、前記第1の方向に直交する第2の方向にずれた位置で、前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を前記第1の方向で探す演算部と、
を具備する制御装置。
[付記9]
前記演算部は、前記第1の方向に平行で且つ前記対象物の先端を規定する複数の基準線を設定し、
前記収容部の前記第2の方向で一端に設定される前記基準線は、前記一端側に配置される前記対象物の前記先端を規定し、
他の前記基準線は、前記一端側で隣接する前記基準線に対して前記対象物を前記収容部に配置する荷役装置が有する装置による前記対象物の前記第2の方向に沿う最大移動距離をこえた位置に配置位置があり、かつ、前記一端側で隣接する前記基準線に近い前記対象物の前記先端を規定する、
付記8に記載の制御装置。
[付記10]
前記演算部は、前記基準線からの前記探す位置をずらす量の合計が、前記最大移動距離をこえると、配置位置が決定された前記対象物に対して所定高さ位置まで積む前記対象物の配置位置を探し、
前記積む前記対象物の配置位置が決定されると、前記対象物が前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を前記第1の方向で探す、
付記9に記載の制御装置。
[付記11]
前記演算部は、前記第2の方向で隣接する2つの前記基準線間の距離を算出し、前記荷役装置の移動距離として求める、付記9に記載の制御装置。
[付記12]
前記収容部は、前記荷役装置が通る開口部、及び、前記開口部に相対する壁部を有し、 前記演算部は、一段目の前記対象物の配置位置を前記開口部側にずらし、少なくとも最上段の前記対象物を前記一段目の前記対象物に比較して前記壁部側に配置する補正をする、
付記9に記載の制御装置。
[付記13]
前記収容部は、前記荷役装置が通る開口部、及び、前記開口部に相対する壁部を有し、 前記演算部は、積む前記対象物の数を、前記開口部側で前記壁部側に比較して少なくする、付記9に記載の制御装置。
[付記14]
コンピュータに、
制御装置の記憶部に記憶された収容部の寸法、及び、前記収容部に収容される複数の対象物の寸法の情報に基づいて、前記対象物が前記収容部の境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を第1の方向で探す機能と、
前記第1の方向で前記対象物が前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置がないと、前記第1の方向に直交する第2の方向にずれた位置で、前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を前記第1の方向で探す機能と、
を実行させるプログラム。
[付記15]
前記コンピュータに、前記第1の方向に平行で且つ前記対象物の先端を規定する複数の基準線を設定する機能を実行させ、
前記収容部の前記第2の方向で一端に設定される前記基準線は、前記一端側に配置される前記対象物の前記先端を規定し、
他の前記基準線は、前記一端側で隣接する前記基準線に対して前記対象物を前記収容部に配置する荷役装置が有する装置による前記対象物の前記第2の方向に沿う最大移動距離をこえた位置に配置位置があり、かつ、前記一端側で隣接する前記基準線に近い前記対象物の前記先端を規定する、
付記14に記載のプログラム。
[付記16]
前記コンピュータに
前記基準線からの前記探す位置をずらす量の合計が、前記最大移動距離をこえると、配置位置が決定された前記対象物に対して所定高さ位置まで積む前記対象物の配置位置を探す機能と、
前記積む前記対象物の配置位置が決定されると、前記対象物が前記境界及び他の前記対象物に干渉しない位置を前記第1の方向で探す機能と、
を実行させる付記15に記載のプログラム。
[付記17]
前記コンピュータに、
前記第2の方向で隣接する2つの前記基準線間の距離を算出し、前記荷役装置の移動距離として求める機能を実行させる付記15に記載のプログラム。
[付記18]
前記コンピュータに、
一段目の前記対象物の配置位置を、前記収容部の開口部側にずらし、少なくとも最上段の前記対象物を前記一段目の前記対象物に比較して、前記収容部の前記開口部に相対する壁部側に配置する補正をする機能を実行させる付記16に記載のプログラム。
[付記19]
前記コンピュータに、
積む前記対象物の数を、前記収容部の開口部側で、前記収容部の前記開口部に相対する壁部側に比較して少なくする付記15に記載のプログラム。
[付記20]
対象物を保持する保持部と、
前記保持部を移動する装置と、
前記保持部及び前記装置を支持し、走行する走行装置と、
付記1乃至付記7のいずれか1項に記載の制御装置と、
を具備する荷役装置。
[付記21]
付記20に記載の荷役装置と、
前記荷役装置を管理する外部装置と、
を具備し、
前記制御装置は、前記外部装置と通信可能に構成された荷役システム。
【符号の説明】
【0128】
5…荷物、6…収容部、6a…床面、6b…前面、6c…天井面、6d…側面、6e…開口部、10…荷役装置、20…装置本体、30…走行装置、40…保持部、60…保持部移動装置、80…支持部移動装置、90…検出部、91…検出部、100…荷物検出部、120…制御装置、121…記憶部、122…通信部、123…入力部、124…表示部、125…インターフェース、126…制御部、126a…記憶媒体、126b…処理部、128…演算部、129…駆動部、200…外部装置、L…基準線、L1…第1の基準線、L2…第2の基準線。




図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11