(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】街区設計支援装置及び街区評価支援装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240917BHJP
G06Q 50/40 20240101ALI20240917BHJP
【FI】
G08G1/00 A
G06Q50/40
(21)【出願番号】P 2021022829
(22)【出願日】2021-02-16
【審査請求日】2023-12-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松岡 正明
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-048508(JP,A)
【文献】特開2019-114110(JP,A)
【文献】特開2019-220048(JP,A)
【文献】特開2017-120657(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G06Q 50/00-50/20
G06Q 50/26-99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設計対象とする街区に対する敷地条件を含む要求条件に応じ、かつ、道路及び人の居所領域を有するモデルである設計対象街区モデルを取得する設計モデル取得部と、
前記設計モデル取得部によって取得された設計対象街区モデルにおける道路を移動する、予め定められたサービス機能を備えた移動車両を含む移動体の交通量を示す交通量情報を導出する交通量導出部と、
前記交通量導出部によって導出された交通量情報が示す前記移動体の交通量を用いて、前記設計対象街区モデルの道路における前記移動体の交通状態をシミュレートし、当該シミュレート前の前記設計対象街区モデルに比較して、前記街区を利用する人にとって、より快適な状態となるように、前記設計対象街区モデルに関する条件である設計街区条件及び前記移動車両の運行計画の少なくとも一方を調整する設計モデル調整部と、
を備え
、
前記より快適な状態は、前記シミュレートの結果が、前記街区を利用する人にとって、利便性が、よりよくなっている状態であり、
前記設計モデル調整部は、前記より快適な状態となったか否かの判断を、前記移動車両の待ち時間の短縮、及び前記移動体による移動時間の短縮の少なくとも一方を含む、数値の向上の度合いを用いた定量的な判断、及び前記街区を利用する人に対するアンケートによる定性的な判断の少なくとも一方により行う、
街区設計支援装置。
【請求項2】
前記移動体は、公共交通車両、前記街区を利用する人が所有する一般車両、及び当該人の少なくとも1つを更に含む、
請求項1に記載の街区設計支援装置。
【請求項3】
前記要求条件は、前記街区を利用する人の人数、当該人の性別、及び当該人の年齢の少なくとも1つを更に含む、
請求項1又は請求項2に記載の街区設計支援装置。
【請求項4】
前記設計街区条件は、前記設計対象街区モデルの道路に関する条件である道路条件及び人の居所領域に関する条件である居所領域条件の少なくとも一方である、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の街区設計支援装置。
【請求項5】
前記街区を利用する人は、前記街区の住民、前記街区への来訪者、及び前記移動車両の運転手の少なくとも1つである、
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の街区設計支援装置。
【請求項6】
評価対象とする街区の道路及び人の居所領域を有するモデルである評価対象街区モデルを取得する評価モデル取得部と、
前記評価モデル取得部によって取得された評価対象街区モデルにおける道路を移動する、予め定められたサービス機能を備えた移動車両を含む移動体の交通量を示す交通量情報を検出する交通量検出部と、
前記交通量検出部によって検出された交通量情報が示す前記移動体の交通量が、予め定められた交通条件を満足しない場合、当該交通条件を満足するように、前記評価対象街区モデルに関する条件である評価街区条件及び前記移動車両の運行計画の少なくとも一方を調整する評価モデル調整部と、
を備え
、
前記評価対象街区モデルは、請求項1~請求項5の何れか1項に記載の街区設計支援装置によって設計され、かつ、建設された街区のモデルであり、
前記交通条件は、前記建設された街区を前記街区設計支援装置によって設計した際に適用した前記交通量情報が示す交通量と、前記交通量検出部によって検出された交通量情報が示す交通量と、の差分が所定閾値以内である、との条件である、
街区評価支援装置。
【請求項7】
前記移動体は、公共交通車両、前記街区を利用する人が所有する一般車両、及び当該人の少なくとも1つを更に含む、
請求項
6に記載の街区評価支援装置。
【請求項8】
前記評価街区条件は、前記評価対象街区モデルの道路に関する条件である道路条件及び人の居所領域に関する条件である居所領域条件の少なくとも一方である、
請求項6
又は請求項7に記載の街区評価支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、街区設計支援装置及び街区評価支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住民や来訪者等の利用者にとって快適な街区の構築に寄与することができる技術として以下の技術があった。
【0003】
特許文献1には、サービス提供のスポット位置を、利用者にとってさらに利便性がよくなるよう設定することが可能な情報処理装置が開示されている。
【0004】
この情報処理装置は、特定のサービスを提供するスポットの位置を要求するユーザからの位置要求を受信する通信部と、前記通信部を介して受信される複数ユーザからの位置要求を分析することにより、前記スポットの位置を動的に設定する制御部を備えている。
【0005】
特許文献2には、利用者からの乗降地点及び希望乗車時刻を含むデマンドに基づいて、少なくとも1台の乗合車両の運行計画を作成し、作成された運行計画に従って車両運行を行う車両運行システムが開示されている。
【0006】
この車両運行システムは、前記車両運行に適用されている運行計画である現行運行計画に基づいて、新たなデマンドによる乗降車の予約容易性情報を定期的に導出する導出手段と、前記導出手段による導出結果を提示する提示手段と、を備えている。
【0007】
特許文献3には、利用者のプライベートな用途に利用可能な室内空間を備えた乗り物である空間モビリティを、需要に応じて派遣するための空間モビリティ派遣システムが開示されている。
【0008】
この空間モビリティ派遣システムは、空間モビリティの使用時間及び使用場所に関する需要情報と、空間モビリティの現在位置及び稼働状態に関する現在状況を表す状況情報とを取得する。つぎに、空間モビリティ派遣システムは、需要情報と状況情報とに基づき、空間モビリティの派遣場所及び派遣時間、並びに派遣する空間モビリティを決定する。そして、決定された空間モビリティを派遣時間までに派遣場所に到達させるべく、当該空間モビリティに対して移動を指令する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】国際公開第2018/225320号
【文献】特開2010-244177号公報
【文献】特開2019-75047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、近年、各種サービス機能を備えた多種多様な移動車両(以下、「モビリティ」ともいう。)の開発が進んでいる。その一方で、モビリティが運行される都市や街区空間の具体的な設計プロセスや評価プロセスに当該モビリティの運行計画がもたらす影響や効果が考慮されてこなかった。このため、地域固有の課題や導入されるモビリティの性能に対して、街区空間が過剰、若しくは過少性能となってしまい、必ずしも利用者にとって快適な街区を構築することができるとは限らない、という問題点があった。
【0011】
これに対し、特許文献1~特許文献3に記載の技術では、街区の構築に関しては考慮されていないため、上述した問題点を解決することはできない。
【0012】
本開示は、以上の事情を鑑みて成されたものであり、利用者にとって、より快適な街区を構築することができる街区設計支援装置及び街区評価支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1に記載の本発明に係る街区設計支援装置は、設計対象とする街区に対する敷地条件を含む要求条件に応じ、かつ、道路及び人の居所領域を有するモデルである設計対象街区モデルを取得する設計モデル取得部と、前記設計モデル取得部によって取得された設計対象街区モデルにおける道路を移動する、予め定められたサービス機能を備えた移動車両を含む移動体の交通量を示す交通量情報を導出する交通量導出部と、前記交通量導出部によって導出された交通量情報が示す前記移動体の交通量を用いて、前記設計対象街区モデルの道路における前記移動体の交通状態をシミュレートし、当該シミュレート前の前記設計対象街区モデルに比較して、前記街区を利用する人にとって、より快適な状態となるように、前記設計対象街区モデルに関する条件である設計街区条件及び前記移動車両の運行計画の少なくとも一方を調整する設計モデル調整部と、を備え、前記より快適な状態は、前記シミュレートの結果が、前記街区を利用する人にとって、利便性が、よりよくなっている状態であり、前記設計モデル調整部は、前記より快適な状態となったか否かの判断を、前記移動車両の待ち時間の短縮、及び前記移動体による移動時間の短縮の少なくとも一方を含む、数値の向上の度合いを用いた定量的な判断、及び前記街区を利用する人に対するアンケートによる定性的な判断の少なくとも一方により行う。
【0014】
請求項1に記載の本発明に係る街区設計支援装置によれば、設計対象とする街区に対する敷地条件を含む要求条件に応じ、かつ、道路及び人の居所領域を有するモデルである設計対象街区モデルを取得し、取得した設計対象街区モデルにおける道路を移動する、予め定められたサービス機能を備えた移動車両を含む移動体の交通量を示す交通量情報を導出し、導出した交通量情報が示す上記移動体の交通量を用いて、設計対象街区モデルの道路における当該移動体の交通状態をシミュレートし、当該シミュレート前の設計対象街区モデルに比較して、街区を利用する人にとって、より快適な状態となるように、設計対象街区モデルに関する条件である設計街区条件及び移動車両の運行計画の少なくとも一方を調整することで、利用者にとって、より快適な街区を構築することができる。
【0015】
請求項2に記載の本発明に係る街区設計支援装置は、請求項1に記載の街区設計支援装置であって、前記移動体が、公共交通車両、前記街区を利用する人が所有する一般車両、及び当該人の少なくとも1つを更に含むものである。
【0016】
請求項2に記載の本発明に係る街区設計支援装置によれば、上記移動体に、公共交通車両、街区を利用する人が所有する一般車両、及び当該人の少なくとも1つを更に含めることで、より実態に即した交通状態でシミュレートすることができる結果、より快適な街区を構築することができる。
【0017】
請求項3に記載の本発明に係る街区設計支援装置は、請求項1又は請求項2に記載の街区設計支援装置であって、前記要求条件が、前記街区を利用する人の人数、当該人の性別、及び当該人の年齢の少なくとも1つを更に含むものである。
【0018】
請求項3に記載の本発明に係る街区設計支援装置によれば、上記要求条件に、街区を利用する人の人数、当該人の性別、及び当該人の年齢の少なくとも1つを更に含めることで、より実態に即した設計対象街区モデルを適用することができる結果、より快適な街区を構築することができる。
【0019】
請求項4に記載の本発明に係る街区設計支援装置は、請求項1~請求項3の何れか1項に記載の街区設計支援装置であって、前記設計街区条件が、前記設計対象街区モデルの道路に関する条件である道路条件及び人の居所領域に関する条件である居所領域条件の少なくとも一方であるものである。
【0020】
請求項4に記載の本発明に係る街区設計支援装置によれば、上記設計街区条件を、設計対象街区モデルの道路に関する条件である道路条件及び人の居所領域に関する条件である居所領域条件の少なくとも一方とすることで、適用した道路条件及び居所領域条件の少なくとも一方を、より快適な状態に調整することができる。
【0021】
なお、請求項4に記載の発明において、前記道路条件が、前記道路の幅を含むものとしてもよい。
【0022】
また、請求項4に記載の発明において、前記居所領域条件が、前記居所領域の面積、前記居所領域の平面形状、前記居所領域に対する用途地域の種別、及び前記街区の住民が居住する建物に対する条件の少なくとも1つを含むものとしてもよい。
【0023】
請求項5に記載の本発明に係る街区設計支援装置は、請求項1~請求項4の何れか1項に記載の街区設計支援装置であって、前記街区を利用する人が、前記街区の住民、前記街区への来訪者、及び前記移動車両の運転手の少なくとも1つであるものである。
【0024】
請求項5に記載の本発明に係る街区設計支援装置によれば、街区を利用する人を、街区の住民、街区への来訪者、及び移動車両の運転手の少なくとも1つとすることで、適用した街区の住民、街区への来訪者、及び移動車両の運転手の少なくとも1つにとって、より快適な街区を構築することができる。
【0025】
請求項6に記載の本発明に係る街区評価支援装置は、評価対象とする街区の道路及び人の居所領域を有するモデルである評価対象街区モデルを取得する評価モデル取得部と、前記評価モデル取得部によって取得された評価対象街区モデルにおける道路を移動する、予め定められたサービス機能を備えた移動車両を含む移動体の交通量を示す交通量情報を検出する交通量検出部と、前記交通量検出部によって検出された交通量情報が示す前記移動体の交通量が、予め定められた交通条件を満足しない場合、当該交通条件を満足するように、前記評価対象街区モデルに関する条件である評価街区条件及び前記移動車両の運行計画の少なくとも一方を調整する評価モデル調整部と、を備え、前記評価対象街区モデルは、請求項1~請求項5の何れか1項に記載の街区設計支援装置によって設計され、かつ、建設された街区のモデルであり、前記交通条件は、前記建設された街区を前記街区設計支援装置によって設計した際に適用した前記交通量情報が示す交通量と、前記交通量検出部によって検出された交通量情報が示す交通量と、の差分が所定閾値以内である、との条件であるものである。
【0026】
請求項6に記載の本発明に係る街区評価支援装置によれば、評価対象とする街区の道路及び人の居所領域を有するモデルである評価対象街区モデルを取得し、取得した評価対象街区モデルにおける道路を移動する、予め定められたサービス機能を備えた移動車両を含む移動体の交通量を示す交通量情報を検出し、検出した交通量情報が示す移動体の交通量が、予め定められた交通条件を満足しない場合、当該交通条件を満足するように、評価対象街区モデルに関する条件である評価街区条件及び移動車両の運行計画の少なくとも一方を調整することで、利用者にとって、より快適な街区を構築することができる。
【0028】
また、請求項6に記載の本発明に係る街区評価支援装置によれば、評価対象街区モデルを、本発明の街区設計支援装置によって設計され、かつ、建設された街区のモデルとし、上記交通条件を、建設された街区を街区設計支援装置によって設計した際に適用した交通量情報が示す交通量と、検出した交通量情報が示す交通量と、の差分が所定閾値以内である、との条件とすることで、本発明の街区設計支援装置によって設計された設計対象街区モデルを用いて建設された街区を、より的確に評価することができる。
【0029】
請求項7に記載の本発明に係る街区評価支援装置は、請求項6に記載の街区評価支援装置であって、前記移動体が、公共交通車両、前記街区を利用する人が所有する一般車両、及び当該人の少なくとも1つを更に含むものである。
【0030】
請求項7に記載の本発明に係る街区評価支援装置によれば、上記移動体に、公共交通車両、街区を利用する人が所有する一般車両、及び当該人の少なくとも1つを更に含めることで、より実態に即した交通状態で評価することができる結果、より的確に評価することができる。
【0031】
請求項8に記載の本発明に係る街区評価支援装置は、請求項6又は請求項7に記載の街区評価支援装置であって、前記評価街区条件が、前記評価対象街区モデルの道路に関する条件である道路条件及び人の居所領域に関する条件である居所領域条件の少なくとも一方であるものである。
【0032】
請求項8に記載の本発明に係る街区評価支援装置によれば、上記評価街区条件を、評価対象街区モデルの道路に関する条件である道路条件及び人の居所領域に関する条件である居所領域条件の少なくとも一方とすることで、適用した道路条件及び居所領域条件の少なくとも一方に応じて、より的確に評価することができる。
【0033】
なお、請求項8に記載の発明において、前記道路条件が、前記道路の幅を含むものとしてもよい。
【0034】
また、請求項8に記載の発明において、前記居所領域条件が、前記居所領域の面積、前記居所領域の平面形状、前記居所領域に対する用途地域の種別、及び前記街区の住民が居住する建物に対する条件の少なくとも1つを含むものとしてもよい。
【発明の効果】
【0035】
以上説明したように、本発明によれば、利用者にとって、より快適な街区を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】実施形態に係る街区構築支援システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係るモビリティの一例を示す側面図である。
【
図3】実施形態に係る街区設計支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】実施形態に係る街区評価支援装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】実施形態に係る街区設計支援装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】実施形態に係る街区評価支援装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図7】実施形態に係る基本モデル情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図8】実施形態に係る運行計画情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図9】実施形態に係る設計モデル情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図10】実施形態に係る街区設計支援処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】実施形態に係る要求条件入力画面の構成の一例を示す正面図である。
【
図12】実施形態に係る街区設計支援処理の説明に供する図であり、各種調整が行われた後の設計対象街区モデルの一例を示す平面図である。
【
図13】実施形態に係る街区評価支援処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】従来技術の問題点の説明に供する図であり、モビリティの運行状況を考慮しない状態で設計された設計対象街区モデルの一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明の街区設計支援装置及び街区評価支援装置を、これらの装置を含む街区構築支援システムに適用した場合の形態例について説明する。
【0038】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る街区構築支援システム1の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る街区構築支援システム1の構成の一例を示すブロック図である。
【0039】
図1に示すように、本実施形態に係る街区構築支援システム1は、本システムの中心的な役割を担う街区設計支援装置10及び街区評価支援装置20と、情報蓄積装置30と、を含む。本実施形態に係る街区設計支援装置10は、予め指定された要求条件に応じ、かつ、予め定められたサービス機能を備えた移動車両である、後述するモビリティ90(
図2も参照。)の運行状況を考慮した設計対象街区モデルの設計を支援するものである。また、本実施形態に係る街区評価支援装置20は、建設済みで、かつ、モビリティ90が運行する街区に対する評価を支援するものである。また、本実施形態に係る情報蓄積装置30は、街区設計支援装置10及び街区評価支援装置20で取り扱う各種情報を蓄積するものである。
【0040】
本実施形態に係る情報蓄積装置30は不揮発性の記憶部32を備えている。記憶部32はHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部32には、基本モデル情報データベース32A、運行計画情報データベース32B、及び設計モデル情報データベース32Cが記憶される。基本モデル情報データベース32A、運行計画情報データベース32B、及び設計モデル情報データベース32Cについては、詳細を後述する。
【0041】
街区設計支援装置10及び街区評価支援装置20と、情報蓄積装置30とは、ネットワークNを介して接続されており、街区設計支援装置10及び街区評価支援装置20は、情報蓄積装置30とネットワークNを介して相互に通信可能とされている。なお、本実施形態では、ネットワークNとしてLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の企業内の通信回線を適用しているが、この形態に限定されるものではない。ネットワークNとして、例えば、インターネット、電話回線等の公共の通信回線を適用してもよく、これらの企業内の通信回線及び公共の通信回線を組み合わせて適用してもよい。また、本実施形態では、ネットワークNとして有線の通信回線を適用しているが、この形態に限定されるものではなく、無線の通信回線を適用してもよく、有線及び無線の各通信回線を組み合わせて適用してもよい。
【0042】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係るモビリティ90の構成を説明する。
図2は、本実施形態に係るモビリティ90の一例を示す側面図である。
【0043】
図2に示すように、本実施形態に係るモビリティ90は、ワンボックス型の車両とされ、かつ、予め定められたサービス機能を備えた移動車両とされている。なお、本実施形態では、モビリティ90として、一般に販売されているワンボックスカーに対して、対応するサービス機能を付加することで製作されたものを適用しているが、これに限るものではない。例えば、対応するサービス機能を搭載した専用の車両を製作し、モビリティ90として適用する形態としてもよい。また、本実施形態では、モビリティ90が、上記サービス機能として、学校の機能(以下、「学校機能」という。)、病院の機能(以下、「病院機能」という。)、及び店舗の機能(以下、「店舗機能」という。)等の機能を個別に備えている場合について説明する。但し、これに限るものではなく、複数の機能を1台のモビリティ90に搭載する形態としてもよい。
【0044】
次に、
図3を参照して、本実施形態に係る街区設計支援装置10のハードウェア構成を説明する。
図3は、本実施形態に係る街区設計支援装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、街区設計支援装置10の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の各種コンピュータが挙げられる。
【0045】
本実施形態に係る街区設計支援装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置(R/W)16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスB1を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0046】
記憶部13はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、街区設計支援プログラム13Aが記憶されている。街区設計支援プログラム13Aは、街区設計支援プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの街区設計支援プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。CPU11は、街区設計支援プログラム13Aを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、街区設計支援プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。
【0047】
次に、
図4を参照して、本実施形態に係る街区評価支援装置20のハードウェア構成を説明する。
図4は、本実施形態に係る街区評価支援装置20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、街区評価支援装置20の例としても、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の各種コンピュータが挙げられる。
【0048】
本実施形態に係る街区評価支援装置20は、CPU21、一時記憶領域としてのメモリ22、不揮発性の記憶部23、キーボードとマウス等の入力部24、液晶ディスプレイ等の表示部25、媒体読み書き装置(R/W)26及び通信インタフェース(I/F)部28を備えている。CPU21、メモリ22、記憶部23、入力部24、表示部25、媒体読み書き装置26及び通信I/F部28はバスB2を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置26は、記録媒体27に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体27への情報の書き込みを行う。
【0049】
記憶部23はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部23には、街区評価支援プログラム23Aが記憶されている。街区評価支援プログラム23Aは、街区評価支援プログラム23Aが書き込まれた記録媒体27が媒体読み書き装置26にセットされ、媒体読み書き装置26が記録媒体27からの街区評価支援プログラム23Aの読み出しを行うことで、記憶部23へ記憶される。CPU21は、街区評価支援プログラム23Aを記憶部23から読み出してメモリ22に展開し、街区評価支援プログラム23Aが有するプロセスを順次実行する。
【0050】
このように、本実施形態では、街区設計支援装置10及び街区評価支援装置20を各々個別の装置として構成しているが、これに限るものではない。例えば、街区設計支援装置10及び街区評価支援装置20を単体装置で構成する形態としてもよい。この場合、当該単体装置に、街区設計支援プログラム13A及び街区評価支援プログラム23Aの双方がインストールされることになる。
【0051】
次に、
図5を参照して、本実施形態に係る街区設計支援装置10の機能的な構成について説明する。
図5は、本実施形態に係る街区設計支援装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0052】
図5に示すように、本実施形態に係る街区設計支援装置10は、設計モデル取得部11A、交通量導出部11B、及び設計モデル調整部11Cを含む。街区設計支援装置10のCPU11が街区設計支援プログラム13Aを実行することで、設計モデル取得部11A、交通量導出部11B、及び設計モデル調整部11Cとして機能する。
【0053】
本実施形態に係る設計モデル取得部11Aは、設計対象とする街区に対する敷地条件を含む要求条件に応じ、かつ、道路及び人の居所領域を有するモデルである設計対象街区モデルを取得する。
【0054】
また、本実施形態に係る交通量導出部11Bは、設計モデル取得部11Aによって取得された設計対象街区モデルにおける道路を移動する、モビリティ90を含む移動体の交通量を示す交通量情報を導出する。
【0055】
また、本実施形態に係る設計モデル調整部11Cは、交通量導出部11Bによって導出された交通量情報が示す上記移動体の交通量を用いて、設計対象街区モデルの道路における上記移動体の交通状態をシミュレートする。そして、本実施形態に係る設計モデル調整部11Cは、当該シミュレート前の設計対象街区モデルに比較して、街区を利用する人にとって、より快適な状態となるように、設計対象街区モデルに関する条件である設計街区条件及びモビリティ90の運行計画の少なくとも一方を調整する。
【0056】
なお、ここでいう「より快適な状態」とは、住民及び来訪者を含む街区の利用者にとって、より移動しやすい、より短時間で必要なモビリティ90を利用することができる、といったように利便性が、よりよくなることを意味する。換言すれば、街区の利用者にとって、より居心地がよい、といった状態を意味する。より快適な状態となったか否かの判断は、例えば、モビリティ90の待ち時間の短縮、現在地から目的地までの徒歩や一般車両等による移動時間の短縮、住宅の居住面積の増加といった数値の向上の度合いから定量的に判断することもできるし、上記利用者に対するアンケートにより定性的に把握することもできる。
【0057】
本実施形態では、上記要求条件が、街区を利用する人の人数、当該人の性別、及び当該人の年齢を更に含むものとされている。但し、これに限るものではなく、敷地条件のみや、敷地条件に加えて、上記街区を利用する人の人数、当該人の性別、及び当該人の年齢のうちの何れか1つ、又は2つの組み合わせを上記要求条件に含める形態としてもよい。
【0058】
また、本実施形態では、上記設計街区条件が、設計対象街区モデルの道路に関する条件である道路条件であるものとされており、当該道路条件が、道路の幅を含むものとされている。但し、これに限るものではなく、当該道路条件、及び人の居所領域に関する条件である居所領域条件の双方の条件や、当該居所領域条件のみを上記設計街区条件とする形態としてもよい。この場合、上記居所領域条件が、居所領域の面積、居所領域の平面形状、居所領域に対する用途地域の種別、及び街区の住民が居住する建物に対する条件を含むものとしてもよい。但し、これに限るものではなく、居所領域の面積、居所領域の平面形状、居所領域に対する用途地域の種別、及び街区の住民が居住する建物に対する条件の何れか1つ、又は全てを除く2つ以上の組み合わせを居所領域条件とする形態としてもよい。
【0059】
次に、
図6を参照して、本実施形態に係る街区評価支援装置20の機能的な構成について説明する。
図6は、本実施形態に係る街区評価支援装置20の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0060】
図6に示すように、本実施形態に係る街区評価支援装置20は、評価モデル取得部21A、交通量検出部21B、及び評価モデル調整部21Cを含む。街区評価支援装置20のCPU21が街区評価支援プログラム23Aを実行することで、評価モデル取得部21A、交通量検出部21B、及び評価モデル調整部21Cとして機能する。
【0061】
本実施形態に係る評価モデル取得部21Aは、評価対象とする街区の道路及び人の居所領域を有するモデルである評価対象街区モデルを取得する。
【0062】
また、本実施形態に係る交通量検出部21Bは、評価モデル取得部21Aによって取得された評価対象街区モデルにおける道路を移動するモビリティ90を含む移動体の交通量を示す交通量情報を検出する。
【0063】
そして、本実施形態に係る評価モデル調整部21Cは、交通量検出部21Bによって検出された交通量情報が示す移動体の交通量が、予め定められた交通条件を満足しない場合、当該交通条件を満足するように、評価対象街区モデルに関する条件である評価街区条件及びモビリティ90の運行計画の少なくとも一方を調整する。
【0064】
本実施形態では、評価対象街区モデルが、街区設計支援装置10によって設計され、かつ、建設された街区のモデルとされているが、これに限るものではない。例えば、街区設計支援装置10以外の装置によって設計され、建設された街区のモデルを、評価対象街区モデルとして適用する形態としてもよい。
【0065】
また、本実施形態では、上記交通条件を、上記建設された街区を街区設計支援装置10によって設計した際に適用した交通量情報が示す交通量と、交通量検出部21Bによって検出された交通量情報が示す交通量と、の差分が所定閾値以内である、との条件としている。但し、これに限るものではないことは言うまでもない。
【0066】
本実施形態では、上記移動体が、モビリティ90に加えて、バス、タクシー等の公共交通車両、街区を利用する人が所有する一般車両、及び当該人を更に含むものとされている。但し、これに限るものではなく、モビリティ90のみや、モビリティ90に加えて、上記公共交通車両、一般車両、及び人のうちの何れか1つ、又は2つの組み合わせを上記移動体に含める形態としてもよい。
【0067】
また、本実施形態では、上記評価街区条件が、評価対象街区モデルの道路に関する条件である道路条件であるものとされており、当該道路条件が、道路の幅を含むものとされている。但し、これに限るものではなく、当該道路条件、及び人の居所領域に関する条件である居所領域条件の双方の条件や、当該居所領域条件のみを上記評価街区条件とする形態としてもよい。この場合、上記居所領域条件が、居所領域の面積、居所領域の平面形状、居所領域に対する用途地域の種別、及び街区の住民が居住する建物に対する条件を含むものとしてもよい。但し、これに限るものではなく、居所領域の面積、居所領域の平面形状、居所領域に対する用途地域の種別、及び街区の住民が居住する建物に対する条件の何れか1つ、又は全てを除く2つ以上の組み合わせを居所領域条件とする形態としてもよい。
【0068】
更に、本実施形態では、上記街区を利用する人が、街区の住民、街区への来訪者、及びモビリティ90の運転手であるものとされている。但し、これに限るものではなく、上記街区の住民、街区への来訪者、及びモビリティ90の運転手の何れか1つ、又は全てを除く2つ以上の組み合わせを、上記街区を利用する人とする形態としてもよい。
【0069】
次に、
図7を参照して、本実施形態に係る基本モデル情報データベース32Aについて説明する。
図7は、本実施形態に係る基本モデル情報データベース32Aの構成の一例を示す模式図である。
【0070】
本実施形態に係る基本モデル情報データベース32Aは、設計対象街区モデルの基本となるモデルである基本モデルに関する情報が登録されているデータベースであり、
図7に示すように、要求条件、モデル、及び交通量の各情報が関連付けられて記憶されている。
【0071】
上記要求条件は、設計対象とする街区に要求される条件を示す情報であり、上述した要求条件を示す情報である。本実施形態では、要求条件として、敷地面積(上述した敷地条件に該当。)、家族数、人数(上述した街区を利用する人における街区の住民の人数に該当。)、及び年齢層(上述した年齢に該当。)等を適用している。
【0072】
また、上記モデルは、対応する要求条件に合致する設計対象街区モデルの元となる基本モデルを示す情報である。本実施形態では、当該基本モデルとして、既に日本国内で建設されている、対応する要求条件に合致する都市の平均的なモデルを適用しているが、これに限るものではない。例えば、対応する要求条件に合致する複数の都市から、より良い部分を組み合わせたモデルを、上記基本モデルとして適用する形態としてもよい。
【0073】
更に、上記交通量は、対応する基本モデルで想定されるバス、タクシー等の公共交通車両、街区を利用する人が所有する自動車、バイク、自転車等の一般車両、人等の、時間帯別で、かつ、所定区間毎の道路別の移動量を示す情報である。
【0074】
本実施形態では、当該交通量情報として、対応する基本モデルに対応する都市における、対応する上記所定区間毎の道路別の過去の交通量の平均的な数値を適用しているが、これに限るものではない。例えば、対応する上記道路別の交通量の最大値、中央値、最低値等を上記交通量情報として適用する形態としてもよい。また、本実施形態では、上記所定区間毎の道路として、対応する基本モデルにおける全ての道路を、交差点毎に区分し、当該区分された各道路を適用しているが、これに限るものではない。例えば、基本モデルにおける全ての道路を、予め定められた段階数の道幅毎に区分し、当該区分された各道路を上記所定区間毎の道路として適用する形態としてもよい。以下、上記所定区間毎の道路の各々を、「区分道路」という。
【0075】
次に、
図8を参照して、本実施形態に係る運行計画情報データベース32Bについて説明する。
図8は、本実施形態に係る運行計画情報データベース32Bの構成の一例を示す模式図である。
【0076】
本実施形態に係る運行計画情報データベース32Bは、街区設計支援装置10によって設計された設計対象街区モデルの各々毎にモビリティ90の運行計画を示す情報が登録されるデータベースである。
図8に示すように、本実施形態に係る運行計画情報データベース32Bは、モデルID(Identification)、車両種別、車両ID、及び運行時刻の各情報が関連付けられて記憶される。
【0077】
上記モデルIDは、対応する設計対象街区モデルを識別するために、当該設計対象街区モデルの各々毎に異なるものとして予め付与された情報である。また、上記車両種別は、対応するモビリティ90の種別を示す情報であり、上記車両IDは、対応するモビリティ90を識別するために、モビリティ90の各々毎に異なるものとして予め付与された情報である。また、上記運行時刻は、対応するモビリティ90の運行経路における、予め定められた停車地点毎の到着時刻を示す情報である。
【0078】
図8に示す例では、モデルIDとして「M001」が付与された設計対象街区モデルにおいて、車両IDとして「S001」が付与されたモビリティ90が、店舗機能を備えたモビリティ90(
図8では、「移動店舗」と表記。)であることを示している。また、
図8に示す例では、このモビリティ90が、予め定められた発着場に6時30分に到着した後、A1地点に6時34分に到着するように移動し、その後、同様に次の地点まで順次移動した後に、20時に再び発着場に到着する予定であることを示している。
【0079】
次に、
図9を参照して、本実施形態に係る設計モデル情報データベース32Cについて説明する。
図9は、本実施形態に係る設計モデル情報データベース32Cの構成の一例を示す模式図である。
【0080】
本実施形態に係る設計モデル情報データベース32Cは、街区設計支援装置10によって設計された設計対象街区モデルに関する情報が登録されるデータベースである。
図9に示すように、本実施形態に係る設計モデル情報データベース32Cは、モデルID、モデル、要求条件、及び交通量の各情報が関連付けられて記憶される。
【0081】
上記モデルIDは、運行計画情報データベース32BのモデルIDと同一の情報である。また、上記モデルは、対応する設計対象街区モデルを示す情報であり、上記要求条件は、対応する設計対象街区モデルの設計に際して適用した要求条件を示す情報である。
【0082】
また、上記交通量は、対応する設計対象街区モデルを設計する際に適用した、上述した交通量を示す情報である。
【0083】
次に、
図10~
図14を参照して、本実施形態に係る街区構築支援システム1の作用を説明する。まず、
図10~
図12を参照して、街区設計支援装置10の作用を説明する。
図10は、本実施形態に係る街区設計支援処理の一例を示すフローチャートである。
【0084】
街区設計支援装置10のユーザによって街区設計支援プログラム13Aの実行を開始する指示入力が入力部14を介して行われた場合に、街区設計支援装置10のCPU11が街区設計支援プログラム13Aを実行することにより、
図10に示す街区設計支援処理が実行される。なお、ここでは、錯綜を回避するために、基本モデル情報データベース32Aが構築済みである場合について説明する。
【0085】
図10のステップ100で、CPU11は、予め定められた構成とされた要求条件入力画面を表示するように表示部15を制御し、ステップ102で、CPU11は、所定情報が入力されるまで待機する。
【0086】
図11には、本実施形態に係る要求条件入力画面の構成の一例が示されている。
図11に示すように、本実施形態に係る要求条件入力画面では、設計対象とする街区に要求する条件の入力を促すメッセージが表示されると共に、各種の要求条件を入力するための入力枠15Aが表示される。
【0087】
一例として
図11に示す要求条件入力画面が表示部15に表示されると、ユーザは、入力部14を用いて、設計対象とする街区に要求する条件を、対応する入力枠15Aに入力した後、終了ボタン15Eを指定する。ユーザによって終了ボタン15Eが指定されると、ステップ102が肯定判定となってステップ104に移行する。
【0088】
ステップ104で、CPU11は、要求条件入力画面を介して入力された要求条件に合致する基本モデル及び交通量の各情報を基本モデル情報データベース32Aから読み出す。なお、以下では、読み出した交通量を示す情報を「交通量導出用情報」という。
【0089】
ステップ106で、CPU11は、読み出した交通量導出用情報を用いて、基本モデルにおける、モビリティ90を含む各種移動体の交通量を示す交通量情報を以下に示すように導出する。
【0090】
まず、CPU11は、設計対象街区モデルでの運行を想定するモビリティ90の各々の、時間帯別で、かつ、基本モデルにおける区分道路別の運行台数を、入力された要求条件を用いて決定する。
【0091】
本実施形態では、モビリティ90の各々における、時間帯別で、かつ、基本モデルの区分道路別の運行台数を、要求条件に含まれる人数が多いほど多くなるように決定している。また、本実施形態では、通勤時間帯における運行台数を、通勤時間帯を除く時間帯に比較して、相対的に多い運行台数となるように、モビリティ90の運行台数を決定している。更に、本実施形態では、適用するモビリティ90の種類(提供するサービス機能の種類)を、要求条件に含まれる年齢層に応じて決定している。例えば、要求条件に含まれる年齢層として70歳以上の人が一定数以上である場合、病院の需要が高いものと見なして、病院機能を備えたモビリティ90を適用する。但し、これらの形態に限るものではなく、より多くの要求条件に応じて、よりきめ細かに運行台数を決定したり、適用するモビリティ90の種類を決定したりしてもよいことは言うまでもない。以下、ここで適用を決定したサービス機能を備えたモビリティ90を「適用モビリティ」という。
【0092】
そして、CPU11は、読み出した交通量導出用情報と、決定した適用モビリティの運行台数とを組み合わせることで、時間帯別で、かつ、区分道路別の全体的な交通量を示す情報を導出する。以下、ここで導出した全体的な交通量を示す情報を、単に「交通量情報」という。
【0093】
ステップ108で、CPU11は、導出した交通量情報を以下に示すように基本モデルに反映させる。
【0094】
まず、CPU11は、交通量情報が示す各時間帯別の交通量の最大値(以下、「最大交通量」という。)を区分道路別に導出する。ここで導出される最大交通量が、基本モデルにおける区分道路別の、渋滞が最も生じやすい時間帯における、モビリティ90も含めた各種移動体による混雑状況の程度を示す値となる。
【0095】
そして、CPU11は、導出した最大交通量に応じて、基本モデルにおける各区分道路の幅を調整する。具体的には、対応する最大交通量が第1閾値以上であれば、対応する区分道路の幅を所定量(一例として、1車線分の幅)だけ増加し、対応する最大交通量が第1閾値より小さい第2閾値未満であれば、対応する区分道路の幅を上記所定量だけ削減する。なお、本実施形態では、第1閾値及び第2閾値を、最大交通量が第2閾値以上で、かつ第1閾値未満であれば、目立った混雑が生じないものとして、予め実験やコンピュータ・シミュレーション等によって得られた値を設定しているが、これに限るものではない。例えば、街区設計支援装置10のユーザに対して、第1閾値及び第2閾値を予め入力させる形態としてもよい。また、本実施形態では、基本モデルに対する交通量情報の反映の対象として、基本モデルの道路の幅を適用しているが、これに限るものではない。例えば、基本モデルが示す各街区の上述した居所領域条件の少なくとも1つの条件を対象として基本モデルに反映させる形態としてもよい。
【0096】
ステップ110で、CPU11は、以上の処理によって得られた各種情報を用いて、交通量情報が示す交通量が反映された基本モデルにおける適用モビリティの初期運行計画を以下に示すように作成する。
【0097】
まず、CPU11は、上記要求条件を用いて、適用モビリティの各々の運行経路を作成する。例えば、学校機能を備えた適用モビリティについては、設計対象街区モデルが示す都市の各街区に居住すると想定される家族に当該学校機能に対応する生徒や学生の年代の人を含む世帯が一定数以上含まれる場合、各街区で満遍なく利用されることが想定される。このため、この場合には、基本モデルが示す全ての街区を含む領域を周回する運行経路を作成する。また、例えば、病院機能を備えた適用モビリティについては、設計対象街区モデルが示す都市の各街区に居住すると想定される住民に高齢者が多く含まれる場合、当該高齢者によって高頻度に利用されることが想定される。このため、この場合には、基本モデルが示す街区のうち、高齢者が多く居住すると想定される街区を中心に周回する運行経路を作成する。
【0098】
次いで、CPU11は、適用モビリティの各々について、他の一般車両や人等の移動体の往来を極力妨げず、かつ、要求条件に応じた需要を極力満足するように、各時間帯別の運行台数を決定する。この際、CPU11は、費用対効果も加味して、各時間帯別の運行台数を決定する。
【0099】
そして、CPU11は、適用モビリティの各々について、基本モデルにおける各区分道路の車両走行方向に対する長さ(距離)、及び適用モビリティの移動速度を用いて、作成した運行経路の各地点における到着時間を決定する。この際、CPU11は、対応する適用モビリティが有するサービス機能を発揮するために要する停車時間も考慮して、各地点の到着時間を決定する。
【0100】
以上の処理により、一例として
図8に示す運行計画情報データベース32Bにおける各情報の初期情報となる初期運行計画が作成されることになる。なお、初期運行計画の作成方法は、以上の方法に限るものではなく、他の要求条件等を考慮して、よりきめ細かな運行計画を作成する形態としてもよいことは言うまでもない。
【0101】
ステップ112で、CPU11は、以上の処理によって得られた適用モビリティの各々の初期運行計画、及び適用モビリティを除く移動体の交通量を用いて、基本モデルに対して適用モビリティを含む各種移動体を仮想的に運行させるシミュレーションを実行する。この際、CPU11は、時間帯別で、かつ、区分道路別に、上記シミュレーションを実行する。
【0102】
ステップ114で、CPU11は、上記シミュレーションにおいて問題が生じていないか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ116に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ118に移行する。なお、本実施形態では、上記問題として、適用モビリティの少なくとも1台について、初期運行計画に沿った運行ができないとの問題を適用しているが、これに限るものではない。例えば、適用モビリティに加えて、一般車両の適切な速度での運行ができないとの問題も上記問題に含める形態としてもよい。
【0103】
ステップ116で、CPU11は、基本モデル又は初期運行計画における、適用モビリティを含む各種移動体の運行に影響を及ぼす部分を調整し、その後にステップ112に戻る。本実施形態では、当該調整として、基本モデルにおける、上記問題が生じた区分道路の幅を所定量(一例として、1車線分の幅)だけ広くする、という調整を行っているが、これに限るものではない。例えば、初期運行計画に対して、上記問題が生じた適用モビリティの、当該問題が生じた時間帯の運行台数を所定台数(一例として、1台)減らす、といった調整を行う形態としてもよい。
【0104】
以上のステップ112~ステップ116の繰り返し処理により、基本モデル及び初期運行計画を、仮想的なシミュレーションにおいては問題が生じていないものとすることができる。
【0105】
そこで、ステップ118で、CPU11は、以上の処理を経た基本モデルを設計対象街区モデルとして設計モデル情報データベース32Cに登録すると共に、初期運行計画を運行計画情報データベース32Bに登録し、その後に本街区設計支援処理を終了する。なお、ステップ118の処理を実行する際に、CPU11は、登録する設計対象街区モデルに対応して、新たなモデルIDを生成し、当該モデルIDも含めて、運行計画情報データベース32B及び設計モデル情報データベース32Cに登録する。また、ステップ118の処理を実行する際に、CPU11は、本街区設計支援処理で適用した要求条件及び交通量導出用情報の各情報を、設計対象街区モデルと共に設計モデル情報データベース32Cに登録する。
【0106】
以上の街区設計支援処理により、一例として
図8に示す運行計画情報データベース32Bが構築されると共に、一例として
図9に示す設計モデル情報データベース32Cが構築されることになる。
【0107】
従来の街区の設計方法では、一例として
図14に示すように、病院86A、学校86B、店舗86C等の各種サービス機能を有する建物が各街区の一部に固定的に設けられ、バス等の公共交通車両88の運行計画や、各街区80A~80D等の面積等も画一的となる。
【0108】
これに対し、本実施形態に係る街区設計支援処理による街区の設計では、一例として
図12に示すように、利用者が必要とするサービス機能を備えたモビリティ90が需要に応じた状態で運行される。このため、各街区60A~60D等も病院86A、学校86B等が不要となり、面積も適度に調整されたものとなる。この結果、本実施形態に係る街区設計支援処理では、利用者にとって、より快適な街区を構築することができる。
【0109】
その後、設計モデル情報データベース32Cに登録された設計対象街区モデルに応じた都市が実際に建設され、適用モビリティの運行が行われる。なお、この都市には、上述した区分道路毎に、街区設計支援処理による設計時に想定した移動体について、モビリティ90、一般車両等の種類別で、かつ、時間帯別の交通量を検出することができる検出装置(図示省略。)が設置される。
【0110】
次に、
図13を参照して、設計モデル情報データベース32Cに登録された設計対象街区モデルに応じた実際の都市を評価する場合の街区評価支援装置20の作用を説明する。
図13は、本実施形態に係る街区評価支援処理の一例を示すフローチャートである。
【0111】
ユーザによって街区評価支援プログラム23Aの実行を開始する指示入力が入力部24を介して行われた場合に、街区評価支援装置20のCPU21が街区評価支援プログラム23Aを実行することにより、
図13に示す街区評価支援処理が実行される。なお、ここでは、錯綜を回避するために、評価対象とする都市(以下、「対象都市」という。)が予め指定されている場合について説明する。
【0112】
図13のステップ200で、CPU21は、対象都市に対応する設計対象街区モデルを設計モデル情報データベース32Cから読み出すと共に、対象都市に対応する初期運行計画を示す情報を運行計画情報データベース32Bから読み出す。以下では、読み出した設計対象街区モデルを「評価対象街区モデル」といい、読み出した初期運行計画を「評価対象運行計画」という。
【0113】
ステップ202で、CPU21は、対象都市に対応する交通量を示す情報、即ち、対象都市の街区を街区設計支援処理で設計する際に適用した交通量導出用情報を設計モデル情報データベース32Cから読み出す。ステップ204で、CPU21は、上述した検出装置から、移動体の種類別で、かつ、時間帯別の交通量を示す情報(以下、「実交通量情報」という。)を取得する。
【0114】
ステップ206で、CPU21は、評価対象運行計画が示すモビリティ90の交通量、及び交通量導出用情報が示すモビリティ90以外の移動体の交通量と、実交通量情報が示す各種移動体の交通量との、移動体の種類別で、かつ、時間帯別の差分を導出する。そして、CPU21は、導出した差分に応じて、評価対象街区モデル及び評価対象運行計画を調整する。
【0115】
なお、本実施形態では、上記調整として、導出した差分が所定閾値を超えている移動体がモビリティ90である場合、当該モビリティ90の対応する時間帯における運行台数を所定台数(一例として、1台)増減するといった調整を行う。ここで、モビリティ90の台数を削減した場合、削減した種類のモビリティ90については、削減したモビリティ90の前後で運行するモビリティ90として、定員数が、より多いものを適用する形態としてもよい。また、本実施形態では、上記調整として、評価対象街区モデルにおける道路の幅が変更可能である場合は、当該幅を所定量(一例として、1車線分の幅)だけ増減する、といった調整を行う。但し、これらの形態に限るものではなく、居所領域の面積、居所領域の平面形状、居所領域に対する用途地域の種別、及び街区の住民が居住する建物に対する条件の少なくとも1つを調整する形態としてもよいことは上述した通りである。
【0116】
ステップ208で、CPU21は、以上の調整を経た評価対象運行計画及び評価対象街区モデルを運行計画情報データベース32B及び設計モデル情報データベース32Cに各々反映させ、その後に本街区評価支援処理を終了する。
【0117】
以上の街区評価支援処理によって交通量の差分が反映された評価対象運行計画及び評価対象街区モデルは、その後のモビリティ90の運行、及び対象都市の改造に適宜適用されることになる。
【0118】
以上説明したように、本実施形態によれば、街区設計支援装置10が、設計対象とする街区に対する敷地条件を含む要求条件に応じ、かつ、道路及び人の居所領域を有するモデルである設計対象街区モデルを取得する設計モデル取得部11Aと、設計モデル取得部11Aによって取得された設計対象街区モデルにおける道路を移動する、予め定められたサービス機能を備えた移動車両を含む移動体の交通量を示す交通量情報を導出する交通量導出部11Bと、交通量導出部11Bによって導出された交通量情報が示す上記移動体の交通量を用いて、設計対象街区モデルの道路における当該移動体の交通状態をシミュレートし、当該シミュレート前の設計対象街区モデルに比較して、上記街区を利用する人にとって、より快適な状態となるように、設計対象街区モデルに関する条件である設計街区条件及び移動車両の運行計画を調整する設計モデル調整部11Cと、を備えている。従って、利用者にとって、より快適な街区を構築することができる。
【0119】
また、本実施形態によれば、上記移動体に、公共交通車両、街区を利用する人が所有する一般車両、及び当該人を更に含めている。従って、より実態に即した交通状態でシミュレートすることができる結果、より快適な街区を構築することができる。
【0120】
また、本実施形態によれば、上記要求条件に、街区を利用する人の人数、当該人の性別、及び当該人の年齢の少なくとも1つを更に含めている。従って、より実態に即した設計対象街区モデルを適用することができる結果、より快適な街区を構築することができる。
【0121】
また、本実施形態によれば、上記設計街区条件を、設計対象街区モデルの道路に関する条件である道路条件及び人の居所領域に関する条件である居所領域条件としている。従って、道路条件及び居所領域条件を、より快適な状態に調整することができる。
【0122】
また、本実施形態によれば、街区を利用する人を、街区の住民、街区への来訪者、及び移動車両の運転手としている。従って、街区の住民、街区への来訪者、及び移動車両の運転手にとって、より快適な街区を構築することができる。
【0123】
一方、本実施形態によれば、街区評価支援装置20が、評価対象とする街区の道路及び人の居所領域を有するモデルである評価対象街区モデルを取得する評価モデル取得部21Aと、評価モデル取得部21Aによって取得された評価対象街区モデルにおける道路を移動する、予め定められたサービス機能を備えた移動車両を含む移動体の交通量を示す交通量情報を検出する交通量検出部21Bと、交通量検出部21Bによって検出された交通量情報が示す上記移動体の交通量が、予め定められた交通条件を満足しない場合、当該交通条件を満足するように、評価対象街区モデルに関する条件である評価街区条件及び上記移動車両の運行計画を調整する評価モデル調整部21Cと、を備えている。従って、利用者にとって、より快適な街区を構築することができる。
【0124】
また、本実施形態によれば、評価対象街区モデルを、街区設計支援装置10によって設計され、かつ、建設された街区のモデルとし、上記交通条件を、建設された街区を街区設計支援装置10によって設計した際に適用した交通量情報が示す交通量と、検出した交通量情報が示す交通量と、の差分が所定閾値以内である、との条件としている。従って、街区設計支援装置10によって設計された設計対象街区モデルを用いて建設された街区を、より的確に評価することができる。
【0125】
また、本実施形態によれば、上記移動体に、公共交通車両、街区を利用する人が所有する一般車両、及び当該人を更に含めている。従って、より実態に即した交通状態で評価することができる結果、より的確に評価することができる。
【0126】
更に、本実施形態によれば、上記評価街区条件を、評価対象街区モデルの道路に関する条件である道路条件及び人の居所領域に関する条件である居所領域条件としている。従って、道路条件及び居所領域条件に応じて、より的確に評価することができる。
【0127】
なお、上記実施形態では、街区評価支援処理による評価対象として、街区設計支援処理によって設計した設計対象街区モデルを用いて実際に建設された都市を適用した場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、街区設計支援処理とは無関係に建設された既存の都市を対象として、街区評価支援処理を実行する形態としてもよい。この場合、当該既存の都市に対応するモデルを作成して評価対象街区モデルとして適用し、街区評価支援処理のステップ206の処理において適用する交通量の差分として、実際に生じている交通に関する問題に応じた交通量を適用する形態を例示することができる。
【0128】
また、上記実施形態では、人の居所領域として居住領域を適用した場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、居住領域を除く、オフィス、工場等といった人が存在する空間を、居所領域として適用する形態としてもよい。
【0129】
また、上記実施形態では、交通量をモビリティの運行計画に反映させる場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、モビリティを除くバス等の運行計画を有する車両の当該運行計画に反映させる形態としてもよいし、交通量を示す情報を街区の利用者にアナウンスする形態としてもよい。
【0130】
また、上記実施形態において、例えば、設計モデル取得部11A、交通量導出部11B、設計モデル調整部11C、評価モデル取得部21A、交通量検出部21B、及び評価モデル調整部21Cの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0131】
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0132】
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0133】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【符号の説明】
【0134】
1 街区構築支援システム
10 街区設計支援装置
11 CPU
11A 設計モデル取得部
11B 交通量導出部
11C 設計モデル調整部
12 メモリ
13 記憶部
13A 街区設計支援プログラム
14 入力部
15 表示部
15A 入力枠
15E 終了ボタン
16 媒体読み書き装置
17 記録媒体
18 通信I/F部
20 街区評価支援装置
21 CPU
21A 評価モデル取得部
21B 交通量検出部
21C 評価モデル調整部
22 メモリ
23 記憶部
23A 街区評価支援プログラム
24 入力部
25 表示部
26 媒体読み書き装置
27 記録媒体
28 通信I/F部
30 情報蓄積装置
32 記憶部
32A 基本モデル情報データベース
32B 運行計画情報データベース
32C 設計モデル情報データベース
60A~60D 街区
80A~80D 街区
86A 病院
86B 学校
86C 店舗
88 公共交通車両
90 モビリティ