(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20240917BHJP
【FI】
G07B15/00 C
(21)【出願番号】P 2021045064
(22)【出願日】2021-03-18
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉村 昌人
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-079157(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発行機で取得された第1の顔データと前記発行機で発行された媒体の第1の券情報とが関連付けて登録されたデータベースに基づき、通行者の撮影画像から検出された検出顔データと前記第1の顔データとの比較により前記通行者が特定された場合に、媒体の読取りを要求するインタフェースと、
前記第1の顔データに基づき特定された前記通行者の媒体から前記第1の券情報が読み取られた場合に、前記第1の券情報に基づき前記通行者の通行判定結果を出力するプロセッサと、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記第1の顔データに基づき特定された前記通行者の媒体から第2の券情報が読み取られた場合に、前記通行者の通行を拒否する判定結果を出力する、請求項1の情報処理装置。
【請求項3】
前記データベースは、通行を許可させるための第2の顔データを登録し、
前記プロセッサは、前記検出顔データと前記第2の顔データとの比較により前記通行者が特定された場合に、前記通行者の通行を許可する判定結果を出力する、請求項1又は2の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記通行者の顔データを検出すると、前記通行者が通行する改札機に設置された前記媒体を読取るための媒体読取り部の機能を、前記媒体の読取りを要求するまで停止させる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記インタフェースが媒体の読み取りを要求する通常モードと、前記インタフェースが媒体の読み取りを要求しないラッシュモードを切り替える、請求項1乃至4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置は、改札機又はサーバである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
発行機で取得された第1の顔データと前記発行機で発行された媒体の第1の券情報とが関連付けて登録されたデータベースに基づき、通行者の撮影画像から検出された検出顔データと前記第1の顔データとの比較により前記通行者が特定された場合に、媒体の読取りを要求することと、
前記第1の顔データに基づき特定された前記通行者の媒体から前記第1の券情報が読み取られた場合に、前記第1の券情報に基づき前記通行者の通行判定結果を出力することと、
を備える情報処理方法。
【請求項8】
請求項
7に記載の情報処理方法を前記情報処理装置のプロセッサによって実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道駅等において、旅客が所持する乗車券に基づいて改札処理を行う改札機が提供されている。また、改札機は、旅客の顔データが記憶された顔データとの比較により特定する顔照合によって改札処理を行うこともできる。
【0003】
従来、顔照合により改札処理を行う改札機では、旅客が乗車券である媒体を改札機の読取り部に翳そうとした際、改札機で自動的に顔照合が開始してしまい、媒体側の処理が行われないという問題が起きてしまう。また、顔照合と媒体による改札処理が同時に行われると1人の旅客で2人分通行したとされる問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明の課題は、顔照合による改札処理を行う改札機でも、顔照合又は媒体のいずれか一方による改札処理を適切に行うことができることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る、情報処理装置は、発行機で取得された第1の顔データと前記発行機で発行された媒体の第1の券情報とが関連付けて登録されたデータベースに基づき、通行者の撮影画像から検出された検出顔データと前記第1の顔データとの比較により前記通行者が特定された場合に、媒体の読取りを要求するインタフェースと、前記第1の顔データに基づき特定された前記通行者の媒体から前記第1の券情報が読み取られた場合に、前記第1の券情報に基づき前記通行者の通行判定結果を出力するプロセッサと、を備える情報処理装置。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る改札システムの構成例を示す。
【
図2】
図2は、発行機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、改札機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、改札システムにおける改札処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、改札システムにおける改札処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、改札システムにおける改札処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、改札システムにおける改札処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら改札機、改札方法、及び改札プログラムについて詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。
【0009】
(構成)
図1は、実施形態に係る改札システムの構成例を示す。
図1が示すように、改札システムは、発行機10と、改札機20と、サーバ30と、及びネットワーク40と、を備える。サーバ30は、ネットワーク40を通じ、発行機10及び改札機20とそれぞれ接続される。
【0010】
なお、改札システムは、
図1が示すような構成の他に必要に応じた構成を備えたり、改札システムから特定の構成が除外されたりしても良い。
【0011】
最初に、通行者である旅客は、事前にサーバ30に顔データ(以下の説明では第2の顔データと記載する)及び支払方法を登録可能である。そして、事前に第2の顔データを登録した旅客は、発行機10による券情報を含む2次元コードである媒体を発行せずに改札機20を通行しても良い。例えば、媒体無しで通行を許可させるための顔パスフラグが第2の顔データに関連付けて登録される。この場合、改札システムは、事前に登録した支払方法により運賃を徴収する。なお、登録方法は、所定のウェブページ又はアプリケーションを利用して登録可能であるとする。また、事前に第2の顔データを登録していない旅客は、発行機10で媒体を発行するものする。なお、媒体は、バーコード又はQRコード(登録商標)などであり、改札機で読取り可能な2次元コードであれば一般的な2次元コードで良い。さらに、券情報は、発行駅情報、運賃、乗車区間等の各種情報を含む。
【0012】
さらに、旅客は、事前に第2の顔データを登録していても、発行機10で媒体を発行しても良い。例えば、出場側の改札機20が顔データのみでの通行に対応していない等の場合、旅客は、発行機10で媒体を発行する必要がある。この場合、第2の顔データに関連付けられたフラグは、取り下げられるものとする。
【0013】
発行機10は、駅の所定の場所に設置される。そして、発行機10は、旅客の顔データ(以下では第1の顔データと記載する)を検出する。さらに発行機10は、例えば、駅構内に入場するための媒体を携帯端末に送信する又は媒体が印刷された乗車券を発行する。発行機10については、後に詳述する。
【0014】
改札機20は、駅構内への入出場を制御する。改札機20は、ユーザが所持する携帯端末又は乗車券から媒体を読取ることで券情報を取得する。改札機20は、取得した券情報に基づいて通行の可否を判定する。改札機20は、判定結果に基づいてユーザの通行を制御する。また、改札機20は、改札機20が備えるカメラにより旅客の顔データを検出し、検出した顔データによって旅客の通行の可否が判定することが可能である。改札機20については、後に詳述する。
【0015】
サーバ30は、駅の所定管理室等に設置される。そして、サーバ30は、事前登録された顔データである第2の顔データ及び発行機10で取得された顔データである第1の顔データを記憶することが可能である。サーバ30については後述する。
【0016】
図2は、発行機10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
発行機10は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサ101を有する。そして、このプロセッサ101に対し、メモリ102、通信部103、カメラ104、プリンタ105、及び入出力インタフェース106が、バス107を介して接続されている。なお、
図2では、「入出力インタフェース」を「入出力IF」と記載している。
【0017】
メモリ102は、記憶媒体として、例えば、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid Sate Drive)等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。メモリ102は、プロセッサ101が各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している。
【0018】
さらにメモリ102は、記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと、を組み合わせて使用したストレージを含む。メモリ102は、プロセッサ101がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得及び生成されたデータを記憶することが可能である。
【0019】
通信部103は、有線又は無線の通信モジュールを含む通信インタフェースである。例えば、通信部103は、ネットワーク40を通じて、サーバ30と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。さらに通信部103は、ネットワーク40を通じて旅客が所持する携帯端末と無線接続する通信モジュールを含む。通信部103は、プロセッサ101の制御の下、サーバ30及び旅客の携帯端末等の装置との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信部で良い。
【0020】
カメラ104は、旅客の顔を撮影した第1の顔データを取得するためのものである。例えば、カメラ104は、旅客が券情報を要求した際、プロセッサ101の制御の下、旅客の顔を撮影して第1の顔データを取得する。すなわち、カメラ104は、発行機10が券情報を含む媒体を発行する前に旅客の第1の顔データを取得する。
【0021】
プリンタ105は、旅客に券情報を含む媒体が印刷された乗車券を発行する。
【0022】
入出力インタフェース106には、例えば、入力部及び表示部が接続されている。入力部は、例えば、マイク等の音声データを受信するデバイス、静電方式又は圧力方式を採用した入力検知シートにより、ユーザによって入力された文字データ等を認識するデバイスある。表示部は、例えば液晶、有機EL(Electro Luminescence)、等を使用した表示デバイスであり、入出力インタフェース106から入力された信号に応じた音声、文字、及び画像等を表示する。表示部は、例えば、旅客が購入を希望する乗車区間及び媒体をどのように取得したいかについての画像を表示することができる。そして、入力部は、旅客が購入を希望する乗車区間についての情報及び媒体をどのように取得したいかの要求を受け取ることができる。
【0023】
次に、発行機10のプロセッサ101が実現する機能について説明する。プロセッサ101が実現する機能は、プロセッサ101が内部メモリ又はメモリ102等に格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0024】
プロセッサ101は、カメラ104を用いて旅客の顔を撮影し、第1の顔データを検出する機能を有する。そして、プロセッサ101は、通信部103を通じて、サーバ30に当該第1の顔データを送信する機能を有する。第1の顔データがサーバ30に事前に記憶されていた場合、サーバ30は、第1の顔データに関連付けられた顔パスフラグを取り下げる。
【0025】
プロセッサ101は、入出力インタフェース106を介して旅客から券情報を含む媒体を発行する要求を受け付ける機能を有する。当該要求が携帯端末への媒体の送信要求を含む場合、プロセッサ101は、通信部103を通じて、旅客が所持する携帯端末等に媒体を送信する機能を有する。例えば、発行機10は、旅客が指定したメールアドレスに媒体を添付することにより、又は所定のアプリケーションを用いて媒体が表示可能な情報を携帯端末に送信する。当該要求が乗車券の発行することを望む要求である場合、プロセッサ101は、プリンタ105を利用して券情報を含む媒体を印刷した乗車券を発行する機能を有する。
【0026】
プロセッサ101は、媒体を発行した後、通信部103を通じて、サーバ30に券情報を送信する機能を有する。事前に第2の顔データをサーバ30に登録した旅客が発行機10により媒体を発行した場合、サーバ30は、第1の顔データ及び券情報をデータベースに登録すると共に顔パスフラグを取り下げる。すなわち、サーバ30は、発行機10で発行された第1の顔データ及び券情報を優先して取り扱う。一方、事前に第2の顔データをサーバ30に登録していない旅客が媒体を発行した場合、サーバ30は、第1の顔データ及び券情報をデータベースとして記憶する。なお、以下の説明では、明確化のため、サーバ30に記憶された券情報を第1の券情報と記載する。
【0027】
図3は、改札機20のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
改札機20は、CPUやMPU等のプロセッサ201を有する。そして、このプロセッサ201に対し、メモリ202、通信部203、カメラ204、媒体読取り部205、入出場制御バー206、及び入出力インタフェース207が、バス208を介して接続されている。なお、
図3では、「入出力インタフェース」を「入出力IF」と記載している。
【0028】
メモリ202は、記憶媒体として、例えば、EPROM、HDD、SSD等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。メモリ202は、プロセッサ201が各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している。
【0029】
さらにメモリ202は、記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。メモリ202は、プロセッサ201がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得及び生成されたデータを記憶することが可能である。
【0030】
通信部203は、有線又は無線の通信モジュールを含む通信インタフェースである。例えば、通信部203は、ネットワーク40を通じて、サーバ30と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。通信部203は、プロセッサ201の制御の下、サーバ30等の装置との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信部で良い。
【0031】
カメラ204は、旅客が改札機20に接近してきたことを検知し、旅客の顔を撮影して撮影画像を取得する。そして、カメラ204は、当該撮影画像から旅客の顔データ(検出顔データ)を検出する。例えば、カメラ204は、旅客が改札機20に近づいてきたと検知した場合、プロセッサ201の制御の下、旅客の顔を撮影して顔データを検出する。カメラ204は、旅客が改札機20に進入する前に旅客の顔データを検出することが可能であるし、進入した後でも旅客の顔データを検出することが可能である。
【0032】
媒体読取り部205は、旅客が所持する携帯端末等に表示された、又は乗車券に印刷された媒体を読取る。なお、旅客が媒体を媒体読取り部205の所定の場所に翳すことにより、媒体読取り部205は、媒体を読取ることが可能である。
【0033】
入出場制御バー206は、プロセッサ201の制御に従って開閉し、旅客の通行(入場又は出場)を制御する。例えば、旅客を一旦停止させる場合又は旅客の通行を不可とする場合、入出場制御バー206が閉じて旅客の通行を阻止する。一方、旅客の通行を許可する場合、入出場制御バー206が開放されて旅客の通行を許可する。
【0034】
入出力インタフェース207には、例えば、表示部が接続されている。表示部は、例えば液晶、有機EL、等を使用した表示デバイスであり、入出力インタフェース207から入力された信号に応じた音声を発する、及び/又は文字又は画像等を表示する。入出力インタフェース207は、例えば、旅客に媒体を翳してもらうために音声でアナウンスする、及び/又は文字又は画像を表示しても良い。
【0035】
次に、改札機20のプロセッサ201が実現する機能について説明する。プロセッサ201が実現する機能は、プロセッサ201が内部メモリ又はメモリ202等に格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0036】
プロセッサ201は、改札機20に旅客が接近することを検知し、カメラ104を用いて旅客の顔を撮影し顔データを検出する機能を有する。なお、顔データを検出した場合、プロセッサ201は、媒体読取り部205の機能を必要とするまで媒体読取り部205の機能を停止する機能を有する。プロセッサ201は、通信部203を通じて、検出した顔データ等の各種情報を含む顔データ照合要求をサーバ30に送信する機能を有する。プロセッサ201は、通信部203を通じて、顔データ照合応答を受信する機能を有する。送信した顔データが第2の顔データとの比較により旅客を特定できる場合、顔データ照合応答は、顔パスフラグを含む。一方、送信した顔データが第1の顔データとの比較により旅客を特定出来る場合、顔データ照合応答は、第1の券情報を含む。
【0037】
プロセッサ201は、券情報の確認が必要かどうかを判定する機能を有する。例えば、顔データ照合応答が顔パスフラグを含む場合、プロセッサ201は、券情報の確認が必要でないと判定する。すなわち、旅客の顔データが第2の顔データとの比較により旅客を特定できる場合、プロセッサ201は、券情報の確認が必要でないと判定する。そして、プロセッサ201は、旅客を1旅客として処理する。また、この場合、プロセッサ101は、サーバ30に所定の旅客が登録した支払方法で運賃を徴収するように要求する。そして、サーバ30は、登録した支払方法で運賃を徴収して良い。なお、プロセッサ201は、通信部203を通じて、旅客を1旅客として処理する指示をサーバ30から受信しても良い。
【0038】
顔データ照合応答が第1の券情報を含む場合、プロセッサ201は、券情報の確認が必要であると判定する機能を有する。この場合、プロセッサ201は、媒体読取り部205を機能させる。そして、プロセッサ201は、入出力インタフェース207を介して、媒体の読取りを要求する。また、顔データ照合応答に第1の券情報を含む場合であっても、プロセッサ201は、モードを切り替えることにより、第1の券情報の確認を必要としなくとも良い。当該モードは、例えば日時により切り替え可能である。例えば、平日のラッシュ時又はイベント開催時等、多くの旅客が改札機20を通過する場合、プロセッサ201は、モードをラッシュモードに設定して、プロセッサ201は、券情報の確認が必要ないと判定する。一方、ラッシュ時又はイベント開催時以外の時間帯、すなわち多くの旅客が改札機20を通らない場合、プロセッサ201は、モードを通常モードに設定して、券情報の確認が必要であると判定しても良い。
【0039】
媒体の読み取りを要求する、すなわち旅客に媒体を翳すように要求する場合、プロセッサ201は、所定の時間の間に媒体が翳されたかどうかを判定する機能を有する。例えば、媒体読取り部205を用いて、所定の時間の間に媒体を読込めた場合、プロセッサ201は、媒体が翳されたと判定する。一方、媒体読取り部205を用いて所定の時間の間に媒体を読込むことが出来なかった場合、プロセッサ201は、媒体が翳されなかったと判定する。なお、所定の時間は、旅客が改札機20を通過してしまう前であれば任意の時間に設定可能である。また、プロセッサ201は、通信部203を通じて、読取った媒体に含まれる各種情報を含む媒体照合要求をサーバ30に送信しても良い。
【0040】
所定の時間の間に媒体が翳されなかった場合、プロセッサ201は、旅客の通行を拒否する判定結果を出力する。すなわち、プロセッサ201は、入出場制御バー206を閉じ旅客の通行を阻止する機能を有する。なお、プロセッサ201は、通信部203を通じて、入出場制御バー206を閉じる指示をサーバ30から受信しても良い。
【0041】
プロセッサ201は、読取った媒体から券情報を読取る機能を有する。読取られた券情報が第1の券情報であった場合、プロセッサ201は、第1の券情報に基づいて旅客の通行判定結果を出力する。例えば、第1の券情報が有効な区画内、すなわち、支払った運賃の区画内であった場合、プロセッサ201は、旅客の通行を許可する判定結果を出力する機能を有する。すなわち、プロセッサは、入出場制御バーを開けて旅客を通行させる。一方、
読取った媒体に含まれる券情報が区画外である場合、プロセッサ201は、旅客の通行を拒否する判定結果を出力する。すなわち、プロセッサは、入出場制御バー206を閉じ旅客の通行を阻止する。
【0042】
また、読取られた券情報が第1の券情報と異なる第2の券情報であった場合、プロセッサ201は、旅客の通行を拒否する判定結果を出力する。すなわち、プロセッサは、入出場制御バー206を閉じ旅客の通行を阻止する。これは、旅客が所持している媒体に含まれる券情報が正しくないためである。
【0043】
プロセッサ201は、カメラ204によって旅客の顔を検知する前に、媒体読取り部205により媒体を読取る機能を有する。この場合、プロセッサ201は、カメラ204の機能を停止しても良い。プロセッサ201は、通信部203を通じて、媒体に含まれる券情報を含む媒体照合要求をサーバ30に送信してもよい。また、プロセッサ201は、顔データの確認が必要かどうか判定する機能を有する。この顔データの確認が必要かどうかは、モードによって切り替え可能である。例えば、セキュリティを高めたい場合、モードをセキュリティモードに設定し、プロセッサ201は、顔データの確認を必要とすることを選択しても良い。一方、多くの旅客が通行する場合、モードを通常モードに設定し、プロセッサ201は、顔データの確認が不要である、すなわち、プロセッサ201は、旅客を1旅客として処理する機能を有する。
【0044】
顔データの確認が必要であると判定した場合、プロセッサ201は、カメラ204を機能させて、旅客の顔データを検出する機能を有する。さらにプロセッサ201は、通信部203を通じて、顔データ照合要求を送信する機能を有する。例えば、顔データ照合要求は、媒体に含まれる第1の券情報を含む。また、プロセッサ201は、サーバ30の要求に応じて検出した顔データを送信する機能を有する。プロセッサ201は、通信部203を通じて、顔データ照合応答を受信する機能を有する。顔データ照合応答は、サーバ30のメモリ302に記憶された、第1の券情報に対応した第1の顔データを含む。プロセッサ201は、検出した顔データと顔データ照合応答に含まれる第1の顔データとの比較により旅客を特定できるかを判定する機能を有する。旅客を特定できる場合、プロセッサ201は、第1の券情報が有効であるかどうか判定する機能を有する。例えば、プロセッサ201は、通行判定結果を出力する機能を有する。そして、プロセッサ201は、通行判定結果に基づいて旅客を1旅客として処理する、又は入出場制御バー206を閉じて旅客の通行を阻止する機能を有する。一方、旅客を特定できない場合、プロセッサ201は、入出場制御バー206を閉じて旅客の通行を阻止する機能を有する。すなわち、旅客とサーバ30に登録された顔データが一致しないため、プロセッサ201は、旅客の通行を阻止する。
【0045】
図4は、サーバ30のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
サーバ30は、CPUやMPU等のプロセッサ301を有する。そして、このプロセッサ301に対し、メモリ302、通信部303、照合部304、及び入出力インタフェース305が、バス306を介して接続されている。なお、
図4では、「入出力インタフェース」を「入出力IF」と記載している。
【0046】
メモリ302は、記憶媒体として、例えば、EPROM、HDD、SSD等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリと、ROM等の不揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。メモリ302は、プロセッサ301が各種処理を実行するために必要なプログラムを格納している。
【0047】
さらにメモリ302は、記憶媒体として、例えば、HDD、メモリカード等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリと、RAM等の揮発性メモリとを組み合わせて使用することができる。メモリ302は、プロセッサ301がプログラムを実行して各種処理を行う過程で取得及び生成されたデータを記憶することが可能である。例えば、メモリ302は、第1の顔データ及び第2の顔データを記憶しておくことが可能である。さらに、メモリ302は、第2の顔出たに関連付けられた顔パスフラグを記憶することができる。
【0048】
通信部303は、有線又は無線の通信モジュールを含む通信インタフェースである。例えば、通信部303は、ネットワーク40を通じて、発行機10又は改札機20と有線又は無線接続する通信モジュールを含む。通信部303は、プロセッサ301の制御の下、発行機10又は改札機20等の装置との間で通信を行い、各種情報を送受信することができるものであれば一般的な通信部で良い。
【0049】
照合部304は、メモリ302に各種データと改札機20から送信された各種データを照合する。例えば、顔データ照合要求に含まれる顔データとメモリ302に記憶された顔データを照合する。また、媒体照合要求に含まれる券情報とメモリ302に記憶された券情報を照合する。
【0050】
入出力インタフェース305は、例えば、入力部及び表示部が接続されている。入力部は、例えば、マイク等の音声データを受信するデバイス、静電方式又は圧力方式を採用した入力検知シートにより、サーバ30を管理する管理者によって入力された文字データを認識するデバイス、及びカメラ等の画像データを受信するデバイスである。表示部は、例えば液晶、有機EL、等を使用した表示デバイスであり、入出力インタフェース305から入力された信号に応じた音声、文字、及び画像等を表示する。
【0051】
次に、サーバ30のプロセッサ301が実現する機能について説明する。プロセッサ301が実現する機能は、プロセッサ301が内部メモリ又はメモリ302等に格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0052】
プロセッサ301は、通信部303を通じて、発行機10から顔データを受信する機能を有する。プロセッサ301は、受信した顔データが第2の顔データとの比較により旅客を特定できるか判定する機能を有する。旅客を特定できる場合、プロセッサ301は、第2の顔データに関連付けられた顔パスフラグを立てないようにする。すなわち、プロセッサ301は、事前に登録した旅客が発行機10で乗車券を購入したため、事前に登録した旅客の顔データを使用しない。またプロセッサ301は、旅客を特定できないまた、プロセッサ301は、発行機10から受信した顔データを第1の顔データとして第1の券情報と紐付けしてメモリ302に記憶する。
【0053】
次に、プロセッサ301は、通信部303を通じて、顔データ照合要求を受信する機能を有する。プロセッサ301は、照合部304を用いて、顔データ照合要求に含まれる顔データをメモリ302に記憶されている顔データと照合する機能を有する。プロセッサ301は、通信部303を通じて、顔データ照合応答を送信する機能を有する。顔データ照合要求に含まれる顔データが第1の顔データとの比較により旅客を特定できた場合、顔データ照合応答は、第1の券情報を含む。また、顔データ照合要求に含まれる顔データが第2の顔データとの比較により旅客を特定できた場合、顔データ照合応答は、顔パスフラグを含む。
【0054】
プロセッサ301は、券情報の確認が必要であるかどうか判定する機能を有する。なお、当該判定は、上説明したプロセッサ201で行う判定と同様なため、ここでの説明を省略する。券情報の確認が必要でないと判定した場合、プロセッサ301は、通信部303を通じて、旅客を1旅客として処理する指示を改札機20に送信する機能を有する。また、券情報の確認が必要であると判定した場合、プロセッサ301は、通信部303を通じて、媒体を翳す要求を改札機20に送信する機能を有する。そしてプロセッサ301は、改札機20から媒体照合要求を受信する機能を有する。媒体照合要求は、旅客が翳した媒体から取得した券情報を含む。取得した券情報とメモリ302に記憶された第1の券情報が一致する場合、プロセッサ301は、第1の券情報が有効であるかどうか判定する機能を有する。さらに、プロセッサ301は、通信部303を通じて、旅客を1旅客として処理する指示を改札機20に送信する機能を有する。また券情報が一致しない、又は媒体を翳す指示をした後所定の時間の間に媒体照合要求を受信しない場合、プロセッサ301は、入出場制御バー206を閉じて旅客の通行を阻止する指示を改札機20に送信する機能を有する。
【0055】
(動作)
以下では、旅客が改札機20を通行する際の動作について説明する。
改札機20では、旅客の顔を最初に検知するか、媒体を最初に読取ったかによって動作が異なる。また、改札機20のプロセッサ201が各種処理の判断を行う場合と、サーバ30のプロセッサ301が各種処理の判断を行う場合と、で動作が異なる。そこで、以下では、(1)旅客の顔を最初に検知し、且つ改札機20で各種処理を行う場合、(2)旅客の顔を最初に検知し、且つサーバ30で各種処理を行う場合、(3)媒体を最初に読取り、且つ改札機20で各種処理を行う場合、及び(4)媒体を最初に読取り、且つサーバ30で各種処理を行う場合それぞれについての動作を以下で説明する。
【0056】
(1)旅客の顔を最初に検知し、且つ改札機20で各種処理を行う場合の動作
図5は、改札システムにおける改札処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、改札機20のプロセッサ201がメモリ202に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0057】
最初に、改札機20のプロセッサ201が通行者である旅客の顔を検知する(S11)。プロセッサ201は、旅客の顔を検知した場合、カメラ204を用いて旅客の顔を撮影し、撮影画像から顔データを検出する。そして、プロセッサ201は、媒体読取り部205による媒体の読取りを停止する。
【0058】
プロセッサ201は、通信部203を通じて、検出した顔データを含む顔データ照合要求をサーバ30に送信する(S12)。サーバ30のプロセッサ301は、照合部304を用いて、受信した顔データをメモリ302に記憶された顔データと照合する。照合の結果、プロセッサ301は、受信した顔データが第1の顔データ又は第2の顔データとの比較により旅客を特定できることを見出す。受信した顔データが第2の顔データとの比較により旅客を特定できる場合、プロセッサ301は、第2の顔データに紐付けられた顔パスフラグを取得する。一方、受信した顔データが第1の顔データとの比較により旅客を特定できる場合、プロセッサ301は、第1の顔データに紐付けられた第1の券情報を取得する。そしてプロセッサ301は、通信部303を通じて、取得した顔パスフラグ又は第1の券情報を含む顔データ照合応答を改札機20に送信する。
【0059】
プロセッサ201は、通信部203を通じて、顔データ照合応答を受信する(S13)。プロセッサ201は、受信した顔データ照合応答に含まれる情報を確認する。
【0060】
プロセッサ201は、券情報の確認が必要かどうか判定する(S14)。例えば、顔データ照合応答に顔パスフラグを含む場合、プロセッサ201は、券情報の確認が必要ないと判定する。一方、顔データ照合応答に第1の券情報を含む場合、プロセッサ201は、券情報の確認が必要であると判定する。これは、検出された顔データと第1の顔データとの比較により旅客を特定された場合に相当する。また、顔データ照合応答に第1の券情報を含む場合であっても、モードの切り替えにより、第1の券情報の確認の可否について変更することが可能である。例えば、モードがラッシュモードである場合、プロセッサ201は、第1の券情報の確認が必要ないと判定する。一方、モードが通常モードである場合、プロセッサ201は、第1の券情報の確認が必要であると判定する。
【0061】
また、旅客が駅構内に入場する場合、プロセッサ201は、第1の券情報の確認が不要であると判定しても良い。しかしながら、発行機10で媒体の発行後、所定の時間が経過した後に旅客が入場する場合、プロセッサ201は、第1の券情報の確認が必要であると判定しても良い。また、旅客が出場する改札機20が顔データのみでの改札処理に対応していない改札機20である場合、プロセッサ201は、第1の券情報の確認が必要であると判定しても良い。さらに、旅客が鉄道を利用した区間の鉄道会社が1つであれば、プロセッサ201は、第1の券情報の確認は不要であると判定しても良い。しかしながら、直通運転などにより、旅客が鉄道を利用した区間に複数の鉄道会社がある場合、プロセッサ201は、第1の券情報の確認が必要であると判定しても良い。
【0062】
第1の券情報の確認が不要であると判定した場合、プロセッサ201は、旅客を1旅客として処理する(S15)。すなわち、顔データ照合応答に顔パスフラグを含む場合、プロセッサ201は、通行を許可する信号を出力する。そして、プロセッサ201は、入出場制御バー206を開けたままにし、旅客に対して改札機20の通行を許可する。
【0063】
第1の券情報の確認が必要であると判定した場合、プロセッサ201は、入出力インタフェース207を介して、旅客に対して改札機20の媒体読取り部205の所定の場所に媒体を翳すことを要求する(S16)。例えば、プロセッサ201は、入出力インタフェース207を介して、媒体読取り部205に媒体を翳す必要があることをアナウンスする、文字又は画像で表示する、或いはこれらの組み合わせにより旅客に知らせる。
【0064】
プロセッサ201は、媒体読取り部205に媒体が翳されたかどうかを判定する(S17)。プロセッサ201は、媒体を翳す要求をした後の所定の時間の間に媒体が翳されたかどうかを判定する。所定の時間は、例えば、旅客が改札機20を通過してしまう前であれば任意の時間に設定可能である。
【0065】
媒体読取り部205に媒体が翳されなかった場合、プロセッサ201は、入出場制御バー206を閉じて旅客の通行を阻止する(S18)。例えば、プロセッサ201は、入出力インタフェース207を介して、媒体読取り部205に媒体を翳す必要があることを再度アナウンスする、文字又は画像で表示する、或いはこれらの組み合わせにより旅客に知らせても良い。
【0066】
媒体が媒体読取り部205に翳された場合、プロセッサ201は、顔データ照合応答に含まれる第1の券情報と媒体に含まれる券情報が一致するかどうか判定する(S19)。すなわち、プロセッサ201は、旅客が所持する券情報が第1の券情報であるかを判定する。最初にプロセッサ201は、媒体に含まれる情報を読取る。そして、プロセッサ201は、読取った券情報と顔データ照合応答に含まれる第1の券情報が一致するかを判定する。
【0067】
券情報が一致しない場合、処理はステップS18に進む。すなわち、旅客の媒体に含まれる券情報が第1の券情報と異なる第2の券情報である場合、プロセッサ201は、旅客の通行を拒絶する判定結果を出力する。そして、プロセッサ201は、改札機20の入出場制御バー206を閉じて旅客の通行を阻止する。
【0068】
券情報が一致する場合、プロセッサ201は、第1の券情報が有効であるかどうか判定する(S20)。すなわち、プロセッサ201は、第1の券情報に基づいて旅客の通行判定結果を出力する。そして、プロセッサ201は、通行判定結果に基づいて、旅客の通行の可否を判定する。例えば、第1の券情報が有効区間内である場合、処理はステップS15に進み、有効区間外である場合、処理は、ステップS18に進む。ここで、有効区間は、例えば、券情報に含まれる運賃が入出場区間の運賃以下の区間を指す。
【0069】
(2)旅客の顔を最初に検知し、且つサーバ30で各種処理を行う場合
図6は、改札システムにおける改札処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、サーバ30のプロセッサ301がメモリ302に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0070】
最初に、改札機20のプロセッサ201が旅客の顔を検知して、顔データを検出する。そして、プロセッサ201は、通信部203を通じて、検出した顔データを含む顔データ照合要求をサーバ30に送信することにより、このフローチャートが開始される。
【0071】
サーバ30のプロセッサ301は、通信部303を通じて、顔データ照合要求を受信する(S31)。顔データ照合要求は、少なくとも旅客の顔データを含む。
【0072】
プロセッサ301は、受信した顔データ照合要求に含まれる顔データとメモリ302に記憶された顔データとを照合する(S32)。プロセッサ301は、受信した顔データが第1の顔データ又は第2の顔データとの比較により旅客を特定できることを見出す。
【0073】
プロセッサ301は、券情報の確認が必要かどうか判定する(S33)。例えば、旅客の顔データが第2の顔データとの比較により旅客を特定できた場合、プロセッサ201は、券情報の確認が必要ないと判定する。一方、検出した顔データが第1の顔データとの比較により旅客を特定できた場合、プロセッサ201は、券情報の確認が必要であると判定する。なお、検出した顔データが第1の顔データとの比較により旅客を特定できた場合であっても、モードを切り替えることにより、第1の券情報の確認を必要としなくとも良い。モードの説明は、ステップS14で説明した選択と同様なため、ここでの再度の説明を省略する。
【0074】
券情報の確認が不要であると判定した場合、プロセッサ301は、通信部303を通じて、旅客を1旅客として処理する指示を改札機20に送信する(S34)。改札機20のプロセッサ201は、入出場制御バー206を開けたままにし、旅客に対して改札機20の通行を許可する。
【0075】
券情報の確認が必要であると判定した場合、プロセッサ301は、旅客に対して改札機20の媒体読取り部205に媒体を翳す要求を送信する(S35)。要求を受信した改札機20のプロセッサ201は、例えば、入出力インタフェース207を介して、媒体読取り部205に媒体を翳す必要があることをアナウンスする、文字又は画像で表示する、或いはこれらの組み合わせにより旅客に知らせる。
【0076】
プロセッサ301は、媒体照合要求を受信したかどうかを判定する(S36)。プロセッサ201は、媒体読取り部205に媒体が翳されると、媒体に含まれる第2の券情報を取得する。そして、プロセッサ201は、通信部203を通じて、取得した第2の券情報を含む媒体照合要求を送信する。プロセッサ301は、通信部303を通じて、媒体を翳す要求を送信後から所定の時間内に媒体照合要求を受信したと判定する。一方、旅客が媒体を媒体読取り部205に翳されない場合、プロセッサ201は、通信部203を通じて媒体照合要求を送信しない。そのため、プロセッサ301は、媒体照合要求を受信していないと判定する。
【0077】
媒体照合要求を受信しないと判定した場合、プロセッサ301は、改札機20の入出場制御バー206を閉じて旅客の通行を阻止するための指示を送信する(S37)。当該指示を受信したプロセッサ201は、入出場制御バー206を閉じて旅客の通行を阻止する。
【0078】
媒体照合要求を受信した場合、プロセッサ301は、メモリ302に記憶された第1の券情報と媒体照合要求に含まれる第2の券情報が一致するかどうか判定する(S38)。
【0079】
券情報が一致しない場合、処理はステップS37に進む。すなわち、旅客の媒体に含まれる券情報が第1の券情報と異なる第2の券情報である場合、プロセッサ201は、旅客の通行を拒絶する判定結果を出力する。プロセッサ301は、改札機20の入出場制御バー206を閉じて旅客の通行を阻止する指示を改札機20に送信する。
【0080】
券情報が一致する場合、プロセッサ301は、第1の券情報が有効であるかどうか判定する(S39)。すなわち、プロセッサ301は、第1の券情報に基づいて旅客の通行判定結果を出力する。そして、プロセッサ301は、通行判定結果に基づいて、旅客の通行の可否を判定する。例えば、第1の券情報が有効区間内である場合、処理はステップS34に進み、有効区間外である場合、処理は、ステップS37に進む。
【0081】
(3)媒体を最初に読取り、且つ改札機20で各種処理を行う場合
図7は、改札システムにおける改札処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、改札機20のプロセッサ201がメモリ202に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0082】
最初に、改札機20のプロセッサ201が媒体読取り部205に翳された媒体を読取る(S51)。プロセッサ201は、旅客が媒体読取り部205に翳した媒体を読取り、媒体に含まれる券情報を取得する。なお、プロセッサ201は、媒体に管理IDが含まれる場合、管理IDも取得可能である。そして、プロセッサ201は、カメラ204による旅客の検知を停止する。
【0083】
プロセッサ201は、券情報の確認が必要かどうか判定する(S52)。例えば、モードがセキュリティモードである場合、プロセッサ201は、顔データの確認を必要とであることを選択しても良い。一方、プロセッサ201は、顔データの確認が不要であることを選択しても良い。
【0084】
顔データの確認が不要であると判定した場合、プロセッサ201は、旅客を1旅客として処理する(S53)。
【0085】
一方、顔データの確認が必要であると場合、プロセッサ201は、カメラ204を動作させ旅客の顔データを検出する(S54)。
【0086】
プロセッサ201は、通信部203を通じて、顔データ照合要求を送信する(S55)。顔データ照合応答は、媒体に含まれる券情報を含む。サーバ30のプロセッサ301は、通信部303を通じて、顔データ照合要求を受信する。そして、プロセッサ301は、第1の顔データを検出する。そして、プロセッサ301は、検出した第1の顔データを含む顔データ照合応答を改札機20に送信する。
【0087】
プロセッサ201は、通信部203を通じて、顔データ照合応答を受信する(S56)。プロセッサ201は、顔データ照合応答に含まれる情報を確認する。
【0088】
プロセッサ201は、カメラ204を用いて検出した顔データと顔データ照合応答に含まれる第1の顔データとの比較により旅客を特定できるかどうか判定する(S57)。
【0089】
旅客を特定できない場合、プロセッサ201は、入出場制御バー206を閉じ旅客の通行を阻止する(S58)。この場合、旅客が第1の顔データにより特定できないため、不正な旅客が券情報を所有していることになる。そのため、プロセッサ201は、入出力インタフェース207を介して、媒体読取り部205に正しい媒体を翳す必要があることをアナウンスする、文字又は画像で表示する、或いはこれらの組み合わせにより旅客に知らせる。
【0090】
旅客を特定できる場合、プロセッサ201は、券情報が有効区間にあるかを判定する。処理は、ステップS53に進む。すなわち、旅客が第1の顔データにより特定可能であるため、正当な旅客が券情報を所有していることになる。
【0091】
プロセッサ201は、媒体に含まれる券情報が有効区間内であるか判定する(S59)。すなわち、プロセッサ201は、第1の券情報に基づいて旅客の通行判定結果を出力する。そして、プロセッサ201は、通行判定結果に基づいて、旅客の通行の可否を判定する。例えば、第1の券情報が有効区間内である場合、処理は、ステップS53に進み、有効区間外である場合、処理は、ステップS58に進む。
【0092】
(4)媒体を最初に読取り、且つサーバ30で各種処理を行う場合の動作
図8は、改札システムにおける改札処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートは、サーバ30のプロセッサ301がメモリ302に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、このフローチャートの動作が実現される。
【0093】
最初に、旅客が改札機20の媒体読取り部205に媒体を翳し、改札機20のプロセッサ201が媒体を読取る。そして、プロセッサ201は、読取った媒体に含まれる券情報を取得する。そして、プロセッサ201は、通信部203を通じて、取得した券情報を含む媒体照合要求をサーバ30に送信することにより、このフローチャートが開始される。
【0094】
プロセッサ301は、通信部303を通じて、媒体照合要求を受信する(S71)。
【0095】
プロセッサ301は、顔データの確認が必要かどうか判定する(S72)。例えば、モードがセキュリティモードである場合、プロセッサ301は、顔データの確認を必要とすることを選択しても良い。一方、モードが通常モードである場合、プロセッサ301は、顔データの確認が不要であることを選択しても良い。
【0096】
顔データの確認が不要である場合、プロセッサ301は、通信部303を通じて、旅客を1旅客として処理する指示を改札機20に送信する(S73)。当該指示を受信したプロセッサ201は、旅客を1旅客として処理する。
【0097】
一方、顔データの確認が必要である場合、プロセッサ301は、通信部303を通じて、改札機20に旅客の顔データを要求する(S74)。改札機20のプロセッサ201は、カメラ204を動作させ旅客の顔データを検出する。そしてプロセッサ201は、通信部303を通じて、顔データをサーバ30に送信する。
【0098】
プロセッサ301は、通信部303を通じて、顔データを受信する(S75)。
プロセッサ301は、受信した顔データがメモリ302に記憶された顔データとの比較により旅客を特定できるかどうか判定する(S76)。プロセッサ301は、受信した顔データがメモリ302に記憶された第1の顔データとの比較により旅客を特定できるかを判定する。
【0099】
一方、旅客が特定できない場合、プロセッサ301は、通信部303を通じて、入出場制御バー206を閉じ旅客の通行を阻止する指示を改札機20に送信する(S77)。当該指示を受信したプロセッサ201は、入出力インタフェース207を介して、媒体読取り部205に正しい媒体を翳す必要があることをアナウンスする、文字又は画像で表示する、或いはこれらの組み合わせにより旅客に知らせる。
【0100】
旅客が特定出来る場合、プロセッサ301は、第1の券情報が有効区間内であるか判定する(S78)。すなわち、プロセッサ301は、第1の券情報に基づいて旅客の通行判定結果を出力する。そして、プロセッサ301は、通行判定結果に基づいて、旅客の通行の可否を判定する。例えば、第1の券情報が有効区間内である場合、処理は、ステップS73に進み、有効区間外である場合、処理は、ステップS77に進む。
【0101】
(作用効果)
以上説明した実施形態によれば、事前に顔データがサーバ30に記憶された旅客が媒体を所持していたとしても、最初に改札機20が旅客の顔を検出する又は媒体を取得することのいずれかを行うにより、一旅客として正しく処理することができる。また、発行機10により券情報を発行した旅客についても、最初に改札機20が旅客の顔データを検出する又は媒体を取得することのいずれかのみを行うことにより、一旅客として正しく処理することができる。
【0102】
[他の実施形態]
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記(1)乃至(4)は、改札機20又はサーバ30の一方で判定を行う例を示したが、改札機20及びサーバ30を組み合わせて判定を行っても良い。例えば、旅客の特定判定は、サーバ30が行い券情報の一致判定は改札機20が行うようにしても良い。
【0103】
要するに、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。
【符号の説明】
【0104】
10…発行機
101…プロセッサ
102…メモリ
103…通信部
104…カメラ
105…プリンタ
106…入出力インタフェース
107…バス
20…改札機
201…プロセッサ
202…メモリ
203…通信部
204…カメラ
205…媒体読取り部
206…入出場制御バー
207…入出力インタフェース
208…バス
30…サーバ
301…プロセッサ
302…メモリ
303…通信部
304…照合部
305…入出力インタフェース
306…バス
40…ネットワーク