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特許7555899画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240917BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240917BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
H04N1/00 912
G03G21/00 370
G03G21/00 386
G06F3/12 303
G06F3/12 342
G06F3/12 356
G06F3/12 367
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021202980
(22)【出願日】2021-12-15
(62)【分割の表示】P 2020171973の分割
【原出願日】2014-12-11
(65)【公開番号】P2022040132
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2022-01-05
【審判番号】
【審判請求日】2023-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】糟谷 健治
【合議体】
【審判長】千葉 輝久
【審判官】伊藤 隆夫
【審判官】高橋 宣博
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-274203(JP,A)
【文献】特開2011-198166(JP,A)
【文献】特開2005-045437(JP,A)
【文献】特開2003-345864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/09-3/12
G03G 15/00,15/36,21/00,21/02,21/14,21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部と、
保存手段と、
ジョブが実行されることにより、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、
前記ジョブを前記保存手段に保存させるためのコマンドとコード情報を通信端末から受信する受信手段と、
前記ジョブを実行する実行手段とを有し、
前記受信したコード情報が前記保存手段に保存されている別のジョブのコード情報と重複する場合は、前記保存手段が前記ジョブを保存せず、
前記受信したコード情報が前記保存手段に保存されている別のジョブのコード情報と重複しない場合は、前記保存手段は前記ジョブを保存し、前記実行手段は、前記操作部が前記ジョブのコード情報をユーザから受け付けるまでは、前記ジョブを実行せず、前記操作部が前記ジョブのコード情報を前記ユーザから受け付けたことによって前記ジョブの実行が可能になることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記操作部が前記コード情報を前記ユーザから受け付けたことによって前記ジョブの設定画面を前記操作部が表示することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記操作部が前記コード情報を前記ユーザから受け付けたことによって前記コード情報に対応する前記ジョブの設定画面を前記操作部が表示し、前記操作部が前記ユーザから実行指示を受け付けたことによって前記実行手段は前記ジョブを実行することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記コード情報は前記ジョブを一意に特定するための情報であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記ジョブが実行されることによって生成された画像データは、前記操作部が前記コード情報を受け付ける前に前記通信端末で設定された送信先に送信されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記ジョブは、前記受信手段が前記通信端末からジョブを生成するための指示を受信したことに基づいて生成されたジョブであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記実行手段は、前記通信端末で設定された読取設定を用いて前記ジョブを実行することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
保存工程と、
ジョブが実行されることにより、原稿を読み取って画像データを生成する読取工程と、
前記ジョブを前記保存工程で保存させるコマンドとコード情報を通信端末から受信する受信工程と、
前記ジョブを実行する実行工程とを有し、
前記受信したコード情報が前記保存工程で保存されている別のジョブのコード情報と重複する場合は、前記保存工程で前記ジョブは保存されず、
前記受信したコード情報が前記保存工程で保存されている別のジョブのコード情報と重複しない場合は、前記保存工程で前記ジョブが保存され、前記実行工程では、操作部が前記ジョブのコード情報をユーザから受け付けるまでは、前記ジョブを実行せず、前記操作部が前記ジョブのコード情報を前記ユーザから受け付けたことによって前記ジョブの実行が可能になることを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の画像処理装置の各手段をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クライアントコンピュータで生成した画像データを、LAN(Local Area Network)を介してファックス装置に送信し、ファックス装置からファックス送信する機能が知られている。この場合、ファックス送信の宛先はクライアントコンピュータ側でユーザが指定することが可能であった。
また、クライアントコンピュータ側で画像データを準備せず、ユーザが指定した宛先のみをファックス装置に通知し、ファックス装置側で原稿を読み取って生成した画像データを指定された宛先にファックス送信する機能も知られていた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-288625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明では、操作部と、保存手段と、ジョブが実行されることにより、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記ジョブを前記保存手段に保存させるためのコマンドとコード情報を通信端末から受信する受信手段と、前記ジョブを実行する実行手段とを有し、前記受信したコード情報が前記保存手段に保存されている別のジョブのコード情報と重複する場合は、前記保存手段が前記ジョブを保存せず、前記受信したコード情報が前記保存手段に保存されている別のジョブのコード情報と重複しない場合は、前記保存手段は前記ジョブを保存し、前記実行手段は、前記操作部が前記ジョブのコード情報をユーザから受け付けるまでは、前記ジョブを実行せず、前記操作部が前記ジョブのコード情報を前記ユーザから受け付けたことによって前記ジョブの実行が可能になることを特徴とする画像処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明の画像処理装置は、操作部と、保存手段と、ジョブが実行されることにより、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記ジョブを前記保存手段に保存させるためのコマンドとコード情報を通信端末から受信する受信手段と、前記ジョブを実行する実行手段とを有し、前記受信したコード情報が前記保存手段に保存されている別のジョブのコード情報と重複する場合は、前記保存手段が前記ジョブを保存せず、前記受信したコード情報が前記保存手段に保存されている別のジョブのコード情報と重複しない場合は、前記保存手段は前記ジョブを保存し、前記実行手段は、前記操作部が前記ジョブのコード情報をユーザから受け付けるまでは、前記ジョブを実行せず、前記操作部が前記ジョブのコード情報を前記ユーザから受け付けたことによって前記ジョブの実行が可能になることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、操作部と、保存手段と、ジョブが実行されることにより、原稿を読み取って画像データを生成する読取手段と、前記ジョブを前記保存手段に保存させるためのコマンドとコード情報を通信端末から受信する受信手段と、前記ジョブを実行する実行手段とを有し、前記受信したコード情報が前記保存手段に保存されている別のジョブのコード情報と重複する場合は、前記保存手段が前記ジョブを保存せず、前記受信したコード情報が前記保存手段に保存されている別のジョブのコード情報と重複しない場合は、前記保存手段は前記ジョブを保存し、前記実行手段は、前記操作部が前記ジョブのコード情報をユーザから受け付けるまでは、前記ジョブを実行せず、前記操作部が前記ジョブのコード情報を前記ユーザから受け付けたことによって前記ジョブの実行が可能になることを特徴とする画像処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】MFPのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】MFPのソフトウェア構成の一例を示す図である。
図4】タブレット型端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】タブレット型端末の操作画面の一例を示す図(その1)である。
図6】画像処理システムの処理の一例を示すシーケンス図(その1)である。
図7】タブレット型端末の操作画面の一例を示す図(その2)である。
図8】タブレット型端末の操作画面の一例を示す図(その3)である。
図9】画像処理システムの処理の一例を示すシーケンス図(その2)である。
図10】画像処理システムの処理の一例を示すシーケンス図(その3)である。
図11】MFPの処理の一例を示すフローチャート(その1)である。
図12】MFPの処理の一例を示すフローチャート(その2)である。
図13】MFPの表示画面の一例を示す図(その1)である。
図14】タブレット型端末の操作画面の一例を示す図(その4)である。
図15】画像処理システムの処理の一例を示すシーケンス図(その4)である。
図16】画像処理システムの処理の一例を示すシーケンス図(その5)である。
図17】MFPの処理の一例を示すフローチャート(その3)である。
図18】MFPの処理の一例を示すフローチャート(その4)である。
図19】MFPの表示画面の一例を示す図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
<実施形態1>
本発明の実施形態1について説明する。図1は、本実施形態における画像処理システムのシステム構成の一例を示す図である。情報処理装置の一例であるタブレット型端末101は、無線ネットワークルーター(無線アクセスポイント)102を介してMFP103と通信する。MFP103は、画像処理装置の一例である。タブレット型端末101と無線ネットワークルーター102とは無線LAN(Local Area Network)で接続されている。MFP103と無線ネットワークルーター102とは有線LANで接続されている。また、MFP103は、公衆回線網(PSTN)にも接続されている。なお、タブレット型端末101とMFP103との通信経路は上述したものに限らない。例えば、タブレット型端末101と無線ネットワークルーター102とが有線LANで接続されていても良い。また、MFP103と無線ネットワークルーター102とが無線LANで接続されていても良い。更に、タブレット型端末101とMFP103とが同一ネットワークに接続されていても良い。即ち、タブレット型端末101とMFP103とがネットワークを介して通信可能な構成であればどのような構成であっても良い。
【0009】
図2は、MFP103のハードウェア構成の一例を示す図である。CPU211を含む制御部210は、MFP103全体の動作を制御する。CPU211は、ROM212に記憶された制御プログラムを読み出して、読取/印刷/通信等の各種制御を行う。より具体的に説明すると、CPU211は、ROM212等に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、後述するMFP103のソフトウェア構成、シーケンス図におけるMFP103の処理及びフローチャートに示す各処理を実現する。
RAM213は、CPU211の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用い
られる。なお、MFP103は1つのCPU211が1つのメモリ(RAM213又はHDD214)を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の態様であっても構わない。例えば、複数のCPUや複数のRAM又はHDDを協働させてフローチャートに示す各処理を実行するようにすることもできる。
HDD214は、画像データや各種プログラムを記憶する。また、HDD214は、MFP103の各種設定データの記憶領域としても使用される。操作部I/F215は、操作部220と制御部210とを接続する。操作部220には、タッチパネル機能を有する液晶表示部やキーボード等が備えられており、ユーザによる操作、入力、指示を受け付ける受付部としての役割を担う。
【0010】
プリンタI/F216は、プリンタ221と制御部210とを接続する。プリンタ221で印刷すべき画像データはプリンタI/F216を介して制御部210から転送され、プリンタ221により記録媒体上に印刷される。
スキャナI/F217は、スキャナ222と制御部210とを接続する。スキャナ222は、原稿を読み取って画像データを生成し、スキャナI/F217を介して制御部210に入力する。
モデムI/F218は、モデム223と制御部210とを接続する。モデム223は、PSTNに接続され、外部のファックス装置(図示せず)との間における画像データのファックス通信を実行する。ネットワークI/F219は、制御部210(MFP103)を有線LANに接続する。MFP103は、ネットワークI/F219を用いて外部装置と通信し、画像データや各種情報を送受信することができる。
【0011】
図3は、MFP103のソフトウェア構成の一例を示す図である。図3において実線で示した各部は、CPU211がROM212又はHDD214に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより実現されるソフトウェアモジュールである。UI(User Interface)部301は、操作部220を介して各種情報をユーザに提供するとともに、ユーザからの各種指示を受け付ける。Job Controller部302は、コピーやプリント、ファックス等のジョブを受け付け、受け付けたジョブの実行を制御する。Protocol Stack部304は、TCP/IPやHTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の各種ネットワークプロトコルを保持する。
本実施形態において、タブレット型端末101から送信される画像データは、Protocol Stack部304に保持されたネットワークプロトコルに従い、ネットワークI/F219を介して受信される。受信した画像データは、Image File部303によって格納される。Image File部303は、RAM213やHDD214に格納された画像データを管理するソフトウェアモジュールである。
【0012】
Image File部303は、ネットワークI/F219を介して受信した画像データだけでなく、スキャナ222によって生成された画像データも格納する。スキャナ222による画像データの生成は、Scan部306によって制御される。Fax部305は、モデム223を介したファックス通信を制御する。MFP103からのファックス送信を行う場合は、Fax部305が、Image File部303に格納されている画像データを読み出して送信する。
OS(Operating System)部308は、各モジュールやタスクを調整し、MFP103のソフトウェア全体を管理する。OS部308には、Device Driver部307が組み合わされている。Device Driver部307は、スキャナ222やモデム223等のハードウェアデバイスを制御する。
【0013】
図4は、タブレット型端末101のハードウェア構成の一例を示す図である。CPU411を含む制御部410は、タブレット型端末101全体の動作を制御する。CPU411は、メモリ412に記憶された制御プログラムを読み出して各種制御を行う。より具体的に説明すると、CPU411は、メモリ412等に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、タブレット型端末101の機能及び後述するシーケンス図におけるタブレット型端末101の処理を実現する。また、メモリ412は、CPU411の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域としても用いられる。なお、タブレット型端末101は1つのCPU411が1つのメモリ412を用いて各処理を実行するものとするが、他の態様であっても構わない。例えば、複数のCPUや複数のメモリを協働させて各処理を実行するようにすることもできる。
操作部I/F413は、操作部420と制御部410とを接続する。操作部420には、タッチパネル機能を有する液晶表示部が備えられており、ユーザによる操作、入力、指示等を受け付ける受付部としての役割を担う。ネットワークI/F414は、制御部410(タブレット型端末101)を無線LANに接続する。タブレット型端末101は、ネットワークI/F414を用いて外部装置に画像データや情報を送信したり、各種情報を受信したりすることができる。
【0014】
図5は、タブレット型端末101に表示されるファックス送信アプリケーションの操作画面の一例を示す図である。ファックス送信アプリケーションは、インターネット上のサーバからダウンロードしてタブレット型端末101に追加インストールすることが可能なアプリケーションであり、タブレット型端末101のOS部上で操作するソフトウェアである。ファックス送信アプリケーションを用いることにより、MFP103にファックス送信を行わせるための設定をタブレット型端末101側で行うことができる。後述するタブレット型端末101の動作はファックス送信アプリケーションからの指示に基づいて実行される。
タブレット型端末101でファックス送信アプリケーションを起動すると、図5に示す操作画面が表示される。設定欄501は、ファックス送信を実行させるMFPを選択設定する欄である。設定欄501にタッチすると、タブレット型端末101が周囲にあるMFPを検索し、見つかったMFPが一覧表示される。ユーザは、表示されたMFPからファックス送信を実行させるMFPを選択することができる。
設定欄502は、ファックス送信の宛先となる電話番号(ファックス番号)を設定する欄である。ユーザは、タブレット型端末101に表示されるソフトキーボードを用いて電話番号を入力しても良いし、タブレット型端末101に記憶されているアドレス帳を参照して電話番号を選択しても良い。
設定欄503は、MFP103のスキャナ222を用いて実行するスキャン処理(読取処理)の詳細設定を行う欄である。設定欄503をタッチすると、解像度や画質、原稿サイズ等の読取パラメータを指定するための画面が表示され、この画面を介してユーザからスキャン設定を受け付ける。なお、設定欄503により設定されたスキャン処理の詳細設定は、スキャン処理開始前であればMFP103の操作部220によりユーザが変更することができる。
ファックス送信キー504は、MFP103に対してファックス送信の実行を指示するためのキーである。設定欄501乃至503の設定が済んだ後にファックス送信キー504が押下されると、タブレット型端末101とMFP103との通信が開始される。
【0015】
図6は、タブレット型端末101とMFP103とにおける処理の一例を示すシーケンス図である。S601でタブレット型端末101は、図5のタブレット型端末101の操作画面を介してユーザからの設定を受け付ける。S602では、タブレット型端末101が、MFP103にジョブ生成のためのコマンドを送信する。ここで、ジョブ生成コマンドには、タブレット型端末101を操作するユーザのユーザ名が属性情報として付加されるものとする。このコマンドを受けたMFP103は、S603でOKをタブレット型端末101に応答する。
S604では、タブレット型端末101が、MFP103にスキャンの実行を指示する
スキャンコマンドを送信する。このコマンドを受けたMFP103は、スキャナ222の使用状況に関わらず、S605でOKをタブレット型端末101に応答する。S606では、タブレット型端末101が、MFP103にジョブ終了のためのコマンドを送信する。このコマンドを受けたMFP103は、S607でOKをタブレット型端末に応答し、S608で当該受信ジョブを原稿スキャン待ちファックス送信ジョブとして保存する。なお、スキャンコマンドを含むファックス送信ジョブのことを、原稿読取送信ジョブという。
【0016】
次に、MFP103は、ユーザの操作があるまで待機し、S609でユーザの操作(原稿スキャン待ちファックス送信ジョブのリスト表示指示)を受け付けると、S610に進む。S610でMFP103は、操作部220の表示部に原稿スキャン待ちファックス送信ジョブのリスト(ジョブ一覧)を表示する(ジョブ一覧表示処理)。上述した通り、本実施形態におけるMFP103は、スキャナ222の使用状況に関わらず、スキャンコマンドを含むファックス送信ジョブを受け付ける。そのため、S610でMFP103が表示する画面には、S609でユーザの操作を受け付けるまでに受信した未処理の原稿スキャン待ちファックス送信ジョブが全て表示される。
ここで、S610で表示される画面では、ユーザ名をキーにして表示するジョブリストの絞り込みを行うことも可能となっている。MFP103は、S611でユーザからジョブリストの絞り込み指示を受け付けた場合、S612で絞り込み結果を反映した原稿スキャン待ちファックス送信ジョブのリスト表示を行う。
【0017】
次に、S613でMFP103は、ユーザによるジョブ選択操作及び読取設定指示を受け付け、ユーザの操作指示があると、S614で前記選択されたジョブに係る送信設定内容の確認画面を表示する。なお、S614における処理は、確認画面表示処理の一例である。ここで表示する確認画面には、少なくとも宛先電話番号が表示されるものとする。MFP103は、S615でユーザから前記確認画面の表示内容で間違い無い旨の操作指示を受け付けると、S616で操作部220の表示部に当該原稿スキャン待ちファックス送信ジョブに係るスキャン設定画面を表示し、ユーザの操作指示を受け付ける。なお、S616における処理は、設定画面表示処理の一例である。
S617でユーザによるスキャン実行指示があると、S618でMFP103は、スキャナ222を用いた原稿のスキャン処理を行う。スキャン処理は、図5の設定欄503に設定された内容に従うが、S616で表示するスキャン設定画面で設定内容が変更された場合は変更後の設定に従うものとする。S619でMFP103は、S618で実行したスキャン処理によって得られた画像データをファックス送信する。このファックス送信の宛先は、図5の設定欄502に設定された電話番号である。なお、S618及びS619における処理は、確認画面とスキャン設定画面とを介して受け付けた指示に応じてジョブを処理する実行処理の一例である。
以上のようにして、タブレット型端末101で設定された内容に従って、MFP103で原稿をスキャンし、得られた画像データをファックス送信する処理が行われる。以下、この処理を第1の送信処理と称する。第1の送信処理では、MFP103によるスキャンで得られた画像データのみをファックス送信する。これに対し、タブレット型端末101側で用意した画像データをMFP103からファックス送信する第2の送信処理を次に説明する。
【0018】
図7は、タブレット型端末101に表示されるデータ管理アプリケーションの操作画面の一例を示す図である。タブレット型端末101には、ネットワーク上からダウンロードした画像データやタブレット型端末101に備えられたカメラ機能を用いて撮影した画像データが記憶されている。これらの画像データは、タブレット型端末101にインストールされたデータ管理アプリケーションを用いて順次切り替えて表示することが可能であり、図7の操作画面は記憶されている画像データの一つが表示された様子を示している。
図7の操作画面において、ユーザが操作キー701を押下すると、現在表示されている画像データに対して実行する機能を選択する画面が表示される。この画面には、メール送信アプリケーションや印刷アプリケーション等の他に、上述したファックス送信アプリケーションが選択候補として表示される。ユーザがファックス送信アプリケーションを選択すると、図8の操作画面に切り替わる。
【0019】
図8は、タブレット型端末101に表示されるファックス送信アプリケーションの操作画面の一例を示す図である。設定欄801、802、804は、それぞれ図5で説明した設定欄501、502、503と同様である。ファックス送信キー805は、図5で説明したファックス送信キー504と同様である。図8の操作画面を図5の操作画面と比較すると、設定欄803が追加されていることが分かる。設定欄803では、図7の操作画面で選択した画像データのみをMFP103からファックス送信するか、図7の操作画面で選択した画像データとMFP103によるスキャン処理で得られた画像データの両方をMFP103からファックス送信するかを設定する。以下、前者の処理を第2の送信処理と称する。また、後者の処理を第3の送信処理と称する。設定欄803では、「オン」又は「オフ」が選択可能である。「オフ」が設定されると第2の送信処理が実行される。「オン」が設定されると第3の処理が実行される。即ち、ユーザは、図8の操作画面を介してマージ処理するか否かを設定する。そして、MFP103は、マージ処理を実行するか否かの指示をタブレット型端末101から受け付ける(受付処理)。マージ処理の詳細については後述する。
【0020】
図9は、設定欄803で「オフ」が設定された場合、即ち、第2の送信処理を実行する場合の処理の一例を示すシーケンス図である。S901では、タブレット型端末101が、図7の操作画面を介してユーザからの画像選択を受け付ける。続くS902では、タブレット型端末101が、図8の操作画面を介してユーザからの設定を受け付ける。なお、第2の送信処理ではMFP103によるスキャン処理は実行されないため、設定欄804をグレーアウト表示するようにしても良い。S903では、タブレット型端末101が、MFP103にジョブ生成のためのコマンドを送信する。このコマンドを受けたMFP103は、S904でOKをタブレット型端末101に応答する。
S905では、タブレット型端末101が、MFP103に画像コマンドを送信する。画像コマンドには、MFP103からファックス送信すべき画像データが含まれる。この画像データは、図7の操作画面に表示されていたものである。画像コマンドを受けたMFP103は、S906でOKをタブレット型端末101に応答する。S907では、タブレット型端末101が、MFP103にジョブ終了のためのコマンドを送信する。このコマンドを受けたMFP103は、S908でOKをタブレット型端末101に応答する。S909では、MFP103が、タブレット型端末101から受信した画像データをファックス送信する。このファックス送信の宛先は、設定欄802に設定された電話番号である。第2の送信処理では、MFP103側でのスキャン処理が実行されない。このため、第1の送信処理とは異なり、ユーザによるMFP103の操作を待つ必要はない。
以上のようにして、タブレット型端末101で設定された内容に従って、タブレット型端末101からMFP103に送信した画像データをMFP103からファックス送信する処理(第2の送信処理)が行われる。次に第3の送信処理について説明する。
【0021】
図10は、設定欄803で「オン」が設定された状態で、図8のファックス送信キー805が押下された場合、即ち、第3の送信処理を実行する場合の処理の一例を示すシーケンス図である。S1001では、タブレット型端末101が、図7の操作画面を介してユーザからの画像選択を受け付ける。続くS1002では、タブレット型端末101が、図8の操作画面を介してユーザからの設定を受け付ける。S1003では、タブレット型端末101が、MFP103にジョブ生成のためのコマンドを送信する。このコマンドを受けたMFP103は、S1004でOKをタブレット型端末101に応答する。
S1005では、タブレット型端末101が、MFP103に画像コマンドを送信する。画像コマンドには、MFP103からファックス送信すべき画像データが含まれる。この画像データは、図7の操作画面に表示されていたものである。画像データを受けたMFP103は、S1006でOKをタブレット型端末101に応答する。S1007では、タブレット型端末101が、MFP103にスキャンの実行を指示するスキャンコマンドを送信する。このコマンドを受けたMFP103は、スキャナ222の使用状態に関わらず、S1008でOKをタブレット型端末101に応答する。S1009では、タブレット型端末101が、MFP103にジョブ終了のためのコマンドを送信する。このコマンドを受けたMFP103は、S1010でOKをタブレット型端末101に応答し、S1011で当該受信ジョブを原稿スキャン待ちファックス送信ジョブとして保存する。
【0022】
次に、MFP103は、ユーザの操作があるまで待機する。S1012からS1017でMFP103は、ユーザの操作によるジョブ選択及び読取設定指示を受け付け、当該選択されたジョブに係る送信設定内容の確認画面を表示するが、図6のS609乃至S614で述べた動作と同様となるため説明は省略する。
第3の送信処理では、S1017で表示する送信設定内容の確認画面において宛先電話番号等の送信設定内容の他に、上述のS1005でタブレット型端末101から画像コマンドにより受信した画像データのプレビューを行うことが可能となっている。MFP103は、S1018でユーザによるプレビュー指示を受け付けた場合、S1019で操作部220の表示部に当該画像データのプレビュー表示を行う。
次に、MFP103は、S1020でユーザから送信設定内容に間違いが無い旨の操作指示を受け付けると、S1021で操作部220の表示部に当該ジョブに係るスキャン設定画面を表示し、ユーザの操作指示を受け付ける。S1022でユーザによるスキャン実行指示があると、S1023でMFP103は、スキャナ222を用いた原稿のスキャン処理を行う。スキャン処理は、図8の設定欄803に設定された内容に従うが、S1021で表示するスキャン設定画面で設定内容が変更された場合は変更後の設定に従うものとする。
【0023】
S1024でMFP103は、S1005で画像コマンドにより受信した画像データとS1023で実行したスキャン処理によって得られた画像データとをマージする処理を実行する。ここで、マージとは、複数の画像データを複数ページからなる1つの画像データ(文書又は文書ファイルと称することもできる)とすることを意味する。S1025でMFP103は、S1024でマージした画像データをファックス送信する。このファックス送信の宛先は、図8の設定欄802に設定された電話番号である。
以上のようにして、タブレット型端末101で設定された内容に従って、タブレット型端末101からMFP103に送信した画像データとMFP103によるスキャン処理で得られた画像データとがマージされ、MFP103からファックス送信する処理が行われる。第3の送信処理は、例えば、タブレット型端末101で生成した送付状ページと、MFP103で本文原稿をスキャンして得られる画像データとを1回の通信でファックス送信したい場合に利用される。即ち、第3の送信処理により、タブレット型端末101で生成した画像データとMFP103で生成する画像データとをまとめて送信する際の手間を大幅に軽減することができる。
【0024】
図11は、本実施形態におけるMFP103のジョブ受信動作の一例を示すフローチャートである。図11のフローチャートに示す各動作(各ステップの処理)は、制御部210のCPU211がROM212に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
S1101では、Job Controller部302が、図6のS602乃至S607、図9のS903乃至S908及び図10のS1003乃至S1010で説明したシーケンスでタブレット型端末101からファックス送信ジョブを受信する。S1102では、Job Controller部302が、タブレット型端末101からの指示の内容を判定する。より具体的に説明すると、Job Controller部302は、画像コマンドを受信し、かつ、スキャンコマンドを受信していない場合は、タブレット型端末101から送信された画像データのみをファックス送信すること(第2の送信処理)が指示されたと判定し、S1103へ進む。S1103では、Fax部305が、タブレット型端末101から送信された画像データをファックス送信し処理を終了する。
一方、Job Controller部302は、スキャンコマンドを受信している場合は、MFP103によるスキャン処理で得られた画像データをファックス送信すること(第1の送信処理又は第3の送信処理)が指示されたと判定し、S1104に進む。S1104では、Job Controller部302が、当該ファックス送信ジョブを原稿スキャン待ちファックス送信ジョブとして保存し処理を終了する。
【0025】
図12は、図11のS1104でMFP103に保存された原稿スキャン待ちファックス送信ジョブに係る実行フローの一例を示すフローチャートである。図12のフローチャートに示す各動作(各ステップの処理)は、図11のフローチャートと同様に制御部210のCPU211がROM212に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
S1201では、Job Controller部302が、ユーザから原稿スキャン待ちファックス送信ジョブのリスト表示指示があるまで待機する。Job Controller部302は、ユーザから原稿スキャン待ちファックス送信ジョブのリスト表示指示を受け付けると、S1202へ進み、原稿スキャン待ちファックス送信ジョブの有無を判定する。ここで、原稿スキャン待ちファックス送信ジョブがある場合は、S1203へ進む。一方、そうでない場合は、UI部301が、S1214で操作部220の表示部に原稿スキャン待ちファックス送信ジョブが無い旨を表示して処理を終了する。
S1203では、UI部301が、操作部220の表示部に原稿スキャン待ちファックス送信ジョブのリスト画面を表示する。図13(a)に原稿スキャン待ちファックス送信ジョブのリスト表示画面の一例を示す。図13(a)の画面ではユーザ名をキーにして表示するジョブリストの絞り込みを行うことも可能となっている。ユーザ名の選択はボタン1301を押下することで表示されるユーザ選択画面(図示せず)で行う。図13(b)に絞り込み結果を反映した表示画面の一例を示す。ユーザは、図13(a)又は図13(b)の表示画面において任意のジョブを選択し、読取設定ボタン(ボタン1302)を押下することにより、前記選択したジョブに係る原稿スキャン処理の開始をMFP103に指示する。
【0026】
S1204で、Job Controller部302は、ユーザからの原稿スキャン処理開始指示があるまで待機する。ユーザからの原稿スキャン処理開始指示があると、UI部301は、S1205で当該ジョブに係る送信設定内容の確認画面を表示する。図13(c)に送信設定内容の確認画面の一例を示す。図13(c)の画面では少なくとも宛先電話番号を含む送信設定内容が表示される。また、当該ジョブが第3の送信処理であった場合、ボタン1303を押下することでタブレット型端末101から受信した画像データを操作部220の表示部にプレビュー表示することも可能となっている。これにより、タブレット型端末101から受信した画像データをジョブの実行前に確認することができるため、ユーザの利便性を向上させることができる。図13(d)にプレビュー表示画面の一例を示す。ユーザは図13(c)の表示画面において送信設定確認指示(送信設定内容に間違いが無いか否かの指示)をMFP103に指示する。送信設定内容に間違いが無い旨を指示する場合、ユーザはボタン1304を押下し、そうでない場合は、ボタン1305を押下する。
S1206では、UI部301が、ユーザからの送信設定確認指示があるまで待機する。UI部301は、ユーザからの送信設定確認指示があると、S1207で指示内容を判定し、送信設定に間違いが無い旨の指示であった場合はS1208へ進む。一方、そうでない場合、UI部301は、S1203へ戻り、原稿スキャン待ちジョブのリスト画面を再度表示する。
【0027】
S1208では、UI部301が、操作部220の表示部にスキャン設定画面を表示する。図13(e)にスキャン設定画面の一例を示す。ユーザは図13(e)の表示画面において、MFP103が実行するスキャン処理の詳細設定を行うことができる。また、図13(e)の画面が表示されている状態でユーザが操作部220上のスタートキー(図示せず)を押下することで、スキャン処理の実行を指示することができる。S1209で、UI部301は、ユーザからのスキャン処理の実行指示があるまで待機する。ユーザからのスキャン処理の実行指示があると、Scan部306は、S1210でスキャナ222を動作させて原稿を読み取って画像データを生成する。図13(f)にスキャン処理実行中の表示画面の一例を示す。
S1211では、Job Controller部302が、当該ジョブに関して画像コマンドを受信しているか否か、即ち、第3の送信処理か否かを判定する。画像コマンドを受信している場合は、S1212へ進み、そうでない場合はS1213へ進む。S1212では、Job Controller部302が、受信した画像データとスキャン処理で得られた画像データとのマージ処理を実行する。S1213では、Fax部305が、ファックス送信を実行する。
【0028】
以上説明した通り、本実施形態におけるMFP103は、MFP103によるスキャンで得られた画像データをファックス送信すること(第1の送信処理及び第3の送信処理)が指示された場合は、スキャナ222の使用状況に関わらず、当該指示を受け付けて原稿スキャン待ちファックス送信ジョブとして保存し、ユーザの操作があるまでスキャン処理を待機する。そして、ユーザの操作を契機にしてMFP103は、未処理の原稿スキャン待ちファックス送信ジョブのリスト画面を表示し、当該リストからユーザによるジョブ選択指示を受け付ける。ユーザによるジョブ選択指示があると、MFP103は、当該ジョブに係る送信設定内容の確認画面を表示し、送信設定確認指示を受け付ける。そして、ユーザから送信設定内容に間違いが無い旨の確認指示があると、MFP103は、当該ジョブに係るスキャン処理及びファックス送信を実行する。
これにより、複数のユーザが画像処理装置を共有で使用する場合であっても、他のユーザによる画像処理システムの使用状況によらず確実に原稿読取送信ジョブを実行でき、かつ、ほぼ同時の複数のジョブ投入に起因する原稿の誤送信を防止できる。
【0029】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2について説明する。上述した実施形態1では、第1の送信処理及び第3の送信処理を行う際に、MFP103の操作部220の表示部に原稿スキャン待ちファックス送信ジョブのリスト画面を表示する。そして、ユーザによるジョブ選択指示及び送信設定確認指示をもって、保存された原稿スキャン待ちファックス送信ジョブの中から処理実行すべきジョブを決定する実施形態について説明した。実施形態2では、ジョブを一意に特定するための識別コード(以下、タグコードと称する)を用いて、処理実行すべきジョブを決定するようにした点が実施形態1と異なる。なお、ここでいうタグコードは、ジョブを一意に識別可能とする識別情報の一例である。以下、第1の送信処理を例にして説明する。
図14は、タブレット型端末101に表示されるファックス送信アプリケーションの操作画面の一例を示す図である。設定欄1401、1402、1404は、それぞれ実施形態1の図5で説明した設定欄501、502、503と同様である。ファックス送信キー1405は、図5で説明したファックス送信キー504と同様である。図14の操作画面を図5の操作画面と比較すると、設定欄1403が追加されていることが分かる。設定欄1403では、ジョブを特定するためのタグコードを設定する。設定欄1401乃至1404の設定が済んだ後にファックス送信キー1405が押下されると、タブレット型端末101とMFP103との通信が開始される。
【0030】
図15は、本実施形態におけるタブレット型端末101とMFP103とにおける処理の一例を示すシーケンス図である。S1501でタブレット型端末101は、図14の操作画面を介してユーザからの設定を受け付ける。ここでの例では、設定欄1403でタグコードとして「0001」が設定されるものとする。S1502では、タブレット型端末101が、MFP103にジョブ生成のためのコマンドを送信する。ここで、ジョブ生成コマンドには設定欄1403で設定されたタグコード「0001」が属性情報として付加されるものとする。このコマンドを受けたMFP103は、S1503で当該コマンドに付加されたタグコードと重複するタグコードが設定された原稿スキャン待ちファックス送信ジョブが保存されているか否かを確認する。MFP103は、重複するタグコードが設定されたジョブが無い場合はOKを、重複するタグコードが設定されたジョブがある場合はNGをタブレット型端末101に応答する。ここでの例では、重複するタグコードが設定されたジョブが存在しないものとして説明する。
S1504でMFP103は、OKをタブレット型端末101に応答する。S1505では、タブレット型端末101が、MFP103にスキャンの実行を指示するスキャンコマンドを送信する。このコマンドを受けたMFP103は、スキャナ222の使用状況に関わらず、S1506でOKをタブレット型端末101に応答する。S1507では、タブレット型端末101が、MFP103にジョブ終了のためのコマンドを送信する。このコマンドを受けたMFP103は、S1508でOKをタブレット型端末101に応答し、S1509で当該受信ジョブを原稿スキャン待ちファックス送信ジョブとして保存する。より具体的に説明すると、MFP103は、タグコードを用いて受信ジョブを識別可能に保存する。
【0031】
次に、MFP103は、ユーザの操作があるまで待機し、S1510でユーザの操作(タグコード入力画面表示指示)を受け付けると、S1511に進む。S1511でMFP103は、操作部220の表示部にタグコード入力画面を表示する。S1512でMFP103は、ユーザによるタグコードの入力を受け付ける。MFP103は、ユーザによるタグコードの入力があると、S1513で前記入力されたタグコードとタグコードが一致する原稿スキャン待ちファックス送信ジョブに係るスキャン設定画面を表示し、ユーザの操作指示を受け付ける。
S1514でユーザによるスキャン実行指示があると、S1515でMFP103は、スキャナ222を用いた原稿のスキャン処理を行う。スキャン処理は、図14の設定欄1404に設定された内容に従うが、S1513で表示するスキャン設定画面で設定内容が変更された場合は変更後の設定に従うものとする。S1516でMFP103は、S1515で実行したスキャン処理によって得られた画像データをファックス送信する。このファックス送信の宛先は、図14の設定欄1402に設定された電話番号である。
【0032】
図15では、MFP103がタブレット型端末101からジョブ生成コマンドを受信した際に、前記ジョブ生成コマンドに付加されたタグコードとタグコードが重複する原稿スキャン待ちファックス送信ジョブが存在しない場合の例を説明した。図16では、タグコードが重複する原稿スキャン待ちファックス送信ジョブが存在する場合の例を説明する。
図16は、タグコードが重複する原稿スキャン待ちファックス送信ジョブが存在する場合のタブレット型端末とMFP103とにおける処理の一例を示すシーケンス図である。S1601でタブレット型端末101は、図14の操作画面を介してユーザからの設定を受け付ける。ここでの例では、設定欄1403でタグコードとして「0001」が設定されるものとする。S1602では、タブレット型端末101が、MFP103にジョブ生成のためのコマンドを送信する。ここで、ジョブ生成コマンドには設定欄1403で設定されたタグコード「0001」が属性情報として付加されるものとする。このコマンドを受けたMFP103は、S1603で当該コマンドに付加されたタグコードと重複するタ
グコードが設定された原稿スキャン待ちファックス送信ジョブが保存されているか否かを確認する。ここでは、重複するタグコード「0001」が設定されたジョブが存在する場合を例に説明するため、S1604でMFP103は、NG(タグコード重複エラー)をタブレット型端末101に応答する。これにより、タグコードが重複してしまうことを抑止することができる。なお、S1604における処理は、タグコード重複エラーを通知する通知処理の一例である。
【0033】
S1605でタブレット型端末101は、操作部420の表示部にタグコード重複エラーである旨のメッセージを表示し、タグコードの変更をユーザに促す。S1605でタブレット型端末101は、図14の操作画面を再度表示してユーザからのタグコード変更操作を受け付ける。ここでの例では、設定欄1403で変更後のタグコードとして「0002」が設定されるものとする。S1606では、タブレット型端末101が、MFP103にジョブ生成のためのコマンドを送信する。ここで、ジョブ生成コマンドには変更後のタグコード「0002」が属性情報として付加されるものとする。このコマンドを受けたMFP103は、S1607で当該コマンドに付加されたタグコード「0002」と重複するタグコードが設定された原稿スキャン待ちファックス送信ジョブが保存されているか否かを確認する。ここでは、変更後のタグコード「0002」と重複するタグコードが設定されたジョブは存在しないものとして説明する。
S1608でMFP103は、OKをタブレット型端末101に応答する。S1609では、タブレット型端末101が、MFP103にスキャンの実行を指示するスキャンコマンドを送信する。このコマンドを受けたMFP103は、スキャナ222の使用状況に関わらず、S1610でOKをタブレット型端末101に応答する。S1611では、タブレット型端末101が、MFP103にジョブ終了のためのコマンドを送信する。このコマンドを受けたMFP103は、S1612でOKをタブレット型端末に応答し、S1613で当該受信ジョブを原稿スキャン待ちファックス送信ジョブとして保存する。
S1614乃至S1620のシーケンスは、S1616において前記変更後のタグコード「0002」を入力する点以外は図15のS1510乃至S1516のシーケンスと同様であるため説明は省略する。
【0034】
図17は、実施形態2におけるMFP103のジョブ受信動作の一例を示すフローチャートである。図1のフローチャートに示す各動作(各ステップの処理)は、制御部210のCPU211がROM212に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
S1701では、Job Controller部302が、タブレット型端末101からジョブ生成コマンドを受信する。S1702では、Job Controller部302が、当該ジョブ生成コマンドに付加されたタグコードとタグコードが重複する原稿スキャン待ちファックス送信ジョブがあるか否かを判定する。ここで、重複するタグコードが設定されたジョブが存在する場合は、S1703へ進み、Job Controller部302は、タブレット型端末101へタグコード重複エラーを応答して処理を終了する。一方、重複するタグコードが設定されたジョブが存在しない場合は、S1704へ進む。S1704では、Job Controller部302が、タブレット型端末101から送信される後続コマンドを受け付ける。ここで、Job Controller部302は、後続コマンドを受信するとS1705へ進み、ジョブ終了コマンドを受信したか否かを判定する。Job Controller部302は、ジョブ終了コマンドを受信している場合はS1706へ進み、そうでない場合はS1704へ戻り、再度後続コマンドを受け付ける。
S1706では、Job Controller部302が、タブレット型端末101からの指示の内容を判定する。より具体的に説明すると、Job Controller部302は、画像コマンドを受信し、かつ、スキャンコマンドを受信していない場合は、タブレット型端末101から送信された画像データのみをファックス送信することが指示されたと判定し、S1707へ進む。S1707では、Fax部305が、画像コマンドで受信した画像データのファックス送信を実行して処理を終了する。一方、スキャンコマンドを受信している場合は、S1708へ進み、Job Controller部302が、当該ジョブを原稿スキャン待ちファックス送信ジョブとして保存する。
【0035】
図18は、図17のS1708でMFP103に保存された原稿スキャン待ちファックス送信ジョブに係る実行フローの一例を示すフローチャートである。図18のフローチャートに示す各動作(各ステップの処理)は、図17のフローチャートと同様に制御部210のCPU211がROM212に記憶された制御プログラムを実行することにより実現される。
S1801で、Job Controller部302は、ユーザによるタグコードの入力画面表示指示があるまで待機する。Job Controller部302は、ユーザによるタグコードの入力画面表示指示があると、S1802へ進み、原稿スキャン待ちファックス送信ジョブの有無を判定する。ここで、Job Controller部302は、原稿スキャン待ちファックス送信ジョブがある場合は、S1803へ進む。一方、そうでない場合は、UI部301が、S1813で操作部220の表示部に原稿スキャン待ちファックス送信ジョブが無い旨を表示して処理を終了する。S1803では、UI部301が、操作部220の表示部にタグコード入力画面を表示する。図19(a)にタグコード入力画面の一例を示す。
【0036】
S1804で、Job Controller部302は、ユーザからのタグコード入力があるまで待機する。Job Controller部302は、ユーザからのタグコード入力があると、S1805へ進み、前記入力されたタグコードと一致するタグコードが設定された原稿スキャン待ちファックス送信ジョブを検索する。そして、Job Controller部302は、S1806で検索結果の判定を行う。ここで、タグコードが一致するジョブがある場合は、S1807へ進み、そうでない場合は、S1814へ進む。
S1814では、UI部301が、入力されたタグコードとタグコードが一致するジョブが無い旨のエラーメッセージを操作部220の表示部に表示して処理を終了する。S1807では、UI部301が、操作部220の表示部に入力されたタグコードとタグコードが一致するジョブが見つかった旨のメッセージを表示した後、当該ジョブに係るスキャン設定画面を表示する。図19(b)及び図19(c)に、タグコードが一致するジョブが無い場合、タグコードが一致するジョブがある場合のそれぞれの場合における表示画面の一例を示す。以降、S1807乃至S1812の処理は、図12のS1208乃至S1213と同様であるため説明は省略する。
【0037】
以上説明した通り、実施形態2においては、MFP103によるスキャンで得られた画像データのファックス送信(第1の送信処理及び第3の送信処理)をタブレット型端末101から指示する場合は、ユーザによりタブレット型端末101で入力されたタグコードを付加してMFP103へのジョブ投入を行う。そして、MFP103は、タグコードが重複する原稿スキャン待ちファックス送信ジョブが無い場合に限り、前記投入されたジョブを受け付けて、原稿スキャン待ちファックス送信ジョブとして保存し、ユーザの操作があるまでスキャン処理を待機する。そして、ユーザの操作を契機にしてMFP103はタグコードの入力画面を表示し、ユーザによるタグコードの入力を受け付ける。ユーザによるタグコードの入力があると、MFP103は、入力されたタグコードとタグコードが一致するジョブを検索し、検索の結果見つかったジョブに係るスキャン処理及びファックス送信を実行する。これらの構成により、原稿スキャン待ちファックス送信ジョブのリストから所望のジョブを選択してスキャン処理を実行するといったオペレーション無しに、実行すべきジョブを指示することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0038】
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0039】
以上、上述した各実施形態によれば、複数のユーザが画像処理装置を共有で使用する場合であっても、他のユーザによる画像処理装置の使用状況によらず確実に原稿読取送信ジョブを実行する仕組みを提供することができる。
【0040】
以上、本発明の好ましい形態について詳述したが、本実施形態は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
101 タブレット型端末、102 無線ネットワークルーター、103 MFP、210 制御部、211 CPU、212 ROM、213 RAM、214 HDD
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
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図19