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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】ガス状燃焼剤噴射アセンブリ及び方法
(51)【国際特許分類】
   F23D 14/22 20060101AFI20240917BHJP
   F23K 5/00 20060101ALI20240917BHJP
   F23N 1/00 20060101ALI20240917BHJP
   F23L 7/00 20060101ALI20240917BHJP
   F23N 5/00 20060101ALI20240917BHJP
   F23N 5/18 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
F23D14/22 A
F23K5/00 301C
F23N1/00 103Z
F23L7/00 B
F23N5/00 U
F23N5/00 T
F23N5/18 E
F23N5/18 101Q
F23N5/18 101R
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021535184
(86)(22)【出願日】2019-11-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-10
(86)【国際出願番号】 EP2019082987
(87)【国際公開番号】W WO2020126401
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-10-12
(31)【優先権主張番号】18306820.4
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591036572
【氏名又は名称】レール・リキード-ソシエテ・アノニム・プール・レテュード・エ・レクスプロワタシオン・デ・プロセデ・ジョルジュ・クロード
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】グラン、ブノワ
(72)【発明者】
【氏名】ジュマ、サラ
(72)【発明者】
【氏名】ポバル、ザビア
(72)【発明者】
【氏名】スヌシャル、ジャン-バプティスト
【審査官】大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-527412(JP,A)
【文献】特開平06-147437(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0237323(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23D14/00-14/84
F23N1/00-5/26
F23L1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス状燃焼剤を燃焼ゾーン(1)に噴射するためのアセンブリであって、前記ガス状燃焼剤はガス状燃料及びガス状酸化剤から選択され、前記アセンブリは、
・前記ガス状燃焼剤が前記アセンブリに導入される入口を有するチャンバ(11)、
・前記ガス状燃焼剤の主要な流れを前記チャンバ(11)から前記燃焼ゾーン(1)へ搬送するための、及び前記主要な流れを前記燃焼ゾーン(1)に噴射するための少なくとも1つの主インジェクタ(21)であって、前記少なくとも1つの主インジェクタ(21)は少なくとも1つの主通路(23)によって前記チャンバ(11)に流体接続されている、少なくとも1つの主インジェクタ(21)、
・前記ガス状燃焼剤の副次的な流れを前記チャンバ(11)から前記燃焼ゾーン(1)へ搬送するための、及び前記副次的な流れを前記燃焼ゾーン(1)に噴射するための少なくとも1つの副インジェクタ(22)であって、前記少なくとも1つの副インジェクタ(22)は少なくとも1つの副通路(24)によって前記チャンバ(11)に流体接続されている、少なくとも1つの副インジェクタ(22)を含み、
前記アセンブリはまた、
・前記チャンバ(11)内のガス圧力又はガス圧力の変動を検出するための圧力検出器(30)、
・前記少なくとも1つの副通路(24)の流れセクションの流量を調節することができる少なくとも1つのバルブ(33)を備えた調節システム(32)、及び
・前記圧力検出器(30)及び前記調節システム(32)に接続された制御システム(31)であって、前記少なくとも1つの副通路(24)の前記流れセクションが、前記圧力検出器(30)によって検出された圧力又は圧力の変動に応じて調節されるように、前記調節システム(32)を制御する、制御システム(31)、
を含むアセンブリ。
【請求項2】
前記制御システム(31)は、前記少なくとも1つの副通路(24)の前記流れセクションを調節することによって、前記チャンバ(11)内のガス圧力が所定の圧力ゾーン内にあるように、又は前記チャンバ(11)内のガス圧力が所定の値に一致するように、前
記調節システム(32)を制御する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
少なくとも一対の主インジェクタ(21)及び副インジェクタ(22)を備え、前記対においては、前記主インジェクタ(21)及び前記副インジェクタ(22)の一方が前記主インジェクタ(21)及び前記副インジェクタ(22)の他方を取り囲む、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
少なくとも2つの主インジェクタ(21)及び/又は少なくとも2つの副インジェクタ(22)を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の複数のアセンブリを備える設備であって、前記設備が、各アセンブリの前記圧力検出器(30)に接続された共通の制御システムであって、前記アセンブリの前記圧力検出器(30)によって検出されたガス圧力又はガス圧力の変動に応じて各アセンブリの前記調節システム(32)を制御することができる共通の制御システムを備える設備。
【請求項6】
ガス状燃料及びガス状酸化剤から選択されるガス状燃焼剤を燃焼ゾーン(1)に噴射するための請求項1~4のいずれか一項に記載のアセンブリと、前記アセンブリによって噴射される前記ガス状燃焼剤が前記ガス状燃料である場合、前記燃焼ゾーン(1)へ前記ガス状酸化剤を噴射し、前記アセンブリによって噴射される前記ガス状燃焼剤が前記ガス状酸化剤である場合、前記燃焼ゾーン(1)へ燃料(ガス状又は非ガス状)を噴射する、少なくとも1つの追加のインジェクタとを備えるバーナ。
【請求項7】
入口面(41)と、前記入口面(41)の反対側の出口面(42)とを備えるブロック(40)を備え、前記バーナの前記インジェクタが、前記入口面から前記出口面まで前記ブロックを通過する1つ又は複数の穿孔内に配置されるように、前記アセンブリが前記ブロック(40)の前記入口面(41)に取り付けられる、請求項6に記載のバーナ。
【請求項8】
前記アセンブリの前記主インジェクタ(21)及び副インジェクタが主インジェクタ(21)及び副インジェクタ(22)の対を形成し、前記対は前記ブロック(40)の少なくとも1つの第1の穿孔内に配置され、前記少なくとも1つの追加のインジェクタは前記ブロック(40)の少なくとも1つの追加の穿孔内に配置される、請求項7に記載のバーナ。
【請求項9】
少なくとも2つの、前記主インジェクタ及び前記副インジェクタの前記対と、少なくとも2つの前記追加のインジェクタと、を備え、前記対が含まれる平面が第1の噴射平面であり、前記少なくとも2つの追加のインジェクタが含まれる平面が前記第1の噴射平面と異なる第2の噴射平面であり、前記第2の噴射平面は前記第1の噴射平面と平行であり、又は前記出口面(42)の下流の前記燃焼ゾーン(1)で前記第1の噴射平面と交差するように配向される、請求項8に記載のバーナ。
【請求項10】
内部に前記燃焼ゾーン(1)を備えた炉であって、ガス状燃料及びガス状酸化剤から選択されるガス状燃焼剤を前記炉の内部の前記燃焼ゾーン(1)に噴射するための請求項1~4のいずれか一項に記載の少なくとも1つのアセンブリを備えた炉。
【請求項11】
前記少なくとも1つのアセンブリは請求項6~9のいずれか一項に記載のバーナの一部を形成する請求項10に記載の炉。
【請求項12】
複数の前記アセンブリを備え、各アセンブリの前記圧力検出器(30)に接続された共通の制御システムであって、前記アセンブリの前記圧力検出器(30)によって検出され
たガス圧力又はガス圧力の変動に応じて各アセンブリの前記調節システム(32)を制御することができる共通の制御システムを備える、請求項10又は11に記載の炉。
【請求項13】
燃焼方法であって、ガス状燃料及び酸化剤から選択されるガス状燃焼剤が請求項1~4のいずれか一項に記載のアセンブリによって前記燃焼ゾーン(1)に噴射され、前記方法は、
・前記アセンブリの前記圧力検出器(30)が、前記アセンブリの前記チャンバ(11)内のガス圧力を検出し、
・前記調節システム(32)が、前記少なくとも1つの副通路(24)の前記流れセクションの流量を調節し、
・前記制御システム(31)は、前記少なくとも1つの副通路(24)の前記流れセクションが、前記アセンブリの前記圧力検出器(30)によって検出された圧力又は圧力の変動に応じて調節されるように、前記調節システム(32)を制御する、
燃焼方法。
【請求項14】
前記アセンブリは請求項6~9のいずれか一項に記載のバーナの一部を形成する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記制御システム(31)は、前記アセンブリの前記少なくとも1つの副通路(24)の前記流れセクションを調節することによって、前記チャンバ(11)内のガス圧力が所定の圧力ゾーン内にあるように、又は前記アセンブリの前記チャンバ(11)内のガス圧力が所定の値に一致するように前記調節システム(32)を制御する、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
前記ガス状燃焼剤が、天然ガス、バイオガス、プロパン、ブタン、鋼製造又はメタン改質方法の残留ガス、水素又はこれらのガス状燃料の少なくとも2種類の任意の混合物から選択されるガス状燃料である、又は21から100体積%の酸素含有量を有するガス状酸化剤である、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス状燃焼剤を燃焼ゾーンに噴射するためのアセンブリ、そのようなアセンブリを含むバーナ、及び燃焼方法におけるそのようなアセンブリ/バーナの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
産業的燃焼方法では、例えば負荷を変換するために(溶融炉、加熱炉、リサイクル炉等)、特定の火炎特性、特に燃焼室に適合された、及び/又は加熱されるように意図された負荷に適合された火炎の形状及び長さが求められ、それにより、決定された熱伝達プロファイルを取得し、生産品質と機器の耐用年数を最適化するようにする。
【0003】
火炎の特性は、特に燃焼剤(燃料及び酸化剤)の性質と、それらが燃焼ゾーンに導入される方法(流量、速度、空間分布等)とによって決定される。
【0004】
したがって、欧州特許出願公開第A-0763692号明細書から、酸素に富む酸化剤(少なくとも80%のO)を供給するための第1の内部通路と、第1の酸化剤供給通路を取り囲む燃料を外部に供給するための中間通路と、燃料を供給するための通路を外部で囲む酸化剤を供給するための第2の外部通路とを含むバーナが知られている。欧州特許出願公開第A-0763692号明細書によれば、バーナは、第1の内部通路を通して噴射される酸化剤の流量を変化させる手段を備え、これにより火炎の長さや明るさなどの火炎の特性を制御することが可能になる。
【0005】
同様に、欧州特許出願公開第A-1016825号明細書から知られているのは、酸化剤を供給するための第1の内部通路と、第1の酸化剤供給通路を外部で取り囲む、燃料を供給するための中間通路と、燃料供給通路を外部で取り囲む第2の外部酸化剤供給通路とを含み、ガラスの製造中に溶融ガラス移送チャネルを加熱し、第1の酸化剤供給通路を通過する酸化剤の合計流量の割合を変更することによりバーナによって生成される火炎の長さを調節するためのバーナの使用である。
【0006】
上記のバーナは、本質的に円形の断面の火炎を生成する燃料と酸化剤の同心及び隣接する噴射を備えたバーナである。
【0007】
他のバーナは、「フラット火炎」と呼ばれる火炎を生成し、及び/又は燃料の噴射から距離を置いて酸化剤の少なくとも一部を噴射し、さらには酸化剤の噴射から距離を置いて燃料の少なくとも一部を噴射する。
【0008】
したがって、欧州特許出願公開第A-2143999号明細書は、以下を含むバーナを記載している:
・少なくとも2つのガス状燃料通路;
・少なくとも1つの酸化剤通路;及び
・少なくとも1つのガス状燃料通路又は少なくとも1つの酸化剤通路が終端する少なくとも1つの出口表面。
【0009】
この既知のバーナは、
・酸化剤の流れを供給することができる手段、並びに前記酸化剤の流れを少なくとも1つの酸化剤通路に噴射するための手段;及び
・ガス状燃料の少なくとも1つの流れを供給することができる手段、並びにこのガス状燃料の流れを少なくとも2つのガス状燃料通路に噴射するための手段、
も含み、これにより、バーナの下流の燃焼ゾーンで合流する少なくとも1つの酸化剤ジェットと少なくとも2つのガス状燃料ジェットとを生成するようにする。
【0010】
欧州特許出願公開第A-2143999号明細書によれば、少なくとも2つのガス状燃料通路はそれぞれ内部通路と同軸外部通路とを含む。
【0011】
ガス状燃料の流れを制御する手段は、ガス状燃料分配器によって、それぞれ内部通路及び外部通路を通るガス状燃料の流れを調節する。
【0012】
これにより、熱伝達プロファイルと火炎長さの両方を制御することが可能になる。
【0013】
したがって、複数の同心通路/インジェクタに対して燃料又は酸化剤の流れの分配を調整することによって、特定の特性、特に生成される火炎の長さを変更することが可能であることがわかっている場合、既知のバーナは、バーナの動作、したがって目標とする火炎特性をリアルタイムで調整することを可能にするフィードバック手段を含まない。
【0014】
驚くべきことに、ガス状燃焼剤が分配される前のガス状燃焼剤の検出された圧力に基づいて、そのようなフィードバックシステムを実現することが可能であることが今や発見された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、ガス状燃焼剤を燃焼ゾーンに噴射するためのアセンブリに関し、ガス状燃焼剤はガス状燃料及びガス状酸化剤から選択される。
【0016】
アセンブリはチャンバを含み、剤はこのチャンバの入口を介してアセンブリに導入される。
【0017】
アセンブリは、剤の主要な流れをチャンバから燃焼ゾーンに搬送し、前記主要な流れを燃焼ゾーンに噴射するための少なくとも1つの主インジェクタを含む。この目的のために、少なくとも1つの主インジェクタは、主通路と呼ばれる少なくとも1つの通路によってチャンバに流体的に接続される。
【0018】
アセンブリはまた、剤の副次的な流れをチャンバから燃焼ゾーンに搬送し、前記副次的な流れを燃焼ゾーンに噴射するための少なくとも1つの副インジェクタを含む。次に、少なくとも1つの副インジェクタは、副通路と呼ばれる少なくとも1つの通路によってチャンバに流体的に接続される。少なくとも1つの副通路は調整可能な流れセクションを有する。
【0019】
例えばバルブの形態の調節システムは、少なくとも1つの副通路のこの流れセクションを調節することを可能にする。
【0020】
アセンブリはまた、チャンバ内の圧力又はガス圧力の変動を検出するための圧力検出器、並びに圧力検出器に接続された制御システムを含む。
【0021】
制御システムはまた、前記調節システムを調節且つ制御するためのシステムに接続され、その結果、少なくとも1つの副通路の流れセクションは、アセンブリの圧力検出器によって検出された圧力又は圧力の変動に応じて調節される。
【0022】
一実施形態によれば、アナログ又はデジタル制御システムであり得る制御システムは、少なくとも1つの副通路の流れセクションを調節することによってチャンバ内のガス圧力が所定の圧力ゾーン内にあるように調節システムを制御するように適合される。
【0023】
別の実施形態によれば、制御システムは、少なくとも1つの副通路の流れセクションを調節することによってチャンバ内のガス圧力が所定の値に一致するように調節システムを制御するように適合されている。
【0024】
ゾーン又は所定の圧力範囲は時間の経過とともに一定であり得るが、それはまた時間の経過とともに、例えば:
・例えば、周期的又は非周期的であり得る、アセンブリが使用される溶融方法又は再加熱方法などの方法のステップに応じて;
・燃焼ゾーンで必要な出力に応じて;又は
・アセンブリのチャンバ内の圧力以外のフィードバックパラメータに応じて、
変化し得ることに注意されたい。
【0025】
上記の注意事項は、ガス圧力の所定の値にも当てはまる。
【0026】
上記のように、アセンブリを制御するためのシステムはアナログ又はデジタルシステムであり得る。それは機械的、例えば空気圧式又は油圧式であり得る。好ましくは、制御システムはデジタルである。好ましい実施形態によれば、制御システムはプログラム可能である。この場合、本発明に従って噴射アセンブリを実践するために、制御システムは、圧力検出器によって検出された圧力又は圧力変動に応じて調節システムを起動するように調節システムを制御するようにプログラムされる。次に、圧力検出器によって検出されたガス圧力又はガス圧力の変動は、例えば有線接続又は無線接続によって、プログラム可能な制御システムに伝送される。
【0027】
調節システムは、チャンバと少なくとも1つの副インジェクタと間で少なくとも1つの副通路に配置された1つ又は複数の調整可能なバルブなど、少なくとも1つの副通路の流れセクションを調節するための、又は少なくとも1つの副通路のバルブとして機能する機械的要素の動きを調節するための様々な手段を含み得、この動きは、例えば、バルブに連結された機械的要素の並進、回転(ねじ込み)、又は変形によって、又は金属要素の磁気状態の変更によって生じる。
【0028】
単純で信頼できる実施形態によれば、調節システムは、少なくとも部分的に少なくとも1つの副通路を閉塞することによって前記通路の流れセクションを調節することができる少なくとも1つのバルブを備えている。
【0029】
そのような調節システムは、特に以下の形態をとることができる。少なくとも1つの副インジェクタをチャンバに流体的に接続する少なくとも1つの副通路は、漏斗形の内面を有し、調節システムは、対応する外面を有するバルブを有し、バルブは副通路の長手方向軸に沿って移動可能である。バルブをこのように前記長手方向軸に沿って移動させると、バルブの外面は副通路の内面に近づくか又は離れ、前記通路の流れセクションがそれぞれ縮小するか又は拡大する。
【0030】
少なくとも1つの副通路の流れセクションが決して完全に閉じられないように調節システムを設計することが有利である可能性があることにも留意されたい。実際、少なくとも1つの副インジェクタの十分な冷却を実現するために、及び/又は少なくとも1つの副インジェクタの目詰まりを回避するために(例えば、燃焼ゾーンの大気中に存在する凝縮性物質の堆積に起因する、又は少なくとも1つの副インジェクタと接触しているガス状燃料の過熱から生じる煤の形成に起因する)、少なくとも1つの副インジェクタを通る最小限のガス流が必要とされ得る。しかしながら、例えば、バルブを省いて単にこの最小限の流れを確保するように小さい流体通路など、上で定義された調節システム以外の手段を用いてそのような最小限のガス流を確保することを考えることもできる。
【0031】
通常、アセンブリは金属から作られ、インジェクタ又は少なくとも下流端(噴射端)は、インコネル(Inconel)(登録商標)タイプのニッケル-クロムオーステナイト系鋼合金又はカンタル(Kanthal)(登録商標)タイプのニッケルフリー合金など、高い耐熱性及び耐酸化性金属で有利に作られることが多い。
【0032】
本発明によるアセンブリは、より具体的には、少なくとも一対の主インジェクタと副インジェクタを含み、主インジェクタ及び副インジェクタのうちの一方が、主インジェクタ及び副インジェクタのうちの他方を取り囲む。
【0033】
したがって、主インジェクタは副インジェクタを取り囲むことができ、又は副インジェクタは対の主インジェクタを取り囲むことができる。
【0034】
有利な実施形態によれば、対の主インジェクタは対の副インジェクタに取り囲まれている。
【0035】
特定の実施形態によれば、対の主インジェクタ及び副インジェクタは同心である。しかしながら、場合によっては、同心でない配置が有用であることもある。
【0036】
そのような対の構成は、他の要素の存在、特に、対のインジェクタのどちらか一方の中又は周囲にある1つ又は複数の他のインジェクタの存在を排除しないことに留意されたい。
【0037】
例えば、特定の実施形態によれば、流体は、少なくとも80体積%、好ましくは少なくとも90体積%の酸素を含有するガスなどのガス状酸化剤であり得る。対の主インジェクタは中央に配置され、対の副インジェクタに、好ましくは同心円状に取り囲まれる。燃料を燃焼ゾーンに噴射するためのインジェクタは、対の主インジェクタと副インジェクタの間に配置され、それにより燃料インジェクタは主酸化剤インジェクタを取り囲み、副酸化剤インジェクタに取り囲まれ、かくしてアセンブリは燃料と酸化剤との(少なくとも部分的な)燃焼のためのバーナの一部を形成し、副インジェクタの流れセクションは、したがって同じく主要な流れと副次的な流れとの間の酸化剤の分配は、圧力検出器によって検出されたアセンブリのチャンバ内のガス圧力又はガス圧力の変動に応じて調節システムにより制御システムによって調節される。
【0038】
別の同様の実施形態によれば、流体は、天然ガスなどのガス状燃料である。対の主インジェクタは中央に配置され、副インジェクタに、好ましくは同心円状に取り囲まれる。酸化剤を燃焼ゾーンに噴射するためのインジェクタは、対の主インジェクタと副インジェクタとの間に配置され、それにより、酸化剤インジェクタは、主燃料インジェクタを取り囲み、副燃料インジェクタによって取り囲まれる。酸化剤は、好ましくは、少なくとも80体積%、より好ましくは少なくとも90体積%の酸素を含有するガスである。したがって、アセンブリは、燃料と酸化剤との(少なくとも部分的な)燃焼のためのバーナの一部を形成し、副インジェクタの流れセクションは、したがって同じく燃料の主要な流れと副次的な流れとの間の燃料の分配は、圧力検出器によって検出されたアセンブリのチャンバ内のガス圧力又はガス圧力の変動に応じて調節システムにより制御システムによって調節される。
【0039】
本発明によるアセンブリは、単一の主インジェクタ及び単一の副インジェクタ、特に主インジェクタと副インジェクタの単一の対を含むことができる。
【0040】
代替の実施形態によれば、本発明によるアセンブリは、複数の主インジェクタ及び/又は複数の副インジェクタ、特に、主インジェクタと副インジェクタの複数の対を含む。
【0041】
特定の実施形態によれば、アセンブリの少なくとも1つの副インジェクタは、アセンブリの少なくとも1つの主インジェクタから離間して配置され、ここでアセンブリの少なくとも1つの主インジェクタはアセンブリの副インジェクタを取り囲まず、アセンブリの少なくとも1つの副インジェクタはアセンブリの主インジェクタを取り囲まない。
【0042】
この場合、少なくとも1つの主インジェクタは特に第1の平面に延在することができ、一方、少なくとも1つの副インジェクタは第2の平面に延在し、第2の平面は第1の平面に平行である。このようにして、ガス状燃焼剤の主要な流れと副次的な流れを2つの平行な平面に沿って燃焼ゾーンに噴射することが可能である。
【0043】
代替の実施形態によれば、少なくとも1つの主インジェクタは第1の平面に延在し、少なくとも1つの副インジェクタは第2の平面に延在し、第1の平面及び第2の平面は、前記主インジェクタ及び副インジェクタの下流で、すなわち、ガス状燃焼剤が噴射される燃焼ゾーン内で交差する。
【0044】
本発明によるアセンブリは、少なくとも2つの主インジェクタ及び/又は少なくとも2つの副インジェクタ、好ましくは少なくとも2つの主インジェクタ及び少なくとも2つの副インジェクタを含み得る。これは、上記のように、少なくとも1つの主インジェクタが第1の平面に延在し、少なくとも1つの副インジェクタが第1の平面とは異なる第2の平面に延在する場合に特に有利である。
【0045】
ガス状剤を燃焼ゾーンに噴射するために、アセンブリの入口は、これはアセンブリのチャンバの入口でもあるが、ガス状燃料の供給源、好ましくは天然ガス、バイオガス、プロパン、ブタン、鋼製造又はメタン改質方法の残留ガス、水素、前記ガス状燃料の任意の混合物から選択されるガス状燃料の供給源に流体的に接続されているか、又は好ましくは21~100体積%、好ましくは21体積%超、特に少なくとも80体積%、より好ましくは少なくとも90体積%の酸素含有量を有するガス状酸化剤の供給源に流体的に接続されている。
【0046】
そのような供給源は、ガス状形態又は液化形態のガス状剤のタンク、前記ガス状剤を運ぶ供給ダクト、又は前記ガス状剤の発生器であり得る。
【0047】
本発明はまた、上記の実施形態のいずれか1つによる複数のアセンブリを含む設備に関する。この場合、この設備は、前記アセンブリの圧力検出器によって検出されたガス圧力又はガス圧力の変動に応じて設備の各アセンブリを調節するためのシステムを好ましくは独立して制御することができる共通の制御システムを含むことが好ましい場合がある。
【0048】
上に示したように、アセンブリはバーナに組み込むことができる。
【0049】
したがって、本発明によるそのようなバーナは、ガス状燃料及びガス状酸化剤から選択されるガス状燃焼剤を燃焼ゾーンへ噴射するための上記実施形態のいずれか1つによるアセンブリを含む。
【0050】
そのようなバーナは、典型的には、燃焼ゾーンに追加の流体を噴射するための少なくとも1つの追加のインジェクタも含む。原則として、アセンブリによって噴射されるガス状剤がガス状燃料である場合、少なくとも1つの追加のインジェクタは、燃焼ゾーンへのガス状酸化剤の噴射に適しており、アセンブリによって噴射されるガス状剤がガス状酸化剤である場合、少なくとも1つの追加のインジェクタは、燃焼ゾーンへの燃料(ガス状又は非ガス状)の噴射に適している。
【0051】
一実施形態によれば、バーナは、入口面と入口面の反対側の出口面とを備えたブロックを備える。燃焼ゾーンは出口面の下流に位置する。
【0052】
アセンブリとは異なり、ブロックは通常、セメントなどの耐火材料、又は電気溶融材料、又はプレス材料から作られ、主にアルミナ及び/又はジルコニア及び/又はシリカ及び/又はマグネシア又は使用される方法に応じて様々な比率のこれら成分の組み合わせから作られる。
【0053】
次にアセンブリはブロックの入口面に取り付けられ、それにより、バーナのインジェクタは、したがって同じくアセンブリのインジェクタは、入口面から出口面までブロックを通過する1つ又は複数の穿孔に配置される。
【0054】
したがって、本発明によるバーナは、例えば、ブロックの出口面の第1のレベルで終端する1つ又は複数の第1の穿孔、並びに第1のレベルより下又は上に位置する第2のレベルにおいて出口面で終端する1つ又は複数の追加の穿孔を有するそのようなブロックを含み得る。アセンブリは、ガス状燃料を燃焼ゾーンへ搬送及び噴射するための、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの主インジェクタ及び副インジェクタを含む。主インジェクタのそれぞれは、副インジェクタの1つと対を形成する。一実施形態によれば、主インジェクタのそれぞれは、副インジェクタの1つを取り囲む。好ましい実施形態によれば、副インジェクタのそれぞれは、主インジェクタの1つを取り囲む。これらの対は、例えば3つ揃って、第1のレベルで終端する1つ又は複数の第1の穿孔に位置する。バーナは、酸化剤を燃焼ゾーンに搬送及び噴射するための複数の追加のインジェクタも含む。前記追加のインジェクタは、ガス状燃料の上又は下で燃焼ゾーンへの酸化剤の噴射を可能にするように、ブロックの1つ又は複数の追加の通路に配置される。追加のインジェクタは、副インジェクタと主インジェクタの対の平面に平行な平面内に延びることができる。別の実施形態によれば、追加のインジェクタは、追加のインジェクタによって噴射された酸化剤が対によって噴射された燃料と混合して反応する出口面の下流の燃焼ゾーンにおいて対の平面と交差する酸化剤噴射平面を画定することができる。
【0055】
すでに上で示したように、対の主インジェクタ及び副インジェクタ以外の他の、特に1つ又は複数のインジェクタは、対の主インジェクタ及び副インジェクタのどちらか1つの中又は周囲に存在し得る。
【0056】
第1の実施形態によれば、1つ又は複数の追加の通路は、1つ又は複数の第1の通路の上のブロックの出口面で終端する。別の実施形態によれば、1つ又は複数の追加の通路は、1つ又は複数の第1の通路の下のブロックの出口面で終端する。
【0057】
第3の実施形態によれば、ブロックは、第1のレベルより上に位置するレベルで出口面で終端し、酸化剤用の少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの追加のインジェクタが配置される1つ又は複数の追加の通路、並びに、第1のレベルより下のブロックの出口面で終端し、酸化剤用の少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つの追加のインジェクタが同じく配置される1つ又は複数の追加の通路を含む。この実施形態は、方法の要件に従って、酸化剤をガス状燃料より上、下、又は上及び下で燃焼ゾーンに噴射することを可能にする。
【0058】
本発明はまた、内部燃焼ゾーンを含む炉であって、ガス状燃料及びガス状酸化剤から選択されるガス状燃焼剤を前記燃焼ゾーンに噴射するための本発明による少なくとも1つのアセンブリを備えた炉に関する。上に示したように、少なくとも1つのアセンブリは、本発明によるバーナの一部を形成することができ、その場合、炉は、本発明による少なくとも1つのバーナを備えている。
【0059】
本発明は、ガラス又はエナメルを製造又は加熱するための炉、回転炉などの金属を製造又はリサイクル又は加熱するための炉、又はアルミニウム、銅又は鉛、鋳鉄、鋼等のための反射炉から選択される炉において特に有利に実施することができる。
【0060】
本発明の別の態様は、ガス状燃焼剤が本発明によるアセンブリによって燃焼ゾーンに噴射される燃焼方法であり、ガス状燃焼剤は、ガス状燃料及び酸化剤から選択され、前記アセンブリは、本発明によるバーナの一部を形成することができる。
【0061】
この方法によれば、各アセンブリの圧力検出器は、このアセンブリのチャンバ内のガス圧力又はガス圧力の変動を検出し、アセンブリを調節するためのシステムは、その少なくとも1つの副通路の流れセクションを調節し、制御システムは、各アセンブリの少なくとも1つの副通路の流れセクションが、このアセンブリの圧力検出器によって検出された圧力又は圧力の変動に応じて調節されるように、調節システムを制御する。
【0062】
本発明による設備及び炉の文脈内で既に上で記載したように、複数のアセンブリが方法で使用される場合、各アセンブリは、圧力検出器及び調節システムに接続されたそれ自体の制御システムを有することができ、ここで制御システムは、少なくとも1つの副通路の流れセクションが前記アセンブリの圧力検出器によって検出された圧力又は圧力変動に応じて調節されるように、調節システムを制御する。しかしながら、しばしば有利には、共通の制御システムが、関連のアセンブリの圧力検出器によって検出された圧力又は圧力変動に応じて各アセンブリを調節するためのシステムを制御することができる。
【0063】
同じく既に示したように、アセンブリを調節するためのシステムは、アセンブリのチャンバ内のガス圧力が所定の圧力ゾーンに位置するように、又はさらにはアセンブリのチャンバ内のガス圧力が所定の値に一致するように制御することができる。
【0064】
アセンブリによって燃焼ゾーンに噴射されるガス状燃焼剤は、天然ガス、バイオガス、プロパン、ブタン、鋼製造又はメタン改質方法の残留ガス、水素又は上記のガスの任意の混合物から選択されるガス状燃料である、又はガス状酸化剤、好ましくは21~100体積%、好ましくは21体積%超、特に少なくとも80体積%、より好ましくは少なくとも90体積%の酸素含有量を有するガス状酸化剤である。
【0065】
本発明による方法は、ガラス又はエナメルの製造又はリサイクル、アルミニウム、銅、鉛、鋳鉄、鋼等などの金属の製造又はリサイクル又は加熱などの方法の状況において燃焼ゾーン内で燃焼を発生させるために特に有用である。
【0066】
本発明及びその利点は、(図1~5を参照する)以下の例に照らしてより深く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】主インジェクタ(21)と同心の副インジェクタ(22)を含み、副インジェクタ(22)が主インジェクタ(21)を取り囲むアセンブリを概略的に示す。
図2】主インジェクタ(21)と同心の副インジェクタ(22)を含み、主インジェクタ(21)が副インジェクタ(22)を取り囲むアセンブリを概略的に示す。
図3】距離によって分離された、主インジェクタ(21)と非同心の副インジェクタ(22)を含むアセンブリを概略的に示す。
図4】ガス状燃焼剤を燃焼ゾーン(1)に噴射するためにバーナに組み込まれたアセンブリを概略的に示す。
図5】ガス状燃焼剤を燃焼ゾーン(1)に噴射するためにバーナに組み込まれたアセンブリを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0068】
図1、2、及び3は、流体入口チャンバ(11)を示す。主インジェクタ(21)は、主通路(23)によってチャンバ(11)に流体的に接続されている。副インジェクタは、副通路(24)によってチャンバ(11)に流体的に接続されている。副通路(24)は調整可能な流れセクションを有する。調節システム(32)は、副通路(24)のこの流れセクションがバルブ(33)によって調節されることを可能にする。
【0069】
図1、2及び3はまた、チャンバ(11)内のガス圧力又はガス圧力の変動を検出するための圧力検出器(30)、並びに圧力検出器(30)に接続された制御システム(31)を示している。制御システムはまた、調節システム(32)に接続され、それを制御する。
【0070】
図4は、それぞれがその同心の副インジェクタ(22)によって囲まれた3つの主インジェクタ(21)、及びチャンバ(11)を含むアセンブリを概略的に表す。
【0071】
主インジェクタ(21)は、主通路(23)によってチャンバ(11)に流体的に接続されている。副インジェクタ(22)は、副通路(24)によってチャンバ(11)に流体的に接続されている。副通路は調整可能な流れセクションを有する。調節システム(32)は、副通路(24)のこの流れセクションがバルブ(33)によって調節されることを可能にする。圧力検出器(30)が、チャンバ(11)内の圧力又はガス圧力の変動を検出するために存在する。制御システム(31)が圧力検出器(30)に接続されている。この制御システムはまた、調節システム(32)に接続され、それを制御する。
【0072】
図4及び5において、バーナは、入口面(41)及び入口面の反対側の出口面(42)を備えたブロック(40)、並びに追加の流体を燃焼ゾーン(1)に噴射するための追加のインジェクタ(50)を含む。
【0073】
本発明によるフィードバックシステムによる自動調節は、ガラスの製造など様々な燃焼方法において有利に実施することができる。
【0074】
ガラス製造炉は主に1000℃超に予熱された空気を酸化剤として使用する。この熱風は、再生器(耐火レンガのスタック)を通過することによって得られる。この温度レベルで炉に噴射される酸化剤の量は、かなりの運動量を伴う。
【0075】
炉の組織的運動中に、再生器の能力を超えて生産を増やす必要がある場合があるが、再生器はファンの吸込みの制限のために大量の熱風を供給できない。同様の問題は、レンガの状態によって所望の予熱温度が得られない、又はもはや得られない場合に発生する。
【0076】
その場合、酸素に富む酸化剤で動作するバーナ設備(酸素バーナ)が、特に適切な解決策であるように思われる。これらのバーナは通常、再生器の近くにある開口部に設置される。酸素燃焼(すなわち、少なくとも80体積%、好ましくは少なくとも90体積%の酸素を含む酸化剤による燃焼)が空気燃焼の4分の1の量の煙を生成する状態で、及び少なくとも同等の効率で、酸素バーナからの火炎(以下、「酸素火炎」と呼ばれる)は、酸素火炎の運動量が低いために、熱風で動作する再生器からの火炎(「エアロ火炎」と呼ばれる)によって激しく乱される。これらの乱れは、酸素火炎と溶融固体材料及び未燃焼材料との干渉、したがってガラス品質又はエネルギー効率の問題をもたらし得る。これらの問題は、より低い増大生産段階向けに酸素バーナの出力(したがって燃焼剤の流れ)が減少する場合、さらに顕著になる。したがって、酸素バーナの出力範囲全体で、酸素火炎の波動又は運動量を最大化することが不可欠である。
【0077】
欧州特許第2143999号明細書に記載されているようなシステムは、燃料の波動を最大化するために、したがって酸素バーナの火炎の安定性を確保するために、2つの噴射(主及び副)間のガス状燃料の流れを手動で調節することが可能である。しかしながら、これらの手動システムは、オペレータによる流体分配の調整が常に必要であり、この際、これらの調整が方法に与える影響をリアルタイムで簡単に評価することはできない。これらの調整及び品質の問題を回避するために、オペレータはほとんどの場合、エアバーナ(再生器)の出力を調整し、これにより酸素の過剰消費と製造コストの増加が引き起こされる。
【0078】
この場合、所定の圧力範囲又は所定の圧力を定めることによって本発明を有利に使用することができ、主噴射と副噴射との間の流れの自動分配を保証して、それにより、燃料の合計流量に関係なく、酸素火炎の波動を最大にすることを可能にする。
【0079】
例えば、生産量が4%増加した場合、酸素バーナの出力は800kWであり得る一方、酸素が8%増加した場合、酸素バーナの出力は1.8MWであり得る。2つの燃料噴射の間の分配チャンバ内の300mbargの圧力が、800kWと1800kWの両方で非常に安定した火炎を提供できることが確認されている。したがって、出力が変化するときのチャンバ内のガス圧力に応じた燃料の分配の本発明による自動調節は、製造コストを最適化し、品質欠陥を制限し、エネルギー消費を最適化することを可能にする。
図1
図2
図3
図4
図5