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▶ ディザル(ジァンスー)ファーマシューティカル・カンパニー・リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】JAK1選択的キナーゼ阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/14 20060101AFI20240917BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240917BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20240917BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240917BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240917BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240917BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20240917BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20240917BHJP
   C07D 413/14 20060101ALI20240917BHJP
   C07D 407/14 20060101ALI20240917BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20240917BHJP
   C07D 471/04 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
A61P43/00 111
A61P11/06
A61P11/00
A61P29/00
A61K45/00
A61K9/12
C07D417/14
C07D413/14
C07D407/14
A61K31/506
C07D471/04 106Z
C07D471/04 107Z
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021561927
(86)(22)【出願日】2020-04-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(86)【国際出願番号】 CN2020085338
(87)【国際公開番号】W WO2020211839
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-04-14
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2019/083376
(32)【優先日】2019-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518099859
【氏名又は名称】ディザル(ジァンスー)ファーマシューティカル・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(72)【発明者】
【氏名】チ,チャンヘ
(72)【発明者】
【氏名】ツイ,ホンチュン
(72)【発明者】
【氏名】ゼン,チンベイ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,チェンファン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,シャオリン
【審査官】松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-529770(JP,A)
【文献】国際公開第2018/134213(WO,A1)
【文献】J. Med. Chem.,2020年04月16日,Vol.63,pp.4517-4527
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】
またはその薬学的に許容される塩
(式中、
環Aは、
【化2】
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、またはC1~3アルキルであり;
は、場合によりC 1~12 アルコキシルにより一置換または多置換されてもよいC 1~12 アルキルであり;
各RおよびRは、独立して、存在しないか、またはハロゲン、ヒドロキシル、C1~6アルキル、カルボキシル、C1~6アルコキシル、C1~6アルコキシカルボニル、-NR、-C(O)NR 、3~10員の不飽和カルボシクリル、もしくは3~10員の不飽和ヘテロシクリルであり、場合によりハロゲン、ヒドロキシル、C1~6アルキル、C1~6アルコキシル、C1~6カルボキシル、C1~6アルコキシカルボニル、-NRまたは-C(O)NR により一置換または独立に多置換されていてもよく
ここで、各RおよびRは、独立して、水素、場合によりハロゲン、ヒドロキシル、またはC1~6アルコキシにより一置換または独立に多置換されていてもよいC1~6アルキル、C1~6アルキルカルボニルから選択される)。
【請求項2】
式(Ia)の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【化3】
【請求項3】
環Aがピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、またはトリアジニルから選択される単環式ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
各RおよびRが、独立して、存在しないか、または場合によりハロゲン、ヒドロキシル、C1~6アルキル、C1~6アルコキシル、C1~6アルキル-カルボキシル、C1~6アルコキシカルボニル、-NRもしくは-C(O)NRにより一置換もしくは独立に多置換されていてもよいC1~6アルキル、C1~6アルコキシル、カルボキシル、C1~6アルコキシカルボニル、-C(O)NRである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
およびRの少なくとも1つが存在しない、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
もR存在し、前記R およびが、オルト位にある、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
各RおよびRが、独立して、存在しないか、場合によりヒドロキシルまたはC1~6アルコキシカルボニルにより置換されてもよいC1~6アルキル、C1~6アルコキシカルボニルから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
各RおよびRが、独立して、存在しないか、またはカルボキシル、ヒドロキシル、カルバモイル、アミノ、メチル、メトキシル、エトキシル、メトキシメチル、メトキシエトキシル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシメトキシル、ヒドロキシエトキシル、カルバモイルメトキシル、メチルカルバモイル、ヒドロキシアセトアミド、(ヒドロキシエチル)カルバモイル、メチルカルバモイルメトキシル、ジメチルカルバモイルエトキシル、カルボキシメトキシル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、tertブトキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、メトキシカルボニルエチル、エトキシカルボニルメチル、メトキシカルボニルメトキシル、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエトキシカルボニル、ジメチルアミノメチル、プロピオンアミド、メチルカルボニルアミノ、ジメチルアミノエトキシカルボニルオキセタニル、オキセタニル-2-オン、アゼチンジン-2-イル、アゼチジン-3-イル-2-オン、メチルアゼチジン-3-イル-2-オン、テトラヒドロフラン-3-イル、もしくはテトラヒドロピラン-4-イルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
各RおよびRが、独立して、存在しないか、メチル、メトキシカルボニル、またはヒドロキシメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
【化4-1】
【化4-2】
【化4-3】
【化4-4】
【化4-5】
【化4-6】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
結晶形態である、請求項1~10のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
第1の活性成分としての請求項1~11のいずれか一項に記載の1種または複数の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される希釈剤、賦形剤または担体を含む医薬組成物。
【請求項13】
吸入用に製剤化される、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
JAK1を阻害するための医薬として使用するための、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
請求項1~11のいずれか一項に記載の1種または複数の化合物、その薬学的に許容される塩を含む、JAK1を阻害するための医薬組成物。
【請求項16】
対象においてJAK1関連疾患を治療するための医薬組成物であって、請求項1~11のいずれか一項に記載の1種または複数の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩を含む、前記医薬組成物。
【請求項17】
対象が人間のような温血動物である、請求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
JAK1関連疾患が喘息またはCOPDのような呼吸疾患である、請求項17に記載の医薬組成物。
【請求項19】
第2の治療剤、好ましくは抗炎症剤と組み合わせた、請求項1~11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はJAK1キナーゼを選択的に阻害する新規な化合物に関する。本開示はまた、1種または複数の化合物を活性成分として含む医薬組成物、およびJAK1関連疾患、例えば喘息またはCOPDのような呼吸疾患の治療における化合物の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
Janusキナーゼ(JAK)はJAK-STAT経路によりサイトカイン媒介シグナルを伝達する細胞内非受容体型チロシンキナーゼの1つのファミリーである。サイトカインがその受容体に結合した後、受容体はオリゴマー化して、受容体の細胞質尾部と関連するJAKキナーゼを接近させ、JAKキナーゼのチロシン残基のリン酸基転移および活性化を促進する。リン酸化されたJAKキナーゼは様々なシグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)タンパク質と結合して活性化し、これらのタンパク質は次いで二量体化し、核に転位してサイトカイン反応性遺伝子の転写を活性化する。
【0003】
JAKファミリーはJAK1、JAK2、JAK3およびTYK2を含む。JAK1はある種のI型およびII型サイトカインのシグナル伝達に必須であり、したがって多数の重要なサイトカイン受容体ファミリーの反応を開始させるのに重大な役割を果たす。例えば、JAK1はI型サイトカイン受容体の共通のガンマ鎖(γc)と相互作用して、IL-2受容体ファミリー(例えば、IL-2R、IL-7R、IL-9RおよびIL-15R)、IL-4受容体ファミリー(例えば、IL-4RおよびIL-13R)およびgp130受容体ファミリー(例えば、IL-6R、IL-11R、LIF-R CNTF-Rおよびニューロトロフィン-1受容体)からシグナルを引き出す。JAK1はまたI型インターフェロン(IFN-α/β)、II型インターフェロン(IFN-γ)およびIL-10ファミリーのメンバーによりII型サイトカイン受容体を介してシグナルを伝達するのにも重要である。JAK1はがん、自己免疫疾患、移植片拒絶反応、および炎症のような疾患に関連することが示されている。
【0004】
JAKファミリーメンバーがいろいろな役割を有していると仮定すると、それらを選択的に標的とする治療の可能性がある。しかしながら、選択的なJAK1阻害剤を開発することは困難であり、選択的なJAK1阻害剤として同定された化合物はせいぜいぎりぎりのJAK1選択性しか示さない(Menet et al., Future Med Chem (2015) 7:203~35)。したがって、JAK1関連疾患、例えば、喘息またはCOPDを治療するのに高度に効き目があり、的外れの活性に関連する貧血のような現実または認識される副作用のない選択的なJAK1阻害剤を開発する必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
1つの態様において、本開示は、式(I):
【0006】
【化1】
【0007】
で表わされる化合物またはその薬学的に許容される塩
(式中、環A、R、R、R、Rは、本明細書中で定義される通りである)
を提供する。
【0008】
別の態様において、本開示は、式(Ia):
【0009】
【化2】
【0010】
で表わされる化合物またはその薬学的に許容される塩(式中、環A、R、R、R、Rは、本明細書中で定義される通りである)
を提供する。
【0011】
もう1つ別の態様において、本開示は、式(I)、式(Ia)の1種または複数の化合物、またはその薬学的に許容される塩を活性成分として含む医薬組成物を提供する。
別の態様において、本開示はさらに、JAK-1キナーゼを阻害するのに使用される、式(I)、式(Ia)の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの1種または複数の医薬組成物を提供する。
【0012】
さらに別の態様において、本開示は、式(I)、式(Ia)の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの1種または複数の医薬組成物の、対象においてJAK-1キナーゼを阻害するための医薬の製造における使用を提供する。
【0013】
もう1つ別の態様において、本開示は、式(I)、式(Ia)の1種または複数の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの1種または複数の医薬組成物を用いることによりJAK-1キナーゼを阻害する方法を提供する。
【0014】
別の態様において、本開示は、式(I)、式(Ia)の化合物、もしくはその薬学的に許容される塩、またはそれらの1種または複数の医薬組成物を用いることによりJAK1関連疾患(例えば、喘息またはCOPDのような呼吸疾患)を治療する方法を提供する。さらなる態様において、本開示は、第2の治療剤、好ましくは抗炎症剤と組み合わせた式(I)、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0015】
もう1つ別の態様において、本開示は、式(I)、式(Ia)の化合物、またはその薬学的に許容される塩、および第2の治療剤、好ましくは抗炎症剤の併用を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
化合物
1つの態様において、本開示は、式(I)の化合物:
【0017】
【化3】
【0018】
またはその薬学的に許容される塩
(式中、
環Aは、酸素、硫黄および窒素から選択される0~5個の環ヘテロ原子を有する単環式ヘテロアリールまたは飽和もしくは不飽和8~10員二環式環であり、アリール、ヘテロアリール、または二環式環の1つまたは複数の環を形成する-CH-基は、-C(O)-基により置き換えられてもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、またはC1~3アルキルであり;
は、水素または場合によりハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、もしくはC1~12アルコキシルにより一置換もしくは多置換されていてもよいC1~12アルキルであり;
各々のRおよびRは、独立して、存在しないか、またはハロゲン、ヒドロキシル、C1~6アルキル、カルボキシル、C1~6アルコキシル、C1~6アルコキシカルボニル、-NR、-C(O)NR、スルフィニル、C1~6アルキルスルフィニル、スルホニル、C1~6アルキルスルホニル、スルホンオキシル(sulfonoxyl)、スルホキシイミニル(sulfoximinyl)、C1~6アルキルスルホキシイミニル、スルホンイミドイル(sulfonimidoyl)、S-(C1~6アルキル)スルホンイミドイル、N-(C1~6アルキル)スルホンイミドイル、N,S-(C1~6アルキル)スルホンイミドイル、ホスフィノイル、C1~6アルキルホスフィノイル、(C1~6アルキル)ホスフィノイル、C1~6アルキルホスホニル、3~10員飽和もしくは不飽和カルボシクリル、3~10員飽和もしくは不飽和ヘテロシクリルであり、場合によりハロゲン、ヒドロキシル、C1~6アルキル、C1~6アルコキシル、C1~6カルボキシル、C1~6アルコキシカルボニル、-NR、-C(O)NR、スルホニル、C1~6アルキルスルホニル、カルバモイル、N-(C1~6アルキル)カルバモイル、またはN,N-(C1~6アルキル)カルバモイル、ホスフィノイル、C1~6アルキルホスフィノイル、(C1~6アルキル)ホスフィノイルにより一置換または独立に多置換されていてもよく、ここでカルボシクリルまたはヘテロシクリルの1つまたは複数の環を形成する-CH-基は、-C(O)-基により置き換えられてもよく;
各々のRおよびRは水素、C1~6アルキル、C1~6アルキルカルボニルから独立して選択され、場合によりハロゲン、ヒドロキシル、またはC1~6アルコキシにより一置換または独立に多置換されていてもよい)
を提供する。
【0019】
いくつかの実施形態において、本発明により提供される化合物は式(Ia)
【0020】
【化4】
【0021】
またはその薬学的に許容される塩の構造を有し、
式中、
環Aは、酸素、硫黄および窒素から選択される0~5個の環ヘテロ原子を有する単環式ヘテロアリールまたは飽和もしくは不飽和8~10員二環式環であり、ここでアリール、ヘテロアリール、または二環式環の1つまたは複数の環を形成する-CH-基は、-C(O)-基により置き換えられてもよく;
は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、またはC1~3アルキルであり;
は、水素または場合によりハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、シアノ、もしくはC1~12アルコキシルにより一置換もしくは多置換されてもよいC1~12アルキルであり;
各々のRおよびRは、独立して、存在しないか、またはハロゲン、ヒドロキシル、C1~6アルキル、カルボキシル、C1~6アルコキシル、C1~6アルコキシカルボニル、-NR、-C(O)NR、スルフィニル、C1~6アルキルスルフィニル、スルホニル、C1~6アルキルスルホニル、スルホンオキシル、スルホキシイミニル、C1~6アルキルスルホキシイミニル、スルホンイミドイル、S-(C1~6アルキル)スルホンイミドイル、N-(C1~6アルキル)スルホンイミドイル、N,S-(C1~6アルキル)スルホンイミドイル、ホスフィノイル、C1~6アルキルホスフィノイル、(C1~6アルキル)ホスフィノイル、C1~6アルキルホスホニル、3~10員飽和または不飽和カルボシクリル、3~10員飽和または不飽和ヘテロシクリルであり、これらは場合によりハロゲン、ヒドロキシル、C1~6アルキル、C1~6アルコキシル、C1~6カルボキシル、C1~6アルコキシカルボニル、-NR、-C(O)NR、スルホニル、C1~6アルキルスルホニル、カルバモイル、N-(C1~6アルキル)カルバモイル、またはN,N-(C1~6アルキル)カルバモイル、ホスフィノイル、C1~6アルキルホスフィノイル、(C1~6アルキル)ホスフィノイルにより一置換または独立に多置換されていてもよく、ここでカルボシクリルまたはヘテロシクリルの1つまたは複数の環を形成する-CH-基は、-C(O)-基により置き換えられてもよく;
各々のRおよびRは水素、C1~6アルキル、C1~6アルキルカルボニルから独立して選択され、場合によりハロゲン、ヒドロキシル、またはC1~6アルコキシにより一置換もしくは独立に多置換されていてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態において、環Aは、酸素、硫黄および窒素から選択される0~5個の環ヘテロ原子を有するフェニルまたはピリジニルが縮合した二環式ヘテロアリール環であり、ここで二環式環の1つまたは複数の環を形成する-CH-基は、-C(O)-基により置き換えられてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態において、環Aは:
【0024】
【化5】
【0025】
からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、環Aはピラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、またはトリアジニルから選択される単環式ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、環Aはピリミジニルである。
【0026】
いくつかの実施形態において、環Aはピリミジン-3-イル、ピリミジン-4-イル、1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-6-イル、6-(オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、ベンゾ[d]チアゾール-5-イルから選択される。
【0027】
いくつかの実施形態において、Rは、ブロモ、フルオロ、クロロ、およびヨードから選択されるハロゲンである。いくつかの実施形態において、Rは、フルオロである。
いくつかの実施形態において、Rは、場合によりC1~6アルコキシルにより一置換または多置換されてもよいC1~6アルキルである。いくつかの実施形態において、Rは、場合によりC1~3アルコキシルにより一置換または多置換されてもよいC1~3アルキルである。いくつかの実施形態において、Rは、メトキシメチルである。
【0028】
いくつかの実施形態において、各々のRおよびRは、独立して、存在しないか、またはC1~6アルキル、C1~6アルコキシル、カルボキシル、C1~6アルコキシカルボニル、-C(O)NRであり、場合によりハロゲン、ヒドロキシル、C1~6アルキル、C1~6アルコキシル、C1~6アルキル-カルボキシル、C1~6アルコキシカルボニル、-NR、-C(O)NR、スルホニル、C1~6アルキルスルホニル、カルバモイル、N-(C1~6アルキル)カルバモイル、またはN,N-(C1~6アルキル)カルバモイルにより一置換または独立に多置換されていてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、RおよびRの少なくとも1つが存在しない。いくつかの実施形態において、 もR も存在し、前記R およびは、オルト位にある。いくつかの実施形態において、 もR も存在し、前記R およびは、メタ位にある。
【0030】
いくつかの実施形態において、各々のRおよびRは、場合によりヒドロキシルまたはC1~6アルコキシカルボニルにより置換されてもよい、存在しないC1~6アルキル、C1~6アルコキシカルボニル、から独立して選択される。
【0031】
いくつかの実施形態において、各々のRおよびRは、存在しないか、カルボキシル、ヒドロキシル、カルバモイル、アミノ、メチル、メトキシル、エトキシル、メトキシメチル、メトキシエトキシル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシメトキシル、ヒドロキシエトキシル、カルバモイルメトキシル、メチルカルバモイル、ヒドロキシアセトアミド、(ヒドロキシエチル)カルバモイル、メチルカルバモイルメトキシル、ジメチルカルバモイルエトキシル、カルボキシメトキシル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、tertブトキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、メトキシカルボニルエチル、エトキシカルボニルメチル、メトキシカルボニルメトキシル、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノエトキシカルボニル、ジメチルアミノメチル、プロピオンアミド、メチルカルボニルアミノ、ジメチルアミノエトキシカルボニル、ホスフィノイル、メチルホスフィノイル、ジメチルホスフィノイル、スルホニル、メチルスルホニル、S-メチル-スルホンイミドイル、N,S-ジメチル-スルホンイミドイル、ジメチルスルホキシミニル、メチルスルホノキシル、オキセタニル、オキセタニル-2-オン、アゼチンジン-2-イル、アゼチジン-3-イル-2-オン、メチルアゼチジン-3-イル-2-オン、テトラヒドロフラン-3-イル、またはテトラヒドロピラン-4-イルから独立して選択される。
【0032】
いくつかの実施形態において、各々のRおよびRは、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、ヒドロキシアセトアミド、またはプロピオンアミドから選択される。
いくつかの実施形態において、環Aがピラゾリルであるとき、RもRもC1~3アルキルまたはC1~3アルコキシルではない。
【0033】
いくつかの実施形態において、Rは、フルオであり;Rは、メトキシメチルであり;環Aはピリミジン-3-イル、ピリミジン-4-イル、1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-6-イル、6-(オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、およびベンゾ[d]チアゾール-5-イルから選択され;各々のRおよびRは、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、ヒドロキシアセトアミド、およびプロピオンアミドから選択される。
【0034】
式(I)の代表的な化合物1~78を下記表1に示す。
【0035】
【表1-1】
【0036】
【表1-2】
【0037】
【表1-3】
【0038】
【表1-4】
【0039】
【表1-5】
【0040】
【表1-6】
【0041】
【表1-7】
【0042】
【表1-8】
【0043】
【表1-9】
【0044】
【表1-10】
【0045】
【表1-11】
【0046】
【表1-12】
【0047】
【表1-13】
【0048】
【表1-14】
【0049】
明確にするために別々の実施形態として記載された本開示のいくつかの特徴は単一の実施形態として組み合わせて提供されることもできると了解されよう。逆に、簡潔にするために単一の実施形態として記載された本開示の様々な特徴が別々にまたはいずれかの適切なサブコンビネーションとして提供されることもできる。
【0050】
本開示の様々な部分で、連結する置換基が記載される。構造が明らかに連結基を必要とする場合、その基としてリストされたマーカッシュ式の可変基は連結基であると理解される。例えば、構造が連結基を必要とし、その可変基に対するマーカッシュ群の定義が「アルキル」をリストしているならば、その「アルキル」は連結するアルキレン基を表わすと理解される。
【0051】
本明細書で使用されるとき、用語「置換される」とは、化学基に関する場合、その化学基が置換基により除かれ置き換えられる1つまたは複数の水素原子を有することを意味する。本明細書で使用されるとき、用語「置換基」は当技術分野で公知の通常の意味を有し、親の基に共有結合される、または適当であれば縮合される化学部分を指す。本明細書で使用されるとき、用語「場合により置換される」とは、その化学基が置換基を有していない(すなわち置換されてない)こともあり、または1つまたは複数の置換基を有する(すなわち置換される)こともあるということを意味する。所与の原子における置換は原子価により制限されると理解されるべきである。
【0052】
本明細書で使用されるとき、用語「Ci-j」は炭素原子数の範囲を示し、iおよびjは整数であり、炭素原子数の範囲は終点(すなわちiおよびj)およびその間の各々の整数点を含み、jはiより大きい。例えば、C1~6は1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子、4個の炭素原子、5個の炭素原子および6個の炭素原子を含めて1~6個の炭素原子の範囲を示す。いくつかの実施形態において、用語「C1~12」は1~12、例えば1~10、1~8、1~6、1~5、1~4、1~3または1~2個の炭素原子を示す。
【0053】
本明細書で使用されるとき、用語「アルキル」とは、別の用語の一部としてでも、または独立して使用されても、飽和または不飽和炭化水素鎖を指し、後者はさらに少なくとも1個の二重または三重結合を有する炭化水素鎖(アルケニルまたはアルキニル)に細かく分けられ得る。いくつかの実施形態において、アルキルは飽和炭化水素鎖をいう。上述の炭化水素鎖は直鎖でも分岐鎖でもよい。用語「Ci-jアルキル」はi~j個の炭素原子を有するアルキルを指す。飽和アルキル基の例は、これらに限定されないがメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、sec-ブチル;より高級の同族体、例えば2-メチル-1-ブチル、n-ペンチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、1,2,2-トリメチルプロピル、などを含む。不飽和アルキル基の例は、これらに限定されないが、エテニル、n-プロペニル、イソプロペニル、n-ブテニル、sec-ブテニル、エチニル、プロピン-1-イル、プロピン-2-イル、などを含む。「C1~6アルキル」の例は、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチルおよびtert-ブチルを含む。「C1~3アルキル」の例は、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、およびイソプロピルを含む。
【0054】
「アルキル」が連結するアルキレン基を表わすとき、アルキレン基の例は、これらに限定されないが、メチレン、1,1-エチレン、1,2-エチレン、1,1-プロピレン、1,2-プロピレン、1,3-プロピレン、2,2-プロピレン、tertブタニレンなどを含む。
【0055】
本明細書で使用される用語「アミノ」は式「-NH」の基を指す。
本明細書で使用されるとき、用語「カルバモイル」はアミノカルボニル基(すなわち、NH-C(=O)-)をいう。
【0056】
本明細書で使用される用語「シアノ」は式「-C≡N」の基を指す。
本明細書で使用される用語「ハロ」および「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード基を指す。
【0057】
本明細書で使用される用語「ヒドロキシル」は式「-OH」の基を指す。
本明細書で使用されるとき、用語「スルフィニル」は式「-S(=O)-」の基をいう。
【0058】
本明細書で使用されるとき、用語「スルホニル」は式「-S(=O)-」の基をいう。
本明細書で使用されるとき、用語「スルホノキシル」は式「-O-(S(=O)H)」の基をいう。
【0059】
本明細書で使用されるとき、用語「スルホキシイミニル」は式「-N=S=O」の基をいう。
本明細書で使用されるとき、用語「スルホンイミドイル」は式「-S(=O)(=NH)-」の基をいう。
【0060】
本明細書で使用されるとき、用語「ホスフィノイル」は式「-P(=O)H」の基をいう。
本明細書で使用されるとき、用語「ホスホニル」は式「-P(=O)(-OH)」の基をいう。
【0061】
本明細書で使用されるとき、用語「アルコキシ」は、別の用語の一部としてでも、または独立して使用されていても、式-O-アルキルの基をいう。
用語「Ci-jアルコキシ」は、アルコキシ基のアルキル部分がi~j個の炭素原子を有することを意味する。アルコキシ基の例は、これらに限定されないが、メトキシル、エトキシル、プロポキシル(例えばn-プロポキシおよびイソプロポキシ)、t-ブトキシ、などを含む。「C1~12アルコキシル」の例はメトキシル、エトキシルおよびプロポキシルである。
【0062】
本明細書で使用されるとき、用語「ヒドロキシC1~12アルキル」は、式「-C1~12アルキル-OH」の基をいい、ここでこの基のアルキル部分は1~12個の炭素原子を有し、1つまたは複数のヒドロキシル基がアルキル部分のいずれかの炭素原子に連結され得る。いくつかの実施形態において、「Ci-jアルキル-OH」は1つのヒドロキシル基を有する。「C1~12アルキル-OH」の例はヒドロキシメチル、1-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシエチルおよび1-ヒドロキシイソプロピルである。
【0063】
本明細書で使用されるとき、用語「Ci~jハロアルキル」はハロゲンで置換された(一置換または多置換された)Ci~jアルキル基をいう。「C1~12ハロアルキル」の例はフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、クロロエチルおよびブロモイソプロピルである。「ジフルオロエチル」の例は1,1-ジフルオロエチルである。「トリフルオロエチル」の例は2,2,2-トリフルオロエチルおよび1,2,2-トリフルオロエチルである。
【0064】
「Ci-jハロアルコキシル」の例はフルオロメトキシル、ジフルオロメトキシル、またはトリフルオロメトキシルである。「トリフルオロエトキシ」の例は2,2,2-トリフルオロエトキシおよび1,2,2-トリフルオロエトキシである。
【0065】
「N-(C1~12アルキル)アミノ」の例はメチルアミノおよびエチルアミノである。
「N-(C1~12ハロアルキル)アミノ」の例はフルオロメチルアミノ、ジフルオロメチルアミノ、トリフルオロメチルアミノ、2-クロロエチルアミノおよび1-ブロモイソプロピルアミノである。
【0066】
本明細書で使用されるとき、用語「C1~6アルコキシカルボニル」は式「C1~6アルキル-O-C(O)-」の基をいう。
「C1~6アルキルスルフィニル」の例はメチルスルフィニル、エチルスルフィニル、およびプロピルスルフィニルである。
【0067】
「C1~6アルキルスルホニル」の例はメチルスルホニルおよびエチルスルホニルである。
「C1~6アルキルスルホキシイミニル」の例はメチルスルホキシイミニルおよびエチルスルホキシイミニルである。
【0068】
「S-(C1~6アルキル)スルホンイミドイル」の例はS-メチルスルホキシイミドイル(sulfoximidoyl)およびS-エチルスルホキシイミドイルである。
「N-(C1~6アルキル)スルホンイミドイル」の例はN-メチルスルホキシイミドイルおよびN-エチルスルホキシイミドイルである。
【0069】
「N,S-(C1~6アルキル)スルホンイミドイル」の例はN,S-ジメチル-スルホンイミドイル、N-メチル-S-エチル-スルホンイミドイル、およびN-エチル-S-メチル-スルホンイミドイルである。
【0070】
「C1~6アルキルホスフィノイル」の例はメチルホスフィノイルおよびエチルホスフィノイルである。
「(C1~6アルキル)ホスフィノイル」の例はジメチルホスフィノイル、およびジエチルホスフィノイルである。
【0071】
「C1~6アルキルホスホニル」の例はメチルホスホニルおよびエチルホスホニルである。
本明細書で使用されるとき、用語「Ci-jアルカノイル」はCi-jアルキルカルボニルをいう。「C1~12アルカノイル」の例はプロピオニルおよびアセチルである。
【0072】
「C1~12アルカノイルアミノ」の例はホルムアミド、アセトアミドおよびプロピオンアミドである。
「C1~12アルカノイルオキシ」の例はアセトキシである。
【0073】
「C1~12アルコキシカルボニル」の例はメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n-およびt-ブトキシカルボニルである。
「N-(C1~12アルキル)カルバモイル」の例はメチルカルバモイルおよびエチルカルバモイルである。
【0074】
「N,N-(C1~12アルキル)カルバモイル」の例はジメチルカルバモイルおよびメチルエチルカルバモイルである。
「N,N-(C1~12アルキル)アミノ」の例はジ-(N-メチル)アミノ、ジ-(N-エチル)アミノおよびN-エチル-N-メチルアミノである。
【0075】
本明細書で使用されるとき、用語「アリール」または「芳香族」は、別の用語の一部としてでも、または独立して使用されていても、環を形成する原子間に二重結合および単結合が交互に存在する環系をいう。本開示において用語「アリール」または「芳香族」はまた疑似芳香族も含めて意味する。用語「疑似芳香族」は、厳密に芳香族ではないが、電子の非局在化によって安定化され、芳香環と似た挙動を示す環系を指す。アリールまたは芳香族基は単環または多環を有し得る。アリール基の例は、これらに限定されないが、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルなどを含む。
【0076】
本明細書で使用されるとき、用語「ヘテロアリール」はO、S、N、P、などから選択される少なくとも1個の環形成ヘテロ原子を含有するアリールをいう。ヘテロアリールは、これらに限定されないが、フリル、チエニル、ピリジニル、トリアジニル、ピリジル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾール-5-オン、1,2,3-トリアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、キナゾリニル、イソキナゾリニル、1,3,5-トリアジニル、1Hチエノ[2,3-c]ピラゾリル、チエノ[2,3-b]フリル、3H-インドリル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、1H-インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、テトラゾリル、ウリジニル、およびシトシニルを含む。
【0077】
本明細書で使用されるとき、用語「カルボシクリル」は、別の用語の一部としてでも、または独立して使用されていても、全ての環原子が炭素であり、少なくとも3個の環形成炭素原子を含有する単環式または多環式の環(例えば2または3個の縮合、架橋またはスピロ環を有する)を含めたあらゆる環をいう。いくつかの実施形態において、カルボシクリルは3~12個の環形成炭素原子(すなわち3~12員の炭素原子)、3~10個の環形成炭素原子、3~9個の環形成炭素原子または4~8個の環形成炭素原子を含有し得る。カルボシクリル基は飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和であり得る。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は飽和環式アルキル基であり得る。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基はその環系内に少なくとも1つの二重結合を含有する不飽和環式アルキル基であり得る。いくつかの実施形態において、不飽和カルボシクリル基は1つまたは複数の芳香環を含有し得る。いくつかの実施形態において、飽和または不飽和カルボシクリルの1つまたは複数の環を形成する-CH-基が-C(O)-基により置き換えられてもよい。
【0078】
いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は単環式のアルキル基である。いくつかの実施形態において、カルボシクリル基は飽和単環式アルキル基である。単環式の飽和または不飽和カルボシクリル基の例は、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、などを含む。
【0079】
本明細書で使用されるとき、用語「スピロ」環は1つの単一の共通原子を介して接続された2つの環を有する環系をいい;用語「縮合」環は2個の隣接する原子を共有する2つの環を有する環系をいい;用語「架橋」環は3個以上の原子を共有する2つの環をもつ環系をいう。
【0080】
3~12、3~10または5~6「員の飽和または不飽和カルボシクリル」はそれぞれ3~12、3~10、または5~6個の環形成炭素原子を有する飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和の単環式または多環式の環系であり、ここで1つまたは複数の環を形成する-CH-基は場合により-C(O)-基により置き換えられることができる。
【0081】
「3~12員の飽和または不飽和カルボシクリル」の例はC3~4シクロアルキル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロペンチル、フェニル、ナフチルおよびビシクロ[1.1.1]ペンタン-1-イルである。「C3~4シクロアルキル」の例はシクロプロピルおよびシクロブチルである。「5~6員の飽和または不飽和カルボシクリル」の例はシクロペンチルおよびフェニルである。
【0082】
本明細書で使用されるとき、用語「ヘテロシクリル」は、1つまたは複数(例えば1、2または3つ)の環原子が、これらに限定されないが、O、S、N、P、などを含むヘテロ原子により置き換えられたカルボシクリル基をいう。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルは飽和ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルはその環系内に1つまたは複数の二重結合を有する不飽和ヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルは部分的に不飽和のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルは完全に不飽和のヘテロシクリルである。いくつかの実施形態において、不飽和ヘテロシクリル基は1つまたは複数の芳香環を含有し得る。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルの1つまたは複数の環を形成する-CH-基は場合により-C(O)-、-S-、-S(O)-、または-S(O)-基により置き換えられることができる。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリルがその環系内に硫黄を含有する場合、前記環を形成する硫黄原子は場合により酸化されてS-オキシドを形成してもよい。いくつかの実施形態においてヘテロシクリルはその環を形成する炭素を介して化合物の他の部分に連結される。いくつかの実施形態においてヘテロシクリルはその環を形成する窒素を介して化合物の他の部分に連結される。
【0083】
いくつかの実施形態において、3~12員の飽和または不飽和の単環式または多環式のヘテロシクリルはN、O、またはSから選択される1、2、または3個のヘテロ原子を有する。
【0084】
3~12、3~10または5~6「員の飽和または不飽和ヘテロシクリル」はそれぞれ3~12、3~10、または5~6個の環を形成する原子を有する飽和、部分的に不飽和または完全に不飽和の単環式または多環式の環(例えば2または3個の縮合、架橋またはスピロ環を有する)系であり、そのうちの少なくとも1個の環を形成する原子は窒素、硫黄または酸素から選ばれ、当該環系は他に規定されない限りその環を形成する炭素または窒素を介して化合物の他の部分に連結され得、ここで飽和または不飽和ヘテロシクリルの1つまたは複数の環を形成する-CH-基は、-C(O)-、-S-、-S(O)-、または-S(O)-基により置き換えられてもよく、ヘテロシクリルがその環系内に硫黄を含有するとき、前記環硫黄原子は場合により酸化されてS-オキシドを形成してもよい。
【0085】
代表的な単環式のヘテロシクリル基は、これらに限定されないが、オキセタニル、ピラニル、1,1-ジオキソチエタニルピロリジル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、ピロリル、フラニル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピペリジル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ピリドニル、ピリミドニル、ピラジノニル、ピリミドニル、ピリダゾニル、トリアジノニル、などを含む。
【0086】
スピロヘテロシクリルの例は、これらに限定されないが、スピロピラニル、スピロオキサジニル、などを含む。縮合ヘテロシクリルの例は、これらに限定されないが、フェニル縮合環またはピリジニル縮合環、例えばキノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キノリジニル、キナゾリニル、アザインドリジニル、プテリジニル、クロメニル、イソクロメニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、インダゾリル、プリニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、カルバゾリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェナントリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニル、[1,2,3]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニル基、などを含む。架橋ヘテロシクリルの例は、これらに限定されないが、モルファニル(morphanyl)、ヘキサメチレンテトラミニル、8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクタン、1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクタン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、などを含む。
【0087】
「飽和もしくは不飽和8~10員二環式環」の例はインドリル、インダゾリル、ベンゾ[d]チアゾール-5-イル、2-オキソインドリン-6-イル、ベンゾ[d]チアゾール-5-イル、ベンゾ[d]チアゾール-6-イル、1-オキソイソクロマン-6-イル、1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-6-イル、1-オキソ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-7-イル、1-オキソイソクロマン-7-イル、ベンゾ[d]オキサゾール-6-イル、1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル、イミダゾ[1,5-a]ピリジン-6-イル、ベンゾ[d]オキサゾール-5-イル、である。
【0088】
本開示の「化合物」は、他に規定されない限り描かれた構造の全ての立体異性体、幾何異性体、および互変異性体を包含することが意図されている。
用語「立体異性体」は不斉化合物(例えば1つまたは複数の非対称に置換された炭素原子または「不斉中心」を有するもの)の様々な立体異性配置(例えばエナンチオマー、ジアステレオマーおよびラセミ体)のいずれかを指す。不斉中心を含有する本開示の化合物は光学的に活性な(エナンチオマーまたはジアステレオマー)または光学的に不活性な(ラセミ)形態で単離されることができる。用語「エナンチオマー」は互いに重ね合わせることができない鏡像である対の立体異性体を含む。1対のエナンチオマーの1:1混合物は「ラセミ混合物」である。用語「ジアステレオマー」または「ジアステレオ異性体」は少なくとも2つの不斉原子を有するが、お互いの鏡像ではない立体異性体を含む。1つまたは複数の不斉中心を含有するある種の化合物は、カーン-インゴルド-プレローグのR-Sシステムに従って各々の不斉中心での絶対配置によって(R)-または(S)-として定義され得るエナンチオマー、ジアステレオマーまたはその他の立体異性体形態を生じ得る。その絶対配置が未知の分割された化合物は不斉中心に用語「or」を用いて指定されることができる。ラセミ混合物から光学的に活性な形態を製造する方法は、HPLCによる分割または立体選択的合成のように当技術分野で公知である。
【0089】
用語「幾何異性体」または「シストランス異性体」は同一の式の化合物を指すが、その官能基は三次元空間内で異なる方向に回転される。
用語「互変異性体」は、同一の式および全電荷を有する化合物の異性体プロトン化状態であるプロトトロピー互変異性体を含む。プロトトロピー互変異性体の例は、これらに限定されないが、ケトン-エノール対、アミド-イミド酸対、ラクタム-ラクチム対、エナミン-イミン対、ならびにプロトンが複素環系の2以上の位置を占めることができる環状形態、例えば、1H-および3H-イミダゾール、1H-、2H-および4H-1,2,4-トリアゾール、1H-および2H-イソインドール、および1H-および2H-ピラゾールを含む。互変異性体は平衡状態にあるか、または適当な置換により1つの形態に立体的にロックされることができる。名称または構造により1つの特定の互変異性形態として特定された本開示の化合物は、他に規定されない限り他の互変異性形態を含むことが意図されている。
【0090】
本開示の「化合物」はまた、化合物中の原子の全ての同位体を包含することも意図されている。ある原子の同位体は同一の原子番号であるが異なる質量数を有する原子を含む。例えば、他に規定されない限り、本開示の「化合物」中の水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素はその同位体、例えばこれらに限定されないが:H、H、H、11C、12C、13C、14C、14N、15N、16O、17O、18O、31P、32P、32S、33S、34S、36S、17F、19F、35Cl、37Cl、79Br、81Br、127Iおよび131Iも含むことが意味される。いくつかの実施形態において、水素はプロチウム、ジュウテリウムおよびトリチウムを含む。いくつかの実施形態において、用語「ジュウテリウムにより置換され」または「ジュウテリウムで置換され」て化学基中の水素の他のアイソフォーム(例えばプロチウム)をジュウテリウムと置き換える。いくつかの実施形態において、炭素は12Cおよび13Cを含む。いくつかの実施形態において、本開示の「化合物」は化合物中の水素の同位体を包含するだけである。いくつかの実施形態において、本開示の「化合物」は原子の同位体を自然存在比で包含するだけである。
【0091】
また、本開示の「化合物」は、例えば、水和形態、固体形態のような溶媒和ならびに非溶媒和形態で存在することができ、本開示は、全てのかかる溶媒和および非溶媒和形態を包含することが意図されているとも理解されるべきである。
【0092】
さらに、本開示の「化合物」は薬学的に許容される塩の形態で存在することができると理解されるべきである。
本明細書で使用されるとき、用語「薬学的に許容される」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、またはその他の問題もしくは合併症なしに人間および動物の組織と接触させて使用するのに適切で妥当な便益/リスク比に見合う化合物、物質、組成物、および/または剤形をいう。いくつかの実施形態において、薬学的に許容される化合物、物質、組成物、および/または剤形は規制当局(例えばアメリカ食品医薬品局、中国国家食品薬品監督管理局または欧州医薬品庁)により認可されたものまたは動物、より特定的にはヒトに使用される広く認められた薬局方(例えば米国薬局方、中国薬局方または欧州薬局方)にリストされているものをいう。
【0093】
本明細書で使用されるとき、「薬学的に許容される塩」は、親の化合物が存在する酸性部分(例えばカルボキシルなど)または塩基部分(例えばアミン、アルカリなど)をその塩形態に変換することにより変更された本開示の化合物の誘導体をいう。多くの場合、本開示の化合物はアミノおよび/またはカルボキシル基またはそれと類似の基の存在のおかげで酸および/または塩基塩を形成することができる。薬学的に許容される塩は、通例生物学的またはその他の意味で望ましくないわけではない、親の化合物の生物学的な有効性および性質を保持する酸および/または塩基塩である。本開示の化合物の適切な薬学的に許容される塩は、例えば酸付加塩を含み、これは例えば無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)または有機酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、トリメシン酸、クエン酸、乳酸、フェニル酢酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナパジシル酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、サリチル酸、スルホサリチル酸など)から誘導されることができる。いくつかの実施形態において、本開示の化合物の薬学的に許容される塩はギ酸塩である。いくつかの実施形態において、本開示の化合物の薬学的に許容される塩はTFA塩である。
【0094】
本開示の化合物の適切な薬学的に許容される塩はまた、例えば、塩基付加塩も含み、これは例えば無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム塩および水酸化物、周期表のカラムI~XIIからの金属、例えばカルシウム、マグネシウム、鉄、銀、亜鉛、銅などの炭酸塩、重炭酸塩)または有機塩基(例えば、第一級、第二級、および第三級アミン、置換されたアミン、例えば天然に存在する置換アミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂、など)から誘導されることができる。ある種の有機アミンは、これらに限定されないがイソプロピルアミン、ベンザチン、コリネート、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、リジン、メグルミン、ピペラジンおよびトロメタミンを含む。当業者には分かるように、実施例に示されるもの以外の酸/塩基付加塩を形成するための酸または塩基を付加することもまた可能であり得る。追加の適切な塩のリストは、例えば“Remington’s Pharmaceutical Sciences”, 20th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., (1985)および“Handbook of Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use” by Stahl and Wermuth(Wiley-VCH, Weinheim, Germany, 2002)に見ることができる。いくつかの実施形態において、本開示の化合物の適切な薬学的に許容される塩は無機塩基塩である。
【0095】
本開示はまた、本開示の化合物の活性な中間体、活性な代謝産物およびプロドラッグも含む。本明細書で使用されるとき、「活性な中間体」は、合成プロセスにおいて合成される最終の化合物と同じまたは本質的に同じ生物学的な活性を示す中間体化合物をいう。
【0096】
本明細書で使用されるとき、「活性な代謝産物」は動物またはヒトの身体内で本開示の化合物またはその塩もしくはプロドラッグの代謝または生体内変換によって産生された分解または最終産物をいい、これはその特定の化合物と同一または本質的に同一の生物学的活性を示す。かかる代謝産物は投与された化合物または塩もしくはプロドラッグの例えば、酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド化、エステル化、脱エステル化、酵素的切断、などで生じ得る。
【0097】
本明細書で使用されるとき、「プロドラッグ」は、動物またはヒト対象に投与されたとき活性な親の薬物を放出するあらゆる化合物または複合体を指す。プロドラッグは化合物中に存在する官能基を修飾するが、その際その修飾が日常の操作またはインビボのいずれかで親の化合物から開裂可能であるように修飾することにより製造されることができる。プロドラッグは、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、またはカルボキシル基が、哺乳類の対象に投与されたとき開裂してそれぞれ遊離のヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、またはカルボキシル基を形成することができるいずれかの基に結合される化合物を含む。プロドラッグの例は、これらに限定されないが、本開示の化合物中のアルコールおよびアミン官能基のアセテート、ホルメートおよびベンゾエート誘導体を含む。プロドラッグの調製および使用はTHiguchi and V. Stella, “Pro-drugs as Novel Delivery Systems”, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series、およびBioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987で考察されており、これらはいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0098】
本明細書にはJAK1を選択的に阻害することができる新規な化合物または薬学的に許容される塩が開示される。また、これらの化合物は吸入式の投与に適合するとき呼吸疾患を治療するのに特に有効であることができる。そしてこれらの化合物はいくつかの有利な性質、例えば優れた阻害特性、良好な薬物動態プロフィール、例えば摂取/吸収速度、低い予測されるヒトクリアランス等を保有し、また、公知のJAK1阻害剤と比較して好ましい毒性プロフィール、および/または好ましい代謝もしくは薬物動態プロフィールも保有し得る。
【0099】
合成方法
本発明により提供されるその塩、エステル、水和物、もしくは溶媒和物または立体異性体も含めた化合物の合成は実施例で合成スキームに例示される。本発明により提供される化合物はいずれかの公知の有機合成技術を用いて製造されることができ、数多くの可能な合成経路のいずれかに従って合成されることができ、したがってこれらのスキームは単に説明に役立つのみであり、本発明により提供される化合物を製造するのに使用されることができる他の可能な方法を限定する意味はない。加えて、スキームのステップはより良好な説明のためのものであり、適宜変更されることができる。実施例の化合物の実施形態は研究および潜在的に規制当局への提出の目的で中国で合成された。
【0100】
本開示の化合物を製造する反応は、有機合成の当業者により容易に選択されることができる適切な溶媒中で行われることができる。適切な溶媒は反応が行われる温度、例えば、溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度までの範囲であることができる温度で出発材料(反応物質)、中間体、または生成物と実質的に非反応性であることができる。所与の反応は1種の溶媒または1種より多くの溶媒の混合物中で行われることができる。特定の反応ステップに応じて、特定の反応ステップに適した溶媒は熟練者により選択されることができる。
【0101】
本開示の化合物の製造は様々な化学基の保護および脱保護を含むことができる。保護および脱保護の必要性、ならびに適当な保護基の選択は当業者により容易に決定されることができる。保護基の化学は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるT. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., Wiley & Sons, Inc., New York (1999)に見ることができる。
【0102】
反応は当技術分野で公知のいずれかの適切な方法に従ってモニターされることができる。例えば、生成物形成は分光学的手段、例えば核磁気共鳴分光学(例えば、Hまたは13C)、赤外線分光学、分光測光法(例えば、UV-可視)、質量分析法により、またはクロマトグラフ法、例えば高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、液体クロマトグラフィー-質量分析(LCMS)、もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターされることができる。化合物は当業者により高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)(“Preparative LC-MS Purification: Improved Compound Specific Method Optimization” Karl F. Blom, Brian Glass, Richard Sparks, Andrew P. Combs J. Combi. Chem. 2004, 6(6), 874~883、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)および順相シリカクロマトグラフィーを含めた様々な方法によって精製されることができる。
【0103】
本明細書で使用される略語は以下の通り定義される:「1×」または「×1」は一回、「2×」または「×2」は二回、「3×」または「×3」は三回、「4×」または「×4」は四回、「5×」または「×5」は五回、「℃」はセ氏温度、「eq」または「eq.」は当量、「g」はグラム、「mg」はミリグラム、「L」はリットル、「mL」または「ml」はミリリットル、「μL」はマイクロリットル、「N」は規定、「M」はモル濃度、「mmol」はミリモル、「min」は分、「h」または「hr」は時間、「r.t.」または「rt」は室温、「atm」は気圧、「psi」は平方インチ当たりのポンド、「conc.」は濃縮物、「sat」または「sat’d」は飽和、「MS」または「Mass Spec」は質量分析法、「ESI」はエレクトロスプレーイオン化質量分析、「LCMS」は液体クロマトグラフィー質量分析法、「HPLC」は高圧液体クロマトグラフィー、「RP」は逆相、「TLC」または「tlc」は薄層クロマトグラフィー、「SM」は出発材料、「NMR」は核磁気共鳴分光学、「H」はプロトン、「δ」はデルタ、「s」は一重項、「d」は二重項、「t」は三重項、「q」は四重項、「m」は多重項、「br」はブロード、「Hz」はヘルツを示す。「α」、「β」、「R」、「S」、「E」、および「Z」は当業者になじみのある立体化学の呼称である。
【0104】
医薬組成物
本開示は少なくとも1種の本開示の化合物を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態において、医薬組成物は1種より多くの本開示の化合物を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は1種または複数の本開示の化合物、および薬学的に許容される担体を含む。
【0105】
薬学的に許容される担体は薬学分野でよく知られた方法で調製されることができる当技術分野で慣用の医薬担体である。いくつかの実施形態において、本開示の化合物は医薬組成物の製造用に薬学的に許容される担体と混合され得る。
【0106】
用語「薬学的に許容される担体」は、本明細書で使用されるとき、本発明で提供される化合物を1つの位置、体液、組織、器官(内部または外部)、または身体の一部分から別の位置、体液、組織、器官、または身体の一部分へ運搬または輸送する際に関わる薬学的に許容される物質、組成物またはビヒクル、例えば液体または固体充填材、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル材料をいう。薬学的に許容される担体は過度の毒性または有害作用なしに動物の組織と接触させるのに使用されることができるビヒクル、希釈剤、賦形剤、または他の物質であることができる。代表的な薬学的に許容される担体は糖類、デンプン、セルロース、麦芽、トラガカント、ゼラチン、リンガー溶液、アルギン酸、等張食塩水、緩衝剤、などを含む。本開示で使用されることができる薬学的に許容される担体は当技術分野で広く知られたもの、例えば参照により本明細書に組み込まれる“Remington Pharmaceutical Sciences” Mack Pub. Co., New Jersey (1991)に開示されるものを含む。
【0107】
薬学的に許容される担体として役立つことができる物質のいくつかの例は:(1)糖類、例えばラクトース、グルコースおよびスクロース;(2)デンプン、例えばコーンスターチおよびジャガイモデンプン;(3)セルロース、およびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース;(4)トラガカント末;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)賦形剤、例えばココアバターおよび座薬ワックス;(9)油、例えば落花生油、綿実油、サフラワー油、ごま油、オリーブ油、コーンオイルおよび大豆油;(10)グリコール、例えばプロピレングリコール;(11)ポリオール、例えばグリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール;(12)エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;(13)寒天;(14)緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;(15)アルギン酸;(16)発熱物質を含まない水;(17)等張食塩水;(18)リンガー溶液;(19)アルコール、例えばエチルアルコールおよびプロパンアルコール;(20)リン酸緩衝液;ならびに(21)その他の薬学処方に使用される非毒性の相溶性物質、例えばアセトンを含む。
【0108】
医薬組成物は生理的条件に近付けるのに必要とされる薬学的に許容される補助物質、例えばpH調節および緩衝剤、毒性調節剤など、例えば、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、乳酸ナトリウムなどを含有し得る。
【0109】
医薬組成物の形態は、制限されることはないが、投与の経路、病気の程度、または投与される薬量を含むいくつかの基準に依存する。医薬組成物は経口、鼻腔内、直腸、経皮、静脈内、または筋肉内投与用に製剤化されることができる。例えば、鼻腔内投与用の投薬形態はエアロゾル、溶液、点鼻液、ゲルまたは乾燥粉末として都合よく製剤化され得;経鼻内投与用の投薬形態は流体製剤として製剤化され得る。所望の投与の経路によって、医薬組成物は錠剤、カプセル、丸薬、ドラジェ、粉末、顆粒、サッシェ、カシェー、トローチ剤、懸濁液、エマルション、溶液、シロップ、エアロゾル(固体として、または液体媒質中)、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、パッチ、吸入剤、または座薬の形態に製剤化されることができる。
【0110】
吸入投与に適切および/または適合した組成物の場合、活性物質は粒径が減少した形態であるのが好ましく、より好ましくは大きさが減少した形態は微粉化により得られるかまたは得ることができる。大きさが減少した(例えば、微粉化された)化合物または塩または溶媒和物の好ましい粒径は約0.5~約10ミクロンの(例えばレーザー回折を用いて測定される)D50値により規定される。吸入投与用の投薬形態はエアロゾルまたは乾燥粉末として都合よく製剤化され得る。
【0111】
吸入投与用のエアロゾル製剤は薬学的に許容される水性または非水性の溶媒中の活性物質の溶液または微細な懸濁液を含むことができる。エアロゾル製剤は密封された容器内の無菌形態の単一または多数用量として提示されることができ、かかる容器は噴霧装置または吸入器と共に使用されるカートリッジまたは詰め替えの形態をとることができる。或いは密封容器は単位分配装置、例えば単一薬量鼻腔内吸入器または容器の中味が一旦排出されたら処分されることが意図された計量弁を備えたエアロゾルディスペンサー(計量吸入器)であり得る。
【0112】
投薬形態が各作動の際に計量される薬量を放出する加圧型計量吸入器(pMDI)のようなエアロゾルディスペンサーを含む場合、好ましくは圧力下の適切な推進剤、例えば圧縮空気、二酸化炭素または有機推進剤、例えばヒドロフルオロカーボン(HFC)ともいわれるヒドロフルオロアルカン(HFA)を含有する。適切なHFC推進剤は1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFA 227)および1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFA 134a)を含む。エアロゾル投薬形態はまたポンプ-アトマイザーの形態をとることもできる。加圧型エアロゾルは活性な化合物の溶液または懸濁液を含有し得る。これは懸濁液製剤の分散特性および均質性を改良するために追加の賦形剤、例えば共溶媒および/または界面活性剤の組み込みを必要とし得る。溶液製剤もエタノールのような共溶媒の添加を必要とし得る。他の賦形剤変更剤も、例えば、製剤の安定性および/または味覚および/または微細な粒子質量特性(量および/またはプロフィール)を改良するために組み込まれ得る。組成物は吸入用途用に他の薬学的に許容される賦形剤、例えばエタノール、オレイン酸、ポリビニルピロリドンなどを含み得る。
【0113】
PMDIは通例2つの部品を有する。初めに、薬物粒子が圧力下に懸濁液または溶液形態で貯蔵されるキャニスター部品がある。次に、キャニスターを保持し作動させるのに使用される容器部品がある。通例、キャニスターは多数の薬量の製剤を含有するが、単一薬量キャニスターを有することも可能である。キャニスター部品は通例、キャニスターの中味が放出されることができる弁出口を含む。エアロゾル薬剤は、キャニスター部品に力を加えてそれを容器部品内に押し込むことにより弁出口を開き、薬剤粒子を弁出口から容器部品を通して運び、容器の出口から放出させることによってpMDIから分配される。キャニスターからの放出の際、薬剤粒子は「霧化されて」エアロゾルを形成する。患者はエアロゾル化された薬剤の放出を自身の吸入と連係させ、その結果として薬剤粒子は患者の呼吸の流れに同伴され、肺に搬送されると意図される。
【0114】
好ましくは、乾燥粉末吸入可能製剤は式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩(好ましくは粒径が減少した形態、例えば、微粉化された形態)、粉末ベース、例えばラクトース、グルコース、トレハロース、マンニトールまたはデンプン、および場合により性能変更剤、例えばL-ロイシンまたは別のアミノ酸、および/またはステアリン酸の金属塩、例えばステアリン酸マグネシウムまたはカルシウムの乾燥粉末ブレンドを含む。ラクトースは好ましくはラクトース水和物、例えば、ラクトース一水和物であり、および/または好ましくは吸入-グレードおよび/または微細-グレードのラクトースである。好ましくは、ラクトースの粒径は、90%以上(重量または容量)のラクトース粒子が直径1000ミクロン(マイクロメートル)未満(例えば、10~1000ミクロン、例えば、30~1000ミクロン)である、および/または50%以上のラクトース粒子が直径500ミクロン未満(例えば、10~500ミクロン)であると定義される。より好ましくは、ラクトースの粒径は、90%以上のラクトース粒子が直径300ミクロン未満(例えば、10~300ミクロン、例えば、50~300ミクロン)、および/または50%以上のラクトース粒子が直径100ミクロン未満であると定義される。場合により、ラクトースの粒径は90%以上のラクトース粒子が直径100~200ミクロン未満、および/または50%以上のラクトース粒子が直径40~70ミクロン未満であると定義される。約3~約30%(例えば、約10%)(重量または容量)の粒子が直径50ミクロン未満または20ミクロン未満であるのが好ましい。例えば、制限なしに、適切な吸入グレードのラクトースはE9334ラクトースである(10%微細)。
【0115】
場合により、乾燥粉末吸入可能製剤は適切な吸入装置内でストリップまたはリボンの長手方向に据え付けられた複数の密封された薬量容器(例えば、乾燥粉末組成物を含有する)に組み込まれることができる。容器は要求に応じて破裂可能であるかまたは剥がして開けられ、例えば乾燥粉末組成物の薬量がDISKUSデバイス(GlaxoSmithKline)のような装置を介して吸入により投与されることができる。他の乾燥粉末吸入器は当業者に周知であり、多くのかかる装置が市販され、代表的な装置はAerolizer(Novartis)、Airmax(WAX)、ClickHaler(Innovata Biomed)、Diskhaler(GlaxoSmithKline)、Accuhaler(GlaxoSmithKline)、Easyhaler(Orion Pharma)、Eclipse(Aventis)、FlowCaps(Hovione)、Handihaler(Boehringer Ingelheim)、Pulvinal(Chiesi)、Rotahaler(GlaxoSmithKline)、SkyeHalerまたはCertihaler(SkyePharma)、Twisthaler(Schering-Plough)、Turbuhaler(AstraZeneca)、Ultrahaler(Aventis)、などを含む。医薬組成物はまた、当技術分野で公知の手順を使用することにより、患者への投与後活性成分の急速、持続または遅延放出を提供するように製剤化されることもできる。いくつかの実施形態において、医薬組成物は持続放出形態に製剤化される。本明細書で使用されるとき、用語「持続放出形態」は、活性薬剤が対象において、主として対象の消化管で、長期間にわたって(徐放)、または一定の位置で(制御放出)生物学的吸収に利用できるようになるような活性薬剤の医薬組成物からの放出をいう。いくつかの実施形態において、長期間は約1時間~24時間、2時間~12時間、3時間~8時間、4時間~6時間、1~2日以上であることができる。一定の実施形態において、長期間は少なくとも約4時間、少なくとも約8時間、少なくとも約12時間、または少なくとも約24時間である。医薬組成物は錠剤の形態に製剤化されることができる。例えば、活性薬剤の放出速度は、活性薬剤の胃腸液への溶解およびその後の錠剤または丸薬からのpHに無関係の拡散によって制御されることができるだけでなく、錠剤の崩壊および浸食の物理的過程にも影響されることができる。いくつかの実施形態において、“Medical Applications of Controlled Release,” Langer and Wise (eds.), CRC Pres., Boca Raton, Florida (1974); “Controlled Drug Bioavailability,” Drug Pproduct Design and Performance, Smolen and Ball (eds.), Wiley, New York (1984); Ranger and Peppas, 1983, J MacromolSci. Rev. Macromol Chem. 23:61; またLevy et al., 1985, Science 228:190も参照; During et al., 1989, Ann. Neurol. 25:351; Howard et al., 1989, J. Neurosurg. 71:105に開示されるポリマー性の材料が持続放出のために使用されることができる。以上の参考文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0116】
一定の実施形態において、医薬組成物は約0.0001mg~約100mgの本開示の化合物(例えば約0.0001mg~約10mg、約0.001mg~約10mg、約0.01mg~約10mg、約0.1mg~約10mg、約0.1mg~約5mg、約0.1mg~約4mg、約0.1mg~約3mg、約0.1mg~約2mg、約0.1mg~約1mg、約0.1mg~約0.5mg、約1mg~約10mg、約1mg~約5mg、約5mg~約10mg、約5mg~約20mg、約5mg~約30mg、約5mg~約40mg、約5mg~約50mg、約10mg~約100mg、約20mg~約100mg、約30mg~約100mg、約40mg~約100mg、約50mg~約100mg)を含む。対象に対して1日当たりの適切な投薬量は約0.1mg~約10mg、好ましくは約0.1mg~約5mg、約5mg~約10mg、または約1mg~約5mgであることができる。
【0117】
一定の実施形態において、医薬組成物は単位投薬形態に製剤化されることができ、各々の投薬量は約0.0001mg~約10mg、約0.001mg~約10mg、約0.01mg~約10mg、約0.1mg~約10mg、約0.1mg~約5mg、約0.1mg~約4mg、約0.1mg~約3mg、約0.1mg~約2mg、約0.1mg~約1mg、約0.1mg~約0.5mg、約1mg~約10mg、約5mg~約10mg、約5mg~約20mg、約5mg~約30mg、約5mg~約40mg、約5mg~約50mg、約10mg~約100mg、約20mg~約100mg、約30mg~約100mg、約40mg~約100mg、約50mg~約100mgの本開示の化合物を含有する。用語「単位投薬形態」はヒト対象および他の哺乳類に対する単位投薬量として適した物理的に別々の単位をいい、各々の単位は所望の治療効果を生じるように計算された所定量の活性物質を適切な医薬担体と共に含有する。
【0118】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は第1の活性成分として1種または複数の本開示の化合物を含み、さらに第2の活性成分を含む。第2の活性成分はJAK1関連疾患(例えば、喘息またはCOPD)を治療するのに有用ないずれかの抗炎症または抗過剰増殖剤であることができる。
【0119】
かかる抗過剰増殖剤の例はCancer Principles and Practice of Oncology by V. T. Devita and S. Hellman (editors), 6th edition (Feb. 15, 2001), Lippincott Williams & Wilkins Publishersに見ることができる。当業者はまた、薬物の個々の特性および関連するがんに基づいてどの組合せの薬剤が有用であるか理解することもできよう。
【0120】
抗炎症剤の例は、これらに限定されないが、(1)TNF-α阻害剤、例えばレミケードおよびエンブレル);(2)非選択的COX-I/COX-2阻害剤(例えばピロキシカム、ジクロフェナク、プロピオン酸、例えば、ナプロキセン、フルビプロフェン、フェノプロフェン、ケトプロフェンおよびイブプロフェン、フェナム酸、例えばメフェナム酸、インドメタシン、スリンダク、アパゾン、ピラゾロン、例えばフェニルブタゾン、サリチル酸塩、例えばアスピリン);(3)COX-2阻害剤(例えばメロキシカム、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブおよびエトリコキシブ);(4)関節リウマチの治療用の他の薬剤、例えば低薬量メトトレキサート、レフルノミド(lefunomide)、シクレソニド、ヒドロキシクロロキン、d-ペニシラミン、オーラノフィンまたは非経口もしくは経口の金;(5)ロイコトリエン生合成阻害剤、5-リポキシゲナーゼ(5-LO)阻害剤または5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト、例えばジレウトン;(6)LTD4受容体アンタゴニスト、例えばザフィルルカスト、モンテルカストおよびプランルカスト;(7)PDE4阻害剤、例えばロフルミラスト;(8)抗ヒスタミン性H1受容体アンタゴニスト、例えばセチリジン、ロラタジン、デスロラタジン、フェキソフェナジン、アステミゾール、アゼラスチン、およびクロルフェニラミン;(9)α1-およびα2-アドレナリン受容体アゴニスト血管収縮剤交感神経様作用剤、例えばプロピルヘキセドリン、フェニレフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、ナファゾリン塩酸塩、オキシメタゾリン塩酸塩、テトラヒドロゾリン塩酸塩、キシロメタゾリン塩酸塩、およびエチルノルエピネフリン塩酸塩;(10)抗コリン剤、例えば臭化イプラトロピウム、チオトロピウム臭化物、オキシトロピウム臭化物、アクリジニウム臭化物、グリコピロレート、ピレンゼピン、およびテレンゼピン;(11)β-アドレナリン受容体アゴニスト、例えばメタプロテレノール、イソプロテレノール、イソプレナリン、アルブテロール、サルブタモール、ホルモテロール、サルメテロール、テルブタリン、オルシプレナリン、メシル酸ビトールテロール、およびピルブテロール、またはメチルキサンタニン(methylxanthanine)、例えばテオフィリンおよびアミノフィリン、クロモグリク酸ナトリウム;(12)インスリン様成長因子I型(IGF-1)模倣物;(13)全身性副作用が低下した吸入グルココルチコイド、例えばプレドニゾン、プレドニゾロン、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、プロピオン酸フルチカゾン、シクレソニドおよびモメタゾンフランカルボン酸エステルを含む。
【0121】
好ましくはこの組合せは喘息、COPDまたはアレルギー性鼻炎の治療および/または予防用である。かかる組合せの代表的な例は、式Iの化合物もしくはその薬学的に許容される塩と、Advair(サルメテロールキシナホ酸塩およびプロピオン酸フルチカゾン)、Symbicort(ブデソニドおよびホルモテロールフマル酸塩)、またはDulera(モメタゾンフランカルボン酸エステルおよびホルモテロールフマル酸塩)、サルメテロールもしくはその薬学的に許容される塩(例えば、サルメテロールキシナホ酸塩)、またはプロピオン酸フルチカゾンの成分との組合せである。
【0122】
治療方法
本開示は、有効な量の本開示の1種または複数の化合物、その薬学的に許容される塩または医薬組成物を対象に投与することを含む、JAK1関連疾患を治療する方法を提供する。
【0123】
本開示はまたJAK1関連疾患を治療する方法も提供する。一定の実施形態において、方法は有効な量の1種または複数の本開示の化合物、その薬学的に許容される塩または医薬組成物を対象に投与することを含む。
【0124】
本明細書で使用されるとき、用語「JAK1関連疾患」は、その発病もしくは進行または両方がJAK1の発現または活性に関連する疾患をいう。例は、これらに限定されないが、呼吸疾患、自己免疫疾患、過剰増殖性疾患(例えば、がん)およびその他の疾患を含む。
【0125】
JAK1関連疾患は、これらに限定されないが、(1)呼吸疾患、例えば、喘息、気管支炎、気管支拡張症、珪肺症、塵肺症、急性呼吸促迫症候群、慢性好酸球性肺炎、および慢性閉塞性肺疾患(COPD);(2)自己免疫疾患、例えば乾癬、強皮症、関節リウマチ、乾癬性関節炎、若年性関節炎、骨髄線維症、キャッスルマン病、ループス腎炎、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、多発性硬化症、炎症性大腸炎、ベーチェット病、重症筋無力症、1型糖尿病、免疫グロブリン腎症、自己免疫性甲状腺疾患;ならびに(3)過剰増殖性疾患、例えばがん、例えば、白血病、グリア芽腫、黒色腫、軟骨肉腫、胆管がん、骨肉腫、リンパ腫、肺がん、腺腫、骨髄腫、肝細胞がん、副腎皮質がん、膵がん、乳がん、膀胱がん、前立腺がん、肝がん、胃がん、結腸がん、結腸直腸がん、卵巣がん、子宮頸がん、脳腫瘍、食道がん、骨肉腫、精巣がん、皮膚がん、腎がん、中皮腫、神経芽細胞腫、甲状腺がん、頭頸部がん、食道がん、眼がん、前立腺がん、上咽頭がん、または口腔がんを含む。
【0126】
本明細書で使用されるとき、用語「治療」、「治療する」および「治療する」は、本明細書に記載するように、病気もしくは疾患の発病を逆転させ、軽減し、遅らせるか、または、またはその1つまたは複数の症状の進行を阻害することをいう。いくつかの実施形態において、治療は1つまたは複数の症状が出現した後に投与され得る。他の実施形態において、治療は症状のないときに投与されてもよい。例えば、治療は(例えば、症状の履歴を考慮して、および/または遺伝的またはその他の感受性因子を考慮して)症状の発現の前に影響を受け易い個人に投与され得る。治療はまた、症状が解消された後にも、例えばその再発を防ぎ、または遅らせるために、続けられてもよい。
【0127】
いくつかの実施形態において、本発明により提供される1種または複数の化合物、その薬学的に許容される塩または医薬組成物は非経口経路または非経口以外の経路によって投与される。いくつかの実施形態において、1種または複数の化合物、その薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物もしくは立体異性体または医薬組成物は経口に、腸内に、頬側に、経鼻的に、鼻腔内に、経粘膜的に、表皮に、経皮的に、皮膚に、眼内に(ophthalmically)、肺に(pulmonary)、舌下に、直腸に、経膣的に、局所に、皮下に、静脈内に、筋肉内に、動脈内に、髄腔内に、関節内に、眼窩内に、心臓内に、皮内に、腹腔内に、経気管で、表皮下に、関節腔内に、嚢下に、くも膜下に、髄腔内に、または大槽内に投与される。
【0128】
本発明により提供される化合物は純粋な形態で、他の活性成分と組み合わせて、または本開示の薬学的組成物の形態で投与されることができる。いくつかの実施形態において、本発明により提供される化合物は必要とする対象に当技術分野で公知の1種または複数の抗がんまたは抗炎症剤と組み合わせて同時にまたは連続して投与されることができる。かかる組合せの個々の化合物は別々または合わせた医薬組成物として連続してまたは同時に投与され得る。好ましくは、個々の化合物は合わせた医薬組成物として同時に投与される。公知の治療剤の適当な薬量は当業者により容易に理解される。
【0129】
いくつかの実施形態において、投与は1日一回、1日二回、1日三回、または2日毎に一回、3日毎に一回、4日毎に一回、5日毎に一回、6日毎に一回、1週に一回行われる。
【0130】
いくつかの実施形態において、本発明により提供される1種または複数の化合物、その薬学的に許容される塩または医薬組成物は経口で投与される。経口投与の場合、所望の目的を達成するいずれの薬量も適当である。いくつかの実施形態において、適切な1日投薬量は約0.001~100mg、好ましくは0.1mg~5g、より好ましくは5mg~1g、より好ましくは10mg~500mgであり、投与は1日一回、1日二回、1日三回、毎日、または1週に3~5日行われる。いくつかの実施形態において、本発明により提供される1種または複数の化合物、その薬学的に許容される塩または医薬組成物の薬量は1日当たり約0.0001mg、好ましくは、0.001mg、0.01mg、0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、0.6mg、0.7mg、0.8mg、0.9mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mgの範囲である。
【0131】
化合物の使用
一定の実施形態において、本開示は、JAK1関連疾患を治療するための医薬の製造における、本開示の化合物、その薬学的に許容される塩、または医薬組成物の使用を提供する。一定の実施形態において、JAK1関連疾患はがんを含む。
【0132】
本開示における化合物および医薬組成物は哺乳類、殊にヒトにおいてJAK1関連疾患のいずれかの発病または進行(発現または活性)の予防または治療に使用されることができる。
【0133】
かかる状況において、本開示はまた、単独または他の成分(例えば第2の活性成分、例えば抗炎症または抗がん剤)と組み合わせた本開示の化合物もしくは医薬組成物で治療するのに適した患者をスクリーニングする方法も提供する。方法は患者由来の組織試料を並べ、患者におけるJAK1の蓄積を検出することを含む。
【実施例
【0134】
以下は本開示の一般的な方法をさらに説明する。本開示の化合物は当技術分野で公知の方法により製造され得る。以下は好ましい本開示の化合物の詳細な製造方法を例証する。しかしながら、以下はいかなる意味でも本開示の化合物の製造方法を限定するものではない。
【0135】
合成実施例
その薬学的に許容される塩を含めて本発明により提供される化合物の合成は実施例中の合成スキームに例示される。本発明により提供される化合物はいずれかの公知の有機合成技術を用いて調製されることができ、数多くの可能な合成経路のいずれかに従って合成されることができ、したがってこれらのスキームは実例となるだけであって、本発明により提供される化合物を調製するのに使用されることができる他の可能な方法を制限することが意味されない。加えて、スキーム中のステップはより良好な説明のためのものであり、適宜変更されることができる。実施例中の化合物の実施形態は研究および潜在的に規制当局への提出の目的で合成された。
【0136】
本開示の化合物を調製するための反応は有機合成の当業者により容易に選択されることができる適切な溶媒中で行われることができる。適切な溶媒は反応が行われる温度、例えば溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度までの範囲であることができる温度で出発材料(反応物質)、中間体、または生成物と実質的に非反応性であることができる。所与の反応は1種の溶媒または1種より多くの溶媒の混合物中で行われることができる。個々の反応ステップに応じて、個々の反応ステップのための適切な溶媒は熟練者により選択されることができる。
【0137】
本開示の化合物の調製は様々な化学基の保護および脱保護を含むことができる。保護および脱保護の必要性、ならびに適当な保護基の選択は当業者により容易に決定されることができる。保護基の化学は、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるT. W. Greene and P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed., Wiley & Sons, Inc., New York (1999)に見出されることができる。
【0138】
反応は当技術分野で公知のいずれかの適切な方法に従ってモニターされることができる。例えば、生成物の形成は分光学的手段、例えば核磁気共鳴分光学(例えばHまたは13C)、赤外線分光学、分光測光法(例えばUV-可視)、質量分析法により、またはクロマトグラフ法、例えば高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、液体クロマトグラフィー-質量分析(LCMS)、もしくは薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニターされることができる。化合物は当業者により様々な方法、例えば高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる“Preparative LC-MS Purification: Improved Compound Specific Method Optimization” Karl F. Blom, Brian Glass, Richard Sparks, Andrew P. Combs J. Combi. Chem. 2004, 6(6), 874~883)、および順相シリカクロマトグラフィーによって精製されることができる。
【0139】
実施例中の化合物の構造は核磁気共鳴(NMR)または/および液体クロマトグラフィー-質量分析法(LC-MS)により特徴付けられる。NMRの化学シフト(δ)は10-6(ppm)の単位で表される。H-NMRスペクトルはジメチルスルホキシド-d6(DMSO-d6)またはCDClまたはCDODまたはDOまたはアセトン_dまたはCDCN(InnochemまたはSigma-AldrichまたはCambridge Isotope Lab., Inc.)中Bruker AVANCE NMR(300MHzまたは400MHz)分光計で内部標準としてテトラメチルシランを有するICON-NMR(TopSpinプログラムコントロールの下)を用いて記録される。
【0140】
MS測定は陽および陰イオンモードのエレクトロスプレー源を備えたShimadzu 2020質量分析計を用いて行われる。
高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)測定はShimadzu LC-20ADシステムまたはShimadzu LC-20ADXRシステムまたはShimadzu LC-30ADシステムでShim-pack XR-ODS C18カラム(3.0×50mm、2.2μm)、またはAscentis Express C18カラム(2.1×50mm、2.7μm)、またはAgilent Poroshell HPH-C18カラム(3.0×50mm、2.7μm)を用いて行われる。
【0141】
薄層クロマトグラフィーはSinopharm Chemical Reagent Beijing Co., Ltd.およびXinnuo Chemicalシリカゲルプレートを用いて実施される。薄層クロマトグラフィー(TLC)に使用されたシリカゲルプレートは175~225μmである。TLCにより生成物を分離し精製するのに使用されたシリカゲルプレートは1.0mmである。
【0142】
精製されたクロマトグラフィーカラムは担体としてシリカゲル(100~200、200~300または300~400メッシュ、Rushanshi Shangbang Xincailiao Co., Ltd.またはRushan Taiyang Desiccant Co., Ltd.等により生産)、またはフラッシュカラム(逆相C18カラム20~45μm、Agela Technologiesにより生産)をAgela Technologiesフラッシュシステムで使用する。カラムの大きさは化合物の量に従って調節される。
【0143】
本開示の公知の出発材料は当技術分野で公知の方法を用いるかもしくはそれに従って合成されることができ、またはAlfa Aesar、TCI、Sigma-Aldrich、Bepharm、Bide pharmatech、PharmaBlock、Enamine、InnochemおよびJW&Y PharmLab等から購入されることができる。
【0144】
他に規定されない限り、反応は全てアルゴンまたは窒素雰囲気下で行われる。アルゴンまたは窒素雰囲気は反応フラスコが約1Lの容量のアルゴンまたは窒素バルーンに接続されることを意味する。水素化は通常圧力下で行われる。他に規定されない限り、実施例での反応温度は周囲温度であり、これは10℃~30℃である。反応の進行はTLCまたは/およびLC-MSによりモニターされる。反応に使用された溶離剤系はジクロロメタン-メタノール系および石油エーテル-酢酸エチル系を含む。溶媒の容量比は化合物の異なる極性に従って調節される。
【0145】
化合物を精製するのに使用されるカラムクロマトグラフィーの溶離系およびTLCの溶離剤系はジクロロメタン-メタノール系および石油エーテル-酢酸エチル系を含む。溶媒の容量比は化合物の異なる極性に従って調節される。少量のアルカリ性または酸性の物質(0.1%~1%)、例えばギ酸、または酢酸、またはTFA、またはアンモニアが調節のために加えられることができる。
【0146】
本発明により提供される化合物の合成に使用される化学物質の略語が以下にリストされる:
【0147】
【表2-1】
【0148】
【表2-2】
【0149】
実施例1
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0150】
【化6】
【0151】
ステップ1. 3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1-トシル-1H-インドール
1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-7-ニトロ-3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール(20.00g、45.219mmol、1.00当量)および2,4-ジクロロ-5-フルオロピリミジン(9.81g、58.785mmol、1.30当量)の2-メチルテトラヒドロフラン(400.00mL)および水(4.0mL)中の溶液に、KCO(18.69g、135.205mmol、2.99当量)およびPd(dppf)Cl.CHCl(2.95g、3.618mmol、0.08当量)を加えた。15時間60℃窒素雰囲気下で撹拌した後、水(300mL)の添加により生成物を沈殿させた。沈殿した固体をろ過により集め、PE(1×40mL)で洗浄した。得られた固体を赤外光下で乾燥させて3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-7-ニトロ-1H-インドール(16g、79.19%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=447.1。1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 2.40 (3H, s), 7.50 (2H, d), 7.68(1H, t), 7.98 (3H, dd), 8.72-8.85 (2H, m), 9.03(1H, d).
ステップ2. 3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1H-インドール
3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1-(4-メチルベンゼンスルホニル)-7-ニトロ-1H-インドール(7.00g、15.666mmol、1.00当量)の1,4-ジオキサン(210.00mL)中の溶液に水(105mL)中のNaOH(6.27g、156.66mmol、10.0当量)を加えた。5時間60℃で撹拌した後、混合物を2M HClでpH6に酸性化した。沈殿した固体をろ過により集め、PE(1×30mL)で洗浄した。これにより3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1H-インドール(4.1g、89.43%)を暗黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=293.0。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 7.53 (1H, t), 8.13 - 8.40 (2H, m), 8.83 (1H, d), 8.98 (1H, d), 12.82 (1H, s).
ステップ3. 3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン
3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-7-ニトロ-1H-インドール(10.00g、34.171mmol、1.00当量)のTHF(400.00mL)中溶液に亜鉛粉末(17.9g、273.4mmol、8.0当量)を加えた。次いで水(100.00mL)中のNHCl(18.3g、341.7mmol、10.0当量)を混合物中に加えた。15時間室温で撹拌した後、得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをEA(3×20mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮して3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン(5g、55.71%)を赤みがかった褐色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=263.1。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 5.30 (2H, s), 6.48 (1H, dd), 6.96 (1H, t), 7.76 (1H, d), 8.27 (1H, t), 8.62 (1H, d), 11.84 (1H, s).
ステップ4. (2S)-2-ヒドロキシ-3-メトキシプロパノエート
MeOH(500mL)中の(2S)-オキシラン-2-カルボン酸メチル(20.00g、195.907mmol、1.00当量)および二トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム(18.95g、58.772mmol、0.30当量)の混合物を3日間50℃窒素雰囲気下で撹拌した。混合物を室温に放冷し、減圧下で濃縮した。残留物をDCM(350mL)に溶かし、1×300mLの水で洗浄した。水性層をCHCl/MeOH(10/1)(5×200mL)で抽出し、無水NaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、PE/EtOAc(1:1)で溶離して(2S)-2-ヒドロキシ-3-メトキシプロパン酸メチル(20.6g、78.39%)を無色の油状物として得た。
1H-NMR(300 MHz, DMSO-d6) δ 3.41 (3H, s), 3.63 - 3.78 (2H, m), 3.83 (3H, s), 4.33 (1H, t), 5.56 (1H, d).
ステップ5. (R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパノエート
(2S)-2-ヒドロキシ-3-メトキシプロパン酸メチル(8.00g、59.643mmol、1.00当量)および2,6-ルチジン(9.73mL、90.761mmol、1.4当量)のDCM(150.00mL)中撹拌した溶液に-78℃窒素雰囲気下でトリフルオロメタンスルホン酸トリフルオロメタンスルホニル(21.88g、77.536mmol、1.3当量)を滴下して加えた。得られた混合物を1時間室温窒素雰囲気下で撹拌した。上記混合物に10分かけて0℃で1-メチルピペラジン(12.55g、125.293mmol、2.10当量)を滴下して加えた。得られた混合物をさらに15時間室温で撹拌した。反応を室温で水(150mL)の添加によりクエンチし、CHCl(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層を無水MgSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(10:1~0:1)で溶離して(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル(12g、93.03%)を褐色の油状物として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=217.3。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.35 (3H, s), 2.57 (4H, s), 2.73 (4H, t), 3.37 (3H, s), 3.40 - 3.52 (1H, m), 3.65 (1H, dd), 3.69 - 3.79 (4H, m).
ステップ6. (R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸
(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸メチル(10.00g、46.236mmol、1.00当量)のconc.HCl(37.97mL、1041.355mmol、10.00当量、37%)中溶液を30時間70℃窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をiPrOH(150mL)に溶かした。得られた混合物を真空下で濃縮し、再度溶かし、3回濃縮して(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸塩酸塩(11g、99.66%)を得、直接次のステップに使用した。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=203.1。
【0152】
ステップ7. (R)-N-(3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド
DCM(280.00mL)およびTHF(140.00mL)中の(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパン酸二塩酸塩(17.29g、62.816mmol、1.50当量)、HATU(16.72g、43.972mmol、1.05当量)および3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-アミン(11.00g、41.878mmol、1.00当量)の撹拌した混合物に0℃窒素雰囲気下でTEA(23.28mL、230.097mmol、4.00当量)を滴下して加えた。得られた混合物を2時間25℃窒素雰囲気下で撹拌した。反応をsat.NaHCO(水溶液)(150mL)の添加によりクエンチした。得られた混合物をCHCl(2×150mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、CHCl/MeOH(15:1)で溶離した。粗製生成物をヘキサン/EtOAc(3:1)により洗浄して(2R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(7.8g、41.68%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=447.3。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.25 (3H, s), 2.46 (3H, s), 2.70-2.90 (8H, m), 3.54 - 3.91 (3H, m), 7.25 (1H, t), 7.57 (1H, dd), 8.28 - 8.52 (2H, m), 8.73 (1H, d), 9.99 (1H, s), 11.81 (1H, s).
ステップ8 (R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例1)
40mLのバイアルに、(2R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(200.00mg、0.448mmol、1.00当量)、ならびに1,4-ジオキサン(15.00mL)中の(5-アミノピリジン-2-イル)メタノール(83.33mg、0.671mmol、1.50当量)、BrettPhos Pd G(40.57mg、0.045mmol、0.1当量)、KCO(123.70mg、0.895mmol、2当量)を室温で加えた。次いで混合物を70℃窒素雰囲気下で3時間撹拌した。得られた混合物を水(20mL)で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×10mL)で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗製の生成物をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:25%B~40%B、7分;254/220nm;Rt:5.77分)で精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(30mg、12.54%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=535.4。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.14 (3H, s), 2.36 (4H, s), 2.63 (2H, s), 2.73 (2H, s), 3.30 (3H, s), 3.49-3.86 (1H, t), 3.67 (1H, dd), 3.79 (1H, dd), 4.52 (2H, d), 5.28 (1H, t), 7.13 (1H, t), 7.39 (1H, d), 7.53 (1H, d), 8.22 (2H, dd), 8.49 (2H, dd), 8.78 (1H, d), 9.65 (1H, s), 9.86 (1,H s), 11.47 (1H, s).
表中の以下の実施例は実施例1に述べた類似の方法により合成される。
【0153】
【表3-1】
【0154】
【表3-2】
【0155】
【表3-3】
【0156】
【表3-4】
【0157】
【表3-5】
【0158】
【表3-6】
【0159】
【表3-7】
【0160】
実施例3
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((6-(ヒドロキシメチル)-5-メチルピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0161】
【化7】
【0162】
ステップ1. 5-アミノ-3-メチルピコリン酸塩メチル
6-ブロモ-5-メチルピリジン-3-アミン(2000.00mg、10.693mmol、1.00当量)およびPd(dppf)Cl(1564.80mg、2.139mmol、0.20当量)のMeOH(20.00mL)中混合物を一晩100℃20atmの一酸化炭素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 20:1)により精製して5-アミノ-3-メチルピリジン-2-カルボン酸メチル(280mg、15.76%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=167.3。
【0163】
ステップ2. (5-アミノ-3-メチルピリジン-2-イル)メタノール
5-アミノ-3-メチルピリジン-2-カルボン酸メチル(200.00mg、1.204mmol、1.00当量)およびLiAlH(137.03mg、3.610mmol、3.00当量)のTHF(20.00mL)中混合物を一晩室温の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをTHF(2×5mL)で洗浄した。ろ液を真空下で濃縮した。粗製の生成物をさらに精製することなく次のステップに直接使用した。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=139.3。
【0164】
ステップ3. (R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(ヒドロキシメチル)-5-メチルピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例3)
ジオキサン(20.00mL)中(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(200.00mg、0.448mmol、1.00当量)および(5-アミノ-3-メチルピリジン-2-イル)メタノール(92.75mg、0.671mmol、1.50当量)の撹拌した混合物にBrettPhos Pd G3(81.13mg、0.090mmol、0.20当量)およびCsCO(437.43mg、1.343mmol、3.00当量)を少しずつ70℃窒素雰囲気下で加えた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗製の生成物(50mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:18B~38B、7分;254;220nm;RT1:6.80)で精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(ヒドロキシメチル)-5-メチルピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(15mg、6.11%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=549.4。1H-NMR (400 Hz, メタノール-d4) δ 2.33 (3H, s), 2.43 (3H, s), 2.60 (4H, s), 2.83 (2H, s), 2.92 (2H, s), 3.43 (3H, s), 3.51 (1H, t), 3.85 (1H, dd), 3.94 (1H, dd), 4.72 (2H, s), 7.16 - 7.23 (2H, m), 8.17 (1H, d), 8.20 - 8.24 (1H, m), 8.29 (1H, d), 8.62 (2H, dd).
実施例5
(R)-N-(3-[5-フルオロ-2-[(6-プロパンアミドピリジン-3-イル)アミノ]ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0165】
【化8】
【0166】
ステップ1. N-(5-ニトロピリジン-2-イル)プロパンアミド
40mLのバイアルに、5-ニトロピリジン-2-アミン(800.00mg、5.751mmol、1.00当量)、および塩化プロパノイル(691.67mg、7.476mmol、1.30当量)、TEA(1454.78mg、14.377mmol、2.5当量)、DCM(20.00mL)を室温で加えた。次いで混合物を0℃の窒素雰囲気下で3時間撹拌した。得られた混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×10mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮してN-(5-ニトロピリジン-2-イル)プロパンアミド(145mg、12.92%)を淡黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=196.0。
【0167】
ステップ2. N-(5-アミノピリジン-2-イル)プロパンアミド
100mLのバイアルにN-(5-ニトロピリジン-2-イル)プロパンアミド(100.00mg、0.512mmol、1.00当量)、およびPd/C(5.45mg、0.051mmol、0.10当量)、MeOH(15.00mL)を室温で加えた。次いで混合物を0℃のH雰囲気下で3時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをDCM(3×20mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮してN-(5-アミノピリジン-2-イル)プロパンアミド(35mg、41.35%)を淡黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=166.2。
【0168】
ステップ3. (R)-N-(3-[5-フルオロ-2-[(6-プロパンアミドピリジン-3-イル)アミノ]ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例5)
40mLのバイアルに(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(180.00mg、0.403mmol、1.00当量)、およびN-(5-アミノピリジン-2-イル)プロパンアミド(99.80mg、0.604mmol、1.50当量)、BrettPhos Pd G(36.51mg、0.040mmol、0.1当量)、KCO(111.33mg、0.806mmol、2当量)、ジオキサン(20.00mL)を室温で加えた。次いで混合物を70℃の窒素雰囲気下で3時間撹拌した。得られた混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×10mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗製の生成物をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%NH・HO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:25%B~40%B、7分;254/220nm;Rt:5.77分)で精製して(R)-N-(3-[5-フルオロ-2-[(6-プロパンアミドピリジン-3-イル)アミノ]ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(30mg、12.94%)を淡黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=576.4。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.07 (3H, t), 2.13 (3H, s), 2.37 (6H, dd), 2.54 - 2.66 (2H, m), 2.73 (2H, q), 3.32 (3H, s), 3.49 (1H, t), 3.66 (1H, dd), 3.79 (1H, dd), 7.11 (1H, t), 7.52 (1H, d), 7.97 - 8.17 (2H, m), 8.22 (1H,d), 8.45 (2,H dd), 8.66 (1H, d), 9.54 (1H, s), 9.85 (1H, s), 10.27 (1H, s), 11.47 (1H, s).
実施例6
2-[4-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピラゾール-1-イル]安息香酸メチルの調製
【0169】
【化9】
【0170】
ステップ1. 2-(4-ニトロピラゾール-1-イル)安息香酸メチル
ジオキサン(30.00mL)中の2-ブロモ安息香酸メチル(7.61g、35.374mmol、2.00当量)および4-ニトロピラゾール(2.00g、17.687mmol、1.00当量)の混合物にCsCO(17288.54mg、53.062mmol、3.00当量)、(1S,2S)-N1,N2-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(1509.56mg、10.612mmol、0.60当量)およびCuI(1347.41mg、7.075mmol、0.40当量)を加えた。一晩110℃の窒素雰囲気下で撹拌した後、得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをDCM(3×20mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(3:1)で溶離して2-(4-ニトロピラゾール-1-イル)安息香酸メチル(410mg、9.38%)を白色の固体として得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3-d1) δ 3.79 (3H, s), 7.50 - 7.53 (1H, m), 7.60 - 7.64 (1H, m), 7.67 - 7.73 (1H, m), 8.00 - 8.02 (1H, m), 8.26 (1H, s), 8.41 - 8.47 (1H, m).
ステップ2. 2-(4-アミノピラゾール-1-イル)安息香酸メチル
50mLの丸底フラスコにMeOH(25.00mL)中の2-(4-ニトロピラゾール-1-イル)安息香酸メチル(410.00mg、1.659mmol、1.00当量)およびPd/C(353.00mg、3.317mmol、2.00当量)を室温で加えた。得られた混合物を2時間室温の水素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(3×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。この結果、2-(4-アミノピラゾール-1-イル)安息香酸メチル(360mg、79.3%)を黒色の油状物として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=218.2。1H NMR (400 MHz, CDCl3-d) δ 3.79 (3H, s), 7.32 - 7.49 (4H, m), 7.53 - 7.57 (1H, m), 7.73 - 7.76 (1H, m).
ステップ3. 2-[4-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピラゾール-1-イル]安息香酸メチル(実施例6)
ジオキサン(10.00mL)中の2-(4-アミノピラゾール-1-イル)安息香酸メチル(94.78mg、0.436mmol、1.5当量)および(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(130.00mg、0.291mmol、1.00当量)の混合物にBrettPhos Pd G(26.37mg、0.029mmol、0.10当量)、BrettPhos(15.61mg、0.029mmol、0.10当量)およびCsCO(284.33mg、0.873mmol、3.00当量)を加えた。2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した後、得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗製の生成物(50mg)をPrep-HPLCにより次の条件(カラム:CHIRALPAK IC-3、4.6×50mm、3μm;移動相A:(Hex:DCM=3:1)(0.1%DEA):EtOH=50:50、流量:1.5mL/分)で精製して2-[4-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピラゾール-1-イル]安息香酸メチル(実施例6)(7mg、3.80%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=628.3。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.17 (3H, s), 2.38 (4H, s), 2.65 (4H, s), 2.75 (3H, s), 3.49 - 3.54 (1H, m), 3.67 (3H, s), 3.71 (1H, d), 3.78 - 3.84 (1H, m), 7.13 (1H, s), 7.42 - 7.58 (2H, m), 7.68 (3H, d), 7.83 (1H, s), 8.23 (1H, s), 8.39 (1H, s), 8.46 (1H, d), 8.47 - 8.48 (1H, m), 9.61 (1H, s), 9.87 (1H, s), 11.46 (1H, s).
実施例8
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((6-(2-ヒドロキシアセトアミド)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0171】
【化10】
【0172】
ステップ1. 酢酸2-((5-ニトロピリジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチルの調製
DCM(20.00mL)中の5-ニトロピリジン-2-アミン(500.00mg、3.594mmol、1.00当量)およびTEA(909.24mg、8.985mmol、2.50当量)の撹拌した混合物に酢酸2-クロロ-2-オキソエチル(736.07mg、5.391mmol、1.50当量)を室温の窒素雰囲気下で滴下して加えた。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをDCM(3×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH=10:1)により精製して酢酸[(5-ニトロピリジン-2-イル)カルバモイル]メチル(300mg、34.90%)を黄褐色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=240.3。
【0173】
ステップ2. 酢酸2-((5-アミノピリジン-2-イル)アミノ)-2-オキソエチルの調製
MeOH(20.00mL)中の酢酸[(5-ニトロピリジン-2-イル)カルバモイル]メチル(300.00mg、1.254mmol、1.00当量)およびPd/C(26.70mg、0.251mmol、0.20当量)の撹拌した混合物に室温でH雰囲気下で。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(3×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮して酢酸[(5-アミノピリジン-2-イル)カルバモイル]メチル(250mg、95.28%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=210.3。
【0174】
ステップ3. N-(5-アミノピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシアセトアミドの調製
THF(18.00mL)および水(6.00mL)中の酢酸[(5-アミノピリジン-2-イル)カルバモイル]メチル(250.00mg、1.195mmol、1.00当量)およびLiOH.HO(250.73mg、5.975mmol、5.00当量)の撹拌した混合物に少しずつ室温で窒素雰囲気下に。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをDCM(3×20mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH=10:1)により精製してN-(5-アミノピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシアセトアミド(100mg、35.13%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=168.1。
【0175】
ステップ4. (R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((5-ヒドロキシ-6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例8)の調製
ジオキサン(15.00mL)中の(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-ヒドロキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(150.00mg、0.347mmol、1.00当量)およびN-(5-アミノピリジン-2-イル)-2-ヒドロキシアセトアミド(86.89mg、0.520mmol、1.50当量)の撹拌した混合物にBrettPhos Pd G(31.41mg、0.035mmol、0.10当量)、KCO(95.78mg、0.693mmol、2.00当量)およびBrettPhos(37.20mg、0.069mmol、0.20当量)を70℃の窒素雰囲気下で少しずつ加えた。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをDCM(3×20mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH=10:1)により精製して粗製の生成物(100mg)を得、これを次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%NH・HO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:31%B~45%B、7分;254/220nm;Rt:6.30分)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(2-ヒドロキシアセトアミド)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(25.1mg、12.45%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=578.4。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.16 (3H, s), 2.37 (4H, s), 2.64 (2H, d), 2.75 (2H, d), 3.30 (3H, s), 3.51 (1H, t), 3.69 (1H, dd), 3.81 (1H, dd), 4.05 (2H, d), 5.75 (1H, t), 7.14 (1H, t), 7.54 (1H, d), 8.07 (1H, d), 8.14 - 8.30 (2H, m), 8.40 - 8.57 (2H, m), 8.64 - 8.76 (1H, m), 9.56 (1H, s), 9.64 (1H, s), 9.87 (1H, s), 11.49 (1H, s).
実施例9/29
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((6-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例9異性体2および実施例29異性体1)の調製
【0176】
【化11】
【0177】
ステップ1. 1-(5-アミノピリジン-2-イル)エタン-1-オン
THF(35.00mL)中の5-アミノピリジン-2-カルボニトリル(800mg、6.716mmol、1.00当量)の撹拌した溶液にブロモ(メチル)マグネシウム(7.83mL、23.490mmol、3.50当量)を0℃の窒素雰囲気下で滴下して加えた。得られた混合物を2時間0℃の窒素雰囲気下で撹拌した。反応を2M HCl(水溶液)により0℃でクエンチした。得られた混合物を4時間室温で撹拌した。混合物を飽和NaHCO(水溶液)でpH8に塩基性化した。得られた混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×50mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(1:1)で溶離して1-(5-アミノピリジン-2-イル)エタノン(550mg、60.15%)を淡褐色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=137.1。1H-NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 2.66 (3H, s), 4.15 (2H, d), 7.01 (1H, dd), 7.93 (1H, d), 8.08 (1H, d).
ステップ2. (R)-N-(3-(2-((6-アセチルピリジン-3-イル)アミノ)-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド
(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(220.00mg、0.492mmol、1.00当量)、BrettPhos Pd G3(44.62mg、0.049mmol、0.10当量)、BrettPhos(26.42mg、0.049mmol、0.10当量)、KCO(136.07mg、0.985mmol、2.00当量)および1-(5-アミノピリジン-2-イル)エタノン(100.54mg、0.738mmol、1.50当量)の1,4-ジオキサン(10.00mL)中混合物を3時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをCHCl(2×5mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 8:1)により精製して(R)-N-(3-[2-[(6-アセチルピリジン-3-イル)アミノ]-5-フルオロピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(200mg、74.33%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=547.5。
【0178】
ステップ3. (R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((6-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド
MeOH(10.00mL)中の(R)-N-(3-[2-[(6-アセチルピリジン-3-イル)アミノ]-5-フルオロピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(200.00mg、0.366mmol、1.00当量)の撹拌した溶液にNaBH(41.53mg、1.098mmol、3.00当量)を0℃の窒素雰囲気下で少しずつ加えた。得られた混合物を1時間0℃の窒素雰囲気下で撹拌した。反応を水/氷の添加によりクエンチした。得られた混合物をCHCl(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層を無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗製の生成物(180mg)を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:23B~43B、7分)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(120mg、59.78%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=549.0。
【0179】
ステップ4. (R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((6-(1-ヒドロキシエチル)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例29/9)
粗製の生成物(100mg)を次の条件(カラム:CHIRALPAK IC、2×25cm、5μm;移動相A:Hex:DCM=1:1(10mM NH3-MEOH)--HPLC、移動相B:IPA--HPLC;流量:20mL/分;勾配:20B~20B、19分;254/220nm;RT1:14.362;RT2:16.774;注入容量:0.3mL;実行の回数:10)のChiral-Prep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([6-[(1R)-1-ヒドロキシエチル]ピリジン-3-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例29)(異性体1、40mg、40.00%)を白色の固体として得た。LCMS m/z(ESI)、[M+H]=549.4。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.38 (3H, d), 2.15 (3H, s), 2.36 (4H, s), 2.63 (2H, s), 2.68 - 2.84 (2H, m), 3.30 (3H, s), 3.51 (1H, t), 3.68 (1H, dd), 3.80 (1H, dd), 4.60 - 4.78 (1H, m), 5.23 (1H, d), 7.14 (1H, t), 7.44 (1H, d), 7.54 (1H, d), 8.09 - 8.29 (2H, m), 8.45 (1H, d), 8.53 (1H, d), 8.78 (1H, s), 9.63 (1H, s), 9.86 (1H, s), 11.48 (1H, s).
(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([6-[1-ヒドロキシエチル]ピリジン-3-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例9)(異性体2、45mg、44.55%)を白色の固体として得た、LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=549.4。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.38 (3H, d), 2.15 (3H, s), 2.36 (4H, s), 2.63 (2H, s), 2.68 - 2.84 (2H, m), 3.30 (3H, s), 3.51 (1H, t), 3.68 (1H, dd), 3.80 (1H, dd), 4.60 - 4.78 (1H, m), 5.23 (1H, d), 7.14 (1H, t), 7.44 (1H, d), 7.54 (1H, d), 8.09 - 8.29 (2H, m), 8.45 (1H, d), 8.53 (1H, d), 8.78 (1H, s), 9.63 (1H, s), 9.86 (1H, s), 11.48 (1H, s).
実施例13
(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-(1H-インダゾール-6-イルアミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0180】
【化12】
【0181】
ステップ1. 6-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]インダゾール-1-カルボン酸Tert-ブチル
(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(150.00mg、0.336mmol、1.00当量)および6-アミノインダゾール-1-カルボン酸tert-ブチル(117.44mg、0.503mmol、1.50当量)、BrettPhos Pd G3(30.43mg、0.034mmol、0.10当量)、BrettPhos(18.02mg、0.034mmol、0.10当量)、CsCO(218.72mg、0.671mmol、2.00当量)のジオキサン(5.00mL)中溶液を2時間100℃の窒素雰囲気下で撹拌した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、CHCl/MeOH(12:1)で溶離して6-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]インダゾール-1-カルボン酸tert-ブチル(120mg、55.54%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=644.6。
【0182】
ステップ2. (R)-N-[3-[5-フルオロ-2-(1H-インダゾール-6-イルアミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例13)
HCl(気体)/1,4-ジオキサン(10mL)中の6-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]インダゾール-1-カルボン酸tert-ブチル(110.00mg、0.171mmol、1.00当量)の撹拌した溶液に室温の窒素雰囲気下で。得られた混合物を真空下で濃縮した。粗製の生成物を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、19×250mm、5μm;移動相A:水(0.05%NHO)、移動相B:ACN;流量:25mL/分;勾配:31B~40B、10分;254,220nm;RT1:9.87)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-(1H-インダゾール-6-イルアミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(30mg、32.30%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=544.3。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.15 (3H, s), 2.36 (4H, s), 2.64 (2H, d), 2.75 (2H, q), 3.30 (3H, s), 3.51 (1H, t), 3.68 (1H, dd), 3.80 (1H, dd), 7.13 (1H, t), 7.37 (1H, dd), 7.54 (1H, dd), 7.64 (1H, d), 7.94 (1H, d), 8.25 (2H, dd), 8.49 (1H, d), 8.64 (1H, m), 9.67 (1H, s), 9.87 (1H, s), 11.47 (1H, m), 12.78 (1H, s).
実施例14
2-([5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-イル]オキシ)酢酸メチルの調製
【0183】
【化13】
【0184】
ステップ1. 2-[(5-ニトロピリジン-2-イル)オキシ]酢酸メチル
DMF(20.00mL)中の2-フルオロ-5-ニトロピリジン(300.00mg、2.11mmol、1.00当量)および2-ヒドロキシ酢酸メチル(380.4mg、4.22mmol、2.00当量)の撹拌した溶液にKCO(583.6mg、4.22mmol、2.00当量)を室温の空気雰囲気下で少しずつ加えた。得られた混合物を1時間室温のN雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×30mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE/EtOAc 3:1)により精製して2-[(5-ニトロピリジン-2-イル)オキシ]酢酸メチル(200mg、26.79%)を淡褐色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=213.2。
【0185】
ステップ2. 2-[(5-アミノピリジン-2-イル)オキシ]酢酸メチル
2-[(5-ニトロピリジン-2-イル)オキシ]酢酸メチル(200.00mg、1当量)およびPd/C(30.00mg)のMeOH(20.00mL)中混合物を2時間室温の水素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。この結果2-[(5-アミノピリジン-2-イル)オキシ]酢酸メチル(150mg、87.34%)を淡黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=183.3。
【0186】
ステップ3. 2-([5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-イル]オキシ)酢酸メチル(実施例14)
ジオキサン(20.00mL)中の(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(140.00mg、0.313mmol、1.00当量)および2-[(5-アミノピリジン-2-イル)オキシ]酢酸メチル(114.14mg、0.627mmol、2当量)の撹拌した混合物にBrettPhos Pd G3(42.60mg、0.047mmol、0.15当量)およびBrettPhos(25.22mg、0.047mmol、0.15当量)、CsCO(21.87mg、0.067mmol、3.00当量)を室温の空気雰囲気下で加えた。得られた混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗製の生成物(30mg)を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05% NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:38B~48B、7分;254;220nm;RT1:5.93)のPrep-HPLCにより精製して2-([5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-イル]オキシ)酢酸メチル(21mg、11.31%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=593.3。1H-NMR (300 MHz, MeOD-d4) δ 2.34 (3H, s), 2.62 (4H, s), 2.84 (2H, s), 2.93 (2H, s), 3.43 (3H, s), 3.52 (1H, t), 3.78 (3H, s), 3.85 (1H, d), 3.94 (1H, d), 4.93 (2H, s), 6.91 (1H, d), 7.17 (2H, m), 8.07 (1H, d), 8.17 (1H, d), 8.23 (1H, d), 8.38 (1H, m), 8.53 (1H, d).
実施例15
(R)-3-(4-((5-フルオロ-4-(7-(3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド)-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)プロパン酸メチルの調製
【0187】
【化14】
【0188】
ステップ1. メチル-3-(4-ニトロピリジン-2-イル)アクリル酸メチル
DCM(10.00mL)中の4-ニトロピリジン-2-カルバルデヒド(0.50g、3.287mmol、1.00当量)および2-(トリフェニル-ラムダ5-ホスファニリデン)酢酸メチル(1.65g、4.935mmol、1.50当量)の撹拌した溶液に室温の窒素雰囲気下で。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 15:1)により精製して(3-(4-ニトロピリジン-2-イル)プロプ-2-エン酸メチル(450mg、65.76%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=209.2。
【0189】
ステップ2. 3-(4-アミノピリジン-2-イル)プロパン酸メチルの調製
3-(4-ニトロピリジン-2-イル)プロプ-2-エン酸メチル(200.00mg、0.961mmol、1.00当量) および Pd/C(20.45mg、0.192mmol、0.20当量)のMeOH(15.00mL)中混合物を室温のH下で1時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(3×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 10:1)により精製して3-(4-アミノピリジン-2-イル)プロパン酸メチル(100mg、57.76%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=181.2。
【0190】
ステップ3. (R)-3-(4-((5-フルオロ-4-(7-(3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド)-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)プロパン酸メチル(実施例15)
(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(130.00mg、0.291mmol、1.00当量)および3-(4-アミノピリジン-2-イル)プロパン酸メチル(78.63mg、0.436mmol、1.50当量)のジオキサン(5.00mL)中混合物にBrettPhos Pd G3(26.37mg、0.029mmol、0.10当量)、BrettPhos(31.23mg、0.058mmol、0.20当量)およびKCO(80.40mg、0.582mmol、2.00当量)をrtの窒素雰囲気下で加えた。得られた混合物を70℃2時間N下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをDCM(3×20mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 10:1)により精製して粗製の生成物(100mg)を得、これを次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05% NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:31%B~45%B、7分;254;220nm;Rt:6.30分)のPrep-HPLCにより精製して3-[4-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-イル]プロパン酸メチル(40.8mg、23.13%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=591.4。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) 2.16 (3H, s), 2.38 (4H, s), 2.65 (2H, d), 2.76 (4H, t), 2.96 (2H, t), 3.32 (3H, d), 3.53 (1H, d), 3.61(3H, s), 3.69 (1H, dd), 3.81 (1H, dd), 7.20 (1H, t), 7.57 (2H, dd), 7.79 (1H, d), 8.23 - 8.31 (2H, m), 8.53 - 8.63 (2H, m), 9.89 (1H, s), 9.98 (1H, s), 11.55 (1H, s).
実施例16
(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(2-ヒドロキシエトキシ)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0191】
【化15】
【0192】
ステップ1. 2-[(5-ニトロピリジン-2-イル)オキシ]エタノール
2-フルオロ-5-ニトロピリジン(1.50g、10.557mmol、1.00当量)、エチレングリコール(0.98g、15.835mmol、1.50当量)およびNaH(0.63g、15.730mmol、1.49当量、60%)のDMF(20.00mL、258.435mmol、24.48当量)中混合物を2時間0℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をHO(100mL)で希釈し、EA(3×100mL)で抽出し、合わせた有機層をブライン(2×20mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE/EtOAc 1:1)により精製して2-[(5-ニトロピリジン-2-イル)オキシ]エタノール(1.78g、91.56%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=185.2。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.75 (2H, q), 4.31 - 4.51 (2H, m), 4.92 (1H, t), 7.04 (1H, dd), 8.48 (1H, dd), 9.08 (1H, d).
ステップ2. 2-[(5-アミノピリジン-2-イル)オキシ]エタノール
2-[(5-ニトロピリジン-2-イル)オキシ]エタノール(200.00mg、1.086mmol、1.00当量)、Zn(710.38mg、10.861mmol、10.00当量)およびNHCl(580.95mg、10.861mmol、10.00当量)のTHF(4.00mL)およびHO(2.00mL)中混合物を4時間室温の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(5mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。この結果2-[(5-アミノピリジン-2-イル)オキシ]エタノール(150mg、89.59%)を黄色の油状物として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=155.2。
【0193】
ステップ3. (R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(2-ヒドロキシエトキシ)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例16)
(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(150.00mg、0.336mmol、1.00当量)、2-[(5-アミノピリジン-2-イル)オキシ]エタノール(62.09mg、0.403mmol、1.20当量)、BrettPhos Pd G3(60.85mg、0.067mmol、0.20当量)、BrettPhos(36.03mg、0.067mmol、0.20当量)およびKCO(115.97mg、0.839mmol、2.50当量)のジオキサン(3.00mL)中混合物を一晩80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 10:1)により精製した。粗製の生成物(200mg)を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:21B~41B、7分;254;220nm;RT1:6.98)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(2-ヒドロキシエトキシ)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(110mg、58.04%)を白色の固体として得た。粗製の生成物((R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(2-ヒドロキシエトキシ)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(110.00mg))を次の条件(カラム:CHIRAL ART Cellulose-SB、4.6×100mm、3μm;移動相A:Hex(0.1%DEA):EtOH=50:50、移動相B;流量:1mL/分;勾配:0B~0B)のPrep-CHIRAL-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(2-ヒドロキシエトキシ)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)プロパンアミド(53.07mg、48.25%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=565.4。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.16 (3H, s), 2.37 (4H, s), 2.54 - 2.66 (2H, m), 2.75 (2H, q), 3.32 (3H, s), 3.51 (1H, t), 3.65 - 3.90 (4H, m), 4.26 (2H, dd), 4.83 (1H, t), 6.82 (1H, d), 7.12 (1H, t), 7.53 (1H, dd), 8.05 (1H, dd), 8.17 - 8.31 (1H, m), 8.33 - 8.55 (3H, m), 9.40 (1H, s), 9.86 (1H, s), 11.47 (1H, s).
実施例17
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((3-メチル-1H-インダゾール-6-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0194】
【化16】
【0195】
ステップ1. 3-メチル-6-ニトロ-1H-インダゾール-1-カルボン酸tert-ブチル
3-メチル-6-ニトロ-1H-インダゾール(500.00mg、2.822mmol、1.00当量)およびBocO(923.92mg、4.233mmol、1.50当量)、DIEA(729.52mg、5.645mmol、2.00当量)のDCM(10.00mL)中溶液を一晩室温の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を水(10mL)でクエンチし、CHCl(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×3)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(5:1)で溶離して3-メチル-6-ニトロインダゾール-1-カルボン酸tert-ブチル(550mg、70.28%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=278.3。
【0196】
ステップ2. 6-アミノ-3-メチルインダゾール-1-カルボン酸tert-ブチル
3-メチル-6-ニトロインダゾール-1-カルボン酸tert-ブチル(540.00mg、1.947mmol、1.00当量)およびPd/C(20.73mg、0.195mmol、0.10当量)のMeOH(10.00mL)中溶液を3時間室温の水素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過しし、ろ過ケーキをMeOH(10mL×3)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮して6-アミノ-3-メチルインダゾール-1-カルボン酸tert-ブチル(400mg、83.05%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=248.1。
【0197】
ステップ3. 6-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]-3-メチルインダゾール-1-カルボン酸tert-ブチル
6-アミノ-3-メチルインダゾール-1-カルボン酸tert-ブチル(124.50mg、0.503mmol、1.50当量)および(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(150.00mg、0.336mmol、1.00当量)、BrettPhos Pd G3(30.43mg、0.034mmol、0.10当量)、KCO(92.77mg、0.671mmol、2.00当量)のジオキサン(4.00mL)中溶液を2時間70℃の窒素雰囲気下で撹拌した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、CHCl/MeOH(7:1)で溶離して6-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]-3-メチルインダゾール-1-カルボン酸tert-ブチル(140mg、63.42%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=658.6。
【0198】
ステップ4. (R)-N-(3-[5-フルオロ-2-[(3-メチル-1H-インダゾール-6-イル)アミノ]ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例17)
6-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]-3-メチルインダゾール-1-カルボン酸tert-ブチル(140.00mg、0.213mmol、1.00当量)およびHCl(気体)の1,4-ジオキサン(2.00mL)/DCM(2.00mL)中溶液を3時間室温の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗製の生成物を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05% NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:30B~50B、7分;254;220nm;RT1:6.63)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-(3-[5-フルオロ-2-[(3-メチル-1H-インダゾール-6-イル)アミノ]ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)プロパンアミド(90mg、75.83%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=558.3。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.14 (3H, s), 2.35 (4H, s), 2.44 (3H, s), 2.62 (2H, m), 2.74 (2H, m), 3.28 (3H, s), 3.50 (1H, t), 3.67 (1H, dd), 3.79 (1H, dd), 7.12 (1H, t), 7.32 (1H, dd), 7.54 (2H, m), 8.14 (1H, d), 8.23 (1H, m), 8.47 (1H, d), 8.62 (1H, dd), 9.63 (1H, s), 9.86 (1H, s), 11.47 (1H, s), 12.33 (1H, s).
実施例18
(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[1-(オキサン-4-イル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0199】
【化17】
【0200】
ステップ1. 4-ニトロ-1-(オキサン-4-イル)ピラゾール
DMF(13.33mL、182.397mmol、19.48当量)中の4-ヨードオキサン(2.06g、9.728mmol、1.10当量)および4-ニトロピラゾール(1.00g、8.844mmol、1.00当量)の撹拌した混合物にCsCO(8.64g、26.531mmol、3.00当量)を室温の空気雰囲気下で加えた。得られた混合物を2日間80℃の空気雰囲気下で撹拌した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 20:1)により精製して粗製の固体を得た。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、CHCl/MeOH(20:1)で溶離して4-ニトロ-1-(オキサン-4-イル)ピラゾール(343mg、19.28%)を淡黄色の固体として得た。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.98 - 2.01 (4H, m), 3.43 - 3.49 (2H, m), 3.95 - 3.99 (2H, m), 4.48 - 4.56 (1H, m), 8.29 (1H, s), 8.96 (1H, s).
ステップ2. 1-(オキサン-4-イル)ピラゾール-4-アミン
100mLの丸底フラスコにMeOH(20.00mL)中の4-ニトロ-1-(オキサン-4-イル)ピラゾール(315.00mg、1.597mmol、1.00当量)およびPd/C(3399.93mg、31.948mmol、20.00当量)を室温で加えた。得られた混合物を一晩120℃の水素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(3×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。この結果1-(オキサン-4-イル)ピラゾール-4-アミン(200mg、67.39%)を赤色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=168.2。1H NMR (300 MHz,DMSO-d6) δ 1.71 - 1.92 (4H, m), 3.22 - 3.53 (2H, m), 3.75 (2H, s), 3.87 - 3.89 (1H, m), 3.91 - 3.97 (1H, m), 4.11 - 4.18 (1H, m), 6.89 (1H, d), 7.05 (1H, d).
ステップ3. (R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[1-(オキサン-4-イル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例18)
1-(オキサン-4-イル)ピラゾール-4-アミン(101.02mg、0.604mmol、1.50当量)および(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(180.00mg、0.403mmol、1.00当量)のジオキサン(5mL)中溶液にBrettPhos(6.01mg、0.011mmol、0.10当量)、CsCO(393.69mg、1.208mmol、3.00当量)およびBrettPhos Pd G3(36.51mg、0.040mmol、0.10当量)を加えた。2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した後、得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 7:1)により精製した。粗製の生成物(105mg)を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05% NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:31%B~43%B、7分;254;220nm;Rt:6.75分)のPrep-HPLCにより精製した。粗製の生成物(80mg)を次の条件(カラム:CHIRAL ART Cellulose-SB、4.6×100mm、3μm;移動相A:MtBE(0.1%DEA):EtOH=95:5、移動相B;流量:1mL/分;勾配:0B~0B)のPrep-Chiral-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[1-(オキサン-4-イル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(37mg、15.74%)を淡黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=578.4。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 1.65 - 1.83 (4H, m), 1.95 (3H, s), 2.16 (4H, s), 2.40 - 2.47 (2H, m), 2.52 - 2.59 (2H, m), 3.21 - 3.35 (3H, m), 3.32 (3H, s), 3.47 - 3.51 (1H, m), 3.58 - 3.62 (1H, m), 3.77 (2H, d), 4.14 - 4.19 (1H, m), 6.92 - 6.95 (1H, m), 7.33 - 7.35 (2H, m), 7.80 (1H, s), 7.97 - 8.02 (1H, m), 8.18 (1H, d), 8.29 (1H, s), 9.11 (1H, s), 9.66 (1H, s), 11.23 (1H, s).
実施例19
(R)-N-(3-(2-((1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-6-イル)アミノ)-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0201】
【化18】
【0202】
ステップ1. 6-ニトロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
THF(40.00mL)中の6-ニトロ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン(300.00mg、1.828mmol、1.00当量)および(BC)O(598.40mg、2.742mmol、1.50当量)の撹拌した混合物にDIEA(708.73mg、5.484mmol、3.00当量)を室温の空気雰囲気下で少しずつ加えた。得られた混合物を3時間室温の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE/EtOAc 2:1)により精製して6-ニトロピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(310mg、64.18%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=265.0。
【0203】
ステップ2. 6-アミノ-1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
6-ニトロピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(290.00mg、1.097mmol、1.00当量)およびPd/C(23.36mg、0.219mmol、0.20当量)のTHF(30.00mL)中混合物を一晩室温の水素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(3×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH=12:1)により精製して6-アミノピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(200mg、77.79%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=235.1。
【0204】
ステップ3. 6-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチル
ジオキサン(30.00mL)中の(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(200.00mg、0.448mmol、1.00当量)および6-アミノピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(157.25mg、0.671mmol、1.50当量)の撹拌した混合物にBrettphos Pd G(81.13mg、0.090mmol、0.20当量)およびKCO(123.70mg、0.895mmol、2.00当量)を70℃の窒素雰囲気下で少しずつ加えた。得られた混合物を2時間70℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH=10:1)により精製して6-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(150mg、51.99%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=645.3。
【0205】
ステップ4. (R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-6-イルアミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例19)
1,4-ジオキサン(7.35mg、0.202mmol、1.00当量)/DCM(20.00mL)中の6-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-1-カルボン酸tert-ブチル(130.00mg、0.202mmol、1.00当量)およびHCl(気体)の混合物を3時間室温の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗製の生成物(80mg)を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%NH・HO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:22B~42B、7分;254/220nm;RT1:8.52)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-6-イルアミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(30mg、27.32%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=545.4。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.15 (3H, s), 2.36 (4H, s), 2.63 (2H, s), 2.75 (2H, d), 3.32 (3H, s), 3.52 (1H, t), 3.68 (1H, dd), 3.80 (1H, dd), 7.15 (1H, t), 7.55 (1H, d), 8.16 (1H, s), 8.27 (1H, d), 8.54 (1H, d), 8.56 - 8.66 (2H, m), 8.72 (1H, d), 9.92 (2H, d), 11.54 (1H, s), 13.01 (1H, s)
実施例20
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((6-(2-(メチルアミノ)エトキシ)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0206】
【化19】
【0207】
ステップ1. N-メチル-N-[2-[(5-ニトロピリジン-2-イル)オキシ]エチル]カルバミン酸tert-ブチル
DMF(20.00mL)中の2-クロロ-5-ニトロピリジン(200.00mg、1.262mmol、1.00当量)およびN-(2-ヒドロキシエチル)-N-メチルカルバミン酸tert-ブチル(331.58mg、1.892mmol、1.50当量)の撹拌した混合物にNaH(30.27mg、1.262mmol、1.00当量)を室温の空気雰囲気下で少しずつ加えた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE/EtOAc=1:1)により精製してN-メチル-N-[2-[(5-ニトロピリジン-2-イル)オキシ]エチル]カルバミン酸tert-ブチル(300mg、79.99%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=298.1。
【0208】
ステップ2. N-[2-[(5-アミノピリジン-2-イル)オキシ]エチル]-N-メチルカルバミン酸tert-ブチル
N-メチル-N-[2-[(5-ニトロピリジン-2-イル)オキシ]エチル]カルバミン酸tert-ブチル(200.00mg、0.673mmol、1.00当量)およびPd/C(71.59mg、0.673mmol、1.00当量)のTHF(20.00mL)中混合物を2時間室温の水素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮してN-[2-[(5-アミノピリジン-2-イル)オキシ]エチル]-N-メチルカルバミン酸tert-ブチル(150mg、83.41%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=268.1。
【0209】
ステップ3. N-[2-([5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-イル]オキシ)エチル]-N-メチルカルバミン酸tert-ブチル
ジオキサン(20.00mL)中の(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(200.00mg、0.448mmol、1.00当量)およびN-[2-[(5-アミノピリジン-2-イル)オキシ]エチル]-N-メチルカルバミン酸tert-ブチル(239.27mg、0.895mmol、2.00当量)の撹拌した混合物にBrettPhos Pd G(81.13mg、0.089mmol、0.20当量)およびKCO(123.70mg、0.895mmol、2当量)を70℃の窒素雰囲気下で少しずつ加えた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH=10:1)により精製してN-[2-([5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-イル]オキシ)エチル]-N-メチルカルバミン酸tert-ブチル(50mg、16.48%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+Na]=700.3。
【0210】
ステップ4. (R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([6-[2-(メチルアミノ)エトキシ]ピリジン-3-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例20)
N-[2-([5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-イル]オキシ)エチル]-N-メチル-カルバミン酸tert-ブチル(50.00mg、0.074mmol、1.00当量)およびHCl(気体)の1,4-ジオキサン(8.07mg、0.221mmol、3.00当量)/DCM(10.00mL)中の混合物を2時間室温の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗製の生成物(30mg)を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%NH・HO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:21B~41B、7分;RT1:7.03)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([6-[2-(メチルアミノ)エトキシ]ピリジン-3-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(5mg、11.73%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=578.4。1H-NMR (400 MHz, メタノール-d4) δ 2.29 (3H, s), 2.48 (3H, s), 2.56 (4H, s), 2.70 - 2.84 (2H, m), 2.84 - 2.95 (2H, m), 2.95 -3.07 (2H, m), 3.40 (3H, s), 3.47 (1H, t), 3.74- 3.98 (2H, m), 4.33 - 4.45 (2H, m), 6.83 (1H, dd), 7.05 - 7.18 (2H, m), 8.02 (1H, dd), 8.11 (1H, d), 8.18 (1H, d), 8.37 (1H, dd), 8.49 (1H, dd).
実施例22
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((6-(オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0211】
【化20】
【0212】
ステップ1. 2-(5-ニトロピリジン-2-イル)オキサゾールの調製
2-クロロ-5-ニトロ-ピリジン(100.00mg、0.631mmol、1.00当量)、Pd(PPh(72.89mg、0.063mmol、0.1当量)および2-(トリブチルスタンニル)-1,3-オキサゾール(293.65mg、0.820mmol、1.30当量)のジオキサン(6.00mL)中混合物を16時間110℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE/EtOAc=5:1)により精製して5-ニトロ-2-(1,3-オキサゾール-2-イル)ピリジン(10mg、8.29%)を淡黄色の固体として得た。1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 7.61 (1H, d), 8.35 - 8.37 (1H, m), 8.47 (1H, d), 8.75 -8.77 (1H, m), 9.49 - 9.51(1H, m).
ステップ2. 6-(オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-アミンの調製
5-ニトロ-2-(1,3-オキサゾール-2-イル)ピリジン(200.00mg、1.046mmol、1.00当量)およびPd/C(200.43mg、1.883mmol、1.80当量)のMeOH(50.00mL)中混合物を2時間室温の水素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(2×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。この結果6-(1,3-オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-アミン(160mg、94.88%)を淡黄色の油状物として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=162.2。1H-NMR (300MHz, DMSO-d6) δ 5.91 (2H, s), 7.00-7.03 (1H, m), 7.28 (1H, d), 7.76 (1H, d), 8.00 (1H, d), 8.10 (1H, d).
ステップ3. (R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((6-(オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例22)の調製
6-(1,3-オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-アミン(51.93mg、0.322mmol、1.2当量)、(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(120.00mg、0.269mmol、1.00当量)、KCO(111.33mg、0.806mmol、3.00当量)、BrettPhos(28.83mg、0.054mmol、0.20当量)およびBrettPhos Pd G(24.34mg、0.027mmol、0.10当量)のジオキサン(20.00mL)中混合物を2時間70℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、CHCl/MeOH(12:1)で溶離して粗製の固体を得た。粗製生成物(90mg)を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%NH・HO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:30B~50B、7分;RT1:6.20)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(1,3-オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(65mg)を白色の固体として得た。粗製の生成物(65mg)を次の条件(カラム:CHIRALPAK IC-3、4.6×50mm、3μm;移動相A:MTBE(0.1%DEA):MeOH=60:40、流量:1mL/分)のPrep-chiral-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(1,3-オキサゾール-2-イル)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(52mg、33.88%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=572.4。1H-NMR (300 MHz, MeOD-d4) δ 2.37 (3H, s), 2.67 (4H, s), 2.89 (4H, d), 3.42 (3H, s), 3.52 (1H, t), 3.79 - 3.98 (2H, m), 7.15 - 7.26 (2H, m), 7.34 (1H, d), 7.99 - 8.09 (2H, m), 8.16 (1H, d), 8.33 (1H, d), 8.53 (1H, dd), 8.68 (1H, dd), 8.99 (1H, d).
実施例24
(R)-N-(3-(2-((6-(1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン-3-イル)アミノ)-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例24)の調製
【0213】
【化21】
【0214】
ステップ1. 2-(1H-イミダゾール-1-イル)-5-ニトロピリジンの調製
2-クロロ-5-ニトロ-ピリジン(500.00mg、3.154mmol、1.00当量)、KCO(1089.67mg、7.884mmol、2.50当量)およびイミダゾール(429.41mg、6.308mmol、2.00当量)のMeCN(20.00mL)中混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。沈殿した固体をろ過により集め、MeCN(3×10mL)で洗浄して2-(イミダゾール-1-イル)-5-ニトロピリジン(375mg、60.46%)を褐色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=191.0。
【0215】
ステップ2. 6-(1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン-3-アミンの調製
2-(イミダゾール-1-イル)-5-ニトロピリジン(180.00mg、0.947mmol、1.00当量)およびPd/C(50.37mg、0.473mmol、0.50当量)のMeOH(15.00mL)中混合物を室温の水素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをDCM(3×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 10:1)により精製して6-(イミダゾール-1-イル)ピリジン-3-アミン(120mg、79.15%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=161.2。
【0216】
ステップ3. (R)-N-(3-(2-((6-(1H-イミダゾール-1-イル)ピリジン-3-イル)アミノ)-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例24)
ジオキサン(20.00mL)中の(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(150.00mg、0.336mmol、1.00当量)および6-(イミダゾール-1-イル)ピリジン-3-アミン(80.64mg、0.503mmol、1.50当量)の撹拌した混合物にBrettPhos Pd G3(60.85mg、0.067mmol、0.20当量)、BrettPhos(54.05mg、0.101mmol、0.30当量)およびKCO(115.97mg、0.839mmol、2.50当量)を加えた。混合物を80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをDCM(3×20mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 10:1)により精製して粗製の生成物(100mg)を得、これを次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05% NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:31%B~45%B、7分;254;220nm;Rt:6.30分)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(イミダゾール-1-イル)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(60.8mg、31.75%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=571.4。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.16 (3H, s), 2.37 (4H, s), 2.59 - 2.69 (2H, m), 2.71 - 2.82 (2H, m), 3.30 (3H, s), 3.51 (1H, t), 3.69 (1H, dd), 3.81 (1H, dd), 7.12 (1H, t), 7.19 (1H, t), 7.55 (1H, d), 7.78 (1H, d), 7.91 (1H, t), 8.27 (1H, d), 8.42 (1H, dd), 8.47 (1H, t), 8.50 (1H, d), 8.56 (1H, d), 8.80 - 8.89 (1H, m), 9.87 (2H, d), 11.50 (1H, s)
実施例25
(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[5-(3-ヒドロキシプロピル)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0217】
【化22】
【0218】
ステップ1. 3-(5-アミノピリジン-3-イル)プロパン-1-オール
THF(1mL)中のLiAlH(44.23mg、1.165mmol、3当量)の撹拌した混合物にTHF(20.0mL)中の3-(5-アミノピリジン-3-イル)プロパン酸メチル(70.00mg、0.388mmol、1.00当量)を0℃で滴下して加えた。得られた混合物を30分0℃で撹拌した。所望の生成物はLCMSにより検出することができた。反応をNaSO・10HOの添加によりクエンチした。得られた混合物をろ過し、ろ過したケーキを酢酸エチル(3×5mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮して3-(5-アミノピリジン-3-イル)プロパン-1-オール(56mg、94.72%)を赤みがかった褐色の油状物として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=153.3。
【0219】
ステップ2. (R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[5-(3-ヒドロキシプロピル)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例25)
(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(150.00mg、0.336mmol、1.00当量)および3-(5-アミノピリジン-3-イル)プロパン-1-オール(66.41mg、0.436mmol、1.30当量)のジオキサン(20.0mL)中混合物にBrettPhos(36.03mg、0.067mmol、0.20当量)、BrettPhos Pd G(60.85mg、0.067mmol、0.20当量)およびKCO(92.77mg、0.671mmol、2.00当量)を加えた。窒素雰囲気下80℃で2時間撹拌した後、残留物をTLC(CHCl/MeOH=5:1)により精製して粗製の固体を得た。粗製の生成物を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%NH.HO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:19B~39B、7分;RT1:6.53)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[5-(3-ヒドロキシプロピル)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(16mg、8.47%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=563.4。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.60 - 1.82 (2H, m), 2.13 (3H, s), 2.34 (4H, s), 2.61 (4H, q), 2.67 - 2.81 (2H, m), 3.28 (3H, s), 3.41 (2H, q), 3.49 (1H, t), 3.67 (1H, dd), 3.79 (1H, dd), 4.48 (1H, t), 7.13 (1H, t), 7.52 (1H, d), 8.03 (1H, d), 8.11 (1H, t), 8.23 (1H, d), 8.38 - 8.56 (2H, m), 8.70 (1H, d), 9.63 (1H, s), 9.85 (1H, s), 11.47 (1H, s).
実施例30/33
(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([1-[オキソラン-3-イル]ピラゾール-4-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例30異性体1および実施例33異性体2)の調製
【0220】
【化23】
【0221】
ステップ1. 4-ニトロ-1-(オキソラン-3-イル)ピラゾール
40mLのバイアルにDMF(20.00mL)中の3-ヨードオキソラン(665mg、3.36mmol、1.00当量)および4-ニトロピラゾール(380mg、3.36mmol、1.00当量)を室温で加えた。最終の反応混合物を一晩80℃で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 10:1)により精製して4-ニトロ-1-(オキソラン-3-イル)ピラゾール(600mg、59.02%)を淡黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=184.3。1H-NMR (300 MHz, MeOD-d4) δ 2.36 - 2.39 (1H, m), 2.52 (1H, dtd), 3.91 - 3.94 (1H, m), 4.00 - 4.11 (2H, m), 4.06 - 4.19 (1H, m), 5.08 - 5.12 (1H, m), 8.13 (1H, s), 8.57 - 8.63 (1H, m).
ステップ2. 1-(オキソラン-3-イル)ピラゾール-4-アミン
4-ニトロ-1-(オキソラン-3-イル)ピラゾール(600mg、3.27mmol、1.00当量)およびPd/C(0.03g、0.327mmol、0.10当量)のMeOH(20.00mL)中混合物を1時間室温の水素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(2×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。この結果1-(オキソラン-3-イル)ピラゾール-4-アミン(500mg、92.67%)を紫色の油状物として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=154.1。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.05 - 2.21 (1H, m), 2.23 - 2.28 (1H, m), 3.58 - 4.04 (6H, m), 4.74 - 4.82 (1H, m), 6.91 (1H, d), 7.03 (1H, d).
ステップ3. (R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([1-[オキソラン-3-イル]ピラゾール-4-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例30および実施例33)
1-(オキソラン-3-イル)ピラゾール-4-アミン(102.83mg、0.671mmol、1.50当量)および(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)プロパンアミド(200.00mg、0.448mmol、1.00当量)のジオキサン(20.00mL)中溶液にBrettPhos(24.02mg、0.045mmol、0.10当量)、BrettPhos Pd G3(40.57mg、0.045mmol、0.10当量)およびCsCO(437.43mg、1.343mmol、3.00当量)を加えた。3時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した後、得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗製の生成物(40mg)を次の条件(カラム:CHIRAL ART Cellulose-SB、4.6×100mm、3μm;移動相A:(Hex:DCM=5:1)(0.1%DEA):IPA=85:15、移動相B;流量:1mL/分;勾配:0B~0B)のPrep-HPLCにより精製して、(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([1-[オキソラン-3-イル]ピラゾール-4-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例33)(11mg、4.32%)、LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=564.4、1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.32 (5H, s), 2.54 - 2.82 (8H, m), 3.30 (3H, s), 3.59 (1H, s), 3.56 - 3.74 (1H, m), 3.75 - 4.04 (2H, m), 3.83 - 4.00 (3H, m), 4.98 (1H, s), 7.12 - 7.17 (1H, m), 7.56 (2H, d), 7.99 (1H, s), 8.19 (1H, s), 8.39 (2H, d), 9.34 (1H, s), 9.94 (1H, s), 11.52 (1H, s)および(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([1-[オキソラン-3-イル]ピラゾール-4-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例30)(7mg,13.86%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=564.4。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.24 (3H, s), 1.95 - 2.06 (1H, m), 2.16 (3H, s), 2.25 (1H, s), 2.28 - 2.47 (4H, m), 2.64 (2H, d), 2.75 (2H, d), 3.51 (1H, t), 3.65 - 3.69 (1H, m), 3.74 - 3.87 (2H, m), 3.84 - 4.04 (3H, m), 4.95 - 5.03 (1H, m), 7.11 - 7.17 (1H, m), 7.53 (2H, d), 7.99 (1H, s), 8.18 - 8.20 (1H, m), 8.38 - 8.39 (1H, m), 8.49 (1H, s), 9.34 (1H, s), 9.85 (1H, s), 11.42 (1H, s).
実施例34
(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(ヒドロキシメチル)-5-メトキシピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0222】
【化24】
【0223】
ステップ1. 5-アミノ-3-メトキシピリジン-2-カルボン酸メチル
MeOH(100.00mL)中の6-ブロモ-5-メトキシピリジン-3-アミン(1000.00mg、4.925mmol、1.00当量)およびTEA(996.75mg、9.850mmol、2.00当量)の撹拌した混合物にPd(dppf)Cl(720.75mg、0.985mmol、0.20当量)を加えた。得られた混合物を100℃の一酸化炭素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を一晩100℃の一酸化炭素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 20:1)により精製して5-アミノ-3-メトキシピリジン-2-カルボン酸メチル(700mg、78.02%)を淡褐色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=183.2。
【0224】
ステップ2. (5-アミノ-3-メトキシピリジン-2-イル)メタノール
5-アミノ-3-メトキシピリジン-2-カルボン酸メチル(300.00mg、1.647mmol、1.00当量)およびLiAlH(187.50mg、4.940mmol、3.00当量)のTHF(30.00mL)中混合物を一晩室温の空気雰囲気下で撹拌した。反応を水/氷により室温でクエンチした。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをTHF(3×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。粗製の生成物をさらに精製することなく次のステップに直接使用して(5-アミノ-3-メトキシピリジン-2-イル)メタノール(200mg、78.78%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=155.3。
【0225】
ステップ3. (R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(ヒドロキシメチル)-5-メトキシピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド
ジオキサン(20.00mL)中の(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(120.00mg、0.269mmol、1.00当量)および(5-アミノ-3-メトキシピリジン-2-イル)メタノール(82.79mg、0.537mmol、2.00当量)の撹拌した混合物にCsCO(262.46mg、0.806mmol、3.00当量)およびBrettPhos Pd G3(48.68mg、0.054mmol、0.20当量)を80℃の窒素雰囲気下で少しずつ加えた。得られた混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗製の生成物(80mg)を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:26B~36B、7分;254;220nm;RT1:7.28)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(ヒドロキシメチル)-5-メトキシピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(10mg、6.60%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=565.4。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.13 (3H, s), 2.34 (4H, s), 2.54 - 2.67 (2H, m), 2.73 (2H, d), 3.28 (3H, s), 3.49 (1H, t), 3.66 (1H, dd), 3.72 - 3.85 (4H, m), 4.48 (2H, d), 4.73 (1H, t), 7.13 (1H, t), 7.53 (1H, dd), 7.93 (1H, d), 8.24 (1H, d), 8.39 - 8.58 (3H, m), 9.78 (2H, d), 11.43 (1H, s)
実施例36
5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-カルボン酸エチルの調製
【0226】
【化25】
【0227】
ステップ1. 5-ニトロピリジン-2-カルボン酸エチル
EtOH(20.00mL)中の5-ニトロピリジン-2-カルボン酸(700.00mg、4.164mmol、1.00当量)の撹拌した溶液にSOCl(1.01mL、7.480mmol、3.00当量)を0℃の空気雰囲気下で滴下して加えた。得られた混合物を2時間80℃の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。反応を飽和水性NaHCO(50mL)の添加により室温でクエンチした。混合物をEtOAc(2×25mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×20mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。この結果5-ニトロピリジン-2-カルボン酸エチル(600mg、72.72%)を淡黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=197.2。1H-NMR (300 MHz, MeOD-d4) δ1.40 - 1.47 (3H, m), 4.44 - 4.52 (2H, m), 8.33 - 8.38 (1H, m), 8.74 - 8.79 (1H, m), 9.43 - 9.46 (1H, m).
ステップ2. 5-アミノピリジン-2-カルボン酸
5-ニトロピリジン-2-カルボン酸エチル(400.00mg、2.039mmol、1.00当量)およびPd/C(434.01mg、4.078mmol、2.00当量)のMeOH(25.00mL)中混合物を室温の水素雰囲気下で1時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(3×15mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。この結果5-アミノピリジン-2-カルボン酸エチル(312mg、91.15%)を灰色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=167.3。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ1.25 (3H, t), 4.17 - 4.31 (2H, m), 6.21 (2H, s), 6.89 - 6.93 (1H, m), 7.72 (1H, d), 7.96 (1H, d).
ステップ3. 5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-カルボン酸エチル(実施例36)
5-アミノピリジン-2-カルボン酸エチル(55.78mg、0.336mmol、1.50当量)および(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)プロパンアミド(100.00mg、0.224mmol、1.00当量)のジオキサン(10.00mL)中溶液にBrettPhos(12.01mg、0.022mmol、0.10当量)、CsCO(218.72mg、0.671mmol、3.00当量)およびBrettPhos Pd G3(20.28mg、0.022mmol、0.10当量)を加えた。2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した後、得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、CHCl/MeOH(20:3)で溶離した。粗製の生成物(100mg)を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05% NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:30B~50B、7分;254;220nm;RT1:7.43)のPrep-HPLCにより精製して5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-カルボン酸エチル(20mg、15.35%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=577.5。1H-NMR (300 MHz,DMSO-d6) δ 1.29 - 1.34 (3H, m), 2.13 (3H, s), 2.34 (4H, s), 2.62 (2H, s), 3.47 - 3.52 (2H, m), 3.32 (3H, s), 3.64 - 3.69 (1H, m), 3.76 - 3.81 (2H, m), 4.29- 4.34 (2H, m), 7.15 - 7.20 (1H, m), 7.54 (1H, d), 8.02 (1H, d), 8.27 (1H, s), 8.45 - 8.62 (3H, m), 8.97 (1H, d), 9.87 (1H, s), 10.19 (1H, s), 11.53 (1H, s).
実施例39
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((6-(2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0228】
【化26】
【0229】
ステップ1. (R)-2-(5-((5-フルオロ-4-(7-(3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド)-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)酢酸エチル
40mLのバイアルにジオキサン(10.00mL)中の2-(5-アミノピリジン-2-イル)酢酸エチル(72.58mg、0.403mmol、1.20当量)および(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(150.00mg、0.336mmol、1.00当量)、BrettPhos(18.02mg、0.034mmol、0.10当量)、BrettPhos Palladacycle(26.81mg、0.034mmol、0.10当量)、CsCO(218.72mg、0.671mmol、2.00当量)を室温で加えた。得られた混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをDCM(2×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 200:15)により精製して2-[5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-イル]酢酸エチル(120mg、60.6%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=591.3。
【0230】
ステップ2. (R)-2-(5-((5-フルオロ-4-(7-(3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド)-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)酢酸
40mLのバイアルにTHF(3.00mL)中の2-[5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-イル]酢酸エチル(140.00mg、0.237mmol、1.00当量)および水(0.50mL)中のLiOH(56.76mg、2.370mmol、10.00当量)を室温で加えた。得られた混合物を3時間室温の空気雰囲気下で撹拌した。反応混合物をHCl(1M)の溶液により酸性化し、次いで蒸発させて精製なしの粗製固体を得た。粗製の固体を直接次のステップに使用した。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=563.4。
【0231】
ステップ3. (R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((6-(2-(メチルアミノ)-2-オキソエチル)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例39)
8mLのバイアルに[5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-イル]酢酸(80mg、0.142mmol、1.00当量)およびメチルアミン(0.36mL、0.720mmol、5.06当量)、HATU(108.13mg、0.284mmol、2.00当量)、DMF(2.00mL)中のEtN(43.17mg、0.427mmol、3.00当量)を室温で加えた。得られた混合物を2時間室温の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を水(10mL)で希釈した。水性層をCHCl(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水のNaSO上で乾燥させ、ろ過し、蒸発させて黄色の固体を得た。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 8:1)により精製して黄色の固体を得た。粗製の生成物(40mg)を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05% NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:27B~37B、7分;254;220nm;RT1:5.17)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([6-[(メチルカルバモイル)メチル]ピリジン-3-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(10mg、12.22%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=576.3。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ2.16 (3H, s), 2.38 (4H, s), 2.61 (5H, d), 2.76 (2H, t), 3.30 (3H, s), 3.54 (3H, d), 3.69 (1H, dd), 3.81 (1H, dd), 7.16 (1H, t), 7.28 (1H, d), 7.55 (1H, d), 7.96 (1H, q), 8.16 (1H, dd), 8.22 - 8.29 (1H, m), 8.46 (1H, d), 8.54 (1H, d), 8.79 (1H, d), 9.65 (1H, s), 9.88 (1H, s), 11.50 (1H, d)
実施例40
(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(1,3-オキサゾール-5-イル)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0232】
【化27】
【0233】
ステップ1. 5-ニトロ-2-(1,3-オキサゾール-5-イル)ピリジン
TosMIC(1.00g、5.122mmol、1.00当量)および5-ニトロピリジン-2-カルバルデヒド(779.09mg、5.122mmol、1.00当量)、KCO(1061.81mg、7.683mmol、1.50当量)のMeOH(20.00mL)中混合物を5時間75℃の窒素雰囲気下で撹拌した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(5:1)で溶離して5-ニトロ-2-(1,3-オキサゾール-5-イル)ピリジン(500mg、51.07%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=192.2。
【0234】
ステップ2. 6-(1,3-オキサゾール-5-イル)ピリジン-3-アミン
5-ニトロ-2-(1,3-オキサゾール-5-イル)ピリジン(250.00mg、1.308mmol、1.00当量)およびPd/C(27.84mg、0.262mmol、0.20当量)のMeOH(10.00mL)中混合物を3時間室温の水素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(10mL×3)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮して6-(1,3-オキサゾール-5-イル)ピリジン-3-アミン(180mg、85.39%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=162.3。
【0235】
ステップ3. (R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(1,3-オキサゾール-5-イル)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例40)
(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(120.00mg、0.269mmol、1.00当量)および6-(1,3-オキサゾール-5-イル)ピリジン-3-アミン(64.91mg、0.403mmol、1.50当量)、BrettPhos Pd G(24.34mg、0.027mmol、0.10当量)、KCO(74.22mg、0.537mmol、2.00当量)のジオキサン(4.00mL)中混合物を2時間70℃の窒素雰囲気下で撹拌した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH=15:1)により精製して粗製の生成物を得た。粗製の生成物を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、19×250mm、5μm;移動相A:水(0.05%NH・HO)、移動相B:ACN;流量:25mL/分;勾配:32B~52B、7分;RT1:6.40)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(1,3-オキサゾール-5-イル)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(100mg、65.15%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=572.2。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.15 (3H, s), 2.36 (4H, s), 2.64 (2H, d), 2.76 (2H, m), 3.30 (3H, s), 3.51 (1H, t), 3.68 (1H, dd), 3.80 (1H, dd), 7.17 (1H, t), 7.56 (1H, d), 7.65 (1H, s), 7.73 (1H, d), 8.27 (1H, d), 8.44 (1H, dd), 8.47 (1H, s), 8.50 (1H, d), 8.57 (1H, d), 8.96 (1H, d), 9.89 (1H, s), 9.95 (1H, s), 11.54 (1H, s).
実施例41
(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-(1H-インドール-5-イルアミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0236】
【化28】
【0237】
ステップ1. 5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]インドール-1-カルボン酸tert-ブチル
(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(180.00mg、0.403mmol、1.00当量)および5-アミノインドール-1-カルボン酸tert-ブチル(121.62mg、0.524mmol、1.3当量)のジオキサン(10.0mL)中溶液にBrettPhos(43.24mg、0.081mmol、0.2当量)およびBrettPhos Pd G3(73.02mg、0.081mmol、0.2当量)およびCsCO(262.46mg、0.806mmol、2当量)を加えた。16時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した後。残留物をTLC(CHCl/MeOH 8:1)により精製して5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]インドール-1-カルボン酸tert-ブチル(130mg、50.22%)を赤みがかった褐色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=643.4。
【0238】
ステップ2. (R)-N-[3-[5-フルオロ-2-(1H-インドール-5-イルアミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例41)
DCM(6.0mL)中の5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]インドール-1-カルボン酸tert-ブチル(130.00mg、0.202mmol、1.00当量)の撹拌した溶液にTFA(2.00mL、26.926mmol、133.13当量)を加えた。得られた混合物を2時間室温で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。混合物を飽和NaHCO(水溶液)でpH8に塩基性化した。得られた混合物をCHCl(8×30mL)で抽出し、合わせた有機層を無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮して(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-(1H-インドール-5-イルアミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(54mg、49.20%)を赤みがかった褐色の油状物として得た。粗製の生成物(54mg)を次の条件(カラム:CHIRAL ART Cellulose-SB、2×25cm、5μm;移動相A:MTBE(10mM NH-MEOH)--HPLC、移動相B:EtOH--HPLC;流量:20mL/分;勾配:10B~10B、12分;220/254nm;RT1:8.928;RT2:10.344;注入容量:0.6mL;実行の回数:20)のChiral-Prep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-(1H-インドール-5-イルアミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(32.96mg、72.30%)を淡黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=543.3。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.14 (3H, s), 2.35 (4H, s), 2.63 (2H, d), 2.73 (2H, s), 3.29 (3H, s), 3.50 (1H, t), 3.68 (1H, dd), 3.80 (1H, dd), 6.36 (1H, t), 7.02 (1H, t), 7.23 - 7.42 (3H, m), 7.51 (1H, d), 8.01 (1H, s), 8.21 (1H, d), 8.38 (1H, d), 8.55 (1H, d), 9.22 (1H, s), 9.85 (1H, s), 10.95 (1H, s), 11.43 (1H, s).
実施例42
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((1-オキソイソクロマン-6-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0239】
【化29】
【0240】
ステップ1. 6-((ジフェニルメチレン)アミノ)イソクロマン-1-オン
40mLのバイアルに6-ブロモ-3,4-ジヒドロ-2-ベンゾピラン-1-オン(500.00mg、2.202mmol、1.00当量)およびベンゼンメタンイミン、?-フェニル- (518.83mg、2.863mmol、1.30当量)、Pd(dba)(201.65mg、0.220mmol、0.10当量)、BINAP(274.24mg、0.440mmol、0.20当量)、トルエン(20.00mL)中CsCO(1434.97mg、4.404mmol、2.00当量)を室温で加えた。得られた混合物を2時間90℃の窒素雰囲気下で撹拌した。反応混合物をrtに放冷し、固体をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(10mL)で洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をTLC(EA:PE=1:3)により精製して6-[(ジフェニルメチリデン)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2-ベンゾピラン-1-オン(458mg、63.53%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=328.2。
【0241】
ステップ2. 6-アミノイソクロマン-1-オン
50mLの丸底フラスコにTHF(10mL)中の6-[(ジフェニルメチリデン)アミノ]-3,4-ジヒドロ-2-ベンゾピラン-1-オン(458.00mg、1.399mmol、1.00当量)を加え、HCl(2M)の水(5mL)中溶液を室温で上の溶液に加えた。得られた混合物を1時間室温の空気雰囲気下で撹拌した。混合物を飽和NaHCO(水溶液)でpH8に塩基性化した。水性層をCHCl(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 20:1)により精製して6-アミノ-3,4-ジヒドロ-2-ベンゾピラン-1-オン(112mg、49.06%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=164.1。
【0242】
ステップ3. (R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((1-オキソイソクロマン-6-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例42)
40mLのバイアルに6-アミノ-3,4-ジヒドロ-2-ベンゾピラン-1-オン(35.05mg、0.215mmol、1.20当量)および(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(80.00mg、0.179mmol、1.00当量)、BrettPhos Pd G3(16.23mg、0.018mmol、0.10当量)、ジオキサン(2.00mL)中KCO(74.22mg、0.537mmol、3.00当量)を室温で加えた。得られた混合物を2時間70℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(2×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 10:1)により精製して黄色の固体を得た。粗製の生成物(40mg)を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05% NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:31B~51B、7分;254;220nm;RT1:6.77)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-(3-[5-フルオロ-2-[(1-オキソ-3,4-ジヒドロ-2-ベンゾピラン-6-イル)アミノ]ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(10mg、9.74%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=574.4。1H-NMR (400 MHz, MeOD-d4) 2.35 (3H, s), 2.63 (4H, s), 2.84 (2H, s), 2.94 (2H, s), 3.07 (2H, t), 3.43 (3H, s), 3.53 (1H, t), 3.85 (1H, dd), 3.94 (1H, dd), 4.56 (2H, t), 7.21 (2H, d), 7.67 (1H, dd), 7.95 (1H, d), 8.02 (1H, d), 8.19 (1H, d), 8.35 (1H, d), 8.69 (1H, q).
実施例46
(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(ヒドロキシメチル)ピリジン-2-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0243】
【化30】
【0244】
ステップ1. 2-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(N-ヒドロキシイミノ)酢酸メチル
2-(5-ブロモピリジン-2-イル)酢酸メチル(3.00g、13.040mmol、1.00当量)のAcOH(15.00mL)中混合物を30分0℃の空気雰囲気下で撹拌した。上の混合物にNaNO(0.90g、13.040mmol、1.00当量)の水(2mL)中溶液を1分にわたって室温で滴下して加えた。得られた混合物をさらに1時間室温で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。得られた混合物をEtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×20mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。この結果2-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(N-ヒドロキシイミノ)酢酸メチル(3g、87.92%)をピンク色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=260.9。
【0245】
ステップ2. 2-アミノ-2-(5-ブロモピリジン-2-イル)酢酸メチル
250mLの丸底フラスコに2-(5-ブロモピリジン-2-イル)-2-(N-ヒドロキシイミノ)酢酸メチル(5.00g、19.301mmol、1.00当量)、Zn(3.16g、48.252mmol、2.50当量)、ギ酸(20.00mL、530.142mmol、27.47当量)、MeOH(20.00mL、493.978mmol、25.59当量)およびHO(20.00mL)を室温で加えた。得られた混合物を一晩室温の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物を飽和NaHCO(水溶液)でpH7に中和した。得られた混合物をEtOAc(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×20mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。この結果2-アミノ-2-(5-ブロモピリジン-2-イル)酢酸メチル(6g、60.89%)を黒色の油状物として得た。粗製の生成物を他に精製することなく次のステップに使用した。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=244.9。
【0246】
ステップ3. 6-ブロモイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-カルボン酸メチル
250mLの丸底フラスコに2-アミノ-2-(5-ブロモピリジン-2-イル)酢酸メチル(5.00g、20.402mmol、1.00当量)およびトルエン(50mL)中(ジメトキシメチル)ジメチルアミン(2.67g、22.442mmol、1.10当量)を室温で加えた。得られた混合物を一晩110℃の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(1:1)で溶離して6-ブロモイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-カルボン酸メチル(3.962g、74.61%)を暗黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=254.9。
【0247】
ステップ4. 6-[(ジフェニルメチリデン)アミノ]イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-カルボン酸メチル
6-ブロモイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-カルボン酸メチル(3.00g、11.761mmol、1.00当量)およびジフェニルメタンイミン(3.20g、17.642mmol、1.50当量)のトルエン(25.00mL)中溶液にPd(dba)(1.08g、1.176mmol、0.10当量)、BINAP(1.46g、2.352mmol、0.20当量)およびCsCO(11.50g、35.284mmol、3.00当量)を加えた。2時間90℃の窒素雰囲気下で撹拌した後、得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(5:1)で溶離して6-[(ジフェニルメチリデン)アミノ]イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-カルボン酸メチル(1.9g、40.00%)を暗黄色の固体として得た。1H-NMR (300 MHz, CDCl3-d1) δ1.18 - 1.32 (0H, m), 3.95 (3H, s), 6.66 - 6.70 (1H, m), 7.04 - 7.22 (3H, m), 7.34 (1H, s), 7.28 - 7.40 (2H, m), 7.40 - 7.48 (1H, m), 7.44 - 7.59 (3H, m), 7.72 - 7.86 (2H, m), 7.94 (2H, d).
ステップ5. 6-アミノイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-カルボン酸メチル
50mLの丸底フラスコに6-[(ジフェニルメチリデン)アミノ]イミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-カルボン酸メチル(1.80g、5.065mmol、1.00当量)、HCl(2M)(2.00mL)およびTHF(20.00mL)を室温で加えた。得られた混合物を1時間室温の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物を飽和NaHCO(水溶液)でpH7に中和した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(3:1)で溶離して6-アミノイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-カルボン酸メチル(731mg、73.23%)を暗黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=192.2。
【0248】
ステップ6. [6-アミノイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル]メタノール
40mLのバイアルに6-アミノイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-カルボン酸メチル(200.00mg、1.046mmol、1.00当量)およびTHF(15.00mL)中のLiAlH(119.11mg、3.138mmol、3当量)を室温で加えた。得られた混合物を5時間65℃の空気雰囲気下で撹拌した。反応をNaOH(120mg、1mL)の添加により室温でクエンチした。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをDCM(3×8mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 10:1)により精製して[6-アミノイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル]メタノール(53mg、42.34%)を黒色の油状物として得た。粗製の生成物を他に精製することなく次のステップに使用した。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=164.0。
【0249】
ステップ7. (R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[1-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例46)
(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(100.00mg、0.224mmol、1.00当量)および[6-アミノイミダゾ[1,5-a]ピリジン-1-イル]メタノール(36.51mg、0.224mmol、1.00当量)のジオキサン(10.00mL)中溶液にBrettPhos(12.01mg、0.022mmol、0.10当量)、BrettPhos Pd G3(20.28mg、0.022mmol、0.10当量)およびKCO(61.85mg、0.448mmol、2.00当量)を加えた。2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した後、得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(DCM:MEOH 10:1)により精製した。粗製の生成物(20mg)を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:19B~39B、7分;254/220nm;RT1:6.47)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[1-(ヒドロキシメチル)イミダゾ[1,5-a]ピリジン-6-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(7mg、5.29%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=574.5。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ2.15 (3H, s), 2.37 (4H, s), 2.55 - 2.85 (2H, m), 3.30 (2H, s), 3.32 (3H, s), 3.49 - 3.53 (1H, m), 3.66 - 3.71 (1H, m), 3.78 (1H, d), 4.67 (2H, d), 4.89 - 4.93 (1H, m), 6.97 (1H, d), 7.10 - 7.15 (1H, m), 7.54 (1H, d), 7.60 (1H, d), 8.22 (2H, d), 8.49 (1H, d), 8.56 (1H, d), 9.06 (1H, s), 9.48 (1H, s), 9.87 (1H, s), 11.49 (1H, s).
実施例52
(R)-(5-((5-フルオロ-4-(7-(3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド)-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)カルバミン酸メチルの調製
【0250】
【化31】
【0251】
ステップ1. (5-ニトロピリジン-2-イル)カルバミン酸メチル
DCM(25.00mL)中の5-ニトロ-2-ピリジンアミン(500.00mg、3.594mmol、1.00当量)、DMAP(87.82mg、0.719mmol、0.20当量)およびピリジン(852.90mg、10.783mmol、3.00当量)の撹拌した溶液にクロロギ酸メチル(679.23mg、7.188mmol、2.00当量)を0℃の窒素雰囲気下で滴下して加えた。得られた混合物を13時間30℃の窒素雰囲気下で撹拌した。沈殿した固体をろ過により集め、CHCl(1×3mL)で洗浄してN-(5-ニトロピリジン-2-イル)カルバミン酸メチル(300mg、42.34%)(粗製)を褐色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=198.2。
【0252】
ステップ2. (5-アミノピリジン-2-イル)カルバミン酸メチル
MeOH(15.00mL)中のN-(5-ニトロピリジン-2-イル)カルバミン酸メチル(250.00mg、1.268mmol、1.00当量)およびPd/C(161.94mg、1.522mmol、2.00当量)の混合物を2時間室温の水素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(2×10mL)で洗浄した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH=20:1)により精製してN-(5-アミノピリジン-2-イル)カルバミン酸メチル(89mg、41.98%)をオフホワイト色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=168.2。
【0253】
ステップ3. (R)-(5-((5-フルオロ-4-(7-(3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド)-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)カルバミン酸メチル(実施例52)
1,4-ジオキサン(8.00mL)中の(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(110.00mg、0.246mmol、1.00当量)、RuPhos Palladacycle Gen.3(20.59mg、0.025mmol、0.10当量)、RuPhos(11.49mg、0.025mmol、0.10当量)、KCO(68.03mg、0.492mmol、2.00当量)およびN-(5-アミノピリジン-2-イル)カルバミン酸メチル(61.72mg、0.369mmol、1.50当量)の混合物を2時間70℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをCHCl(2×5mL)で洗浄した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 8:1)により精製して粗製の生成物(110mg)を得、これを次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05% NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:28B~48B、7分;254;220nm;RT1:5.82)のPrep-HPLCにより精製してN-[5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-イル]カルバミン酸メチル(65mg、45.72%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=578.4。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.15 (3H, s), 2.35 (4H, s), 2.60 - 2.68 (2H, m), 2.74 (2H, s), 3.30 (3H, s), 3.51 (1H, t), 3.68 (4H, s), 3.80 (1H, dd), 7.12 (1H, t), 7.53 (1H, d), 7.77 (1H, d), 8.14 (1H, dd), 8.23 (1H, d), 8.43 (1H, d), 8.50 (1H, d), 8.60 (1H, d), 9.53 (1H, s), 9.86 (1H, s), 9.99 (1H, s), 11.48 (1H, s).
実施例53
(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([1-[2-(ヒドロキシメチル)フェニル]ピラゾール-4-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0254】
【化32】
【0255】
ステップ1. [2-(4-アミノピラゾール-1-イル)フェニル]メタノール
50mLの丸底フラスコにTHF(20.00mL)中の2-(4-アミノピラゾール-1-イル)安息香酸メチル(350.00mg、1.611mmol、1.00当量)およびLiAlH(183.46mg、4.834mmol、3.00当量)を室温で加えた。得られた混合物を1時間室温の空気雰囲気下で撹拌した。反応をNaOHの添加により室温でクエンチした。得られた混合物を減圧下で濃縮した。粗製の生成物を他に精製することなく次のステップに使用した。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=190.3。
【0256】
ステップ2. (R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([1-[2-(ヒドロキシメチル)フェニル]ピラゾール-4-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例53)
(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(50mg、0.112mmol、1.00当量)および[2-(4-アミノピラゾール-1-イル)フェニル]メタノール(31.75mg、0.168mmol、1.50当量)のジオキサン(5.00mL)中溶液にBrettPhos Pd G3(10.14mg、0.011mmol、0.10当量)、BrettPhos(6.01mg、0.011mmol、0.10当量)およびCsCO(109.36mg、0.336mmol、3.00当量)を加えた。2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した後、得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 10:1)により精製した。粗製の生成物(60mg)を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05% NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:29B~49B、7分;254;220nm;RT1:6.22)のPrep-HPLCにより精製した。粗製の生成物(30mg)を次の条件(カラム:CHIRALPAK IC-3,4.6×50mm、3μm;移動相A:(Hex:DCM=3:1)(0.1%DEA):EtOH=50:50、移動相B;流量:1mL/分;勾配:0B~0B)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([1-[2-(ヒドロキシメチル)フェニル]ピラゾール-4-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(7mg、10.43%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=600.3。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.24 (3H, s), 2.49 (4H, s), 2.68 (2H, s), 2.78 (2H, s), 3.30 (3H, s), 3.53 (1H, t), 3.63 - 3.83 (2H, m), 4.51 (2H, d), 5.25 - 5.27 (1H, m), 7.11 (1H, s), 7.43 (3H, d), 7.52 (1H, d), 7.66 (1H, s), 7.85 (1H, s), 8.21 (1H, s), 8.31 (1H, s), 8.42 (2H, d), 9.53 (1H, s), 9.87 (1H, s), 11.45 (1H, s).
実施例54
(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(1,3-オキサゾール-2-イルメトキシ)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0257】
【化33】
【0258】
ステップ1. 5-ニトロ-2-(1,3-オキサゾール-2-イルメトキシ)ピリジン
0℃のDMF(20.00mL)中の1,3-オキサゾール-2-イルメタノール(500.00mg、5.046mmol、1.00当量)およびNaH(157.42mg、6.560mmol、1.30当量)の撹拌した混合物に2-フルオロ-5-ニトロピリジン(716.98mg、5.046mmol、1.00当量)を室温の空気雰囲気下で滴下して加えた。得られた混合物を2時間室温の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を水(150mL)で希釈し、EtOAc(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×50mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。この結果5-ニトロ-2-(1,3-オキサゾール-2-イルメトキシ)ピリジン(900mg、80.64%)を淡黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=222.2。1H-NMR (300 MHz, MeOD-d4) δ 5.63 (2H, s), 7.08 (1H, dd), 7.22 (1H, d), 7.97 (1H, d), 8.52 (1H, dd), 9.07 (1H, dd).
ステップ2. 6-(1,3-オキサゾール-2-イルメトキシ)ピリジン-3-アミン
MeOH(30.00mL)中の5-ニトロ-2-(1,3-オキサゾール-2-イルメトキシ)ピリジン(500.00mg)およびPd/C(20.00mg)の混合物を室温の水素雰囲気下で1時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをメタノール(3×100mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 10:1)により精製して6-(1,3-オキサゾール-2-イルメトキシ)ピリジン-3-アミン(420mg、97.2%)を褐色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=192.2。1H NMR (300 MHz, MeOD-d4) δ 5.34 (2H, s), 6.70 (1H, dd), 7.17 (3H, m), 7.61 (1H, dd), 7.92 (2H, d)
ステップ3. (R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(1,3-オキサゾール-2-イルメトキシ)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例54)
(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(120.00mg、0.269mmol、1.00当量)および6-(1,3-オキサゾール-2-イルメトキシ)ピリジン-3-アミン(102.67mg、0.537mmol、2.00当量)のジオキサン(20.00mL)中の撹拌した溶液にBrettPhos Pd G3(36.51mg、0.040mmol、0.15当量)およびBrettPhos(21.62mg、0.040mmol、0.15当量)およびKCO(111.33mg、0.806mmol、3.00当量)を室温の窒素雰囲気下で加えた。得られた混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 10:1)により精製して粗製の固体を得た。粗製の生成物(100mg)を次の条件(カラム:CHIRAL ART Cellulose-SB、4.6×100mm、3μm;移動相A:MtBE(0.1%DEA):EtOH=90:10、移動相B;流量:1mL/分;勾配:0B~0B)のChiral-Prep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(1,3-オキサゾール-2-イルメトキシ)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(71.9mg、44.06%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=602.4。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.16 (3H, s), 2.37 (4H, s), 2.63 (2H, m), 2.76 (2H, m), 3.51 (3H, t), 3.69 (2H, dd), 3.81 (1H, dd), 5.44 (2H, s), 6.93 (1H, d), 7.13 (1H, t), 7.26 (1H, d), 7.54 (1H, dd), 8.12 (2H, m), 8.24 (1H, d), 8.42 (1H, d), 8.48 (2H, m), 9.48 (1H, s), 9.86 (1H, s), 11.47 (1H, s).
実施例55
(R)-3-(6-((5-フルオロ-4-(7-(3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド)-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)プロパン酸メチルの調製
【0259】
【化34】
【0260】
ステップ1. 3-(6-アミノピリジン-2-イル)アクリル酸メチルの調製
DMF(20.00mL)、AcONa(0.95g、11.581mmol、2.00当量)およびPd(dppf)Cl(0.42g、0.574mmol、0.10当量)中のアクリル酸メチル(0.75g、8.712mmol、1.51当量)および6-ブロモピリジン-2-アミン(1.00g、5.780mmol、1.00当量)の混合物を140℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をCHCl(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を水(3×50mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 10:1)により精製して3-(6-アミノピリジン-2-イル)プロプ-2-エン酸メチル(450mg、40.02%)を黄色の固体として得た。[M+H]=179.0。
【0261】
ステップ2. 3-(6-アミノピリジン-2-イル)プロパン酸メチル
3-(6-アミノピリジン-2-イル)プロプ-2-エン酸メチル(80mg、0.449mmol、1.00当量)およびPd/C(9.56mg、0.090mmol、0.20当量)のMeOH(8.00mL)中混合物を室温の水素雰囲気下で1時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(3×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 10:1)により精製して3-(6-アミノピリジン-2-イル)プロパン酸メチル(135mg、64.54%)を黄色の固体として得た。[M+H]=181.1。
【0262】
ステップ3. (R)-3-(6-((5-フルオロ-4-(7-(3-メトキシ-2-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)プロパンアミド)-1H-インドール-3-イル)ピリミジン-2-イル)アミノ)ピリジン-2-イル)プロパン酸メチル(実施例55)の調製
(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(150.00mg、0.336mmol、1.00当量)および3-(6-アミノピリジン-2-イル)プロパン酸メチル(90.73mg、0.503mmol、1.50当量)のジオキサン(5.00mL)中の撹拌した混合物にBrettPhos Pd G3(45.64mg、0.050mmol、0.15当量)、KCO(92.77mg、0.671mmol、2.00当量)およびBrettPhos(36.03mg、0.067mmol、0.20当量)を加えた。得られた混合物を70℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをDCM(3×20mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 10:1)により精製して粗製の生成物(100mg)を得、これを次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05% NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分; 勾配:31%B~45%B、7分;254;220nm;Rt:6.30分)のPrep-HPLCにより精製して3-[6-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-イル]プロパン酸メチル(33.8mg、16.71%)をオフホワイト色の固体として得た。[M+H]=591.4。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.16 (3H, s), 2.37 (4H, s), 2.64 (2H, d), 2.80 (4H, dd), 2.97 (2H, t), 3.30 (3H, s), 3.51 (1H, t), 3.61 (3H, s), 3.69 (1H, dd), 3.81 (1H, dd), 6.89 (1H, d), 7.15 (1H, t), 7.54 (1H, d), 7.60 - 7.72 (1H, m), 8.07 (1H, d), 8.27 (1H, s), 8.50 (1H, d), 8.69 - 8.78 (1H, m), 9.84 (2H, d), 11.48 (1H, s)
実施例60
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((6-(2-ヒドロキシエチル)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例60)の調製
【0263】
【化35】
【0264】
ステップ1. 2-(5-アミノピリジン-2-イル)エタン-1-オール
50mLの丸底フラスコにTHF(13mL)中のLiAlH(189.55mg、4.994mmol、3.00当量)を室温で加えた。2-(5-アミノピリジン-2-イル)酢酸エチル(300.00mg、1.665mmol、1.00当量)のTHF(7mL)中溶液を上の混合物に0℃で加えた。得られた混合物を0.5時間0℃の空気雰囲気下で撹拌した。反応を室温で水(0.2mL)、次いで15%NaOH(0.6mL)、水(0.2mL)の添加によりクエンチした。得られた混合物を無水のmgSO上で乾燥させ、固体をろ過し、ろ液を蒸発させて2-(5-アミノピリジン-2-イル)エタノール(200mg、86.95%)を黄色の固体として得た。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ 2.91 (2H, t), 3.95 - 4.03 (2H, m), 6.91 - 7.00 (2H, m), 8.00 (1H, t)
ステップ2. (R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((6-(2-ヒドロキシエチル)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例60)
40mLのバイアルにジオキサン(20mL)中の(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(100.00mg、0.224mmol、1.00当量)、2-(5-アミノピリジン-2-イル)エタノール(37.10mg、0.269mmol、1.20当量)、BrettPhos(12.01mg、0.022mmol、0.10当量)、BrettPhos Pd G3(20.28mg、0.022mmol、0.10当量)およびCsCO(218.72mg、0.671mmol、3.00当量)を室温で加えた。得られた混合物を1.5時間80℃で撹拌した。固体をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(2×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 7:1)により精製して粗製の固体を得た。粗製の生成物(80mg)を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:移動相B;流量:60mL/分;勾配:%B;254;220nm;RT1:7.25)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(2-ヒドロキシエチル)ピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチル-ピペラジン-1-イル)プロパンアミド(25mg、20.37%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=549.3。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.15 (3H, s), 2.35 (4H, s), 2.58 - 2.66 (2H, m), 2.75 (2H, dt), 2.85 (2H, t), 3.30 (3H, s), 3.51 (1H, t), 3.64 - 3.84 (4H, m), 4.64 (1H, t), 7.08 - 7.27 (2H, m), 7.55 (1H, dd), 8.12 (1H, dd), 8.24 (1H, d), 8.44 (1H, d), 8.50 - 8.56 (1H, m), 8.78 (1H, dd), 9.59 (1H, s), 9.88 (1H, s), 11.47 (1H, s).
実施例61
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((4-(ヒドロキシメチル)-1H-インダゾール-6-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0265】
【化36】
【0266】
ステップ1. (6-アミノ-1H-インダゾール-4-イル)メタノールの調製
THF(5.00mL)中の6-アミノ-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(300.00mg、1.569mmol、1.00当量)の撹拌した混合物にLiAlH(178.66mg、4.707mmol、3.00当量)を少しずつ0℃で加えた。得られた混合物を1時間70℃で撹拌した。反応を水(0.08mL)およびNaOH(0.08mL、15%)の添加により0℃でクエンチした。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをTHF(3×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。この結果(6-アミノ-1H-インダゾール-4-イル)メタノール(100mg、39.06%)を淡黄色の油状物として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=164.2。
【0267】
ステップ2. (R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((4-(ヒドロキシメチル)-1H-インダゾール-6-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例61)の調製
(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(50.00mg、0.112mmol、1.00当量)、(6-アミノ-1H-インダゾール-4-イル)メタノール(21.91mg、0.134mmol、1.20当量)、KCO(46.39mg、0.336mmol、3.00当量)、BrettPhos(12.01mg、0.022mmol、0.20当量)およびBrettPhos Pd G3(10.14mg、0.011mmol、0.10当量)のジオキサン(10.00mL)中の混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 12:1)により精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[4-(ヒドロキシメチル)-1H-インダゾール-6-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(20mg、粗製)を淡黄色の固体として得た。粗製の生成物(20mg)を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05% NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:21B~41B、7分;254/220nm;RT1:5.65)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[4-(ヒドロキシメチル)-1H-インダゾール-6-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(2.5mg、3.90%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=574.4。1H-NMR (300 MHz, MeOD-d4) δ 2.31 (3H, s), 2.58 (4H, s), 2.86 (4H, d), 3.41 (3H, s), 3.49 (1H, t), 3.75 - 3.98 (2H, m), 7.04 - 7.22 (2H, m), 7.30 (1H, d), 8.07 - 8.19 (3H, m), 8.29 (1H, d), 8.67 (1H, dd)
実施例66
(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(2-ヒドロキシエチル)-5-メトキシピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0268】
【化37】
【0269】
ステップ1. 2-(3-メトキシ-5-ニトロピリジン-2-イル)プロパン二酸1-tert-ブチル3-メチル
2-クロロ-3-メトキシ-5-ニトロピリジン(1.00g、5.303mmol、1.00当量)のDMF(100.0mL)中溶液をNaH(0.32g、13.258mmol、2.50当量)により0℃で処理した。溶液を10分室温で撹拌した。上の混合物にプロパン二酸1-tert-ブチル3-メチル(1.52g、8.750mmol、1.65当量)を0℃で滴下して加えた。得られた混合物を15時間室温で撹拌した。得られた混合物を水(30mL)でクエンチし、EtOAc(3×35mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×30mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE/EtOAc 5:1)により精製して2-(3-メトキシ-5-ニトロピリジン-2-イル)プロパン二酸1-tert-ブチル3-メチル(1.46g、84.37%)を赤みがかった褐色の油状物として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=327.3。1H-NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 1.50 (9H, s), 3.82 (3H, s), 3.98 (3H, s), 5.09 (1H, s), 7.94 (1H, d), 9.02 (1H, d).
ステップ2. 2-(3-メトキシ-5-ニトロピリジン-2-イル)酢酸メチル
DCM(20.0mL)中の2-(3-メトキシ-5-ニトロピリジン-2-イル)プロパン二酸1-tert-ブチル3-メチル(1.40g、4.290mmol、1.00当量)の撹拌した溶液にTFA(6.00mL、80.778mmol、18.83当量)を加えた。得られた混合物を18時間25℃で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。混合物を飽和NaHCO(水溶液)でpH8に塩基性化した。得られた混合物をCHCl(3×80mL)で抽出した。合わせた有機層を上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮して2-(3-メトキシ-5-ニトロピリジン-2-イル)酢酸メチル(0.88g、90.68%)を赤みがかった褐色の油状物として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=227.2。1H-NMR (300 MHz, クロロホルム-d) δ 3.74 (3H, s), 3.98 (3H, s), 4.00 (2H, s), 7.92 (1H, d), 9.01 (1H, d).
ステップ3. 2-(5-アミノ-3-メトキシピリジン-2-イル)酢酸メチル
2-(3-メトキシ-5-ニトロピリジン-2-イル)酢酸メチル(840.00mg、3.714mmol、1.00当量)のMeOH(50mL)中溶液に窒素雰囲気下250mLの丸底フラスコ内でPd/C(10%、79.04mg)を加えた。混合物を室温で1時間水素バルーンを用いて水素雰囲気下で水素化した。混合物をCeliteパッドに通してろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して2-(5-アミノ-3-メトキシピリジン-2-イル)酢酸メチル(445mg、61.07%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=197.2。
【0270】
ステップ4. 2-(5-アミノ-3-メトキシピリジン-2-イル)エタノール
THF(10mL)中のLiAlH(203.11mg、5.352mmol、3.00当量)の撹拌した溶液にTHF(20mL)中の2-(5-アミノ-3-メトキシピリジン-2-イル)酢酸メチル(350.00mg、1.784mmol、1.00当量)を0℃で滴下して加えた。得られた混合物を30分0℃で撹拌した。反応をNaSO・10HOの添加によりクエンチした。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキを酢酸エチル(3×5mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮して2-(5-アミノ-3-メトキシピリジン-2-イル)エタノール(243mg、80.99%)を明るいオレンジ色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=169.0。
【0271】
ステップ5. (R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(2-ヒドロキシエチル)-5-メトキシピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例66)
(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(130.00mg、0.291mmol、1.00当量)および2-(5-アミノ-3-メトキシピリジン-2-イル)エタノール(63.60mg、0.378mmol、1.3当量)のジオキサン(10.0mL)中溶液にBrettPhos(31.23mg、0.058mmol、0.20当量)およびBrettPhos Pd G3(52.74mg、0.058mmol、0.20当量)およびKCO(80.40mg、0.582mmol、2.00当量)を加えた。2時間70℃の窒素雰囲気下で撹拌した後。残留物をTLC(CHCl/MeOH 8:1)により精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[6-(2-ヒドロキシエチル)-5-メトキシピリジン-3-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(34.35mg、20.41%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=579.4。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.13 (3H, s), 2.22 - 2.44 (4H, m), 2.54 - 2.80 (4H, m), 2.86 (2H, t), 3.28 (3H, s), 3.49 (1H, t), 3.59 - 3.70 (3H, m), 3.72 - 3.84 (4H, m), 4.57 (1H, t), 7.11 (1H, t), 7.52 (1H, d), 7.85 (1H, d), 8.23 (1H, d), 8.30 - 8.64 (3H, m), 9.60 (1H, s), 9.86 (1H, s), 11.47 (1H, s).
実施例67
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((1-(3-(ヒドロキシメチル)フェニル)-1H-ピラゾール-4-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0272】
【化38】
【0273】
ステップ1. (3-(4-アミノ-1H-ピラゾール-1-イル)フェニル)メタノール
40mLのバイアルに3-(4-アミノピラゾール-1-イル)安息香酸メチル(130.00mg、0.598mmol、1.00当量)、およびCaCl(99.63mg、0.898mmol、1.50当量)、NaBH(67.92mg、1.795mmol、3当量)、EtOH(15.00mL)を室温で加え、反応混合物を0℃で3時間撹拌した。得られた混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×10mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗製の生成物を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05% NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:25%B~40%B、7分;254/220nm;Rt:5.77分)のPrep-HPLCにより精製して[3-(4-アミノピラゾール-1-イル)フェニル]メタノール(80mg、70.65%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=190.3。
【0274】
ステップ2. (R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([1-[3-(ヒドロキシメチル)フェニル]ピラゾール-4-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例67)
40mLのバイアルに(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(100.00mg、0.224mmol、1.00当量)、および[3-(4-アミノピラゾール-1-イル)フェニル]メタノール(63.51mg、0.336mmol、1.50当量)、BrettPhos Pd G3(20.28mg、0.022mmol、0.1当量)、KCO(61.85mg、0.448mmol、2当量)、ジオキサン(15.00mL)を室温で加えた。次いで混合物を70℃で窒素雰囲気下3時間撹拌した。そしてLCMSはOKである。得られた混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×10mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗製の生成物を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05% NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:25%B~40%B、7分)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([1-[3-(ヒドロキシメチル)フェニル]ピラゾール-4-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(25mg、18.63%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=600.4。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.14 (3H, s), 2.35 (4H, s), 2.56 - 2.68 (2H, m), 2.74 (2H, q), 3.30 (3H, s), 3.50 (1H, t), 3.67 (1H, dd), 3.79 (1H, dd), 4.56 (2H, d), 5.30 (1H, d), 7.11 (1H, t), 7.21 (1H, d), 7.41 (1H, t), 7.57 (2H, dd), 7.72 (1H, t), 7.82 (1H, s), 8.17 - 8.25 (1H, m), 8.43 - 8.63 (3H, m), 9.60 (1H, s), 9.87 (1H, s), 11.46 (1H, s).
実施例68
(R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((5-(2-(メチルアミノ)-2-オキソエトキシ)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0275】
【化39】
【0276】
ステップ1. N-メチル-2-((5-ニトロピリジン-3-イル)オキシ)アセトアミド
5-ニトロピリジン-3-オール(70.00mg、0.500mmol、1.00当量)、NaI(7.49mg、0.050mmol、0.10当量)、2-クロロ-N-メチル-アセトアミド(80.60mg、0.749mmol、1.50当量)およびKCO(138.11mg、0.999mmol、2.00当量)のプロパン-2-オン(5.00mL)中の混合物を2時間65℃の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。粗製の生成物をEtOAc/PEから再結晶してN-メチル-2-[(5-ニトロピリジン-3-イル)オキシ]アセトアミド(525mg、69.66%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=212.0。1H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ2.98 (3H, d), 4.66 (2H, s), 8.02 (1H, t), 8.70 (1H, d), 9.17 (1H, d).
ステップ2. 2-((5-アミノピリジン-3-イル)オキシ)-N-メチルアセトアミド
MeOH(20.00mL)中のN-メチル-2-[(5-ニトロピリジン-3-イル)オキシ]アセトアミド(240.00mg、1.136mmol、1.00当量)の撹拌した溶液にPd/C(120.94mg、1.136mmol、1.00当量)を加えた。得られた混合物を4時間室温の水素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(3×20mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮して2-[(5-アミノピリジン-3-イル)オキシ]-N-メチルアセトアミド(201mg、97.61%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=182.2。
【0277】
ステップ3. (R)-N-(3-(5-フルオロ-2-((5-(2-(メチルアミノ)-2-オキソエトキシ)ピリジン-3-イル)アミノ)ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例68)
ジオキサン(2.00mL)中の(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(150.00mg、0.336mmol、1.00当量)および2-[(5-アミノピリジン-3-イル)オキシ]-N-メチルアセトアミド(121.63mg、0.671mmol、2.00当量)の撹拌した混合物にBrettphos(36.03mg、0.067mmol、0.20当量)およびBrettPhos Pd G3(60.85mg、0.067mmol、0.20当量)、CsCO(328.07mg、1.007mmol、3.00当量)を加えた。得られた混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 8:1)により精製して粗製の生成物を得た。粗製の生成物(150mg)を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05% NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:29B~31B、7分;254;220nm;RT1:5.85)のPrep-HPLCにより精製して固体を得た。粗製の生成物(80mg)を次の条件(カラム:CHIRAL ART Cellulose-SB、2×25cm、5μm;移動相A:Hex(8mmol/L NH.MeOH)--HPLC、移動相B:EtOH--HPLC;流量:20mL/分;勾配:50B~50B、15分;254/220nm;RT1:8.698;RT2:11.463;注入容量:0.85mL;実行の回数:4)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([5-[(メチルカルバモイル)メトキシ]ピリジン-3-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(40mg、20.14%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=592.3。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.12 (3H, s), 2.34 (4H, s), 2.64 - 2.71(5H, m), 2.72 - 2.75 (2H,m), 3.27 (3H, s), 3.49 (1H, t), 3.64 - 3.69(1H,m), 3.76 - 3.81(1H,m), 4.51(2H,s), 7.14 1H.t), 7.53 (1H,d), 7.91-7.96 (2H, m), 8.06 (1H, d), 8.25 (1H, s), 8.47 (1H, d), 8.56 (2H, t), 9.76(1H, s),9.86 (1H, s), 11.50 (1H, s).
実施例69
メチル (R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([6-[2-(ヒドロキシメチル)フェニル]ピリジン-3-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例69)の調製
【0278】
【化40】
【0279】
ステップ1. [2-(5-アミノピリジン-2-イル)フェニル]メタノール
THF(20.00mL)中の2-(5-アミノピリジン-2-イル)安息香酸メチル(400.00mg、1.752mmol、1.00当量)の撹拌した溶液にLiAlH(266.05mg、7.010mmol、4.00当量)を室温の空気雰囲気下で少しずつ加えた。得られた混合物を1時間室温の空気雰囲気下で撹拌した。反応を水(0.3mL)の添加により0℃でクエンチした。混合物をNaOH(266mg)でpH7に塩基性化した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをCHCl(3×30mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 20:1)により精製して[2-(5-アミノピリジン-2-イル)フェニル]メタノール(135mg、38.47%)を赤色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=201.2。
【0280】
ステップ2. (R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([6-[2-(ヒドロキシメチル)フェニル]ピリジン-3-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例69)
ジオキサン(20.00mL)中の(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(120.00mg、0.269mmol、1.00当量)および3-(5-アミノピリジン-2-イル)-2-メチルペンタ-2,4-ジエン-1-オール(102.17mg、0.537mmol、2.00当量)の撹拌した混合物にBrettPhos Pd G3(36.51mg、0.040mmol、0.15当量)およびBrettPhos(21.62mg、0.040mmol、0.15当量)およびKCO(111.33mg、0.806mmol、3.00当量)を室温の空気雰囲気下で加えた。得られた混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 10:1)により精製した。粗製の生成物(100mg)を次の条件(カラム:YMC-Actus Triart C18、30×250、5μm;移動相A:水(0.05% NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:52B~72B、7分;254;220nm;RT1:6.05)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([6-[2-(ヒドロキシメチル)フェニル]ピリジン-3-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(52.3mg、31.89%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=611.4。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.13 (3H, s), 2.34 (4H, s), 2.63 (2H, s), 2.74 (2H, s), 3.49 (3H, t), 3.67 (1H, dd), 3.79 (2H, dd), 4.55 (2H, d), 5.45 (1H, t), 7.17 (1H, t), 7.37 (2H, m), 7.55 (4H, m), 8.26 (1H, d), 8.32 (1H, dd), 8.50 (1H, d), 8.56 (1H, d), 9.02 (1H, d), 9.85 (2H, d), 11.49 (1H, s).
実施例74
(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-1H-ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0281】
【化41】
【0282】
ステップ1. 1-メチル-4-(4-ニトロピラゾール-1-イル-yl)ピペリジン
THF(2.00mL)中の4-ニトロピラゾール(30.00mg、0.265mmol、1.00当量)および1-メチルピペリジン-4-オール(91.67mg、0.796mmol、3.00当量)の撹拌した混合物にPPh(208.76mg、0.796mmol、3.00当量)およびDIAD(160.94mg、0.796mmol、3.00当量)を室温の空気雰囲気下で少しずつ加えた。得られた混合物を2時間70℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH=1:1)により精製して1-メチル-4-(4-ニトロピラゾール-1-イル)ピペリジン(10.33mg、18.52%)を褐色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=211.2。
【0283】
ステップ2. 1-(1-メチルピペリジン-4-イル)ピラゾール-4-アミン
MeOH(20.00mL)中の1-メチル-4-(4-ニトロピラゾール-1-イル)ピペリジン(500.00mg)およびPd/C(20.00mg)の撹拌した混合物に室温の空気雰囲気下で少しずつ。得られた混合物を1時間室温のH雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をろ過し、ろ過ケーキをMeOH(3×30mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH=1:1)により精製して1-(1-メチルピペリジン-4-イル)ピラゾール-4-アミン(333mg)を赤みがかった褐色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=181.3。
【0284】
ステップ3. (R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[1-(1-メチルピペリジン-4-イル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例74)
ジオキサン(20.00mL)中の(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(120.00mg、0.269mmol、1.00当量)および1-(1-メチルピペリジン-4-イル)ピラゾール-4-アミン(72.60mg、0.403mmol、1.5当量)の撹拌した混合物にBrettPhos Pd G(36.51mg、0.040mmol、0.15当量)およびBrettPhos(21.62mg、0.040mmol、0.15当量)およびKCO(111.33mg、0.806mmol、3当量)を室温の空気雰囲気下で少しずつ加えた。得られた混合物を2時間70℃の窒素雰囲気下で撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH=10:1)により精製した。粗製の生成物を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%NH3・H2O)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:37B~57B、7分;RT1:6.03)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[1-(1-メチルピペリジン-4-イル)ピラゾール-4-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(24mg、15.13%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=591.4。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 1.99 (6H, m), 2.18 (6H, d), 2.36 (4H, s), 2.63 (2H, m), 2.74 (1H, s), 2.77 (1H, d), 2.86 (2H, d), 3.30 (3H, s), 3.51 (1H, t), 3.69 (1H, dd), 3.81 (1H, dd), 4.06 (1H, dq), 7.13 (1H, t), 7.53 (2H, m), 7.98 (1H, s), 8.20 (1H, s), 8.38 (1H, d), 8.40(1H, s), 9.30 (1H, s), 9.86 (1H, s), 11.43 (1H, s).
実施例75
(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([2-[2-(ヒドロキシメチル)フェニル]ピリジン-4-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0285】
【化42】
【0286】
ステップ1. [2-(4-アミノピリジン-2-イル)フェニル]メタノール
50mLの丸底フラスコにTHF(10.00mL)中の2-(4-アミノピリジン-2-イル)安息香酸メチル(200.00mg、0.876mmol、1.00当量)およびLiAlH(133.03mg、3.505mmol、4.00当量)を室温で加えた。得られた混合物を一晩70℃の空気雰囲気下で撹拌した。反応をNaOH(133mg、水中)の添加により5℃でクエンチした。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH 10:1、TEAを含む)により精製して[2-(4-アミノピリジン-2-イル)フェニル]メタノール(70mg、29.12%)を黒色の油状物として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=201.0。
【0287】
ステップ2. (R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([2-[2-(ヒドロキシメチル)フェニル]ピリジン-4-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例75)
[2-(4-アミノピリジン-2-イル)フェニル]メタノール(67.21mg、0.336mmol、1.50当量)および(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(100mg、0.224mmol、1.00当量)のジオキサン(10.00mL)中溶液にBrettPhos Pd G3(20.28mg、0.022mmol、0.10当量) BrettPhos(12.01mg、0.022mmol、0.10当量)およびKCO(61.85mg、0.448mmol、2.00当量)を加えた。2時間70℃の窒素雰囲気下で撹拌した後、得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(PE/EtOAc 3:1)により精製して粗製の固体を得た。粗製の固体を次の条件(カラム:YMC-Actus Triart C18、30×250、5μm;移動相A:水(0.05% NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:52B~72B、7分;254;220nm;RT1:6.05)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([2-[2-(ヒドロキシメチル)フェニル]ピリジン-4-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(25mg、18.11%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=611.3。1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 2.15 (3H, s), 2.36 (4H, s), 2.75 (4H, s), 3.28 (3H, s), 3.50 (1H, t), 3.69 (1H, dd), 3.76 - 3.84 (1H, m), 4.50 (2H, d), 5.62 (1H, t), 7.08 (1H, t), 7.35 (1H, t), 7.42 (1H, t), 7.50 (2H, dd), 7.58 (1H, d), 7.79 - 7.85 (1H, m), 8.05 (1H, d), 8.27 (1H, s), 8.44 (1H, d), 8.52 - 8.60 (2H, m), 9.86 (1H, s), 10.14 (1H, s), 11.51 (1H, s).
実施例76
(R)-N-[3-(2-[[6-(アミノメチル)ピリジン-3-イル]アミノ]-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0288】
【化43】
【0289】
ステップ1. N-([5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-イル]メチル)カルバミン酸tert-ブチル
ジオキサン(20.00mL)中の(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(150.00mg、0.336mmol、1.00当量)およびN-[(5-アミノピリジン-2-イル)メチル]カルバミン酸tert-ブチル(149.88mg、0.671mmol、2当量)の撹拌した溶液/混合物にBrettPhos Pd G(45.64mg、0.050mmol、0.15当量)およびBrettPhos(27.02mg、0.050mmol、0.15当量)およびKCO(139.16mg、1.007mmol、3当量)を室温の空気雰囲気下で少しずつ加えた。得られた混合物を2時間80℃の窒素雰囲気下で撹拌した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH=10:1)により精製してN-([5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-イル]メチル)カルバミン酸tert-ブチル(150mg、70.52%)を褐色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=634.4。
【0290】
ステップ2. (R)-N-[3-[5-フルオロ-2-([6-[2-(ヒドロキシメチル)フェニル]ピリジン-3-イル]アミノ)ピリミジン-4-イル]-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例76)
CHCl(3.00mL)中のN-([5-[(5-フルオロ-4-[7-[(R)-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド]-1H-インドール-3-イル]ピリミジン-2-イル)アミノ]ピリジン-2-イル]メチル)カルバミン酸tert-ブチル(100.00mg)およびTFA(10.00mL)の撹拌した溶液に室温の空気雰囲気下で滴下して。得られた混合物を1時間室温の空気雰囲気下で撹拌した。得られた混合物をCHCl(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×30mL)で洗浄し、無水のNaSO上で乾燥させた。ろ過後、ろ液を減圧下で濃縮した。粗製の生成物(80mg)を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%NHO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:17B~37B、7分;254/220nm;RT1:6.58)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(2-[[6-(アミノメチル)ピリジン-3-イル]アミノ]-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(24.1mg)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=534.2。1H-NMR (300 MHz, MeOD-d4) δ 2.33 (3H, s), 2.61 (4H, s), 2.85 (2H, s), 2.93 (2H, s), 3.44 (3H, s), 3.52 (1H, t), 3.90 (1H, m), 3.95 (3H, s), 7.21 (2H, m), 7.42 (1H, d), 8.19 (1H, d), 8.32 (2H, q), 8.65 (1H, m), 8.88 (1H, d).
実施例78
(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[2-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-4-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミドの調製
【0291】
【化44】
【0292】
ステップ1. 4-アミノ-6-メチルピリジン-2-カルボン酸メチル
250mLの圧力タンク反応器にMeOH(50.00mL)中の2-ブロモ-6-メチルピリジン-4-アミン(1.00g、5.346mmol、1.00当量)、Pd(dppf)ClCHCl(436.61mg、0.535mmol、0.10当量)およびTEA(1.623g、16.039mmol、3.00当量)を20atmのCO(g)雰囲気下100℃で6時間加えた。所望の生成物がLCMSにより検出することができた。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、PE/EtOAc(1:1)で溶離して4-アミノ-6-メチルピリジン-2-カルボン酸メチル(500mg、56.28%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=167.3。
【0293】
ステップ2. (4-アミノ-6-メチルピリジン-2-イル)メタノール
40mLのシールド管にTHF(15.00mL)中の4-アミノ-6-メチルピリジン-2-カルボン酸メチル(332.00mg、1.998mmol、1.00当量)およびLiAlH(151.65mg、3.996mmol、2.00当量)を0℃で加え、次いで室温で1時間撹拌した。所望の生成物がLCMSにより検出することができた。反応を水(1mL)の添加により0℃でクエンチした。沈殿した固体をろ過により集め、MeOH(2×50mL)で洗浄した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH=10:1)により精製して(4-アミノ-6-メチルピリジン-2-イル)メタノール(210mg、76.08%)を黄色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=139.2。
【0294】
ステップ3. (R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[2-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-4-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(実施例78)
40mLのシールド管にジオキサン(8.00mL)中の(R)-N-[3-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(120.00mg、0.269mmol、1.00当量)、(4-アミノ-6-メチルピリジン-2-イル)メタノール(74.20mg、0.537mmol、2.00当量)、BrettPhos(14.41mg、0.027mmol、0.1当量)、BrettPhos Pd G(24.34mg、0.027mmol、0.1当量)およびKCO(74.22mg、0.537mmol、2当量)を80℃で加えた。所望の生成物がLCMSにより検出することができた。得られた混合物を真空下で濃縮した。残留物をPrep-TLC(CHCl/MeOH=10:1)により精製して粗製の固体を得た。粗製の生成物を次の条件(カラム:XBridge Prep OBD C18カラム、30×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%NH.HO)、移動相B:ACN;流量:60mL/分;勾配:34B~54B、7分、RT1:5.90)のPrep-HPLCにより精製して(R)-N-[3-(5-フルオロ-2-[[2-(ヒドロキシメチル)-6-メチルピリジン-4-イル]アミノ]ピリミジン-4-イル)-1H-インドール-7-イル]-3-メトキシ-2-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロパンアミド(65mg、44.12%)を白色の固体として得た。LCMS:m/z(ESI)、[M+H]=549.4。1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 2.13 (3H, s), 2.34 (4H, s), 2.37 (3H, s), 2.56 - 2.66 (2H, m), 2.69 - 2.79 (2H, m), 3.28 (3H, s), 3.49 (1H, t), 3.67 (1H, dd), 3.79 (1H, dd), 4.45 (2H, d), 5.24 (1H, t), 7.17 (1H, t), 7.49 - 7.60 (2H, m), 7.70 (1H, d), 8.26 (1H, d), 8.53 (1H, d), 8.59 (1H, dd), 9.89 (2H, d), 11.51 (1H, s).
生物学的実施例
本明細書に開示された代表的な化合物は以下の生物学的検定の1以上で特徴付けられた。
【0295】
実施例79:酵素検定および細胞p-STAT6検定
組換えJAK1、JAK2、JAK3およびTYK2はCarna Biosciencesから購入した。化合物のJAK1、JAK2、JAK3およびTYK2に対する阻害効力はLance Ultra Kinase Assayを用いて評価した。
【0296】
手短に言うと、組換えキナーゼを化合物の存在下または不在下室温で15分プレインキュベートした。5mM ATPおよび反応でキナーゼによりリン酸化することができる基質ペプチドの添加により反応を開始させた。60分インキュベーション後、EDTAを含有する検出試薬ミックスの添加により反応を停止させた。励起波長を320nmとして蛍光を615nmおよび665nmでそれぞれ測定した。665nm/615nmの計算される信号比はキナーゼ活性に比例する。それぞれのキナーゼの50%阻害を生ずる化合物の濃度(IC50)をXLfitによる4パラメーターロジスティックフィットを用いて計算した。
【0297】
リン酸化されたSTAT6(pSTAT6)を検出するために、THP-1細胞を250gで5分遠心分離により収穫し、検定培地(RPMI1640+10%FBS)に2×10細胞/ウエルで再懸濁した。試験化合物をDMSO中1μM~0.3nMの連続希釈で検定プレートに適用した。THP-1細胞を連続希釈した化合物と共に60分室温でインキュベートし、続いて30分インターロイキン(IL-13、10ng/ml)の刺激を行ない、Cytofixバッファー(BD Biosciences)に固定し、氷上の90%メタノールにおいて透過処理した。PE抗-pSTAT6(BD Biosciences)抗体を60分室温で染色した後フローサイトメトリーにより分析した。検定において化合物はこのように希釈され、信号の阻害に対する用量反応曲線が化合物のIC50を決定する。
【0298】
供試化合物のJAK1、JAK2、JAK3、TYK2キナーゼおよびSTAT6のリン酸化に対する阻害活性を下記表2に示す。全ての供試化合物に対するJAK1/JAK2選択性の比は(JAK2 IC50/JAK1 IC50)に基づいて10より大きい(1000以上まで)。従来技術で報告された気道炎症におけるJAK-STAT経路の関連性を確認するSTAT6リン酸化の阻害。有力なJAK1阻害活性を示した化合物はまたSTAT6リン酸化の阻害において有効であることも示された。
【0299】
【表4-1】
【0300】
【表4-2】
【0301】
【表4-3】
【0302】
実施例80:ラット肝細胞およびヒト肝臓ミクロソームにおける代謝安定性
雄性のラット肝細胞およびヒト肝臓ミクロソームは業務用販売業者(例えば、BioreclamationIVT)から入手し、使用前-150℃で貯蔵した。
【0303】
ラット肝細胞による代謝安定性検定の場合、凍結保存した肝細胞またはミクロソームのバイアルをバイアルが極低温度のままであることが保証された貯蔵場所から取り出した。1μMの各試験化合物(アセトニトリル;0.01%DMSO中)を96の深いウエルプレートで250μLの肝細胞(1×10細胞/ml)と共にインキュベートした。いろいろな時点(0、0.5、5、15、30、45、60、80、100および120分)で3容量の冷アセトニトリルの20μLの反応混合物への添加により反応を停止させ、4℃で15分遠心分離した。40μLの上清を純粋な水で200μLに希釈し、LC-MS/MSを用いて分析した。
【0304】
ヒト肝臓ミクロソームによる代謝安定性検定では、1μMの各試験化合物を、1mMのNADPH溶液を含有する250μLのバッファー(100mMリン酸バッファー、pH-7.4)中37℃で1mg/mLのミクロソーム(20mg/mlのタンパク質コーンと共にプールしたHLM)と共にインキュベートした。新鮮な96ウエルプレート中いろいろな時点0、0.5、5、10、15、20および30分で20μLのインキュベーションミックスを5容量の冷アセトニトリルによりクエンチした。クエンチプレートを4000rpmで15分遠心分離した。40μLの上清を純粋な水で200μLに希釈し、LC-MS/MSを用いて分析した。
【0305】
インビトロ肝細胞クリアランスは化合物のその初期濃度からの消失の排出半減期(T1/2)の決定に基づいて評価した。各化合物(試験または対照)のISに対するピーク面積比を計算した。Ln(%対照)対インキュベーション時間(分)曲線をプロットし、直線状のフィッティングラインの傾きを計算した。薬物排出速度定数k(分-1)、T1/2(分)、およびインビトロの固有クリアランスCLint(μL/分/E6)を次式に従って計算した:
k=-傾き
1/2=0.693/k
CLint=k/Chep
ここでChep(細胞×μL-1)はインキュベーション系における細胞濃度である。
【0306】
データを下記表3に示す。
【0307】
【表5-1】
【0308】
【表5-2】
【0309】
【表5-3】
【0310】
実施例81:マウス血漿および肺における薬物動態
化合物の肺PKを雄のCD1マウスで気管内(IT)注入投与により試験した。試験化合物の血漿および肺レベルならびにそれらの比を以下のようにして決定した。試験化合物を生理食塩水中0.5%HPMC、0.1%Tween80の0.4mg/mL懸濁液の製剤としてカセットで投薬した。動物を5%のイソフルランを用いて5分麻酔し、その口を開け、舌を取り出し、光をマウスの首に当てて、気管を見付け、気管が開いた状態にあるうちに注射器を気管内に挿入し、試験化合物を気管に注入した。投薬後様々な時点(通例5分、1、4、24時間)で、およそ0.250mLの血液試料を心臓穿刺により抜き、完全なままの肺をマウスから切除した。各々の血液試料をKEDTAを含有するプラスチック微小遠心管に移した。次いで血液試料を4分間およそ12,000rpm、4℃で遠心分離して(エッペンドルフ遠心分離機、5804R)血漿を集めた。マウスは組織収集の前に完全に放血させる。肺試料は選んだ時点で収集し、肺全体を秤量し、ホモジナイズする。血漿および肺試料中の試験化合物の濃度をLC-MS/MS法を用いて分析した。WinNonlin(Phoenix(商標))またはその他類似のソフトウエアを薬物動態計算に用いる。供試化合物はマウスにおいて血漿での曝露より1~2桁大きい肺での曝露を示した。
【0311】
【表6】
【0312】
実施例82:肺のアルテルナリア・アルテルナタ(Alternaria Alternata)-誘発好酸球性炎症のネズミモデル
気道好酸球増加症はヒト喘息の顕著な特徴である。アルテルナリア・アルテルナタはヒトの喘息を悪化させ得る真菌の空気アレルゲンであり、マウスの肺で好酸球性炎症を誘発する(Havaux et al. Clin Exp Immunol. 2005, 139(2):179~88)。マウスにおいて、アルテルナリアは、肺において、(例えばIL-2およびIL-7)に反応し、JAK-依存性のサイトカイン(例えばIL-5およびIL-13)を放出し、好酸球性炎症と連係させる組織居住性2型固有リンパ系細胞を間接的に活性化することが立証されている(Bartemes et al. J Immunol. 2012, 188(3):1503~13)。
【0313】
Taconicの7~9週齢の雄性C57マウスを研究に使用する。研究の日、動物をイソフルランで軽く麻酔し、口腔咽頭吸引によりビヒクルまたは試験化合物(0.1~1.0mg/mL、50.mu.Lの総容量)を投与する。投薬後動物を横向きに寝かせ、そのホームケージに戻す前に麻酔から完全に回復するのをモニターする。1時間後、動物をもう一度一時的に麻酔し、口腔咽頭吸引によりビヒクルまたはアルテルナリア抽出物(200ugの送達総抽出物、50mLの総容量)で攻撃した後、麻酔から回復するのをモニターし、そのホームケージに戻す。アルテルナリア投与の48時間後、気管支細胞洗浄流体(BALF)を集め、Advia 120 Hematology System(Siemens)を用いてBALF内の好酸球を計数する。
【0314】
本明細書に開示された代表的な化合物がこのアルテルナリア検定で試験される。モデルにおける活性は、ビヒクルで処置され、アルテルナリアで攻撃した対照動物と比較して、処置された動物のBALF内に48時間で存在する好酸球のレベルの低下により証明される。データはビヒクルで処置され、アルテルナリアで攻撃したBALF好酸球応答のパーセント阻害として表される。パーセント阻害を計算するには、各条件に対するBALF好酸球の数が、100パーセントから差し引かれた、平均のビヒクルで処置され、アルテルナリアで攻撃したBALF好酸球のパーセントに変換される。試験化合物はアルテルナリアに誘発されたBALF好酸球の阻害を示す。
【0315】
本開示を具体的な実施形態(そのうちのいくつかは好ましい実施形態である)を参照して特に示し記載したが、当業者には理解されるはずであるように、本明細書に開示された本開示の思想および範囲から逸脱することなく形態および詳細において様々な変更がなされ得る。