(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】閉サイクル在庫管理
(51)【国際特許分類】
F01K 25/10 20060101AFI20240917BHJP
【FI】
F01K25/10 E
(21)【出願番号】P 2021568499
(86)(22)【出願日】2020-05-16
(86)【国際出願番号】 IB2020054653
(87)【国際公開番号】W WO2020234735
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2023-05-15
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】312000387
【氏名又は名称】8 リバーズ キャピタル,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】フェトヴェト,ジェレミー エロン
(72)【発明者】
【氏名】フォレスト,ブロック アラン
【審査官】北村 一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭49-071309(JP,A)
【文献】特表2018-503337(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0017758(US,A1)
【文献】特開2018-165511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01K 23/00-27/02
F01K 1/00-21/06
F02C 1/00- 9/58
F23R 3/00- 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力生産システムであって、
作動流体が高圧と低圧との間で循環する作動流体回路と、
高圧で
前記作動流体を受け取
り、前記作動流体を膨張させ、低圧で出口から
前記作動流体を排出する
ように、
前記作動流体回路に流体接続された発電タービンと、
前記発電タービンの下流側にあり、前記発電タービンと流体接続している第1の圧縮要素と、
前記第1の圧縮要素の下流側にあり、前記第1の圧縮要素と流体接続している第2の圧縮要素と、
前記作動流体回路と流体連通している貯蔵タンクと、
前記
貯蔵タンクと前記作動流体回路内の1つ以上の位置との間で
前記作動流体を移送するように構成されたコントローラと、
前記貯蔵タンクと前記作動流体回路との間での前記作動流体の通過のために構成された少なくとも1つのラインであって、前記少なくとも1つのラインは、前記第1の圧縮要素の下流側かつ前記第2の圧縮要素の上流側で前記作動流体回路から前記作動流体を除去するように構成される、少なくとも1つのラインと、
を備える、電力生産システム。
【請求項2】
前記第1の圧縮要素は、単段
圧縮機または多段圧縮機である、請求項1に記載の電力生産システム。
【請求項3】
前記第2の圧縮要素は、可変速ポンプである、請求項1に記載の電力生産システム。
【請求項4】
前
記少なくとも1つのラインを通る流体の流れを制御するように構成された少なくとも1つの弁をさらに備える、請求項
1に記載の電力生産システム。
【請求項5】
前記コントローラは、前記コントローラによって受信された少なくとも1つの条件入力に基づいて前記少なくとも1つの弁を開閉するように構成される、請求項
4に記載の電力生産システム。
【請求項6】
前
記少なくとも1つのラインは、前記第1の圧縮要素の下流側かつ前記第2の圧縮要素の上流側で前記作動流体回路へ
前記作動流体を導入するように構成される、請求項
1に記載の電力生産システム。
【請求項7】
前
記少なくとも1つのラインは、前記第2の圧縮要素の下流側かつ前記発電タービンの入口の上流側で前記作動流体回路へ
前記作動流体を導入するように構成される、請求項
1に記載の電力生産システム。
【請求項8】
前記発電タービンの上流側に位置決めされ、前記発電タービンの入口と流体連通した出口を有する加熱器をさらに備える、請求項1に記載の電力生産システム。
【請求項9】
前記貯蔵タンクと加熱/冷却接続しており、前記貯蔵タンク内に存在する作動流体の加熱および冷却の一方または両方を行うように構成された加熱/冷却要素をさらに備える、請求項1に記載の電力生産システム。
【請求項10】
閉ループまたは半閉ループ作動流体回路を利用する電力生産システムにおける作動流体の在庫を管理するための方法であって、前記方法は、
高圧から低圧へと発電タービンを通過する閉ループまたは半閉ループ作動流体回路内の作動流体を膨張させることと、
膨張した作動流体を第1の圧縮要素内で圧縮することと、
前記作動流体を第2の圧縮要素内でさらに圧縮することと、
前記閉ループまたは半閉ループ作動流体回路の1つ以上の位置と貯蔵タンクとの間で
前記作動流体を移送すること
であって、前記閉ループまたは半閉ループ作動流体回路の1つ以上の位置と前記貯蔵タンクとの間で前記作動流体を移送することは、前記閉ループまたは半閉ループ作動流体回路を有する加工設備内の少なくとも1つのコントローラへの少なくとも1つの条件入力に基づき、前記閉ループまたは半閉ループ作動流体回路は、前記第1の圧縮要素と前記第2の圧縮要素との間の動作圧力範囲を維持するように構成され、前記動作圧力範囲は、最小圧力P1と最大圧力P2との間にあることと、
を含む、方法。
【請求項11】
前記第2の圧縮要素は、可変速ポンプである、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つのコントローラへの少なくとも1つの条件入力は、前記可変速ポンプの動作速度の変化、前記第1の圧縮要素と前記可変速ポンプとの間で測定された吸気圧力、および前記発電タービンの出口における前記作動流体の温度のうちの1つ以上を含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つのコントローラは、前記最小圧力P1より高い圧力を維持するために、前記貯蔵タンクから前記閉ループまたは半閉ループ作動流体回路内の少なくとも1つの位置へ
の前記作動流体
の通過
を引き起こすように構成される、請求項
10に記載の方法。
【請求項14】
前記作動流体
の前記貯蔵タンクから
の通過は、前記第1の圧縮要素の上流側かつ前記発電タービンの出口の下流側にある前記閉ループまたは半閉ループ作動流体回路内の少なくとも1つの位置へ
のものである、請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
前記作動流体
の前記貯蔵タンクから
の通過は、前記第1の圧縮要素の下流側かつ前記第2の圧縮要素の上流側にある前記閉ループまたは半閉ループ作動流体回路内の少なくとも1つの位置へ
のものである、請求項
13に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つのコントローラは、前記最大圧力P2より低い圧力を維持するために、前記閉ループまたは半閉ループ作動流体回路内の少なくとも1つの位置から前記貯蔵タンクへ
の前記作動流体
の通過
を引き起こすように構成される、請求項
10に記載の方法。
【請求項17】
前記作動流体
の前記貯蔵タンクへの通過は、前記第1の圧縮要素の下流側かつ前記第2の圧縮要素の上流側にある前記閉ループまたは半閉ループ作動流体回路内の少なくとも1つの位置から
のものである、請求項
16に記載の方法。
【請求項18】
前記作動流体
の前記貯蔵タンクへの通過は、前記第2の圧縮要素の下流側かつ前記発電タービンの入口の上流側にある前記閉ループまたは半閉ループ作動流体回路内の少なくとも1つの位置から
のものである、請求項
16に記載の方法。
【請求項19】
前記作動流体は、二酸化炭素を含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項20】
前記作動流体は、50モル%超の二酸化炭素である、請求項
10に記載の方法。
【請求項21】
前記貯蔵タンク内に存在する作動流体を加熱することおよび冷却することの一方または両方をさらに含む、請求項
10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、発電プラントの様々な態様を制御するためのシステムおよび方法に関する。より具体的には、本開示のシステムおよび方法は、閉または半閉電力サイクルにおける質量管理のための種々の信号および機能を利用することができる。
【背景技術】
【0002】
電力生産に対する世界的な需要が増加するにつれて、その需要を満たすための追加の電力生産プラントが継続的に必要である。二酸化炭素作動流体(または他の作動流体)を利用する閉ループまたは半閉ループ電力サイクルは、達成可能な効率および大気への燃焼生成物の排出がほとんどないまたは全くない可能性の観点から、有利であり得る。例えば、アラム(Allam)らの米国特許第8,596,075号(参照により本願明細書に組み込まれる)は、CO2が高圧で比較的純粋な流れとして捕捉される再循環CO2流を利用する酸素燃料燃焼システムにおける望ましい効率を提供するものである。しかしながら、閉ループまたは半閉ループ電力生産サイクルは、特に可変熱入力が利用される場合、必要な動作条件を維持するために在庫管理を必要とする可能性がある。このような在庫管理は、質量管理および/または圧力管理などの機能を含み得る。
【0003】
質量管理のための既知のシステムは、流体を貯蔵および放出することができるタンクの使用を含み得る。タンクは、典型的には、圧力増加要素(例えば、ポンプまたは圧縮機)の低圧側および高圧側でフローラインに流体接続される。したがって、流体は、低圧側のラインに放出され得、および/または高圧側のラインから取り出され得る。したがって、タンクは、圧力増加要素の吸気圧力と排気圧力との間の圧力にある。しかしながら、このようなシステムは、システムへの可変熱入力を使用するときなどに、動作パラメータの柔軟性を提供する能力が制限され得る。したがって、発電プラント、特に閉ループまたは半閉ループ電力生産サイクルで動作するように構成された発電プラントの複数の態様を制御するのに適したさらなるシステムおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、1つ以上の挙動の制御のために1つ以上の制御パスが利用される、電力生産のためのシステムおよび方法を提供する。制御は、様々な手動もしくは自動入力、計算値、事前設定値、測定値、論理関数、コンピュータアルゴリズム、またはコンピュータプログラム入力に基づき得る。
【0005】
1つ以上の実施形態では、本開示は、電力生産システムに関連し得る。該システムは、閉ループまたは半閉ループ作動流体回路を利用した電力生産に効果的な様々な要素を含み得る。いくつかの実施形態では、このようなシステムは、作動流体が高圧と低圧との間で循環される作動流体回路と、高圧で作動流体を受け取って、作動流体を膨張させ、低圧で出口から作動流体を排出するように作動流体回路に流体接続された発電タービンと、発電タービンの下流側にあり、発電タービンと流体接続された第1の圧縮要素と、第1の圧縮要素の下流側にあり、第1の圧縮要素と流体接続された第2の圧縮要素と、作動流体回路と流体連通している貯蔵タンクと、タンクと作動流体回路内の1つ以上の位置との間で作動流体を移送するように構成されたコントローラとを備え得る。該システムは、任意の順序または数で組み合わせられ得る以下の記述のうちの1つ以上に関してさらに定義され得る。
【0006】
第1の圧縮要素は、単段または多段圧縮機であり得る。
【0007】
第2の圧縮要素は、可変速ポンプであり得る。
【0008】
電力生産システムはさらに、貯蔵タンクと作動流体回路との間で作動流体を通過させるように構成された少なくとも1つのラインをさらに備え得る。
【0009】
電力生産システムは、貯蔵タンクと作動流体回路との間で作動流体を通過させるように構成された少なくとも1つのラインを通る流体の流れを制御するように構成された少なくとも1つの弁を備え得る。
【0010】
コントローラは、コントローラによって受信された少なくとも1つの条件入力に基づいて少なくとも1つの弁を開閉するように構成され得る。
【0011】
貯蔵タンクと作動流体回路との間で作動流体を通過させるように構成された少なくとも1つのラインは、第1の圧縮要素の上流側かつ発電タービンの出口の下流側で作動流体回路から作動流体を除去するように構成され得る。
【0012】
貯蔵タンクと作動流体回路との間で作動流体を通過させるように構成された少なくとも1つのラインは、第1の圧縮要素の下流側かつ第2の圧縮要素の上流側で作動流体回路から作動流体を除去するように構成され得る。
【0013】
貯蔵タンクと作動流体回路との間で作動流体を通過させるように構成された少なくとも1つのラインは、第1の圧縮要素の下流側かつ第2の圧縮要素の上流側で作動流体回路へ作動流体を導入するように構成され得る。
【0014】
貯蔵タンクと作動流体回路との間で作動流体を通過させるように構成された少なくとも1つのラインは、第2の圧縮要素の下流側かつ発電タービンの入口の上流側で作動流体回路へ作動流体を導入するように構成され得る。
【0015】
電力生産システムはさらに、発電タービンの上流側に位置決めされ、発電タービンの入口と流体連通した出口を有する加熱器を備え得る。
【0016】
電力生産システムはさらに、貯蔵タンクと加熱/冷却接続しており、貯蔵タンク内に存在する作動流体の加熱および冷却の一方または両方を行うように構成された加熱/冷却要素を備え得る。
【0017】
本明細書に記載の電力生産システムのさらなる実施形態は、本明細書内で示されるさらなる開示内容から明らかである。
【0018】
1つ以上の実施形態では、本開示は、閉ループまたは半閉ループ作動流体回路を利用する電力生産システムにおける在庫を管理するための方法に関連し得る。いくつかの実施形態では、該方法は、高圧から低圧へと発電タービンを通過する閉ループまたは半閉ループ作動流体回路内の作動流体を膨張させることと、膨張した作動流体を第1の圧縮要素内で圧縮することと、作動流体を第2の圧縮要素内でさらに圧縮することと、閉ループまたは半閉ループ作動流体回路の1つ以上の位置と貯蔵タンクとの間で作動流体を移送することとを含み得る。該方法は、任意の順序または数で組み合わせられ得る以下の記述のうちの1つ以上に関してさらに定義され得る。
【0019】
閉ループまたは半閉ループ作動流体回路の1つ以上の位置と貯蔵タンクとの間で作動流体を移送することは、作動流体回路を有する加工設備内の少なくとも1つのコントローラへの少なくとも1つの条件入力に基づき得る。
【0020】
第2の圧縮要素は、可変速ポンプであり得る。
【0021】
少なくとも1つのコントローラへの少なくとも1つの条件入力は、可変速ポンプの動作速度の変化、第1の圧縮要素と可変速ポンプとの間で測定された吸気圧力、および発電タービンの出口における作動流体の温度のうちの1つ以上を含み得る。
【0022】
閉ループまたは半閉ループ作動流体回路は、第1の圧縮ユニットと第2の圧縮ユニットとの間の動作圧力範囲を維持するように構成され得、前記動作圧力範囲は、最小圧力P1~最大圧力P2である。
【0023】
少なくとも1つのコントローラは、最小圧力P1より高い圧力を維持するために、貯蔵タンクから閉ループまたは半閉ループ作動流体回路内の少なくとも1つの位置へ作動流体を通過させるように構成され得る。
【0024】
作動流体は、貯蔵タンクから第1の圧縮要素の上流側かつ発電タービンの出口の下流側にある閉ループまたは半閉ループ作動流体回路内の少なくとも1つの位置へと通過し得る。
【0025】
作動流体は、貯蔵タンクから第1の圧縮要素の下流側かつ第2の圧縮要素の上流側にある閉ループまたは半閉ループ作動流体回路内の少なくとも1つの位置へと通過し得る。
【0026】
少なくとも1つのコントローラは、最大圧力P2より低い圧力を維持するために、閉ループまたは半閉ループ作動流体回路内の少なくとも1つの位置から貯蔵タンクへ作動流体を通過させるように構成され得る。
【0027】
作動流体は、第1の圧縮要素の下流側かつ第2の圧縮要素の上流側にある閉ループまたは半閉ループ作動流体回路内の少なくとも1つの位置から貯蔵タンクへと通過し得る。
【0028】
作動流体は、第2の圧縮要素の下流側かつ発電タービンの入口の上流側にある閉ループまたは半閉ループ作動流体回路内の少なくとも1つの位置から貯蔵タンクへと通過し得る。
【0029】
作動流体は、二酸化炭素を含み得る。
【0030】
作動流体は、50モル%超の二酸化炭素であり得る。
【0031】
該方法はさらに、貯蔵タンク内に存在する作動流体の加熱および冷却の一方または両方を含み得る。
【0032】
電力生産システムにおける在庫を管理するための本明細書に記載の方法のさらなる実施形態は、本明細書内で示されるさらなる開示から明らかである。
【0033】
ここで、添付図面について説明するが、添付図面は必ずしも正確な縮尺率で描かれているとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本開示の実施形態に係る、在庫管理要素を有する閉ループ電力生産サイクルのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本開示の主題の例示的な実施形態に関して、より詳細に後述する。本開示が徹底的かつ完全なものになるように、そして当業者に本開示の主題の範囲を十分に伝えるために、これらの例示的な実施形態について説明する。実際に、本開示の主題は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載されている実施形態に限定されると解釈すべきでなく、むしろ、これらの実施形態は、適用可能な法的要件を満たすために提示されるものである。本明細書および添付の請求項で使用されるとき、文脈が明らかに他の意味を示す場合を除いて、単数形(「一」、「一つ」、「その」)は、複数の指示対象を含む。
【0036】
本開示は、電力生産プラントの運転における1つ以上の挙動を制御するのに適合したシステムおよび方法に関する。したがって、本開示はさらに、そのような制御システムを含む様々な要素を含む電力生産プラントに関する。本開示に係る電力生産プラントに含まれ得る要素の非限定的な例は、米国特許第8,596,075号、米国特許第8,776,532号、米国特許第8,959,887号、米国特許第8,986,002号、米国特許第9,068,743号、米国特許出願公開第2010/0300063号、米国特許出願公開第2012/0067054号、米国特許出願公開第2012/0237881号、および米国特許出願公開第2013/0213049号に記載されており、これらの開示内容は参照により本願明細書に組み込まれる。
【0037】
1つ以上の実施形態では、本開示は、閉ループまたは半閉ループサイクルを利用する電力生産システムおよび/または方法に関する。特に、該システムおよび/または方法は、在庫管理に有益な要素を組み込み得る。特定の実施形態では、前記要素は、サイクル内の1つ以上の点における質量および/または体積流量の管理の改善によって運転を改善するように構成される。
【0038】
本明細書で説明される電力生産システムおよび/または方法は、要素の組み合わせの利用を通して、改善された在庫管理を示すことができる。いくつかの実施形態では、サイクルを通過する流体の圧縮/ポンピングの2つの独立した段を利用することが有用であり得る。2つの独立した圧縮段/ポンピング段を有することによって、本開示のサイクルは、別個の独立した段間の圧力が実質的に浮動する、すなわち、上限および下限によって画定される比較的広い範囲内にあることを可能にする有益な位置にある。多段圧縮機/ポンプは、一方の段がサージ状態でなく、他方の段が通常の動作パラメータ内にあるように個々の段を注意深く均衡させなければならないので、そのような能力を示すことは知られていない。本開示の複数の独立した圧縮段/ポンピング段を利用することによって、段間の領域内の圧力を増加および/減少させ、そのことにより、追加の機器の使用を必要とせずに、過剰な在庫を貯蔵し、および/またはサイクルに追加の在庫を供給することが可能である。さらに、サイクル動作条件のはるかに大きな変化を可能にするように最大圧力および最小圧力を設定するために、簡単な制御とともに段間に貯蔵タンクを追加することができる。
【0039】
したがって、本開示のシステムおよび方法は、好適な条件下で動作する様々な構成要素を組み込むことができる。例えば、少なくとも発電タービンおよび電気を生成するための関連する発電機は、流体貯蔵に対応するのに十分な容積を有する配管またはラインによって分離された複数の独立した圧縮段/ポンピング段と組み合わせられ得る。これは、複数の圧縮段/ポンピング段間に配置された1つ以上の貯蔵タンクを含み得る。例えば、圧縮前に膨張作動流体から熱を除去するために、圧縮段/ポンピング段間で熱を除去するまたは熱を加えるために、および/またはタービン内での膨張前に作動流体に熱を加えるために、1つ以上の冷却器および/または加熱器がシステム内の1つ以上の点に含まれ得る。いくつかの実施形態では、発電タービンは、複合加熱器/タービンユニットであり得る。あるいは、燃焼器または他の加熱ユニットが発電タービンの上流側、特に発電タービンのすぐ上流側に位置決めされ得る。
【0040】
本開示の例示的な実施形態が、閉ループ電力生産サイクルの簡略図である
図1に示されている。しかしながら、本開示の態様は同様に、全体的または部分的に、
図1に示されているよりも多いまたは少ない部品を有する閉ループまたは半閉ループ電力生産サイクルに組み込まれ得ることが分かる。例えば、本開示の態様は、参照により本願明細書に組み込まれる上記文献のいずれかに記載されているような電力生産に組み込まれ得る。
図1に示されるサイクルは、例えば、
図1に示されるような弁500を任意の構成要素として導入することによって、半閉ループ電力生産サイクルとして構成され得る。弁500は、作動流体の一部の抜き取りを可能にし得る。同様に、補給流体および/または燃料を導入するために弁600が使用され得る。弁500および弁600は、図示されている電力生産サイクル内の他の場所に位置決めされる場合がある。
【0041】
したがって、
図1は、様々な構成要素を含む電力生産システムの例示的な実施形態を示している。作動流体回路100は、任意の必要な配管、ライン、弁、スプリッタ、ユニオン、および加熱ならびに/もしくは圧縮された流体を通過させるために電力生産システムにおいて典型的に利用される他の構成要素を含み得る。作動流体回路100において、作動流体は、高圧と低圧との間で循環する。高圧および低圧の範囲は、所望に応じて変動し得る。例えば、低圧は、周囲圧力から約5バール、約4バール、約3バール、または約2バールまでの範囲であり得る。高圧は、約10バール~約400バール、約15バール~約350バール、または約20バール~約300バールの範囲で変動し得る。しかしながら、「高い」および「低い」という用語は、互いに相対的であることを意味し、高圧は、低圧より高い任意の圧力であり得、低圧は、高圧より低い任意の圧力であり得ることが分かる。
【0042】
発電タービン10は、作動流体回路100に流体接続されており、高圧で作動流体を受け取って作動流体を膨張させ、低圧でその出口10bから作動流体を排出する。高圧の作動流体は特に、入口10aを通って発電タービン10に流入することができる。第1の圧縮要素(例えば、圧縮機30)は、作動流体が圧縮機30に流入してタービン10の出口10bにおける作動流体の圧力より高い圧力に圧縮されるように、発電タービン10の下流側に位置決めされ、発電タービン10と流体接続している。第1の圧縮要素は、例えば、単段圧縮機または多段圧縮機であり得る。多段圧縮機が使用される場合、圧縮段間の冷却を利用することが有益であり得る。第2の圧縮要素(例えば、ポンプ20)は、第1の圧縮要素の下流側に位置決めされ、第1の圧縮要素と流体接続している。本明細書でさらに説明するように、いくつかの実施形態では、第2の圧縮要素が可変速ポンプなどのポンプであることが有用であり得る。これは、ポンプの上流側の作動流体在庫の変化を考慮するために、ポンプ速度の制御された変化を提供するのに有用であり得る。
【0043】
冷却器32がタービン10と圧縮機30との間に位置決めされ、冷却器22が圧縮機30とポンプ20との間に位置決めされる。このような冷却器は、任意であり得るが、作動流体回路100内の様々な点において作動流体の所望の圧力および/または密度を維持するために有用であり得る。以下でさらに説明するように、好ましくは、貯蔵タンク40が含まれ、作動流体回路100と流体連通するように位置決めされ得る。コントローラ41は、タンク40と作動流体回路100内の1つ以上の位置との間で作動流体を移送するように構成され得る。このような移送は、自動化が可能であり、コントローラ41への1つ以上の信号の入力に依存し得る。
【0044】
図1に示されるサイクルは、特に、制御可能な熱源12、すなわち、入力が比較的広い範囲にわたって変動し得る熱源の使用を示している。制御可能な熱源の使用は、典型的には、複雑化を招くが、そうでなければ在庫管理を達成不可能にし得る。しかしながら、本開示は、制御可能な熱源または一定の熱入力を提供する熱源を使用するときに必要な在庫管理を達成することができる。図示されているように、熱源12は制御可能な熱源であるが、一定の熱源を使用してもよいことが分かる。熱源12は、例えば、米国特許出願公開第2018/0259183号に記載されているような柔軟な燃料燃焼器を含む燃焼器であり得る。この特許の開示内容は参照により本願明細書に組み込まれる。ソーラーヒーター、ボイラーなどの他のタイプの熱源も使用され得る。
【0045】
熱源12は制御可能(または可変)であるため、本開示は、システムに流入する熱を管理するための制御要素を含む。図示されているように、コントローラ1は発電機11の電力出力を測定するが、いくつかの可能な項目がコントローラ1によって制御され得る。より具体的には、コントローラ1は、必要な電力を生成するために熱源12への熱入力を命令する。熱源が制御可能でない場合、あるいは別の方法で電力ループの外側で制御される場合、コントローラ1は任意であり、必要ではなく、システムは単に、熱源12において加えられた熱から最大量の電力を抽出することになる。1つ以上の実施形態では、1つ以上の復熱式熱交換器が利用され得、様々な条件下で復熱式加熱が有益であり得る。復熱式熱交換器が存在する場合、復熱式熱交換器を介してサイクルに熱を加えるために1つ以上の追加の熱源を含むことも有益であり得る。同様に、1つ以上の熱交換器は、サイクルから熱を除去するために使用され得る。これは、
図1では、熱交換器14で示されており、熱交換器14は、任意であり、少なくとも、タービン10を出る作動流体流から熱を取り戻すことによって、加熱器12に流入する作動流体を復熱式加熱するために使用され得る。
【0046】
熱源12(または別の熱源)を介してシステムに熱が加えられると、それに応じて、熱源から下流側のサイクルの様々な点における温度が上昇する。例えば、熱源12において熱を加えると、タービン10の入口の温度が上昇し、タービン10を通って膨張した後、点13の温度(タービンの出口を出た後)も同様に変化する。コントローラ2は、システム内の1つ以上の点における温度を測定し、それに応じて、1つ以上の点において一定の温度を維持するためにポンプ20の動力または速度を変化させるように命令するように構成され得る。
図1に示されているように、コントローラ2は点13における温度測定値に結合されているので、ポンプ20の制御は点13において一定の温度を達成するように管理され得る。しかしながら、コントローラ2は、システム内の追加の点に結合されてもよく、またはシステム内の1つの異なる点に結合されてもよいことが分かる。同様に、ポンプ20の制御がシステム内の複数の異なる点における温度測定値に個々に結合され得るように、追加のコントローラが追加され得る。例えば、ポンプ20の制御は、1つ以上のコントローラによって、タービン10の入口、タービン10の出口(すなわち、点13)、熱源12の入力部、またはシステム内のさらに別の点のうちの任意の1つ以上における温度測定値に結合され得る。さらに、ポンプ20を管理するためのコントローラ2の使用は、温度以外(または温度に加えて)のパラメータに応じて実施され得る。一般に、ポンプ20における出力に基づいて管理することができる任意のシステムパラメータは、システム内の好適なパラメータ入力位置にコントローラを結合することによって、コントローラ2を介して自動的に制御され得る。このようにして、コントローラは、制御されているパラメータに関係なく、パラメータを実質的に一定に保つように構成され得、および/または必要に応じてパラメータに対する自動調整を行うように構成され得る。ポンプ20は、特に、可変速ポンプであり得る。したがって、ポンプ20の出口流量および圧力は、可変であり得、タービンの熱入力に基づいて、および/またはコントローラ2によって管理すべき特定のパラメータに基づいて、タービン10の入口の要件を満たすために変化することが可能であり得る。例えば、
図1に示されているように、ポンプ20の動作を管理するコントローラ2に基づいて、点13における一定のタービン出口条件を維持することが可能である。
【0047】
コントローラ3は、スピルバック弁31(再循環弁と呼ばれることもある)を制御する。制御装置3は、システムを過熱させないように、圧縮機30の高圧側からの流れを冷却器32の上流側の点33の吸気側に戻すことができる。これを行う際に、コントローラ3は、システム損失を考慮しながら、圧縮機30の吸気圧力を制御値で維持し、この制御値は、点13におけるタービン10の排気圧力になる。タービン10の排気温度および排気圧力を固定することによって、タービンへの入口条件は、発電機11で生成される電力量によって決まり、これらの入口条件は、コントローラ2、3によって決まるタービンの基本動作、タービンマップ、およびタービンマップ上の排気の位置によって必然的に決まることになる。同様に、温度または異なるパラメータは、コントローラ2、3の一方または両方によって提供される出力に基づいて、システム内の異なる点で同様に固定され得る。
【0048】
熱源12においてシステムに流入する熱の量が変化すると、システムを通過する流れが変化することが分かる。図示されている電力サイクルは閉ループである(したがって、一定の容積を有する)ため、システム内の在庫は、変化する必要があり得る。「在庫」は、異なる状態(例えば、気体、液体、超臨界)であり得る様々な異なる流体を参照することができる。在庫は、特に、CO2含有流体、好ましくは大部分がCO2であるか、または実質的に純粋なCO2である流体であり得る。例えば、在庫(すなわち、作動流体)は、50モル%超の二酸化炭素を含み得る。実質的に純粋なCO2は、少なくとも98モル%、少なくとも99モル%、少なくとも99.5モル%、または少なくとも99.9モル%の二酸化炭素を意味し得る。
【0049】
電力生産システムはさらに、貯蔵タンク40と作動流体回路100との間で作動流体を通過させるように構成された少なくとも1つのラインをさらに備え得る。
図1において、ライン44aは、作動流体回路100から貯蔵タンク40へ作動流体を通過させるように構成され、ライン44bは、貯蔵タンクから作動流体回路へ作動流体を通過させるように構成される。しかしながら、単一のラインが利用されてもよく、または複数の入力ラインおよび/または出力ライン(入力および出力はタンクに対するものである)が利用されてもよいことが分かる。任意の入力および/または出力ライン(単数または複数)は、貯蔵タンク40と作動流体回路100との間で作動流体を通過させるように構成された少なくとも1つのラインを通る流体の流れを制御するように構成された少なくとも1つの弁を含み得る。
図1において、ライン44aは弁42を含み、ライン44bは弁43を含む。弁(単数または複数)は、貯蔵タンク40への流体の能動的な移出入を改善するためにポンピング要素を含み得ることが分かる。本明細書でさらに説明するように、コントローラ41は、コントローラによって受信された少なくとも1つの条件入力に基づいて、少なくとも1つの弁(例えば、弁42および/または弁43)を開閉するように構成され得る。
【0050】
在庫管理タンク40は、サイクルに追加および/またはサイクルから除去され得る流体を貯蔵するために使用される。ポンプ20が速度を変化させ、流量を変化させると、点400付近のシステム内の圧力は変化する。ポンプ20が効率的に動作するためには、点400における吸気圧力と冷却器22を出る流れの温度との組み合わせの必要最小限の要件が存在する。コントローラ41は、所望の動作パラメータに基づいて選択され得る最小圧力P1より高い圧力を維持するために、弁43を使用して、点402において流体を追加する。また、サイクル条件が変化すると、点400における圧力は増加し、最大圧力P2に近づき始める。最大圧力は、任意の所望の動作範囲を満たすように選択され得る。特定の実施形態では、P2は、配管および他の機器の損傷を引き起こす、または圧縮機30の能力を超える圧力として選択され得る。コントローラ41は、点400における圧力を最大圧力P2より低い圧力に維持するために、弁42を使用して、点401においてサイクルから流体を除去し、流体を貯蔵タンク40に追加する。したがって、タンク40内の圧力は、中間点において、点400のように、P1~P2の圧力になるが、タンク内の圧力と点400における圧力は異なる。このようにして、タンク40および点400付近の制御がアキュムレータとしての機能を果たし、システム内の質量を一定に保ちながら、この領域内の圧力をP1とP2との間にすることができるので、タービン10の動作の小さな変化はシステム内の質量に影響を与えない。条件の変化が著しく大きい場合、点400における圧力は、P1およびP2の限界を上回るまたは下回る可能性がある。そのような場合、コントローラ41は、圧力を限界内に維持するように反応する。
【0051】
点400、点401、および点402の互いに対する位置および冷却器22に対する位置は、
図1に示されている位置とは異なり得る。すなわち、順序は、図示されている形によって決まらない。例えば、点401は、任意に冷却器32と圧縮機30との間に位置決めされることにより、圧縮機30の下流側ではなく圧縮機30の上流側で、流体をサイクルから貯蔵タンク40内へと向け直すことができる。さらなる例として、点402は、任意にポンプ20と加熱器12との間に位置決めされることにより、ポンプ20の上流側ではなくポンプ20の下流側で、流体をサイクル内へと戻すことができる。加えて、2つの弁(42、43)を使用しなければならないことは必須ではなく、代わりに単一の弁が使用される場合がある。さらに、コントローラ41の機能は、複数の異なるコントローラを利用して実現され得る。例えば、弁42および弁43は、第1の弁コントローラおよび第2の異なる弁コントローラによってそれぞれ制御され得る。さらに、ポンプ20は、違いが純粋に命名法であって、単に便宜上のものであるので、圧縮機と呼ばれることもあることが分かる。いくつかの実施形態では、 コントローラ41は、ポンプ20の吸気条件、動作条件、または排気条件のうちの1つ以上からの入力を取得し、ポンプ動作を所望の動作範囲内に維持するために、機器保護のためのP2の計算を可能にし得る。
【0052】
任意に、タンク40内の温度は、加熱/冷却要素45を用いて制御され得る。加熱/冷却要素45は、具体的には、貯蔵タンク40と加熱/冷却接続され得、貯蔵タンク内に存在する作動流体の加熱および冷却の一方または両方を行うように構成され得る。加熱および冷却は、同じ構成要素によって達成されてもよく、または別個の加熱要素および冷却要素が、貯蔵タンク40と関連付けられてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、加熱/冷却要素45は、タンク内の温度条件を変更するためにタンク40に流体を追加するおよび/またはタンク40から流体を除去することができる流体流であり得る。タンク40の容積は一定であるので、この流体流により、タンク40内の密度を操作することによってP1およびP2限界を超えて圧力を増加または減少させずに、追加の流体をタンク40に追加することが可能になる。あるいは、同様の方法で、所与の質量の流体を含む所与の容積のタンク40では、タンク40内の圧力は、P1およびP2が始動、負荷追従、ターンダウンなどの非定常状態の場合および動作に対して増加または減少することができるように、流体の密度を変化させることによって、および/または流体の温度を変化させることによって操作され得る。したがって、加熱/冷却要素45は、代替として、熱をタンクに(または直接タンクの内容物に)加える加熱器であり得る、または熱をタンクから(または直接タンクの内容物から)除去する冷却器であり得る。例えば、構成要素45は、タンクを加熱および/または冷却するように構成されたタンク40の周囲のジャケットであり得る。別の例として、構成要素45は、タンク内に収容されている流体と直接混合せずにタンクの内容物を加熱/冷却するために加熱および/または冷却流体を通過させることができるタンク40内部の熱交換ラインであり得る。タンクの充填点およびタンク40上の圧力解放安全装置は図示されていない。
【0054】
前述から理解され得るように、本明細書に記載されているような電力生産システムは、閉ループまたは半閉ループ作動流体回路を利用する電力生産システムにおける作動流体の在庫を管理する方法を実行する際に特に有用であり得る。例えば、方法は、高圧から低圧へと発電タービン10を通過する閉ループまたは半閉ループ作動流体回路内の作動流体を膨張させて、電気などの電力を生成することを含み得る。発電タービン10を出る作動流体は、上述した第1の圧縮要素および第2の圧縮要素などの複数の圧縮要素内で圧縮され得る。加えて、該方法は、閉ループまたは半閉ループ作動流体回路100の1つ以上の位置と貯蔵タンク40との間で作動流体を移送することを含み得る。
【0055】
上述したように、閉ループまたは半閉ループ作動流体回路100の1つ以上の位置と貯蔵タンク40との間で作動流体を移送することは、作動流体回路を有する加工設備内の少なくとも1つのコントローラへの少なくとも1つの条件入力に基づき得る。
図1に示されているコントローラ41は、特に、作動流体回路100と貯蔵タンクとの間の作動流体の移送を制御するように構成され得る。
【0056】
一例として、可変速ポンプ(例えば、
図1のポンプ20)が第2の圧縮要素として使用される場合、少なくとも1つのコントローラへの少なくとも1つの条件入力は、可変速ポンプの動作速度の変化、第1の圧縮要素(例えば、圧縮機30)と可変速ポンプ20との間で測定された吸気圧力、および発電タービン10の出口10bにおける作動流体の温度のうちの1つ以上を含み得る。コントローラ41は、例えば、前述のうちの1つまたは全てに関連する入力を受信して、貯蔵タンク40と作動流体回路100との間の作動流体の通過を自動的に制御することができる。上述したように、これは、作動流体回路100と貯蔵タンク40との間の単一のラインを利用して達成され得、この場合、必要に応じて、貯蔵タンクから作動流体回路へ、または作動流体回路から貯蔵タンクへの流れを引き起こすために、好適な弁(単数または複数)(および任意でポンピング要素(単数または複数))が使用され得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、閉ループまたは半閉ループ作動流体回路100が、第1の圧縮ユニット(例えば、圧縮機30)と第2の圧縮ユニット(例えば、ポンプ20)との間の動作圧力範囲を維持するように構成される場合、このような可制御性は有益であり得る。前述したように、そのような動作圧力範囲は、最小圧力P1と最大圧力P2との間であるように定義され得る。1つ以上の実施形態では、P1およびP2は共に、発電タービンに関して本明細書で言及した低圧以上および高圧以下の圧力である。具体的には、P1は、タービン10の出口10bを出る作動流体の低圧以上であり、かつP2未満であり得る。同様に、P2は、P1より高く、タービンの入口10aに流入する作動流体の高圧以下であり得る。コントローラ41は、作動流体回路100の圧力をP1~P2の範囲内で維持するための1つ以上の機能を実行するようにプログラムされ得る。例えば、コントローラ41は、貯蔵タンク40から閉ループまたは半閉ループ作動流体回路100内の少なくとも1つの位置へ作動流体を通過させて、最小圧力P1より高い圧力を維持するように構成され得る。作動流体は、貯蔵タンク40から第1の圧縮要素(例えば圧縮機30)の上流側かつ発電タービン10の出口10bの下流側にある閉ループまたは半閉ループ作動流体回路100内の少なくとも1つの位置へと通過し得る。代替的に、または追加的に、作動流体は、貯蔵タンク40から第1の圧縮要素(例えば、圧縮機30)の下流側かつ第2の圧縮要素(例えば、ポンプ20)の上流側にある閉ループまたは半閉ループ作動流体回路100内の少なくとも1つの位置へと通過し得る。同様に、コントローラ41は、最大圧力P2より低い圧力を維持するために、閉ループまたは半閉ループ作動流体回路100内の少なくとも1つの位置から貯蔵タンク40へ作動流体を通過させるように構成され得る。例えば、作動流体は、第1の圧縮要素(例えば、圧縮機30)の下流側かつ第2の圧縮要素(例えば、ポンプ20)の上流側にある閉ループまたは半閉ループ作動流体回路100内の少なくとも1つの位置から貯蔵タンク40へと通過し得る。代替的に、または追加的に、作動流体は、第2の圧縮要素(例えば、ポンプ20)の下流側かつ発電タービン10の入口10aの上流側にある閉ループまたは半閉ループ作動流体回路内の少なくとも1つの位置から貯蔵タンク40へと通過し得る。
【0058】
前述に加えて、本開示の方法は、貯蔵タンク40内に存在する作動流体を加熱することおよび冷却することの一方または両方を含み得る。これは、単一の加熱/冷却要素45を利用するか、または加熱要素および別個の冷却要素を使用して、上記で別様に説明されているように実行され得る。
【0059】
上記説明および関連図面において提示される教示の恩恵にあずかる、本開示の主題に関係する当業者は、本開示の主題の多くの修正および他の実施形態を思い付くであろう。したがって、本開示は、本明細書に記載されている特定の実施形態に限定されず、修正および他の実施形態が添付の請求項の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。特定の用語が本明細書で用いられているが、それらの用語は、限定するためではなく、一般的かつ説明的な意味でのみ使用されている。