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特許7555974インテリジェント追跡システムと方法、及びそのためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】インテリジェント追跡システムと方法、及びそのためのシステム
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/07 20060101AFI20240917BHJP
   G01K 11/24 20060101ALI20240917BHJP
   G01K 1/024 20210101ALI20240917BHJP
   H04B 5/48 20240101ALI20240917BHJP
   H04B 1/59 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
G06K19/07 090
G06K19/07 170
G06K19/07 230
G01K11/24
G01K1/024
H04B5/48
H04B1/59
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021571539
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-01
(86)【国際出願番号】 US2020035303
(87)【国際公開番号】W WO2020243557
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-04-14
(31)【優先権主張番号】62/855,474
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516326438
【氏名又は名称】エックス デベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】カワグチ, ディーン, マモル
(72)【発明者】
【氏名】ビダル, アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ボーリング, エドワード ジョン
(72)【発明者】
【氏名】パンチャラン, プラサド
(72)【発明者】
【氏名】ラル, アミット
(72)【発明者】
【氏名】クオ, ジャスティン, シー.
(72)【発明者】
【氏名】ファレル, エドワード, モーリス
【審査官】田名網 忠雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-053958(JP,A)
【文献】特開平09-153123(JP,A)
【文献】特開2013-239779(JP,A)
【文献】米国特許第08994586(US,B1)
【文献】中国実用新案第201007826(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/07
G06K 19/077
G01K 11/24
G01K 1/024
H04B 5/48
H04B 1/59
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受動的追跡デバイスであって、
応答信号を第1の周波数帯域で送信する、第1のアンテナと、
第2の周波数帯域でエネルギー供給信号を受信する、第2のアンテナと、
前記第2のアンテナによってリモートデバイスからエネルギー供給信号を受信して、前記エネルギー供給信号をRF電気エネルギーから前記受動的追跡デバイスにエネルギー供給するDC電気エネルギーに変換する、エネルギーハーベスと、
前記第1の周波数帯域での送信用に応答信号を変調し、通信プロトコルに従って前記変調された応答信号を送信用に前記第1のアンテナに出力し、前記応答信号は、前記受動的追跡デバイスのデバイス識別子を示すメッセージを含む、送信モジュールと、
を備え、
前記送信モジュールは、出力周波数を作り出すバルク弾性波基準発振器を含み、前記バルク弾性波基準発振器は、バルク弾性波遅延基準、マスタクロック、前記バルク弾性波遅延基準の複数のエコーを検出する時間差検出器、位相周波数検出モジュール、及びループフィルタを含み、前記送信モジュールは、前記応答信号が前記バルク弾性波基準発振器の前記出力周波数に基づいた搬送周波数を有するように、前記応答信号を変調し、前記バルク弾性波遅延基準は、第1のバルク弾性波遅延基準であり、前記複数のエコーは第1の複数のエコーである、受動的追跡デバイス。
【請求項2】
粗い温度読取り値及び精密な温度読取り値のうちの一方又は両方を生成するバルク弾性波温度センサであり、該バルク弾性波温度センサが、第2のバルク弾性波遅延基準を含む、バルク弾性波温度センサをさらに備える、請求項1に記載の受動的追跡デバイス。
【請求項3】
前記第2のアンテナによって受信されたエネルギー供給信号を変圧するバルク弾性波変圧器であり、該バルク弾性波変圧器が第2のバルク弾性波遅延素子を含む、バルク弾性波変圧器をさらに備える、請求項1に記載の受動的追跡デバイス。
【請求項4】
前記バルク弾性波変圧器が、前記エネルギー供給信号の前記エネルギーハーベスタへのソースインピーダンスを大きくする、請求項3に記載の受動的追跡デバイス。
【請求項5】
前記バルク弾性波変圧器が、前記エネルギーハーベスタへの電圧を大きくする、請求項3に記載の受動的追跡デバイス。
【請求項6】
前記バルク弾性波変圧器が、送信トランスデューサ、弾性共振器、及び受信トランスデューサを含み、前記送信トランスデューサ及び前記受信トランスデューサが窒化アルミニウムを含む、請求項3に記載の受動的追跡デバイス。
【請求項7】
前記バルク弾性波変圧器が、送信トランスデューサ、弾性共振器、及び受信トランスデューサを含み、前記送信トランスデューサ及び前記受信トランスデューサが窒化アルミニウムスカンジウムを含む、請求項3に記載の受動的追跡デバイス。
【請求項8】
エネルギーハーベスによって、第2のアンテナによってリモートデバイスからエネルギー供給信号を受信するステップと、
前記エネルギーハーベスによって、前記エネルギー供給信号をRF電気エネルギーから受動的追跡デバイスにエネルギー供給するDC電気エネルギーに変換するステップと、
送信モジュールによって、第1の周波数帯域での送信用の応答信号を、前記応答信号がバルク弾性波基準発振器の出力周波数に基づいた搬送周波数を有するように、変調するステップと、
前記送信モジュールによって、通信プロトコルに従って前記変調された応答信号を送信用に第1のアンテナに出力するステップと、
を含み、
前記応答信号は、前記受動的追跡デバイスのデバイス識別子を示すメッセージを含み、前記送信モジュールは、出力周波数を作り出す前記バルク弾性波基準発振器を含み、前記バルク弾性波基準発振器は、バルク弾性波遅延基準、マスタクロック、前記バルク弾性波遅延基準の複数のエコーを検出する時間差検出器、位相周波数検出モジュール、及びループフィルタを含み、前記バルク弾性波遅延基準は、第1のバルク弾性波遅延基準であり、前記複数のエコーは第1の複数のエコーである、方法。
【請求項9】
前記バルク弾性波基準発振器に含まれるバルク弾性波温度センサによって、前記バルク弾性波遅延基準の第2の複数のエコーを検出するステップと、
前記バルク弾性波温度センサによって、前記第2の複数のエコーのうち第1のエコー及び第2のエコーに基づいて第1のエコー信号及び第2のエコー信号を生成するステップと、
前記バルク弾性波温度センサによって、前記第2の複数のエコーのうち前記第1のエコー及び前記第2のエコーにそれぞれ基づく前記第1のエコー信号及び前記第2のエコー信号に基づいて粗い温度読取り値を生成するステップと、
前記バルク弾性波温度センサによって、前記粗い温度読取り値を前記バルク弾性波基準発振器の前記時間差検出器に出力するステップと、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
バルク弾性波温度センサによって、粗い温度読取り値及び精密な温度読取り値のうちの一方又は両方を生成するステップであり、前記バルク弾性波温度センサが第2のバルク弾性波遅延基準を含む、生成するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
バルク弾性波変圧器によって、前記第2のアンテナによって受信されたエネルギー供給信号を変圧するステップであり、前記バルク弾性波変圧器が第2のバルク弾性波遅延素子を含む、変圧するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記バルク弾性波変圧器によって、前記エネルギー供給信号の前記エネルギーハーベスタへのソースインピーダンスを大きくするステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記バルク弾性波変圧器によって、前記エネルギーハーベスタへの電圧を大きくするステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記バルク弾性波変圧器が、送信トランスデューサ、弾性共振器、及び受信トランスデューサを含み、前記送信トランスデューサ及び前記受信トランスデューサが窒化アルミニウムを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記バルク弾性波変圧器が、送信トランスデューサ、弾性共振器、及び受信トランスデューサを含み、前記送信トランスデューサ及び前記受信トランスデューサが窒化アルミニウムスカンジウムを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
[0001]本出願は、2019年5月31日に提出された「AN INTELLIGENT TRACKING SYSTEM AND METHODS AND SYSTEMS THEREFOR」と題する米国特許仮出願第62/855,474号に対する優先権を主張するものであり、その内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【分野】
【0002】
[0002]本開示は、追跡システムを含むインテリジェント追跡システム、及び追跡システムをサポートするバックエンドサーバシステムに関する。
【背景】
【0003】
[0003]追跡デバイスは、様々な物品を追跡するために使用される。典型的には、追跡デバイスはGPSモジュールを含む。GPSモジュールは、多くの電力を消耗することがある。そのため、典型的な追跡デバイスは一定の電力供給を必要とし、したがって長距離ルートでの(例えば、船舶、列車、及び長距離トラック)の出荷を追跡するには不向きである。GPSモジュールはまた、高額な場合もある。そのため、典型的な追跡デバイスは多くの物品を、1回の出荷又は物品のグループに対して大量の追跡デバイスを設置するのに関するコストのために、追跡するために使用することができない。GPSモジュールはまた、大型である場合もある。そのため、典型的な追跡デバイスは小型の物品を追跡するには不向きな場合がある。さらには、小型の追跡タグは小型の物品を追跡するために使用することができる一方で、これらのタグのほとんどはセルラモデムの使用に依拠し、バッテリを含み、さらに高額な可能性がある。
【概要】
【0004】
[0004]本開示のいくつかの実施形態によると、受動的(passive, パッシブ)追跡デバイスが開示される。受動的追跡デバイスは、第1の周波数帯域で第1の応答信号を送信する第1のアンテナと、第2の周波数帯域で第1のエネルギー供給信号を受信する第2のアンテナと、第3の周波数帯域で第2の応答信号を送信すること及び第2のエネルギー供給信号を受信することの両方を行なう第3のアンテナとを含む。受動的追跡デバイスは、第2のアンテナ及び/又は第3のアンテナによってリモートデバイスからエネルギー供給信号を受信して、エネルギー供給信号をRF電気エネルギーから受動的追跡デバイスにエネルギー供給するDC電気エネルギーに変換するエネルギーハーベストモジュールをさらに含む。受動的追跡デバイスは、第1の周波数帯域での送信用に第1の応答信号を変調し、受動的追跡デバイスが第1の通信プロトコルに従って第1のモードで動作するとき変調された第1の応答信号を送信用に第1のアンテナに出力する第1の送信モジュールをさらに含み、第1の応答信号は、受動的追跡デバイスの第1のデバイス識別子を示す第1のメッセージを含む。受動的デバイスはまた、第3の周波数帯域での送信用に第2の応答信号を準備して、受動的追跡デバイスが第2の通信プロトコルに従って第2のモードで動作するとき第3のアンテナのインピーダンスをトグルすることによって準備した第2の応答信号の送信を容易にする第2の送信モジュールを含む。第2の応答信号は、受動的追跡デバイスの第2のデバイス識別子を示す第2のメッセージを含む。受動的追跡デバイスはまた、エネルギー供給信号に基づいて受動的追跡デバイスが第1のモード又は第2のモードのどちらで動作するかを判定するモード選択モジュールを含む。
【0005】
[0005]実施形態では、第1の通信プロトコルは、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth Low Energy、又はWi-Fi通信プロトコルのうちの1つであり、第1の周波数帯域は、Bluetooth、Bluetooth Low Energy、又はWi-Fi通信プロトコルのうちの1つに従って信号を搬送するために適切である。これらの実施形態では、第2の周波数帯域は、第1の周波数帯域に等しく、第2の通信プロトコルは、RFID通信プロトコルであり、第3の周波数帯域はRFID通信プロトコルに従って信号を搬送するために適切である。これらの実施形態の一部では、第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域は、実質的に2.4GHzに等しく、第3の周波数帯域は、実質的に900MHzに等しい。いくつかの実施形態では、第2の通信プロトコルは、EPC UHF RFID通信プロトコルである。
【0006】
[0006]実施形態では、受動的追跡デバイスは、第1の応答信号をBluetooth通信プロトコル、Bluetooth Low Energy通信プロトコル、及びWi-Fi通信プロトコルのうちの1つに従って変調して送信しつつ第1のモードで動作し、第2の応答信号をRFID通信プロトコルに従って準備して送信しつつ第2のモードで動作する。これらの実施形態の一部では、モード選択モジュールは、エネルギー供給信号が第3の周波数帯域で受信され、認識されたRFIDコマンドを含まない限り、第1の応答信号をデフォルトでBluetooth Low Energyプロトコルに従って変調して送信するよう判定する。
【0007】
[0007]実施形態では、モード選択モジュールは、第2のアンテナによって第2の周波数帯域でエネルギー供給信号を受信したことに応答して、受動的追跡デバイスが第1のモードで動作することになると判定する。
【0008】
[0008]実施形態では、モード選択モジュールは、受信されたエネルギー供給信号がRFIDヘッダ又はコマンドを含まないと判定したことに応答して、受動的追跡デバイスが第1のモードで動作すると判定する。これらの実施形態の一部では、第1のモード選択モジュールは、受信されたエネルギー供給信号がEPC UHF RFIDヘッダ又はコマンドを含まないと判定したことに応答して、受動的追跡デバイスが第1のモードで動作すると判定する。
【0009】
[0009]実施形態では、第1の送信モジュールは、受動的追跡デバイスによって蓄えられたエネルギーの量に基づいて、受動的追跡デバイスがいつ変調された第1の応答信号を送信するかを決定する。これらの実施形態の一部では、第1の送信モジュールは、受動的追跡デバイスによって蓄えられたエネルギーの量が第1の電力しきい値を越えると、受動的追跡デバイスは変調された第1の応答信号を実質的に即時に送信することを決定する。これらの実施形態の一部では、第1の送信モジュールは、第2の電力しきい値が第1の電力しきい値未満であり、受動的追跡デバイスによって蓄えられたエネルギーの量が第2の電力しきい値を越えるが第1の電力しきい値未満であるとき、受動的追跡デバイスは、ある遅延の後に変調された第1の応答信号を送信することを決定する。これらの実施形態の一部では、第1の電力しきい値は0dBmであり、第2の電力しきい値は-20dBmである。
【0010】
[0010]実施形態では、モード選択モジュールは、第3のアンテナによって第3の周波数帯域でエネルギー供給信号を受信したことに応答して、受動的追跡デバイスが第2のモードで動作すると判定する。
【0011】
[0011]実施形態では、モード選択モジュールは、エネルギー供給信号の内容に基づいて、受動的追跡デバイスが第2のモードで動作すると判定する。これらの実施形態では、モード選択モジュールは、エネルギー供給信号がRFIDフォーマットヘッダを含むと判定したことに応答して、受動的追跡デバイスが第2のモードで動作すると判定する。いくつかの実施形態では、モード選択モジュールは、受信したエネルギー供給信号が完全なRFIDフォーマットメッセージを含むことに応答して、受動的追跡デバイスが第2のモードで動作すると判定する。
【0012】
[0012]実施形態では、第1のモードが送信のデフォルトのモードであり、第2のモードは、第3のアンテナによって第3の周波数帯域でエネルギー供給信号を受信したこと、及びエネルギー供給信号がRFIDフォーマットヘッダ、及びEPCコマンドを含む完全なRFIDフォーマットメッセージを含んでいることに応答して、モード選択モジュールによって選択される。いくつかの実施形態では、エネルギーハーベストモジュールは、DC電気エネルギーを第1及び第2の送信モジュール並びにモード選択モジュールのうちの1つ又は複数に出力する。いくつかの実施形態では、第1のデバイス識別子及び第2のデバイス識別子は同一である。
【0013】
[0013]実施形態では、受動的追跡デバイスは、センサモジュールをさらに含み、センサモジュールは、1つ又は複数のセンサを含み、センサモジュールは、1つ又は複数のセンサによって生成されたセンサデータを、受動的追跡デバイスが第1のモードで動作するときは第1の送信モジュールに出力し、第1の送信モジュールはセンサデータの少なくとも一部を第1のアンテナによる送信用に変調された第1の応答信号に含む。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のセンサは、温度センサ、光センサ、音センサ、湿度センサ、モーションセンサ、衝撃センサ、及び加速度センサのうちの1つ又は複数を含む。いくつかの実施形態では、第1の送信モジュールは、センサデータの値が所定の条件を満たす場合、センサデータのうちの少なくとも一部を、第1のアンテナによる送信用に変調された第1の応答信号に含む。これらの実施形態のうちの一部では、第1の送信モジュールは、温度値が上側のしきい値を越えると温度センサから取得した温度値を第1の応答信号に含む。これらの実施形態のうちの一部では、第1の送信モジュールは、温度値が下側のしきい値未満の場合、温度センサから取得した温度値を第1の応答信号に含む。いくつかの実施形態では、第1の送信モジュールは、センサデータの値がしきい値を満たしている及び/又はしきい値を越える場合、1つ又は複数のセンサによって生成されたセンサデータを第1の応答信号に含む。これらの実施形態の一部では、第1の送信モジュールは、所定の条件がセンサデータによって満たされない場合、センサデータを第1の応答信号に含むことを控える。
【0014】
[0014]実施形態では、受動的追跡デバイスは、メッセージを暗号化して、受動的追跡デバイスが第1のモードで通信するときは暗号化メッセージを第1の送信モジュールに出力する暗号化モジュールを含み、第1の送信モジュールは暗号化メッセージの少なくとも一部を第1のアンテナによる送信用に変調された第1の応答信号に含む。いくつかの実施形態では、暗号化モジュールは秘密パターン及び秘密鍵に基づいて受動的追跡デバイスの第1のデバイス識別子を暗号化して暗号化メッセージを取得し、暗号化メッセージを第1の送信モジュールに出力する。
【0015】
[0015]実施形態では、エネルギーハーベストモジュールは、エネルギー供給信号のインピーダンスを受動的追跡デバイスに実質的に整合する変圧器を含む。
【0016】
[0016]本開示のいくつかの実施形態によると、受動的追跡デバイスが開示される。受動的追跡デバイスは、第1の周波数帯域で第1の応答信号を送信する第1のアンテナと、第2の周波数帯域で第1のエネルギー供給信号を受信する第2のアンテナと、第3の周波数帯域で第2の応答信号を送信すること及び第2のエネルギー供給信号を受信することの両方を行なう第3のアンテナとを含む。受動的追跡デバイスは、第2のアンテナ及び/又は第3のアンテナによってリモートデバイスからエネルギー供給信号を受信して、エネルギー供給信号をRF電気エネルギーからDC電気エネルギーに少なくとも部分的に変換するエネルギーハーベスタをさらに含む。受動的追跡デバイスは、エネルギーハーベスタからエネルギー供給信号を受信して、エネルギーハーベスタと共にエネルギー供給信号をRF電気エネルギーからDC電気エネルギーに少なくとも部分的に変換するクランプ回路をさらに含む。受動的追跡デバイスは、クランプ回路からDC電気エネルギーを受信して、DC電気エネルギーを蓄える貯蔵コンデンサ、及びクランプ回路と貯蔵コンデンサのうちの一方又は両方からDC電気エネルギーを受信してDC電気エネルギーの電圧を調節する電圧レギュレータをさらに含む。受動的追跡デバイスは、電圧レギュレータから調節されたDC電気エネルギーを受信して、受動的追跡デバイスにエネルギー供給する電力バス、及び第1の周波数帯域での送信用に第1の応答信号を変調し、受動的追跡デバイスが第1の通信プロトコルに従って第1のモードで動作するとき変調された第1の応答信号を送信用に第1のアンテナに出力する位相同期ループを含み、第1の応答信号は、受動的追跡デバイスの第1のデバイス識別子を示す第1のメッセージを含む。受動的追跡デバイスはまた、位相同期ループから変調された第1の応答信号を受信して、変調された第1の応答信号を第1のアンテナによる送信用に増幅する増幅器、及び信号を変調のために位相同期ループに与えるAC電源を含む。受動的追跡デバイスはまた、基準周波数をAC電源に与える基準発振器、及び位相同期ループと共に動作して第1の応答信号を変調するガウス周波数シフトキーイング変調器を含む。受動的追跡デバイスは、情報を変調された第1の応答信号へのインクルージョンのためにガウス周波数シフトキーイング変調器に出力する状態機械、並びに状態機械による検索及び変調された第1の応答信号へのインクルージョンに利用可能な情報を記憶する不揮発性メモリをさらに含む。受動的追跡デバイスはまた、第3の周波数帯域での送信用に第2の応答信号を準備し、受動的追跡デバイスが第2の通信プロトコルに従って第2のモードで動作するとき、第3のアンテナのインピーダンスをトグルすることによって準備した第2の応答信号の送信を容易にするバックスキャッタスイッチを含み、第2の応答信号は、受動的追跡デバイスの第2のデバイス識別子を示す第2のメッセージを含む。受動的追跡デバイスはまた、バックスキャッタスイッチを作動させて第2の応答信号を準備するEPCモデム、及び第2のアンテナ又は第3のアンテナからエネルギー供給信号を受信して、エネルギー供給信号に基づいて受動的追跡デバイスが第1のモード又は第2のモードのどちらで動作するかを判定するモードセレクタを含む。
【0017】
[0017]実施形態では、第1の通信プロトコルは、Bluetooth、Bluetooth Low Energy、又はWi-Fi通信プロトコルのうちの1つであり、第1の周波数帯域は、Bluetooth、Bluetooth Low Energy、又はWi-Fi通信プロトコルのうちの1つに従って信号を搬送するために適切であり、第2の周波数帯域は、第1の周波数帯域に等しく、第2の通信プロトコルは、RFID通信プロトコルであり、第3の周波数帯域はRFID通信プロトコルに従って信号を搬送するために適切である。これらの実施形態の一部では、第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域は、実質的に2.4GHzに等しく、第3の周波数帯域は、実質的に900MHzに等しい。
【0018】
[0018]実施形態では、第2の通信プロトコルは、EPC UHF RFIDプロトコル通信プロトコルである。いくつかの実施形態では、受動的追跡デバイスは、第1の応答信号をBluetooth通信プロトコル、Bluetooth Low Energy通信プロトコル、及びWi-Fi通信プロトコルのうちの1つに従って変調して送信しつつ第1のモードで動作し、第2の応答信号をRFIDに従って準備して送信しつつ第2のモードで動作する。いくつかの実施形態では、モード選択モジュールは、エネルギー供給信号が第3の周波数帯域で受信され、認識されたRFIDコマンドを含まない限り、第1の応答信号をデフォルトでBluetooth Low Energyプロトコルに従って変調して送信するよう判定する。実施形態では、モードセレクタは、第2のアンテナによって第2の周波数帯域でエネルギー供給信号を受信したことに応答して、受動的追跡デバイスが第1のモードで動作すると判定する。いくつかの実施形態では、モードセレクタは、エネルギー供給信号がRFIDヘッダ又はコマンドを含まないと判定したことに応答して、受動的追跡デバイスが第1のモードで動作すると判定する。いくつかの実施形態では、モードセレクタは、エネルギー供給信号がEPC UHF RFIDヘッダ又はコマンドを含まないと判定したことに応答して、受動的追跡デバイスが第1のモードで動作すると判定する。
【0019】
[0019]実施形態では、状態機械は、貯蔵コンデンサによって蓄えられたエネルギーの量に基づいて、受動的追跡デバイスがいつ変調された第1の応答信号を送信するかを決定する。これらの実施形態の一部では、状態機械は、貯蔵コンデンサによって蓄えられたエネルギーの量が第1の電力しきい値を越えると、受動的追跡デバイスは変調された第1の応答信号を実質的に即時に送信することを決定する。いくつかの実施形態では、状態機械は、第2の電力しきい値が第1の電力しきい値未満であり、貯蔵コンデンサによって蓄えられたエネルギーの量が第2の電力しきい値を越えるが第1の電力しきい値未満であるとき、受動的追跡デバイスは、ある遅延の後に変調された第1の応答信号を送信することを決定する。これらの実施形態の一部では、第1の電力しきい値は0dBmであり、第2の電力しきい値は-20dBmである。
【0020】
[0020]実施形態では、モードセレクタは、第3のアンテナによって第3の周波数帯域でエネルギー供給信号を受信したことに応答して、受動的追跡デバイスが第2のモードで動作すると判定する。いくつかの実施形態では、モードセレクタは、エネルギー供給信号の内容に基づいて、受動的追跡デバイスが第2のモードで動作すると判定する。これらの実施形態の一部では、モードセレクタは、エネルギー供給信号がRFIDフォーマットヘッダを含むと判定したことに応答して、受動的追跡デバイスが第2のモードで動作すると判定する。いくつかの実施形態では、モードセレクタは、受信したエネルギー供給信号が完全なRFIDフォーマットメッセージを含むことに応答して、受動的追跡デバイスが第2のモードで動作すると判定する。
【0021】
[0021]実施形態では、モードセレクタは、エネルギーハーベスタ及びクランプ回路によってエネルギー供給信号から変換されたエネルギーの量に応答して、受動的追跡デバイスが第2のモードで動作すると判定する。いくつかの実施形態では、第1のモードが送信のデフォルトのモードであり、第2のモードは、第3のアンテナによって第3の周波数帯域でエネルギー供給信号を受信したこと、及びエネルギー供給信号がRFIDフォーマットヘッダ、及びEPCコマンドを含む完全なRFIDフォーマットメッセージを含んでいることに応答して、モードセレクタによって選択される。いくつかの実施形態では、電力バスは、DC電気エネルギーを第1及び第2の送信モジュール並びにモードセレクタのうちの1つ又は複数に出力する。いくつかの実施形態では、第1のデバイス識別子及び第2のデバイス識別子は同一である。
【0022】
[0022]実施形態では、受動的追跡デバイスは、センサモジュールをさらに含む。センサモジュールは、1つ又は複数のセンサを含む。受動的追跡デバイスが第1のモードで動作し、状態機械がセンサデータの少なくとも一部を第1のアンテナによる送信用に変調された第1の応答信号に含むと、センサモジュールは、1つ又は複数のセンサによって生成されたセンサデータを、状態機械及び/又は不揮発性メモリに出力する。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のセンサは、温度センサ、光センサ、音センサ、湿度センサ、モーションセンサ、衝撃センサ、及び加速度センサのうちの1つ又は複数を含む。これらの実施形態の一部では、状態機械は、センサデータの値が所定の条件を満たす場合、センサデータのうちの少なくとも一部を、第1のアンテナによる送信用に変調された第1の応答信号に含む。いくつかの実施形態では、状態機械は、温度値が上側のしきい値を越えると温度センサから取得した温度値を第1の応答信号に含む。これらの実施形態の一部では、状態機械は、温度値が下側のしきい値未満の場合、温度センサから取得した温度値を第1の応答信号に含む。
【0023】
[0023]実施形態では、センサモジュールは、センサデータの値がしきい値を満たしている及び/又はしきい値を越える場合、1つ又は複数のセンサによって生成されたセンサデータを状態機械及び/又は不揮発性メモリに出力する。いくつかの実施形態では、状態機械は、所定の条件がセンサデータによって満たされない場合、センサデータを第1の応答信号に含むことを控える。
【0024】
[0024]実施形態では、受動的追跡デバイスは、メッセージを暗号化して、受動的追跡デバイスが第1のモードで通信するときは暗号化メッセージを状態機械に出力する暗号化モジュールをさらに含み、状態機械は暗号化メッセージの少なくとも一部を第1のアンテナによる送信用に変調された第1の応答信号に含む。いくつかの実施形態では、暗号化モジュールは秘密パターン及び秘密鍵に基づいて受動的追跡デバイスの第1のデバイス識別子を暗号化して暗号化メッセージを取得し、暗号化メッセージを状態機械に出力する。
【0025】
[0025]実施形態では、基準発振器は、バルク弾性波発振器である。
【0026】
[0026]実施形態では、受動的追跡デバイスは第2のアンテナ及びエネルギーハーベスタに接続された変圧器をさらに含み、変圧器は、第2のアンテナにより受信されたエネルギー供給信号のインピーダンスを受動的追跡デバイスに実質的に整合して、インピーダンスが整合したエネルギー供給信号をエネルギーハーベスタに出力する。
【0027】
[0027]本開示のさらに他の実施形態によると、受動的追跡デバイスが開示される。受動的追跡デバイスは、第1の周波数帯域で応答信号を送信する第1のアンテナ、及び第2の周波数帯域でエネルギー供給信号を受信する第2のアンテナを含む。受動的追跡デバイスは、第2のアンテナによってリモートデバイスからエネルギー供給信号を受信して、エネルギー供給信号をRF電気エネルギーから受動的追跡デバイスにエネルギー供給するDC電気エネルギーに変換するエネルギーハーベストモジュールをさらに含む。受動的追跡デバイスはまた、第1の周波数帯域での送信用に応答信号を変調し、通信プロトコルに従って変調された応答信号を送信用に第1のアンテナに出力する送信モジュールを含み、応答信号は、受動的追跡デバイスのデバイス識別子を示すメッセージを含む。受動的追跡デバイスは、1つ又は複数のセンサを含むセンサモジュールをさらに含む。エネルギーハーベストモジュールによってエネルギー供給されたことに応答して、センサモジュールは、1つ又は複数のセンサによって生成されたセンサデータを送信モジュールに出力し、送信モジュールは、センサデータの少なくとも一部を第1のアンテナによる送信用に変調された応答信号に含む。
【0028】
[0028]実施形態では、1つ又は複数のセンサは、温度センサ、光センサ、音センサ、湿度センサ、モーションセンサ、衝撃センサ、及び加速度センサのうちの1つ又は複数を含む。
【0029】
[0029]実施形態では、送信モジュールは、センサデータの値が所定の条件を満たす場合、センサデータのうちの少なくとも一部を、変調された応答信号に含む。いくつかの実施形態では、送信モジュールは、温度値が上側のしきい値を越えると温度センサから取得した温度値を変調された応答信号に含む。いくつかの実施形態では、送信モジュールは、温度値が下側のしきい値未満の場合、温度センサから取得した温度値を変調された応答信号に含む。いくつかの実施形態では、送信モジュールは、センサデータの値がしきい値を満たしている及び/又はしきい値を越える場合、1つ又は複数のセンサによって生成されたセンサデータを変調された応答信号に含む。いくつかの実施形態では、送信モジュールは、所定の条件がセンサデータによって満たされない場合、センサデータを応答信号に含むことを控える。
【0030】
[0030]実施形態では、送信モジュールは第1の送信モジュールであり、応答信号は第1の応答信号であり、エネルギー供給信号は第1のエネルギー供給信号であり、通信プロトコルは第1の通信プロトコルであり、メッセージは第1のメッセージであり、デバイス識別子は第1のデバイス識別子である。これらの実施形態の一部では、第1の送信モジュールは第1の応答信号を変調して、受動的追跡デバイスが第1のモードで動作するとき変調された応答信号を第1の送信モジュールに出力し、センサモジュールは、受動的追跡デバイスが第1のモードで動作するときセンサデータを第1の送信モジュールに出力する。
【0031】
[0031]実施形態では、受動的追跡デバイスは、第3の周波数帯域で第2の応答信号を送信すること及び第2のエネルギー供給信号を受信することの両方を行なう第3のアンテナ、並びに第3の周波数帯域での送信用に第2の応答信号を準備して、受動的追跡デバイスが第2の通信プロトコルに従って第2のモードで動作するとき第3のアンテナのインピーダンスをトグルすることによって準備した第2の応答信号の送信を容易にする第2の送信モジュールをさらに含む。第2の応答信号は、受動的追跡デバイスの第2のデバイス識別子を示す第2のメッセージを含む。受動的追跡デバイスはまた、第2のアンテナ及び/又は第3のアンテナによってリモートデバイスから受信されたエネルギー供給信号に基づいて受動的追跡デバイスが第1のモード又は第2のモードのどちらで動作するかを判定するモード選択モジュールを含む。
【0032】
[0032]実施形態では、第1の通信プロトコルは、Bluetooth、Bluetooth Low Energy、又はWi-Fi通信プロトコルのうちの1つである。第1の周波数帯域は、Bluetooth、Bluetooth Low Energy、又はWi-Fi通信プロトコルのうちの1つに従って信号を搬送するために適切である。第2の周波数帯域は、第1の周波数帯域に等しい。第2の通信プロトコルは、RFID通信プロトコルである。第3の周波数帯域は、RFID通信プロトコルに従って信号を搬送するために適切である。いくつかの実施形態では、第1の周波数帯域及び第2の周波数帯域は、実質的に2.4GHzに等しく、第3の周波数帯域は、実質的に900MHzに等しい。これらの実施形態の一部では、第2の通信プロトコルは、EPC UHF RFID通信プロトコルである。
【0033】
[0033]実施形態では、受動的追跡デバイスは、第1の応答信号をBluetooth通信プロトコル、Bluetooth Low Energy通信プロトコル、及びWi-Fi通信プロトコルのうちの1つに従って変調して送信しつつ第1のモードで動作し、第2の応答信号をRFIDに従って準備して送信しつつ第2のモードで動作する。いくつかの実施形態では、モード選択モジュールは、エネルギー供給信号が第3の周波数帯域で受信され、認識されたRFIDコマンドを含まない限り、第1の応答信号をデフォルトでBluetooth Low Energyプロトコルに従って変調して送信するよう判定する。いくつかの実施形態では、モード選択モジュールは、第2のアンテナによって第2の周波数帯域でエネルギー供給信号を受信したことに応答して、受動的追跡デバイスが第1のモードで動作すると判定する。
【0034】
[0034]実施形態では、モード選択モジュールは、受信されたエネルギー供給信号がRFIDヘッダ又はコマンドを含まないと判定したことに応答して、受動的追跡デバイスが第1のモードで動作すると判定する。これらの実施形態の一部では、第1のモード選択モジュールは、受信されたエネルギー供給信号がEPC UHF RFIDヘッダ又はコマンドを含まないと判定したことに応答して、受動的追跡デバイスが第1のモードで動作することになると判定する。
【0035】
[0035]実施形態では、第1の送信モジュールは、受動的追跡デバイスによって蓄えられたエネルギーの量に基づいて、受動的追跡デバイスがいつ変調された第1の応答信号を送信するかを決定する。これらの実施形態の一部では、第1の送信モジュールは、受動的追跡デバイスによって蓄えられたエネルギーの量が第1の電力しきい値を越えると、受動的追跡デバイスは変調された第1の応答信号を実質的に即時に送信することを決定する。いくつかの実施形態では、第1の送信モジュールは、第2の電力しきい値が第1の電力しきい値未満であり、受動的追跡デバイスによって蓄えられたエネルギーの量が第2の電力しきい値を越えるが第1の電力しきい値未満であるとき、受動的追跡デバイスは、ある遅延の後に変調された第1の応答信号を送信することを決定する。いくつかの実施形態では、第1の電力しきい値は0dBmであり、第2の電力しきい値は-20dBmである。
【0036】
[0036]実施形態では、モード選択モジュールは、第3のアンテナによって第3の周波数帯域でエネルギー供給信号を受信したことに応答して、受動的追跡デバイスが第2のモードで動作すると判定する。
【0037】
[0037]実施形態では、モード選択モジュールは、エネルギー供給信号の内容に基づいて、受動的追跡デバイスが第2のモードで動作すると判定する。いくつかの実施形態では、モード選択モジュールは、エネルギー供給信号がRFIDフォーマットヘッダを含むと判定したことに応答して、受動的追跡デバイスが第2のモードで動作すると判定する。いくつかの実施形態では、モード選択モジュールは、受信したエネルギー供給信号が完全なRFIDフォーマットメッセージを含むことに応答して、受動的追跡デバイスが第2のモードで動作すると判定する。
【0038】
[0038]実施形態では、第1のモードが送信のデフォルトのモードであり、第2のモードは、第3のアンテナによって第3の周波数帯域でエネルギー供給信号を受信したこと、並びにエネルギー供給信号がRFIDフォーマットヘッダ、及びEPCコマンドを含む完全なRFIDフォーマットメッセージを含んでいることに応答して、モード選択モジュールによって選択される。
【0039】
[0039]実施形態では、エネルギーハーベストモジュールは、DC電気エネルギーを第1及び第2の送信モジュール並びにモード選択モジュールのうちの1つ又は複数に出力する。実施形態では、第1のデバイス識別子及び第2のデバイス識別子は同一である。
【0040】
[0040]実施形態では、センサモジュールはバルク弾性波温度センサを含む。
【0041】
[0041]実施形態では、送信モジュールは、バルク弾性波発振器である基準発振器を含む。
【0042】
[0042]本開示のいくつかの実施形態によると、追跡デバイスが開示される。追跡デバイスは、応答信号を第1の周波数帯域で送信する第1のアンテナを含む。追跡デバイスはまた、第1の周波数帯域での送信用に応答信号を変調し、通信プロトコルに従って変調された応答信号を送信用に第1のアンテナに出力する送信モジュールを含む。追跡デバイスは、暗号化モジュールをさらに含む。暗号化モジュールは、追跡デバイスを一意に識別するデバイス識別子を取得し、デバイス識別子及び秘密パターンに基づいて隠されたデバイス識別子を生成し、隠されたデバイス識別子に基づいてメッセージを生成し、秘密鍵を使用してメッセージを暗号化して暗号化メッセージを取得し、暗号化メッセージを送信モジュールに出力する。送信モジュールは、暗号化メッセージを第1のアンテナによる送信用に変調された応答信号に含む。
【0043】
[0043]実施形態では、隠されたデバイス識別子を生成することは、ランダムなNビット文字列を生成することと、ランダムなNビット文字列を秘密パターンに従ってデバイス識別子に挿入することとを含む。これらの実施形態の一部では、秘密パターンはN個の異なる挿入スロットを定義して、それぞれの挿入スロットは、ランダムなNビット文字列の個々のビットが挿入されるデバイス識別子のビット位置を、個々に定義する。いくつかの実施形態では、認証デバイスは、秘密鍵を使用してメッセージを復号化して隠されたデバイス識別子を取得して、復号化メッセージからランダムなNビット文字列を除去して追跡デバイスを認証して追跡のデバイス識別子を取得すること、及び既知のデバイス識別子のリストからデバイス識別子を検証することによって追跡デバイスを認証する。
【0044】
[0044]実施形態では、暗号化メッセージは、暗号化部分及び未暗号化部分を含み、未暗号化部分は認証デバイスに対する秘密鍵を識別する秘密鍵識別子を含む。これらの実施形態の一部では、認証デバイスは秘密鍵識別子に基づいて秘密鍵を検索して、秘密鍵を使用して暗号化メッセージを復号化する。いくつかの実施形態では、暗号化メッセージは、認証デバイスに対する秘密パターンを識別する秘密パターン識別子をさらに含む。これらの実施形態の一部では、秘密パターンは、暗号化メッセージの未暗号化部分に含まれる。いくつかの実施形態では、秘密パターンは、暗号化メッセージの暗号化部分に含まれる。
【0045】
[0045]実施形態では、追跡デバイスは、リモートデバイスからエネルギー供給信号を受信するとエネルギー供給される受動的追跡デバイスである。これらの実施形態の一部では、応答信号は読取りデバイスによって受信され、次に読取りデバイスは中に含んでいる暗号化メッセージを、暗号化メッセージ、秘密鍵、及び秘密パターンに基づいて追跡デバイスを認証する認証デバイスに送信する。いくつかの実施形態では、受動的追跡デバイスは、エネルギー供給信号の周波数帯域及びエネルギー供給信号の内容に基づいて第1のモード及び第2のモードで選択的に動作するデュアルモードの追跡デバイスである。実施形態では、暗号化モジュールは、デュアルモードの追跡デバイスが第1のモードで動作しているときだけ暗号化メッセージを生成する。いくつかの実施形態では、第1のモードはBluetooth Low Energy通信プロトコルに対応し、及び第2のモードはRFID通信プロトコルに対応する。
【0046】
[0046]実施形態では、追跡デバイスは、電源を含む。これらの実施形態の一部では、追跡デバイスは暗号化メッセージを認証デバイスに直接送信する。
【0047】
[0047]実施形態では、追跡デバイスは、暗号化メッセージ、秘密パターン、及び秘密鍵に基づいて認証デバイスによって認証される。これらの実施形態の一部では、認証デバイスは、追跡デバイスを認証する認証サーバである。
【0048】
[0048]本開示のいくつかの実施形態によると、認証デバイスによって追跡デバイスを認証するために使用される暗号化メッセージを生成するための方法が開示される。方法は、受動的追跡デバイスの暗号化モジュールによって、追跡デバイスを一意に識別するデバイス識別子を取得することを含む。方法はまた、暗号化モジュールによって、デバイス識別子及び秘密パターンに基づいて隠されたデバイス識別子を生成することを含む。方法は、暗号化モジュールによって、隠されたデバイス識別子に基づいてメッセージを生成することをさらに含む。方法はまた、暗号化モジュールによって、秘密鍵を使用してメッセージを暗号化して暗号化メッセージを取得することを含む。方法は、暗号化モジュールによって、暗号化メッセージを追跡デバイスの送信モジュールに出力することをさらに含む。方法は、送信モジュールによって、追跡デバイスのアンテナによる送信用の暗号化メッセージを含む応答信号を変調することをさらに含む。
【0049】
[0049]実施形態では、隠されたデバイス識別子を生成することは、ランダムなNビット文字列を生成することと、ランダムなNビット文字列を秘密パターンに従ってデバイス識別子に挿入することとを含む。いくつかの実施形態では、秘密パターンはN個の異なる挿入スロットを定義して、それぞれの挿入スロットは、ランダムなNビット文字列の個々のビットが挿入されるデバイス識別子のビット位置を、個々に定義する。いくつかの実施形態では、認証デバイスは、秘密鍵を使用してメッセージを復号化して隠されたデバイス識別子を取得して、復号化メッセージからランダムなNビット文字列を除去して追跡デバイスを認証して追跡のデバイス識別子を取得すること、及び既知のデバイス識別子のリストからデバイス識別子を検証することによって追跡デバイスを認証する。
【0050】
[0050]実施形態では、暗号化メッセージは、暗号化部分及び未暗号化部分を含み、未暗号化部分は認証デバイスに対する秘密鍵を識別する秘密鍵識別子を含む。これらの実施形態の一部では、認証デバイスは秘密鍵識別子に基づいて秘密鍵を検索して、秘密鍵を使用して暗号化メッセージを復号化する。いくつかの実施形態では、暗号化メッセージは、認証デバイスに対する秘密パターンを識別する秘密パターン識別子をさらに含む。いくつかの実施形態では、秘密パターンは、暗号化メッセージの未暗号化部分に含まれる。いくつかの実施形態では、秘密パターンは、暗号化メッセージの暗号化部分に含まれる。
【0051】
[0051]実施形態では、追跡デバイスは、リモートデバイスからエネルギー供給信号を受信するとエネルギー供給される受動的追跡デバイスである。これらの実施形態の一部では、応答信号は読取りデバイスによって受信され、次に読取りデバイスは中に含んでいる暗号化メッセージを、暗号化メッセージ、秘密鍵、及び秘密パターンに基づいて追跡デバイスを認証する認証デバイスに送信する。いくつかの実施形態では、受動的追跡デバイスは、エネルギー供給信号の周波数帯域及びエネルギー供給信号の内容に基づいて第1のモード及び第2のモードで選択的に動作するデュアルモードの追跡デバイスである。いくつかの実施形態では、暗号化モジュールは、デュアルモードの追跡デバイスが第1のモードで動作しているときだけ暗号化メッセージを生成する。いくつかの実施形態では、第1のモードはBluetooth Low Energy通信プロトコルに対応し、及び第2のモードはRFID通信プロトコルに対応する。
【0052】
[0052]実施形態では、追跡デバイスは、電源を含む。これらの実施形態の一部では、追跡デバイスは暗号化メッセージを認証デバイスに直接送信する。
【0053】
[0053]実施形態では、追跡デバイスは、暗号化メッセージ、秘密パターン、及び秘密鍵に基づいて認証デバイスによって認証される。これらの実施形態の一部では、認証デバイスは、追跡デバイスを認証する認証サーバである。いくつかの実施形態では、認証デバイスは、アグリゲータデバイスである。いくつかの実施形態では、認証デバイスは、バックエンドサーバシステムである。いくつかの実施形態では、認証デバイスは、ユーザデバイスである。
【0054】
[0054]本開示のいくつかの実施形態によると、追跡デバイスを認証するためのシステムが開示される。システムは、追跡デバイスを一意に識別する追跡識別子を示す暗号化メッセージを生成して、追跡デバイスのアンテナによる送信用の暗号化メッセージを含む応答信号を変調する追跡デバイスを含む。システムはまた、暗号化メッセージを受信し、暗号化メッセージに基づいてデバイス識別子を決定し、既知のデバイス識別子のリストに基づいてデバイス識別子を検証する認証サーバを含み、既知のデバイス識別子のリストは、有効な追跡デバイスのデバイス識別子を示す。
【0055】
[0055]実施形態では、追跡デバイスは、暗号化モジュールを含む。暗号化モジュールは、デバイス識別子及び秘密パターンに基づいて隠されたデバイス識別子を生成する。暗号化モジュールはまた、隠されたデバイス識別子に基づいてメッセージを生成する。暗号化モジュールは、秘密鍵を使用してメッセージをさらに暗号化して、暗号化メッセージを取得して、暗号化メッセージを送信モジュールに出力する。
【0056】
[0056]実施形態では、隠されたデバイス識別子を生成することは、ランダムなNビット文字列を生成することと、ランダムなNビット文字列を秘密パターンに従ってデバイス識別子に挿入することとを含む。これらの実施形態の一部では、秘密パターンはN個の異なる挿入スロットを定義して、それぞれの挿入スロットは、ランダムなNビット文字列の個々のビットが挿入されるデバイス識別子のビット位置を、個々に定義する。いくつかの実施形態では、認証デバイスは、秘密鍵を使用して暗号化メッセージを復号化して隠されたデバイス識別子を取得して、復号化メッセージからランダムなNビット文字列を除去することによって、追跡デバイスのデバイス識別子を決定する。
【0057】
[0057]実施形態では、暗号化メッセージは、暗号化部分及び未暗号化部分を含み、未暗号化部分は認証デバイスに対する秘密鍵を識別する秘密鍵識別子を含む。これらの実施形態の一部では、認証デバイスは秘密鍵識別子に基づいて秘密鍵を検索して、秘密鍵を使用して暗号化メッセージを復号化する。いくつかの実施形態では、暗号化メッセージは、認証デバイスに対する秘密パターンを識別する秘密パターン識別子をさらに含む。これらの実施形態の一部では、秘密パターンは、暗号化メッセージの未暗号化部分に含まれる。いくつかの実施形態では、秘密パターンは、暗号化メッセージの暗号化部分に含まれる。
【0058】
[0058]実施形態では、システムは、読取りデバイスをさらに含む。読取りデバイスは、追跡デバイスから応答信号を受信して、通信ネットワークを介して応答信号に含まれる暗号化メッセージを認証サーバに送信する。これらの実施形態の一部では、追跡デバイスは、受動的追跡デバイスであり、読取りデバイスは受動的追跡デバイスにエネルギー供給するエネルギー供給信号をブロードキャストする。いくつかの実施形態では、受動的追跡デバイスは、エネルギー供給信号の周波数帯域及びエネルギー供給信号の内容に基づいて第1のモード及び第2のモードで選択的に動作するデュアルモードの追跡デバイスである。これらの実施形態の一部では、暗号化モジュールは、デュアルモードの追跡デバイスが第1のモードで動作しているときだけ暗号化メッセージを生成する。いくつかの実施形態では、第1のモードはBluetooth Low Energy通信プロトコルに対応し、及び第2のモードはRFID通信プロトコルに対応する。
【0059】
[0059]実施形態では、追跡デバイスは、電源を含む。これらの実施形態の一部では、追跡デバイスは暗号化メッセージを認証デバイスに直接送信する。いくつかの実施形態では、認証サーバは、暗号化メッセージに基づいて、一般的な位置にある追跡デバイスの存在を確認する。
【0060】
[0060]本開示のさらに他の実施形態によると、受動的追跡デバイスが開示される。受動的追跡デバイスは、第1の周波数帯域で応答信号を送信する第1のアンテナ、及び第2の周波数帯域でエネルギー供給信号を受信する第2のアンテナを含む。受動的追跡デバイスはまた、第2のアンテナによってリモートデバイスからエネルギー供給信号を受信して、エネルギー供給信号をRF電気エネルギーから受動的追跡デバイスにエネルギー供給するDC電気エネルギーに変換するエネルギーハーベストモジュールを含む。受動的追跡デバイスは、第1の周波数帯域での送信用に応答信号を変調し、通信プロトコルに従って変調された応答信号を送信用に第1のアンテナに出力する送信モジュールをさらに含む。応答信号は、受動的追跡デバイスのデバイス識別子を示すメッセージを含む。送信モジュールは、出力周波数を作り出すバルク弾性波基準発振器を含み、バルク弾性波基準発振器はバルク弾性波遅延基準を含む。送信モジュールは、応答信号がバルク弾性波基準発振器の出力周波数に基づいた搬送周波数を有するように、応答信号を変調する。
【0061】
[0061]実施形態では、バルク弾性波基準発振器は、マスタクロック、時間差検出器、位相周波数検出モジュール、及びループフィルタを含む。いくつかの実施形態では、マスタクロックは、搬送周波数基準として使用するために出力周波数を第1の送信モジュールの他のコンポーネントに出力して、出力周波数を時間差検出器に出力する。いくつかの実施形態では、時間差検出器は、バルク弾性波遅延基準の複数のエコーを検出し、複数のエコーのうち第1のエコー及び第2のエコーに基づいて第1のエコー信号及び第2のエコー信号をそれぞれ生成し、第1のエコー信号を出力周波数に対して比較して終了パルスを生成し、終了パルス及び第2のエコー信号の両方を位相周波数検出モジュールに出力する。いくつかの実施形態では、位相周波数検出モジュールは、終了パルスの位相を第2のエコー信号の位相に対して比較し、ポンプパルスを生成し、ポンプパルスに基づいて電流を生成する。いくつかの実施形態では、ループフィルタは、電流を増幅して、増幅された電流をマスタクロックに出力し、以てフィードバックループを形成して出力周波数を補正する。
【0062】
[0062]いくつかの実施形態では、ポンプパルスは、終了パルスの位相が第2のエコー信号の位相よりも早い場合はポンプダウンパルスであり、位相周波数検出モジュールはポンプダウンパルスに基づいて負の電流を生成する。これらの実施形態の一部では、ポンプパルスは、終了パルスの位相が第2のエコー信号の位相よりも遅い場合はポンプアップパルスであり、位相周波数検出モジュールはポンプアップパルスに基づいて正の電流を生成する。いくつかの実施形態では、時間差検出器は、温度読取り値を受信して、温度読取り値に基づいて温度調整信号を時間差検出器に出力する温度補償モジュールを含み、時間差検出器は温度調整信号に基づいてエコー信号及び終了パルスの一方又は両方を調整する。
【0063】
[0063]実施形態では、バルク弾性波遅延基準は、第1のバルク弾性波遅延基準であり、複数のエコーは第1の複数のエコーである。これらの実施形態の一部では、バルク弾性波発振器は、バルク弾性波温度センサを含む。バルク弾性波温度センサは、バルク弾性波遅延基準の第2の複数のエコーを検出し、第2の複数のエコーのうち第1のエコー及び第2のエコーに基づいて第1のエコー信号及び第2のエコー信号を生成し、第2の複数のエコーの第1のエコー及び第2のエコーにそれぞれ基づく第1のエコー信号及び第2のエコー信号に基づいて粗い温度読取り値を生成し、粗い温度読取り値をバルク弾性波発振器の時間差検出器に出力する。いくつかの実施形態では、バルク弾性波温度センサは、バルク弾性波生成器から出力周波数を受信して、第5及び第6のエコー信号並びに出力周波数に基づいて精密な温度読取り値を生成する。いくつかの実施形態では、受動的追跡デバイスは、粗い温度読取り値及び精密な温度読取り値の一方又は両方を生成するバルク弾性波温度センサをさらに含み、バルク弾性波温度センサは第2のバルク弾性波遅延基準を含む。
【0064】
[0064]実施形態では、バルク弾性波温度センサは、第2のバルク弾性波遅延基準の第2の複数のエコーを検出し、第2の複数のエコーのうち第1のエコー及び第2のエコーに基づいてそれぞれ第1のエコー信号及び第2のエコー信号を生成し、第2の複数のエコーの第1のエコー及び第2のエコーに基づく第1のエコー信号及び第2のエコー信号に基づいて粗い温度読取り値を生成し、粗い温度読取り値をバルク弾性波発振器に出力する。これらの実施形態の一部では、バルク弾性波温度センサは、バルク弾性波生成器から出力周波数を受信し、出力周波数並びに第2の複数のエコーのうちの第1のエコー及び第2のエコーに基づく第1のエコー信号及び第2のエコー信号の両方に基づいて精密な温度読取り値を生成する。いくつかの実施形態では、バルク弾性波温度センサは、精密な温度読取り値を応答信号へのインクルージョンのために送信モジュールに出力する。
【0065】
[0065]実施形態では、受動的追跡デバイスは、第2のアンテナによって受信されたエネルギー供給信号を変圧するバルク弾性波変圧器をさらに含み、バルク弾性波変圧器は第2のバルク弾性波遅延基準を含む。これらの実施形態の一部では、バルク弾性波変圧器はエネルギー供給信号のインピーダンスを大きくする。
【0066】
[0066]実施形態では、送信モジュールは、応答信号がバルク弾性波基準発振器の出力周波数の因数に実質的に等しい搬送周波数を有するように、応答信号を変調する。
【0067】
[0067]実施形態では、送信モジュールは第1の送信モジュールであり、応答信号は第1の応答信号であり、エネルギー供給信号は第1のエネルギー供給信号であり、通信プロトコルは第1の通信プロトコルであり、メッセージは第1のメッセージであり、デバイス識別子は第1のデバイス識別子である。これらの実施形態の一部では、受動的追跡デバイスは、第3の周波数帯域で第2の応答信号を送信すること及び第2のエネルギー供給信号を受信することの両方を行なう第3のアンテナをさらに含む。受動的追跡デバイスはまた、第3の周波数帯域での送信用に第2の応答信号を準備し、受動的追跡デバイスが第2の通信プロトコルに従って第2のモードで動作するとき、第3のアンテナのインピーダンスをトグルすることによって準備した第2の応答信号の送信を容易にする第2の送信モジュールを含み、第2の応答信号は、受動的追跡デバイスの第2のデバイス識別子を示す第2のメッセージを含む。受動的追跡デバイスは、第2のアンテナ及び/又は第3のアンテナによってリモートデバイスから受信されたエネルギー供給信号に基づいて受動的追跡デバイスが第1のモード又は第2のモードのどちらで動作するかを判定するモード選択モジュールをさらに含む。これらの実施形態の一部では、第1の周波数帯域は第2の周波数帯域に等しい。
【0068】
[0068]本開示のいくつかの実施形態によると、インテリジェント追跡システムのアグリゲータデバイスが開示される。アグリゲータデバイスは、1つ又は複数の記憶デバイス;1つ又は複数の長距離通信プロトコルを使用して外部デバイスと通信する1つ又は複数の長距離通信ユニット;1つ又は複数の短距離通信プロトコルを使用して近接デバイスと通信する少なくとも1つの短距離通信ユニット;GPSデバイス;及び実行可能命令を実行する1つ又は複数のプロセッサを含んでもよい。命令は、処理デバイスに、以下を行なわせる:短距離通信ユニットを介して、エネルギー供給信号をアグリゲータデバイスの読取り範囲内にある追跡デバイスにブロードキャストすることであって、エネルギー供給信号が追跡デバイスをトリガして追跡メッセージをブロードキャストさせる、ブロードキャストすることと;1つ又は複数の個々の応答中の追跡デバイスから短距離通信ユニットを介して、1つ又は複数の応答信号を受信することであって、それぞれの応答信号が追跡情報を含む個々の応答中の追跡デバイスからの追跡メッセージを含む、受信することと;個々の応答信号に基づいて追跡記録を生成することと;追跡記録をバックエンドサーバシステムにレポートすること。
【0069】
[0069]実施形態では、1つ又は複数の短距離通信ユニットは、応答中の追跡デバイスからの応答信号を受信して、応答信号に基づいて応答中の追跡デバイスのアグリゲータデバイスに対するレンジ及びベアリングを決定するように構成される多出力多入力(MOMI)通信デバイスを含む。これらの実施形態の一部では、MOMI通信デバイスは、以下を備える少なくとも1つのMOMI送受信機を含む:第1の無線周波数(RF)アンテナ、及び第1のRFアンテナに近接し、第1のRFアンテナに対してゼロ度より大きく180度未満の角度でセットされる第2のRFアンテナ。これらの実施形態の一部では、MOMIデバイスは、以下を行なうように構成される:1つ又は複数のプロセッサからエネルギー供給コマンドを受信すること;第1のRFアンテナと第2のRFアンテナとの間でアグリゲータデバイスの読取り範囲内にある追跡デバイスへのエネルギー供給信号を変調すること;応答中の追跡デバイスから、第1のRFアンテナにおいて第1の応答信号を、及び第2のRFアンテナにおいて第2の応答信号を、受信すること;第1の応答信号の第1の信号強度及び第2の応答信号の第2の信号強度に基づいて応答中の追跡デバイスのレンジ及びベアリングを決定すること;並びに、レンジ及びベアリングを処理デバイスに出力すること。
【0070】
[0070]実施形態では、アグリゲータデバイスは、センサデータを個々に出力する1つ又は複数の環境センサのセットをさらに含む。これらの実施形態の一部では、実行可能命令は、1つ又は複数のプロセッサ以下をさらに行なわせる:センサデータを受信すること;センサデータ及び機械学習モデルに基づいて環境的なインシデントの存在を分類すること;環境的なインシデントを分類したことに応答して、環境的なインシデント記録を生成すること、及び環境的なインシデントをバックエンドサーバシステムにレポートすること。
【0071】
[0071]実施形態では、実行可能命令は、1つ又は複数のプロセッサに、カメラ信号をさらに受信させる。これらの実施形態の一部では、実行可能命令は、1つ又は複数のプロセッサに、追跡可能物品を識別するように訓練された画像分類器を使用して、カメラ信号中の1つ又は複数のフレーム内の追跡可能物品をさらに分類させる。これらの実施形態の一部では、実行可能命令は、1つ又は複数のプロセッサに、追跡可能物品を分類して追跡可能物品に対応する追跡メッセージを受信しなかったことに応答して、追跡デバイスが欠落、損傷、そうでなければ読取り不能であるとさらに判定させる。いくつかの実施形態では、実行可能命令は、1つ又は複数のプロセッサに、追跡可能物品及び視覚的目印を識別するように訓練された画像分類器を使用して、カメラ信号中の1つ又は複数のフレーム内の追跡可能物品に付着された視覚的目印をさらに分類させる。これらの実施形態の一部では、実行可能命令は1つ又は複数のプロセッサに、さらに以下を行なわせる:視覚的目印をスキャンすること;視覚的目印をデコードして値を取得することであり、値は視覚的目印が付着される物品の追跡情報を示す、取得すること。これらの実施形態の一部では、実行可能命令は、1つ又は複数のプロセッサに、視覚的目印からデコードされた値に対応する追跡メッセージを受信しなかったことに応答して、追跡デバイスが欠落、損傷、そうでなければ読取り不能であるとさらに判定させる。
【0072】
[0072]いくつかの実施形態では、アグリゲータデバイスは、カメラ信号を出力するカメラをさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のプロセッサは、長距離通信ユニット若しくは短距離通信ユニットを介して、又はコネクタケーブルを介して、リモートのビデオカメラからの動画信号を受信する。いくつかの実施形態では、動画信号は、高解像カラー動画及び深度動画を含む3D動画信号である。いくつかの実施形態では、実行可能命令は、1つ又は複数のプロセッサに、さらに以下を行なわせる:第1の追跡デバイスからの第1の応答信号から導出した第1のレンジ及びベアリングデータを受信すること;第1の応答信号に基づいて第1の追跡デバイスに対応する第1の追跡データを決定することと;第2の追跡デバイスからの第2の応答信号から導出した第2のレンジ及びベアリングデータを受信すること;第2の応答信号に基づいて第2の追跡デバイスに対応する第2の追跡データを決定することと;追跡可能物品を識別するように訓練された画像分類器を使用して、カメラ信号中の1つ又は複数のフレーム内の第1の追跡可能物品及び第2の追跡可能物品を分類すること;曖昧さの除去により第1の追跡データが第1の追跡可能物品に関連付けられ、第2の追跡データが第2の追跡可能物品に関連付けられるように、第1のレンジ及びベアリングデータ並びに第2のレンジ及びベアリングデータに基づいて、第1の追跡可能物品及び第2の追跡可能物品の曖昧さを除去すること。
【0073】
[0073]実施形態では、応答中の追跡デバイスは受動的追跡デバイスを含む。これらの実施形態の一部では、受動的追跡デバイスは、RFID問い合わせ器又はBLEスキャナによってマルチメディア追跡デバイスを読取ることができるように、RFIDタグ及びBLE送信機で構成されるマルチメディア追跡デバイスを含む。これらの実施形態の一部では、RFIDタグ及びBLE送信機は、単一のASICに一体化される。
【0074】
[0074]本開示のいくつかの実施形態によると、インテリジェント追跡システムが開示される。インテリジェント追跡システムは、1つ又は複数の受動的追跡デバイス、エキサイタ、及びトラッカを含む。それぞれの受動的追跡デバイスは、1つ又は複数の送受信機を含み、電磁周波数によってエネルギー供給される。エネルギー供給されたことに応答して、それぞれの受動的追跡デバイスはショートメッセージを送信する。エキサイタは、電磁周波数を発して受動的なタグに電力供給する。トラッカは、1つ又は複数の受動的追跡デバイスからショートメッセージを受信して、受信したメッセージに基づいてトラッカの近傍にある1つ又は複数の受動的追跡デバイスの存在を確認する。
【0075】
[0075]実施形態では、ショートメッセージは、Bluetooth Low Energy(BLE)ビーコンである。これらの実施形態の一部では、BLEビーコンのそれぞれは、BLEビーコンを送信した1つ又は複数の受動的追跡デバイスの個々の受動的追跡デバイスの個々のデバイス識別子を含む。実施形態では、ショートメッセージのそれぞれは、ショートメッセージを送信した1つ又は複数の受動的追跡デバイスの個々の受動的追跡デバイスの個々のデバイス識別子を含む。これらの実施形態の一部では、個々の受動的追跡デバイスは、低電力暗号化アルゴリズムを使用してショートメッセージ中の個々のデバイス識別子を暗号化する。これらの実施形態の一部では、個々の受動的追跡デバイスは、共有秘密鍵及び共有秘密パターンに基づいてショートメッセージ中の個々のデバイス識別子を暗号化する。共有秘密パターンは、共有秘密鍵を用いる暗号化に先立って、ランダムなビットがショートメッセージに挿入されるパターンを定義してもよい。さらには、実施形態では、インテリジェント追跡システムは、共有秘密パターン及び共有秘密鍵を使用して個々の受け渡しデバイスを認証する認証デバイスを含む。これらの実施形態の一部では、認証デバイスはトラッカである。他の実施形態では、認証デバイスは、トラッカと通信するバックエンドサーバシステムである。
【0076】
[0076]実施形態では、エキサイタはトラッカに埋め込まれる。他の実施形態では、エキサイタはスタンドアロンのデバイスである。いくつかの実施形態では、インテリジェント追跡システムは、1つ又は複数の受動的追跡デバイスの位置を維持するバックエンドサーバシステムを含む。これらの実施形態の一部では、バックエンドサーバシステムは、1つ又は複数の受動的追跡デバイスの位置によって物品の在庫を管理する。
【0077】
[0077]実施形態では、1つ又は複数の受動的追跡デバイスは、エネルギー供給されると現在の温度を出力する温度センサをそれぞれ含み、それぞれの受動的追跡デバイスは受動的追跡デバイスによって出力されるショートメッセージ中に現在の温度データを含む。いくつかの実施形態では、インテリジェント追跡システムは、受動的追跡デバイスによって送信された個々のショートメッセージ中の現在の温度データ及び温度データに関連付けられるタイムスタンプに基づいて温度ログを維持するバックエンドサーバシステムを含む。実施形態では、インテリジェント追跡システムは、モーションデータを受信して、モーションデータに基づいて特定の受動的追跡デバイスに関連付けられる物品に対応するモーションプロファイルを決定するバックエンドサーバシステムを含む。実施形態では、1つ又は複数の受動的追跡デバイスは、受動的追跡デバイスの近傍の周囲光の検出を示す値を出力する光センサをそれぞれ含み、値は受動的追跡デバイスがエネルギー供給されるとショートメッセージ中に含められる。実施形態では、1つ又は複数の受動的追跡デバイスは、受動的追跡デバイスの個々のモーションを示すモーションデータを出力するモーションセンサをそれぞれ含み、モーションデータは受動的追跡デバイスがエネルギー供給されるとショートメッセージ中に含められる。いくつかの実施形態では、インテリジェント追跡システムは、拡張現実対応デバイスが受動的追跡デバイスの方向に向くと受動的追跡デバイスの目印を表示するように構成される拡張現実対応デバイスを含む。
【0078】
[0078]実施形態では、1つ又は複数の受動的追跡デバイスは、それぞれの受動的追跡デバイスが第1の周波数で電磁周波数を受信して第2の周波数でショートメッセージを送信するように、マルチバンドアンテナを含む。実施形態では、エキサイタは、エキサイタが第1の周波数で電磁周波数を送信して第2の周波数でショートメッセージを受信するように、マルチバンドアンテナを含む。
【0079】
[0079]実施形態では、トラッカは、1つ又は複数の受動的追跡デバイスと通信するように構成されるユーザデバイスである。
【0080】
[0080]実施形態では、インテリジェント追跡システムは、トラッカから1つ又は複数の受動的追跡デバイスに対応する位置データを受信して、位置データに基づいて1つ又は複数の受動的追跡デバイスに対応するエリアの仮想マップを生成するバックエンドサーバシステムを含む。
【0081】
[0081]実施形態では、トラッカは、トラッカの環境の特徴付けを決定するように;及び特徴付けに基づいてトラッカがバックエンドサーバと通信する通信の形態を決定するように構成され、トラッカは2つ以上の通信の形態から選択するように構成される。
【0082】
[0082]実施形態では、1つ又は複数の受動的追跡デバイスのそれぞれは、複数のアンテナを含み、以下を行なうように構成される:エネルギー供給されたことに応答して、複数のアンテナのうちの1つを使用してアドバタイジングパケットをトラッカに送信することであり、アドバタイジングパケットは、使用されるアンテナを示す、送信すること;アドバタイジングパケットに応答してトラッカから応答パケットを受信することであって、応答パケットはアドバタイジングパケットを含む信号の強度を示す受信信号強度インジケーションを含む、受信すること;受信信号強度インジケーションに基づいて複数のアンテナのうちの1つを使用してショートメッセージをトラッカに選択的に送信すること。
【0083】
[0083]実施形態では、1つ又は複数の受動的追跡デバイスのうちの、それぞれの受動的追跡デバイスは、受動的追跡デバイスのアンテナと受動的追跡デバイスのシリコンチップとの間の接続部が静電気放電保護メカニズムを用いて組み立てられる。これらの実施形態の一部では、静電気放電保護は、シリコンチップが受動的追跡デバイスの筐体にはめ込まれた後、除去される。
【0084】
[0084]実施形態では、1つ又は複数の受動的追跡デバイスのうちの、それぞれの受動的追跡デバイスは、MEMS発振器を含む。
【0085】
[0085]いくつかの実施形態では、RFID問い合わせ器又はBLEスキャナによってマルチメディア追跡デバイスを読取ることができるように、受動的追跡デバイスは、RFIDタグ及びBLE送信機で構成されるマルチメディア追跡デバイスを含む。これらの実施形態の一部では、RFIDタグ及びBLE送信機は、単一のASICに一体化される。
【0086】
[0086]本開示のさらに完全な理解は、以下の説明及び添付の図面及び特許請求の範囲から諒解されよう。
【0087】
[0087]本開示のより十分な理解を与えるべく含まれる添付の図面は、本開示の実施形態を図示しており、説明と併せて本開示の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0088】
図1】[0088]図1は、追跡システム及びバックエンドサーバシステムを含む、例示のインテリジェント追跡システムの概略図である。
【0089】
図2】[0089]図2は、本開示のいくつかの実施形態による、製品の例示のライフサイクルの概略図である。
【0090】
図3】[0090]図3は、本開示のいくつかの実施形態による、受動的追跡デバイスの例示の構成の概略図である。
【0091】
図4】[0091]図4は、本開示のいくつかの実施形態による、受動的追跡デバイスの例示の構成の概略図である。
【0092】
図5】[0092]図5は、本開示のいくつかの実施形態による、受動的追跡デバイスが第1のモード又は第2のモードのどちらで動作することになるかを判定するための方法の動作の例示のセットを描いたフローチャートである。
【0093】
図6】[0093]図6は、本開示のいくつかの実施形態による、受動的追跡デバイス108を動作させるための方法600の例示の動作を描いたフローチャートである。
【0094】
図7】[0094]図7は、本開示のいくつかの実施形態による、追跡デバイスを認証するための方法の例示の動作を描いたフローチャートである。
【0095】
図8】[0095]図8は、本開示のいくつかの実施形態による、追跡デバイスを認証するために使用される暗号化メッセージを生成するための方法の例示の動作を描いたフローチャートである。
【0096】
図9】[0096]図9は、本開示のいくつかの実施形態による、受信した暗号化送信メッセージに基づいて追跡デバイスを認証するための方法の例示の動作を描いたフローチャートである。
【0097】
図10】[0097]図10は、本開示のいくつかの実施形態による、例示のバルク弾性波発振器の概略図である。
【0098】
図11】[0098]図11は、本開示のいくつかの実施形態による、バルク弾性波発振器のマスタクロックの例示の構成の概略図である。
【0099】
図12】[0099]図12は、本開示のいくつかの実施形態による、バルク弾性波発振器の時間差検出器の例示の構成の概略図である。
【0100】
図13】[0100]図13は、本開示のいくつかの実施形態による、バルク弾性波発振器の位相周波数検出器及びループフィルタの例示の構成の概略図である。
【0101】
図14】[0101]図14は、本開示のいくつかの実施形態による、バルク弾性波発振器の例示の構成の概略図である。
【0102】
図15】[0102]図15は、本開示のいくつかの実施形態による、バルク弾性波発振器の例示の構成の概略図である。
【0103】
図16】[0103]図16は、本開示のいくつかの実施形態による、バルク弾性波発振器の例示の構成の概略図である。
【0104】
図17】[0104]図17は、本開示のいくつかの実施形態による、バルク弾性波発振器の例示の構成の概略図である。
【0105】
図18】[0105]図18は、本開示のいくつかの実施形態による、例示のバルク弾性波温度センサの概略図である。
【0106】
図19】[0106]図19は、本開示のいくつかの実施形態による、例示のバルク弾性波変圧器の概略図である。
【0107】
図20】[0107]図20は、本開示のいくつかの実施形態による、受動的追跡デバイスの例示の構成の概略図である。
【0108】
図21】[0108]図21は、本開示のいくつかの実施形態による、アグリゲータデバイスのコンポーネントの例示のセットの概略図である。
【0109】
図22】[0109]図22は、本開示のいくつかの実施形態による、例示の多出力多入力デバイスの概略図である。
【詳細な説明】
【0110】
[0110]図1は、インテリジェント追跡システム10を図示している。インテリジェント追跡システム10(すなわち「システム10」)には、1つ又は複数の追跡デバイスシステム100(すなわち「追跡システム100」)及びバックエンドサーバシステム120が含まれてもよい。実施形態では、インテリジェント追跡システム10は、ユーザデバイス130及び/又は拡張現実(AR)対応ユーザデバイス140をさらに含んでもよい。システム10は、図示されていない追加的なコンポーネントを含んでもよい。
【0111】
[0111]追跡システム100は、1つ又は複数の追跡デバイスを含んでもよい。実施形態では、追跡システム100は、1つ又は複数のマルチモード追跡デバイス102、1つ又は複数のアグリゲータデバイス104、1つ又は複数の追跡デバイスペア106、1つ又は複数の受動的追跡デバイス108、1つ又は複数のエキサイタ110、1つ又は複数のデュアル媒体追跡デバイス112、1つ又は複数の視覚的目印トラッカ114、及び1つ又は複数のビジョンシステム116のあらゆる組合せを含む。
【0112】
[0112]実施形態では、マルチモード追跡デバイス102は、マルチモード追跡デバイス102のジオロケーションを決定して、通信ネットワークを介してバックエンドサーバシステム120にレポートするように構成された電子デバイスである。マルチモード追跡デバイス102は、長距離通信を使用して(例えば、通信ネットワークを介して直接(例えば、セルラ接続を使用して))、又は短距離通信(例えば、追跡システム100中の中間デバイス(例えば、アグリゲータデバイス104))を使用して、サーバシステム120と通信するように構成されてもよい。例えば、一部のシナリオではマルチモード追跡デバイス102は、マルチモード追跡デバイス102がセルラネットワークに接続することを禁止する環境内にあってもよく、又はマルチモード追跡デバイス102がセルラネットワークを介して通信することを排除されるモードにセットされてもよい。これらのシナリオでは、マルチモード追跡デバイス102は、マルチモード追跡デバイス102の位置データをアグリゲータデバイス104に送信することができ、アグリゲータデバイス104は位置データをバックエンドサーバシステム120に送信することができる。実施形態では、マルチモード追跡デバイス120はまた、位置データに追加で又は位置データに代わってレポートされる可能性がある他のデータのタイプを判定するように構成されてもよい。マルチモード追跡デバイス102は、マルチモード追跡デバイス102又はその環境に対応するデータを収集する1つ又は複数の環境センサを含んでもよい。例えば、マルチモード追跡デバイス102は、マルチモード追跡デバイス102の環境の周囲温度を示す温度データ、マルチモード追跡デバイス102のモーションを記述するモーションデータ、マルチモード追跡デバイス102の環境の湿度を示す湿度データ、マルチモード追跡デバイス102の環境で感知された周囲光の程度を示す光データなどを、決定する及び/又はレポートすることができる。実施形態では、マルチモード追跡デバイス102は、収集されたデータを定期的にログに取ることができ、それによって、マルチモード追跡デバイス102が出荷される又はログに記憶される物品の状態を追跡することができる。例えば、マルチモード追跡デバイス102は、ある一定期間デバイスに近接する環境の温度を定める温度ログを維持してもよい。これらのタイプのログは、医薬品、化学物質、及び食品などの物品を輸送する際、必要となる場合がある。いくつかの実施形態では、マルチモード追跡デバイス102は、そのようなログを保持するための十分な処理又は記憶能力を持たない他のデバイスに代わって、温度ログ(又は他のデータのログ)を維持してもよい。
【0113】
[0113]マルチモード追跡デバイス102は、マルチモード追跡デバイス102が動かされ、数週間から数か月電力に接続されない可能性がある環境(例えば、トラック、倉庫、出荷用コンテナなど)に配置することができるように、充電可能バッテリ(例えば、3.7V 6800mAhリチウムイオンバッテリ)を含んでもよい。
【0114】
[0114]アグリゲータデバイス104は、追跡システム100内の1つ又は複数のデバイス(例えば、マルチモード追跡デバイス102、追跡デバイスペア106、及び/又は受動的追跡デバイス108)からの位置データをアグリゲートして、位置データをバックエンドサーバシステム120にレポートするように構成された電子デバイスである。実施形態では、アグリゲータデバイス104は、追跡システム100内の様々なデバイスを認証するように構成される。この方法で、追跡システム100のデバイスのカウンタフィッティングを避けることができる。
【0115】
[0115]実施形態では、アグリゲータデバイス104は、モバイルアグリゲータデバイス104である。モバイルアグリゲータデバイス104は、持ち運び用に構成されたアグリゲータデバイス104であってもよい。モバイルアグリゲータデバイス104は、アグリゲータデバイス104が動かされ、数週間から数か月電力に接続されない可能性がある環境に配置することができるように、充電可能バッテリ(例えば、3.7V 6800mAhリチウムイオンバッテリ)を含んでもよい。
【0116】
[0116]実施形態では、アグリゲータデバイス104は、固定されたアグリゲータデバイスであってもよい。固定されたアグリゲータデバイスは、固定位置にあるように構成されたアグリゲータデバイス104であってもよい。固定されたアグリゲータデバイスは、電源(例えば、交流コンセント)に接続されてもよい。固定されたアグリゲータデバイスは、追跡システムの他のデバイスの位置を決定すること、電力集約的な暗号演算を実施することなど、さらに電力集約型の動作を実施するようにさらに構成されてもよい。
【0117】
[0117]いくつかの実施形態では、アグリゲータデバイス104は、そのようなログを保持するための十分な処理又は記憶能力を持たない他のデバイス(例えば、受動的追跡デバイス108)に代わって、データのログ(例えば、温度ログ、湿度ログなど)を維持してもよい。この方法で、アグリゲータデバイス104は、受動的追跡デバイス108ごとに別個のログを維持することができる。それぞれ個々のログは、個々の受動的追跡デバイス108に対応してもよく、個々の受動的追跡デバイス108のデバイス識別子、受動的追跡デバイス108から収集されたそれぞれ個々のデータ項目のタイムスタンプ、及びタイムスタンプに対応するデータ項目を含んでもよい。
【0118】
[0118]いくつかの実施形態では、マルチモード追跡デバイス102は、アグリゲータデバイス104として機能するようにセットすることができる。実施形態では、アグリゲータデバイス104は、エキサイタデバイス110を含むように構成されてもよい(以下でさらに議論する)。
【0119】
[0119]追跡デバイスペア106は、追跡デバイスペア106のジオロケーションを決定して、アグリゲータデバイス104を介してバックエンドサーバシステムに、追跡デバイスペア106のジオロケーションをレポートするように構成された電子デバイスであってもよい。追跡デバイスペア106は、アグリゲータデバイスと通信するために短距離通信プロトコルを利用することができる。実施形態では、追跡デバイスペア106は、アグリゲータデバイス104と通信するためにBluetooth(商標)又はBluetooth Low Energy(商標)通信プロトコルを実装することができる。追跡デバイスペア106は、追跡デバイスペア106又はその環境に関するデータを収集する1つ又は複数の環境センサを含んでもよく、追跡デバイスペア106は収集したセンサデータを監視してアグリゲータデバイス104にレポートすることができる。例えば、追跡デバイスペア106は、追跡デバイスペア106の環境の周囲温度を示す温度データ、追跡デバイスペア106のモーションを記述するモーションデータ、追跡デバイスペア106の環境の湿度を示す湿度データ、追跡デバイスペア106の環境で感知された周囲光の程度を示す光データなどを、決定する及び/又はレポートすることができる。実施形態では、追跡デバイスペア106は、収集されたデータを定期的にログに取ることができ、それによって、追跡デバイスペア106が出荷される又はログ(例えば、温度ログ)に記憶される物の状態を追跡することができる。
【0120】
[0120]追跡デバイスペア106は、追跡デバイスペア106が動かされ、数週間から数か月電力に接続されない可能性がある環境(例えば、トラック、倉庫、出荷用コンテナなど)に配置することができるように、充電可能バッテリ(例えば、3.0V 6800mAhリチウムイオンバッテリ)を含んでもよい。
【0121】
[0121]受動的追跡デバイス108は、追跡システム100内の別のデバイスと通信する小型で低コストの電子デバイスである。追跡デバイスペア106又はマルチモード追跡デバイス102とは異なり、受動的追跡デバイス108は、搭載型の長期電力貯蔵メカニズムを含んでいない(例えば、バッテリ無し)。代わりに、受動的追跡デバイス108は、電磁場によりエネルギー供給されるように構成される(例えば、無線周波数(RF)信号。これにより、受動的追跡デバイス108は、小型で比較的低コストの追跡ソリューションとなることが可能である。受動的追跡デバイス108は、エネルギー供給によって得られる電荷を短い持続時間蓄えるためのコンデンサなどの、短期電力貯蔵メカニズムを含む場合があることに留意されたい。以下で議論するように、追跡システム100は、受動的追跡デバイス108にエネルギー供給する電磁信号を発するように構成された1つ又は複数のエキサイタ110を含んでもよい。エキサイタ110は、スタンドアロンのデバイスであってもよく、又は追跡システム100の別のデバイスに(例えば、アグリゲータ104、又はマルチモード追跡デバイス102内に)一体化されてもよい。RF関連技術の使用に関するより詳細な議論は、Kawaguchiに対する米国特許第8,774,329号で見ることができ、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0122】
[0122]図1に戻ると、実施形態では、受動的追跡デバイス108は、小型のフォームファクタに一体化することができる小型の集積回路(例えば、<2mm×2mm)を含んでもよい。例えば、受動的追跡デバイス108は、面積が1cm×1cm未満のラベル又はタイルに一体化することができる。この方法で、受動的追跡デバイス108は、出荷されるパッケージに接着されてもよく、高額な品物の箱(例えば、医療用サプライ)に挿入してもよく、衣料品(例えば、靴)に埋め込んでもよく、又はあらゆる他の適切なシナリオで使用することができる。
【0123】
[0123]受動的追跡デバイス108は、受動的追跡デバイス108を他の受動的追跡デバイス108と識別するデバイス識別子(「デバイスID」)を含むショートメッセージを別のデバイス(例えば、アグリゲータデバイス104)に通信することができる。ショートメッセージを送信することによって、受動的追跡デバイス108は、アグリゲータデバイス104の近くでアグリゲータデバイス104の存在を確認することができる。実施形態では、受動的追跡デバイス108は、Bluetooth通信プロトコル(複数可)に従って構成されたBluetooth(商標)対応送受信機を含む。実施形態では、受動的追跡デバイス108は、Bluetooth対応送受信機を有する他のデバイス(例えば、アグリゲータデバイス108)と通信してもよい。実施形態では、Bluetooth対応送受信機は、Bluetooth Low Energy(BLE)プロトコルを利用する(例えば、BLE対応送受信機)。BLEは、Bluetooth SIGによって開発された短距離通信プロトコルであり、他のBluetooth通信プロトコルよりも必要とする電力消費が少ない。実施形態では、受動的追跡デバイス108は、エネルギー供給されるとビーコンを送信するように構成される。ビーコンは、通信プロトコル(例えば、Bluetooth(商標)又はBLE)に従ってエンコードされる1つ又は複数の固定長のデータパケットであってもよい。ビーコンは、ショートメッセージの非限定的な例である。実施形態では、ビーコンは、ショートメッセージ(例えば、ビーコン)を送信している受動的追跡デバイス108のデバイス識別子(ID)を示すことができる。受動的追跡デバイス108は、ショートメッセージ(例えば、ビーコン)内に追加的なデータを含んでもよく(例えば、ビーコン)、限定はしないが温度データ、モーションデータ、及び/又は周囲光データを含む。受動的追跡デバイス108は、受動的追跡デバイス108が受動的追跡デバイス108から受信した温度データ、モーションデータ、及び/又は周囲光データをサンプリングするのと時間的に近くでショートメッセージを送信するため、上流のトラッカ(例えば、アグリゲータ104、マルチモード追跡デバイス、又はユーザデバイス120)又はバックエンドサーバシステム120は、これらのデータにタイムスタンプを付け足すことができることに留意されたい。
【0124】
[0124]受動的追跡デバイス108は、電磁信号を送受信するために使用される1つ又は複数のアンテナをそれぞれ含んでもよい。この方法で、アンテナは、電磁信号を受信して、受動的追跡デバイス108にエネルギー供給することができる、及び/又は短距離通信リンク(例えば、BLE)を介して追跡システム100の別のデバイスに電磁信号を送信することができる。受動的追跡デバイス108は、非常に短距離で送信することができる(例えば、<2m)。いくつかの実施形態では、受動的追跡デバイス108は、別のデバイスによって十分エネルギー供給される場合は、より長距離(例えば、~10m)を送信するように構成されてもよい。言及したように、受動的追跡デバイス108は、アンテナによって電磁信号を受信するとエネルギー供給することができる。実施形態では、アンテナは、受動的追跡デバイス108の外側筐体に塗布される金属性のペイント又は材料であってもよい。これらの実施形態では、アンテナは、受動的追跡デバイス108の受信を改善するべく、筐体全体を覆うように塗られてもよい。
【0125】
[0125]実施形態では、受動的追跡デバイス108は、デュアルバンドアンテナで構成されてもよい。例えば、受動的追跡デバイス108は、900MHz又は2.4GHzにおける効率的なエネルギーハーベストを可能にして、2.4GHzでビーコンを送信するデュアルバンドアンテナを含んでもよい。実施形態では、受動的追跡デバイス108は、マルチバンドアンテナで構成されてもよい。例えば、受動的追跡デバイス108は、700、850、1900MHzのユーザデバイス130(例えば、スマートフォン又はタブレット)信号、並びに900及び2.4GHz ISM帯域信号からの効率的なエネルギーハーベストを可能にするマルチバンドアンテナで構成されてもよい。
【0126】
[0126]受動的追跡デバイス108中のBLE対応送受信機に生じる可能性がある1つの問題は、BLE対応送信機は、非常に単純なRF及びデジタル設計で実装することができるが、受信機は実装するのがずっと複雑であるということである。単純な「送信オンリー」の受動的BLEタッキングデバイスは、限定された能力で著しく強化して、データを安全に受信してタグにデータを書き込むようにすることが可能である。限定は、非常に近い範囲及び一貫した高信号レベルで特殊化されたデバイスだけを含む場合がある。Bluetooth5.0標準のBLEプロトコルは、データが接続イベントを用いてマスタデバイスからスレーブデバイスに送られることを要求している。これは、受動的追跡デバイス108が、受動的追跡デバイス108の電力及び処理の制約が与えられた場合に所望されるよりも複雑な状態機械及び受信機を実装することを必要とする場合がある。
【0127】
[0127]したがって、いくつかの実施形態では、追跡システム100は、電力供給されるデバイス(例えば、エキサイタ110)から受動的追跡デバイス108にRF電力及びデータの両方を送信するために、BLEアドバタイジングパケットのプロプライエタリなバージョンを実装してもよい。従来的には、BLEアドバタイジングパケットは、周辺デバイスの存在を他のBLE対応デバイスに周知するために、BLE周辺デバイスによって別のBLE対応デバイス(又はBluetooth対応デバイス)に送信され得るパケットである。実施形態では、コマンド構造は、アドバタイジングデータフィールドに埋め込むことができる。これらの実施形態のうちの一部では、コマンドは限定されないが、以下を含む:(i)Write mode(例えば、受動的追跡デバイス108にリッスンするよう伝える、非常に短く一意なコマンド);(ii)Authenticate Sender;(iii)Write Address and Data;(iv)Request Acknowledgement of Write Address and Status;及び(v)Send Beacon With Acknowledgement(受動的追跡デバイス108による)。
【0128】
[0128]いくつかの実施形態では、タグへのデータの書き込みは、受信機の複雑性を低減するための、一定の波に対する振幅シフトキーイング(ASK)変調方式で達成することができる。これらの実施形態では、受動的追跡デバイス108は、受動的追跡デバイス108が、例えば基本的なC1G2(Class-1、Generation-2)インターフェースセクションを実装し、マルチバンドアンテナを有する場合、UHF RFID読取り機を含んでもよい。追加的に又は代替的に、受動的追跡デバイス108は、近接場通信(NFC)タグと受動的BLEモジュールとを組み合わせてもよい。
【0129】
[0129]受動的追跡デバイス108は、複数の異なるタイプのデバイスと通信することができる。実施形態では、受動的追跡デバイス108は、アグリゲータデバイス104、マルチモード追跡デバイス102、エキサイタ110、ユーザデバイス130、AR対応ユーザデバイス140、及び/又は読取りデバイス150と通信することができる。実施形態では、受動的追跡デバイス108は、エネルギー供給されるとビーコンを送信するように構成される。言及したように、ビーコンは、ビーコンを送信している受動的追跡デバイス108のデバイス識別子(ID)を示すことができる。この方法で、受動的追跡デバイス108は、受動的追跡デバイス108がエネルギー供給される都度、追跡システム100内の別のデバイスに受動的追跡デバイス108の近接性を周知する。ビーコンに応答して、受動的追跡デバイス108からのビーコンを受信しているデバイスは、デバイスのデバイスIDを読取ることができ、受動的追跡デバイスの存在、並びにビーコン中で送信されるあらゆる他のデータをログに取ることができる。
【0130】
[0130]実施形態では、受動的追跡デバイス108は、受動的追跡デバイスの偽造を防ぐことができるように、デバイスIDを暗号化することができる。これは、一般的に在庫管理システム又は追跡用途において、非常に重要な場合がある。例えば、悪意のある行為者は、真の受動的追跡デバイス108が付着されているパッケージを盗むべく、受動的追跡デバイスを偽造しようと試みる場合がある。実施形態では、受動的追跡デバイス108は、低電力の暗号化アルゴリズムを実装してデバイスID(又は暗号化を必要とするあらゆる他のデータ)を暗号化してもよい。実施形態では、受動的追跡デバイス108は、共有秘密鍵及び共有秘密パターンを利用して、デバイスIDを暗号化することができる。共有秘密鍵は、デバイスIDを暗号化するために使用される数値であってもよい。共有秘密鍵は、個々の受動的追跡デバイスに記憶されてもよく、暗号化されるメッセージ(例えば、ビットの文字列)を暗号化するために使用されてもよい。認証デバイス(例えば、アグリゲータデバイス104、バックエンドサーバシステム120、ユーザデバイス130、又はエキサイタ110)も、共有秘密鍵及び共有秘密パターンを知っている。共有秘密パターンは、ビットが暗号化されるメッセージに挿入されるパターンを定義する。例えば、最大8バイトを含むメッセージでは、例示のパターンは、ビットは1番目のビットと2番目のビットとの間、5番目のビットと6番目のビットとの間、16番目のビットと17番目のビットとの間、30番目のビットと31番目のビットとの間、42番目のビットと43番目のビットとの間、及び50番目のビットと51番目のビットとの間に挿入されることを示すことができる。受動的追跡デバイスは、ランダムなNビット文字列(例えば、上の例における5ビット)を生成してもよく、Nビットの文字列からの個々のビットを、秘密パターンに従って暗号化されるメッセージに挿入してもよい。そして受動的追跡デバイスは、Nビットが挿入されたメッセージを、共有秘密鍵を用いて暗号化することができ、暗号化メッセージを送信することができる。各反復送信において、暗号化されるメッセージ(例えば、デバイスID)に挿入するために異なるランダムなNビット文字列を利用することによって、同一のデバイスIDを含み、同一の秘密鍵によって暗号化されるにも関わらず、送信同士で暗号化メッセージが変わるように保証される。認証デバイスは、暗号化メッセージを受信してもよく、共有秘密鍵を用いて暗号化メッセージを復号化することができる。認証デバイスは、共有秘密パターンに従って復号化メッセージからビットを除去して、元のメッセージを取得することもできる(例えば、2番目のビット、7番目のビット、18番目のビット、34番目のビット、47番目のビット、及び56番目のビットを除去する)。受動的追跡デバイス108を認証すると、認証デバイス又はそれに関連付けられているデバイスは、一般的な位置にある受動的追跡デバイスの存在を確認することができる。
【0131】
[0131]実施形態では、受動的追跡デバイス108は、受動的追跡デバイス108が追加的なタイプのデータを収集できるようにする、1つ又は複数の一体化されたセンサを含んでもよい。実施形態では、受動的追跡デバイス108は、温度センサを含んでもよい。温度センサは、集積回路の他の機能に使用される集積回路に含まれるサーミスタであってもよい。この方法で、受動的追跡デバイス108は、追加的なセンサを受動的追跡デバイス108へ追加することなく、温度センサからの温度読取りに便乗することができる。温度センサから温度データを読取ると、受動的追跡デバイス108は、温度データを送信されるビーコンに含め、以て受動的追跡デバイス108の環境の瞬間的な又は現在の温度を与えることができる。受動的追跡デバイス108は電力供給されておらず、記憶能力がほとんどないか記憶能力を有していないため、受動的追跡デバイス108は現在の温度データを提供することだけができる。別のデバイス(例えば、アグリゲータデバイス104又はバックエンドサーバシステム120)は、受動的追跡デバイス108のコレクションから温度データを受信することができ、温度データにタイムスタンプを付け足すことができ、及び/又は個々の受動的追跡デバイス108ごとに温度ログを維持することができる。この方法で、温度ログが維持されなければならない状態で出荷される物品を、受動的追跡デバイス108を使用して追跡することができる。これらの実施形態では、ロギングデバイス(一体化されたエキサイタ110を有するアグリゲータデバイス104)又はデバイスの組合せ(例えば、アグリゲータデバイス104及びエキサイタ110)は、その近傍にある受動的追跡デバイス108に定期的にエネルギー供給し、それぞれ個々の受動的追跡デバイス108からの温度データを取得することができ、上で議論したように、そこから取得した温度データを温度ログに取ることができる。いくつかの実施形態では、一定の受動的追跡タグが「受動的な温度追跡タグ」として構成されてもよいことに留意されたい。これらの実施形態では、受動的な温度追跡タグは、パッケージ内部の物品(例えば、食品)の温度を測定するためにパッケージ内部に含められてもよい。受動的な温度追跡タグは、パッケージの内部及び外部の温度を比較できるように、システムがパッケージ内部の周囲温度を追跡できるようにする。
【0132】
[0132]実施形態では、受動的追跡デバイス108は、光センサを含んでもよい。これらの実施形態の一部では、光センサはフォトディテクタである。フォトディテクタは、フォトディテクタが十分な量の光にさらされている場合は第1の信号を出力し、フォトディテクタが十分な量の光にさらされていない場合は第2の信号を出力することができる。エネルギー供給されると、受動的追跡デバイス108は、受動的追跡デバイス108が光にさらされていたかどうかを示す光データをアグリゲータデバイス108に送信されるビーコン中に含むことができる。いくつかの実施形態では、フォトディテクタは、光にさらされると受動的追跡デバイス108にエネルギー供給するようにさらに構成されてもよい。これらの実施形態では、受動的追跡デバイス108がエネルギー供給されると、受動的追跡デバイス108は、光の存在を示す光データを含むビーコンを送信することができる。この方法で、アグリゲータデバイス104は、特定のパッケージ又は物品が開封されたかどうかを判定することができる。実施形態では、可視レーザ又は赤外レーザを、受動的追跡デバイス108のうちの1つに当てることができる。可視又は赤外によって照射されている受動的追跡デバイス108は、ビーコン中の光データが、受動的追跡デバイス108が照射されたことを示すビーコンを出力するようトリガされてもよい。
【0133】
[0133]実施形態では、受動的追跡デバイス108は、1つ又は複数のモーションセンサを含むように構成されてもよい。例えば、受動的追跡デバイス108は、加速度計(例えば、MEMS加速度計)を含んでもよい。これらの実施形態では、加速度計は、動いている受動的追跡デバイスを識別可能にするために受動的追跡デバイス108に一体化されてもよい。加速度計は、あらゆる方向における受動的追跡デバイスの動きの大きさを示す信号を出力してもよい。この情報を使用して、受動的追跡デバイス108が歩行加速度、車走行加速度、飛行機加速度などで動いているかどうかを判定することができる。実施形態では、受動的追跡デバイス108は、ビーコンをより頻繁に送信するように、あまり頻繁には送信しないように、又は受動的追跡デバイスが動いていると判定されるときには全く送信しないように構成されてもよい。
【0134】
[0134]実施形態では、受動的追跡デバイス108は、ユーザデバイス120及び/又はAR対応デバイス130にビーコンを送信してもよい。ユーザデバイス120は、ユーザインターフェースを有する、あらゆる適切な電子デバイスであってもよい。例えば、ユーザデバイス120は、スマートフォン、タブレット型コンピューティングデバイス、ゲーム機、スキャナなどであってもよい。AR対応デバイス130は、コンピュータ生成のオーバレイをスクリーンに表示するように構成されたデバイスであってもよい。AR対応デバイスの例としては、スマートフォン、タブレット型コンピューティングデバイス、スマートグラス(例えば、Google Glass(登録商標))、ビデオゲーム機などが挙げられる。
【0135】
[0135]実施形態では、受動的追跡デバイス108は、電磁信号の送信を可能にするための1つ又は複数の発振器を含む。一定のシナリオでは、BLEはビーコンを送信するために正確な搬送周波数を必要とする。水晶は、非常に正確だが、通常非常に大きいパッケージに入っている。そのため、いくつかの実施形態では、受動的追跡デバイス108の発振器は、単一のシリコンチップに結合された微小な共振器を使用するMEMS発振器である。これにより、完全に一体化された受動的追跡デバイス向けの、最小のコスト及びサイズのソリューションが可能となる。MEMS発振器は制限(例えば、長いターンオン時間、高位相ノイズ、シリコン上での直接的なダイ搭載、チューニング校正など)がある一方で、受動的追跡デバイス108は、主回路よりも低いエネルギー貯蔵レベルで発振器用のターンオン時間をスケジュールするように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、水晶発振器のシリコンダイは、受動的追跡デバイス108のシリコンチップと同一のパッケージ内に一体化される。
【0136】
[0136]受動的追跡デバイス108で利用可能なシリコン技術を使用することにより生じる可能性がある問題は、エネルギーハーベスト用の電圧整流回路の入力において、100mV以上のRF電圧レベルが望ましいということである。これらのタイプの回路は、これらの電圧において二乗法則の振る舞いに従い始め、これは入力電圧に伴いスケーリングするハーベスト効率を意味している。低い電圧レベル(例えば、<-20dbM)で所望の電圧を得るために、より高い並列等価入力抵抗が必要となる場合がある。得られる回路のQは、回路の並列入力インピーダンスのインピーダンスに関連して、この並列抵抗のインピーダンスから構成されてもよい。使用可能な受動的追跡デバイス108を構築するために、回路の入力Qが高くなりすぎないようにすることが望ましい。したがって、入力キャパシタンスをできるだけ低い値まで低減することが望ましい。入力キャパシタンスへの大きな寄与の1つは、一般的に製造及び取り扱い中にデバイスを保護するためのアンテナ入力に対して使用される静電気放電(ESD)構造である。したがって、入力キャパシタンスを低減するため、ESD保護は、デバイスがそのフォームファクタに搭載された後に除去可能なやり方で、適用されてもよい。例えば、ESD保護は、受動的追跡デバイス108のシリコンチップが受動的追跡デバイスのインレー(例えば、アンテナとして作用する金属被覆を伴うプラスチックシート)に取り付けられた後に除去されてもよい。インレー中では、ESD保護が不要となるよう、アンテナ端子はDC経路で短絡されてもよいと仮定する。最初は、製作、取り扱い、及び試験の間、ESDデバイスは、1つ又は複数のリンクによってアンテナ入力に接続される。実施形態では、リンクは、受動的追跡デバイスのシリコンチップ内部に作成された回路接続であってもよい。リンクは、製造プロセス中にシリコン基板に形成された金属性のトレースであってもよい。アンテナ回路が取り付けられ、アンテナ回路とシリコンチップとの間にDC経路が確立された後、1つ又は複数のリンクを除去することが可能となり、以て有効入力キャパシタンスが低減し、受動的追跡デバイスの性能が改善される。リンクは、あらゆる適切なやり方で除去することが可能である。例えば、リンクは、機械的に(例えば、物理的に切断する)、化学的に(エッチング)、又は光学的に除去することが可能である。
【0137】
[0137]実施形態では、受動的追跡デバイス108は、エキサイタ110によってエネルギー供給されてもよい。エキサイタ110は、スタンドアロンのデバイスであってもよく、又は追跡システム100の別のデバイスに(例えば、マルチモード追跡デバイス102内に、又はアグリゲータデバイス104内に)一体化されてもよい。実施形態では、エキサイタ110は、追跡デバイス108に近接するあらゆる受動的追跡デバイス108を通電することができる電磁信号(例えば、RF信号)をブロードキャストしてもよい。さらには、いくつかの実施形態では、エキサイタ110は、エキサイタ110に近接する1つ又は複数の受動的追跡デバイス108からの電磁信号中でエンコードされたビーコンを受信するように構成されてもよい。実施形態では、エキサイタ110は、マルチバンドの様式で構成されてもよく、以てエキサイタ110は、電磁信号を第1の周波数(例えば、900MHz)で送信し、電磁信号を第2の周波数(例えば、2.4GHz)で受信することができる。
【0138】
[0138]生じる1つの問題は、受動的追跡デバイス108が、デバイスのチップに電力を与えるために必要とされる最小RFレベルによって範囲を制限されるということである。受動的追跡デバイス108がビーコンを送信するために十分な電力をいったん有すると、他のデバイス(例えば、エキサイタ110)によってビーコンを聴くことができる範囲はずっと遠くなる。したがって、いくつかの実施形態では、RFエネルギーを受動的追跡デバイス108に提供するための補足的なエキサイタ110を戦略的な位置に配置することができ、それによって他のデバイス(例えば、ユーザデバイス120、アグリゲータデバイス104、マルチモード追跡デバイス102)が、受動的追跡デバイス自身に電力供給する必要なく受動的追跡デバイス108からのビーコンを受信できるようにする。
【0139】
[0139]実施形態では、エキサイタ110は戦略的な位置に配置され、所定のデューティサイクルで所定の電力レベルまで電磁信号を送信する。例えば、いくつかの実施形態では、エキサイタ110は、2.4GHzのデューティサイクルで、最大30dBmの送信電力、及び最大6dBiのアンテナ利得でエネルギーソース信号を送信するように構成されてもよい。この方法で、エキサイタ110は特定のゾーンでエネルギー供給範囲を大きくするように構成されてもよい。実施形態では、エキサイタ110は、1ワット、900MHz周波数ホッパであってもよい。これは、2.4GHzにおけるあらゆる干渉懸念を低減又は解消し、経路損失がより少ない、より低い搬送周波数において、さらなる電力を提供することができる。実施形態では、エキサイタ110は、イーサネット(登録商標)、WiFi、及び/又はBluetoothを介して自己協調ネットワークを形成することができる。ISM帯域において最大電力及びスペクトラム拡散要件を指定するFCC Part15.247は、「https://www.gpo.gov/fdsys/pkg/CFR-2013-title47-vol1/pdf/CFR-2013-title47-vol1-sec15-247.pdf」で見ることができ、その内容は、全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0140】
[0140]実施形態では、エキサイタ110はまた、2.4GHz受信機を実装して、受動的追跡デバイス108からのBLEビーコンをリッスンしつつ、900MHzでエネルギーを送信し、クラウド上でインベントリを構築してもよい。実施形態では、エキサイタ110中の2.4GHzアンテナには、到達角度計算用の複数のアンテナ及び無線が含まれてもよい。これらの実施形態では、エキサイタ110(又は、エキサイタ110を含み得るアグリゲータ104、若しくはエキサイタ110と通信し得るアグリゲータ104)は、異なる複数のアンテナ及び/又は無線における信号強度を利用して、各アンテナ若しくは無線で感知された受信信号の様々な信号強度及び/又は受信信号の到達角度、並びにエキサイタ110の既知の位置に基づいて、個々の受動的追跡デバイス108の大まかな位置を決定することができる。実施形態では、1つ又は複数のエキサイタ110の、位置、指している方向、エキサイタ電力出力などは、単一のビーコンデバイス及び/又はユーザデバイスで実行中のアプリケーションを用いて校正することができる。実施形態では、受動的追跡デバイス108は、デュアルバンドアンテナで構成されてもよい。例えば、受動的追跡デバイス108は、900MHz又は2.4GHzにおける効率的なエネルギーハーベストを可能にして、2.4GHzでビーコンを送信するデュアルバンドアンテナを含んでもよい。実施形態では、受動的追跡デバイス108は、マルチバンドアンテナで構成されてもよい(例えば、700、850、1900MHz、並びに900及び2.4GHz ISMアンテナ)。例えば、マルチバンドアンテナは、700、850、1900MHz並びに900及び2.4GHz ISM帯域信号で、ユーザデバイス(例えば、携帯電話信号)からの効率的なエネルギーハーベストに備えることができる。
【0141】
[0141]いくつかの実施形態では、エキサイタ110/アグリゲータ104に関して説明した補足的な送信及びビーコン読取りの機能性が、スマートホームセントラルデバイスに埋め込まれてもよいことに留意されたい。これらの実施形態では、ユーザデバイスアプリケーションは、補足的な送信機に近づくと、このデータにアクセスすることができる。
【0142】
[0142]デュアル媒体受動的追跡デバイス112は、2つの異なる通信方法をサポートする受動的追跡デバイス108のタイプであってもよい。したがって、実施形態では、デュアル媒体受動的追跡デバイス112は、上で議論した受動的追跡デバイス108に従って構成されてもよいが、BLE無線に加えてRFIDバックスキャッタ無線を介するデータ(例えば、ショートメッセージ)の送信をサポートするための追加的な構成を含んでもよい。この方法で、デュアル媒体受動的追跡デバイス112は、電磁信号によってエネルギー供給されてもよく、一方又は両方(BLE及び/又はRFID)の無線によってメッセージを出力することができる。受動的追跡デバイス108にRFIDバックスキャッタ無線を追加することは、例えばユニット当たり半セントだけデュアル媒体受動的追跡デバイスのコストを増大する場合があるが、デュアル媒体受動的追跡デバイス112は両方の媒体の利点を実現するため、いくつもの利点をもたらす。例えば、デュアル媒体受動的追跡デバイス112は、BLE能力により最大40メートルの長い読取り距離を維持することができるが、RFIDによって与えられるセキュリティ対策を維持することもできる。さらには、デュアル媒体受動的追跡デバイス112により、サプライチェーンの間又は販売時点の後に制限されるのではなく、製品をそのライフサイクルを通じて追跡することが可能になる。
【0143】
[0143]図2は、製品の例示のライフサイクルを図示している。例示のライフサイクルは、サプライチェーン側200と、販売後の側202に分けられる。例示のサプライチェーン側で、製品はそのライフサイクルを製造施設210において開始する可能性があり、この施設210から出荷用車両214(例えば、トラック、列車、飛行機、及び/又は船舶)によって製品が輸送される。一部のシナリオでは、製品は倉庫218に出荷され、製品はこの倉庫で配送を待機する。一部のシナリオでは、次いで製品は配送車両222(例えば、トラック又は自動車)に積載されて、小売店226に配達されてもよい。他のシナリオでは、購入が例えばeコマースウェブサイト又は電話によって行なわれる場合、製品の販売者は、製品を直接消費者に出荷する場合があることに留意されたい。製品が小売店226に到着すると、販売時点端末230で購入されるまで、棚に配置されるか、在庫保管されてもよい。製品が購入されると、製品のライフサイクルの販売後セグメント(例えば、自宅234、事業所(図示せず)など)にあるものとして考えることができる。
【0144】
[0144]製品のライフサイクルのサプライチェーン側200では、ほとんどのレガシーシステムはRFIDに極めて頼っている。製品は、サプライチェーンでの移動を通じてルーチンでスキャンされ、スキャンの一般的な形態は、RFIDタグ及び読取り機を用いて行なわれる。販売時点端末において、そして製品がその最終目的地(例えば、自宅又は事業所)に到着してしまうと、Bluetooth対応デバイスがより優勢となるため、BLEは追跡により便利な形態となる。上の例では、RFID機能性により、製造施設210、出荷用車両214、倉庫218、配送用車両222、及び/又は小売施設226にある間、例えばアグリゲータデバイス104を用いて製品を追跡できるようになる。このプロセスの間、サプライチェーンに関与する様々なパーティもまた、業務の通常過程でレガシーなRFIDデバイスを使用してデュアル媒体受動的追跡デバイス112をスキャンする可能性がある。さらには、新しい技術が登場するため(例えば、スマートグラス240)、これらの新しいデバイスは、追跡デバイス112のBluetoothスキャン能力を活用し始める可能性があり、及び/又は物品に付着された視覚的目印トラッカ114をスキャンする可能性がある。製品が販売時点端末230に来ると、デュアル媒体受動的追跡デバイス112は、小売店の能力に応じて、Bluetooth又はRFIDを用いてスキャンされる可能性がある。製品が販売された後、製品の所有者は、製品を追跡するため、又は在庫管理するためにBluetooth能力に頼ることができる。
【0145】
[0145]視覚的目印114は、あらゆる文字、マーキング、パターン、及び/又はある値でエンコードされた画像であってもよい。視覚的目印114の例としては、UPC及びQRコード(登録商標)を挙げることができる。実施形態では、視覚的目印114(例えば、UPC及び/又はQRコード)は、スキャン技術及び/又は機械ビジョンを用いて物品を追跡するための手段として、追跡システム100内で使用することができる。実施形態では、視覚的目印114は、上述の他の追跡デバイスを伴う冗長性として使用されてもよい。例えば、視覚的目印は、出荷用施設又は生産ラインなどの環境では、ビジョンシステム116を用いて追跡されてもよい。各視覚的目印114に埋め込まれる値は、視覚的目印が付着される物品を他の物品と識別する一意な値であってもよい。いくつかの実施形態では、中央システム(例えば、バックエンドシステム)は、視覚的目印114に埋め込む値を、視覚的目印が印刷される前に割り振ることができる。他の実施形態では、それぞれのエンティティが視覚的目印を生成する能力を有する、あるスキームが実装されてもよい。例えば、追跡システム100で使用される視覚的目印114を印刷するあらゆる会社には、値の一部を構成する一意な値を割り振られてもよく、次いでその値は会社によって生成され、会社に関する一意である、別の値と組み合わされてもよく、以て一意な値が追跡される物品に関連付けられる。値を印刷するためのこれらの技法は、追跡システムの他の追跡デバイスに値を埋め込むために使用されてもよいことに留意されたい。物品に印刷されて割り振られてしまうと、値は特定の物品に関連付けられることができる。
【0146】
[0146]ビジョンシステム116は、あるエリアを監視する1つ又は複数のカメラ、並びに動画ストリーム/深度ストリームを、アグリゲータデバイス104及び/又はバックエンドシステム120にルーティングするために必要なあらゆるデバイスを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カメラは、動画及び深度情報をキャプチャする3Dカメラを含む。代替的に又は代替的に、動画カメラ、赤外カメラ、深度カメラなどのあらゆる組合せが、カメラシステムに含まれてもよい。ビジョンシステム116は、ネットワークデバイス(例えば、WIFI、LTEなど)並びに/又は、キャプチャしたストリーム(複数可)をアグリゲータデバイス104及び/若しくはバックエンドシステム120にストリーミングする短距離通信デバイス(例えば、Bluetooth対応チップ)を含んでもよい。
【0147】
[0147]図3は、本開示のいくつかの実施形態による、例示の受動的追跡デバイス108(デュアル媒体追跡デバイス112など)を図示している。いくつかの実施形態では、受動的追跡デバイス108は、同時的に第1の周波数帯域でエネルギーをハーベストして、同一周波数帯域又は異なる周波数帯域で送信することによってマルチバンドの動作を考慮している。いくつかの実施形態によると、受動的追跡デバイス108は、受信する信号に応じて、受動的なBLE若しくはWi-Fi(例えば、2.4GHz)又はEPC RFID(例えば、900MHz)タグとして通信することによって、マルチモードマルチバンド動作向けに構成される。
【0148】
[0148]実施形態では、受動的追跡デバイス108は、第1のアンテナ302、第2のアンテナ304、第3のアンテナ306、エネルギーハーベストモジュール308、第1の送信モジュール310、第2の送信モジュール312、及びモード選択モジュール314を含む。いくつかの実施形態では、受動的追跡デバイス108は、1つ又は複数の異なるタイプのセンサを含むセンサモジュール316、及び/又は受動的追跡デバイス108によって送信されるパケットを暗号化する暗号化モジュールをさらに含んでもよい。
【0149】
[0149]実施形態では、受動的追跡デバイス108は、エネルギー供給信号を受信して、第1、第2、及び第3のアンテナ302、304、306によって、複数の周波数帯域のうちの1つ又は複数で、応答信号を送信する。本明細書で使用される場合、応答信号とは、受動的追跡デバイス108がエネルギー供給されたことに応答して受動的追跡デバイス108によって送信される、あらゆるタイプの信号を称する場合がある。応答信号は、RFID信号、Bluetooth、BLE、若しくはWiFiプロトコル信号に従って送信されるビーコン信号、又はあらゆる他の適切なプロトコルに従って送信される信号を含むことができる。第1のアンテナ302は、第1の周波数帯域で応答信号を送信するように構成される。第2のアンテナ304は、第2の周波数帯域でエネルギー供給信号を受信するように構成される。第3のアンテナ306は、第3の周波数帯域でエネルギー供給信号を受信すること、及び応答信号を送信すること、の両方を行なうように構成される。第1、第2、及び第3の周波数帯域は、Wi-Fi、Bluetooth、Bluetooth Low Energy(BTE)、RFID、又はあらゆる他の適切な形態の信号送信及び/若しくは受信向けに一般的に使用される周波数帯域であってもよい。アンテナが受信することができる、又はアンテナが送信することができる例示的な周波数帯域としては、2.4GHz、5GHz、900MHz、700MHz、及び/又はその組合せを挙げることができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2の周波数帯域は同一である。例えば、いくつかの実施形態では、第1及び第2の周波数帯域は2.4GHzであってもよいが、第3の周波数帯域は900MHzである。第1、第2、及び第3のアンテナ302、304、306は、受動的追跡デバイス108が、いくつかの異なる周波数帯域上で、いくつかの異なるタイプのデバイスからエネルギー供給信号を受信して、それらに応答信号を送信できるようにする。第1、第2、及び第3のアンテナ302、304、306のそれぞれは、ダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、アレイアンテナ、ループアンテナ、又はあらゆる他の適切なタイプのアンテナであってもよい。実施形態では、受動的追跡デバイス108は、より少ないアンテナ(例えば、2つ以下)又はより多くのアンテナ(4つ以上)を含んでもよいことをさらに留意されたい。
【0150】
[0150]エネルギーハーベストモジュール308は、交流電気エネルギーの形態にあるRF電気エネルギーを、第1、第2、及び第3のアンテナ302、304、306によって受信されたエネルギー供給信号から、少なくとも部分的にDC電気エネルギーに変換して、DC電気エネルギーを、モード選択モジュール314、第1の及び第2の送信モジュール310、312、暗号化モジュール318、並びにセンサモジュール316のうちの1つ又は複数に提供するように構成される。実施形態では、エネルギーハーベストモジュール308は、少なくとも部分的にRF電気エネルギーから構成されるエネルギー供給信号を、第2及び/又は第3のアンテナ304、306から受信する。いくつかの実施形態では、エネルギーハーベストモジュール308は、RF電気エネルギー(「エネルギー供給信号」とも称される)を、第2のアンテナ304及び第3のアンテナ306のうちの一方又は両方から受信する。いくつかの実施形態では、エネルギーハーベストモジュール308は、第2のアンテナ304から受信したエネルギー供給信号を、低インピーダンス信号から高インピーダンス信号に変圧するように構成され、以てインピーダンス整合によって変圧された信号からハーベストされるエネルギーの量を大きくする。RF電気エネルギーを第2及び/又は第3のアンテナ304、306から受信したエネルギー供給信号から、DC電気エネルギーに変換して、DC電気エネルギーを受動的追跡デバイス108の他のコンポーネントに提供することによって、受動的追跡デバイス108は、バッテリ又はパワーグリッドに接続されたAC-DCアダプタなどの個別電源とは実質的に独立して動作することができる。
【0151】
[0151]いくつかの実施形態では、エネルギーハーベストモジュール308は、受動的追跡デバイス108の他のコンポーネントへの送信用のエネルギーを貯蔵する貯蔵コンデンサなどのエネルギー貯蔵デバイスを含む。いくつかの実施形態では、エネルギーハーベストモジュール308は、モード選択モジュール314に、受動的追跡デバイス108のコンポーネントに供給する十分な量のエネルギーがハーベストされたときを示す。エネルギーハーベストモジュール308によって十分な量のエネルギーがハーベストされると、モード選択モジュール314は、受動的追跡デバイスを第1のモード(例えば、BLE又はWiFi)又は第2のモード(例えば、RFID)のどちらで動作させるかを決定することができる。次いでモード選択モジュール314は、エネルギーハーベスト信号の周波数帯域及び/又はその内容(例えば、エネルギー供給信号が2.5GHz若しくは900MHzのどちらで受信されたか、及び/又はエネルギー供給信号がRFIDコマンドを含むかどうか)に基づいて、受動的追跡デバイス109を第1のモード又は第2のモードのどちらで動作させるかを決定することができる。
【0152】
[0152]実施形態では、第1の送信モジュール310は、第1の周波数帯域での送信用に応答信号を変調するように構成される。例えば、第1の送信モジュール310は、エネルギーハーベストモジュール314によってハーベストされたエネルギーが受動的追跡デバイス108を十分にエネルギー供給するとき、応答信号(例えば、2.4GHzにおいて、BLEプロトコルに従って変調されるビーコン信号など)を変調し、モード選択モジュール314は、(例えば、エネルギーハーベストモジュール314によってハーベストされたエネルギー供給信号の内容に基づいて)受動的追跡デバイス102が第1のモードで動作すると判定する。第1の送信モジュール310は、第1の周波数帯域で信号を受信することができるデバイスが応答信号を受信することができるように、第1の周波数帯域に実質的に等しい搬送周波数を有する変調された応答信号を出力する。
【0153】
[0153]実施形態では、応答信号は、1つ又は複数のデータパケット又は他の適切なデータ構造を、それぞれ含んでもよい。例えば、実施形態では、応答信号は、暗号化モジュール318によって暗号化される/隠すことができる、又は暗号化される/隠すことができなくてもよい、受動的追跡デバイス108のデバイスIDを含んでもよい。さらには、いくつかの実施形態では、第1の送信モジュール310は、追加的なデータを応答信号中に含んでもよい。例えば、第1の送信モジュール310は、センサモジュール316の1つ又は複数のセンサから、センサデータを取得することができ、第1の送信モジュール310は、センサデータを応答信号にエンコードする。これらの実施形態の一部では、第1の送信モジュール310は、応答信号中の追加的なデータ(例えば、センサデータ)を含めることを統制するロジック(例えば、1つ又は複数の規則及び/又は条件)で構成されてもよい。例えば、センサデータに含まれる1つ又は複数の値がしきい値を上回るか又は下回る場合、第1の送信モジュール310は、センサデータを応答信号中に単に含むように構成することができる。具体的な例では、測定された温度値が上側の温度しきい値を越える場合(例えば、>60°C)、又は下側の温度しきい値未満である場合(例えば、<5°C)、第1の送信モジュール310は、応答信号中に熱センサデータだけを含むように構成されてもよい。別の具体的な例では、測定された衝撃値が加速度しきい値を越える場合(例えば、>2G)、第1の送信モジュール310は、応答信号中に衝撃センサデータだけを含むように構成されてもよい。規則及び条件の前述の具体的な例は、単なる例として与えられ、本開示を限定することは意図されていない。
【0154】
[0154]実施形態では、第2の送信モジュール312は、第3の周波数帯域(例えば、900MHz)での送信用に応答信号を準備するように構成される。これらの実施形態では、第2の送信モジュール312は、受動的追跡デバイス108が第2のモードで動作するときに、準備された応答信号を送信用に第3のアンテナ306に出力するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の送信モジュール312は、応答信号を変調することによって応答信号を準備する。第2のモードで動作中の受動的追跡デバイス108は、第3の周波数帯域上で信号を受信することができるデバイスと通信するため、第3の周波数帯域上での送信において第2の送信モジュール312によって実装される通信プロトコルを理解することができるデバイスと通信するため、適切な範囲内で送信するためなど、いくつかの理由から有利である。実施形態では、受動的追跡デバイス108は、応答信号が第3の周波数帯域で信号を受信するデバイスによって読取られるときに、第2のモードで動作してもよい。例えば、読取りデバイスは、受動的追跡デバイス108を900MHzで変調されたエネルギー供給信号でエネルギー供給することができ、エネルギー供給信号は、EPC RFIDコマンドを含むことができ、以て読取りデバイスがEPC RFIDプロトコルに従って与えられる信号を受信して読取ることを示している。
【0155】
[0155]実施形態では、第2の送信モジュール312は、第3の周波数帯域で応答信号を受信することができるデバイスが信号を受信することができるように、第3の周波数帯域に実質的に等しい搬送周波数を有する準備された応答信号を出力する。例えば、実施形態では、第2の送信モジュール312は、RFID周波数帯域(例えば、900MHz)内で信号を送受信する。これらの実施形態では、第2の送信モジュール312は、RFID通信プロトコルに従ってもよい。例えば、第2の送信モジュール312は、EPC通信プロトコル、ISO RFID規格、ISO/IEC RFID規格、ASTM RFID規格、又はあらゆる他の適切な規格若しくはプロトコルに従って信号を出力してもよい。いくつかの実施形態では、第2の送信モジュール312は、バックスキャッタスイッチを含む。これらの実施形態では、第2の送信モジュール312は、第3のアンテナ306での送信用の第3の周波数帯域に実質的に等しい搬送周波数を有する信号を準備するようにバックスキャッタスイッチを作動させるように構成される。いくつかの実施形態では、第2の送信モジュール312は、バックスキャッタスイッチを作動させることによって、応答信号を準備して送信し、以て第3のアンテナのインピーダンスをトグルすることができる。いくつかの実施形態では、例えば第2の送信モジュール312は、入来RFID信号のバックスキャッタリングによって第3の周波数帯域上で送信することによって、受動的追跡デバイス108が、第3の周波数帯域によって、実質的にゼロのエネルギー又は非常に小さな量のエネルギーを用いて、送信できるようにする。いくつかの実施形態では、第2の送信モジュール312はまた、例えばEPC通信プロトコルに従って、限られたタイプのデータを送信するように構成されてもよい。これらの実施形態では、第2の送信モジュール312によって出力される応答信号は、追跡デバイスのデバイス識別子などの情報に限られる場合があり、例えばセンサモジュール316によって収集されたセンサデータを排除する可能性がある。応答信号中に1つ又は複数のタイプの情報を含むことを控えることにより、受動的追跡デバイス108は、第1のモードで動作して第1の送信モジュール310を介して送信することにより多くのエネルギーを消費するのではなく、第2のモードで動作して第2の送信モジュール312を介して送信しながらエネルギーをさらに節約できるようになる。
【0156】
[0156]実施形態では、モード選択モジュール314は、受動的追跡デバイス108が第1のモード又は第2のモードのどちらで送信するかを判定するように構成される。例えば、実施形態では、モード選択モジュール314は、第1の送信モジュール310によるBLE(第1のモード)、又は第2の送信モジュール312によるRFID(第2のモード)のどちらを使用して応答信号を送信するかを判定してもよい。実施形態では、モード選択モジュール314は、エネルギー供給信号を受信してもよく、エネルギー供給信号の周波数及び/又は信号の内容(例えば、信号内に完全なRFIDメッセージが続くRFIDヘッダがあるかどうか)に基づいて動作モードを判定してもよい。いくつかの実施形態では、モード選択モジュール314が、受動的追跡デバイスが第2のモードで動作すると判定しない限り、受動的追跡デバイス108は、デフォルトで第1のモードで動作してもよい。実施形態では、1つ又は複数の条件が満たされずに、受動的追跡デバイス108が第2のモードで動作しない限り、受動的追跡デバイス108は第1のモードで動作してもよい。これらの実施形態の一部では、モード選択モジュール314は、第3のアンテナ306から信号を受信してもよい。第3のアンテナ306からエネルギー供給信号を受信すると、モード選択モジュール314は、エネルギー供給信号の内容に基づいて受動的追跡デバイス108が第1のモード又は第2のモードのどちらで動作するかを判定するように構成される。
【0157】
[0157]第1のモードがBLE通信モードに対応し、第2のモードがRFID通信モードに対応している例示の実施形態では、第3のアンテナはRFIDプロトコルに従って送受信を行なうRFIDアンテナであってもよく、受動的追跡デバイス108は、デフォルトで第1のモードで動作するように構成されてもよく、モード選択モジュール314は受信したエネルギー供給信号に基づいて第2のモードを選択してもよい。例えば、第3のアンテナ306によって信号が受信されるとき、モード選択モジュール314は、信号がEPCヘッダ及び対応するEPCコマンドを含むかどうかを判定することができる。このシナリオでは、モード選択モジュール314は、第2の送信モジュール312に第2のモードで応答するよう指示してもよい。エネルギー供給信号が第2のアンテナ304によって受信される場合、並びに/又は受信した信号がEPCヘッダを含まない及び/若しくは第1のモードで動作するためのコマンドを含む場合、モード選択モジュール314は第1のモードで動作する。モード選択モジュール314が、受動的追跡デバイス108が第2のモードで動作すると判定するとき、第3の周波数帯域で信号を受信することができるデバイスが信号を受信することができるように、受動的追跡デバイス108は、第3の周波数帯域で第3のアンテナ306によって信号を送信する。いくつかの実施形態では、モード選択モジュール314は、第3のアンテナ306で信号が受信されていない場合、受動的追跡デバイス108は第1のモードで動作すると判定し、第3のアンテナ306で(例えば、第3の周波数帯域で)信号が受信されており、第3のアンテナ306で受信された信号が指定されたタイプのメッセージ、例えばRFIDメッセージヘッダを含むメッセージを含んでいる両方の場合だけ、受動的追跡デバイス108は第2のモードで動作すると判定する。メッセージが指定されたタイプのものでない場合、例えばメッセージがRFIDヘッダを含んでいないか、そうでなければ無効な場合、モード選択モジュール314は、受動的追跡デバイス108が第1のモードで動作すると判定する。
【0158】
[0158]実施形態では、受動的追跡デバイスは、センサモジュール316を含む。これらの実施形態では、センサモジュール316は、センサデータを生成する1つ又は複数のセンサを含んでもよい。センサの例としては、限定はしないが、温度センサ(例えば、サーミスタ、熱流センサ、又はバルク弾性波温度センサ)、光センサ(例えば、フォトン検出器)、音センサ(静電容量式音センサ)、湿度センサ(静電容量式湿度センサ、抵抗方式湿度素子、温熱方式湿度センサ)、モーションセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ)、衝撃センサ(例えば、しきい値量の衝撃が検出されるとトリガされるセンサ)、加速度センサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ)、又はあらゆる他の適切なセンサを挙げることができる。いくつかの実施形態では、センサは、受動的追跡デバイス108が電力供給された時点での受動的追跡デバイス108の環境の1つ又は複数の条件を示すリアルタイムの(例えば、実質的に即時の)読取り値を提供することができる。例えば、温度及び湿度などの値は、受動的追跡デバイス108がエネルギー供給されると測定されてもよい。いくつかの実施形態では、センサは、受動的追跡デバイス108がエネルギー供給されるよりも前の何らかの時点で、1つ又は複数の条件が満たされたかどうかを示すように構成される。例えば、センサは、一定の条件が達成されたかどうかを記録してもよい(例えば、光がセンサによって検出された、最小限の量の力が検出された、温度又は湿度が下限を上回った又は下限を下回った、など)。これらの実施形態では、センサの状態は、特定の条件の発生を示すことができ、それによって特定の条件の発生前に読取られたセンサデータは、特定の条件の発生の後に読取られたセンサデータとは異なる。この方法で、特定の条件がおおよそいつ発生したかを、受動的追跡デバイス108からの一連の応答から判定することができる。いくつかの実施形態では、センサのうちの1つ又は複数は、1つ又は複数のセンサが電力供給されることなく条件が満たされていたことを記録してもよい。例えば、光センサは、光にさらされると測定可能な変化を生ずる感光フィルムを含んでもよく、又は衝撃センサは、衝撃センサがしきい値を受けるある量の力を受けたときだけ物理的な位置を変え、以て条件が満たされたことを示すコンポーネントを含んでもよい。エネルギー供給信号を受信すると、そうでなければ送信用の信号を準備すると、受動的追跡デバイス108が、いつ条件が満たされたかを示すタイムスタンプなどの、条件が満たされたということに関連する情報を1つ又は複数の信号送信に含めることができるように、センサモジュール316は、第1及び第2の送信モジュール310、312のうちの1つ又は複数に対して、条件が満たされたことを示してもよい。いくつかの実施形態では、センサのうちの1つ又は複数は、バルク弾性波センサであってもよい(例えば、バルク弾性波温度センサ)。
【0159】
[0159]実施形態では、センサモジュール316は、1つ又は複数のセンサによって生成されたセンサデータを、受動的追跡デバイス108が第1のモードで通信するときだけ、第1の送信モジュール310に出力するように構成される。いくつかの実施形態では、センサデータは、第2のモードで動作しているときは送信されない。代替的に、いくつかの実施形態では、センサモジュール316は、受動的追跡デバイス108が第2のモード又は第1のモードで通信するとき、1つ又は複数のセンサによって生成されたセンサデータを、第2の送信モジュール312に送信するように構成される。これらの実施形態では、センサモジュール316からセンサデータを受信すると、第1の送信モジュール310及び第2の送信モジュール312は、センサデータを、それぞれ第1のアンテナ304及び第3のアンテナ306によって送信された変調された信号に含むようにそれぞれ構成される。
【0160】
[0160]いくつかの実施形態では、受動的追跡デバイス108は、記憶デバイス、例えば不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)を含む。これらの実施形態の一部では、センサモジュール316は、センサデータを記憶デバイスに記憶するように構成されてもよい。
【0161】
[0161]センサモジュール316は、受動的追跡デバイス108のマルチモードの実施形態のコンテキストで説明されるが、センサモジュール316は、受動的追跡デバイス108、マルチモード追跡デバイス102、追跡デバイスペア104などのシングルモードの実施形態に同様に又は実質的に全く同じように実装されてもよいことを諒解されたい。
【0162】
[0162]いくつかの実施形態では、暗号化モジュール318は、受動的追跡デバイス108によって送信されたメッセージを暗号化するように構成される。これらの実施形態の一部では、第2のモード(例えば、EPC RFID)で用いられるプロトコルが類似の暗号化アルゴリズムをサポートしていないときは、暗号化モジュール318は、第1のモード(例えば、BLE又はWi-Fi)を使用して送信されたメッセージだけを暗号化する。いくつかの実施形態では、暗号化モジュール318は、エネルギーハーベストモジュール308によってエネルギー供給されると暗号化メッセージを(例えば、第1の送信モジュール310に)出力するように構成される。いくつかの実施形態では、暗号化モジュール318は、本開示を通じて議論されるように、秘密鍵及び秘密パターンを利用して、応答メッセージを暗号化して、暗号化メッセージ(例えば、暗号化されたデータパケット)を取得する。暗号化モジュール318は、暗号化メッセージを、例えば第1の送信モジュール310に出力してもよく、これは次に第1のアンテナ302によって暗号化メッセージを送信する。
【0163】
[0163]いくつかの実施形態では、暗号化モジュール318は、暗号化メッセージを、例えば第2の送信モジュール312に出力してもよく、これは次に第3のアンテナ364によって暗号化モジュールを送信するようにさらに構成されてもよい。暗号化モジュール318から暗号化メッセージを受信すると、第1の送信モジュール310及び第2の送信モジュール312は、暗号化メッセージを、それぞれ第2のアンテナ304及び第3のアンテナ306によって送信された変調された及び/又は準備された信号に含むようにそれぞれ構成される。暗号化モジュール318によって暗号化された暗号化メッセージは、RFID識別子又はBLE識別子などの受動的追跡デバイス108の識別子を含む場合がある。いくつかの実施形態では、EPC識別子はBLE上での送信用に暗号化される。暗号化モジュール318は、受動的追跡デバイス108のマルチモードの実施形態のコンテキストで説明されるが、暗号化ジュール318は、受動的追跡デバイス108(例えば、BLEだけを使用して送信を行なう受動的追跡デバイス108)、マルチモード追跡デバイス102、追跡デバイスペア104、及び他の適切な追跡デバイスのシングルモードの実施形態に同様に又は実質的に全く同じように実装されてもよいことを諒解されたい。
【0164】
[0164]いくつかの実施形態では、図3の受動的追跡デバイスは、シングルモードの受動的追跡デバイスであってもよいことに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、受動的追跡デバイス108は、第3のアンテナ308、第2の送信モジュール312、及びモード選択モジュール314を持たないBLE追跡デバイスとして実装されてもよい。これらの実施形態の一部では、受動的追跡デバイス108は、第1の周波数帯域(例えば、2.5GHz)で第2のアンテナを用いてエネルギー供給されてもよく、同じ周波数帯域(例えば、2.5GHz)を使用して第1のアンテナを用いて応答信号を送信してもよい。他の実施形態では、受動的追跡デバイス108は、第2の送信モジュール312及びモード選択モジュール314を持たないBLE追跡デバイスとして実装されてもよい。これらの実施形態では、受動的追跡デバイス108は、第1の周波数帯域(例えば、2.5GHz)で第2のアンテナ304を用いて、又は第2の周波数帯域(例えば、900MHz)で第3のアンテナ306を用いてエネルギーをハーベストしてもよいが、第1の周波数帯域(例えば、2.5GHz)でのみ送信する。受動的追跡デバイス108は、RFID送信を単にサポートするのと同じやり方で構成されてもよく、以てデバイスは第1の送信モジュール310及びモード選択モジュール314を含まなくてもよい。
【0165】
[0165]図4は、本開示のいくつかの実施形態による受動的追跡デバイス108(例えば、図3の受動的追跡デバイス108)の例示のコンポーネントを図示している。いくつかの実施形態では、第1のアンテナ302は、2.4GHz周波数帯域でBluetooth Low Energy(BLE)を送信するように構成される。実施形態では、第2のアンテナ304は、2.4GHz周波数帯域でBLEを受信するように構成され、受動的追跡デバイス108にエネルギー供給することができる。第1のアンテナ302及び第2のアンテナ304は、Bluetooth、WiFiなどの他の適切なプロトコル、及び他の適切な短距離通信プロトコルに従って、それぞれ送信及び受信を行なうことができることに留意されたい。実施形態では、受動的追跡デバイス108がエネルギー供給され得るように、そして第3のアンテナ306によって応答を送信できるように、第3のアンテナ306は、例えばElectronic Product Code(EPC)C1G2規格に従って、900MHz周波数帯域でRFID信号を送信及び受信するように構成される。
【0166】
[0166]実施形態では、受動的追跡デバイス108は、変圧器408、エネルギーハーベスタ410、クランプ回路412、貯蔵コンデンサ414、及び電圧レギュレータ416を含み、これらは受動的追跡デバイス108にエネルギー供給するようエネルギーをハーベストするように構成されてもよい。実施形態では、変圧器408は、低インピーダンスRF電気エネルギーを低インピーダンス交流電流電気エネルギーの形で、第2のアンテナ304によって受信したBLE及び/又はWi-Fi信号から受信して、低インピーダンスRF電気エネルギーを高インピーダンスRF電気エネルギーに変換する。変圧器408は、高インピーダンスRF電気エネルギーをエネルギーハーベスタ410に出力する。インピーダンス整合により、エネルギーハーベスタ410は、変圧器408によって第2のアンテナ304から受信される低インピーダンスRF電気エネルギーからハーベストすることができるエネルギーよりも多くのエネルギーを、高インピーダンスRF電気エネルギーからハーベストすることができる。変圧器408は、バルク弾性波RF電圧変圧器、空心変圧器、フェライトコア変圧器、伝送線変圧器、又はあらゆる他の適切なタイプの変圧器であってもよい。いくつかの実施形態では、エネルギーハーベスタ410は、RFエネルギーを第2のアンテナ304及び第3のアンテナ306から受信して、RFエネルギーに対してスムージングを行なう。RFエネルギーは、エネルギーハーベスタ410に到達する前に1つ又は複数のダイオード(図示せず)を通過する可能性があり、以てRFエネルギーの負部分を除去する。いくつかの実施形態では、エネルギーハーベスタ410は、およそ6V~10Vに等しいピークを持つ正弦波などスムージングされたエネルギー波をクランプ回路412に出力する。クランプ回路412は、スムージングされたエネルギー波のDC値をシフトさせ、スムージングされたエネルギー波のピークを制限するように構成され、それによってスムージングされたエネルギー波は貯蔵コンデンサ414に記憶するために、そして受動的追跡デバイス108の他のコンポーネントを電力供給するために適したものとなる。次いでクランプ回路412は、スムージングされたエネルギー波を貯蔵コンデンサ414及び電圧レギュレータ416に送信する。貯蔵コンデンサ414は、エネルギーを貯蔵して、受動的追跡デバイス108に電力供給するようエネルギーが必要になると、エネルギーを電圧レギュレータ416に出力するように構成される。電圧レギュレータ416は、クランプ回路412及び貯蔵コンデンサ414から、電力バス418を介して受動的追跡デバイス108の他のコンポーネントにエネルギーを供給して、受動的追跡デバイス108の他のコンポーネントが比較的一定量の電圧、例えば2Vを受け取ることを確実にするように構成される。実施形態では、電圧レギュレータ416は、低ドロップアウトレギュレータであってもよい。
【0167】
[0167]実施形態では、受動的追跡デバイス108が第1のモードで動作するとき、受動的追跡デバイス108は、2.4GHz周波数帯域上での送信用にBLEを変調するように構成される。実施形態では、受動的追跡デバイス108は、基準発振器404、AC電源407、位相同期ループ(PLL)402、増幅器404、GFSK変調器405、及び状態機械426を含む。第1のアンテナ302による送信に先立って、状態機械426はGFSK変調器405に向けて、識別情報、例えばEPC ID、及びBLE規格に準拠する形式のセンサデータのうちの1つ又は複数を送信する。いくつかの実施形態では、受動的追跡デバイス108は、不揮発性メモリ(NVM)424を含み、GFSK変調器405は、NVM424から識別情報及び/又はセンサデータを読取る。GFSK変調器405、PLL402、AC電源407、及び基準発振器404は、搬送周波数2.4GHzを有して状態機械426によってGFSK変調器405に与えられる情報を含む信号を変調するよう、共に動作する。次いで、増幅器403は、信号を増幅して、信号を送信用の第1のアンテナ302に送信する。いくつかの実施形態では、小型化、低コスト、熱耐性、汚染耐性、振動耐性、湿度耐性、又はそれらの組合せに対するニーズを容易にするために、基準発振器404は、Lalらに対する米国特許出願公開第2019/0074818号で開示されるようなバルク弾性波発振器であってもよく、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。他の実施形態では、基準発振器404は、MEMS発振器又は水晶などの、あらゆる他の適切なタイプの発振器であってもよい。
【0168】
[0168]実施形態では、受動的追跡デバイス108が第2のモードで動作するとき、受動的追跡デバイス108は、900MHz周波数帯域上での送信用にRFID信号(例えば、RFID C1G2)を準備するように構成される。実施形態では、受動的追跡デバイスは、EPC C1G2モデムなどのEPCモデム422、及びバックスキャッタスイッチ406を含む。受動的追跡デバイス108が、第3のアンテナ306によって搬送周波数900MHzを有するRFID信号を受信したことに応じて第2のモードで動作するとき、EPCモデム422は、C1G2 RFID規格フォーマットに従ってRFIDメッセージを生成する。次いでEPCモデム422は、バックスキャッタスイッチ406を作動させて、同じ900MHz信号がEPCモデム422によって生成されたRFIDメッセージを含むよう、第3のアンテナ306によって先に受信した同じ900MHz信号を準備する。次いで、メッセージは第3のアンテナ306によって送信される。いくつかの実施形態では、RFIDメッセージは、受動的追跡デバイスのデバイス識別子及びセンサデータのうちの1つ又は複数を含む。EPCモデム422は、RFIDメッセージを生成する前に、NVM424から識別子を読取ってもよい。実施形態では、EPCモデム422は、センサモジュール316からセンサデータを取得してもよい。
【0169】
[0169]実施形態では、受動的追跡デバイス108は、900MHz周波数帯域で第3のアンテナ306によってRFID信号を受信するように構成されたモードセレクタ420を含む。第3のアンテナ306からRFID信号を受信すると、モードセレクタ420は、受動的追跡デバイス108が第1のモード又は第2のモードのどちらで動作するかを判定するように構成される。モードセレクタ420が、受動的追跡デバイス108が第1のモードで動作すると判定するとき、2.4GHz周波数帯域で応答信号(例えば、BLEビーコン信号)を受信することができるデバイスが信号を受信することができるように、受動的追跡デバイス108は、2.4GHz周波数帯域で第1のアンテナ302によって応答信号(例えば、BLEビーコン信号)を送信する。モードセレクタ420が、受動的追跡デバイス108が第2のモードであると判定するとき、900MHz周波数帯域でRFID信号を受信することができるデバイスが応答信号を受信することができるように、受動的追跡デバイス108は、900MHz周波数帯域で第3のアンテナ306によってRFID信号を送信する。いくつかの実施形態では、モードセレクタ420は、低電力タイマ(例えば、低電力32kHzタイマ)を含む(図示せず)。
【0170】
[0170]いくつかの実施形態では、モード選択モジュール314は、第1のモードで動作するとき、エネルギーハーベスタ410によって及び/又は貯蔵コンデンサによってハーベストされたエネルギーの量に基づいて、いつ応答信号を送信するかを決定するように構成される。例えば、受動的追跡デバイス108が、少なくとも0dBmのRF電力を受信する場合、受動的追跡デバイス108は、可能な限り素早く頻繁にBLEビーコン信号を送信することができる。受動的追跡デバイス108が、-20dBm~0dBmの間のRF電力を受信する場合、受動的追跡デバイス108は、エネルギーを節約するために間隔タイマに従う間隔においてのみBLEビーコン信号を送信してもよい。受動的追跡デバイス108が、-20dBm未満の間のRF電力を受け取る場合、受動的追跡デバイス108は貯蔵されるエネルギーの量がおよそ1マイクロジュールを越えたときだけBLEビーコン信号を送信してもよい。上述のしきい値電力値(0dBm~-20dBm)は、例示として与えられており、本開示の範囲を限定することは意図されていない。
【0171】
[0171]いくつかの実施形態では、受動的追跡デバイス108が第1のモードで動作するとき(例えば、BLE)、状態機械426は、センサデータの値(複数可)が必須条件を満たすかどうか(例えば、センサデータに含まれる1つ又は複数の値が、しきい値を上回るか、下回るか)に基づいて、センサデータを応答信号に含むかどうかを判定するように構成されてもよい。例えば、状態機械426は、熱センサデータに含まれる1つ又は複数の温度値が温度しきい値(例えば、50°C)を越える場合に、又は下側の温度しきい値未満の場合(例えば、<0°C)に、応答信号(例えば、BLEビーコン信号)にセンサデータを含むように構成されてもよい。別の例では、状態機械426は、衝撃センサのデータに含まれる加速度値が衝撃しきい値(例えば、3G)を越える場合に、センサデータを応答信号(例えば、BLE及び/又はWi-Fi信号)に含むように構成されてもよい。
【0172】
[0172]いくつかの実施形態では、図4の受動的追跡デバイスは、シングルモードの受動的追跡デバイス(例えば、BLEだけ、WiFiだけ、又はRFIDだけ)であってもよいことに留意されたい。例えば、いくつかの実施形態では、受動的追跡デバイス108は、第3のアンテナ306、バックスキャッタスイッチ406、EPCモデム422、又はモードセレクタ4230を持たないBLE追跡デバイスとして実装されてもよい。これらの実施形態の一部では、受動的追跡デバイス108は、第1の周波数帯域(例えば、2.5GHz)で第2のアンテナ304を用いてエネルギー供給されてもよく、同じ周波数帯域(例えば、2.5GHz)を使用して第1のアンテナ302を用いて応答信号を送信してもよい。他の実施形態では、受動的追跡デバイス108は、バックスキャッタスイッチ406、EPCモデム422、又はモードセレクタ4230を持たないBLE追跡デバイスとして実装されてもよい。これらの実施形態では、受動的追跡デバイス108は、第1の周波数帯域(例えば、2.5GHz)で第2のアンテナ304を用いて、又は第2の周波数帯域(例えば、900MHz)で第3のアンテナ306を用いてエネルギーをハーベストしてもよいが、第1の周波数帯域(例えば、2.5GHz)でのみ送信する。受動的追跡デバイス108は、RFID送信を単にサポートするのと同じやり方で構成されてもよく、以てデバイスは第1のモードで送信するために使用されるコンポーネントを含まなくてもよい。
【0173】
[0173]図5は、本開示のいくつかの実施形態による、受動的追跡デバイス108が第1のモード又は第2のモードのどちらで動作するかを判定するための方法500の動作の例示のセットを描いたフローチャートである。方法500は、マルチモードの受動的追跡デバイス108のあらゆる適切なコンポーネント(例えば、モード選択モジュール314又はモードセレクタ420)によって実施されてもよい。説明目的のため、方法500は、図3の受動的追跡デバイス108及びそのコンポーネントに関して説明する。方法500は、本開示の範囲から逸脱することなく、あらゆる他の適切なデバイスによって実質的に同じように実施されてもよいことを諒解されたい。
【0174】
[0174]502において、受動的追跡デバイス108は、モード選択モジュール314に電力供給する。モード選択モジュール314は、機能するために一般的にほとんどエネルギーを必要としないため、モード選択モジュール314は、方法500の実施の後電力が供給されたままである可能性があり、方法500の後続の実施に先立つ方法500の先行する実施により電力供給されたままである可能性がある。いくつかの実施形態では、モード選択モジュール314は、エネルギー供給信号が受信されたとき受動的追跡デバイス108のあらゆる他のコンポーネントより前に電力供給され、以て受動的追跡デバイス108の1つ又は複数の他のコンポーネントが電力供給されない状態の間に、モード選択モジュール314が方法500を実施できるようになる。
【0175】
[0175]504において、受動的追跡デバイス108は、第2のアンテナ304又は第3のアンテナ306によってエネルギー供給信号を受信する。
【0176】
[0176]506において、モード選択モジュールは、エネルギー供給信号が第2のアンテナ304又は第3のアンテナ306のどちらによって受信されたかを判定する。エネルギー供給信号が第2のアンテナ304によって受信された場合、受動的追跡デバイス108は第1のモードで動作する(518)。エネルギー供給信号が第3のアンテナ306によって受信された場合、受動的追跡デバイス108は動作508を実施する。第1のモードが動作のデフォルトのモードである実施形態では、エネルギー供給信号が第3のアンテナ306で受信されない限り、受動的追跡デバイス108は動作518に進む。
【0177】
[0177]508において、モード選択モジュールは第1の持続時間(例えば、2.5ms)を待機して、エネルギー供給信号が、EPCの極超短波(UHF)RFIDフォーマットコマンドの開始などのRFIDヘッダを含むかどうかを判定する。
【0178】
[0178]510において、受動的追跡デバイス108は、第1の持続時間の間にRFIDヘッダが検出されたかどうかを判定する。エネルギー供給信号がRFIDヘッダを含む場合、受動的追跡デバイス108は動作510を実施する。エネルギー供給信号がRFIDヘッダを含まない場合、受動的追跡デバイス108は動作518で示されるように第1のモードで動作する。
【0179】
[0179]512において、モード選択モジュール314は、第2の送信モジュールがRFIDフォーマットコマンド、例えばエネルギー供給信号によって受信したEPC UHF RFIDフォーマットコマンドを受信して解析するために十分な時間を有するように、第2の持続時間を例えば最大10ms待機する。
【0180】
[0180]514において、受動的追跡デバイス108は、第2の持続時間の間にRFIDフォーマットコマンドが検出されて受信され、解析されたかどうかを判定する。RFIDフォーマットコマンドが受信されて解析された場合、受動的追跡デバイス108は動作516で示されるように第2のモードで動作する。RFIDフォーマットコマンドが受信されて解析された場合、受動的追跡デバイス108は動作518で示されるように第1のモードで動作する。
【0181】
[0181]516において、受動的追跡デバイス108は、第2のモードで動作する(例えば、RFID)。いくつかの実施形態では、受動的追跡デバイス108は、ある期間、例えば40ms、又は一定の条件が満たされるまで、例えばRFIDフォーマットコマンドが40msの間、受信されるまで、第2のモードで動作する。518において、受動的追跡デバイス108は、第1のモードで動作する(例えば、BLE)。
【0182】
[0182]図6は、本開示のいくつかの実施形態による、受動的追跡デバイス108を動作させるための方法600の例示の動作を描いたフローチャートである。いくつかの実施形態では、モード選択モジュール314、第1の送信デバイス310、第2の送信デバイス312、センサモジュール316、及び暗号化モジュール318は、方法600の一部を実施する。いくつかの実施形態では、モード選択420、EPCモデム422,エネルギーハーベスタ410、状態機械426、及び図4に示される他のコンポーネントは、方法600の一部を実施する。説明の簡潔さのため、方法600は、図3の受動的追跡デバイス108に関して説明する。方法600は、図4に示され実施形態の関連する説明において説明されるコンポーネントを含む受動的追跡デバイス108の実施形態によるのと実質的に同じように実施されてもよいことを諒解されたい。
【0183】
[0183]602において、受動的追跡デバイス108は、モード選択モジュール314に電力供給する。モード選択モジュール314は、機能するために一般的にほとんどエネルギーを必要としないため、モード選択モジュール314は、方法600の実施の後電力が供給されたままである可能性があり、方法600の後続の実施に先立つ方法600の先行する実施により電力供給されたままである可能性がある。いくつかの実施形態では、モード選択モジュール314は、エネルギー供給信号が受信されたとき受動的追跡デバイス108のあらゆる他のコンポーネントより前に電力供給され、以て受動的追跡デバイス108の1つ又は複数の他のコンポーネントが電力供給されない状態の間に、モード選択モジュール314が方法600を実施できるようになる。
【0184】
[0184]604において、受動的追跡デバイス108は、第2のアンテナ304又は第3のアンテナ306を介してエネルギー供給信号を受信する。
【0185】
[0185]606において、モード選択モジュール314は、エネルギー供給信号が第2のアンテナ304又は第3のアンテナ306のどちらによって受信されたかを判定する。エネルギー供給信号が第2のアンテナ304によって受信された場合、受動的追跡デバイス108は動作618に進む。エネルギー供給信号が第3のアンテナ306によって受信された場合、受動的追跡デバイス108は動作608を実施する。第1のモードが動作のデフォルトのモードである実施形態では、エネルギー供給信号が第3のアンテナ306で受信されない限り、受動的追跡デバイス108は動作618に進む。
【0186】
[0186]608において、モード選択モジュールは第1の持続時間(例えば、2.5ms)を待機して、エネルギー供給信号が、EPCのUHF RFIDフォーマットコマンドの開始などのRFIDヘッダを含むかどうかを判定する。
【0187】
[0187]610において、受動的追跡デバイス108は、第1の持続時間の間にRFIDヘッダが検出されたかどうかを判定する。エネルギー供給信号がRFIDヘッダを含む場合、受動的追跡デバイス108は動作612を実施する。エネルギー供給信号がRFIDヘッダを含まない場合、受動的追跡デバイス108は動作618に進む。
【0188】
[0188]612において、モード選択モジュール314は、第2の送信モジュールがRFIDフォーマットコマンド、例えばエネルギー供給信号によって受信したRFIDフォーマットコマンド(例えば、EPC UHF RFIDフォーマットコマンド)を受信して解析するために十分な時間を有するように、第2の持続時間(例えば最大10ms)待機する。
【0189】
[0189]614において、受動的追跡デバイス108は、第2の持続時間の間にRFIDフォーマットコマンドが検出されかどうか(例えば、受信されて解析されたかどうか)を判定する。RFIDフォーマットコマンドが検出された場合、受動的追跡デバイス108は動作616を実施する。RFIDフォーマットコマンドが受信されて解析された場合、デバイス108は動作618に進む。
【0190】
[0190]616において、第2の送信モジュール312は、第2の応答信号を準備して第2のモードで送信する。実施形態では、受動的追跡デバイス108は、RFIDプロトコルを用いてEPC UHF RFIDメッセージ内で第2の応答信号を送信する。
【0191】
[0191]618において、第1の送信モジュール310は、受動的追跡デバイス108がセンサデータを第1の応答信号に含むかどうかを判定する。受動的追跡デバイス108がセンサデータを第1の応答信号に含む場合、受動的追跡デバイス108は動作620を実施する。受動的追跡デバイス108が、センサデータを第1の応答信号に含む必要がない場合(例えば、デバイスがセンサモジュール316を含まない、又はレポートすべきセンサデータがない)、受動的追跡デバイス108は、動作622に移る。
【0192】
[0192]620において、第1の送信モジュール310は、センサモジュール316によって収集されたセンサデータを取得する。いくつかの実施形態では、第1の送信モジュール310は、センサモジュール316がエネルギー供給されたことに応答してセンサモジュール316からセンサデータを受信する。センサデータは、実質的に同時的(例えば、デバイス108がエネルギー供給されるとキャプチャされる)であってもよいか、又は先に決定されてもよい(例えば、デバイス108がエネルギー供給されるのに先立って、デバイスの状態がセンサを動かす)。追加的に又は代替的に、第1の送信モジュール310は、受動的追跡デバイス108のメモリデバイスからセンサデータを取得してもよい。実施形態では、第1の送信モジュール310は、センサデータをデータパケット又は他の適切なデータ構造にエンコードし、以下で議論される第1の応答信号に変調される。
【0193】
[0193]622において、第1の送信モジュール310は、第1の周波数帯域(例えば、2.5GHz)で第1の応答信号を変調し始める。受動的追跡デバイス108が、センサデータを第1の応答信号に含むように構成される場合、第1の送信モジュール310は、変調された第1の応答信号がセンサデータを含むように第1の応答信号を変調する。実施形態では、第1の応答信号の内容は、BLEプロトコル又はあらゆる他の適切なプロトコル(例えば、WiFi)に従ってエンコードされる。
【0194】
[0194]624において、第1の送信モジュール310は、受動的追跡デバイス108に利用可能な送信用の電力が第1のしきい値(例えば、0dBm)よりも大きいかどうかを判定する。送信用に利用可能な電力が第1のしきい値よりも大きい場合、第1の送信モジュール310は、第1のアンテナ302による送信用に第1の変調応答信号を出力し、9126に示されるように、第1のアンテナ302は第1の変調応答信号を送信する。送信用に利用可能な電力が第1のしきい値よりも大きくない場合、受動的追跡デバイス108は、628に示されるように、受動的追跡デバイス108に利用可能な送信用の電力が第2のしきい値(例えば、-20dBm)よりも大きいかどうかを判定する。送信用に利用可能な電力が第2のしきい値よりも大きい場合、受動的追跡デバイス108は、ある時間間隔(例えば、5s)の後、第1のアンテナ302による送信用に第1の変調応答信号を出力し、630に示されるように、第1の変調応答信号を受信した後に、第1のアンテナ302は第1の変調応答信号を送信する。その時間間隔は、受動的追跡デバイス108が、変調された第1の応答信号を送信するために、動作628の実施の際に利用可能であり得たエネルギーよりも多くのエネルギーを受け取ることを考慮している。送信用に受動的追跡デバイス108に利用可能な電力が第2のしきい値よりも大きくない場合、受動的追跡デバイス108は、モード選択モジュール314がまだ電力供給されているかを判定する。モード選択モジュール314がまだ電力供給されている場合、受動的追跡デバイス108によって蓄えられたエネルギーがデバイス108電力供給するために十分なとき(例えば、第1の変調応答信号を送信するために必要なエネルギーの量)、受動的追跡デバイス108は、第1のアンテナ302による送信用に第1の変調応答信号を出力し、634に示されるように、第1のアンテナ302は、第1の変調応答信号を受信した後、第1の変調応答信号を送信する。そうでなければ、受動的追跡デバイス108は、636に示されるように自身をリセットし、その後、動作602に戻る。
【0195】
[0195]図7は、本開示のいくつかの実施形態による、追跡デバイスを認証するための方法700を描いたフローチャートである。方法700は、追跡デバイス、読取りデバイス、及び認証デバイスに関して開示される。追跡デバイスは、受動的追跡デバイス108、112又は電力供給される追跡デバイス102、106を含む、あらゆる適切な追跡デバイスであってもよい。実施形態では、認証デバイスは、認証サーバを含むバックエンドサーバ(例えば、図1のバックエンドサーバ120)であってもよい。代替的に、いくつかの実施形態では、認証デバイスは、追跡デバイス向けの認証サービスを実施するスタンドアロンの認証サーバであってもよい。いくつかの実施形態では、認証デバイスは、アグリゲータデバイス104の近傍にある、追跡デバイス102、106、108、及び/又は112を認証するアグリゲータデバイス104であってもよい。読取りデバイスは任意選択的である。これらの実施形態では、読取りデバイスは、例えばアグリゲータデバイス104、ユーザデバイス130、又はAR対応ユーザデバイス140であってもよい。さらには、以下では読取りデバイスは追跡デバイスにエネルギー供給するとして説明されるが、受動的追跡デバイス108は読取りデバイスとは異なるデバイスによってエネルギー供給されてもよいことを理解されたい。例えば、エキサイタ110がデバイスにエネルギー供給する一方で、アグリゲータデバイス104、ユーザデバイス130、又はAR対応ユーザデバイス140は応答信号を受信する。
【0196】
[0196]702において、読取りデバイスは追跡デバイスにエネルギー供給する。実施形態では、読取りデバイスは、ある周波数帯域(例えば、2.5GHz又は900MHz)でエネルギー供給信号をブロードキャストする。
【0197】
[0197]704において、追跡デバイスは、エネルギー供給信号を受信する。追跡デバイスが受動的追跡デバイスである実施形態では、エネルギー供給信号が受動的追跡デバイスにエネルギー供給してもよく、それにより追跡デバイスが動作し始める。
【0198】
[0198]706において、追跡デバイスは追跡デバイスのデバイス識別子を示す暗号化メッセージを生成する。いくつかの実施形態では、追跡デバイスは、デバイス識別子が追跡デバイスを一意に識別するように、追跡デバイスのデバイス識別子を含むメッセージを生成する。これらの実施形態では、例えば追跡デバイス及び認証デバイスが知っている秘密鍵を使用して、追跡デバイスはメッセージを暗号化して暗号化メッセージを取得する。他の実施形態では、例えば追跡デバイスの秘密鍵と認証デバイスの公開鍵を使用して、追跡デバイスはメッセージを暗号化して暗号化メッセージを取得する。
【0199】
[0199]いくつかの実施形態では、追跡デバイスは、デバイス識別子を含むメッセージを暗号化することに先立って、まずデバイス識別子を隠すことができる。これらの実施形態の一部では、追跡デバイスは、デバイスがエネルギー供給されると生成されるランダムなNビット文字列並びに追跡デバイス及び認証デバイスが知っている秘密パターンを使用してデバイス識別子を隠す。暗号化メッセージを生成するための例示の方法を、図8に関して説明する。本開示の範囲を逸脱することなく、追跡デバイスによってメッセージを暗号化する他の方法が実装されてもよいことを諒解されたい。
【0200】
[0200]708において、追跡デバイスは、暗号化メッセージを受信側デバイスに送信する。追跡デバイスは、本開示で説明される様々なやり方を含むあらゆる適切なやり方で暗号化メッセージを送信してもよい。例えば、追跡デバイスは、変調応答信号が暗号化メッセージを含むように、エネルギー供給信号を受信するために使用される周波数帯域で応答信号を変調してもよい。
【0201】
[0201]710において、読取りデバイスは暗号化メッセージを受信して、暗号化メッセージを認証デバイスに送信する。いくつかの実施形態では、読取りデバイスは変調応答信号を受信して、変調応答信号からの暗号化メッセージを読取る。読取りデバイスは、変調応答信号から暗号化メッセージを抽出してもよく、例えば通信ネットワーク(例えば、インターネット又はセルラネットワーク)を介して暗号化メッセージを認証デバイスにルーティングしてもよい。
【0202】
[0202]712において、認証デバイスは、暗号化メッセージを受信する。
【0203】
[0203]714において、認証デバイスは暗号化メッセージに基づいて追跡デバイスを認証する。いくつかの実施形態では、認証は、例えば追跡デバイスの秘密鍵を使用してメッセージを復号化してもよい。これらの実施形態の一部では、暗号化メッセージの未暗号化ヘッダ部分は、メッセージを暗号化するために使用される秘密鍵の秘密鍵識別子を含んでもよい。認証デバイスは、秘密鍵識別子に基づいて秘密鍵のセットから秘密鍵を検索してもよく、検索した秘密鍵を使用して暗号化メッセージを復号化してもよい。暗号化メッセージが秘密鍵/公開鍵ペアを使用して暗号化された実施形態では、暗号化メッセージの未暗号化ヘッダ部分には、追跡デバイスの公開鍵が含まれる場合がある。これらの実施形態では、認証デバイスは、追跡デバイスの公開鍵及び認証デバイスのプライベート鍵を使用して暗号化メッセージを復号化する。復号化されると、認証デバイスは復号化メッセージに含まれるデバイス識別子を決定することができる。追跡デバイスにより秘密パターンを用いてデバイス識別子が隠される実施形態では、追跡デバイスは秘密パターンに基づいて隠されたデバイス識別子からのデバイス識別子を決定することができる(図9に関して議論するとおり)。次いで認証デバイスは、デバイス識別子が有効なデバイス識別子かどうかを判定してもよい。いくつかの実施形態では、認証デバイスは、認証デバイスによって認証することができる追跡デバイスのすべてのデバイス識別子を示す既知のデバイス識別子のリストを維持する。これらの実施形態では、認証デバイスは、復号化メッセージから取得されたデバイス識別子を既知のデバイス識別子のリストと相互参照して、デバイス識別子がリストにあるかどうかを判定してもよい。その場合、認証デバイスは追跡デバイスが認証されたと判定する。そうでなければ、認証デバイスはデバイスを認証できないと判定する。追跡デバイスの真正性に関する判定がなされると、認証デバイスは関連デバイス又はシステムに通知を与えることができる。例えば、認証デバイスは、読取りデバイス及び/又はバックエンドシステムに、デバイスが認証されたことを通知してもよい。
【0204】
[0204]実施形態では、前述の方法700は、追跡デバイスの偽造を抑止するべく、追跡デバイスを認証する認証サービスとして実装されてもよい。認証サービスは、追跡デバイスの製造業者によって、又はサードパーティのプロバイダによって提供されてもよい。
【0205】
[0205]図8は、本開示のいくつかの実施形態による、追跡デバイスを認証するために使用される暗号化メッセージを生成するための方法800を描いたフローチャートである。方法800は、あらゆる適切なタイプの追跡デバイスによって実施されてもよい。いくつかの実施形態では、方法は、受動的追跡デバイスの暗号化モジュールによって実施されてもよい(例えば、図3又は図4)。これらの実施形態の一部では、方法は、受動的追跡デバイス108がエネルギー供給され、応答信号へ含めるときに実施される。
【0206】
[0206]802において、追跡デバイスは追跡デバイスのデバイス識別子を取得する。デバイス識別子は、追跡デバイスを、他の追跡デバイスから一意に識別することができる。実施形態では、追跡デバイスは追跡デバイスの不揮発性メモリからデバイス識別子を取得してもよい。
【0207】
[0207]804において、追跡デバイスはランダムなNビット文字列を生成する。実施形態では、追跡デバイスは、Nビット文字列が反復しないことを確実にするべく、方法が実行される都度、様々なNビット文字列を生成してもよい。追跡デバイスは、ランダムなNビット文字列を生成する乱数生成器を含んでもよく、又はあらゆる他の適切なやり方でランダムなNビット文字列を生成することができる。
【0208】
[0208]806において、追跡デバイスは、追跡デバイスが知っている共有秘密パターンに従ってNビット文字列をデバイス識別子に挿入して、隠されたデバイス識別子を取得する。共有秘密パターン(又は「秘密パターン」)は、追跡デバイス及び追跡デバイスを認証することができる1つ又は複数の認証デバイスが知っていてもよい。いくつかの実施形態では、秘密パターンはN個の異なる挿入スロットを定義して、それぞれの挿入スロットは、ランダムなNビット文字列の個々のビットが挿入されるデバイス識別子のビット位置を、個々に定義する。例えば、最大8バイトを含んでおり、Nビット文字列が6ビット文字列であるメッセージでは、例示の秘密パターンは、ランダムな6ビット文字列のビットを追跡デバイスのデバイス識別子に挿入するための6つのビット位置(例えば、1、5、16、30、42、50)を定義してもよい。この例では、受動的追跡デバイスは、6ビット文字列のビットの1番目のビットをデバイス識別子の1番目のビットと2番目のビットとの間に、6ビット文字列のビットの2番目のビットを5番目のビットと6番目のビットとの間に、6ビット文字列のビットの3番目のビットを16番目のビットと17番目のビットとの間に、6ビット文字列のビットの4番目のビットを30番目のビットと31番目のビットとの間に、6ビット文字列のビットの5番目のビットを42番目のビットと43番目のビットとの間に、そして6ビット文字列のビットの6番目のビットを50番目のビットと51番目のビットとの間に、挿入してもよい。この例では、得られる文字列は隠されたデバイス識別子である。いくつかの実施形態では、送信デバイスは、共有秘密パターンを他のデバイスによって使用される秘密パターンと識別する秘密パターン識別子をさらに記憶してもよい。動作808に関して議論したように、秘密パターン識別子は、暗号化送信メッセージの暗号化部分に、又は暗号化トランジットメッセージの未暗号化ヘッダに含められてもよい。
【0209】
[0209]各反復送信において、暗号化されるメッセージ(例えば、デバイスID)に挿入するために異なるランダムなNビット文字列を利用することによって、同一のデバイスIDを含み、同一の秘密鍵によって暗号化されるにも関わらず、送信同士で暗号化メッセージが変わるように保証される。この方法で、追跡デバイスを複製しようとする侵入者が、追跡デバイスによって送信され侵入者によって傍受された暗号化送信メッセージを複製することを防止することができる。
【0210】
[0210]808において、追跡デバイスは、隠されたデバイス識別子に基づいて送信メッセージを生成して、送信メッセージを暗号化する。いくつかの実施形態では、送信メッセージの本体は、隠されたデバイス識別子だけを含む。他の実施形態では、送信メッセージの本体は、追加的なデータを同様に含む。例えば、いくつかの実施形態では、送信メッセージの本体には秘密パターンの秘密パターン識別子が含まれてもよい。そして、追跡デバイスは送信メッセージの本体を暗号化してもよい。追跡デバイスは、あらゆる適切なやり方で送信メッセージの本体を暗号化してもよい。
【0211】
[0211]いくつかの実施形態では、追跡デバイス及び認証デバイスが知っている共有秘密鍵を使用して、追跡デバイスは送信メッセージの本体を暗号化してもよい。共有秘密鍵は、デバイスIDを暗号化するために使用される数値であってもよい。共有秘密鍵(及び秘密鍵識別子)は、追跡デバイスの不揮発性メモリに記憶されてもよく、送信メッセージの本体(例えば、ビット文字列)を暗号化するために受動的追跡デバイスによって使用されてもよい。これらの実施形態では、追跡デバイスは、共有秘密鍵の秘密鍵識別子を暗号化メッセージの未暗号化ヘッダに含んでもよい。いくつかの実施形態では、暗号化送信メッセージの未暗号化ヘッダは、隠されたデバイス識別子を生成するために使用される共有秘密パターンの秘密パターン識別子をさらに含んでもよい。
【0212】
[0212]いくつかの実施形態では、追跡デバイスは、秘密鍵/公開鍵ペアを使用して送信メッセージの本体を暗号化することができる。これらの実施形態では、追跡デバイスは、追跡デバイスだけが知っている追跡デバイスの秘密鍵、並びに追跡デバイスが知っている及び/又はエネルギー供給信号中で受信された可能性もある、認証デバイスの公開鍵を使用して、送信メッセージの本体を暗号化してもよい。これらの実施形態の一部では、追跡デバイスは、追跡デバイスの公開鍵を暗号化メッセージの未暗号化ヘッダに含んでもよい。いくつかの実施形態では、暗号化送信メッセージの未暗号化ヘッダは、隠されたデバイス識別子を生成するために使用される共有秘密パターンの秘密パターン識別子をさらに含んでもよい。
【0213】
[0213]810において、追跡デバイスは、暗号化送信メッセージを送信する。追跡デバイスは、本開示で説明される様々なやり方を含むあらゆる適切なやり方で暗号化送信メッセージを送信してもよい。例えば、追跡デバイスは、変調応答信号が暗号化送信メッセージを含むよう、エネルギー供給信号(例えば、2.5GHz)を受信するために使用される周波数帯域で応答信号を変調してもよい。
【0214】
[0214]図9は、本開示のいくつかの実施形態による、受信した暗号化送信メッセージに基づいて追跡デバイスを認証するための方法900を描いたフローチャートである。方法900は、あらゆる適切なタイプの認証デバイスによって実施されてもよい。実施形態では、認証デバイスは、認証サーバを含むバックエンドサーバ(例えば、図1のバックエンドサーバ120)であってもよい。代替的に、いくつかの実施形態では、認証デバイスは、追跡デバイス向けの認証サービスを実施するスタンドアロンの認証サーバであってもよい。いくつかの実施形態では、認証デバイスは、アグリゲータデバイス104の近傍にある、追跡デバイス102、106、108、及び/又は112を認証するアグリゲータデバイス104であってもよい。
【0215】
[0215]902において、認証デバイスは、暗号化送信メッセージを受信する。認証デバイスは、追跡デバイスから直接暗号化送信メッセージを受信してもよく、又は中間的なデバイス(例えば、読取りデバイス)から暗号化送信メッセージを受信してもよい。
【0216】
[0216]904において、認証デバイスは、暗号化送信メッセージを復号化する。認証デバイスは、あらゆる適切なやり方で暗号化送信メッセージを復号化してもよい。
【0217】
[0217]メッセージが共有秘密鍵を使用して暗号化された実施形態では、認証デバイスは暗号化送信メッセージの未暗号化ヘッダ部分から秘密鍵識別子を読取ってもよい。これらの実施形態では、認証デバイスは共有秘密鍵を使用して暗号化メッセージの暗号化部分を復号化して、妨害デバイス識別子を含む、送信メッセージの本体を取得してもよい。
【0218】
[0218]メッセージが秘密鍵/公開鍵ペアを使用して暗号化された実施形態では、認証デバイスは暗号化送信メッセージの未暗号化ヘッダ部分から追跡デバイスの公開鍵を読取ってもよい。これらの実施形態では、認証デバイスは、追跡デバイスの公開鍵と、認証デバイスのプライベート鍵とを使用して暗号化メッセージの暗号化部分を復号化して、妨害デバイス識別子を含む送信メッセージの本体を取得してもよい。
【0219】
[0219]906において、認証デバイスは、妨害デバイス識別子からNビットを抽出してデバイス識別子を取得する。いくつかの実施形態では、認証デバイスは、送信メッセージから秘密パターン識別子を取得してもよい。議論したように、秘密パターン識別子は、送信メッセージの未暗号化部分に、又は送信メッセージの暗号化された本体にあってもよい。認証デバイスがいったん秘密パターン識別子を決定すると、認証デバイスはメモリから追跡デバイスの共有秘密パターンを検索することができる。次いで、認証デバイスは、妨害デバイス識別子からNビットを抽出して秘密パターン識別子を取得することができる。例えば、図8の例を借りると、認証デバイスは、2番目のビット、7番目のビット、18番目のビット、34番目のビット、47番目のビット、及び56番目のビットを、隠されたデバイス識別子から除去することができ、8バイトのデバイス識別子を与える。
【0220】
[0220]908において、認証デバイスは隠されていないデバイス識別子に基づいて追跡デバイスを認証する。実施形態では、認証デバイスは、隠されていないデバイス識別子が有効なデバイス識別子かどうかを判定してもよい。議論したように、いくつかの実施形態では、認証デバイスは、認証デバイスによって認証することができる追跡デバイスのすべてのデバイス識別子を示す既知のデバイス識別子のリストを維持する。これらの実施形態では、認証デバイスは、復号化送信メッセージから取得された、隠されていないデバイス識別子を既知のデバイス識別子のリストと相互参照して、デバイス識別子がリストにあるかどうかを判定してもよい。リストにある場合、認証デバイスは追跡デバイスが認証されたと判定する。そうでなければ、認証デバイスはデバイスを認証できないと判定する。追跡デバイスの真正性に関する判定がなされると、認証デバイスは関連デバイス又はシステムに通知を与えることができる。
【0221】
[0221]いくつかの実施形態では、認証デバイスは、デバイスの認証に先立って、暗号化メッセージ又は隠されたデバイス識別子が、以前に受信されていないことをさらに確実にすることができる。これらの実施形態では、認証デバイスは、以前に受信された暗号化メッセージのリストを維持してもよい、及び/又はデバイス識別子を隠してもよい。暗号化メッセージ及び/又は隠されたデバイス識別子が繰り返して受信される場合、認証デバイスは、暗号化メッセージが以前に悪意のあるパーティによって傍受され、追跡デバイスになりすますために用いられたと判定する場合がある。これらのシナリオでは、認証デバイスは、後続の新しい暗号化メッセージ中のデバイス識別子を隠すために使用された新しいランダムなNビット文字列により、新しいメッセージが送信の間に変更されるように、追跡デバイスに新しい暗号化メッセージを再送信することをリクエストしてもよい。他の実施形態では、追跡デバイスは複数(すなわち、2つ以上)の暗号化応答メッセージ送信してもよく、この場合、各暗号化メッセージは様々なランダムなNビット文字列を使用して生成される。これらの実施形態では、認証デバイスは、複数の暗号化メッセージを復号化してもよく、同一の秘密パターンを使用して各隠されたデバイス識別子からNビットを除去して、各隠されたデバイス識別子からのデバイス識別子を取得してもよい。隠されたデバイス識別子が変わる一方で取得されたデバイス識別子が整合する場合、認証デバイスは次いで、取得されたデバイス識別子が既知の追跡デバイス識別子かどうかを判定してもよい。
【0222】
[0222]図10は、本開示のいくつかの実施形態による、例示のバルク弾性波(BAW)発振器1000を図示している。いくつかの実施形態では、BAW発振器1000は、図3の第1の送信モジュール310の発振器であってもよい。受動的追跡デバイス108のいくつかの実施形態では、BAW発振器1000は、図4の発振器であってもよい。BAW発振器1000は、本開示の範囲を逸脱することなく、他の適切な追跡デバイスにおける発振器として使用されてもよい。
【0223】
[0223]いくつかの実施形態では、BAW発振器1000は、追跡デバイス(例えば、マルチモード追跡デバイス102、追跡デバイスペア106、受動的追跡デバイス108、及び/又はデュアル媒体追跡デバイス112)に安価に搭載されるモノリシックなCMOSベースの高精度基準発振器である。これらの追跡デバイスは、BAW発振器1000の出力に基づく周波数を有する搬送信号を使用して、信号の送信用の搬送周波数の所望の精度を達成してもよい。実施形態では、BAW発振器1000は、マスタクロック1002、時間差検出器1004、位相周波数検出器1006、及びループフィルタ1008を含み、以下でこれらをより詳細に説明する。
【0224】
[0224]実施形態では、マスタクロック1002は、連続的なエコー同士で時間を遅延させるよう同期される電圧制御型発振器である。実施形態では、マスタクロック1002は、RFバースト機能(例えば、低GHz周波数)に適切な、ある周波数(F1)の継続的に実行中の発振器であってもよい。実施形態では、周波数F1は、低GHz周波数(例えば、1024MHz)であるRF発振器周波数である。実施形態では、このクロックにより駆動されるカウンタは、マスタクロックパルスのセットをカウントして、RFバーストを形成するマスタクロックパルスの完了カウントのレートに相当する周波数でピークを有する信号を出力する。
【0225】
[0225]実施形態では、時間差検出器1004は、窒化アルミニウム(AlN)受信トランスデューサによって駆動される1つ又は複数のエンベロープ検出器(エコー検出器とも称される)を含む。いくつかの実施形態では、受信トランスデューサは、AlNよりも高い効率を有する可能性がある実質的に窒化アルミニウムスカンジウム(AlScN)で構成されてもよい。これらの実施形態の一部では、エンベロープ検出器を使用して、エンベロープ、すなわちRFバーストの第1のエコーと第2のエコーのパルス同士の時間の測定を復元する。第1のエコーは、マスタクロックのサイクルの固定数N4をカウントするカウンタを有効にして、次いで終了パルスを生成する。実施形態では、温度補償信号を使用して、第1及び第2のエコー用のエンベロープ検出器しきい値を調整し、同様に例えば複数のN4値同士のディザリングを使用してフラクショナルNディバイダを制御する。
【0226】
[0226]実施形態では、位相周波数検出器1006は、第2のエコーの時間を終了パルスと比較する。終了パルスが第2のエコーよりも先に到達する場合、マスタクロックが速すぎるため、位相周波数検出器1006は、「ポンプダウン」パルスを生成する。第2のエコーが終了パルスよりも先に到達する場合、マスタクロックが遅すぎるため、「ポンプアップ」パルスが作り出される。ポンプアップパルス、及びポンプダウンパルスは、相補的な電流源、すなわちチャージポンプを駆動し、次にマスタクロックVCOの制御ポートに接続されるループフィルタ1008を駆動し、以て周波数同期ループを形成する。周波数同期ループは、マスタクロックの周波数が、カウントN1とエコー時間の逆数との乗法的な積となるように強制し、この場合N1はF1と超音波パルスの反復レートとの乗法的な積である。いくつかのエコー時間が経過した後、このサイクル全体は規則的に繰り返され、全体的なリサイクル時間は数百ナノ秒となる。最終的に、同期されたマスタクロック信号は別のカウンタ、例えばN1によって分割され、発振器の出力である安定した基準クロック周波数F2を与える。
【0227】
[0227]図11は、本開示のいくつかの実施形態による、マスタクロック1002の例示の実施形態を図示している。実施形態では、マスタクロック1002は、図4のAC電源407に含まれるクロックなど、基準クロック1010を同期化するために、計時信号(すなわち、基準周波数)を提供する精密時計である。実施形態では、マスタクロック1002は、電圧制御発振器(VCO)1102、複数のマスタクロックカウンタ1104-1、1104-2、1104-3(全体として1104と称する)、1つ又は複数のマスタクロックラッチ1106、及び1つ又は複数のゲート1108を含む。実施形態では、マスタクロック1002は、遅延時間に同期される。遅延時間は、バルク弾性波(BAW)共振器の連続的なエコー同士の時間である。いくつかの実施形態では、マスタクロック1002は、自走型のVCO1102からの入力を受信する。実施形態では、VCO1102は、リング発振器である。マスタクロック1002は、VCO1102によってRF発振器周波数F1にチューニングされる。周波数F1は、RFバースト機能に適した低GHz周波数であってもよい。いくつかの実施形態では、VCO1102は、F1が実質的に1024MHzに等しくなるように構成される。
【0228】
[0228]実施形態では、マスタクロックカウンタ1104は、特定のイベント又はプロセスが生じている回数を示す個々のカウント(例えば、カウントN1~N3)を記憶するようにそれぞれ構成されたデジタルカウンタである。いくつかの実施形態では、マスタクロックカウンタ1104のうちの1つ又は複数は、VCO1102の発振をカウントする。これらの実施形態の一部では、マスタクロックカウンタ1104は、ラッチ及び/又はフリップフロップを含む場合があるデジタルカウンタである。実施形態では、1つ又は複数のマスタクロックゲート1108は、RFバーストを形成するために、マスタクロックカウンタ1104から受信したカウントに対して論理演算を行なうデジタル論理ゲートである。実施形態では、1つ又は複数のマスタクロックゲート1108は、ANDゲートを含む。ANDゲートは、カウント信号、例えばN1の因数の信号周波数、及び周波数信号、例えば周波数F1を有する信号を受信して、カウント信号と周波数信号のAND演算を行ない、以てRFバーストを生成して出力する。実施形態では、RFバーストは、周波数F1を有する信号のフラクショナルカウントに相当するピークを有する信号と、周波数F1を有する信号との論理AND値に等しい周波数を有する信号である。実施形態では、1つ又は複数のマスタクロックゲート1108は、RFバーストを時間差検出器1004に出力する。いくつかの実施形態では、VCO1102及び1つ又は複数のマスタクロックカウンタ1104は、パルス、信号、及び/又はカウントを、1つ又は複数のマスタクロックラッチ1106、例えばフリップフロップに出力するように構成されてもよく、1つ又は複数のマスタクロックラッチ1106は、サイクルリセット入力に基づいて信号を出力するように、又は信号を出力することを控えるように構成されてもよい。
【0229】
[0229]図12は、本開示のいくつかの実施形態による、例示の時間差検出器1004を図示している。実施形態では、時間差検出器1004は、マスタクロック1002からのRFバーストを受信するように、BAW遅延のエコーを検出するように、及びエコー信号、終了パルス、又はそれらの組合せを位相差検出器1004に出力するように、構成される。実施形態では、時間差検出器1004は、BAW遅延基準1202(例えば、BAW遅延1202)、複数のエコー検出器1204-1、1204-2(「エンベロープ検出器」とも称される)、1つ又は複数の時間差検出器ラッチ1206、1つ又は複数の時間差検出器ゲート1208、1つ又は複数の時間差検出器カウンタ1210、及び温度補償モジュール1212を含む。
【0230】
[0230]実施形態では、BAW遅延1202は、マスタクロック1002からのRFバーストを受信して、BAW信号をエコー検出器1204に出力するように構成される。RFバーストを受信すると、RFバーストからのエネルギーは、BAW遅延1202のシリコン基板の本体を通過し、以てシリコン基板の1つ又は複数の縁部で跳ね返り、1つ又は複数のエコーを作る。エコーは、例えばBAW信号のパルスの立ち上がりエッジ同士の時間を測定することによって、BAW信号中で測定可能であり、BAW遅延1202の温度によって異なっていてもよい。
【0231】
[0231]実施形態では、エコー検出器1204は、BAW信号を受信して、エコー同士の時間を(例えば、エンベロープ検出により)測定するように構成される。図12は、2つのエコー検出器1204を含む時間差検出器1004の実施形態を図示しており、各エコー検出器1204は、BAW遅延1202の複数のエコーのうち異なるエコーを測定する。いくつかの実施形態では、エコー同士の時間を測定した後、それぞれ個々のエコー検出器1204は、個々のエコー測定を示す個々のエコー信号を、1つ若しくは複数の時間差検出器ラッチ1206、1つ若しくは複数の時間差検出器ゲート1208、及び/又は1つ若しくは複数の時間差検出器カウンタ1210に出力する。
【0232】
[0232]実施形態では、時間差検出器カウンタ1210は、第1のエコーの立ち上がりエッジに続くマスタクロックサイクル数を示すカウント(例えば、可変カウントN4)を記憶するように構成されたデジタルカウンタである。いくつかの実施形態では、時間差検出器カウンタ1210は、カウントがN4に到達すると終了パルスを発行する。実施形態では、カウント値N4は、1サイクルから次のサイクルにかけて変わってもよく、以て複数サイクルに渡る平均のフラクショナルカウント値に影響する。実施形態では、時間差検出器カウンタ1210は、ラッチ又はフリップフロップを含む場合があるデジタルカウンタである。いくつかの実施形態では、時間差検出器カウンタ1210は、エコーカウントを位相周波数検出器1006に出力する。
【0233】
[0233]いくつかの実施形態では、複数のエコー検出器1204の第1のエコー検出器1204-1は、BAW遅延1202の第1のエコーを検出し、第1のエコー信号を時間差検出器カウンタ1210に送信し、このとき第1のエコー信号は第1のエコーのメトリックを含む。複数のエコー検出器1204の第2のエコー検出器1204-2は、BAW遅延1202の第2のエコーを検出し、第2のエコー信号を生成してもよく、このとき第2のエコー信号は第2のエコーのメトリックを含む。時間差検出器カウンタ1210は、時間差検出器ラッチ1206及び/又は時間差検出器ゲート1208と共に機能して、第1のエコー信号及びマスタクロック1002からのパルスに対して論理AND演算を行なって終了パルスを生成するように構成され、終了パルスはマスタクロックサイクルの所定のカウントN4が第1のエコー検出信号の後経過したことを示す信号である。時間差検出器1004は、終了パルス及び第2のエコー検出信号を位相周波数検出器1006に出力する。
【0234】
[0234]実施形態では、温度補償モジュール1212は、温度センサから温度読取り値を、例えばバルク弾性波温度センサから粗い温度読取り値を受信して、温度調整信号を複数のエコー検出器1204及び/又は時間差検出器カウンタ1210に出力するように構成され、温度調整信号は温度読取り値に基づいている。実施形態では、温度補償モジュール1212から温度調整信号を受信すると、複数のエコー検出器1204が、温度調整信号に基づいてエコー検出を調整する、及び/又は時間差検出器カウンタ1210が、温度調整信号に基づいてカウントN4などのカウントを調整し、以てBAW発振器1000の温度に変動があっても、時間差検出器1004がエコーを精密且つ正確に検出してカウントできるようにする。いくつかの実施形態では、エコー検出器1204は、温度補償モジュール1212から受信した個々の温度調整信号に基づいてエコー検出しきい値を調整するように構成される。いくつかの実施形態では、時間差検出器カウンタ1210は、例えば温度補償モジュール1212から受信した個々の温度調整信号に基づいて複数のカウント値同士のディザリングを使用してフラクショナルNディバイダを調整するなど、カウントを調整するように構成される。図12は、各エコー検出器1204がBAW遅延1202の複数のエコーのうち異なるエコーを測定する2つのエコー検出器1204を含む時間差検出器1004を図示しているが、時間差検出器1004の一部の実施形態は、単一のエコー検出器1204がBAW遅延1202の単一のエコーを測定する単一のエコー検出器1204を含むことを諒解されたい。
【0235】
[0235]図13は、位相周波数検出器1006及びループフィルタ1008の例示の実施形態を図示している。実施形態では、位相周波数検出器1006は、時間差検出器1004から第2のエコー信号及び終了パルスを受信して、それに基づいてポンプパルスを生成するように構成された位相周波数検出モジュール1302を含む。ポンプパルスは、第1のエコーと第2のエコーとの時間の差異に基づいて、「ポンプダウン」パルス又は「ポンプアップ」パルスのいずれかであってもよい。終了パルスの位相が、第2のエコー信号の位相より早い場合、マスタクロック1002は速すぎる可能性があり、位相周波数検出モジュール1302はポンプダウンパルスを生成する。終了パルスの位相が、第2のエコー信号の位相より後になる場合、マスタクロック1002は遅すぎる可能性があり、位相周波数検出モジュール1302はポンプアップパルスを生成する。
【0236】
[0236]実施形態では、位相周波数検出器1006は、相補的な電流源1304、1306(例えば、チャージポンプ)を含む。位相周波数検出モジュール1302はポンプダウンパルス又はポンプアップパルスを相補的な電流源1304、1306に出力する。相補的な電流源1304、1306は、位相周波数検出モジュール1302からポンプダウンパルス又はポンプアップパルスが受信されたどうかに基づいて、電流をループフィルタ1008に選択的に出力する。位相周波数検出モジュール1302からポンプダウンパルスが受信された場合、相補的な電流源1304、1306のうち負の電流源1304が、負の電流をループフィルタ1008に送信する。位相周波数検出モジュール1302からポンプアップパルスが受信された場合、相補的な電流源1304、1306のうち正の電流源1306が、正の電流をループフィルタ1008に送信する。
【0237】
[0237]実施形態では、ループフィルタ1008は、ループ増幅器1308を含む。ループ増幅器1308は、負の電流源1304又は正の電流源1306から受信した電流を増幅して、増幅した電流をマスタクロックのVCO1102の入力に出力するように構成され、以てフィードバックループを形成して、ポンプダウンパルス又はポンプアップパルスに基づいてBAW発振器1000の出力周波数を減少させるか、又は増加させる。いくつかの実施形態では、ループ増幅器1308は、3次のタイプ2位相同期ループである。
【0238】
[0238]図14図17は、本開示の様々な実施形態による、バルク弾性波発振器1000の例示の変形形態を図示している。
【0239】
[0239]図14の例では、BAW発振器1000のマスタクロックは、バースト周波数でバーストクロックとして動作する。この例では、カウンタは、複数のクロック数(例えば、180クロック)が経過するまでクロックサイクルをカウントする。この例では、BAW発振器1000は、第2のエコーを考慮せずに、第1のエコーのタイミングを終端カウントと比較する。
【0240】
[0240]図15の例では、別個のリング発振器が、例えば1/176ns、又は5.68MHzで動作するマスタクロックによって、ある持続時間(例えば、30ns)バーストされる。次のマスタクロックサイクルの先端が、第2のエコーを考慮せずに、第1のエコーパルスと比較される。
【0241】
[0241]図16の例では、マスタクロックは、バースト周波数でバーストクロックとして動作する。この例では、第1のエコーにより、カウンタがクロックサイクルを、ある数のクロックが経過するまで、すなわちあるカウントのクロックが経過するまで(例えば180クロックが経過するまで)カウントできるようにする。この例では、BAW発振器1000は、終端カウントを第2のエコーのエッジと比較する。第2の位相周波数検出器を使用して、カウンタが有効にされると(例えば、マスタクロックサイクルの+/-1/2)、位相の両義性を追跡する。
【0242】
[0242]図17の例では、図15におけるように、別個のリング発振器がマスタクロックによってバーストされる。この例では、マスタクロック周波数は、今度は5.68MHzという比較的低い倍数であり得、1MHzという低い場合もある。この場合、カウンタは完全に除去することが可能である。代替的に、5.68MHzの2倍、3倍、4倍、5倍、又はそれ以上の「中程度に」低いマスタクロック周波数が使用される可能性があり、次いでこの大きさのカウンタが必要とされる場合がある。
【0243】
[0243]図18は、本開示のいくつかの実施形態による、バルク弾性波(BAW)温度センサ1800の例示の実施形態を図示している。受動的追跡デバイス108のいくつかの実施形態では、センサモジュール316(図3)の温度センサは、BAW温度センサ1800であってもよい。BAW温度センサ1800は、本開示の範囲を逸脱することなく、あらゆる他の適切な追跡デバイスに実装されてもよい。
【0244】
[0244]いくつかの実施形態では、BAW温度センサ1800は、追跡デバイスに安価に搭載されるモノリシックな校正不要温度センサである。いくつかの実施形態では、BAW温度センサ1800は、BAW発振器1000のマスタクロック1002からのRFバーストを受信して、BAW温度センサ1800に含まれるBAW遅延1802のエコーを検出し、温度補償モジュール1212による温度補償に使用するために粗い温度信号をBAW発振器1000の時間差検出器1004に出力するように構成される。
【0245】
[0245]実施形態では、BAW温度センサ1800は、BAW遅延1802、複数のエコー検出器1804、1つ又は複数の信号変圧器1808、1つ又は複数のデジタル変換器1810、1つ又は複数のラッチ1812、1つ又は複数のゲート1814、及び1つ又は複数のカウンタ1816を含む。BAW温度センサ1800のいくつかの実施形態では、BAW温度センサ1800に含まれるBAW遅延1802は、時間差検出器1004に含まれるBAW遅延15N02とは別個である。他の実施形態では、BAW遅延1800は時間差検出器1004に含まれるBAW遅延15N02。
【0246】
[0246]いくつかの実施形態では、BAW温度センサ1800は、BAW発振器1000のマスタクロック1002からのRFバーストを受信して、BAW温度センサ1800に含まれるBAW遅延1802のエコーを検出し、精密な温度信号を出力するように構成される。実施形態では、BAW温度センサ1800のBAW遅延1802及びエコー検出器1804は、時間差検出器1004に関して議論したそのカウンターパートと実質的に同じやり方で構成される。
【0247】
[0247]実施形態では、BAW温度センサ1800は、第1のエコー検出器1840-1及び第2のエコー検出器1804-2を含んでもよい。第1のエコー検出器1804-1は、BAW遅延1802のエコーを測定して第1のエコー信号を生成するように構成される。第1のエコー検出器1804-1は、第1のエコー信号を、電圧ランプ1808-1、エコーデータをサンプリングして保持するように構成されたサンプリング及び保持回路1808-2、並びにデジタルアナログ変換器1808-3などの、1つ又は複数の信号修正器1808に出力する。第2のエコー検出器1804-2は、BAW遅延1802の第2のエコーを測定して第2のエコー信号を生成するように構成される。第2のエコー検出器1804-2は、第2のエコー信号を信号修正器1808のうちの1つ又は複数に出力する。
【0248】
[0248]BAW温度センサ1800が、BAW発振器1000の時間差検出器1004に粗い温度信号を出力するように構成される実施形態では、信号変圧器1808は、第1のエコー信号及び第2のエコー信号を処理して、BAW遅延1802の温度を示す粗い温度値を決定する。信号変圧器1808は、温度信号により粗い温度値をデジタル変換器1810のうちの1つ又は複数に出力してもよい。1つ又は複数のデジタル変換器1810は、例えば温度信号が摂氏温度で温度値を示すように、粗い温度値を変換してもよい。信号変圧器1808は、粗い温度値を含む変換された温度信号を、BAW発振器1000の時間差検出器1004に送信する。
【0249】
[0249]BAW温度センサ1800が、センサ測定値として精密な温度信号を出力するように構成される実施形態では、信号変圧器1808は、1つ又は複数のラッチ1812、1つ又は複数のゲート1814、及び1つ又は複数のカウンタ1816と共に動作して、第1のエコー信号及び第2のエコー信号を処理して、BAW遅延1802の温度を示す精密な温度値を決定し、この場合、精密な温度値は、より正確であることにより、及び/又はより有意な数字を有することにより、粗い温度値よりも精密である。信号変圧器1808、1つ又は複数のラッチ1812、1つ又は複数のゲート1814、及び1つ又は複数のカウンタ1816は、温度信号により精密な温度値をデジタル変換器1810のうちの1つ又は複数に出力してもよい。1つ又は複数のデジタル変換器1810は、例えば温度信号が摂氏温度で温度値を示すように、精密な温度値を変換してもよい。信号変圧器1808は、精密な温度値を含む変換された温度信号を、追跡デバイスの他のコンポーネント(例えば、図3の受動的追跡デバイス108の第1の送信モジュール310)に送信する。
【0250】
[0250]例えば、実施形態では、第1のエコー信号は、電圧ランプ1808-1が電圧のランプを開始できるようにし、第2のエコー信号はサンプリング及び保持回路1808-2に、第2のエコー信号が受信された時刻に電圧のサンプリング及び保持を行なわせることができる。アナログデジタル変換器1808-3は、電圧がサンプリングされた時刻における電圧を読取って、デジタル値に変換する。次いで、第1の信号変換器1810-1は、デジタルサンプルを摂氏温度での粗い温度値に変換してもよい。次いで温度サンプルを使用して、BAW発振器1000を補償して正確な周波数にしてもよい。いったんBAW発振器1000が周波数に同期されると、第1のエコーと第2のエコーとの間の遅延をデジタルに測定することによって、任意選択的に、より正確に温度を測定することができる。第2の信号変換器1810-2は、第1のエコーと第2のエコーとの間の遅延を測定することができ、第3の信号変換器1810-3は、測定された遅延を摂氏温度での精密な温度値に変換してもよい。実施形態では、温度センサ中のエコー検出器1804は、発振器の周波数同期の後の遅延のばらつきを測定できるようになるための温度補償を含まなくてもよい。次いで精密な温度サンプルをBLEビーコン内で使用して追跡デバイスによって測定されたとして温度を通信してもよい。
【0251】
[0251]図19は、本開示のいくつかの実施形態による、バルク弾性波(BAW)変圧器1900の例示の実施形態を図示している。受動的追跡デバイス108のいくつかの実施形態では、変圧器408は、BAW変圧器1900であってもよい。いくつかの実施形態では、BAW変圧器1900は、アンテナのインピーダンスを出力においてより高いインピーダンスに変圧し、受動的追跡デバイス108のエネルギーハーベストモジュール308に含められ得るような電圧整流器の入力における電圧スイングを比例的に大きくすることによって、追跡デバイスのエネルギーハーベスト効率を改善する。感度しきい値付近のRF入力電力レベルでは、電圧整流器への入力は、しきい値電圧の付近であり、そのためRF信号を、コンデンサを充電することができるDC電圧に変換する際に、非常に非効率的である。電圧整流器に向かう電圧を大きくすることは、BAW変圧器1900の入力インピーダンスによって生じる電力の損失よりも大きい分、効率を改善することができる。
【0252】
[0252]実施形態では、BAW変圧器1900は、送信トランスデューサ1902、弾性共振器1904、及び受信トランスデューサ1906を含む。送信トランスデューサ1902及び受信トランスデューサ1906は、窒化アルミニウム(AlN)で実質的に構成されてもよい。いくつかの実施形態では、送信トランスデューサ1902及び受信トランスデューサ1906は、AlNよりも高い効率を有する窒化アルミニウムスカンジウム(AlScN)で実質的に構成されてもよい。送信トランスデューサ1902は、RF入力信号を通じてアンテナからRFエネルギー(例えば、2.4GHzのRFエネルギー)を受信する。送信トランスデューサ1902は、RF入力信号を超音波、例えば2.4GHzの超音波に変換して、その超音波を弾性共振器1904に出力する。超音波は弾性共振器1904の本体を通過することにより増幅され、受信トランスデューサ1906に向けて跳ねる(すなわち「エコーする」)。受信トランスデューサ1906は、超音波を変圧されたRF信号に変換し、変圧されたRF信号は、入力RF信号よりも高い有効ソースインピーダンスを有する。実施形態では、受信トランスデューサ1906は、変圧されたRF信号を整流器1908に出力する。変圧されたRF信号は、変圧されたRF信号の高い有効ソースインピーダンスのために、入力RF信号の電圧及び電流よりも、高い電圧であるが低い電流を有する。高い電圧により、整流器1908が、ずっと高い効率でRFエネルギーを変圧されたRF信号からDC電圧に変換できるようにする。
【0253】
[0253]図20は、本開示のいくつかの実施形態による、受動的追跡デバイス108の例示の構成を図示している。受動的追跡デバイスは、低電力暗号化モジュール、1つ又は複数のセンサ、状態機械、不揮発性メモリ(NVRAM)、電圧レギュレータ、共振器、整数型シンセサイザ、発振器(例えば、BAW発振器)、チャージポンプ、及び要求モジュールを含んでもよい。受動的追跡デバイス108は、コンデンサ、1つ又は複数のアンテナ、1つ又は複数のインバータ、及び他の適切なコンポーネントをさらに含んでもよい。
【0254】
[0254]図21は、本開示のいくつかの実施形態による、例示のアグリゲータデバイス104を図示している。実施形態では、アグリゲータデバイス104は、処理デバイス2102、1つ又は複数の長距離通信ユニット2104(WIFIチップ、LTEチップ、イーサネットカードなど)、1つ又は複数の短距離通信ユニット2106(RFIDチップセット、Bluetoothチップセットなど)、GPSデバイス2108、電源2110(例えば、連続的な電源、充電可能バッテリ、誘電型電源など)、1つ又は複数の環境センサ2112(例えば、サーミスタ、温度計、圧力センサ、周囲光センサ、加速度計、ジャイロスコープ、ビデオカメラ、IRカメラなど)、1つ又は複数の記憶デバイス2114(例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリなど)、及び内部クロック2116を含んでもよい。
【0255】
[0255]実施形態では、長距離通信ユニット2104は、通信ネットワーク(例えば、インターネット、セルラネットワークなど)との通信を実現する。処理デバイス2102は、長距離通信ユニットを介してバックエンドサーバ120などの外部デバイスにメッセージを送信することができる。実施形態では、長距離通信ユニット2104は、(例えば、WIFIを通じて)追跡情報及び必要な通信能力を有する追跡デバイスからのあらゆる他の適切な情報を含むメッセージを受信するように構成されてもよい。
【0256】
[0256]短距離通信ユニット2106は、追跡デバイスとの短距離通信を実現してもよい(例えば、多目的追跡デバイス102、追跡デバイスペア106、受動的追跡デバイス108、デュアルモード追跡デバイス112、及びエキサイタ102)。実施形態では、短距離通信ユニット2106は、信号をブロードキャストして、近接するデバイスにエネルギー供給するか、又はそうでなければ、近接するデバイスによるレポーティングをトリガしてもよい。短距離通信ユニット2106は、追跡情報及び/又はあらゆる他の適切なデータ(例えば、センサ読取り値)を含む可能性があるショートメッセージを含むデバイスから戻り信号(すなわち「応答信号」)を受信してもよい。
【0257】
[0257]いくつかの実施形態では、短距離通信ユニット2102は、1つ又は複数の多出力多入力(MOMI)デバイスを含む。図22は、例示のMOMIデバイス2200を図示している。実施形態では、MOMIデバイス2200は、互いに比較的近接して間隔があけられ(例えば、<20cm)、互いにある角度(例えば、60度~120度の間)でセットされた2つ以上のアンテナ2204をそれぞれ含む1つ又は複数のMOMI送受信機2202を含む。MOMIデバイス2200は、アナログ信号及びデジタル信号を制御する、変調する、変換する、及び/又はフィルタリングする、信号処理回路2206(例えば、R/Fアナログフロントエンド2212、ADC及びDAC変換器2210、FPGA2208など)をさらに含んでもよい(図22に示すとおり)。実施形態では、MOMIデバイス2200は、あらゆる近接する追跡デバイスにエネルギー供給するMOMI送受信機2202からのRF信号を変調して、次いで、より弱い信号である可能性がある応答RF信号(又は応答信号)を提供してもよい。応答信号は、エネルギー供給された追跡デバイスの追跡情報(例えば、追跡デバイスID)を含むメッセージを含んでもよい。MOMIデバイス2200は、応答RF信号を処理デバイス2102にルーティングし、処理デバイス2102は、異なる追跡デバイスから受信したメッセージを識別するよう応答RF信号にエンコードされた追跡情報を使用してもよい。
【0258】
[0258]実施形態では、MOMIデバイス2200は、エネルギー供給された追跡デバイス(例えば、受動的追跡デバイス108、112)から受信した応答信号を使用してMOMIデバイス2200に対するエネルギー供給された追跡デバイスのレンジ及びベアリングを決定することができ、以下でこれらをより詳細に説明する。レンジは、MOMIデバイス2200とエネルギー供給された追跡デバイスとの間の距離を示す値であってもよい。ベアリングは、エネルギー供給された追跡デバイス及びMOMIデバイス2200の向きを示す値であってもよい(例えば、基準ベクトルとMOMIデバイス2200からエネルギー供給された追跡デバイスに向く方向ベクトルとの間の角)。MOMIデバイス2200は、決定されたレンジ及びベアリング値を処理デバイス2102に出力してもよい。
【0259】
[0259]次に、本開示のいくつかの実施形態によるMOMIデバイス2200を動作させる例示の方法を、より詳細に説明する。実施形態では、コントローラは、変調器信号処理ブロックにコマンドを送り、変調器信号処理ブロックでは、コマンドがエネルギー供給送信を開始する。変調器ブロックは、デジタル化されたベースバンド信号を作成してデジタルアナログ変換器に送る。デジタル化された信号は、アナログ信号に変換され、フィルタリングされ、ベースバンドから無線送信に使用されるRF周波数にアップコンバートされる。実施形態では、RF信号は、電力増幅器で(例えば、33dBm又は2ワットに)増幅されてもよい。増幅された信号は、2つ以上の等しい電力信号に分割され、2つ以上の個々のカプラに送られてもよい。それぞれのカプラは、送信信号を送信機経路からMOMI送受信機2202の個々のアンテナ2204にルーティングし、さらに受信信号(「応答信号」とも称される)を個々のアンテナ2204から受信機経路にルーティングする。いくつかの実施形態では、それぞれのカプラは、個々のアンテナ2204に接続するスイッチに接続される。実施形態では、分割された信号のそれぞれは等しい利得アンテナのペアから送信され、利得アンテナは共に配置されるが、わずかに異なる方向を、例えば60度~120度離れて指している。実施形態では、MOMIデバイス2200は、複数のMOMI送受信機2202を有して、スイッチを使用して複数の非同時的な読取りゾーンを作ってもよい。
【0260】
[0260]MOMI送受信機2202からのRF信号に応答して、MOMI送受信機2202の読取りゾーンにある追跡デバイスは、MOMIデバイス2200からのRFコマンドに応答して、例えば、追跡デバイスの識別情報番号(例えば、追跡デバイスID)をサブキャリア、例えば主キャリアから160KHzでバックスキャッタする。ほとんどの場合、エネルギー供給された追跡デバイスの応答レベルは、1つのアンテナ2204のボアサイトに近く、そのアンテナでとても強くなる。エネルギー供給された追跡デバイスが、2つのアンテナのボアサイト間の中間にある場合、応答レベルは事実上等しくなる。したがって、MOMIデバイス2200は、それぞれのアンテナ2204から測定された応答レベルに基づいて、2つのアンテナ2204のボアサイトの間でタグがなす角度を推定することができる。信号レベルのばらつきは、アンテナ利得と角度との関数となる。実施形態では、角度推定は、カメラ入力を使用して予め又はリアルタイムのどちらかで、所与のアンテナペアに対して校正することができる。
【0261】
[0261]エネルギー供給された追跡デバイスによって送信された応答バックスキャッタ信号は、MOMI送受信機2202のそれぞれのアンテナ2204によって受信され、個々のスイッチ及びカプラを通じてルーティングし戻される。MOMI送受信機2202のそれぞれのアンテナ2204からの受信信号は、低ノイズ増幅器によって増幅されて複素同相(I)及び直交(Q)レールにダウンコンバートされてもよい。I及びQのアナログ信号は、ローパスフィルタリングして、アナログデジタル変換器によってデジタルサンプルに変換されてもよい。実施形態では、それぞれのI及びQの信号ペアは、復調信号処理ブロックで別個に処理される。実施形態では、1つの復調器からの処理された出力は、他の復調器での処理を改善するために使用されてもよい。それぞれの復調器は、追跡情報を抽出するのに十分なノイズ対信号比がある場合、応答信号から追跡情報を抽出する。それぞれの復調器はまた、送信信号搬送位相に対する戻り信号の受信信号強度情報(RSSI)及び到着の位相差(PDOA)も抽出する。それぞれの復調器ブロックからのRSSI及びPDOAは、ベアリング及びレンジ推定値を計算するために使用される。すべての送信の前に、MOMIデバイス2200は、受信機に戻る、例えば30dBmの強い送信信号の漏れを最小化するために搬送抑圧手順を実施して、受信機感度を低レベルの例えば-80dBmタグ応答信号に改善してもよい。実施形態では、MOMIデバイス2200は、リンクバジェット方程式を実装してもよい。
【0262】
[0262]前述は、MOMIデバイス2200の例示の実装形態であり、MOMIデバイス2200の他の実装形態が本開示の範囲内で企図される。
【0263】
[0263]図21に戻ると、実施形態では、処理デバイス2102は、実行可能命令を実行する1つ又は複数のプロセッサを含んでもよい。実施形態では、処理デバイスは、ニューラル処理エンジンを有するマルチコアのモバイルプロセッサである。実施形態では、処理デバイス2102は、追跡システム2130、監視システム2132、機械ビジョンモジュール2134、機械学習モジュール2136、及びレポーティングモジュール2138を、実行してもよい、及び/又は含んでもよい。これらのモジュールは、実行可能命令、回路、及び/又はハードウェアコンポーネントとして実装されてもよい。処理デバイスは、追加的又は代替的なモジュールを、本開示の範囲を逸脱することなく、実行してもよい、又は含んでもよい。
【0264】
[0264]実施形態では、追跡モジュール2130は、アグリゲータデバイス104の近くにある物品を追跡する。実施形態では、追跡モジュール2130は、受動的な追跡デバイス108、112にエネルギー供給することができる出力信号のブロードキャストを開始してもよいか、又はそうでなければ、アグリゲータデバイス104近傍の他の追跡デバイス102、106によってレポーティングをトリガしてもよい。いくつかの実施形態では、エネルギー供給信号は、追跡データ(及びあらゆる他の適切なデータ)をレポートするためのコマンドを含んでもよい。追跡モジュール2130は、出力信号を受信した個々の追跡デバイス102、106、108、及び/又は112から送信されるショートメッセージに基づいて物品を追跡してもよい。追跡デバイスからショートメッセージを受信したことに応答して、追跡モジュール2130は、送信デバイスの追跡情報(例えば、追跡デバイスID)、及びショートメッセージ内に与えられるあらゆる他の関連データ(例えば、温度データ、周囲光データ、湿度データ、タイムスタンプなど)を読取る。いくつかの実施形態では、追跡モジュール2130は、個々の追跡デバイスから受信したショートメッセージを復号化してもよい。例えば、上述の方法に従う追跡モジュール2130。追跡モジュール2130によってショートメッセージの複数のインスタンスが受信される場合、追跡モジュール2130は、ショートメッセージを重複排除してもよい。
【0265】
[0265]実施形態では、追跡モジュール2130は、機械ビジョンモジュール2134から追跡情報を受信してもよい。これらの実施形態では、機械ビジョンモジュール2134は、アグリゲータデバイスのカメラ又はアグリゲータデバイス104に動画をストリーミングするカメラによってキャプチャされた視覚的目印を読取ってもよい。これらの実施形態の一部では、視覚的目印及び追跡デバイスが同じ物品を追跡できるように、視覚的目印の値は、追跡デバイスに割り振られる追跡デバイスIDと同じ値であってもよい。これらの実施形態では、追跡モジュール2130は、1つの物品を二重にレポートしないように、2つの別個の追跡イベント(すなわち、追跡デバイスからの1つと、視覚的目印からの1つ)を重複排除してもよい。
【0266】
[0266]実施形態では、追跡モジュール2130は、一意な追跡イベントごとに、追跡イベントを記録する追跡イベント記録を生成してもよい。追跡イベントの例としては、追跡デバイスからのメッセージの受信、及び/又は機械ビジョンモジュール2134による視覚的目印からの追跡情報の読取りを挙げることができる。これらの実施形態では、追跡イベント記録は、追跡イベントに関連するデータを含むあらゆる適切なデータ構造であってもよい。個々の追跡イベント記録は、メッセージを提供した、又は視覚的目印から読取られた追跡デバイスのデバイス識別子、追跡デバイス(又は物品)に対応するジオロケーション、及びタイムスタンプを含んでもよいが、それに限定されない。ジオロケーションは、追跡デバイス(例えば、追跡デバイス102又は106)によってレポートされてもよく、又はレポーティング中の追跡デバイスがGPS若しくは他の位置ベースの機能性を有していないとき、追跡モジュール2130によってアグリゲータデバイスのGPSデバイス2108から取得されてもよい。いくつかの実施形態では、ジオロケーションは、GPSデバイス2108からのGPS読取り値に基づいて決定され、MOMIデバイス2200によって決定されたレンジ及びベアリング値に基づいて微調整されてもよい。これらの実施形態では、個々の物品のジオロケーションは、単にアグリゲータデバイス104のジオロケーションを使用するよりも良好に推定することができる。タイムスタンプは、追跡デバイスによってレポートされてもよく、又はクロック2116から取得されてもよい。実施形態では、追跡モジュール2130は、メッセージ中で取得したセンサ測定値及び/又は環境センサ2112からの読取り値など、他のデータを、追跡イベント記録に含んでもよい。追跡モジュール2130は、追跡イベント記録をレポーティングモジュール2138に出力してもよく、及び/又は追跡イベント記録を記憶デバイス2114に書き込んでもよい。追加的に又は代替的に、追跡モジュール2130は、追跡ログ、温度ログ、光ログ、周囲気圧ログなどのデータログを維持してもよい。追跡モジュール2130は、これらのデータログを記憶デバイス2114に書き込んでもよく、記憶デバイスではデータログがレポーティングモジュール2138によってバックエンドサーバ120(又は別の適切なデバイス)にレポートされる。
【0267】
[0267]実施形態では、監視システム2132は、1つ又は複数の条件を監視して、インシデントの存在を判定する。インシデントは、(例えば、エキスパートにより、及び/又はインシデントに関する訓練データセットと非インシデントに関する訓練データセットとを含む訓練データセットからの学習により)注目に値すると考えられるあらゆる条件であってもよい。いくつかの実施形態では、監視システム2132は、規則ベースのロジックを適用して、環境的なインシデントをトリガする1つ又は複数の条件が満たされたかどうかを判定してもよい。実施形態では、監視システム2132は、アグリゲータデバイス104の環境を監視して、あらゆる環境的なインシデントがあるかどうかを判定してもよい(例えば、温度が高すぎないか、又は低すぎないか、湿度が高すぎないかなど)。これらの実施形態では、監視システム2132は、機械学習モジュール2136を活用して、環境的なインシデントがトリガされたこと(分類)、又はトリガされやすさ(予測)を示し得るセンサデータにおける傾向など、環境に関連する分類又は予測を取得してもよい。これらの実施形態では、監視システム2132は、センサデータを機械学習モジュール2136に提供してもよく、機械学習モジュール2136は、環境的なインシデントを分類するように訓練された1つ若しくは複数の分類モデル、及び/又は環境的なインシデントの起こりやすさをセンサデータに基づいて予測するように訓練された1つ若しくは複数の予測モデルを活用する。イベントでは、監視システム2132は、環境的なインシデントがあるかどうか、又はインシデントの見込みを判定し、監視システム2132はインシデント記録を生成してもよい。これらの実施形態では、インシデントレポートは、決定、分類、又は予測されたインシデントのタイプ(例えば、環境的なインシデントのタイプ)、インシデントを決定、分類、又は予測するために読取られたデータ、及びタイムスタンプを含んでもよい。
【0268】
[0268]実施形態では、監視システム2132は、1つ又は複数の物品を監視して、視覚的目印を有するラベル又は追跡デバイスが欠落、損傷していないか、又は読取り不能若しくはレポーティング不能になっていないかどうかを判定してもよい。これらの実施形態では、監視システム2132は、機械ビジョンモジュール2134及び/又は追跡モジュール2130からの入力を受信して、視覚的目印又は追跡デバイスが欠落、損傷していないか、又は読取り不能若しくはレポーティング不能になっていないかどうかを判定してもよい。いくつかの実施形態では、監視システム2132は、追跡モジュール2130からの追跡データ及び機械ビジョンモジュール2134から視覚的目印から読取られた値を受信してもよい。監視システム2132が、値を受信するが、対応する追跡データを受信しない場合、監視システム2132は、値に関連付けられる物品が追跡デバイスを有していない、又は追跡デバイスが応答していないと判定してもよい。同様に、監視システム2132が、追跡モジュール2130から追跡データを受信しないが、機械ビジョンモジュール2134からの値を受信する場合、監視システム2132は、値に関連付けられる物品が追跡デバイスを有していない、又は追跡デバイスが応答していないと判定してもよい。いくつかの実施形態では、監視システム2132は、追跡可能物品(例えば、追跡デバイスを有するべき物品、又は追跡デバイスに付着された視覚的目印)がいつ機械ビジョンモジュール2134と通信しているカメラの視野にあるかを示すレポートを、機械ビジョンモジュール2134から受信してもよい。これらの実施形態の一部では、機械ビジョンモジュール2134は、アグリゲータデバイスから物品までの推定距離をさらに提供してもよい(例えば、深度データ及びカメラとアグリゲータデバイスとの間の校正を含む3D動画に基づいて)。監視システム2132が追跡情報を受信せず、推定距離がアグリゲータデバイス104の読取り範囲未満であるとき、監視システム2132は、物品に対応する追跡デバイスが欠落、損傷している、又はレポーティングをしていないと判定してもよい。さらには、機械ビジョンモジュール2134が、(例えば、画像分類器を使用して)検出された物品に付着された追跡デバイスを検出する場合、機械ビジョンモジュール2134は、追跡デバイスが損傷しているか、又は誤動作していると判定してもよい。追跡デバイスが欠落、損傷、誤動作している、又は読取り不能であると判定したことに応答して、監視システム2132は、レポーティングモジュール2138にレポートされる、及び/又は記憶デバイス2114に記憶されるインシデント記録を生成してもよい。
【0269】
[0269]実施形態では、監視システム2132は、機械ビジョンモジュール2134から損傷した物品のレポートを受信する。これらのシナリオでは、監視システム2132は、追跡モジュール2130から及び/又は機械ビジョンモジュール2134から追跡データを取得してもよい(すなわち、スキャン値)。監視システム2132は、損傷物品イベント及び損傷物品に関連付けられる追跡データ(例えば、追跡デバイスID)を示すインシデント記録を生成してもよい。実施形態では、監視システム2132は、損傷物品の画像など、追加的なデータをインシデント記録に含んでもよい。監視システム2132は、インシデント記録をレポーティングモジュール2138にレポートしてもよく、及び/又はインシデント記録を記憶デバイス2114に記憶してもよい。
【0270】
[0270]実施形態では、機械ビジョンモジュール2134は、アグリゲータデバイス104の1つ又は複数のカメラから、及び/又はカメラ信号をビジョンシステム116にストリーミングするビジョンシステム116の1つ又は複数の外部カメラから、カメラ信号を受信する。これらの実施形態では、カメラとしては、限定はしないが、高解像度ビデオカメラ、深度カメラ、IRカメラ、及び/又は3Dカメラを挙げることができ、カメラ信号としては、限定はしないが、動画信号、深度信号、IR信号、及び/又は3D動画信号(動画データと深度データが含まれ得る)などを挙げることができる。
【0271】
[0271]いくつかの実施形態では、機械ビジョンモジュール2134は、カメラ信号の1つ又は複数のフレームに基づいて、1つ又は複数の条件を検出するように訓練された、1つ又は複数の画像分類器を含んでもよい。画像分類器は、追跡可能物品(例えば、箱、特定の製品、袋、パレットなどを識別するように訓練される)、損傷している可能性がある物品、物品の外部表面上に付着された視覚的目印、及び/又は物品の外部表面上に付着された追跡デバイスを識別するように訓練されてもよい。例えば、画像分類器は、追跡されるべき物品を含む画像(及び、追跡されるべき物品を描写していない画像)、損傷したとラベル付けされている物品を描写する画像(及び、「損傷していない」とラベル付けされている物品を描写する画像)、追跡デバイス/視覚的目印が外表面に付着された物品を描写する画像(及び、追跡デバイス/視覚的目印が遮蔽されない外表面に付着されていない物品を描写する画像)に対して訓練されてもよい。画像分類器は、画像に対して特徴抽出を行なう、ラベル付けされた画像の特徴を用いて画像の特徴をクラスタリングする(例えば、k平均クラスタリング、KNNクラスタリングなど)、画像分類モデル(例えば、様々なタイプのニューラルネットワークのうちの1つ又は複数、回帰モデルなど)を活用するなど、あらゆる適切な技法を実装してもよい。
【0272】
[0272]いくつかの実施形態では、分類器が、追跡可能物品(例えば、追跡デバイスを有するべき物品、及び/又は視覚的目印が付着されているべき物品)を描写しているとして画像を分類するとき、機械ビジョンモジュール2134は、追跡デバイス又は視覚的目印が付着されているかどうかに関わらず、物品の検出を監視システム2132にレポートしてもよい。そのようなレポーティングは、追跡されるべき物品が、アグリゲータデバイス104の近傍にあるという通知として機能してもよい。
【0273】
[0273]いくつかの実施形態では、分類器が視覚的目印を描写しているとして画像を分類するとき、機械ビジョンモジュール2134は、視覚的目印をスキャンしてデコードして、視覚的目印にエンコードされた値を取得することができる。これらの実施形態の一部では、機械ビジョンモジュール2134は、スキャンされた視覚的目印をデコードするデコーダ(例えば、バーコードデコーダ又はQRコードデコーダ)と共に実装してもよく、又はそのようなデコーダと通信してもよい。機械ビジョンモジュール2134は、視覚的目印の検出のレポートを、監視システム2132に出力してもよく、及び/又は監視システム内でエンコードされた値を追跡モジュール2130にレポートしてもよい。
【0274】
[0274]いくつかの実施形態では、画像分類器が画像を、追跡デバイスが付着されている物品を描写しているとして分類するとき、機械ビジョンモジュール2134は、追跡デバイスの検出を監視システム2132にレポートしてもよい。この方法で、監視システム2132は、検出された追跡デバイスから追跡データを受信する必要があるため、追跡デバイスが適切に動作しているかを判定してもよい。
【0275】
[0275]いくつかの実施形態では、画像分類器が画像を、損傷した物品を描写しているとして分類するとき、機械ビジョンモジュール2134は、損傷した物品の検出を監視システム2132にレポートしてもよい。これらの実施形態の一部では、画像分類器は、物品の画像及び画像内に描写された物品が損傷したか又は損傷していないかを示すラベルを含むラベル付けされた訓練データのセットで訓練されてもよい。訓練の間、これらの個々の画像の特徴は、抽出されて、個々の画像に帰属するラベル(損傷している、又は損傷していない)と組み合わされてもよい。これらの実施形態の一部では、画像分類器が検出される損傷のタイプを分類することができるように、ラベルは損傷のタイプ(例えば、封止が破損している、パッケージがやぶれている、パッケージが開封されている、など)を示してもよい。実施形態では、レポートは、損傷したもの、これらの実施形態の一部では、損傷のタイプに関連付けられる追跡デバイスに対応する追跡情報を示す場合がある。
【0276】
[0276]いくつかの実施形態では、機械ビジョンモジュール2134は、受信したカメラ信号に対して動画処理/分析を実施してもよい。これらの実施形態の一部では、機械ビジョンモジュール2134は、検出された物品とアグリゲータデバイス104との間の距離を決定するように構成されてもよい。これらの実施形態の一部では、ビジョンモジュール2134は、動画及び深度データを含む3D動画ストリームを受信するように構成されてもよい。これらの実施形態では、3D動画を分析して、カメラと検出物品との間の推定距離を決定することができる。機械ビジョンモジュール2134は、この値を使用して、ビデオカメラとアグリゲータデバイス104との間の校正に基づいて物品とアグリゲータデバイス104との間の距離を決定することができる。いくつかの実施形態では、動画を分析して、例えば動画のフレーム中の検出される物品の位置及び動画をキャプチャしたカメラの固有の校正に基づいて検出される物品のサイズを決定することができる。
【0277】
[0277]いくつかの実施形態では、機械ビジョンモジュール2134は、レンジ及びベアリング値のそれぞれのセットがレンジ及びベアリング値が関連する追跡デバイスの追跡情報に関連付けられるように、短距離通信ユニット2106(例えば、図22のMOMIデバイス)によって決定されたレンジ及びベアリング値を受信してもよい。レンジ及びベアリング値は、アグリゲータデバイス104からの追跡デバイスの距離(したがって、追跡される物品の距離)を示すことができ、レンジはアグリゲータデバイス104に対する配向を示すことができる(例えば、アグリゲータデバイス104に対応する基準線に対する角度)。いくつかの実施形態では、機械ビジョンモジュール2134(又は監視システム2132又は追跡モジュール2130)は、追跡情報が2つ以上の物品について受信され、2つ以上の物品が1つの動画フレーム内に観察される場合、レンジ及びベアリング値と共に画像分類を使用して2つ以上の物品の曖昧さを除去してもよい。これらの実施形態では、アグリゲータデバイス104は、それぞれのカメラで校正されてもよく、それぞれのカメラは機械ビジョンモジュール2134にカメラの視野に対するアグリゲータデバイス104の配向を与えることができる。したがって、アグリゲータデバイス104は、特定の追跡デバイスに関連するレンジ及びベアリング並びに2つ以上の物品を描写する動画フレームに基づいて、どの物品が特定の追跡デバイスに対応するかを決定することができる。これらの実施形態では、追跡情報を送信している複数の物品の曖昧さを除去する能力は、アグリゲータデバイス104に改善された信頼性及び追跡データの相互検証を与える。例えば、特定の物品が損傷していると分類される場合、機械ビジョンモジュール2134は、選択される物品が複数ある場合、損傷した物品の追跡情報を識別することができる。
【0278】
[0278]実施形態では、機械学習モジュール2136は、アグリゲータデバイス104の代わりに機械学習及びアーティフィシャルタスクを実施する。いくつかの実施形態では、機械学習モジュール2136は、TensorFlowライブラリを実装してもよい。実施形態では、機械学習モジュール2136は、アグリゲータデバイス104によって使用されるモデルを訓練してもよい。追加的に、又は代替的に、機械学習モジュール2136は、訓練されたモデルを、エキスパート生成の訓練データセット及び/又は1つ又は複数のアグリゲータデバイス104から受信した訓練データセットに基づいてモデルを訓練するバックエンドサーバ120から取得することができる。これらの実施形態では、バックエンドサーバ120は、様々な人工知能ベースのタスクに使用することができるモデルのライブラリを維持することができる。実施形態では、機械学習されたモデルは、ニューラルネットワーク(例えば、再帰ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、深層ニューラルネットワーク)、回帰ベースモデル、隠れマルコフモデル、ベイズモデル、決定木などを含む場合がある。実施形態では、これらの機械学習されたモデルは、アグリゲータデバイス104を構成するために使用され得るデプロイメント構成のモデルを含んでもよい。モデルは、追加的に又は代替的に、画像分類モデル、環境予測モデル、環境分類モデルなどを含んでもよい。
【0279】
[0279]実施形態では、機械学習モジュール2136は、追跡情報及びレンジ及びベアリング値などの追跡デバイスからの入力、並びに/又はカメラからの入力(例えば、3Dカメラ)を使用して、アグリゲータを設定するために使用されるモデルを訓練及び/又は活用して、追跡される物品を正確に読取り曖昧さを除去することができる。実施形態では、機械学習モジュール2136は、アグリゲータデバイス104を自動設定するために、GPS、セルラデータ、及び/又はWIFIデータをさらに使用してもよい。
【0280】
[0280]いくつかの実施形態では、機械学習モジュール2136は、アグリゲータデバイス104の環境における変化及び/又はアグリゲータデバイス104のセンサにおける変化を、分類又は予測するように訓練された分類モデル又は予測モデルを活用してもよい。これらの実施形態では、機械学習モジュール2136は、環境センサ2112からの、及び/又は追跡デバイスからのセンサデータを取得してもよく、センサデータを、アグリゲータデバイス104の環境又はセンサ2112における変化を決定するために分類モデル及び/又は予測モデルに入力してもよい。さらには、実施形態では、機械学習モジュール2136は、これらの予測又は分類に関連付けられる結果(例えば、ユーザ提供の結果)を使用して、モデルを補強/再訓練してもよい。
【0281】
[0281]実施形態では、機械学習モジュール2136は、モデル及び/又は規則のセットを活用してエラーハンドリングの正確性を改善することができる。例外は、以前に正常であるとして分類された条件である。例外の例としては、追跡データ及び/若しくは視覚的目印の誤読取り、識別情報の曖昧性(例えば、2つのパッケージが互いに接している)、並びに/又はパッケージが単にわずかに損傷していることが挙げられる。実施形態では、機械学習モジュール2136は、規則ベースの例外ハンドラにフィードする分類アルゴリズムを実行してもよい。これらの規則は、開発者によってハードコーディングされてもよく、及び/又は分析に基づいて学習されてもよい。例えば、機械学習モジュール2136は、機械学習モジュール2136(又はバックエンドシステム120)が人間アクティビティに基づいて例外を扱うための規則を学習できるように、1人又は複数の人間が、ある例外をどのように扱うかを記録することができる。
【0282】
[0282]実施形態では、機械学習モジュール2136は、アグリゲータデバイスのRF環境における変化を検出して、変化を既知の変化のナレッジベースと比較するように構成されてもよい。これらの実施形態では、機械学習モジュール2136は、アグリゲータデバイスの環境内の周波数及び信号強度をサンプリングしてもよく、サンプリングされた周波数を分析して、RF環境における変化があるかどうか(例えば、信号ノイズ内で常に検出された信号が、もはや検出されない)を判定してもよい。これらの実施形態の一部では、機械学習モジュール2136は、これらの変化を信号サンプル及び信号サンプル傾向のナレッジベースと比較して、変化の原因を診断することができる。
【0283】
[0283]機械学習モジュール2136を使用して、追跡される環境に関連して追加的又は代替的な機械学習タスクを実施してもよい。ある追跡特徴(例えば、小売セグメントにおける消費者の関わり合いを監視すること)は他(例えば、出荷用施設においてパッケージを監視すること)とは異なるタイプのモデル及びアルゴリズムを必要とするため、これらのタスクはドメイン特有であってもよい。
【0284】
[0284]いくつかの実施形態では、機械学習モジュール2136は、バックエンドサーバと共に動作して、バックエンドサーバ120との通信を最適化する。これらの実施形態では、機械学習モジュール2136は、予測モデルを使用して、個々の又は一括での追跡記録及び/又はデータログを送信する最適な時刻を予測することができ、それによって予測モデルが、バックエンドサーバがいつ前記データを消費するかを決定するよう訓練される。
【0285】
[0285]実施形態では、レポーティングモジュール2138は、データを外部デバイス(例えば、バックエンドサーバ120及び/又は事業実体のコンピューティングインフラストラクチャ)にレポートする。実施形態では、レポーティングモジュール2138は、追跡モジュール2130から追跡イベント記録を受信してもよく、長距離通信ユニット2104を介して追跡イベント記録を外部デバイスに転送してもよい。実施形態では、レポーティングモジュール2138は、追跡記録を一括でレポートしてもよい。これらの実施形態の一部では、レポーティングモジュール2138は、レポーティングモジュール2138がキャッシュ内の追跡イベント記録を外部デバイスに定期的に一括レポートできるように、追跡イベント記録を記憶するキャッシュを維持してもよい。いくつかの実施形態では、追跡イベント記録は、レポーティングモジュール2138が一括の追跡イベント記録を定期的に検索して、一括の追跡イベント記録を外部デバイスにレポートするように、記憶デバイス2112に記憶される。レポーティングモジュール2138は、一括の追跡イベント記録を、外部デバイスのリクエストがあったとき(例えば、未レポートの追跡イベント記録をレポートするリクエストを受信したことに応答して)、所定の時刻に(例えば、10分ごと)、又はトリガ条件に応答して(例えば、キャッシュがいっぱいである)レポートしてもよい。
【0286】
[0286]実施形態では、レポーティングモジュール2138は、同じように他のデータをレポートしてもよい。例えば、レポーティングモジュール2138は、データログを外部デバイス(例えば、バックエンドサーバ120又は事業実体のコンピューティングインフラストラクチャ)にレポートしてもよい。他の実施形態では、レポーティングモジュール2138は、インシデント記録をレポートしてもよい。これらの実施形態では、レポーティングモジュール2138は、監視システム2132からインシデント記録を受信してもよく、インシデント記録を外部デバイスに送信してもよく、及び/又は特定の人物又は人々のセットに通知としてレポートされてもよい。
【0287】
[0287]実施形態では、レポーティングモジュール2138は、データをアグリゲータデバイスと通信しているロボットシステムにレポートしてもよい。例えば、自動化された出荷用施設では、レポーティングモジュール2138は、環境センサ2112から及び/又はレポーティング追跡デバイスからセンサ測定値を受信してもよく、環境センサデータを、センサデータに基づいて次に適当なアクションを取る(例えば、それに応じてラインをシャットダウンする、又は有害な条件を示すセンサデータに応答して環境条件を調整する)ことができるロボットシステムに送信してもよい。これらの実施形態では、レポーティングモジュール2138は、追加的又は代替的なデータをロボットシステムにレポートしてもよい。例えば、レポーティングモジュール2138は、インシデント記録、データログ、及び/又は追跡イベント記録をロボットシステムにレポートしてもよい。
【0288】
[0288]アグリゲータデバイス104は、本明細書において議論されない追加的又は代替的なコンポーネントを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、アグリゲータデバイス104は、ディスプレイデバイス(例えば、スマートモニタ、スマートテレビジョン、ウェアラブルデバイス、又はモバイルデバイス)の存在を検出して、ローカルのディスプレイデバイスに接続するように構成されてもよい。これらの実施形態では、アグリゲータデバイス104は、ロードバランシングしてワークオーダーをローカルのディスプレイデバイスに割り振るように構成されてもよい。
【0289】
[0289]図1に戻ると、アグリゲータデバイス104は、様々なタイプのセッティングに配置することができる。これらのセッティングとしては、製造施設、出荷用車両、出荷用施設、倉庫、配送用車両、及び小売セッティングが挙げられる。セッティングに応じて、アグリゲータデバイス104は様々な機能を実施することができる。例えば、出荷用施設のセッティングでは、アグリゲータデバイスは、パッケージをルーティングするコンベヤベルトを監視する1つ又は複数のカメラからの動画をインジェストしてもよい(例えば、3D動画)。アグリゲータデバイス104は、追跡デバイス及び/又はパッケージの視覚的目印を読取ることができ、パッケージのレンジ及びベアリングを決定することができる。アグリゲータデバイス104は、この情報を使用してパッケージをルーティングすること、パッケージを追跡すること、及び/又は損傷したパッケージ若しくは追跡デバイスを識別することができる。
【0290】
[0290]実施形態では、アグリゲータデバイス104は、小売セッティングに配置されてもよく、以てアグリゲータデバイス104は小売セッティングにおける物品の位置を追跡することができる。これらの実施形態では、消費者が店内でショッピングをする際、消費者は彼らの個々の位置をレポートするユーザデバイスを持ち運んでいる可能性があり、及び/又はアグリゲータデバイス104によって追跡可能である(例えば、ユーザデバイスのオペレーティングシステム中のモジュールによって)。この方法で、アグリゲータデバイス104又はバックエンドサーバシステム120は、どの物品が最も見られているか、店内のどのエリアが最も多くのトラフィックを受信するかなどを判定することが可能である。
【0291】
[0291]実施形態では、追跡システム100は、通信ネットワーク190(例えば、インターネット及び/又はセルラネットワーク)を介してバックエンドサーバシステム120と通信することができる。追跡システム100は、追跡システム100の1つ又は複数のデバイスのジオロケーション及び/又はおおよその位置を示す位置データをバックエンドサーバシステム120に通信してもよい。例えば、追跡システム100は、デバイスによって受信されるGPS信号又は受信される電磁信号(例えば、WIFI信号及び/又はセルラ信号)の信号強度に基づく三角法計算に基づいて、マルチモード追跡デバイス102又は追跡デバイスペア106によって取得される位置データを、バックエンドサーバシステム120に通信してもよい。別の例では、追跡システム100は、受動的追跡デバイス108から収集したビーコンをバックエンドサーバシステム120に通信してもよい。この例では、バックエンドサーバシステム120又は別の追跡デバイス(例えば、アグリゲータデバイス104又はマルチモード追跡デバイス102)は、追跡デバイスからのビーコンの受信(例えば、受動的追跡デバイス108のデバイスID)及び追跡デバイスの既知の位置(例えば、GPS信号又は三角法手法により取得)に基づいて個々の受動的追跡デバイス108の位置を推定することができる。追跡システム100は、上述のように追加的なタイプのデータを通信してもよい。例えば、追跡システム100は、特定のデータ項目がいつサンプリングされたかに対応する通信タイムスタンプ、温度データ、周囲光データ、湿度データ、モーションデータなどを通信してもよいうちの1つ又は複数。
【0292】
[0292]バックエンドサーバシステム120は、位置データ温度データ、タイムスタンプ、周囲光データ、湿度データ、モーションデータ、及び/又は他の適切なタイプのデータを受信してもよく、それらに基づいてあらゆる種類の動作を実施してもよい。実施形態では、バックエンドサーバシステム120は、在庫追跡をサポートするように構成される。例えば、バックエンドサーバシステム120は、商品の出荷でどの在庫も現在不足していないことを検証することができる。追加的に又は代替的に、バックエンドサーバシステム120は、物品の移動、物品のチェックアウト、物品のチェックイン、又はある物品のグループ(例えば、貯蔵された医療用サプライ)からの物品に対して行なわれる他の類似のアクションを管理するように構成されてもよい。実施形態では、バックエンドサーバシステム120は、物品のグループを追跡する追跡システムから収集したデータに対応するログ及び/又はデータベースを維持するように構成される。例えば、バックエンドサーバシステム120は、位置データ、温度データ、周囲光データ、湿度データ、モーションデータ、及び/又は他の適切なタイプのデータの、インデックス又はログを維持してもよい。実施形態では、バックエンドサーバシステム120は、以下で説明するように、ユーザデバイス130及び/又はAR対応ユーザデバイス140で実行中のアプリケーションをサポートするように構成される。実施形態では、バックエンドサーバシステム120は、追跡システム100内の個々のデバイスを管理してもよい。例えば、バックエンドサーバシステム120は、エキサイタ110又はアグリゲータ104に、追跡システム100内の他のデバイスからデータをサンプリングするよう指示するように構成される。実施形態では、バックエンドサーバシステム120は、上で議論したように、追跡システム100内のデバイスを認証するように構成される。
【0293】
[0293]追跡システム100及びバックエンドサーバシステム120は、組み合わせて、複数の異なるアプリケーションをサポートしてもよい。組合せは、施設において在庫又は物品を追跡するため、商品(例えば、食品、医療用サプライ、及び電子的商品)の出荷を追跡するため、ユーザデバイス及び/又はAR対応ユーザデバイスなどをサポートするために構成されてもよい。追跡システム100とバックエンドサーバシステム120との組合せの様々な応用を、以下でより詳細に議論する。
【0294】
[0294]医療用サプライは高額であり、緊急時は在庫を維持することが困難な場合がある。ハイテク試験機器及びツール、宝飾品など、他の業界でも同じことが言える。一部の応用では、追跡システム100を使用して、医療用サプライ(例えば、医療用デバイス及び/又は医薬品)及び他の高価値物品の在庫を追跡することができる。例えば、いくつかの実施形態では、受動的追跡デバイス108(及び/又はマルチモード追跡デバイス102及び/又は追跡デバイスペア106)は、市販のユーザデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、スキャナなど)によって読取ることができるように構成される。追跡システム100を使用して、サプライ部屋の位置、チェックアウト、及び在庫プロセスをより効率的且つ確実にすることができる。
【0295】
[0295]実施形態では、受動的追跡デバイス108は、すべてのサプライ物品及び従業員のバッジに貼り付けられてもよい。ユーザデバイス120は、具体的な物品を探索するように構成されたアプリケーション(ネイティブ又はウェブアプリケーション)を実行してもよい。これらの実施形態では、アプリケーションは、ユーザデバイス120によって出力された送信電力を調整して、位置特定の探索エリアを減らしてもよい。例えば、アプリケーションは、ユーザデバイス120の範囲が5メートル未満になるように送信電力を調整してもよい。アプリケーション及び/又はバックエンドサーバシステム120は、具体的な受動的追跡デバイス108(及び/又はマルチモード追跡デバイス102、及び/又は追跡デバイスペア106)に対応するデバイスIDのリストを利用してもよく、この場合それぞれのデバイスIDは、特定の物品又は従業員と相互に関連付けられてもよい。この方法で、アプリケーションは、ユーザデバイス130近傍のデバイスのデバイスIDを読取って、近傍にある物品を識別することができる。アプリケーションにはまた、特定の物品の識別子が提供されてもよく、以てアプリケーションは、特定の物品がユーザデバイス130の近傍にあるかどうかを判定することができる。いったん特定の物品が近傍にあると確認されると、アプリケーション及び/又はゲートウェイデバイスは、物品をチェックアウトして従業員バッジIDを控えることができる。
【0296】
[0296]いくつかの実施形態では、アプリケーションは、ユーザデバイス130を制御してユーザデバイス130の送信機電力、及び/又は受動的追跡デバイスへの近接性に応じて問い合わせレートを変更することができる。
【0297】
[0297]いくつかの実施形態では、それぞれの受動的追跡デバイス108は、関連付けられる2つのIDを有してもよい:(i)未暗号化の型番号又はSKU ID、及び(ii)暗号化されたシリアル化デバイスID。未暗号化IDは、特定の物品を探索するために使用することができるが、暗号化IDは、物品在庫管理に使用されてもよい。
【0298】
[0298]いくつかの実施形態では、すべての従事者ユーザデバイス130は、ユーザデバイス130及び/又は物品が動いている間、アプリケーションが検出するあらゆる物品ビーコンの位置(又はおおよその位置)をレポートする、カスタムのアプリケーションで構成されてもよい。アプリケーションは、静止しているか又は動いているかに関わらず、すべての物品の位置データベースを維持することが可能なバックエンドサーバシステム120に、データを送ってもよい。
【0299】
[0299]いくつかの実施形態では、トラッカ(例えば、アグリゲータ104又はエキサイタ110を有するマルチモードデバイス102)は、それぞれの入口/出口ゲートウェイ又はホールに配置してもよい。トラッカは、トラッカが検出するそれぞれの受動的追跡デバイス108のデバイスIDをレポートするように構成される。トラッカは、特定の受動的追跡デバイス108(物品又は従業員に関連付けられる可能性がある)のデバイスIDを含むビーコンを受信すると、受動的追跡デバイス108を検出したということができることに留意されたい。トラッカは、デバイスID、デバイスが検出された時刻に対応するタイムスタンプ、及び/又は受動的追跡デバイス108を検出したときのトラッカの位置をレポートしてもよい。トラッカは、エリア(例えば、病院)内で移動しているすべての物品の位置データベースを維持することができるバックエンドサーバシステム120に、このデータを送ってもよい。
【0300】
[0300]いくつかの実施形態では、追跡システム100を使用して、ユーザの個人的な空間(例えば、自宅内)にある物品を追跡することができる。ほとんどの物にRFタグを設けることは非常に高額であるため、個人の空間にあるほとんどの物品は無線的には可視ではない。低コスト受動的追跡デバイス108は、タグ付けされる物品の数を増やして、それらがずっと普遍的になるようにすることができる。しかしながら、これらのタグを読取ることは、ユーザデバイス130がどのように動作するかに対して、何らかの変化を必要とする場合がある。また、新しいアプリケーション及びクラウドベースのサービスが必要になる可能性がある。
【0301】
[0301]いくつかの実施形態では、ユーザデバイス(例えば、スマートフォン又はタブレット)は、受動的追跡デバイス108から送信されたBLEビーコンをリッスンするよりも前に受動的追跡デバイス108に電力供給するように、RF電力を発するように構成されてもよい。ユーザデバイス130は、受動的追跡デバイス108を電力供給するために最適化することができる。
【0302】
[0302]いくつかの実施形態では、ユーザデバイス130は、ユーザデバイスの近傍にあるすべての受動的追跡デバイス108を識別(例えば、「スニッフィング」)して、識別された受動的追跡デバイス108のデバイスIDのリストをバックエンドサーバシステム120に送るように構成されたアプリケーションを実行することができる。ユーザデバイス130の位置、検出されたWiFiネットワークなどの他の情報は、タグ付けされた物品の配置を助けることが可能である。アプリケーション/バックエンドサーバシステム120は、具体的な受動的追跡デバイス108(及び/又はマルチモード追跡デバイス102、及び/又は追跡デバイスペア106)に対応するデバイスIDのリストを利用してもよく、この場合それぞれのデバイスIDは、特定の物品又は従業員と相互に関連付けられてもよい。この方法で、アプリケーションは、ユーザデバイス130近傍のデバイスのデバイスIDを読取って、ユーザデバイス130の近傍にある物品を識別することができる。近傍に多数の受動的追跡デバイス108があるときに、大量のデータが収集され得る場合、必要とされるデータ量を低減するためにエッジ処理が実施されてもよい。いくつかの実施形態では、機械学習を使用して、空間内でほぼ動かない物品を識別することが可能であり、それによって特定の位置の特定のスキャン中にこれらの物品が見つからない場合だけ、これらの物品がレポートされてもよい。
【0303】
[0303]いくつかの実施形態では、バックエンドサーバシステム130は、ユーザの物品の在庫を維持してもよく、ユーザのプロファイルを維持してもよい。これらの実施形態では、バックエンドサーバシステム130は、ターゲット化広告電子メール及びテキストメッセージを、発明者及び/又はプロファイルに基づいて、人物に送ってもよい。例えば、ユーザの自宅又はオフィスに保管される物品のタイプを学習すると、バックエンドサーバシステム130は、そのユーザに送る類似の製品の広告を決定することができる。
【0304】
[0304]いくつかの実施形態では、追跡システム100は、AR対応デバイス140と併せて動作するように構成されてもよい。実施形態では、受動的追跡デバイス108は、AR対応スマートグラス又は音声ピックオーディオヘッドセットを含む、Bluetooth能力を有するあらゆるBT対応及びUR対応ユーザデバイス140により読取ることができる。これにより、AR対応デバイス140から、製品の受動的追跡デバイス108の直接的な読取りが可能となり、これは次にプロセスに考慮することができる。補足的な送信機(例えば、エキサイタ110)は、読取りの範囲を拡大することができるが、これは、近傍にあるより多くの受動的追跡デバイス108にビーコンを送信させる可能性がある。このシナリオでは、AR対応デバイス140は、どの受動的追跡デバイス108が、極近傍にあるかを判定できない可能性がある。
【0305】
[0305]一部のシナリオでは、AR対応デバイス140は、受動的なタグに絶え間なくエネルギー供給するための十分な電力を送信しなくてもよい。しかしながら、WiFiアクセスポイント、Bluetooth基地局、又は他のRF送信機は、受動的追跡デバイス108にエネルギー供給するように構成されてもよく、一方でAR対応デバイスは受動的追跡デバイス108からのビーコンを受信することができる。いくつかの実施形態では、これらのAR対応デバイス140は、受動的追跡デバイス108の位置を三角法で求めるために到達角度検出を設定されたBluetooth受信機を含んでもよい。いくつかの実施形態では、それぞれのタグ付けされた物品(例えば、受動的追跡デバイス140が付着された物品)の位置は、AR対応デバイスクラウドデータマネージャ(例えば、バックエンドサーバシステムを介してAR対応デバイスに中継されてもよい。AR対応デバイス140は、タグ付けされた物品の位置をそれ自身の位置及び方向と比較してもよく、AR対応デバイスのスクリーンに目印を表示して物品がどこにあるかを示すことができ、物品がAR対応デバイス140の視野内にあると判定される。
【0306】
[0306]実施形態では、AR対応デバイスクラウドデータマネージャは、検出された受動的追跡デバイス108のデバイスIDを、関連付けられる物品の、形状、サイズ、色、マークなどの視覚的な識別子(これらはメモリに記憶してデバイスIDと関連付けることができる)と突き合わせすることができる。AR対応デバイス140は、AR対応デバイス140の表示内で、デバイスをハイライト又はアウトラインしてもよく、型番号、日付、有効期限、プロセス中の正しい/誤った物品など、あらゆるデータを整合することができる。
【0307】
[0307]実施形態では、AR対応デバイス140は、見られている物品を指すことができる赤外又は可視光レーザを含んでもよい。AR対応デバイス140は、クロスヘア、アウトライン、又は他の目印を表示して、レーザが指されている所のレーザが指している位置を示すことができる。議論したように、受動的追跡デバイス108は、受動的追跡デバイス108に入射する光レベルを検出することができるフォトディテクタを含んでもよい。追加的に又は代替的に、受動的追跡デバイス108は、レーザ光がある期間デバイス108を照らしたときに温度の上昇を検出することができる温度センサを含んでもよい。そのような構成では、BLEビーコンは、フォトディテクタ光強度状態/値及び/又は温度値用のフィールドを含んでもよい。レポートされるLux値は、レーザを指す前及び指している間にBLEビーコンを読取るときの様々な光条件について自己正規化することができる。光を変調して低電力変調検出器(例えば、短い時間フレーム(例えば、100msec)に対する最大最小値)を実装することは、照射されている具体的な物品をさらに識別することができる。赤外光は、埋め込まれた受動的追跡デバイス108でも識別することができるように、一部のパッケージ材料を貫通することができる。
【0308】
[0308]実施形態では、低電力加速度計(例えば、MEMS加速度計)が、受動的追跡デバイス108に埋め込まれてもよい。タグ付けされた物品がAR対応デバイス140によって検出されると、受動的追跡デバイス108は、ビーコンにおいてその動きをレポートすることができる。AR対応デバイスクラウドデータマネージャは、そのような検出を識別情報入力としてAR対応デバイス140に中継することができる。
【0309】
[0309]いくつかの実施形態では、AR対応デバイス140は、ユーザの視線を追跡するように構成されてもよい。ユーザの視線を追跡する際、AR対応デバイス140は、ユーザが見つめているより正確な位置を決定することができる。これらの実施形態では、AR対応デバイス140は、ユーザが検出された物品の方向を見つめているときだけ、検出された物品を表示するように構成されてもよい。
【0310】
[0310]いくつかの実装形態では、追跡システム100及び/又はバックエンドサーバシステム120は、受動的追跡デバイス108の代わりに温度ログを維持するように構成されてもよい。従来的な温度監視タグは、あまり頻繁には読取られないため、規則的な間隔でサンプリングしてデータをログに記憶するためのバッテリを必要とする。電源が利用可能ではない場合、純粋に受動的なデバイスは、サンプリング及び記憶することができない。したがって、実施形態では、受動的追跡デバイス108は、上流側のデバイス(例えば、アグリゲータデバイス、マルチモード追跡デバイス102、及び/又はバックエンドサーバシステム120)によって使用することができる温度データを取得する目的で、定期的にエネルギー供給され、追跡デバイス108の代わりに温度ログを維持してもよい。受動的追跡デバイス108がより頻繁に読取られる場合、受動的追跡デバイス108は、エネルギー供給されている間に温度サンプルを取り、その値を個々のビーコンに送り出すことができる。トラッカ(例えば、アグリゲータデバイス104及び/又はマルチモード追跡デバイス102)は、サンプリングされた値、タイムスタンプ、及び位置情報をバックエンドサーバシステム120に送ることができる。バックエンドサーバシステム120及び/又はトラッカは、この情報を利用して、個々の受動的追跡デバイス108ごとに、温度ログを維持してもよい。これは通常のサンプリングではないが、一部の受動的追跡デバイス108だけが、あらゆる所与の時間に読取られてもよく、クラウドデータ分析は、受動的追跡デバイス108からの読取りをグループ化して、受動的追跡デバイス108のグループ全体の温度及び位置履歴を再構築することができる。
【0311】
[0311]一般に、資材トラッカは、位置に対する接続性に依拠する。資材トラッカは、GNSS、WiFi、セルラ及びBluetooth接続性の組合せを使用して、位置情報を取得して送信することができる。これらのサービスは、常に利用可能ではなく、不必要に電力及びリソースを消費する場合がある。これらの問題を軽減するために、いくつかの実施形態では、追跡システム100は、慣性測定ユニット(IMU)ベースのアクティビティ検出及び追跡を実装してもよい。個人向けウェアラブルアクティビティトラッカが、装着者がいつスイミング、ウォーキング、又はランニングをしているかを判定するのと同じ方法で、追跡システム100におけるデバイスは、資材移動に関連するアクティビティを検出する。これらの実施形態では、追跡アルゴリズムは、例えば以下を行なうように設計されてもよい:資材が配送用トラック又はバンに積載される又はそれらから降ろされることを検出する;資材がパレットに積載されることを検出する;パレットが積み上げられることを検出する;資材を含むパレットが包装される又は仕上げられることを検出する;パレット中の追跡デバイスが倉庫内を動いていることを検出する;ある人物が資材を選んで持ち運ぶことを検出する;資材がある高さから落下したことを検出する、など。これらの実施形態の一部では、バックエンドサーバ120及び/又は追跡デバイスは、追跡デバイスからレポートされたモーションデータをサンプリングしてもよく、動きのタイプを分類するためにモーションデータを異なるモーションシグネチャと比較してもよい。システムは、1つ又は複数の機械学習済みモデル(例えば、ニューラルネットワーク)を実装して動きのタイプを分類してもよい。
【0312】
[0312]一部のシナリオでは、低電力バッテリ動作の消費者用又は産業用デバイスに一体化される無線は、データを通信するため又は位置を得るために定期的にオンされる必要がある。そのようなデバイスに一体化される無線は、常に接続性を有してはいないため、エネルギーを無駄にする場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、アクティビティ検出を実装する追跡システム100を使用して、アクティビティ検出の観点から、環境、ビルディング、及び保管施設の無線接続性を特徴付けることができる。追跡システム100がより多くのデータを収集するため、追跡システム100は、接続性を取得するより多くのチャンスを得るために特定の無線がいつオンになるかの予測を改善する。このナレッジを使用して、同一システム内の他の資材トラッカを訓練することができ、事前の訓練無しに即時の結果を取得する。例えば、追跡デバイス(例えば、マルチモード追跡デバイス102)を訓練して、最初にトラックに積載されるのがいつか、LTE接続ではなくWiFi接続を取得するために接続する多くのチャンスをいつ有するか、などを検出することができる。アクティビティ検出に基づいて、追跡デバイス(例えば、マルチモード追跡デバイス102)は、WiFi能力をオン又はオフにすることができる。別の例では、電車で運ばれる資材に関連付けられる追跡デバイスは、GNSS位置を取得する確率が低いと判定することができる。そのため、追跡デバイスは、資材がもはや電車上にないと判定されるまで、その無線をオンにすることがなくてもよい。
【0313】
[0313]いくつかの実施形態では、追跡システム100内の追跡デバイス(例えば、受動的追跡デバイス108又は追跡デバイスペア106)は、電力効率を最大化するために、アンテナ多様性管理を実装してもよい。これらの実施形態では、アンテナ多様性をサポートするBLEビーコンは、アドバタイジングパッケージに使用されているアンテナを送信してもよい。受信側デバイス(例えば、アグリゲータ104)からの受信機は、受信RSSI及び送信されたビーコンによって使用されるアンテナを含むアドバタイジング応答に答える。追跡デバイス(例えば、受動的追跡デバイス108又は追跡デバイスペア106)は、このデータを使用して、送信するのに最良のアンテナを選択し、以てデバイスは次のいくつかの(例えば、5つの)ビーコンの間、RSSIが著しく変わるまで、又はデバイスが応答を取得しなくなるまで、選択されたアンテナだけで送信する。
【0314】
[0314]いくつかのシナリオでは、サプライチェーン内で移動中の資材、又は保管中の資材を配置することが困難である。今日の追跡デバイスは、資材の位置の個々の「ナレッジ」に依拠する。あらゆる所与の時間に資材を追跡するために、単一の場所にデプロイされた多くのトラッカデバイスが存在してもよいが、今日これらの追跡デバイスは共有ナレッジに依拠していない。
【0315】
[0315]いくつかの実施形態では、追跡システム100は、個々の追跡デバイスの知識及び/又は追跡デバイスによって収集されたデータポイントを共有して、付近の資材の位置正確性を改善するように構成されてもよい。例えば、追跡デバイスは、圧力センサデータを多くの追跡デバイス間で共有してもよい。低コスト大気圧センサは、相対的な圧力測定を提供する。データの相対的な性質により、追跡システムは、例えば倉庫内に収納されるパレットの高さを決定することができない。付近の多くの他の資材追跡デバイスのデータを共有することにより、バックエンドサーバシステム120は、ある空間の仮想マップを作成することができる。実施形態では、センサデータの他のソースをマージすることによりマップを強化してもよい。例えば、資材は、2つのレベルで倉庫を動いており、我々は2フロアを推測することができる。さらには、静止している資材はこれらの2レベル間で異なる圧力読取りを有する。この例では、バックエンドサーバシステム120は、レベルを上回るパレット高さ又は保管棚高さを統計的に推測することができる。そのような推定は、より多くのデータが収集されるほど、より正確に計算することができる。仮想マップを作成するための次元は、配向、加速度、ベアリング、温度、圧力、湿度、周囲光、無線ベースのジオロケーション、レーザ干渉計などによって与えられる可能性がある。
【0316】
[0316]出荷用環境又は保管環境などの制御された環境内だけではなく、多くの異なる環境でデバイスを追跡できることが望ましい。しかしながら、生じる問題として、多くの異なる環境に渡って追跡インフラストラクチャを実装することは高額な手法であり、電力の懸念により、常に実現可能ではないことが挙げられる。したがって、いくつかの実施形態では、ユーザデバイス160は、追跡される物品に関連付けられる追跡デバイス(例えば、受動的追跡デバイス及び/又は電力供給される追跡デバイス)を発見するように構成されてもよく、そのような発見をバックエンド追跡システム120にレポートしてもよい。
【0317】
[0317]いくつかの実施形態では、追跡デバイスは追跡デバイスからショートメッセージを受信するときに、(電力供給される、又は受動的な)追跡デバイスを発見する場合がある。実施形態では、追跡デバイスは、追跡デバイスのデバイス識別子及びあらゆる他の適切なデータを含むショートメッセージを発することによって定期的に自身の存在を周知するように構成された電力供給される追跡デバイスを含む。いくつかの実施形態では、追跡デバイスは受動的追跡デバイスを含んでいた。これらの実施形態では、受動的追跡デバイスは、別のデバイスによってエネルギー供給されてもよく(例えば、他のデバイスから発せられたRF信号によって)、エネルギー供給されたことに応答して、追跡デバイスのデバイス識別子及びあらゆる他の適切なデータを含むショートメッセージを発してもよい。これらの実施形態では、ユーザデバイス160は、自身に近接する受動的なデバイスにエネルギー供給する信号を定期的に発するように構成されてもよい。ユーザデバイス160のユーザが、追跡される物品を持ってある環境内で動く(例えば、歩く、走る、バイク走行するなど)、又は追跡される物品がユーザデバイス160の環境内に移動してくると、ユーザデバイス160は、ショートメッセージを発する受動的追跡デバイスにエネルギー供給することができる。いずれのシナリオにおいても、追跡デバイスは、追跡デバイスのデバイス識別子及びあらゆる他の適切なデータなどのビーコンデータを含むショートメッセージを送信することができる。追跡デバイスからショートメッセージを受信したことに応答して、ユーザデバイス160は、発見された追跡デバイスからのあらゆるビーコンデータをバックエンド追跡システム120にプッシュすることができる。例えば、ユーザデバイス160は、ショートメッセージに含まれる追跡デバイスのデバイス識別子及びあらゆる他の適切なデータを、バックエンド追跡システム120に送信してもよい。実施形態では、ユーザデバイス160は、ビーコンデータを用いて、そのジオロケーション(例えば、ユーザデバイス160のGPSシステムから取得したジオロケーション)をバックエンド追跡システム120に通信することもできる。
【0318】
[0318]実施形態では、バックエンド追跡システム120は、すべてのBLEビーコンタグ付け物品について位置プロファイルを維持してもよい。実施形態では、位置プロファイルは、追跡されている物品に対応する場合がある。位置プロファイルは、追跡される物品に関連付けられる1つ又は複数の追跡デバイスのセット(例えば、追跡される物品に関連付けられるあらゆる物品のデバイス識別子)、個々のユーザデバイス160が追跡される物品に関連付けられる追跡デバイスを発見したときには個々のユーザデバイス160のジオロケーション、及び個々のジオロケーションごとに、レポートしているユーザデバイス160が追跡される物品に関連付けられる追跡デバイスの発見をいつレポートしたかを示すタイムスタンプ、を示すことができる。位置プロファイルは、同様に追加的なメタデータを含んでもよく、発見をレポートしたユーザデバイス160のデバイスタイプ及び/又はデバイス識別子、ユーザデバイス160にショートメッセージを送信した追跡デバイスのデバイス識別子などが含まれる。実施形態では、バックエンド追跡システム120は、追跡デバイスのデバイス識別子及びユーザデバイス160のジオロケーションをユーザデバイス160から受信したことに応答して、追跡される物品の位置プロファイルを更新することができる。これらの実施形態の一部では、バックエンド追跡システムは、データを追跡される物品の位置プロファイルにアグリゲートして、追跡される物品に対するあらゆる数の適切な知見を決定することができる。例えば、バックエンド追跡システムは、最も最近分かった、追跡される物品の位置、追跡される物品のルート、追跡される物品の動きに関するパターンなどを決定することができる。上述の技法は、消費者用物品及び/又は工業用物品に適用することができる。
【0319】
[0319]場合によっては、追跡される物品は、通常はユーザデバイス160でポピュレートされないエリア、又は電力問題が懸念されないエリアにあってもよい。例えば、追跡される物品は、工業環境、製造業環境、出荷用環境、及び/又はサプライチェーン環境などの環境にあってもよい。したがって、いくつかの実施形態では、固定装着型又はモバイル型の追跡デバイスなどの特殊化された位置コレクタノードデバイス(すなわち「コレクタノードデバイス」)が、より精密且つタイムリーな位置情報が所望されるエリアに設置されてもよい。コレクタノードデバイスは、コレクタノードデバイスが追跡デバイスのデバイス識別子を示すビーコンデータを含む追跡デバイスから発せられたショートメッセージを受信してもよいという点において、上述のユーザデバイス160と同じやり方で動作してもよい。ショートメッセージを受信したことに応答して、コレクタノードデバイスは、追跡デバイスのデバイス識別子及びコレクタノードデバイスのジオロケーション位置をバックエンド追跡システム120にレポートすることができる。バックエンド追跡システム120は、追跡デバイスのデバイス識別子及びコレクタノードデバイスのジオロケーションを受信することができ、追跡される物品の位置プロファイルを上述のやり方で更新してもよい。
【0320】
[0320]さらには、実施形態では、複数のコレクタノードデバイスが、同一の環境に配置されてもよく、追跡される物品の位置推定の正確さを改善するために、重複する通信範囲を有してもよい。例えば、2つのコレクタノードデバイスが部屋の両側に配置されてもよく、以て部屋の中央にある追跡デバイスは両方のコレクタノードデバイスの通信範囲内に入ることができるが、部屋の片方の端にある追跡デバイスは、コレクタノードデバイスのうちの1つの通信範囲にしか入らない場合がある。したがって、追跡デバイスが、追跡デバイスのデバイス識別子を示すショートメッセージを発し、両方のコレクタノードデバイスがそのようなイベントをバックエンド追跡システム120にレポートすると、バックエンド追跡システム120は、追跡デバイスが部屋の中央付近にあると判定することができる。しかし、コレクタノードデバイスのうちの1つだけがそのようなイベントをレポートする場合でも、バックエンド追跡システムは追跡デバイスが部屋の端部の一方にあると判定することができる。
【0321】
[0321]実施形態では、コレクタノードデバイスは、電源への有線接続によって電力供給されてもよく、そのようにして、より強く電力供給されるRF送信機で実装することができる。この方法で、コレクタノードデバイスは、コレクタノードデバイスの読取り範囲を拡大してもよく、コレクタノードデバイス近傍にある多数の追跡デバイスを検出することができる。
【0322】
[0322]しかしながら、一部のシナリオでは、ある環境内の利用可能なRFエネルギーは、受動的追跡デバイスにエネルギー供給するために十分ではない可能性がある、又は十分であってもコレクタノードデバイスがすべての受動的追跡デバイス間でエネルギーを長時間ハーベストしなければならない場合がある。いくつかの実施形態では、追跡システムは、RF照明器を含む場合がある。RF照明器は、タグエネルギー供給範囲を拡大するための、及び/又はより多くのユーザデバイス160が受動的追跡デバイスからのショートメッセージを受信できるようになるための位置に配置することができる。実施形態では、RF照明器は、ネットワークとの通信を行なわない単純な送信のみのデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、照明器は、有線の電源(例えば、壁のコンセント)又はポータブルの電源(例えば、バッテリ)を含んでもよい。照明器は、他の帯域と干渉することなく最大量のRFエネルギーを提供するために複数の異なる周波数から選択された周波数で送信することができる。実施形態では、照明器は、指向性アンテナを使用して所望のエネルギー供給ゾーンを作ってもよく、以て所望のエネルギー供給ゾーンに立ち入る追跡デバイスは、ショートメッセージを追跡デバイスの受信範囲内のあらゆるユーザデバイス160にブロードキャストすることができる。受信範囲は、典型的にはエネルギー供給ゾーンよりも半径が大きいことに留意されたい。したがって、エネルギー供給ゾーンの外側にあるユーザデバイス160は、やはり受信ゾーン内に位置する可能性がある。
【0323】
[0323]実施形態では、照明器は、追加的な特徴を可能にするために、センサ及び/又はネットワークインターフェースデバイスを含んでもよい。実施形態では、照明器は、ネットワークインターフェースデバイスを含んで、バックエンド追跡システム及び/又は他の照明器との通信を可能にしてもよい。これらの実施形態では、バックエンド追跡システム及び/又は別の照明器は、照明器にコマンドを送信してRFエネルギー信号を発し始めること、又はRFエネルギー信号の送信を停止することができる。実施形態では、照明器は、1つ又は複数のモーションセンサを含んでもよく、以ていったん照明器の近傍でモーションが検出されると、照明器はRFエネルギー信号を発し始める可能性がある。これらの実施形態では、モーションセンサは、最近照明器のエネルギー供給ゾーンに立ち入ったあらゆる追跡物品を記録するために、モーションが検出されたときだけ、照明器が近傍にある潜在的な追跡デバイスをエネルギー供給し始めるようトリガする。実施形態では、照明器はまた、RFエネルギー信号によりコマンドを受動的追跡デバイスに向けて送信してもよい。これらのコマンドは、追跡デバイスに一体化されたセンサによって収集される具体的なタイプのデータ(例えば、温度データ又は光データ)のリクエストを含んでもよい。
【0324】
[0324]実施形態では、追跡デバイスは、温度センサ、湿度センサ、光センサ、慣性センサ、衝撃センサ、及び/又は化学物質センサなどの、埋め込まれたセンサを含んでもよい。これらのセンサは、データを収集して、通信リンクが確立されるまで記憶し、以て収集したデータをアップロードできるようにする。しかしながら、これらの追跡デバイスは、センサのない受動的追跡デバイスよりもずっと高額である可能性があり、高額なWANセルラモデルを必要とする可能性があるか、又は読取り機のインフラストラクチャが追跡デバイスから収集したデータをダウンロードすることを必要とする可能性がある。追跡デバイスがセンサからサンプルを得るのに十分なハーベストされたRFエネルギーを有している場合でも、受動的追跡デバイスは、典型的にはセンサデータを記憶する能力を有していない。
【0325】
[0325]このような懸念を軽減するために、いくつかの実施形態では、様々なセンサが、受動的追跡デバイスに埋め込まれて動作するように設計されてもよい。これらの実施形態では、受動的追跡デバイスは、受動的追跡デバイスがこのデータを送信するために十分な電力をハーベストしてしまうと、センサデータを即時的に且つ反復して送信するように構成されてもよい。センサデータは、受動的追跡デバイスの受信範囲内のあらゆるユーザデバイス160によって収集される。したがって、受動的追跡デバイスの近位内のあらゆるユーザデバイス160は、受動的追跡デバイスからセンサデータを受信することができ、収集したセンサデータをバックエンド追跡システム120にアップロードすることができる。ある1つのユーザデバイス160が収集したデータを含むショートメッセージを受信する見込みは、比較的低く且つランダムであるが、それでもセンサデータを通過させてバックエンドサーバにアップロードするユーザデバイスからアグリゲートされたデータログは十分すぎるデータを提供することができる。
【0326】
[0326]ユーザデバイス160のユーザが追跡物品/追跡デバイスを追跡することに伴って生じる問題は、ユーザデバイス160の位置が、コンサート、屋台、キオスク、緊急応答イベントなどの、特定のタイプの場所又はイベントにおいて、一時的なイベントの全体像を与えないことである。
【0327】
[0327]実施形態では、受動的追跡デバイスは、ショートメッセージにコンテキスト的なデータを与えるように構成されてもよい。コンテキスト的なデータは、所与の場所における一時的な情報を与えるコード又は他の目印を含んでもよい。消防車、救急車、警察車両、バス、屋台、配送用トラックなどの特定用途向け車両に貼り付けられた受動的追跡デバイス(例えば、タグ)は、他では利用可能ではない一時的な情報を与える場合がある。同様に、一時的な構造物(例えば、コンサート会場、キオスク、レースのフィニッシュラインなど)に貼り付けられるタグは、ソーシャルメディアの事業向け広告用機会を提供することができる、及び/又はタグ付けされた物品についてのコンテキスト的な情報を提供してもよい。
【0328】
[0328]特定のシナリオでは、視覚的サイネージ及び/若しくは公証人認証を必要とする重要な文書、又は真正性の証明を必要とし得る宝飾品、芸術品及び高額な衣料品などの価値のある物品など、重要な物品をタグ付けすることが望ましい場合がある。実施形態では、追跡デバイスは、ブロックチェーンなどの分散台帳を用いて認証を実施するように構成されてもよい。これらの実施形態では、受動的追跡デバイス(例えば、タグ)は、デバイス識別子又は分散台帳に記憶されるエントリに対応する他の値を含んでもよく、以てエントリは受動的追跡デバイスをあるパーティ(例えば、文書の署名者、芸術作品の作者、債券の発行者、高額な衣料品の販売者)に関連付けする。この方法で、真正性を確立したいパーティは、受動的追跡デバイス(例えば、タグ)を、別のパーティに提供される重要な物品に接着することができる。他のパーティは、受動的追跡デバイスをスキャンして物品を認証することができる。例えば、物品をユーザデバイス160でスキャンしたことに応答して、ユーザデバイス160は、タグに対応する暗号法的な台帳を記憶するデバイスに、デバイス識別子を有するブロック又はタグに関連付けられた他の目印があること、及びタグが真正性を確立するパーティに関連付けられることを検証するようリクエストする場合がある。
【0329】
[0329]いくつかの実施形態では、受動的なBLEタグ(上で議論した受動的追跡デバイスなど)は、低コストのハードウェア暗号ウォレットとして構成されてもよい。これらの実施形態では、受動的なBLEタグは、タグの所有者の1つ又は複数のプライベート鍵/公開鍵を記憶してもよく、以てプライベート鍵は、ユーザのクレジットカード及び/又は暗号通貨口座に関連付けられる。BLEタグは、販売時点端末でエネルギー供給/スキャンされてもよく、それによってタグに関連付けられたユーザの口座に関して、ユーザに取引を認可するよう促してもよい。
【0330】
[0330]本明細書では、本開示の詳細な実施形態が開示されるが、開示される実施形態は、様々な形態で具体化され得る開示の例にすぎないことを理解されたい。したがって、本明細書で開示される具体的な構造上及び機能上の詳細は、限定として解釈されるのではなく、実質的にあらゆる適当な詳細な構造において本開示を様々に利用するための、単なる特許請求の基礎として、及び当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0331】
[0331]本明細書で使用される際、用語「1つの(a)」、又は「1つの(an)」は、1つ以上として定義される。本明細書で使用される際、用語「別の(another)」は、少なくとも2つ目以降の物として定義される。本明細書で使用される際、用語「含む(including)」及び/又は「有する(having)」は、含む(comprising)として(すなわち、オープンな移行)定義される。
【0332】
[0332]本開示のほんのいくつかの実施形態を示して説明してきたが、当業者にとっては、以下の特許請求の範囲で説明されるような本開示の思想及び範囲から逸脱することなく、多くの変更及び修正が本開示に対して成され得ることが明らかであろう。国内外両方における、すべての特許出願及び特許、並びに本明細書において参照されるすべての他の文献は、法律により許可される最大限においてその全体が本明細書に組み込まれる。
【0333】
[0333]本明細書で説明される方法及びシステムは、プロセッサでコンピュータソフトウェア、プログラムコード、及び/又は命令を実行する機械により、一部又は全体がデプロイされてもよい。本開示は、機械に方法として、機械の一部として若しくは機械に関連するシステム若しくは装置として、又は機械のうちの1つ若しくは複数で実行するコンピュータ可読媒体に具体化されるコンピュータ・プログラム製品として、実装されてもよい。実施形態では、プロセッサは、サーバ、クラウドサーバ、クライアント、ネットワークインフラストラクチャ、モバイルコンピューティングプラットフォーム、据え置き型コンピューティングプラットフォーム、又は他のコンピューティングプラットフォームの一部であってもよい。プロセッサは、プログラム命令、コード、バイナリ命令などを実行することが可能な、あらゆる種類の計算用又は処理用デバイスであってもよい。プロセッサは、信号プロセッサ、デジタルプロセッサ、埋め込み型プロセッサ、マイクロプロセッサ、又は記憶されてあるプログラムコード若しくはプログラム命令の実行を直接的若しくは間接的に容易にすることができるコプロセッサ(数学的コプロセッサ、グラフィックコプロセッサ、通信コプロセッサなど)などのあらゆる変形であってもよく、或いはそれらを含んでもよい。加えて、プロセッサは、複数のプログラム、スレッド、及びコードの実行を可能にしてもよい。スレッドは、同時的に実行されて、プロセッサのパフォーマンスを向上させること、及びアプリケーションの同時的な動作を容易にすることができる。実装形態として、本明細書で説明される方法、プログラムコード、プログラム命令などは、1つ又は複数のスレッドに実装されてもよい。スレッドは、他のスレッドを生み出す場合があり、他のスレッドに関連付けられる割り振られた優先度を有する場合がある。プロセッサは、これらのスレッドを、優先度又はプログラムコードで提供される命令に基づくあらゆる他の順に基づいて実行してもよい。プロセッサ、又はプロセッサを利用するあらゆる機械は、本明細書及び他箇所で説明されるような、方法、コード、命令及びプログラムを記憶する非一時的なメモリを含んでもよい。プロセッサは、本明細書及び他箇所で説明されるような、方法、コード、及び命令を記憶することができるインターフェースを通じて、非一時的な記憶媒体にアクセスすることができる。方法、プログラム、コード、プログラム命令、又はコンピューティングデバイス若しくは処理デバイスによって実行可能な他のタイプの命令を記憶するために、プロセッサに関連付けられる記憶媒体としては、CD-ROM、DVD、メモリ、ハードディスク、フラッシュドライブ、RAM、ROM、キャッシュなどのうちの1つ又は複数を挙げることができるが、それらに限定されなくてもよい。
【0334】
[0334]プロセッサは、マルチプロセッサの速度と性能を向上することができる1つ又は複数のコアを含んでもよい。実施形態では、プロセスは、デュアルコアプロセッサ、クアッドコアプロセッサ、2つ以上の独立コアを組み合わせる他のチップレベルのマルチプロセッサ(ダイと呼ばれる)などであってもよい。
【0335】
[0335]本明細書で説明される方法及びシステムは、サーバ、クライアント、ファイアウォール、ゲートウェイ、ハブ、ルータ、又は他のそのようなコンピュータ及び/若しくはネットワーキングハードウェアでコンピュータソフトウェアを実行する機械により、一部又は全体がデプロイされてもよい。ソフトウェアプログラムは、ファイルサーバ、印刷サーバ、ドメインサーバ、インターネットサーバ、イントラネットサーバ、クラウドサーバ、及びセカンダリサーバ、ホストサーバ、分散サーバなどの他の変形形態を含む可能性があるサーバに関連付けられてもよい。サーバは、メモリ、プロセッサ、コンピュータ可読媒体、記憶媒体、ポート(物理的、及び仮想的)、通信デバイス、並びに他のサーバ、クライアント、機械、及びデバイスに有線又は無線媒体などを通じてアクセスすることができるインターフェースのうちの1つ又は複数を含んでもよい。本明細書及び他箇所で説明されるような、方法、プログラム、又はコードは、サーバによって実行されてもよい。加えて、本出願で説明されるような方法の実行に必要とされる他のデバイスは、サーバに関連付けられるインフラストラクチャの一部としてみなされてもよい。
【0336】
[0336]サーバは、限定することなく、クライアント、他のサーバ、プリンタ、データベースサーバ、印刷サーバ、ファイルサーバ、通信サーバ、分散サーバ、ソーシャルネットワークなどを含む他のデバイスへのインターフェースを提供してもよい。追加的に、この連結及び/又は接続は、ネットワークをまたいだプログラムのリモート実行を容易にしてもよい。これらのデバイスの一部又はすべてのネットワーキングは、本開示の範囲から逸脱することなく1つ又は複数の場所において、プログラム又は方法の並列処理を容易にすることができる。加えて、インターフェースを通じてサーバに取り付けられるデバイスのいずれも、方法、プログラム、コード及び/又は命令を記憶することができる少なくとも1つの記憶媒体を含んでもよい。中央リポジトリは、異なるデバイスで実行されるプログラム命令を提供することができる。この実装形態では、リモートのリポジトリは、プログラムコード、命令、及びプログラム用の記憶媒体として振る舞うことができる。
【0337】
[0337]ソフトウェアプログラムは、ファイルクライアント、印刷クライアント、ドメインクライアント、インターネットクライアント、イントラネットクライアント、及びセカンダリクライアント、ホストクライアント、分散クライアントなどの他の変形形態を含む可能性があるクライアントに関連付けられてもよい。クライアントは、メモリ、プロセッサ、コンピュータ可読媒体、記憶媒体、ポート(物理的、及び仮想的)、通信デバイス、並びに他のクライアント、サーバ、機械、及びデバイスに有線又は無線媒体などを通じてアクセスすることができるインターフェースのうちの1つ又は複数を含んでもよい。本明細書及び他箇所で説明されるような、方法、プログラム、又はコードは、クライアントによって実行されてもよい。加えて、本出願で説明されるような方法の実行に必要とされる他のデバイスは、クライアントに関連付けられるインフラストラクチャの一部としてみなされてもよい。
【0338】
[0338]クライアントは、限定することなく、サーバ、他のクライアント、プリンタ、データベースサーバ、印刷サーバ、ファイルサーバ、通信サーバ、分散サーバなどを含む他のデバイスへのインターフェースを提供してもよい。追加的に、この連結及び/又は接続は、ネットワークをまたいだプログラムのリモート実行を容易にしてもよい。これらのデバイスの一部又はすべてのネットワーキングは、本開示の範囲から逸脱することなく1つ又は複数の場所において、プログラム又は方法の並列処理を容易にすることができる。加えて、インターフェースを通じてクライアントに取り付けられるデバイスのいずれも、方法、プログラム、アプリケーション、コード及び/又は命令を記憶することができる少なくとも1つの記憶媒体を含んでもよい。中央リポジトリは、異なるデバイスで実行されるプログラム命令を提供することができる。この実装形態では、リモートのリポジトリは、プログラムコード、命令、及びプログラム用の記憶媒体として振る舞うことができる。
【0339】
[0339]本明細書において説明される方法及びシステムは、ネットワークインフラストラクチャを通じて、一部又は全体がデプロイされてもよい。ネットワークインフラストラクチャとしては、コンピューティングデバイス、サーバ、ルータ、ハブ、ファイアウォール、クライアント、パーソナルコンピュータ、通信デバイス、ルーティングデバイス、並びに当分野で既知の他の能動的及び受動的デバイス、モジュール及び/又はコンポーネントなどの要素を挙げることができる。ネットワークインフラストラクチャに関連付けられるコンピューティング及び/又は非コンピューティングデバイス(複数可)は、他のコンポーネントとは別に、フラッシュメモリ、バッファ、スタック、RAM、ROMなどの記憶媒体を含んでもよい。本明細書及び他箇所で説明される、プロセス、方法、プログラムコード、命令は、ネットワークインフラストラクチャ的な要素のうちの1つ又は複数によって実行されてもよい。本明細書において説明される方法及びシステムは、あらゆる種類のプライベート、コミュニティ、又はハイブリッドのクラウドコンピューティングネットワーク又はクラウドコンピューティング環境との使用のために構成されてもよく、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)及び/又はサービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)の特徴を伴うものを含む。
【0340】
[0340]本明細書及び他箇所で説明される、方法、プログラムコード、及び命令は、複数のセルを有するセルラネットワークに実装されてもよい。セルラネットワークは、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク又は符号分割多元接続(CDMA)ネットワークのいずれであってもよい。セルラネットワークは、モバイルデバイス、セルサイト、基地局、リピータ、アンテナ、タワーなどを含んでもよい。セルネットワークは、GSM(登録商標)、GPRS、3G、EVDO、メッシュ、又は他のネットワークタイプであってもよい。
【0341】
[0341]本明細書及び他箇所で説明される、方法、プログラムコード、及び命令は、モバイルデバイスに、又はモバイルデバイスを通じて実装されてもよい。モバイルデバイスとしては、ナビゲーションデバイス、携帯電話、モバイル型電話、モバイル型の携帯情報端末、ラップトップ、パームトップ、ネットブック、ページャ、電子書籍リーダ、音楽プレーヤなどを挙げることができる。これらのデバイスは、他のコンポーネントとは別に、フラッシュメモリ、バッファ、RAM、ROM、及び1つ又は複数のコンピューティングデバイスなどの記憶媒体を含んでもよい。モバイルデバイスに関連付けられるコンピューティングデバイスは、記憶されてあるプログラムコード、方法、及び命令を実行することを可能にできる。代替的に、モバイルデバイスは、他のデバイスと協働的に命令を実行するように構成されてもよい。モバイルデバイスは、サーバとインターフェースされプログラムコードを実行するように構成された基地局と通信することができる。モバイルデバイスは、ピアツーピアネットワーク、メッシュネットワーク、又は他の通信ネットワークで通信することができる。プログラムコードは、サーバに関連付けられる記憶媒体に記憶されて、サーバに埋め込まれたコンピューティングデバイスによって実行されてもよい。基地局は、コンピューティングデバイス及び記憶媒体を含んでもよい。記憶デバイスは、基地局に関連付けられるコンピューティングデバイスによって実行されるプログラムコード及び命令を記憶することができる。
【0342】
[0342]コンピュータソフトウェア、プログラムコード、及び/又は命令は、以下を含み得る機械可読媒体で記憶され得る及び/又はアクセスされ得る:ある時間間隔の間コンピューティングに使用されるデジタルデータを保持するコンピュータコンポーネント、デバイス、及び記録媒体;ランダムアクセスメモリ(RAM)として知られる半導体記憶;光学ディスク、ハードディスク、テープ、ドラム、カードのような磁気記憶の形態、及び他のタイプなどの典型的にはより恒久的な記憶向けのマスストレージ;プロセッサレジスタ、キャッシュメモリ、揮発性メモリ、不揮発性メモリ;CD、DVDなどの光学記憶;フラッシュメモリ(例えば、USBスティック又はキー)、フロッピーディスク、磁気テープ、紙テープ、パンチカード、スタンドアロンのRAMディスク、Zipドライブ、リムーバブルのマスストレージ、オフラインなどのリムーバブル媒体;動的メモリ、静的メモリ、読み出し/書き込み記憶、mutable記憶、読み出し専用、ランダムアクセス、シーケンシャルアクセス、アドレス指定可能場所、アドレス指定可能ファイル、アドレス指定可能コンテンツ、ネットワークアタッチの記憶、記憶エリアネットワーク、バーコード、磁気インクなどの他のコンピュータメモリ。
【0343】
[0343]本明細書において説明される方法及びシステムは、物理的及び/又は無形な物品を、ある状態から別の状態に変形することができる。本明細書において説明される方法及びシステムはまた、物理的及び/又は無形な物品を表現するデータを、ある状態から別の状態に変形することができる。
【0344】
[0344]図面を通じてフローチャート及びブロック図を含む本明細書において説明され描写される要素は、要素間の論理的な境界を含意する。しかしながら、ソフトウェア又はハードウェアのエンジニアリングの実用では、描写される要素及びその機能は、モノリシックなソフトウェア構造として、スタンドアロンのソフトウェアモジュールとして、又は外部ルーチン、コード、サービスなど若しくはこれらのあらゆる組合せを採用するモジュールとして記憶されてあるプログラム命令を実行可能なプロセッサを有するコンピュータ実行可能媒体を通じて機械に実装されてもよく、すべてのそのような実装形態は本開示の範囲に入ってもよい。そのような機械の例としては、限定はしないが、携帯情報端末、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、モバイル型電話、他のハンドヘルドコンピューティングデバイス、医療機器、有線若しくは無線の通信デバイス、トランスデューサ、チップ、計算機、サテライト、タブレットPC、電子書籍、ガジェット、電子デバイス、人工知能を有するデバイス、コンピューティングデバイス、ネットワーキング機器、サーバ、ルータなどを挙げることができる。さらには、フローチャート及びブロック図に描写される要素又はあらゆる他の論理コンポーネントは、プログラム命令を実行可能な機械に実装されてもよい。したがって、前述の図面及び説明は、開示されるシステムの機能的な態様を説明しており、明示的に述べられるかコンテキストから明らかでない限り、これらの機能的な態様を実装するためのソフトウェアのどの特定の配置構成も、これらの説明から推測されるべきではない。同様に、上で特定され説明される様々なステップは変わってもよいこと、及びステップの順は本明細書で開示される技法の特定の用途に構成されてもよいことを諒解されたい。すべてのそのような変形及び修正は、本開示の範囲に入るよう意図されている。そのため、様々なステップについての順序の描写及び/又は説明は、特定の用途によって必要とされない限り、又は明示的に述べられるかコンテキストから明らかでない限り、そのようなステップに対して実行の特定の順を要求するものと理解されるべきではない。
【0345】
[0345]上述の方法及び/又はプロセス、並びにそれらに関連付けられるステップは、ハードウェア、ソフトウェア、又は特定の用途に適切なハードウェアとソフトウェアとのあらゆる組合せとして実現されてもよい。ハードウェアは、汎用コンピュータ及び/又は専用のコンピューティングデバイス或いは特定のコンピューティングデバイス又は特定のコンピューティングデバイスの特定の態様若しくはコンポーネントを含んでもよい。プロセスは、1つ又は複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、埋め込み型マイクロコントローラ、プログラム可能デジタル信号プロセッサ、又は他のプログラム可能デバイスとして、内部的及び/又は外部的なメモリと共に、実現されてもよい。プロセスはまた、又は代わりに、特定用途向け集積回路、プログラム可能ゲートアレイ、プログラム可能アレイロジック、又は電子信号を処理するように構成することができるあらゆる他のデバイス若しくはデバイスの組合せとして具体化されてもよい。プロセスのうちの1つ又は複数は、機械可読媒体で実行することが可能なコンピュータ実行可能コードとして実現されてもよいことをさらに諒解されたい。コンピュータ実行可能コードは、Cなどの構造化プログラミング言語、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、或いは上述のデバイス、それに加えてプロセッサ、プロセッサアーキテクチャ、若しくは異なるハードウェアとソフトウェアとの組合せの異質な組合せ、又はプログラム命令を実行可能なあらゆる他の機械のうちの1つで実行するよう、記憶、コンパイル、又は解釈することができる、あらゆる他の高次又は低次のプログラミング言語(アセンブリ言語、ハードウェア記述言語、並びにデータベースプログラミング言語及び技術を含む)を用いて作成することができる。
【0346】
[0346]したがって、一態様では、上述の方法及びその組合せは、1つ又は複数のコンピューティングデバイスで実行されると、そのステップを実施するコンピュータ実行可能コードとして具体化されてもよい。別の態様では、方法は、そのステップを実施するシステムとして具体化されてもよく、いくつかの方法でデバイスをまたいで分散されてもよく、又は機能性のすべては専用の、スタンドアロンデバイスの、若しくは他のハードウェアに一体化されてもよい。別の態様では、上述のプロセスに関連付けられるステップを実施するための手段は、上述のハードウェア及び/又はソフトウェアのいずれかを含んでもよい。すべてのそのような順列及び組合せは、本開示の範囲に入るよう意図されている。
【0347】
[0347]本開示は、詳細に示され説明された好ましい実施形態に関連して開示されたが、それに対する様々な修正及び改善は、当業者にとって容易に明らかとなろう。したがって、本開示の思想及び範囲は、前述の例によって限定されることなく、法律によって許容可能な最も広い意味で理解されるべきである。
【0348】
[0348]本開示を説明するコンテキストにおいて(殊に以下の特許請求の範囲のコンテキストにおいて)、本明細書でそうではないと示されない限り、又はコンテキストにより明らかに矛盾しない限り、用語「1つの(a)」及び「1つの(an)」及び「その(the)」及び類似の指示対象の使用は、単数形と複数形の両方をカバーするよう解釈されるべきである。用語「含む、備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含む(containing)」は、そうではないと述べられない限り、オープンエンドな用語(すなわち、「含んでいるがそれに限定されない(including,but not limited to)」ことを意味する)として解釈されるべきである。本明細書での値の範囲の列挙は、本明細書でそうではないと示されない限り、範囲に入るそれぞれ別個の値を個々に指す速記方法としての役割を果たすことを単に意図されており、それぞれ別個の値は、本明細書において個々に列挙されたかのように明細書に組み込まれる。本明細書で説明されるすべての方法は、本明細書でそうではないと示されない限り、又はコンテキストにより明らかに矛盾しない限り、あらゆる適切な順で実施されてもよい。本明細書で与えられる、あらゆる及びすべての例の使用、又は例示の言い回し(例えば、「など」)は、本開示をより良好に理解しやすくするよう意図されているにすぎず、そうではないと主張されない限り本開示の範囲に対して制限を設けるものではない。明細書におけるいかなる言い回しも、本開示の実践に必須であるとして特許請求されない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0349】
[0349]前述の説明により、当業者がその最良の形態であると現在考えられるものを作って使用することを可能にするが、当業者であれば、本明細書における具体的な実施形態、方法、及び例の変形、組合せ、及び等価物の存在を、理解して諒解するであろう。したがって本開示は、上述の実施形態、方法、及び例により限定されるべきではなく、本開示の範囲及び思想に入るすべての実施形態及び方法により限定される。
【0350】
[0350]特定の機能を実施する「手段(means for)」、又は特定の機能を実施する「ステップ(step for)」を明示的に述べない請求項のあらゆる要素は、米国特許法112条(f)で指定されるような「手段」又は「ステップ」条項として解釈されるべきではない。特に、請求項における「ステップ(step of)」の使用は、米国特許法112条(f)の規定を行使するよう意図されていない。
【0351】
[0351]当業者であれば、本発明のシステムの機能的な恩恵を享受するために多くの設計構成が可能であり得ることを諒解するであろう。したがって、本発明の実施形態の広範な構成及び配置構成を与えることで、本発明の範囲は、上述の実施形態により狭められるのではなく、以下の特許請求の広さに反映される。
[発明の項目]
[項目1]
受動的追跡デバイスであって、
応答信号を第1の周波数帯域で送信する、第1のアンテナと、
第2の周波数帯域でエネルギー供給信号を受信する、第2のアンテナと、
前記第2のアンテナによってリモートデバイスからエネルギー供給信号を受信して、前記エネルギー供給信号をRF電気エネルギーから前記受動的追跡デバイスにエネルギー供給するDC電気エネルギーに変換する、エネルギーハーベストモジュールと、
前記第1の周波数帯域での送信用に応答信号を変調し、通信プロトコルに従って前記変調された応答信号を送信用に前記第1のアンテナに出力し、前記応答信号は、前記受動的追跡デバイスのデバイス識別子を示すメッセージを含む、送信モジュールと、
を備え、
前記送信モジュールは、出力周波数を作り出すバルク弾性波基準発振器を含み、前記バルク弾性波基準発振器は、バルク弾性波遅延基準、マスタクロック、前記バルク弾性波遅延基準の複数のエコーを検出する時間差検出器、位相周波数検出モジュール、及びループフィルタを含み、前記送信モジュールは、前記応答信号が前記バルク弾性波基準発振器の前記出力周波数に基づいた搬送周波数を有するように、前記応答信号を変調し、前記バルク弾性波遅延基準は、第1のバルク弾性波遅延基準であり、前記複数のエコーは第1の複数のエコーである、受動的追跡デバイス。
[項目2]
前記バルク弾性波発振器が、バルク弾性波温度センサを含み、前記バルク弾性波温度センサが、前記バルク弾性波遅延基準の第2の複数のエコーを検出し、前記第2の複数のエコーのうち第1のエコー及び第2のエコーに基づいて第1のエコー信号及び第2のエコー信号を生成し、前記第2の複数のエコーのうち前記第1のエコー及び前記第2のエコーにそれぞれ基づく前記第1のエコー信号及び前記第2のエコー信号に基づいて粗い温度読取り値を生成し、前記粗い温度読取り値を前記バルク弾性波発振器の前記時間差検出器に出力する、項目1に記載の受動的追跡デバイス。
[項目3]
前記バルク弾性波温度センサが、前記バルク弾性波生成器から前記出力周波数を受信して、前記出力周波数及び送信された弾性波パルスと前記第1のエコーを含む前記複数のエコーのうちの1つのエコーからのエコー信号との差に基づいて精密な温度読取り値を生成する、項目2に記載の受動的追跡デバイス。
[項目4]
粗い温度読取り値及び精密な温度読取り値のうちの一方又は両方を生成するバルク弾性波温度センサであり、該バルク弾性波温度センサが、第2のバルク弾性波遅延基準を含む、バルク弾性波温度センサをさらに備える、項目1に記載の受動的追跡デバイス。
[項目5]
前記バルク弾性波温度センサが、前記第2のバルク弾性波遅延基準の第2の複数のエコーを検出し、前記第2の複数のエコーのうち第1のエコー及び第2のエコーに基づいてそれぞれ第1のエコー信号及び第2のエコー信号を生成し、前記第2の複数のエコーのうち前記第1のエコー及び前記第2のエコーに基づく前記第1のエコー信号及び前記第2のエコー信号に基づいて前記粗い温度読取り値を生成し、前記粗い温度読取り値を前記バルク弾性波発振器に出力する、項目4に記載の受動的追跡デバイス。
[項目6]
前記バルク弾性波温度センサが、前記バルク弾性波生成器から前記出力周波数を受信し、前記出力周波数並びに前記第2の複数のエコーのうちの前記第1のエコー及び前記第2のエコーに基づく前記第1のエコー信号及び前記第2のエコー信号の両方に基づいて前記精密な温度読取り値を生成する、項目5に記載の受動的追跡デバイス。
[項目7]
前記バルク弾性波温度センサが、前記精密な温度読取り値を前記応答信号へ含めるために前記送信モジュールに出力する、項目6に記載の受動的追跡デバイス。
[項目8]
前記第2のアンテナによって受信されたエネルギー供給信号を変圧するバルク弾性波変圧器であり、該バルク弾性波変圧器が第2のバルク弾性波遅延素子を含む、バルク弾性波変圧器をさらに備える、項目1に記載の受動的追跡デバイス。
[項目9]
前記バルク弾性波変圧器が、前記エネルギー供給信号のエネルギーハーベスタへのソースインピーダンスを大きくする、項目8に記載の受動的追跡デバイス。
[項目10]
前記バルク弾性波変圧器が、エネルギーハーベスタへの電圧を大きくする、項目8に記載の受動的追跡デバイス。
[項目11]
前記バルク弾性波変圧器が、送信トランスデューサ、弾性共振器、及び受信トランスデューサを含み、前記送信トランスデューサ及び前記受信トランスデューサが窒化アルミニウムを含む、項目8に記載の受動的追跡デバイス。
[項目12]
前記バルク弾性波変圧器が、送信トランスデューサ、弾性共振器、及び受信トランスデューサを含み、前記送信トランスデューサ及び前記受信トランスデューサが窒化アルミニウムスカンジウムを含む、項目8に記載の受動的追跡デバイス。
[項目13]
エネルギーハーベストモジュールによって、第2のアンテナによってリモートデバイスからエネルギー供給信号を受信するステップと、
前記エネルギーハーベストモジュールによって、前記エネルギー供給信号をRF電気エネルギーから受動的追跡デバイスにエネルギー供給するDC電気エネルギーに変換するステップと、
送信モジュールによって、第1の周波数帯域での送信用の応答信号を、前記応答信号がバルク弾性波基準発振器の出力周波数に基づいた搬送周波数を有するように、変調するステップと、
前記送信モジュールによって、通信プロトコルに従って前記変調された応答信号を送信用に第1のアンテナに出力するステップと、
を含み、
前記応答信号は、前記受動的追跡デバイスのデバイス識別子を示すメッセージを含み、前記送信モジュールは、出力周波数を作り出す前記バルク弾性波基準発振器を含み、前記バルク弾性波基準発振器は、バルク弾性波遅延基準、マスタクロック、前記バルク弾性波遅延基準の複数のエコーを検出する時間差検出器、位相周波数検出モジュール、及びループフィルタを含み、前記バルク弾性波遅延基準は、第1のバルク弾性波遅延基準であり、前記複数のエコーは第1の複数のエコーである、方法。
[項目14]
前記バルク弾性波発振器に含まれるバルク弾性波温度センサによって、前記バルク弾性波遅延基準の第2の複数のエコーを検出するステップと、
前記バルク弾性波温度センサによって、前記第2の複数のエコーのうち第1のエコー及び第2のエコーに基づいて第1のエコー信号及び第2のエコー信号を生成するステップと、
前記バルク弾性波温度センサによって、前記第2の複数のエコーのうち前記第1のエコー及び前記第2のエコーにそれぞれ基づく前記第1のエコー信号及び前記第2のエコー信号に基づいて粗い温度読取り値を生成するステップと、
前記バルク弾性波温度センサによって、前記粗い温度読取り値を前記バルク弾性波発振器の前記時間差検出器に出力するステップと、
をさらに含む、項目13に記載の方法。
[項目15]
前記バルク弾性波温度センサによって、前記バルク弾性波生成器から前記出力周波数を受信するステップと、
前記バルク弾性波温度センサによって、前記出力周波数及び送信された弾性波パルスと前記第1のエコーを含む前記複数のエコーのうちの1つのエコーからのエコー信号との差に基づいて精密な温度読取り値を生成するステップと
をさらに含む、項目14に記載の方法。
[項目16]
バルク弾性波温度センサによって、粗い温度読取り値及び精密な温度読取り値のうちの一方又は両方を生成するステップであり、前記バルク弾性波温度センサが第2のバルク弾性波遅延基準を含む、生成するステップをさらに含む、項目13に記載の方法。
[項目17]
前記バルク弾性波温度センサによって、前記第2のバルク弾性波遅延基準の第2の複数のエコーを検出するステップと、
前記バルク弾性波温度センサによって、前記第2の複数のエコーのうち第1のエコー及び第2のエコーにそれぞれ基づいて第1のエコー信号及び第2のエコー信号を生成するステップと、
前記バルク弾性波温度センサによって、前記第2の複数のエコーのうち前記第1のエコー及び前記第2のエコーに基づく前記第1のエコー信号及び前記第2のエコー信号に基づいて前記粗い温度読取り値を生成するステップと、
前記バルク弾性波温度センサによって、前記粗い温度読取り値を前記バルク弾性波発振器に出力するステップと、
をさらに含む、項目16に記載の方法。
[項目18]
前記バルク弾性波温度センサによって、前記バルク弾性波生成器から前記出力周波数を受信するステップと、
前記バルク弾性波温度センサによって、前記出力周波数並びに前記第2の複数のエコーのうちの前記第1のエコー及び前記第2のエコーに基づく前記第1のエコー信号及び前記第2のエコー信号の両方に基づいて前記精密な温度読取り値を生成するステップと、
をさらに含む、項目17に記載の方法。
[項目19]
前記バルク弾性波温度センサによって、前記精密な温度読取り値を前記応答信号へ含めるために前記送信モジュールに出力するステップをさらに含む、項目18に記載の方法。
[項目20]
バルク弾性波変圧器によって、前記第2のアンテナによって受信されたエネルギー供給信号を変圧するステップであり、前記バルク弾性波変圧器が第2のバルク弾性波遅延素子を含む、変圧するステップをさらに含む、項目13に記載の方法。
[項目21]
前記バルク弾性波変圧器によって、前記エネルギー供給信号のエネルギーハーベスタへのソースインピーダンスを大きくするステップをさらに含む、項目20に記載の方法。
[項目22]
前記バルク弾性波変圧器によって、エネルギーハーベスタへの電圧を大きくするステップをさらに含む、項目20に記載の方法。
[項目23]
前記バルク弾性波変圧器が、送信トランスデューサ、弾性共振器、及び受信トランスデューサを含み、前記送信トランスデューサ及び前記受信トランスデューサが窒化アルミニウムを含む、項目20に記載の方法。
[項目24]
前記バルク弾性波変圧器が、送信トランスデューサ、弾性共振器、及び受信トランスデューサを含み、前記送信トランスデューサ及び前記受信トランスデューサが窒化アルミニウムスカンジウムを含む、項目20に記載の方法。
[項目25]
第2のアンテナによってリモートデバイスからエネルギー供給信号を受信する手段と、
前記エネルギー供給信号をRF電気エネルギーから受動的追跡デバイスにエネルギー供給するDC電気エネルギーに変換する手段と、
応答信号がバルク弾性波基準発振器の出力周波数に基づいた搬送周波数を有するように、第1の周波数帯域での送信用に前記応答信号を変調する手段と、
通信プロトコルに従って前記変調された応答信号を送信用に第1のアンテナに出力する手段と、
を備え、
前記応答信号は、前記受動的追跡デバイスのデバイス識別子を示すメッセージを含み、送信モジュールは、出力周波数を作り出す前記バルク弾性波基準発振器を含み、前記バルク弾性波基準発振器は、バルク弾性波遅延基準、マスタクロック、前記バルク弾性波遅延基準の複数のエコーを検出する時間差検出器、位相周波数検出モジュール、及びループフィルタを含み、前記バルク弾性波遅延基準は、第1のバルク弾性波遅延基準であり、前記複数のエコーは第1の複数のエコーである、システム。
[項目26]
前記バルク弾性波遅延基準の第2の複数のエコーを検出する手段と、
前記第2の複数のエコーのうち第1のエコー及び第2のエコーに基づいて第1のエコー信号及び第2のエコー信号を生成する手段と、
前記第2の複数のエコーのうち前記第1のエコー及び前記第2のエコーにそれぞれ基づく前記第1のエコー信号及び前記第2のエコー信号に基づいて粗い温度読取り値を生成する手段と、
前記粗い温度読取り値を前記バルク弾性波発振器の前記時間差検出器に出力する手段と、
をさらに備える、項目25に記載のシステム。
[項目27]
前記バルク弾性波生成器から前記出力周波数を受信する手段と、
前記出力周波数及び送信された弾性波パルスと前記第1のエコーを含む前記複数のエコーのうちの1つのエコーからのエコー信号との差に基づいて精密な温度読取り値を生成する手段と
をさらに備える、項目26に記載のシステム。
[項目28]
粗い温度読取り値及び精密な温度読取り値のうちの一方又は両方を生成する手段であって、バルク弾性波温度センサが第2のバルク弾性波遅延基準を含む、生成する手段をさらに備える、項目25に記載のシステム。
[項目29]
前記第2のバルク弾性波遅延基準の第2の複数のエコーを検出する手段と、
前記第2の複数のエコーのうち第1のエコー及び第2のエコーにそれぞれ基づいて第1のエコー信号及び第2のエコー信号を生成する手段と、
前記第2の複数のエコーのうち前記第1のエコー及び前記第2のエコーに基づく前記第1のエコー信号及び前記第2のエコー信号に基づいて前記粗い温度読取り値を生成する手段と、
前記粗い温度読取り値を前記バルク弾性波発振器に出力する手段と、
をさらに備える、項目28に記載のシステム。
[項目30]
前記バルク弾性波生成器から前記出力周波数を受信する手段と、
前記出力周波数並びに前記第2の複数のエコーのうちの前記第1のエコー及び前記第2のエコーに基づく前記第1のエコー信号及び前記第2のエコー信号の両方に基づいて前記精密な温度読取り値を生成する手段と
をさらに備える、項目29に記載のシステム。
[項目31]
前記精密な温度読取り値を前記応答信号へ含めるために前記送信モジュールに出力する手段をさらに備える、項目30に記載のシステム。
[項目32]
前記第2のアンテナによって受信されたエネルギー供給信号を変圧する手段をさらに備え、バルク弾性波変圧器が第2のバルク弾性波遅延素子を含む、項目25に記載のシステム。
[項目33]
前記エネルギー供給信号のエネルギーハーベスタへのソースインピーダンスを大きくする手段をさらに備える、項目32に記載のシステム。
[項目34]
エネルギーハーベスタへの電圧を大きくする手段をさらに備える、項目32に記載のシステム。
[項目35]
前記バルク弾性波変圧器が、送信トランスデューサ、弾性共振器、及び受信トランスデューサを含み、前記送信トランスデューサ及び前記受信トランスデューサが窒化アルミニウムを含む、項目32に記載のシステム。
[項目36]
前記バルク弾性波変圧器が、送信トランスデューサ、弾性共振器、及び受信トランスデューサを含み、前記送信トランスデューサ及び前記受信トランスデューサが窒化アルミニウムスカンジウムを含む、項目32に記載のシステム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22