(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】応対支援装置及び応対支援方法並びにプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 9/00 20060101AFI20240917BHJP
【FI】
H04M9/00 D
(21)【出願番号】P 2022004402
(22)【出願日】2022-01-14
【審査請求日】2022-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】311012169
【氏名又は名称】NECパーソナルコンピュータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140914
【氏名又は名称】三苫 貴織
(74)【代理人】
【識別番号】100172524
【氏名又は名称】長田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】女川 正起
【審査官】小松崎 里沙
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-174346(JP,A)
【文献】特開2010-191565(JP,A)
【文献】特開2010-231492(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0233548(US,A1)
【文献】特開2012-010200(JP,A)
【文献】特開2010-226541(JP,A)
【文献】特開2015-207030(JP,A)
【文献】特開2019-101566(JP,A)
【文献】特開2011-077787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/00
3/16- 3/20
3/38- 3/58
7/00-11/00
G07C 1/00-15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内に設けられた室内カメラと通信可能に構成された応対支援装置であって、
訪問者を識別する訪問者識別部と、
訪問者の情報と該訪問者に応対した応対者の情報とが対応付けられた応対履歴情報から、識別された前記訪問者に対応する応対者の情報を取得する応対者情報取得部と、
応対者の情報と少なくとも一人の応対優先者とが予め対応付けられた応対優先情報を用いて、前記応対者情報取得部によって取得された前記応対者の情報に対応する応対優先者を特定する特定部と、
特定された前記応対優先者が在宅か否かを判定する在宅判定部と、
在宅している前記応対優先者がいる場合に、在宅の前記応対優先者に対して訪問者の応対を促す旨のガイダンスを行う通知部と
を備え
、
前記在宅判定部は、前記室内カメラによって取得された画像データに基づいて前記応対優先者が在宅か否かを判定する応対支援装置。
【請求項2】
訪問者を識別する訪問者識別部と、
訪問者の情報と該訪問者に応対した応対者の情報とが対応付けられた応対履歴情報から、識別された前記訪問者に対応する応対者の情報を取得する応対者情報取得部と、
応対者の情報と少なくとも一人の応対優先者とが予め対応付けられた応対優先情報を用いて、前記応対者情報取得部によって取得された前記応対者の情報に対応する応対優先者を特定する特定部と、
特定された前記応対優先者が在宅か否かを判定する在宅判定部と、
在宅している前記応対優先者がいる場合に、在宅の前記応対優先者に対して訪問者の応対を促す旨のガイダンスを行う通知部と、
室内に設けられた報知部
と
を備え、
前記通知部は、前記報知部を通じて前記ガイダンスを行
う応対支援装置。
【請求項3】
前記通知部は、特定された全ての前記応対優先者が不在の場合に、予め登録されている応対優先者の通知先に来訪通知を送信する請求項1
または2に記載の応対支援装置。
【請求項4】
前記応対履歴情報には、訪問者を識別するための情報と、該訪問者に応対した応対者の情報と、時間情報とが対応付けられて登録されており、
前記応対優先情報には、応対者の情報と、時間情報と、応対優先者の情報とが対応付けられて登録されている請求項1から
3のいずれかに記載の応対支援装置。
【請求項5】
コンピュータを請求項1から
4のいずれかに記載の応対支援装置として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
訪問者を識別する工程と、
訪問者の情報と該訪問者に応対した応対者の情報とが対応付けられた応対履歴情報から、識別された前記訪問者に対応する応対者の情報を取得する工程と、
応対者の情報と少なくとも一人の応対優先者とが予め対応付けられた応対優先情報を用いて、取得された前記応対者の情報に対応する応対優先者を特定する工程と、
特定された前記応対優先者が在宅か否かを
、室内に設けられた室内カメラによって取得された画像データに基づいて判定する工程と、
在宅している前記応対優先者がいる場合に、在宅の前記応対優先者に対して訪問者の応対を促す旨のガイダンスを行う工程と
をコンピュータが実行する応対支援方法。
【請求項7】
訪問者を識別する工程と、
訪問者の情報と該訪問者に応対した応対者の情報とが対応付けられた応対履歴情報から、識別された前記訪問者に対応する応対者の情報を取得する工程と、
応対者の情報と少なくとも一人の応対優先者とが予め対応付けられた応対優先情報を用いて、取得された前記応対者の情報に対応する応対優先者を特定する工程と、
特定された前記応対優先者が在宅か否かを判定する工程と、
在宅している前記応対優先者がいる場合に、
室内に設けられた報知部を通じて、在宅の前記応対優先者に対して訪問者の応対を促す旨のガイダンスを行う工程と
をコンピュータが実行する応対支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、応対支援装置及び応対支援方法並びにプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、戸外に設置され、訪問者を撮影するためのカメラを備える子機と、室内に設けられ、子機のカメラによって撮像された訪問者の画像を表示する親機とを備えるカメラ付きドアホンが知られている。
また、訪問者があった際に、親機から予め設定されているユーザの携帯電話などに通知し、出先でも訪問者の応対をすることができる訪問者応対装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、訪問者が来訪した場合、訪問者に応じて適切な人物が応対することが好ましい。しかしながら、このような応対をするためには、訪問者毎に適切な応対者を予め設定する必要があり、事前登録の負担が大きかった。また、小さい子供のみが在宅している場合に、訪問者が訪れた場合には、小さい子供が知らずに応対をしてしまう可能性があり、防犯上の観点から好ましくない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、事前登録の負担を軽減できるとともに、訪問者に応じて適切な人物に応対を行わせることのできる応対支援装置及び応対支援方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様は、室内に設けられた室内カメラと通信可能に構成された応対支援装置であって、訪問者を識別する訪問者識別部と、訪問者の情報と該訪問者に応対した応対者の情報とが対応付けられた応対履歴情報から、識別された前記訪問者に対応する応対者の情報を取得する応対者情報取得部と、応対者の情報と少なくとも一人の応対優先者とが予め対応付けられた応対優先情報を用いて、前記応対者情報取得部によって取得された前記応対者の情報に対応する応対優先者を特定する特定部と、特定された前記応対優先者が在宅か否かを判定する在宅判定部と、在宅している前記応対優先者がいる場合に、在宅の前記応対優先者に対して訪問者の応対を促す旨のガイダンスを行う通知部とを備え、前記在宅判定部は、前記室内カメラによって取得された画像データに基づいて前記応対優先者が在宅か否かを判定する応対支援装置である。
本発明の第二態様は、訪問者を識別する訪問者識別部と、訪問者の情報と該訪問者に応対した応対者の情報とが対応付けられた応対履歴情報から、識別された前記訪問者に対応する応対者の情報を取得する応対者情報取得部と、応対者の情報と少なくとも一人の応対優先者とが予め対応付けられた応対優先情報を用いて、前記応対者情報取得部によって取得された前記応対者の情報に対応する応対優先者を特定する特定部と、特定された前記応対優先者が在宅か否かを判定する在宅判定部と、在宅している前記応対優先者がいる場合に、在宅の前記応対優先者に対して訪問者の応対を促す旨のガイダンスを行う通知部と、室内に設けられた報知部とを備え、前記通知部は、前記報知部を通じて前記ガイダンスを行う応対支援装置である。
【0007】
本発明の第三態様は、コンピュータを上記応対支援装置として機能させるためのプログラムである。
【0008】
本発明の第四態様は、訪問者を識別する工程と、訪問者の情報と該訪問者に応対した応対者の情報とが対応付けられた応対履歴情報から、識別された前記訪問者に対応する応対者の情報を取得する工程と、応対者の情報と少なくとも一人の応対優先者とが予め対応付けられた応対優先情報を用いて、取得された前記応対者の情報に対応する応対優先者を特定する工程と、特定された前記応対優先者が在宅か否かを、室内に設けられた室内カメラによって取得された画像データに基づいて判定する工程と、在宅している前記応対優先者がいる場合に、在宅の前記応対優先者に対して訪問者の応対を促す旨のガイダンスを行う工程とをコンピュータが実行する応対支援方法である。
本発明の第五態様は、訪問者を識別する工程と、訪問者の情報と該訪問者に応対した応対者の情報とが対応付けられた応対履歴情報から、識別された前記訪問者に対応する応対者の情報を取得する工程と、応対者の情報と少なくとも一人の応対優先者とが予め対応付けられた応対優先情報を用いて、取得された前記応対者の情報に対応する応対優先者を特定する工程と、特定された前記応対優先者が在宅か否かを判定する工程と、在宅している前記応対優先者がいる場合に、室内に設けられた報知部を通じて、在宅の前記応対優先者に対して訪問者の応対を促す旨のガイダンスを行う工程とをコンピュータが実行する応対支援方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、事前登録の負担を軽減できるとともに、訪問者に応じて適切な人物に応対を行わせることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る応対支援システムの構成を概略的に示したシステム構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る応対支援装置のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る応対支援装置が備える応対支援機能の一例を示した機能ブロック図である。
【
図4】家族構成員として、父、母、息子(高校生)、娘(小学生)を想定した場合の応対優先情報の一例を示した図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る応対支援処置の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態に係る応対支援装置、応対支援方法、応対支援プログラムについて、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る応対支援システム1の構成を概略的に示したシステム構成図である。
図1に示すように、応対支援システム1は、応対支援装置10、ドアホン子機20、ドアホン親機30、室内カメラ40、及び玄関先カメラ50を備えている。これら構成は、例えば、ネットワーク5を介して相互に接続されており、互いに通信が可能な構成とされている。
【0013】
ドアホン子機20は、例えば、戸外に設けられている。ドアホン子機20は、例えば、戸外カメラ21を備えている。戸外カメラ21は、訪問者を識別するための情報を取得する訪問者情報取得部として機能する。戸外カメラ21によって取得された訪問者の画像データは、ネットワークを通じて応対支援装置10及びドアホン親機30に送られる。また、ドアホン子機20は、訪問者によって操作される入力部22、後述するドアホン親機30を操作するユーザと対話を行うためのスピーカ23及びマイク24を備えていてもよい。
【0014】
例えば、ドアホン子機20の設置位置付近に人感センサを設置し、人感センサによって人が検知された場合に、戸外カメラ21が撮影を開始するような構成とされていてもよい。また、ドアホン子機20が備える入力部22が訪問者によって操作された場合に、戸外カメラ21が撮影を始めるような構成とされていてもよい。
【0015】
ドアホン親機30は、室内(例えば、リビング)に設けられている。ドアホン親機30は、例えば、ディスプレイ31を備えている。ディスプレイ31は、ドアホン子機20が備える戸外カメラ21から送られてくる画像を表示する。また、ドアホン親機30は、ユーザによって入力操作される入力部32、訪問者と対話を行うためのスピーカ33及びマイク34を備えていてもよい。
また、ドアホン親機30は、ドアホン制御部35を備えている。ドアホン制御部35は、ネットワーク5を介して応対支援装置10と情報の授受を行うことにより、ドアホン親機30及びドアホン子機20の制御を行う。なお、ドアホン子機20及びドアホン親機30の構成は、上記例に限定されず、公知の技術を採用することが可能である。
【0016】
室内には、少なくとも1つの室内カメラ40が設けられている。室内カメラ40は、例えば、在宅の人物を識別するために用いられる。室内カメラ40によって取得された室内の画像データは、ネットワーク5を介して応対支援装置10に送信される。
玄関先には、玄関先カメラ50が設けられている。玄関先カメラ50は、訪問者に応対した人物を識別するための情報を取得する。玄関先カメラ50によって取得された画像データは、ネットワーク5を介して応対支援装置10に送信される。本実施形態では、訪問者に応対した人物を識別するための手段として玄関先カメラ50を例示して説明するがこの例に限定されない。例えば、マイクによって音声を取得し、音声によって応対者を識別するようにしてもよい。また、玄関先カメラ50に代えて重量計マットを用いてもよい。この場合には、重量に応じて応対者を識別すればよい。
【0017】
応対支援装置10は、ドアホン子機20、ドアホン親機30、室内カメラ40、及び玄関先カメラ50からの情報に基づいて後述する処理を実行することにより、訪問者への応対を支援する。
なお、
図1に示した例では、1台のドアホン子機20、1台のドアホン親機30、1台の室内カメラ40、及び一台の玄関先カメラ50が図示されているが、これら接続台数はこれに限られない。
【0018】
図2は、本実施形態に係る応対支援装置10のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。
図2に示すように、応対支援装置10は、例えば、コンピュータシステムである。応対支援装置10は、例えば、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)11、主記憶装置(Main Memory)12、二次記憶装置(Secondary storage:メモリ)13、外部インターフェース14、及び通信インターフェース15などを備えている。これら各部は直接的にまたはバスを介して間接的に相互に接続されており互いに連携して各種処理を実行する。また、応対支援装置10は、入力デバイス、出力デバイス、スピーカ、マイク、カメラなどを備えていてもよい。
【0019】
CPU11は、例えば、バスを介して接続された二次記憶装置13に格納されたOS(Operating System)により応対支援装置10全体の制御を行うとともに、二次記憶装置13に格納された各種プログラムを実行することにより各種処理を実行する。CPU11は、1つ又は複数設けられており、互いに協働して処理を実現してもよい。
【0020】
主記憶装置12は、例えば、キャッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)等の書き込み可能なメモリで構成され、CPU11の実行プログラムの読み出し、実行プログラムによる処理データの書き込み等を行う作業領域として利用される。
【0021】
二次記憶装置13は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体(non-transitory computer readable storage medium)である。二次記憶装置13は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどである。二次記憶装置13の一例として、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)フラッシュメモリなどが挙げられる。二次記憶装置13は、例えば、Windows(登録商標)、iOS(登録商標)、Android(登録商標)等の情報処理装置全体の制御を行うためのOS、BIOS(Basic Input/Output System)、周辺機器類をハードウェア操作するための各種デバイスドライバ、各種アプリケーションソフトウェア、及び各種データやファイル等を格納する。また、二次記憶装置13には、各種処理を実現するためのプログラムや、各種処理を実現するために必要とされる各種データが格納されている。二次記憶装置13は、複数設けられていてもよく、各二次記憶装置13に上述したようなプログラムやデータが分割されて格納されていてもよい。
【0022】
外部インターフェース14は、外部機器と接続するためのインターフェースである。外部機器の一例として、外部モニタ、USBメモリ、外付けHDD、外付けカメラ等が挙げられる。なお、
図1に示した例では、外部インターフェースは、1つしか図示されていないが、複数の外部インターフェースを備えていてもよい。
【0023】
通信インターフェース15は、ネットワークに接続して他の装置と通信を行い、情報の送受信を行うためのインターフェースとして機能する。例えば、通信インターフェース15は、有線又は無線により他の装置と通信を行う。無線通信として、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、移動通信システム(3G、4G、5G、6G、LTE等)、無線LANなどの回線を通じた通信が挙げられる。有線通信の一例として、有線LAN(Local Area Network)などの回線を通じた通信が挙げられる。
【0024】
なお、ドアホン親機30のドアホン制御部35も同様の構成とされている。具体的には、ドアホン制御部35は、CPU、主記憶装置12,二次記憶装置、通信インターフェースを備えている。
【0025】
次に、本実施形態に係る応対支援装置10が有する機能の一例について図を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係る応対支援装置10が備える応対支援機能の一例を示した機能ブロック図である。
【0026】
後述する各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラムの形式で二次記憶装置13などに記憶されており、このプログラムをCPU(プロセッサ)11が主記憶装置12に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、二次記憶装置13に予めインストールされている形態や、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体の一例として、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどが挙げられる。
【0027】
図3に示すように、応対支援装置10は、記憶部60、訪問者識別部61、応対者情報取得部62、特定部63、在宅判定部64、通知部65、及び履歴情報更新部66を備えている。
【0028】
記憶部60には、応対履歴情報が格納されている。応対履歴情報は、過去の訪問者の情報と、該訪問者に応対した応対者の情報とが対応付けられた情報である。例えば、応対履歴情報は、「訪問者の情報」として、訪問者を識別するための情報が登録されている。本実施形態では、戸外カメラ21によって撮影された訪問者の画像データが訪問者の情報として登録されている。また、訪問者の情報として、訪問者の画像データと対応付けられた識別情報(訪問者ID)が登録されていてもよい。また、画像データに代えて、訪問者の年代及び性別が登録されていてもよい。訪問者の年代は、画像データに基づいて推定可能な他、マイク24から入力された音声データに基づいて推定することが可能である。
【0029】
また、対応履歴情報には、「応対者の情報」として、応対者を特定するための情報が登録されている。応答者の情報の一例として、家族構成員に個別に付与された識別情報(構成員ID)、家族の属性情報(父、母、息子、娘等)が挙げられる。また、「応対者の情報」には、応対日時、応対方法が含まれていてもよい。応対方法の一例として、玄関先で対応、ドアホンによる通話、応対無し等が挙げられる。
【0030】
また、記憶部60には、応対優先情報が格納されている。
応対優先情報は、「応対者の情報」と少なくとも一人の「応対優先者」とが予め登録された情報である。
図4は、家族構成員として、父、母、息子(高校生)、娘(小学生)を想定した場合の応対優先情報の一例を示した図である。
図4に示した応対優先情報では、例えば、「応対者の情報」、すなわち、家族の属性情報(父、母、息子、娘)毎に、応対優先者の情報が登録されている。また、応対優先情報は、時間帯に応じて設定されていてもよい。
図4の応対優先情報では、日中(例えば、6時~17時)と、夜間(17時~6時)の2つの時間帯に対してそれぞれ対応優先者が登録されている。
また、応対優先情報には、応対優先者が在宅していない場合に、来訪を通知する通知先の情報が登録されている。
また、応対優先情報には、訪問者が応対履歴情報に登録されていない場合、例えば、初めての訪問者の場合に対する応対優先者が登録されていてもよい。
【0031】
訪問者識別部61は、来訪があったときに訪問者を識別する。例えば、訪問者識別部61は、記憶部60に格納されている過去に訪れた訪問者の画像データと、戸外カメラ21によって取得された画像データとを用いて顔認証を行うことにより、訪問者を識別する。
【0032】
応対者情報取得部62は、応対履歴情報から当該訪問者に対応する応対者の情報を取得する。例えば、応対者情報取得部62は、家族構成員(例えば、父、母、息子、娘等)のうち、当該訪問者の応対回数が最も多い応対者の情報を取得する。なお、これに限らず、例えば、直近で当該訪問者に対応している応対者の情報を取得してもよい。また、応対者情報取得部62は、訪問者が登録されていない場合に、「登録なし」の情報を特定部63に出力することとしてもよい。
【0033】
特定部63は、応対優先情報を用いて、応対者情報取得部62によって取得された応対者の情報に対応する一人又は複数の応対優先者を特定する。具体的には、特定部63は、応対優先情報を用いて、応対者情報取得部62によって取得された応対者の情報と、当該訪問者が訪れた時間情報とに基づいて、一人又は複数の応対優先者を特定する。
【0034】
在宅判定部64は、特定部63によって特定された応対優先者が在宅か否かを判定する。例えば、在宅判定部64は、家族構成員の画像データを有しており、室内カメラ40によって取得された画像データと、家族構成員の画像データとを照合することにより、在宅中の人物を認識する。そして、在宅判定部64は、在宅中の人物に対応優先人物が含まれるか否かを判定することにより、応対優先者が在宅か否かを判定する。
【0035】
通知部65は、特定部63によって特定された応対優先者の通知を行う。例えば、通知部65は、在宅している応対優先者がいる場合に、在宅の応対優先者に対して訪問者の応対を促す旨のガイダンスを行う。このガイダンスは、例えば、ドアホン親機30が備えるディスプレイ(報知部)31にメッセージを表示することで行ってもよい。また、ドアホン親機30が備えるスピーカ(報知部)33から音声メッセージを出力することにより、通知してもよい。
一方、応対優先者が一人も在宅していない場合には、応対優先情報に登録されている報知先の情報に基づいて、予め登録されている通知先(例えば、携帯電話機)に対して来訪の通知を行う。
【0036】
履歴情報更新部66は、訪問者が訪れたときに、その訪問者の情報と応対者の情報とを登録することにより、応対履歴情報を更新する。訪問者の情報は、例えば、訪問者識別部61によって識別された訪問者の情報を用いることができる。また、応対者の情報は、例えば、玄関先カメラ50によって取得された画像データに基づいて応対者を識別することが可能である。なお、応対者の識別は、この例に限られず、他の手法によって識別してもよい。例えば、マイクから取得した音声に基づいて応対者を識別してもよいし、玄関先に置かれた重量計マットにより応対者の体重を計測することにより、応対者を識別してもよい。
また、履歴情報更新部66は、訪問者に対して応対がなかった場合には、応対なしの情報を登録する。
【0037】
次に、応対支援装置10によって実行される応対支援処理について
図5を参照して説明する。
図5は、本実施形態に係る応対支援処置の処理手順の一例を示したフローチャートである。以下の一連の処理は、二次記憶装置13に記憶されているプログラムをCPU(プロセッサ)11が主記憶装置12に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより実行される。
【0038】
まず、ドアホン子機20の戸外カメラ21によって来訪者が撮影されると、戸外カメラ21によって取得された画像データが応対支援装置10に送信される。
応対支援装置10は、訪問者の画像データを取得すると(SA1)、訪問者の画像データと記憶部60に登録されている画像データとを用いて顔認証を行うことにより、訪問者を識別する(SA2)。
【0039】
次に、応対支援装置10は、応対履歴情報から当該訪問者に対応する応対者の情報を取得する(SA3)。例えば、その訪問者に応対した家族構成員(例えば、父、母、息子、娘等)のうち、最も応対回数の多い応対者の情報を取得する。
【0040】
次に、応対支援装置10は、応対優先情報を用いて、応対者の情報に対応する一人又は複数の応対優先者を特定する(SA4)。具体的には、応対優先情報を用いて、応対者の情報及び訪問者の訪問時間に対応する一人又は複数人の応対優先者を特定する。例えば、訪問が日中であり、応対者の情報として「父」の情報が取得された場合、応対支援装置10は、
図4に示した応対優先情報から「父」、「母」、「息子」を応対優先者として特定する。
【0041】
続いて、応対支援装置10は、特定した応対優先者が在宅か否かを判定する(SA5)。この結果、いずれかの応対優先者が在宅している場合には(SA5:YES)、在宅の対応優先者に応対するようガイダンスを通知し(SA6)、ステップSA8に移行する。例えば、「父」、「母」、「息子」のうち、「息子」が在宅している場合には、応対支援装置10は、息子に応対を促す旨のガイダンスをドアホン親機30のディスプレイ31、スピーカ33を通じて報知する。
【0042】
一方、ステップSA5において、全ての応対優先者が不在の場合には(SA5:NO)、応対支援装置10は、応対優先情報に登録されている来訪報知の情報に従って、予め登録されている通知先に対して来訪の通知を行う(SA7)。例えば、訪問が日中であり、応対者の情報として「父」の情報が取得された場合であって、「父」、「母」、「息子」がいずれも不在の場合には、応対優先情報の来訪報知情報に基づいて、父の報知登録先に来訪報知を行う。また、このとき、訪問者には応対しなくてもよい旨のガイダンスをドアホン親機30のディスプレイ31、スピーカ33を通じて報知してもよい。これにより、例えば、応対優先者でない「娘」のみが在宅していた場合には、娘による応対を回避させることができる。これにより、防犯性を向上させることができる。
【0043】
続いて、応対支援装置10は、今回の訪問者に対する応対の情報、具体的には、今回の訪問者の情報、応対者の情報、応対時刻、応対方法等を応対履歴情報に登録することにより、応対履歴情報を更新し(SA8)、本処理を終了する。なお、応対支援装置10は、応対が行われなかった場合も、応対なしとの情報を残すことで応対履歴情報を更新する。
【0044】
以上説明してきたように、本実施形態に係る応対支援装置10、応対支援方法、及び応対支援プログラムによれば、以下の作用効果を奏する。
【0045】
来訪した訪問者を識別する訪問者識別部61と、応対履歴情報から訪問者に対応する応対者の情報を取得する応対者情報取得部62と、応対優先情報を用いて応対者情報取得部62によって取得された応対者の情報に対応する一人又は複数の応対優先者を特定する特定部63とを備えている。このように、応対者の情報と少なくとも一人の応対優先者とが予め対応付けられた応対優先情報を用いて、応対を行う人物である応対優先者を特定するので、訪問者毎に応対者を登録する必要がない。このため、事前登録の負担を軽減することができる。また、応対優先者をユーザに通知する通知部65を備えるので、訪問者に対して誰が適切な応対者なのかを通知することができる。これにより、訪問者に応じて適切な人物に応対を行わせることができる。
【0046】
また、特定された応対優先者が在宅か否かを判定する在宅判定部64を備え、通知部65は、在宅している応対優先者がいる場合に、在宅の応対優先者に対して訪問者の応対を促す旨のガイダンスを行う。これにより、在宅の応対優先者に応対を促すことが可能となる。これにより、応対優先者でない人物が応対することを回避でき、防犯性を向上させることができる。
【0047】
また、全ての応対優先者が不在の場合には、予め登録されている応対優先者の通知先に来訪通知を送信するので、応対優先者は、外出先でも来訪を知ることができる。また、この際、応対優先者の携帯端末とドアホン子機とをネットワークを介して接続することにより、対応優先者と訪問者との通話が可能な構成としてもよい。このような構成とすることで、応対優先者は外出先においても訪問者と連絡を取ることが可能となる。
【0048】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記実施形態で説明した処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0049】
例えば、上述した実施形態では、応対支援装置10を独立した装置として設けていたが、この例に限定されない。例えば、ドアホン親機30に応対支援装置10が備える全ての機能又は一部の機能を搭載することとしてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 :応対支援システム
5 :ネットワーク
10 :応対支援装置
11 :CPU
12 :主記憶装置
13 :二次記憶装置
14 :外部インターフェース
15 :通信インターフェース
20 :ドアホン子機
21 :戸外カメラ
22 :入力部
23 :スピーカ
24 :マイク
30 :ドアホン親機
31 :ディスプレイ
32 :入力部
33 :スピーカ
34 :マイク
35 :ドアホン制御部
40 :室内カメラ
50 :玄関先カメラ
60 :記憶部
61 :訪問者識別部
62 :応対者情報取得部
63 :特定部
64 :在宅判定部
65 :通知部
66 :履歴情報更新部