(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】圧着シート製造方法
(51)【国際特許分類】
B32B 7/06 20190101AFI20240917BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20240917BHJP
C09J 123/06 20060101ALI20240917BHJP
C09J 5/06 20060101ALI20240917BHJP
B65H 37/04 20060101ALI20240917BHJP
B42D 15/08 20060101ALN20240917BHJP
C09J 7/35 20180101ALN20240917BHJP
G03G 15/00 20060101ALN20240917BHJP
【FI】
B32B7/06
C09J201/00
C09J123/06
C09J5/06
B65H37/04 A
B42D15/08 Z
C09J7/35
G03G15/00 432
(21)【出願番号】P 2022147742
(22)【出願日】2022-09-16
【審査請求日】2023-06-08
(31)【優先権主張番号】P 2021160247
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110870
【氏名又は名称】山口 芳広
(74)【代理人】
【識別番号】100096828
【氏名又は名称】渡辺 敬介
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 俊
(72)【発明者】
【氏名】松田 考平
(72)【発明者】
【氏名】河田 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 拓
(72)【発明者】
【氏名】戸田 純
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 啓
【審査官】高崎 久子
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-034208(JP,A)
【文献】特開平10-226186(JP,A)
【文献】特開2021-102522(JP,A)
【文献】特開2008-030276(JP,A)
【文献】特開2014-101471(JP,A)
【文献】特開2013-166832(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J
B32B
C09D1/00-10/00;101/00-201/00
B42D15/02;15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート同士が剥離可能な状態に圧着されている圧着シートを製造する圧着シート製造方法であって、
粉末接着剤のみからなる接着層を前記シート上に形成する工程、
前記シート上に形成された前記接着層を加熱して前記シートに定着させる定着工程、
前記シート上の前記接着層が形成および定着された領域と、該シートと同一シート上或いは異なるシート上の別の接着層が形成および定着された領域とを対向させて重ね合わせる工程、及び
前記接着層が形成および定着された領域同士が重ね合わされた箇所を加熱下で加圧して 圧着する圧着工程、
を有し、
前記粉末接着剤の主たる構成材料の破壊ひずみが10%以上1000%未満であり、
前記主たる構成材料が、前記粉末接着剤中、80質量%以上含有されるものであって、熱可塑性樹脂である、
ことを特徴とする圧着シート製造方法。
【請求項2】
前記粉末接着剤の主たる構成材料が、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、またはエチレン-アクリル酸共重合樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の圧着シート製造方法。
【請求項3】
前記粉末接着剤の主たる構成材料が、低密度ポリエチレンである請求項1または2に記載の圧着シート製造方法。
【請求項4】
前記粉末接着剤の主たる構成材料の弾性率が1.0GPa以下である請求項1または2に記載の圧着シート製造方法。
【請求項5】
前記主たる構成材料が、前記粉末接着剤中、100質量%含有される請求項1または2に記載の圧着シート製造方法。
【請求項6】
接着層をシート上に形成する前記工程が、感光ドラム上の静電潜像を前記粉末接着剤で現像し、現像により形成された粉末像を前記シート上に転写する工程である請求項1または2に記載の圧着シート製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧着はがきなどの圧着シート製造方法、圧着シート製造装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、給与明細書等の内容に秘匿性があり密封が必要な書類を作成する場合は、プレプリント紙を事前に用意した上で、バリアブルデータを個々のプレプリント紙に印刷し、さらに、後処理として密封処理が行われていた。この方式では、罫線等の書式フォーマットの印刷及び接着剤の塗布を必要とするプレプリント紙の作成に時間が掛かる上、必要数量の少ない用途では高コスト、非効率であった。
特許文献1、2では、シート状の袋材に、印刷用トナーと接着機能を有する樹脂粉末(粉末接着剤)を使用して、電子写真プロセスを実行することにより、プレプリント紙を用意する工程を省略しながら袋状の成果物を出力する袋作成装置が提案されている。これらの袋作成装置では、印刷用トナー及び樹脂粉末をシートに転写し、その後シートに熱定着した後、シートを折り畳み、さらにシートを加熱しながら加圧することで圧着処理を行って、袋状の成果物を作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-36957号公報
【文献】特開2008-162029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記袋作成装置において、作成した圧着はがきを剥がす際、接着力が強すぎると紙が破れたり、接着力が不安定だと滑らかに剥がれないことがあった。従来の流通している圧着はがきでは、滑らかに且つ、適度な力で剥がれており、上記袋作成装置で再生した圧着はがきでは、そのような剥がし易さが再現できているとは言えない。また、圧着はがきに折り曲げなどの変形が起きた際に、圧着処理後の接着力が低下する場合があった。
圧着はがきのような圧着処理した成果物に折り曲げなど変形が掛かることで、シート間の接着力が低下してしまうと、ユーザーが意図せずに、成果物が開いてしまうことになる。
特許文献1及び2には、成果物の変形が掛かった際の接着力低下への対策や、剥がし易さ剥がす感触について、記載はない。
そこで本発明は、圧着処理により作成した成果物が、滑らかに、且つ、適度な力で剥がれるようにし、且つ成果物の変形による接着力の低下を抑制できる圧着シート製造方法、圧着シート製造装置及び画像形成装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、シート同士が剥離可能な状態に圧着されている圧着シートを製造する圧着シート製造方法であって、
粉末接着剤のみからなる接着層を前記シート上に形成する工程、
前記シート上に形成された前記接着層を加熱して前記シートに定着させる定着工程、
前記シート上の前記接着層が形成および定着された領域と、該シートと同一シート上或いは異なるシート上の別の接着層が形成および定着された領域とを対向させて重ね合わせる工程、及び
前記接着層が形成および定着された領域同士が重ね合わされた箇所を加熱下で加圧して 圧着する圧着工程、
を有し、
前記粉末接着剤の主たる構成材料の破壊ひずみが10%以上1000%未満であり、
前記主たる構成材料が、前記粉末接着剤中、80質量%以上含有されるものであって、熱可塑性樹脂である、
ことを特徴とする圧着シート製造方法に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、粉末接着剤の主たる構成材料の破壊ひずみを10%以上1000%未満にすることで、圧着処理により作成した成果物が、滑らかに、且つ、適度な力で剥がれるようにし、加えて、成果物の変形に起因する接着力低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に好適な画像形成装置の概略図である。
【
図2】画像形成装置の装置本体に対する圧着ユニットの装着を説明するための図である。
【
図3】シートに転写されるトナー像の状態を説明するための模式図である。
【
図4】画像形成装置におけるシートの搬送経路を表す図(A、B)である。
【
図5】折り工程の内容を説明するための図(A~F)である。
【
図7】画像形成装置が出力する成果物を例示する図(A、B)である。
【
図10】引張試験方法を説明する図(A~C)である。
【
図11】引張試験で得られる応力ひずみ曲線グラフの例である。
【
図12】従来の圧着はがきの接着力評価結果である。
【
図13】実施例1における試料Aの接着力評価結果である。
【
図14】実施例1における試料A及び試料Bの剥離部の説明図である。
【
図15】実施例1における試料Bの接着力評価結果である。
【
図17】実施例2における試料Aの変形試験前後の接着力評価結果である。
【
図18】実施例2における試料Bの変形試験前後の接着力評価結果である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の説明で一度説明した部材についての材質、形状などは、特に改めて記載しない限り、後の説明においても初めの説明と同様のものである。
【0009】
<全体の装置構成>
シート同士が剥離可能な状態に圧着されている圧着シートを製造する、本発明の圧着シート製造方法及びその製造装置が基本とする工程(もしくは手段)は、
(i)粉末接着剤を含む接着層を前記シート上に形成する工程、
(ii)前記シート上に形成された前記接着層を加熱して前記シートに定着させる定着工程、
(iii)前記接着層が定着されたシート上の前記接着層が形成された領域と、同一シート上或いは異なるシート上の接着層が定着された領域とを重ね合わせる工程、及び
(iv)前記領域同士が重ね合わされたシートを加熱下で加圧して圧着する圧着工程
である。
【0010】
また、シート同士が剥離可能な状態に圧着されている圧着シートを製造する、本発明の画像形成装置が基本とする手段は、
(I)印刷用トナーを用いて前記シート上にトナー像を形成する手段、
(II)粉末接着剤を含む接着層を前記シート上に形成する手段、
(III)前記シート上に形成された前記トナー像及び前記接着層を加熱して前記シートに定着させる定着手段、
(IV)前記トナー像及び前記接着層が定着されたシート上の前記トナー像及び前記接着層が形成された領域と、同一シート上或いは異なるシート上のトナー像及び接着層が定着された領域とを重ね合わせる手段、及び
(V)前記領域同士が重ね合わされたシートを加熱下で加圧して圧着する圧着手段、
である。
【0011】
ここで、工程(iii)と手段(IV)において、重ね合わせが“異なるシート”同士の場合は折りは必ずしも伴わず、主に“同一シート”同士に対してのものであるが、上記(iii)の工程と(IV)の手段を便宜的に「折りユニット」もしくは「折り工程」と称する場合がある。
【0012】
最初に、本発明の全体構成について、
図1、
図2、
図6を用いて説明する。これらは、印刷用トナーを用いて前記シート上にトナー像を形成する工程を有する画像形成装置を示している。
【0013】
図1は、画像形成装置本体(以下、装置本体10と記載する)と、装置本体10と接続された後処理ユニット30と、を備えた画像形成装置1の断面構成を表す概略図である。画像形成装置1は、電子写真式の印刷機構を備えた装置本体10と、シート処理装置としての後処理ユニット30とによって構成される電子写真画像形成装置(電子写真システム)である。
【0014】
図6は画像形成装置1の外観を表す斜視図である。後処理ユニット30は、装置本体10の上部に装着されている。画像形成装置1は、下部にシートカセット8を有し、右側面部に開閉可能なトレイ20を有し、上面部に第1排出トレイ13を備えている。
【0015】
まず、装置本体10の内部構成を説明する。
図1に示すように、装置本体10は、記録媒体としてのシートPを収納するシート収納部としてのシートカセット8と、画像形成手段としての画像形成ユニット1eと、定着手段としての第1定着器6と、これらを収容する筐体19と、備えている。装置本体10は、シートカセット8から給送されるシートPに画像形成ユニット1eによってトナー像を形成し、第1定着器6によって定着処理を施した印刷物を作成する印刷機能を有する。
【0016】
シートカセット8は、装置本体10の下部において筐体19に対して引き出し可能に挿入されており、多数枚のシートPを収納している。シートカセット8に収納されたシートPは、給送ローラ等の給送部材でシートカセット8から給送され、分離ローラ対によって1枚ずつ分離された状態で、搬送ローラ8aによって搬送される。また、開いた状態のトレイ20(
図6)にセットされたシートを1枚ずつ給送することも可能である。
【0017】
画像形成ユニット1eは、4つのプロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cと、スキャナユニット2と、転写ユニット3と、を備えたタンデム型の電子写真ユニットである。プロセスカートリッジとは、画像形成プロセスを担う複数の部品を一体的に交換可能にユニット化したものである。装置本体10には、筐体19に支持されるカートリッジ支持部9が設けられており、各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cはカートリッジ支持部9に設けられた装着部9n,9y,9m,9cに着脱可能に装着される。なお、カートリッジ支持部9は、筐体19から引き出し可能なトレイ部材であってもよい。
【0018】
各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cは、4つの粉末収容部104n,104y,104m,104cに収容される粉末の種類を除いて実質的に共通の構成を備えている。即ち、各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cは、像担持体である感光ドラム101、帯電器である帯電ローラ102、粉末を収容する粉末収容部104n,104y,104m,104c、及び粉末を用いて現像を行う現像ローラ105と含む。
【0019】
4つの粉末収容部のうち、図中右側3つの粉末収容部104y,104m,104cには、シートPに可視像を形成するためのトナー(第1の粉末)として、それぞれイエロー、マゼンタ、シアンの印刷用トナーTy,Tm,Tcが収容されている。これに対し、図中最も左側の粉末収容部104nには、印刷後に圧着処理を行うための粉末(第2の粉末)である粉末接着剤Tnが収容されている。粉末収容部104y,104m,104cは、いずれも印刷用トナーを収容する第1収容部の例であり、粉末収容部104nは粉末接着剤を収容する第2収容部の例である。また、プロセスカートリッジ7y,7m,7cは、いずれも印刷用トナーを用いてトナー像を形成する第1プロセスユニットの例であり、プロセスカートリッジ7nは、所定の塗布パターンで粉末接着剤の像を形成する第2プロセスユニットの例である。
【0020】
各現像ローラ105、現像剤供給ローラ106、現像ブレード107、帯電ローラ102、転写ユニット3、転写手段5には、不図示の電圧印加手段により、温湿度センサ16の検知結果や各プロセスカートリッジ7y,7m,7c,7nで保持する不揮発性メモリ110に格納されている寿命情報を加味し、制御部(不図示)で指示された適切な電圧を印加する。
【0021】
本実施例では、テキスト等の黒色の画像を印刷する場合は、イエロー(Ty)、マゼンタ(Tm)、シアン(Tc)のトナーを重畳したプロセスブラックで表現する。ただし、例えば画像形成ユニット1eにブラックの印刷用トナーを用いる5つ目のプロセスカートリッジを追加し、黒色の画像をブラックの印刷用トナーで表現できるようにしてもよい。これに限らず、画像形成装置1の用途に応じて印刷用トナーの種類及び数は変更可能である。
【0022】
スキャナユニット2は、プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cの下方、かつシートカセット8の上方に配置されている。スキャナユニット2は、各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cの感光ドラム101にレーザ光Gを照射して静電潜像を書き込む本実施例の露光手段である。
【0023】
転写ユニット3は、中間転写体(二次的な像担持体)としての転写ベルト3aを備えている。転写ベルト3aは、二次転写内ローラ3b及び張架ローラ3cに巻き回されたベルト部材であり、外周面において各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cの感光ドラム101に対向している。転写ベルト3aの内周側には、各感光ドラム101に対応する位置に一次転写ローラ4が配置されている。また、二次転写内ローラ3bに対向する位置に、転写手段としての二次転写ローラ5が配置されている。二次転写ローラ5と転写ベルト3aとの間の転写ニップ5nは、転写ベルト3aからシートPにトナー像が転写される転写部(二次転写部)である。
【0024】
第1定着器6は、二次転写ローラ5の上方に配置されている。第1定着器6は、定着部材としての加熱ローラ6aと、加圧部材としての加圧ローラ6bとを有する熱定着方式の定着器である。加熱ローラ6aは、ハロゲンランプやセラミックヒータ等の発熱体や誘導加熱方式の発熱機構によって加熱される。加圧ローラ6bは、バネ等の付勢部材によって加熱ローラ6aに押圧されており、加熱ローラ6aと加圧ローラ6bのニップ部(定着ニップ6n)を通過するシートPを加圧するための加圧力を発生させる。
【0025】
筐体19には、装置本体10からシートPを排出するための開口部である排出口12(第1の排出口)が設けられており、排出口12には排出ユニット34が配置されている。本実施例の排出手段である排出ユニット34は、第1排出ローラ34aと、中間ローラ34bと、第2排出ローラ34cと、を有するいわゆる三連ローラを使用している。また、第1定着器6と排出ユニット34との間には、シートPの搬送経路を切り替えるフラップ状のガイドである切替ガイド33が設けられている。切替ガイド33は、軸部33aを中心に先端33bが図中矢印c方向に往復するように回動可能である。
【0026】
装置本体10は、両面印刷を行うための機構を備えている。
【0027】
排出ユニット34には不図示のモータが接続され、中間ローラ34bの回転方向を正転及び逆転可能に構成されている。また、主搬送路1mに対してループ状に接続された搬送路としての両面搬送路1rが設けられている。主搬送路1mを通過する間に第一面に画像形成されたシートPは、時計方向に回動した切替ガイド33によって第1排出ローラ34aと中間ローラ34bとによって挟持搬送される。前記シートPの進行方向後端が切替ガイド33を通過した後、切替ガイド33が反時計方向に回動するとともに中間ローラ34bが逆転し、シートPは両面搬送路1rへと反転搬送される。そして、シートPが表裏を反転した状態で主搬送路1mを再び通過する間に、シートPの第2面に画像が形成される。
【0028】
両面印刷後のシートPは反時計方向に回動した切替ガイド33により、中間ローラ34bと第2排出ローラ34cによって挟持搬送され、装置本体10から排出される。
【0029】
また、装置本体10において搬送ローラ8a、転写ニップ5n及び定着ニップ6nを通る搬送経路は、シートPに対する画像形成が行われる主搬送路1mを構成している。主搬送路1mは、画像形成時の主走査方向(主搬送路1mを搬送されるシートの搬送方向に垂直なシートの幅方向)から見た場合に、画像形成ユニット1eに対して水平方向の一方側を通って下方から上方に延びている。言い換えると、本実施例の装置本体10は、主搬送路1mが略鉛直方向に延びる、いわゆる垂直搬送型(縦パス型)のプリンタである。なお、鉛直方向に見た場合、第1排出トレイ13、中間パス15及びシートカセット8は互いに重なっている。そのため、水平方向に関して排出ユニット34がシートPを排出するときのシートの移動方向は、水平方向に関してシートカセット8からシートPが給送されるときのシートの移動方向とは反対向きとなる。
【0030】
また、
図1の視点(画像形成時の主走査方向に見た場合)において、後処理ユニット30の第2排出トレイ35を除いた本体部分の水平方向の占有範囲は、装置本体10の占有範囲に収まっていると好適である。このように後処理ユニット30を装置本体10の上方の空間に収めることで、圧着印刷機能を備えた画像形成装置1を、通常の縦パス型プリンタと同程度の設置空間に設置することが可能となる。
【0031】
<圧着ユニット>
図2に示すように、圧着ユニットである後処理ユニット30は装置本体10の上部に取り付けられている。後処理ユニット30は、折り手段としての折り器31と、圧着手段(第2の定着手段)としての第2定着器32とが、筐体(第2の筐体)39に収容されて一体化された後処理ユニットである。また、後処理ユニット30は、トレイ切替ガイド13aを回転自在に保持する第1排出トレイ13と、中間パス15と、第2排出トレイ35とが設けられている。第1排出トレイ13は、後処理ユニット30の上面に設けられていると共に、画像形成装置1全体の上面(
図1)に位置している。後処理ユニット30が備える各部の機能は後述する。
【0032】
後処理ユニット30には、筐体39を装置本体10の筐体19(第1の筐体)に対して位置決めするための位置決め部(例えば、筐体19の凹部に係合する凸形状)が設けられている。また、後処理ユニット30には、装置本体10とは別の駆動源及び制御部(不図示)が設けられており、後処理ユニット30のコネクタ(凸形状)36と装置本体10のコネクタ(凹部)37が結合することで装置本体10と電気的に接続される。これにより、後処理ユニット30は、装置本体10を介して供給される電力を用いて、装置本体10に設けられた制御部(不図示)からの指令に基づいて動作する状態となる。
【0033】
<プロセスカートリッジ>
各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cは、先述したように、各4つの粉末収容部104n,104y,104m,104cに収容される粉末の種類を除いて実質的に共通の構成を備えている。ここでは代表してプロセスカートリッジ7nについて説明する。
図8はプロセスカートリッジ7nの概略断面図である。プロセスカートリッジ7nは、感光ドラム101等を備えた感光体ユニットCCと、現像ローラ105等を備えた現像ユニットDTと、から成り立っている。
【0034】
感光体ユニットCCには、不図示の軸受を介して感光ドラム101が回転可能に取り付けられている。感光ドラム101は、φ24mmのアルミシリンダに下引き層、絶縁層、感光層、電荷移送層を塗布することで、表面に静電潜像を形成できるようになっている。また感光ドラム101は、不図示の駆動手段(駆動源)としての駆動モータの駆動力を受けることによって、画像形成動作に応じて図中時計回り方向(矢印w)に200mm/secで回転駆動される。さらに感光体ユニットCCには、感光ドラム101の周囲に感光ドラム101を帯電するための帯電ローラ102、クリーニング部材103が配置されている。
【0035】
現像ユニットDTには、感光ドラム101と接触して図中反時計回り方向(矢印d)に回転する現像剤担持体としての現像ローラ105が設けられている。現像ローラ105は、芯金の周囲にφ12mmの導電性ゴムを配置してある。現像ローラ105と感光ドラム101は、対向部(接触部)において互いの表面が同方向に移動するようにそれぞれ回転する。現像ローラ105の回転速度は感光ドラム101より速く、280mm/secとした。
【0036】
また現像ユニットDTには、図中時計回り方向(矢印e)に320mm/secで回転する現像剤供給部材としての現像剤供給ローラ106(以下、単に「供給ローラ」という。)が配置されている。供給ローラ106は、芯金の周囲にφ13mmの導電性スポンジを配置してある。供給ローラ106と現像ローラ105は、対向部(接触部)において互いの表面が同方向に移動するようにそれぞれ回転する。供給ローラ106は、現像ローラ105上に粉末接着剤(プロセスカートリッジ7y,7m,7cの場合は、印刷用トナー)を供給すると共に、現像ローラ105上に残留した粉末接着剤(プロセスカートリッジ7y,7m,7cの場合は、印刷用トナー)を現像ローラ105上から剥ぎ取る作用をなす。また、現像ユニットDTには、供給ローラ106によって現像ローラ105上に供給された粉末接着剤(プロセスカートリッジ7y,7m,7cの場合は、印刷用トナー)の層厚を規制する現像剤規制部材としての現像ブレード107が配置されている。
【0037】
粉末収容部104nには、粉末として粉末接着剤(プロセスカートリッジ7y,7m,7cの場合は、印刷用トナー)が収納されている。また粉末収容部104n内には、回転自在に支持された搬送部材撹拌部材108が設けられている。撹拌部材108は、図中時計回り方向(矢印f)に回転して粉末収容部104n内に収納された粉末を撹拌すると共に、上記現像ローラ105や供給ローラ106が設けられた現像室109へと粉末を搬送する。
【0038】
ここで、感光体ユニットCC、現像ユニットDTをそれぞれ別体として、感光体ユニットカートリッジ、現像ユニットカートリッジとし、画像形成装置本体に着脱可能に構成することも可能である。また粉末収容部104及び搬送部材108だけを有し、装置本体に着脱可能な粉末カートリッジとして構成することも可能である。また、プロセスカートリッジ7nのみを装着し、駆動することで粉末接着剤Tnのみを用いた成果物を作成してもよい。
【0039】
<画像形成の動作>
次に、本実施例の画像形成装置1が行う画像形成動作について、
図1~
図8を用いて説明する。
図3は、シートPに転写されるトナー像の状態を説明するための模式図である。
図4Aおよび4Bは、画像形成装置1におけるシートの搬送経路を表す図である。
図5A-5Fは、折り工程の内容を説明するための図である。
図7Aおよび7Bは、画像形成装置1が出力する成果物を例示する図である。
【0040】
画像形成装置1に対して印刷すべき画像のデータ及び印刷の実行指令が入力されると、画像形成装置1の制御部(不図示)はシートPを搬送して画像を形成し、必要に応じて後処理ユニット30による後処理を施す一連の動作(画像形成動作)を開始する。画像形成動作では、まず、
図1に示すように、シートPがシートカセット8から1枚ずつ給送され、搬送ローラ8aを介して転写ニップ5nへ向けて搬送される。
【0041】
シートPの給送に並行して、プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cが順次駆動され、感光ドラム101が図中時計回り方向(矢印w)に回転駆動される。このとき感光ドラム101は、帯電ローラ102によって表面に一様な電荷を付与される。また、スキャナユニット2が、画像データに基づいて変調したレーザ光Gを各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cの感光ドラム101に照射して、感光ドラム101の表面に静電潜像を形成する。次に、各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cの現像ローラ105に担持された粉末によって、感光ドラム101上の静電潜像が粉末像として現像される。
【0042】
なお、粉末接着剤Tnによって現像されることで感光ドラム101上に形成される粉末接着剤層は、視覚情報の伝達を目的としない点で、図形やテキスト等の画像をシートPに記録するための印刷用トナーのトナー像(通常のトナー像)とは異なっている。しかしながら、以下の説明では、シートPに所定の塗布パターンで粉末接着剤Tnを塗布するために、電子写真プロセスによって塗布パターンに応じた形状で現像された粉末接着剤Tnの層も「トナー像」の1つとして扱う。
【0043】
転写ベルト3aは、図中反時計回り方向(矢印v)に回転する。各プロセスカートリッジ7n,7y,7m,7cにおいて形成されるトナー像は、感光ドラム101と一次転写ローラ4との間に形成される電界によって、感光ドラム101から転写ベルト3aに一次転写される。
【0044】
ここで、
図1に示すように、転写ベルト3aの回転方向において、粉末接着剤Tnを用いるプロセスカートリッジ7nが4つのプロセスカートリッジの中で最も上流に位置する。また、プロセスカートリッジ7nから転写ベルト3aの回転方向下流側に向かって、イエロー、マゼンタ、シアンのプロセスカートリッジ7y,7m,7cが順に並んでいる。従って、
図3に示すように、4種類のトナー像が転写ベルト3a上で重なると、粉末接着剤Tnが最下層(転写ベルト3aに接触する層)となり、その上にイエロー(Ty)、マゼンタ(Tm)、シアン(Tc)の印刷用トナーが順に重なった状態となる。
【0045】
転写ベルト3aに担持されて転写ニップ5nに到達したトナー像は、二次転写ローラ5と二次転写内ローラ3bとの間に形成される電界によって、主搬送路1mを搬送されてきたシートPに二次転写される。その際、トナー層の上下は反転する。即ち、転写ニップ5nを通過したシートPには、最下層(シートPに接触する層)からシアン(Tc)、マゼンタ(Tm)、イエロー(Ty)の印刷用トナーが重なり、さらにその上に粉末接着剤Tnの層が形成される。従って、シートPに転写されたトナー像において、粉末接着剤Tnの層が最表面となる。
【0046】
その後、シートPは、第1定着器6に搬送されて熱定着処理を受ける。即ち、シートPが定着ニップ6nを通過する際にシートP上のトナー像が加熱及び加圧されることで印刷用トナーTy,Tm,Tc及び粉末接着剤Tnが溶融し、その後固着することで、シートPに定着した画像が得られる。
【0047】
片面印刷・両面印刷に依らず、装置本体10より排出されるシートPは、
図4Aおよび4Bに示すように、中間ローラ34bと第2排出ローラ34cにより挟持され、トレイ切替ガイド13aにより第1経路R1もしくは第2経路R2へと搬送される。
【0048】
図4Aに示す第1経路R1は、後処理ユニット30を使わない通常印刷のモードにおいて、第1定着器6を通過したシートPが排出ユニット34によって第1排出トレイ13に排出される経路である。
図4Bに示す第2経路R2は、圧着印刷のモードにおいて、第1定着器6を通過したシートPが排出ユニット34、折り器31及び第2定着器32を介して第2排出トレイ35に排出される経路である。
【0049】
第2経路R2における第1定着器6と折り器31との間には、中間パス15が設けられている。中間パス15は、画像形成装置1の上面部(天面部)を通るシート搬送路であり、第1排出トレイ13の下側で第1排出トレイ13と略平行に延びている。なお、中間パス15及び第1排出トレイ13は、水平方向に関して折り器31に向かって鉛直方向の上方に傾斜している。従って、折り器31の入口(下記のガイドローラ対(31c,31d)は、装置本体10の出口(中間ローラ34bと第2排出ローラ34cのニップ)よりも鉛直方向で上方に位置する。
【0050】
折り器31は、第1ガイドローラ31c、第2ガイドローラ31d、第1折りローラ31a及び第2折りローラ31bの4本のローラと、引き込み部31eと、を有している。第1ガイドローラ31c及び第2ガイドローラ31dは、折り器31の上流側の搬送パス(本実施例では中間パス15)から受け取ったシートPを挟持して搬送するガイドローラ対である。第1折りローラ31a及び第2折りローラ31bは、シートPを折り曲げながら送り出す折りローラ対である。
【0051】
なお、第2経路R2に沿ったシートの搬送方向における第2排出ローラ34cから第1ガイドローラ31cまでの間隔M(
図1)は、折り処理前のシートPの搬送方向の全長L(
図5A)よりも短くなるように構成されている。言い換えると、第2排出ローラ34cから第1ガイドローラ31cまでの間隔Mにより、後処理ユニット30によって処理可能なシートの搬送方向の長さの下限が定まる。この構成により、排出ユニット34からガイドローラ対に滞りなくシートPが受け渡される。
【0052】
図5A-5Fに沿って折り器31による折り処理を説明する。折り処理を実行する場合、第1ガイドローラ31c及び第1折りローラ31aは図中時計回り方向に、第2ガイドローラ31d及び第2折りローラ31bは図中反時計回りに回転する。まず、排出ユニット34から送り出されたシートPの先端qが、
図5Aに示すようにガイドローラ対(31c,31d)に引き込まれる。シートPの先端qは、
図5Bに示すように、ガイド壁31fにより下向きに案内されて第1折りローラ31aに接触し、互いに対向している第1折りローラ31aと第2ガイドローラ31dに引き込まれて引き込み部31eの壁31gに当接する。
【0053】
ガイドローラ対(31c,31d)によるシートPの引き込みに連れて、先端qは壁31gに摺接しながら引き込み部31eの奥へと進む。やがて、先端qは
図5Cに示すように引き込み部31eの端部31hに突き当たる。なお、引き込み部31eは、中間パス15の下方側で中間パス15と略平行に延びた空間を形成しており、
図5Cの段階で、シートPは第2ガイドローラ31dに巻き付いてU字型に曲がった状態となる。
【0054】
図5Cの状態からガイドローラ対(31c,31d)によってさらにシートPが引き込まれると、
図5Dに示すように中腹部rでたわみが生じはじめる。やがて
図5Eに示すように、中腹部rが第2折りローラ31bに接することで、第2折りローラ31bから受ける摩擦力により折りローラ対(31a,31b)のニップ部に引き込まれる。そして、
図5Fに示すように、中腹部rを折り目として折り畳まれた状態で、折りローラ対(31a,31b)によって中腹部rを先頭にシートPが排出される。
【0055】
ここで、引き込み部31eの深さN(
図5E)、即ち折りローラ対(31a,31b)のニップ部から引き込み部31eの端部31hまでの距離は、シートPの全長Lの半分の長さに設定している。これにより、折り器31は、シートPを半分の長さで二つ折りにする処理(中折り)を実行可能である。なお、引き込み部31eの深さNを変えることで、折り目の位置を任意に変えることができる。
【0056】
以上説明した折り器31は折り手段の一例であり、例えばシートPにブレードを押し当ててローラ対のニップ部に押し込むことで折り目を形成する折り機構を用いてもよい。また、折り処理の内容は二つ折りに限らず、例えばZ折りや三つ折りを実行する折り機構を用いてもよい。なお、本実施例の折り器31は、回転するローラと固定された引き込み部31eで構成されるため、往復運動をするブレードを用いる折り機構に比べて駆動機構の簡素化が可能である。また、本実施例の折り器31は、4本のローラ以外に、シート長さの半分の深さNを有する引き込み部31eを設ければよいため、後処理ユニット30の小型化が可能である。
【0057】
折り器31を通過したシートPは、
図4Bに示すように第2定着器32に搬送される。第2定着器32は、第1定着器6と同様に熱定着方式の構成を有する。即ち、第2定着器32は、加熱部材としての加熱ローラ32bと、加圧部材としての加圧ローラ32aとを有する。加熱ローラ32bは、ハロゲンランプやセラミックヒータ等の発熱体や誘導加熱方式の発熱機構によって加熱される。加圧ローラ32aは、バネ等の付勢部材によって加熱ローラ32aに押圧されており、加熱ローラ32bと、加圧ローラ32aのニップ部(圧着ニップ)を通過するシートPを加圧するための加圧力を発生させる。
【0058】
折り器31で折り畳まれたシートPは、第2定着器32によって圧着処理(粉末接着剤Tnが塗布された画像面に対する2回目の熱定着)を受けることで、折り畳まれた状態のまま圧着される。即ち、シートPが圧着ニップを通過する際にシートP上の粉末接着剤Tnが加熱されて再溶融した状態で加圧されることで、対向面(折り畳まれた状態で、粉末接着剤Tnのトナー像が転写されたシートPの画像面に対向する面)に付着する。そして、粉末接着剤Tnが冷えて固まることで、粉末接着剤Tnを接着剤としてシートPの画像面と対向面が結合(接着)される。
【0059】
第2定着器32による圧着処理を受けたシートPは、
図4Bに示すように、後処理ユニット30の筐体39に設けられた排出口32c(第2の排出口)から図中左側に排出される。そして、装置本体10の左側面に設けられた第2排出トレイ35(
図1参照)に収納される。以上で、シートPが第2経路R2を搬送される場合の画像形成の動作が終了する。
【0060】
なお、シートPに対する粉末接着剤Tnの塗布パターンによって、折り畳まれたシートPの結合箇所を変えることが可能となる。
図7Aおよび7Bは、粉末接着剤Tnの塗布パターンが異なる成果物(画像形成装置の成果物)を例示している。
図7Aおよび7Bは、受け取った人が開封する用途の成果物(半接着の成果物)の例である。
図7Aの圧着ハガキ51の場合、シートPの片面の全面51aに粉末接着剤Tnが塗布され、中央の折り目51bで折り畳まれた状態で圧着される。
図7Bの給与明細書52の場合、シートPの片面の外周部の全周52aに粉末接着剤Tnが塗布され、中央の折り目52bで折り畳まれた状態で圧着される。
【0061】
また、本実施例の画像形成装置1は、
図7Aおよび7Bに例示したいずれの成果物についても、プレプリント紙を用意することなくワンストップで出力することが可能である。即ち、印刷用トナーを用いてシートPの片面又は両面に画像を記録する動作に並行して、所定の塗布パターンで粉末接着剤Tnを塗布し、折り処理及び圧着処理を施した状態の成果物を出力することが可能である。例えば、
図7Aおよび7Bの成果物を出力する場合、原紙として用いるシートPの一方の面が成果物の外側となり、他方の面が成果物の内側となる。そこで、両面印刷における第1面の画像形成動作として、印刷用トナーで外側面用の画像を形成し、第2面の画像形成動作として、印刷用トナーで内側面用の画像を形成すると共に所定の塗布パターンで粉末接着剤Tnを塗布すればよい。
【0062】
画像形成装置1が印刷用トナーを用いて記録する画像には、プレプリント紙を用いる場合のフォーマット(不変部分)と、個人情報等の可変部分とを含めることができる。従って、上記のように本実施例ではプレプリント紙ではない白紙等の原紙から、圧着処理によって圧着された成果物を出力することができる。ただし、プレプリント紙を記録媒体として使用し、可変部分の印刷処理と圧着処理を行う用途で本実施例の画像形成装置1を使用することもできる。
【0063】
<印刷用トナー>
本発明において画像形成には従来公知の印刷用トナーを用いることが出来る。その中でも、熱可塑性樹脂を結着樹脂として用いた印刷用トナーが好ましい。該熱可塑性樹脂に用いることのできる樹脂としては特に限定されることはなく、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂などの従来印刷用トナーに用いられる樹脂を使用することが出来る。これらの樹脂を複数含有しても良い。その中でも、スチレンアクリル系樹脂を用いた印刷用トナーがより好ましい。該印刷用トナーは、着色剤、磁性体、荷電制御剤、ワックス、外部添加剤を含有しても良い。
【0064】
<粉末接着剤>
本発明には、熱可塑性樹脂を主たる構成材料として含有する粉末接着剤Tnを用いる。本発明の特徴である粉末接着剤Tnの主たる構成材料の破壊ひずみ(破断ひずみ)は10%以上1000%未満であり、15%以上600%以下が好ましい。尚、“主たる構成材料”とは、50質量%より多く含有される成分であり、その含有量が60質量%以上であることが好ましく、更には70質量%以上、特には80質量%以上であることが好ましい。
【0065】
破壊ひずみ(破断ひずみ)について、
図9を用いて説明する。
図9は材料片Mをひっぱった際のひずみと応力のグラフと材料片Mの状態を図示したものである。
【0066】
シート状の材料片Mを作成するためには、材料の粉体あるいはペレットを、50μmのスペーサを設けたホットプレスで加熱、加圧することで作成した。破壊ひずみを測定する際には、材料片の両端をチャックで支持し、不図示の(株)エー・アンド・デイ社製RTG-1225テンシロン万能試験機で引っ張り速度50mm/minで引っ張り試験を行い、応力-ひずみ曲線を得る。シート状の材料片Mをひっぱり続けると、応力が上がり、最終的には破断する。材料片Mを引っ張った際、初期の長さから破断したときに歪量との比率が破壊ひずみと定義される。算出方法としては、
破断ひずみ(%)=(破断時の長さL1-初期長さL0)/(初期長さL0)×100
となる。例えば、破壊歪が10%だった場合、初期長さ10cmのとき、破断したときの長さは11cmとなる。また、破壊ひずみが1000%だった場合、初期長さ10cmのとき、破断したときの長さは110cmとなる。つまり、破壊ひずみが大きいほど、伸びやすい材料と言える。
【0067】
粉末接着剤の主たる構成材料は、通常、熱可塑性樹脂である。該熱可塑性樹脂に用いることのできる樹脂としては特に限定されることはなく、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン-アクリル酸共重合樹脂などの公知の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの樹脂から選択される1種でも良いし、複数含有しても良い。
【0068】
また、本発明の粉末接着剤の主たる構成材料の弾性率は1.0GPa以下(1000MPa以下)が望ましい。
【0069】
弾性率は、変形に対しての力に影響するため、接着後の剥がす際の力に影響する。弾性率が高いと剥がす力が多く必要となり、シートが破壊するリスクがある。そのため、破壊ひずみが高く、弾性率が低いものが望ましく、例えば低密度ポリエチレンやポリ塩化ビニルが挙げられる。
【0070】
電子写真方式を利用して記録材上に粉末接着剤Tnによる接着部を形成するためには、該粉末接着剤Tnの重量平均粒子径は、5.0μm以上30μm以下であることが好ましく、6.0μm以上20μm以下であることがより好ましい。
【0071】
(重量平均粒子径の測定方法)
印刷用トナー及び粉末接着剤の重量平均粒子径は、以下のようにして算出する。
【0072】
測定装置としては、アパーチャー径100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標商品名、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
【0073】
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解させて濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
【0074】
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
【0075】
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
【0076】
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
【0077】
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに電解水溶液200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに電解水溶液30mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、及び有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2mL添加する。
(4)前述(2)のビーカーを前述超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調製する。
(5)前述(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナーまたは粉末接着剤Tnを、添加量が10mgになるよう少量ずつ電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前述(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーまたは粉末接着剤Tnを分散させた前述(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒子径を算出する。
【0078】
(粉末接着剤による接着力測定)
本発明において、前記粉末接着剤を圧着手段32で圧着して、例えば圧着シートとして圧着はがきの成果物を得る時の接着部の強度、即ち接着力は以下のように測定する。
【0079】
図10Aは接着力測定に用いるサンプルの接着前の仕様、
図10Bは接着サンプルの完成図、
図10Cは接着力の測定方法を示した図である。
図10Aに示すように、シートPとしては、キヤノンマーケティングジャパン株式会社が販売するGF-C081を使用する。紙送り方向先端側2cmの位置から4cm幅で粉末接着剤Tnを印字し、斜線で示す圧着領域S1を形成する。次に紙送り方向後端側2cmの位置から4cm幅で粉末接着剤Tnを印字し、斜線で示す圧着領域S2を形成する。これを折り手段31で折り合わせ、圧着手段32で圧着する。この圧着された領域を接着層T1とする。そして、
図10Bに示すように、幅3cmかつ、全長が張り合わせた紙送り方向先端側から14cmになるように切りそろえてサンプルとする。
【0080】
図10Cに示すように、サンプルは、長い非接着部の紙端Qをチャックで支持する。不図示の(株)エー・アンド・デイ社製RTG-1225テンシロン万能試験機で引っ張り速度50mm/minで引っ張り試験を行い、応力-ひずみ曲線を得る。
【0081】
図11は、応力ひずみ曲線である。横軸がチャックの移動量で、縦軸が単位サンプル幅当たりの引っ張り応力である。移動量0mm~上部降伏点までの区間を区間A、それ以降を区間Bとする。区間Aは弾性変形領域であり、圧着領域の剥がれは起きない。よって、引っ張りをやめるとサンプルは元の形状を保持できる。一方、区間Bは塑性変形領域であり、後述する圧着領域の剥がれ、または紙破れが発生する。以降、本提案においては単位幅当たりの引っ張り応力を接着力と定義する。上部降伏点を過ぎて引っ張り続けると、接着部の剥離が進行し始める。
【0082】
〔実施例1〕
本実施例では、本発明の方法により製造された圧着シートPが滑らかに、且つ適度な力で剥がれることを示す。
【0083】
「滑らかに剥がれる」とは、剥がす際の応力変動が少ないことを指す。つまり、接着力が安定していることである。比較対照用として、従来の一般的に流通している圧着はがきの接着力評価結果を
図12に示す。ここで区間Bでの接着力が変動せず安定していることが分かる。このような状態であると、引き剥がす際、滑らかに剥がれ、心地よい感触を得ることができる。
【0084】
印刷用のトナーとして下記構成のトナーを用意した。
【0085】
(本実施例の印刷用トナーの製造例)
次に、印刷用トナーTcの製造方法を例示する。Ty,Tmも着色剤を変更して同様に製造することができる。まず、下記の材料を用意した。なお、「部」は「質量部」である。
・スチレン 60.0部
・着色剤 6.5部
(C.I.Pigment Blue 15:3、大日精化社製)
上記材料をアトライタ(三井三池化工機株式会社製)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、顔料分散液を得た。
【0086】
さらに、次の材料を用意した。
・スチレン 15.0部
・n-ブチルアクリレート 25.0部
・ポリエステル樹脂 4.0部
(重量平均分子量(Mw)20000、ガラス転移温度(Tg)75℃、酸価8.2mgKOH/g)
・ベヘン酸ベヘニル 12.0部
・ジビニルベンゼン 0.5部
上記材料を混合し、顔料分散液に加えた。得られた混合物を60℃に保温し、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、500rpmで撹拌し、均一に溶解、分散し、重合性単量体組成物を調製した。
【0087】
一方、高速撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を備えた容器中に0.10mol/L-Na3PO4水溶液850.0部及び10%塩酸8.0部を添加し、回転数を15000rpmに調整し、70℃に加温した。ここに、1.0mol/L-CaCl2水溶液127.5部を添加し、リン酸カルシウム化合物を含む水系媒体を調製した。
【0088】
水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入後、重合開始剤であるT-ブチルパーオキシピバレート7.0部を添加し、15000回転/分の回転数を維持しつつ10分間造粒した。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌翼に撹拌機を変え、還流しながら70℃で5時間反応させた後、液温85℃とし、さらに2時間反応させた。
【0089】
重合反応終了後、得られたスラリーを冷却し、さらに、スラリーに塩酸を加えpHを1.4にし、1時間撹拌することでリン酸カルシウム塩を溶解させた。その後、スラリーの3倍の水量で洗浄し、ろ過、乾燥の後、分級してトナー粒子を得た。
【0090】
その後、トナー粒子100.0部に対して、外添剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)を用いて疎水化処理されたシリカ微粒子(1次粒子の個数平均粒径:10nm、BET比表面積:170m2/g)2.0部を加えた。そして、シリカ微粒子を加えたトナー粒子を、三井ヘンシェルミキサ(三井三池化工機株式会社製)を用い、3000rpmで15分間混合してトナーを得た。得られた印刷用トナーの重量平均粒子径は、6.5μmであった。
【0091】
一方、粉末接着剤として、破壊ひずみが異なる材料からなる下記の試料A~Eを用意した。各試料は、市販のコーヒーミルで粉砕し、ふるいで分級して中心粒径を5~30μmの範囲に調整した。
図1に示す画像形成装置1の粉末収容部104nに、評価する試料を収容し、粉体収容部104cに、上記の印刷用トナーを収容した。シートPに対して、上記印刷用トナーによる画像形成と、粉末接着剤の塗布とを行い、圧着シートを作成した。作成された圧着シートを2つに折り、表面温度200℃の加熱ローラ32bにより圧着を行った。
図10A-10Cで説明した要領にて接着層の接着力の安定性の評価を行った。本実施例では、粉末接着剤の塗布量を1.0mg/cm
2とした。シートPとしては、キヤノンマーケティングジャパン株式会社が販売するGF-C081を使用した。評価の結果の一覧を表1に示す。
・試料A:トナーに用いられるスチレンアクリル系樹脂(平均粒径約6μm)
・試料B:住友精化株式会社製フローセンUF-20Sの低密度ポリエチレン(平均粒径約20μm)
・試料C:住友精化株式会社製フロービーズLE-1080の低密度ポリエチレン(平均粒径約6μm)
・試料D:住友精化株式会社製フロービーズEA-209のエチレン・アクリル酸共重合体(平均粒径約11μm)
・試料E:住友化学株式会社製エクセレンFX201の低密度ポリエチレン(平均粒径約10μm)
【0092】
ここで、接着力が安定し、剥がす感触が滑らかだったものをOKとした。接着力が安定せず、剥がしたときに感触が滑らかでなかったものをNGとした。
【0093】
【0094】
上記試料のうち試料Aで形成した接着層の接着力測定結果を
図13に示す。区間B以降の接着力変動が起き、安定していないことが分かる。これは、破壊ひずみが低いことに起因する。
図14Aに剥がす際の接着面断面を模擬したものを示す。シートPの片方を上方向に持ち上げるにしたがって、接着層TもシートPに追従した動きをしようとする。このとき剥離部U1では、接着層Tには曲げによる変形応力が掛かる。試料Aは接着層Tの破壊ひずみが小さいため、シートPと同じように追従して変形できず、破壊してしまう。そのため、接着力が不連続に変動する。これにより、剥がす際の感触が従来の圧着はがきとは異なる剥がす感触になる。
【0095】
試料Bで形成した接着層の接着力測定結果を
図15に示す。区間B以降の接着力変動が少なく、安定していることが分かる。これは、破壊ひずみが高いことに起因する。
図14Bに剥がす際の接着面断面を模擬したものを示す。シートPの片方を上方向に持ち上げるにしたがって、接着層Tもシートに追従した動きをする。剥離部U2では、接着層Tに曲げによる変形応力が掛かるが、試料Bを用いた接着層Tは破壊ひずみが大きいため、シートと同じように追従して変形しながら、連続的に剥がれていく。これにより、区間Bのチャック移動量がどの場合でも安定した剥離が実現できている。また、試料C,D、Eを用いた接着層Tも同様の結果だった。つまり、接着層Tの破壊ひずみが高いことにより、剥がす際に剥離部U2の破壊を抑制し、安定した剥離を実現できる。
【0096】
接着層の破壊ひずみが高いことによる、剥がす際の滑らかさを実現できることを説明したが、破壊ひずみが高すぎると、剥がす際に接着層が伸びてシートから剥がすことができないリスクがある。そのため、接着層の材料として粉末接着剤Tnの破壊ひずみが高すぎることは望ましくない。
【0097】
また、剥がす際の適度の力とは、区間Bの平均接着力が0.2N/cm以上1.0N/cm以下が望ましい。接着力が低いと、輸送中などに意図せず剥がれしまい、高いと剥がす際に力が必要になり、シート自体が破れるリスクが上がってしまう。接着層の接着力の制御は、粉末接着剤Tnの塗布量や圧着時の熱量や圧力で適宜調整可能である。
【0098】
接着層の破壊ひずみを10%以上1000%未満にすることで、その圧着層を有する圧着シートが滑らかに剥がれることを実現できる。
【0099】
〔実施例2〕
本実施例は、本発明の方法により製造した圧着シートの、圧着後のシート変形による接着力低下を検証する。
【0100】
図16Aのように圧着処理を行ったシートを作成し、
図16Bおよび16Cのように上下方向に90度折り曲げを10回行った当該シートの接着力を測定した。異なる材料を用いた破壊ひずみの異なる接着層を有する圧着シートを用意し、接着力を評価した結果を表2に示す。接着力の低下が無かったものをOK、低下があったものをNGとした。
【0101】
【0102】
図17は、試料Aを用いて製造した圧着シートでの接着力測定結果であり、実線が折り曲げ前、破線が折り曲げ後である。試料Aを用いた場合では区間Bの接着力に折り曲げ前後で差があり、折り曲げ後で接着力が低下していることが分かる。これは、領域S1およびS2の接着層の破壊ひずみが低いため、折り曲げによる変形があった際に、接着層の破壊が起きたためである。そのため、折り曲げ後に接着力が低下したと考えられる。
【0103】
図18は試料Bを用いて製造した圧着シートでの接着力測定結果であり、実線が折り曲げ前、破線が折り曲げ後である。試料Bでは、折り曲げ前後で区間Bでの接着力に差がほとんどないことが確認できた。これは、領域S1およびS2の接着層の破壊ひずみが高いため、折り曲げによる変形が起きても、接着層の破壊が起きていないためである。そのため、折り曲げ後の接着力の低下がなかったと考えられる。また、試料C、D、Eでも同じ結果であった。
【0104】
以上説明したように、接着層の破壊ひずみが10%以上1000%未満となるようにすることで、圧着処理により作成した圧着シートが、滑らかに、且つ、適度な力で剥がれるようにし、また、圧着シートの変形に起因する接着力低下を抑制することができる。
【符号の説明】
【0105】
1…画像形成装置、1e…画像形成手段(画像形成ユニット)、1m…主搬送路、2…
スキャナユニット、3…転写ユニット、3a…転写ベルト、3b…二次転写内ローラ、3
c…張架ローラ、4…一次転写ローラ、5…転写手段(二次転写ローラ)、5n…転写ニ
ップ、6…定着手段(第1定着器)、6a…加熱ローラ、6b…加圧ローラ、6n…定着
ニップ、7n…第2プロセスユニット(プロセスカートリッジ)、7y,7m,7c…第
1プロセスユニット(プロセスカートリッジ)、8…シートカセット、8a…搬送ローラ
、9…カートリッジ支持部、10…装置本体、12…排出口(第1の排出口)、13…ガ
イド部材(第1排出トレイ)、13…aトレイ切替ガイド、15…中間パス、16…温湿
度センサ、19…第1の筐体、20…開閉可能なトレイ、30…シート処理装置(後処理
ユニット)、31…折り手段(折り器)、31a…第1折りローラ、31b…第2折りロ
ーラ、31c…第1ガイドローラ、31d…第2ガイドローラ、31e…引き込み部、3
1f…ガイド壁、31g…壁、31h…端部、32…圧着手段(第2定着器)、33…切
替ガイド、33a…切替ガイド軸部、33b…切替ガイド先端、34…排出ユニット、3
4a…第1排出ローラ、34b…中間ローラ、34c…第2排出ローラ、35…第2排出
トレイ、36,37…コネクタ、39…第2の筐体、51…圧着ハガキ、51a…シート
の片面の全面、51b,52b,53b…中央の折り目、52a…外周部の全周、53a
…コ字状の領域、101…感光ドラム、102…帯電ローラ、103…クリーニング部材
、104n,104y,104m,104c…粉末収容部、105…現像ローラ、106
…現像剤供給ローラ、107…現像ブレード、108…撹拌部材、109…現像室、11
0…不揮発性メモリ、P…シート、M…材料片、R1…第1経路、R2…第2経路、Tn
…粉末接着剤、Ty,Tm,Tc…印刷用トナー、CC…感光体ユニット、DT…現像ユ
ニット、q…シートPの先端、r…中腹部、L…シートPの全長、M…間隔、N…引き込
み部の深さ