(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】ダイエジェクター、並びにそれを含むダイ供給モジュール及びダイボンディング設備
(51)【国際特許分類】
H01L 21/67 20060101AFI20240917BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20240917BHJP
H01L 21/52 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
H01L21/68 E
H01L21/78 Y
H01L21/78 W
H01L21/78 M
H01L21/52 F
(21)【出願番号】P 2022193376
(22)【出願日】2022-12-02
【審査請求日】2022-12-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0189167
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520236767
【氏名又は名称】サムス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン、ヨン チュン
(72)【発明者】
【氏名】リ、ヒ チョル
(72)【発明者】
【氏名】キム、チェ ヨン
【審査官】湯川 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-264203(JP,A)
【文献】国際公開第2015/037081(WO,A1)
【文献】実開平01-127242(JP,U)
【文献】特開2005-302889(JP,A)
【文献】特開平04-002144(JP,A)
【文献】特開2010-186867(JP,A)
【文献】特開2002-184836(JP,A)
【文献】特開2018-107401(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0213756(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67
H01L 21/301
H01L 21/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイボンディング設備においてダイシングテープからダイを分離させるためのダイエジェクターであって、
一定面積の開口部、及び前記開口部の周辺に形成され、前記ダイシングテープの下面を真空吸着するための真空ホールを有するエジェクターホルダーと、
前記開口部を介して昇降して前記ダイシングテープ上の前記ダイを押し出すように構成されるエジェクターボディと、
前記エジェクターボディを上昇又は下降させる昇降駆動部と、
前記エジェクターボディ及び前記昇降駆動部の内部空間で昇降可能に構成され、前記ダイシングテープに向かって光を照射する照明ユニットと、を含
み、
前記照明ユニットは、前記エジェクターボディ及び前記昇降駆動部の中心部に形成された貫通孔の内部空間に位置して昇降するように構成された昇降軸と、
前記昇降軸の端部に固定結合される昇降ボディと、
前記昇降ボディの上部に結合される発光部と、を含む、ダイエジェクター。
【請求項2】
前記発光部は、紫外線(ultra-violet、UV)光を照射するように構成される、請求項
1に記載のダイエジェクター。
【請求項3】
前記発光部は、LED(light emitting diode)、ハロゲンランプ、又はレーザー光源から構成される、請求項
1に記載のダイエジェクター。
【請求項4】
前記貫通孔の内部空間に設置され、前記ダイシングテープに熱エネルギーを印加する加熱部材をさらに含む、請求項
1に記載のダイエジェクター。
【請求項5】
前記貫通孔の内壁には、前記照明ユニットの光を反射するための高反射物質が塗布される、請求項
1に記載のダイエジェクター。
【請求項6】
ダイボンディング設備において基板に実装するためのダイを供給するダイ供給モジュールであって、
複数のダイが付着したダイシングテープを支持し、前記複数のダイ間の間隔を拡張するためのウェーハエキスパンダーと、
前記ダイシングテープから前記ダイを分離させるダイエジェクターと、を含み、
前記ダイエジェクターは、
一定面積の開口部、及び前記開口部の周辺に形成され、前記ダイシングテープの下面を真空吸着するための真空ホールを有するエジェクターホルダーと、
前記開口部を介して昇降して前記ダイシングテープ上の前記ダイを押し出すように構成されるエジェクターボディと、
前記エジェクターボディを上昇又は下降させる昇降駆動部と、
前記エジェクターボディ及び前記昇降駆動部の内部空間で昇降可能に構成され、前記ダイシングテープに向かって光を照射する照明ユニットと、含
み、
前記照明ユニットは、
前記エジェクターボディ及び前記昇降駆動部の中心部に形成された貫通孔の内部空間に位置して昇降するように構成された昇降軸と、
前記昇降軸の端部に固定結合される昇降ボディと、
前記昇降ボディの上部に結合される発光部と、を含む、ダイ供給モジュール。
【請求項7】
前記発光部は、紫外線(ultra-violet、UV)光を照射するように構成される、請求項
6に記載のダイ供給モジュール。
【請求項8】
前記発光部は、LED(light emitting diode)、ハロゲンランプ、又はレーザー光源から構成される、請求項
6に記載のダイ供給モジュール。
【請求項9】
前記貫通孔の内部空間に設置され、前記ダイシングテープに熱エネルギーを印加する加熱部材をさらに含む、請求項
6に記載のダイ供給モジュール。
【請求項10】
前記貫通孔の内壁には、前記照明ユニットの光を反射するための高反射物質が塗布される、請求項
6に記載のダイ供給モジュール。
【請求項11】
ダイボンディング設備であって、
基板に実装するためのダイを供給するダイ供給モジュールと、
前記ダイ供給モジュールから前記ダイを移送するダイ移送モジュールと、
前記ダイ移送モジュールから前記ダイが装着されるダイステージと、
前記ダイステージから前記ダイをピックアップして前記基板にボンディングするダイボンディングモジュールと、
前記基板を移送してボンディング済みの基板をマガジンへ伝達するボンディングステージと、を含み、
前記ダイ供給モジュールは、
複数のダイが付着したダイシングテープを支持し、前記複数のダイ間の間隔を拡張するためのウェーハエキスパンダーと、
前記ダイシングテープから前記ダイを分離させるダイエジェクターと、を含み、
前記ダイエジェクターは、
一定面積の開口部、及び前記開口部の周辺に形成され、前記ダイシングテープの下面を真空吸着するための真空ホールを有するエジェクターホルダーと、
前記開口部を介して昇降して前記ダイシングテープ上の前記ダイを押し出すように構成されるエジェクターボディと、
前記エジェクターボディを上昇又は下降させる昇降駆動部と、
前記エジェクターボディ及び前記昇降駆動部の内部空間で昇降可能に構成され、前記ダイシングテープに向かって紫外線光を照射する照明ユニットと、を含
み、
前記照明ユニットは、
前記エジェクターボディ及び前記昇降駆動部の中心部に形成された貫通孔の内部空間に位置して昇降するように構成された昇降軸と、
前記昇降軸の端部に固定結合される昇降ボディと、
前記昇降ボディの上部に結合される発光部と、を含む、ダイボンディング設備。
【請求項12】
前記発光部は、LED(light emitting diode)、ハロゲンラン
プ、又はレーザー光源から構成される、請求項
11に記載のダイボンディング設備。
【請求項13】
前記貫通孔の内部空間に設置され、前記ダイシングテープに熱エネルギーを印加する加熱部材をさらに含む、請求項
11に記載のダイボンディング設備。
【請求項14】
前記貫通孔の内壁には、前記照明ユニットの光を反射するための高反射物質が塗布される、請求項
11に記載のダイボンディング設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイエジェクター、並びにそれを含むダイ供給モジュール及びダイボンディング設備に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程は、電気信号を処理することができる半導体製品を製造する工程であって、ウェーハ上に酸化、露光、エッチング、イオン注入、蒸着などの処理過程を介してパターンを形成する処理工程(前工程)と、パターンが形成されたウェーハに対するダイシング、ダイボンディング、配線、モールディング、マーキング、テストなどの過程を介して完成品形態の半導体パッケージを製造するパッケージング工程(後工程)と、を含む。
【0003】
ダイボンディングは、切断(ダイシング)を介してウェーハから個別化されたダイ(Die)を基板(例えば、PCB(Printed Circuit Board))に付着させる工程であって、大きく、ウェーハからダイを分離させる過程と、ダイを基板にボンディングする過程と、を含む。ダイを分離させる過程は、ダイ間の間隔を広げるエクスパンディング過程と、ダイをダイシングテープから分離させるダイエジェクティング過程と、を含む。
【0004】
一方、半導体製造技術の発達によりダイの厚さが薄くなることにより、ダイエジェクティング過程でダイがダイシングテープからスムーズに分離されない場合が発生している。よって、ダイをダイシングテープから効果的に分離させるための技術が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の実施形態は、ダイをダイシングテープから効果的に分離させるためのダイエジェクター、及びそれを含むダイ供給モジュール及びダイボンディング設備を提供しようとする。
【0006】
本発明の解決課題は、上述したものに限定されず、上述していない他の解決課題は、以降の記載から当業者には明確に理解できるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるダイボンディング設備においてダイシングテープからダイを分離させるためのダイエジェクターは、一定面積の開口部、及び前記開口部の周辺に形成され、前記ダイシングテープの下面を真空吸着するための真空ホールを有するエジェクターホルダーと、前記開口部を介して昇降して前記ダイシングテープ上の前記ダイを押し出すように構成されるエジェクターボディと、前記エジェクターボディを上昇又は下降させる昇降駆動部と、前記エジェクターボディ及び前記昇降駆動部の内部空間で昇降可能に構成され、前記ダイシングテープに向かって光を照射する照明ユニットと、を含む。
【0008】
本発明の実施形態によれば、前記照明ユニットは、前記エジェクターボディ及び前記昇降駆動部の中心部に形成された貫通孔の内部空間に配置されることができる。
【0009】
本発明の実施形態によれば、前記照明ユニットは、前記貫通孔の内部空間に位置して昇降するように構成された昇降軸と、前記昇降軸の端部に固定結合される昇降ボディと、前記昇降ボディの上部に結合される発光部と、を含む。
【0010】
本発明の実施形態によれば、前記発光部は、紫外線(ultra-violet、UV)光を照射するように構成されることができる。
【0011】
本発明の実施形態によれば、前記発光部は、LED(light emitting diode)、ハロゲンランプ、又はレーザー光源から構成されることができる。
【0012】
本発明の実施形態によれば、前記貫通孔の内部空間に設置され、前記ダイシングテープに熱エネルギーを印加する加熱部材をさらに含むことができる。
【0013】
本発明の実施形態によれば、前記貫通孔の内壁には、前記照明ユニットの光を反射するための高反射物質が塗布されることができる。
【0014】
本発明によるダイボンディング設備において基板に実装するためのダイを供給するダイ供給モジュールは、複数のダイが付着したダイシングテープを支持し、前記複数のダイ間の間隔を拡張するためのウェーハエキスパンダーと、前記ダイシングテープから前記ダイを分離させるダイエジェクターと、を含む。前記ダイエジェクターは、一定面積の開口部、及び前記開口部の周辺に形成され、前記ダイシングテープの下面を真空吸着するための真空ホールを有するエジェクターホルダーと、前記開口部を介して昇降して前記ダイシングテープ上の前記ダイを押し出すように構成されるエジェクターボディと、前記エジェクターボディを上昇又は下降させる昇降駆動部と、前記エジェクターボディ及び前記昇降駆動部の内部空間で昇降可能に構成され、前記ダイシングテープに向かって光を照射する照明ユニットと、含む。
【0015】
本発明によるダイボンディング設備は、基板に実装するためのダイを供給するダイ供給モジュールと、前記ダイ供給モジュールから前記ダイを移送するダイ移送モジュールと、前記ダイ移送モジュールから前記ダイが装着されるダイステージと、前記ダイステージから前記ダイをピックアップして前記基板にボンディングするダイボンディングモジュールと、前記基板を移送してボンディング済みの基板をマガジンへ伝達するボンディングステージと、を含む。前記ダイ供給モジュールは、複数のダイが付着したダイシングテープを支持し、前記複数のダイ間の間隔を拡張するためのウェーハエキスパンダーと、前記ダイシングテープから前記ダイを分離させるダイエジェクターと、を含む。前記ダイエジェクターは、一定面積の開口部、及び前記開口部の周辺に形成され、前記ダイシングテープの下面を真空吸着するための真空ホールを有するエジェクターホルダーと、前記開口部を介して昇降して前記ダイシングテープ上の前記ダイを押し出すように構成されるエジェクターボディと、前記エジェクターボディを上昇又は下降させる昇降駆動部と、前記エジェクターボディ及び前記昇降駆動部の内部空間で昇降可能に構成され、前記ダイシングテープに向かって紫外線光を照射する照明ユニットと、を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、エジェクターボディ内で昇降可能に構成された照明ユニットが光を照射することにより、ダイとダイシングテープ間の粘着力を弱化させてダイをスムーズに分離することができる。
【0017】
本発明の効果は、上述したものに限定されず、上述していない他の効果は、以降の記載から当業者に明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明が適用できるダイボンディング設備の概略的なレイアウトを示す。
【
図2】本発明が適用できるダイ供給モジュールの概略構造を示す。
【
図3】本発明によるダイエジェクターの断面図である。
【
図4】本発明の実施形態によるダイホルダーを示す。
【
図5】照明ユニットの照射距離による光強度の分布を示す。
【
図6】本発明の実施形態による加熱部材が適用されたダイエジェクターを示す。
【
図7】本発明の実施形態による光反射性物質が貫通孔の内壁に塗布されたダイエジェクターを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施し得るように詳細に説明する。本発明は、種々の異なる形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0020】
本発明を明確に説明するために、説明と関係のない部分は省略し、明細書全体にわたり、同一又は類似の構成要素に対しては同一の参照符号を付す。
【0021】
また、幾つかの実施形態において、同一の構成を有する構成要素については同一の符号を用いて代表的な実施形態でのみ説明し、それ以外の他の実施形態では代表的な実施形態とは異なる構成についてのみ説明する。
【0022】
本明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結(又は結合)」されているとするとき、これは、「直接的に連結(又は結合)」されている場合だけでなく、別の部材を挟んで「間接的に連結(又は結合)」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0023】
他に定義されない限り、技術的又は科学的用語を含めてここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されるのと同じ意味を持っている。一般的に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明確に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0024】
図1は、本発明が適用できるダイボンディング設備1の概略的なレイアウトを示す。ダイボンディング設備1は、ダイシング工程を介してウェーハから個別化されたダイ(Die)を基板(例えば、PCB(Printed Circuit Board))に付着させるダイボンディング工程を行うための設備である。ダイボンディング設備1へ、個別化されたダイで構成されたウェーハWが投入され、マガジンMZ1に積載された基板Sに各ダイがボンディングされた後、ボンディング済みの基板SがマガジンMZ2に積載される。
【0025】
本発明によるダイボンディング設備1は、基板Sに実装するためのダイDを供給するダイ供給モジュール10と、ダイ供給モジュール10からダイDを移送するダイ移送モジュール20と、ダイ移送モジュール20からダイDが装着されるダイステージ30と、ダイステージ30からダイDをピックアップして基板Sにボンディングするダイボンディングモジュール40と、基板Sを移送してボンディング済みの基板SをマガジンMZ2へ伝達するボンディングステージ50と、を含む。
【0026】
図1を参照すると、複数のダイDに個別化されたウェーハWがカセット(図示せず)からダイ供給モジュール10へ移送され、ダイ供給モジュール10によって個別ダイDがウェーハWから分離される。ウェーハWから分離されたダイDは、ダイ移送モジュール20によってダイステージ30へ移送される。ここで、ダイ移送モジュール20は、ガントリ25によって水平方向(y方向)に沿って移動する。
【0027】
上部又は下部に位置したビジョン検査モジュール(図示せず)によってダイステージ30でダイDに対する検査が行われ、ダイボンディングモジュール40によってダイステージ30からダイDがピックアップされた後、ボンディングステージ50に位置した基板Sにボンディングされる。同様に、ダイボンディングモジュール40は、ガントリ35に設置され、水平方向(y方向)に沿って移動可能に構成される。また、精密なボンディング位置を決定するために、上部にビジョンユニット(図示せず)が備えられる。
【0028】
一方、ダイボンディング設備1は、基板Sが収納されたマガジンMZ1がロードされ、マガジンMZ1から基板Sをボンディングステージ50へ提供するマガジンローダー60と、ボンディング済みの基板Sを収納するマガジンMZ2を保管し排出するマガジンアンローダー70と、を含むことができる。マガジンローダー60からボンディングステージ50へ基板Sが供給され、ボンディングステージ50は、ガイドレール45に沿って水平方向(x方向)に移動し、ダイボンディングモジュール40によって基板S上にダイDがボンディングされる。ダイDが全てボンディングされた基板Sは、マガジンMZ2に収納される。
【0029】
以下、ダイ供給モジュール10の詳細構成について
図2を参照して説明する。
【0030】
図2は、本発明が適用できるダイ供給モジュール10の概略構造を示す。ダイ供給モジュール10は、複数のダイDに個別化されたウェーハWからダイDを分離し、分離されたダイDは、ダイ移送モジュール20によってピックアップされる。ウェーハWは、ダイシング工程によって複数のダイDに個別化され、下部にダイシングテープDTが付着した状態でダイ供給モジュール10へ供給される。具体的に示されてはいないが、ダイDの下部にダイアタッチフィルムDAFが付着し、ダイアタッチフィルムDAFを介してダイDを一時的にダイシングテープDTに付着することができる。ここで、ダイシングテープDTの外郭部は、ウェーハリング260によって固定された状態でダイ供給モジュール10へ供給される。ダイ供給モジュール10は、ダイシングテープDTからダイDを分離させてダイ移送モジュール20がダイをピックアップすることを可能にする。
【0031】
ダイ供給モジュール10は、複数のダイDが付着したダイシングテープDTを支持し、複数のダイD間の間隔を拡張するためのウェーハエキスパンダー200と、ダイシングテープDTからダイDを分離させるダイエジェクター100と、を含む。
【0032】
図2に示すように、ウェーハエキスパンダー200は、ダイシングテープDTの外郭部を固定させるウェーハリング260に固定結合されるエキスパンダーリング270と、ダイシングテープDTの下部を支持するベースリング280と、を含むことができる。
【0033】
エキスパンダーリング270は、下部の昇降機構275に結合されて昇降することができる。エキスパンダーリング270が下降すると、ダイシングテープDTが共に伸び、これと同時にダイD間の間隔が広がる。ダイD間の間隔が広がると、ダイエジェクター100によってダイシングテープDTからダイDが分離できる。
【0034】
図3は、本発明によるダイエジェクター100の断面図である。ダイエジェクター100は、個別化されたダイDをダイシングテープDTから分離させてダイ移送モジュール20によってピックアップされるようにする装置である。
【0035】
本発明によるダイエジェクター100は、一定面積の開口部112A、及び前記開口部の周辺に形成され、ダイシングテープDTの下面を真空吸着するための真空孔112Bを有するエジェクターホルダー110と、開口部112Aを介して昇降してダイシングテープDT上のダイDを押し出すように構成されるエジェクターボディ120と、エジェクターボディ120を上昇又は下降させる昇降駆動部130と、エジェクターボディ120及び昇降駆動部130の内部空間で昇降可能に構成され、ダイシングテープDTに向かって光を照射する照明ユニット140と、を含む。また、ダイエジェクター100は、昇降駆動部130を収容する円筒形のエジェクターハウジング150を含み、エジェクターホルダー110は、エジェクターハウジング150に結合できる。
【0036】
エジェクターホルダー110は、エジェクターボディ120を収容するための内部空間を有することができる。エジェクターホルダー110は、エジェクターボディ120が垂直方向に移動することを可能にする貫通孔112A及び真空孔112Bを有する上部パネル112と、上部パネル112から下方に延び、開放された下部を有するホルダーハウジング114と、を含むことができる。
図3では、エジェクターホルダー110が上部パネル112とホルダーハウジング114とに区分されることが示されているが、エジェクターホルダー110は、一体型に構成されてもよい。
【0037】
エジェクターボディ120は、ウェーハWのダイのうち、エジェクターボディ120の上部に位置したダイDを押し上げることにより選択的に分離させる。昇降駆動部130は、エジェクターボディ120に結合されるヘッド132と、ヘッド132へ駆動力を伝達するための駆動軸134と、を含むことができる。具体的に示されてはいないが、駆動軸134は、駆動力を提供する動力提供部(図示せず)に結合されてもよく、動力提供部は、モータやシリンダなどを含んでもよい。
【0038】
ホルダーハウジング114の開放された下部は、エジェクターハウジング150に結合され、昇降駆動部130のヘッド132と駆動軸134は、エジェクターハウジング150の内部で垂直方向に移動することができる。ホルダーハウジング114のエジェクターハウジング150の上部が挿入できる。一例として、
図3に示すように、エジェクターハウジング150の上部外面に、エジェクターハウジング150が挿入される程度を制限するための係止段部が備えられる。また、エジェクターボディ120とヘッド132との間には密封部材172が介在し、ホルダーハウジング114とエジェクターハウジング150との間には密封部材160が介在し得る。
【0039】
ホルダーハウジング114とエジェクターハウジング150は、円筒状又はチューブ状をするが、円形だけでなく、多角形をしてもよい。
【0040】
一方、ホルダーハウジング114の内側面には、エジェクターボディ120の下方への移動を制限するためのストッパー116が備えられる。エジェクターホルダー110内に収容されるエジェクターボディ120は、上部パネル112に備えられた開口部112Aによって水平方向への移動は制限され、垂直方向にのみ移動可能であり、特に上方への移動は上部パネル112によって制限され、下方への移動はストッパー116によって制限される。その結果、エジェクターボディ120は、エジェクターホルダー110内で所定の距離だけ垂直方向にのみ移動が許容され、必要に応じて、エジェクターボディ120とエジェクターホルダー110とは一緒に交替できる。
【0041】
本発明の実施形態によれば、ダイDの形状変化に対応するために、エジェクターボディ120の交替が必要な場合、エジェクターホルダー110とエジェクターボディ120が一緒に交替できる。各ダイDの形状に対応するエジェクターボディ120とエジェクターホルダー110とからなる交替用セットを予め用意し、当該ダイDの形状に応じてエジェクターホルダー110とエジェクターボディ120とが選択できる。
【0042】
図4に示すように、エジェクターホルダー110の上部パネル112は、ダイDのサイズ及び形状に応じて様々に構成でき、必要に応じて容易に交替できる。
図4の(a)、(b)に示すように、互いに異なる大きさの正方形の開口部112Aを有する上部パネル112が提供されてもよく、また、
図4の(c)、(d)に示すように、アスペクト比が互いに異なる長方形の開口部112Aを有する上部パネル112が提供されてもよい。
【0043】
一方、本発明の実施形態によれば、ダイシングテープDTに向かって光を照射する照明ユニット140が、エジェクターボディ120及び昇降駆動部130の内部空間で昇降可能に構成される。ダイシングテープDTの粘着物質は、特定波長の光エネルギーによって粘着力が弱化する特性があるため、照明ユニット140は、ダイシングテープDTに向かって光を照射することにより、ダイシングテープDTとダイDとの粘着力を弱化させる。したがって、ダイDがダイシングテープDTからよりスムーズに分離できる。
【0044】
また、本発明の実施形態によれば、照明ユニット140がエジェクターボディ120及び昇降駆動部130の内部空間で昇降可能に構成されるため、ダイシングテープDTに加わる光の強度を調節することができる。
図5に示すように、照射距離に応じて、特定の位置に加わる光の強度が変わり、物質の特性や工程条件に応じて照明ユニット140の昇降位置を調節することにより、ダイシングテープDTに照射される光の強度を調節することができる。
【0045】
また、照明ユニット140が昇降可能に構成されるため、作業者の立場でより容易に照明ユニット140を交替又は整備することができる。
【0046】
本発明の実施形態によれば、照明ユニット140は、エジェクターボディ120及び昇降駆動部130の中心部に形成された貫通孔122の内部空間に配置できる。
図3に示すように、照明ユニット140は、エジェクターボディ120及び昇降駆動部130の中心部に形成された貫通孔122に配置され、貫通孔122の内部空間に沿って上昇又は下降することができる。上昇及び下降駆動によって照明ユニット140からダイシングテープDTに向かって照射される光の強度が調節できる。
【0047】
本発明の実施形態によれば、照明ユニット140は、貫通孔122の内部空間に位置して昇降するように構成された昇降軸142、昇降軸142の端部に固定結合される昇降ボディ144と、昇降ボディ144の上部に結合される発光部146と、を含むことができる。具体的に示されてはいないが、昇降軸142は、駆動力を提供する動力提供部(図示せず)に結合されてもよく、動力提供部は、モータやシリンダなどを含むことができる。昇降ボディ144は、昇降軸142の端部に形成され、発光部146が設置される空間を提供することができる。
【0048】
発光部146は、光を照射してダイシングテープDTとダイDとの粘着力を弱化させることができる。具体的に示されてはいないが、発光部146は、電線を介して電力の供給を受けることもでき、内蔵されたバッテリーの電力を使用することもできる。また、発光部146による光のオン/オフ又は光強度の調節のための制御装置が備えられてもよい。
【0049】
本発明の実施形態によれば、発光部146は、紫外線(ultra-violet、UV)光を照射するように構成される。紫外線帯域に該当する波長を有する光が照射されたダイシングテープDTの粘着物質が硬化するということが実験的に確認された。よって、本発明の発光部146は、紫外線光を照射してダイシングテープDTの粘着力を弱化させ、ダイDがダイシングテープDTからスムーズに分離され、ダイDの損傷(クラック)を防止することができる。
【0050】
本発明の実施形態によれば、発光部146は、LED(light emitting diode)、ハロゲンランプ、又はレーザー光源から構成できる。
【0051】
本発明の実施形態によれば、貫通孔122の内部空間に設置され、ダイシングテープDTに熱エネルギーを印加する加熱部材170をさらに含むことができる。例えば、
図6に示すように、加熱部材170は、エジェクターボディ120及び昇降駆動部130の中心部に形成された貫通孔122の内部空間にコイル状の熱線で構成できる。加熱部材170は、ダイシングテープDTに熱エネルギーを印加することにより、照明ユニット140の光と共にダイシングテープDTの粘着力を弱化させることができる。
【0052】
本発明の実施形態によれば、貫通孔122の内壁に照明ユニット140からの光を反射するための高反射物質180が塗布できる。例えば、
図7に示すように、エジェクターボディ120及び昇降駆動部130の中心部に形成された貫通孔122の内壁に反射率の高い物質が塗布できる。照明ユニット140からの光がダイシングテープDTにさらに高い比率で伝達できる。
【0053】
一方、上述した照明ユニット140を含むダイエジェクター100が、
図1及び
図2のダイ供給モジュール10及びダイボンディング設備1に適用できる。
【0054】
本発明の実施形態によるダイボンディング設備1は、基板Sに実装するためのダイDを供給するダイ供給モジュール10と、ダイ供給モジュール10からダイDを移送するダイ移送モジュール20と、ダイ移送モジュール20からダイDが装着されるダイステージ30と、ダイステージ30からダイDをピックアップして基板Sにボンディングするダイボンディングモジュール40と、基板Sを移送してボンディング済みの基板Sをマガジンへ伝達するボンディングステージ50と、を含む。
【0055】
ダイ供給モジュール10は、複数のダイDが付着したダイシングテープDTを支持し、複数のダイD間の間隔を拡張するためのウェーハエキスパンダー200と、ダイシングテープDTからダイDを分離させるダイエジェクター100と、を含む。
【0056】
ダイエジェクター100は、一定面積の開口部112A、及び該開口部112Aの周辺に形成され、ダイシングテープDTの下面を真空吸着するための真空孔112Bを有するエジェクターホルダー110と、開口部を介して昇降して、ダイシングテープDT上のダイDを押し出すように構成されるエジェクターボディ120と、エジェクターボディ120を上昇又は下降させる昇降駆動部130と、エジェクターボディ120及び昇降駆動部130の内部空間で昇降可能に構成され、ダイシングテープDTに向かって光を照射する照明ユニット140と、を含む。
【0057】
本発明の実施形態によれば、照明ユニット140は、エジェクターボディ120及び昇降駆動部130の中心部に形成された貫通孔122の内部空間に配置できる。
【0058】
本発明の実施形態によれば、照明ユニット140は、貫通孔122の内部空間に位置して昇降するように構成された昇降軸142と、昇降軸142の端部に固定結合される昇降ボディ144と、昇降ボディ144の上部に結合される発光部146と、を含むことができる。
【0059】
本発明の実施形態によれば、発光部146は紫外線(UV)光を照射するように構成できる。
【0060】
本発明の実施形態によれば、発光部146は、LED、ハロゲンランプ、又はレーザー光源から構成できる。
【0061】
本発明の実施形態によれば、貫通孔122の内部空間に設置され、ダイシングテープDTに熱エネルギーを印加する加熱部材170をさらに含むことができる。
【0062】
本発明の実施形態によれば、貫通孔122の内壁には、照明ユニット140からの光を反射するための高反射物質180が塗布できる。
【0063】
本実施形態及び本明細書に添付された図面は、本発明に含まれる技術的思想の一部を明確に示しているものに過ぎず、本発明の明細書及び図面に含まれている技術的思想の範囲内で当業者が容易に類推することが可能な変形例及び具体的な実施形態はいずれも、本発明の権利範囲に含まれることが自明であるといえる。
【0064】
したがって、本発明の思想は、説明された実施形態に限定されてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等又は等価的な変形がある全てのものは、本発明の思想の範疇に属するというべきである。
【符号の説明】
【0065】
1 ダイボンディング設備
10 ダイ供給モジュール
20 ダイ移送モジュール
30 ダイステージ
40 ダイボンディングモジュール
50 ボンディングステージ
60 マガジンローダー
70 マガジンアンローダー
100 ダイエジェクター
110 エジェクターホルダー
120 エジェクターボディ
130 昇降駆動部
140 照明ユニット
142 昇降軸
144 昇降ボディ
146 発光部
150 エジェクターハウジング
200 ウェーハエキスパンダー
D ダイ
S 基板
W ウェーハ