IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ユニバンスの特許一覧

<>
  • 特許-動力伝達装置 図1
  • 特許-動力伝達装置 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】動力伝達装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 17/12 20060101AFI20240917BHJP
   B60K 17/16 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
B60K17/12
B60K17/16 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2022502657
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(86)【国際出願番号】 JP2020007715
(87)【国際公開番号】W WO2021171418
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-06-24
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000154347
【氏名又は名称】株式会社ユニバンス
(74)【代理人】
【識別番号】110000534
【氏名又は名称】弁理士法人真明センチュリー
(72)【発明者】
【氏名】原 智之
(72)【発明者】
【氏名】平野 幸太郎
【審査官】増岡 亘
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109780144(CN,A)
【文献】特開2003-164014(JP,A)
【文献】特許第6353576(JP,B1)
【文献】特開2003-32814(JP,A)
【文献】特許第5617996(JP,B2)
【文献】国際公開第2019/035042(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 17/12
B60K 17/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1モータのトルクが出力される第1軸と、
第2モータのトルクが出力される、前記第1軸と異なる軸上にあって前記第1軸と平行な第2軸と、
前記第1軸および前記第2軸の少なくとも一方の回転を減速する減速機と、
前記減速機の出力トルクが伝わる差動装置と、
前記第1軸および前記第2軸と前記差動装置との間に介在して前記第1軸および前記第2軸の回転を前記差動装置に伝える中間軸と、を備え、
前記減速機は、前記第1軸の回転を減速して前記差動装置に伝達する第1減速機と、前記第1減速機を前記中間軸に断続する第2クラッチと、を含み、前記第2クラッチは前記中間軸に配置され、
前記中間軸は前記第1軸および前記第2軸と平行であり、
前記差動装置は、前記減速機の出力トルクを振り分ける第1出力軸および第2出力軸を備え、
前記第1軸および前記第2軸は、それぞれ前記第1モータ及び前記第2モータから同じ方向に延び、
前記第1出力軸の中心および前記第2出力軸の中心は、前記第1軸の中心および前記第2軸の中心を含む平面を除く領域に配置され、
前記第1軸の中心および前記第2軸の中心を含む平面に垂直な方向から見た平面視において、前記第1出力軸の中心を延長した直線および前記第2出力軸の中心を延長した直線は、前記第1軸および前記第2軸に交わらずに前記第1軸と前記第2軸との間に位置し、
前記第1軸および前記第2軸が延びる方向から見た平面視において、
前記第1軸の中心と前記第2軸の中心とを結ぶ線分は、前記第1出力軸の中心および前記第2出力軸の中心と前記中間軸の中心とを結ぶ線分と交わり、前記中間軸の中心は、前記第1軸の中心と前記第2軸の中心とを結ぶ線分に含まれていない動力伝達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2つのモータのトルクを伝達する動力伝達装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
2つのモータのトルクを伝達する動力伝達装置において、特許文献1には、第1モータのトルクが出力される第1軸と、第2モータのトルクが出力される、第1軸と平行な第2軸と、第1軸および第2軸の少なくとも一方の回転を減速する減速機と、を備えるものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2019-502060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし上記技術では、減速機の出力トルクを振り分けることができないという問題点がある。また減速機の出力トルクを振り分ける差動装置を配置すると、装置が大型化するおそれがある。
【0005】
本発明はこの問題点を解決するためになされたものであり、装置の大型化を防ぎつつ減速機の出力トルクを振り分けられる動力伝達装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために本発明の動力伝達装置は、第1モータのトルクが出力される第1軸と、第2モータのトルクが出力される、第1軸と平行な第2軸と、第1軸および第2軸の少なくとも一方の回転を減速する減速機と、減速機の出力トルクが伝わる差動装置と、を備える。第1軸および第2軸は、それぞれ第1モータ及び第2モータから同じ方向へ延びる。差動装置は、減速機の出力トルクを振り分ける第1出力軸および第2出力軸を備え、第1出力軸の中心および第2出力軸の中心は、第1軸の中心および第2軸の中心を含む平面を除く領域に配置される。第1軸の中心および第2軸の中心を含む平面に垂直な方向から見た平面視において、第1出力軸の中心を延長した直線および第2出力軸の中心を延長した直線は第1軸および第2軸に交わらずに第1軸と第2軸との間に位置する。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の動力伝達装置によれば、第1モータのトルクが第1軸に出力され、第1軸と平行な第2軸に第2モータのトルクが出力される。減速機は第1軸および第2軸の少なくとも一方の回転を減速する。減速機の出力トルクは差動装置に伝わり、差動装置により減速機の出力トルクが第1出力軸および第2出力軸に振り分けられる。
【0008】
第1軸および第2軸は、それぞれ第1モータ及び第2モータから同じ方向へ延び、第1出力軸の中心および第2出力軸の中心は、第1軸の中心および第2軸の中心を含む平面を除く領域に配置される。これにより第1モータ及び第2モータが隣り合う方向の装置の寸法が過大にならないようにできる。
【0009】
第1軸の中心および第2軸の中心を含む平面に垂直な方向から見た平面視において、第1出力軸の中心を延長した直線および第2出力軸の中心を延長した直線は、第1軸および第2軸に交わらずに第1軸と第2軸との間に位置する。これにより第1軸と第2軸との間の、第1軸の中心および第2軸の中心を含む平面に垂直な方向に有効なスペースを作ることができる。このスペースに、例えば第1出力軸および第2出力軸にそれぞれ接続される等速ジョイントを配置できる。
【0010】
1軸および第2軸と差動装置との間に介在する中間軸は、第1軸および第2軸と平行であり、第1軸および第2軸の回転を差動装置に伝える。第1軸および第2軸が延びる方向から見た平面視において、第1軸の中心と第2軸の中心とを結ぶ線分は、第1出力軸の中心および第2出力軸の中心と中間軸の中心とを結ぶ線分と交わる。これにより該平面視において2つの線分が交わらない場合に比べて、第1軸の中心および第2軸の中心を含む平面に垂直な方向の装置の寸法を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施の形態における動力伝達装置のスケルトン図である。
図2】動力伝達装置の模式的な正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。図1は一実施の形態における動力伝達装置10のスケルトン図である。動力伝達装置10は、第1モータ11及び第2モータ12のトルクが伝わる差動装置40を備えている。差動装置40は、第1モータ11及び第2モータ12のトルクを第1出力軸41及び第2出力軸42に振り分ける。第1モータ11及び第2モータ12は巻線形電動機、かご形電動機などの交流電動機または直流電動機である。本実施形態では、第1モータ11及び第2モータ12は同一のトルク特性を有している。第1モータ11及び第2モータ12は並んで配置されている。
【0013】
第1軸13は第1モータ11の回転軸に結合しており、第1軸13は第1モータ11の回転軸と同軸上に配置されている。第2軸14は第2モータ12の回転軸に結合しており、第2軸14は第2モータ12の回転軸と同軸上に配置されている。第2軸14は第1軸13と平行であり、第2軸14は第1軸13と同じ方向に延びている。中間軸15は、第1軸13及び第2軸14と平行に配置されている。
【0014】
第1減速機20は第1軸13の回転を減速して差動装置40に伝達する機構である。第1減速機20は、第1軸13に結合する第1ギヤ21と、第2クラッチ23の切換によって中間軸15に結合または中間軸15を空転する第2ギヤ22と、を備えている。第2ギヤ22は第1ギヤ21にかみ合う。第1減速機20は、第1ギヤ21と第2ギヤ22とのかみ合いによる減速比に設定される。
【0015】
第2クラッチ23は中間軸15と第2ギヤ22との間に介在する。第2クラッチ23は第2ギヤ22から中間軸15へ正転方向の動力を伝達するワンウェイクラッチである。第2クラッチ23は、第2ギヤ22の正回転を中間軸15に伝達する一方、中間軸15から第2ギヤ22への正回転の伝達を遮断する。
【0016】
第2減速機30は第2軸14の回転を減速して差動装置40に伝達する機構である。第2減速機30は、第2軸14に結合する第3ギヤ31と、中間軸15に結合し第3ギヤ31にかみ合う第4ギヤ32と、を備えている。第2モータ12は、第2減速機30を介して常に差動装置40に動力を伝達できる。第2減速機30は、第3ギヤ31と第4ギヤ32とのかみ合いにより、第1減速機20の減速比よりも小さい減速比に設定される。第1減速機20は低速用伝動経路であり、第2減速機30は高速用伝動経路である。
【0017】
第2ギヤ22と中間軸15との間を切断または接続する第1クラッチ33が、第2ギヤ22と第4ギヤ32との間に配置されている。本実施形態では第1クラッチ33はかみあいクラッチである。制御装置(図示せず)は、アクチュエータを用いてスリーブ34を移動させて第1クラッチ33を断接する。しかし、これに限られるものではなく、第1クラッチ33に摩擦クラッチ等の他のクラッチを採用したりシンクロメッシュを組み込んだりすることは当然可能である。
【0018】
中間軸15に結合する第5ギヤ35は、差動装置40に結合する第6ギヤ36にかみ合う。第5ギヤ35及び第6ギヤ36は、中間軸15のトルクを差動装置40に伝える。第1出力軸41及び第2出力軸42は、互いに反対向きに延びている。差動装置40は第1出力軸41及び第2出力軸42にトルクを配分する。差動装置40の動作を制限する制限装置を設けることは当然可能である。
【0019】
差動装置40の第1出力軸41は、等速ジョイント43を介して軸45に接続されている。差動装置40の第2出力軸42は、等速ジョイント44を介して軸46に接続されている。本実施形態では、軸45,46に駆動輪(図示せず)がそれぞれ配置されている。動力伝達装置10が搭載された車両(図示せず)は、軸45,46に配置された駆動輪以外に複数の車輪(図示せず)が配置されている。
【0020】
動力伝達装置10は、第1クラッチ33を切った状態で第2モータ12は非通電とし、第1モータ11を駆動すると(以下「第1モード」と称す)、第1モータ11のトルクを、第2減速機30よりも減速比の大きい第1減速機20を介して第1出力軸41及び第2出力軸42に出力する。第1モードでは発進時や低速走行時などに大きなトルクを得て、力強い発進および低速走行が可能となる。
【0021】
第1クラッチ33を切った状態で第2モータ12を駆動すると(以下「第2モード」と称す)、動力伝達装置10は、第2モータ12のトルクを、第1減速機20よりも減速比の小さい第2減速機30を介して第1出力軸41及び第2出力軸42に出力する。これにより電費の良い高速走行が可能となる。ワンウェイクラッチからなる第2クラッチ23は、中間軸15から第2ギヤ22への動力の伝達を遮断する。よって第2モードでは、第2モータ12が駆動するときの第1減速機20及び第1モータ11による引き摺り損失を抑制できる。
【0022】
第1クラッチ33を切った状態で第1モータ11及び第2モータ12を駆動すると(以下「第3モード」と称す)、第1モータ11により駆動される第2ギヤ22の回転数が、第2モータ12に駆動される第4ギヤ32(中間軸15)の回転数より大きいときは、ワンウェイクラッチからなる第2クラッチ23がつながる。よって動力伝達装置10は、第1モータ11及び第2モータ12の駆動力を中間軸15に伝える。
【0023】
第3モードのときに、第1モータ11により駆動される第2ギヤ22の回転数が、第2モータ12に駆動される第4ギヤ32(中間軸15)の回転数より小さいときは第2クラッチ23が切れるので、第1モータ11のトルクは中間軸15に伝わらない。中間軸15にワンウェイクラッチからなる第2クラッチ23が配置されているので、第3モードのときに第1モータ11及び第2モータ12が中間軸15を駆動する状態と、第2モータ12が中間軸15を駆動する状態とを、切れ目なく切り換えることができる。
【0024】
第1クラッチ33をつないだ状態で第1モータ11及び第2モータ12を駆動すると(以下「第4モード」と称す)、第1モータ11及び第2モータ12により中間軸15が常に駆動される。よって中間軸15に出力するトルクを大きくできる。特に第1モータ11及び第2モータ12の両方で高速用伝動経路の第2減速機30を駆動できるので、第4モードでは、高速でも十分な駆動トルクを得て加速が可能となる。
【0025】
第2モードにおいて第1モータ11に通電して第1モータ11の回転数を上げておくと、第2ギヤ22の回転数と第4ギヤ32の回転数とを合わせて第1クラッチ33をつなぐときの時間を短縮できる。よって第2モードから第4モードへの切換時間を短縮できる。
【0026】
なお、第1クラッチ33をつないだ状態で第2モータ12を駆動し、第1モータ11を非通電にしても良い。このときは第2モータ12の駆動によって第1モータ11は連れ回るので、この状態から第4モードへスムーズに切り換えられる。このときに第1モータ11に通電しても良い。中間軸15に第2クラッチ23が配置されているので、第1モータ11により駆動される第2ギヤ22の回転数が、第2モータ12に駆動される第4ギヤ32(中間軸15)の回転数より小さいときは、第2クラッチ23が切れて第1モータ11の駆動力は中間軸15に伝わらないからである。
【0027】
図2は動力伝達装置10の模式的な正面図である。図2に示す複数の円は、第1軸13及び第2軸14が延びる方向(図1の矢印P1方向)から見た平面視の状態における、各部材の模式的な外形線である。ギヤの歯の図示は省略されている。第1ギヤ21と第2ギヤ22との重なりは、第1ギヤ21と第2ギヤ22とのかみ合いを示している。第3ギヤ31と第4ギヤ32との重なりは、第3ギヤ31と第4ギヤ32とのかみ合いを示している。第5ギヤ35と第6ギヤ36との重なりは、第5ギヤ35と第6ギヤ36とのかみ合いを示している。その他の円の重なりは、重なる円が示す部材が、矢印P1方向(図2の紙面に垂直な方向)から見たときに手前と奥の関係にあることを示している。
【0028】
図2に示すように、差動装置40の第1出力軸41の中心および第2出力軸42の中心は、第1軸13の中心および第2軸14の中心を含む平面48を除く領域に配置されている。第1軸13の中心および第2軸14の中心を含む平面48は、第1軸13の中心と第2軸14の中心とを結ぶ線分47を含む、図2の左右に延びる直線で表される平面である。これにより差動装置40の第1出力軸41の中心および第2出力軸42の中心が平面48上に配置される場合に比べ、第1モータ11と第2モータ12との間の距離を短くできる。よって第1モータ11及び第2モータ12が隣り合う方向(図2左右方向)の動力伝達装置10の寸法が過大にならないようにできる。
【0029】
平面48に垂直な方向(矢印P2方向)から見た平面視において、第1出力軸41の中心を延長した直線および第2出力軸42の中心を延長した直線は、第1軸13及び第2軸14に交わらずに第1軸13と第2軸14との間に位置する。これにより第1軸13と第2軸14との間の、平面48に垂直な方向にスペースを作ることができる。このスペースに、例えば第1出力軸41及び第2出力軸42のそれぞれに接続される等速ジョイント43,44を配置できる。このように動力伝達装置10の周辺に有効なスペースを作ることができる。
【0030】
図2において第1軸13の中心と第2軸14の中心とを結ぶ線分47は、第1出力軸41の中心および第2出力軸42の中心と中間軸15の中心とを結ぶ線分49と交わる。2つの線分47,49が交わるように第1モータ11、第2モータ12、中間軸15及び差動装置40が配置されているので、図2において2つの線分47,49が交わらないように各部材が配置される場合に比べ、第1軸13及び第2軸14に垂直な方向(図2上下方向)の動力伝達装置10の寸法を小さくできる。特に中間軸15の中心が線分47に含まれていないので、中間軸15の中心が線分47の上にある場合に比べ、第1モータ11及び第2モータ12が隣り合う方向(図2左右方向)の動力伝達装置10の寸法を小さくできる。
【0031】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0032】
実施形態では、第1モータ11及び第2モータ12にトルク特性が同一の電動機を用いる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。トルク特性が異なる電動機を用いることは当然可能である。例えば、低速用のトルク特性を有するモータを第1モータ11とし、高速用のトルク特性を有するモータを第2モータ12とする。
【0033】
実施形態では、第1モータ11及び第2モータ12が接続された動力伝達装置10について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1モータ11及び第2モータ12に加え、車両に別のモータを設けたりエンジンを設けたりすることは当然である。
【0034】
実施形態では中間軸15が配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。中間軸15に加え、別の中間軸を1本以上設け、中間軸にそれぞれ配置したギヤによって、第1減速機20及び第2減速機30の一部を構成する歯車列を作ることは当然可能である。
【0035】
実施形態では、第1減速機20を第1モータ11と別に配置する場合について説明したが、ギヤードモータのように、第1減速機20を一体に第1モータ11に組み付けることは当然可能である。同様に第2減速機30を一体に第2モータ12に組み付けることは当然可能である。
【0036】
実施形態では、歯車列を用いて第1減速機20及び第2減速機30を構成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1減速機20及び第2減速機30に、ベルトや無段変速機(CVT)等を用いた他の減速機を用いることは当然可能である。
【0037】
実施形態では、第1軸13を減速する第1減速機20、及び、第2軸14を減速する第2減速機30の両方を動力伝達装置10に設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1減速機20及び第2減速機30の片方を省略することは当然可能である。
【0038】
実施形態では、第1減速機20を中間軸15に断続する第2クラッチ23がワンウェイクラッチの場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。摩擦クラッチやかみ合いクラッチ等によって第2クラッチ23を構成することは当然可能である。この場合、制御装置(図示せず)は、摩擦クラッチやかみ合いクラッチ等からなる第2クラッチ23の断続を制御する。
【0039】
実施形態では、第1出力軸41及び第2出力軸42にそれぞれ接続された軸45,46に車輪(図示せず)が取り付けられる場合、即ち車体の左右に向かって軸45,46(車軸)が延びる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば車体の前後に向かって軸45,46が延びるように動力伝達装置10を配置することは当然可能である。この場合、車体の前後に向かって延びる軸45,46(プロペラシャフト)をそれぞれ車軸に接続することにより、4輪駆動の車両が得られる。
【0040】
実施形態では、第1軸13の中心および第2軸14の中心を含む平面48の下方に差動装置40の第1出力軸41及び第2出力軸42が配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。平面48の上方に差動装置40の第1出力軸41及び第2出力軸42を配置することは当然可能である。
【0041】
実施形態では、第1軸13の中心および第2軸14の中心を含む平面48が、鉛直線にほぼ垂直となるように動力伝達装置10が配置される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。鉛直線に平面48が斜めに交わるように動力伝達装置10を配置したり、鉛直線を平面48が含むように動力伝達装置10を配置したりすることは当然可能である。
【符号の説明】
【0042】
10 動力伝達装置
11 第1モータ
12 第2モータ
13 第1軸
14 第2軸
15 中間軸
20 第1減速機
30 第2減速機
40 差動装置
41 第1出力軸
42 第2出力軸
47,49 線分
48 平面
図1
図2