(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】高性能で構造的に改質された粒子状炭素吸着剤を利用するドーパント流体保管及び分配システム
(51)【国際特許分類】
F17C 11/00 20060101AFI20240917BHJP
B01J 20/20 20060101ALI20240917BHJP
B01J 20/28 20060101ALI20240917BHJP
B01D 53/04 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
F17C11/00 A
B01J20/20 B
B01J20/28 Z
B01D53/04
(21)【出願番号】P 2022529717
(86)(22)【出願日】2020-11-10
(86)【国際出願番号】 US2020059807
(87)【国際公開番号】W WO2021118735
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-05-20
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】392032409
【氏名又は名称】プラクスエア・テクノロジー・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティーブンソン、ニール、エー.
(72)【発明者】
【氏名】ハイダーマン、ダグラス、シー.
(72)【発明者】
【氏名】シンハ、アシュウィニ、ケイ.
(72)【発明者】
【氏名】マシン、レイチェル、エー.
(72)【発明者】
【氏名】スウィンドルハースト、ギャレット、アール.
(72)【発明者】
【氏名】フーバー、シンシア、エー.
(72)【発明者】
【氏名】ケイン、ウィリアム、エス.
【審査官】中村 泰三
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-047453(JP,A)
【文献】特開2015-005534(JP,A)
【文献】特開2002-190522(JP,A)
【文献】特開平11-082891(JP,A)
【文献】特開2008-196689(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/02-04
B01J 4/00
B01J 20/20、28
C01B 32/30-39
C23C 16/00
F17C 11/00
H01L 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と、前記容器の内部容積内に配置された構造的に改質された粒子状炭素吸着剤と、を含む、炭素吸着剤保管及び分配システムであって、前記構造的に改質された粒子状炭素吸着剤が、合成ポリマー系材料でできており、前記構造的に改質された粒子状炭素吸着剤が、
約0.15mm~約0.2mmの範囲である粒子サイズを有する粒子を更に含み、前記構造的に改質された粒子状炭素吸着剤が、自由流動粒子として前記容器内への充填を可能にして、前記容器の充填容積のcc当たり約800m
2超の多孔質表面積の容積表面積(VSA)を生成するように、改質構造的特性を有し、前記構造的に改質された粒子状炭素吸着剤が、20℃で1バール未満の保管圧力で保管されるドーパント流体を可逆的に吸着するように更に構成され、前記ドーパント流体が、アルシン、ホスフィン、三フッ化ホウ素、セレン化水素、ジボラン、四フッ化ケイ素、四フッ化ゲルマニウム、又はゲルマンである、炭素吸着剤保管及び分配システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤上に可逆的に吸着されるドーパント流体を保管及び分配するための炭素吸着システムに関する。特に、本発明は、容器の内部容積に充填されたときに最適な容積表面積を有する特定の粒子サイズを有する、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤を有する炭素吸着システムに関する。
【背景技術】
【0002】
多種多様な工業用途のためのドーパント流体の信頼できる供給源が必要とされている。多くの工業処理及び製造用途は、高毒性ドーパントガスの使用を必要とする。半導体材料の製造は、高毒性の水素化物又はハロゲン化物ガス及びこれらの混合物の安全な保管及び取り扱いが必要となる、1つのこのような用途を表す。このようなガスの例としては、シラン、ゲルマン、アンモニア、ホスフィン、アルシン、三フッ化ホウ素、スチルビン、硫化水素、セレン化水素、テルル化物、三フッ化リン、ヒ素五フッ化物、及び他のハロゲン化物又は水素化物、並びにこれらのガス混合物が挙げられる。毒性及び安全性の考慮事項の結果として、これらのガスは、工業プロセス施設に注意深く保管され、処理されなければならない。
【0003】
半導体産業は、特に、イオン注入におけるヒ素、リン、ホウ素、シリコン、ゲルマニウム、セレン、及び炭素の供給源として、例えば、アルシン及びホスフィン、水素セレン化物、三フッ化ホウ素、ジボラン、四フッ化ケイ素、四フッ化ゲルマニウム、六フッ化セレン、一酸化炭素及び二酸化炭素などの様々なガス状源に依存する。イオン注入システムは、典型的には、それぞれの蒸気圧で液化圧縮ガスとして保管された、アルシン及びホスフィンなどの純ガス、並びに送達容器内の1500psigの高い圧力で、三フッ化ホウ素及び四フッ化ケイ素などの純ガスを使用することを必要とする。その極端な毒性及び高い蒸気圧に起因して、それらの使用、輸送、及び保管は、半導体産業に関する重大な安全性の懸念を引き起こす。
【0004】
様々な安全性の懸念に対処するために、これらの水素化物及びハロゲン化物をイオン注入ツールに準大気圧条件下で送達するために開発された多くのシステムが存在している。デバイスの安全性は、弁が大気に開放する場合に、ガスがシリンダから漏れ出ることがないように、大気圧より低い圧力でガスを送達する必要がある。真空条件は、ガスの流れを得るためにシリンダに適用する必要がある。したがって、フェイルセーフ真空作動弁設計が必要とされる。多くの機械システムが、ドーパントガスの大気圧下の送達のために開発されてきた。いくつかは、圧力調節器の使用を伴うが、他のものは、製品を準大気圧下で制御及び送達するための弁デバイスを必要とする。これらの弁デバイスは、準大気圧又は真空条件がシリンダの送達ポートに適用されるときに、供給又は開放するように設定される。これらのデバイスの正確な位置は、ポート本体内、ネック空洞内、又はシリンダ自体の内部にあることができる。各場合において、圧力調節器又は弁デバイスは、シリンダの内部から送達ポートへのガスの流れに対して、シリンダ弁座の上流に位置する。機械システムの主な欠点は、多くの毒性ガスが、シリンダ内の高圧(例えば、500psi以上)で保管されることである。例えば、機械システムは、漏れなどによって故障し、それによって機械システムの安全設計目的を損なうことがある。特定の機械システムの漏れ又は他の種類の故障の可能性は低いが、それでもなお、高毒性ガスを取り扱う際にいかなるリスクをも受け入れたくないエンドユーザがいる。更に、特定の規制当局は、半導体製造環境における高圧保管システムの使用を許可しない。
【0005】
より高圧の保管を排除するために、代替的なアプローチは、シリンダ内に装填された固体吸着剤を、吸着剤保管及び分配システムの一部として展開することを伴う。現在、いくつかの市販の吸着剤保管及び分配システムが存在する。しかしながら、これらのシステムの多くは、満足のいく性能を示すことができない。例えば、吸着剤系システムの多くは、保管条件と解放動作条件との間のガスの十分な送達可能能力を示さない。他のものは、使用される特定のガスの十分な装填能力を示すことができない。しかしながら、他の吸着剤ベースのシステムは、十分な装填能力及び十分な送達可能能力を有さない。
【0006】
これらの欠点を考慮すると、安全かつ信頼性の高い方法で動作する、より高性能の炭素吸着系システムに対するニーズが満たされていない。
【発明の概要】
【0007】
一態様では、容器と、容器の内部容積内に配置された構造的に改質された粒子状炭素吸着剤と、を含む、炭素吸着剤保管及び分配システムであって、当該構造的に改質された粒子状炭素吸着剤が、合成ポリマー系材料を含み、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤が、約0.5mm以下であるが約0.15mm以上の粒子サイズを有する粒子を更に含み、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤が、自由流動粒子として容器内への充填を可能にして、容器の充填容積のcc当たり約800m2超の多孔質表面積の容積表面積(volumetric surface area、VSA)を生成するように、改質構造的特性を有し、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤が、20℃で1バール未満の保管圧力で保管されるドーパント流体を可逆的に吸着するように更に構成される、炭素吸着剤保管及び分配システム。
【0008】
第2の態様では、容器と、容器の内部容積内に配置された構造的に改質された粒子状炭素吸着剤と、を含む、炭素吸着剤保管及び分配システムであって、当該構造的に改質された粒子状炭素吸着剤が、合成ポリマー系材料を含み、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤が、約0.5mm以下であるが0.15mm以上の粒子サイズを有する粒子を更に含み、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤が、自由流動粒子として容器内への充填を可能にして、容器の充填容積のcc当たり約800m2超の多孔質表面積の容積表面積(VSA)を生成するように、改質構造的特性を有し、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤が、20℃で1バール未満の保管圧力で保管されるドーパント流体を可逆的に吸着するように更に構成され、ドーパント流体がアルシンであるときに、当該構造的に改質された粒子状炭素吸着剤が、構造的に粒子状に改質された炭素吸着剤1リットル当たり210グラム以上の分配能力によって特徴付けられる、炭素吸着剤保管及び分配システム。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】特定の範囲の粒子サイズの活性化度の関数としての容積表面積、バルク密度、及び比表面積を例示することを意図した曲線であり、先行技術のシステムの動作様式とは対照的に、本発明の最適な動作様式を更に示す。
【0010】
【
図2】特定の範囲の粒子サイズの異なる容積表面積の異なる構造的に改質された粒子状炭素吸着剤サンプルから、アルシン/Lの吸着剤のg単位で表される、分配されるアルシンの量を示す。
【0011】
【
図3】本発明の原理による代表的な炭素吸着剤保管及び分配システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、改善された性能の炭素吸着剤分配システムの設計におけるパラダイムシフトである。記載されるように、一態様では、本発明は、粒子状炭素吸着剤を備えた炭素吸着剤系の保管及び分配システムを、いくつかの市販のシステムで既に達成可能なものよりも、ドーパント流体の比較的高い分配能力をもたらす、最適な容積表面積を可能にする構造的特徴の独特の組み合わせで提供する。本発明の改善は、主に、本発明の出現前に一般的に使用される設計基準のシフトに起因する。
【0013】
用語「タップバルク密度」及び「充填密度」及び「バルク密度」は、本明細書において交換可能に使用されてもよく、既知の重量の材料が250mLのメスシリンダに充填され、充填されたシリンダは、5000サイクルのロトタップ装置内に置かれる場合の、有限容積を占める材料のいわゆる「沈降容積(settled volume)」に対する材料の質量の比を意味することを意図するものとして使用されてもよい。5000サイクルが完了すると、「沈降容積」が測定され、これからタップバルク密度が決定される。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「計数ベースの方法」は、ダイナミックレンジ分析を使用して平均粒子サイズを決定するために当該技術分野において既知のレーザベースの技術を意味する。この技術は、Retsch Technologyから市販されているCamsizer(登録商標)P4粒子分析器などの様々な市販の機器を使用して実施することができる。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「容器」は、その上に可逆的に吸着されたドーパント流体で炭素吸着剤を受容することができる任意の保管、充填、送達、又は輸送可能な容器を意味し、これには、シリンダ、コンテナ、デュワー、ボトル、タンク、バレル、バルク及びマイクロバルクが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「ドーパント流体」は、混合物を含むガス、蒸気、液体、多相ドーパント流体、並びに単一成分のドーパント流体を指す。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「送達可能能力」又は「分配能力」は、特に指示がない限り、20℃+/-1℃の温度で650Torr~20Torrまで圧力が減少するとき、吸着剤の単位容積当たりのドーパント流体の重さの単位で表現される、粒子状炭素吸着剤の多孔質構造から脱着することができるドーパント流体の量を指す。
【0018】
用語「比表面積」は、本明細書で使用するとき、粒子状炭素吸着剤の単位質量当たりの粒子状炭素吸着剤のミクロ細孔の表面積を指し、特に明記しない限り、比面積の値がASTM6556-04(BET N2,77K)によって測定される場合、典型的には、粒子状炭素吸着剤のグラム当たりのm2の単位で表現される。
【0019】
本明細書で使用するとき、「導管」又は「導管フローネットワーク」は、1つ以上の流路を作成し、及び/又はドーパント流体の通過を可能にするのに十分な、管、パイプ、ホース、マニホールド、及び任意の他の好適な構造体を意味する。
【0020】
本明細書で使用するとき、「接続された」又は「動作可能に接続された」は、2つ以上の構成要素間の流体、機械的、化学的、及び/又は電気的連通を可能にするように、2つ以上の構成要素間の直接的又は間接的な接続を意味する。
【0021】
用語「サイズ」又は「粒子サイズ」は、計数ベースの方法によって測定される平均直径又は平均有効径を意味することを意図し、粒子の形状は、球状又は不規則な形状であり得る。
【0022】
用語「粒子状」は、ビーズ、ペレット、押出品、粉末、顆粒を含む任意の自由流動形態を含むことを意図する。
【0023】
以下に記載されるような実施形態は、単に実施例であり、本発明は、図面内に例解される実施形態に限定されない。図面が縮小されたものではなく、ある場合において、従来の製造及び組み立ての詳細等、実施形態の理解に必ずしも必要とされない詳細部は削除されていることもまた、理解されるはずである。また、本発明の原理の様々な態様をより良く図示するために、図面のそれぞれにおいて、特定の特徴が意図的に省略されていることも理解されたい。
【0024】
実施形態は、類似要素が同様の数字によって参照される図面を参照して記載される。実施形態の様々な要素の関連性及び機能は、以下の詳細な記載によってより良好に理解される。詳細な説明は、本開示の範囲内のものとして様々な置換及び組み合わせの特徴、態様、及び実施形態を想到している。したがって、本開示は、これらの特定の特徴、態様、及び実施形態のそのような組み合わせ及び置換のうちのいずれか、又はそれらのうちの選択された1つ以上を備えるように、それらからなるように、又はそれらから本質的になるように指定され得る。
【0025】
本発明の出現の前に、炭素吸着剤保管及び分配システムのための主流設計目的は、粒子状炭素材料の単位質量当たりの表面積(「比表面積」)を最大化することであった。比表面積を最大化することにより、炭素材料が剥離して、保管中にドーパント流体の捕捉に潜在的に利用可能であると考えられる、多数のメソ細孔及びミクロ細孔が生成され、それにより材料の装填能力が増加する。
【0026】
更に他のものは、ドーパント流体の元の量の比較的小さい割合のみが分配動作中に炭素吸着剤上に吸着されたままである一方、大部分のドーパント流体は、分配動作中に材料から可逆的に脱着される、低い末端を有するより高い利用率材料に焦点を当てている。例えば、米国特許第6,592,653号は、炭素吸着剤の表面積を最大化する手段として、バルク密度が0.5g/cc未満である炭素吸着剤を記載している。
【0027】
本発明は、上述の設計基準のいずれかに基づく炭素吸着剤保管及び分配システムの多くが、最適な性能を提供しないと判定した。本明細書で使用するとき、「性能」は、分配動作中に、特に調整された構造的に改質された炭素吸着粒子上に可逆的に吸着されたドーパント流体の送達可能能力に関して測定される。本発明は、容積表面積(すなわち、「VSA」とも呼ばれる)を最適化するために、バルク密度及び競合変数である比表面積がバランスされなければならないと判定した。しかしながら、本発明は、VSA自体が、炭素吸着剤保管及び分配システムの性能を最適化するのに十分ではないことを更に認識する。この点に関して、本発明者らは、吸着剤のVSAが、約0.5mm以下であるが0.15mm以上の粒子サイズと組み合わせて最適化されなければならないことを発見した。VSA(例えば、容器容積の1立方センチメートル(「cc」)当たりm
2の材料の単位で表現される)は、バルク密度(例えば、容器容積1cc当たりの材料のグラム単位で表現される)と比表面積(例えば、材料1グラム当たりm
2の材料の単位)との積から決定される。比較的低いVSAは、
図1の本発明の動作様式の左及び右に位置し、以下でより詳細に説明する。本発明は、より低いレベルのVSAが、ドーパント流体のための低性能の炭素保管及び分配システムを製造することを認識する。VSAは、単位容積当たりの多孔率の数値インジケータを提供し、粒子状炭素吸着剤(例えば、ビーズ状又は粒状材料)の単位充填容器容積当たりの多孔率としてより具体的に表現することができる。したがって、本発明の炭素吸着剤保管及び分配システムは、少なくとも、
図1に明確に示されるように、約0.5mm以下であるが約0.15mm以上の粒子サイズを有する炭素吸着粒子について、最適なVSA動作様式を中心にして設計されることに基づいて、先行技術と区別可能である。
【0028】
図1は、特定の炭素吸着剤の活性化度の関数としてのVSA、バルク密度、及び比表面積の一般化されたグラフ関係を示している。x軸は、x軸に沿って左から右へ移動する活性化の増加を示すことを意図し、y軸は、y軸に沿って底部から頂部へと移動するVSA、バルク密度、比表面積の大きさの増加を示すことを意図している。
図1を参照すると、約0.5mm以下であるが0.15mm以上の粒子サイズを有し、x軸上に「x」で示されるような、特定の炭素吸着粒子の活性化の所定の中間度について、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤は、バルク密度値と比面積値との積が、ドーパント流体を分配するための最適なVSA値をもたらすように、対応する比表面積値及び対応するバルク密度値を有する。比表面積、バルク密度、及びVSAのそれぞれの相対的な大きさは、y軸上にグラフで示されている。「x」は、0.15mm~05mmの範囲の炭素吸着粒子のバルク密度、比表面積、及びVSA値の組み合わせの一例を表す。括弧された「発明」様式は、約0.5mm以下であるが0.15mm以上の粒子サイズを有する粒子状炭素吸着剤のバルク密度、比表面積、及び最適VSA値の完全な範囲を表す。
【0029】
本明細書で使用するとき、用語「活性化の中間度」は、「最大活性化を利用する先行技術」と題された、括弧された動作様式に対応する最大活性化度未満の量であるが、「最小活性化を利用する先行技術」と題された、括弧された動作様式に対応する最小活性化度よりも大きい量で、出発炭素材料の一部を分解する、特定のレベルの粒子状炭素吸着物質の活性化を意味することを理解されたい。活性化は、米国特許第6,309,446号、同第7,288,504号、同第8,147,589号、及び同第9,234,628号に記載されているように生じ得、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本発明は、
図1に示されるように、約0.5mm以下であるが約0.15mm以上の粒子サイズと組み合わせて、制御された中間活性化度を受けた構造的に改質された粒子状炭素吸着剤炭素を必要とする。好ましくは、本発明では、実質的に球状又は非球状の合成高分子系炭素材料が用いられるが、他のタイプの炭素系活性材料を用いることができる。
図1は、他の態様の中でも、VSAに対する活性化度の影響を示すことを意図する。本発明者らは、バルク密度が、増加した活性化度で直線的に減少し、その結果、比表面積とバルク密度との積は、
図1に示すように最大値を通過するVSA曲線を生成することを認識した。過剰に活性化された炭素吸着剤を利用すると、最大活性化度によって過度に低減されたバルク密度の結果として、不十分なVSAを生成し、それによって、
図1の本発明の動作様式の右側に比表面積、バルク密度、及びVSA曲線に対応する特性を有する材料が得られる。逆に、活性化された材料の下での利用は、最小活性化度によって生成された許容できない低い比表面積の結果として、不十分なVSAを作り出すことになり、それにより、
図1の本発明の動作様式の左側への比表面積、バルク密度、及びVSA曲線に対応する特性を有する材料が得られる。
【0030】
構造的に改質された炭素吸着剤について、ある範囲の粒子サイズと組み合わせたVSAの、送達可能能力に対する相関が、本発明者らによって発見された。以下に提供される実施例1~5及び比較例1~2は、その相関を検証する。具体的には、様々な異なる構造的に改質された粒子状炭素吸着剤からの、g/Lの吸着剤単位で表現される、分配されるアルシンの量は、論じられるように、多くなるほど、特定の範囲内の粒子サイズを有する吸着剤用の吸着剤の容積表面積はより大きい。
【0031】
一実施形態では、容器と、容器の内部容積内に配置された構造的に改質された粒子状炭素吸着剤と、を含む炭素吸着剤保管及び分配システムが提供されて、アルシンを、アルシン含有イオン注入プロセスの一部として、イオン注入ツールなどの下流プロセスに分配する。構造的に改質された粒子状炭素吸着剤は、構造的に改質された炭素吸着剤上に可逆的に吸着されるドーパント流体のより高い分配能力の利益を実現するための約800m2/cc超のVSAと、0.15mm~0.50mmの範囲の粒子サイズと、を有する。イオン注入プロセスに利用されるアルシン及び他のドーパントガスとの、より高い送達可能能力で達成される有意な効果は、長期の炭素吸着剤保管及び分配寿命である。長期の容器寿命は、より長いオンツール時間を可能にし、イオン注入プロセス中の交換頻度を低減する。このようにして、容器の交換に関連するリスクが大幅に低減される。
【0032】
容積表面積は、
図2に示されるように、少なくとも800m
2/ccを超える。
図2は、異なる構造的に改質された粒子状炭素吸着剤についての、アルシン流体対容積表面積の送達可能能力の曲線を示している。出願人らは、異なる容積表面積の異なる構造的に改質された炭素粒子状吸着剤サンプルを利用したいくつかの異なる試験を実施することによって、その曲線を構築した。言い換えれば、各データポイントは、異なる構造的に改質された粒子状炭素吸着剤を利用する試験を表す。以下、比較例1~2及び実施例1~5について試験手順を説明する。
図2の曲線は、0.15~0.5mmの範囲の粒子サイズを有する炭素吸着粒子の場合、吸着剤1リットル当たりに分配されるアルシンの量(分配能力)が、800m
2/cc超の容積表面積で増加することを示す。
図2の800m
2/cc超のVSAにおけるアルシン送達可能能力を示す5つのデータポイントのそれぞれは、以下に記載される実施例1、2、3、4及び5に対応する。「発明」とラベル付けされた
図2のキャプションされた動作様式は、0.15mm~0.5mmの範囲の粒子サイズを有する構造的に改質された粒子状吸着剤が、VSAが800m
2/ccを超えてアルシン分配能力を十分に改善するように、容器の内部容積に効果的に充填されるように設計されている、本発明の一態様を定義することを意図する。
【0033】
本発明は、他のドーパント流体と共に使用することができることを理解されたい。例えば、アルシン、ホスフィン、三フッ化ホウ素、セレン化水素、ジボラン、四フッ化ケイ素、四フッ化ゲルマニウムなどの他のドーパントガス、本明細書に記載される構造的に改質された粒子状炭素吸着剤から吸着及び脱着することができる任意の他の好適なドーパント流体は、本発明の構造的に改質された炭素吸着剤保管及び分配システムと共に使用することができる。このような他のドーパント流体の分配能力は、
図2のものと同様に挙動すると予想され、それにより、分配動作中の送達可能能力は、より高いレベルのVSA及び約0.5mm以下であるが約0.15mm以上の粒子サイズを有する構造的に改質された粒子状炭素吸着剤を利用するときに増加する。一実施形態では、ホスフィン、三フッ化ホウ素、セレン化水素、ジボラン、四フッ化ケイ素、四フッ化ゲルマニウム、ゲルマン、又は任意の他の好適なドーパント流体は、0.15mm~0.5mm、又はより好ましくは0.2~0.475mmの範囲の粒子サイズで、容器の充填容積のcc当たり800超であるが900m
2以下の多孔質表面積を有する、構造的に改質された炭素吸着剤上に可逆的に吸着されある。別の実施形態では、VSAは、0.15mm~0.5mm、又はより好ましくは0.2~0.475mmの範囲の粒子サイズで、875~900m
2/cc以上、より好ましくは850~875m
2/cc、最も好ましくは800~850m
2/ccの範囲である。本発明の他のドーパント流体(例えば、ドーパントガス)に対する適合性は、プロセスダウンタイム破壊が最小限であるドーパント流体の一貫した供給を必要とする様々なプロセス用途において広範囲の利益を提供し、それにより、スループットを大幅に増加させ、容器の交換の関連するリスクを低減する。本発明は、このようなVSA値で設計された構造的に改質された粒子状炭素吸着剤は、炭素保管及び分配システムの一部として組み込まれるとき、比較的高い分配能力を生成する微多孔性構造を有すると判定した。
【0034】
本発明はまた、0.15mm~0.5mm、又は0.20mm~0.45m、又は0.25mm~0.40mmの範囲の構造的に改質された炭素吸着剤の粒子サイズと組み合わせて、容器の充填容積のcc当たり900m2以上の多孔質表面積のVSAを有する構造的に改質された粒子状炭素吸着剤を有する分配システムも想到する。
【0035】
驚くべきことに、本発明は、構造的に改質された炭素吸着剤の比表面積が最大化されていなくても、ドーパント流体のためのより高い送達可能能力を生成することができる。いくつかの先行技術のシステムは、装填能力を最大化するために比表面積を最大化することに焦点を当ててきた。しかしながら、0.15mm~0.5mmの特定の粒子サイズに関して、
図1に示されるような本発明の様式内の最適VSA範囲は、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤の比表面積が、多くの先行技術のシステムで行われたように最大化されていないとしても、先行技術のシステムで達成されるものよりも高くなり得る、送達可能能力を可能にする。本発明は、吸着中にドーパント流体を可逆的に吸着するように構造的に構成された適切な細孔容積の広範な微多孔性構造を有する最適なVSAを有する。一実施形態では、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤は、200g/cc以上、220g/cc以上、230g/cc以上、又は240g/cc以上のドーパント流体の送達可能能力を呈することができる。本発明の吸着剤の構造的特徴(すなわち、最適化されたVSA及び特定の粒子サイズの範囲)の結果として、高性能炭素吸着剤分配システムが生じ、それによって、様々な最終用途及び中間用途におけるスループットを潜在的に増加させる。
【0036】
ここで、炭素吸着剤保管及び分配システムの一部として使用される特定の粒子サイズ範囲について最適なVSA値を生じさせる特性について論じる。まず、本発明で使用されるようなタップバルク密度は、「最大活性化を利用する先行技術」と題された
図1の右手部分に示されるように、過剰に活性化された炭素吸着剤を用いた炭素吸着剤保管及び分配システムを回避するために、少なくとも0.45g/ccに等しい。一実施形態では、バルク密度は、最大0.5g/cc以上、又は最大0.6g/cc以上とすることができる。別の実施形態では、バルク密度は、0.45g/cc超~最大0.7g/cc、又は0.45~0.6g/cc、又は0.5~0.70g/ccの範囲である。十分なレベルのバルク密度を維持することは重要であるが、「最小活性化を利用する先行技術」と題された
図1の左手部分に示されるように、過剰に活性化された炭素吸着剤を用いた炭素吸着剤保管及び分配システムを回避するために、本発明によって回避されるバルク密度に上限があることを理解されたい。そのため、バルク密度は0.7g/cc以下であることが好ましい。
【0037】
バルク密度に加えて、最適なVSAはまた、特定の範囲の比表面積を有する。構造的に改質された粒子状炭素吸着剤の比表面積は、1000m
2/g、1300m
2/g以上、又は1400m
2/g以上である。別の実施形態では、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤の比表面積は、1300m
2/g~最大1800m
2/g、又は1400m
2/g~1800m
2/g、又は1500m
2/g~1800m
2/gの範囲である。このような範囲は、
図1の本発明の動作様式内において括弧された比表面積曲線に沿って収まることを意図する。
【0038】
図1に示されるように、0.15mm~0.5mmの範囲の粒子サイズに対して十分なバルク密度を有する高い比表面積の組み合わせは、所与の炭素吸着粒子のVSAが最適化されることを確実にし、それによって、炭素吸着剤保管及び分配システムが、様々なドーパント流体のための改善された分配能力で動作するように構成されることを確実にする。本発明以前では、多くの従来のシステムは、バルク密度が単に二次設計考慮と見なされているため、過度の量のバルク密度を失うことを犠牲にして、単位質量当たりの表面積を最大化することに焦点を当ててきた。しかしながら、本発明は、(i)比表面積及びバルク密度の両方が、VSAを最適化するようにバランスされなければならない競合変数であり、更に、(ii)0.15mm~0.5mmの範囲の炭素吸着剤粒子サイズの文脈内で、かかるバランスが生じなければならないことを認識している。したがって、必要な粒子サイズの所与の構造的に改質された粒子状炭素吸着剤の比表面積と組み合わせた正確なバルク密度は、必要とされる中間活性化度を炭素吸着剤に生成及び付与する能力に依存し得る。バルク密度を過度に失うことなく、材料が比較的高い比表面積を有する能力は、
図1に示されるように、特定の範囲の粒子サイズに対して、中間活性化度によってのみ可能である。
【0039】
構造的に改質された粒子状炭素吸着剤の粒子は、0.5mm~約0.15mmの範囲のサイズを有することができる。別の実施形態では、粒子サイズは0.4mm~0.15mmまでの範囲である。更に別の実施形態では、粒子サイズは、0.35mm~最小0.2mm、又は0.3~0.2mm、又は0.15~0.2mm.の範囲である。驚くべきことに、重量比表面積測定(すなわち、従来のBET表面積測定)に反映することができるように、所与の活性化度に対して、本発明者らは、所与の量の材料の活性化に対してバルク密度の落ち込みが大きくなるように見えないため、比表面積とバルク密度との間のトレードオフが、0.15mm~0.5mm、より好ましくは0.2mm~0.475mmの範囲内の粒子サイズに対して低減又は最小化されることを発見した。しかしながら、出願人らは、粒子サイズが0.15mm未満に低下すると取り扱い上の問題が生じ、それにより、臨界を0.15mm以上のままに確立することを発見し、0.5mm超のより大きい粒子サイズが、最適なVSAを達成できず、それにより、臨界を0.5mm以下のままに確立することが出願人より観察された。
【0040】
加えて、細孔径分布は、水銀ポロシメトリーによって測定したときに最小量のメソ細孔及びマクロ細孔を有する実質的にミクロ細孔から構成される。水銀ポロシメトリー分析技術は、制御された圧力下で、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤の細孔への水銀の取り込みを利用する。水銀の細孔への取り込みは、メソ細孔及びマクロ細孔の容積パーセント(「容積%」)を示すものであり、この容積パーセントは、その凝集において、0.0035マイクロメートル~12.5マイクロメートルの範囲のサイズを有し、容積%は、吸着剤の固体片の総容積に基づく。Micrometrics Instruments Corporationから市販されているAutoPoreIV 9500ポロシメータを、メソ細孔及びマクロ孔孔径データを生成するために、本発明者らによって利用された。
【0041】
本発明者らは、上記の水銀ポロシメトリー分析技術に基づいて広範な試験を実施して、得られる活性化構造の性能効果が、粒子状吸着剤の固体片の総容積に基づいて、好ましくは10容積%未満のメソ細孔及びマクロ細孔を有する微多孔性構造の存在に実質的に又は完全に帰属すると結論付けた。メソ細孔及びマクロ細孔の存在は、分配能力に関して測定したとき、炭素吸着剤保管及び分配システムの性能に有益な任意の特性を付与しない。したがって、本発明は、粒子状吸着剤の固体片の総容積に基づいて、10容積%未満のメソ細孔及びマクロ細孔を有する実質的に微多孔性構造を企図し、実質的に微多孔性構造は、約2nm未満(すなわち、20オングストローム)のミクロ孔径として定義することができる。理論に束縛されるものではないが、メソ細孔又はマクロ細孔の組み合わせの存在の増加は、材料を過剰に活性化すること、又は粒子の多数の細孔が特定の条件下でより大きな細孔に凝集する傾向があり得るような非選択的な方法で材料を活性化することの結果として形成することができると考えられる。
【0042】
本発明の一実施形態では、粒子状形態は、実質的に球状である。実質的に球状の粒子は、粒子の容積全体にわたって、多かれ少なかれ均一に活性化される傾向となり得、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤が、粒子状吸着剤の固体片の総容積に基づいて、10容積%未満のメソ細孔及びマクロ細孔を有する粒子全体にわたる、バランスのとれた分布及び均一なサイズのミクロ細孔を含有する。対照的に、他の形状の粒子、特に実質的に不規則な形状である実質的に非球状の粒子は、本発明の炭素吸着剤保管及び分配システムの一部として使用される最適なVSA値を生じさせる構造特性が得られないように、それらの活性化においてより大きな変動を有することができる。更に、実質的に球状の粒子は、保管及び分配システムの容器の内部容積内に効果的に充填され得る構造を有する実質的に球状の粒子によって、本明細書で上記したバルク密度が達成されることを可能にする。
【0043】
実質的に球状の粒子は、本明細書で上述したような範囲であり得るサイズを有する。サイズの他のより狭い範囲は、0.15mm~0.5mmのより広い範囲内に収まることが想到される。
【0044】
活性化された炭素吸着剤は、スチレン及びジビニルベンゼンに基づくものなどの非炭水化物である合成ポリマー系材料であることが好ましい。他の例としては、米国特許第6,309,446号、同第7,288,504号、同第8,147,589号、及び同第9,234,628号に記載の合成ポリマー材料のいずれかが挙げられる。
【0045】
本発明の原理による代表的な炭素吸着剤保管及び分配システムを
図3に示す。
図3は、容器(1)の内部容積内に充填された構造的に改質された粒子状炭素吸着剤(2)を有する、炭素吸着剤保管及び分配システムを示している。シリンダ弁(3)は、容器(1)のネック(6)での対応するねじ山に沿って容器(1)の頂部に接続することができるねじ山を有する。シリンダ弁(3)は、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤(2)上に可逆的に吸着されるドーパント流体の分配を可能にする弁開閉ハンドル(5)を含む。単一ポート弁アセンブリが、容器(1)に接続されて示されている。出口ポート(4)が示され、これに沿って、脱着されたドーパント流体は、容器(1)の内部容積から流出することができる。出口ポート(4)はまた、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤(2)上へのドーパント流体の吸着中にドーパント流体を導入することができる充填用入口ポートとしても機能する。
【0046】
炭素吸着剤保管及び分配システムは、任意の好適な下流プロセスに連結されてもよい。一実施例では、炭素吸着剤保管及び分配システムは、アルシン又はホスフィンが下流イオン注入器に分配されることを可能にするために、下流イオン注入器に連結されてもよい。ここで、アルシン又はホスフィンは、イオン注入器に制御された流量で送達され、適切なイオン注入条件下でイオン化されて、後続のウェハへの注入のために、アルシン含有イオン又はリン含有イオンを得る。他の下流プロセスは、本発明の炭素吸着剤保管及び分配システムから分配されるガスの中間又は最終使用のための、半導体処理プラント、フラットパネルディスプレイ製造設備、有機合成設備、医薬製造施設、麻酔ガス分配マスク、空気処理若しくは水汚染緩和設備、燃焼ガスプロセス、又は任意の他の好適な下流プロセス設備が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
炭素吸着剤保管及び分配システムのうちの1つ以上は、ガスキャビネット内に配置されてもよい。多数の炭素吸着剤保管及び分配システムを伴うこのようなガスキャビネット配置では、システムのそれぞれは、そのような炭素吸着剤保管及び分配システムのうちの1つ以上から構造的に改質された粒子状炭素吸着剤から脱着されたドーパント流体の選択的送達のために、互いにマニホールドされてもよい。キャビネットは、ガスキャビネットのシステム及び/又は他の内部構成要素の過熱を防止するために、独立した熱電対、又は他の温度感知/監視デバイス及び構成要素を更に含んでもよい。
【0048】
別の実施形態では、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤の使用は、製品の解放をトリガーするために下流真空条件が必要とされることを確実にするように設計されたUpTime(登録商標)弁を組み込んだ保管及び分配システムに関連して、圧力が実質的に準大気圧から大気圧以上である保管に適用され得るドーパントガスのための容器内に効率的に充填することができる。UpTime(登録商標)スタイルの弁は、米国特許第7,905,247号、同第5,937,895号同第6,007,609号、同第6,045,115号、同第7,708,028号、及び同第9,909,670号に記載されており、これらのそれぞれは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0049】
上述の実施形態への変形は、本発明の範囲から逸脱することなく行われ得ることを理解されたい。例えば、異なる吸着剤の混合物を使用することができる。ただし、吸着剤のそれぞれは、企図される粒子サイズ及びVSA基準内に収まる。更に、任意の市販の合成ポリマー粒子状炭素吸着剤が、VSA及び粒子サイズに関して本発明の必要な属性を満たすように改質され、次いで分配容器内に装填され得ることを理解されたい。
【0050】
炭素吸着剤保管及び分配システムの特徴及び特性は、以下の非限定的な比較例及び実施例によってより完全に例示される。
実施例1
【0051】
合成ポリマー由来の構造的に改質された粒子状炭素吸着剤のサンプルを秤量し、0.5851g/ccの充填密度でサンプル容器に装填した。構造的に改質された粒子状炭素吸着剤を、熱及び真空を介して事前調整して、細孔から1ppm未満のレベルまで凝集水分及び空気を除去した。充填された吸着剤を有する容器の事前調整と関連した最終真空条件は、50mTorr又は0.05Torr未満であった。構造的に改質された粒子状炭素吸着剤は、サイズが0.475mm、比表面積が1486m2/g、その結果得られた容積表面積が869m2/ccであった。
【0052】
供給源シリンダからのアルシンガスをマスフローコントローラを通して調節して、サンプル容器に吸着されたアルシンガスの量を制御した。吸着プロセスの温度を20℃±-1℃に維持した。サンプル容器内の圧力を測定して、充填の終点を決定した。約650Torrの保管圧力が達成された時点で充填を停止し、サンプル容器内で維持(安定)させた。
【0053】
吸着プロセスが完了した後、分配プロセスを実施した。サンプル容器からのアルシンドーパント流体の流れは、サンプル容器の内部容積内の圧力とサンプル容器の外部のより低い圧力との間の圧力差を利用して実施され、それにより、サンプル容器内の改質された粒子状炭素吸着剤からドーパント流体を脱着させ、サンプル容器から回収した。圧力差の結果として、アルシンドーパント流体は、改質された粒子状炭素吸着剤からアルシンガスとして脱着され、その後、サンプル容器の内部から回収され、分配アセンブリを通って流れた。アルシンガスは、分配動作中に分配導管を通る実質的に一定の流量を維持するマスフローコントローラを通って流れた。アルシンガスの分配は、温度が20℃+/-1℃に維持された温度制御システムにおいて、サンプル容器内で650Torrの開始圧力から20Torrの最終圧力まで発生した。サンプル容器内の圧力を分配動作中に測定した。約20Torrの圧力が達成された時点で脱着を停止し、サンプル容器内で維持(安定)させた。マスフローコントローラを通る流れを合計して、サンプル容器から除去されたガスのグラム数を650Torrから20Torrまで決定した。合計器は、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤1リットル当たり228.73グラムのアルシンの分配能力を示した。この実施例は、0.15~0.5mmの範囲の粒子サイズに対して、800m2/cc超の十分に高いVSAが許容可能な性能をもたらしたことが確認された。
実施例2
【0054】
合成ポリマー由来の構造的に改質された粒子状炭素吸着剤のサンプルを秤量し、0.4853g/ccの充填密度でサンプル容器に装填した。構造的に改質された粒子状炭素吸着剤を、熱及び真空を介して事前調整して、細孔から1ppm未満のレベルまで凝集水分及び空気を除去した。充填された吸着剤を有する容器の事前調整と関連した最終真空条件は、50mTorr又は0.05Torr未満であった。構造的に改質された粒子状炭素吸着剤は、サイズが0.457mm、比表面積が1736m2/g、その結果得られた容積表面積が842m2/ccであった。
【0055】
供給源シリンダからのアルシンガスをマスフローコントローラを通して調節して、サンプル容器に吸着されたアルシンガスの量を制御した。吸着プロセスの温度を20℃±-1℃に維持した。サンプル容器内の圧力を測定して、充填の終点を決定した。約650Torrの保管圧力が達成された時点で充填を停止し、サンプル容器内で維持(安定)させた。
【0056】
吸着プロセスが完了した後、分配プロセスを実施した。サンプル容器からのアルシンドーパント流体の流れは、サンプル容器の内部容積内の圧力とサンプル容器の外部のより低い圧力との間の圧力差を利用して実施され、それにより、サンプル容器内の改質された粒子状炭素吸着剤からドーパント流体を脱着させ、サンプル容器から回収した。圧力差の結果として、アルシンドーパント流体は、改質された粒子状炭素吸着剤からアルシンガスとして脱着され、その後、サンプル容器の内部から回収され、分配アセンブリを通って流れた。アルシンガスは、分配動作中に分配導管を通る実質的に一定の流量を維持するマスフローコントローラを通って流れた。アルシンガスの分配は、温度が20℃+/-1℃に維持された温度制御システムにおいて、サンプル容器内で650Torrの開始圧力から20Torrの最終圧力まで発生した。サンプル容器内の圧力を分配動作中に測定した。約20Torrの圧力が達成された時点で脱着を停止し、サンプル容器内で維持(安定)させた。マスフローコントローラを通る流れを合計して、サンプル容器から除去されたガスのグラム数を完全な真空650Torrから20Torrまで決定した。合計器は、構造的に改質された粒子状炭素吸着剤1リットル当たり213.57グラムのアルシンの分配能力を示した。この実施例は、0.15mm~0.5mmの範囲の粒子サイズに対して、800m2/cc超の十分に高いVSAが許容可能な性能をもたらしたことが確認された。
実施例3
【0057】
合成ポリマー由来の構造的に改質された粒子状炭素吸着剤のサンプルを秤量し、0.6908g/ccの充填密度でサンプル容器に装填した。構造的に改質された粒子状炭素吸着剤を、熱及び真空を介して事前調整して、細孔から1ppm未満のレベルまで凝集水分及び大気不純物を除去した。充填された吸着剤を有する容器の事前調整と関連した最終真空条件は、50mTorr又は0.05Torr未満であった。構造的に改質された粒子状炭素吸着剤は、サイズが0.202mm、比表面積が1300m2/g、その結果得られた容積表面積が898m2/ccであった。
【0058】
供給源シリンダからのアルシンガスをマスフローコントローラを通して調節して、サンプル容器に吸着されたアルシンガスの量を制御した。吸着プロセスの温度を20℃±-1℃に維持した。サンプル容器内の圧力を測定して、充填の終点を決定した。約650Torrの圧力が達成された時点で充填を停止し、サンプル容器内で維持(安定)させた。
【0059】
吸着プロセスが完了した後、分配プロセスを実施した。サンプル容器からのアルシンドーパント流体の流れは、サンプル容器の内部容積内の圧力とサンプル容器の外部のより低い圧力との間の圧力差を利用して実施され、それにより、サンプル容器内の改質された粒子状炭素吸着剤からドーパント流体を脱着させ、サンプル容器から回収した。圧力差の結果として、アルシンドーパント流体は、改質された粒子状炭素吸着剤からアルシンガスとして脱着され、その後、サンプル容器の内部から回収され、分配アセンブリを通って流れた。アルシンガスは、分配動作中に分配導管を通る実質的に一定の流量を維持するマスフローコントローラを通って流れた。アルシンガスの分配は、温度が20℃+/-1℃に維持された温度制御システムにおいて、サンプル容器内で650Torrの開始圧力から20Torrの最終圧力まで発生した。サンプル容器内の圧力を分配動作中に測定した。約20Torrの圧力が達成された時点で脱着を停止し、サンプル容器内で維持(安定)させた。マスフローコントローラを通る流れを合計して、サンプル容器から除去されたガスのグラム数を完全な真空650Torrから20Torrまで決定した。合計器は、構造的に粒子状に改質された炭素吸着剤1リットル当たり243.21グラムのアルシンの分配能力を示した。この実施例は、0.15mm~0.5mmの範囲の粒子サイズに対して、800m2/cc超の十分に高いVSAが許容可能な性能をもたらしたことが確認された。
実施例4
【0060】
合成ポリマー由来の構造的に改質された粒子状炭素吸着剤のサンプルを秤量し、0.6098g/ccの充填密度でサンプル容器に装填した。構造的に改質された粒子状炭素吸着剤を、熱及び真空を介して事前調整して、細孔から1ppm未満のレベルまで凝集水分及び大気不純物を除去した。充填された吸着剤を有する容器の事前調整と関連した最終真空条件は、50mTorr又は0.05Torr未満であった。構造的に改質された粒子状炭素吸着剤は、サイズが0.195mm、比表面積が1470m2/g、その結果得られた容積表面積が896m2/ccであった。
【0061】
供給源シリンダからのアルシンガスをマスフローコントローラを通して調節して、サンプル容器に吸着されたアルシンガスの量を制御した。吸着プロセスの温度を20℃±-1℃に維持した。サンプル容器内の圧力を測定して、充填の終点を決定した。約650Torrの圧力が達成された時点で充填を停止し、サンプル容器内で維持(安定)させた。
【0062】
吸着プロセスが完了した後、分配プロセスを実施した。サンプル容器からのアルシンドーパント流体の流れは、サンプル容器の内部容積内の圧力とサンプル容器の外部のより低い圧力との間の圧力差を利用して実施され、それにより、サンプル容器内の改質された粒子状炭素吸着剤からドーパント流体を脱着させ、サンプル容器から回収した。圧力差の結果として、アルシンドーパント流体は、改質された粒子状炭素吸着剤からアルシンガスとして脱着され、その後、サンプル容器の内部から回収され、分配アセンブリを通って流れた。アルシンガスは、分配動作中に分配導管を通る実質的に一定の流量を維持するマスフローコントローラを通って流れた。アルシンガスの分配は、温度が20℃+/-1℃に維持された温度制御システムにおいて、サンプル容器内で650Torrの開始圧力から20Torrの最終圧力まで発生した。サンプル容器内の圧力を分配動作中に測定した。約20Torrの圧力が達成された時点で脱着を停止し、サンプル容器内で維持(安定)させた。マスフローコントローラを通る流れを合計して、サンプル容器から除去されたガスのグラム数を完全な真空650Torrから20Torrまで決定した。合計器は、構造的に粒子状に改質された炭素吸着剤1リットル当たり247.39グラムのアルシンの分配能力を示した。この実施例は、0.15~0.5mmの範囲の粒子サイズに対して、800m2/cc.超の十分に高いVSAが許容可能な性能をもたらしたことが確認された。
実施例5
【0063】
合成ポリマー由来の構造的に改質された粒子状炭素吸着剤のサンプルを秤量し、0.5232g/ccの充填密度でサンプル容器に装填した。構造的に改質された粒子状炭素吸着剤を、熱及び真空を介して事前調整して、細孔から1ppm未満のレベルまで凝集水分及び大気不純物を除去した。充填された吸着剤を有する容器の事前調整と関連した最終真空条件は、50mTorr又は0.05Torr未満であった。構造的に改質された粒子状炭素吸着剤は、サイズが0.191mm、比表面積が1796m2/g、その結果得られた容積表面積が940m2/ccであった。
【0064】
供給源シリンダからのアルシンガスをマスフローコントローラを通して調節して、サンプル容器に吸着されたアルシンガスの量を制御した。吸着プロセスの温度を20℃±-1℃に維持した。サンプル容器内の圧力を測定して、充填の終点を決定した。約650Torrの圧力が達成された時点で充填を停止し、サンプル容器内で維持(安定)させた。
【0065】
吸着プロセスが完了した後、分配プロセスを実施した。サンプル容器からのアルシンドーパント流体の流れは、サンプル容器の内部容積内の圧力とサンプル容器の外部のより低い圧力との間の圧力差を利用して実施され、それにより、サンプル容器内の改質された粒子状炭素吸着剤からドーパント流体を脱着させ、サンプル容器から回収した。圧力差の結果として、アルシンドーパント流体は、改質された粒子状炭素吸着剤からアルシンガスとして脱着され、その後、サンプル容器の内部から回収され、分配アセンブリを通って流れた。アルシンガスは、分配動作中に分配導管を通る実質的に一定の流量を維持するマスフローコントローラを通って流れた。アルシンガスの分配は、温度が20℃+/-1℃に維持された温度制御システムにおいて、サンプル容器内で650Torrの開始圧力から20Torrの最終圧力まで発生した。サンプル容器内の圧力を分配動作中に測定した。約20Torrの圧力が達成された時点で脱着を停止し、サンプル容器内で維持(安定)させた。マスフローコントローラを通る流れを合計して、サンプル容器から除去されたガスのグラム数を完全な真空650Torrから20Torrまで決定した。合計器は、構造的に粒子状に改質された炭素吸着剤1リットル当たり263.56グラムのアルシンの分配能力を示した。この実施例は、0.15~0.5mmの範囲の粒子サイズに対して、800m2/cc.超の十分に高いVSAが許容可能な性能をもたらしたことが確認された。
比較実施例1
【0066】
炭素吸着剤のサンプルを秤量し、0.3794g/ccの充填密度でサンプル容器に充填した。炭素吸着剤を、熱及び真空を介して事前調整して、細孔から1ppmレベルまで凝集水分及び大気不純物を除去した。充填された吸着剤を有する容器の事前調整と関連した最終真空条件は、50mTorr又は0.05Torr未満であった。炭素吸着剤は、サイズが0.434mm、比表面積が1920m2/g、その結果から得られた容積表面積が728m2/ccであった。
【0067】
供給源シリンダからのアルシンガスをマスフローコントローラを通して調節して、サンプル容器に吸着されたアルシンガスの量を制御した。吸着プロセスの温度を20℃±-1℃に維持した。サンプル容器内の圧力を測定して、充填の終点を決定した。約650Torrの圧力が達成された時点で充填を停止し、サンプル容器内で維持(すなわち安定化)させた。
【0068】
吸着プロセスが完了した後、分配プロセスを実施した。サンプル容器からのアルシンドーパント流体の流れは、サンプル容器の内部容積内の圧力とサンプル容器の外部のより低い圧力との間の圧力差を利用して実施され、それにより、サンプル容器内の炭素吸着剤からドーパント流体を脱着させ、サンプル容器から回収した。圧力差の結果として、アルシンドーパント流体は、炭素吸着剤からアルシンガスとして脱着され、その後、サンプル容器の内部から回収され、分配アセンブリを通って流れた。アルシンガスは、分配動作中に分配導管を通る実質的に一定の流量を維持するマスフローコントローラを通って流れた。アルシンガスの分配は、温度が20℃+/-1℃に維持された温度制御システムにおいて、サンプル容器内で650Torrの開始圧力から20Torrの最終圧力まで発生した。サンプル容器内の圧力を分配動作中に測定した。約20Torrの圧力が達成された時点で脱着を停止し、サンプル容器内で維持(安定)させた。マスフローコントローラを通る流れを合計して、サンプル容器から除去されたガスのグラム数を完全な真空650Torrから20Torrまで決定した。合計器は、炭素吸着剤1リットル当たり187.41グラムのアルシンの分配能力を示した。
【0069】
試験結果は、実施例1~5からアルシン送達可能能力が著しく低いことを示した。(0.15~0.5)mmの必要な範囲内の粒子サイズはそれ自体で、許容可能な性能を生成するのに十分ではなかったと結論付けられた。十分に高いVSAも必要であった。この実施例は、800m2/cc超のVSA及び(0.15~0.5)mm範囲内の粒子サイズの両方の要件を検証した。
比較実施例2
【0070】
炭素吸着剤のサンプルを秤量し、0.59g/ccの充填密度でサンプル容器に充填した。炭素吸着剤を、熱及び真空を介して事前調整して、細孔から1ppm未満のレベルまで凝集水分及び空気を除去した。充填された吸着剤を有する容器の事前調整と関連した最終真空条件は、50mTorr又は0.05Torr未満であった。炭素吸着剤は、サイズが0.7mm、比表面積が1200m2/g、その結果から得られた容積表面積が708m2/ccであった。
【0071】
供給源シリンダからのアルシンガスをマスフローコントローラを通して調節して、サンプル容器に吸着されたアルシンガスの量を制御した。吸着プロセスの温度を20℃±-1℃に維持した。サンプル容器内の圧力を測定して、充填の終点を決定した。約650Torrの圧力が達成された時点で充填を停止し、サンプル容器内で維持(安定)させた。
【0072】
吸着プロセスが完了した後、分配プロセスを実施した。サンプル容器からのアルシンドーパント流体の流れは、サンプル容器の内部容積内の圧力とサンプル容器の外部のより低い圧力との間の圧力差を利用して実施され、それにより、サンプル容器内の炭素吸着剤からドーパント流体を脱着させ、サンプル容器から回収した。圧力差の結果として、アルシンドーパント流体は、炭素吸着剤からアルシンガスとして脱着され、その後、サンプル容器の内部から回収され、分配アセンブリを通って流れた。アルシンガスは、分配動作中に分配導管を通る実質的に一定の流量を維持するマスフローコントローラを通って流れた。アルシンガスの分配は、温度が20℃+/-1℃に維持された温度制御システムにおいて、サンプル容器内で650Torrの開始圧力から20Torrの最終圧力まで発生した。サンプル容器内の圧力を分配動作中に測定した。約20Torrの圧力が達成された時点で脱着を停止し、サンプル容器内で維持(安定)させた。マスフローコントローラを通る流れを合計して、サンプル容器から除去されたガスのグラム数を完全な真空650Torrから20Torrまで決定した。合計器は、炭素吸着剤1リットル当たり190.64グラムのアルシンの分配能力を示した。試験結果は、800m2/cc未満の比較的低いVSA及び上限0.5mm超の粒子サイズの結果として、実施例1~5から、アルシン送達可能能力が著しく低いことを示した。この例は、800m2/cc超のVSA及び(0.15~0.5)mmの範囲内の粒子サイズの両方の要件を更に検証した。
【0073】
まとめて、試験は、実施例1、2、3、4及び5において、特定の範囲の粒子サイズ及び最適なVSAの組み合わせが、比較例1及び2のものよりも著しく高いアルシン送達可能能力を生成したことを示した。
【0074】
本発明の特定の実施形態と見なされるものを示し、説明してきたが、当然ながら、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態又は詳細の様々な修正及び変更を容易に行うことができることが理解されるであろう。したがって、本発明は、本明細書において示され、説明される正確な形態及び詳細に限定されず、本明細書において開示され、以下に特許請求される本発明の全範囲に満たない、いかなるものにも限定されないことを意図する。