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特許7556048アルミニウム電解のためのカソードブロック及びそれを製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】アルミニウム電解のためのカソードブロック及びそれを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   B28B 1/30 20060101AFI20240917BHJP
   B28B 1/087 20060101ALI20240917BHJP
   B28B 1/10 20060101ALI20240917BHJP
   B28B 1/16 20060101ALI20240917BHJP
   C25C 3/06 20060101ALI20240917BHJP
   C25C 3/08 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
B28B1/30 101
B28B1/087
B28B1/10
B28B1/16
C25C3/06 A
C25C3/08
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022564363
(86)(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-21
(86)【国際出願番号】 EP2020062030
(87)【国際公開番号】W WO2021219222
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】591237869
【氏名又は名称】ノルスク・ヒドロ・アーエスアー
【氏名又は名称原語表記】NORSK HYDRO ASA
【住所又は居所原語表記】0240 OSLO,NORWAY
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】スンドハイム・イェンセン、モルテン
【審査官】大西 美和
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-514204(JP,A)
【文献】米国特許第06258224(US,B1)
【文献】特表2015-511273(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28B 1/00- 1/54
C25C 1/00- 7/08
C04B 35/52-35/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム製造のためのホール・エルー電解槽のためのカソードブロックを製造する方法において、TiB2、HfB2、ZrB2、CrB2、WB2の少なくとも一つを含む金属ホウ化物粉末、又はSiC、Cr32、B4C、TiCの少なくとも一つを含む耐火性金属炭化物粉末、又は、アルミナ(Al23)粉末コークス粒子を含む炭素質材料と合わせた乾燥凝集体と、ピッチバインダとを含む複合材カソードペーストから作成される、特定の形状及び剛性を有する事前作製未加工複合材セグメントは、小型の振動鋳型であり、前記事前作製未加工複合材セグメントの製造のための圧密装置内で、形成又は事前作製され、且つ
その後、従来のカソードブロックの製造のための大型の振動鋳型の底部に位置し、
炭素質カソードペーストは、前記大型の振動鋳型に充填され、且つ前記大型の振動鋳型の前記底部に位置決めされた前記事前作製未加工複合材セグメントの上に均一に分配され、
その後、前記事前作製未加工複合材セグメントを前記炭素質カソードペーストと融合させるために、振動成形され、
したがってカソードブロック表面又は前記カソードブロック表面の一部において、一体化された複合材層を有する未加工カソードブロックを形成することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記乾燥凝集体は、
10~90重量%の前記金属ホウ化物粉末、又は前記耐火性金属炭化物粉末、又は前記アルミナ粉末と、
90~10重量%の前記コークス粒子とからなることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記金属ホウ化物粉末、又は前記耐火性金属炭化物粉末、又はアルミナ粉末の粒子径分布(d50)は、0.1~100μmである一方、前記コークス粒子径分布(d50)は、0.05~8mmであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記複合材カソードペーストは、従来のカソードペーストを調製するために使用される従来のミキサにおいて且つ従来のカソードペーストの調製と同様の方式において、前記乾燥凝集体と、前記乾燥凝集体に対して10~30重量%のピッチバインダとを混合することによって調製されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記事前作製未加工複合材セグメントは、2つの対向する成形型部分を有する、前記事前作製未加工複合材セグメントの製造のための小型の振動鋳型に前記複合材カソードペーストを加えることによって形成され、
一方の部分は、尖鋭形、ジグザグ形、円錐形又は角錐形の表面パターンを有し、それにより、前記事前作製未加工複合材セグメントは、1つの側で前記表面パターンを有することになることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記事前作製未加工複合材セグメントは、前記大型の振動鋳型に前記炭素質カソードペーストを加える前に、上向きになっている前記尖鋭形、ジグザグ形、円錐形又は角錐形の表面パターンを有する、カソードブロック製造のための前記大型の振動鋳型の底面に位置決めされることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記事前作製未加工複合材セグメントは、前記大型の振動鋳型の両端に配置され、且つ前記振動鋳型の中心に向かって20~100cm延び、したがってブロック端部に複合材表面を有する未加工カソードブロックを形成することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記事前作製未加工複合材セグメントは、カソードブロック製造のための前記大型の振動鋳型の底面の中心に配置され、且つ前記振動鋳型の各側に向かって20~50cm延び、したがってカソードブロック表面の中心に複合材層を有する未加工カソードブロックを形成することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記事前作製未加工複合材セグメントは、前記カソードブロックの一端から他端まで延びる、カソードブロック製造のための前記大型の振動鋳型の前記底部における特定の領域内に配置され、前記振動鋳型に沿って幅5~20cmの平行線を形成し、したがってカソードブロック表面に沿った平行線において複合材層を有する未加工カソードブロックを形成することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に方法。
【請求項10】
前記事前作製未加工複合材セグメントは、前記大型の振動鋳型に前記炭素質カソードペーストを加える前に、上向きになっている前記尖鋭形、ジグザグ形、円錐形又は角錐形の表面パターンを有する、カソード製造のための前記大型の振動鋳型の前記底部における傾斜表面に配置され、したがって傾斜した複合材表面を有する未加工カソードブロックを形成することを特徴とする、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項11】
振動成形後、前記複合材層を有する前記未加工カソードブロックは、従来のカソードブロックに関する対応する温度及び期間における、且つ従来のカソードブロックと同様の方式での黒鉛化前に、従来のカソードブロックに関する対応する温度及び期間において且つ対応する方式において焼成されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カソードブロックの表面全体又は表面の一部が複合材料によって覆われている、ホール・エルー槽内でのアルミニウム電解のためのカソードブロックを製造する新規の方法を提供する。本発明は、この方法によって製造されるカソードにも関する。設計に応じて、これらのカソードブロックは、多くの異なる目的を有し、且つホール・エルー槽の動作性能を向上させることができる。ブロックは、カソード溶液を形成するために、カソードバー、Cuロッド又は集電板によってロッド加工され得る。
【背景技術】
【0002】
C-TiBをベースとする、アルミニウム電解のための均質な複合材カソードブロックは、通常、従来のカソードブロックと同じ方式で製造される。しかし、カソードペーストの調製中、TiB粉末が乾燥コークス凝集体及びピッチバインダに加えられる。このC-TiB複合材ブロックは、その後、焼成及び後続の黒鉛化前に、振動成形又は押出成形されて、未加工カソードブロックを形成する。代替として、高価なTiB粉末の使用を減らすために、C-TiB複合材料を上層にのみ有する2層カソードブロック設計が用意され得る。この場合、従来のカソードペーストの1つの厚いベース層が振動鋳型の底部に均一に分配される。その後、C-TiB複合材カソードペーストの上層がベース層の上に均一に塗布され、その後、振動成形されて未加工ブロックを形成し、次いで焼成及び黒鉛化が行われる。しかし、上層のためのC-TiBペーストの塗布中の精度には限界があり、一様で薄い上層を実現することが困難であり得る。さらに、形成プロセスでC-TiB複合材カソードペーストを使用するとき、C-TiB複合材上層を有するより複雑なカソードブロック設計を製造することは、困難である。
【0003】
特許文献1は、アルミニウム電解槽のための多層カソード構造を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第0036187号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、C-TiB複合材上層或いはHfB、ZrB、CrB、WBなどの他の金属ホウ化物粉末又はSiC、Cr、BC、TiC若しくはAlなどの耐火性金属炭化物粉末と、炭素とを含む複合材上層を用いてカソードブロックを製造する新規の方法を提供する。
【0006】
アルミニウム製造のためのホール・エルー電解槽のためのカソードブロックを製造するための本方法は、1つ又は複数の事前作製未加工複合材セグメントが、従来のカソードブロックの製造のための大型の振動鋳型の底部に位置決めされ、炭素質カソードペーストが振動鋳型に充填され、且つ振動鋳型の底部に位置決めされた事前作製未加工複合材セグメントの上に均一に分配され、その後、振動成形が続いて、前記複合材セグメントを炭素質カソードペーストと融合させ、したがってカソードブロック表面又はカソードブロック表面の一部において、一体化された複合材層を有する未加工カソードブロックを形成することによって行われ得る。
【0007】
前記事前作製未加工複合材セグメントは、TiB若しくはHfB、ZrB、CrB、WBなどの他の金属ホウ化物粉末又はSiC、Cr、BC、TiC若しくはAlなどの耐火性金属炭化物粉末の、コークス粒子などの炭素質材料と合わせた乾燥凝集体と、ピッチバインダとを含む未加工複合材料又はセグメントから作成され、且つ小型の振動鋳型で形成又は事前作製され得る。
【0008】
新規で進歩性のある本製造方法は、製造を簡素化し、製造中の精度を向上させ、カソードブロックとC-TiB上層とのより複雑な設計を容易にし、場合により製造コストを削減する。
【0009】
以下では、本発明を実施例及び図によってさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】小型の振動鋳型内での事前作製未加工複合材セグメントの製造を開示する。
図2】一方の側面から見た事前作製未加工複合材セグメントの詳細を開示する。
図3】従来のカソードペースト及び事前作製未加工複合材セグメントに基づいて未加工カソードブロックを形成するための、一方の側面から見た従来の振動鋳型を開示する。
図4】振動成形後の図3と同じカソードブロックを開示し、ここでは、カソードブロックが鋳型内の位置に対して上下逆さであり、完全な複合材カソード表面層を有する。
図5】上から見た図4と同じブロックを開示する。
図6】ブロック端部から見た、カソードバーのための2つの凹部を有する図4と同じブロックを開示する。
図7】1つの側面からの振動鋳型を開示し、事前作製未加工複合材セグメントが特定の領域に配置され、従来のカソードペーストが複合材セグメントの上に分配されている。
図8】振動成形後の図7と同じカソードブロックを開示し、カソードブロックが鋳型内の位置に対して上下逆さであり、カソード表面の一部に複合材層を有する。
図9】上から見た図8と同じカソードブロックを開示する。
図10】側面からの振動鋳型を開示し、傾斜した底部が事前作製未加工複合材セグメントによって覆われており、従来のカソードペーストが複合材セグメントの上に分配されている。
図11図10と同じカソードブロックを開示し、カソードブロックが鋳型内の位置に対して上下逆さであり、傾斜したカソード表面に完全な複合材層を有する。
図12】上から見た図11と同じブロックを開示する。
図13】1つの他のカソードブロック設計を上面図で開示し、事前作製未加工複合材セグメントを振動鋳型の底部における特定の位置に配置することによって同様の方式で製造された、ブロックの一端から他端まで延びる複合材層を有する2つの領域を示す。
図14】ブロック端部から見た図13と同じブロックを開示する。
図15】事前作製未加工複合材セグメントを振動鋳型の底部における特定の位置に配置することによって同様の方式で製造された、横方向に配置された複合材層を有するカソードブロックの側面図を開示する。
図16図15に示されるカソードブロックの上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、小型の振動鋳型10内での未加工複合材複合材セグメント11の製造を開示する。ここで、複合材カソードペーストが鋳型部分10’’に注入される。振動重り10’がペースト塊を圧密して、事前作製未加工複合材セグメントと呼ばれる、特定の形状及び剛性を有する複合材セグメントを形成する。
【0012】
図2は、事前作製未加工複合材セグメント20の詳細を開示する。
【0013】
図3は、側面から見た振動鋳型30を開示する。ここで、事前作製未加工複合材セグメント31が振動鋳型の底部全体を覆う。従来のカソードペースト32がこれらのセグメントの上に均一に分配される。このようにして、未加工カソードブロックが上下逆さに形成される。
【0014】
図4は、振動成形後の図3と同じカソードブロック32を開示する。ここでは、複合材層31全体がカソードペースト32の上にある。
【0015】
図5は、上から見た図4と同じカソードブロックを開示する。この図では、複合材層31のみが見える。
【0016】
図6は、ブロック端部から見た図4と同じカソードブロック32を開示する。カソードブロック32は、カソードバー22、22’のための2つの凹部21、21’及び複合材層31を備える。
【0017】
図7は、側面から見た振動鋳型30を開示する。ここで、事前作製未加工複合材セグメント31’、31’’は、振動鋳型の底部の端部におけるいくつかの特定の領域にのみ慎重に配置される。従来のカソードペースト32が事前作製未加工複合材セグメント31’、31’’の上に均一に分配される。このようにして、カソードブロックが上下逆さに製造される。
【0018】
図8は、振動成形後の図7と同じカソードブロック32を開示する。ここでは、向きが変えられている。複合材層は、カソードブロックの端部に向かって上にある。
【0019】
図9は、上から見た図8と同じカソードブロックを開示する。この図では、従来のカソードペースト32に基づく領域によって分離された複合材層31’、31’’を有する2つの領域がブロック端部に見られる。
【0020】
図10は、側面から見た振動鋳型40を開示する。ここで、振動鋳型の底部は、傾斜表面を有する。振動鋳型のこの傾斜した底部は、事前作製未加工複合材セグメント41で完全に覆われている。従来のカソードペースト42がこれらのセグメント41の上に均一に分配されている。
【0021】
図11は、振動成形後の図10と同じカソードブロック42を開示する。ここでは、傾斜した複合材層41が上にある。
【0022】
図12は、上から見た図10と同じブロックを開示する。この図では、複合材層41のみが見える。
【0023】
図13は、事前作製未加工複合材セグメントを使用することによって可能にされる別のカソードブロック設計の一例を開示する。ここで、カソードブロックが上から見られ、ブロックの一端から他端まで延びる複合材料を有する2つの領域を示す。これらの領域は、事前作製未加工複合材セグメント51、51’の慎重な位置決めによって用意される。従来のカソードペーストは、参照番号52、52’、52’’、52’’’で示されている。
【0024】
図14は、ブロック左端部から見た図13と同じブロックを開示する。カソードバー22、22’のための2つの凹部21、21’がある。
【0025】
図15は、事前作製未加工複合材セグメント61の慎重な位置決めによって用意された、カソードブロック62で横方向に配置されたカソード表面に複合材層を有する1つの領域を有するカソードブロックの側面図を開示する。
【0026】
図16は、複合材セグメント61を有する、図15に示されるカソードブロック62の上面図を示す。
【0027】
カソードを作成する方法は、以下のいくつかの主要なステップに基づくことができる。
i)従来のカソードペーストの調製のために使用されるのと同様のミキサにおいて且つ従来のカソードペーストの調製に使用されるのと同様の混合手順を使用することにより、TiB粉末若しくはHfB、ZrB、CrB、WBなどの他の金属ホウ化物粉末又はSiC、Cr、BC、TiC若しくはAlなどの耐火性金属炭化物粉末及びコークスの乾燥凝集体を、ピッチバインダに加えて添加することにより、複合材セグメントを作成するための特別な複合材カソードペーストが調製される。代替として、従来のコークスの代わりに、ピッチバインダ及びTiB粉末に加えて、前記ホウ化物、炭化物又はアルミナの含有を伴うコークスを使用して、複合材カソードペーストが調製され得る。
ii)乾燥凝集体は、10~90重量%の前記ホウ化物、炭化物又はアルミナ粉末と、10~90重量%のコークス粒子とからなるが、しかし、より典型的には、凝集体は、20~40重量%の前記ホウ化物、炭化物又はアルミナ粉末と、60~80重量%のコークス粒子とからなる。混合プロセスにおいて、乾燥凝集体の質量に対して10~20重量%のピッチバインダが加えられる。従来のカソードペーストの製造に関して、混合プロセス中の温度は、バインダピッチの軟化点に依存する。典型的には、混合中の温度は、120~200℃である。
iii)乾燥凝集体中の前記ホウ化物、炭化物又はアルミナ粉末は、典型的には、0.1~100μm(d50)の粒子径を有する一方、コークスの粒子径分布は、典型的には、0.05~8mm(d50)である。
iv)混合後、複合材カソードペーストを小型の予熱済み振動鋳型に配置することにより、未加工複合材セグメントが形成される。鋳型の底部は、未加工複合材セグメントの表面の1つの表面積を増加させるために、尖鋭形、ジグザグ形、円錐形、角錐形又は同様のタイプのパターンを有し得る。このプロセスで形成されたセグメントは、これらのセグメントが事前に製造され、後の段階でのカソードブロック製造に使用されるまで保管され得るため、「事前作製未加工複合材セグメント」と呼ばれる。
v)カソードブロック製造前に、事前作製未加工複合材セグメントが予熱され、且つその後、上を向いた尖鋭形パターンを有する、未加工カソードブロックの調製のために使用される振動鋳型の底部に配置される。
vi)カソードブロックの振動成形が開始される前に、従来のカソードペーストが振動鋳型に充填され、且つ事前作製未加工複合材セグメントの上に均一に分配される。振動成形中、事前作製未加工複合材セグメントがカソードペーストと融合され、及び振動成形後、これらのセグメントが未加工カソードブロックの一体化された部分になる。このようにして、未加工カソードブロックが上下逆さに製造され、一体化された複合材上層が振動鋳型の底部にある。
vii)振動成形後、未加工カソードブロックが焼成され、且つその後、従来のカソードブロックと同様の方式で黒鉛化される。
viii)カソードブロックの機械加工及びロッド加工は、当技術分野で知られている任意の方式において、例えばカソードバー、Cuロッド又は集電板によって行われ得る。
【0028】
複合材層は、カソードブロックの上部を部分的又は全体的に覆うように配置され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16