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特許7556065電気加熱式の喫煙システム用の分割気流システムおよび電気加熱式の喫煙システムの内部の気流を案内する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】電気加熱式の喫煙システム用の分割気流システムおよび電気加熱式の喫煙システムの内部の気流を案内する方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20240917BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20240917BHJP
   A24F 40/10 20200101ALI20240917BHJP
   A24F 40/44 20200101ALI20240917BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/46
A24F40/10
A24F40/44
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023002567
(22)【出願日】2023-01-11
(62)【分割の表示】P 2020173132の分割
【原出願日】2015-12-15
(65)【公開番号】P2023036992
(43)【公開日】2023-03-14
【審査請求日】2023-02-10
(31)【優先権主張番号】14197849.4
(32)【優先日】2014-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド キーサン ダスネイヴィス
(72)【発明者】
【氏名】フォルス エリク
(72)【発明者】
【氏名】ミロノフ オレク
(72)【発明者】
【氏名】ジノヴィク イハル ニコラエヴィッチ
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-507152(JP,A)
【文献】中国実用新案第203986095(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/40
A24F 40/46
A24F 40/10
A24F 40/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システム用のヒーター組立品であって、前記ヒーター組立品が、
開口部を有する電気絶縁基体と、
前記電気絶縁基体の開口部にわたって配置され、液体エアロゾル形成基体を加熱してエアロゾルを形成するようにされた加熱要素であって、実質的に平坦で平面である加熱要素と、
前記加熱要素と接触して配置された毛細管材料であって、セラミック材料を含み、前記液体エアロゾル形成基体を前記加熱要素に運搬するようにされ、前記加熱要素がさらに前記毛細管材料の表面に沿って配置された、毛細管材料と、
各々が前記加熱要素の端部に接続された2つの電気接点であって、前記電気絶縁基体により支持された2つの電気接点と
を備える、エアロゾル発生システム用のヒーター組立品。
【請求項2】
前記ヒーター組立の一方の側に配置された気流チャネルをさらに備え、前記気流チャネルが、前記毛細管材料の表面に垂直な方向に延び、前記加熱要素の中心に向けられた気流経路を確定する、請求項1に記載のヒーター組立品。
【請求項3】
前記加熱要素が、前記2つの電気接点の間に曲線的に配置されたフィラメントを備える、請求項1または2に記載のヒーター組立品。
【請求項4】
前記フィラメントが実質的に平坦である、請求項3に記載のヒーター組立品。
【請求項5】
前記加熱要素が前記毛細管材料内に埋め込まれた、請求項1~4のいずれか1項に記載のヒーター組立品。
【請求項6】
前記毛細管材料が、焼結粉末のセラミック系材料、繊維性材料、及びこれらの組合せからなる群から選ばれる、請求項1~5のいずれか1項に記載のヒーター組立品。
【請求項7】
前記毛細管材料が前記液体エアロゾル形成基体と流体連通した、請求項1~6のいずれか1項に記載のヒーター組立品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気加熱式の喫煙システムおよび電気加熱式の喫煙システムの内部の気流を案内する方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
電気的に動作する喫煙装置など、一部のエアロゾル発生システムは、電池および制御電子回路、エアロゾル形成基体供給源を含むカートリッジならびに電気的に動作する気化器を備えうる。物質は、例えばヒーターによって、エアロゾル形成基体から気化される。ユーザーが口側の端で喫煙する間、気流は、発熱体を通過して気化した液体を混入させ、マウスピースを通してそれをマウスピースの口側の端に案内する。
【0003】
ヒーターを通過する気流は、ヒーターに対して冷却作用を持ちうる。これは、液体の気化の減少につながったり、望ましい量のエアロゾルを達成するためなどの液体の量を気化させるのに十分な温度にヒーターを保つためのエネルギーが増大したりしかねない。
【0004】
従って、電気加熱式の喫煙システム、および電気加熱式の喫煙システムの効率を改善する、電気加熱式の喫煙システムの内部の気流を案内するための方法の必要性がある。
【発明の概要】
【0005】
第一の態様によれば、エアロゾルを発生するための電気加熱式の喫煙システム用の分割気流システムが提供されている。分割気流システムは、下流端を有し、第一の流れ経路を画定する第一のチャネルおよび第二の流れ経路を画定する第二のチャネルを備える。第一のチャネルおよび第二のチャネルは、少なくとも部分的に明確なチャネルである。第一の流れ経路は、周囲空気をシステムの外部からシステムの下流端に配向する。第二の流れ経路は、周囲空気を下流端に運ぶ前に、周囲空気をシステムの外部から発熱体、好ましくは実質的に平面の流体透過性発熱体に向けて配向する。第一のチャネルおよび第二のチャネルは、システムを通過する周囲空気の総体積を画定し、第一のチャネルはシステムを通過する周囲空気の総体積の少なくとも50パーセントを提供する。
【0006】
発熱体によって気化された液体は、第二のチャネル内に流れてくる周囲空気によって回収され、分割気流システムの下流端に運ばれる。周囲空気は、発熱体によって気化された液体を捕捉するために、分割気流システム内に案内されて発熱体を通過する。この周囲空気は、発熱体を冷却する。冷却効果は、周囲空気の温度だけでなく、発熱体と接触する周囲空気の量にも依存する。発熱体を通過しない第一の流れ経路に沿って周囲空気を配向するための第一のチャネルが、本発明による分割気流システムで提供されている。第一のチャネルはまた、システムの近位端、好ましくは、電気的に作動する喫煙システムのマウスピースの口側の端で終わる。ところが、分割気流システムに入る周囲空気は、それぞれ第一のチャネルおよび第二のチャネル内の第一の流れ経路と第二の流れ経路に沿って分割される。第一のチャネルは、第二のチャネルの少なくとも発熱体の位置の上流に配置された部分を迂回することが好ましい。これにより、周囲空気の総体積のうち、システムに入る部分のみが発熱体を通過する。周囲空気の総体積のうち別の部分は、直接的に、すなわち発熱体を通過せずに、分割気流システムの下流端に案内される。
【0007】
このようにして、可変の周囲空気の体積が発熱体を迂回しうる。発熱体を通過し、発熱体に対して冷却効果を持ちうる周囲空気を、変動させてもよく、また制御してもよい。周囲空気の総体積の半分、または好ましくは半分未満が発熱体を通過するため、発熱体は周囲空気の総体積が発熱体を通過する場合ほどは冷却されない。従って、発熱体は比較的に低いエネルギーで動作しうる。これはエネルギーを節約し、また、分割気流システムを備えた喫煙システムの電池が比較的に長い動作時間を持つこと、またはそうした電池の小型化につながりうる。さらに、発熱体が低めのエネルギーで動作しうる場合、例えば短絡や高温スパイクによる発熱体の誤作動のリスクが低減もしくは排除されうる。
【0008】
なおもさらに、第一のチャネル内の周囲空気は発熱体を通過していないため、この周囲空気は、第二のチャネル内のエアロゾルを運ぶ周囲空気よりも低温である。従って、第一のチャネル内の周囲空気は、エアロゾルを運ぶ周囲空気に対して冷却効果を持ちうる。この効果は、システムの下流端に達する前に第一の流れ経路が第二の流れ経路と合わさる場合に、特に明白である。次に、第一の気流は、内側で、例えばマウスピースの内側で第二の気流と混合され、さらに急速に冷却される。その結果、気化された液体による空気の過飽和が起こりうる。また、その結果、比較的小さなエアロゾル小滴の形成も起こりうる。
【0009】
第一のチャネルは、分割気流システムを通過する周囲空気の総体積のうち約50パーセントおよび約95パーセントを供給することが好ましい。より好ましくは、第一のチャネルは、分割気流システムを通過する周囲空気の総体積のうち約65パーセント~約95パーセントを、さらに好ましくは、約85パーセント~約89パーセントを供給する。
【0010】
気化された液体を混入し、それをシステムの下流端に案内するには、発熱体を通過する少量の気流で十分であることが分かっている。発熱体を通過する周囲の気流が少ないほど、通過する気流による発熱体の冷却による熱損失も低減される。第二のチャネルの上記の流量では、特に良好にまた同時に発熱体のわずかな冷却により、気化された液体を混入することが示されている。周囲空気の総体積に占める言及された体積パーセント値は、好ましくは、実質的に平面の発熱体、より好ましくは実質的に平面の流体透過性発熱体、例えば、メッシュ発熱体などの複数の導電性フィラメントを備えた発熱体を備えた、エアロゾル発生喫煙システムで適用されることが好ましい。
【0011】
第二のチャネルを通過し発熱体を通過する周囲空気の量は、変動することがあり、例えば、適用される発熱体の種類または利用可能な気化された液体の量に適合されうる。例えば、発熱体を通過する周囲空気の体積は、発熱体により効果的に加熱される合計面積に適合されうる。
【0012】
原則として、特定の値に関連して「約」という用語が本明細書全体を通して使用される時はいつでも、「約」という用語に続く値は、技術的な考慮事項のため、厳密に正確なその特定の値を持つ必要はないと理解される。ただし、特定の値に関連して使用される「約」という用語は常に、用語「約」に続く特定の値を含み、かつ明示的に開示するものと理解される。
【0013】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、システム内の気流の方向から見たものである。システムの上流端と下流端は、ユーザーがエアロゾル発生喫煙物品の近位端または口側の端を吸う時の気流に関連して定義される。空気は、上流端でシステムに引き込まれ、システムを下流に通過し、近位端または下流端でシステムを出る。本明細書で使用される「近位」および「遠位」という用語は、消費者に向かう、または消費者から離れる向きに関する要素の位置を意味する。従って、エアロゾル発生システムのマウスピースの近位端は、マウスピースの口側の端に対応する。カートリッジハウジングの遠位開口部は、したがって、消費者から反対側に面するカートリッジハウジング内に配置された開口部の位置に対応する。
【0014】
「実質的に平面の」発熱体という用語は、本明細書全体を通して実質的に二次元の位相幾何学的マニホールドの形態である発熱体を意味するために使用される。従って、実質的に平面の発熱体は、実質的に第三の寸法よりも大きい表面に沿って二次元的に延びる。特に、その表面内での二次元的な実質的に平坦な発熱体の寸法は、表面に対して垂直の第三の寸法よりも少なくとも5倍大きい。実質的に平面の発熱体の例は、2つの実質的に平行な架空表面間の構造であって、ここでこれらの2つの架空表面間の距離は実質的にその表面内の延長部分よりも小さい。一部の好ましい実施形態で、実質的に平面の発熱体は平面である。その他の実施形態で、実質的に平面の発熱体は一つ以上の寸法に沿って曲がっており、例えばドーム形状またはブリッジ形状を形成する。平面の発熱体は、製造時の取り扱いが簡単にでき、丈夫な構造が与えられる。
【0015】
分割気流システムで、または喫煙システムで使用される発熱体は、例えば当技術で周知の芯コイルヒーターでもよい。ここで、コイルは芯の周りに巻かれ、その芯は気化されることになる液体に浸される。液体は、そのカートリッジ外部の毛細管作用によって、コイルが芯の周りに巻かれている芯の部分に運ばれ、この芯の部分が加熱される。
【0016】
流体透過性発熱体が使用されることが好ましい。流体透過性発熱体は、異なる種類のカートリッジの液体の気化に適している。例えば、液体エアロゾル形成基体として、カートリッジは、液体または液体を含む搬送材料(例えば毛細管材料など)を含みうる。こうした搬送材料および毛細管材料は液体を能動的に運搬するものであり、また液体を発熱体に運搬するようにカートリッジ内で方向付けられていることが好ましい。発熱体のフィラメント配置は、発熱体により生成された熱により液体が気化されうるように、液体または液体を含む毛細管材料に近接して配置される。フィラメント配置およびエアロゾル形成基体は、液体が毛細管作用によってフィラメント配置の隙間に流れ込みうるように配置されることが好ましい。フィラメント配置はまた、毛細管材料と物理的に接触しうる。
【0017】
流体透過性発熱体は、実質的に平面の発熱体であることが好ましい。こうした発熱体は、例えば、多孔性のセラミックまたはメッシュヒーター内に埋め込まれた平坦なコイルとしてもよく、ここで、メッシュまたは別のフィラメント配置は、ヒーターの開口部にわたり配置される。発熱体は、例えば、耐熱性の支持部品上にプリントされた導電性のメッシュまたはコイルパターンを備えてもよい。支持部品は、200℃未満の温度で、好ましくは150℃未満の温度で、熱的に分解したり揮発性要素を放出したりしない、セラミック、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはその他の耐熱性セラミックおよびポリマーとしうる。
【0018】
「フィラメント」という用語は、本明細書全体を通して、2つの電気接点間に配置された電気的な経路を意味するために使用される。フィラメントは、任意にいくつかの経路またはフィラメントにそれぞれ枝分かれ・分岐させてもよく、またはいくつかの電気的な経路から一つの経路に合流させてもよい。フィラメントは、丸、四角、平坦またはその他の任意の断面形態を持ちうる。フィラメントは、直線的または曲線的に配置されうる。
【0019】
「フィラメント配置」という用語は、本明細書全体で1つの、または好ましくは複数のフィラメントの配置を意味するために使用される。フィラメント配置は、例えば相互に並列に配列された一連のフィラメントとしうる。フィラメントはメッシュを形成しうることが好ましい。メッシュは、織物または不織布としうる。フィラメント配置は、約0.5マイクロメートル~500マイクロメートルの間の厚さを持つことが好ましい。フィラメント配置は、例えば、平行または交差した導電性フィラメントのアレイの形態としうる。フィラメントは、例えば、エッチング加工されてフィラメントを画定する導電性の箔、例えば、ステンレス鋼スチール箔から形成された、電気接点と一体型として形成されうる。
【0020】
発熱体は、エアロゾル形成基体を含むカートリッジまたはカートリッジハウジングから液体を気化する。エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出する能力を持つ基体である。揮発性化合物はエアロゾル形成基体の加熱により放出されうる。
【0021】
エアロゾル形成基体は植物由来材料を含みうる。エアロゾル形成基体はたばこを含みうる。エアロゾル形成基体は加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含む、たばこ含有材料を含みうる。別の方法として、エアロゾル形成基体は非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化した植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成剤は、使用において密度の高い安定したエアロゾルの形成を容易にする、システム動作の使用温度で熱分解に対して実質的に抵抗性のある任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物である。好適なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含むが、これに限定されない。好ましいエアロゾル形成体は多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリン(最も好ましい)など)である。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を含みうる。
【0022】
エアロゾル形成基体は、発熱体に接するかまたは隣接する毛細管材料を経由して発熱体に運搬される。毛細管材料は繊維質または海綿状の構造を有する場合がある。毛細管材料は一束の毛細管を含むことが好ましい。例えば、毛細管材料は複数の繊維もしくは糸、またはその他の微細チューブを含む場合がある。繊維または糸は、一般的に液体を発熱体に移動するように整列されたものとしうる。別の方法として、毛細管材料は海綿体様または発泡体様の材料を含む場合がある。毛細管材料の構造は複数の小さな穴またはチューブを形成し、それを通して液体が毛細管作用によって移動できる。毛細管材料は適切な任意の材料または材料の組み合わせを含みうる。適切な材料の例としては、海綿体または発泡体材料、繊維または焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属またはプラスチックの材料、例えば紡がれたかまたは押し出された繊維(酢酸セルロース、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンまたはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)でできた繊維性材料がある。毛細管材料は異なる液体物理特性で使用されるように、適切な任意の毛細管および空隙率を有する場合がある。液体は毛細管作用により毛細管装置を通過して移動できるようにする粘性、表面張力、密度、熱伝導率、沸点および蒸気圧を含むがこれに限定されない物理的特性を持つ。
【0023】
毛細管材料は、発熱体の導電性フィラメントと接触しうる。毛細管材料は、フィラメント間の隙間に延びうる。発熱体は、毛細管作用により液体エアロゾル形成基体を隙間に引き込みうる。毛細管材料は、実質的に発熱体の開口部の全長にわたり、導電性フィラメントと接触しうる。
【0024】
発熱体は、支持要素を含む加熱組立品内に提供されうる。加熱組立品は、2つ以上の異なる毛細管材料を含みうるが、ここで発熱体と接触している第一の毛細管材料はより高い熱分解温度を持ち、第一の毛細管材料と接触しているが、発熱体とは接触してない第二の毛細管材料はより低い熱分解温度を持つ。第一の毛細管材料は、第二の毛細管材料がその熱分解温度を上回る温度に晒されないように、発熱体を第二の毛細管材料から分離するスペーサーとしての役目を効果的に果たす。本明細書で使用される場合、「熱分解温度」とは、材料が分解し始め、ガス状の副産物を発生することにより質量を損失する温度を意味する。第二の毛細管材料は、有利なことに第一の毛細管材料よりも大きな体積を占めうるが、また第一の毛細管材料よりも多くのエアロゾル形成基体を保持しうる。第二の毛細管材料は、第一の毛細管材料よりも優れた芯の性能を持ちうる。第二の毛細管材料は、第一の毛細管材料よりも安価であるか、または高い充填能力を持ちうる。第二の毛細管材料はポリプロピレンとしうる。
【0025】
本発明による分割気流システムの態様によれば、第二の流れ経路が周囲空気を配向して発熱体を通過させた後で、すなわち、第一の流れ経路が発熱体の下流の第二の流れ経路と合わさった後で第一の流れ経路が第二の流れ経路と合わさるように、第一のチャネルは第二のチャネルの端部と合流する。
【0026】
こうした実施形態で、周囲空気は、分割気流システムの下流端を、または、例えば、1つまたはいくつかの共通の出口開口部にある喫煙システムのマウスピースを離れうる。第二のチャネルのほとんどの下流部分は、第一のチャネルと同一であることが好ましい。これにより、喫煙システムの製造が簡略化されうる。例えば、マウスピースには、単一の追加的な穴をマウスピース壁内に提供して、マウスピース内に第二のチャネルまで延長させ、第一のチャネルを形成してもよい。これによりまた、既存のマウスピースが、マウスピース全体を再構築する必要なしに、分割気流システムに適合されうる。エアロゾルを含む周囲空気は、第一の流れ経路によってシステム内に案内された「新鮮な」周囲空気と混合される。それによって、エアロゾルを含む周囲空気が冷却される。低温の空気は、高温での同一の空気と比較して小さなエアロゾル小滴サイズの形成を支援する。低温の空気は、気化された液体による空気の過飽和を支援すると考えられる。過飽和は、過飽和された空気内に形成される小滴のサイズに対する効果を持つ。
【0027】
本発明による分割気流システムの代替的な態様によれば、第一のチャネルおよび第二のチャネルは、第一の流れ経路および第二の流れ経路が、周囲空気を相互に分離されたシステムの外部からシステムの下流端に配向するように明確なチャネルを形成する。従って、周囲空気は、分割気流システムに引き込まれ、システム内に案内され、それを通過し、完全に別個の流れ経路に沿ってシステム外に出る。これにより、発熱体を通過する周囲空気と発熱体を迂回する周囲空気は、相互に競合または影響しない。別個の第一のチャネルを持つことで、第二のチャネル内のエアロゾルを運ぶ周囲空気と独立して、システムを通して、またはマウスピースを通して、周囲空気を案内する、数多くの構造上の可能性が提供される。
【0028】
本発明による分割気流システムの別の態様によれば、第二のチャネルの少なくとも一部分および発熱体は、第二のチャネルの少なくとも一部分が周囲空気を発熱体に直角に当たるように配向するように相互に直角をなして配置される。
【0029】
周囲空気が発熱体に当たるようにするのは、周囲空気を発熱体に配向し、エアロゾルを発熱体から運び出す効率的な方法である。特に、周囲空気が発熱体の中央に当たる場合、発熱体への均質な気流が半径方向に外向きに提供されうる。周囲空気は、発熱体の中央のみに当たりうる。
【0030】
本発明による分割気流システムでは、発熱体の下流に配置された第二のチャネルの少なくとも一部分は、発熱体の周辺に、好ましくは周辺のみに配置されうる。複数の第二のチャネル部分が、発熱体の周辺に配置されることが好ましい。これにより、蒸気を含む周囲空気は、例えば、電気加熱式の喫煙システムのハウジングまたはマウスピースの周辺に沿って、例えば長軸方向に、発熱体の周辺で発熱体を離れるように案内される。こうした蒸気を含む周囲空気が案内される領域が大きいことと環境への近接さの両方が、蒸気を含む空気の冷却とエアロゾル形成をサポートする。第一のチャネルの少なくともチャネル部分が、発熱体の下流に配置されている周辺方向に配置された第二のチャネルの少なくとも一つの部分と平行に配置されている場合、第一のチャネル部分を流れる新鮮な周囲空気、およびそれぞれの第一のチャネル部分および第二のチャネル部分の間の熱的接触によって、追加的な冷却が提供されうる。複数の第一のチャネル部分は、マウスピースの周辺に沿って長軸方向に配置されることが好ましい。周辺のみのチャネル部分の配置により、例えば、中央のみに配置されたその他のチャネルを持つというオプション、あるいは中央および周辺のチャネル部分、または中央のチャネル部分を環境と接続する半径方向に配置されたチャネル部分を持つというオプションが残る。
【0031】
第一の流れ経路および第二の流れ経路は、例えば、それぞれのチャネルを通過する所定の空気体積を有する所定の気流分割といった、望ましい結果を達成するために選択されうる。例えば、チャネルの長さまたは直径は、例えば、所定の引き出し抵抗(RTD)を達成するためにも変動しうる。第一および第二の流れ経路はまた、エアロゾル発生喫煙システムのセットアップに従い、また喫煙システムの個別構成要素の配置や特性に従い、選択されうる。例えば、エアロゾルは、エアロゾル形成基体を含むカートリッジハウジングの近位端で、または遠位端で発生させてもよい。エアロゾル発生喫煙システム内のカートリッジの向きに応じて、カートリッジハウジングの開放端は、マウスピースに面して配置されるか、またはマウスピースから離れる向きに配置される。したがって、エアロゾル形成基体を加熱するための発熱体は、ハウジングの近位端または遠位端に配置される。液体はマウスピースの開放遠位端で気化され、発熱体はカートリッジとマウスピースの間に配置されることが好ましい。
【0032】
したがって、第一の流れ経路および第一のチャネルは、完全に喫煙システムのマウスピース内に配置されることが好ましい。そのため、第一の空気吸込み口がマウスピースの側壁内に配置され、一方で、第一のチャネルの1つまたはいくつかの出口がマウスピースの近位端または口側の端内に配置されることが好ましい。第二の流れ経路は、喫煙システム内の発熱体の位置に依存する。例えば、発熱体が、例えば、カートリッジの近位端を覆うように(上部バージョン)、カートリッジハウジングの開放近位端に配置されている場合、第二のチャネルは、完全にマウスピース内に配置されてもよい。
【0033】
第一のチャネルおよび第二のチャネルは、いくつかのチャネル部分に分岐してもよく、また第一のチャネルの、または第二のチャネルのいくつかのチャネル部分は、それぞれ単一の第一のチャネルまたは第二のチャネルに合流してもよい。さらに、第一のチャネルは、いくつかの第一の部分的チャネルから成り立ってもよく、また第二のチャネルは、いくつかの第二の部分的チャネルから成り立ってもよい。そこで、第一の部分的チャネルの合計は第一のチャネルの周囲空気の体積を提供し、また第二の部分的チャネルの合計は第二のチャネルの周囲空気の体積を提供する。第一および第二の両方の部分的チャネルの空気吸込み口の合計数は、好ましくは2~10、より好ましくは6~10、および最も好ましくは8~10としうる。例えば、第一のチャネルの周囲空気の体積を供給する第一の部分的チャネルの合計は、第一のチャネルと流体連通した7または9の入口を持つことができ、また第二のチャネルの周囲空気の体積を供給する第二の部分的チャネルの合計は、第二のチャネルと流体連通した1または2の入口を経由する。
【0034】
発熱体が、例えば、カートリッジの開放遠位端を覆うために(底部バージョン)、カートリッジハウジングの開放遠位端に配置されている実施形態では、第二の流れ経路は通常的には喫煙システム内のさらなる遠位位置で、例えば、カートリッジハウジングの遠位端の領域内で開始される。第二のチャネルの第二の空気吸込み口は、例えば、システムの主要ハウジング内に配置される。次に、周囲空気はシステム内に方向付けられ、カートリッジの遠位端で発熱体を通過し、カートリッジ内でのエアロゾル形成基体の加熱によって発生した蒸気を混入させる。その後、空気を含むエアロゾルは、カートリッジハウジングと主要ハウジングとの間をカートリッジに沿ってシステムの下流端へと案内されうるが、そこで(下流端の前または下流端に到達した時点のいずれかで)第一の流れ経路からの周囲空気と混合される。
【0035】
カートリッジハウジングの遠位端の領域に配置された第二のチャネルの入口開口部も、発熱体がカートリッジの近位端に配置された上部バージョン(すなわち実施形態)で提供されうる。第二の流れ経路は、カートリッジの外側だけでなくカートリッジを通しても通過する。周囲空気はその後、カートリッジの半開放壁に入り、カートリッジ内を通過し、カートリッジの近位端に配置された発熱体を通して通過することによりカートリッジを出る。それによって、周囲空気は、周囲空気が基体自体内ではなく、基体の横にあるチャネル内を通過するように、エアロゾル形成基体内、または中実のエアロゾル形成基体内に配置された一つまたは複数のチャネル内を通過しうる。
【0036】
周囲空気がカートリッジに入るようにするために、カートリッジハウジングの側壁、好ましくは発熱体の反対側の壁、好ましくは底部壁には、少なくとも一つの半開放入口が提供される。半開放入口により、空気がカートリッジ内に入るが、空気または液体が半開放入口を通してカートリッジから出ることはない。
【0037】
半開放入口は、例えば、空気については一方向にのみ透過可能であるが反対方向には空気および液体が漏れないような半透過性の薄膜としうる。半開放入口は、例えば一方行弁でもよい。半開放入口は、例えば、カートリッジの最小限のへこみや弁または薄膜を通過する空気の体積といった特定の条件が満たされる場合に、入口のみを通して空気を通過させることが好ましい。
【0038】
こうした一方向弁は、例えば、商業的に入手可能な弁としうるが、例えば、医療装置で使用されている、例えばLMS Mediflow One-Way、LMS SureFlow One-WayまたはLMS Check Valves(薄膜を交差する)などがある。気流がカートリッジを通過するカートリッジ用に使用するのに適切な薄膜は、例えば、医療装置(例えば Qosina Ref. 11066、疎水性フィルターを備えた通気孔付きキャップ)で使用されている通気孔付き薄膜、または哺乳瓶に使用されている弁などがある。
【0039】
こうした弁および薄膜は、電気加熱式の喫煙システムでの用途に適した任意の材料としうる。医療装置に適した材料およびFDA認可の材料を使用しうるが、例えば、広い温度範囲での非常に高い機械抵抗および熱安定性を持つGrapheneがある。カートリッジハウジングの壁に液体が漏れないように一つまたは複数の弁を組み込めるように、弁は軟質の弾性材料で作製されることが好ましい。
【0040】
基体内で周囲空気を通過させることで、エアロゾル形成基体のエアロゾル化が支援される。喫煙中、カートリッジにへこみが発生し、これが半開放入口を起動させてもよい。その後、周囲空気は、カートリッジ、好ましくは、高い保持力または高い放出力の材料(HRM)または液体を通過し、発熱体を横切り、それによって発熱体が液体を十分に加熱した時に液体のエアロゾル化が発生し維持される。さらに、喫煙中に生じたへこみにより、毛細管材料など搬送材料内での発熱体への液体の供給が制限されうる。カートリッジを通した周辺の気流は、カートリッジ内の圧力差を等しくし、それによって、発熱体に向けた妨害されない毛細管作用が支援されうる。
【0041】
半開放入口は、追加的に、または別の方法として、カートリッジハウジングの一つまたは複数の側壁内に提供されてもよい。側壁内の半開放入口は、発熱体が配置されているカートリッジハウジングの開放上端に向けたカートリッジへの側方の気流を提供する。側方の気流はエアロゾル形成基体を通過することが好ましい。
【0042】
第二のチャネルの空気吸込み口がマウスピース内に配置されている場合、入口から発熱体の通路は短く保たれ、したがって恐らくは引き出し抵抗が減少する。空気はまた、発熱体の一方の側から他方の側の半径方向に、または例えば、発熱体の周辺側から発熱体の中央に案内されうる。
【0043】
第二の流れ経路は、周囲空気を発熱体に供給し、発熱体から離れてシステムの下流端にエアロゾルを搬送する、数多くの変形を提供しうる。例えば、半径方向の周囲空気の供給は、大量の中央での抽出と組み合わされることが好ましい。中央の周囲空気の供給は、発熱体表面全体にわたる半径方向の空気の分布と組み合わされて、エアロゾルを含む空気が周辺部を下流端に運ばれることが好ましい。第二の流れ経路は、周囲空気を発熱体に、例えば発熱体に直角に、好ましくは発熱体の中央に当たるように、配向しうる。
【0044】
発熱体の中央部分に周辺方向にまたは平行に配向される気流は、0度より大きく90度よりも小さい角度で表面に当たる気流と比較した時、エアロゾル流内に小さな粒子サイズおよび大量の全粒子状物質粒子が存在するという点で、エアロゾル化の改善を示している。これは、ヒーター要素および気流界面で発生する低めのレベルの乱気流、ヒーター全体を最大化することによるエアロゾル生成の改善(例えば、ヒーター要素の中央部分以外の部分がエアロゾルの追加または増量に寄与する)による、または発熱体を横切る空気の量が増えることに基づく吸い上げ効果の増大によるものと考えられる。
【0045】
本発明の別の態様によれば、エアロゾルを発生するための電気加熱式の喫煙システム内の気流に案内するための方法が提供されている。方法は、周囲空気をシステムの外部からシステムの下流端に第一の流れ経路に沿って配向する工程と、周囲空気をシステムの下流端に第二の流れ経路に沿って運ぶ前に、周囲空気をシステムの外部から発熱体に、好ましくは実質的に平面の流体透過性発熱体に向けて配向する工程とを含む。そこで、周囲空気の総体積は、システムを第一の流れ経路に沿って、および第二の流れ経路に沿って通過し、またシステムを通る周囲空気の総体積の少なくとも50パーセントは、第一の流れ経路を通過する。
【0046】
本発明による方法の態様によれば、方法はさらに、第一の流れ経路の周囲空気および第二の流れ経路の周辺空気がシステムの下流端に達する前に、第一の流れ経路の周囲空気および第二の流れ経路の周囲空気を合わせる工程を含む。
【0047】
本発明による方法の別の態様によれば、方法は、第一の流れ経路を第二の流れ経路から分離した状態に保つ工程をさらに含む。
【0048】
本発明による方法のなお別の態様によれば、方法は、第二の流れ経路内の周囲空気が発熱体に対して実質的に垂直に当たるように、第二の流れ経路内の周囲空気を配向する工程を含む。
【0049】
本発明による方法のさらなる態様および利点は、本発明による分割気流システムおよび喫煙システムに関連して言及されているため、繰り返さない。
【0050】
本発明による方法のさらなる態様によれば、方法はさらに、液体エアロゾル形成基体を提供する工程と、発熱体を加熱して、それによってエアロゾル形成基体から液体を気化させてエアロゾルを形成する工程と、エアロゾルを含む周囲空気がシステムの下流端に運ばれる前に第二の流れ経路によって発熱体に配向された周囲空気に形成されたエアロゾルを捕捉させる工程とを含む。
【0051】
本発明による方法の別の態様によれば、方法はさらに、第一のチャネルの少なくとも一部分および第二のチャネルの少なくとも一部分をシステムのマウスピース内部に提供する工程であって、ここでシステムの下流端がマウスピースの近位端である工程を含む。方法はさらに、第二のチャネルの少なくとも一部分内の周囲空気をマウスピースの長さに沿ってマウスピースの近位端に向けた方向に案内する工程と、第二のチャネル内の周囲空気の方向の反転を行う工程と、周囲空気を発熱体に当てるために周囲空気を発熱体の方向に案内する工程とを含む。
【0052】
本発明による方法の一部の実施形態によれば、周囲空気は、第二のチャネルの少なくとも一部分をマウスピースの中心軸に沿って案内され、実質的に発熱体の中央に当たるようにされる。
【0053】
方法はさらに、周囲空気が好ましくは発熱体に直角に当たる発熱体の中央からのエアロゾルを含む周囲空気を、発熱体の周辺部に向けて半径方向外向きに、および周辺部を下流に出口開口部の方向に案内する工程を含む。周辺部を下流にエアロゾルを含む周囲空気を案内する工程は、例えば、周囲方向に配置された複数のチャネル部分で実施されてもよい。
【0054】
方法は、電気加熱式の喫煙システム内に実質的に平面の流体透過性発熱体を配置する工程を含みうる。発熱体は、喫煙システムのマウスピースの開放遠位端に面するような方法で配置されることが好ましい。流体透過性の発熱体は、複数の導電性フィラメントを備えることが好ましい。複数のフィラメント、例えば、平行に配置されたフィラメントのアレイ、またはメッシュは、フィラメント間の隙間によって、適切な液体の気化および気化された液体の適切な浸透性を提供する。こうしたフィラメントまたはメッシュ発熱体は、特にコイルや芯ヒーターと比較して、製造が安価で丈夫である。メッシュ発熱体は、スペースが節約される実質的に平面の方法で製造されてもよい。メッシュ発熱体はまた、特に、発熱体または発熱体を備えたカートリッジの取付けの際に取り扱いが簡単でもある。
【0055】
本発明のなお別の態様によれば、本明細書で説明した分割気流システムを備える、エアロゾルを発生するための電気加熱式の喫煙システムも提供されている。喫煙システムは、液体エアロゾル形成基体を保持するためのハウジングを含む貯蔵部分を含み、ハウジングは開放端を持つ。喫煙システムはまた、ハウジングの開放端およびハウジングに隣接して配置されたマウスピースにわたり延びる、発熱体、好ましくは実質的に平面の流体透過性発熱体も備える。マウスピースは、開放遠位端を含む細長い本体を備え、開放遠位端はハウジングに面する。マウスピースはさらに、マウスピース内に配置された第一のチャネルを備え、ここで、第一のチャネルは、周囲空気をシステムの外部からマウスピースを通して出口開口部へと配向する第一の流れ経路を画定するための、細長い本体の側壁内に配置された第一の入口開口部および細長い本体の近位端に配置された出口開口部を備える。マウスピースはまた、細長い本体の開放遠位端と細長い本体の近位端との間に延びる第二のチャネルの端部を含む。第二のチャネルは、喫煙システム内に配置され、第二の流れ経路を画定する。第二の流れ経路は、喫煙システムに入る周囲空気を発熱体に配向し、そこで、周囲空気は、エアロゾルを含む周囲空気をマウスピースの細長い本体の近位端に運ぶ前に、発熱体の加熱によって液体を気化することにより発生したエアロゾルを混入する能力がある。第一のチャネルおよび第二のチャネルは、喫煙システムを通過する周囲空気の総体積を画定し、第一のチャネルは喫煙システムを通過する周囲空気の総体積の少なくとも50パーセントを提供する。システムの外部からの周囲空気は分割され、第一のチャネル内の第一の流れ経路に沿って、および第二のチャネル内の第二の経路に沿って流れる。
【0056】
発熱体は、マウスピースとエアロゾル発生基体の間に配置されることが好ましい。
【0057】
本発明による喫煙システムの態様によれば、第一のチャネルは、細長い本体の開放遠位端の下流の第二のチャネルの端部と合流する。これにより、第一のチャネルの周囲空気は発熱体を通過しない。第一のチャネルの第一の入口開口部は、システムの下流端で出口開口部に、すなわち、マウスピースの近位端内に流体的に連結される。
【0058】
本発明による喫煙システムの別の態様によれば、第二のチャネルは、細長い本体の近位端に配置された第二の出口開口部を含む。第二の出口開口部は、第一のチャネルの出口開口部から分離されている。
【0059】
本発明による喫煙システムのさらなる態様によれば、第二のチャネルの第二の入口開口部は、細長い本体の側壁内に配置される。
【0060】
本発明による喫煙システムでは、第二のチャネルは、エアロゾルを含む周囲空気を運ぶ、発熱体の下流に配置された少なくとも一つの第二のチャネル部分を備えうる。少なくとも一つの第二のチャネル部分は、ハウジングの周辺、またはマウスピースの周辺に沿って長軸方向に配置される。
【0061】
電気加熱式の喫煙システムの態様および利点については、分割気流システムおよび電気加熱式の喫煙システム内の気流を案内する方法に関連して説明しており、繰り返さない。
【0062】
本発明による喫煙システムの一部の実施形態によれば、第二のチャネルの上流部分は、第二のチャネルの中間部が、細長い本体の半径方向に配向される前は、マウスピースの、またはハウジングの細長い本体の側壁に平行に配置される。こうした流れ経路は、例えば、周囲空気がすでにエアロゾルを運んでいる周囲空気の部分に実質的に平行に案内されるよう配向するために使用しうる。これにより、周囲空気によるエアロゾルの追加的な冷却が達成されうる。
【0063】
本発明による喫煙システムの別の態様によれば、発熱体は、複数の導電性フィラメントを備えた流体透過性発熱体である。
【0064】
本発明による喫煙システムのさらなる態様によれば、第二のチャネルは、細長い本体の周辺に沿って長軸方向に配置された複数の第二のチャネル端部を備える。周囲空気は、発熱体の中央に配向されることが好ましい。周囲空気による発熱体からのエアロゾルの均質な抽出が提供されうるが、中央に当てた周囲空気は、発熱体の表面上を半径方向外向きに流れうる。さらに、エアロゾルを含む周囲空気は広い合計表面積上で冷却されうるが、これがさらに、小さなサイズのエアロゾル粒子の形成をサポートしうる。
【0065】
本発明についてはさらに、実施形態に関して説明するが、これを下記の図表によって例示する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1図1は、分割気流システムの実施形態を示す。
図2図2は、分割気流システム内の第二の流れ経路の別の実施形態を示す。
図3図3は、異なる発熱体での異なる気流の冷却効果を示す。
図4図4は、異なる方法で給電される発熱体の温度曲線を示す。
図5図5は、マウスピースの出口での温度曲線を示す。
図6図6は、マウスピースの出口での平均蒸気飽和曲線を示す。
図7図7は、全体および分離した気流形状についてのマウスピースの出口での液滴の直径比を示す。
図8図8a~8fは、本発明による喫煙システムで使用されうる発熱体を示す。
図9図9a、9bは、発熱体のフィラメントの詳細図であり、フィラメント間の液体エアロゾル形成基体のメニスカス(図9a)、およびフィラメント間に延びる毛細管材料(図9b)を示す。
図10図10は、高い保持・放出性の材料(HRM)およびHRM内に空気通路を持つカートリッジシステムの断面を示す。
図11図11は、高い保持・放出性の材料(HRM)およびカートリッジ内に空気通路を持つ別のカートリッジシステムの断面を示す。
図12図12は、図11のカートリッジシステムの分解図を示す。
図13図13は、液体および液体を通した空気通路を持つカートリッジシステムの断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図1では、エアロゾル発生喫煙システム用のカートリッジ4およびマウスピース1の実施形態を図示している。細長いメインハウジング5は、エアロゾル形成基体、例えば、液体を含む毛細管材料41を含む管状のカートリッジハウジング4と共にカートリッジを収容する。カートリッジハウジングは、開放近位端42を持つ。ヒーター30、好ましくは、実質的に平面のメッシュヒーターは、カートリッジハウジング4の開放近位端を覆うように配置される。発熱体は、エアロゾル形成基体41と物理的に直接接触してもしなくてもよい。実質的に管状の細長い本体15を持つマウスピース1は、メインハウジング、カートリッジハウジング4および発熱体30と整列する。細長い本体15は、ヒーター30に面した開放遠位端を持つ。
【0068】
図1に示す実施形態は、マウスピース1内の第二の流れ経路を画定する第二のチャネル10を含み、ヒーター30を越えて入ってくる第二の周囲空気20をマウスピース1の近位端または口側の端にある排気口12に導き、そこで消費者が吸煙する。また、第一の流れ経路を画定する第一のチャネル11は、マウスピース1内に配置される。第一の周囲空気21は、第一の入口110を通って第一のチャネル11に入り、ヒーター30を通過せずに出口12に直接導かれる。この第一の気流21は、ヒーター30の下流でありかつ出口12の上流である位置111で、第二のチャネル10内の第二の気流20と合流する。第二のチャネル10の最も下流部分は、第一のチャネル11と同一である。第二の気流20は、ヒーター30を通過し、そこで、ヒーターの加熱および液体の気化によってエアロゾル形成基体41からエアロゾルが形成され、そのエアロゾルが第二の気流21に混入される。エアロゾルを運ぶ第二の気流は、位置111で第一の気流21と合流する。第一の気流21は、エアロゾルを運ぶ第二の気流と混合されて、冷却される。
【0069】
第二の入口100および第一の入口110はどちらも、マウスピース1の細長い本体15の半分だけ遠位にある、マウスピース1内の開口部または穿孔である。上流の第二のチャネル部分101内の第二の流れ経路は、細長い本体の周辺に平行な細長い本体内をマウスピースの近位端に流れる。第二のチャネル10の半径方向内向きに配向される部分102では、第二の気流20は、細長い本体の中央に配向され、また第二のチャネルの中央に配置された部分103では、第二の気流20はヒーター30に配向され、ヒーター30の中央部31に当たる。第二の気流20は、ヒーター30を通り越し、第二のチャネル10のいくつかの長軸方向の端部104に半径方向外向きに拡散する。長軸方向の端部104は、細長い本体内で周辺に沿って規則正しく配置される。
【0070】
この実施形態では、第一の流れ経路および第二の流れ経路ならびに第一のチャネルおよび第二のチャネルはそれぞれ、完全にエアロゾル発生システムのマウスピース1内に配置される。
【0071】
図2では、カートリッジの底部に配置され、カートリッジハウジング41の開放遠位端43を覆うヒーター30を備えたカートリッジ4の実施形態が図示されている。第二の入口100は、メインハウジング5内に配置され、周囲空気は、第二のチャネルの半径方向内向きに配向される部分102に入り、メインハウジングの中央に直接導かれる。第二のチャネルの中央に配置された部分103では、空気は、ヒーター30に直角に当たるように配向される。次に、空気はヒーター30を通過し、ヒーター30によってエアロゾル形成基体 40内の液体を加熱することにより生じたエアロゾルを混入する。エアロゾルを含む空気は、カートリッジハウジング41とメインハウジング5の間およびそれらに沿って配置された第二のチャネル10のいくつかの長軸方向の部分105内のカートリッジ4の近位端に導かれる。そこで、エアロゾルを含む第二の気流は、メインハウジング5内の中央に配置された単一の開口部52に入り、そこから出るように案内される。マウスピース(図示せず)は、メインハウジングに隣接して配置されうる。次に、マウスピースはまた、中央に配置された開口部および第二のチャネル10の端部104を持ち、エアロゾルを含む第二の気流を受け取り、それをマウスピース1の近位端内の単一の出口開口部12に案内することが好ましい。こうした実施形態では、第一のチャネル11は基本的に図1に示す実施形態と類似したものとしうる。第一のチャネルは、マウスピース内の別個のチャネルでもよく、または第一の気流21がマウスピース内で第二の気流と合流するように、マウスピース内の第二のチャネルに延びる半径方向の穴を備えてもよい。
【0072】
図3に示すデータは、メッシュヒーターを通過する空気の流量が増えると、メッシュヒーターを冷却する効果が増すことを示す。冷却率は、以下の異なるメッシュヒーターを使用して測定された:Reking(45マイクロメートル/180毎インチ)、Haver(25マイクロメートル/200毎インチ)および3細片のWarrington(25マイクロメートル/250毎インチ)。Rekingヒーターについての測定データは十字線で示され、Haverヒーターについての測定データは丸で示され、3細片のWarringtonヒーターについての測定データは三角で示されている。すべてのヒーターは、3ワットで動作させた。温度は、ヒーターに結合された熱電対で測定された。x軸にリットル毎分[L/min]単位で表示されている流量を増大させた結果、メッシュヒーターで測定された温度が下がった。エアロゾル発生システム内の気流の一般的なサイズは、ヒーターの有意な冷却をもたらす標準喫煙方法、例えばカナダ保健省(Health Canada)喫煙方法に近いものとすることができる。カナダ保健省などの模範的な喫煙方法は、空気と上記の混合物55mlを2秒間にわたり引き出す。代替的な方法は3秒間にわたり55mlを引き出す。どちらの模範的喫煙方法も、挙動を正確には真似ることはできないが、平均的ユーザーが引き出すものの代用としての役目を果たす。
【0073】
分割気流システムでの実験は、周囲空気の総体積の6/7~8/9を持つ第一の気流を用いて行われることが好ましかった。したがって、ヒーターに配向される周囲空気の体積は、周囲空気の総体積の1/7~1/9の体積であった。したがって、周囲空気の総体積の約85パーセント~89パーセントが、マウスピースの出口を通って直接運ばれ、気流の総体積のわずか約11パーセント~約15パーセントがヒーターを通過した。
【0074】
例えば図1の実施形態に示すものなどチャネルについての模範値を、以下の通り示す。
【0075】
第二のチャネル空気吸込み口:直径0.75ミリメートルおよび合計チャネル断面0.44平方ミリメートル。
【0076】
第一のチャネル空気吸込み口:直径1ミリメートル×4、および合計チャネル断面3.14平方ミリメートル。
【0077】
図4のグラフで、1回の吸煙時のヒーターの平均温度対時間が示されている。曲線60は、ヒーターについての基準温度データを表し、ここで全気流はヒーターに配向される。曲線70は、分割気流システム内のヒーターについての温度データを表し、ここで全気流の1/7のみがヒーターに配向される。基準データについて、ヒーターは5ワットで加熱されたが、少ない気流を受けたヒーターは4ワットで加熱された。分割気流では、1回分の吸煙長さの間に1ワットのエネルギーが節約されうることがわかる。
【0078】
図5は、1回の吸煙中の、マウスピースの出口でのエアロゾルを運ぶ気流の温度に対する分割気流の効果を示す。これらのデータは、マウスピースの実施形態を参照するもので、図1に示す通り、第一の気流は、マウスピース内でエアロゾルを運ぶ第二の気流と合流する。温度曲線61は、5ワットで給電されるヒーターについての出口空気温度を表し、全気流がヒーターに当たる。温度曲線71は、4ワットで給電されるヒーターについての出口空気温度を表し、全気流の1/7のみがヒーターに配向される。6/7の量の「新鮮な」空気がエアロゾル流と合流することで、マウスピースの出口でのエアロゾルを運ぶ気流の温度は有意に低くなる。通常、エアロゾルを運ぶ気流に混合される「新鮮な」空気は室温である。
【0079】
1回の吸煙中、マウスピースの出口での蒸気圧力とグリセロール溶液の飽和圧力との比(Pvapor/Psaturation)にも有意な差異がみられうる。この比は図6に示す。曲線72は、分割気流システム内の4ワットで給電されるヒーター用の出口での圧力データを意味し、全気流の1/7がヒーターに配向される。曲線62は、5ワットで給電されるヒーター用の出口での圧力データを意味し、全気流がヒーターに当たる。圧力比は、冷却効果のために分割気流の実施形態でより高い。これは、グリセロール溶液の過飽和の度合いが大きいことを表し、より小さな小滴のエアロゾル化に有利に働く。シミュレーションでは、分割しないまたは全気流の実施形態の蒸気と比較して、分割気流の実施形態の温度の低い蒸気について、小さな小滴サイズが明確に予測されている。これらのシミュレーションデータ67を、マウスピースの出口での1回の吸煙について図7に示す。Y軸は、分割気流の合計気流システムに対する小滴の直径比を表す。この比は、エアロゾル発生システムでの1回の吸煙時のd_split/d_ref=T*Ln(S)ref/T*Ln(S)split対時間(単位:秒)で計算・表示されており、式中、Tは度(Kelvin)で表現された温度であり、SはPvおよびP(T)の関数である飽和比である。
【0080】
図8aは、第一の発熱体30を図示したものである。発熱体は、304Lステンレス鋼から形成されたメッシュ36で、メッシュサイズが約400メッシュUS(1インチ当たり約400フィラメント)を持つものを備える。フィラメントは、約16マイクロメートルの直径を持つ。メッシュは、ギャップ33によって相互に分離された電気接点32に接続され、約30マイクロメートルの厚さを持つ銅箔で形成される。電気接点32は、約120マイクロメートルの厚さを持つポリイミド基体34上に提供される。メッシュを形成するフィラメントは、フィラメント間の隙間を画定する。この例において、隙間は約37マイクロメートルの幅を持つが、より大きいまたはより小さい隙間が使用されてもよい。これらの凡その寸法のメッシュを使用することで、隙間内にエアロゾル形成基体のメニスカスが形成され、発熱体のメッシュが毛細管作用によってエアロゾル形成基体を引き出す。メッシュの開いた部分の面積、すなわち、隙間の面積のメッシュの総面積に対する比は、25パーセント~56パーセントが有利である。発熱体の全抵抗は約1オームである。大半の熱がメッシュによって生成されるように、メッシュがこの抵抗の大部分を提供する。この例において、メッシュは、電気接点32よりも100倍以上高い電気抵抗を持つ。
【0081】
基体34は電気的に絶縁され、またこの例では約120マイクロメートルの厚さを持つポリイミドシートから形成される。基体は円形であり、8ミリメートルの直径を持つ。メッシュは長方形であり、5ミリメートルおよび2ミリメートルの辺の長さを持つ。これらの寸法により、従来の紙巻たばこまたは葉巻たばこと類似したサイズおよび形状を持つ完全なシステム製造されるようになる。有効さが判明している別の寸法の例は、直径5ミリメートルの円形の基体および1ミリメートル×4ミリメートルの長方形のメッシュである。
【0082】
図8bおよび図8cは、その他の代替的発熱体を図示したものである。図8bの発熱体では、フィラメント37は基体34に直接結合され、したがって接点32はフィラメントに結合される。接点32は、以前と同様に絶縁ギャップ33により相互に分離されており、厚さ約30マイクロメートルの銅箔から形成される。図8aに示すとおり、メッシュタイプのヒーターについても、同じ配列の基体フィラメントおよび接点が使用されうる。最も外側の層として接点を持つことは、電源との信頼できる電気接点を提供する上で有益でありうる。
【0083】
図8cの発熱体は、電気接点39と一体型で形成された複数のヒーターフィラメント38を備える。フィラメントおよび電気接点のどちらも、エッチングが施されてフィラメント38が画定されているステンレス鋼スチール箔から形成される。接点39は、フィラメント38によってつながれた時を除きギャップ33によって分離される。ステンレス鋼スチール箔がポリイミド基体34上に提供される。ここでも、大半の熱がフィラメントによって生成されるように、フィラメント38は抵抗の大部分を提供する。この例において、フィラメント38は、電気接点39よりも100倍以上高い電気抵抗を持つ。
【0084】
図8d~8eは、2つの接点部分35に固定され、その間にあるメッシュ36を持ついくつかの発熱体を示す。メッシュは、接点部分35の両側に固定される。それぞれの接点部分は、丸みのある外側周辺部と2つの開口部351を持つ。発熱体30は、カートリッジのハウジングに、または支持基体に、これらの開口部351により、例えばねじで取り付けてもよい。
【0085】
毛細管材料41は、ハウジング4内で液体を発熱体30に運ぶのに有利に方向付けられる。カートリッジが組み立てられる時、ヒーターフィラメント36、37、38は毛細管材料41と接触でき、エアロゾル形成基体はメッシュヒーターに直接運搬されることができる。図9aは、発熱体のフィラメント36の詳細図であり、ヒーターフィラメント36間の液体エアロゾル形成基体のメニスカス46を示す。発熱体により発生されたほとんどの熱がエアロゾル形成基体内に直接入るように、エアロゾル形成基体はそれぞれのフィラメントのほとんどの表面に接触することがわかる。
【0086】
図9bは、図9aと同様に、フィラメント36間の隙間内に延びる毛細管材料41の例を示す詳細図である。毛細管材料41は、発熱体に隣接して、または接触して配置された毛細管材料でもよく、好ましくは高い温度耐性を持つ。フィラメント36間の隙間内に延びる細かい糸の繊維を含む毛細管材料を提供することにより、フィラメントへの液体の搬送が確保できることがわかる。
【0087】
使用時、発熱体は抵抗加熱により作動しうる。電流は、制御電子回路(図示せず)の制御に基づき、フィラメント36、37、38を通過し、フィラメントを望ましい温度範囲内に加熱する。フィラメントのメッシュまたはアレイは、高い温度がフィラメントに局所化されるように電気接点32、35および電気コネクター(図示せず)よりも著しく高い電気抵抗を持つ。システムは、ユーザーの吸煙に応答して電流を発熱体に供給することにより熱を発生するように構成されてもよく、または装置が「オン」状態にある間に熱を連続的に発生させるよう構成されてもよい。
【0088】
フィラメント用の異なる材料が、異なるシステムで適切でありうる。例えば、連続的加熱システムでは、比較的低い比熱容量を持ち低電流の加熱と両立しうるため、黒鉛フィラメントが適切である。高電流パルスを使用した短時間のバーストで熱が発生される吸煙により作動するシステムでは、高い比熱容量を持つステンレス鋼フィラメントがより適切でありうる。
【0089】
図10において、第二の流れ経路がカートリッジを通る方向の気流を含む、カートリッジシステムの断面が図示されている。流体透過性ヒーター、例えばメッシュヒーター30は、ハウジング4の開放上端を覆うように提供されている。ハウジング4の上部をシールするために、シール層48、例えばポリマー層がハウジング4の上部リムとヒーター30との間に提供されている。さらに、シールディスク47、例えばポリマーディスクがヒーター30の上側に提供されている。シールディスク47を用いると、ヒーターを通した気流を制御することができ、特に、気流の制約が提供されうる。シールディスクは、ヒーター30の底側にも配置されうる。
【0090】
カートリッジハウジング4は、液体貯蔵部としての役目を果たしヒーターでの蒸発のために液体をヒーター30に向ける、高い保持力の材料または高い放出力の材料(HRM)41を含む液体を含む。毛細管ディスク44、例えば繊維ディスクは、HRM 41とヒーター30の間に配置される。毛細管ディスク44の材料は、ヒーター30との近接さからHRM 41よりも耐熱性が高いものとしうる。ヒーターが起動した場合に、気化のための液体の供給を確保するために、毛細管ディスクはHRMのエアロゾル形成液体によって湿潤状態に保たれる。
【0091】
ハウジング4には、空気透過性底部45が提供される。空気透過性底部には、気流入口450が提供される。気流入口450により、空気が底部45を通して、唯一この方向にのみハウジングに流れ込むようになる。空気または液体が、空気透過性底部45を通してハウジングから出ることはない。空気透過性底部45は、例えば、気流入口450として半透過性薄膜を備えてもよく、または下記に示すとおり1つ以上の一方向弁を含む底カバーとしてもよい。
【0092】
喫煙中の場合のように、ヒーターの側面に低いへこみができると、空気は気流入口450を通してカートリッジに通過しうる。気流20は、HRM 41を通過し、ヒーター30を通過する。その後、エアロゾルを含有する気流20は、エアロゾル発生装置の下流端に流れるが、マウスピースの中央に配置されたチャネル内に流れることが好ましい。
【0093】
ハウジング4の側壁には、ハウジングへの横方向の気流を提供するために、側方の空気透過性部分46も提供されうる。側方の空気透過性部分46は、空気透過性底部45内の気流入口450として設計されうる。
【0094】
図11において、カートリッジシステムの配置および機能は、図10に示したものと基本的に同じである。ところが、HRM 41には、中央の開口部412が提供されている。ハウジングの底45にある気流入口450に入る空気は、中央の開口部412を通過する。気流はカートリッジ内のHRMの横を通過する。ハウジング4の側壁にオプションの側方の空気透過性部分46があると、HRM 41を通して側方の気流を提供されうる。
【0095】
図12では、図11に示したカートリッジシステムの分解図を示す。リング状の管状HRM 41がハウジング4内に提供されている。ハウジングの底部45は、ディスクの中央に配置された一方向弁49を含み、HRM 41内で中央の開口部412と整列したディスクである。こうした一方向弁は、例えば、医療装置または哺乳瓶で使用されているものなど、商業的に入手可能な弁としうる。
【0096】
図13は、カートリッジシステムの別の実施形態の断面である。同一の参照番号が同一または類似した要素に使用される。この実施形態において、ハウジング4はエアロゾル形成液体411で充填される。ハウジングは、金属、プラスチック材料(例えば高分子材料)またはガラスで作製されうる。弁49は、ハウジングの底部45に直接取り付けてもよい。底部45には、弁と気密状態で組立をするためのくぼみが提供されうる。弁は柔軟な材料で作製されることが好ましいため、底部材料と気密の組立を達成しうる。
【0097】
図10図13で説明した上記のカートリッジシステムにおいて、カートリッジハウジング4は、例えば図1で説明したカートリッジハウジングに加えて、別個のカートリッジ容器でもよい。特に、カートリッジを含む液体411は予め製造された製品であり、予め製造されたカートリッジを受けるために、エアロゾル発生システムに提供されたカートリッジハウジング内に挿入されうる。
【0098】
1. エアロゾルを発生するための電気加熱式の喫煙システム用の分割気流システムであって、前記分割気流システムが下流端を有し、前記気流システムが、
第一の流れ経路を画定する第一のチャネルと、
第二の流れ経路を画定する第二のチャネルとを備え、
前記第一の流れ経路が、周囲空気を前記システムの外部から前記システムの前記下流端に配向し、
また前記第二の流れ経路が、前記周囲空気を前記下流端に運ぶ前に、周囲空気を前記システムの外部から実質的に平面の流体透過性発熱体に向けて配向し、
また前記第一のチャネルおよび前記第二のチャネルが、前記システムを通過する周囲空気の総体積を画定し、かつ前記第一のチャネルが前記システムを通過する周囲空気の前記総体積の少なくとも50パーセントを供給する、分割気流システム。
2. 前記発熱体がメッシュ発熱体などの複数の導電性フィラメントを備えた発熱体である、1に記載の分割気流システム。
3. 前記第一のチャネルが、前記システムを通過する周囲空気の前記総体積のうち、約65パーセント~約95パーセント、好ましくは約85パーセント~約89パーセントを供給する、1~2のいずれかに記載の分割気流システム。
4. 前記第一のチャネルが、前記第二の流れ経路が周囲空気を配向して発熱体を通過させた後で前記第一の流れ経路が前記第二の流れ経路と合わさるように前記第二のチャネルの端部と合流する、1~3のいずれかに記載の分割気流システム。
5. 前記第一の流れ経路および前記第二の流れ経路が周囲空気を相互に分離された前記システムの外部から前記システムの前記下流端に相互に配向するように、前記第一のチャネルおよび前記第二のチャネルが明確なチャネルを形成する、1~3のいずれかに記載の分割気流システム。
6. 前記第二のチャネルの少なくとも一部分および前記発熱体が、前記第二のチャネルの前記少なくとも一部分が周囲空気を前記発熱体に直角に当たるように配向するように相互に直角に配置されている、1~5のいずれかに記載の分割気流システム。
7. 前記発熱体の下流に配置された前記第二のチャネルの少なくとも一部分が前記発熱体の周囲に配置される、1~6のいずれかに記載の分割気流システム。
8. エアロゾルを発生するための電気加熱式の喫煙システム内の気流を案内する方法であって、前記方法が、
-周囲空気を前記システムの外部から前記システムの下流端に第一の流れ経路に沿って配向する工程と、
-周囲空気を前記システムの前記下流端に第二の流れ経路に沿って運ぶ前に、前記周囲空気を前記システムの外部から実質的に平面の流体透過性発熱体に向けて配向する工程とを含み、
ここで、前記システムを通過する周囲空気の総体積が、前記第一の流れ経路に沿って、および前記第二の流れ経路に沿って通過し、また、前記システムを通過する周囲空気の前記総体積のうち少なくとも50パーセントが前記第一の流れ経路に沿って通過する、方法。
9. 前記第一の流れ経路の周囲空気および前記第二の流れ経路の周囲空気が前記システムの前記下流端に達する前に、前記第一の流れ経路の周囲空気および前記第二の流れ経路の周囲空気を合流させる工程をさらに含む、8に記載の方法。
10. 前記第一の流れ経路を前記第二の流れ経路から分離した状態に保つ工程をさらに含む、8に記載の方法。
11. 前記第二の流れ経路内の前記周囲空気が前記発熱体に対して実質的に垂直に当たるように、前記第二の流れ経路内の前記周囲空気を配向する工程を含む、8~10のいずれかに記載の方法。
12. 液体エアロゾル形成基体を提供する工程と、
前記発熱体を加熱して、それによって前記エアロゾル形成基体から液体を気化させてエアロゾルを形成する工程と、
前記エアロゾルを含む周囲空気が前記システムの前記下流端に運ばれる前に、前記第二の流れ経路によって前記発熱体に配向された前記周囲空気に、形成されたエアロゾルを捕捉させる工程とをさらに含む、8~11のいずれかに記載の方法。
13. 前記第一のチャネルの少なくとも一部分および前記第二のチャネルの少なくとも一部分を前記システムのマウスピース内部に提供する工程であって、前記システムの前記下流端が前記マウスピースの近位端である工程と、
前記第二のチャネルの前記少なくとも一部分内の周囲空気を前記マウスピースの長さに沿って前記マウスピースの前記近位端に向けた方向に案内する工程と、
前記第二のチャネル内の前記周囲空気の方向の反転を行う工程と、
前記周囲空気を前記発熱体に当てるために前記周囲空気を前記発熱体の方向に案内する工程とを含む、8~12のいずれかに記載の方法。
14. 前記第二のチャネルの前記少なくとも一部分内の前記周囲空気を前記マウスピースの中心軸に沿って案内して、前記周囲空気を前記発熱体に対して実質的に中央に当てる工程をさらに含む、13に記載の方法。
15. 1~7のいずれかに記載の分割気流システムを備えた、エアロゾルを発生するための電気加熱式の喫煙システムであって、前記喫煙システムが、
液体エアロゾル形成基体を保持するためのハウジングを備える貯蔵部分であって、前記ハウジングが開放端を有するものと、
前記ハウジングの前記開放端にわたり延びる実質的に平面の流体透過性発熱体と、
前記ハウジングに隣接して配置されたマウスピースであって、前記マウスピースが、開放遠位端を含む細長い本体を含み、前記開放遠位端が前記ハウジングに面しているものとを備え、
前記マウスピースがさらに、
第一のチャネルであって、前記第一のチャネルが周囲空気を前記システムの外部から前記マウスピースを通って前記出口開口部に配向する第一の流れ経路を画定するための前記細長い本体の側壁内に配置された第一の入口開口部と、前記細長い本体の近位端に配置された出口開口部とを含むものと、
前記細長い本体の前記開放遠位端と前記細長い本体の前記近位端との間に延びる第二のチャネルの端部であって、
前記第二のチャネルが前記喫煙システム内に配置され、第二の流れ経路を画定するものとを含み、
前記第二の流れ経路が、前記喫煙システムに入る周囲空気を前記発熱体に配向し、そこで前記エアロゾルを含む周囲空気を前記マウスピースの前記細長い本体の前記近位端に運ぶ前に、前記周囲空気が前記発熱体の加熱によって液体を気化することにより発生したエアロゾルを捕捉する能力を持ち、
前記第一のチャネルおよび前記第二のチャネルが前記喫煙システムを通過する周囲空気の総体積を画定し、前記第一のチャネルが前記喫煙システムを通過する周囲空気の前記総体積の少なくとも50パーセントを供給する、喫煙システム。
16. 前記第一のチャネルが、前記細長い本体の前記開放遠位端の下流にある前記第二のチャネルの前記端部と合流する、15に記載の喫煙システム。
17. 前記第二のチャネルが、前記細長い本体の前記近位端に配置された第二の出口開口部を含み、第二の出口開口部が前記第一のチャネルの前記出口開口部と分離されている、15に記載の喫煙システム。
18. 前記第二のチャネルの第二の入口開口部が前記細長い本体の側壁内に配置されている、15~17のいずれかに記載の喫煙システム。
19. 前記第二のチャネルが、前記発熱体の下流に配置され、前記エアロゾルを含む周囲空気を運ぶ少なくとも一つの第二のチャネル部分を含み、その少なくとも一つの第二のチャネル部分が、前記ハウジングまたは前記マウスピースの周辺に沿って長軸方向に配置される、15~18のいずれかに記載の喫煙システム。
20. 前記第二のチャネルが、前記細長い本体の周辺に沿って長軸方向に配置される複数の第二のチャネル端部を含む、19に記載の喫煙システム。
21. 前記実質的に平面の流体透過性発熱体が複数の導電性フィラメントを備える、15~20のいずれかに記載の喫煙システム。
【0099】
22. エアロゾルを発生するための電気加熱式の喫煙システム用の分割気流システムであって、前記分割気流システムが下流端を有し、前記気流システムが、
第一の流れ経路を画定する第一のチャネルと、
第二の流れ経路を画定する第二のチャネルとを備え、
前記第一の流れ経路が、周囲空気を前記システムの外部から前記システムの前記下流端に配向し、
また前記第二の流れ経路が、前記周囲空気を前記システムの前記下流端に運ぶ前に、周囲空気を前記システムの外部から実質的に平面の流体透過性発熱体に向けて配向し、
また前記第一のチャネルおよび前記第二のチャネルが、前記システムを通過する周囲空気の総体積を画定し、かつ前記第一のチャネルが前記システムを通過する周囲空気の前記総体積の少なくとも50パーセントを供給し、
また前記第二のチャネルの少なくとも一部分および前記発熱体が、前記第二のチャネルの前記少なくとも一部分が周囲空気を前記発熱体に直角に当たるように配向するように相互に直角に配置されており、
また前記実質的に平面の流体透過性発熱体の下流に配置された前記第二のチャネルの少なくとも一部分が、エアロゾルを含む周囲空気を、前記実質的に平面の流体透過性発熱体の中央から、前記実質的に平面の流体透過性発熱体の前記周辺に対して半径方向外向きに、前記実質的に平面の流体透過性発熱体の前記周辺に配置された前記第二のチャネルの前記少なくとも一部分へと配向するように、前記実質的に平面の流体透過性発熱体の前記周辺に配置されており、
前記第一のチャネルの少なくとも一部分および前記第二のチャネルの少なくとも一部分が前記システムのマウスピース内部に提供されており、前記システムの前記下流端が前記マウスピースの近位端であり、
前記第二のチャネルの前記少なくとも一部分内の周囲空気が前記マウスピースの長さに沿って前記マウスピースの前記近位端に向けた方向に案内され、
前記第二のチャネル内の前記周囲空気の方向の反転が行われ、
前記周囲空気を前記発熱体に当てるために前記周囲空気が前記発熱体の方向に案内される、分割気流システム。
23. 前記発熱体がメッシュ発熱体などの複数の導電性フィラメントを備えた発熱体である、22に記載の分割気流システム。
24. 前記第一のチャネルが、前記システムを通過する周囲空気の前記総体積のうち、約65パーセント~約95パーセント、好ましくは約85パーセント~約89パーセントを供給する、22~23のいずれかに記載の分割気流システム。
25. 前記第一のチャネルが、前記第二の流れ経路が周囲空気を配向して発熱体を通過させた後で前記第一の流れ経路が前記第二の流れ経路と合わさるように前記第二のチャネルの端部と合流する、22~24のいずれかに記載の分割気流システム。
26. 前記第一の流れ経路および前記第二の流れ経路が周囲空気を相互に分離された前記システムの外部から前記システムの前記下流端に相互に配向するように、前記第一のチャネルおよび前記第二のチャネルが明確なチャネルを形成する、22~24のいずれかに記載の分割気流システム。
27. エアロゾルを発生するための電気加熱式の喫煙システム内の気流を案内する方法であって、前記方法が、
-周囲空気を前記システムの外部から前記システムの下流端に第一の流れ経路に沿って配向する工程と、
-周囲空気を前記システムの前記下流端に第二の流れ経路に沿って運ぶ前に、前記周囲空気を前記システムの外部から実質的に平面の流体透過性発熱体に向けて配向する工程と、
ここで、前記システムを通過する周囲空気の総体積が、前記第一の流れ経路に沿って、および前記第二の流れ経路に沿って通過し、また、前記システムを通過する周囲空気の前記総体積のうち少なくとも50パーセントが前記第一の流れ経路に沿って通過する、
-前記第二の流れ経路内の前記周囲空気が前記実質的に平面の流体透過性発熱体に実質的に直角に当たるように、前記第二の流れ経路内の前記周囲空気を配向する工程と、
-発熱体の中央からのエアロゾルを含む周囲空気を、発熱体の周辺部に向けて半径方向外向きに、および周辺部を下流に出口開口部の方向に案内する工程と
を含み、
前記第一のチャネルの少なくとも一部分および前記第二のチャネルの少なくとも一部分を前記システムのマウスピース内部に提供する工程であって、前記システムの前記下流端が前記マウスピースの近位端である工程と、
前記第二のチャネルの前記少なくとも一部分内の周囲空気を前記マウスピースの長さに沿って前記マウスピースの前記近位端に向けた方向に案内する工程と、
前記第二のチャネル内の前記周囲空気の方向の反転を行う工程と、
前記周囲空気を前記発熱体に当てるために前記周囲空気を前記発熱体の方向に案内する工程と
をさらに含む、方法。
28. 前記第一の流れ経路の周囲空気および前記第二の流れ経路の周囲空気が前記システムの前記下流端に達する前に、前記第一の流れ経路の周囲空気および前記第二の流れ経路の周囲空気を合流させる工程をさらに含む、27に記載の方法。
29. 前記第一の流れ経路を前記第二の流れ経路から分離した状態に保つ工程をさらに含む、27に記載の方法。
30. 液体エアロゾル形成基体を提供する工程と、
前記発熱体を加熱して、それによって前記エアロゾル形成基体から液体を気化させてエアロゾルを形成する工程と、
前記エアロゾルを含む周囲空気が前記システムの前記下流端に運ばれる前に、前記第二の流れ経路によって前記発熱体に配向された前記周囲空気に、形成されたエアロゾルを捕捉させる工程とをさらに含む、27~29のいずれかに記載の方法。
31. 前記第二のチャネルの前記少なくとも一部分内の前記周囲空気を前記マウスピースの中心軸に沿って案内して、前記周囲空気を前記発熱体に対して実質的に中央に当てる工程をさらに含む、30に記載の方法。
32. 22~26のいずれかに記載の分割気流システムを備えた、エアロゾルを発生するための電気加熱式の喫煙システムであって、前記喫煙システムが、
液体エアロゾル形成基体を保持するためのハウジングを備える貯蔵部分であって、前記ハウジングが開放端を有するものと、
前記ハウジングの前記開放端にわたり延びる実質的に平面の流体透過性発熱体と、
前記ハウジングに隣接して配置されたマウスピースであって、前記マウスピースが、開放遠位端を含む細長い本体を含み、前記開放遠位端が前記ハウジングに面しているものとを備え、
前記マウスピースが、
前記第一のチャネルであって、前記第一のチャネルが周囲空気を前記システムの外部から前記マウスピースを通って出口開口部に配向する前記第一の流れ経路を画定するための、前記細長い本体の側壁内に配置された第一の入口開口部と、前記細長い本体の近位端に配置された前記出口開口部とを含むものと、
前記細長い本体の前記開放遠位端と前記細長い本体の前記近位端との間に延びる前記第二のチャネルの端部であって、
前記第二のチャネルが前記喫煙システム内に配置され、第二の流れ経路を画定するものとを含み、
前記第二の流れ経路が、前記喫煙システムに入る周囲空気を前記発熱体に配向し、そこで前記エアロゾルを含む周囲空気を前記マウスピースの前記細長い本体の前記近位端に運ぶ前に、前記周囲空気が前記発熱体の加熱によって液体を気化することにより発生したエアロゾルを捕捉する能力を持ち、
前記第一のチャネルおよび前記第二のチャネルが前記喫煙システムを通過する周囲空気の総体積を画定し、前記第一のチャネルが前記喫煙システムを通過する周囲空気の前記総体積の少なくとも50パーセントを供給し、
前記第二のチャネルが、前記発熱体の下流に配置され、前記エアロゾルを含む周囲空気を運ぶ少なくとも一つの第二のチャネル部分を含み、その少なくとも一つの第二のチャネル部分が、前記ハウジングまたは前記マウスピースの周辺に沿って長軸方向に配置される、喫煙システム。
33. 前記第一のチャネルが、前記細長い本体の前記開放遠位端の下流にある前記第二のチャネルの前記端部と合流する、32に記載の喫煙システム。
34. 前記第二のチャネルが、前記細長い本体の前記近位端に配置された第二の出口開口部を含み、第二の出口開口部が前記第一のチャネルの前記出口開口部と分離されている、32に記載の喫煙システム。
35. 前記第二のチャネルの第二の入口開口部が前記細長い本体の側壁内に配置されている、32~34のいずれかに記載の喫煙システム。
36. 前記第二のチャネルが、前記細長い本体の周辺に沿って長軸方向に配置される複数の第二のチャネル端部を含む、32~35のいずれかに記載の喫煙システム。
37. 前記実質的に平面の流体透過性発熱体が複数の導電性フィラメントを備える、32~36のいずれかに記載の喫煙システム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13