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特許7556066多層通気性フィルムおよびそれを含む積層体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】多層通気性フィルムおよびそれを含む積層体
(51)【国際特許分類】
   B32B 27/00 20060101AFI20240917BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20240917BHJP
   A41D 13/12 20060101ALI20240917BHJP
   A41D 31/30 20190101ALI20240917BHJP
   A41D 31/12 20190101ALI20240917BHJP
   A41D 31/14 20190101ALI20240917BHJP
   A41D 31/02 20190101ALI20240917BHJP
   A41D 31/00 20190101ALI20240917BHJP
【FI】
B32B27/00 B
C08L101/00
A41D13/12
A41D31/30
A41D31/12
A41D31/14
A41D31/02 C
A41D31/00 502F
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023003713
(22)【出願日】2023-01-13
(62)【分割の表示】P 2019572441の分割
【原出願日】2018-06-26
(65)【公開番号】P2023041712
(43)【公開日】2023-03-24
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】62/525,883
(32)【優先日】2017-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512008428
【氏名又は名称】ベリー グローバル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ザオ・ロンゴ
(72)【発明者】
【氏名】フ・リンダ
(72)【発明者】
【氏名】ザイコフ・バディム
(72)【発明者】
【氏名】ファレル・グレゴリー・ワグナー
【審査官】川井 美佳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/100699(WO,A1)
【文献】特表2005-505437(JP,A)
【文献】特開平06-015783(JP,A)
【文献】特表2003-510197(JP,A)
【文献】Envalior プラスチックデータシート Arnitel EM400-TPC,2024年02月28日,URL:https://www.campusplastics.com/material/pdf/201501/ArnitelEM400?sLg=ja
【文献】Envalior プラスチックデータシート Arnitel VT3108-TPC,2024年02月28日,<URL:https://www.campusplastics.com/material/pdf/201545/ArnitelVT3108?sLg=ja>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 13/00-13/12
A41D 31/00-31/32
B32B 1/00-43/00
C08L 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用保護衣類のための通気性多層フィルムにおいて、
コア層組成物を含むモノリシックコア層であって、前記コア層組成物は、コア層高通気性ポリマーを含み、コア層吸水率を有する、モノリシックコア層と、
第1の皮膜層組成物を含む少なくとも第1の皮膜層であって、前記第1の皮膜層組成物は、第1の皮膜層高通気性ポリマーを含み、第1の皮膜層吸水率を有する、少なくとも第1の皮膜層と、
を含み、
前記コア層吸水率は、前記第1の皮膜層吸水率より少なくとも10倍大きく、
前記コア層吸水率は、ISO62に従って測定して50%未満であり、
前記第1の皮膜層吸水率は、ISO62に従って測定して1.5%未満であり、
前記通気性多層フィルムは、ASTM試験方法E-96Dによって測定して700~2000g/m/日の水蒸気透過率(MVTR)を有
前記第1の皮膜層組成物は、0℃未満のT を有する軟質ポリマーを欠いている、通気性多層フィルム。
【請求項2】
前記コア層吸水率は、前記第1の皮膜層吸水率よりも10~50倍大きい、請求項1に記載の通気性多層フィルム。
【請求項3】
(i)1.0g/cc未満の平均密度、および/または(ii)ASTM D5946に従って測定して、60~70°の接触角を有する、請求項1または2に記載の通気性多層フィルム。
【請求項4】
前記コア層吸水率は、ISO62に従って測定して少なくとも15%である、請求項に記載の通気性多層フィルム。
【請求項5】
前記通気性多層フィルムは、ASTM D5946に従って測定して、60~70°の接触角を有する、請求項4に記載の通気性多層フィルム。
【請求項6】
前記第1の皮膜層吸水率は、ISO62に従って測定して0.5%以上である、請求項5に記載の通気性多層フィルム。
【請求項7】
第2の皮膜層をさらに含み、
前記モノリシックコア層は、前記第1の皮膜層と前記第2の皮膜層との間に直接または間接的に挟まれている、請求項1から6のいずれか一項に記載の通気性多層フィルム。
【請求項8】
2の皮膜層組成物、または前記コア層組成物のうちの少なくとも1つは、0℃未満のTを有する軟質ポリマーを欠いている、請求項7に記載の通気性多層フィルム。
【請求項9】
ASTM試験方法E-96Dによって測定して1000~1800g/m/日のMVTRを有する、請求項に記載の通気性多層フィルム。
【請求項10】
5~30gsmの坪量を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の通気性多層フィルム。
【請求項11】
10μm~50μmの厚さを有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の通気性多層フィルム。
【請求項12】
50重量%以下の前記第1の皮膜層、前記第2の皮膜層、または前記第1の皮膜層と前記第2の皮膜層の凝集体を含む、請求項7に記載の通気性多層フィルム。
【請求項13】
前記コア層高通気性ポリマー及び前記第1の皮膜層高通気性ポリマーは、ポリエーテルブロックエステルコポリマーからなる、請求項1から12のいずれか一項に記載の通気性多層フィルム。
【請求項14】
積層体において、
(a)請求項1から13のいずれか一項に記載の通気性多層フィルムと、
(b)少なくとも第1の繊維層と、
を含む、積層体。
【請求項15】
医療用保護衣類のための通気性多層フィルムにおいて、
コア層組成物を含むモノリシックコア層であって、前記コア層組成物は、ISO62に従って測定して35%~50%のコア層吸水率を有する、モノリシックコア層と、
第1の皮膜層組成物を含む少なくとも第1の皮膜層であって、前記第1の皮膜層組成物は、ISO62に従って測定して1.5%未満の第1の皮膜層吸水率を有する、少なくとも第1の皮膜層と、
を含み、
前記通気性多層フィルムは、ASTM試験方法E-96Dによって測定して700~2000g/m/日の水蒸気透過率(MVTR)を有し、
前記第1の皮膜層組成物は、0℃未満のTを有する軟質ポリマーを欠いている、通気性多層フィルム。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔優先権主張〕
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づいて、参照により全体が本明細書に明示的に組み込まれる、2017年6月28日に出願された米国仮特許出願第62/525,883号の優先権を主張する。
【0002】
〔技術分野〕
ここに開示する発明の実施形態は、概して、モノリシックコア層と、少なくとも第1の皮膜層(例えば、モノリシック皮膜層)と、を含む多層通気性フィルムに関する。ここに開示する発明の実施形態は、概して、少なくとも第1の繊維層に結合された、本明細書に開示される多層通気性フィルムを含む積層体(例えば、バリア積層体)にも関する。
【0003】
〔背景〕
感染予防市場は、高い通気性、柔らかさ、快適さ、および高いバリア特性(例えば、液体バリア特性)を含む様々な特性を有する製品を絶えず探している。このような製品は、(i)通気性を提供し、微生物(ウイルスなど)の侵入を防ぐためのウイルスバリアフィルムと、(ii)物理的強度を提供するための少なくとも1つの繊維層と、を含む複合体/積層体形態で提供されることが多い。高い通気性と高い液体バリア特性との組み合わせは特に重要であるが、バリアフィルムと繊維材料との間の適合性も、外科用ガウンおよび他の保護衣類などの感染制御適用を目的とする製品にとって重要である。
【0004】
通気性バリア製品の形成には、2つの主要なタイプのバリアフィルム、すなわち微孔性フィルムおよびモノリシックフィルムが一般に使用されている。微孔性フィルムは、一般に、炭酸カルシウムなどの非吸湿性無機塩の微粉化粒子を適切なポリマー中に分散させ、続いて充填ポリマーのフィルムを形成し、フィルムを延伸して良好な多孔性および水蒸気透過性を提供することによって、製造される。これらのタイプのフィルムは、液体バリア特性と共に空気および水分透過性が望まれる適用に使用されることでよく知られている。しかしながら、微孔性フィルムは、孔径および孔径分布を制御する上で重大な欠点を有し、これは、この製品が、ASTM E96Dに従って試験されるような高い通気性と、ASTM F1671によって試験されるようなウイルス侵入に対する耐性との一貫したバランスを提供することを妨げる。
【0005】
別の種類の通気性フィルムは、モノリシック通気性フィルムと呼ばれる。モノリシックフィルムは、連続的であり、孔を含まない。モノリシック通気性フィルムは、化学吸収による特定の気体および水分子の移動、フィルムの厚さを通じた移動、および反対側の表面上での放出を可能にすることができる。
【0006】
伝統的な通気性モノリシックフィルムは、一般に、水蒸気に対して透過性であり、液体の侵入を防止するという利点を有するが、それらは全て当然吸湿性である。ポリプロピレン不織布などのポリオレフィン系材料と積層された場合、複合製品は、フィルムがいったん水分を吸収すると、モノリシックフィルムと不織布との間の接着力の低下をしばしば受ける。高通気性モノリシックフィルムを不織布に接着することによって作製される積層体/複合体に関するその他の問題は、ヒートシールされた継ぎ目(例えば、ヒートシールされたスリーブ継ぎ目)において生じ、この場合、継ぎ目の完全性は、ポリオレフィンの非極性表面とフィルムの高極性表面との間の不十分な適合性のために、最終的に劣化し、そのバリア特性を失う。
【0007】
したがって、積層体が水分に曝され、通気性多層フィルムが水和される場合であっても、通気性多層フィルムと概ね非極性の基材(例えば、ポリオレフィン系不織布)との間の接着力を実質的に低下させることなく、容易に取り扱われ、概して非極性の基材(例えば、ポリオレフィン系不織布)に積層されることができる通気性多層フィルムが、当技術分野において依然として必要とされている。さらに、得られる継ぎ目が、エチレンオキシド(ETO)滅菌プロセス中および現場での使用中に水分に曝された場合に良好なバリア特性を維持するように、ヒートシールにおいて堅牢である通気性多層フィルムを含む複合材料(例えば、積層体)が、当技術分野において依然として必要とされている。
【0008】
〔発明の概要〕
本発明の1つ以上の実施形態は、前述の問題の1つ以上に対処することができる。本発明による特定の実施形態は、モノリシックコア層および少なくとも1つの皮膜層(例えば、第1の皮膜層)を含む通気性多層フィルムを提供する。モノリシックコア層は、コア層組成物を含むことができ、コア層組成物は、コア層高通気性ポリマーを含み、コア層吸水率を有する。少なくとも1つの皮膜層は、第1の皮膜層組成物を含む第1の皮膜層を含むことができ、第1の皮膜層組成物は、第1の皮膜層高通気性ポリマーを含み、第1の皮膜層吸水率を有する。本発明の特定の実施形態によれば、コア層吸水率は、第1の皮膜層吸水率より少なくとも約10倍大きい。例えば、コア層組成物は、吸湿性であり、高い吸水率および高いレベルの通気性を示すコア層高通気性ポリマーを含むことができ、一方、第1の皮膜層組成物は、やはり吸湿性であるが、コア層組成物より低い吸水率を示す第1の皮膜層高通気性ポリマーを含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは第2の皮膜層を含み、モノリシックコア層は、第1の皮膜層と第2の皮膜層との間に直接または間接的に挟まれる。本発明の特定の実施形態によれば、第1の皮膜層および/または第2の皮膜層はモノリシックである。本発明の特定の実施形態によれば、第1の皮膜層、第2の皮膜層(存在する場合)、および/またはモノリシックコア層は、0℃未満のTを有する軟質ポリマーを欠いていてもよい。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、約1.0g/cc未満、例えば約0.4~約0.9g/cc、または約0.4~約0.8g/cc、または約0.4~約0.7g/cc、または約0.4~約0.6g/ccの平均密度を含む。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、ASTM D5946に従って測定して約60~約70°、例えば約62~約68°、または約65~約68°の接触角を示す。
【0009】
別の態様では、本発明は、少なくとも第1の繊維層(例えば、第1の不織布材料)に結合された、本明細書に開示されるような通気性多層フィルムを含む積層体を提供する。本発明の特定の実施形態によれば、積層体は第2の繊維層(例えば、第2の不織布材料)を含むことができ、通気性多層フィルムは、第1の繊維層と第2の繊維層との間に直接または間接的に挟まれる。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、第1の繊維層および/または第2の繊維層に連続的に、または不連続に接着により結合され得る。本発明の特定の実施形態による積層体は、外科用ガウン、外科用スリーブ、外科用ドレープ、外科用ズボンの脚など)のバリア物品内に組み込まれ、かつ/またはバリア物品を形成し得る。
【0010】
別の態様では、本発明は、通気性多層フィルムを形成するためのプロセスを提供し、このプロセスは、本明細書に開示されるような多層フィルムを共押出することを含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、プロセスは、コア層ポリマー溶融物を形成するステップと、第1の皮膜層ポリマー溶融物を形成するステップと、を含み得る。このプロセスは、コア層ポリマー溶融物および第1の皮膜層ポリマー溶融物を共押出して、モノリシックコア層および第1の皮膜層を形成し、通気性多層フィルムを提供することを含み得る。
【0011】
さらに別の態様では、本発明は、積層体を形成するためのプロセスを提供する。本発明の特定の実施形態によれば、プロセスは、コア層ポリマー溶融物を形成するステップと、第1の皮膜層ポリマー溶融物を形成するステップと、を含むことができる。このプロセスは、コア層ポリマー溶融物および第1の皮膜層ポリマー溶融物を共押出して、モノリシックコア層および第1の皮膜層を形成し、通気性多層フィルムを提供し、その後、多層フィルムの第1の皮膜層を第1の繊維層に積層することを含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、積層するステップは、接着剤の連続層もしくはコーティング、または接着剤の不連続層もしくはコーティングを用いて、第1の繊維層を第1の皮膜層に接着により結合することを含み得る。
【0012】
以下、本発明の全てではないがいくつかの実施形態が示されている添付図面を参照して、本発明をより完全に説明する。実際、本発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。同様の符号は、全体を通して同様の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態による、1つの皮膜層を含む通気性多層フィルムを示す。
図2】本発明の一実施形態による、2つの皮膜層を含む通気性多層フィルムを示す。
図3】第1の繊維層とオプションの第2の繊維層との間に挟まれた通気性多層フィルムを含む積層体を示す。
図4】本発明の一実施形態による、第1の連続接着剤層を介して第1の繊維層に接着により結合された通気性多層フィルムと、第2の連続接着剤層を介して通気性多層フィルムに接着により結合されたオプションの第2の繊維層と、を含む積層体を示す。
図5】本発明の一実施形態による、第1の不連続接着剤層を介して第1の繊維層に接着により結合された通気性多層フィルムと、第2の不連続接着剤層を介して通気性多層フィルムに接着により結合されたオプションの第2の繊維層と、を含む積層体を示す。
図6】本発明の一実施形態による、通気性多層フィルムの幅のみに沿って第1の接着剤層を介して第1の繊維層に接着により結合された通気性多層フィルムと、通気性多層フィルムの幅のみに沿って第2の接着剤層を介して通気性多層フィルムに接着により結合されたオプションの第2の繊維層と、を含む積層体を示す。
図7】第1の繊維層およびオプションの第2の繊維層に接着により結合された通気性多層フィルムを含む積層体を示し、接着剤層は、本発明の一実施形態に従って繊維層の幅に沿って延びる。
図8】第1の繊維層およびオプションの第2の繊維層に接着により結合された通気性多層フィルムを含む積層体を示し、通気性多層フィルムとオプションの第2の繊維層との間の接着剤層は、本発明の一実施形態に従ってオプションの第2の繊維層の幅に沿って延びる。
【0014】
〔詳細な説明〕
以下、本発明の全てではないがいくつかの実施形態が示されている添付図面を参照して、本発明をより完全に説明する。実際、本発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が適用可能な法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される、単数形「a」、「an」、「the」は、文脈上別段明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。
【0015】
本発明は、ポリオレフィン不織布材料などの、概して非極性の基材との大きな適合性を示す通気性多層フィルムを含む。通気性多層フィルムは、高い吸水率を有するポリマーまたはポリマーブレンドを含む高通気性コア層(例えば、モノリシックコア層)と、コア層と比べて実質的に低い吸水率を有する高通気性ポリマーまたはポリマーブレンドを含む少なくとも1つの皮膜層と、を含む。この点に関して、少なくとも1つの皮膜層は、コア層のポリマーまたはポリマーブレンドより極性が低いポリマーまたはポリマーブレンドを含む。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、水蒸気に対して透過性であり、液体侵入を防止すると同時に、概して非極性の基材(例えば、ポリオレフィン不織布)との結合適合性を提供するという利点を提供する。特定の実施形態によれば、少なくとも1つの皮膜層および/またはコア層は、0℃以下のTを有する軟質ポリマー(例えば、接着力を改善するために伝統的に使用される材料)を欠いていてよく、そのような先に参照した利点が依然として実現され得る。そのような通気性多層フィルムが、ポリプロピレン不織布などのポリオレフィン系材料と積層される場合、多層フィルムは、積層体が水分に曝された場合であっても、不織布に対する安定した接着力を示すことができる。この点に関して、本発明の特定の実施形態は、ポリオレフィン系不織布材料との適合性が改善された通気性多層フィルムを提供し、ヒートシールされた継ぎ目(例えば、手術着用のスリーブ継ぎ目)は、ETO滅菌中および現場での使用中に水分に曝露された場合に、許容可能なバリア特性を維持する。この点に関して、本発明の特定の実施形態による通気性多層フィルムは、望ましい通気性(例えば、水蒸気透過率)、機械的強度(例えば、引張強度、伸び)、およびバリア特性(IPA溶液浸透、水頭(hydro head)、およびウイルスバリア試験)を提供し、同時に、良好な剥離強度およびヒートシール継ぎ目完全性を確実にするために、ポリオレフィン不織布に対して良好な親和性を提供し得る。
【0016】
本発明の特定の実施形態は、例えば、好ましくはブロッキングに抵抗し、液体侵入に対して高い耐性を有し、ポリオレフィン不織布に対する適合性が改善された、通気性多層モノリシックフィルム(例えば、多層フィルムの1つまたは全ての層がモノリシックであってもよい)を提供する。この点に関して、通気性多層フィルムは、望ましい水蒸気透過率を発揮させるために延伸される必要なく、高いMVTRを示す。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層モノリシックフィルムは、第1の組成物(例えば、コア層高通気性ポリマーを含むコア層組成物)から作製されたコア層と、第2の組成物(例えば、第1の皮膜層組成物および/または第2の皮膜層組成物)から作製された少なくとも1つの、またオプションとして2つの、皮膜層と、を含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、コア層は、第1の皮膜層と第2の皮膜層(存在する場合)との間に直接または間接的に配置されてもよい。この点に関して、通気性多層フィルム(例えば、モノリシックフィルム)は、それぞれの組成物を溶融し、「ABA」または「BA」構造を有する多層フィルムを生成するプロセスによって作製され得、ここで、「B」は、本明細書中に開示されるようなコア層であり、「A」は、本明細書中に開示されるような皮膜層である。本発明の特定の実施形態によれば、コア層は、1つもしくは複数の皮膜層の吸水率より少なくとも約2~10倍高いか、または1つもしくは複数の皮膜層の吸水率より少なくとも約10倍高い、吸水率を有する。例えば、コア層は、ISO62に従って試験した場合に高い吸水率を示し、フィルムに変換した場合に高い通気性を示す、吸湿性ポリマー、または吸湿性ポリマー(例えば、高通気性ポリマー)のブレンドからなる主成分を含み得る。1つまたは複数の皮膜層のためのそれぞれの組成物は、ISO62に従って試験した場合にはるかに低い吸水率を示す、吸湿性ポリマー、または吸湿性ポリマー(例えば、高通気性ポリマー)のブレンドを含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、皮膜層は、ポリエチレンもしくはポリプロピレンなどの任意の軟質ポリマー、および/または任意の形態の孔形成充填剤を欠いていてよい。本発明の特定の実施形態によれば、少なくとも第1の皮膜層のポリマーまたはポリマーブレンドは、コア層の吸湿性ポリマー組成物よりいくらか低い吸湿性および低い粘着性(例えば、より低いブロック傾向)を有するものとして選択され得る。
【0017】
用語「実質的な」または「実質的に」は、本発明の特定の実施形態によれば、特定されるような全量を包含し得、または本発明の他の実施形態によれば、特定される全量ではないが、大部分を包含し得る。
【0018】
本明細書で互換的に使用される「ポリマー」または「ポリマーの」という用語は、ホモポリマー、コポリマー、例えば、ブロック、グラフト、ランダム、および交互コポリマー、ターポリマーなど、ならびにそれらのブレンドおよび改変体を含み得る。さらに、特に限定されない限り、用語「ポリマー」または「ポリマーの」は、全ての可能な構造異性体;幾何異性体、光学異性体もしくはエナンチオマーを含むがこれらに限定されない立体異性体;および/または、このようなポリマーもしくはポリマー材料の任意のキラル分子形態を含むものとする。これらの形態には、そのようなポリマーまたはポリマー材料のアイソタクチック、シンジオタクチック、およびアタクチック形態が含まれるが、これらに限定されない。用語「ポリマー」または「ポリマーの」は、チーグラー-ナッタ触媒系およびメタロセン/シングルサイト触媒系を含むがこれらに限定されない、種々の触媒系から作製されるポリマーも含むものとする。用語「ポリマー」または「ポリマーの」は、本発明の特定の実施形態によれば、発酵プロセスによって産生されるか、または生物学的に供給される(biosourced)ポリマーも含むものとする。
【0019】
本明細書で使用される用語「不織布」および「不織布ウェブ」は、編まれた布または織られた布のように識別可能な反復様式ではないが、織り合わされた個々の繊維、フィラメント、および/または糸の構造を有するウェブを含み得る。本発明の特定の実施形態による不織布またはウェブは、例えば、メルトブロープロセス、スパンボンディングプロセス、水流交絡、エアレイド、湿式、およびカードボンドウェブプロセス(carded-bonded web processes)など、当技術分野で従来から知られている任意のプロセスによって形成することができる。
【0020】
本明細書で使用される用語「ステープルファイバー」は、フィラメントからの切断繊維を含むことができる。特定の実施形態によれば、ステープルファイバーを形成するために、任意のタイプのフィラメント材料を使用することができる。例えば、ステープルファイバーは、セルロース繊維、ポリマー繊維、および/またはエラストマー繊維から形成することができる。材料の例としては、綿、レーヨン、羊毛、ナイロン、リヨセル、ポリプロピレン、およびポリエチレンテレフタレートを含むことができる。ステープルファイバーの平均長さは、ほんの一例として、約2センチメートル~約15センチメートルを含むことができる。
【0021】
本明細書で使用される用語「スパンボンド」は、溶融熱可塑性材料を紡糸口金の複数の微細な、通常は円形の毛細管からフィラメントとして押し出し、次いで押し出されたフィラメントの直径を急速に減少させることによって形成される繊維を含むことができる。本発明の一実施形態によれば、スパンボンド繊維は、収集表面上に堆積されるとき、一般に粘着性ではなく、概ね連続的であってもよい。本発明の特定の複合体に使用されるスパンボンドは、文献にSPINLACE(登録商標)として記載されている不織布を含んでもよいことに留意されたい。
【0022】
本明細書で使用される用語「メルトブローン」は、本発明の特定の実施形態によれば、溶融熱可塑性材料のフィラメントを細くし、それらの直径を小さくしてマイクロファイバー直径にすることができる、収束する高速で通常は高温のガス(例えば、空気)流中に、溶融糸またはフィラメントとして、複数の微細なダイ毛細管を通して溶融熱可塑性材料を押し出すことによって形成された、繊維を含むことができる。本発明の一実施形態によれば、ダイ毛細管は円形であってよい。その後、メルトブローン繊維は、高速ガス流によって運ばれ、収集表面上に堆積されて、ランダムに分配された(disbursed)メルトブローン繊維のウェブを形成する。メルトブローン繊維は、連続的であっても不連続であってもよいマイクロファイバーである。
【0023】
本明細書で使用される用語「サブミクロン層」は、約1000ナノメートル(すなわち、1μm)未満の直径を有する繊維を含む不織布層を含むことができる。サブミクロン繊維ウェブは、例えば、他の特性の中でも、それらの高い表面積および低い孔径のために、所望され得る。サブミクロン繊維を製造する方法は、溶融フィブリル化を含む。溶融フィブリル化は、1つ以上のポリマーが溶融され、多くの可能な構成(例えば、同時押出、均質もしくは多成分フィルム、またはフィラメント)へと押し出され、次いでフィブリル化または繊維化されてフィラメントになる、一般的なクラスの繊維製造である。溶融フィブリル化方法の非限定的な例としては、メルトブロー、溶融繊維バースト(melt fiber bursting)、溶融エレクトロブロー(melt electro-blowing)、溶融円形紡糸(melt circular spinning)、および溶融フィルムフィブリル化が含まれる。溶融物からではなくサブミクロン繊維を製造する方法としては、フィルムフィブリル化、電界紡糸、および溶液紡糸が含まれる。サブミクロン繊維を製造する他の方法は、より大きな直径の多成分繊維を、海島(islands-in-the-sea)、セグメントパイ(segmented pie)、または他の構成で紡糸することを含んでもよく、この場合、繊維はその後、サブミクロン繊維(例えば、個々の構成要素がその他の構成要素から分離されてサブミクロン繊維を提供する分割可能な繊維)が得られるようにさらに処理される。
【0024】
本明細書で使用される用語「層」は、X-Y平面内に存在する類似の材料タイプおよび/または機能の一般に認識可能な組み合わせを含むことができる。
【0025】
本明細書で使用される、多層フィルムの2つの特定の層の相対的位置付けの文脈における「近接」という用語は、1つ以上の層が別の層から除去された層の位置付けを含むことができる。例えば、第1の層と第2の層との相対的な位置付けの文脈における「近接」という用語は、第1の層と第2の層とが、コア層と皮膜層との間に位置付けられた層などの、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の中間層によって分離され得ることを意味することができる。互いに近接して配置される層は、所望の構造および/または機能性を達成するように適切に位置付けられる。
【0026】
本明細書で使用される用語「バイコンポーネント繊維」は、別々の押出機から押し出されるが、一緒に紡糸されて1つの繊維を形成する、少なくとも2つの異なるポリマーから形成される繊維を含み得る。バイコンポーネント繊維は、複合繊維または多成分繊維と呼ばれることもある。ポリマーは、バイコンポーネント繊維の断面を横切る別個のゾーンにおいて実質的に一定の位置に配置され、バイコンポーネント繊維の長さに沿って連続的に延びる。このようなバイコンポーネント繊維の構成は、例えば、1つのポリマーが別のポリマーによって囲まれているシース/コア配置であってもよく、または、各々がバイコンポーネント繊維を含む多成分繊維の技術分野で知られているような、並列配置、パイ配置、または「海島」配置であってもよい。「バイコンポーネント繊維」は、1つのポリマーから作製されたコア繊維が異なるポリマーから作製された熱可塑性シース内に包まれているか、または種々の熱可塑性繊維の並列配置を有する、熱可塑性繊維であってよい。第1のポリマーはしばしば、第2のポリマーとは異なる、典型的にはより低い温度で溶融する。シース/コア配置において、これらのバイコンポーネント繊維は、コアポリマーの望ましい強度特性を保持しながら、シースポリマーの溶融による熱結合を提供する。並列配置では、繊維は収縮してクリンプし、z方向の膨張を生じる。
【0027】
本明細書中で使用される用語「モノリシック」フィルムは、連続的であり、そして実質的に孔を有さないか、または孔を有さない(例えば、孔を欠いている)任意のフィルムを含み得る。本発明の特定の代替的な実施形態では、「モノリシック」フィルムは、別の状況では微孔性フィルムに見られるであろうよりも孔が少ない構造を含むことができる。本発明の特定の非限定的な例示的な実施形態によれば、モノリシックフィルムは、液体および粒子状物質に対するバリアとして作用することができるが、例えば、フィルムの一方の側で水蒸気を吸収し、フィルムを通して水蒸気を輸送し、フィルムの反対側で水蒸気を放出することによって、水蒸気を通過させることができる。さらに、理論に束縛されることを意図するものではないが、高い通気性を達成し、維持することによって、積層体を通る水蒸気の移動が、皮膚に接して捕捉された過剰な水分に起因する不快感を低減および/または制限するのを助けるので、着用するのにより快適な物品を提供することが可能である。本発明の特定の実施形態によれば、モノリシックフィルムは、細菌およびウイルスに対するバリアとしても作用し得、周囲の汚染、ならびに細菌およびウイルスによって引き起こされる感染および疾病の広がりを減少させる物品または衣類を提供し得る。
【0028】
本明細書で使用される「高通気性ポリマー」という用語は、水蒸気に対して選択的に透過性であるが、液体水に対して実質的に不透過性であり、例えば、ポリマーが水蒸気を吸収および脱着し、水性流体(例えば、水、血液など)に対してバリアを提供することができる通気性フィルムを形成することができる、任意のポリマーまたはエラストマーを含むことができる。例えば、高通気性ポリマーは、フィルムの一方の側から水蒸気を吸収し、それをフィルムの他方の側に放出することができ、それによって、水蒸気がフィルムを通って輸送されることを可能にする。高通気性ポリマーは、フィルムに通気性を付与することができるので、このようなポリマーから形成されるフィルムは、孔を含む必要がない(例えば、モノリシックフィルム)。本発明の特定の実施形態によれば、「高通気性ポリマー」は、例えば約25μm以下の厚さを有するフィルムといった、フィルムへと形成される場合に、少なくとも500g/m/日の水蒸気透過率(MVTR)を有する任意の熱可塑性ポリマーまたはエラストマーを含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、「高通気性ポリマー」は、例えば約25μm以下の厚さを有するフィルムといった、フィルムへと形成される場合に、少なくとも750g/m/日または少なくとも1000g/m/日のMVTRを有する任意の熱可塑性ポリマーまたはエラストマーを含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、高通気性ポリマーは、例えば、ポリエーテルブロックアミドコポリマー(例えば、Arkema GroupからのPEBAX(登録商標))、ポリエステルブロックアミドコポリマー、コポリエステル熱可塑性エラストマー(例えば、DSM Engineering PlasticsからのARNITEL(登録商標)、E.I. DuPont de Nemours and CompanyからのHYTREL(登録商標))、または熱可塑性ウレタンエラストマー(TPU)のいずれか1つまたは組み合わせを含み得る。
【0029】
本明細書で使用される「軟質ポリマー」という用語は、水蒸気が材料を通過することを可能にしないか、または材料を通る水蒸気の移動を実質的に妨げ、約0℃以下、または-20℃以下のガラス転移温度(T)を有する任意の材料を含み得る。軟質ポリマーは一般に通気性を低下させるが、接着力および加工性を改善するために使用されてきた。軟質ポリマーの例としては、ポリオレフィン、ポリオレフィンコポリマー、および1つ以上のオレフィンと1つ以上のアルキル(メタ)アクリレートとのコポリマーが挙げられる。このようなポリオレフィンの例としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンまたは1-デセン、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
本明細書で使用される「積層体」という用語は、フィルム層および繊維層などの2つ以上の層を含む構造体(例えば、織布または不織布)であってよい。本発明の特定の実施形態によれば、積層構造体の2つの層は、それらの共通のX-Y平面界面のかなりの部分が接続するように、互いに接合され得る。
【0031】
本明細書で使用される「共押出」という用語は、2つ以上の別個の異なるポリマー溶融組成物から構成される押出物を、例えば多層構成で形成するプロセスを含むことができ、それぞれの別個の異なるポリマー溶融組成物は、押出物の別個の個々の層を画定し得る。例えば、「共押出」は、異なる押出機を介して2つ以上の別個の異なるポリマー溶融組成物を同時に押し出し、各押出機からの個々の押出物を、例えば、押し出されたポリマー溶融組成物が接触して1つ以上の別個の異なるポリマー溶融組成物から構成される押出物を形成するように配置された別個のオリフィスを有する単一のダイに通すプロセスを含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、「共押出」は、任意の特定のタイプの共押出技術に限定されず、例えば、キャストフィルム法、インフレーションフィルム成形、およびシート押出プロセスを含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、「共押出」フィルムは、「共押出」プロセスによって形成された多層フィルムを含むことができる。
【0032】
本明細書に開示された所与の範囲内でより小さな範囲を作り出すことができる本明細書に開示された全ての整数端点は、本発明の特定の実施形態の範囲内である。例として、約10~約15の開示は、例えば、約10~約11;約10~約12;約13~約15;約14~約15など、の中間範囲の開示を含む。さらに、本明細書に開示される所与の範囲内でより小さな範囲を作り出すことができるすべての単一の小数(例えば、小数第一位まで報告された数)の端点は、本発明の特定の実施形態の範囲内である。例として、約1.5~約2.0の開示は、例えば、約1.5~約1.6;約1.5~約1.7;約1.7~約1.8など、の中間範囲の開示を含む。
【0033】
I.通気性多層フィルム
一態様では、本発明は、モノリシックコア層および少なくとも1つの皮膜層(例えば、第1の皮膜層)を含む通気性多層フィルムを提供する。本発明の特定の実施形態によれば、少なくとも1つの皮膜層は、モノリシックであってよい第1の皮膜層を含む。モノリシックコア層は、コア層組成物を含むことができ、コア層組成物は、コア層高通気性ポリマーを含み、コア層吸水率を有する。少なくとも1つの皮膜層は、第1の皮膜層組成物を含む第1の皮膜層を含むことができ、第1の皮膜層組成物は、第1の皮膜層高通気性ポリマーを含み、第1の皮膜層吸水率を有する。本発明の特定の実施形態によれば、コア層吸水率は、第1の皮膜層吸水率より少なくとも約10倍大きい。例えば、コア層組成物は、吸湿性であり、高い吸水率および高いレベルの通気性を示すコア層高通気性ポリマーを含むことができ、一方、第1の皮膜層組成物は、やはり吸湿性であるが、コア層組成物より低い吸水率を示す第1の皮膜層高通気性ポリマーを含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは第2の皮膜層を含み、モノリシックコア層は、第1の皮膜層と第2の皮膜層との間に直接または間接的に挟まれる。本発明の特定の実施形態によれば、第1の皮膜層および/または第2の皮膜層はモノリシックである。本発明の特定の実施形態によれば、第1の皮膜層、第2の皮膜層(存在する場合)、および/またはモノリシックコア層は、0℃未満のTを有する軟質ポリマーを欠いていてもよい。
【0034】
本発明の特定の実施形態によれば、コア層吸水率は、第1の皮膜層吸水率の少なくとも約10~約50倍、例えば、第1の皮膜層吸水率の少なくとも約10~約45倍、少なくとも約10~約40倍、少なくとも約10~約35倍、少なくとも約10~約30倍、少なくとも約10~約25倍、少なくとも約10~約20倍、または少なくとも約10~約15倍を含むことができる。本発明の特定の実施形態では、例えば、コア層吸水率は、第1の皮膜層吸水率の、多くとも約50倍、45倍、40倍、35倍、30倍、25倍、20倍、および15倍のいずれか、ならびに/または、第1の皮膜層吸水率の、少なくとも約2倍、5倍、7倍、10倍、12倍、15倍、および20倍のいずれかを含むことができる。吸水率は、ISO62に従って測定することができる。
【0035】
本発明の特定の実施形態によれば、コア層吸水率は、ISO62に従って測定して、少なくとも約15%(例えば、15~150%)を含む。本発明の特定の実施形態では、例えば、コア層吸水率は、ISO62に従って測定して、多くとも、約150%、140%、130%、120%、110%、100%、90%、80%、70%、60%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、および15%のいずれか、ならびに/または、ISO62に従って測定して、少なくとも、約2%、5%、7%、10%、12%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、および50%のいずれか(例えば、ISO62に従って測定して、約15%~約150%、約15%~約50%、約15%~約35%、もしくは約15%~約30%)を含むことができる。
【0036】
本発明の特定の実施形態によれば、第1の皮膜層吸水率は、ISO62に従って測定して約5%未満(例えば、ISO62に従って測定して約5%~約0.5%)を含むことができる。本発明の特定の実施形態では、例えば、第1の皮膜層吸水率は、ISO62に従って測定して、多くとも、約5%、4.5%、4.0%、3.5%、3.0%、2.5%、2.0%、および1.5%のいずれか、ならびに/または、ISO62に従って測定して、少なくとも、約0.5%、0.7%、0.9%、1.0%、1.2%、および1.5%のいずれか(例えば、ISO62に従って測定して、約5%~約0.5%、約4%~約0.5%、約3%~約0.5%、もしくは約2%~約0.5%)を含むことができる。
【0037】
本発明の特定の実施形態によれば、コア層湿度(例えば、水分)吸収率は、第1の皮膜層湿度(例えば、水分)吸収率の少なくとも約5~約30倍、例えば、第1の皮膜層湿度(例えば、水分)吸収率の、少なくとも約5~約25倍、少なくとも約10~約20倍、または少なくとも約15~約20倍を含むことができる。本発明の特定の実施形態では、例えば、コア層湿度(例えば、水分)吸収率は、第1の皮膜層湿度(例えば、水分)吸収率の、多くとも約35倍、30倍、25倍、20倍、および18倍のいずれか、ならびに/または、第1の皮膜層湿度(例えば、水分)吸収率の、少なくとも約5倍、8倍、10倍、12倍、15倍、および16倍のいずれかを含むことができる。吸水率は、ISO62に従って測定することができる。
【0038】
本発明の特定の実施形態によれば、コア層湿度(例えば、水分)吸収率は、ISO62に従って測定して、少なくとも約1%(例えば、1~10%)を含む。本発明の特定の実施形態では、例えば、コア層湿度(例えば、水分)吸収率は、ISO62に従って測定して、多くとも約10%、8%、7%、6%、5%、および4%のいずれか、ならびに/または、ISO62に従って測定して、少なくとも約1%、2%、3%、4%、および5%のいずれかを含むことができる。
【0039】
本発明の特定の実施形態によれば、第1の皮膜層湿度(例えば、水分)吸収率は、ISO62に従って測定して約1%未満(例えば、ISO62に従って測定して約1%~約0.1%)を含むことができる。本発明の特定の実施形態では、例えば、第1の皮膜層湿度(例えば、水分)吸収率は、ISO62に従って測定して、多くとも約1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、および0.3%のいずれか、ならびに/または、ISO62に従って測定して、少なくとも約0.1%、0.2%、0.25%、0.3%、および0.4%のいずれかを含むことができる。
【0040】
本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムはまた、第2の皮膜層(例えば、第2の皮膜モノリシック層)を含み、モノリシックコア層は、第1の皮膜層と第2の皮膜層との間に直接または間接的に挟まれる。例えば、コア層は、上面および底面を含むことができ、第1の皮膜層は、コア層の上面の少なくとも一部の上に、かつ少なくとも、これに近接するか、または隣接して配置することができ、一方、第2の皮膜層は、コア層の底面の少なくとも一部の下に、かつ少なくとも、これに近接するか、または隣接して配置することができる。本発明のそのような実施形態では、第2の皮膜層は、第1の皮膜層組成物と同じであっても異なっていてもよい第2の皮膜層組成物を含み得る。第2の皮膜層組成物は、例えば、第2の皮膜層高通気性ポリマーを含み得、第2の皮膜層吸水率を有し、コア層吸水率は、第2の皮膜層吸水率より少なくとも約10倍大きい。
【0041】
本発明の特定の実施形態によれば、コア層吸水率は、第2の皮膜層吸水率の少なくとも約10~約50倍、例えば、第2の皮膜層吸水率の、少なくとも約10~約45倍、少なくとも約10~約40倍、少なくとも約10~約35倍、少なくとも約10~約30倍、少なくとも約10~約25倍、少なくとも約10~約20倍、または少なくとも約10~約15倍を含むことができる。本発明の特定の実施形態では、例えば、コア層吸水率は、第2の皮膜層吸水率の、多くとも、約50倍、45倍、40倍、35倍、30倍、25倍、20倍、および15倍のいずれか、ならびに/または、第2の皮膜層吸水率の、少なくとも、約2倍、5倍、7倍、10倍、12倍、15倍、および20倍のいずれかを含むことができる。吸水率は、ISO62に従って測定することができる。
【0042】
本発明の特定の実施形態によれば、第2の皮膜層吸水率は、ISO62に従って測定して約5%未満(例えば、ISO62に従って測定して約5%~約0.5%)を含むことができる。本発明の特定の実施形態では、例えば、第2の皮膜層吸水率は、ISO62に従って測定して、多くとも、約5%、4.5%、4.0%、3.5%、3.0%、2.5%、2.0%、および1.5%のいずれか、ならびに/または、ISO62に従って測定して、少なくとも、約0.5%、0.7%、0.9%、1.0%、1.2%、および1.5%のいずれか(例えば、ISO62に従って測定して、約5%~約0.5%、約4%~約0.5%、約3%~約0.5%、もしくは約2%~約0.5%)を含むことができる。
【0043】
本発明の特定の実施形態によれば、コア層湿度(例えば、水分)吸収率は、第2の皮膜層湿度(例えば、水分)吸収率の、少なくとも約5~約30倍、例えば、第2の皮膜層湿度(例えば、水分)吸収率の、少なくとも約5~約25倍、少なくとも約10~約20倍、または少なくとも約15~約20倍を含むことができる。本発明の特定の実施形態では、例えば、コア層湿度(例えば、水分)吸収率は、第2の皮膜層湿度(例えば、水分)吸収率の、多くとも、約35倍、30倍、25倍、20倍、および18倍のいずれか、ならびに/または、第2の皮膜層湿度(例えば、水分)吸収率の、少なくとも、約5倍、8倍、10倍、12倍、15倍、および16倍のいずれかを含むことができる。吸水率は、ISO62に従って測定することができる。
【0044】
本発明の特定の実施形態によれば、コア層湿度(例えば、水分)吸収率は、ISO62に従って測定して、少なくとも約1%(例えば、1~10%)を含む。本発明の特定の実施形態では、例えば、コア層湿度(例えば、水分)吸収率は、ISO62に従って測定して、多くとも、約10%、8%、7%、6%、5%、および4%のいずれか、ならびに/または、ISO62に従って測定して、少なくとも、約1%、2%、3%、4%、および5%のいずれかを含むことができる。
【0045】
本発明の特定の実施形態によれば、第2の皮膜層湿度(例えば、水分)吸収率は、ISO62に従って測定して約1%未満(例えば、ISO62に従って測定して約1%~約0.1%)を含むことができる。本発明の特定の実施形態では、例えば、第2の皮膜層湿度(例えば、水分)吸収率は、ISO62に従って測定して、多くとも、約1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、および0.3%のいずれか、ならびに/または、ISO62に従って測定して、少なくとも、約0.1%、0.2%、0.25%、0.3%、および0.4%のいずれかを含むことができる。
【0046】
本発明の特定の実施形態によれば、コア層高通気性ポリマー、第1の皮膜層高通気性ポリマー、および/または第2の皮膜層高通気性ポリマーは、熱可塑性ウレタン(TPU)、ポリエーテルブロックアミドコポリマー(例えば、Arkema GroupからのPEBAX(登録商標)もしくはEvonikからのVetsamid(登録商標)E)、またはコポリエステル熱可塑性エラストマー(例えば、DSM Engineering PlasticsからのARNITEL(登録商標)、E.I. DuPont de Nemours and CompanyからのHYTREL(登録商標))のうちの少なくとも1つを含むことができる。本発明の特定の実施形態では、例えば、コア層高通気性ポリマーは、(i)ポリエチレングリコールを含む軟質ブロック、および(ii)ポリブチルテレフタレートを含む硬質ブロックを含む、ポリエーテルブロックエステルコポリマーを含むか、またはこれからなる。
【0047】
本発明の特定の実施形態によれば、第1の皮膜層組成物、第2の皮膜層組成物、および/またはコア層組成物のうちの少なくとも1つは、本明細書に開示されるような軟質ポリマーを実質的に含まないか、または含まなくてもよい。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、軟質ポリマー(例えば、上記のように0℃未満のTを有するポリマー)を実質的に含まないか、または含まない多層フィルムの全ての個々の層を含むか、またはそれらからなることができる。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、概して非極性の基材(例えば、ポリオレフィン不織布)との望ましい適合性を依然として示すことができ、これに対する強力で耐久性のある結合を、(例えば、第1または第2の皮膜層内に)1つ以上の軟質ポリマーを組み込まないにもかかわらず、提供する。
【0048】
本発明の特定の実施形態によれば、第1の皮膜層組成物、第2の皮膜層組成物、および/またはコア層組成物のうちの少なくとも1つは、孔形成充填剤を実質的に含まないか、または含まなくてもよい。この点に関して、通気性多層フィルムは、孔形成充填剤を含む延伸フィルムに関連する微孔性構造を有さないにもかかわらず、望ましく高いMVTR特性を提供する。例えば、通気性多層フィルムは、ASTM試験方法E-96Dによって測定して、少なくとも700g/m/日、例えば、ASTM試験方法E-96Dによって測定して、少なくとも約900g/m/日、または1000g/m/日、または1300g/m/日のMVTRを含むことができる。本発明の特定の実施形態では、例えば、通気性多層フィルムは、ASTM試験方法E-96Dによって測定して、多くとも、約2000、1800、1600、1500、1300、1200、および1100のいずれか、ならびに/または、ASTM試験方法E-96Dによって測定して、少なくとも、約500、700、800、900、1000、および1000のいずれかを含む、MVTRを含むことができる。
【0049】
本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、約5~約30gsm、例えば約10~約20gsm、または約10~約15gsmの坪量を含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、少なくとも、約5、10、11、12、15、および20gsmのいずれか、ならびに/または、多くとも、約50、40、35、30、25、20、18、および15gsmからの坪量を含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、50重量%以下(例えば、25重量%、20重量%、10重量%、または5重量%以下)の第1の皮膜層、第2の皮膜層、または第1の皮膜層と第2の皮膜層の凝集体を含む。いくらか別の言い方をすれば、第1の皮膜層、第2の皮膜層、または第1の皮膜層と第2の皮膜層の凝集体は、本発明の特定の実施形態による通気性フィルムの総重量の50%超を占めることができない(例えば、25%、20%、10%、または5%以下)。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、A:Bの重量比が3:97~50:50(例えば、5:95~50:50、10:90~50:50、15:85~50:50、20:80~50:50など)の範囲を含む「AB」または「ABA」構造を含むことができる。
【0050】
本発明の特定の実施形態による通気性多層フィルムは、約10μm~約50μm、例えば、約10μm~約30μm、または約10μm~約25μm、または約10μm~約20μmの厚さを含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、少なくとも、約8μm、10μm、12μm、15μm、および20μmのいずれか、ならびに/または、多くとも、約50μm、40μm、35μm、30μm、25μm、20μm、18μm、および15μmの厚さを含むことができる。
【0051】
本発明の特定の実施形態によれば、コア層は、コア層厚さを含み、第1の皮膜層は、第1の皮膜層厚さを含み、第2の皮膜層は、第2の皮膜層厚さを含み、コア層厚さは、第1の皮膜層厚さおよび第2の皮膜層厚さのそれぞれより大きい。本発明の特定の実施形態によれば、コア層厚さは、第1の皮膜層厚さと第2の皮膜層厚さとの集合より大きくてもよい。例えば、コア層厚さは、通気性多層フィルムの総厚さの約50%~約95%を占めることができる。本発明の特定の実施形態によれば、コア層厚さは、通気性多層フィルムの総厚さの、少なくとも、約40%、50%、60%、および70%のいずれか、ならびに/または、通気性多層フィルムの総厚さの、多くとも、約95%、90%、80%、75%、70%、および65%を占めることができる。
【0052】
上述したように、通気性多層フィルム(例えば、モノリシックフィルム)は、本発明の特定の実施形態によれば、「A」層と「B」層との間で異なる特性を有する「AB」または「ABA」構造を含むことができる。ほんの一例として、「A」層は、試験方法ISO62に従って5%未満の吸水率を含むことができ、これらの層を形成する組成物は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリエーテルブロックエステル、ポリエーテルブロックアミド、およびポリエステルブロックアミドエラストマーを含むか、またはこれらからなる。B層は、例えば、試験方法ISO62に従って25%より高い水分吸収/吸水率を含むことができ、この層を形成する組成物は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、ポリエーテルブロックエステル、ポリエーテルブロックアミド、およびポリエステルブロックアミドエラストマーを含むか、またはこれらからなる。しかしながら、「B」層を形成する組成物は、「A」層を形成する組成物より吸湿性または極性であってよい。いくらか別の言い方をすれば、「A」層中のポリマーは、概ね(または全体として)「B」層のポリマーより極性が低くてもよい。したがって、「A」層は、はるかに吸湿性が低く、本明細書に開示されるような「B」層より著しく少ない吸水性を有する。「B」層と比較しこの低い極性は、例えば、ポリプロピレン系不織布との通気性多層フィルム適合性(例えば、結合する能力)を改善する。この特徴は、例えば、継ぎ目を形成するためにヒートシールによって融合されたときに強力な接着を可能にする。さらに、「A」層は、試験溶液、ETO滅菌プロセス、または体液に曝された場合に、非常に少量の水分を吸収する。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、共押出モノリシックフィルムを含む(例えば、微孔性層を含まない)。
【0053】
本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムの平均密度は、1.0g/cc未満であってよい。ほんの一例として、12gsmの通気性多層フィルムの全体の厚さまたは総厚さが20μm~30μmの範囲である場合、全体の平均フィルム密度は以下のように計算される:密度(g/cc)=坪量(gsm)/厚さ(マイクロメートル)。したがって、全体の平均フィルム密度は、約0.4~約0.6g/cc(例えば、1g/cc未満)の範囲となるであろう。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムの平均密度は、少なくとも、約0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、および0.7g/ccのいずれか、ならびに/または、多くとも、約1、0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.65、および0.6g/ccを含むことができる。
【0054】
本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、ASTM D5946に従って測定して、約60~約70°の接触角を示し得る。所与のフィルムの極性の観点から、接触角は、材料表面エネルギーの間接的な測定値である。この点に関して、固体材料(例えば、フィルム表面)の表面エネルギーが高いほど、水滴の接触角は低くなる。本発明の特定の実施形態によれば、例えば、通気性多層フィルムは、ASTM D5946に従って測定して、少なくとも、約60、61、62、63、64、および65°、ならびに/または、ASTM D5946に従って測定して、多くとも、約70、69、68、67、66、および65°の接触角を示し得る。
【0055】
本発明の特定の実施形態によれば、少なくとも第1の皮膜層は、モノリシックコア層、および/または、存在する場合に第2の皮膜層より粘着性が低い。本発明の特定の実施形態によれば、第1の皮膜層および第2の皮膜層は、それぞれモノリシックコア層より粘着性が低い。同じかまたは類似の表面形態を考慮すると、例えば、より高い吸水性の樹脂から作製されたフィルム層は、より低い吸水性の樹脂から作製されたフィルム層より粘着性が高い。この点に関して、第1の皮膜層および/または第2の皮膜層は、モノリシックコア層を形成する組成物よりはるかに極性が低く、かつモノリシックコア層の吸水率と比較してはるかに低い吸水率を有する組成物(例えば、第1の皮膜層組成物および/または第2の皮膜層組成物)から形成される。したがって、本発明の特定の実施形態によれば、第1の皮膜層および/または第2の皮膜層は、モノリシックコア層より粘着性が低い。
【0056】
図1は、「B」層がモノリシックコア層12を含み、「A」層がモノリシックな第1の皮膜層14を含む、「AB」構造を有する多層通気性フィルム10を示す。図2は、「B」層がモノリシックコア層12を含み、「A」層がモノリシックな第1の皮膜層14およびモノリシックな第2の皮膜層16を含む、「ABA」構造を有する多層通気性フィルム10を示す。
【0057】
別の態様では、本発明は、本明細書に開示されるような通気性多層フィルムを共押出するステップを含む、通気性多層フィルムを形成するためのプロセスを提供する。本発明の特定の実施形態によれば、プロセスは、コア層ポリマー溶融物を形成するステップと、第1の皮膜層ポリマー溶融物を形成するステップと、コア層ポリマー溶融物および第1の皮膜層ポリマー溶融物を共押出して、モノリシックコア層および第1の皮膜層(例えば、モノリシック)を形成し、モノリシックコア層および第1の皮膜層(例えば、モノリシック)を組み合わせて通気性多層フィルムを形成するステップと、を含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、プロセスは、第2の皮膜層ポリマー溶融物を形成するステップと、コア層ポリマー溶融物、第1の皮膜層ポリマー溶融物、および第2の皮膜層ポリマー溶融物を共押出して、モノリシックコア層、第1の皮膜層(例えば、モノリシック)、第2の皮膜層(例えば、モノリシック)を形成するステップと、3つの層を組み合わせて通気性多層フィルムを形成するステップと、をさらに含むことができる。
【0058】
II.通気性多層フィルムを含む積層体
本発明はまた、本明細書に開示されるような通気性多層フィルムを含む積層体を提供し、通気性多層フィルムは、少なくとも第1の繊維層(例えば、第1の不織布材料)に直接または間接的に結合され得る。本発明の特定の実施形態によれば、積層体は第2の繊維層(例えば、第2の不織布材料)を含むことができ、通気性多層フィルムは、第1の繊維層と第2の繊維層との間に直接または間接的に挟まれる。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、第1の繊維層および/または第2の繊維層に連続的または不連続に接着により結合され得る。本発明の特定の実施形態による積層体は、外科用ガウン、外科用スリーブ、外科用ドレープ、外科用ズボンの脚など)のバリア物品内に組み込まれ、かつ/またはバリア物品を形成し得る。
【0059】
第1の不織布材料および/または第2の不織布材料(存在する場合)は、スパンボンド層、メルトブローン層、サブミクロン層、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、例えば、第1の不織布材料および/または第2の不織布材料(存在する場合)は、スパンボンド含有不織布、メルトブローン含有不織布、水流交絡不織布もしくは水流交絡含有不織布、エアレイド不織布もしくはエアレイド含有不織布、ボンデッドカーデッド不織布もしくはボンデッドカーデッド含有不織布、またはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。例えば、第1の不織布材料および/または第2の不織布材料(存在する場合)は、独立して、スパンボンド不織布またはスパンボンド-メルトブローン-スパンボンド(SMS)不織布を含むことができる。ほんの一例として、第1の繊維層はスパンボンド層を含んでよく、第2の繊維層はSMS不織布を含んでよい。本発明の特定の実施形態によれば、第1の不織布材料および/または第2の不織布材料(存在する場合)は、1つ以上のポリマー材料を含むことができる。例えば、第1の不織布材料および/または第2の不織布材料(存在する場合)は、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはその両方を含むフィラメントを含むことができる。本発明の特定の実施形態では、例えば、ポリマー材料は、高密度ポリプロピレンまたは高密度ポリエチレン、低密度ポリプロピレンまたは低密度ポリエチレン、線状低密度ポリプロピレンまたは線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンまたはエチレンのコポリマー、およびそれらの任意の組み合わせを含むことができる。本発明の特定の実施形態では、例えば、ポリマー材料は、1つ以上の異なる形態のポリプロピレン、例えば、チーグラー-ナッタまたはメタロセンまたは他の触媒系で製造されたポリプロピレン、ランダムコポリマー、ホモポリマー、を含むことができる。ポリプロピレンは、ポリプロピレンのアイソタクチック、シンジオタクチック、およびアタクチック構成を含む様々な構成で提供され得る。本発明のいくつかの実施形態では、ポリマー材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、ポリマー材料は、バイオポリマー(例えば、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、およびポリ(ヒドロキシカルボン)酸)を含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、第1の不織布材料および/または第2の不織布材料(存在する場合)は、シース-コア構成を有するバイコンポーネント繊維などの多成分繊維を含むことができる。例えば、本発明の特定の実施形態は、ほんの一例としてポリエチレンまたはプロピレンを含むシースと、ほんの一例としてポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、またはバイオポリマー(例えば、ポリ乳酸(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、およびポリ(ヒドロキシカルボン)酸)のうちの少なくとも1つを含むコアと、を含むバイコンポーネント繊維を含むことができる。第1の不織布材料および/または第2の不織布材料(存在する場合)は、円形断面、非円形断面(例えば、リボン形状、三葉形状など)、またはそれらの組み合わせを含むフィラメントまたは繊維を含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、第1の不織布材料および/または第2の不織布材料(存在する場合)は、処理されていなくてもよく、または撥水剤および/もしくは帯電防止仕上げ剤などの1つ以上の添加剤で処理されていてもよい。
【0060】
本発明の特定の実施形態によれば、積層体(例えば、通気性多層フィルム、第1の不織布材料、およびオプションとして第2の不織布材料)は、少なくとも、約20、25、30、35、40、45、50、および55gsmのいずれか、ならびに/または、多くとも、約100、90、80、75、70、65、60、および55gsm(例えば、約20~約65gsm)の坪量を含むことができる。
【0061】
本発明の特定の実施形態によれば、第1の不織布材料および/または第2の不織布材料(存在する場合)は、本来疎水性であるか、または別様に1つ以上の添加剤によって疎水性にされてもよい。この点に関して、第1の不織布材料および/または第2の不織布材料(存在する場合)は、非吸収性であるか、または非吸収性にされ得る(例えば、水などの極性液体をはじくか、もしくは少なくとも引き付けない)。本発明の特定の実施形態によれば、例えば、第1の不織布材料および/または第2の不織布材料(存在する場合)は、撥水性および撥アルコール性であってもよい。本発明の特定の実施形態によれば、第1の不織布材料および/または第2の不織布材料(存在する場合)は、オプションとして、その上に配された撥水組成物を含むことができる。例えば、撥水組成物は、水および/または血液などの液体をはじく1つ以上の材料を含むことができる。この点に関して、撥水組成物は疎水性添加剤を含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、撥水剤組成物は、外科的応用のために少なくとも必要なレベルの撥アルコール性を示すのに十分な量で提供され得る。この点に関して、第1の不織布材料および/または第2の不織布材料(存在する場合)は、所望の撥アルコール性を含む、局所的または内部的に(例えば、溶融添加剤を介して)処理された布を含むことができる。特定の実施形態によれば、撥水組成物は、少なくとも1つのフルオロケミカルを含むことができる。例えば、少なくとも1つのフルオロケミカルは、C4フルオロケミカル、C6フルオロケミカル、C8フルオロケミカル、C10フルオロケミカル、またはそれらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0062】
本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムおよび少なくとも第1の繊維層は、通気性多層フィルムと第1の繊維層との間に配置された第1の接着剤層を介して互いに積層(例えば、結合)されてもよい。本発明の特定の実施形態によれば、第1の接着剤層は、接着剤の連続または不連続コーティングを含むことができる。接着剤の不連続コーティングを含む本発明の実施形態では、接着剤の不連続コーティングは、繊維化されるかまたは霧状にされたホットメルト接着剤を含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、接着剤の不連続コーティングは、水性または溶媒系接着剤を含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、接着剤の不連続コーティングは、通気性多層フィルムと、例えば第1の繊維層との間に配された接着剤パターン(例えば、規則的に配置された接着剤)またはランダムなものを含むことができる。特定の実施形態によれば、第1の接着剤層は、接着剤(例えば、ホットメルト接着剤、溶媒系接着剤、または水性接着剤)の連続コーティングを含むことができる。特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、接着剤を利用せず、代わりに、第1の繊維層上に直接溶融押出されてもよい。
【0063】
本発明の特定の実施形態によれば、積層体は、上述したように、第2の繊維層(例えば、第2の不織布材料)をさらに含むことができる。この点に関して、通気性多層フィルムは、第1の繊維層と第2の繊維層との間に直接または間接的に挟まれ得る。本発明のそのような実施形態によれば、通気性多層フィルムおよび第2の繊維層は、通気性多層フィルムと第2の繊維層との間に配置された第2の接着剤層を介して積層される。この点に関して、第2の接着剤層は、第1の接着剤層と同じかまたは異なる接着剤を含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、第2の接着剤層は、接着剤の連続または不連続コーティングを含むことができる。接着剤の不連続コーティングを含む本発明の実施形態では、接着剤の不連続コーティングは、繊維化されるかまたは霧状にされたホットメルト接着剤を含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、接着剤の不連続コーティングは、水性または溶媒系接着剤を含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、接着剤の不連続コーティングは、通気性多層フィルムと、例えば第2の繊維層との間に配された接着剤パターン(例えば、規則的に配置された接着剤)またはランダムなものを含むことができる。特定の実施形態によれば、第2の接着剤層は、接着剤(例えば、ホットメルト接着剤、溶媒系接着剤、または水性接着剤)の連続コーティングを含むことができる。特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、接着剤を利用せず、代わりに、第1の繊維層および第2の繊維層の上、ならびに/またはそれらの間に直接溶融押出されてもよい。
【0064】
ほんの一例として、例としての一実施形態は、モノリシックであり、かつ第1の繊維層(例えば、第1の不織布)と第2の繊維層(例えば、第2の不織布)との間に挟まれた通気性多層フィルムを含む積層体を含むことができる。この特定の例としての実施形態では、繊維層はそれぞれ、ポリプロピレンから(例えば、ISO1133(230℃および2.16Kg)によって測定して、スパンボンドグレード樹脂について35±5MFRの粘度を有し、メルトブローングレード樹脂については300~2000MFRの範囲の粘度を有するアイソタクチックポリプロピレンを主に含む配合物から)形成される不織布層を含み得る。このような不織布は、ドイツ・トロイスドルフのReifenhauser Reicofilにより販売されているReicofilスパンメルト製造装置上で製造することができる。第1の不織布層、通気性多層フィルム、および第2の不織布層は、互いに接着により結合されてよく、接着剤系(例えば、第1の接着剤層および第2の接着剤層)は、ホットメルト接着剤(例えば、SBS系接着剤配合物)、コールドグルー、および水性アクリル系接着剤を含み得る。図3は、第1の繊維層22とオプションの第2の繊維層24との間に挟まれた通気性多層フィルム10を含む、このような例としての積層体20を示す。
【0065】
本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムおよび第1の繊維層および/または第2の繊維層(存在する場合)はそれぞれ、実質的に同じ幅を有し、積層体の幅全体に沿って(例えば、連続または不連続の接着剤層を介して)互いに接着により結合される。この点に関して、第1の繊維層のみを含むそのような実施形態は、(例えば、積層体の幅全体に沿って積層された)完全な積層を有する二層積層体(bi-laminate)と呼ばれ得る。同様に、第1の繊維層および第2の繊維層の両方を含むそのような実施形態は、(例えば、積層体の幅全体に沿って積層された)完全な積層を有する三層積層体(tri-laminate)と呼ばれ得る。図4は、例えば、(例えば、積層体の幅全体に沿って積層された)完全な積層を有する三層積層体20を示す。図4に示すように、三層積層体20は、第1の繊維層22と第2の繊維層24との間に挟まれた通気性多層フィルム10を含む。やはり図4に示すように、通気性多層フィルム10は、通気性多層フィルムと第1の繊維層との間に配置された第1の連続接着剤層32を介して第1の繊維層22に接着により結合される。同様に、通気性多層フィルム10は、通気性多層フィルムと第2の繊維層との間に配置された第1の連続接着剤層34を介して第2の繊維層24に接着により結合される。やはり図4に示すように、接着剤層32、34は、積層体20の幅全体に沿って延び、通気性多層フィルム10、第1の繊維層22、および第2の繊維層24は実質的に同じ幅を含む。図5は、同様の積層体20を示す。しかしながら、図5に示す積層体20は、不連続な第1の接着剤層33および不連続な第2の接着剤層35を利用し、これらの接着剤層は積層体の実質的に幅全体にわたって延びる。
【0066】
本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、第1の繊維層および/または第2の繊維層(存在する場合)とは実質的に異なる幅を含むことができる。例えば、通気性多層フィルムの幅は、第1の繊維層および/または第2の繊維層(存在する場合)に関連する幅より小さくてもよい。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、通気性多層フィルムの幅のみに沿って(例えば、連続または不連続の接着剤層を介して)第1の繊維層に接着により結合されてよく、存在する場合、通気性多層フィルムは、通気性多層フィルムの幅のみに沿って(例えば、連続または不連続の接着剤層を介して)第2の繊維層に接着により結合され得る。この点に関して、第1の繊維層のみを含むこのような実施形態は、二層積層体ゾーン付き積層物品と呼ぶことができる。同様に、第1の繊維層および第2の繊維層の両方を含むこのような実施形態は、三層積層体ゾーン付き積層物品と呼ぶことができる。図6は、例えば、三層積層体ゾーン付き積層物品を示す。図に示すように、積層体20は、第1の繊維層22と第2の繊維層24との間に挟まれた通気性多層フィルム10を含む。やはり図6によって示すように、積層体20は、通気性多層フィルム10と第1の繊維層22との間に第1の接着剤層42を含む。積層体20はまた、通気性多層フィルム10と第2の繊維層24との間に第2の接着剤層44を含む。図6に示す例としての実施形態は、第1の繊維層22および第2の繊維層24の両方の幅より実質的に小さい幅を有する通気性多層フィルム10を含む。やはり図6に示すように、第1の接着剤層42および第2の接着剤層はそれぞれ、通気性多層フィルム10の長さに沿ってのみ延びる。
【0067】
本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、接着剤層が通気性多層フィルムと繊維層のそれぞれとの間に配置された状態で、2つの繊維層の間に挟まれてよい。通気性多層フィルムは、第1の繊維層の幅および/または第2の繊維層(存在する場合)の幅より実質的に狭い幅を含むことができる。本発明の特定の実施形態によれば、通気性多層フィルムは、通気性多層フィルムの幅に沿って(例えば、連続または不連続の接着剤層を介して)第1の繊維層に接着により結合されてもよく、存在する場合、通気性多層フィルムは、通気性多層フィルムの幅に沿って(例えば、連続または不連続の接着剤層を介して)第2の繊維層に接着により結合され得る。本発明のそのような実施形態によれば、接着剤層は、繊維層の幅に沿って延びてもよい。したがって、繊維層の一部は、通気性多層フィルムが存在しない部分で互いに直接接着され得る。この点に関して、第1の繊維層のみを含むこのような実施形態は、二層積層体ゾーン付き積層物品と呼ぶこともできる。同様に、第1の繊維層および第2の繊維層の両方を含むこのような実施形態は、三層積層体ゾーン付き積層物品と呼ぶこともできる。図7は、例えば、このような三層積層体ゾーン付き積層物品を示す。図は、第1の繊維層22と第2の繊維層24との間に挟まれた通気性多層フィルム10を含む積層体20を示す。やはり図7によって示すように、積層体20は、通気性多層フィルム10と第1の繊維層22との間に第1の接着剤層42を含む。積層体20はまた、通気性多層フィルム10と第2の繊維層24との間に第2の接着剤層44を含む。図7に示す例としての実施形態は、第1の繊維層22および第2の繊維層24の両方の幅より実質的に小さい幅を有する通気性多層フィルム10を含む。やはり図7に示すように、第1の接着剤層42および第2の接着剤層44はそれぞれ、少なくとも第1の繊維層および第2の繊維層が、多層通気性フィルムが存在しない部分で互いに直接接着されるように、積層体20の長さに沿って延びる。図8は、第1の繊維層22と第2の繊維層24との間に挟まれた通気性多層フィルム10を含む積層体20を示す。やはり図7によって示すように、積層体20は、通気性多層フィルム10と第1の繊維層22との間に第1の接着剤層42を含む。積層体20はまた、通気性多層フィルム10と第2の繊維層24との間に第2の接着剤層44を含む。図8に示す例としての実施形態は、第1の繊維層22および第2の繊維層24の両方の幅より実質的に小さい幅を有する通気性多層フィルム10を含む。やはり図8に示すように、第1の接着剤層42は、通気性多層フィルム10の幅に沿ってのみ延び、第2の接着剤層44は各々、積層体20の長さに沿って延び、少なくとも第1の繊維層および第2の繊維層は、多層通気性フィルムが存在しない部分で互いに直接接着される。
【0068】
本発明の特定の実施形態によれば、積層体は、外科用ガウン、スリーブ、外科用ドレープ、ズボンの脚、靴カバー、ヘッドピース、保護エプロン、またはフェイスマスクなどのバリア物品に組み込まれるか、またはバリア物品の形態で提供されてよい。したがって、本発明の特定の実施形態は、本明細書に開示されるような積層体を含む保護衣類またはその一部を提供することができる。この点に関して、本発明の特定の実施形態による積層体は、AAMI 4規格バリア積層体に適したバリア物品を提供することができる。
【0069】
さらに別の態様では、本発明は、積層体を形成するためのプロセスを提供する。本発明の特定の実施形態によれば、プロセスは、コア層ポリマー溶融物を形成するステップと、第1の皮膜層ポリマー溶融物を形成するステップと、を含むことができる。このプロセスは、コア層ポリマー溶融物および第1の皮膜層ポリマー溶融物を共押出して、モノリシックコア層および第1の皮膜層を形成し、通気性多層フィルムを提供し、その後、多層フィルムの第1の皮膜層を第1の繊維層に積層すること、を含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、積層するステップは、接着剤の連続層もしくはコーティング、または接着剤の不連続層もしくはコーティングを用いて、第1の繊維層を第1の皮膜層に接着により結合することを含み得る。本発明の特定の実施形態によれば、プロセスはまた、第2の皮膜層ポリマー溶融物を形成するステップと、コア層ポリマー溶融物、第1の皮膜層ポリマー溶融物、および第2の皮膜層ポリマー溶融物を共押出して、モノリシックコア層、第1の皮膜層、および第2の皮膜層を形成して多層フィルムを形成するステップと、を含むことができる。このプロセスは、接着剤の連続層もしくはコーティング、または接着剤の不連続層もしくはコーティングを用いて、第2の繊維層を第2の皮膜層に接着により結合することによって、多層フィルムの第2の皮膜層を第2の繊維層に積層するステップをさらに含むことができる。
【0070】
〔実施例〕
本開示は、以下の実施例によってさらに例示されるが、これらは決して限定的であると解釈されるべきではない。すなわち、以下の実施例に記載される特定の特徴は、単に例示的なものであり、限定的なものではない。
【0071】
試験方法
以下の比較例および実施例の坪量は、ASTM D3776試験方法と一致する方法で測定した。結果は、g/m(gsm)の、単位面積当たりの質量単位で提供され、比較例および実施例の各サンプルについて最低10片を秤量することによって得られ、各片は10cm×10cmの寸法を有していた。
【0072】
ウェブのストリップ引張強度は、ASTM試験方法D5035に従って測定される。
【0073】
厚さは、ASTM試験方法D5729に従って測定した。
【0074】
フィルムの水頭(Hydrohead)は、INDA規格IST 80.6に従って測定した。試験中、PETスパンボンド(34gsm、Reemay(登録商標)、スタイル番号2014)を裏打ち材料として使用した。試験は、たとえ水の侵入の徴候がなくても、20kPa(200mbar)に達したら停止する。例えば、試験が20kPa(200mbar)に達した場合、試験を停止し、結果を>20kPa(>200mbar)として報告する。
【0075】
フィルム積層体のピンホール試験は、通常、十分な量のメチレンブルーイソプロピノール(isopropynol)溶液(1リットルの50%イソプロピノールに溶解した1グラムのメチレンブルー粉末)を積層体の2平方メートル表面上に塗布することによって行われる。5分後、積層体の他方の面を、着色溶液がフィルムに浸透した徴候(例えば、色の裏抜け)について検査する。10平方メートル当たり1ピンホール未満の製品は、ピンホールのない製品として受け入れられることが多い。
【0076】
MVTRは、水、32℃の温度および50%の周囲湿度を使用して、ASTM E96Dによる直立カップ法で測定した。
【0077】
ウイルス侵入に対する耐性を、ユタ州のNelson’s Laboratoriesでウイルスバリア試験を用いてASTM F1671に従って試験した。
【0078】
接触角はASTM D5946に従って測定した。この点に関して、既存のフィルムを、63.5mm×50.8mm(2.5インチ×2.0インチ)の開口部を有する114.3mm×76.2mm(4.5インチ×3インチ)の寸法を有するポリプロピレンシートフレーム上に熱シールした。フレーム付きサンプルを、密封ガラス容器中の分析グレードのアセトン少なくとも100mLに24時間浸漬し、次いで72±2°Fおよび45±2%の相対湿度(RH)で約4時間風乾した後、試験した。測定は、72±2°Fおよび45±2%のRHの条件でフィルムの各側(すなわち、「A」側および「B」側として示される)で行った。カメラを使用して、フィルム上に堆積した各5μLの脱イオン水滴を画像化し、Image Proソフトウェアを使用して角度測定を行った。一連の10個の測定読み取り値をフィルム標本の各側から得て、接触角の全体平均値を報告した。所与のフィルムの極性の観点から、接触角は、材料表面エネルギーの間接的な測定値である。この点に関して、固体材料(例えば、フィルム表面)の表面エネルギーが高いほど、水滴の接触角は低くなる。
【0079】
多層フィルムおよびその積層体の形成プロセス
(例えば、比較例および実施例の)全てのサンプルは、異なる配合物を多層押出ダイに供給することができる2つの押出機を含むフィルム流延システム上で作製した。ダイブロックは、2つの外側皮膜(すなわち、「A」層)が1つの配合物から作製され、フィルムのコア(すなわち、「B」層)が異なる配合物から作製された、ABAフィルム構成を生成するように構成された。フィルムを、微細パターン仕上げでチルロール上にキャストし、続いてロールに巻き取った。
【0080】
比較例1
この比較例で使用される原料は、Arnitel(登録商標)の商標名の、DSMからのポリエーテル-ブロック-エステル、カラーマスターバッチ、および離型剤を含む。Arnitel(登録商標)樹脂(すなわち、Arnitel(登録商標)VT3108)は、185℃の溶融温度、ISO1133に従って試験した場合に10cm/10分のボリュームメルトフローレイト(volume melt flow rate)、およびISO62によって35%の吸水率を有する。それを、除湿乾燥機中で85℃で少なくとも4時間乾燥させ、次いで、3.5メートル幅のキャストフィルムダイに共押出し、ここで、ダイは、結合ブロック(combining block)を備え、温度を220℃±2℃に設定した。「A」層は、Arnitel(登録商標)樹脂、ポリオレフィン樹脂、カラーマスターバッチ、および加工剤のブレンドである。「B」層は、前述のArnitel(登録商標)100%である。溶融温度、溶融圧力、押出速度、チルロール速度および他のパラメーターを制御することによって、上記構造(すなわち、ABA)を有する12gsmフィルムを製造した。主要な特性を表1に示し、「サンプルA」と同定する。
【0081】
比較例2
この比較例で使用される原料は、Arnitel(登録商標)の商標名の、DSMからのポリエーテル-ブロック-エステル、ポリオレフィン樹脂、およびEMA(エチルメチルアクリレート)の化合物を含む。Arnitel(登録商標)樹脂(すなわち、Arnitel(登録商標)VT3108)は、185℃の溶融温度、ISO1133に従って試験した場合に10cm/10分のボリュームメルトフローレイト(volume melt flow rate)、およびISO62によって35%の吸水率を有する。EMAは、エチレンとアクリル酸メチルとのランダムコポリマーであり、ISO1133に従って試験した場合に2~3.5g/10分のメルトインデックス、0.95g/cmの密度、および61℃の溶融温度を有する。この化合物を、除湿乾燥機中で85℃で少なくとも4時間乾燥させ、次いで、3.5メートル幅のキャストフィルムダイに共押出し、ここで、ダイは、結合ブロックを備え、温度を220℃±2℃に設定した。「A」層は、50:45:15の比率のArnitel(登録商標)樹脂、耐衝撃性ポリプロピレン(impact polypropylene)、およびEMAのブレンドである。「B」層は、前述のArnitel(登録商標)100%であった。溶融温度、溶融圧力、押出速度、チルロール速度および他のパラメーターを制御することによって、上記構造(すなわち、ABA)を有する12gsmフィルムを製造した。主要な特性を表1に示し、「サンプル1A」と同定する。
【0082】
実施例3
この実施例で使用される原料は、2つのポリエーテルブロックエステル、すなわちArnitel(登録商標)AおよびArnitel(登録商標)Bであり、両方ともArnitel(登録商標)の商標名でDSMからのものである。Arnitel(登録商標)A樹脂は、189℃の溶融温度、ISO1133に従って試験した場合に46cm/10分のボリュームメルトフローレイト、およびISO62によって0.7%の吸水率を有する。Arnitel(登録商標)B樹脂は、185℃の溶融温度、ISO1133に従って試験した場合に10cm/10分のボリュームメルトフローレイト、およびISO62によって35%の吸水率を有する。それらを、除湿乾燥機中で85℃で少なくとも4時間乾燥させ、次いで、3.5メートル幅のキャストフィルムダイに共押出し、ここで、ダイは、結合ブロックを備え、温度を220℃±2℃に設定した。「A」層は、Arnitel(登録商標)Aと粘着防止加工剤(anti-block process agent)とのブレンドである。「B」層は、Arnitel(登録商標)Bが100%であった。溶融温度、溶融圧力、押出速度、チルロール速度および他のパラメーターを制御することによって、上記構造(すなわち、ABA)を有する12gsmフィルム(サンプルB)を製造する。11gsm(サンプルC)および10gsm(サンプルD)の坪量で同じ構造フィルムを製造した。主要な特性を表1に示す。
【表1】
【0083】
実施例4
上記フィルムの各々を2層の不織布と積層し、フィルムをホットメルト接着剤で不織布層の間に挟んだ。第1の不織布は、典型的なポリプロピレンスパンボンドであり、35±5MFRの粘度を有するアイソタクチックポリプロピレンを主に含む配合物から作製することができる。第2の不織布は、典型的なポリプロピレンスパンボンドであり、これは、ISO1133(230℃および2.16Kg)によって測定して、スパンボンドグレード樹脂について35±5MFRの粘度、およびメルトブローングレード樹脂について300~2000MFRの範囲の粘度を有するアイソタクチックポリプロピレンを主に含む配合物から作製することができる。このような不織布は、ドイツ・トロイスドルフのReifenhauser Reicofilにより販売されているReicofilスパンメルト製造装置上で製造することができる。これらの積層体の構造およびそれらの典型的な特性を表2に示す。
【表2】
【0084】
実施例5
サンプルEおよびFの継ぎ目を形成するヒートシールは、Packworld USAのパイロットヒートシール機、モデルPW3024を用いて行った。一般に、これらの材料は、このヒートシール機を使用する場合、190~220℃の範囲のシール温度、シールバー1インチ当たり3~4PSIのシール圧力、および3~6秒のシール時間で適切にシールすることができる。継ぎ目は、それぞれ「EE」および「FF」として識別され、継ぎ目引張強度、水頭圧、およびF1671試験によって評価される。継ぎ目引張強度は、継ぎ目が引張り力方向に対して垂直に配向された状態でASTM D5035-95に従って試験された。水頭圧試験は、F1671の加圧ステップをシミュレートするために、AATCC 127に従った改変水頭試験であった。水頭圧試験の間、支持スクリーン(34gsm PETスパンボンド、Reemay(登録商標)、スタイル番号2014)をヒートシール継ぎ目標本の上方で使用した。圧力を14kPa(140mbar)に上昇させ、この圧力を60秒間一定に保った。継ぎ目は、60秒の時間要件の後に継ぎ目に沿って破損が観察されない場合、この試験に合格したとみなされる。データを表3に示す。
【表3】
【0085】
接触角の測定
上記のように、ASTM 5946に従って、様々なフィルムの接触角を試験した。この点に関して、以下の5つの異なるフィルムを試験した:(i)Ahlstrom BVBフィルム(S1);(ii)Arnitel(登録商標)A(上記)から形成され、マイクロスクエアパターンを含む皮膜を含む、本明細書に記載されるような本発明のフィルム(S2);(iii)Arnitel(登録商標)A(上記)から形成され、不規則な艶消し仕上げを含む皮膜を含む、本明細書に記載されるような本発明のフィルム(S3);(iv)Arnitel(登録商標)B(上記)表面を含み、マイクロスクエアパターンを含む比較フィルム(S4);および(v)Arnitel(登録商標)B(上記)表面を含み、マイクロスクエアパターンを含む追加の比較フィルム(S5)。結果を表4に示す。
【表4】
【0086】
本発明に対するこれらおよび他の改変および変形は、添付の特許請求の範囲により具体的に記載される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者によって実施され得る。さらに、さまざまな実施形態の態様は、全体的にまたは部分的に交換され得ることを理解されたい。さらに、当業者は、前述の説明がほんの一例であり、そのような添付の特許請求の範囲にさらに記載されるように本発明を限定することを意図しないことを理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲は、本明細書に含まれるバージョンの例示的な説明に限定されるべきではない。
【0087】
〔実施の態様〕
(1) 通気性多層フィルムにおいて、
コア層組成物を含むモノリシックコア層であって、前記コア層組成物は、コア層高通気性ポリマーを含み、コア層吸水率を有する、モノリシックコア層と、
第1の皮膜層組成物を含む少なくとも第1の皮膜層であって、前記第1の皮膜層組成物は、第1の皮膜層高通気性ポリマーを含み、第1の皮膜層吸水率を有する、少なくとも第1の皮膜層と、
を含み、
前記コア層吸水率は、前記第1の皮膜層吸水率より少なくとも約10倍大きい、通気性多層フィルム。
(2) 前記コア層吸水率は、前記第1の皮膜層吸水率より少なくとも約10~約50倍大きく、例えば、前記第1の皮膜層吸水率より少なくとも約10~約45倍、40倍、35倍、30倍、25倍、20倍、または15倍大きい、実施態様1に記載のフィルム。
(3) 前記通気性多層フィルムは、(i)約1.0g/cc未満、例えば約0.4~約0.9g/cc、もしくは約0.4~約0.8g/cc、もしくは約0.4~約0.7g/cc、もしくは約0.4~約0.6g/ccの平均密度、および/または(ii)ASTM D5946に従って測定して、約60~約70°、例えば約62~約68°、もしくは約65~約68°の接触角のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1または2に記載のフィルム。
(4) 前記コア層吸水率は、ISO62に従って測定して少なくとも約15%、例えば、ISO62に従って測定して、約15%~約150%、または約15%~約130%、または約15%~約120%、または約15%~約110%、または約15%~約100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、または30%を含む、実施態様1から3のいずれかに記載のフィルム。
(5) 前記第1の皮膜層吸水率は、ISO62に従って測定して約5%未満を含む、実施態様1から4のいずれかに記載のフィルム。
【0088】
(6) 前記第1の皮膜層吸水率は、ISO62に従って測定して約5%~約0.5%、例えば、ISO62に従って測定して、約4%~約0.5%、または約3%~約0.5%、または約2%~約0.5%を含む、実施態様5に記載のフィルム。
(7) 前記第1の皮膜層はモノリシックである、実施態様1から6のいずれかに記載のフィルム。
(8) 第2の皮膜層をさらに含み、
前記モノリシックコア層は、前記第1の皮膜層と前記第2の皮膜層との間に直接または間接的に挟まれている、実施態様1から7のいずれかに記載のフィルム。
(9) 前記第2の皮膜層は、第2の皮膜層組成物を含み、前記第2の皮膜層組成物は、第2の皮膜層高通気性ポリマーを含み、第2の皮膜層吸水率を有し、前記コア層吸水率は、前記第2の皮膜層吸水率より少なくとも約10倍大きい、実施態様8に記載のフィルム。
(10) 前記コア層吸水率は、前記第2の皮膜層吸水率より少なくとも約10~約50倍大きく、例えば、前記第2の皮膜層吸水率より少なくとも約10~約45倍、40倍、35倍、30倍、25倍、20倍、または15倍大きい、実施態様9に記載のフィルム。
【0089】
(11) 前記第2の皮膜層吸水率は、ISO62に従って測定して約5%未満を含む、実施態様10に記載のフィルム。
(12) 前記第2の皮膜層吸水率は、ISO62に従って測定して約5%~約0.5%、例えば、ISO62に従って測定して、約4%~約0.5%、または約3%~約0.5%、または約2%~約0.5%を含む、実施態様11に記載のフィルム。
(13) 前記第2の皮膜層はモノリシックである、実施態様1から12のいずれかに記載のフィルム。
(14) 前記第1の皮膜層組成物、前記第2の皮膜層組成物、または前記コア層組成物のうちの少なくとも1つは、0℃未満のTを有する軟質ポリマーを欠いている、実施態様1から13のいずれかに記載のフィルム。
(15) 前記第1の皮膜層組成物、前記第2の皮膜層組成物、または前記コア層組成物のうちの少なくとも1つは、孔形成充填剤を欠いている、実施態様1から14のいずれかに記載のフィルム。
【0090】
(16) 前記多層フィルムは共押出されている、実施態様1から15のいずれかに記載のフィルム。
(17) 前記多層フィルムは、ASTM試験方法E-96Dによって測定して少なくとも700g/m/日、例えば、ASTM試験方法E-96Dによって測定して、少なくとも約700g/m/日、または1000g/m/日、または1300g/m/日のMVTRを含む、実施態様1から16のいずれかに記載のフィルム。
(18) 前記多層フィルムは、約5~約30gsm、例えば約10~約20gsm、または約10~約15gsmを含む坪量を有する、実施態様1から17のいずれかに記載のフィルム。
(19) 前記多層フィルムは、約10μm~約50μm、例えば、約10μm~約30μm、または約10μm~約25μm、または約10μm~約20μmの厚さを含む、実施態様1から18のいずれかに記載のフィルム。
(20) 前記コア層は、コア層厚さを有し、前記第1の皮膜層は、第1の皮膜層厚さを有し、前記第2の皮膜層は、第2の皮膜層厚さを有し、前記コア層厚さは、前記第1の皮膜層厚さおよび前記第2の皮膜層厚さのそれぞれより大きい、実施態様1から19のいずれかに記載のフィルム。
【0091】
(21) 前記コア層厚さは、前記第1の皮膜層厚さと前記第2の皮膜層厚さとの集合より大きい、実施態様20に記載のフィルム。
(22) 前記コア層は、上面および底面を含み、前記第1の皮膜層は、前記コア層の前記上面の少なくとも一部の上に、かつ少なくとも、これに近接するか、または隣接して配置されている、実施態様1から21のいずれかに記載のフィルム。
(23) 前記第2の皮膜層は、前記コア層の前記底面の少なくとも一部の下に、かつ少なくとも、これに近接するか、または隣接して配置されている、実施態様1から22のいずれかに記載のフィルム。
(24) 前記多層フィルムは、50重量%以下の前記第1の皮膜層、前記第2の皮膜層、または前記第1の皮膜層と前記第2の皮膜層の凝集体、例えば、約25重量%以下、約20重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下、または約3重量%以下の前記第1の皮膜層、前記第2の皮膜層、または前記第1の皮膜層と前記第2の皮膜層の凝集体を含む、実施態様1から23のいずれかに記載のフィルム。
(25) 前記コア層高通気性ポリマーは、熱可塑性ウレタン、ポリエーテルブロックアミドコポリマー、ポリエーテルブロックエステルコポリマー、ポリエステルブロックアミドコポリマー、またはコポリエステル熱可塑性エラストマーのうちの少なくとも1つを含む、実施態様1から24のいずれかに記載のフィルム。
【0092】
(26) 前記コア層高通気性ポリマーは、(i)ポリエチレングリコールを含む軟質ブロックおよび(ii)ポリブチルテレフタレートを含む硬質ブロックを含む、ポリエーテルブロックエステルコポリマーを含む、実施態様25に記載のフィルム。
(27) 前記第1の皮膜層、前記第2の皮膜層、またはその両方は、前記コア層より吸湿性が低い、実施態様1から26のいずれかに記載のフィルム。
(28) 少なくとも前記第1の皮膜層は、前記モノリシックコア層より粘着性が低い、実施態様1から27のいずれかに記載のフィルム。
(29) 少なくとも前記第1の皮膜層は、前記第2の皮膜層より粘着性が低い、実施態様1から28のいずれかに記載のフィルム。
(30) 前記第1の皮膜層高通気性ポリマー、前記第2の皮膜層高通気性ポリマー、またはその両方は、熱可塑性ウレタン、ポリエーテルブロックアミドコポリマー、ポリエーテルブロックエステルコポリマー、ポリエステルブロックアミドコポリマー、またはコポリエステル熱可塑性エラストマーのうちの少なくとも1つを含む、実施態様1から29のいずれかに記載のフィルム。
【0093】
(31) 積層体において、
(a)実施態様1から30のいずれかに記載の通気性多層フィルムと、
(b)少なくとも第1の繊維層と、
を含む、積層体。
(32) 前記第1の繊維層は、第1の不織布材料を含む、実施態様31に記載の積層体。
(33) 前記第1の不織布材料は、スパンボンド層、メルトブローン層、サブミクロン層、またはそれらの任意の組み合わせを含む、実施態様31または32に記載の積層体。
(34) 前記通気性多層フィルムおよび前記第1の繊維層は、前記通気性多層フィルムと前記第1の繊維層との間に配置された第1の接着剤層を介して積層されている、実施態様31から33のいずれかに記載の積層体。
(35) 前記第1の接着剤層は、接着剤の不連続コーティングを含む、実施態様34に記載の積層体。
【0094】
(36) 前記接着剤の不連続コーティングは、繊維化されるかまたは霧状にされたホットメルト接着剤を含む、実施態様35に記載の積層体。
(37) 前記接着剤の不連続コーティングは、水性または溶媒系接着剤を含む、実施態様35に記載の積層体。
(38) 前記第1の接着剤層は、接着剤の連続コーティングを含み、
前記接着剤は、ホットメルト接着剤、溶媒系接着剤、または水性接着剤を含む、実施態様31から33のいずれかに記載の積層体。
(39) 前記通気性多層フィルムは、前記第1の繊維層上に直接溶融押出されている、実施態様31から33のいずれかに記載の積層体。
(40) 前記積層体は、保護衣類のアイテムまたはその一部を含む、実施態様31から39のいずれかに記載の積層体。
【0095】
(41) 前記保護衣類のアイテムまたはその一部は、外科用ガウン、外科用ドレープ、または保護エプロンを含む、実施態様40に記載の積層体。
(42) 第2の不織布材料を含む第2の繊維層をさらに含み、
前記通気性多層フィルムは、前記第1の繊維層と前記第2の繊維層との間に直接または間接的に挟まれている、実施態様31から41のいずれかに記載の積層体。
(43) 前記第2の不織布材料は、スパンボンド層、メルトブローン層、サブミクロン層、またはそれらの任意の組み合わせを含む、実施態様42に記載の積層体。
(44) 前記通気性多層フィルムおよび前記第2の繊維層は、前記通気性多層フィルムと前記第2の繊維層との間に配置された第2の接着剤層を介して積層されている、実施態様43に記載の積層体。
(45) 前記接着剤層は、繊維化されるかもしくは霧状にされたホットメルト接着剤、または水性もしくは溶媒系接着剤などの接着剤の不連続コーティングを含む、実施態様44に記載の積層体。
【0096】
(46) 前記接着剤層は、接着剤の連続コーティングを含み、
前記接着剤は、ホットメルト接着剤、溶媒系接着剤、または水性接着剤を含む、実施態様42または43に記載の積層体。
(47) 前記通気性多層フィルムは、前記第1の繊維層と前記第2の繊維層との間に直接溶融押出されている、実施態様42または43に記載の積層体。
(48) 前記積層体は、保護衣類のアイテムまたはその一部を含む、実施態様42から47のいずれかに記載の積層体。
(49) 前記保護衣類のアイテムまたはその一部は、外科用ガウン、外科用ドレープ、または保護エプロンを含む、実施態様48に記載の積層体。
(50) 少なくとも前記第1の繊維層、前記通気性多層フィルム、およびオプションとして前記第2の繊維層はすべて、実質的に同じ幅を有する、実施態様31から49のいずれかに記載の積層体。
【0097】
(51) 前記第1の繊維層は第1の幅を含み、前記通気性多層フィルムは第2の幅を有し、前記第1の幅は前記第2の幅と異なる、実施態様31から49のいずれかに記載の積層体。
(52) 前記第1の幅は前記第2の幅より大きく、前記第1の繊維層および前記通気性多層フィルムは、前記第2の幅のみに沿って互いに接着により結合されている、実施態様51に記載の積層体。
(53) 前記第1の幅は前記第2の幅より小さく、前記第1の繊維層および前記通気性多層フィルムは、前記第1の幅のみに沿って互いに接着により結合されている、実施態様51に記載の積層体。
(54) 前記第1の繊維層は第1の幅を含み、前記通気性多層フィルムは第2の幅を有し、前記第2の繊維層は第3の幅を有し、前記第2の幅は前記第1の幅および前記第3の幅と異なる、実施態様31から49のいずれかに記載の積層体。
(55) 前記第1の繊維層および前記通気性多層フィルムは、前記第2の幅のみに沿って互いに接着により結合され、前記第2の繊維層および前記通気性多層フィルムは、前記第2の幅のみに沿って互いに接着により結合されている、実施態様54に記載の積層体。
【0098】
(56) 前記第1の幅および前記第3の幅は、実質的に同じであり、かつ前記第2の幅より大きく、前記積層体は、前記第1の幅の周りで互いに接着により結合されている、実施態様54に記載の積層体。
(57) 通気性多層フィルムを形成するためのプロセスにおいて、
実施態様1から30のいずれかに記載の多層フィルムを共押出することを含む、プロセス。
(58) (a)コア層ポリマー溶融物を形成することと、
(b)第1の皮膜層ポリマー溶融物を形成することと、
(c)前記コア層ポリマー溶融物および前記第1の皮膜層ポリマー溶融物を共押出して、モノリシックコア層および第1の皮膜層を形成することと、
をさらに含む、実施態様57に記載のプロセス。
(59) (a)第2の皮膜層ポリマー溶融物を形成することと、
(b)前記コア層ポリマー溶融物、前記第1の皮膜層ポリマー溶融物、および前記第2の皮膜層ポリマー溶融物を共押出して、前記モノリシックコア層、前記第1の皮膜層、および第2の皮膜層を形成することと、
をさらに含む、実施態様57または58に記載のプロセス。
(60) 実施態様31から56のいずれかに記載の積層体を形成するためのプロセスにおいて、
(a)コア層ポリマー溶融物を形成することと、
(b)第1の皮膜層ポリマー溶融物を形成することと、
(c)前記コア層ポリマー溶融物および前記第1の皮膜層ポリマー溶融物を共押出して、モノリシックコア層および第1の皮膜層を形成して多層フィルムを形成することと、
(d)前記多層フィルムの前記第1の皮膜層を第1の繊維層に積層することと、
を含む、プロセス。
【0099】
(61) (a)第2の皮膜層ポリマー溶融物を形成することと、
(b)前記コア層ポリマー溶融物、前記第1の皮膜層ポリマー溶融物、および前記第2の皮膜層ポリマー溶融物を共押出して、前記モノリシックコア層、前記第1の皮膜層、および第2の皮膜層を形成して多層フィルムを形成することと、
(c)前記多層フィルムの前記第2の皮膜層を第2の繊維層に積層することと、
をさらに含む、実施態様60に記載のプロセス。
(62) 実施態様31から56のいずれかに記載の積層体を形成するためのプロセスにおいて、
(a)前記通気性多層フィルムを提供することと、
(b)前記通気性多層フィルムの前記第1の皮膜層を前記第1の繊維層に積層することと、
を含む、プロセス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8