(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/42 20060101AFI20240917BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240917BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240917BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240917BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20240917BHJP
【FI】
B41J29/42 E
G03G21/00 384
G03G21/00 386
B41J29/38 104
H04N1/00 350
H04N1/00 885
H04N1/00 E
G06F3/048
(21)【出願番号】P 2023077913
(22)【出願日】2023-05-10
(62)【分割の表示】P 2019107761の分割
【原出願日】2019-06-10
【審査請求日】2023-06-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福士 研司
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-215628(JP,A)
【文献】特開2003-066779(JP,A)
【文献】特開2015-212406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/42
G03G 21/00
B41J 29/38
H04N 1/00
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成することが可能なスタンバイ状態と、前記スタンバイ状態よりも消費電力の少ないスリープ状態と、に移行可能な画像形成装置であって、
前記画像形成装置が前記スタンバイ状態であるときに点灯し、前記画像形成装置が前記スリープ状態であるときに消灯するパネル部であって、ソフトウェアキーを表示して情報を入力可能なパネル部と、
前記パネル部の操作を音声で案内する音声ガイド機能と、
前記
音声ガイド機能を有効状態と無効状態とに切り替える指示を入力するためのハードウェアキーと、
前記
音声ガイド機能が前記有効状態である場合に点灯し、前記
音声ガイド機能が前記無効状態である場合に消灯する発光部と、を備え、
前記発光部は、前記
音声ガイド機能が前記有効状態であり、且つ、前記画像形成装置が前記スタンバイ状態である場合に前記画像形成装置が前記スリープ状態へ移行したことに基づいて、前記ハードウェアキーの操作によらずに消灯する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記発光部は、前記
音声ガイド機能が前記有効状態である場合であって、前記画像形成装置が前記スリープ状態から前記スタンバイ状態へ移行した場合に点灯する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、前記スリープ状態で前記ハードウェアキーが操作された場合、前記
音声ガイド機能の前記有効状態と前記無効状態とを切り替えない、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
シートに画像を形成することが可能なスタンバイ状態と、前記スタンバイ状態よりも消費電力の少ないスリープ状態と、に移行可能な画像形成装置であって、
前記画像形成装置が前記スタンバイ状態であるときに点灯し、前記画像形成装置が前記スリープ状態であるときに消灯するパネル部であって、ソフトウェアキーを表示して情報を入力可能なパネル部と、
前記画像形成装置の所定機能を有効状態と無効状態とに切り替える指示を入力するためのハードウェアキーと、
前記所定機能が前記有効状態である場合に点灯し、前記所定機能が前記無効状態である場合に消灯する発光部と、を備え、
前記ソフトウェアキーは、前記スリープ状態への移行を指示するための移行キーを有し、
前記画像形成装置は、前記移行キーへの操作に応じて前記スタンバイ状態から前記スリープ状態へ移行可能であり、
前記発光部は、前記所定機能が前記有効状態であり、且つ、前記画像形成装置が前記スタンバイ状態である場合に前記画像形成装置が前記スリープ状態へ移行したことに基づいて、前記ハードウェアキーの操作によらずに消灯する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
前記発光部は、前記所定機能が前記有効状態である場合であって、前記画像形成装置が前記スリープ状態から前記スタンバイ状態へ移行した場合に点灯する、
ことを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記画像形成装置は、前記スリープ状態で前記ハードウェアキーが操作された場合、前記所定機能の前記有効状態と前記無効状態とを切り替えない、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記画像形成装置は、前記スタンバイ状態が所定時間続いた場合に、前記スタンバイ状態から前記スリープ状態へ移行する、
ことを特徴とする請求項1乃至
6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記画像形成装置は、前記スリープ状態の場合に前記パネル部が操作されたことに応じて、前記スリープ状態から前記スタンバイ状態へ移行する、
ことを特徴とする請求項1乃至
7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
記録材を載置可能な載置部と、
前記載置部に記録材が載置されたことを検出可能な検出部と、を備え、
前記画像形成装置は、前記スリープ状態の場合に前記検出部によって記録材を検出した場合に、前記スリープ状態から前記スタンバイ状態へ移行する、
ことを特徴とする請求項1乃至
8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
原稿を載置する原稿載置部と、
原稿上の画像を読み取る画像読取部と、
前記原稿載置部に載置された原稿を前記画像読取部に搬送する原稿搬送部と、
前記原稿載置部に原稿が載置されたことを検出可能な原稿検出部と、を備え、
前記画像形成装置は、前記スリープ状態の場合に前記原稿検出部が原稿を検出した場合に、前記スリープ状態から前記スタンバイ状態へ移行する、
ことを特徴とする請求項1乃至
9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記ハードウェアキーは、ユーザが押圧することで操作可能な押圧部と、前記発光部と、を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至
10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードウェアキーを有する入力装置を外付けで接続可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電子写真方式の画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複数の機能を有する複合機等として広く利用されている。画像形成装置として、ソフトウェアキーを画面上に表示可能なタッチパネル式のディスプレイを有したものが提案されている。この場合、ユーザは画面上のソフトウェアキーをタッチ操作することで、ソフトウェアキーに予め割り当て済みの各種機能を実行し得る。ただし、ユーザの利便性や操作性また視認性などの観点から、画面上に同時に表示可能なソフトウェアキーの数は制限されるのが通常である。そこで、テンキーやスタートキーなどの比較的に利用頻度が高いものをハードウェアキーとして外付けの入力装置(例えば、テンキーユニットなど)に設けておき、この入力装置を画像形成装置に接続可能としたものが提案されている(特許文献1)。
【0003】
また、画像形成装置として、例えば装置の操作方法などを音声によって案内する音声ガイド機能が搭載されたものが提案されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-118584号公報
【文献】特開2006-23637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最近では、ユーザの利便性の観点から、上記の音声ガイドのような各種機能を、ユーザによる操作に応じて有効状態と無効状態との間で切り替えるためのハードウェアキーとして、例えば音声ガイドキーが外付けの入力装置に配置されることがある。音声ガイドモードは特に視覚障害者の使用を念頭に置いていることから、音声ガイドキーは視覚障害者が実際に触って操作しやすいように、ソフトウェアキーでなくハードウェアキーとして設けられている。そして、音声ガイドキーには例えばLEDが設けられており、このLEDを点灯制御することによって、LEDの点灯状況によって音声ガイドモードが有効状態にあるか無効状態にあるかをユーザに報知できるようにしている。
【0006】
また、画像形成装置は、例えば画面を消灯するなどして節電を図るべく、電源からの電力供給を制限して画像形成装置をスタンバイ状態からより消費電力の少ないスリープ状態に移行させる機能(所謂、節電モード)を有している。従来では、節電モードの設定、解除を行うためのハードウェアキーである節電ボタンが設けられ、節電ボタンはスタンバイ状態からスリープ状態に移行される際にLED等によって点灯されて、節電モード中は点灯状態に維持される。そして、ユーザは点灯している節電ボタンを操作することによって節電モードを解除でき、もって画像形成装置をスリープ状態からスタンバイ状態に復帰させることができる。画像形成装置をスリープ状態からスタンバイ状態に復帰させる際に、節電ボタンは消灯される。
【0007】
ところで、最近では上記したような節電ボタンをソフトウェアキーとすることが考えられている。しかし、節電ボタンをソフトウェアキーとした場合に、ハードウェアキーとして上記の音声ガイドキーを有する入力装置を接続すると、ユーザが節電モードを解除する際に点灯状態にある音声ガイドキーを節電ボタンと誤認識して操作する虞がある。その場合、ユーザが音声ガイドキーをいくら操作したとしても節電モードは解除されないので、ユーザの利便性が低下する。
【0008】
本発明は、点灯可能なハードウェアキーを有する外付け用の入力装置が接続されている場合に、スリープ状態のときにユーザによる入力装置のハードウェアキーに対する誤操作を防止可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態に係る画像形成装置は、シートに画像を形成することが可能なスタンバイ状態と、前記スタンバイ状態よりも消費電力の少ないスリープ状態と、に移行可能な画像形成装置であって、前記画像形成装置が前記スタンバイ状態であるときに点灯し、前記画像形成装置が前記スリープ状態であるときに消灯するパネル部であって、ソフトウェアキーを表示して情報を入力可能なパネル部と、前記パネル部の操作を音声で案内する音声ガイド機能と、前記音声ガイド機能を有効状態と無効状態とに切り替える指示を入力するためのハードウェアキーと、前記音声ガイド機能が前記有効状態である場合に点灯し、前記音声ガイド機能が前記無効状態である場合に消灯する発光部と、を備え、前記発光部は、前記音声ガイド機能が前記有効状態であり、且つ、前記画像形成装置が前記スタンバイ状態である場合に前記画像形成装置が前記スリープ状態へ移行したことに基づいて、前記ハードウェアキーの操作によらずに消灯する、ことを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置は、シートに画像を形成することが可能なスタンバイ状態と、前記スタンバイ状態よりも消費電力の少ないスリープ状態と、に移行可能な画像形成装置であって、前記画像形成装置が前記スタンバイ状態であるときに点灯し、前記画像形成装置が前記スリープ状態であるときに消灯するパネル部であって、ソフトウェアキーを表示して情報を入力可能なパネル部と、前記画像形成装置の所定機能を有効状態と無効状態とに切り替える指示を入力するためのハードウェアキーと、前記所定機能が前記有効状態である場合に点灯し、前記所定機能が前記無効状態である場合に消灯する発光部と、を備え、前記ソフトウェアキーは、前記スリープ状態への移行を指示するための移行キーを有し、前記画像形成装置は、前記移行キーへの操作に応じて前記スタンバイ状態から前記スリープ状態へ移行可能であり、前記発光部は、前記所定機能が前記有効状態であり、且つ、前記画像形成装置が前記スタンバイ状態である場合に前記画像形成装置が前記スリープ状態へ移行したことに基づいて、前記ハードウェアキーの操作によらずに消灯する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、点灯可能なハードウェアキーを有する外付け用の入力装置が接続されている場合に、スリープ状態のときにユーザによる入力装置のハードウェアキーに対する誤操作を防止することが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態の画像形成装置の概略構成について説明するための斜視図。
【
図2】制御部について説明するための制御ブロック図。
【
図3】ソフトウェアキーとハードウェアキーについて説明するための概略図。
【
図5】入力装置側における音声ガイドキー操作時の点灯制御処理を示すフローチャート。
【
図6】装置本体側における音声ガイドキー操作時の点灯制御処理を示すフローチャート。
【
図7】節電モード設定時の制御処理を示すフローチャート。
【
図8】節電モード解除時の制御処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態の画像形成装置について、
図1乃至
図4を用いて説明する。なお、本実施形態では、画像形成装置1に向かって手前側を前側F、奥側(背側)を後側B、左側をL、右側をR、上側をU、下側をDとして表している。また、画像形成装置1は、ユーザは前側Fから後側Bを向いて位置して各種の操作を行う構成になっている。
【0013】
本実施形態では、画像形成装置1の一例としてタンデム型のフルカラープリンタについて説明する。画像形成装置1は、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施することができる。なお、本実施形態はタンデム型の画像形成装置1に限らず、他の方式の画像形成装置にも適用可能である。また、フルカラーの画像形成装置に限らず、モノクロやモノカラーの画像形成装置にも適用可能である。
【0014】
<画像形成装置>
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置1は、画像形成装置本体(以下、装置本体という)10を備えている。装置本体10は、原稿読取装置20と、シート給送部21と、画像形成部22(
図2参照)と、シート排出部23と、制御部30(
図2参照)と、操作部50と、を備えている。なお、記録材であるシートは、トナー像が形成されるものであり、具体例として、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製のシート、厚紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等がある。
【0015】
原稿読取装置20は、例えばフラットベットスキャナ装置であり、装置本体10の上部に設けられている。原稿読取装置20は、原稿を載置可能な原稿台600と、原稿台600に載置された原稿上の画像を読み取ることが可能な画像読取部601と、原稿を画像読取部601へ搬送する原稿搬送部602(Auto Document Feeder)とを有する。そして、原稿搬送部602には、原稿載置部としてのトレイ603に原稿が載置されたことを検出可能な原稿検出部としてのセンサ604が設けられている。画像読取部601には図示を省略したが、主に第1読取部、原稿台ガラス、流し読みガラスが設けられている。原稿搬送部602は、画像読取部601の原稿台ガラスに対して開閉可能に設けられている。原稿台ガラスに載置された原稿は原稿台ガラスと対向するように原稿搬送部602に設けられている圧板部(不図示)により押さえられて、原稿のコピーやスキャンの開始に応じて動作する第1読取部により画像が読み取られる。他方、原稿搬送部602には図示を省略したが、主に第2読取部や原稿搬送体とが設けられている。トレイ603に載置された原稿は、コピーやスキャンの開始に応じて動作する原稿搬送体によって画像読取部601の流し読みガラス上へ送られて第1読取部により第1面の画像が読み取られ、第2読取部により第1面と反対の第2面の画像が読み取られる。こうして第1読取部や第2読取部により読み取られた画像は、画像データとして用いられる。
【0016】
シート給送部21は、装置本体10の下部に配置されており、記録紙等のシートを積載して収容するシートカセット21a、21bを備え、シートを画像形成部22(
図2参照)に給送する。シートカセット21a、21bは、画像形成部22において画像形成するためのシートを収容可能である。また、本実施形態の場合、装置本体10の側面側に開閉可能な載置部としての手差し給送部700が設けられており、シートカセット21a、21bに収容されたシートに限らず、手差し給送部700に載置されたシートが給送されるようにしてあってもよい。この場合、手差し給送部700には、シートが載置されたことを検出可能な検出部としてのセンサ701が設けられる。
【0017】
画像形成部22は、装置本体10の内部に設けられ、いずれも不図示の現像装置及び感光ドラムを有する画像形成ユニット、トナーボトル、中間転写ユニット、二次転写部、定着装置等を有している。画像形成部22は、シート給送部21から給送されたシートに対して、制御部30からの画像情報に基づいて画像を形成可能である。シート排出部23は、シートを装置本体10に形成された不図示の排出口の下流側に配置された排出トレイ24を備えている。排出トレイ24は、排出口から排出されたシートを積載する。
【0018】
<制御部>
図2に示すように、本体側制御部としての制御部30はコンピュータにより構成されている。制御部30は例えばCPU(Central Processing Unit)31と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)32とを備えている。また、制御部30は、各部を制御するプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)33及びハードディスク装置(HDD34)とを備えている。さらに、本実施形態では、制御部30は、システムバス30aと画像バス30bとを有し、CPU31、RAM32、ROM33、HDD34はいずれもシステムバス30aに接続されている。CPU31は、画像形成装置1を統括的に制御するプロセッサであり、システムコントローラの主体である。CPU31は、例えば、画像形成される画像データの画像処理や、ネットワーク制御を行う他、画像形成部22に画像形成の指示を出力すると共に、操作部50と情報を送受信することによって画像形成処理を制御する。
【0019】
RAM32は、CPU31が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもあり、CPU31の主メモリやワークエリア等として機能する。RAM32には、画像形成装置1内の設定情報や各処理を行った時のジョブログや操作ログなどが格納される。ROM33には、例えばシートに画像を形成するための画像形成ジョブ(プログラム)等が格納される。CPU31は、ROM33に格納されている画像形成ジョブ(プログラム)を実行することにより、画像形成部22を動作させて画像形成制御を行い得る。HDD34は、ハードディスクドライブであり、システムソフトウェア、アプリケーション、画像データ、画面データなどを格納する。
【0020】
画像形成ジョブとは、シートに画像形成するプリント信号に基づいて、画像形成開始してから画像形成動作が完了するまでの一連の動作のことである。即ち、画像形成を行うにあたり必要となる予備動作(所謂、前回転)を開始してから、画像形成工程を経て、画像形成を終了するにあたり必要となる予備動作(所謂、後回転)が完了するまでの一連の動作のことである。
【0021】
制御部30は、いずれもシステムバス30aに接続される操作部入出力回路(I/F)35と、電源入出力回路(I/F)36と、モデム37と、SRAM38と、RTC39と、外部入出力回路(I/F)40と、を有している。操作部入出力回路35は、後述する操作部50への画面データの送信や、操作部50からの各種通信を行うと共に、操作部50からユーザが入力した情報をCPU31に入力する。電源入出力回路36は、画像形成装置1の電源25の制御を行う。節電モード等の電力状態に応じて電源25の出力許可等を行う他、電源25からは過電流検出などの情報をCPU31に入力する。
【0022】
モデム37は公衆回線91に接続し、ファクシミリ通信部として機能し、情報の入出力を行う。これにより、制御部30は、CPU31の指示の下、外部入出力回路40によりネットワーク90を介して、あるいはモデム37により公衆回線91を介して、接続された他のPCやサーバと通信可能である。即ち、画像形成装置1は、ネットワーク90や公衆回線91と接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行う。
【0023】
SRAM38は、高速動作可能な不揮発性の記憶媒体である。RTC39は、リアルタイムクロックであり、制御部30に電源が入っていない状態でも現在の時刻をカウントし続ける処理を行う。外部入出力回路40は、USB等の汎用入出力回路であり、汎用のPCや、メモリデバイス、後述するテンキーユニット200を、USB規格のUSBコネクタ40a及びUSBポート12を介して接続する。なお、USBは、Universal Serial Busの略称である。USBポート12は、例えば、装置本体10にテンキーユニット200を設置する後述する設置面13(
図1参照)の側面や前面、あるいは操作部50の側面などに設置されたコネクタである。USBポート12には、テンキーユニット200を接続可能である。
【0024】
制御部30は、画像バス入出力回路(I/F)41と音声処理入出力回路(I/F)48を有している。画像バス入出力回路41は、システムバス30aと画面データを高速で転送する画像バス30bとを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス30bは、例えば、PCIバス又はIEEE1394で構成されている。
【0025】
音声処理入出力回路(I/F)48は、例えばユーザに各部の操作方法などを音声によって案内するための音声データを処理可能であり、音声データをスピーカー49に送信し得る。音声データを受信したスピーカー49は、音声データに従って音(音声ガイド)を発する。なお、スピーカー49は、
図1では図示を省略したが、装置本体10内に格納されている、あるいは装置本体10の外部に外付けユニットとして接続されていてもよい。そして、本実施形態では、装置本体の所定機能として音声ガイド機能を有しており(音声ガイドモード)、その音声ガイド機能を有効状態と無効状態との間で、後述する音声ガイドキー207a(
図3参照)の操作に伴い切り替え可能としている。音声ガイド機能の有効状態とは後述するパネル部57(
図1参照)に表示されたソフトウェアキーの操作が案内される状態であり、音声ガイド機能の無効状態とは後述するパネル部57に表示されたソフトウェアキーの操作が案内されない状態である。
【0026】
さらに、制御部30は、いずれも画像バス30bに接続されるデバイス入出力回路(I/F)42と、RIP部43と、スキャナ画像処理部44と、プリンタ画像処理部45と、暗号処理部46と、復号処理部47とを有している。デバイス入出力回路42は、原稿読取装置20や画像形成部22を制御部30に接続し、画面データの同期系及び非同期系の変換を行う。RIP部43は、ラスターイメージプロセッサであり、PDLデータをビットマップイメージに展開する。スキャナ画像処理部44は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。プリンタ画像処理部45は、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。暗号処理部46は、画像データを含む入力データの暗号化処理を行う。復号処理部47は、暗号化データの復号化処理を行う。また、制御部30は原稿読取装置20のセンサ604や手差し給送部700のセンサ701(
図1参照)の検出結果を受信し、受信した検出結果に基づきトレイ603や手差し給送部700にシートが載置されているか否かを判定できる。
【0027】
<操作部>
次に、操作部50のハードウェア構成の一例について説明する。操作部50は、マイコン51と、タッチパネルモジュール52と、データコンバータ(Conv)53と、液晶モジュール54とを有している。操作部50は、制御部30に対して、CPU31と通信を行うためのシリアルバス60と、液晶モジュール54に表示するためのデータを転送するバス61とにより接続されている。
【0028】
パネル側制御部としてのマイコン51は、操作部50を統括的に制御するマイクロコンピュータである。マイコン51内には、マイコン51が動作するためのプログラムが格納されているROM(不図示)が搭載されている。タッチパネルモジュール52は、液晶モジュール54の表面に配置され、ユーザが触れることで、触れた箇所の位置情報をマイコン51にタッチパネル通信バス62を介して通知する。操作部50は、液晶モジュール54に後述するソフトウェアテンキー部58(
図3参照)を表示可能であり、ソフトウェアテンキー部58を介してタッチパネルモジュール52への接触により情報を入力可能である。タッチパネルモジュール52は、タッチパネルデバイスとタッチパネルデバイスコントローラとで構成されている。タッチパネルデバイスとしては、抵抗膜式、静電容量方式、赤外線等の光学式のいずれを適用してもよい。
【0029】
データコンバータ53は、制御部30の操作部入出力回路35からバス61を介して画面データを受け取り、液晶モジュール54が受信可能なデータフォーマットに変換するモジュールであり、マイコン51によって管理される。マイコン51は、制御部30から送信されるソフトウェアキーを有する画面データなどをデータコンバータ53に変換させて液晶モジュール54に入力させる。例えば、制御部30からは、DisplayPortやHDMI(登録商標)といった規格のデータを受信し、液晶モジュール54が受信可能なLVDSやCMOSレベルの信号フォーマットに変換を行い、バス63を介して液晶モジュール54に入力する。また、データコンバータ53は、マイコン51とバス64で接続されており、制御部30から送られてきた画面データに対して、マイコン51で生成された画面データを所定の位置に上書きする機能も有する。
【0030】
液晶モジュール54は、LCD(不図示)と、LED等のバックライト59とで構成され、データコンバータ53からのデータをバス63を介して受け取り、予め決められたタイミングで画面データをLCDに転送する。この時、パネル側点灯手段としてのバックライト59が点灯することで、LCDに転送された画面データが、可視画像として表示される。バックライト59の明るさの調整は、操作部50に付随する明るさ調整専用のスイッチ55、56の操作によって行われる。本実施形態の場合、上記した電源25はバックライト59への電力供給可能である。
【0031】
具体的には、スイッチ55が一回押し下げられた場合、マイコン51はCPU31に対して、バックライト59を1段階明るくする制御信号(コマンド)をシリアルバス60を介して送信する。マイコン51からバックライト59を1段階明るくする制御信号を受け取ったCPU31は、バックライト59に供給する電力を予め決められた所定値だけ増加させるように、電源25を制御する。他方、スイッチ56が一回押し下げられた場合、マイコン51はCPU31に対して、バックライト59を1段階暗くする制御信号(コマンド)をシリアルバス60を介して送信する。マイコン51からバックライト59を1段階暗くする制御信号を受け取ったCPU31は、バックライト59に供給する電力を予め決められた所定値だけ減少させるように、電源25を制御する。
【0032】
図1に示すように、操作部50は、装置本体10の前パネル10aの上部に設けられている。操作部50は、例えば四角形の平板状に形成されており、タッチパネルモジュール52が液晶モジュール54(
図2参照)の上に積層されて構成されるパネル部57を上側Uに向けて、装置本体10に固定して設けられている。なお、操作部50の形状は四角形の平板状には限られず、他の形状であってもよい。また、パネル部57の向きは上側Uには限られず、他の方向であってもよく、例えば、装置本体10に向きを固定して設置せずに上下方向にチルト可能に設けられていてもよい。
【0033】
操作部50の右側Rには、設置面13が設けられている。設置面13にはテンキーユニット200等を設置可能であり、設置により、テンキーユニット200は手前側から視て操作部50の右側Rに隣接して配置される。装置本体10の外装において、設置面13の右側Rの側面にはUSBポート12が設けられている。ユーザは、USBポート12に対して、テンキーユニット200やICカードリーダ、USBメモリ等のUSB端子を持つ外部機器を装着してUSB接続可能になっている。
【0034】
図3に示すように、パネル部57の例えば右側Rには、ソフトウェアテンキー部(ソフトウェアキー)58を表示可能である。ソフトウェアテンキー部58は、0~9の数値を表示した数値キー、「Start」と表記されたスタートキーなどが表示され、各キーの表示部分がタッチ操作されることで各キーの入力を検出する入力キーである。
【0035】
本実施形態の場合、ソフトウェアテンキー部58に節電ボタン58aが表示されている。節電ボタン58a(移行キー)は、上記の電源25からの電力供給を制限して、画像形成装置1をスタンバイ状態からスタンバイ状態より消費電力の少ないスリープ状態に移行させる機能(所謂、節電モード)に設定するためのソフトウェアキーである。画像形成装置1が節電モードでない場合、ユーザは節電ボタン58aを操作することによって節電モードに設定でき、もって画像形成装置1をスタンバイ状態からスリープ状態に移行させることができる。他方、画像形成装置1が節電モードである場合、ユーザは節電ボタン58aを操作することによって節電モードを解除でき、もって画像形成装置1をスリープ状態からスタンバイ状態に復帰させることができる。なお、ここで言うスタンバイ状態とは、画像形成部22が画像形成動作可能な状態であり、シートに画像形成するプリント信号の受信を待機している状態である。
【0036】
<テンキーユニット>
次に、画像形成装置1に接続される汎用の入力装置としてのテンキーユニット200のハードウェア構成及び動作について説明する。
図3に示すように、テンキーユニット200は、USBケーブルからなる接続ケーブル201及びUSBコネクタ202を有し、一般的なPCの他、本実施形態の画像形成装置1に電気的に接続自在に設けられている。テンキーユニット200は、少なくとも1つのハードウェアキーを有すると共に、例えば、情報を入力可能な操作部50を有する画像形成装置1に装着され、操作部50とは別に画像形成装置1に情報を入力可能である。操作部50とテンキーユニット200との情報入力の使い分けの一例としては、操作部50からは画像形成に関する濃度やサイズ等の設定を入力し、テンキーユニット200からは画像形成の部数やファクシミリの宛先番号等の数値を入力する。本実施形態の場合、テンキーユニット200への電力供給は、上記した電源25によって行われる。つまり、後述するテンキーユニット200のLED213は電源25により電力供給される。
【0037】
テンキーユニット200は、例えば筐体203と、筐体203の上面に設けられた上面カバー204と、上面カバー204に設けられた操作キー(複数のハードウェアキー)205とを有している。操作キー205は、大きく分けてテンキー部(数値キー部)206と機能キー部207とを有している。テンキー部206は、「0」~「9」や「*」、「#」などの少なくとも数値に関する情報を入力するためのハードウェアキーである。機能キー部207は、例えば「Start」などの画像形成装置1で実行可能な画像形成ジョブの開始を指示したり、「Stop」などの実行中の画像形成ジョブの停止を指示したりするためのハードウェアキーを有する。本実施形態の場合、機能キー部207は、音声ガイド機能を有効状態と無効状態とに切り替えるためのハードウェアキーである音声ガイドキー207aを有する。
【0038】
テンキーユニット200は、
図1に示すように、画像形成装置1の操作部50の右側Rに隣接するようにして、例えばねじ止めや接着などにより装着されている。これにより、ユーザは操作部50を見ながら、容易にテンキーユニット200を使用することができる。
【0039】
図4に示すように、テンキーユニット200は基板220を有しており、基板220にはハードウェアスイッチユニット210と、マイコン211と、基板コネクタ212と、LED213と、USBハブ214と、外部USBポート215とが設けられている。USBハブ214は、マイコン211及び外部USBポート215に接続されると共に、基板コネクタ212を介して接続ケーブル201に接続されている。基板コネクタ212は基板220に配置され、接続ケーブル201の基端側が接続されている。
【0040】
本実施形態では、ユーザに操作キー205(
図3参照)の操作感(例えばクリック感)を与えるべく、ハードウェアキーの一例としてタクタイルスイッチ216を採用している。タクタイルスイッチ216は、それぞれの操作キー205の筐体203の内側に対向する位置に1個ずつ配置され、例えばマトリクス状にマイコン211に接続されている。各タクタイルスイッチ216は、例えば、保護カバーと、操作キー205により押されるプランジャと、クリック感を生み出すと共に可動接点として機能する反転ばねと、2つの接点を有するベース部と、により構成されている。なお、タクタイルスイッチ216としては、既存の構成又は新規の適宜な構成を採用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0041】
マイコン211は、例えば、ハードウェアスイッチユニット210からの入力検出と、LED213の点灯制御と、を実行可能である。USBコネクタ202は、装置本体10の外部入出力回路40(
図2参照)のUSBコネクタであるUSBポートに接続されている。これにより、マイコン211と制御部30とは、接続ケーブル201を介してUSB接続されて、USBのHIDプロトコルで通信可能となっている。即ち、接続ケーブル201は、筐体203から装置本体10にUSB接続され、マイコン211は、例えばUSBハブ214を介してUSBコネクタ202に繋がり、外部入出力回路40を介して画像形成装置1のCPU31とUSB通信可能である。
【0042】
マイコン211は、ユーザによってタクタイルスイッチ216が押し下げられた場合に、押し下げられたタクタイルスイッチ216を特定し、予め決められたコードを生成する。マイコン211は、生成したキーコードを、接続ケーブル201を介して、画像形成装置1のCPU31に送信する。CPU31は、入力されたキーに応じて処理を行う。
【0043】
入力側点灯手段としてのLED213は入力側制御部としてのマイコン211により点灯制御されることで、音声ガイドキー207aを点灯可能である。つまり、マイコン211は、制御部30(
図2参照)から送信される点灯信号や消灯信号に基づいて、LED213の点灯制御を行う。LED213は、ユーザの音声ガイドモードによる入力を受け付ける状態(入力可状態)であるか、ユーザの入力を受け付けない状態(入力不可状態)であるかを、ユーザに報知可能とするために設けられる。本実施形態では、
図3に示すように、LED213が音声ガイドキー207aに配置され、マイコン211の制御により音声ガイドキー207aを点灯状態か消灯状態のいずれかとする。本実施形態の場合、LED213は、音声ガイド機能の有効状態で点灯され、音声ガイド機能の無効状態で消灯される(ただし、スリープ状態を除く)。
【0044】
なお、
図3に示すように、スタートキー207b(別のハードウェアキー)にも、LED213とは別のLED217(別の入力側点灯手段)が設けられていてもよい。ただし、スタートキー207b(詳しくはLED217)はスタンバイ状態において、キーの押下により画像形成装置1の動作(例えば、コピー動作やスキャン動作)が可能な場合には点灯されるように、マイコン211により点灯制御される。また、スタートキー207bは、キーの押下により画像形成装置1が動作できない場合(例えば、シートサイズの未入力等)には消灯されるように、マイコン211により点灯制御される。つまり、音声ガイドキー207aと同様に、スタートキー207bによる機能が有効状態にあるか無効状態にあるかをユーザに報知するためにLED217が設けられる。なお、音声ガイドキー207aが表示する状態は、音声ガイドモードによる入力が可能な状態であるか否かであり、スタートキー207bが表示する状態は、画像形成装置1の動作が可能か否かである。つまり、LED213とLED217とは、それぞれが異なる状態を表示している。
【0045】
<音声ガイドキー操作時の処理>
次に、音声ガイドキー207aが操作された場合におけるLED213の点灯制御について、
図1乃至
図4を参照しながら
図5及び
図6を用いて説明する。
図5は、入力装置(テンキーユニット200)側における音声ガイドキー操作時の点灯制御処理を示すフローチャートである。
【0046】
図5に示すように、テンキーユニット200のマイコン211は、音声ガイドキー207aが操作されたか否かを判定する(S1)。音声ガイドキー207aが操作されていない場合(S1のNo)、マイコン211はステップS3の処理へジャンプする。音声ガイドキー207aが操作された場合(S1のYes)、マイコン211は制御部30へ音声ガイドキー207aが操作されたことを示す信号を送信する(S2)。ただし、マイコン211は、画像形成装置1がスリープ状態である場合、上記ステップS1及びS2の処理を実行しない。
【0047】
マイコン211は、制御部30からLED213を点灯させるための点灯信号を受信したか否かを判定する(S3)。制御部30から点灯信号を受信した場合(S3のYes)、マイコン211はLED213を点灯し(S4)、当該点灯制御処理を終了する。他方、制御部30から点灯信号を受信していない場合(S3のNo)、マイコン211は制御部30からLED213を消灯させるための消灯信号を受信したか否かを判定する(S5)。制御部30から消灯信号を受信していない場合(S5のNo)、当該点灯制御処理を終了する。制御部30から消灯信号を受信した場合(S5のYes)、マイコン211はLED213を消灯し(S6)、当該点灯制御処理を終了する。
【0048】
図6は、入力装置(テンキーユニット200)が接続された装置本体側における、音声ガイドキー操作時の点灯制御処理を示すフローチャートである。
図6に示すように、制御部30は、テンキーユニット200のマイコン211から音声ガイドキー207aが操作されたことを示す信号を受信したか否かを判定する(S11)。音声ガイドキー207aが操作されたことを示す信号を受信していない場合(S11のNo)、制御部30は当該点灯制御処理を終了する。音声ガイドキー207aが操作されたことを示す信号を受信した場合(S11のYes)、制御部300は音声ガイド機能が有効状態であるか否かを判定する(S12)。音声ガイド機能が有効状態である場合(S12のYes)、制御部30はテンキーユニット200のマイコン211へLED213を消灯するための消灯信号を送信する(S13)。また、制御部30は、音声ガイド機能を有効状態から無効状態に切り替えて(S14)、当該点灯制御処理を終了する。他方、音声ガイド機能が無効状態である場合(S12のNo)、制御部30はテンキーユニット200のマイコン211へLED213を点灯するための点灯信号を送信する(S15)。また、制御部30は、音声ガイド機能を無効状態から有効状態に切り替えて(S16)、当該点灯処理を終了する。
【0049】
<節電モード設定時の処理>
次に、入力装置(テンキーユニット200)が接続された装置本体側で行われる節電モード設定時の制御処理について、
図1乃至
図4を参照しながら
図7を用いて説明する。本処理は、画像形成装置1のスタンバイ状態で節電ボタン58aが操作された場合、あるいは画像形成装置1のスタンバイ状態が所定時間続いた場合に、制御部30によって実行される。
【0050】
図7に示すように、制御部30は入力装置(テンキーユニット200)のマイコン211へLED213を消灯するための消灯信号を送信する(S21)。そして、制御部30は上記の電源25からの電力供給を制限する機能(所謂、節電モード)に設定し(S22)、画像形成装置1をスタンバイ状態からスリープ状態に移行させる。節電モードに設定された場合、電源25によるバックライト59への電力供給が停止され、パネル部57がブラックアウトすることから、ユーザはソフトウェアキーである節電ボタン58aを操作することができない。
【0051】
<節電モード解除時の処理>
次に、入力装置(テンキーユニット200)が接続された装置本体側で行われる節電モード解除時の制御処理について、
図1乃至
図4を参照しながら
図8を用いて説明する。本処理は、画像形成装置1のスリープ状態でユーザがパネル部57に触れた場合に、制御部30によって実行される。
【0052】
図8に示すように、制御部30は上記の電源25からの電力供給を制限する機能(節電モード)を解除して(S31)、画像形成装置1をスリープ状態からスタンバイ状態に移行させる。節電モードが解除された場合、電源25によるバックライト59への電力供給が再開されて、パネル部57上に画面が表示されることから、ユーザは節電ボタン58aを操作できるようになる。そして、制御部30は、音声ガイド機能が有効状態であるか否かを判定する(S32)。音声ガイド機能が有効状態でない場合(S32のNo)、制御部30は当該制御処理を終了する。他方、音声ガイド機能が有効状態である場合(S32のYes)、制御部30は入力装置(テンキーユニット200)のマイコン211へLED213を点灯するための点灯信号を送信する(S33)。
【0053】
以上のように、本実施形態では、ユーザによる節電モードの設定に応じて画像形成装置1をスタンバイ状態からスリープ状態に移行させる際に、テンキーユニット200の音声ガイドキー207a(詳しくはLED213)が点灯されていればこれを消灯する。そして、ユーザによる節電モードの解除に応じて画像形成装置1をスリープ状態からスタンバイ状態に復帰させる際には、音声ガイドキー207aをスタンバイ状態のときの点灯状況に戻す。即ち、節電モードの設定時に音声ガイドキー207aが点灯状態であれば節電モードの解除時に点灯状態とし、節電モードの設定時に音声ガイドキー207aが消灯状態であれば節電モードの解除時に消灯状態とする。こうすると、音声ガイドキー207aは節電モード時(スリープ状態時)に必ず消灯状態とされることから、ユーザが節電モードを解除する際に音声ガイドキー207aを節電ボタンと誤認識して操作するのを容易に防止できる。
【0054】
<他の実施形態>
上述した実施形態では、テンキーユニット200において音声ガイドキー207aにLED213を設けた場合を例に説明したが、これに限らない。テンキーユニット200において、各種機能をユーザによる操作に応じて有効状態と無効状態との間で切り替える他のハードウェアキーにLEDを設けた場合であれば、上述した実施形態は適用可能である。
【0055】
なお、上述した実施形態では、ユーザが節電ボタン58aを操作することによって節電モードを解除でき、もって画像形成装置をスリープ状態からスタンバイ状態に復帰させることができるようにしたがこれに限らない。例えば、スリープ状態で手差し給送部700のセンサ701(
図1参照)が画像形成部22に供給するシートを検出した場合に、画像形成装置をスリープ状態からスタンバイ状態に復帰させてもよい。あるいは、スリープ状態で原稿読取装置20のセンサ604(
図1参照)が原稿を検出した場合に、画像形成装置をスリープ状態からスタンバイ状態に復帰させてもよい。
【0056】
なお、上述した実施形態では、入力装置としてテンキーユニットを適用した場合について説明したが、これに限らず、例えば、フルキーボード等、数値以外の文字入力に対応した入力装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1…画像形成装置、10…装置本体、22…画像形成部、25…電源、30…本体側制御部(制御部)、51…パネル側制御部(マイコン)、57…パネル部、58a…ソフトウェアキー(開始キー、節電ボタン)、59…パネル側点灯手段(バックライト)、200…入力装置(テンキーユニット)、207a…ハードウェアキー(音声ガイドキー)、211…入力側制御部(マイコン)、213…入力側点灯手段(LED)、601…画像読取部、602…原稿搬送部、603…原稿載置部(トレイ)、604…原稿検出部(センサ)、700…載置部(手差し給送部)、701…検出部(センサ)