(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】多重入力結合照光式マルチスポットレーザプローブ
(51)【国際特許分類】
A61F 9/008 20060101AFI20240917BHJP
A61B 18/22 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
A61F9/008 120A
A61B18/22
(21)【出願番号】P 2023112385
(22)【出願日】2023-07-07
(62)【分割の表示】P 2020531700の分割
【原出願日】2018-12-12
【審査請求日】2023-07-07
(32)【優先日】2017-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド ティー.スミス
(72)【発明者】
【氏名】アリレザ ミルセパッシ
(72)【発明者】
【氏名】マーク ハリソン ファーリー
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド デイビッド バチャー
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-513454(JP,A)
【文献】国際公開第2010/143402(WO,A1)
【文献】国際公開第01/037769(WO,A1)
【文献】特開平02-297355(JP,A)
【文献】特開2015-163193(JP,A)
【文献】特開2017-170171(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0097843(US,A1)
【文献】実開昭55-067702(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/008
A61B 18/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザシステムであって、
外科用ハンドピースに接続されたマルチコア光ファイバケーブルと結合するための第1のポートと、
治療用レーザビームを提供するように構成される治療用レーザ源と、
エイミングレーザビームを提供するためのエイミングレーザ源と、
前記治療用レーザビーム及び前記エイミングレーザビームを受け、且つマルチスポットレーザパターンを生成するように構成される、複数の回折領域を有する回折光学素子(DOE)と、
集光レンズと、
前記第1のポートに結合された近位端を備える、
前記マルチコア光ファイバケーブルと、を含み、
前記集光レンズは、前記マルチスポットレーザパターンを前記第1のポートの
第1の界面上に集束させ、
前記マルチスポットレーザパターンは、前記マルチコア光ファイバケーブルの近位端に焦点を合わせ、前記マルチコア光ファイバケーブルは、外側コアと、前記外側コア内に含まれる複数の内側コアとを更に含み、
前記外科用ハンドピースは、前記マルチコア光ファイバケーブルの遠位端と結合されるプローブチップを含み、前記プローブチップは、レンズを有し、前記マルチコア光ファイバケーブルの前記遠位端は、前記レンズとの
第2の界面において終端し、前記レンズは、前記マルチコア光ファイバケーブルの前記遠位端からターゲット面上に
マルチスポットレーザパターンの形状寸法を変換する、レーザシステム。
【請求項2】
実質的な白色光を発する照明システムと、
前記照明システムから受けられた前記実質的な白色光を照明ビームにコリメートするコリメートレンズと、
前記DOEから前記照明ビーム及び前記マルチスポットレーザパターンを受けるように配置される多重ビームスプリッタであって、前記マルチスポットレーザパターンを前記集光レンズに向けて反射し、且つ
前記照明ビームを前記コリメートレンズから前記集光レンズに向けて透過し、それにより前記マルチスポットレーザパターン及び前記照明ビームを多重化するように構成される多重ビームスプリッタと、を更に含む、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項3】
前記外科用ハンドピースは第1のレーザプローブアセンブリを含み、
前記レーザシステムは、
第2のレーザプローブアセンブリと結合するための第2のポートと、
ポートセレクタと、を更に含み、
前記治療用レーザ源は、前記治療用レーザビームを前記ポートセレクタに向けるように構成され、前記ポートセレクタは、前記治療用レーザビームを前記第1のポート又は前記第2のポートに選択的に向けるように構成される、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項4】
前記エイミングレーザ源は第1のエイミングレーザ源であり、前記エイミングレーザビームは第1のエイミングレーザビームであり、
前記レーザシステムは、第2のエイミングレーザビームを前記第2のポートに提供するように構成される第2のエイミングレーザ源を更に含む、請求項3に記載のレーザシステム。
【請求項5】
前記治療用レーザビーム及び前記第2のエイミングレーザビームを受けるように、且つ前記治療用レーザビーム及び前記第2のエイミングレーザビームを前記第2のポートに前記第2のレーザプローブアセンブリの光ファイバとの
第3の界面上に集束させるように配置される、集束レンズを更に含む、請求項4に記載のレーザシステム。
【請求項6】
ビーム検出器を更に含み、前記治療用レーザビームの一部がビームスプリッタによって前記ビーム検出器に向けられる、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項7】
第1のビーム検出器であって、前記ポートセレクタが前記治療用レーザビームを前記第1のポートに向けるとき、前記治療用レーザビームの一部が第1のビームスプリッタによって前記第1のビーム検出器に向けられる、第1のビーム検出器と、
第2のビーム検出器であって、前記ポートセレクタが前記治療用レーザビームを前記第2のポートに向けるとき、前記治療用レーザビームの一部が第2のビームスプリッタによって前記第2のビーム検出器に向けられる、第2のビーム検出器と
を更に含む、請求項3に記載のレーザシステム。
【請求項8】
パワーモニタと、
前記治療用レーザ源から前記治療用レーザビームを受けるように、且つ前記治療用レーザビームの一部を前記パワーモニタに向けるように配置されるビームスプリッタと
を更に含む、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項9】
前記治療用レーザ源からの水平偏光治療用ビームを垂直偏光治療用ビームに変換するように構成される、治療用レーザビーム経路内の光学素子を更に含む、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項10】
治療用レーザビーム経路内に配置されるシャッタであって、前記治療用レーザビームを選択的に遮断及び透過するように構成されるシャッタを更に含む、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項11】
前記DOEは、前記複数の回折領域を有する可動線形ステージを含む、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項12】
前記治療用レーザ源と前記DOEとの間に配置されるビームコンプレッサであって、前記治療用レーザビームを、前記DOEの属性及び所望のマルチスポット
レーザパターンに基づいて選択される直径にコリメートするように構成されるビームコンプレッサを更に含む、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項13】
前記治療用レーザ源は、532nmに等しい波長を有する治療用
レーザビームを生成するように構成され、前記エイミングレーザ源は、635nmに等しい波長を有する
前記エイミングレーザビームを生成するように構成される、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項14】
前記DOEは、2×2配列パターンの
前記マルチスポット
レーザパターンを生成する、請求項1に記載のレーザシステム。
【請求項15】
前記外側コア内に含まれる前記複数の内側コアは、前記DOEからの
前記2×2
配列パターンと一致する2×2配列を形成する、請求項14に記載のレーザシステム。
【請求項16】
前記マルチスポットレーザパターンの各スポットは、前記マルチコア光ファイバケーブルの単一コアを通じて伝送される、請求項1に記載のレーザシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本願は、その発明者らがGerald Bacher、Alireza Mirsepassi、Mark Harrison Farley及びRonald T.Smithである、2018年2月15日出願の「MULTIPLE-INPUT-COUPLED ILLUMINATED MULTI-SPOT LASER PROBE」という名称の米国仮特許出願第62/630,865号明細書の優先権の利益を主張し、これは、本明細書中で全体的且つ完全に説明されるかのように参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、多重入力結合照光式マルチスポットレーザシステムに関し、特にマルチスポットレーザ光ビームを生成し、照明光及びマルチスポットレーザ光ビームを多重化し、且つマルチコア光ファイバケーブルを介して外科用ハンドピースに多重光を送出するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの眼科治療において、外科医は、患者の目に様々な器具を用いる必要がある。例えば、硝子体網膜手術中、外科医は、多くの場合、患者の解剖学的構造を観察するために照明光ビームを網膜表面に向けるための第1のハンドピースを操作し、また患者の解剖学的構造を治療するためのレーザ治療用ビームを送出するための更なるレーザプローブハンドピースも操作する。しかし、多重入力結合され、照光されるマルチスポットレーザシステムに対するニーズが存在している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本技術の開示する実施形態は、照明光及びマルチスポットレーザ光を多重化するための多重入力結合照光式マルチスポットレーザプローブ、システム並びに照明光及びマルチスポットレーザ光を多重化し、且つ多重光を患者の解剖学的構造に送出するための方法に関する。
【0005】
開示する技術の幾つかの実施形態は、治療用レーザ源、エイミングレーザ源、レーザビームのマルチスポットパターンを生成する回折光学素子(DOE)、照明システム及びレーザビームのマルチスポットパターンを照明システムからの光と多重化する多重化アセンブリを有するレーザシステムを伴う。開示する技術はまた、マルチコア光ファイバケーブルとの界面に多重光を集束させるための集光レンズと、マルチコア光ファイバケーブルで用いられる材料を選択することと、照明ビーム及びレーザエイミング/治療用ビームがマルチコア光ファイバケーブルの全長にわたって伝搬され、照明光及びレーザ光ビームのマルチスポットパターンを患者の解剖学的構造に同時に送出する外科用プローブの機能を提供することを確実にするように集光レンズを設計することとを伴う。
【0006】
レーザシステムは、532nmに略等しい波長を有する治療用レーザビームを生成し、且つ治療用レーザビームをDOEに向ける治療用レーザ源を含むことができる。レーザシステムは、635nmに略等しい波長を有するレーザエイミングビームを生成し、且つレーザエイミングビームをDOEに向けるためのビームスプリッタにレーザエイミングビームを向けるエイミングレーザ源も含むことができる。レーザシステムは、治療用レーザビームがDOEに到達することを選択的に遮断及び透過する、治療用レーザ源とDOEとの間に配置されるシャッタも含むことができる。DOEは、シャッタが治療用レーザビームを透過する場合、エイミングレーザビーム及び治療用レーザビームからマルチスポットレーザパターンを生成する。
【0007】
レーザシステムはまた、略白色光を発する照明システムと、照明システムから受けられた略白色光を照明ビームにコリメートするコリメートレンズとを含むことができる。レーザシステムは、DOEから照明ビーム及びマルチスポットレーザパターンを受け、マルチスポットレーザパターンを集光レンズに向けて反射し、且つ照明ビームをコリメートレンズから集光レンズに向けて透過し、それによりマルチスポットレーザパターン及び照明ビームを多重化するように配置される多重ビームスプリッタも含むことができる。集光レンズは、照明ビーム及びマルチスポットパターンの多重ビームをポートとの界面上に集束させる。
【0008】
場合により、レーザシステムは、治療用ビームを、DOEの属性及び所望のマルチスポットパターンに基づいて選択される直径にコリメートする、治療用レーザ源とDOEとの間に配置されるビームコンプレッサを含む。また、レーザシステムは、治療用レーザ源からの水平偏光治療用ビームを垂直偏光治療用ビームに変換するように構成される光学素子を含むことができる。光学素子は、半波長板、水晶偏光回転子又はメタマテリアル偏光回転子であり得る。
【0009】
レーザシステムは、複数の内側コアが外側コア内に含まれるマルチコア光ファイバケーブルを有するレーザプローブアセンブリも含むことができる。外側コア内に含まれる複数の内側コアは、DOEによって生成されるマルチスポットパターンと一致することができる。
【0010】
場合により、マルチコア光ファイバケーブルは、ポートと結合されると、集束された多重化マルチスポットパターン及び照明ビームがマルチコア光ファイバケーブルの近位端上に集束されるように、ポート内の界面と略当接する近位端を有する。集光レンズ及びマルチコア光ファイバケーブルのための材料は、照明ビーム及びレーザエイミング/治療用ビームがマルチコア光ファイバケーブルの全長にわたって伝搬されることを確実にするように選択することができる。幾つかの場合は、外側コアクラッドによって囲まれる外側コアと、外側コア内に含まれる複数の内側コアとを伴い、複数の内側コア内の各内側コアは、内側コアクラッドによって囲まれる。これらの場合、外側コアの屈折率は、外側コアクラッドの屈折率よりも大きく、複数の内側コア内の内側コアのそれぞれの屈折率は、内側コアクラッドの屈折率よりも大きく、及び複数の内側コア内のそれぞれ又は内側コアの屈折率は、外側コアクラッドの屈折率よりも大きい。
【0011】
レーザプローブアセンブリは、マルチコア光ファイバケーブルの遠位端に外科用ハンドピースも含むことができる。外科用ハンドピースは、マルチコア光ファイバケーブルの遠位端からターゲット面上に多重化マルチスポットレーザパターン及び照明ビームの形状寸法を変換するレンズを有するプローブチップを有することができる。
【0012】
本技術の幾つかの実施形態は、レーザ光ビームのマルチスポットパターンを照明光ビームと多重化する方法を伴う。方法は、レーザ光ビームをコリメートするためにレーザ光ビームを光学素子に向け、且つコリメートされたレーザ光ビームを回折光学素子(DOE)に向けて、レーザ光ビームのマルチスポットレーザパターンを生成することを伴い得る。同様に、方法は、レーザ光ビーム及び照明光ビームのマルチスポットパターンをビームスプリッタに向けることを伴い得る。次いで、方法は、レーザ光ビームのマルチスポットパターンを集光レンズに向けて反射し、且つ照明光ビームを集光レンズに透過し、それによりレーザ光ビーム及び透過照明ビームのマルチスポットパターンを多重化するビームスプリッタを伴い得る。方法は、レーザ光ビーム及び透過照明ビームの多重化マルチスポットパターンをマルチコア光ファイバケーブルとの界面上に集束させる集光レンズも伴い得る。また、方法は、レーザ光ビーム及び透過照明ビームの多重化マルチスポットパターンを、マルチコア光ファイバケーブルを介して、プローブチップにおけるレンズ上に向けることを伴い得る。この方法は、マルチコア光ファイバケーブルの遠位端からターゲット面上にレーザ光ビーム及び照明ビームの多重化マルチスポットレーザパターンの形状寸法を変換するレンズも伴い得る。
【0013】
開示する技術は、マルチコア光ファイバケーブルのための材料を選択して、ファイバケーブル長にわたって伝搬する際に様々なコア領域内におけるビームの閉じ込めを確実にすることにより、患者の解剖学的構造上のレーザ光ビーム及び照明光のマルチスポットパターンの多重ビームの画像を作成することも伴い得る。方法はまた、レーザ源からのレーザ光ビームの開口数及び照明光源からの照明光ビームの開口数を特定することと、マルチコア光ファイバケーブルの界面にレーザ光ビーム及び照明ビームの多重化マルチスポットパターンを集束させるように集光レンズを選択して、ファイバケーブル長にわたって伝搬する際に様々なコア領域内におけるビームの閉じ込めを確実にすることとを伴い得る。
【0014】
開示する技術はまた、レーザ治療用ビーム及びエイミングレーザビームをレーザプローブに提供するための第1のポートと、照明光及びレーザ光ビームのマルチスポットパターンの多重ビームを、照光式マルチスポットレーザプローブと結合されるマルチコア光ファイバケーブルに提供するための追加のポートとを有するデュアルポートデュアルポートレーザシステムを含むことができる。デュアルポートレーザシステムは、治療用レーザビームを第1のビームスプリッタ及び追加のビームスプリッタに選択的に向けるためのポートセレクタを含むことができる。デュアルポートレーザシステムは、エイミングレーザビームを第1のビームスプリッタ及び/又は第2のビームスプリッタに向けるための1つ以上のエイミングレーザ源も含むことができる。場合により、第1のビームスプリッタは、治療用レーザビーム及びエイミングレーザビームを第1のポートに向け、及び追加のビームスプリッタは、治療用レーザビーム及びエイミングレーザビームの一部を回折光学素子(DOE)に向ける。DOEは、治療用レーザビーム及びエイミングレーザビームからマルチスポットレーザパターンを生成することができる。
【0015】
場合により、デュアルポートレーザシステムは、照明源からの照明光ビーム及びDOEからのマルチスポットレーザパターンを受けるように配置される多重ビームスプリッタも含む。多重ビームスプリッタは、マルチスポットレーザパターンを集光レンズに向けて反射し、且つ照明ビームをコリメートレンズから集光レンズに向けて透過し、それによりマルチスポットレーザパターン及び照明ビームを多重化することができる。また、集光レンズは、照明ビーム及びマルチスポットパターンの多重ビームを追加のポート内の界面上に集束させることができる。
【0016】
デュアルポートレーザシステムは、1つ以上のビーム検出器、パワーモニタ、ビームダンプ等を含むことができる。また、デュアルポートレーザシステムは、治療用レーザ源からの水平偏光治療用ビームを垂直偏光治療用ビームに変換するための光学素子を含むことができる。光学素子は、半波長板、水晶偏光回転子又はメタマテリアル偏光回転子であり得る。デュアルポートレーザシステムは、治療用レーザビームがポートセレクタに到達することを選択的に遮断及び透過するシャッタも含むことができる。
【0017】
本技術、その特徴及びその利点のより詳細な理解のために、添付図面と併せて以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1Aは、本開示の特定の実施形態によるデュアルポートレーザシステムを示す。
図1Bは、本開示の特定の実施形態による、照明光の多重ビーム並びにレーザエイミングビーム及び治療用ビームのマルチスポットパターンを提供するための外科用レーザシステムを示す。
【
図2】本開示の特定の実施形態による、レーザ光ビーム及び照明光のマルチスポットパターンを多重化するための方法を示す。
【
図3A】本開示の特定の実施形態によるマルチコア光ファイバケーブルの近位端の平面図を示す。
【
図3B】本開示の特定の実施形態によるマルチコア光ファイバケーブルの終端上の複数の光円錐の界面の側面図を示す。
【
図3C】本開示の特定の実施形態によるマルチコア光ファイバケーブルの断面図を示す。
【
図3D】赤色レーザエイミングビームスポット及び緑色レーザ治療用ビームスポットが内側コアと並び、照明光ビームスポットが外側コアと並んでいる、本開示の特定の実施形態によるマルチコア光ファイバケーブルの近位界面端を示す。
【
図3E】3つのビームの全てがそれらのそれぞれのコアを完全に空間的に満たすように広がっている、本開示の特定の実施形態によるマルチコア光ファイバケーブルの遠位端を示す。
【
図3F】赤色レーザエイミングビームスポット及び緑色レーザ治療用ビームスポットが内側コアと並んでいる、本開示の特定の実施形態によるマルチコア光ファイバケーブルの近位界面端を示す。
【
図3G】本開示の特定の実施形態によるマルチコア光ファイバケーブルの長さにわたって伝搬するレーザ光のマルチスポットパターンからの2つの光円錐を示す。
【
図3H】本開示の特定の実施形態による、内側コアを完全に空間的に満たすように広がったレーザビームを示す。
【
図3I】本開示の特定の実施形態による、レーザビームが内側コアを完全に空間的に満たすように広がったマルチコア光ファイバケーブルの遠位端を示す。
【
図3J】本開示の特定の実施形態による、照明光スポットが外側コアと並んだマルチコア光ファイバケーブルの近位界面端を示す。
【
図3K】本開示の特定の実施形態による、光円錐が光円錐の狭い半角部分及び広い半角部分を含む照明光の光円錐を示す。
【
図3L】本開示の特定の実施形態による、外側コアを完全に空間的に満たすように広がった照明ビームを示す。
【
図3M】本開示の特定の実施形態による、照射ビームが外側コア及び内側コアにわたって広がったマルチコア光ファイバケーブルの遠位端を示す。
【
図3N】本開示の特定の実施形態による別のマルチコア光ファイバケーブルの断面図を示す。
【
図4】本開示の特定の実施形態によるレーザ光ビーム及び照明光のマルチスポットパターンの多重ビームの画像を作成する方法を示す。
【
図5A】本開示の特定の実施形態による外科用ハンドプローブのチップの展開側面図を示す。
【
図5B】本開示の特定の実施形態による外科用ハンドプローブの別のチップの展開側面図を示す。
【
図6】回折光学素子のために正確にコリメートされたレーザビーム径を達成するための2レンズビームコンプレッサを有する、本開示の特定の実施形態によるレーザ光多重化アセンブリを示す。
【
図7A】本開示の特定の実施形態による多重化アセンブリの光線追跡モデルの実施例を示す。
【
図7B】本開示の特定の実施形態による多重化アセンブリの光線追跡モデルの実施例を示す。
【
図7C】本開示の特定の実施形態による多重化アセンブリの光線追跡モデルの実施例を示す。
【
図7D】本開示の特定の実施形態による多重化アセンブリの光線追跡モデルの実施例を示す。
【
図7E】本開示の特定の実施形態による多重化アセンブリの光線追跡モデルの実施例を示す。
【
図7F】本開示の特定の実施形態による多重化アセンブリの光線追跡モデルの実施例を示す。
【
図7G】本開示の特定の実施形態による多重化アセンブリの光線追跡モデルの実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
多様な医療処置において、レーザ光は、処置を補助し、患者の解剖学的構造を治療するために用いられる。例えば、硝子体網膜手術は、多くの場合、網膜組織の光凝固のためのレーザ治療用ビームを用いることを伴う。硝子体網膜処置は、一般に、エイミングレーザビームを交互に発して網膜組織上のターゲットスポットを選択し、治療用レーザビームを発して、ターゲットスポットにおいて光凝固を行うことができるレーザプローブを含む。多くの場合、レーザプローブは、エイミングビームに電磁スペクトルの赤色帯域の光を利用し、治療用ビームに電磁スペクトルの緑色帯域の光を利用する。また、汎網膜レーザ光凝固中、外科医は、網膜組織上の何千ものスポットを選択して治療用レーザビームを照射し、結果として極めて長くて面倒な処置をもたらす。従って、レーザ光のマルチスポットパターンを生成することができるレーザプローブが望まれている。
【0020】
硝子体網膜処置は、眼内及び網膜組織上に向けられる照明光からも恩恵を受ける。硝子体網膜外科医は、多くの場合、レーザエイミングビーム及びレーザ治療用ビームを送出するためのレーザプローブハンドピースを用い、また患者の解剖学的構造を観察するために網膜表面に照明光ビームを向けるための追加のハンドピースを用いる。
【0021】
硝子体網膜手術の分野は、他の医療用レーザ手術と同様に、照明光及びマルチスポットレーザ光を多重化することから恩恵を受ける。従って、本明細書中に説明する技術は、照明光及びマルチスポットレーザ光を多重化するための多重入力結合照光式マルチスポットレーザプローブ、アダプタ及び他のシステム並びに照明光及びマルチスポットレーザ光を多重化し、且つ多重光を患者の解剖学的構造に送出する方法を含む。
【0022】
図1Aは、本開示の特定の実施形態による、第1のポート105を介してレーザ光のエイミングビーム及び治療用ビームを提供し、第2のポート110を介して照明光並びにレーザエイミングビーム及び治療用ビームのマルチスポットパターンの多重ビームを提供するためのデュアルポートレーザシステム100を示す。
【0023】
デュアルポート外科用レーザシステム100は、眼科処置中に用いられるレーザ治療用ビームを生成するための治療用レーザ源115を含む。例えば、治療用レーザ源115は、約532ナノメートル(nm)の波長を有する外科治療用ビームを生成することができる。デュアルポート外科用レーザシステム100は、エイミングレーザビームを生成する2つのエイミングレーザ源120、125も含む。
【0024】
デュアルポート外科用レーザシステム100は、治療用レーザビームを第1のビームスプリッタ135及び第2のビームスプリッタ140に選択的に向けるポートセレクタ130も含む。また、2つのエイミングレーザ源120、125は、それぞれエイミングレーザビームを第1のビームスプリッタ135及び第2のビームスプリッタ140に向ける。
【0025】
デュアルポート外科用レーザシステム100は、治療用レーザ源115とポートセレクタ130との間に配置されるシャッタ145も含む。シャッタ145は、治療用レーザビームがポートセレクタ130に到達することを選択的に遮断及び透過する。外科医又は外科担当員は、シャッタ145を制御して(例えば、フットスイッチ、音声コマンド等を介して)レーザエイミングビームを放出し、治療レーザビームを発射して(すなわちシャッタ145を開いて)患者の解剖学的構造、例えば光凝固を治療することができる。いずれの場合にも、第1のビームスプリッタ135及び第2のビームスプリッタ140は、レーザビームをそれぞれ第1のポート105及び第2のポート110に向ける。
【0026】
ポートセレクタ130が第1の位置にある場合、第1のビームスプリッタ135は、治療レーザビームの一部を反射し、レーザエイミングビームの一部を第1のポート105に向けて透過する。レーザエイミングビームの反射された一部及び治療用レーザビームの透過された一部は、ビーム検出器150、ビームダンプ、パワーモニタ等に向けることができる。また、集束レンズ155は、第1のビームスプリッタ135と第1のポート105との間に配置することができる。集束レンズ155は、第1のビームスプリッタ135から治療用レーザビーム及びエイミングレーザビームを受け、治療用レーザビーム及びエイミングレーザビームを第1のポート105におけるレーザプローブアセンブリ109の光ファイバ107との界面に集束させる。
【0027】
ポートセレクタ130が第2の位置にある場合、第2のビームスプリッタ140は、エイミングレーザ源125からのレーザエイミングビームの一部を回折光学素子(DOE)165に向けて反射する。第2のビームスプリッタ140は、略全ての治療用レーザビームをDOE165にも透過する。幾つかの実施形態において、レーザエイミングビーム及び治療用レーザビームは、それらがDOE165に入射する場合、コリメートされるか又は実質的にコリメートされる。
【0028】
DOE165は、レーザエイミングビーム及び治療用レーザビームを受け、レーザ光ビームのマルチスポットレーザパターンを生成する。DOE165は、入射レーザ光を、目的とするターゲットの形状寸法と合致するマルチスポットパターンに回折させるように選択することができる。例えば、DOE165は、以下でより詳細に説明するように、多重光を外科用プローブに送出するマルチコア光ファイバケーブルの内側コアの2×2配列と略一致するレーザ光ビームの2×2配列パターンを生成するように選択することができる。
【0029】
場合により、DOE165は、レーザ光の様々なマルチスポットパターンを生成及び透過するために選択される複数の異なる回折領域を有する可動DOE165である。例えば、DOE165は、1つ、2つ又は4つのビームのマルチスポットパターンを生成し、それらをマルチコア光ファイバケーブルに伝送するための3つの回折領域を有する可動線形ステージであり得る。
【0030】
DOE165から、レーザ光ビームのマルチスポットレーザパターンは、第2のポート110に到達する前に多重化アセンブリ160に向かって進む。デュアルポート外科用レーザシステム100の多重化アセンブリ160は、レーザ光ビームのマルチスポットパターンを照明光源170からの照明光と多重化させる。場合により、照明光源170は、キセノン照明器、RGB発光ダイオード(LED)照明器、白色光LED照明器、レーザ励起蛍光体照明器、スーパーコンティニュウム白色レーザ照明器等の1つ以上を含むことができる。
【0031】
多重化アセンブリ160は、照明光源170からの照明光をコリメートするか又は実質的にコリメートするためのコリメートレンズ175を含む。また、多重化アセンブリ160は、光スペクトルの一部を反射し、光スペクトルの残りの部分を透過するビームスプリッタ180を含む。更に具体的に言うと、ビームスプリッタ180は、a)DOE165からのレーザエイミングビーム及び治療用レーザビームのマルチスポットパターンを第2のポート110に向けて反射することと、b)照明光源170からの照明光(レーザエイミングビーム及び治療用レーザビームと一致するスペクトルの狭帯域を除く)を第2のポート110に向けて透過することとの両方を行い得る。ビームスプリッタ180は、照明光源170からのレーザエイミングビーム及び治療用レーザビームと一致するスペクトルの狭帯域をビーム検出器185、ビームダンプ、パワーモニタ等に向けて反射する。
【0032】
上で説明したように、硝子体網膜処置は、多くの場合、レーザエイミングビームに電磁スペクトルの赤色帯域の光を利用し、レーザ治療用ビームに電磁スペクトルの緑色帯域の光を利用する。従って、ビームスプリッタ180は、赤色スペクトルの狭帯域及び緑色スペクトルの狭帯域の光を高反射するように構成し、残りの電磁スペクトルを透過するように構成することができる。幾つかの実施形態において、ビームスプリッタ180は、約532ナノメートル(nm)の第1の狭帯域及び約635nmの第2の狭帯域の光を反射し、残りのスペクトルを透過させる。ビームスプリッタ180は、ダイクロイックビームスプリッタキューブ、ビームスプリッタプレート等であり得る。
【0033】
多重化アセンブリ160は、ビームスプリッタ180と第2のポート110との間に配置される集光レンズ190も含む。ビームスプリッタ180を透過した照明光及びビームスプリッタ180によって反射されたレーザ光のマルチスポットパターンを含む多重光は、第2のポート110に到達する前に集光レンズ190に入射する。また、集光レンズ190は、照光式マルチスポットレーザプローブ114と結合されるマルチコア光ファイバケーブル112(以下で説明するような)の近位端との界面に多重光を正確に集束するように選択される。以下で説明するように、マルチコア光ファイバケーブルで用いられる材料を選択し、集光レンズ190を用いて多重光を慎重に集束させることは、照明ビーム及びレーザエイミング/治療用ビームがマルチコア光ファイバケーブルの全長にわたって伝播され、照明光及びレーザ光ビームのマルチスポットパターンを患者の解剖学的構造に同時に送出する外科用プローブの機能を提供することを確実にし得る。
【0034】
デュアルポート外科用レーザシステム100は、治療用レーザ源115によって発せられるレーザ光の偏光を変換するための光学素子195も含むことができる。直線偏光した治療用レーザビーム偏光及び直線偏光したエイミングレーザビーム偏光を垂直に向けることは、ビームスプリッタが、レーザビームのマルチスポットパターンを最も効率的に反射する一方、透過白色光変色を最小限に抑え、そのスループットを最大化するように設計され得ることを保証するため、有益である。場合により、エイミングレーザ源120、125は、垂直偏光を達成するために軸方向に回転させることができる円筒形レーザダイオードに由来する。場合により、治療用レーザ源115は、ダイオード励起固体(DPSS)レーザであり得る。場合により、治療用レーザ源115は、従来の取り付け構成において水平偏光を自然に発する半導体レーザであり得る。従って、水平偏光ビームを垂直偏光ビームに変換するために、光学素子195は、治療用レーザビームの偏光を回転させることができる。例えば、光学素子195は、半波長板、水晶偏光回転子又はメタマテリアル偏光回転子であり得る。
【0035】
場合により、デュアルポート外科用レーザシステム100は、治療用レーザ源115からの治療用レーザビームのごく一部をパワーモニタ199に向けるためのミラー197も含むことができる。
【0036】
図1Bは、本開示の特定の実施形態による、照明光の多重ビーム並びにレーザエイミングビーム及び治療用ビームのマルチスポットパターンを提供するための別の外科用レーザシステム100’を示す。外科用レーザシステム100’は、眼科処置中に用いられるレーザ治療用ビームを生成するための治療用レーザ源115’と、エイミングレーザビームを生成するエイミングレーザ源125’とを含む。治療用レーザ源115’及びエイミングレーザ源125’の両方は、それらの放出ビームを、レーザエイミングビームを反射し、レーザ治療用ビームを回折光学素子(DOE)165’に向けて透過するビームスプリッタ140’に向けることができる。
【0037】
DOE165’は、レーザエイミングビーム及び治療用レーザビームを受け、レーザ光ビームのマルチスポットレーザパターンを生成する。例えば、DOE165’は、以下でより詳細に説明するように、多重光を外科用プローブに送出するマルチコア光ファイバケーブルの内側コアの2×2配列と略一致するレーザ光ビームの2×2配列パターンを生成するように選択することができる。DOE165’から、レーザ光ビームのマルチスポットレーザパターンは、ポート110’に到達する前に多重化アセンブリ160’に向かって進む。
【0038】
外科用レーザシステム100’の多重化アセンブリ160’は、レーザ光ビームのマルチスポットパターンを照明光源170’からの照明光と多重化させる。多重化アセンブリ160’は、照明光源170からの照明光をコリメートするか又は実質的にコリメートするためのコリメートレンズ175’を含む。また、多重化アセンブリ160’は、a)DOE165’からのレーザエイミングビーム及び治療用レーザビームのマルチスポットパターンをポート110’に向けて反射することと、b)照明光源170’からの照明光(レーザエイミングビーム及び治療用レーザビームと一致するスペクトルの狭帯域を除く)をポート110’に向けて透過することとの両方を行うビームスプリッタ180’も含む。ビームスプリッタ180’は、照明光源170’からのレーザエイミングビーム及び治療用レーザビームと一致するスペクトルの狭帯域をビーム検出器185’、ビームダンプ、パワーモニタ等に向けて反射する。
【0039】
多重化アセンブリ160’は、ビームスプリッタ180’とポート110’との間に配置される集光レンズ190’を更に含む。集光レンズ190’は、照光式マルチスポットレーザプローブ114’と結合されるマルチコア光ファイバケーブル112’(以下で説明するような)の近位端との界面に多重光を正確に集束するように選択することができる。
【0040】
外科用レーザシステム100’はまた、治療用レーザ源115’とDOE165’との間に配置される1つ以上のシャッタ145’と、治療用レーザ源115’によって発せられるレーザ光の偏光を変換するための光学素子195’と、治療用レーザ源115’からの治療用レーザビームの一部をパワーモニタ199’に向けるためのミラー197’とを含むことができる。
【0041】
図2は、本開示の特定の実施形態による、レーザ光ビーム及び照明光のマルチスポットパターンを多重化するための方法200を示す。方法200は、ステップ205において、コリメートされたレーザ光ビームを回折光学素子(DOE)に向けることによってレーザ光ビームのマルチスポットパターンを生成することと、ステップ210において、レーザ光ビームのマルチスポットパターンをビームスプリッタに向けることとを伴う。
【0042】
方法200はまた、ステップ215において、コリメートレンズを用いて照明ビームをコリメートすることと、ステップ220において、コリメートされた照明ビームをビームスプリッタに向けることとを伴う。次に、方法200は、ステップ225において、ビームスプリッタを用いて、レーザ光のマルチスポットパターンを、コリメートされた照明ビームと多重化することを伴う。更に具体的に言うと、場合により、レーザ光のマルチスポットパターンを、コリメートされた照明ビームと多重化することは、ビームスプリッタが外科用レーザシステムからのレーザエイミングビーム及び治療用ビームを集光レンズに向けて反射し、照明光源からの照明光を集光レンズに向けて透過することを伴い得る。
【0043】
方法200はまた、以下でより詳細に説明するように、ステップ230において、集光レンズにより、レーザ光及び照明光のマルチスポットパターンの多重ビームを外科用ハンドピースのマルチコア光ファイバケーブルとの界面上に集束させることと、その後、ステップ235において、レーザ光ビーム及び照明光のマルチスポットパターンの多重ビームを、外科用ハンドピース内のレンズを通して向けることとを伴う。
【0044】
場合により、白色照明及びレーザエイミングビームの強度を調整して(例えば、それぞれ照明光源及び外科用レーザシステムにおいて)白色に対して適正量のレーザエイミングビームコントラストを提供する一方、十分な白色照明を提供して網膜を簡単に見ることができる。
【0045】
上述のように、集光レンズは、照明ビーム及びレーザエイミング/治療用ビームがマルチコア光ファイバケーブルの全長にわたって及び外科用ハンドプローブに伝播するように、多重光をマルチコア光ファイバケーブルの終端の界面に正確に集束させるように選択することができる。更に具体的に言うと、集光レンズは、照明ビーム及びレーザエイミング/治療用ビームが適切なコアファイバ、マルチコア光ファイバケーブルの全長にわたって伝搬するように、照明ビーム及びレーザエイミング/治療用ビームからの光の結果として生じる光円錐が、マルチコア光ファイバケーブルにおいて用いられる様々なファイバコア及びクラッド材との界面に対する受光角及び開口数(NA)を有するように選択することができる。
【0046】
図3Aは、本開示の幾つかの実施形態によるマルチコア光ファイバケーブル330の近位端の平面図を示す。マルチコアファイバケーブル330は、比較的大きい直径及び比較的多いNAを有する外側コアファイバ310の内側において、比較的小さい直径及び比較的少ないNAを有する4つの内側コアファイバ305を含むことができる。外側コアファイバ310は、屈折率(n
clad1)を有する外側コアクラッド315内に含まれ得、内側コアファイバ305は、屈折率(n
clad2)を有する内側コアクラッド320内に含まれ得る。また、外側コア310は、コア直径(d
core2)を有し、内側コア305は、コア直径(d
core1)を有することができる。
【0047】
図3Bは、本開示の幾つかの実施形態によるマルチコア光ファイバケーブル330の終端上の複数の光円錐335、340、345の界面の側面図を示す。
図3Bのマルチコア光ファイバケーブル330は、外側コアファイバ310及び2つの内側コアファイバ305を示す。画像を明瞭にするために、外側コアクラッド315及び内側コアクラッド320は、
図3Bに示されていない。また、表されているのは、照明光円錐335の広角部分、照明光円錐340の狭角部分及びレーザ光円錐345である。集光レンズの選択は、各光円錐の半角に関連している。従って、集光レンズを選択することは、光のNA、光円錐の受光角並びに外側コアファイバ310、外側コアクラッド315、内側コアファイバ305及び内側コアクラッド320の材料の屈折率に基づいて集光レンズを選択することを伴い得る。
【0048】
集光レンズは、所望のビームNAとのマルチコアファイバ界面上にレーザ光を集束させるように設計されている。内側コアファイバ305及び内側被覆コアクラッド320の屈折率は、内側コアのNAがビームのNA以上であり、それにより、それらが内側コアファイバ305の長さにわたって伝搬する際に内側コア領域内のビームの閉じ込めを確実にするように、NA計算(以下に示す)に従って選択される。
【0049】
再度
図3Aを参照すると、外側コアファイバ310の屈折率(n
core2)は、外側コアクラッド315の屈折率(n
clad2)よりも大きい。また、各内側コアファイバ305の屈折率(n
core1)は、内側コアクラッド320の屈折率(n
clad1)よりも大きい。更に、それぞれ又は内側コアファイバ305の屈折率(n
core1)は、外側コアクラッド315の屈折率(n
clad1)よりも大きい。
【0050】
外側コアファイバ310及び外側コアクラッド315のための開口数(NA
2)は、以下のように計算することができる。
【数1】
【0051】
同様に、内側コアファイバ305及び内側コアクラッド320のための開口数(NA
1)は、以下のように計算することができる。
【数2】
【0052】
本技術の幾つかの実施形態において、外側コアファイバ310、外側コアクラッド315、内側コアファイバ305及び内側コアクラッド320の材料は、NA2がNA1よりもはるかに大きいように選択される。特定の実施形態において、外側コアは、略1.46の指数を有する非ドープの溶融シリカであり得る。
【0053】
また、幾つかの実施形態において、赤色エイミングレーザビームは、約0.044のNAを有し、緑色治療用レーザビームは、約0.0657のNAを有する。従って、内側コアファイバ305のための開口数(NA1)が0.0657よりも大きければ、赤色及び緑色レーザビームは、それらがプローブに伝搬する際に内側コア305内に閉じ込められたままとなる。そのため、外側コア310のために用いられる0.22のNAを有するシリカファイバは、レーザビームを閉じ込め得る。
【0054】
また、照明光は、約0.63のNAを有することができ、コア直径は、dcore2をアンダーフィル又は一致するように構成することができる。外側コアファイバ310及び外側コアクラッド315のための開口数(NA2)は、例えば、ホウケイ酸ファイバ構造のNA≧0.63を有するように設計することができる。
【0055】
照明ビームのエタンデュが外側コア310のエタンデュよりも大きい場合、外側コア310への結合効率は、集光レンズの焦点距離の選択に関係なく、100パーセント未満である。しかし、照明ビームのエタンデュ(照明ビームの角度幅とスポット幅の積)が外側コア310のエタンデュよりも小さい場合、集光レンズの焦点が正しく設計されていれば、100パーセントの結合効率(フレネル反射損失を無視)が生じる可能性がある。集光レンズが短すぎる焦点を有すると、集束ビームは、コア310のNAよりも大きいNAを有する可能性があり、結合効率が低下する可能性がある。集光レンズが長すぎる焦点距離を有すると、集束したビームの直径は、310の直径よりも大きい可能性があり、結合効率が低下する可能性がある。しかし、ビームNAがファイバNA以下であり、ビーム径がファイバコア径以下になるように集光レンズの焦点距離が調整されると、100パーセント又は100パーセント近くの結合効率が生じる可能性がある。
【0056】
従って、照明ビームは、空間的にも角度的にも外側コア310をアンダーフィルする可能性があり、これにより結合効率の損失なく空間的及び角度的不整合を可能にする。また、照明ビームNAは、>>NA1であるため、軸外光線は、光線がマルチコア光ファイバケーブル330の長さにわたって伝搬するにつれて、内側コア305及び内側コアクラッド320の内外を頻繁に通過することができる。
【0057】
図3Cは、本開示の幾つかの実施形態によるマルチコア光ファイバケーブル350の断面図を示す。マルチコアファイバケーブル350は、直径300マイクロメートル及び0.47のNAを有する非ドープ溶融シリカ外側コアファイバ310の内側に直径75マイクロメートル及び0.22の開口数(NA)を有する4つの溶融シリカ内側コアファイバ305を含む。外側コアファイバ310は、厚さ25マイクロメートルを有する低屈折率ポリマークラッド315内に含まれ得、内側コアファイバ305は、厚さ15マイクロメートルを有するフッ素ドープ溶融シリカ内側コアクラッド320内に含まれ得る。マルチコア光ファイバケーブル350は、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)コーティング375に更に含まれ得る。
【0058】
4つの溶融シリカ内側コアファイバ305は、532ナノメートルにおいて1.46の屈折率を有する。非ドープ溶融シリカ外側コアファイバ310は、532ナノメートルにおいて1.46の屈折率を有する。フッ素ドープ溶融シリカ内側コアクラッド320は、532ナノメートルにおいて1.4433の屈折率を有することができる。低屈折率ポリマークラッド315は、532ナノメートルにおいて1.38228の屈折率を有することができる。
【0059】
図3Dは、赤色レーザエイミングビームスポット及び緑色レーザ治療用ビームスポットが内側コア305と並び、照明光ビームスポットが外側コア310と並んだマルチコア光ファイバケーブルの近位界面端を示す。
図3Eは、3つのビームの全てがそれらのそれぞれのコアを完全に空間的に満たすように広がったマルチコア光ファイバケーブルの遠位端を示す。
図3F~3Lは、マルチコア光ファイバケーブルを通る多重光の伝搬を示す。
【0060】
図3Fは、赤色レーザエイミングビームスポット及び緑色レーザ治療用ビームスポットが内側コア305と並んだマルチコア光ファイバケーブルの近位界面端を示す。
図3Gは、マルチコア光ファイバケーブルの長さにわたって伝搬するレーザ光のマルチスポットパターンからの2つの光円錐を示す(画像を明瞭にするために多重化された照明光が発せられている)。
図3Hは、内側コア305を完全に空間的に満たすように広がったレーザビームを示す。同様に、
図3Iは、レーザビームが内側コア305を完全に空間的に満たすように広がったマルチコア光ファイバケーブルの遠位端を示す。
【0061】
図3Jは、照明光スポットが外側コア310と並んだマルチコア光ファイバケーブルの近位界面端を示す。
図3Kは、光円錐が光円錐の狭い半角部分及び広い半角部分を含む照明光の光円錐を示す(画像を明瞭にするためにレーザ光ビームの多重化マルチスポットパターンが発せられている)。光円錐の狭い半角部分は、外側コア310の長さを伝播するが、内側コア305から除外されている。照明光円錐の広い半角部分は、外側コア310及び内側コア305の長さを満たしている。
【0062】
図3Lは、外側コア310を完全に空間的に満たすように広がった照明ビームを示す。同様に、
図3Mは、照射ビームが外側コア310及び内側コア305にわたって広がったマルチコア光ファイバケーブルの遠位端を示す。
【0063】
図3Nは、本開示の幾つかの実施形態による別のマルチコア光ファイバケーブル380の断面図を示す。マルチコアファイバケーブル380は、直径300マイクロメートル及び0.47のNAを有する非ドープ溶融シリカ外側コアファイバ390の内側に直径75マイクロメートル及び0.22の開口数(NA)を有する4つのゲルマニウムドープシリカ内側コアファイバ385を含む。外側コアファイバ390は、厚さ25マイクロメートルを有する低屈折率ポリマークラッド395内に含まれ得る。マルチコア光ファイバケーブル380は、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)コーティング376に更に含まれ得る。
【0064】
4つのゲルマニウムドープシリカ内側コアファイバ385は、532ナノメートルにおいて略1.47648の屈折率を有する。非ドープ溶融シリカ外側コアファイバ390は、532ナノメートルにおいて1.46の屈折率を有する。低屈折率ポリマークラッド395は、532ナノメートルにおいて1.38228の屈折率を有することができる。
【0065】
マルチコア光ファイバケーブルの特定の寸法形状を本明細書中で明示的に示す一方、本開示の利点を有する当業者は、マルチコア光ファイバケーブルに対する多様な構成が可能であることを容易に正しく認識するであろう。
図3A~3Nに示す構成において、マルチコア光ファイバの遠位端における白色照明スポットは、レーザスポットの2×2配列よりも幾らか大きい。場合により、網膜治療ターゲット領域及び幾つかの周囲網膜の両方に照明を提供し、照明スポットが白色光を相当に収束させておくのに十分小さいため、この寸法形状が望まれる。また、寸法形状は、比較的小さいコア径のファイバにより網膜において適切な白色放射照度を可能にする。更に、上で説明したように、白色照明及びレーザエイミングビームの強度を調整して(例えば、それぞれ照明光源及び外科用レーザシステムにおいて)白色に対して適正量のレーザエイミングビームコントラストを提供する一方、十分な白色照明を提供して網膜を簡単に見ることができる。
【0066】
図4は、レーザ光ビーム及び照明光のマルチスポットパターンの多重ビームの画像を作成する方法400を示す。方法は、ステップ405において、上で説明したように、マルチコア光ファイバケーブルのための材料を選択して、ファイバケーブルの長さにわたって伝搬する際に様々なコア領域内におけるビームの閉じ込めを確実にすることを伴う。方法400はまた、ステップ410において、レーザ源からのレーザ光ビームの開口数及び照明光源からの照明光ビームの開口数を特定することと、ステップ415において、マルチコア光ファイバケーブルの界面へのレーザ光ビーム及び照明ビームの多重化マルチスポットパターンを集束させるように集光レンズを選択することとを伴う。
【0067】
次いで、方法400は、ステップ420において、レーザ光ビームのマルチスポットパターンを照明光ビームと多重化することと、ステップ425において、レーザ光ビーム及び照明ビームの多重化マルチスポットパターンをマルチコア光ファイバケーブルの界面に集束させることと、ステップ430において、レーザ光ビーム及び照明光のマルチスポットパターンの多重ビームを外科用ハンドピース内のレンズを通して向けることとを伴う。
【0068】
上で説明したように、マルチコア光ファイバケーブルのための多様な構成が可能である。例えば、非干渉性白色光照明光源は、白色レーザシステム(例えば、スーパーコンティニュームレーザシステム)で置き換えることができる。この場合、白色レーザビームのエタンデュは、ナノファイバのエタンデュよりも小さく、ナノファイバに効率的に結合することができる点で十分に小さいことができるため、上で説明したようなマルチコア光ファイバケーブルは、多重化されたレーザエイミング及び治療用ビーム並びに白色レーザ照明を送出するために用いることができる。
【0069】
本開示の幾つかの実施形態において、マルチコア光ファイバケーブルの遠位端は、患者の目に挿入される外科用ハンドプローブのチップ内で終端する。外科用ハンドプローブのチップは、多重ビームを患者の解剖学的構造、例えば網膜上に画像化するレンズも含むことができる。
【0070】
図5Aは、本開示の幾つかの実施形態による外科用ハンドプローブのチップ505の展開側面図を示す。プローブチップ505は、カニューレ遠位端530を有するカニューレ535(例えば、ステンレス鋼カニューレ)と、マルチコア光ファイバ510及びレンズ515を含むプローブチップとを含むことができる。レンズ515は、屈折率分布型(GRIN)レンズであり得、エアギャップ525は、GRINレンズ515とマルチコア光ファイバ510の遠位端との間で開口されたままにすることができる。エアギャップ525は、マルチコア光ファイバ510から発せられた光がGRINレンズ515に入射する前にある程度の広がりを経験し、GRINレンズ515が患者の解剖学的構造上に光を投影するような大きさにすることができる。
【0071】
場合により、エアギャップは、マルチコア光ファイバ510の遠位端とレンズ515の近位端との間に許されない。ここで、マルチコア光ファイバ510及びレンズ515は、正の圧力により互いに実質的に接合されてエアギャップ許容差の問題を回避し、周辺の軸外光線が軸から十分に遠くまで移動してGRINレンズの円筒形側壁から反射する可能性を低減することができる。しかし、GRINレンズの代わりに従来のレンズを用いることは、マルチコア光ファイバ510とレンズ515との間のエアギャップを伴って光を適切に集束させる。
【0072】
場合により、レンズ515は、光学接着剤520によりプローブチップ505内に固定される。
図5Aに示すように、緑色の532nmレーザ光のマルチスポットパターンは、カニューレ遠位端530から4ミリメートルに位置する網膜組織に照射される。
【0073】
図5Bは、本開示の幾つかの実施形態による外科用ハンドプローブの別のチップ540の展開側面図を示す。再度、プローブチップ540は、カニューレ遠位端550を有するカニューレ545と、マルチコア光ファイバ555及びレンズ560を含むプローブチップとを含むことができる。
図5Bに示すレンズ560は、平凸ガラスレンズである。また、平凸レンズ560は、保持機能565によりカニューレ545に固定される。再度、エアギャップ570は、マルチコア光ファイバ555から発せられた光が平凸レンズ560に入射する前にある程度の広がりを経験し、平凸レンズ560が患者の解剖学的構造上に光を投影するような大きさにすることができる。
【0074】
上で説明したように、外科用レーザシステム(例えば、外科用レーザシステム100、100’)は、約532ナノメートル(nm)の波長(すなわち緑色)を有する外科治療用ビーム及び約635nmの波長(すなわち赤色)を有するレーザエイミングビームを選択的に生成することができる。しかし、赤色及び緑色の入射レーザ光は、異なる回折角でDOEから回折する。レーザビームがコリメートされていない場合、それらの焦点も影響を受け、すなわち、赤色及び緑色は、異なる軸位置に集束する。これは、上で説明したような緑色及び赤色の両方のレーザビームをマルチコアファイバの同じ内側コア領域に集束させようとすることを大幅に複雑にする。また、DOEは、コリメートされたレーザビーム径に対する固定要件を有することができる。従って、開示する技術の幾つかの実施形態は、DOEのために選択されたビーム径で複数のビームをコリメートすることを伴う。
【0075】
図6は、回折光学素子(DOE)665のために正確にコリメートされたレーザビーム径を達成するための2レンズビームコンプレッサ605を有するレーザ光多重化アセンブリ600を示す。2レンズビームコンプレッサ605は、レーザビームを集束し、次いで再コリメートし、且つコリメートされたビームを適切なビーム径でDOE665に向けるための2つの色消しダブレット607、609を含むことができる。
図6は、特定の実施形態に対する正確な寸法を含むが、しかし、本開示の利益を有する当業者は、他のレンズ、寸法等が、他のDOEのために適切なレンズ径を有するコリメートレーザビームを達成するために用いられ得ることを容易に正しく認識するであろう。
【0076】
レーザ光多重化アセンブリ600は、a)DOE665からのレーザエイミングビーム及び治療用レーザビームのマルチスポットパターンを反射することと、b)照明光源670からの照明光(レーザエイミングビーム及び治療用レーザビームと一致するスペクトルの狭帯域を除く)を透過することとの両方を行う照明光源670及びビームスプリッタ680からの照明光をコリメートするか又は実質的にコリメートするためのコリメートレンズ675も含む。レーザ光多重化アセンブリ600は、照光式マルチスポットレーザプローブアセンブリのマルチコア光ファイバケーブル612と結合するために、ビームスプリッタ680とポート610との間に配置される集光レンズ690を更に含む。集光レンズ690は、マルチコア光ファイバケーブル612の近位端との界面に多重光を正確に集束させるように選択することができる。
【0077】
図7A~7Gは、開示する技術の幾つかの実施形態による多重化アセンブリの光線追跡モデルの実施例を示す。
図7A及びBは、多重化アセンブリを通る白色照明光のための光線追跡の実施例を示す。
図7Cは、多重化アセンブリ内のビームスプリッタから反射されたレーザ治療用ビームの光線追跡の一実施例を示す。
図7Dは、多重化アセンブリにおける白色照明光及びレーザ治療用ビームの光線追跡の一実施例を示す。
図7Eは、2レンズコンプレッサを通して向けられ、ビームスプリッタから反射され、集光レンズによって集束されるレーザ治療用ビームのための光線追跡の一実施例を示す。
図7F~7Gは、多重化アセンブリを通る白色照明光のための光線追跡の例を示す。
【0078】
上で開示した主題は、例示的であり、限定的ではないと見なされるべきであり、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨及び範囲内に入る全てのかかる修正形態、改良形態及び他の実施形態を網羅することを目的としている。従って、法により許可される最大限の範囲で、本開示の適用範囲は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物の最も広範に許容される解釈によって特定されるべきであり、前述の詳細な説明によって制限又は限定されるべきではない。
なお、本開示の態様には以下のものも含まれる。
〔態様1〕
レーザシステムであって、
第1のレーザプローブアセンブリと結合するための第1のポートと、
追加のレーザプローブアセンブリと結合するための追加のポートと、
ポートセレクタと、
治療用レーザビームを前記ポートセレクタに向けるように構成される治療用レーザ源であって、前記ポートセレクタは、前記治療用レーザビームを第1のビームスプリッタ及び追加のビームスプリッタに選択的に向けるように構成される、治療用レーザ源と、
エイミングレーザビームを前記第1のビームスプリッタ及び前記第2のビームスプリッタに向けるための少なくとも1つのエイミングレーザ源と、
前記治療用レーザビーム及び前記エイミングレーザビームを受け、且つ前記治療用レーザビーム及び前記エイミングレーザビームからマルチスポットレーザパターンを生成するように構成される回折光学素子(DOE)と、
略白色光を発する照明システムと、
前記照明システムから受けられた前記略白色光を照明ビームにコリメートするコリメートレンズと、
集光レンズと、
前記DOEから前記照明ビーム及び前記マルチスポットレーザパターンを受けるように配置される多重ビームスプリッタであって、前記マルチスポットレーザパターンを前記集光レンズに向けて反射し、且つ照明ビームを前記コリメートレンズから前記集光レンズに向けて透過し、それにより前記マルチスポットレーザパターン及び前記照明ビームを多重化するように構成される多重ビームスプリッタと
を含み、
前記第1のビームスプリッタは、前記治療用レーザビーム及び前記エイミングレーザビームの一部を前記第1のポートに向け、
前記追加のビームスプリッタは、前記治療用レーザビーム及び前記エイミングレーザビームの一部を前記DOEに向け、
前記集光レンズは、前記照明ビーム及び前記マルチスポットパターンの多重ビームを前記追加のポート内の界面上に集束させる、レーザシステム。
〔態様2〕
前記第1のビームスプリッタから前記治療用レーザビーム及び前記エイミングレーザビームを受け、且つ前記治療用レーザビーム及び前記エイミングレーザビームを前記第1のポート及び前記第1のレーザプローブアセンブリの光ファイバとの界面に集束させるように配置される集束レンズを更に含む、態様1に記載のレーザシステム。
〔態様3〕
第1のビーム検出器を更に含み、前記第1のビームスプリッタは、前記治療用レーザビーム及び前記エイミングレーザビームの別の部分を前記第1のビーム検出器に向ける、態様1に記載のレーザシステム。
〔態様4〕
追加のビーム検出器を更に含み、前記多重ビームスプリッタは、前記照明ビームの一部を前記追加のビーム検出器に反射する、態様3に記載のレーザシステム。
〔態様5〕
パワーモニタと、
前記治療用レーザ源から前記治療用レーザを受け、且つ前記治療用レーザの一部を前記パワーモニタに向けるように配置されるビームスプリッタと
を更に含む、態様1に記載のレーザシステム。
〔態様6〕
前記治療用レーザ源からの水平偏光治療用ビームを垂直偏光治療用ビームに変換するように構成される光学素子を更に含む、態様1に記載のレーザシステム。
〔態様7〕
前記治療用レーザ源と前記ポートセレクタとの間に配置されるシャッタであって、前記治療用レーザビームが前記ポートセレクタに到達することを選択的に遮断及び透過するように構成されるシャッタを更に含む、態様1に記載のレーザシステム。
〔態様8〕
前記DOEは、レーザ光の様々なマルチスポットパターンを生成及び透過するために選択される複数の異なる回折領域を含む、態様1に記載のレーザシステム。
〔態様9〕
前記DOEは、レーザ光のマルチスポットパターンを作成及び透過するための複数の回折領域を有する可動線形ステージを含む、態様1に記載のレーザシステム。
〔態様10〕
前記追加のレーザプローブアセンブリは、
前記追加のポートと結合されると、前記集束された多重化マルチスポットパターン及び前記照明ビームが前記マルチコア光ファイバケーブルの近位端上に集束されるように、前記追加のポート内の前記界面と略当接する近位端を有するマルチコア光ファイバケーブルであって、外側コアクラッドによって囲まれる第1の外側コアと、前記外側コア内に含まれる複数の内側コアとを更に含み、前記複数の内側コア内の各内側コアは、内側コアクラッドによって囲まれ、前記外側コアの屈折率は、前記外側コアクラッドの屈折率よりも大きく、前記複数の内側コア内の前記内側コアのそれぞれの屈折率は、前記内側コアクラッドの屈折率よりも大きい、マルチコア光ファイバケーブルと、
前記マルチコア光ファイバケーブルの遠位端と結合されるプローブチップを有するハンドピースであって、前記プローブチップは、前記プローブチップの遠位端に略配置されるレンズを有し、前記マルチコア光ファイバケーブルの前記遠位端は、前記レンズとの界面において終端し、前記レンズは、前記マルチコア光ファイバケーブルの前記遠位端からターゲット面上に前記多重化マルチスポットレーザパターン及び照明ビームの形状寸法を変換する、ハンドピースと
を含む、態様1に記載のレーザシステム。
〔態様11〕
前記治療用レーザ源と前記DOEとの間に配置されるビームコンプレッサであって、前記治療用ビームを、前記DOEの属性及び所望のマルチスポットパターンに基づいて選択される直径にコリメートするように構成されるビームコンプレッサを更に含む、態様1に記載のレーザプローブアセンブリ。
〔態様12〕
レーザシステムであって、
1つ以上の入射レーザビームからマルチスポットレーザパターンを生成するように構成される回折光学素子(DOE)と、
治療用レーザビームを前記DOEに向けるように構成される治療用レーザ源と、
前記治療用レーザ源と前記DOEとの間に配置される第1のビームスプリッタであって、前記治療用レーザビームを透過し、前記治療用レーザビームが前記DOEに入射することを可能にする第1のビームスプリッタと、
エイミングレーザビームを前記第1のビームスプリッタに向けるように配置されるエイミングレーザ源であって、前記第1のビームスプリッタは、前記エイミングレーザビームを反射して前記DOEに入射させ、前記DOEは、前記治療用レーザビーム及び前記エイミングレーザビームのマルチスポットパターンを生成する、エイミングレーザ源と、
略白色光を発する照明システムと、
前記照明システムから受けられた前記略白色光を照明ビームにコリメートするコリメートレンズと、
集光レンズと、
前記DOEから前記照明ビーム及び前記マルチスポットレーザパターンを受けるように配置される多重ビームスプリッタであって、前記マルチスポットレーザパターンを前記集光レンズに向けて反射し、且つ照明ビームを前記コリメートレンズから前記集光レンズに向けて透過し、それにより前記マルチスポットレーザパターン及び前記照明ビームを多重化するように構成される多重ビームスプリッタと
を含み、
前記集光レンズは、前記照明ビーム及び前記マルチスポットパターンの多重ビームをポートとの界面上に集束させる、レーザシステム。
〔態様13〕
前記治療用レーザ源からの水平偏光治療用ビームを垂直偏光治療用ビームに変換するように構成される光学素子を更に含む、態様12に記載のレーザシステム。
〔態様14〕
前記治療用レーザ源と前記DOEとの間に配置されるシャッタであって、前記治療用レーザビームが前記DOEに到達することを選択的に遮断及び透過するように構成されるシャッタを更に含む、態様12に記載のレーザシステム。
〔態様15〕
前記治療用レーザ源と前記DOEとの間に配置されるビームコンプレッサであって、前記治療用ビームを、前記DOEの属性及び所望のマルチスポットパターンに基づいて選択される直径にコリメートするように構成されるビームコンプレッサを更に含む、態様12に記載のレーザプローブアセンブリ。