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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】椅子式マッサージ機
(51)【国際特許分類】
   A61H 7/00 20060101AFI20240917BHJP
   A61H 15/00 20060101ALI20240917BHJP
【FI】
A61H7/00 323H
A61H15/00 350F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023156688
(22)【出願日】2023-09-22
(62)【分割の表示】P 2020036638の分割
【原出願日】2020-03-04
(65)【公開番号】P2023164715
(43)【公開日】2023-11-10
【審査請求日】2023-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000136491
【氏名又は名称】株式会社フジ医療器
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 吉祥
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-220428(JP,A)
【文献】特開平06-284943(JP,A)
【文献】特開平09-253213(JP,A)
【文献】特開2008-029804(JP,A)
【文献】登録実用新案第3218228(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
A61H 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者の臀部及び大腿部を支持する座部と、
前記被施療者の肩、腰、及び背中を支持するリクライニング可能な背凭れ部と、
前記背凭れ部に取り付けられる遮光部材と、
を備え、
前記遮光部材は前記背凭れ部に対して可動し、
前記遮光部材と前記背凭れ部との間に前記被施療者の目が位置するときに、被施療者の頭頂部側に第2開口部が形成され、
前記第2開口部は、前記遮光部材の第2縁部及び前記背凭れ部によって形成され、
前記遮光部材は、前記背凭れ部の動きに連動して、前記背凭れ部が倒れると前記背凭れ部の後方から前方へ移動し、
前記遮光部材は複数の半透明の遮光板を含み、
前記複数の遮光板は、それぞれの両端が前記背凭れ部に取り付けられた状態で、左右方向に沿って延びる回転軸の回りに互いに独立して回動可能であり、
前記複数の遮光板の回動により、各前記遮光板間の重なり具合を調整できる、椅子式マッサージ機。
【請求項2】
被施療者の臀部及び大腿部を支持する座部と、
前記被施療者の肩、腰、及び背中を支持するリクライニング可能な背凭れ部と、
前記背凭れ部に取り付けられる遮光部材と、
を備え、
前記遮光部材は前記背凭れ部に対して可動し、
前記遮光部材と前記背凭れ部との間に前記被施療者の目が位置するときに、被施療者の頭頂部側に第2開口部が形成され、
前記第2開口部は、前記遮光部材の第2縁部及び前記背凭れ部によって形成され、
前記遮光部材は、前記背凭れ部の動きに連動して、前記背凭れ部が倒れると前記背凭れ部の後方から前方へ移動し、
前記遮光部材が光量に応じて透過率を変化させる部材からなり、前記遮光部材の透過率変化により、前記遮光部材の少なくとも一部の領域における遮光度合いを調整できる、椅子式マッサージ機。
【請求項3】
前記遮光部材と前記背凭れ部との間に前記被施療者の目が位置するときに第1開口部が形成され、
前記第1開口部は、前記遮光部材の第1縁部及び前記背凭れ部によって前記第2開口部よりも前記被施療者の頭頂部側とは反対側に形成される、請求項1又は請求項2に記載の椅子式マッサージ機。
【請求項4】
被施療者の臀部及び大腿部を支持する座部と、
前記被施療者の肩、腰、及び背中を支持するリクライニング可能な背凭れ部と、
前記背凭れ部に取り付けられる遮光部材と、
を備え、
前記遮光部材は前記背凭れ部に対して可動し、
前記遮光部材と前記背凭れ部との間に前記被施療者の目が位置するときに、被施療者の
頭頂部側に第2開口部が形成され、
前記第2開口部は、前記遮光部材の第2縁部及び前記背凭れ部によって形成され、
前記遮光部材は、前記背凭れ部の動きに連動して、前記背凭れ部が倒れると前記背凭れ部の後方から前方へ移動し、
前記遮光部材と前記背凭れ部との間に前記被施療者の目が位置するときに第1開口部が形成され、
前記第1開口部は、前記遮光部材の第1縁部及び前記背凭れ部によって前記第2開口部よりも前記被施療者の頭頂部側とは反対側に形成され、
前記遮光部材は複数の半透明の遮光板を含み、
前記複数の遮光板は、左右方向に沿って延びる回転軸の回りに回動可能であり、
各前記遮光板を前記第1縁部及び前記第2縁部に沿ってスライドさせるスライド機構をさらに備え、
前記複数の遮光板のスライドにより、各前記遮光板間の重なり具合を調整できる、椅子
式マッサージ機。
【請求項5】
被施療者からの操作を受け付ける操作部を備え、
前記操作部が、前記被施療者からの所定の操作を受け付けると、前記遮光部材のみが移動する、請求項1~請求項4のいずれかに記載の椅子式マッサージ機。
【請求項6】
前記背凭れ部が最大限に倒れている状態で、
前記椅子式マッサージ機の設置面に平行な方向で前記椅子式マッサージ機の前から前記背凭れ部を見た場合に、前記遮光部材の左右方向中央部を前記背凭れ部によって隠すことができる、請求項1~請求項5のいずれかに記載の椅子式マッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リクライニング機能を有する椅子式マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
リクライニング機能を有する椅子式マッサージ機は、背凭れ部を倒すことで被施療者をリラックスした姿勢にすることができる。しかしながら、背凭れ部を倒した場合、室内灯から照射される光が被施療者の目に多く入り、被施療者の交感神経が興奮してリラクゼーション効果が損なわれるという問題がある。
【0003】
このような問題を解決することができる椅子式マッサージ機が例えば特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-220428号公報
【文献】実用新案登録第3210374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び特許文献2で開示されている椅子式マッサージ機は、背凭れ部を倒した場合に被施療者の目に入る光の量を、被施療者の頭部を覆うフード(ヘッドカバー)によって低減している。
【0006】
しかしながら、被施療者の頭部がフード(ヘッドカバー)によって覆われることで、被施療者は周囲の状況を把握し難くなり、不測の事態が生じたときに対応し難くなる。つまり、被施療者の頭部がフードによって覆われることで、安全性が損なわれるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記の状況に鑑み、安全性を確保しながらリラクゼーション効果の向上を図ることができる椅子式マッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書中に開示されている椅子式マッサージ機は、被施療者の臀部及び大腿部を支持する座部と、
前記被施療者の肩、腰、及び背中を支持するリクライニング可能な背凭れ部と、
前記背凭れ部に取り付けられる遮光部材と、
を備え、
前記遮光部材は前記背凭れ部に対して可動し、
前記遮光部材と前記背凭れ部との間に前記被施療者の目が位置するときに、被施療者の頭頂部側に第1開口部が形成され、
前記第1開口部は、前記遮光部材の第1縁部及び前記背凭れ部によって形成され、
前記遮光部材は、前記背凭れ部の動きに連動して、前記背凭れ部が倒れると前記背凭れ部の後方から前方へ移動する、構成(第1の構成)である。
【0009】
上記第1の構成の椅子式マッサージ機において、前記遮光部材と前記背凭れ部との間に前記被施療者の目が位置するときに第2開口部が形成され、
前記第2開口部は、前記遮光部材の第2縁部及び前記背凭れ部によって前記第1開口部
よりも前記被施療者の頭頂側に形成される、構成(第2の構成)にしてもよい。
【0010】
上記第1または第2の構成の椅子式マッサージ機において、被施療者からの操作を受け付ける操作部を備え、
前記操作部が、前記被施療者からの所定の操作を受け付けると、前記遮蔽部材が移動する、構成(第3の構成)にしてもよい。
【0011】
上記第1~第3いずれかの構成の椅子式マッサージ機において、前記遮光部材は複数の遮光板を含み、各前記遮光板間の重なり具合を調整できる、構成(第4の構成)にしてもよい。
【0012】
上記第4の構成の椅子式マッサージ機において、各前記遮光板を前記第1縁部及び前記第2縁部に沿ってスライドさせるスライド機構をさらに備える、構成(第5の構成)にしてもよい。
【0013】
上記第1~第5いずれかの構成の椅子式マッサージ機において、前記背凭れ部が最大限に倒れている状態で、前記椅子式マッサージ機の設置面に平行な方向で前記椅子式マッサージ機の前から前記背凭れ部を見た場合に、前記遮光部材の左右方向中央部を前記背凭れ部によって隠す、構成(第6の構成)にしてもよい。
【0014】
上記第1~第6いずれかの構成の椅子式マッサージ機において、前記遮光部材の少なくとも一部の領域における遮光度合いを調整できる、構成(第7の構成)にしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本明細書中に開示されている椅子式マッサージ機によれば、安全性を確保しながらリラクゼーション効果の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施例に係る椅子式マッサージ機の概略斜視図
図2】一実施例に係る椅子式マッサージ機の概略部分斜視図
図3】2枚の遮光板と背凭れ部との位置関係を示す概念図
図4】2枚の遮光板と背凭れ部との位置関係を示す概念図
図5】2枚の遮光板と背凭れ部との位置関係を示す概念図
図6】2枚の遮光板と背凭れ部との位置関係を示す概念図
図7】2枚の遮光板と背凭れ部との位置関係を示す概念図
図8】遮光部材と背凭れ部との位置関係を示す概念図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
図1は一実施例に係る椅子式マッサージ機1(以下、「椅子式マッサージ機1」と称す)の斜視図である。なお、図1及び後述する図2等では、椅子式マッサージ機1の骨格を構成する部品を主として図示しており、クッション材、シートカバー等の図示は省略している。
【0019】
以下の説明において、背凭れ部3が倒れていない状態の椅子式マッサージ機1に着座した被施療者から見て前側(正面側)を「前側」といい、背凭れ部3が倒れていない状態の椅子式マッサージ機1に着座した被施療者から見て後側(背面側)を「後側」という。また、背凭れ部3が倒れていない状態の椅子式マッサージ機1に着座した被施療者から見て上側(頭側)を「上側」といい、背凭れ部3が倒れていない状態の椅子式マッサージ機1に着座した被施療者から見て下側(脚側)を「下側」という。また、背凭れ部3が倒れていない状態の椅子式マッサージ機1に着座した被施療者から見て右側を「右側」といい、背凭れ部3が倒れていない状態の椅子式マッサージ機1に着座した被施療者から見て左側を「左側」という。
【0020】
椅子式マッサージ機1は、座部2、背凭れ部3、基台部4、腕施療部5、オットマン6、及び遮光部材7を備える。
【0021】
座部2は、被施療者の臀部及び大腿部を支持する。背凭れ部3は、被施療者の肩、腰、及び背中を支持する。
【0022】
背凭れ部3は、左右方向に沿って延びるリクライニング回転軸回りに回動可能に、座部2の後端に取り付けられている。背凭れ部3は、背凭れ部3の長手方向に沿って延びるガイドレール(不図示)を内蔵している。マッサージユニット(不図示)は、ガイドレール(不図示)によって案内されて背凭れ部3内で昇降する。なお、ガイドレール(不図示)を座部2の後部にまで延長し、マッサージユニットが座部2及び背凭れ部3内で昇降するようにしてもよい。マッサージユニットは、施療子と、施療子に揉み動作を行わせる揉み駆動機構と、施療子にたたき動作を行わせるたたき駆動機構と、を備える。
【0023】
基台部4は、座部2の左右両側且つ座部2の下方から上方に渡って立設して設けられる。基台部4の底面は、椅子式マッサージ機1の設置面(例えば室内の床面)に接する。
【0024】
腕施療部5は、座部2の左右両側且つ座部2の上方に設けられる。左側の腕施療部5は左側の基台部4によって支持され、右側の腕施療部5は右側の基台部4によって支持される。
【0025】
腕施療部5は、膨縮可能なエアバッグを内蔵しており、当該エアバッグによって被施療者の腕を支持しながら施療する。なお、本実施例とは異なり、エアバッグ以外の施療手段を腕施療部5に設けてもよく、腕施療部5の代わりに単なる肘掛けを設けてもよい。
【0026】
オットマン6は、被施療者の下腿部及び足を収容する。オットマン6は、左右方向に沿って延びる回転軸回りに回転可能に、座部2を支持するフレーム体(不図示)の上部前端に取り付けられる。オットマン6は、上下方向に回転可能である。
【0027】
オットマン6にはエアバッグが設けられる。オットマン6に設けられるエアバッグの膨縮によって被施療者の下腿部及び足がマッサージされる。なお、本実施例とは異なり、エアバッグ以外の施療手段をオットマン6に設けてもよく、施療手段をオットマン6に設けてなくてもよい。
【0028】
遮光部材7は、背凭れ部3に取り付けられる。本実施例では、遮光部材7の左端が背凭れ部3の左側の側面に取り付けられ、遮光部材7の右端が背凭れ部3の右側の側面に取り付けられる。
【0029】
遮光部材7は、背凭れ部3に対して可動する。本実施例では、遮光部材7は、左右方向に沿って延びる回転軸AX1回りに回動可能に、背凭れ部3に取り付けられている。例えば、右側から視て遮光部材7を図1に示す状態から反時計回りに約90°回動させると、図2に示す状態になる。
【0030】
椅子式マッサージ機1は、背凭れ部3が最大限に倒れている状態で、椅子式マッサージ機1の設置面に平行な方向で椅子式マッサージ機1の前から背凭れ部3を見た場合に、遮光部材7の左右方向中央部7Cを背凭れ部3によって隠すことができる。これにより、遮光部材7が不要であれば、椅子式マッサージ機1の設置面に平行な方向で椅子式マッサージ機1の前から背凭れ部3を見た場合に遮光部材7の大部分を背凭れ部3によって隠すことができ、椅子式マッサージ機1のデザイン性が向上する。なお、本実施例では、右側から視て遮光部材7を図1に示す状態から反時計回りに約180°回動させることができる。
【0031】
遮光部材7の背凭れ部3に対する移動は手動又は自動で行われる。施療モード等を選択するためのリモートコントローラを椅子式マッサージ機1に設け、当該リモートコントローラに「連動機能」のオン/オフを切り替えるボタンを設け、「連動機能」がオンである場合には背凭れ部3が倒れると、その動きに連動して自動的に遮光部材7を背凭れ部3の後方から背凭れ部3の前方に移動させてもよい。また例えば、被施療者が遮光部材7を掴んで遮光部材7を所望の位置に移動させてもよい。また例えば、腕施療部5の前端にスティックやボタン等の操作部を設けて当該操作部を用いて遮光部材7を所望の位置に移動させてもよい。
【0032】
遮光部材7は、可視光の少なくとも一部を遮断する材料によって構成される。遮光部材7は、可視光を完全に遮断する材料によって構成されてもよいが、可視光の一部のみを遮断する材料(いわゆる半透明材料)によって構成されることが好ましい。遮光部材7を半透明材料にすることによって、遮光部材7を不透明材料にする場合に比べて、被施療者の目の前に遮光部材7が配置されるときでも被施療者は周囲の状況を把握し易くなる。可視光を完全に遮断する材料は、特に限定されないが、例えば白色アクリル樹脂を挙げることができる。半透明材料は、特に限定されないが、例えば半透明アクリル樹脂を挙げることができる。
【0033】
図1に示す状態で第1開口部8及び第2開口部9が形成される。つまり、被施療者が椅子式マッサージ機1の座部2に着座して背凭れ部3に凭れた状態で遮光部材7と背凭れ部3との間に被施療者の目が位置するときに、第1開口部8及び第2開口部9が形成される。
【0034】
第1開口部8は、遮光部材7の第1縁部7A及び背凭れ部3によって形成される。第2開口部9は、遮光部材7の第2縁部7B及び背凭れ部3によって形成される。被施療者が椅子式マッサージ機1の座部2に着座して背凭れ部3に凭れた状態で、第2開口部9は、第1開口部8よりも被施療者の頭頂側に形成される。
【0035】
椅子式マッサージ機1は、遮光部材7を備えるので、特許文献1及び特許文献2で開示されている椅子式マッサージ機と同様に、背凭れ部3を倒した場合に被施療者の目に入る光の量を低減することができる。さらに、椅子式マッサージ機1は、第2開口部9が形成されるので、特許文献1及び特許文献2で開示されている椅子式マッサージ機よりも、周囲の状況に関する聴覚情報及び視覚情報を被施療者が取得し易くなり、被施療者が周囲の状況を把握し易くなる。つまり、椅子式マッサージ機1によれば、安全性を確保しながらリラクゼーション効果の向上を図ることができる。
【0036】
また、椅子式マッサージ機1は、第2開口部9が形成されるので、椅子式マッサージ機1にヒーターを設けて被施療者を暖めるときに被施療者の頭部に熱がこもって被施療者がのぼせた状態になることを抑制することもできる。
【0037】
上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【0038】
例えば、上記実施形態では、遮光部材7が単一の遮光板によって構成されているが、遮光部材7が複数の遮光板を含んでもよい。例えば遮光部材7が半透明の遮光板71及び半透明の遮光板72によって構成される場合、半透明の遮光板71及び半透明の遮光板72は互いに独立して背凭れ部3に対して可動することが望ましい(図3図5参照)。これにより、半透明の遮光板71と半透明の遮光板72との重なり具合を調整することができる。
【0039】
例えば図に示すように遮光板71及び遮光板72を重ねた状態で背凭れ部3の前方に配置すると、図に示すように遮光板71を背凭れ部3の前方に配置し、遮光板72を背凭れ部3の後方に配置する場合に比べて、被施療者が椅子式マッサージ機1の座部2に着座して背凭れ部3に凭れた状態で被施療者の目と対向する遮光部材7の領域における遮光度合いは高くなる。
【0040】
例えば図5に示すように遮光板71及び遮光板72を部分的に重ねた状態で背凭れ部3の前方に配置すると、遮光板71と遮光板72との重なり領域の大きさを調整することで遮光部材7の面積を調整することができる。
【0041】
なお、遮光部材7として光量に応じて透過率を変化する部材を用いれば、上述した変形例のように遮光部材7を複数の遮光板を含む構成にしなくても遮光部材7の遮光度合いを調整することができる。
【0042】
また、上記実施形態とは異なり、遮光部材7を半透明の遮光板73及び半透明の遮光板74によって構成し、椅子式マッサージ機1にスライド機構10及び11を追加してもよい(図6及び図7参照)。
【0043】
なお、図6及び図7では、遮光板73及び74に関しては、遮光部材7の第1縁部に相当する部分のみが見えており、遮光部材7の第2縁部に相当する部分は遮光部材7の第1縁部に相当する部分によって隠れている。
【0044】
スライド機構10は、遮光板73を遮光部材7の第1縁部及び第2縁部に沿ってスライドさせ、遮光板73をスライド可能範囲内の任意の位置で保持することが可能である。
【0045】
スライド機構11は、遮光板74を遮光部材7の第1縁部及び第2縁部に沿ってスライドさせ、遮光板74をスライド可能範囲内の任意の位置で保持することが可能である。
【0046】
例えば図7に示すように遮光板73及び遮光板74を重ねた状態で背凭れ部3の前方に配置すると、図6に示すように遮光板73を及び遮光板74を重ねない状態で背凭れ部3の前方に配置する場合に比べて、被施療者が椅子式マッサージ機1の座部2に着座して背凭れ部3に凭れた状態で被施療者の目と対向する遮光部材7の領域における遮光度合いは高くなる。
【0047】
なお、図6及び図7に示す変形例において、遮光板73と遮光板74とが互いに接していない場合、遮光板73の前端と遮光板74の前端との左右方向距離と、遮光板73の後端と遮光板74の後端との左右方向距離と、を比較し、短い方の距離の中間箇所を遮光部材7の左右方向中央部と定義すればよい。これにより、本変形例においても、背凭れ部3が最大限に倒れている状態で、椅子式マッサージ機の設置面に平行な方向で椅子式マッサージ機の前から背凭れ部3を見た場合に、遮光部材7の左右方向中央部を背凭れ部3によって隠すことができる。
【0048】
また、上記実施形態とは異なり、遮光部材7をフィルム形状にし、椅子式マッサージ機1に巻き取り機構12と、固定部13と、を追加してもよい(図8参照)。
【0049】
巻き取り機構12は、遮光部材7を巻き取ることができる。固定部13は、巻き取り機構12から引き出された遮光部材7の端部を固定する。固定部13は例えばフックとした場合、遮光部材7の端部に貫通孔を設け、当該貫通孔にフックを引っ掛けるようにすればよい。
【符号の説明】
【0050】
1 一実施例に係る椅子式マッサージ機
2 座部
3 背凭れ部
7 遮光部材
7A 遮光部材の第1縁部
7B 遮光部材の第2縁部
7C 遮光部材の左右方向中央部
71~74 遮光板
10、11 スライド機構
12 巻き取り機構
13 固定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8