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特許7556120圧力調整バイアル・アクセス装置およびその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】圧力調整バイアル・アクセス装置およびその方法
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/20 20060101AFI20240917BHJP
【FI】
A61J1/20 314B
A61J1/20 314C
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023190914
(22)【出願日】2023-11-08
(62)【分割の表示】P 2022069443の分割
【原出願日】2017-09-27
(65)【公開番号】P2023184692
(43)【公開日】2023-12-28
【審査請求日】2023-12-08
(31)【優先権主張番号】62/402,593
(32)【優先日】2016-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508004797
【氏名又は名称】アイシーユー・メディカル・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ブーピンダル・チカラ
(72)【発明者】
【氏名】スリナス・リングトラ
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン・イーズ
【審査官】村上 勝見
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-211763(JP,A)
【文献】特開2012-228332(JP,A)
【文献】特表2001-505083(JP,A)
【文献】特表2014-511249(JP,A)
【文献】特表2009-533145(JP,A)
【文献】国際公開第2011/030787(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用コネクタ・インターフェースと、
シールされた容器に結合されるように構成され、1つ以上の係合部材を含む係合アセンブリと、
初期段階と次の段階との間で挿入経路に沿ってスライドするように構成された挿入アセンブリであって、
挿入部材と、
前記挿入部材に取り付けられ、該挿入アセンブリが初期段階から次の段階へ動く時に、シールされた容器を穿刺して中に入るように構成されている穿刺部材と、
前記挿入部材を通って調整器開口部から前記挿入部材の遠位端に延在する調整器チャネルと、
抽出器開口部と前記医療用コネクタ・インターフェースとの間で前記挿入部材を通って延在する抽出器チャネルと、
を備え、前記係合アセンブリの1つ以上の係合部材は、アダプタが次の段階に移行するときに前記挿入アセンブリに結合するように構成されている、挿入アセンブリと、
を含んでなる、シールされた容器の内容物にアクセスするためのアダプタにおいて、
前記係合アセンブリは、当該アダプタが前記シールされた容器に結合されるまで、前記挿入アセンブリが前記挿入経路に沿ってスライドするのを防止し、さらに、当該アダプタが前記シールされた容器に結合されるまで、前記穿刺部材が前記シールされた容器を穿刺して中に入るのを防止するように構成され
前記1つ以上の係合部材は、当該アダプタが次の段階に移行するときに前記挿入アセンブリとロックするように構成され、それにより、当該アダプタを次の段階に維持し、前記挿入アセンブリが前記挿入経路に沿ってスライドして前記シールされた容器から離れるのを防止していることを特徴とする、アダプタ。
【請求項2】
前記シールされた容器は、バイアルを含み、前記穿刺部材は、当該アダプタが前記バイアルに連結されているときに前記バイアルのセプタムに対して垂直である、或いは、前記挿入経路は、当該アダプタが前記バイアルに連結されているときに前記バイアルのセプタムに対して垂直であることを特徴とする、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項3】
前記穿刺部材は、当該アダプタが前記バイアルに連結されているときに前記バイアルのセプタムに当接している或いは部分的に穿刺していることを特徴とする、請求項2に記載のアダプタ。
【請求項4】
前記係合アセンブリは、当該アダプタを次の段階に維持し、前記挿入アセンブリが前記挿入経路に沿ってスライドして前記シールされた容器から離れるのを防止することを特徴とする、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項5】
前記係合アセンブリは、前記挿入アセンブリが前記挿入経路に沿ってスライドするのを防止するために前記挿入アセンブリと係合するように構成されており、好ましくは、前記係合アセンブリは、当該アダプタが前記シールされた容器に連結される前に前記挿入アセンブリに係合されていることを特徴とする、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項6】
前記係合アセンブリは、前記挿入アセンブリが前記挿入経路に沿ってスライドすることを可能にするように前記挿入アセンブリを係合解除するように構成されており、好ましくは、前記係合アセンブリは、当該アダプタが前記シールされた容器に連結されるまで前記挿入アセンブリを係合解除することができない、或いは、好ましくは、当該アダプタが前記シールされた容器に連結されると、前記係合アセンブリが前記挿入アセンブリを係合解除することを特徴とする、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項7】
前記係合アセンブリが1つ以上のアームを含み、前記1つ以上のアームは、前記挿入部材と係合される第1の位置と前記挿入部材と係合解除される第2の位置との間で動くように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項8】
前記1つ以上のアームは、当該アダプタが前記シールされた容器に連結される前に前記挿入アセンブリと係合している、或いは、前記1つ以上のアームは、当該アダプタが前記シールされた容器に連結される前に前記第1の位置にあることを特徴とする、請求項7に記載のアダプタ。
【請求項9】
前記1つ以上のアームは、当該アダプタが前記シールされた容器に連結されるにつれて前記第1の位置から第2の位置へ移動する、或いは、前記1つ以上のアームは、当該アダプタが前記シールされた容器に連結されているときに前記第2の位置にあることを特徴とする、請求項7に記載のアダプタ。
【請求項10】
前記1つ以上のアームが前記第1の位置から前記第2の位置へ移動するにつれて、前記1つ以上のアームが前記挿入アセンブリを係合解除することを特徴とする、請求項7に記載のアダプタ。
【請求項11】
当該アダプタは、当該アダプタを前記シールされた容器に連結するように構成されたキャップ・コネクタをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項12】
当該アダプタは、前記挿入アセンブリと平行に延びる抽出器チャネルをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項13】
前記挿入アセンブリが前記挿入経路に沿ってスライドする間に、前記穿刺部材が前記シールされた容器を穿刺するように構成されている、或いは、前記挿入経路に沿って前記シールされた容器に向けて前記挿入アセンブリをスライドさせると、前記挿入アセンブリが完全に挿入された位置に移動するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項14】
前記挿入アセンブリが、前記係合アセンブリによって前記挿入経路と平行に維持されていることを特徴とする、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項15】
当該アダプタは、前記1つ以上の係合部材を前記挿入部材からロック解除または係合解除することを可能にする係合部材ロック解除をさらに備え、前記係合アセンブリが、前記1つ以上の係合部材を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項16】
当該アダプタが次の段階へ移行すると、前記係合アセンブリが前記挿入アセンブリと係合することを特徴とする、請求項1に記載のアダプタ。
【請求項17】
当該アダプタが初期段階から次の段階へ移行すると前記1つ以上の係合部材は前記挿入アセンブリとロックし、それによって、使用者が当該アダプタを初期段階から次の段階へ移行させるよりも、次の段階から初期段階へ戻す方が困難であるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のアダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の参照による併合]本出願は、2016年9月30日に出願された米国仮特許出願第62/402,593号の優先権を主張し、その全内容はこの参照によって本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす。
【0002】
本明細書で開示される特定の実施形態は、バイアルなどの容器に収容されている薬液にアクセスするための、および/またはそのような容器内の圧力を調整しながらその中への物質の注入を助けるための新規な装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
薬や他の医学的に関連した流体をバイアルに保存するのは一般的なやり方である。いくつかの例では、そのように保存された医薬品または流体は、血流に注入されれば治療的であるが、吸入された場合または露出した皮膚に接触した場合には有害である。バイアルから潜在的に有害な薬剤を抽出するためのある種の既知のシステムは様々な欠点を抱えている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態では、バイアルの内容物にアクセスするためのバイアル・アクセス装置は、挿入経路を含むハウジングと、穿刺部材を含む挿入アセンブリとを含む。挿入アセンブリは、挿入経路に沿ってスライドするように構成され得る。穿刺部材は、バイアルのセプタム(隔壁)を穿刺するように構成され得る。
【0005】
特定の実施形態では、バイアルから液体内容物を除去するためのバイアル・アクセス装置は、穿刺部材とリザーバとを備える。穿刺部材がバイアルに入るときにリザーバがバイアルに導入されるように、リザーバは穿刺部材内に収容され得る。いくつかの実施形態では、液体がバイアル・アクセス装置を介してバイアルから除去されると、リザーバはバイアル内で膨張し、それによってバイアル内の圧力を調整する。
【0006】
いくつかの実施形態では、バイアルから液体内容物を除去するためのバイアル・アクセス装置は、挿入部材の基部から延びる穿刺部材とリザーバとを備える。リザーバは、穿刺部材および挿入部材内に収容され得る。挿入部材の穿刺部材端部は、穿刺部材がバイアルに入ったときにリザーバがバイアルに導入されるように、バイアル・アクセス装置がバイアルと結合された後にバイアルに挿入されるように構成される。穿刺部材は、バイアル内で拡張、分離、または開放されるようになっている。穿刺部材は、実質的に非拡張、無傷、または閉鎖の第1の向きから少なくとも部分的に拡張、分離、または開放、そして少なくとも部分的にバイアルの内側に移動するように構成される。穿刺部材が第2の向きにあるとき、穿刺部材内に収容されているリザーバはバイアル内の内容物にさらされている。穿刺部材は、穿刺部材が第2の向きにあるときに少なくとも部分的にバイアル内に嵌合するような大きさおよび位置にされる。穿刺部材が第2の向きにあるとき、リザーバはまた、バイアル内に少なくとも部分的に嵌合するような大きさおよび位置にされる。リザーバは、バイアル内に配置された薬液に対して実質的に不透過性で、それによってリザーバの外面と内面との間の前記薬液の通過を妨げる層を含む。薬液がバイアルから引き出される(またはバイアルに追加される)と、リザーバの両側の圧力が実質的に平衡になるように、リザーバが膨張または収縮するように、装置はバイアル内の圧力を調整する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
様々な実施形態は、例示目的で添付の図面に描かれており、決して本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。さらに、開示された異なる実施形態の様々な特徴を組み合わせて追加の実施形態を形成され得る。
【0008】
図1】バイアルから流体を除去するおよび/またはバイアル内に流体を注入するためのシステムの概略図である。
図2】初期段階におけるバイアル・アダプタの一実施形態の斜視図である。
図3図2に示すバイアル・アダプタの近位端の部分斜視図である。
図4図2に示すバイアル・アダプタの遠位端の部分斜視図である。
図5】初期段階におけるバイアル・アダプタの一実施形態の遠位端の部分切欠図である。
図6】初期段階におけるバイアル・アダプタおよびバイアルの一実施形態の断面図である。
図7】バイアルと連結された後の初期段階におけるバイアル・アダプタの一実施形態の部分切欠図である。
図8】バイアルと連結された後の初期段階から次の段階への移行中のバイアル・アダプタの一実施形態の部分切欠図である。
図9】バイアルと連結された後の後続段階におけるバイアル・アダプタの一実施形態の斜視図である。
図10】バイアルと連結された後の後続段階におけるバイアル・アダプタの一実施形態の部分切欠図である。
図11】バイアルと連結された後の後続段階におけるバイアル・アダプタの一実施形態の部分切欠図である。
図12】バイアル・アダプタがバイアルと結合された後の後続段階におけるバイアル・アダプタの一実施形態の先端部の部分斜視図である。
図13】バイアルと連結された後の後続段階におけるバイアル・アダプタの一実施形態の斜視図である。
図14】リザーバの一実施形態の斜視図である。
図15】リザーバの一実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示は、容器に連結することができるバイアル・アクセス装置に関する。本明細書に記載されているバイアル・アクセス装置の特徴は、2008年3月7日に出願された「VIAL ADAPTERS AND VIALS PRORICATION PRESSURE」という発明名称の米国特許第7,883,499号に記載されている実施形態の任意の特徴と組み合わせることができる。これらは、この参照によって本明細書に組み込まれ、本明細書の一部とされる。本明細書に記載のバイアル・アクセス装置の特徴はまた、2009年8月19日に出願された「ANTI-REFLUX VIAL ADAPTERS」という発明名称の米国特許第8,409,164号に記載されている実施形態の特徴のいずれかと組み合わせることもできる。これらもこの参照によって本明細書に組み込まれ、本明細書の一部とされる。本明細書に記載のバイアル・アクセス装置の特徴はまた、2014年6月17日に出願された、「PRESSURE-REGULATING VIAL ADAPTORS AND METHODS」という発明名称の米国特許出願第14/307,320号に記載された実施形態の特徴のいずれとも組み合わせることができる。その内容全体がこの参照によって本明細書に組み込まれ、本明細書の一部とされる。
【0010】
本明細書に記載のバイアル・アクセス装置は、圧力調整方式で容器の内容物にアクセスするために使用され得る任意の種類のシステム、アセンブリ、装置、またはコンポーネントを含み得る。バイアル・アクセス装置のいくつかの非限定的な例には、バイアル・アダプタおよびシリンジ・アダプタが含まれる。より容易な理解を促進するために、本明細書の図は、バイアル・アダプタに関して記載される。しかしながら、特徴のいずれかまたは特徴の組み合わせは他の種類のバイアル・アクセス装置に適用され得る。
【0011】
容器は、液体および/または気体を保存することができる任意の種類の容器であり得る。一般に、容器は、無菌環境において容器の内容物を保存するために気密シールされ得る。容器はシール時に真空化または加圧され得る。いくつかの例では、容器は、薬物または他の薬液などの液体で部分的にまたは完全に満たされ得る。そのような場合には、一以上のガスも容器内にシールされ得る。
【0012】
容器に結合されると、バイアル・アクセス装置は概して、内容物を取り出したり追加したりできるように、容器の内容物へのアクセスが提供され得る。いくつかの構成では、バイアル・アクセス装置は、装置が容器に結合されると容器の内側と外側との間に流体連通を提供することによって容器の内容物へのアクセスを提供する抽出器を備えている。いくつかの構成では、装置が容器に結合されているとき、抽出器は、抽出器チャネルまたは容器の内部と外部との間の通路を含み得る。
【0013】
いくつかの構成では、装置が容器に結合され、アダプタが特定のモードまたは物理的構成にあるとき、抽出器は容器の内部と外部との間の流体連通のみを可能にし得る。例えば、装置が容器に連結されている場合に容器の内部と外部との間に流体連通がないように、装置は、抽出器が閉じられているかまたは遮断されている1つのモードまたは物理的構成を有し得る。その装置は、装置が容器に連結されている場合に容器の内部と外部との間に流体連通があるように、抽出器が開いているかまたはもはや妨げられていない代替のモードまたは物理的構成を有し得る。いくつかの構成では、使用者は、装置が容器と結合されたときに抽出器を介して容器の内部と外部との間の流体連通を可能にする特定のモードまたは物理的構成に装置を選択的に置くことができる。
【0014】
容器に結合されると、装置は、容器内の圧力を大きく変化させることなく容器の内容物の全てを除去することを可能にする特定の特徴を有し得る。いくつかの構成では、装置は、装置が容器に連結されたときに容器内の実質的に一定の圧力を可能にする調整器を含む。
【0015】
いくつかの構成では、調整器は容器内の圧力を調整する。本明細書で使用されるとき、調整する用語、またはその派生語は、その通常の意味で使用される広義の用語であり、別段の記載がない限り、任意の能動的、肯定的、または肯定的活性、または、変化をもたらす傾向がある活動を含む。いくつかの構成では、調整器は、容器の内部と周囲環境との間の圧力差または平衡を実質的に維持する。本明細書で使用されるとき、維持という用語、またはその派生語は、その通常の意味で使用される広義の用語であり、その状態が最終的に変更されるかどうかにかかわらず、しばらくの間元の状態を保つ傾向を含む。いくつかの例では、調整器は容器内で実質的に一定の圧力を維持する。特定の例において、容器内の圧力は、約1psi、約2psi、約3psi、約4psi、または約5psiを超えない範囲で変動する。
【0016】
いくつかの例では、調整器は容器の内容物にかかる圧力を均等化する。本明細書で使用されるように、均等化という用語、またはその派生語は、その通常の意味で使用される広義の用語であり、平衡が達成されるかどうかにかかわらず、平衡に向かう動きを含む。そのような場合のある場合には、調整器は、容器の内部と外部との間の圧力差の均等化を許容または促進することによって容器内の安定した圧力を維持され得る。例えば、調整器は、容器の内部と容器を取り囲む周囲の空気との間の圧力差の均等化を可能にするか、または容器の内部と交換装置内の環境との間の圧力差の均等化を可能にし得る。
【0017】
したがって、装置を容器に結合することで、抽出器を介して容器の全内容物を除去することが可能になる一方で、調整器は、容器の内部と外部との間の圧力差を均等にすることによって容器内の安定した圧力を維持する。いくつかの構成では、単一の装置が調整器と抽出器を含み、他の配置では、調整器と抽出器が別々のユニットである。
【0018】
いくつかの構成では、調整器は、装置が容器に連結されていて装置が特定のモードまたは物理的構成にあるときにのみ容器内の安定した圧力を維持され得る。例えば、装置が容器に連結された場合にいかなる圧力差も均等化されないように、装置は調整器が閉じられているかまたは妨げられている1つのモードまたは物理的構成を有し得る。その装置は、装置が容器に連結されている場合にはあらゆる圧力差が均等化されるように、調整器が開いているかまたはもはや妨げられていない代替のモードまたは物理的構成を有し得る。いくつかの構成において、使用者は、装置が容器と結合されたときに調整器が容器の内部と外部との間の圧力差を等しくすることを可能にする特定のモードまたは物理的構成に装置を選択的に置くことができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、調整器は容器の内部または外部とリザーバとの間の流体連通を提供する。このような構成のいくつかにおいて、調整器は、装置が容器に連結されたときに、リザーバと容器の内部または外部のいずれかとの間で流体連通する調整器チャネルまたは通路を含み得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、リザーバは容器の外側の周囲の空気であり得る。しかしながら、他の実施形態では、容器は、実質的に一定の圧力が容器内に維持されるように一定量のガスを保持することができる任意の剛性または半剛性構造であり得る。本明細書で使用される時、リザーバという用語は、限定するものではないが、任意のサック、バッグ、バルーン、ブラダー、容器、レセプタクル、調整用エンクロージャ、ダイヤフラム、または膜を含み得る。リザーバは、膨張、収縮、および/または折り畳みが可能であって、そして可撓で、しなやかで、柔軟で、弾性があり、弾力性があり、および/または拡張可能な材料を含む構造を含み得る。例えば、容器は、容器内を実質的に一定の圧力に維持するために容器の外側または内側のいずれかで膨張または収縮するように構成された密閉されたバッグであり得る。いくつかの構成では、リザーバは容器を囲む環境の少なくとも一部を含む。いくつかの構成では、リザーバは、容器、キャニスタ、バッグ、またはアダプタ専用の他のホルダを備える。いくつかの実施形態では、リザーバは気体および/または液体を含む。容器の液体内容物を希釈しないように、リザーバは主に気体を含むことが好ましい場合がある。
【0021】
いくつかの構成では、抽出器は交換装置に結合され得る。ある場合には、抽出器と交換装置は分離可能である。いくつかの例では、抽出器および交換装置は一体的に形成されている。交換装置は、抽出器を介して容器から流体および/または気体を受け取るように、抽出器を介して流体および/または気体を容器に導入するように、あるいはその2つの組み合わせを行うように構成される。いくつかの構成では、交換装置は抽出器と流体連通している。いくつかの構成では、交換装置はシリンジなどの医療機器を含む。いくつかの例では、交換装置は、抽出器を介して容器の内容物の一部または全部を取り除くように構成されている。特定の構成では、交換装置は、容器の内部と周囲環境との間の圧力差、またはその欠如とは無関係に内容物を除去され得る。例えば、容器の外側の圧力が容器内の圧力を超える場合、シリンジからプランジャーを引き出すのに十分な力が加えられると、シリンジを含む交換装置は容器の内容物を除去され得る。交換装置は、容器の内部と周囲環境との間の圧力差とは無関係に、流体および/または気体を容器に同様に導入され得る。
【0022】
本開示は、本明細書に記載される概念のより容易な理解を容易にするために、薬を保管および輸送するために典型的に使用される薬用バイアルなどのバイアル・アダプタおよびバイアルの例示的実施形態を頻繁に参照する。バイアルおよびバイアル・アダプタに関する説明は限定を意図するものではなく、任意の容器およびその容器に結合されるように構成された任意のバイアル・アクセス装置に適用され得る。実施形態および実施例は本明細書において医療分野において提供されているが、本発明は医療分野のみに限定されず、特定の実施形態は他の多くの分野において使用され得る。
【0023】
多数の薬品および他の治療用流体が、様々な形状およびサイズの薬用バイアルに保存され、そして分配されている。多くの場合、これらのバイアルはシールされており、保存された液体の汚染や漏れを防いでいる。シールされたバイアルの内部と、後で流体が除去される特定の大気圧との間の圧力差は、しばしば様々な問題を引き起こす。
【0024】
例えば、バイアルのセプタムを通してバイアル・アダプタの穿刺部材を導入すると、バイアル内の圧力が急激に上昇する可能性がある。この圧力上昇は、セプタムと穿刺部材とのインターフェース、またはアダプタとシリンジなどの医療機器との接合インターフェースにおいて、バイアルから流体が漏れる原因となり得る。また、シリンジ・プランジャが解放されると流体が自然にバイアルに押し戻される可能性があるため、空のシリンジまたは他の医療機器を使用してシールされたバイアルから正確な量の流体を引き出すことは困難であり得る。シリンジがバイアルから切り離されると、圧力差によって、シリンジまたはバイアルから少量の液体が噴出することがよくある。さらに、多くの場合、流体がバイアルから引き出されるにつれて気泡がシリンジ内に引き込まれる。バイアルから取り出した後にシリンジから気泡を取り除くために、医療専門家はしばしばシリンジを引いて、シリンジの開口部近くにあるすべての気泡を集め、次に気泡を押し出す。そうすることで、少量の液体が通常同様にシリンジから放出される。医療関係者は概して、気泡および流体を排出する前にシリンジをバイアルと再結合するための余分なステップを踏まない。いくつかの例では、これは法律や規制によってさえ禁止され得る。そのような法律および規制はまた、いくつかの例では、バイアルの外側のある場所で過剰に引き出された流体を追い出すことを必要とし得る。さらに、たとえ余分な空気または流体がバイアルに再挿入されようとしたとしても、圧力差は時々回収された流体の不正確な測定につながる可能性がある。
【0025】
圧力差によって引き起こされるこれらの問題に対処するために、医療専門家は、彼らがバイアルから引き出そうとしている流体の量に対応する正確な量の周囲の空気を空のシリンジに事前充填することが多い。医療専門家はそれからバイアルを突き刺し、この周囲の空気をバイアル内に放出し、一時的にバイアル内の圧力を上昇させる。所望の量の流体が後で引き出されるとき、シリンジの内部とバイアルの内部との間の圧力差は概して平衡に近い。次いで、バイアルとシリンジとの間に明らかな圧力差を生じさせることなく、シリンジ内の流体容積をわずかに調整して気泡を除去され得る。しかしながら、このアプローチの重大な欠点は、特に病院環境において、周囲の空気が様々な空中浮遊ウイルス、バクテリア、粉塵、胞子、カビ、および他の不衛生かつ有害な物質を含む可能性があることである。シリンジ内の予め充填された周囲の空気は、これらの有害物質のうちの1つまたは複数を含有する可能性があり、それは次にバイアル内の薬品または他の治療用流体と混合する可能性がある。この汚染された液体が患者の血流に直接注入されると、空中の病原体に対する身体の自然な防御の多くを回避するため、特に危険である。さらに、薬や他の治療液を必要とする患者は、感染に対する抵抗力の低下に苦しんでいる可能性が高い。
【0026】
腫瘍学および他のある種の薬物の場合において、前述した問題のすべてが特に深刻になる可能性がある。そのような薬物は、患者の血流に注射されたときには有用であるが、吸入または触れると非常に有害になり得る。従って、そのような薬物は、圧力差のためにバイアルから予想外に噴出することが許されるならば危険であり得る。これらの薬剤は揮発性であることが多く、周囲の空気にさらされると即座にエアロゾル化する可能性がある。したがって、制御された方法であっても、シリンジから泡または過剰な流体を除去するために少量のそのような薬物を排出することは、特にそのような活動を毎日何度も繰り返すかもしれない医療関係者にとって、一般に実行可能な選択肢ではない。したがって、上記の問題を軽減するバイアル・アダプタが必要とされている。
【0027】
流体がバイアルから除去されるときにバイアル内に空気を引き込むことを可能にする特定の装置が存在する。これらの装置は概してフィルターを使用する。フィルターはバイアルに入るときに空気から大量の汚染物質を除去するが、フィルターは完璧ではない。いくつかの例において、フィルターはGortex(登録商標)またはTeflon(登録商標)を含む疎水性膜である。このようなアセンブリからは複数の問題が発生する。例えば、フィルターの疎水性は、使用者が過剰に引き出された流体をバイアルに戻すのを妨げる。例えば、いくつかの例では、使用者がバイアルから流体を引き出すときに空気がチャネルを通ってバイアル内に入ることが可能になる。しかしながら、使用者が流体をバイアル内に押し戻すと、流体はそれがフィルターに接触するまでチャネルを通って押し出される。フィルターは流体に対する障壁であるため、医療専門家が流体をバイアルに押し込み続けるにつれて、バイアル内の圧力が上昇する。上述したように、そのような圧力上昇は、いくつかの例では法律で禁止されており、いずれにせよ、使用者が正確な投与量を得ることを困難にする可能性がある。加えて、圧力差は薄くて繊細な膜を容易に損傷し、時々、フィルターの漏れを生じて有害な液体を逃がすことがある。
【0028】
フィルターにGortex(登録商標)またはTeflon(登録商標)の膜を使用するには、一般にエチレン・オキシド(EtO)滅菌が必要で、これは高価で医療機器製造業者にとっては不都合である。ガンマ線滅菌および電子線滅菌のような滅菌の好ましい代替方法は、概してそのようなフィルターを台無しにする。いくつかの例では、後者の形態の滅菌はテフロン(登録商標)膜を劣化させ、フィルターが漏れやすくなる。
【0029】
さらに、いくつかの既存の装置は、バイアルと結合するのが困難または複雑であり、そのような結合を達成するために複数の特殊な装置を必要とする可能性がある。複雑な手順は、毎日何度もその手順を繰り返す医療関係者にとって過度に負担になる可能性がある。そのような複雑な装置の中にはかさばって、アンバランスなものもある。そのような装置をバイアルと結合することは、概して、ひっくり返りそしてこぼれる可能性の高い傾向がある、トップが重い準安定なシステムを作り出す。
【0030】
さらに、いくつかの既存の装置は、特定のバイアル形状、サイズ、または構成では効果がない可能性がある。いくつかの例では、バイアルは、低い高さ、狭いネック部、長いネック部、厚いセプタム、非標準のセプタム、および/または狭い直径を有し、それが、バイアル・アクセス装置をバイアルに結合すること、またはバイアルの内側に装置のコンポーネントを取り付けることが困難または複雑になり得る。既存の装置におけるいかなる圧力調整機構も、約50mL以下、約25mL以下、約15mL以下、約5mL以下の容積を有するバイアル、および/または、約10.5mm以下の直径を有するバイアル・ネックでは適切に機能しない可能性がある。いくつかの実施形態は、前述の識別された1つまたは複数のそのようなバイアルと協働するように構成されたバイアル・アクセス装置を提供する。
【0031】
本明細書に開示されている少なくともいくつかのバイアル・アクセス装置の実施形態は、上記の問題のいくつかまたはすべてを軽減または排除する。
【0032】
図1は、抽出器120および調整器130と結合することができる薬用バイアルなどの容器110の概略図である。特定の構成では、調整器130は、容器110内の圧力を大きく変化させることなく、抽出器120を介して容器110の内容物の一部または全部の除去を可能にする。
【0033】
一般に、容器110の内容物を無菌環境に保存するために容器110は気密シールされている。容器110は、シール時に真空化または加圧され得る。いくつかの例では、容器110は、薬または他の薬液などの液体で部分的にまたは完全に満たされる。本明細書では医療分野において実施形態および例が提供されているが、本発明は医療分野のみに限定されるものではなく、特定の実施形態は他の多くの分野で使用され得る。
【0034】
抽出器120は概して、内容物を除去または追加することができるように、容器110の内容物へのアクセスをもたらす。特定の構成では、抽出器120は、容器110の内部と外部との間に開口部を含む。抽出器120は、容器110の内部と外部との間に通路をさらに含み得る。いくつかの構成では、抽出器120の通路は選択的に開閉され得る。いくつかの構成では、抽出器120は、容器110の表面を通って延びる導管を含む。抽出器120は、容器110がシールされた後に容器110に導入され得る。特定の実施形態では、抽出器120またはその一部は、容器110と連結されたときに容器110内に配置される。
【0035】
いくつかの構成では、矢印21で示すように、抽出器120は容器110と流体連通している。これらの構成のいくつかにおいて、容器110内の圧力が周囲の環境の圧力と異なる場合、容器110への抽出器120の導入は、抽出器120を通る移送を引き起こす。例えば、いくつかの構成では、容器110を囲む環境の圧力が容器110内の圧力を超えるため、環境からの周囲の空気が抽出器を通って進入する可能性がある。他の構成では、容器110の内部の圧力が周囲の環境の圧力を超え、容器110の内容物が抽出器120を通って流出する。
【0036】
いくつかの例では、交換装置140は、抽出器120を介して容器110の内容物の一部または全部を取り除くように構成されている。特定の構成では、交換装置140は、容器110の内部と周囲の環境との間の圧力差、またはその欠如とは無関係に内容物が除去され得る。例えば、容器110の外側の圧力が容器110内の圧力を超える場合、シリンジからプランジャーを引き出すのに十分な力が加えられると、シリンジを含む交換装置140は容器110の内容物を引き抜くことができる。交換装置140は、容器110の内部と周囲環境との間の圧力差とは無関係に、同様に流体および/または気体を容器110に導入し得る。
【0037】
特定の構成では、調整器130は容器110と連結されている。調整器130は、概して、容器110内の圧力を調整する。本明細書で使用されるとき、調整するという用語、またはその派生語は、その通常の意味で使用される広義の用語であり、特に断りのない限り、変更をもたらす傾向がある能動的、肯定的、または積極的な活動、あるいは受動的、反応的、対応、順応、または補償的な活動を含む。いくつかの例では、調整器130は、容器110の内部と周囲環境との間の圧力差または平衡を実質的に維持する。本明細書で使用されるとき、維持という用語、またはその派生語は、その通常の意味で使用される広義の用語であり、その状態が最終的に変更されるかどうかにかかわらず、しばらくの間元の状態を保つ傾向を含む。いくつかの例では、調整器130は容器110内の実質的に一定の圧力を維持する。いくつかの例では、容器110内の圧力は、約1psi以内、約2psi以内、約3psi以内、約4psi以内、或いは、約5psi以内だけ変化する。さらに別の例では、調整器130は容器110の内容物にかかる圧力を均等にする。本明細書で使用されるように、均等化という用語、またはその派生語は、その通常の意味で使用される広義の用語であり、平衡が達成されるかどうかにかかわらず、平衡に向かう動きを含む。他の構成では、調整器130は容器110と結合されて、容器110の内部と他の環境、例えば容器110を取り囲む環境または交換装置140内の環境との間の圧力差の均等化を可能または促進する。いくつかの構成では、単一の装置が調整器130および抽出器120を含み、他の配置では、調整器130および抽出器120が別々のユニットである。
【0038】
調整器130は、矢印31で示すように、概して容器110と連通している。調整器130は、矢印35で示すように、またはリザーバ150-aなどのリザーバと連通することもできる。リザーバ150-aは、容器110の外部にある。いくつかの構成では、リザーバ150-aは、容器10を囲む環境の少なくとも一部を含む。リザーバ150-bは、少なくとも部分的に容器110の内部にあり、いくつかの例では容器110に導入され得る。
【0039】
いくつかの構成では、リザーバ(リザーバ150-aまたは150-bのいずれか)は、容器、キャニスタ、バッグ、または調整器130専用の他のホルダを備える。本明細書で使用されるとき、バッグという用語はその通常の用語で使用される広義の用語であり、可撓で、しなやかで、柔軟で、弾性があり、弾力性があり、および/または拡張可能な材料を含む構造を含む、拡張および/または収縮可能な任意のサック、バルーン、ブラダー、レセプタクル、リザーバ、エンクロージャ、ダイヤフラム、または膜を含む。いくつかの実施形態では、リザーバ150は気体および/または液体を含む。
【0040】
特定の実施形態では、調整器130は、容器110とリザーバ150-aまたは150-bとの間の流体連通をもたらす。そのような実施形態のうちの特定の実施形態では、容器150の液体内容物を希釈しないように、リザーバ150-aまたは150-bが主にガスを含むことが好ましい。他の実施形態では、調整器130は、容器110とリザーバ150-aまたは150-bとの間の流体連通を防ぐ。このような実施形態のいくつかにおいて、調整器130は容器110とリザーバ150-aまたは150-bとの間のインターフェースとして機能する。いくつかの構成では、調整器130は、容器110への気体および/または液体の進入、或いは、容器110からの気体および/または液体の進入を収容するための実質的に不浸透性のバッグを備える。
【0041】
いくつかの実施形態では、抽出器120またはその一部は容器110内に配置される。いくつかの実施形態では、調整器130またはその一部は容器10内に配置される。抽出器120またはその一部で、容器110および/または調整器130の完全な内部、部分的な内部または外部、或いは、容器110の完全な内部、部分的な内部または外部の抽出器120またはその一部の任意の組み合わせを有することが可能である。調整器130は、容器110と流体連通または非流体連通にされ得る。いくつかの実施形態では、調整器130は、完全に容器110内に配置されている。このような実施形態のいくつかにおいて、調整器130は、容器110内で実質的に一定の圧力を維持するために容器110内で拡張または収縮するように構成された閉鎖バッグを含む。他の実施形態では、調整器130は、矢印35で示すようにリザーバ150-aと流体または非流体のいずれかで連通するか、または矢印36で示すようにリザーバ150-bと連通する。
【0042】
図2は、バイアルと連結する前の初期段階におけるバイアル・アダプタの一実施形態の斜視図である。図3は、図2に示されるのと同じバイアル・アダプタの近位端の部分斜視図である。図4は、図2に示されるバイアル・アダプタの遠位端の部分斜視図である。図2図4に示されるアダプタ200の特徴は、以下の段落で一緒に説明される。
【0043】
本明細書で使用されるとき、用語「近位」は、典型的には使用者の方を向いているアダプタの方向(例えば、医療用コネクタ・インターフェースの方向)を指すが、用語「遠位」は、典型的には、使用者から(例えば、穿刺部材の方向に向かって、またはアダプタがバイアルと係合する場所に向かって)向けられているアダプタの方向を指すことができる。アダプタの「近位端」またはアダプタ内の任意のコンポーネントは、近位方向に向かって終端部を含み、また、例えば、終端部から所定の距離延在するコンポーネントの区間など、近位区間または終端部を囲む部分を含み得る。そこでは、距離は絶対距離(例えば、終端部から、約1mm以下、約5mm以下、約10mm以下、約20mm以下など)、或いは、コンポーネントの細長い寸法の一部(例えば、終端部からの細長い寸法の10%以内、細長い寸法の25%以内、または細長い寸法の50%以内)であり得る。同様に、アダプタまたは任意のコンポーネントの「遠位端」は、遠位方向への終端部を含み、また近位端に関して定義されるような区間または部分と同様に、近位端を囲むいくつかの遠位区間または終端部を囲む部分を含み得る。例えば、アダプタが長手方向に2つの半分、すなわち近位側半分と遠位側半分に分割される場合、「近位端」はその終端部までの近位側半分の任意の区間または部分を含み得ると考えられる。いくつかの例では、近位側半分全体を近位端と呼んでも良い。
【0044】
いくつかの実施形態において、アダプタ200は、挿入部材216および挿入部材チャネル218を含み得る。いくつかの構成において、挿入部材216は、スライド挿入部材216である。挿入部材チャネル218は実質的に中空であり、挿入部材216がそれを通ってスライドして軸方向に移動し得るチャンバー(図示せず)を画定する。 挿入部材216はまた、挿入部材216の遠位端に穿刺部材(図示せず)を含み得る。穿刺部材は、図5に関してさらに詳細に説明される。挿入部材216を軸方向に移動させると、穿刺部材も同じ方向に移動させることができる。
【0045】
いくつかの構成において、挿入部材216および穿刺部材は、単一のユニットであって、そして単一の材料片から一体的に形成され得る。したがって、本開示における穿刺部材に関する任意の説明または参照は、挿入部材216に適用可能であって、そして挿入部材216に関する任意の説明または参照は、穿刺部材に適用可能であり得る。他の構成では、挿入部材216および穿刺部材は、実質的に気密係合するように機械的に連結されている別個のユニットであり得る。例えば、挿入部材216は、穿刺部材の近位基部に接着され得る。いくつかの例では、それらは、接着剤、エポキシ、超音波溶接によって互いに接着されるか、またはねじ込み式、スナップ式、または摩擦嵌合式に固定/接合される。また、他の取り付け方法も可能である。
【0046】
いくつかの実施形態では、挿入部材216および穿刺部材は、調整器チャネルおよび/または抽出器チャネルを画定し得る。いくつかの実施形態では、挿入部材216だけが調整器チャネルおよび/または抽出器チャネルを含むことができ、さらに他の実施形態では、穿刺部材だけが調整器チャネルおよび/または抽出器チャネルを含み得る。調整器チャネルおよび抽出器チャネルは、図5および図11に関してさらに詳細に説明される。
【0047】
様々な構成において、挿入部材216は完全にまたは部分的に挿入部材チャネル218内に存在してもよく、或いは、挿入部材216は挿入部材チャネル218内に全く存在しなくてもよい。図では、挿入部材216は部分的に挿入部材チャネル218内にあり、挿入部材216のシャフトが見えている。
【0048】
いくつかの実施形態では、アダプタ200または類似のバイアル・アクセス装置はバイアルに接続するように構成される。しかしながら、特定の実施形態において、アダプタ200は、バイアルに接続するために使用され得るキャップ・コネクタ224を備える。キャップ・コネクタ224は、アダプタ200がその容器に結合され得るように、容器のキャップの形状に実質的に一致するように形作られ得る。図示のように、キャップ・コネクタ224は、図6に関してさらに詳細に見ることができるバイアルのキャップの形状に実質的に一致する形状を有する。いくつかの実施形態では、キャップ・コネクタ224は、1994年11月4日に出願された「MEDICAL VALVE AND METHOD OF USE」という発明名称の米国特許第5,685,866号の明細書に記載され、図7および図8に示された構造に似ており、そのすべての内容はこの参照によって、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部とされる。
【0049】
特定の構成では、キャップ・コネクタ224は、わずかな変形後もその形状を実質的に維持するプラスチックまたは金属などの剛性材料を含む。いくつかの実施形態では、キャップ・コネクタ224はポリカーボネート・プラスチックを含む。いくつかの構成では、キャップ・コネクタ224はバイアルのキャップとしっかりと係合するように構成されている。例えば、キャップ・コネクタ224は、バイアルの隆起部、リップ部、またはネック部などのバイアルの構造上にスナップ留めするように構成され得る。いくつかの例では、キャップ・コネクタ224は、バイアルのキャップと実質的に気密シールを形成するための内面の周りの素材を含み得る。いくつかの実施形態では、キャップ・コネクタ224は、バイアルのキャップの周りにシールを形成するためにバイアルの構造上に引き伸ばされる弾性材料を含む。いくつかの実施形態では、キャップ・コネクタ224は、アダプタ200をバイアルのキャップに固定するための1つまたは複数の突起を備える。突起は、図5に関してさらに詳細に説明されており、キャップ・コネクタ224がバイアルのキャップとどのように密接に係合し得るかの例示的な例は、図6図7とを比較することによって見ることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、キャップ・コネクタ224は、キャップ・コネクタ224の内面がバイアルのキャップと接触するようにサイズ設定および構成されている。いくつかの実施形態において、キャップ・コネクタ224の一部は、実質的に気密係合でキャップと接触する。特定の実施形態では、バイアルのセプタムまたはケーシングのいずれかを囲むキャップ・コネクタ224の内面の一部は、アダプタ200とバイアルとの間の実質的に気密なシールの形成を確実にするために、ゴムまたはプラスチックなどの材料で裏打ちされる。キャップ・コネクタ224内のシールに関するさらなる情報は、図5に関してさらに詳細に提供される。いくつかの実施形態では、キャップ・コネクタ224は、キャップ・コネクタ224がバイアルのキャップに接触する平面を有する基部を含み得る。したがって、いくつかの実施形態では、アダプタ200を、キャップ・コネクタ224を使用してバイアルに接続することができ、他の実施形態では、アダプタ200が別の方法でバイアルに接続され得る。例えば、アダプタ200は、接着剤、テープ、または他の任意の手段を使用してバイアルと係合し得る。いくつかの実施形態では、アダプタ200は、アダプタ200が挿入部材216と同じ方向(例えば、挿入部材216がスライドする方向)或いは、穿刺部材とバイアルとを係合することを可能にするバイアル係合アセンブリを有し得る。このような実施形態のいくつかにおいて、バイアル係合アセンブリは、バイアルをアダプタ200に結合するための接着剤、テープ、または他の手段を利用し得る。
【0051】
いくつかの構成では、キャップ・コネクタ224は、バイアルの一部を取り囲むように構成されたスカートを備える。いくつかの実施形態では、スカートはバイアルの全周未満の周りに延び得る。例えば、キャップ・コネクタ224は、図2に示すように凹部228を含み得る。他の実施形態では、凹部228はノッチまたは長手方向スリットであり得る。凹部228の役割に関するさらなる情報は、図12に関して提供される。有利には、スカートは、穿刺部材の先端を越えて遠位方向に延び得る。この構成は、穿刺部材をバイアルに挿入する前に先端を使用者から部分的に遮蔽し、それによって先端との偶発的な接触を防止するのに役立つ。スカートはさらに、結合されたアダプタ200およびより低い重心を有するバイアルをもたらすことができ、それによって、結合されたアイテムがひっくり返りにくくなる。
【0052】
いくつかの構成では、キャップ・コネクタ224はリップ部226を備える。リップ部226はさらに、結合されたアダプタ200およびより低い重心を有するバイアルをもたらし、それによって結合されたアイテムがひっくり返りにくくなる。リップ部226はまた、使用者がアダプタ200をバイアルと結合または結合解除することをより容易にするためのてこ作用を提供し得る。例えば、使用者がキャップ・コネクタ224をその側面で握るのとは対照的に、使用者がリップ部226を押し下げてキャップ・コネクタ224をバイアルのキャップの上にスライドさせるときに、アダプタ200とバイアルを結合する方が容易であり得る。使用者は、アダプタ200をバイアルから切り離すために、同様にリップ部226を掴むことができる。いくつかの構成では、リップ部226を握ることにより、キャップ・コネクタ224の突起を外すまたは向きを変えることによって、アダプタ200をバイアルから切り離すことがより容易になり、それによってバイアルに対するグリップが減少する。
【0053】
いくつかの構成では、キャップ・コネクタ224は挿入部材チャネル218を備える。いくつかの構成では、キャップ・コネクタ224および挿入部材チャネル218は一体の材料片から一体的に形成される。他の構成では、キャップ・コネクタ224と挿入部材チャネル218とは実質的に気密係合する別々のユニットである。いくつかの構成では、キャップ・コネクタ224はポリカーボネート・プラスチックを含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、挿入部材216およびそれに取り付けられた他の任意のコンポーネント(例えば、穿刺部材、ロッキング・リング210、ハンドル208など)は、挿入アセンブリの一部であり得る。いくつかの実施形態において、挿入アセンブリの一部ではない任意のコンポーネントは、ハウジングの一部であり得る(例えば、キャップ・コネクタ224、挿入部材チャネル218、係合部材220など)。ハウジングは、挿入アセンブリがスライドする挿入経路を画定し得る。
【0055】
特定の実施形態では、アダプタ200は複数のモードまたは物理的構成を有し得る。アダプタ200は、異なるモードまたは物理的構成間で移行することができ、そのような場合には、アダプタ200は、バイアルに連結された後、またはアダプタ200がバイアルに接続されている間に、異なるモードまたは物理的構成間で移行され得る。いくつかの構成では、使用者は、異なるモードまたは物理的構成の間でアダプタ200を選択的に切り替えるまたは移行させることができる。
【0056】
特定の実施形態では、アダプタ200は、アダプタ200がバイアルに結合されている間、バイアルの内側と外側とが互いに流体連通しない1つのモードまたは物理的構成を有し得る。例えば、そのようなモードまたは物理的構成では、抽出器チャネルは閉じられているかまたは塞がれている可能性がある。特定の実施形態では、アダプタ200は、アダプタ200がバイアルに結合されている間、バイアルの内側と外側との間の圧力差が等しくならないような1つのモードまたは物理的構成を有し得る。例えば、調整器チャネルは閉鎖され、或いは、閉塞され、いかなるリザーバもアクセス不能であるかまだ展開されていない、などである。バイアルの内部と外部との間で流体連通または圧力均等化が生じないモードまたは物理的構成は、単一のモードまたは物理的構成であり得るか、或いは、それらは別々のモードおよび物理的構成であり得る。
【0057】
特定の実施形態では、アダプタ200は、アダプタ200がバイアルに結合されている間、バイアルの内側と外側とが互いに流体連通する1つのモードまたは物理的構成を有し得る。例えば、そのようなモードまたは物理的構成では、抽出器チャネルは開いていても邪魔されていなくてもよい。特定の実施形態では、アダプタ200は、アダプタ200がバイアルに結合されている間にバイアルの内側と外側との間の圧力差が等しくなるような1つのモードまたは物理的構成を有し得る。例えば、調整器チャネルは開放されていても邪魔されていなくてもよく、或いは、リザーバは接近可能であっても配備されていてもよい、などである。バイアルの内部と外部との間で流体連通または圧力均等化が生じ得るモードまたは物理的構成は、単一モードまたは物理的構成であり得るか、或いは、それらは別々のモードおよび物理的構成であり得る。
【0058】
いくつかの構成では、アダプタ200は、異なるモードまたは物理構成に移行する準備ができるまで、アダプタ200を特定のモードまたは物理構成に保持する機能を有し得る。いくつかの構成では、アダプタ200は、アダプタ200を特定のモードまたは物理構成に保つように構成されたモード選択アセンブリまたは物理構成選択アセンブリを備え得る。いくつかの構成では、アダプタ200は、アダプタ200を特定のモードまたは物理的構成に保つロック機構または機能を有し得る。
【0059】
いくつかの構成では、アダプタ200は初期段階および後続段階を有し得る。アダプタ200は、アダプタ200の初期段階で、アダプタ200がバイアルに結合されたときに挿入部材216および/または穿刺部材がバイアルのセプタムを穿刺するのを防止するという特徴を有し得る。アダプタ200は、アダプタ200がバイアルに完全に結合されたときにのみ挿入部材216および/または穿刺部材をバイアルに挿入することを可能にする特徴を有し得る。アダプタ200はまた、挿入部材216および/または穿刺部材がある角度でバイアルに挿入されるのを防止する特徴を有し得る。いくつかの構成では、挿入部材216および/または穿刺部材をバイアルに挿入することによって、アダプタ200をその初期段階からその次の段階に移行させることができる。アダプタ200は、いったん挿入部材216がバイアルに挿入されると、挿入部材をその挿入位置に維持するという特徴を有し得る。
【0060】
一例として、図2は、挿入部材係合アセンブリによって初期段階で維持されているアダプタ200の実施形態を示している。
【0061】
いくつかの構成では、アダプタ200は挿入部材係合アセンブリを含み得る。挿入部材係合アセンブリは、挿入部材216を挿入することを可能にする移動機構、ならびに挿入部材216を非挿入位置または挿入位置のいずれかに維持するロック機能をもたらし得る。いくつかの構成では、挿入部材係合アセンブリは、アダプタ200をその現在の段階に維持するために挿入部材216の様々な部分と係合し得る。いくつかの構成では、挿入部材係合アセンブリは、挿入部材係合アセンブリの挿入部材216の特定の対応する機構との係合が互いに対する両方の動きをロックするように、ロック機構を使用して動作し得る。挿入部材係合アセンブリが挿入部材216にしっかりと係合していないとき、挿入部材216が軸方向に動き得る。例えば、図において外向きに見える挿入部材216の部分は、挿入部材チャネル218内に滑り込むことができるように、挿入部材216は、結合されたバイアルに向かって下方に自由に動き得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、挿入部材係合アセンブリは、挿入部材216が完全に挿入された位置にあるとき、挿入部材216または同様の挿入アセンブリを所定の位置に保持し得る。いくつかの実施形態では、挿入部材係合アセンブリは、挿入部材216が完全に挿入された位置にあるときに挿入部材216を定位置にしっかりと保持し得る。本明細書で使用されるとき、用語「しっかりと保持する」は、挿入部材係合アセンブリが挿入部材216を完全に挿入された位置に維持する(例えば、アダプタ200がひっくり返されても挿入部材216が後退しない)ことを意味し、使用者による実質的な努力なしに挿入部材216を完全挿入位置から後退させることは困難である(例えば、使用者は、両手を使って挿入部材係合アセンブリまたは装置の別の構成要素を破損または機械的故障の危険にさらすのに十分な力で挿入部材216を引っ張る必要があるかもしれない)。
【0063】
いくつかの構成では、キャップ・コネクタ224は挿入部材係合アセンブリを備える。いくつかの構成では、挿入部材係合アセンブリは一対の係合部材220を含む。しかしながら、他の構成では、挿入部材アセンブリは任意の数の係合部材220を含み得る。
【0064】
いくつかの構成では、キャップ・コネクタ224は、係合部材ロック解除230を含み得る。係合部材ロック解除230は、特定のシナリオにおいて係合部材220を挿入部材216からロック解除または係合解除することを可能にする任意の機構であり得、アダプタ200を初期段階と次の段階との間の移行を可能にする。図1に示すように、係合部材ロック解除230は、キャップ・コネクタ224の開口部によって部分的に囲まれているキャップ・コネクタ224上の位置でそれぞれの係合部材220の基部を接合することから生じる。したがって、それぞれの係合部材220の基部は、可撓性を有し得る場所でキャップ・コネクタ224に接続される。いくつかの構成では、係合部材ロック解除230は、アダプタ200がバイアルに完全に結合されたときに外側に再位置決めまたは撓むように構成され、係合部材220が挿入部材ともはや係合しないように再位置決めされ、そして、挿入部材216が軸方向に動くことを可能にする。いくつかの構成では、係合部材220は、挿入部材216を係合解除するために外側に曲げられる。そのような構成のいくつかにおいて、係合部材220は容易に曲がり得る。したがって、挿入部材係合アセンブリおよび係合部材ロック解除230は、アダプタ200がバイアルおよび挿入部材216に完全に結合されて挿入部材216がバイアルのセプタムに対して垂直であるときにのみ挿入部材216を挿入できるようにすることによって、挿入部材216のバイアルへの斜め挿入が防止され得る。いくつかの実施形態では、アダプタ200がバイアルに完全に結合されると、挿入部材216は、挿入部材216の挿入前にバイアルのセプタムに当接するかまたは部分的に穿刺し得る。係合部材ロック解除230の機構は、図7に関してさらに説明される。
【0065】
いくつかの構成では、構造ピボット234は、特定のシナリオにおいて係合部材220を挿入部材216からロック解除または係合解除することを可能にし、それによってアダプタ200を初期段階と後続段階との間で移行させ得る。それぞれの係合部材220の基部は、構造ピボット234の一方の側に接続され得る。いくつかの実施形態において、それぞれの構造ピボット234は、キャップ・コネクタ224の開口部によって画定され得る。図では、それぞれの構造ピボット234は、それぞれの構造ピボット234の3つの側面を画定する開口部と関連付けられ、それぞれの構造ピボット234はその構造ピボット234とキャップ・コネクタ224との間の接続点として働く一側面を有する。これは、構造ピボット234がその接続点によって画定される軸に沿ってピボットすることを可能にする。例えば、構造ピボット234は、取り付けられた係合部材220を上方および外側に撓ませることを可能にするために上方にピボットし得る。したがって、アダプタ200がバイアルに完全に結合されると、バイアルは構造ピボット234の全てを押し上げて上方に撓ませ、それによって係合部材220も上方および外側に撓み、挿入部材216と係合しなくなる。
【0066】
いくつかの構成では、挿入部材216は、係合部材220と係合してアダプタ200をその初期段階に維持するように構成された一対のノッチ222を含み得る。しかしながら、他の構成では、挿入部材216は任意の数のノッチ222を含み得るが、概してノッチ222の数は係合部材220の数と一致する。図2に見られるように、係合部材220は、挿入部材216のノッチ222としっかりと係合するアームを含み、それは、アダプタ200がその初期段階にあるときに挿入部材216が軸方向に動くのを防ぐ。したがって、アダプタ200がバイアルに結合され、それぞれの係合部材ロック解除230が外側に撓むまで、挿入部材216をさらに下方に挿入部材チャネル218内に滑らせることはできない。その結果、係合部材220がノッチ222と確実に係合しているとき、アダプタ200はその初期段階から次の段階へと自由に移行することができない。
【0067】
いくつかの構成では、挿入部材216はまた、挿入部材216と一体的に形成され得るか、または別個のユニットであり得るロッキング・リング210を含み得る。いくつかの構成では、ロッキング・リング210は、ロッキング・リング210が挿入部材216に取り付けられたときにロッキング・リング210のためのピボット点を形成する凹部212を含み得る。いくつかの構成では、ロッキング・リング210は一対のタブ214を含み得る。しかしながら、他の構成では、ロッキング・リング210は任意の数のタブ214を含み得るが、概してタブ214の数は係合部材220の数と一致するであろう。さらに他の構成では、ロッキング・リング210は、挿入部材216を実質的に囲むタブ214を含み、挿入部材216の回転時に係合部材220がタブ214を解放するのを防止し得る。タブ214は、アダプタ200をその次の段階に維持するために係合部材220と係合するように構成され得る。いくつかの構成では、凹部212は、アダプタ200がその次の段階にあるときに挿入部材チャネル218の近位端上の突起(図示せず)と係合するように構成され、その係合によって、挿入部材216が完全に挿入されると、部材216は、挿入部材チャネル218に対して回転および/または撓みを防止、抑制、または抵抗し得る。タブ214はロッキング・リング210の全周に巻き付いていないので、この特徴は係合部材220が係止部材220をロッキング・リング210に係合させるために使用されるタブ214から滑り落ちるのを防止するのに有用であり得る。さもなければ、偶発的にハンドル208を回転することが、係合部材220がもはやロッキング・リング210に固定されなくなるまで挿入部材216を回転し得る。ロッキング・リング210の追加の特徴は、図10に関してさらに説明される。
【0068】
いくつかの実施形態では、挿入部材216が奥まで押し込まれると可聴音またはレポートが生成される。このような実施形態では、係合部材220がロッキング・リング210と係合すると音が生成される。挿入部材216が完全に挿入されて所定の位置に固定されていることを使用者に示すことができるので、しっかりとした大きなスナップ音は弱い音または誤った音よりも好ましい。したがって、使用者は、この音を聞くことによって、アダプタ200がバイアルの内容物にアクセスするかまたはバイアルの内容物を引き出すのに使用する準備ができていることを示し得ることを理解し得る。この可聴音またはレポートは、挿入部材216が完全に挿入されて所定の位置に固定されているかどうかを使用者が迅速に判断することを可能にする開口部206と同様の役割を果たすことができ、そして、これらの特徴を組み合わせて使用して、アダプタ200が使用可能な状態にあるかどうかを使用者が判断するための冗長な方法を作り出し得る。
【0069】
いくつかの実施形態では、アダプタ200が初期段階にある間にアダプタ200をバイアルに結合することは、バイアルを穿刺しない。いくつかの構成では、初期段階中の挿入部材216の位置は、図示されるように、穿刺部材(図示せず)を最初に挿入部材チャネル218内に留まらせ、穿刺部材がバイアルに入るのを防ぐ。バイアルをアダプタ200に結合すると、係合部材ロック解除230を引き金にし、係合部材220のアームを挿入部材216のノッチ222から外し得る。これにより、挿入部材216を軸方向に移動させ、挿入部材チャンネル218内にさらに滑り込ませることを可能にする。
【0070】
いくつかの実施形態では、アダプタ200はハンドル208を備える。いくつかの実施形態では、ハンドル208は挿入部材216の近位端に連結される。係合部材220が外れると、使用者はハンドル208を使用して、挿入部材216を結合バイアルに向かって下方に押すことができる。挿入部材216が挿入部材チャネル218内にさらに滑り込むと、挿入部材チャネル218内に最初に存在していた穿刺部材がバイアルに入り得る。いくつかの構成では、挿入部材216を押し込むと、アダプタ200は、図示される初期段階から次の段階へと完全に移行する。したがって、使用者は、ハンドル208を使用して挿入部材216を押し込み、アダプタ200をバイアルに結合したときに初めてアダプタ200を初期段階から後続段階に選択的に移行させることができる。初期段階から次の段階へのこの移行中に、穿刺部材は穿刺してバイアルに入る。この移行は、図7図8を比較することで理解され得る。
【0071】
いくつかの構成では、次の段階は、安定した圧力がバイアル内に維持されている間にアダプタ200がバイアルに流体を追加またはバイアルから引き出すことを可能にする、アダプタ200の特定のモードまたは物理的構成であり得る。アダプタ200の次の段階の特徴は、図9図13に関してさらに詳細に説明される。
【0072】
いくつかの構成では、アダプタ200がその次の段階に入った後、挿入部材係合アセンブリは、アダプタ200をその次の段階に保ち、アダプタ200がその最初の段階に戻るのを防ぐことができる。いくつかの構成では、アダプタ200がその次の段階に入った後に、挿入部材係合アセンブリはまた、挿入部材216がバイアルから軸方向に移動することまたはスライドバックすることを防止する。図2に示した実施形態では、アダプタ200をその次の段階に配置すると、係合部材220がロッキング・リング210のタブ214としっかりと係合する。このロッキング機構は、図8図10とを比較することによって分かる。
【0073】
いくつかの構成では、アダプタ200は、使用者がアダプタ200を次の段階からその初期段階に選択的に移行させることが不可能であるように構成され得る。他の構成では、使用者がアダプタ200を初期段階から後続段階に移行させるよりも、使用者がアダプタ200を後続段階から初期段階に移行させることがはるかに困難であり得る。いくつかの構成では、係合部材220を挿入部材216のノッチ222から外すことよりも、係合部材220をロッキング・リング210のタブ214から外すことの方が難しい場合がある。このような特徴は、アダプタ200が使い捨て用バイアルからユーザが挿入部材216をスライドさせて戻すことを防止することによって漏れまたはこぼれの発生を減少させるので、アダプタ200が使い捨て用に構成される場合に望ましい。
【0074】
いくつかの構成では、ハンドル208は、1つまたは複数の開口部206および/または1つまたは複数の開口部232を含み得る。いくつかの構成では、使用者は係合部材220が確実に係合することを確認するために開口部206介して見ることができる。これにより、使用者にハンドル208とタブ214との間を見させることを強いる代わりに、より確実に係合させるために、より多くの視野角が使用者に提供される。アダプタ200および連結されたバイアルは、バイアルの内容物を引き出す際に頻繁に反転する可能性があるので、使用者は、アダプタ200がその次の段階にあるようにしっかりとした係合を確実にすることを望み得る。これにより、ロッキング・リング210が所定の位置にロックされ、挿入部材216が軸方向に動くのを防止することが保証される。さもなければ、バイアルの内容物が挿入部材216と挿入部材チャネル218との間の空間を通って出てしまう場合、或いは、挿入部材216がバイアルの外へ滑り出してしまう場合、バイアルの内容物を引き出す間に漏れまたはこぼれが生じ得る。いくつかの実施形態では、係合部材220は、アダプタ200の他のすべてのコンポーネントとは異なる色であってよく、または単に係合リング220とは異なる色であってもよい。係合部材220を異なる色にすることによって、ロッキング・リング210から離れると、開口部206を通して見るときに係合部材220がロッキング・リング210としっかり係合しているかどうかを使用者が判断するのに必要な時間が短縮される。例えば、使用者が開口部206を介して見てロッキング・リング210の色を見ると、係合部材220がロッキング・リング210と確実に係合していないことが使用者に示されるだろう。これは、その確実な係合が生じるまで挿入部材216をさらに押し込む必要があることを使用者に示唆し得る。あるいは、使用者が開口部206を介して見て係合部材220の色を見ると、タブ214が見えなくなり、係合部材220がロッキング・リング210としっかり係合していることを使用者に示すことになる。したがって、使用者は、係合部材220とロッキング・リング210との間の接触を詳しく調べること、或いは、挿入部材216をバイアルから引き離そうとする(これによりバイアルの内容物がこぼれる可能性がある)ことの必要性よりも、むしろ、開口部206を通して観察される色に基づいて、アダプタ200がバイアルの内容物にアクセスする準備ができて安全であるかどうかを判断できる。この色識別機能はまた、係合部材220がロッキング・リング210に確実に係合されたときに生成される可聴音またはレポートと組み合わせて使用されるときに冗長性として役立ち得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、開口部232は、リザーバを挿入部材216に取り付けるために接着剤をリザーバに塗布することを可能にすることなどによって、アダプタを組み立てる際に役割を果たし得る。開口部232の役割に関するさらなる詳細は、製造方法に関して以下でさらに説明される。
【0076】
係合アーム220を含む挿入部材係合アセンブリの使用は、挿入部材チャネル218に対する挿入部材216およびロッキング・リング210の軸方向の動きがどのように制限され得るかの一例にすぎない。挿入部材チャネル218に対する挿入部材216およびロッキング・リング210の軸方向の動きを固定するための他の任意の適切な手段が採用され得る。例えば、挿入部材チャネル218の内面および挿入部材216の外面は両方とも、一連の対応する傾斜した隆起部を含み得る。これらの隆起部は、十分な力が加えられた状態で挿入部材216が挿入部材チャネル218を通って上方にスライドすることを許容することなく挿入部材チャネル218を通って下方にスライドすることを可能にする。これは、アダプタ200がバイアルに結合されるとき、使用者が挿入部材216を完全に挿入部材チャネル218内に押すまで、挿入部材216がバイアルの外側に留まることを可能にする。
【0077】
特定の実施形態では、アダプタ200は、アダプタ200を医療用コネクタ、他の医療機器、またはバイアルからの流体の抽出またはバイアルへの流体の注入に使用される任意の他の交換機器または器具(これらは、図示されていない)と結合するための医療用コネクタ・インターフェース202を含み得る。特定の実施形態では、医療用コネクタ・インターフェース202は、流体がそれを通って流れることができる抽出器チャネル(図示せず)の近位部分に接続され得る。いくつかの例では、アダプタ200がバイアルに結合され、抽出器チャネルがバイアルの内容物にさらされると、医療用コネクタ・インターフェース202がバイアルの内部と流体連通するように、抽出器チャネルは挿入部材216を通って延びる。抽出器チャネルは、図5および図10に関してさらに詳細に説明され、医療用コネクタ・インターフェース202と抽出器チャネルとの間の関係は、図11に関してさらに詳細に説明される。いくつかの実施形態では、医療用コネクタ・インターフェース202を使用して、バイアルから流体を抽出するか、またはバイアル内に流体を注入するのに使用されるシリンジに接続され得る。そのような実施形態のいくつかにおいて、医療用コネクタ・インターフェース202はシリンジに恒久的に取り付けられてもよい。シリンジは、アダプタ200と共に単一のユニットを形成してもよい。他のそのような実施形態では、シリンジは医療用コネクタ・インターフェース202から分離可能であってもよい。医療用コネクタ・インターフェース202は異なるサイズおよび寸法のシリンジとの接続に対応され、その結果、使用者は状況に基づいてアダプタ200に様々なシリンジを接続し得る。
【0078】
特定の実施形態では、医療用コネクタ・インターフェース202は、アダプタ200の軸方向中心を中心としない。いくつかの実施形態では、医療用コネクタ・インターフェース202は、抽出器チャネルの軸方向中心からずれている。しかしながら、他の実施形態では、医療用コネクタ・インターフェース202は、アダプタ200の軸心を中心としている。そのような構成は、バイアルと結合されたアダプタ200を含むシステムに安定性をもたらし、それによって結合システムが転倒したり、アダプタ200またはバイアルの偶発的な衝突または転倒によって引き起こされる危険な漏れまたはこぼれを起こしにくくする。
【0079】
特定の実施形態では、医療用コネクタ・インターフェース202は、医療用コネクタ、他の医療機器、またはバイアルからの流体の抽出またはバイアルへの流体の注入に使用される他の交換機器または器具と結合するための任意の適切な構成をとり得る側壁を含み得る。例示の実施形態では、側壁は実質的に円筒形で、アダプタ200の近位端に位置するように示されている。いくつかの実施形態では、側壁は流体が流れる抽出器チャネルの近位部分を画定し得る。いくつかの実施形態では、側壁の厚さは、医療用コネクタ・インターフェース202の任意の所与の横方向断面において実質的に変化しない。
【0080】
特定の構成では、医療用コネクタ・インターフェース202は、アダプタ200を医療用コネクタ、別の医療機器、またはバイアルから流体を抽出またはバイアルに注入するのに使用される他の交換機器または器具と結合するのを助けるためのフランジ(図示せず)を含み得る。フランジは、そこから医療機器を取り外したときにシールすることができるコネクタを含む、任意の適切な医療コネクタを受け入れるように構成され得る。いくつかの例では、フランジは、カリフォルニア州サンクレメントのICUメディカル社から入手可能なClave(登録商標)コネクタを受容するようなサイズおよび構成にされている。Clave(登録商標)コネクタの特定の特徴は、米国特許第5,685,866号に開示されており、これは先に参照によって組み込まれている。他の無針コネクタを含む他の多くの種類のコネクタもまた使用可能である。コネクタは、医療用コネクタ・インターフェース202に恒久的または分離可能に取り付けられ得る。いくつかの構成では、フランジは、ねじを切ってもよく、ルアー・コネクタを受けるように構成されてもよく、或いは、シリンジや他の器具などの医療機器に直接取り付けるように成形され得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、アダプタ200は、調整器開口部204を備える。多くの実施形態では、調整器開口部204は、挿入部材216がバイアルに挿入されたときにバイアルの外部に露出したままのアダプタ200上の位置に配置される。図示された実施形態では、調整器開口部204は、挿入部材216の近位端でハンドル208内に配置されている。特定の実施形態では、調整器開口部204は、バイアルを囲む環境と挿入部材216の一部を通って延びる調整器チャネルとの間の流体連通を可能にする。
【0082】
図5は、初期段階におけるバイアル・アダプタの一実施形態の遠位端の部分切欠図である。理解を容易にするためだけに、図4の実施形態に照らして、図4を見ることが有用であり得る。
【0083】
特定の実施形態では、挿入部材216は、1つまたは複数のチャネルを画定するかまたは少なくとも部分的に囲み得る。図示した実施形態では、挿入部材216は、抽出器チャネル502と調整器チャネル504を画定する。挿入部材216は、抽出器チャネル502と調整器チャネル504との間の内側境界を分離し画定する内壁を有し得る。
【0084】
いくつかの構成では、調整器チャネル504は、挿入部材216を通って延び、そして1つ以上の調整器開口部に接続され得る。いくつかの構成では、調整器チャネル504は、挿入部材216を通って調整器開口部204から挿入部材216の遠位端まで延びる。バイアル内の圧力を安定させる際の調整器開口部の役割は、図10に関してより詳細に説明される。
【0085】
いくつかの構成では、抽出器チャネル502は挿入部材216を通って延び、1つ以上の抽出器開口部を含み得る。いくつかの構成では、抽出器チャネル502は、医療用コネクタ・インターフェース240の抽出器開口部から挿入部材216を通って挿入部材216の遠位端の抽出器開口部まで延び、アダプタ200が次の段階に移行したときにのみバイアルの内容物にさらされる。抽出器開口部の役割は、図11に関してより詳細に説明される。
【0086】
いくつかの実施形態では、アダプタ200は穿刺部材508を備える。前述したように、いくつかの実施形態では、穿刺部材508および挿入部材216は単一のユニットであり、単一の材料片から一体的に形成され得る。他の構成では、挿入部材216および穿刺部材508は、実質的に気密に係合するように機械的に連結されている別個のユニットであり得る。例えば、挿入部材216の遠位端は、穿刺部材508の近位基部に取り付けられ得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、穿刺部材508は近位部分508aと遠位部分508bとを含む。いくつかの実施形態において、穿刺部材508の近位部分508aは、挿入部材216に取り付けられる。いくつかの実施形態において、穿刺部材508の遠位部分508bは、挿入部材216が挿入部材チャネル218を通って下方へ強制されるときにバイアルのセプタムを穿刺するように構成される。遠位部分508bがバイアルを穿刺すると、近位部分508aは挿入部材チャネル218を通って下方にスライドし、遠位部分508bがバイアルの中に追従され得る。穿刺部材の遠位部分508bが完全にバイアル内に入ると、穿刺部材508の遠位部分508bはバイアル内で分離するように構成され得る。より具体的には、穿刺部材の遠位部分508bは、2つ以上のセグメントに分離し得るが、穿刺部材508の近位部分508aは分離しない。穿刺部材508のこの特徴は、図9に関して図示および説明されている。
【0088】
いくつかの実施形態では、アダプタ200は小さなバイアルと共に機能するように構成される。そのような実施形態のいくつかにおいて、アダプタ200は、約20ミリリットル未満の液体を含有する小さなバイアルと共に機能するように構成される。他の実施形態では、アダプタ200は、約10ミリリットル未満の液体を含む小さなバイアルで機能するように構成されている。さらに他の実施形態では、アダプタ200は、約10ミリリットルから20ミリリットルの間の液体を含む小さなバイアルと共に機能するように構成されている。アダプタ200が小さなバイアルで機能するために、特別に構成されなければならないアダプタ200の寸法のいくつかは、挿入部材216の直径、穿孔部材508の直径、穿孔部材508の長さ、また、アダプタ200を初期段階から後続段階に移行させるために挿入部材216を移動させなければならない長さを含む。これらの寸法は、穿刺部材508および/または挿入部材216が、(小さい場合もある)セプタムを容易に通過し、小バイアルの本体内に快適に収まるように慎重に選択されなければならない。
【0089】
穿刺部材508および/または挿入部材216は、概して、バイアル内に収まるようにサイズおよび寸法を決められてもよく、いくつかの例では、それらは小バイアルの狭い直径内に収まるようにサイズが決められ得る。したがって、様々な実施形態において、穿刺部材508または挿入部材216の直径は、0.25インチ以下であり得る。他の実施形態では、直径は0.1875インチ以下であり得る。さらに他の実施形態では、直径は0.125インチ以下であり得る。いくつかの実施形態では、直径は0.0625インチ以下であり得る。
【0090】
穿刺部材508および/または挿入部材216は、破損することなく、いくつかの例では比較的容易に、バイアルのセプタムを通して挿入されるように一般にサイズおよび寸法が決められ得る。したがって、様々な実施形態において、穿刺部材508または挿入部材216は、約0.025~約0.075平方インチの間、約0.040~約0.060平方インチの間、または、約0.045~約0.055平方インチの間の断面積を有する。他の実施形態では、断面積は約0.075平方インチ未満、約0.060平方インチ未満、または、約0.055平方インチ未満である。さらに他の実施形態では、断面積は約0.025平方インチより大きい、約0.035平方インチより大きい、または、約0.045平方インチより大きい。いくつかの実施形態では、断面積は約0.050平方インチである。
【0091】
穿刺部材508および/または挿入部材216は、一般に、比較的容易に小さいバイアルのセプタムを通して挿入されるような大きさおよび寸法であり得る。したがって、様々な実施形態では、穿刺部材508または挿入部材216は、約0.040~0.060平方インチの間、約0.015~0.035平方インチの間、約0.005~0.020平方インチの間、または、約0.001~0.005平方インチの間の断面積を有する。他の実施形態では、断面積は、約0.060平方インチ未満、約0.035平方インチ未満、約0.020平方インチ未満、または、約0.005平方インチ未満である。他の実施形態では、断面積は、約0.040平方インチ超、約0.015平方インチ超、約0.005平方インチ超、または、約0.001平方インチ超である。
【0092】
穿刺部材508は、示されるように実質的に円筒形であり得るか、または他の幾何学的構成をとり得る。いくつかの例では、穿刺部材508は遠位端に向かってテーパ状になっている。いくつかの構成では、穿刺部材508の遠位端は、穿刺部材508の軸に対して中心にある、またはそこからオフセットすることができる点を画定する。特定の実施形態では、遠位端は、穿刺部材508の一方の側から他方の側へ傾斜する。穿刺部材508は、バイアルのセプタムまたはキャップを通して挿入するのに適した、金属またはプラスチックなどの剛性材料を含み得る。特定の実施形態では、穿刺部材508はポリカーボネート・プラスチックを含む。
【0093】
いくつかの構成では、穿刺部材508は先端部510を含む。いくつかの構成では、穿刺部材508の穿孔部508bは先端部510を含む。先端部510は様々な形状および構成を有し得る。いくつかの例では、先端部510は、バイアルのセプタムまたはキャップを通しての穿刺部材508の挿入を容易にするように構成されている。図示したように、先端部510またはその一部は、実質的に円錐形とすることができ、穿刺部材508の軸方向中心またはその近くの点に到達する。いくつかの構成では、先端部510は、穿刺部材508の遠位端に配置され得る。いくつかの構成では、先端部510は、穿刺部材508の一方の側から他方の側へ傾斜する。いくつかの構成では、先端部510および穿刺部材508は恒久的に接合されており、一体的に形成され得る。様々な実施形態において、先端部510はアクリル・プラスチック、ABSプラスチック、またはポリカーボネート・プラスチックを含む。
【0094】
穿刺部材508は、例えば、楕円形、長円形、正方形、長方形、六角形、または菱形などの任意の数の断面形状をとり得る。穿刺部材508の断面形状は、その長さに沿ってサイズおよび/または形状が異なり得る。いくつかの実施形態において、穿刺部材508は、その長さの実質的な部分に沿って実質的に円形の断面を有する。円形の幾何学形状は、穿刺部材508にすべての半径方向に実質的に等しい強度を与え、それによって、そうでなければ穿刺部材508の挿入の際に起こり得る曲げまたは破損を防ぐ。円形の穿刺部材508によってセプタムに形成された開口部の対称性は、角度のついた幾何学形状で生じる可能性がある挟み込みを防ぎ、穿刺部材508を、セプタムを介してより容易に挿入することを可能にする。有利には、穿刺部材508とセプタムの開口部との一致する円対称性は、たとえアダプタが誤ってねじれたとしても、穿刺部材508とセプタムとの間の緊密な嵌合を保証する。したがって、危険な液体または気体がバイアルから漏れる、または不純な空気がバイアルに入ってその内容物を汚染するという危険性は、いくつかの例では、円対称の構成によって低減され得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、穿刺部材508は中空である。穿刺部材508の部分は、穿刺部材508のその部分に実質的に均一な厚さをもたらすために互いに実質的に一致する内面および外面を有し得る。加えて、いくつかの実施形態では、穿刺部材508の内面の形状が穿刺部材508の外面のそれと異なるので、穿刺部材508の一部は様々な厚さを有し得る。図示された実施形態では、穿刺部材508の下半分は、実質的に均一な厚さを有すると見なすことができ、穿刺部材508の上半分は、より小さい実質的に均一な厚さを有すると見なすことができる。様々な実施形態において、穿刺部材508の所与の部分の厚さは、約0.001インチ~0.080インチの間、約0.020インチ~0.060インチの間、または、約0.030インチ~約0.050インチの間であり得る。他の実施形態では、穿刺部材608の一部分の厚さは、約0.001インチよりも大きい、約0.020インチよりも大きい、または、約0.030インチよりも大きい。さらに他の実施形態では、厚さは約0.080インチ未満、約0.060インチ未満、または、約0.050インチ未満である。いくつかの構成では、穿刺部材508の内面の断面は外面のそれとは異なる形状である。穿刺部材508の様々な部分の形状および厚さは、穿刺部材508の個々の部分の強度を最適化するように変更され得る。
【0096】
同様に、挿入部材216も実質的に均一な厚さの部分を有し得る。いくつかの実施形態において、挿入部材216の所与の部分の厚さは、約0.001インチ~0.080インチの間、約0.020インチ~0.060インチの間、または、約0.030インチ~約0.050インチの間であり得る。他の実施形態では、挿入部材216の一部分の厚さは、約0.001インチよりも大きい、約0.020インチよりも大きい、または、約0.030インチよりも大きい。さらに他の実施形態では、厚さは約0.080インチ未満、約0.060インチ未満、または、約0.050インチ未満である。
【0097】
穿刺部材508の長さは、バイアルのセプタムを容易に完全に突き刺し、小さなバイアル内に快適に嵌合するように構成され得る。特定の小さなバイアルは、より低い高さを有し、より短い穿刺部材508を必要とする。穿刺部材508が長すぎると、それがバイアルの底面を突き破るか、或いは、穿刺部材508が開放構成に展開するように構成されていると(図8に関してさらに説明されるように)、穿刺部材508は、完全に展開しなくてもよい。しかしながら、同時に、より厚いセプタムを有するバイアルがあり得る。例えば、厚いセプタムを含むバイアルは日本で一般的に見られる。穿刺部材508が短すぎると、それはセプタムを完全に突き抜けず、バイアル内で展開しない。したがって、穿刺部材508の長さは、アダプタ200が小さなバイアルと共に使用されることを可能にするように慎重に構成されなければならない。
【0098】
いくつかの例では、穿刺部材508の長さは、約0.3インチ~約1.3インチの間、約0.5インチ~約1.1インチの間、または、約0.7インチ~0.9インチの間であり得る。他の例では、長さは約0.3インチよりも大きい、約0.5インチよりも大きい、または、約0.7インチよりも大きい。さらに他の例では、長さは約1.3インチ未満、約1.1インチ未満、または、約0.9インチ未満である。
【0099】
アダプタ200を初期段階からその次の段階に移行させるために挿入部材216を移動させなければならない長さもまた、穿刺部材508がバイアルのセプタムを完全に穿刺し、小さなバイアル内に快適に収まるように構成され得る。移動距離が長すぎると、穿刺部材508がバイアルの底面を突き破ることがある。移動距離が短すぎると、穿刺部材508はセプタムを完全に穿刺できないか、またはバイアル内で展開することができない可能性がある。図1を見ると、アダプタ200が次の段階に移行するために挿入部材216を動かさなければならない長さは、係合部材220にしっかりと係合するノッチ222とタブ214との間の距離の関数であることが分かる。この距離も挿入部材216の長さに直接関係している。
【0100】
穿刺部材508が、完全に開口しているかまたはバイアルの中に配置されている場合、ノッチ222とタブ214との間の移動距離は、少なくとも穿刺部材508の遠位部分508bの長さに加えられたセプタムの厚さより大きくなければならない。そうでなければ、穿刺部材508の遠位部分508bのいくつかは、セプタムに留まったままであり、穿刺部材508は閉じたままにされるであろう。いくつかの実施形態では、ノッチ222とタブ214との間の移動距離は、約0.4インチ~2インチの間、約0.6インチ~1.6インチの間、または、約0.8インチ~1.2インチの間である。他の例では、長さは約0.4インチよりも大きい、約0.6インチよりも大きい、または、約0.8インチよりも大きい。さらに他の例では、長さは約2.0インチ未満、約1.6インチ未満、または、約1.2インチ未満である。
【0101】
特定の実施形態では、アダプタはリザーバ506を含み得る。いくつかの構成では、リザーバ506は、折り畳むことなく、挿入部材216および/または穿刺部材508内に嵌合するような形状およびサイズであり得る。このような構成のいくつかにおいて、穿刺部材508の遠位部分508bが閉じた構成で保持されるときに、リザーバ506の遠位部分は、穿刺部材508内に(折り畳むことなく)嵌合するように成形およびサイズ決めされ得る。いくつかの構成では、リザーバ506のうねりは、リザーバ506が穿刺部材508内によりコンパクトに嵌合することを可能にし得る。リザーバ506は、複数のアームを有する星形のようにうねっていてもよい。それぞれのアームは、閉じたときに穿刺部材508内に嵌合するように折り畳まれ、巻かれ、くしゃくしゃにされ、または他の方法で操作され得る。他の構成では、リザーバ506は、それが自然に星形の断面を有し、実質的に円筒形のバイアルを満たすように拡張され得るように成型または成形され得る。リザーバ506は、概して、拡張、圧縮、および/または、収縮するように構成され、Mylar(登録商標)、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、サラン、ラテックス・ゴム、ポリイソプレン、シリコーン・ゴム、および、ポリウレタンを含む多種多様な材料のうちのいずれかを含み得る。いくつかの実施形態では、リザーバ506は、挿入部材216と実質的に気密シールを形成することができる材料を含む。他の実施形態では、リザーバ506は、実質的に気密係合で挿入部材216に接着できる材料を含む。さらに他の実施形態では、リザーバ506は、穿刺部材508と実質的に気密シールを形成し得る材料を含むか、または実質的に気密係合で穿刺部材508に接着され得る。多くの場合、リザーバ506は、液体および空気に対して概して不浸透性の材料を含む。特定の実施形態では、リザーバ506は、バイアルの意図された内容物に対して不活性な材料を含むことが好ましい。いくつかの実施形態では、リザーバ506は、約10~約40の間のデュロメータを有するラテックス・フリーのシリコーンを含む。いくつかの実施形態では、リザーバ506は、2008年3月7日に出願された「VIAL ADAPTORS AND VIALS FOR REGULATION PRESSURE」という発明名称の米国特許第7,883,499号明細書の図16に示された構造に類似しており、この特許の内容全体は、この参照によって本明細書に組み込まれ、本明細書の一部とされる。
【0102】
リザーバ506は、任意の適切な手段によって挿入部材216に取り付けられ得る。いくつかの構成では、リザーバ506は、任意の適切な方法によって挿入部材216の端部または挿入部材216の内部に固定され得る。いくつかの構成では、リザーバ506の近位端のみが挿入部材216に固定され、リザーバ506の残りの部分を自由に拡張させる。リザーバ506を挿入部材216に固定するための適切な手段は、接着剤、熱シール、テンション・フィットなどを含むいくつかの例と共に、挿入部材216を穿刺部材508に取り付けることに関して説明された方法を含み得る。
【0103】
いくつかの構成では、リザーバ506の少なくとも近位端(図示せず)は挿入部材216と実質的に気密に係合している。いくつかの例では、リザーバ506の近位端がリザーバ506の他の部分よりも厚く、リザーバ506の残りの部分よりも挿入部材216内によりぴったりと嵌合すると、実質的に気密なシールが達成される。特定の例では、リザーバ506のより厚い近位端は、リザーバ506の残りの部分よりも高いデュロメータ材料を含む。いくつかの例では、近位端は、約40~約70の間のデュロメータを有するラテックス・フリーのシリコーンを含む。他の例では、リザーバ506の近位端は、近位端を挿入部材216に対して押圧するプラスチック・スリーブ(図示せず)によって挿入部材216内に保持されている。さらなる例では、リザーバ506の近位端は、熱シールまたは糊付けなどの任意の適切な方法によって、挿入部材216に接着される。いくつかの実施形態では、近位端よりもリザーバ506の大部分が挿入部材216と実質的に気密に接触している。いくつかの実施形態では、リザーバ506の近位端にリザーバ・フランジ(符号なし)が配置される。アダプタ200を製造する方法は、リザーバ・フランジ(符号なし)が挿入部材216の近位端に載るように、リザーバ506を挿入部材216に挿入するステップを含み得る。次いで、ハンドル208を挿入部材216の近位端とハンドル208との間でリザーバ506がリザーバ・フランジ(符号なし)の摩擦嵌合によって固定されるように、挿入部材216の近位端に取り付けられ得る。
【0104】
様々な構成において、リザーバ506は様々なサイズおよび厚さを有してもよく、様々なサイズおよび厚さに拡張可能であるように構成され得る。いくつかの構成では、リザーバ506は、折り畳まずに挿入部材216と穿刺部材508の両方の中に収まるようにサイズ決めされる。したがって、リザーバ506は、それらに嵌合するために、挿入部材216および穿刺部材508の両方よりも小さい直径を有し得る。いくつかの構成では、リザーバ506は、挿入部材216および/または穿刺部材508よりも実質的に小さい直径を有し得る。したがって、いくつかの構成では、リザーバ506は、0.25インチ、0.1875インチ、0.125インチ、または、0.0625インチ以下の直径を有し得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、リザーバ506は、バイアルを実質的に満たすように拡張するようにサイズ設定されて構成されている。例えば、いくつかの構成では、リザーバ506は、バイアル内の容積のかなりの部分を満たすように拡張するようにサイズ設定されて構成された可撓性の拡張可能材料を含む。いくつかの例では、リザーバ506は、単一のアダプタが様々なサイズのバイアルで動作するように構成され得るように、ある範囲の容積を実質的に満たすように拡張可能である。いくつかの実施形態では、リザーバ506は、1つのバイアルの少なくとも約25、30、35、40、45、50、60、70、80、または、90パーセントを満たすように構成される。他の実施形態では、リザーバ506は、アダプタとバイアルを結合する前のバイアル内部に含まれる流体の容積の少なくとも約30、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、または、90パーセントに等しい容積を満たすように構成される。いくつかの実施形態では、リザーバ506は、アダプタ200とバイアル210との結合する前に、バイアル内に含まれる流体の容積の約70パーセントに等しい容積を満たすように構成される。他の実施形態では、リザーバ506は、第1の容積を有する第1のバイアルの少なくとも約25、30、35、40、45、50、60、70、80、または、90パーセントと、第1の容積よりも大きい第2の容積を有する第2のバイアルの少なくとも約25、30、35、40、45、50、60、70、80、または、90パーセントとを満たすように構成される。いくつかの実施形態では、リザーバは、最大で約10ミリリットルまたは最大で約20ミリリットルの容積を有するバイアルのかなりの量を満たすのに十分な大きさ、形状、および/または柔軟性を有する。
【0106】
特定の構成では、リザーバ506の内部とアダプタを囲む環境との間に流体連通があり得る。いくつかの構成では、リザーバ506の内部は、調整器開口部を介してアダプタを囲む環境と流体連通され得る。調整器開口部は、図11に関してさらに詳細に図示されて説明されている。
【0107】
特定の構成では、アダプタがその初期段階にあるときにリザーバ506全体が挿入部材216および/または穿刺部材508内に位置するように、リザーバ506が特別な形状にされ得る。いくつかの構成では、アダプタがバイアルに連結されているときに、リザーバ506が挿入部材216および穿刺部材508内に留まることさえあり得る。したがって、穿刺部材508がバイアルに挿入されたときに、リザーバ506は、概して、穿刺部材508によって破裂または裂傷から保護される。いくつかの構成では、リザーバ506は、挿入部材216および/または穿刺部材508によって画定された調整器チャネル504内に存在し得る。そのような構成のいくつかにおいて、リザーバ506は調整器チャネル504に存在するが、抽出器チャネル502には存在しない。したがって、いくつかの実施形態において、リザーバ506の近位端は馬蹄形の断面を有し得る。したがって、いくつかの実施形態では、アダプタがその初期段階にあるとき、リザーバ506は、挿入部材216および穿刺部材508の中の調整器チャネル504内に嵌合する。いくつかの実施形態では、リザーバ506は、リザーバ506の中心を通る長手方向平面に関して対称である。
【0108】
リザーバ506が挿入部材216の全長に亘り、折り畳みなしに、穿刺部材508の内側に嵌合する遠位部分を有することを可能にする長さでリザーバ506が構成されることが望ましい場合がある。したがって、リザーバ506の最大長さは、穿刺部材508の長さに挿入部材216の長さを追加した長さであることが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、リザーバ506の高さは、約0.75~5.25インチの間、約1.25~3.75インチの間、または、約1.75~2.75インチの間であり得る。他の構成では、高さは少なくとも約0.75インチ、少なくとも約1.25インチ、または、少なくとも約1.75インチである。さらに他の構成では、高さは約5.25インチ以下、約3.75インチ以下、または、約2.75インチ以下である。いくつかの実施形態では、高さは約2.00インチである。
【0109】
いくつかの実施形態では、リザーバ506の遠位部分は、図5に示されるように、概して円筒形で、遠位端は丸みを帯びている。標準的な薬用バイアルの場合のように、円筒形の構成は、大部分が円筒形のバイアルと共に使用するのに有利であり得る。なぜなら、それは、リザーバ506がバイアルの内容積に実質的に一致する形状に拡張することを可能にするからである。しかしながら、リザーバ506の遠位部分は、例えば、概ね球形、概ね円筒形、概ね円錐形、概ね球状、概ね長方形、概ね三角形などの任意の形状とされ得る。
【0110】
前述したように、いくつかの実施形態では、リザーバ506の近位部分は、凹状に丸みを帯びた断面または馬蹄形を有し得る。図示された実施形態では、リザーバ506の近位部分は凹状に丸みを帯びた断面または馬蹄形を有し、リザーバ506の遠位部分は概して円筒形であって、丸みを帯びた遠位端を有する。リザーバ506の遠位部分の曲率半径は、凹状の曲率半径よりも大きくてもよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、リザーバ506の少なくとも遠位部分は膨張性材料を含む。様々な構成において、未拡張状態の遠位部分は、約0.010インチ~約0.600インチの間、約0.030インチ~約0.350インチの間、または、約0.050インチ~約0.250インチの間の外径を有する。いくつかの構成において、外径は、約0.010より大きい、約0.030インチより大きい、または、約0.050インチより大きい。他の構成では、外径は、約0.600インチ未満、約0.350インチ未満、または、約0.250インチ未満である。様々な構成において、未拡張状態の遠位部分268は、約0.30インチ~約1.30インチの間、約0.50インチ~約1.10インチの間、または、約0.70インチ~0.90インチの間の高さを有する。いくつかの構成では、高さは、約0.30インチよりも大きい、約0.50インチよりも大きい、または、約0.70インチよりも大きい。他の構成では、高さは、約1.30インチ未満、約1.10インチ未満、または、約0.90インチ未満である。いくつかの構成では、高さは約0.75インチである。
【0112】
いくつかの実施形態では、リザーバ506またはリザーバ506の遠位部分は、約0.001インチ~0.004インチの間、約0.0005インチ~約0.010インチの間、約0.001インチ~約0.002インチの間、約0.002インチ~約0.003インチ、または、約0.003インチ~約0.004インチの厚さの壁を有する。いくつかの実施形態では、壁は、約0.001~0.025インチの間、約0.001~0.010インチの間、または、約0.010~0.025インチの間の厚さを有する。他の構成では、壁は、0.0005インチを超える、0.001インチを超える、0.002インチを超える、0.003インチを超える、0.005インチを超える、約0.010インチを超える、約0.015インチを超える、または、約0.020インチを超える厚さである。さらに他の構成では、壁は、約0.025インチ未満、約0.020インチ未満、約0.015インチ未満、約0.010インチ未満、約0.005インチ未満、約0.004インチ未満、約0.003インチ未満、約0.003インチ未満、または、約0.002インチ未満の厚さである。いくつかの実施形態では、壁の厚さは約0.015インチである。
【0113】
多くの構成において、リザーバ506は、製造中または使用中の引き裂きまたは穿刺に耐えるのに十分な厚さであるが、約1psi以下、約2psi以下、約3psi以上、約4psi以下、または約5psi以下の圧力差などの比較的小さい圧力差で収縮するのに十分に柔軟である。
【0114】
特定の実施形態では、キャップ・コネクタ224は、アダプタ200をバイアルに固定するのを助ける1つまたは複数の突起512を含む。1つまたは複数の突起512は、キャップ・コネクタ224の軸方向中心に向かって延びる。いくつかの構成では、1つまたは複数の突起512は、キャップ・コネクタの内部の周りに延びる単一の円形フランジを備える。キャップ・コネクタ224は、1つまたは複数の突起512の上面がバイアルのキャップ、隆起部、またはネック部の下面に当接して、アダプタ200を定位置に固定するのを助けるようにサイズ設定されて構成され得る。いくつかの実施形態では、突起512は、キャップの下面とバイアルのネック部の隆起部との間の空間など、バイアル上の2つの異なる特徴によって形成された溝に嵌合し、アダプタ200を定位置に固定するのを助ける。
【0115】
1つ以上の突起512は、アダプタとバイアルとの結合を容易にするために、丸みを帯びているか、面取りされているか、または他の方法で成形され得る。例えば、面取りされた突起512を有するアダプタがバイアルに導入されると、面取りされた突起512の下面がバイアルのキャップの上面に当接する。アダプタがバイアル上を前進すると、丸みを帯びた表面がキャップ・コネクタ224を半径方向外側に拡張させる。アダプタがバイアル上にさらに進められると、変形したキャップ・コネクタ224の弾性力が突起512をバイアルのキャップ、隆起部、またはネック部の下に着座させ、それによってアダプタを定位置に固定する。
【0116】
いくつかの実施形態では、キャップ・コネクタ224はリップ部516を含み得る。他の実施形態では、挿入部材チャネル218はリップ部516を含み得る。リップ部516は、アダプタ200がバイアルに連結されているときに、穿刺部材508の先端部510がバイアルのセプタムにほとんど触れないように構成されている。この特徴は、リップ部516に押し付けられたバイアルのセプタムと、バイアルのセプタムにかろうじて接触している穿刺部材508の先端とを示す図6から理解され得る。
【0117】
特定の実施形態において、キャップ・コネクタ224は、1つ以上の突起514を含み得る。突起514は、係合部材220の基部の下に配置され得る1つ以上の突起、隆起などであり得る。アダプタ200に結合されると、バイアルのキャップは突起514を押して、係合部材ロック解除230の機構を引き金にし得る。突起514を押すと、係合部材220の基部に接続されているキャップ・コネクタ224の部分を外側に押し得る。図に示されるように、これにより係合部材220が再位置決めされ、もはやノッチ222と係合しなくなる。したがって、突起514は、アダプタ200をバイアルに完全に結合したときにのみ係合部材220を係合解除するように構成され、アダプタ200がその初期段階から次の段階に移行することを可能にする。
【0118】
いくつかの実施形態では、挿入部材チャネル218と挿入部材216との間に存在するシール(図示せず)があってもよい。シールは、挿入部材チャネル218の内面に沿った任意の点に配置され得る。バイアルへの挿入部材216の挿入中、またはバイアルへの内容物の追加または引き出し中に、挿入部材チャネル218と挿入部材216との間から蒸気および液体が漏れるのを防ぐように設計されている。いくつかの実施形態では、いったん挿入部材216がバイアルに挿入されると、シールは定位置に固定されて動かなくなり得る。シールは、挿入部材チャネル218および挿入部材216と実質的に気密なシールを形成するための任意の適切な材料を含み得る。いくつかの構成では、シールはポリエチレンを含む。いくつかの実施形態では、シールはOリングを含む。
【0119】
図6は、初期段階におけるバイアル・アダプタ200およびバイアル600の断面図である。
【0120】
バイアル600は、薬液および/または比較的少量の滅菌空気を含み得る。バイアル600は、薬液を保存するための任意の適切な容器を含み得る。いくつかの例では、バイアル600は、イリノイ州アボットパークのアボットラボラトリーズによって製造されているものなど、当技術分野で知られているいくつかの標準的な医療用バイアルのいずれかを含む。好ましくは、バイアル600は気密にシールされ得る。いくつかの実施形態では、バイアル600は、粉末、濃縮液、または、患者への投与前に希釈される他の何らかの物質を収容し得る。したがって、特定の実施形態では、希釈剤を、アダプタ200を介してバイアル600に添加する必要があり得る。
【0121】
いくつかの構成では、バイアル600は、本体602、キャップ604、およびセプタム606を含む。本体602は、好ましくは、プラスチックまたはガラスなどの剛性の実質的に不浸透性の材料を含む。セプタム606は、アイテムによって穿刺されたときにそのアイテムの周囲に実質的に気密シールを形成するように変形することができるエラストマー材料を含み得る。例えば、いくつかの例では、セプタム606はシリコーン・ゴムまたはブチル・ゴムを含む。セプタム606の厚さは実施形態によって異なり得る。例えば、米国スタイルのバイアルでは、セプタム606は中央に薄い部分を有し得るが、その一方、日本スタイルのバイアルでは、セプタム606は全体的により大きい厚さを有し得る。いくつかの実施形態では、キャップ604は、セプタム606或いはセプタム606および本体602の一部を覆う薄い金属ケーシングであり得る。
【0122】
特定の実施形態では、キャップ604は、本体602のトップから外向きに延びる下面を有し得る。いくつかの実施形態では、本体602は、本体602のトップから外向きに延びる隆起部608を有し得る。いくつかのそのような実施形態では、隆起部608およびキャップ604の下面は溝610を画定し得る。
【0123】
図7は、バイアル600と結合された後の初期段階におけるバイアル・アダプタ200の部分切欠図である。
【0124】
図示された実施形態では、キャップ・コネクタ224は、アダプタ200をキャップ604にしっかりと固定する。アダプタ512がバイアル600に結合されるとき、リップ部516は、穿刺部材508の先端部510をバイアル600のセプタム606にかろうじて接触させ続ける。アダプタ200がバイアル600に結合されると、穿刺部材508は、バイアル600のセプタム606に当接するかまたは隣接され得る。また、アダプタ200とバイアル600とが結合されると、穿刺部材508は、セプタム606に対してほぼ垂直に配向されるように示されている。アダプタ200とバイアル600とが結合されたときに挿入経路もセプタム606に対して垂直である場合、アダプタ200をバイアル600に結合することによって、穿刺部材508と挿入経路との両方の向きが垂直であるため、穿刺部材508が確実にバイアル600のセプタム606内に真っ直ぐに突き刺さる。バイアル600のキャップ604は、キャップ・コネクタ224内の突起514を押し、それにより、係合部材220が外側に曲がり、係合部材ロック解除230の機構によって挿入部材216のノッチ222から外れる。
【0125】
アダプタ200がバイアル600に完全に結合され、係合部材220がもはやノッチ222と係合していないので、挿入部材216は自由に下方にスライドして、穿刺部材508の先端部510を、セプタム606を介して押し込む。したがって、アダプタ200がバイアル600に完全に結合されたときに、挿入部材216は下方向にスライドしてセプタム606を突き刺し得るだけである。この特徴は、挿入部材216のバイアル600への斜め挿入を防止する。
【0126】
キャップ・コネクタ224の内側の前述した突起512などのアダプタ200の機構は、バイアル600の機構としっかりと係合し得る。例えば、キャップ・コネクタ224の内側の突起512は、上面が垂直になるように構成され得る。例えば、キャップ・コネクタ224の内側の突起512は、1つ以上の突起512の上面がキャップ604の下面に当接して、アダプタ200がバイアル600から引き離されないように固定するように構成され得る。
【0127】
いくつかの構成では、突起512は、隆起部608およびキャップ604の下面によって画定される溝610内に着座するように構成され、アダプタ200がバイアル600から引き離されてバイアルの方へさらに押されるのを防ぐ。図示された実施形態に示すように、係合部材220は、ノッチ222から外れるのに十分なほど外側に曲げられており、タブ214を新しい外側に曲げられた位置にしっかりと係合させ得る。係合部材220は、いったんしっかり係合するとタブ214から外れないように構成され得、それにより挿入部材216が完全に挿入され、アダプタ200がその次の段階に維持される。アダプタ200がこの状態でバイアル600に向かってさらに押されるのを防ぐことが望ましい場合があり、なぜなら、そうするとキャップ604が突起514に対してさらに押される可能性があるからである。これにより、係合部材220がタブ214から外れて挿入部材216がバイアル600から滑り出ることができるようになるまで、係合部材220がさらに外側に押し出される可能性がある。
【0128】
使用者がアダプタ200の使用を終了したとき、使用者は、アダプタ200をバイアルから切り離すためにリップ部226を掴むことができる。いくつかの構成では、リップ部226を握ると、キャップ・コネクタ224が外側に変形し、キャップ・コネクタ224の突起512が溝610またはキャップ604の下面から外れる。これにより、バイアル600上の突起512の握りが少なくなり、アダプタ200を引き抜くことが可能になる。
【0129】
図8は、バイアル・アダプタ200がバイアル600と連結された後の初期段階から次の段階への移行中のバイアル・アダプタ200の部分切欠図である。
【0130】
図示されるように、挿入部材216は、挿入部材チャネル218を通って下方に押され、バイアル600のセプタム606を通ってバイアル本体602の内側を貫通する穿刺部材508の先端部510を駆動する。しかしながら、挿入部材216は、穿刺部材508がバイアル600内に展開し、アダプタ200がその次の段階になる点まで完全には挿入されていない。
【0131】
係合部材220は外向きに撓んで見え、アダプタ200の係合部材ロック解除230の機構のために挿入部材216とはもはや係合していない。係合部材220は、挿入部材216のノッチ222ともはや係合しないが、挿入部材216がさらに挿入部材チャネル218内に押し込まれる場合に、それらがロッキング・リング210のタブ214と確実に係合することを可能にする理想的な外側位置にある点まで外側に曲げられている。
【0132】
図8はまた、ハンドル208の開口部206を異なる角度で示している。提供された視野角から、開口部206を通して下方を見ている使用者は、ロッキング・リング210のタブ214を見ることができることが分かる。いくつかの実施形態では、係合部材220とロッキング・リング210とは異なる色であるため、使用者は、開口部206を素早く覗くことによって、係合部材220がロッキング・リング210のタブ214にしっかりと係合しているかどうかを判断できる。例えば、使用者が開口部206を通して係合部材220の色を見る場合、使用者は、係合部材220がタブ214にしっかりと係合しており、挿入部材216がバイアル600から抜け落ちバイアル600の内容物を漏出またはこぼすことのないことをすぐに知ることができる。
【0133】
図9は、バイアル600と連結された後の後続段階におけるバイアル・アダプタ200の斜視図である。
【0134】
図9は、ハンドル208の開口部206の有用性をさらに示している。図示では、係合部材220は、おそらくロッキング・リング210のタブ214と確実に係合している。しかしながら、図示された視野角から、係合部材220が実際にタブ214と係合しているかどうかを判断することは困難である。したがって、アダプタ200は、アダプタ200が次の段階にあるかどうか、または係合部材220がタブ214にしっかりと係合しているかどうかを使用者が迅速に判断できるように構成され得る。
【0135】
いくつかの実施形態では、穿刺部材508は、2つ以上の別々の部材902、904を含み得る。例示された実施形態では、アダプタ200は、3つの別々の部材902と1つの別個の部材904とを有するように示される。いくつかの構成では、別個の部材904は、穿刺部材508の先端部510を備える。したがって、2つ以上の完全に別個の部材902、904があってもよいが、一般に、少なくとも1つの別個の部材904があるであろう。いくつかの構成では、先端部510は1つ以上の別個の部材904上に成形される。いくつかの実施形態では、穿刺部材508は近位部分508aおよび遠位部分508bを含み、遠位部分508bは2つ以上の別々の部材902、904を含む。いくつかの実施形態では、別々の部材902、904は、穿刺部材508の近位部分508aで出会う。いくつかの構成では、別々の部材902、904が動くことを許されながら、穿刺部材508の近位部分508aは固定される。
【0136】
アダプタ200の初期段階では、前の図に示されているように、穿刺部材508の別々の部材902、904は閉じた構成になっている。穿刺部材508が閉じた構成にあるとき、別々の部材902、904は、組み合わせられて、協働してリザーバ502の遠位部分を収容する。リザーバ502の遠位部分は、折り畳まれることなく閉じられた穿刺部材508内に嵌合するような大きさおよび形状である。
【0137】
図9に示すような特定の実施形態では、別々の部材902、904は開放構成に向かって付勢されている。いくつかの例では、付勢は、別々の部材902、904を作成するために使用される方法によってもたらされる。別々の部材902、904は、一体成形されたプラスチック片から一体的に形成されてもよく、成形プロセス中にそれらはそれらの広がった開いた構成に成形されてもよい。
【0138】
アダプタ200が組み立てられると、別々の部材902、904は、挿入部材チャネル218内に配置され得る穿刺部材508の閉じた構成と一緒にされ得る。挿入部材チャネル218は、穿刺部材508の一部が挿入部材チャネル218内にあるとき、穿刺部材508をその中に保持する。穿刺部材508が閉鎖構成にあるとき、それは1つまたは複数の別個の部材904から来る先端部510を有する。穿刺部材508の他の脚部、すなわち別個の部材902は、穿刺部材508が挿入部材チャネル218内で折り畳まれたときに、先端部510と同一平面上に嵌合することができる。したがって、挿入部材チャネル218は、穿刺部材508が、開放構成に向かって付勢されているセプタム606を容易に穿孔することができるように、個別部材902、904を閉鎖構成に保持し得る。
【0139】
穿刺部材508がバイアル600に入ると、穿刺部材508が挿入部材チャネル218から滑り落ちてそれが成形された付勢構成に戻るまで、それはセプタム606を通って続く。いくつかの実施形態では、バイアル600に入る穿刺部材508は、別々の部材902、904をそれらの自然に開いた構成に戻す。これにより、リザーバ506がバイアル600の内部に露出するように、リザーバ506がバイアル600内に展開され得る。
【0140】
前述したように、任意の数の別個の部材902および少なくとも1つの別個の部材904があり得る。図示されたように、穿刺部材508は、別個の部材904および3つの別々の部材902の合計4つの別々の部材から構成されるように示される。様々な構成では、穿刺部材508は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つの完全に別個の部材などを含み得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、穿刺部材508の別々の部材は、穿刺部材508の「リーブズ(leaves)」と呼ばれ、それぞれの別々の部材は「リーフ(leaf)」と呼ばれる。一般に、「リーブズ」という用語は、単一の「ステム(stem)」から延びる1つまたは複数のコンポーネント、延長部分、部材などとしてよりよく理解され得る。したがって、いくつかの実施形態では、穿刺部材508は、穿刺部材508の「ステム」から延びる複数の「リーブズ」(例えば、別々の部材)を有すると見なすことができる。そのような実施形態のいくつかでは、リーブズの端部または先端が離れて発散するように、穿刺部材508のリーブズが、広がった構成に向かって付勢され得る。リーブズを一緒に折りたたむか動かすと、リーブズの端や先端が一緒になり得る。
【0142】
いくつかの構成では、アダプタ200は小さなバイアルと共に機能するように構成される。小さいバイアルは、より低い高さまたはより狭い直径を有し得る。別々の部材902、904の長さ、ならびに別々の部材902、904がそれらの開いた構成と閉じた構成との間で形成された角度は、その完全に開いた構成の中の穿刺部材508がバイアル中に収まることができるように構成され得る。
【0143】
いくつかの構成では、別個の部材902、904の長さは、約0.250インチ~1.0インチの間、約0.40インチ~0.80インチの間、および、約0.50インチ~0.70インチの間であり得る。いくつかの構成では、別々の部材902、904がそれらの開放構成と閉鎖構成との間で形成される角度は、約10度~60度の間、約20度~50度の間、または、約30度~40度の間であり得る。
【0144】
上記のように、いくつかの例では、バイアル600の本体602は、ガラスまたはプラスチックなどの実質的に硬質の材料を含む。したがって、リザーバ506がバイアル600内に展開される構成は、リザーバ506を、偶発的なかぎ裂き、切り裂き、または、引き裂きから有利に遮断する。さらに、リザーバ506がバイアル600内に配置される構成は、他の構成よりも低い重心を有することができ、これは、バイアル600の偶発的な転倒およびこぼれを防ぐのに役立つ。さらに、挿入部材216は、バイアル内に完全に前進すると、所定の位置にロックされるので、一般にバイアル600から引き抜くことができない。これにより、リザーバ506が展開された後に、リザーバ506の周りで別個の部材902、904を折り畳む可能性など、リザーバ506を穿刺または引き裂く可能性が低減される。
【0145】
図10は、バイアル・アダプタ200がバイアル600と連結された後の次の段階におけるバイアル・アダプタ200の部分切欠図である。
【0146】
この次の段階では、キャップ604は、係合部材220を外側に押す突起514を押圧しているのが見られる。係合部材220がこの外側に撓んだ位置にあると、これらはタブ214と確実に係合され得る。キャップ・コネクタ224がバイアル600から引き離されたとしても、係合部材220はタブ214と確実に係合したままで、その後の段階でアダプタ200をロックする。係合部材220はまた、挿入部材216が挿入部材チャネル218を通ってバイアル600から滑り出るのを防止する。
【0147】
穿刺部材508の遠位部分508bは開放構成にある。遠位部分508bは別個の部材902、904に分離している。図では、1つの別個の部材902のみが示されている。先端部510は、別個の部材904の遠位端に配置されている。
【0148】
この次の段階では、リザーバ506が展開されてバイアル600の内部にさらされている。調整器チャネル504は周囲の空気およびリザーバ506と流体連通され得る。しかしながら、バイアル600の内側の流体および空気がバイアルの外側の空気、例えばリザーバ506の内側の周囲の空気と接触しないように、リザーバ506は、実質的に不浸透性の材料を含み得る。
【0149】
図示された実施形態では、抽出器チャネル502の抽出器開口部が挿入部材216の内部または外部表面の内側の位置に配置されるように、抽出器チャネル502が挿入部材216を貫通して延びる。しかしながら、いくつかの構成では、抽出器開口部は、穿刺部材508の内部、またはその外面の内側の位置に配置されている。特定の実施形態では、示されるように、アダプタ200がその次の段階にあり、穿刺部材508が開放構成にあるとき、抽出器チャネル502の遠位端の抽出器開口部はバイアル600の内部に露出される。これによって、バイアル600の内容物が、抽出器チャネル502を介して引き出される。
【0150】
いくつかの構成では、抽出器チャネル502の遠位端の抽出器開口部は、バイアル600のリザーバ506またはセプタム606のいずれかと係合する抽出器チャネル502の表面に沿わないように配向され得る。抽出器チャネル502の遠位端の抽出器開口部は、抽出器チャネル502の軸方向端部の開口部、或いは、バイアル600のセプタム606に対する水平方向の開口部であり得る。有利には、抽出器開口部の位置決めは、抽出器開口部がバイアル600のセプタム606によって塞がれるのを防ぎ、抽出器開口部が膨張するリザーバ506によって塞がれる可能性を少なくする。
【0151】
いくつかの例では、流体が高価な薬であるときなど、バイアル600内の実質的にすべての流体を除去することが望ましい。したがって、いくつかの構成では、アダプタ200が次の段階にあるとき、或いは、挿入部材216がバイアル600内に完全に挿入されたとき、抽出器チャネル502の遠位抽出器開口部は、バイアル600のセプタム606に可能な限り近接しているか、またはセプタムの内面と同一平面上にあり得る。有利なことに、これは遠位抽出器開口部が抽出器チャネル502を介してバイアル600から液体の大部分または全部を引き出すことを可能にする。
【0152】
アダプタ200が次の段階にあると、ロッキング・リング210は挿入部材チャネル218の近位端にあり得る。いくつかの構成では、ロッキング・リング210は、係合アーム220からロッキング・リング210にかかる張力のために、挿入部材チャネル218と実質的に気密な係合を形成し得る。ロッキング・リング210のタブ214が係合部材220にしっかりと係合するので、ロッキング・リング210は所定の位置にロックされ、取り外しできない。タブ214と係合部材220との間の確実な係合はまた、挿入部材216を定位置にロックし、挿入部材チャネル218を通ってスライドすることまたはバイアル600から引き出されることを防止する。
【0153】
いくつかの構成では、ロッキング・リング210は、挿入部材チャネル218と実質的に気密なシールを形成するためのシールまたは任意の適切な材料を含み得る。いくつかの例では、ロッキング・リング210は、当該分野で公知の標準的なOリングを含み得る。したがって、いくつかの構成では、ロッキング・リング210は、バイアル内の蒸気および液体が挿入部材216と挿入部材チャネル218との間から漏れるのを防ぐことができる。
【0154】
図11は、バイアル600と連結された後の後続段階におけるバイアル・アダプタ200の部分切欠図である。
【0155】
図示された実施形態では、挿入部材216は、抽出器チャネル502を備える。抽出器チャネル502は、近位抽出器開口部1102から遠位抽出器開口部1104まで延在する。示されるように、近位抽出器開口部1102は、挿入部材216の近位端と医療用コネクタ・インターフェース202の両方の中に形成される。
【0156】
図示された実施形態では、挿入部材216はまた、調整器開口部204で終端する調整器チャネル504を含む。図示されたように、調整器開口部204は、挿入部材216の近位端とハンドル208の両方の内部に形成される。いくつかの構成では、調整器開口部204は、周囲の空気と調整器チャネル504内にあるリザーバ506の内部との間の流体連通を可能にする。いくつかの実施形態では、調整器開口部204は、アダプタ200の軸心からわずかにずれている。いくつかの実施形態では、調整器開口部204は、医療用コネクタ・インターフェース202に近接(例えば、隣接)している。有利には、調整器開口部204は、望ましくない物体の通過を防ぐために十分に小さく、且つ、リザーバ506を外気に換気するために十分に大きくあり得る。比較的小さな調整器開口部204はまた、医療用コネクタ・インターフェース202を比較的中央に配置することを可能にし、これによって、アダプタ200のバランスをとり、アダプタ200がバイアル600と接続されるときの偶発的な転倒を防止するのを助ける。
【0157】
様々な実施形態において、調整器開口部204、抽出器開口部1102、および抽出器開口部1104は、実質的に円形、実質的に正方形、実質的に三角形、実質的に多角形などの任意の形状を有し得る。図示されたように、近位抽出器開口部1102、遠位抽出器開口部1104、および調整器開口部204はすべて実質的に円形である。様々な例では、これらの開口部のそれぞれの直径は、挿入部材216の直径の10パーセント~80パーセントの間、20パーセント~60パーセントの間、または、30パーセント~40パーセントの間であり得る。いくつかの構成では、これらの開口部のそれぞれの直径は、約0.006インチ~0.200インチの間、約0.012インチ~0.150インチの間、または、約0.018インチ~0.100インチの間であり得る。
【0158】
図示された実施形態では、アダプタ200はバイアル600と、その後の段階で結合される。バイアル600の外部は大気圧であると仮定され得る。したがって、この次の段階で、リザーバ506はバイアル600の内側と外側の両方にさらされる。バイアル600の外側と内側の間の圧力は、リザーバ506が拡張および/または収縮するにつれて平衡に達する。
【0159】
バイアル600およびアダプタ200は、バイアル600の内容物を引き出すために反転され得る。遠位抽出器開口部2104は、キャップ604の内面と同一平面上にあるように見ることができ、これによりバイアル600の内容物の実質的にすべてが引出し可能になる。流体は、バイアル600から遠位の抽出器開口部2104および抽出器チャネル502を通って引き出される。その流体は、近位の抽出器開口部1102を通って抽出器チャネル502を出て、医療用コネクタ・インターフェース202に連結されたシリンジなどの交換装置に入り得る。
【0160】
バイアル600の内容物が引き出されるにつれて、バイアル600の有効容積が増加し、それによってバイアル600内の圧力が減少する。バイアル600内の圧力が減少すると、リザーバ506の内側と外側との間の圧力差が増加する。より具体的には、リザーバ506の内部はバイアル600の外側のより高い圧力にさらされ、リザーバ508の反対側はバイアル600の内側のより低い圧力にさらされることになる。その結果、空気は調整器開口部204を通ってリザーバ506の内部に流入する。これにより、リザーバ506は、バイアル600から引き出される内容物の容積を補償する新しい容積に拡張する。いくつかの実施形態では、リザーバ506の組成および/またはリザーバ506と挿入部材216の内部との間のインターフェースは、リザーバ506の軸方向および/または半径方向のさらなる拡張を可能にし得る。バイアル600からの流体の回収が止まると、システムは再び平衡状態になる。有利には、システムはバイアル600の内容物の取り出しを容易にするためにほぼ平衡状態で動作する。
【0161】
他の例では、希釈剤がバイアル600に添加されている場合、または使用者がバイアル600から不要な液体(および/または空気)を引き抜いた場合など、流体がバイアル600に注入され得る。交換装置からの流体は、近位抽出器開口部1102を介して抽出器チャネル502に入ることができ、次いで遠位抽出器開口部2104を介してバイアル600に入り得る。流体がバイアル600に導入されると、バイアル600の周囲の圧力に対してバイアル600の内部の圧力が上昇する。その結果、これにより、リザーバ506は、戻された流体の容積を補償するためにより小さな容積に収縮する。この圧力差はまた、リザーバ506の内部から調整器開口部204を通って空気を追い出し、これにより、バイアル600内の圧力を低下させる。流体および/または空気がバイアル600内に注入されると、システムは平衡に近い状態で動作するので、バイアル600内の圧力は、流体および/または空気がバイアル600に添加されてもそれほど増加しない。
【0162】
アダプタ200内の任意のチャネル、通路、オリフィス、開口、または、開口部は、前述した参照によって本明細書に組み込まれている2009年8月19日に出願された、「ANTI-REFLUX VIAL ADAPTORS」という発明名称の米国特許第8,409,164号に記載されているような逆流防止弁を含む、任意の数のフィルターおよび/またはバルブを含み得る。例えば、任意のチャネルは、フィルターおよび/またはバルブを含み、調整器チャネル504または抽出器チャネル502などのチャネルを含み得る。任意の開口部は、(例えば、調整器開口部204を含む)1つ以上の調整器開口部のような開口部を含む、或いは、(例えば、近位抽出器開口部1102および遠位抽出器開口部1104を含む)1つ以上の抽出器開口部のような開口部を含む、フィルターおよび/またはバルブを含み得る。
【0163】
図12は、バイアル・アダプタ200がバイアル600と結合された後の後続段階におけるバイアル・アダプタ200の先端部の部分斜視図である。
【0164】
図12は、その開放構成における穿刺部材508の拡大図を提供する。先端部510を有する別個の部材904と、先端部を有さないが4つの別個の部材902、904のすべてが閉じた構成にあるときに先端部510とぴったり重なるように構成された3つの別個の部材902とが明らかに見える。
【0165】
図12はまた、キャップ・コネクタ224内の凹部228の役割を示す。いくつかの構成では、凹部200は、アダプタ200がバイアル600と結合されたときに抽出器開口部2104の配向を使用者に知らせるのに役立ち得る。例えば、いくつかの実施形態では、抽出器開口部1104の中心と凹部228の中心とは、挿入部材216の長手方向軸に対して実質的に垂直である直線に沿って実質的に同一線上にある。特定のそのような実施形態では、挿入部材216がバイアル600の内側にあるときに、抽出器開口部1104がバイアル600および/またはキャップ・コネクタ224の一部によって覆い隠される場合、それにもかかわらず、抽出器開口部1104の半径方向の向きが、バイアル600の外側にある凹部228の半径方向の向きを参照することによって決定され得る。いくつかの実施形態では、バイアル600から流体を抽出する方法は、流体が抽出器開口部1104の近くに集まることを可能にするために、凹部228を地面に向けるステップを含む。
【0166】
図13は、バイアル600と連結された後の後続段階におけるバイアル・アダプタ200の斜視図である。
【0167】
図14は、リザーバの一実施形態の斜視図である。
【0168】
より具体的には、この図は、挿入部材216内に嵌合するように構成されたリザーバ506の一実施形態を示す。
【0169】
いくつかの実施形態では、リザーバ506は、閉じた遠位端と近位端とを有する細長い本体を有し得る。近位端はまた、リザーバ506をアダプタ200に固定する目的で使用され得るリップ部を有し得る。近位端はまた、それを通って周囲の空気が流れるように構成された、少なくとも1つの開口を有し得る。図15は2つの開口を有する近位端を示すが、図14に図示された実施形態では1つの開口しか見えない。この開口は、リザーバ506がアダプタ200に固定されているときに抽出器チャネルのための通路を提供し得る。
【0170】
図15は、リザーバの一実施形態の斜視図である。
【0171】
この図は、2つの開口を有するように見られる、リザーバ506の近位端のより良い状況を提供する。小さい円形の開口は、リザーバ506がアダプタ200に固定されているときに抽出器チャネルの通路を提供し得る。この小さい円形の開口の寸法は、図11に示される遠位抽出器開口部1102の寸法と同様であり得る。
【0172】
より大きい開口は、周囲の空気がそれを通って流れることを可能にするように構成され得る。バイアル内の圧力を調整するために、周囲の空気がこの大きな開口を通ってリザーバ506の本体に入るか、または周囲の空気がこの大きな開口を通ってリザーバ506の本体を出ることができる。この開口は、図11に示される調整器開口部204の寸法と同様の寸法を有し得る。
【0173】
いくつかの実施形態では、リザーバ506の近位端は、抽出器チャネルが適合することができ、遠位抽出器開口部1104を塞ぐことなくリザーバ506の遠位端が拡張することを可能にする、ほぼハート型または馬蹄型の断面を有し得る。リザーバ506の近位端のより大きい開口はまた、リザーバ506の近位端の断面と一致するように概してハート形または馬蹄形の開口を有し得る。図に見られるように、リザーバ506の近位端の開口の形状1502は、概してハート形または馬蹄形である。開口のこの形状1502は、近位端におけるリザーバ506の断面と関連しており、これは、抽出器チャネルがリザーバ506の隣に嵌合するための空間をもたらす。
【0174】
いくつかの実施形態は、アダプタ200の使用方法を提供する。特定の実施形態は、アダプタ200の様々なコンポーネントを製造および組み立てる方法を提供する。
【0175】
アダプタ200の製造または使用中に、アダプタ200は、本開示において提供される任意の特徴または特徴の組み合わせを有し得る。例えば、いくつかの実施形態では、アダプタ200はハウジングと挿入アセンブリとを含み得る。ハウジングは、本開示において論じられた任意の特徴または特徴の組み合わせを有してもよく、挿入アセンブリもまた、本開示において論じられた任意の特徴または特徴の組み合わせを有し得る。
【0176】
いくつかの実施形態において、アダプタ200の使用は、アダプタ200をバイアル600に結合することを含み得る。アダプタ200をバイアル600に結合することは、スカートをスライドさせることなどによって、キャップ・コネクタ224をバイアル600に結合することを含み得る。これは、キャップ・コネクタ224を変形させ、キャップ・コネクタ224の突起512をバイアル600の特徴部に対して着座させ、アダプタ200をバイアル600に固定し得る。アダプタ200がバイアル600に完全に結合されると、穿刺部材508はバイアル600のセプタムに対して垂直になるので、それはバイアル600に真っ直ぐに挿入され得る。ここで使用されるように、セプタムの法線ベクトルから実質的に外れる角度を有する経路を介してセプタム内に挿入される穿刺部材508とは対照的に、穿刺部材508の挿入経路(例えば、穿刺部材508がそれに沿って移動する経路)がバイアル600のセプタムに対して垂直である場合、穿刺部材508がバイアル600に「真っ直ぐに」挿入される。
【0177】
アダプタ200がバイアル600に完全に結合されると、係合部材220は挿入部材216から外れる。例えば、アダプタ200をバイアル600に完全に結合すると、バイアル600を突起514に押し付けることによって係合部材ロック解除230機構がトリガになり得る。これにより、挿入部材216を挿入経路に沿ってスライド可能にするために、挿入部材216内のノッチ222から係合部材220を外すことができる。いくつかの実施形態では、挿入経路は、挿入部材チャネル218によって画定または境界決めがされ得る。
【0178】
挿入部材216をスライドさせるために係合部材220が挿入部材216から外れた状態で、使用者は、挿入部材216をさらに挿入部材チャネル218の中に穿刺部材508がバイアル600に入るまでスライドさせることによって、アダプタ200を初期段階から次の段階に移行させることができる。穿刺部材508は、バイアルのセプタムおよび挿入部材の挿入経路に対して予め垂直であって、挿入部材216の挿入経路もまた、挿入部材チャネル218によって画定されるようにバイアルのセプタムに対して垂直であるので、穿刺部材508は、まっすぐに(かつ角度を付けずに)バイアル600に入る。したがって、バイアルのセプタムは、真っ直ぐにしか穿刺することができない。挿入部材216が挿入部材チャネル218から引き抜かれたり外側にスライドするのを防ぐために、係合部材220がロッキング・リング210と係合するまで、使用者は挿入部材216を挿入部材チャネル218に滑り込ませ続けることができる。
【0179】
この時点で、アダプタ200はその次の段階にあるであろう。穿刺部材508は、リザーバ506を露出させるために構成を変え得る。バイアルの内容物は、抽出器チャネル502を通って医療機器インターフェース202に接続された医療機器の中に引き出され得る。バイアル内の圧力は、周囲の空気が調整器チャネル504を通ってリザーバ506に入ることを可能にすることによって概ね一定に調整されて維持され得る。医療機器インターフェース202に接続された医療機器を使用して、希釈剤が、抽出器チャネル502を介してバイアルに添加され得る。バイアル内の圧力は、周囲の空気が調整器チャネル504を通ってリザーバ506を出ることによって概ね一定に調整されて維持され得る。
【0180】
いくつかの実施形態では、バイアル・アクセス装置を使用する方法は、ハウジングをバイアルに結合するステップを含み、ハウジングは挿入経路を含み、挿入アセンブリは挿入経路に沿ってスライドするように構成される。使用方法はまた、挿入経路に沿って挿入アセンブリをスライドさせるステップを含み得る。使用方法はまた、任意選択で、穿刺部材の先端をアルコール拭きで拭き取ることによって挿入アセンブリの穿刺部材を滅菌するステップを含むことができ、穿刺部材はバイアルのセプタムを穿刺するように構成される。使用方法は、バイアルのセプタムをアルコール拭きで拭き取ることによってバイアルを滅菌するステップも任意に含み得る。使用方法はまた、バイアルから薬液を引き出すステップを任意に含み得る。
【0181】
いくつかの実施形態では、挿入部材216、ロッキング・リング210、ハンドル208、および医療用コネクタ・インターフェース202は、ポリカーボネート・プラスチックなどの単一の材料片から一体的に形成されている。他の実施形態では、挿入部材216、ロッキング・リング210、ハンドル208、および医療用コネクタ・インターフェース202のうちの1つ以上は、別個の部品を含む。別個の部品は、接着剤、エポキシ、超音波溶接等によるなど、任意の適切な方法で接合され得る。好ましくは、接合部品間の接続は、部品間に実質的に気密な接合を形成する。さらなる構成では、挿入部材216、ロッキング・リング210、ハンドル208、および医療用コネクタ・インターフェース202のうちのいずれかは、複数の部品を含み得る。
【0182】
いくつかの実施形態では、アダプタ200を製造する方法は、挿入部材チャネル218を成形するステップ、キャップ・コネクタ224を成形するステップ、および挿入部材チャネル218をキャップ・コネクタ224に取り付けるステップを含む。
【0183】
他の実施形態では、アダプタ200を製造する方法が挿入部材チャネル218を有するキャップ・コネクタ224を成形するステップを含むように、挿入部材チャネル218およびキャップ・コネクタ224が一体的に形成され得る。そのような実施形態のいくつかでは、アダプタ200を製造する方法は、挿入部材チャネル218および係合部材220を有するキャップ・コネクタ224を成形するステップを含む。
【0184】
いくつかの実施形態では、方法は、キャップ・コネクタ224内にシールを配置するステップを含む。いくつかの実施形態では、方法は、挿入部材チャネル218内にシールを配置するステップを含む。いくつかの実施形態では、方法は、リザーバ506を挿入部材216に取り付けるステップを含む。リザーバ506は、本明細書に記載の任意の適切な方法によって挿入部材216に取り付けることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、リザーバ506の近位端を挿入部材216に接着し、それと実質的に流体密なシールが形成され得る。シアノアクリレートを含む任意の適切な接着剤が使用され得る。
【0185】
いくつかの実施形態では、アダプタ200を組み立てる方法は、リザーバ506の一部を挿入部材216内に前進させるステップを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、接着剤をリザーバ506のリップ部に塗布することやリザーバ506のリップを挿入部材216の端部に接着することなどによって、リザーバ506の端部を挿入部材216に取り付けるステップを含む。そのような実施形態のいくつかでは、接着剤は開口232を介してリザーバ506のリップ部に塗布され得る。いくつかの実施形態では、方法は、リザーバ506上で穿刺部材508を前進させるステップと、穿刺部材508を挿入部材216に取り付けるステップとを含む。
【0186】
穿刺部材508と挿入部材216とを単一の材料片から一体的に形成する場合と比較して、穿刺部材508を挿入部材216とは別に製造し、それらを互いに取り付けることが有利であり得る。挿入部材216は、サブ・アセンブリを形成するためにリザーバ506に取り付けられ得る。サブ・アセンブリは、リザーバ506と挿入部材216との間に実質的に液密のシールが形成されているかどうかを判定するために独立して試験され得る。次に、許容可能なサブ・アセンブリは、超音波溶接などの任意の適切な方法で穿刺部材508に取り付けられ得る。これにより、リザーバ506が挿入部材216で適切に密閉されない場合、サブ・アセンブリのみの処分を可能にすることによって、アダプタ200を製造するための材料費を削減することが可能である。
【0187】
いくつかの実施形態では、アダプタ200を組み立てる方法は、穿刺部材508を挿入部材チャネル218に挿入しながら、穿刺部材508を閉じた構成に保持するステップを含む。いくつかの実施形態では、組み立て方法は、係合部材220が挿入部材216としっかりと係合するまで、穿刺部材508と挿入部材216とを挿入部材チャネル218の中にさらに前進させるステップを含む。
【0188】
いくつかの実施形態では、アダプタ200を組み立てる方法は、リザーバ506を潤滑するステップを含む。例えば、方法は、ある量の1つまたは複数の潤滑剤をリザーバ506の外部領域に導入または適用するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、リザーバ506が挿入部材216に固定される前に適用される。
【0189】
いくつかの実施形態では、アダプタ200を組み立てる方法は、挿入部材216の端部にロッキング・リング210を取り付けるステップを含む。いくつかの実施形態では、アダプタ200を組み立てる方法は、医療用コネクタ・インターフェース202を備えるハンドル208をシール210によって挿入部材216の端部に取り付けるステップをさらに含み得る。
【0190】
本明細書に開示された様々な実施形態の説明は、概して図面に示された実施形態に従っている。しかしながら、本明細書で論じられる任意の実施形態の特定の特徴、構造、または特性は、本開示から当業者に明らかなように、明示的に図示または説明されない1つまたは複数の別々の実施形態において、任意の適切な方法で組み合わせることができる。
【0191】
同様に、上述した実施形態の説明では、開示を簡素化し、様々な本発明の側面の1つまたは複数の理解を助ける目的で、様々な特徴が単一の実施形態、図、またはその説明にまとめられることがある。しかしながら、この開示方法は、任意の請求項がその請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈されるべきではない。さらに、本明細書の特定の実施形態において図示および/または説明された任意のコンポーネント、特徴、またはステップは、任意の他の実施形態に適用され、またはそれと共に使用され得る。したがって、本明細書に開示された発明の範囲は、上記の特定の実施形態によって限定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲の公正な理解によってのみ決定されるべきであることが意図される。
【0192】
[第1項]
バイアルの内容物にアクセスするためのバイアル・アクセス装置であって、
医療用コネクタ・インターフェースと、
挿入経路を備えるハウジングと、
穿刺部材を備える挿入アセンブリであって、前記穿刺部材が、前記バイアルのセプタムを穿刺するように構成されている挿入アセンブリと、
を含んでなることを特徴とするバイアル・アクセス装置。
[第2項]
前記挿入アセンブリが前記挿入経路に沿ってスライドするように構成されていることを特徴とする、第1項に記載の装置。
[第3項]
前記ハウジングが係合アセンブリをさらに含むことを特徴とする、第1項または第2項に記載の装置。
[第4項]
当該装置が前記バイアルに結合されるように構成されていることを特徴とする、第1項~第3項のいずれか一項に記載の装置。
[第5項]
当該装置が前記バイアルに連結されるまで前記挿入アセンブリが前記挿入経路に沿ってスライドするのを防止するように前記係合アセンブリが構成されていることを特徴とする、第2、3および4を引用する第1項~第3項のいずれか一項に記載の装置。
[第6項]
当該装置が前記バイアルに連結されるまで前記穿刺部材が前記バイアルの前記セプタムを穿刺するのを防止するように前記穿刺部材が構成されていることを特徴とする、第3および4を引用する第1項~第5項のいずれか一項に記載の装置。
[第7項]
前記穿刺部材は、当該装置が前記バイアルに連結されているときに前記バイアルの前記セプタムに対して垂直であることを特徴とする、第4を引用する第1項~第6項のいずれか一項に記載の装置。
[第8項]
前記穿刺部材は、当該装置が前記バイアルに連結されているときに前記バイアルの前記セプタムに当接している或いは部分的に穿刺していることを特徴とする、第4を引用する第1項~第7項のいずれか一項に記載の装置。
[第9項]
前記挿入経路は、当該装置が前記バイアルに連結されているときに前記バイアルの前記セプタムに対して垂直であることを特徴とする、第4項を引用する第1項~第8項のいずれか一項に記載の装置。
[第10項]
前記穿刺部材は、当該装置が前記バイアルに連結されているときに前記バイアルのセプタムを真っ直ぐに穿刺することのみできることを特徴とする、第4項を引用する第1項~第9項のいずれか一項に記載の装置。
[第11項]
前記係合アセンブリは、前記挿入アセンブリが前記挿入経路に沿ってスライドするのを防止するために前記挿入アセンブリと係合するように構成されていることを特徴とする、第2項および第3項を引用する第1項~第10項のいずれか一項に記載の装置。
[第12項]
前記係合アセンブリは、前記挿入アセンブリが前記挿入経路に沿ってスライドすることを可能にするように前記挿入アセンブリを係合解除するように構成されていることを特徴とする、第2項および第3項を引用する第1項~第11項のいずれか一項に記載の装置。
[第13項]
前記係合アセンブリは、当該装置が前記バイアルに連結される前に前記挿入アセンブリに係合されることを特徴とする、第3項および第4項を引用する第1項~第12項のいずれか一項に記載の装置。
[第14項]
前記係合アセンブリは、キャップ装置が前記バイアルに連結されるまで前記挿入アセンブリを係合解除することができないことを特徴とする、第3項および第4項を引用する第1項~第3項のいずれか一項に記載の装置。
[第15項]
当該装置が前記バイアルに連結されると、前記係合アセンブリが前記挿入アセンブリを係合解除することを特徴とする、第3項および第4項を引用する第1項~第14項のいずれか一項に記載の装置。
[第16項]
前記係合アセンブリが1つ以上のアームを含み、1つ以上の前記アームが第1の位置と第2の位置との間で動くように構成されていることを特徴とする、第3項を引用する第1項~第15項のいずれか一項に記載の装置。
[第17項]
1つ以上の前記アームが、前記挿入アセンブリと係合するようにさらに構成されていることを特徴とする、第16項を引用する第1項~第16項のいずれか一項に記載の装置項に記載の装置。
[第18項]
1つ以上の前記アームが、前記挿入アセンブリと係合解除できるようにさらに構成されていることを特徴とする、第16項を引用する第1項~第17項のいずれか一項に記載の装置。
[第19項]
1つ以上の前記アームは、当該装置が前記バイアルに連結される前に前記挿入アセンブリと係合していることを特徴とする、第4項および第16項を引用する第1項~第18項のいずれか一項に記載の装置。
[第20項]
1つ以上の前記アームは、当該装置が前記バイアルに連結される前に前記第1の位置にあることを特徴とする、第4項および第16項を引用する第1項~第19項のいずれか一項に記載の装置。
[第21項]
1つ以上の前記アームは、当該装置が前記バイアルに連結されるにつれて前記第1の位置から第2の位置へ移動することを特徴とする、第4項および第16項を引用する第1項~第20項のいずれか一項に記載の装置。
[第22項]
1つ以上の前記アームは、当該装置が前記バイアルに連結されているときに前記第2の位置にあることを特徴とする、第4項および第16項を引用する第1項~第21項のいずれか一項に記載の装置。
[第23項]
1つ以上の前記アームが前記第1の位置から前記第2の位置へ移動するにつれて、1つ以上の前記アームが前記挿入アセンブリを係合解除することを特徴とする、第16項~第18項を引用する第1項~第22項のいずれか一項に記載の装置。
[第24項]
当該装置は、前記穿刺部材の方向に当該装置が前記バイアルと係合することを可能にするバイアル係合アセンブリを含むことを特徴とする、第1項~第23項のいずれか一項に記載の装置。
[第25項]
前記バイアル係合アセンブリが接着剤を含むことを特徴とする、第24項を引用する第1項~第24項のいずれか一項に記載の装置。
[第26項]
前記バイアル係合アセンブリが一片のテープを含むことを特徴とする、第24項を引用する第1項~第25項のいずれか一項に記載の装置。
[第27項]
当該装置は、当該装置を前記バイアルに連結するように構成されたキャップ・コネクタをさらに含むことを特徴とする、第1項~第26項のいずれか一項に記載の装置。
[第28項]
当該装置は、前記挿入アセンブリと平行に延びる抽出器チャネルをさらに含むことを特徴とする、第1項~第27項のいずれか一項に記載の装置。
[第29項]
当該装置は、当該装置の円筒軸と平行に延びる抽出器チャネルをさらに含むことを特徴とする、第1項~第28項のいずれか一項に記載の装置。
[第30項]
前記挿入アセンブリが前記挿入経路に沿ってスライドする間に、前記穿刺部材が前記バイアルの前記セプタムを穿刺するように構成されていることを特徴とする、第2項を引用する第1項~第29項のいずれか一項に記載の装置。
[第31項]
前記ハウジングが挿入チャネルをさらに含むことを特徴とする、第1項~第30項のいずれか一項に記載の装置。
[第32項]
前記挿入経路が、前記挿入チャネルによって少なくとも部分的に画定されていることを特徴とする、第31項を引用する第1項~第31項のいずれか一項に記載の装置。
[第33項]
前記挿入アセンブリの少なくとも一部が前記挿入チャネル内にあることを特徴とする、第31項を引用する第1項~第32項のいずれか一項に記載の装置。
[第34項]
前記挿入アセンブリが、前記挿入チャネルによって前記挿入経路と平行に維持されることを特徴とする、第31項を引用する第1項~第33項のいずれか一項に記載の装置。
[第35項]
前記挿入アセンブリが、前記係合アセンブリによって前記挿入経路と平行に維持されることを特徴とする、第3項を引用する第1項~第34項のいずれか一項に記載の装置。
[第36項]
前記挿入経路に沿って前記挿入アセンブリをスライドさせると、前記挿入アセンブリが完全に挿入された位置に移動するように構成されていることを特徴とする、第2項を引用する第1項~第35項のいずれか一項に記載の装置。
[第37項]
前記挿入アセンブリを前記挿入経路に沿って前記バイアルの前記セプタムに向かってスライドさせることで、前記挿入アセンブリを完全に挿入された位置に移動させるように構成されていることを特徴とする、第2項を引用する第1項~第36項のいずれか一項に記載の装置。
[第38項]
前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあるとき、前記穿刺部材の少なくとも一部が前記バイアルの内側にあることを特徴とする、第36項および第37項を引用する第1項~第37項のいずれか一項に記載の装置。
[第39項]
前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあるとき、前記係合アセンブリが前記挿入アセンブリと係合していることを特徴とする、第3項、第36項、および第37項を引用する第1項~第38項のいずれか一項に記載の装置。
[第40項]
前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあるとき、前記係合アセンブリの1つ以上のアームが前記挿入アセンブリと係合していることを特徴とする、第3項、第16項~第18項、第36項、および第37項を引用する第1項~第39項のいずれか一項に記載の装置。
[第41項]
前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあるとき、前記係合アセンブリの1つ以上のアームが第2の位置にあることを特徴とする、第3項、第16項、第36項、および第37項を引用する第1項~第40項のいずれか一項に記載の装置。
[第42項]
前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあるとき、前記係合アセンブリが前記挿入アセンブリを所定の位置に保持することを特徴とする、第3項、第36項、および第37項を引用する第1項~第41項のいずれか一項に記載の装置。
[第43項]
前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあるとき、前記係合アセンブリが前記挿入アセンブリを所定の位置にしっかりと保持することを特徴とする、第3項、第36項、および第37項を引用する第1項~第42項のいずれか一項に記載の装置。
[第44項]
前記係合アセンブリは、前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあるとき、前記挿入アセンブリが前記挿入経路に沿ってスライドするのを防止していることを特徴とする、第3項、第36項、および第37項を引用する第1項~第43項のいずれか一項に記載のデバイス。
[第45項]
前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあるとき、前記係合アセンブリが、前記穿刺部材を前記バイアルの内側に保持していることを特徴とする、第3項、第36項、および第37項を引用する第1項~第44項のいずれか一項に記載の装置。
[第46項]
前記係合アセンブリは、前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあるとき、前記挿入アセンブリが前記挿入経路に沿って前記バイアルのセプタムから離れる方向にスライドするのを防止していることを特徴とする、第2項、第3項、第36項、および第37項を引用する第1項~第45項のいずれか一項に記載の装置。
[第47項]
前記係合アセンブリは、前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあるとき、前記穿刺部材が前記バイアルから引き抜かれるのを防止していることを特徴とする、第2項、第36項、および第37項を引用する第1項~第46項のいずれか一項に記載の装置。
[第48項]
前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあるとき、前記穿刺部材は前記挿入チャネル内にはないことを特徴とする、第36項および第37項を引用する第1項~第47項のいずれか一項に記載の装置。
[第49項]
前記挿入アセンブリが完全な挿入位置に動かされたときに当該装置が可聴音を発することを特徴とする、第36項および第37項を引用する第1項~第48項のいずれか一項に記載の装置。
[第50項]
前記係合アセンブリが前記挿入アセンブリと係合するときに当該装置が可聴音を発することを特徴とする、第3項、第36項、および第37項を引用する第1項~第49項のいずれか一項に記載の装置。
[第51項]
前記可聴音は、当該装置が前記バイアルの内容物にアクセスする際に使用する準備ができていることを示していることを特徴とする、第49項および第50項を引用する第1項~第50項のいずれか一項に記載の装置。
[第52項]
前記穿刺部材が、広がった構成に向かって付勢されている複数のリーフを含むことを特徴とする、第1項~第51項のいずれか一項に記載の装置。
[第53項]
前記穿刺部材が第1の構成と第2の構成とを有し、前記穿刺部材が前記第2の構成であるとき、前記穿刺部材の複数の前記リーフが分散された構成になっていることを特徴とする、第52を引用する第1項~第52項のいずれか一項に記載の装置。
[第54項]
前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあるとき、前記穿刺部材が第2の構成になっていることを特徴とする、第36項、第37項、および第53項を引用する第1項~第53項のいずれか一項に記載の装置。
[第55項]
前記挿入アセンブリが、ロッキング・リングをさらに含むことを特徴とする、第1項~第54項のいずれか一項に記載の装置。
[第56項]
前記挿入アセンブリが、近位端と前記近位端にある前記ロッキング・リングとを含むことを特徴とする、第55項を引用する第1項~第55項のいずれか一項に記載の装置。
[第57項]
前記挿入アセンブリが完全な挿入位置に移動されたときに、前記係合アセンブリがロッキング・リングと係合することを特徴とする、第36項、第37項、および第55項を引用する第1項~第56項のいずれか一項に記載の装置。
[第58項]
前記挿入チャネルと前記挿入アセンブリとの間に配置されたシールをさらに含み、前記シールが、前記挿入チャネルと前記挿入チャネルとの間で流体が前記挿入チャネルを通過するのを防止するように構成されていることを特徴とする、第31項を引用する第1項~第57項のいずれか一項に記載の装置。
[第59項]
前記挿入アセンブリが完全な挿入位置に動かされたときに、前記ハウジングは、ロッキング・リングと係合して前記挿入アセンブリが前記ハウジングに対して回転するのを防止するように構成されていることを特徴とする、第36項、第37項、および第55項を引用する第1項~第58項のいずれか一項に記載の装置。
[第60項]
当該装置が前記バイアルをさらに含むことを特徴とする、第1項~第59項のいずれか一項に記載の装置。
[第61項]
前記バイアルがその中に薬液を有していることを特徴とする、第1項~第60項のいずれか一項に記載の装置。
[第62項]
前記係合アセンブリが異なる色であることを特徴とする、第3項を引用する第1項~第61項のいずれか一項に記載の装置。
[第63項]
前記挿入アセンブリがハンドルをさらに含むことを特徴とする、第1項~第62項のいずれか一項に記載の装置。
[第64項]
前記ハンドルは、前記挿入アセンブリが内側に動かされたときに前記係合アセンブリの異なる色が見える1つ以上の開口を含むことを特徴とする、第3項、第36項、第37項、および第63項を引用する第1項~第63項のいずれか一項に記載の装置。完全に挿入された位置。
[第65項]
1つ以上のアームが第1の位置から第2の位置に移動すると、1つ以上の前記アームが外側に曲がることを特徴とする、第16項を引用する第1項~第64項のいずれか一項に記載の装置。
[第66項]
前記穿刺部材がさらに先端部を含むことを特徴とする、第1項~第65項のいずれか一項に記載の装置。
[第67項]
前記穿刺部材の複数のリーフのうちの1つ以上の前記リーフが先端部を含むことを特徴とする、第53項および第66項を引用する第1項~第66項のいずれか一項に記載の装置。
[第68項]
当該装置が前記バイアルに連結される前に、前記挿入アセンブリが初期位置にしっかりと保持されていることを特徴とする、第4項を引用する第1項~第67項のいずれか一項に記載の装置。
[第69項]
前記挿入アセンブリが前記係合アセンブリおよび前記挿入チャネルによって初期位置に保持されていることを特徴とする、第3項、第31項および第68項を引用する第1項~第68項のいずれか一項記載の装置。
[第70項]
リザーバをさらに含み、前記挿入アセンブリが完全な挿入位置に移動されたときに、前記リザーバの第1の面が前記バイアルの内部に露出していることを特徴とする、第36項および第37項を引用する第1項~第69項のいずれか一項に記載の装置。
[第71項]
前記リザーバの第2の表面が周囲の空気に露出していることを特徴とする、第70項を引用する第1項~第70項のいずれか一項に記載の装置。
[第72項]
調整器チャネルをさらに含むことを特徴とする、第1項~第71項のいずれか一項に記載の装置。
[第73項]
調整器開口部をさらに含むことを特徴とする、第1項~第72項のいずれか一項に記載の装置。
[第74項]
前記調整器開口部がフィルターを含むことを特徴とする、第73項を引用する第1項~第73項のいずれか一項に記載の装置。
[第75項]
前記医療用コネクタ・インターフェースがチューブまたはシリンジに恒久的に取り付けられていることを特徴とする、第1項~第74項のいずれか一項に記載の装置。
[第76項]
前記医療用コネクタ・インターフェースが、チューブまたはシリンジから分離可能であり得ることを特徴とする、第1項~第75項のいずれか一項に記載の装置。
[第77項]
前記キャップ・コネクタが、前記挿入アセンブリと同じ方向にバイアルと係合していることを特徴とする、第27項を引用する第1項~第76項のいずれか一項に記載の装置。
[第78項]
前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあるとき、前記係合アセンブリの1つ以上のアームが第2の位置にあることを特徴とする、第3項、第16項~第18項、第36項、および第37項を引用する第1項~第77項のいずれか一項に記載の装置。
[第79項]
バイアルの内容物にアクセスするためのバイアル・アクセス装置を製造する方法であって、
前記バイアル・アクセス装置のハウジングに挿入アセンブリを接続するステップを含み、
前記装置が、
医療用コネクタ・インターフェースと、
挿入経路を備える前記ハウジングと、
を含んでなることを特徴とする、バイアル・アクセス装置を製造する方法。
[第80項]
前記挿入アセンブリが、バイアルのセプタムを穿刺するように構成された穿刺部材を含むことを特徴とする、第79項に記載の方法。
[第81項]
前記挿入アセンブリが前記挿入経路に沿ってスライドするように構成されていることを特徴とする、第79項または第80項に記載の方法。
[第82項]
前記穿刺部材が複数のリーフを含むことを特徴とする、第80項を引用する第79項~第81項のいずれか一項に記載の方法。
[第83項]
前記穿刺部材を成型するステップをさらに含み、前記穿刺部材の複数の前記リーフが、前記穿刺部材が成型されるときに拡散した構成になることを特徴とする、第82項を引用する第79項~第82項のいずれか一項に記載の方法。
[第84項]
前記挿入アセンブリにリザーバを取り付けるステップをさらに含むことを特徴とする、第79項~第83項のいずれか一項に記載の方法。
[第85項]
前記挿入アセンブリの近位端にリザーバを取り付けるステップをさらに含むことを特徴とする、第79項~第84項のいずれか一項に記載の方法。
[第86項]
前記挿入アセンブリの横方向に延びる表面にリザーバを取り付けるステップをさらに含むことを特徴とする、第79項~第85項のいずれか一項に記載の方法。
[第87項]
前記挿入アセンブリが、前記挿入アセンブリの近位端に前記挿入アセンブリの穿刺部材の反対側にあるハンドルをさらに含むことを特徴とする、第79項~第86項のいずれか一項記載の方法。
[第88項]
前記挿入アセンブリのハンドルにリザーバを取り付けるステップをさらに含むことを特徴とする、第87を引用する第79項~第87項のいずれか一項に記載の方法。
[第89項]
前記リザーバがバルーンであることを特徴とする、第84項~第88項を引用する第79項~第88項のいずれか一項に記載の方法。
[第90項]
バイアルの内容物にアクセスするためのバイアル・アクセス装置を使用する方法であって、
バイアルに結合するように構成された前記バイアル・アクセス装置を前記バイアルに結合するステップを含み、
前記バイアル・アクセス装置は、
医療用コネクタ・インターフェースと、
挿入経路を備えるハウジングと、
穿刺部材を備える挿入アセンブリであって、前記穿刺部材は、前記バイアルのセプタムを穿刺するように構成された、挿入アセンブリと、
を含み、前記挿入アセンブリが、前記挿入経路に沿ってスライドするように構成されており、
前記バイアル・アクセス装置を前記バイアルに結合すると、前記挿入アセンブリを前記挿入経路に沿ってスライドさせることを特徴とする、バイアル・アクセス装置を使用する方法。
[第91項]
前記挿入アセンブリを前記挿入経路に沿ってスライドさせながら前記穿刺部材を前記バイアルに挿入するステップをさらに含むことを特徴とする、第90項に記載の方法。
[第92項]
前記挿入アセンブリが完全な挿入位置になるまで前記挿入アセンブリを前記挿入経路に沿ってスライドさせるステップをさらに含み、前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあるときに前記穿刺部材の少なくとも一部が前記バイアルの内側にあることを特徴とする、第91項に記載の方法。
[第93項]
前記挿入アセンブリが完全な挿入位置に移動したときに、前記バイアル・アクセス装置が可聴音を発することを特徴とする、第92項に記載の方法。
[第94項]
前記可聴音を聴取することによって、前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあることを確認するステップをさらに含むことを特徴とする、第93項に記載の方法。
[第95項]
前記ハウジングが係合アセンブリをさらに含むことを特徴とする、第91項に記載の方法。
[第96項]
前記挿入アセンブリは、前記挿入アセンブリが完全な挿入位置に移動したときに前記係合アセンブリと係合するように構成されたロッキング・リングを含むことを特徴とする、第95項に記載の方法。
[第97項]
前記挿入アセンブリが、1つ以上の開口を有するハンドルを含むことを特徴とする、第96項に記載の方法。
[第98項]
前記係合アセンブリが、前記ロッキング・リングとは異なる色であることを特徴とする、第97項に記載の方法。
[第99項]
前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあるときに、前記ロッキング・リングが前記係合アセンブリと係合すると、前記係合アセンブリの色が前記ハンドルの1つ以上の前記開口を通して見えることを特徴とする、第98項に記載の方法。
[第100項]
前記ハンドルの1つ以上の前記開口を通して前記係合アセンブリの色を探すことによって、前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあることを確認するステップをさらに含むことを特徴とする、第99項に記載の方法。
[第101項]
前記挿入アセンブリが完全な挿入位置にあることを確認したら、前記バイアルから薬液を引き出すステップをさらに含むことを特徴とする、第94項または第100項に記載の方法。
【符号の説明】
【0193】
21、35、36 矢印
110 容器
120 抽出器
130 調整器
140 交換装置
150 リザーバ
200 アダプタ
202 医療用コネクタ・インターフェース202
204 調整器開口部
206、232 開口部
208 ハンドル
210 ロッキング・リング
212 凹部
214 タブ
216 挿入部材
218 挿入部材チャネル
220 係合部材
222 ノッチ
224 キャップ・コネクタ
226 リップ部
228 凹部
230 係合部材ロック解除
234 構造ピボット
502 抽出器チャネル
504 調整器チャネル
506 リザーバ
508 穿刺部材
508a 近位部分
508b 遠位部分
510 先端部
514 突起
516 リップ部
600 バイアル
602 本体
604 キャップ
606 セプタム
608 隆起部
610 溝
902、904 部材
1102、1104 抽出器開口部
図1
図2
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