(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】SIMカード選択方法、装置、端末及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 48/18 20090101AFI20240917BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20240917BHJP
H04W 28/084 20230101ALI20240917BHJP
【FI】
H04W48/18
H04W76/10
H04W28/084
(21)【出願番号】P 2023532129
(86)(22)【出願日】2021-11-12
(86)【国際出願番号】 CN2021130430
(87)【国際公開番号】W WO2022116797
(87)【国際公開日】2022-06-09
【審査請求日】2023-05-25
(31)【優先権主張番号】202011385196.2
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】王誠
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0044980(US,A1)
【文献】特表2019-533333(JP,A)
【文献】特表2019-522418(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111386727(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0373443(US,A1)
【文献】国際公開第2019/231275(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのSIMカードを含む端末に
よって実行されるSIMカード選択方法であって、
前記端末が、アプリケーションから送信された、現在のスライスパラメータを含むスライス接続要求を受信するステップと、
前記端末が、前記少なくとも2つのSIMカードから前記現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを問い合わせ、前記現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードとして決定するステップと
を含
み、
前記端末が、前記現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードとして決定する前記ステップは、
前記現在のスライスパラメータに対応するSIMカードが複数ある場合、
前記端末が、前記現在のスライスパラメータに対応する複数のSIMカードを候補SIMカードとして決定するステップと、
前記端末が、前記候補SIMカードのネットワーク状態パラメータを取得するステップと、
前記端末が、前記ネットワーク状態パラメータに基づいて、前記候補SIMカードの中から、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードを決定するステップとを含み、
前記ネットワーク状態パラメータは、スライス接続状態と、信号強度パラメータと、スライス接続頻度パラメータとのうちの少なくとも一つを含む
SIMカード選択方法。
【請求項2】
前記ネットワーク状態パラメータはスライス接続状態を含み、
前記端末が、前記ネットワーク状態パラメータに基づいて、前記候補SIMカードの中から、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードを決定する前記ステップは、
前記候補SIMカードの中に、スライス接続状態が接続済み状態であるSIMカードがある場合、スライス接続状態が接続済み状態であるSIMカードを前記ターゲットSIMカードとして決定するステップ
を含む請求項
1に記載のSIMカード選択方法。
【請求項3】
前記ネットワーク状態パラメータはスライス接続状態と信号強度パラメータとを含み、
前記端末が、前記ネットワーク状態パラメータに基づいて、前記候補SIMカードの中から、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードを決定する前記ステップは、
前記候補SIMカードのスライス接続状態が未接続状態であり、且つ信号強度パラメータが最も高い前記候補SIMカードと信号強度パラメータが次に高い前記候補SIMカードとの信号強度パラメータの差が第1の閾値より大きい場合、
前記端末が、信号強度パラメータが最も高い前記候補SIMカードを前記ターゲットSIMカードとして決定するステップ
を含む請求項
2に記載のSIMカード選択方法。
【請求項4】
前記ネットワーク状態パラメータは前記スライス接続頻度パラメータをさらに含み、
前記端末が、前記ネットワーク状態パラメータに基づいて、前記候補SIMカードの中から、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードを決定する前記ステップは、
第1順位の前記候補SIMカードと第2順位の前記候補SIMカードとの信号強度パラメータの差が第1の閾値以下である場合、
前記端末が、前記スライス接続頻度パラメータが最も高い前記候補SIMカードを前記ターゲットSIMカードとして決定するステップ
をさらに含む請求項
3に記載のSIMカード選択方法。
【請求項5】
前記端末が、前記現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードとして決定する前記ステップは、
前記現在のスライスパラメータに対応するSIMカードの数が一つである場合、
前記端末が、前記現在のスライスパラメータに対応するSIMカードをターゲットSIMカードとして決定するステップ
を含む請求項1に記載のSIMカード選択方法。
【請求項6】
前記ターゲットSIMカードが決定されると、
前記端末が、前記ターゲットSIMカードのスライス接続頻度パラメータを更新するステップ
をさらに含む請求項1から
5の何れか一項に記載のSIMカード選択方法。
【請求項7】
前記端末が、前記現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを問い合わせる前記ステップの後に、前記方法は、
前記現在のスライスパラメータに対応するSIMカードの問い合わせ結果がない場合、
前記端末が、前記少なくとも2つのSIMカードの各SIMカードが属するキャリアネットワークにそれぞれ、前記現在のスライスパラメータを保持するスライスマッチング要求を送信するステップと、
前記端末が、スライスマッチング要求に応じて前記キャリアネットワークが返信したスライスマッチング要求結果を受信するステップと、
前記端末が、前記スライスマッチング要求結果に基づいて、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードを決定するステップと
をさらに含む請求項1に記載のSIMカード選択方法。
【請求項8】
前記端末が、スライスマッチング要求に応じて前記キャリアネットワークが返信したスライスマッチング要求結果を受信する前記ステップの後に、前記方法は、
全ての前記キャリアネットワークから返信されたスライスマッチング要求結果が全てマッチング失敗である場合、
前記端末が、前記現在のスライスパラメータを保持するスライス申請メッセージをアプリケーションスライスサーバに送信し、前記現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを改めて問い合わせ、前記現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードとして決定するステップ
をさらに含む請求項
7に記載のSIMカード選択方法。
【請求項9】
メモリと、プロセッサと、少なくとも2つのSIMカードと、前記メモリに記憶されて且つ前記プロセッサ上で実行できるコンピュータプログラムとを含む端末であって、
前記プロセッサにより前記コンピュータプログラムが実行された場合、請求項1から8の何れか一項に記載のSIMカード選択方法を実現する
端末。
【請求項10】
コンピュータ実行可能な命令を記憶しているコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記コンピュータ実行可能な命令は、請求項1から
8の何れか一項に記載のSIMカード選択方法を実行するように構成されている
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は出願番号が202011385196.2で、出願日が2020年12月01日である中国特許出願に基づいて提出され、その中国特許出願の優先権を主張し、その中国特許出願の全ての内容を参考として本願に援用する。
【0002】
本願の実施例は、通信の分野に関するが、これに限定されるものではなく、特にSIMカード選択方法、装置、端末及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
4G通信時代には、キャリアは1つのサービス品質を有するデータ接続しか提供しない。一方、5G時代には、各キャリアは、サービス品質の異なるスライスデータ接続を提供している。アプリケーションは、それ特有のスライスデータ接続を設定することができる。しかしながら、従来のデュアルカードシステムの端末には、ユーザが手動でSIM(Subscriber Identity Module、加入者識別モジュール)カード1又はSIMカード2のデータサービスを選択する切り替え機能しか設けられておらず、アプリケーションはユーザが選択したSIMカードのデータ接続サービスしか利用できない。アプリケーションがカード1のスライスを使用する必要があるが、カード2がデータ接続に選択されている場合、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例によれば、SIMカード選択方法、装置、端末及び記憶媒体が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様において、本願の実施例は、端末に適用されるSIMカード選択方法を提供し、前記方法は、アプリケーションから送信された、現在のスライスパラメータを含むスライス接続要求を受信するステップと、前記現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを問い合わせ、前記現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードとして決定するステップとを含む。
【0006】
第2の態様において、本願の実施例はさらに、SIMカード選択装置を提供し、前記装置は、アプリケーションから送信された、現在のスライスパラメータを含むスライス接続要求を受信するように構成された取得モジュールと、前記現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを問い合わせ、前記現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードとして決定するように構成された判定モジュールとを含む。
【0007】
第3の態様において、本願の実施例はさらに、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶されて且つ前記プロセッサ上で実行できるコンピュータプログラムとを含む端末を提供し、前記プロセッサにより前記コンピュータプログラムが実行された場合、上記のSIMカード選択方法を実現する。
【0008】
第4の態様において、本願の実施例はさらに、コンピュータ可読記憶媒体を提供し、前記コンピュータ可読記憶媒体には情報処理プログラムが記憶されており、前記情報処理プログラムは、プロセッサにより実行された場合、上記のSIMカード選択方法を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本願の一実施例により提供されるSIMカード選択方法のフローチャートである。
【
図2】本願の一実施例により提供されるSIMカード選択方法においてスライスに対応するSIMカードが複数ある場合のフローチャートである。
【
図3】本願の一実施例により提供されるSIMカード選択方法においてスライス接続状態に基づいてターゲットSIMカードを決定するフローチャートである。
【
図4】本願の一実施例により提供されるSIMカード選択方法において信号強度パラメータに基づいてターゲットSIMカードを決定するフローチャートである。
【
図5】本願の一実施例により提供されるSIMカード選択方法においてスライス接続頻度パラメータに基づいてターゲットSIMカードを決定するフローチャートである。
【
図6】
本願の一実施例により提供されるSIMカード選択方法においてスライスに対応するSIMカードが1つある場合のフローチャートである。
【
図7】
本願の一実施例により提供されるSIMカード選択方法においてスライス接続頻度パラメータを更新するフローチャートである。
【
図8】本願の一実施例により提供されるSIMカード選択方法におけるスライスマッチングのフローチャートである。
【
図9】本願の一実施例により提供されるSIMカード選択方法においてスライスマッチング失敗後のスライス確立、申請のフローチャートである。
【
図10】本願の別の実施例により提供されるSIMカード選択方法のフローチャートである。
【
図11】本願の一実施例により提供されるSIMカード選択装置の模式図である。
【
図12】本願の一実施例により提供される端末の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下では、添付図面及び実施形態を組み合わせて本願をさらに詳しく説明する。ここで説明する具体的な実施形態は本願を解釈するためだけに使われるものであって、本願を限定するために使われるものではない。
【0011】
なお、装置の模式図には機能モジュール分割が示され、フローチャートには論理的順序が示されているが、場合によっては、装置内のモジュールと異なるように分割されてもよいし、又は、図示又は説明されたステップがフローチャート内の順序と異なる順序で実行されてもよい。
【0012】
本実施例はSIMカード選択方法、装置、端末及び記憶媒体を提供し、SIMカード選択方法は、少なくとも2つのSIMカードを含む端末に適用され、アプリケーションから送信された、現在のスライスパラメータを含むスライス接続要求を受信するステップと、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを問い合わせ、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードとして決定するステップとを含み、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決することができる。
【0013】
なお、本願の実施例により提供されるSIMカード選択方法及び/又はSIMカード選択装置は、端末機器に適用することができる。本明細書での端末機器は、端末と称されてもよく、無線送受信機能を有する機器である。端末機器は、ユーザ機器(user equipment、略してUEと称する)であってもよく、UEは、無線通信機能を有する手持ち式機器、車載機器、ウェアラブル機器、又はコンピューティング機器を含む。例示的には、UEは、携帯電話(mobile phone)、タブレットコンピュータ、又は無線送受信機能を備えたコンピュータであってもよい。また、端末装置は、仮想現実(virtual reality、略してVRと称する)端末機器、拡張現実(augmented reality、略してARと称する)端末機器、産業用制御における無線端末、自動運転における無線端末、遠隔医療における無線端末、スマートグリッドにおける無線端末、スマートシティ(smart city)における無線端末、スマートホーム(smart home)における無線端末などであってもよい。
【0014】
以下、添付の図面に関連して、本願の実施例についてさらに説明する。
【0015】
図1に示すように、
図1は、一実施例における、端末内のSIMカード選択装置に適用されるSIMカード選択方法のフローチャートである。一実施例において、このSIMカード選択方法は、以下のステップを含むがこれらに限定されない。
【0016】
ステップS110において、アプリケーションから送信された、現在のスライスパラメータを含むスライス接続要求を受信する。
【0017】
一実施例において、SIMカード選択装置は、アプリケーションから送信されたスライス接続要求を取得することができ、ここで、このスライス接続要求には、スライス接続のSIMカードを決定するために使用できる、現在のスライスパラメータが含まれていてもよい。
【0018】
なお、スライスパラメータは、DNN(Data Network Name、データネットワーク名)又はApplication ID(アプリケーション識別子)を含んでもよく、URSPクリティカルエレメントトラフィック記述子(Traffic descriptor)を含んでもよく、他のデータを含んでもよく、本実施例ではそれについて具体的に限定しない。
【0019】
ステップS120において、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを問い合わせ、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードとして決定する。
【0020】
一実施例において、SIMカード選択装置は、取得済みの現在のスライスパラメータで問い合わせて、現在のスライスパラメータに対応するターゲットSIMカードを得て、このターゲットSIMカードを介してデータ接続とスライス接続とを確立することができるため、アプリケーションのスライスデータ接続を完了させることができ、すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0021】
一実施例において、上記ステップS110からステップS120を採用することにより、SIMカード選択装置は、アプリケーションから送信されたスライス接続要求を取得することができ、ここで、このスライス接続要求には、スライス接続のSIMカードを決定するために使用できる、現在のスライスパラメータが含まれていてもよい。そして、取得済みの現在のスライスパラメータで問い合わせて、現在のスライスパラメータに対応するターゲットSIMカードを得て、このターゲットSIMカードを介してデータ接続とスライス接続とを確立することができるため、アプリケーションのスライスデータ接続を完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0022】
なお、本願の実施例にかかる端末に設けられるSIMカードの数は、少なくとも2つであり、2つであっても3つであってもよく、本実施例ではそれについて具体的に限定しない。
【0023】
なお、異なるSIMカードは、同じキャリアに対応してもよく、異なるキャリアに対応してもよく、本実施例ではそれについて具体的に限定しない。
【0024】
図2を参照し、一実施例において、ステップS120は、以下のステップを含むが、これに限定されない。
【0025】
ステップS210において、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードが複数ある場合、現在のスライスパラメータに対応する複数のSIMカードを候補SIMカードとして決定する。
【0026】
一実施例において、現在のスライスパラメータに対応できるSIMカードが端末内に複数ある場合、次のステップの選別に備えて、複数の対応するSIMカードを候補SIMカードとして設定することができる。
【0027】
ステップS220において、候補SIMカードのネットワーク状態パラメータを取得する。
【0028】
一実施例において、候補SIMカードを決定した後、次のステップのネットワーク状態パラメータ分析に備えて、候補SIMカードのネットワーク状態パラメータを取得することができる。
【0029】
なお、ネットワーク状態パラメータは、スライス接続状態と、信号強度パラメータと、スライス接続頻度パラメータと、選択されたデータ接続のSIMカードが他のアプリケーションの使用するスライスに与える影響の状況である接続コストとのうちの一つ又は複数を含むことができ、本実施例では、ネットワーク状態パラメータについて具体的に限定しない。
【0030】
ステップS230において、ネットワーク状態パラメータに基づいて、候補SIMカードの中から、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードを決定する。
【0031】
一実施例において、全ての候補SIMカードのネットワーク状態パラメータの状況に基づいて、スライス接続を確立するためのターゲットSIMカードを決定することができるので、アプリケーションのスライスデータ接続を完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0032】
一実施例において、上記のステップS210からステップS230を用いることにより、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードが複数ある場合、現在のスライスパラメータに対応する複数のSIMカードを候補SIMカードとして決定する。候補SIMカードを決定した後、候補SIMカードのネットワーク状態パラメータを取得することができる。それから、全ての候補SIMカードのネットワーク状態パラメータの状況に基づいて、スライス接続を確立するためのターゲットSIMカードを決定することができるので、アプリケーションのスライスデータ接続を完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0033】
図3を参照し、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードが複数ある場合、ネットワーク状態パラメータはスライス接続状態を含む。一実施例において、ステップS230は、以下のステップを含むが、これに限定されない。
【0034】
ステップS310において、候補SIMカードの中に、スライス接続状態が接続済み状態であるSIMカードがある場合、スライス接続状態が接続済み状態であるSIMカードをターゲットSIMカードとして決定する。
【0035】
一実施例において、現在のスライスパラメータに対応する候補SIMカードが複数ある場合、そのうちの一つの候補SIMカードがスライスに接続されている状態にあるとき、現在のアプリケーションのスライスに影響を与えないように、スライスに接続済みの候補SIMカードをターゲットSIMカードとして直接決定することができるため、低い接続コストでアプリケーションのスライスデータ接続を完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0036】
図4を参照し、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードが複数ある場合、ネットワーク状態パラメータは信号強度パラメータを含む。一実施例において、ステップS230は、以下のステップを含むが、これに限定されない。
【0037】
ステップS410において、候補SIMカードのスライス接続状態が未接続状態であり、且つ信号強度パラメータが最も高い候補SIMカードと信号強度パラメータが次に高い候補SIMカードとの信号強度パラメータの差が第1の閾値より大きい場合、信号強度パラメータが最も高い候補SIMカードをターゲットSIMカードとして決定する。
【0038】
一実施例において、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードが複数ある場合、アプリケーションのスライス接続に品質のより良いネットワークデータ伝送能力を提供できるように、候補SIMカードの信号強度パラメータを比較分析することができる。信号強度パラメータが最も高い候補SIMカードと信号強度パラメータが次に高い候補SIMカードとの信号強度パラメータの差が第1の閾値より大きい場合、信号強度パラメータが最も高い候補SIMカードをターゲットSIMカードとして決定することができるため、信号強度パラメータの高い候補SIMカードをターゲットSIMカードとして決定することができ、アプリケーションのスライスデータ接続を完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0039】
一実施例において、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードが2つある場合、すなわち、候補SIMカードが、それぞれ第1のSIMカードと第2のSIMカードとの2つである場合、第1のSIMカード及び第2のSIMカードの信号強度パラメータを取得することができ、第1のSIMカードの信号強度パラメータと第2のSIMカードの信号強度パラメータとの差が第1の閾値以上であるとき、信号強度パラメータが比較的良好な第1のSIMカードをターゲットSIMカードとして決定することができるため、アプリケーションのスライスデータ接続を完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0040】
なお、第1の閾値は、実際の状況に応じて設定することができ、本実施例ではそれについて具体的に限定しない。
【0041】
図5を参照し、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードが複数ある場合、ネットワーク状態パラメータはアプリケーションに対応するスライス接続頻度パラメータを含む。一実施例において、ステップS230は、以下のステップを含むが、これに限定されない。
【0042】
ステップS510において、第1順位の候補SIMカードと第2順位の候補SIMカードとの信号強度パラメータの差が第1の閾値以下である場合、スライス接続頻度パラメータが最も高い候補SIMカードをターゲットSIMカードとして決定する。
【0043】
一実施例において、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードが複数ある場合、アプリケーションのスライス接続頻度パラメータの状況に基づいて、候補SIMカードの中からターゲットSIMカードを決定することができるため、アプリケーションのスライスデータ接続を完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0044】
一実施例において、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードが複数ある場合、アプリケーションのスライス接続頻度パラメータを取得することができる。ポリシーデータモジュール内の第2のデータモジュールに問い合わせることにより、アプリケーションのスライスに使用されるSIMカードの頻度状況を取得することができ、アプリケーションに使用されるSIMカードのスライス接続頻度に基づいてターゲットSIMカードを決定することができるため、アプリケーションのスライスデータ接続を完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0045】
図6を参照し、一実施例において、このSIMカード選択方法は、以下のステップを含むがこれらに限定されない。
【0046】
ステップS610において、アプリケーションから送信された、現在のスライスパラメータを含むスライス接続要求を受信する。
【0047】
一実施例において、SIMカード選択装置は、アプリケーションから送信されたスライス接続要求を取得することができ、ここで、このスライス接続要求には、スライス接続のSIMカードを決定するために使用できる、現在のスライスパラメータが含まれていてもよい。
【0048】
ステップS620において、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを問い合わせる。
【0049】
一実施例において、SIMカード選択装置は、取得済みの現在のスライスパラメータについて問い合わせて、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを得ることができる。
【0050】
ステップS630において、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードの数が一つである場合、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードをターゲットSIMカードとして決定する。
【0051】
一実施例において、現在のスライスパラメータに対応できるSIMカードが端末内に一つしかない場合、該SIMカードをターゲットSIMカードとして設定し、アプリケーションのスライスと該SIMカードとのスライス接続を行い、端末のデータネットワークが該SIMカードを介してデータ接続を行うことを確認することができるため、アプリケーションのスライスデータ接続を完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0052】
図7を参照し、一実施例において、ステップS120の後に、以下のステップが含まれるが、これに限定されない。
【0053】
ステップS710において、ターゲットSIMカードが決定されると、ターゲットSIMカードの、アプリケーションに対応するスライス接続頻度パラメータを更新する。
【0054】
一実施例において、ターゲットSIMカードが既に確認された後に、ターゲットSIMカードの、アプリケーションに対応するスライス接続頻度パラメータを更新することができ、次のスライス接続要求の判定の正確度を向上させることができるため、アプリケーションのスライスデータ接続をより正確に完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0055】
図8を参照し、一実施例において、ステップS120における現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを問い合わせることの後に、以下のステップが含まれるが、これらに限定されない。
【0056】
ステップS810において、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードの問い合わせ結果がない場合、各SIMカードが属するキャリアネットワークにそれぞれ、現在のスライスパラメータを保持するスライスマッチング要求を送信する。
【0057】
ステップS820において、スライスマッチング要求に応じてキャリアネットワークが返信したスライスマッチング要求結果を受信する。
【0058】
ステップS830において、スライスマッチング要求結果に基づいて、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードを決定する。
【0059】
一実施例において、SIMカード選択装置は、スライス接続要求に応じて問い合わせを開始したが、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードのデータ情報の問い合わせ結果を取得できない場合、端末内の各SIMカードのキャリアネットワークにそれぞれ、現在のスライスパラメータを保持するスライスマッチング要求を送信することで、現在のスライスパラメータとSIMカードとのマッチング関係を確立することができる。マッチング関係の確立が完了した後に、スライスマッチング要求に応じてキャリアネットワークが返信したスライスマッチング要求結果を受信して、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードを決定することができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0060】
図9を参照し、一実施例において、ステップS820の後に、以下のステップが含まれるが、これに限定されない。
【0061】
ステップS910において、全てのキャリアネットワークから返信されたスライスマッチング要求結果が全てマッチング失敗である場合、現在のスライスパラメータを保持するスライス申請メッセージをアプリケーションスライスサーバに送信し、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを改めて問い合わせ、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードとして決定する。
【0062】
一実施例において、全てのキャリアネットワークから返信されたスライスマッチング要求結果が全てマッチング失敗である場合、アプリケーションスライスサーバにスライス申請通知を送信して、アプリケーションスライスサーバから各SIMカードの所属するキャリアへスライスの加入、登録及び変更を行うことができる。スライスの加入、登録及び変更が完了した後に、現在のスライスパラメータとSIMカードとの対応関係のデータを、例えば第1のデータモジュールに更新するなど、更新を行うことができる。そして、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを改めて問い合わせ、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードとして決定することで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0063】
図10を参照し、一実施例において、
図10は、一実施例における、SIMカード選択装置に適用されるSIMカード選択方法のフローチャートである。一実施例において、SIMカード選択システムは、第1のSIMカードと第2のSIMカードとを含むデュアルSIMカードの端末に設けられ、該SIMカード選択方法は、以下のステップを含むが、これらに限定されない。
【0064】
ステップS1001において、第1のSIMカード及び第2のSIMカードのネットワーク登録をそれぞれ完了させ、5Gネットワーク登録シグナリングのインタラクション中に、第1のSIMカード及び第2のSIMカードが登録しているネットワークでサポートされているデフォルトのスライスリストNSSAI及び対応するURSPをそれぞれ取得する。
【0065】
ステップS1002において、第1のSIMカード及び第2のSIMカードのURSPをそれぞれ取得し、URSPに従って第1のデータモジュールを確立する。
【0066】
なお、第1のデータモジュールは、スライスのURSPのトラフィック記述子(Traffic Descriptor)とカード記述(例えばSlot Id又はSubscription Id)との対応関係データを含むことができる。
【0067】
ステップS1003において、第1のアプリケーションは、URSP内のトラフィック記述子内のスライスパラメータ(例えばDNN又はApplication Id)を用いて、接続管理モジュールにスライス接続要求を開始する。
【0068】
ステップS1004において、スライス接続要求を取得すると、第1のデータモジュールに、スライスに対応するターゲットSIMカードを問い合わせる。
【0069】
ステップS1005において、何れかの候補SIMカードがマッチングされたか否かを判定し、YESであれば、ステップS1012を実行し、NOであれば、ステップS1006を実行する。
【0070】
ステップS1006において、第1のSIMカード及び第2のSIMカードがネットワークに要求NSSAIをそれぞれ送信するように、無線プロトコルスタックモジュールに命令を送信する。
【0071】
ステップS1007において、対応するキャリアのネットワークがスライスをサポートする少なくとも1つのSIMカードが存在するか否かを判定し、YESであれば、ステップS1008を実行し、NOであれば、ステップS1009を実行する。
【0072】
ステップS1008において、データモジュールAを更新し、ステップS1005を再度実行する。
【0073】
ステップS1009において、アプリケーションスライスサーバは、第1のSIMカード及び第2のSIMカードに対応するキャリアネットワークに対して、スライスの加入、登録及び変更を開始する。
【0074】
ステップS1010において、キャリアネットワークがスライス及びURSPを更新できるか否かを判定し、YESであれば、ステップS1011を実行し、NOであれば、ステップS1008を実行する。
【0075】
ステップS1011において、第1のアプリケーションのスライス接続要求が失敗する。
【0076】
ステップS1012において、候補SIMカードがデュアルカードであるかシングルカードであるかを判定し、デュアルカードであれば、ステップS1014を実行し、シングルカードであれば、ステップS1013を実行する。
【0077】
ステップS1013において、該候補SIMカードをターゲットSIMカードとして決定する。
【0078】
なお、端末が動作している間、SIMカード選択ポリシーモジュールは、端末内の各アプリケーションの使用頻度及びフォアグラウンドスケジューリング頻度を監視するとともに、デュアルカードの信号品質を検出することができる。
【0079】
ステップS1014において、第2のアプリケーションとの確立されたスライス接続が現在存在するか否かを判定し、YESであれば、ステップS1015を実行し、NOであれば、ステップS1016を実行する。
【0080】
ステップS1015において、現在のSIMカードを直接使用して新しいスライスを確立する。
【0081】
ステップS1016において、第1のSIMカード及び第2のSIMカードの信号品質パラメータを取得し、第1のSIMカードの信号品質パラメータと第2のSIMカードの信号品質パラメータとの差が第1の差の閾値より大きいか否かを判定し、YESであれば、ステップS1017を実行し、NOであれば、ステップS1018を実行する。
【0082】
ステップS1017において、第1のSIMカードをターゲットSIMカードとして決定する。
【0083】
ステップS1018において、スケジューリング頻度の高いアプリケーションに対応するターゲットSIMカードのデータを格納する第2のデータモジュールに問い合わせ、頻度の高いアプリケーションのスライスに対応する候補SIMカードが存在するか否かを判定し、YESであれば、ステップS1019を実行し、NOであれば、ステップS1021を実行する。
【0084】
ステップS1019において、頻度の高いアプリケーションのスライスに対応する候補SIMカードをターゲットSIMカードとして決定する。
【0085】
ステップS1020において、端末に設定されたデフォルトSIMカードをターゲットSIMカードとして決定する。
【0086】
ステップS1021において、第2のデータモジュールを更新する。
【0087】
一実施例において、SIMカード選択装置は、第1のアプリケーションから送信されたスライス接続要求を取得することができ、ここで、このスライス接続要求には、スライス接続のSIMカードを決定するために使用できる、現在のスライスパラメータが含まれていてもよい。そして、取得済みの現在のスライスパラメータで第1のデータモジュールに問い合わせて、現在のスライスパラメータに対応するターゲットSIMカードを得ることができ、該ターゲットSIMカードを介してデータ接続とスライス接続とを確立することができる。現在のスライスパラメータに対応するターゲットSIMカードを第1のデータモジュール内で取得できない場合、アプリケーションスライスサーバは、第1のSIMカード及び第2のSIMカードに対応するキャリアネットワークに対して、スライスの加入、登録及び変更を開始して、第1のデータモジュールを更新することができる。現在のスライスパラメータに対応する候補SIMカードが2つある場合、SIMカードのネットワーク状態パラメータに基づいてターゲットSIMカードを決定することができる。上記のSIMカード選択方法によれば、第1のアプリケーションのスライスデータ接続を完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0088】
SIMカード選択装置の模式図である
図11に示すように、SIMカード選択装置は、アプリケーションから送信された、現在のスライスパラメータを含むスライス接続要求を受信するように構成された取得モジュール1110と、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを問い合わせ、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードとして決定するように構成された判定モジュール1120とを含む。取得モジュール1110は、アプリケーションから送信されたスライス接続要求を取得することができ、ここで、このスライス接続要求には、スライス接続のSIMカードを決定するために使用できる、現在のスライスパラメータが含まれていてもよい。そして、判定モジュール1120は、取得済みの現在のスライスパラメータで問い合わせて、現在のスライスパラメータに対応するターゲットSIMカードを得て、このターゲットSIMカードを介してデータ接続とスライス接続とを確立することができるため、アプリケーションのスライスデータ接続を完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0089】
一実施例において、判定モジュール1120は、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードの数が一つである場合、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードをターゲットSIMカードとして決定するように構成されてもよい。現在のスライスパラメータに対応できるSIMカードが端末内に一つしかない場合、判定モジュール1120は、該SIMカードをターゲットSIMカードとして設定し、アプリケーションのスライスと該SIMカードとのスライス接続を行い、端末のデータネットワークが該SIMカードを介してデータ接続を行うことを確認することができるため、アプリケーションのスライスデータ接続を完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0090】
一実施例において、判定モジュール1120は、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードが複数ある場合、現在のスライスパラメータに対応する複数のSIMカードを候補SIMカードとして決定し、候補SIMカードのネットワーク状態パラメータを取得し、ネットワーク状態パラメータに基づいて、複数の候補SIMカードの中から、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードを決定するように構成されてもよい。現在のスライスパラメータに対応するSIMカードが複数ある場合、判定モジュール1120は、現在のスライスパラメータに対応する複数のSIMカードを候補SIMカードとして決定し、候補SIMカードを決定した後、候補SIMカードのネットワーク状態パラメータを取得することができる。それから、全ての候補SIMカードのネットワーク状態パラメータの状況に基づいて、スライス接続を確立するためのターゲットSIMカードを決定することができるので、アプリケーションのスライスデータ接続を完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0091】
一実施例において、判定モジュール1120は、候補SIMカードのスライス接続状態が接続済み状態である場合、候補SIMカードをターゲットSIMカードとして決定するように構成されてもよい。ネットワーク状態パラメータはスライス接続状態を含み、そのうちの一つの候補SIMカードがスライスに接続されている状態にあるとき、現在のアプリケーションのスライスに影響を与えないように、判定モジュール1120は、スライスに接続済みの候補SIMカードをターゲットSIMカードとして直接決定することができるため、低い接続コストでアプリケーションのスライスデータ接続を完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0092】
一実施例において、判定モジュール1120は、候補SIMカードのスライス接続状態が未接続状態である場合、信号強度パラメータの高い順に、候補SIMカードを並べ替え、第1順位の候補SIMカードと第2順位の候補SIMカードとの信号強度パラメータの差が第1の閾値より大きい場合、第1順位の候補SIMカードをターゲットSIMカードとして決定するように構成されてもよい。アプリケーションのスライス接続に品質のより良いネットワークデータ伝送能力を提供できるように、候補SIMカードのスライス接続状態が未接続状態である場合、判定モジュール1120は、信号強度パラメータの高い順に、候補SIMカードを並べ替え、第1順位の候補SIMカードと第2順位の候補SIMカードとの信号強度パラメータの差が第1の閾値より大きい場合、第1順位の候補SIMカードをターゲットSIMカードとして決定できるため、アプリケーションのスライスデータ接続を完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0093】
一実施例において、判定モジュール1120は、第1順位の候補SIMカードと第2順位の候補SIMカードとの信号強度パラメータの差が第1の閾値以下である場合、スライス接続頻度パラメータが最も高い候補SIMカードをターゲットSIMカードとして決定するように構成されてもよい。第1順位の候補SIMカードと第2順位の候補SIMカードとの信号強度パラメータの差が第1の閾値以下である場合、判定モジュール1120は、アプリケーションのスライス接続頻度パラメータの状況に基づいて、スライス接続頻度パラメータが最も高い候補SIMカードをターゲットSIMカードとして決定できるため、アプリケーションのスライスデータ接続を完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0094】
一実施例において、更新モジュール1130をさらに含み、更新モジュール1130は、ターゲットSIMカードが決定されると、ターゲットSIMカードのスライス接続頻度パラメータを更新するように構成されてもよい。ターゲットSIMカードが既に確認された後に、更新モジュール1130は、ポリシーデータモジュール内の第2のデータモジュールのデータ内の、ターゲットSIMカードの、アプリケーションに対応するスライス接続頻度パラメータを更新することができ、次のスライス接続要求の判定の正確度を向上させることができるため、アプリケーションのスライスデータ接続をより正確に完了させることができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0095】
一実施例において、スライス確立モジュール1140をさらに含み、スライス確立モジュール1140は、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードの問い合わせ結果がない場合、各SIMカードが属するキャリアネットワークにそれぞれ、現在のスライスパラメータを保持するスライスマッチング要求を送信し、スライスマッチング要求に応じてキャリアネットワークが返信したスライスマッチング要求結果を受信し、スライスマッチング要求結果に基づいて、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードを決定するように構成されてもよい。SIMカード選択装置は、スライス接続要求に応じて問い合わせを開始したが、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードのデータ情報の問い合わせ結果を取得できない場合、スライス確立モジュール1140は、端末内の各SIMカードのキャリアネットワークにそれぞれ、現在のスライスパラメータを保持するスライスマッチング要求を送信することで、現在のスライスパラメータとSIMカードとのマッチング関係を確立することができる。マッチング関係の確立が完了した後に、スライス確立モジュール1140は、スライスマッチング要求に応じてキャリアネットワークが返信したスライスマッチング要求結果を受信して、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードを決定することができる。すなわち、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じSIMカードとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0096】
一実施例において、スライス確立モジュール1140は、全てのキャリアネットワークから返信されたスライスマッチング要求結果が全てマッチング失敗である場合、現在のスライスパラメータを保持するスライス申請メッセージをアプリケーションスライスサーバに送信し、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを改めて問い合わせ、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードとして決定するように構成されてもよい。全てのキャリアネットワークから返信されたスライスマッチング要求結果が全てマッチング失敗である場合、スライス確立モジュール1140は、アプリケーションスライスサーバにスライス申請通知を送信して、アプリケーションスライスサーバから各SIMカードの所属するキャリアへスライスの加入、登録及び変更を行うことができる。スライスの加入、登録及び変更が完了した後に、スライス確立モジュール1140は、現在のスライスパラメータとSIMカードとの対応関係のデータを、例えば第1のデータモジュールに更新するなど、更新を行うことができる。そして、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを改めて問い合わせ、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードとして決定することで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決する。
【0097】
本願の別の実施例はさらに、端末を提供する。
図12を参照し、端末1200は、メモリ1220、プロセッサ1210及びメモリ1220に記憶されて且つプロセッサ1210上で実行できるコンピュータプログラムを含み、コンピュータプログラムは、プロセッサ1210により実行された場合、上記の何れか一つのSIMカード選択方法を実現する。
【0098】
本願の別の実施例はさらに、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、該コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータ実行可能な命令が記憶されており、該コンピュータ実行可能な命令は、プロセッサ又はコントローラ、例えば、上述した実施例の端末内のプロセッサにより実行されることで、上述した実施例における
SIMカード選択方法、例えば、上述した
図1における方法ステップS110からS120、
図2における方法ステップS210からS230、
図3における方法ステップS310、
図4における方法ステップS410からS420、
図5における方法ステップS510、
図6における方法ステップS610からS630、
図7における方法ステップS710、
図8における方法ステップS810からS830、
図9における方法ステップS910、
図10における方法ステップS1001からS1021を、上記プロセッサに実行させることができる。
【0099】
本願の実施例によれば、SIMカード選択方法、装置、端末及び記憶媒体が提供される。SIMカード選択方法によれば、端末は、アプリケーションから送信された、現在のスライスパラメータを含むスライス接続要求を受信した後に、現在のスライスパラメータに対応するSIMカードを問い合わせてから、対応するSIMカードを、スライスデータ接続を確立するためのターゲットSIMカードとして決定することができるため、アプリケーションのスライス接続に対応するSIMカードとデータ接続に対応するSIMカードとを同じとすることで、アプリケーションがスライスデータ接続を開始できない問題を解決することができる。
【0100】
当業者であれば、上記で開示された方法のステップの全部又は一部、システムは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及びそれらの適切な組み合わせとして実施できることを理解できるであろう。物理的組立体の一部又は全部は、中央処理装置、デジタルシグナルプロセッサ又はマイクロプロセッサのようなプロセッサにより実行されるソフトウェアとして、あるいはハードウェアとして、あるいは特定用途向け集積回路のような集積回路として実施することができる。そういったソフトウェアは、コンピュータ可読媒体上に分散することができ、コンピュータ可読媒体はコンピュータ記憶媒体(又は非一時的な媒体)及び通信媒体(又は一時的な媒体)を含むことができる。コンピュータ記憶媒体という用語は、情報(コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータ)を記憶するための任意の方法又は技術において実現される、揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不可能な媒体を含むことは、当業者にとって周知のことである。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ又は他のメモリ技術、CD‐ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)又は他の光ディスク記憶装置、磁気カートリッジ、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、又は所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピュータによってアクセスすることができる任意の他の媒体を含むが、これらに限定されない。さらに、通信媒体は通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、又は搬送波又は他の伝送メカニズムのような変調データ信号中の他のデータを含み、任意の情報伝送媒体を含むことができることは、当業者にとって周知のことである。
【0101】
以上では、本願のいくつかの実施例について具体的に説明したが、本願は上記実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、本願の範囲に反することなく、本願の特許請求の範囲に限定された範囲内に含まれる様々な均等的変形又は置換を行うこともできる。