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  • 特許-ほぐし機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-13
(45)【発行日】2024-09-25
(54)【発明の名称】ほぐし機
(51)【国際特許分類】
   A23P 30/00 20160101AFI20240917BHJP
【FI】
A23P30/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2024099530
(22)【出願日】2024-06-20
【審査請求日】2024-06-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516147981
【氏名又は名称】伊藤ハム米久ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺下 浩司
(72)【発明者】
【氏名】上田 秀二
【審査官】根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-159888(JP,A)
【文献】特許第3075372(JP,B2)
【文献】特開平06-141992(JP,A)
【文献】特開平07-255433(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0071936(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0020716(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23P 10/00-30/40
B26D 3/00-3/30
A47J 9/00-25/00
A47J 42/00-44/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品塊のほぐし機であって、
外周で前記食品塊を切り裂きほぐす複数のほぐし棒、
及び、
複数の前記ほぐし棒を支持し前記ほぐし棒の軸線に交差する方向に移動可能であり、前記食品塊の端部に対して複数の前記ほぐし棒を前記方向に移動させる支持体
を備え
前記ほぐし棒が、前記食品塊を切り裂きほぐす芯棒を有する、ほぐし機。
【請求項2】
前記ほぐし棒が前記芯棒の外周から外向きに突出し、先細りな先端が前記芯棒の軸線に交差して延びる突起有する、請求項1に記載のほぐし機。
【請求項3】
前記突起が雄ネジのネジ山である、請求項2に記載のほぐし機。
【請求項4】
前記支持体が雌ネジ孔を有し、
前記雄ネジが前記雌ネジ孔に螺合して前記支持体から突出している、請求項3に記載のほぐし機。
【請求項5】
前記支持体が前記雄ネジが螺合可能な複数の雌ネジ孔を有し、
複数の前記雌ネジ孔の数が複数の前記雄ネジの数より多い、請求項3又は4に記載のほぐし機。
【請求項6】
前記食品塊を前記支持体に向かって搬送する搬送機を更に備える、請求項1から4のいずれかに記載のほぐし機。
【請求項7】
ほぐし機で食品塊をほぐす加工方法であって、
前記ほぐし機が、
外周で前記食品塊を切り裂きほぐす複数のほぐし棒、
及び、
複数の前記ほぐし棒を支持し前記ほぐし棒の軸線に交差する方向に移動可能であり、前記食品塊の端部に対して複数の前記ほぐし棒を前記方向に移動させる支持体
を備え、
前記ほぐし棒が、前記食品塊を切り裂きほぐす芯棒を有し、
前記支持体に、前記食品塊の端部を近づけ、
前記方向に前記食品塊の端部に対して前記支持体を移動させ、複数の前記ほぐし棒で前記食品塊の端部をほぐす、食品塊のほぐし加工方法。
【請求項8】
前記食品塊が鶏肉が固められた鶏肉塊である、請求項7に記載の食品塊のほぐし加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、食品塊のほぐし機を開示する。
【背景技術】
【0002】
特開2005-262361公報には、加熱した鶏肉を引き裂いたようにほぐす食品加工装置が開示されている。この食品加工装置は、回動する皿体に鶏肉を入れ、回転する刃により、鶏肉を切断撹拌する。この食品加工装置は、回転方向に頂点を持つ錐形の刃で鶏肉を切断撹拌して、鶏肉をほぐす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-262361公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2005-262361公報の食品加工装置の刃は、錐形の刃であり、刃先で鶏肉を引き裂く。この錐形の刃は、予め、鶏肉を適当な大きさに裁断しておく必要がある。このほぐし機は、塊状の食品(以下、食品塊ともいう)を、予め、適当な大きさに裁断することなしに、ほぐすことは困難である。
【0005】
本出願人の意図するところは、食品塊を容易にほぐすことができる、ほぐし機の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する食品塊のほぐし機は、
外周で前記食品塊を切り裂く複数のほぐし棒、
及び、
複数の前記ほぐし棒を支持し前記ほぐし棒の軸線に交差する方向に移動可能であり、前記食品塊の端部に対して複数の前記ほぐし棒を前記方向に移動させる支持体
を備える。
【0007】
本明細書が開示する、ほぐし機で食品塊をほぐす加工方法は、
前記ほぐし機が、
外周で前記食品塊を切り裂く複数のほぐし棒、
及び、
複数の前記ほぐし棒を支持し前記ほぐし棒の軸線に交差する方向に移動可能であり、前記食品塊の端部に対して複数の前記ほぐし棒を前記方向に移動させる支持体
を備え、
前記支持体に、前記食品塊の端部を近づけ、
前記方向に前記食品塊の端部に対して前記支持体を移動させ、複数の前記ほぐし棒で前記食品塊の端部をほぐす。
【発明の効果】
【0008】
このほぐし機は、食品塊を容易にほぐすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態に係るほぐし機が示された側面断面図である。
図2図2は、図1の線分II-IIに沿った正面断面図である。
図3図3は、図1の符号IIIの部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態が詳細に説明される。
【0011】
図1には、ほぐし機1が、ほぐし機1でほぐされる鶏肉塊2と共に示されている。鶏肉塊2は、骨等の不要な部分が取り除かれた鶏肉が固められた結着成形体である。この鶏肉塊2は、例えばチルド食品である。この鶏肉塊2は、ほぐされる食品塊の例示である。ほぐし機1でほぐされる食品塊は、鶏肉塊2に限定されない。食品塊は、鶏肉塊2以外の獣肉塊であってもよい。また、食品塊は、複数の肉片等が固められた塊状の食品に限定されず、単体のブロック状の獣肉、魚肉であってもよい。
【0012】
図1に示される様に、ほぐし機1は、鶏肉塊2を搬送する搬送機3を備える。搬送機3は、鶏肉塊2を支持し搬送するコンベヤ4、及び、コンベヤ4の上方に位置してコンベヤ4との間に鶏肉塊2を挟むコンベヤ5を含む。コンベヤ4は、ローラ4A、ローラ4B、及び、ローラ4Aとローラ4Bとに掛け渡されたベルト4Cを有する。ベルト4Cは、ローラ4A及びローラ4Bに案内されて周回可能である。図1の矢印V4はベルト4Cの周回向きを表している。コンベヤ5は、ローラ5A、ローラ5B、ローラ5C、及び、ローラ5Aとローラ5Bとローラ5Cとに掛け渡されたベルト5Dを有する。ベルト5Dは、ローラ5A、ローラ5B及びローラ5Cに案内されて周回可能である。図1の矢印V5はベルト5Dの周回向きを表している。
【0013】
ほぐし機1は、搬送機3によって搬送された鶏肉塊2が送り込まれる口金6を備える。口金6は、先端に鶏肉塊2の端部2Aを突出させる開口6Aを有する。口金6は鶏肉塊2の端部2Aを口金6から突出させて、鶏肉塊2を支持可能である。
【0014】
ほぐし機1は、円板7、円板7が取り付けられた回転軸8、円板7を覆って下方に払い出し口9Aを有するフード9、及び、円板7に取り付けられた多数のボルト10を備える。円板7の表面7Aは、口金6の開口6Aに対向している。それぞれのボルト10は、雄ネジ10A及び頭部10Bを有する。ボルト10は、円板7の表面7Aから雄ネジ10Aを突出させている。
【0015】
図2は、図1の線分II-IIに沿った断面が示されている。なお、図1は、図2の線分I-Iに沿った断面である。図2に示される様に、ほぐし機1は、更に、コンベヤ4が搬送する鶏肉塊2を左右からガイドする左右一対のガイド11、及び、回転軸8を回転させる駆動機12を備える。図2では、円板7及びフード9に隠れた一対のガイド11及び駆動機12が、二点鎖線で示されている。また、同様に、鶏肉塊2、コンベヤ4、コンベヤ5が二点鎖線で示されている。
【0016】
円板7は、円板本体7B、及び、円板本体7Bに取り付けられ周方向に並ぶ2枚の羽根板13を有する。円板7は、回転軸8によって、回転可能である。図2の矢印V7は、円板7の回転向きを表している。それぞれの羽根板13は、円板7の周方向及び半径方向に位置が異なる複数の雌ネジ孔14を有する。複数の雌ネジ孔14のいくつかに、ボルト10が螺合されている。ボルト10は、雌ネジ孔14に螺合されて、円板7に取り付けられている。これにより、図1に示される様に、ボルト10は、円板7の表面7Aから雄ネジ10Aを突出させている。
【0017】
なお、この円板7は、2枚の羽根板13を有するが、羽根板13を有しなくてもよい。この円板7は、円板本体7Bに複数の雌ネジ孔14を形成されていてもよい。また、この円板7は、周方向に並ぶ3枚以上の羽根板13を有してもよい。
【0018】
図3には、図1の符号IIIで示された部分拡大図が示されている。図3に示される様に、雄ネジ10Aが円板7の表面7Aから突出している。なお、この円板7では、雄ネジ10Aは、羽根板13の表面である表面7Aから突出している。図3の一点鎖線L10は、ボルト10の軸線を表している。この軸線L10は、円板7及び回転軸8の軸線と平行である。雄ネジ10Aは、径方向外向きに突出するネジ山10Cを有する。ネジ山10Cは、軸線L10に交差して尾根状に延び、先細りであり、先端10Dを有する。図3には、雄ネジ10Aの芯棒10Eが二点鎖線で示されている。このネジ山10Cは、芯棒10Eの外周10Fから外向きに突出している。
【0019】
ここで、図1から図3を参照しつつ、ほぐし機1で鶏肉塊2をほぐす、加工方法が説明される。ここでは、例えば、一辺が約10cmの立方体状の鶏肉塊2がほぐされる。なお、加工される鶏肉塊2の大きさは、特に限定されない。ほぐされる鶏肉塊2の大きさに対応可能な大きさのほぐし機1が用意されればよい。
【0020】
この加工方法では、作業者が、図1に示されるコンベヤ4に、鶏肉塊2を載せる。コンベヤ4が円板7に向かって鶏肉塊2を搬送する。コンベヤ4とコンベヤ5とが鶏肉塊2を挟んで、口金6に押し込む。押し込まれた鶏肉塊2の端部2Aが口金6の開口6Aから突出する。回転する円板7によって、ボルト10の雄ネジ10Aが鶏肉塊2の端部2Aを切り裂く。ボルト10の雄ネジ10Aが、鶏肉塊2から切り裂かれた鶏肉片をほぐす。この鶏肉片は、フード9に案内され、フード9の払い出し口9Aから払い出される。
【0021】
このほぐし機1は、雄ネジ10Aの芯棒10Eと、芯棒10Eの外周10Fから外向きに突出し、先細りな先端10Dが芯棒10Eの軸線L10に交差して延びるネジ山10Cとを有する。円板7は、ボルト10が並ぶ半径方向に交差する周方向向きに、ボルト10を鶏肉塊2の端部2Aに対して移動させる。円板7は、ボルト10の軸線L10に直交する方向にボルト10を移動させる。
【0022】
このほぐし機1では、複数の雄ネジ10Aが鶏肉塊2の端部2Aに対して軸線L10に直交する方向に移動することで、複数の雄ネジ10Aが鶏肉塊2を切り裂く。この雄ネジ10Aは、鶏肉塊2の端部2Aをボルト10の軸線L10に直交する方向に切り裂きながらほぐす。このほぐし機1では、鶏肉塊2を容易にほぐすことができる。このほぐし機1は、鶏肉塊2を軸線L10に沿う方向に切り裂きほぐせればよい。このほぐし機1は、ネジ山10Cを有しなくてもよい。例えば、ほぐし機1は、芯棒10Eの外周10Fで鶏肉塊2を切り裂きほぐしてもよい。
【0023】
また、このほぐし機1では、芯棒10Eの移動方向は、軸線L10に直交する方向に限定されない。芯棒10Eの先端と同時に又は芯棒10Eの先端より先に外周10Fが鶏肉塊2に当接し、外周10Fで鶏肉塊2を切り裂ければよく、芯棒10Eの移動方向は、軸線L10に交差する方向であればよい。
【0024】
このほぐし機1では、複数の雄ネジ10Aが、軸線L10に沿って鶏肉塊2を切り裂きながら、複数の雄ネジ10Aのネジ山10Cが軸線L10に交差させて鶏肉塊2を切り裂く。この雄ネジ10Aは、鶏肉塊2の端部2Aをボルト10の軸線L10に沿う方向と交差する方向との2方向に切り裂きながら、切り裂かれた鶏肉片をほぐす。このほぐし機1では、鶏肉塊2を更に容易にほぐすことができる。従って、このほぐし機1は、芯棒10Eの外周10Fから外向きに突出し先細りであり、先端10Dが芯棒10Eの軸線L10に交差して延びるネジ山10Cを有することが好ましい。
【0025】
また、この様な雄ネジ10Aで、鶏肉塊2を切り裂きながらほぐすことで、不均一な大きさ及び形状に鶏肉片が得られる。不均一な大きさ及び形状の鶏肉片は、例えば、ピザのトッピングなどに好適である。このほぐし機1は、トッピング用の鶏肉片の製造に適している。
【0026】
このほぐし機1では、鶏肉片のほぐし棒はボルト10に限定されない。前述の様に、ほぐし棒は、軸線L10に沿って延びる芯棒10Eを有すればよい。その様なほぐし棒であれば、鶏肉塊2の端部2Aをほぐし棒の軸線10Lに沿う方向に切り裂きながら、切り裂かれた鶏肉片をほぐすことができる。また、更に、ネジ山10Cを有するほぐし棒であれば、軸線L10に交差する方向と沿う方向との2方向に切り裂きながら、切り裂かれた鶏肉片をほぐすことができる。複数のほぐし棒で、鶏肉塊2を切り裂きながらほぐすことで、不均一な大きさ及び形状に鶏肉片が得られる。
【0027】
このほぐし機1のボルト10では、雄ネジ10Aが、芯棒10Eと、芯棒10Eの外周10Fから外向きに突出し、先端10Dが芯棒10Eの軸線L10に交差して延びるネジ山10Cとを有している。なお、先端10Dと芯棒10Eの軸線L10との交差角度は特に限定されないが、好ましくは60°以上であり、更に好ましくは80°以上であり、特に好ましくは85°以上である。
【0028】
ほぐし機1は、ほぐし棒の突起としてのネジ山10Cを有する。ネジ山10Cは、先端10Dの延びる方向に垂直な断面において、先端10Dに向かって先細りなテーパ形状を有する。このネジ山10Cは、鶏肉塊2を切り裂くのに適している。ほぐし棒の突起は、先端10Dの延びる方向に垂直な断面において、先端10Dに向かって先細りなテーパ形状を有することが好ましい。
【0029】
また、複数のボルト10の支持体は、円板7に限定されない。支持体は、複数のほぐし棒が並ぶ方向に交差する向きに鶏肉塊2の端部2Aに対して移動可能に、複数のほぐし棒を支持すればよい。並んだ複数のほぐし棒が、鶏肉塊2の端部2Aの異なる位置を切り裂きながらほぐすことができればよい。また、回転軸8を備えるほぐし機1の場合でも、支持体は、回転軸8に取り付けられ回転する回転体であればよく、例えば、円板本体7Bを備えずに羽根板13が回転軸8に取り付けられ回転してもよい。
【0030】
また、複数のボルト10の移動方向は周方向に限定されない。このほぐし機1では、複数のボルト10の移動方向は、鶏肉塊2の端部2Aを鶏肉塊2の移動方向に直交して横切る方向であるが、これに限定されない。複数のボルト10の移動方向は、鶏肉塊2の移動方向に交差して横切り、鶏肉塊2をちぎりながらほぐせる方向であればよい。ほぐし機1は、支持体である円板7を回転させたが、支持体を上下方向に移動させてもよいし、左右方向に移動させてもよいし、上下方向及び左右方向に移動させてもよい。
【0031】
このほぐし機1は、鶏肉塊2を円板7に向かって搬送する搬送機3を備える。このほぐし機1では、作業者が、円板7に向かって、鶏肉塊2を押し込む必要がない。このほぐし機1は、搬送機3を備えることが好ましい。更に、搬送機3は、コンベヤ4とコンベヤ5とで鶏肉塊2を挟むことで、鶏肉塊2を確実に押し込むことができる。この搬送機3は、鶏肉塊2を挟むコンベヤ4とコンベヤ5とを有することが好ましい。なお、ここでは、コンベヤ4及びコンベヤ5はベルトコンベヤであったが、これに限定されない。コンベヤ4は、鶏肉塊2を搬送可能であればよく、コンベヤ5はコンベヤ4との間に鶏肉塊2を挟んで口金6に向かって押し込み可能であればよい。
【0032】
このほぐし機1は、鶏肉塊2の端部2Aを突出させて鶏肉塊2を支持する口金6を備える。この口金6が鶏肉塊2を支持することで、ボルト10は端部2Aを切り裂き易い。ほぐし機1は、口金6を備えることが好ましい。また、この口金6に、鶏肉塊2を押し込み、端部2Aを突出させる観点からも、搬送機3は鶏肉塊2を挟むコンベヤ4とコンベヤ5とを有することが好ましい。
【0033】
このほぐし機1は、雄ネジ10Aで鶏肉塊2を切り裂く。この雄ネジ10Aには、市販のボルト10を用いることができるので、このほぐし機1は、専用のほぐし棒を特別に用意する必要がない。このほぐし機1は、ボルト10を用いることで、専用の交換部品の保管も不要である。このほぐし機1では、鶏肉塊2を切り裂く突起は、雄ネジ10Aであることが好ましい。
【0034】
このほぐし機1では、円板7が雌ネジ孔14を有する。雄ネジ10Aが雌ネジ孔14に螺合して円板7から突出している。雌ネジ孔14に雄ネジ10Aを螺合することで、雄ネジ10Aは、突出高さを容易に調整できる。ほぐし機1では、円板7が雌ネジ孔14を有し、雄ネジ10Aが雌ネジ孔14に螺合されて円板7から突出することが好ましい。また、ほぐし機1は、雄ネジ10Aの突出高さを固定するために、雌ネジ孔14に螺合され、円板7に押し付けられるナットを更に備えてもよい。
【0035】
このほぐし機1では、円板7が複数の雌ネジ孔14を有する。位置が異なる複数の雌ネジ孔14から選択された雌ネジ孔14に雄ネジ10Aが螺合される。ほぐし機1は、雄ネジ10Aが突出する位置を変更できる。ほぐし機1は、ほぐされる食品塊によって、雄ネジ10Aが突出する位置を変更できる。ほぐし機1では、複数の雌ネジ孔14の数が複数の雄ネジ10Aの数より多いことが好ましい。位置が異なる複数の雌ネジ孔14を有することが好ましい。
【0036】
なお、ほぐし機1がほぐす食品塊は鶏肉塊2に限定されない。ほぐし機1がほぐす食品塊は、ほぐし棒の外周で切り裂きながら、ほぐすことが可能な食品であればよい。
【0037】
[開示項目]
以下の項目のそれぞれは、好ましい実施形態を開示する。
【0038】
[項目1]
食品塊のほぐし機であって、
外周で前記食品塊を切り裂く複数のほぐし棒、
及び、
複数の前記ほぐし棒を支持し前記ほぐし棒の軸線に交差する方向に移動可能であり、前記食品塊の端部に対して複数の前記ほぐし棒を前記方向に移動させる支持体
を備える、ほぐし機。
【0039】
[項目2]
前記ほぐし棒が、芯棒と、前記芯棒の外周から外向きに突出し、先細りな先端が前記芯棒の軸線に交差して延びる突起とを有する、項目1に記載のほぐし機。
【0040】
[項目3]
前記突起が雄ネジのネジ山である、項目2に記載のほぐし機。
【0041】
[項目4]
前記支持体が雌ネジ孔を有し、
前記雄ネジが前記雌ネジ孔に螺合して前記支持体から突出している、項目3に記載のほぐし機。
【0042】
[項目5]
前記支持体が前記雄ネジが螺合可能な複数の雌ネジ孔を有し、
複数の前記雌ネジ孔の数が複数の前記雄ネジの数より多い、項目3又は4に記載のほぐし機。
【0043】
[項目6]
前記食品塊を前記支持体に向かって搬送する搬送機を更に備える、項目1から5のいずれかに記載のほぐし機。
【0044】
[項目7]
ほぐし機で食品塊をほぐす加工方法であって、
前記ほぐし機が、
外周で前記食品塊を切り裂く複数のほぐし棒、
及び、
複数の前記ほぐし棒を支持し前記ほぐし棒の軸線に交差する方向に移動可能であり、前記食品塊の端部に対して複数の前記ほぐし棒を前記方向に移動させる支持体
を備え、
前記支持体に、前記食品塊の端部を近づけ、
前記方向に前記食品塊の端部に対して前記支持体を移動させ、複数の前記ほぐし棒で前記食品塊の端部をほぐす、食品塊のほぐし加工方法。
【0045】
[項目8]
前記食品塊が鶏肉が固められた鶏肉塊である、項目7に記載の食品塊のほぐし加工方法。
【符号の説明】
【0046】
1・・・ほぐし機
2・・・鶏肉塊(食品塊)
2A・・・端部
3・・・搬送機
7・・・円板(支持体)
10・・・ボルト
10A・・・雄ネジ(ほぐし棒)
10C・・・ネジ山(突起)
10D・・・先端
10E・・・芯棒
10F・・・外周
14・・・雌ネジ孔
【要約】
【課題】食品塊を容易にほぐすことができる、ほぐし機を提供する。
【解決手段】ほぐし機1は、食品塊2をほぐす。ほぐし機1は、外周で食品塊2を切り裂く複数のほぐし棒10、及び、複数のほぐし棒10を支持しほぐし棒10の軸線に交差する方向に移動可能であり、食品塊2の端部2Aに対して複数のほぐし棒10をほぐし棒10の軸線に交差する方向に移動させる支持体7を備える。好ましくは、ほぐし棒10が、芯棒と、芯棒の外周から外向きに突出し、先細りな先端が芯棒の軸線に交差して延びる突起とを有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3