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特許7556192二次電池充放電用グリッパ組立体およびそれを含む充放電装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】二次電池充放電用グリッパ組立体およびそれを含む充放電装置
(51)【国際特許分類】
   H02H 7/18 20060101AFI20240918BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20240918BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240918BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
H02H7/18
H01M10/42 P
H01M10/48 P
H02J7/00 S
H02J7/00 301B
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023546265
(86)(22)【出願日】2022-11-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-02
(86)【国際出願番号】 KR2022018058
(87)【国際公開番号】W WO2023090840
(87)【国際公開日】2023-05-25
【審査請求日】2023-08-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0157415
(32)【優先日】2021-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0152712
(32)【優先日】2022-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン タエ
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-203778(JP,A)
【文献】特開2010-136465(JP,A)
【文献】特開昭63-292568(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0030983(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 7/18
H01M 10/42
H02J 7/00
H01M 10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池の電極リードを押圧するように構成されたグリッパボディ部と、
前記グリッパボディ部の一側に結合され、前記電極リードの表面に押圧されて接触する接触部材と、
前記グリッパボディ部に形成され、前記二次電池から伝達される熱に応じて形状が変形されて前記グリッパボディ部による前記電極リードの押圧状態を解除する安全ブロック部と、
前記二次電池と前記安全ブロック部とを連結する熱伝導部と、を含む、二次電池充放電用グリッパ組立体。
【請求項2】
前記グリッパボディ部は、
前記電極リードの一面に接触する第1グリッパボディと、
前記電極リードの他の一面に接触する第2グリッパボディと、
前記第1グリッパボディおよび前記第2グリッパボディを連結する連結部材を含む、請求項1に記載の二次電池充放電用グリッパ組立体。
【請求項3】
前記安全ブロック部は、
前記第1グリッパボディおよび前記第2グリッパボディのうち少なくともいずれか一つに形成される、請求項2に記載の二次電池充放電用グリッパ組立体。
【請求項4】
前記安全ブロック部は、加熱により変形前の形状に復元される形状記憶合金を含み、
前記第1グリッパボディおよび前記第2グリッパボディのうち少なくともいずれか一つには、前記形状記憶合金が収容される収容溝が形成される、請求項2に記載の二次電池充放電用グリッパ組立体。
【請求項5】
前記形状記憶合金は、
70℃~120℃の温度範囲において元の形態に復元される、請求項4に記載の二次電池充放電用グリッパ組立体。
【請求項6】
前記安全ブロック部は、熱膨張係数がアルミニウムの熱膨張係数(0.02mm/mh℃)より大きい熱膨張金属を含み、
前記第1グリッパボディおよび前記第2グリッパボディのうち少なくともいずれか一つには、前記熱膨張金属が収容される収容溝が形成される、請求項2に記載の二次電池充放電用グリッパ組立体。
【請求項7】
前記安全ブロック部は、互いに異なる熱膨張率を有する2つの金属からなるバイメタルを含み、
前記第2グリッパボディには、前記バイメタルが収容される収容溝が形成される、請求項2に記載の二次電池充放電用グリッパ組立体。
【請求項8】
前記バイメタルは、
70℃~120℃の温度範囲において前記電極リードの厚さより大きく撓む2つの金属からなる、請求項7に記載の二次電池充放電用グリッパ組立体。
【請求項9】
前記接触部材は、金属材で形成される、請求項1に記載の二次電池充放電用グリッパ組立体。
【請求項10】
前記熱伝導部は、
アルミニウムまたはアルミニウムより熱伝導率が高い金属からなる熱伝導線である、請求項9に記載の二次電池充放電用グリッパ組立体。
【請求項11】
請求項1~10のうちいずれか一項に記載の二次電池充放電用グリッパ組立体、および
電流源から供給される出力電源を電池の充電に好適な電源に変換する電源変換部を含み、
前記電源変換部は、前記二次電池充放電用グリッパ組立体の接触部材を介して二次電池に電流を印加する、二次電池の充放電装置。
【請求項12】
並んで多数が設置され、互いの間に間隔調節が可能に結合され、それぞれの間に形成されるギャップに前記二次電池を介在されるように構成された加圧プレートと、
支持のために設置される支持部材と、
前記支持部材に対向するように設置される可動部材と、
前記加圧プレートが前記間隔調節の方向に移動するようにガイドするガイド部材と、
前記可動部材を前後に移動させることによって、前記加圧プレートの間の前記二次電池を両面から加圧および加圧解除するようにする加圧駆動部をさらに含む、請求項11に記載の二次電池の充放電装置。
【請求項13】
前記二次電池充放電用グリッパ組立体は、前記加圧プレート毎に多数が設置され、前記加圧プレートに固定されることによって、前記加圧プレートと共に移動するように構成された、請求項12に記載の二次電池の充放電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年11月16日付の韓国特許出願第10-2021-0157415号および2022年11月15日付の韓国特許出願第10-2022-0152712号に基づく優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明は、二次電池の充放電時、内部欠陥に起因して発生するスウェリングおよび温度上昇に起因する発火の危険を防止するための二次電池充放電用グリッパ組立体およびそれを含む充放電装置に関するものである。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発と需要が増加するにつれて、エネルギー源としての電池の需要が急激に増加しており、それに応じて多様なニーズに応えることができる電池に対する多くの研究が行われている。
【0004】
代表的に電池の形状面では薄い厚さで携帯電話などのような製品に適用され得る角型二次電池とパウチ型二次電池に対する需要が高く、材料面ではエネルギー密度、放電電圧、出力安定性の高いリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池などのようなリチウム二次電池に対する需要が高い。
【0005】
しかし、二次電池のエネルギー密度が高くなり高容量化されることにつれて、繰り返しの充放電過程で発熱量が増加することになる。それは、過度な温度上昇と、それによる素子の誤作動を引き起こし、作動効率を低下させるのみならず、電池の寿命を大幅に短縮させる原因となる。
【0006】
したがって、電池に対する最適な作動状態および安全性を確保するために、製品についての多くの試験が行われており、そのような試験のうちには、テスト試片の電圧、電流などの電気的作動状態と、温度や圧力などの物理的作動状態とを充放電装置を用いて測定する過程が含まれる。
【0007】
しかしながら、二次電池の充放電時、二次電池の内部欠陥に起因してスウェリング(swelling)現象が発生し、また、二次電池内部の温度が上昇する可能性がある。それを放置しながら充放電工程を行う場合、温度上昇によって二次電池が発火するという危険がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、二次電池の充放電時、内部欠陥に起因して発生するスウェリングおよび温度上昇に起因する発火の危険を防止するための二次電池充放電用グリッパ組立体と充放電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態に係る二次電池充放電用グリッパ組立体は、二次電池の電極リードを押圧するように構成されたグリッパボディ部と、上記グリッパボディ部の一側に結合され、上記電極リードの表面に押圧されて接触する接触部材と、上記グリッパボディ部に形成され、上記二次電池から伝達される熱に応じて形状が変形されて上記グリッパボディ部による電極リードの押圧状態を解除する安全ブロック部と上記二次電池と上記安全ブロック部とを連結する熱伝導部と、を含む。
【0010】
本発明の一実施形態に係る二次電池充放電用グリッパ組立体において、上記グリッパボディ部は、上記電極リードの一面に接触する第1グリッパボディと、上記電極リードの他の一面に接触する第2グリッパボディと、上記第1グリッパボディと第2グリッパボディとを連結する連結部材を含むことができる。
【0011】
本発明の一実施形態に係る二次電池充放電用グリッパ組立体において、上記安全ブロック部は、上記第1、2グリッパボディのうち少なくともいずれか1つに形成され得る。
【0012】
本発明の一実施形態に係る二次電池充放電用グリッパ組立体において、上記安全ブロック部は、加熱により変形前の形状に復元される形状記憶合金を含むことができ、上記第1、2グリッパボディのうち少なくともいずれか1つには上記形状記憶合金が収容される収容溝を形成され得る。
【0013】
本発明の一実施形態に係る二次電池充放電用グリッパ組立体において、上記形状記憶合金は、70℃~120℃の温度範囲に元の形態に復元され得る。
【0014】
本発明の一実施形態に係る二次電池充放電用グリッパ組立体において、上記安全ブロック部は、熱膨張係数がアルミニウムの熱膨張係数(0.02mm/mh℃)より大きい熱膨張金属を含むことができ、上記第1、2グリッパボディのうち少なくともいずれか一つには、上記熱膨張金属が収容される収容溝が形成され得る。
【0015】
本発明の一実施形態に係る二次電池充放電用グリッパ組立体において、上記安全ブロック部は、互いに異なる熱膨張率を有する2つの金属からなるバイメタルを含むことができ、上記第1、2グリッパボディのうち少なくともいずれか1つには、上記バイメタルが収容される収容溝が形成され得る。
【0016】
本発明の一実施形態に係る二次電池充放電用グリッパ組立体において、上記バイメタルは、70℃~120℃の温度範囲に上記電極リードの厚さより大きく撓む2つの金属からなり得る。
【0017】
本発明の一実施形態に係る二次電池充放電用グリッパ組立体において、上記接触部材は、金属材で形成され得る。
【0018】
本発明の一実施形態に係る二次電池充放電用グリッパ組立体において、上記熱伝導部は、アルミニウムまたはアルミニウムより熱伝導率が高い金属からなる熱伝導線であり得る。
【0019】
本発明の一実施形態に係る二次電池の充放電装置は、上述したグリッパ組立体と、電流源から供給される出力電源を電池充電に好適な電源に変換する電源変換部とを含み、上記電源変換部は、上記グリッパ組立体の接触部材を介して二次電池に電流を印加することができる。
【0020】
本発明の一実施形態に係る二次電池の充放電装置は、並べて多数が設置され、互いの間に間隔調節ができるように結合され、それぞれの間に形成されるギャップ(Gap)に二次電池が介在されるように構成された加圧プレートと、支持のために設置される支持部材と、上記支持部材と対向するように設置される可動部材と、上記加圧プレートが上記間隔調節の方向に移動するようにガイドするガイド部材と、上記可動部材を前後に移動させることによって、上記加圧プレート間の上記二次電池を両面から加圧および加圧解除するようにする加圧駆動部をさらに含むことができる。
【0021】
本発明の一実施形態に係る二次電池の充放電装置において、上記二次電池充放電用グリッパ組立体は、上記加圧プレート毎に多数が設置され、上記加圧プレートに固定されることによって、上記加圧プレートと共に移動するように構成され得る。
【0022】
その他の本発明の多様な側面による具現例の具体的な事項は、以下の詳細な説明に含まれている。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施形態によれば、二次電池の充放電時に、二次電池の内部欠陥に起因して発生するスウェリングおよび温度の上昇に起因する二次電池の発火の危険を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施形態に係る二次電池充放電用グリッパ組立体に適用される二次電池が図示された分解斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る二次電池充放電用グリッパ組立体は図示された側面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディが図示された側断面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディが図示された平面図である。
図5】電池内部の温度上昇時、本発明の第1実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディの安全ブロック部が電極リードの押圧状態を解除する状態が図示された側断面図である。
図6】本発明の第2実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディが図示された側断面図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディが図示された平面図である。
図8】電池内部の温度上昇時、本発明の第2実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディの安全ブロック部が電極リードの押圧状態を解除する状態が図示された側断面図である。
図9】本発明の第3実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディが図示された側断面図である。
図10】本発明の第3実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディが図示された平面図である。
図11】電池内部の温度上昇時、本発明の第3実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディの安全ブロック部が電極リードの押圧状態を解除する状態が図示された側断面図である。
図12】本発明の一実施形態に係る充放電装置の概略図である。
図13】本発明の一実施形態に係る充放電装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、多様な変換を加えることができ、多様な実施形態を有することができる。そこで、特定の実施形態を例示し、詳細に説明する。しかしながら、これは本発明を特定の実施形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変換、均等物または代替物を含むものとして理解されたい。
【0026】
本発明で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上に明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本発明において、「含む」または「有する」などの用語は、本明細書に記載の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、1つまたはそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはそれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものとして理解されたい。以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る二次電池充放電用グリッパ組立体を説明する。
【0027】
本発明において、x軸は二次電池の横方向に該当し、y軸は二次電池の縦方向に該当し、z軸は加圧プレートの間隔調節の方向、二次電池の厚さ方向に該当する。
【0028】
まず、図1を参照して二次電池について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る二次電池充放電装置に適用される二次電池が図示された分解斜視図である。
【0029】
図1を参照すると、二次電池Bは、電池ケース10および電池ケース10の収容部13に収容される電極組立体20および電解液を含む。このとき、電極組立体20は、電極23に電気的に連結される電極リード30を含むことができる。
【0030】
電極組立体20は充放電が可能な発電素子であって、電極23と分離膜24とが交互に積層して形成され得る。
【0031】
電極23は、正極21および負極22から構成され得る。このとき、電極組立体20は、正極21/分離膜24/負極22が交互に積層された構造からなり得る。そして、電極リード30は、正極21に連結される正極リード、および負極22に連結される負極リードを含むことができる。図1において、電極リード30は、電極組立体20の一方向に形成されたものとして例示されているが、電極組立体20の両方向にも形成され得る。
【0032】
正極21は、正極集電体と、正極集電体に積層された正極活物質とを含むことができる。正極集電体は、アルミニウム材質の箔(Foil)からなり得る。正極活物質は、リチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リン酸鉄リチウム、またはこれらのうち1種以上が含まれた化合物および混合物などからなり得る。
【0033】
負極22は、負極集電体と、負極集電体に積層された負極活物質とを含むことができる。負極集電体は、例えば、銅(Cu)材質からなる箔(foil)からなり得る。負極活物質は、黒鉛系物質を含む化合物または混合物であり得る。
【0034】
分離膜24は絶縁材質からなり、正極21と負極22との間を電気的に絶縁する。分離膜24は、微多孔性を有するポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂膜で形成され得る。
【0035】
次に、図2を参照して、本発明の実施形態に係る二次電池充放電用グリッパ組立体を説明する。図2は、本発明の実施形態に係る二次電池充放電用グリッパ組立体が図示された側面図である。
【0036】
図2に図示されたように、本発明の実施形態に係る二次電池充放電用グリッパ組立体は、グリッパボディ部110、接触部材120、安全ブロック部130、熱伝導部140を含む。
【0037】
グリッパボディ部110は、二次電池の電極リード30を押圧し、接触部材120を介して、電池に充電エネルギーを供給する。グリッパボディ部110は、二次電池Bの電極リード30と対応する位置に配置され、接触部材120を媒介に電極リード30を押圧することができる。図2において、電極リード30は電極組立体20の両方向に形成されたものを例示しているが、図1のように電極リード30は電極組立体20の一方向にも形成され得る。
【0038】
グリッパボディ部110は、上記電極リードの一面に接触する第1グリッパボディ111と、上記電極リードの他の一面に接触する第2グリッパボディ112で構成され、第1グリッパと第2グリッパとの間に形成されたギャップ(Gap)に電極リードを介在され、第1グリッパと第2グリッパとの間に形成されたギャップの間隔が近づくにつれて、電極リードを押圧するように構成され得る。
【0039】
一つの具体例において、グリッパボディ部110は、電極リード30の上部に配置される第1グリッパボディ111と、電極リード30の下部に配置される第2グリッパボディ112と、第1グリッパボディ111および第2グリッパボディ112を連結する連結部材113と、を含むことができる。例えば、第1グリッパボディ111と第2グリッパボディ112は、連結部材113によって連結結合されて、全体的にはトング状に形成され得る。このとき、連結部材113はヒンジであり得る。
【0040】
接触部材120は、グリッパボディ部110の一側に結合され、グリッパボディ部110によって電極リード30の表面に押圧されて接触する。接触部材120は、金属材質から成ってもよく、第1グリッパボディ111と第2グリッパボディ112のうち少なくともいずれか一つに形成され得る。図面では、第1グリッパボディ111に接触部材120が形成されたことを例示する。
【0041】
接触部材120には、電極リード30の表面を押圧するように尖った複数個のジョー(jaw)が形成され得る。これにより、電極リード30に対する押圧力を増大させて伝導性を高めることができる。また、接触部材120の表面には金メッキ処理を施して伝導性をさらに高めることができる。
【0042】
安全ブロック部130はグリッパボディ部110に形成されており、二次電池Bから伝達される熱に応じて形状が変更されて電極リード30の押圧状態を解除することができる。安全ブロック部130は、第1グリッパボディ111と第2グリッパボディ112のうち少なくともいずれか一つに形成され得る。図面では、第2グリッパボディ112に安全ブロック部130が形成されたものを例示する。
【0043】
安全ブロック部130は、熱によって形状が変更される物質(または組立体)からなり、例えば、形状記憶合金、熱膨張率の大きい金属、バイメタルなどであり得る。これについては、図3図11を参照して後述する。
【0044】
熱伝導部140は、充放電を行う中に、二次電池B内部で発生した熱を安全ブロック部130に伝達する。熱伝導部140は、二次電池Bの内部またはパウチに含まれたアルミニウムと安全ブロック部130とを連結する熱伝導線で構成され得る。熱伝導線は、アルミニウムまたはアルミニウムより熱伝導率が高い物質(例えば、金、銀、銅など)からなり得る。熱伝導線の熱伝導率がアルミニウムより低い場合、二次電池B内部の熱を安全ブロック部130に伝達する時間が遅延されて、発火防止に好適ではないことがあり得る。
【0045】
このように構成される本発明の実施形態に係る二次電池充放電用グリッパ組立体によれば、二次電池充放電時、二次電池の内部欠陥に起因して発生するスウェリングおよび温度上昇に起因する二次電池の発火の危険を防止することができる。
【0046】
以下、図3図11を参照して安全ブロック部130の多様な実施形態について説明する。
【0047】
まず、図3図5を参照して、本発明の第1実施形態に係る安全ブロック部を説明する。図3は、本発明の第1実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディが図示された側断面図であり、図4は、本発明の第1実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディが図示された平面図であり、図5は、電池内部の温度上昇時に、本発明の第1実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディの安全ブロック部が電極リードの押圧状態を解除する状態が図示された側断面図である。
【0048】
図3図5を参照すると、本発明の第1実施形態に係る安全ブロック部は形状記憶合金131を含む。第2グリッパボディ112には、形状記憶合金131が収容される収容溝112aが形成される。
【0049】
形状記憶合金(Shape-memory alloy)とは、異なる形状に変形させても加熱によって変形前の形状に戻る性質を有する合金を言い、形状記憶効果を示す合金としてはチタン・ニッケル合金が代表的である。
【0050】
形状記憶合金131は、元の形態が体積の大きいバー(bar)の形態であり、変形された形態は体積の小さいバーの形態で収容溝112aに配置される。形状記憶合金131は、基準温度で元の形態に体積増加が発生し得る。このとき、基準温度は、異常作動状態に対する安定性を確保するために、70℃~120℃であることが好ましい。
【0051】
二次電池の充放電時、正常作動状態である場合、温度が上昇しないか上昇しても発火点未満の範囲に上昇するので発火の危険がなく、図2に図示されたように、グリッパボディ部110と接触部材120は電極リード30への押圧状態を維持することになる。
【0052】
二次電池の充放電時、内部欠陥などの原因で異常作動状態である場合、温度が発火点以上の範囲に上昇することになると、熱伝導部140を介して二次電池から形状記憶合金131に伝達された熱により、図5に示すように、形状記憶合金131は体積が膨張しながら元の形態に復元されながら第1グリッパボディ111を押し上げることになる。これにより、グリッパボディ部110と接触部材120とは電極リード30への押圧状態を解除することになる。その結果、電極リード30を介する電源供給が遮断され、二次電池の発火の危険を防止することができる。
【0053】
次に、図6図8を参照して、本発明の第2実施形態に係る安全ブロック部を説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディが図示された側断面図であり、図7は、本発明の第2実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディが図示された平面図であり、図8は、電池内部の温度上昇時、本発明の第2実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディの安全ブロック部が電極リードの押圧状態を解除する状態が図示された側断面図である。
【0054】
図6図8を参照すると、本発明の第2実施形態に係る安全ブロック部は熱膨張金属132を含む。第2グリッパボディ112には、熱膨張金属132が収容される収容溝112aが形成される。
【0055】
本明細書において、熱膨張金属132は、熱膨張係数がアルミニウムの熱膨張係数(0.02mm/mh℃)より大きい金属を意味する。これは、二次電池B内部またはパウチに含まれたアルミニウムの変形などによる発火の危険を未然に防止するためのものであって、アルミニウムの変形より速く熱膨張して二次電池への電源供給を遮断して発火の危険を防止するためである。
【0056】
二次電池の充放電時、正常作動状態である場合、温度が上昇しないか上昇しても発火点未満の範囲に上昇するので発火の危険がなく、図2に示すように、グリッパボディ部110と接触部材120は電極リード30への押圧状態を維持することになる。
【0057】
二次電池の充放電時、内部欠陥などの原因で異常作動状態である場合、温度が発火点以上の範囲に上昇すると、熱伝導部140を介して二次電池から熱膨張金属132に伝達された熱により、図8に示すように、熱膨張金属132は体積が膨張しながら第1グリッパボディ111を押し上げることになる。これにより、グリッパボディ部110と接触部材120は電極リード30への押圧状態を解除することになる。その結果、電極リード30を介した電源供給が遮断されて、二次電池の発火の危険を防止し得るようになる。
【0058】
次に、図9図11を参照して、本発明の第3実施形態に係る安全ブロック部について説明する。図9は、本発明の第3実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディを示す側断面図であり、図7は、本発明の第3実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディを示す平面図であり、図11は、電池内部の温度上昇時、本発明の第3実施形態に係る安全ブロック部を含む第2グリッパボディの安全ブロック部が電極リードの押圧状態を解除する状態が図示された側断面図である。
【0059】
図9図11を参照すると、本発明の第3実施形態に係る安全ブロック部はバイメタル133を含む。第2グリッパボディ112には、バイメタル133が収容される収容溝112aが形成される。
【0060】
バイメタル133は、互いに異なる熱膨張率を有する2つの金属を貼り合わせて作ったものであって、金属毎に固有の熱膨張係数が異なることを用いて温度の変化に応じて膨張する量が異なるので、片方に撓むことになる性質を有する物質である。
【0061】
バイメタル133を成す2つの金属133a、133bのうち、上部金属は熱膨張率が小さい第1金属133a、下部金属は第1金属より熱膨張率が大きい第2金属133bで構成されることが好ましい。熱膨張時、第1金属133aは相対的に小さく膨張し、第2金属133bは相対的に大きく膨張して、バイメタル133は第1グリッパボディ111の方向に撓むことになる。
【0062】
電極リード30の厚さ(数μm)を考慮して、バイメタル133は、発火危険の範囲(70℃~120℃)に電極リード30の厚さより大きく撓むように、2つの金属133a、133bを選択して設計することが好ましい。
【0063】
二次電池の充放電時、正常作動状態である場合、温度が上昇しないか上昇しても発火点未満の範囲で上昇するので発火の危険がなく、図2に図示されたように、グリッパボディ部110と接触部材120は電極リード30への押圧状態を維持することになる。
【0064】
二次電池の充放電時、内部欠陥などが原因で異常作動状態である場合、温度が発火点以上の範囲に上昇することになると、熱伝導部140を介して二次電池からバイメタル133に伝達された熱により、図11に示すように、バイメタル133は第1グリッパボディ111の方向に曲がりながら押し上げることになる。これにより、グリッパボディ部110と接触部材120とが電極リード30への押圧状態を解除することになる。その結果、電極リード30を介した電源供給が遮断されて二次電池の発火の危険を防止することができるようになる。
【0065】
図12は、本発明の一実施形態に係る充放電装置の概略図であり、図13は本発明の一実施形態に係る充放電装置の図面である。
【0066】
これらの図面を参照すると、本発明の一実施形態に係る二次電池の充放電装置1000は、上述した二次電池充放電用グリッパ組立体1100および電流源から供給される出力電源を電池充電に好適な電源として変換する電源変換部1200を含む。
【0067】
二次電池の充放電用グリッパ組立体1100は、上説した通りであり、本発明に係る充放電装置1000は、上述した二次電池の充放電用グリッパ組立体1100を含むことによって、二次電池の充放電時、内部欠陥などの原因で温度が非正常的な範囲に上昇することになると、安全ブロック部の形状が変形されながら、グリッパボディ部による電極リードの押圧状態が解除されて電流の流れを遮断させる。したがって、二次電池の発火の危険を防止するという効果がある。
【0068】
電源変換部1200は、二次電池に充電されるエネルギーを供給する出力電源Pを電池充電に好適な電源として変換する役割を果たす。一つの具体例において、上記電源変換部は、多数の二次電池それぞれの電流チャネルに電気的に連結され得る。上記電源変換部1200は、DC/DCコンバータと、両方向リニア定電流源(linear current source)を含むことができる。上記DC/DCコンバータと、両方向リニア定電流源(linear current source)は、それぞれの電流チャネルに1つずつ設置されて、直列または並列に連結された多数の電池それぞれを充放電するように構成され得る。
【0069】
また、本発明の一実施形態に係る充放電装置1000は、並べて多数が設置され、互いの間の間隔調節が可能に結合され、それぞれの間に形成されるギャップ(Gap)に二次電池1が介在するように構成された加圧プレート1300と、支持のために設置される支持部材1400、上記支持部材1400に対向するように設置される可動部材1500、上記加圧プレート1300が上記間隔調節の方向に移動するようにガイドするガイド部材1600と、上記可動部材1500を前後に移動させることによって、上記加圧プレート1300の間の上記二次電池1を両面から加圧および加圧解除するようにする加圧駆動部1700をさらに含むことができる。
【0070】
上記加圧プレート1300は、二次電池1を加圧するためのものであって、多数の二次電池1を同時に加圧し得るように、支持部材1400と可動部材1500との間に並んで多数が垂直に設けられ、可動部材1500の前後移動により互いの間に間隔調節が可能に結合され、それぞれの間に形成されるギャップに二次電池1が挿入される。
【0071】
上記加圧プレート1300は、二次電池の活性化またはテストのための充放電過程において、二次電池に圧力を加えるために、後述するガイド部材1600によって間隔調節の方向(z軸方向)に移動可能に構成され得る。そして、加圧プレート1300は、ガイド部材1600がスライディング可能に貫通するように結合するスライディング結合部(図示せず)が備えられ得る。
【0072】
上記支持部材1400は、支持のために設置されるが、一例として地面に設置されるフレーム1800に垂直に設置されてもよく、他の例として弾性支持部材によって弾性支持されるように設置されてもよい。
【0073】
上記可動部材1500は、支持部材1400と対向するように設置され、加圧駆動部1700によって前後に移動して加圧プレート1300を加圧および加圧解除するようにする。
【0074】
上記ガイド部材1600は、多数の加圧プレート1300が間隔調節の方向に移動するようにガイドするが、そのために加圧プレート1300の配列方向(z軸方向)に置かれるように、一側末端部が上記支持部材 1400に、他側末端部が上記可動部材1500に固定される軸(axis)部材で構成されてもよく、多数個が並んで設けられてもよい。
【0075】
上記加圧駆動部1700は、上記可動部材1500を前後に移動させることによって、加圧プレート1300の間に位置した二次電池1を両面から加圧および加圧解除するようにするが、そのためにシリンダー(図示せず)の往復運動を利用するか、またはモータの回転力を直線運動に転換するように構成されることを含んで多様に構成され得る。
【0076】
二次電池の充放電用グリッパ組立体1100は、上記加圧プレート1300ごとに多数が設けられ、上記加圧プレート1300に固定されることによって、上記加圧プレート1300と共に移動するように構成され得る。
【0077】
このような実施形態に係る充放電装置は、多数の二次電池それぞれを加圧した状態で、それぞれの二次電池に充電電流または放電電流を印加することができるという効果がある。
【0078】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などにより本発明を多様に修正および変更させることができ、これもまた本発明の範囲内に含まれると言える。
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