(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240918BHJP
H04L 51/00 20220101ALI20240918BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20240918BHJP
G06F 3/0482 20130101ALI20240918BHJP
【FI】
H04N1/00 350
H04L51/00
G06F3/0488
G06F3/0482
(21)【出願番号】P 2020002220
(22)【出願日】2020-01-09
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大原 幸多
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-073713(JP,A)
【文献】特開2014-017737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04L 51/00
G06F 13/00
G06F 3/0488
G06F 3/0482
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、
複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、
前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、
前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、
選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了し、
前記条件は、選択を受け付けた複数の宛先と同じ複数の宛先のみへの送信が過去に行われたこと
が送信履歴情報に示されていること、である、情報処理装置。
【請求項2】
前記条件は、前記複数の宛先の選択を受け付けた順序と同じ順序で同じ複数の宛先の選択を受け付けて行った送信があることが前記送信履歴情報に示されていること、である請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、
複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、
前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、
前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、
選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了し、
前記条件は、選択を受け付けた単一の宛先と同じ単一の宛先を唯一の宛先とする送信が過去に閾値以上の回数実行されたこと
が送信履歴情報に示されていることである、情報処理装置。
【請求項4】
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、
複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、
前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、
前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、
選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了し、
前記条件は、選択を受け付けた単一又は複数の宛先へ送信される画像に含まれる人物の数が、前記単一又は複数の宛先に含まれる宛先の数と一致することである、情報処理装置。
【請求項5】
前記条件は、選択を受け付けた単一又は複数の宛先へ送信される画像に含まれる単一の人物又は複数の人物が、前記単一又は複数の宛先が示す単一の人物又は複数の人物と一致することである、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、
複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、
前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、
前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、
選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了
する、
情報処理装置であって、
前記宛先候補の中には、1つの宛先を示す第1種の宛先候補と、複数の宛先をグループ化したものである第2種の宛先候補とが含まれ、
前記画面は、前記情報処理装置に登録された全ての宛先候補から選抜された宛先候補を表示する第1部分と、前記全ての宛先候補のうち前記第1部分に含まれない宛先候補を少なくとも表示する第2部分とを含み、
前記条件は、前記第1部分から前記第2種の宛先候補が選択されたことである、情報処理装置。
【請求項7】
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、
複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、
前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、
前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、
選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了し、
前記宛先候補の中には、1つの宛先を示す第1種の宛先候補と、複数の宛先をグループ化したものである第2種の宛先候補とが含まれ、
前記条件は、前記第2種の宛先候補が選択されたことである、情報処理装置。
【請求項8】
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、
複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、
前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、
前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了
する、
情報処理装置であって、
選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了し、
前記画面は、前記情報処理装置に登録された全ての宛先候補から選抜された宛先候補を表示する第1部分と、前記全ての宛先候補のうち前記第1部分に含まれない宛先候補を少なくとも表示する第2部分とを含み、
前記条件は、前記第1部分から宛先候補が選択されたことである、情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、
前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、
前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、
選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了する、
よう動作させるためのプログラムであって、
前記条件は、選択を受け付けた複数の宛先と同じ複数の宛先のみへの送信が過去に行われたこと
が送信履歴情報に示されていること、である、プログラム。
【請求項10】
コンピュータが、
複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、
前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、
前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、
選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了する、
よう動作させるためのプログラムであって、
前記条件は、選択を受け付けた単一の宛先と同じ単一の宛先を唯一の宛先とする送信が過去に閾値以上の回数実行されたこと
が送信履歴情報に示されていることである、プログラム。
【請求項11】
コンピュータが、
複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、
前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、
前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、
選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了する、
よう動作させるためのプログラムであって、
前記条件は、選択を受け付けた単一又は複数の宛先へ送信される画像に含まれる人物の数が、前記単一又は複数の宛先に含まれる宛先の数と一致することである、プログラム。
【請求項12】
プロセッサを含み、
前記プロセッサは、
複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、
前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択をユーザから受け付け、
前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、
前記選択を行った前記ユーザが、宛先が1つの送信を過去に閾値以上の回数指示したことが送信履歴情報に示されている場合に、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項13】
コンピュータが、
複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、
前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択をユーザから受け付け、
前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、
前記選択を行った前記ユーザが、宛先が1つの送信を過去に閾値以上の回数指示したことが送信履歴情報に示されている場合に、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了する、
よう動作させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置がユーザから通信の宛先の入力を受け付けるために用いるUI(ユーザインタフェース)画面の一つに、予め登録された複数の宛先候補を選択肢として表示するものがある。この種の画面は、例えば、宛先表画面又はアドレス帳画面と呼ばれる。以下では、この種の画面のことを宛先表画面と呼ぶこととする。
【0003】
送信の実行の指示を受け付ける送信画面と宛先表画面とが別々の画面として用意され、前者から後者を呼び出し、宛先を選択する方式がある。この方式では、宛先表画面には、その宛先表画面を閉じる指示を受け付けるボタン(「閉じる」ボタンと呼ぶ)が設けられる。「閉じる」ボタンは、宛先表画面上での宛先の選択の終了を指示するためのボタンと捉えることができる。ユーザは、送信画面から呼び出した宛先表画面上で希望する1以上の宛先を選択した後、その宛先表画面内の「閉じる」ボタンを押下することにより宛先表画面を閉じる。これにより、選択された宛先を表示した送信画面が表示され、ユーザは、その送信画面上で送信を指示する。宛先表画面を用いて宛先を選択する場合、宛先表画面を呼び出す操作及びその宛先表画面上で宛先を選択する操作に加え、その宛先表画面を閉じる操作が必要になる。
【0004】
特許文献1に記載されるファクシミリ装置は、数字ボタン又は電話帳ボタンが押下されると、単一の宛先を受け付ける単局送信モードとなり、OKボタンが押下されると、複数の宛先の受け付ける同報送信モードとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6375827号明細書(特開2016-066865号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、複数の宛先候補を表示した画面の中から今回の送信のための単一又は複数の宛先の選択を受け付ける方式において、ユーザから選択終了を示す明示的な指示を受け付けるまで、その画面の表示を終了しない場合よりも、宛先選択のためのユーザの操作数を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、プロセッサを含み、前記プロセッサは、複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了し、前記条件は、選択を受け付けた複数の宛先と同じ複数の宛先のみへの送信が過去に行われたことが送信履歴情報に示されていること、である、情報処理装置である。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記条件は、前記複数の宛先の選択を受け付けた順序と同じ順序で同じ複数の宛先の選択を受け付けて行った送信があることが前記送信履歴情報に示されていること、である請求項1に記載の情報処理装置である。
【0011】
請求項3に係る発明は、プロセッサを含み、前記プロセッサは、複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了し、前記条件は、選択を受け付けた単一の宛先と同じ単一の宛先を唯一の宛先とする送信が過去に閾値以上の回数実行されたことが送信履歴情報に示されていることである、情報処理装置である。
【0012】
請求項4に係る発明は、プロセッサを含み、前記プロセッサは、複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了し、前記条件は、選択を受け付けた単一又は複数の宛先へ送信される画像に含まれる人物の数が、前記単一又は複数の宛先に含まれる宛先の数と一致することである、情報処理装置である。
【0013】
請求項5に係る発明は、前記条件は、選択を受け付けた単一又は複数の宛先へ送信される画像に含まれる単一の人物又は複数の人物が、前記単一又は複数の宛先が示す単一の人物又は複数の人物と一致することである、請求項4に記載の情報処理装置である。
【0014】
請求項6に係る発明は、プロセッサを含み、前記プロセッサは、複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了する、情報処理装置であって、前記宛先候補の中には、1つの宛先を示す第1種の宛先候補と、複数の宛先をグループ化したものである第2種の宛先候補とが含まれ、前記画面は、前記情報処理装置に登録された全ての宛先候補から選抜された宛先候補を表示する第1部分と、前記全ての宛先候補のうち前記第1部分に含まれない宛先候補を少なくとも表示する第2部分とを含み、前記条件は、前記第1部分から前記第2種の宛先候補が選択されたことである、情報処理装置である。
【0015】
請求項7に係る発明は、プロセッサを含み、前記プロセッサは、複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了し、前記宛先候補の中には、1つの宛先を示す第1種の宛先候補と、複数の宛先をグループ化したものである第2種の宛先候補とが含まれ、前記条件は、前記第2種の宛先候補が選択されたことである、情報処理装置である。
【0016】
請求項8に係る発明は、プロセッサを含み、前記プロセッサは、複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了する、情報処理装置であって、前記画面は、前記情報処理装置に登録された全ての宛先候補から選抜された宛先候補を表示する第1部分と、前記全ての宛先候補のうち前記第1部分に含まれない宛先候補を少なくとも表示する第2部分とを含み、前記条件は、前記第1部分から宛先候補が選択されたことである、情報処理装置である。
【0017】
請求項9に係る発明は、コンピュータが、複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了する、よう動作させるためのプログラムであって、前記条件は、選択を受け付けた複数の宛先と同じ複数の宛先のみへの送信が過去に行われたことが送信履歴情報に示されていること、である、プログラムである。
請求項10に係る発明は、コンピュータが、複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了する、よう動作させるためのプログラムであって、前記条件は、選択を受け付けた単一の宛先と同じ単一の宛先を唯一の宛先とする送信が過去に閾値以上の回数実行されたことが送信履歴情報に示されていることである、プログラムである。
請求項11に係る発明は、コンピュータが、複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択を受け付け、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、選択を受け付けた単一又は複数の宛先が、予め定められた条件を満たしたとき、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了する、よう動作させるためのプログラムであって、前記条件は、選択を受け付けた単一又は複数の宛先へ送信される画像に含まれる人物の数が、前記単一又は複数の宛先に含まれる宛先の数と一致することである、プログラムである。
【0018】
請求項12に係る発明は、プロセッサを含み、前記プロセッサは、複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択をユーザから受け付け、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、前記選択を行った前記ユーザが、宛先が1つの送信を過去に閾値以上の回数指示したことが送信履歴情報に示されている場合に、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了する、ことを特徴とする情報処理装置である。
【0019】
請求項13に係る発明は、コンピュータが、複数の宛先候補と、選択終了の指示を受け付けるGUI部品とを表示した画面の表示を実行し、前記画面に表示された前記複数の宛先候補の中から宛先の選択をユーザから受け付け、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けると、前記画面の表示を終了し、前記選択を行った前記ユーザが、宛先が1つの送信を過去に閾値以上の回数指示したことが送信履歴情報に示されている場合に、前記GUI部品により前記選択終了の指示を受け付けなくても、前記画面の表示を終了する、よう動作させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
請求項12-13に係る発明によれば、複数の宛先候補を表示した画面の中から今回の送信のための単一又は複数の宛先の選択を受け付ける方式において、ユーザから選択終了を示す明示的な指示を受け付けるまで、その画面の表示を終了しない場合よりも、宛先選択のためのユーザの操作数を低減することができる。
【0021】
請求項1又は9に係る発明によれば、複数の宛先候補を表示した画面の中から今回の送信のための単一又は複数の宛先の選択を受け付ける方式において、ユーザから選択終了を示す明示的な指示を受け付けるまで、その画面の表示を終了しない場合よりも、宛先選択のためのユーザの操作数を低減することができる。また、送信履歴情報を考慮しない場合と比べて、情報処理装置からの送信履歴情報により即した形で画面の表示を終了させることができる。
【0022】
更に、過去に行われた送信と同じ複数の宛先への送信が行われる場合に、選択終了の指示の操作が省略できる。
【0023】
請求項2に係る発明によれば、過去に行われた送信の際と同じ順番で同じ複数の宛先が選択された場合に、選択終了の指示の操作が省略できる。
【0024】
請求項3又は10に係る発明によれば、選択された宛先が過去に単独で送信されたことが閾値以上である場合に、選択終了の指示の操作が省略できる。
【0025】
請求項4、5又は11に係る発明によれば、画像をその画像中の人物群に送信する場合に、宛先の選択終了の指示の操作が省略できる。
【0026】
請求項6又は7に係る発明によれば、グループ化された複数の宛先に送信する場合に、宛先の選択終了の指示の操作が省略できる。
【0027】
請求項8に係る発明によれば、選抜された宛先候補の中から選択が行われた場合に、宛先の選択終了の指示の操作が省略できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】情報処理装置が備えるコンピュータのハードウエア構成を例示する図である。
【
図8】第3の例における被写体リストを生成する処理の手順を例示する図である。
【
図9】第3の例における宛先表画面の表示制御の手順を例示する図である。
【
図10】第4の例における宛先表画面の表示制御の手順を例示する図である。
【
図11】第5の例における「お気に入り」宛先表と「一般」宛先表を切り替え表示する画面を例示する図である。
【
図13】送信者欄を備える送信履歴情報の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<ハードウエア構成の例>
この実施形態の情報処理装置のハードウエア構成を
図1に示す。
図1に示す例は、情報処理装置がいわゆる複合機である場合のものである。複合機は、プリンタ、スキャナ、コピー機、ファクシミリ装置等の機能を併せ持つ装置である。複合機は、ローカルエリアネットワーク等のネットワーク経由でパーソナルコンピュータ等のクライアントからリクエストを受け付けたり、インターネット上のサーバ等と通信したりする機能を持つ場合もある。
【0030】
この情報処理装置は、例えば、
図1に示すように、ハードウエアとして、プロセッサ102、ランダムアクセスメモリ(RAM)等のメモリ(主記憶装置)104、フラッシュメモリやSSD(ソリッドステートドライブ)、HDD(ハードディスクドライブ)等の不揮発性記憶装置である補助記憶装置106を制御するコントローラ、各種の入出力装置108とのインタフェース、ローカルエリアネットワークなどのネットワークとの接続のための制御を行うネットワークインタフェース110等が、例えばバス112等のデータ伝送路を介して接続された回路構成を有する。入出力装置108の中には、例えば、タッチパネル等の表示装置兼入力装置やスピーカ等の音声出力装置、ユーザ認証用のカードリーダー等が含まれる。以上に説明した部分の回路構成は、汎用のコンピュータと同様のものでよい。
【0031】
また、情報処理装置は、バス112等を介してそのコンピュータ部分に接続されたスキャナ制御回路114、プリンタ制御回路116、ファクシミリ装置118等を備える。これらは、情報処理装置(この例では複合機)が備える各種の機能のためのものである。スキャナ制御回路114は、複合機が内蔵するスキャナや自動原稿送り装置を制御するための回路であり、プリンタ制御回路116は、複合機が内蔵するプリンタを制御するための回路である。また、ファクシミリ装置118は、複合機が持つファクシミリ送受信機能を担う装置である。
【0032】
情報処理装置のコンピュータ部分は、UI(ユーザインタフェース)のための処理、ネットワーク経由でのデータのやりとりの制御、スキャナ、プリンタ及びファクシミリ装置等の各種機能要素の制御のための情報処理を実行する。これら各種の情報処理の内容が記述されたプログラムが、ネットワーク等を経由してコンピュータにインストールされ、補助記憶装置106に保存される。補助記憶装置106に記憶されたプログラムが、プロセッサ102によりメモリ104を用いて実行されることにより、この実施形態の情報処理装置が実現される。
【0033】
ここでプロセッサ102とは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、 ASIC:Application Specific Integrated Circuit、 FPGA:Field Programmable Gate Array、 プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0034】
また、プロセッサ102の動作は、1つのプロセッサ102によってなすのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサ102が協働してなすものであってもよい。また、プロセッサ102の各動作は、以下の実施形態において説明する順序のみに限定されるものではなく、適宜に変更してもよい。
【0035】
この明細書では、情報処理装置が複合機として実現されている場合を主たる例として説明するが、この実施形態の情報処理装置は、複合機以外の種類の装置、例えばキオスク端末、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等であってもよい。
【0036】
<送信画面と宛先表画面の画面遷移の例>
この実施形態は、情報処理装置から他の装置にデータを送信する場合の送信宛先のUI画面の表示制御に関する。データの送信には、例えば、電子メールの送信やファクシミリの送信、FTP等のデータ転送プロトコルによるデータ転送等、様々なものがある。複合機は、内蔵するスキャナでスキャンした画像を電子メールに添付して、或いはファクシミリとして、宛先に送信することが多い。
【0037】
図2に、情報処理装置の電子メール送信のためのUIを構成するメール送信画面200と宛先表画面210の一つの例を示す。この例では、情報処理装置は表示装置としてタッチパネルを備えており、メール送信画面200及び宛先表画面210は、タッチパネルに対するユーザのタッチ入力に対応したGUI(グラフィカルUI)画面として構成されている。
【0038】
パーソナルコンピュータ用のメールクライアントアプリケーションのUI画面の中には、宛先表と、その宛先表から選択された宛先のリストと、送信実行を指示するボタンと、電子メールの見出し、本文等を1画面にまとめて表示するものがある。パーソナルコンピュータのように画面が大きい装置の場合は、このように1つの画面内に様々な要素を詰め込んだUI画面でも問題はない。しかし、複合機等のように画面が比較的小さい装置の場合には、宛先表と、その宛先表から選択された宛先のリスト等とを1画面にまとめて表示すると、視認性や操作性が悪くなる。そこで、画面が比較的小さい装置では、
図2のようにメール送信画面200と宛先表画面210とを別画面とした構成が採用されることがある。
【0039】
この例では、メール送信画面200には、宛先欄202、宛先表呼び出しボタン204及び送信ボタン206が含まれる。宛先欄202は、ユーザがキーボード等を介し入力した宛先や宛先表から選択した宛先等の1以上の宛先が、例えばコンマ等の所定の区切り文字を間に挟んで、列挙される。情報処理装置のメール送信機能は、宛先欄202内に表示される宛先のリストである宛先リストを管理している。宛先表呼び出しボタン204は、宛先表画面210を呼び出すためのGUI部品である。なお、GUI部品とは、GUI画面を構成する部品であり、ユーザから入力を受けつけるために用いられる。ボタン、入力欄、チェックボックス等が、GUI部品の例である。ユーザが宛先表呼び出しボタン204をタッチ操作等で押下すると、情報処理装置が備える表示装置には、それまで表示されていたメール送信画面200に変えて宛先表画面210が表示される。送信ボタン206は、電子メールの送信指示を受け付けるためのGUI部品である。宛先欄202に1以上の宛先メールアドレスが入力済みである状態で、ユーザが送信ボタン206を押下すると、情報処理装置は、送信対象の電子メールを、宛先欄202に列挙されている各宛先に対して送信する。例えば、原稿をスキャンして電子メールで送信する機能をユーザが利用した場合、送信ボタン206が押下されると、情報処理装置はスキャナにセットされた原稿のスキャンを実行し、これにより得られたスキャン画像を添付した電子メールを作成し、この電子メールを宛先欄202内の各宛先に送信する。
【0040】
宛先表画面210には、複数の宛先候補212をリスト表示した宛先表211が表示される。宛先候補212の数が多く画面内にその全部を表示しきれない場合、宛先表画面210内に例えばスクロールボタン214及び216が表示される。ユーザはそれらスクロールボタン214及び216を押下することにより、画面内に表示する宛先候補212をスクロールさせる。ユーザが非選択状態の宛先候補212をタッチすると、その宛先候補212は選択状態となる。また、ユーザが選択状態の宛先候補212をタッチすると、その宛先候補212は非選択状態に変わる。選択状態の宛先候補は、ユーザが選択した宛先として、情報処理装置のメール送信機能が管理している宛先リストに組み込まれる。図示例では、選択状態の宛先候補212には、チェックマーク入りのチェックボックスが表示され、非選択状態の宛先候補212にはチェックマーク入りのチェックボックスは表示されない。閉じるボタン218が押下されると、情報処理装置は、宛先表画面210を閉じる(すなわちその宛先表画面210の表示を終了させる)。これにより、情報処理装置が備える表示装置には、その宛先表画面210の呼び出し元であるメール送信画面200が再び表示される。このとき表示されるメール送信画面200内の宛先欄202には、宛先表画面210で選択された1以上の宛先が追加されている。
【0041】
図2の例では、(1)ユーザが、宛先欄202が空の状態のメール送信画面200上で宛先表呼び出しボタン204を押下すると、情報処理装置の表示装置に表示される画面は、メール送信画面200から宛先表画面210へと遷移する。この時点では、宛先表画面210内に表示される宛先表211内の宛先候補212はすべて非選択状態である。次にユーザは、(2)宛先表211内の宛先候補「Bさん」を宛先に選択し、(3)更に宛先候補「Cさん」を宛先に選択する。その後、ユーザは、(4)閉じるボタン218を押下する。これにより、宛先表画面210は閉じられ、その代わりにメール送信画面200が再び表示される。このとき表示されるメール送信画面200の宛先欄202には、宛先表画面210で選択された「Bさん」及び「Cさん」が宛先として列挙されている。
【0042】
図2に例示した宛先表画面210は、閉じるボタン218の押下という明示的なユーザの指示に応じて、遷移元の画面(この例ではメール送信画面200)に戻るよう設計されている。このため、宛先表211から複数の宛先を選択する場合でも、ただ1つの宛先を選択する場合でも、閉じるボタン218を押下する必要がある。
【0043】
図3に情報処理装置の電子メール送信のためのUIの別の例を示す。この例のUIは、メール送信画面200と宛先表画面220とから構成される。メール送信画面200は、
図2の例のものと同じである。宛先表画面220は、
図2に例示した宛先表画面210とは異なり、閉じるボタン218に相当するGUI部品を含まない。
【0044】
ユーザが、宛先表画面220内の宛先表221に含まれる宛先候補222を1つ選択すると、情報処理装置は宛先表画面220を閉じる。
【0045】
すなわち、
図3の例では、(1)ユーザが、宛先欄202が空の状態のメール送信画面200上で宛先表呼び出しボタン204を押下すると、情報処理装置の表示装置に表示される画面は、メール送信画面200から宛先表画面220へと遷移する。この時点では、宛先表221内の宛先候補222はすべて非選択状態である。次にユーザは、(2)宛先表211内の宛先候補「Cさん」を宛先に選択する。すると、情報処理装置は、「Cさん」を宛先リストに追加し、表示している画面を宛先表画面220から、遷移元のメール送信画面200へと戻す。このとき表示されるメール送信画面200の宛先欄202には、宛先表画面220上で選択された「Cさん」が宛先として表示される。
【0046】
図3の宛先表画面220は、宛先を1つ選択すると自動的に閉じるよう設計されており、ユーザは閉じる操作を明示的に行わなくてよい。しかし、複数の宛先を選択したい場合、ユーザは、宛先を1つ選ぶ都度宛先表画面220を呼び出す操作が必要になる。
【0047】
以上に説明したように、
図2のUIは、宛先が1つの場合にも必ず閉じるボタン218を押下する手間がかかるのに対し、宛先が複数ある場合でも宛先表を1回開くだけでよいという利点がある。また、
図3のUIは、宛先が1つの場合は宛先表画面220でその宛先を選ぶだけでよく、その他に宛先表画面220を閉じる操作は不要であるのに対し、複数の宛先を選ぶ場合には何度も宛先表画面220を呼び出す必要がある。このように、
図2と
図3に例示したUIは、ユーザの操作負担の点でともに一長一短である。
【0048】
そこで、本実施形態では、過去の送信履歴等の情報を用いて、宛先表画面210を閉じる処理をインテリジェントに行う手法を提供する。
【0049】
<宛先表画面を自動的に閉じる制御>
本実施形態におけるメール送信のUIでは、
図2に例示するように、閉じるボタン218を備える宛先表画面210を用いる。
図2の例では、ユーザは、宛先表画面210を閉じるためには、必ず閉じるボタン218を押す必要があったが、この実施形態では、閉じるボタン218が押下されなくても宛先表画面210が自動的に閉じられる場合がある。
【0050】
このUIでは、ユーザが閉じるボタン218を押下しなくても、予め定められた条件が満たされた場合には、宛先表画面210を閉じ、表示する画面をメール送信画面200に遷移させる。ここで、条件には、ユーザが選択した宛先に関する条件、過去に情報処理装置から行われた送信の宛先に関する条件、送信対象のデータに関する条件等がある。例えば、情報処理装置の送信履歴情報に記録されている過去の送信の際と同じ宛先の組合せが選択された時点で、宛先表画面210が自動的に閉じられる。なお、その条件が満たされない状態でユーザが宛先表画面210を閉じる場合には、閉じるボタン218を押す必要がある。
【0051】
図3に例示した宛先表画面220は、ユーザが宛先を1つ選択する都度必ず閉じられるのに対し、本実施形態の宛先表画面210は、ユーザが宛先を選んだ際に、条件が満たされるか否かに応じて、閉じられるか否かが制御される。
【0052】
以下では、宛先表画面210を閉じる制御の例をいくつか説明する。
【0053】
以下の各例では、情報処理装置のメール送信機能は、ユーザから送信ボタン206の押下操作を受け付ける都度、その操作に応じて送信した宛先のリストを含んだ履歴レコードを例えば補助記憶装置106内に記憶している。履歴レコードは、1つの送信についての履歴の情報を保持するレコードである。履歴レコードには、少なくとも、その送信の宛先のリストを含む。補助記憶装置106には、メール送信に関して、例えば直近の所定数の送信についての履歴レコード、又は直近の所定長さの期間内に行われた送信についての履歴レコードが記憶される。記憶される履歴レコードの数が所定数を超えた場合には、最も古い履歴レコードから順に削除される。また、時間の経過に伴い、送信の日時が直近の所定期間より前になった履歴レコードは削除される。送信履歴情報は、補助記憶装置106内に記憶されている履歴レコードの集合のことである。
【0054】
以下に示す各例では、わかりやすさのために、情報処理装置全体で1つの送信履歴情報を管理している構成を例にとる。この構成では、情報処理装置は、誰がメール送信の指示を行ったかを区別せず、どの送信についての履歴レコードも、情報処理装置内の単一の送信履歴情報の1要素として記録する。また、情報処理装置は、誰が情報処理装置を操作しているかによらず、宛先表画面210を閉じる制御の際には、その単一の送信履歴情報を参照する。
【0055】
ただし、情報処理装置が、ユーザごとに送信履歴情報を記録し、宛先表画面210を閉じる制御の際に、そのとき情報処理装置を操作しているユーザの送信履歴情報を参照する構成としてももちろんよい。
【0056】
<制御の例1>
図4及び
図5を参照して、このような制御の第1の例を説明する。
【0057】
この第1の例は、宛先表画面210上でユーザから選択を受け付けた宛先が、送信履歴情報との関連で特定の条件(条件1と呼ぶ)を満たす場合に、その宛先表画面210を閉じるものである。特にこの例は、宛先表画面210上でのユーザによる宛先の選択の結果、ユーザが選択した複数の宛先が、送信履歴情報内のいずれかの履歴レコードの宛先の集合と一致するという条件(条件2と呼ぶ)が満たされた場合に、その宛先表画面210を閉じる。この条件2は、「ユーザから選択を受け付けた複数の宛先と同じ複数の宛先のみへの送信が過去に行われたことが送信履歴情報に示されている」という条件と捉えることができる。条件2は、条件1を更に限定した条件といえる。
【0058】
更に厳密には、この例は、特にユーザから複数の宛先の選択を受け付けた順序と同じ順序で同じ複数の宛先の選択を受け付けて行った送信を示す履歴レコードが送信履歴情報に含まれている、という条件(条件3と呼ぶ)が満たされた場合に、宛先表画面210を閉じるものである。条件3は、条件2を更に限定した条件である。
【0059】
なお、この例及び後で説明する他の各例では、ユーザが宛先をキーボード等で手入力した場合等、宛先表211から選択する方式以外の宛先を入力した場合でも、その宛先は「選択」されたものとみなしてもよい。ただし、当然ながら、宛先表画面210を閉じるか否かの判定の処理は、宛先表画面210が開かれた状態で、その中の宛先表211内から宛先が選択されたときに行われる。
【0060】
図4に情報処理装置内の送信履歴情報の例を示す。
図4に例示した送信履歴情報は、7つの履歴レコードを含んでいる。個々の履歴レコードは、履歴番号と送信先情報を含んでいる。履歴番号は、履歴レコードに付与された通し番号であり、現在時点に最も近い履歴レコードから順に1から始まる番号が付与されている。送信先情報は、当該履歴レコードが表す送信の際に送信対象の電子メールが送信された宛先のリストであり、ユーザが各宛先を選択した順序の情報を含んでいる。例えば、履歴番号1の履歴レコードは、ユーザが宛先B、宛先Cの順に宛先を選択した後、送信ボタン206を押下したことを示している。なお、
図4の例では、宛先A、B、C、D、・・・は、宛先表画面210に表示される宛先表211内にこの順で並んでいることを想定している。宛先表呼び出しボタン204を押下したときに開かれる宛先表画面210には、宛先Aから順にその画面210に表示可能な数の宛先候補が上から並べて表示される。宛先F等のようにその時点ではその画面210に表示されない宛先候補は、下方向へのスクロールボタン216を押下することにより、宛先表画面210内に表示されるようにする。
【0061】
図4の例は、送信履歴情報に含み得る履歴レコードの数が所定数に制限されている場合の例である。送信履歴情報に含み得る履歴レコードが、数ではなく、現在からみた送信日時の古さにより制限されている場合は、送信履歴情報には、個々の履歴レコードに係る送信が行われた送信日時も合わせて記録される。
【0062】
この第1の例において、情報処理装置内の送信履歴情報が
図4に例示した状態であるときに、ユーザが宛先表画面210を開き、その宛先表画面210中の宛先表211内の宛先候補群を宛先A、B、Cの順に選択した場合を考える。
【0063】
この場合において、ユーザが宛先表画面210上で宛先Aを選択した時点では、選択された宛先はまだ1つなので、上述した条件3は満たされない。次にユーザが宛先表画面210上で宛先Bを選択した時点では、ユーザが選択した宛先は宛先A、Bの順であるが、この順に一致する送信先情報を有する履歴レコードは、送信履歴情報(
図4参照)にはない。したがって、この時点でも条件3は満たされない。次にユーザが宛先表画面210上で宛先Cを選択した時点では、それまでにユーザが選択した宛先は宛先A、B、Cの順である。送信履歴情報(
図4参照)には、この順と同じ順に同じ宛先群が選択されたことを示す履歴番号2の履歴レコードが存在する。この時点で条件3が満たされるので、情報処理装置は、それまで表示していた宛先表画面210を閉じ、表示する画面を遷移元のメール送信画面200に戻す。
【0064】
図5に、この第1の例のために情報処理装置(特にプロセッサ102)が実行する処理手順を例示する。この手順の実行のために、情報処理装置は、今回の送信のためにユーザが選択した宛先の順列を表す宛先リストを、メモリ104内に保持している。この手順は、ユーザがメール送信画面200内の宛先表呼び出しボタン204を押下したときに開始される。
【0065】
この手順では、プロセッサ102は、まず、情報処理装置の表示装置上に宛先表画面210を表示させるための処理を実行する(S10)。次にプロセッサ102は、宛先表画面210に対するユーザの操作を認識し(S12)、認識した操作に対応する処理を実行する。
図5の手順では、煩雑さを避けるために、ユーザがスクロールボタン214又は216を押下した場合の処理は省略している。
【0066】
次にプロセッサ102は、S12で認識したユーザの操作が、宛先表211からの宛先の選択、閉じるボタン218の押下のいずれであるかを判定する(S14)。閉じるボタン218が押下された場合、プロセッサ102は宛先表画面210を閉じる(S20)。
【0067】
S12で認識したユーザの操作が宛先の選択である場合、プロセッサ102は、選択された宛先を、メモリ104に保持している宛先リストの末尾に追加する(S16)。
【0068】
次にプロセッサ102は、S16で宛先を追加した後の宛先リストが示す宛先の順列と同じ順列を示す履歴レコードが送信履歴情報内にあるかどうかを判定する(S18)。例えば、宛先リストが宛先A、B、Cをこの順に並べた順列である場合、S18では、宛先A、B、Cのみをこの順に並べた順列を送信先情報として含んだ履歴レコードが存在するか否かを判定する。S18の判定結果がNoの場合、プロセッサ102は、宛先表画面210の表示を続行し(S10)、宛先表画面210に対する更なるユーザの操作を受け付ける(S12)。
【0069】
S18の判定結果がYesの場合、プロセッサ102は、宛先表画面210を閉じ(S20)、表示装置にメール送信画面200を表示させる処理を行う。
【0070】
S18において、ユーザが宛先を選んだ順序が一致する履歴レコードの有無を判定するのは、宛先表211をスクロールしながら宛先を選択していく操作では、同じ複数の宛先を選ぶ場合、同じ順に選んでいく可能性が高いと考えられるからである。
【0071】
図5の手順では、第1の履歴レコードの宛先の順列の末尾に別の1以上の宛先を加えた第2の履歴レコードが存在する場合、ユーザが今回選んだ宛先の順列が第1の履歴レコードに一致した時点で宛先表画面210を閉じるのか否かが問題となる。例えば、宛先A、Bの順に選んだ2つの宛先に送信したことを示す第1の履歴レコードと、宛先A、B、Cの順に選んだ3つの宛先に送信したことを示す第2の履歴レコードとがある状況で、ユーザが宛先表画面210から宛先Aを選び、次いで宛先Bを選んだ時点が、この状況である。この時点では、今回の宛先リストは、第1の履歴レコードの宛先の順列に一致するが、第2の履歴レコードの宛先の順列の一部でもある。このため、その時点で宛先表画面210を閉じるのか、第2の履歴レコードと同じ宛先群が選ばれる可能性を優先してその時点では宛先表画面210を閉じないのか、を決定する必要がある。
【0072】
この決定のための1つの基準として、新しい(すなわち送信日時がより後の)履歴レコードを優先するという基準を用いてもよい。この基準を上述の例に当てはめると、次のようになる。すなわち、プロセッサ102は、第1の履歴レコードの方が第2の履歴レコードより新しければ、宛先Bが選ばれた時点で宛先表画面210を閉じ、逆に第2の履歴レコードの方が新しければ、宛先Bが選ばれた時点で宛先表画面210を閉じない。
【0073】
また別の基準として、宛先の順列が同じである履歴レコードの数が多いものを優先するという基準を用いてもよい。例えば、宛先A、Bの順に選んだ2つの宛先に送信したことを示す履歴レコードが3つ存在し、宛先A、B、Cの順に選んだ3つの宛先に送信したことを示す履歴レコードが1つ存在する状況を考える。この状況でユーザが宛先A、Bの順に選んだ時点で、宛先リストは前者の履歴レコードの宛先の順列と一致し、前者は後者より数が多いので、プロセッサ102はこの時点で宛先表を閉じる。
【0074】
図5の手順では、S18にて、ユーザが選んだ宛先の組合せのみならずそれら宛先が選ばれた順序まで一致する履歴レコードを探した。しかし、これは一例に過ぎない。
【0075】
別の例として、探索する履歴レコードに対して、順序の一致までは要求しない例もある。この例では、プロセッサ102は、S18にて、S16の処理後の宛先リスト内の宛先の組合せと同じ組合せを送信先情報として含んだ履歴レコードを探す。また、この例でも、第1の履歴レコードの宛先の組合せが、第2の履歴レコードの宛先の組合せに別の宛先を追加したものである場合、今回の送信の際にユーザが選んだ宛先の組合せがそれら2つのどちらに一致したときに宛先表画面210を閉じるかが問題となる。この問題については、順列を考慮する上述の例の場合と同様、新しい履歴レコードを優先する基準や、数が多い履歴レコードの方を優先する基準に従って対処すればよい。
【0076】
また、以上に説明した例では、宛先表画面210を閉じる条件を、ユーザが今回選択した宛先群と同じ宛先群のみに送信を行ったことを示す履歴レコードが1つでも見つかったこととしたが、1つではなくN個(Nは2以上の整数)見つかったことを条件としてもよい。
【0077】
<制御の例2>
図6及び
図7を参照して、宛先表画面210を閉じる制御の第2の例を説明する。
【0078】
この第2の例は、宛先表画面210上でユーザから単一の宛先の選択を受け付けたとき、その宛先を唯一の宛先とする送信が過去に閾値以上の回数実行されたことが送信履歴情報に示されているという条件(条件4と呼ぶ)が満たされた場合に、宛先表画面210を閉じるものである。
【0079】
図6に、この第2の例の処理手順を例示する。この処理手順を、
図7に示す送信履歴情報の例を用いつつ説明する。
図6の手順は、ユーザがメール送信画面200内の宛先表呼び出しボタン204を押下したときに開始される。
図6の手順のS22以外のステップは
図5の手順の同符号の各ステップと同じである。
図5の手順と同符号のステップについては説明を省略する。
【0080】
図6の手順では、S16の後、プロセッサ102は、次の2つの条件の両方が満たされるか否かを判定する(S22)。1つ目の条件は、その時点での宛先リスト内の宛先が1つであることである。ユーザが今回の送信の際に1つ目の宛先を選んだ時点ではこの条件が満たされるが、2つ目以降の宛先を選んだ時点ではこの条件は満たされない。2つ目の条件は、宛先リスト内のその宛先を唯一の宛先として含む履歴レコードが予め定められた閾値以上の数だけ送信履歴情報内に存在することである。それら2つの条件のうち1つでも満たされなければ、S22の判定結果はNoとなり、プロセッサ102は、S10に戻って宛先表画面210の表示を続行し、ユーザからの次の操作を待つ。これに対し、それら2つの条件の両方が満たされた場合、S22の判定結果はYesとなる。この場合、プロセッサ102は、宛先表画面210を閉じる(S20)。
【0081】
例えば、
図7に示す送信履歴情報がある状況で、ユーザが宛先表画面210を開いて最初に宛先Aを選択した場合を考える。ここでは、S22の判定に用いる閾値が3であるとする。この場合、ユーザが選んだ宛先Aはその時点での宛先リスト内の唯一の宛先であり、且つ、その宛先Aを唯一の宛先とする履歴レコードが送信履歴情報内に閾値(すなわち3つ)以上存在している。したがって、プロセッサ102は、S22の判定結果をYesとし、S20に進んで宛先表画面210を閉じる。
【0082】
このように、この第2の例では、今回の送信の際にユーザが最初に選んだ宛先と同じ宛先に対して、過去に頻繁に(すなわち閾値以上の回数)単独で送信が行われていれば、今回もその宛先単独での送信と判断し、宛先表画面210を自動で閉じるのである。
【0083】
また、この第2の例の変形例として、S22で用いる2つ目の条件を次のように変更したものも考えられる。すなわち、この変形例では、2つ目の条件として、送信履歴情報内の、ユーザが選択した宛先を送信先情報に含んだ履歴レコード群のうち、直近(すなわち現在からみて近い順に)の閾値以上の数の履歴レコードのすべてが、その宛先以外の宛先を含まない、という条件を用いる。例えば、ユーザが今回最初に選択した宛先が宛先Aであり、送信履歴情報が
図7に例示するものであり、閾値が3である場合を例にとる。この例では、送信履歴情報内には、宛先Aを含む履歴レコードは4つあり、そのうち直近の3回のすべてが宛先Aへの単独の送信であるため、この変形例における2つ目の条件は満たされるので、S22の判定結果はYesとなる。仮に、
図7に例示した履歴番号1の履歴レコードが宛先として図示した宛先B、Cの他に宛先Aを含んでいた場合を考える。この場合において、今回の送信の際にユーザが宛先Aを選んだとすると、最も直近の宛先Aを含む履歴レコードでの宛先が単独ではないので、2つ目の条件が満たされない。従って、この場合は、S22の判定結果はNoとなる。この変形例は、今回選択された宛先が単独送信の宛先である可能性を評価するに当たり、直近の過去の送信における宛先選択の状況を、より重視したものといえる。
【0084】
<制御の例3>
この例は、ユーザが選んだ宛先に対する送信対象のデータが写真画像である場合のものである。
【0085】
複数の人物が写っている写真の画像データを、例えば電子メールに添付して、それら複数の人物に対して送信することはよくあることである。そこで、この第3の例では、ユーザが今回の送信の際の送信対象に指定したデータが写真の画像データである場合、ユーザが宛先を選んでいく過程で、その写真に写っているすべての人物を宛先に選んだ時点で、宛先表画面210を閉じる。
【0086】
すなわち、この第3の例は、ユーザから選択を受け付けた単一又は複数の宛先へ送信される画像に含まれる単一の人物又は複数の人物が、前記単一又は複数の宛先が示す単一の人物又は複数の人物と一致する、という条件が満たされる場合に、宛先表画面210を閉じるものである。
【0087】
図8及び
図9に、この第3の例の処理手順を例示する。
【0088】
プロセッサ102は、ユーザから送信対象の文書が入力又は指定された場合、
図8の手順を実行する。この手順では、まずその文書が写真画像であるか否かを判定する(S50)。例えば送信対象の文書の入力元がスキャナである場合(すなわち、文書をスキャンして得られた画像を送信する場合)には、送信対処の文書は写真画像であると判定する。また、情報処理装置内に保存されているファイルが送信対象の文書として指定された場合、そのファイルの拡張子等が示すファイルのデータ形式に基づき、そのファイルが写真画像か否かを判定する。S50の判定結果がNoの場合は、
図8の処理を終了する。この場合、今回の送信対象の文書についての被写体リストの中身は空である。なお、被写体リストは、送信対象の写真画像に写っている被写体人物のユーザID(IDは、識別情報のこと)のリストである。
【0089】
S50の判定結果がYesの場合、プロセッサ102は、その文書の画像に対して公知の顔認識処理を実行する(S52)。この処理により、その画像中から人間の顔に該当する画像が特定される。次にプロセッサ102は、S52で文書の画像中から認識した1以上の顔画像のそれぞれについて、その顔画像に該当するユーザのユーザIDを特定する(S54)。この特定のために、情報処理装置は、ユーザごとにそのユーザのユーザIDと顔の情報とが登録されたデータベースを持っているか、又はそのようなデータベースを参照する。データベースに登録されたユーザの顔の情報は、例えば、ユーザの顔を撮影することにより得られた1以上の顔画像(例えば異なるいくつかの方向から撮影した顔画像)である。また、データベースは、ユーザの顔の三次元モデル(例えばサーフェイスモデル)に対して顔画像のテクスチャを貼り付けることにより得られたテクスチャ付きの三次元モデルを、顔の情報として保持していてもよい。S54にてプロセッサ102は、S52で認識した顔画像ごとに、その顔画像をデータベース中の各登録ユーザの顔の情報と突き合わせることにより、その顔画像に該当するユーザを特定する。
【0090】
次にプロセッサ102は、S54で特定した各ユーザのユーザIDからなる被写体リストを生成する(S56)。この被写体リストは、メモリ104に記憶され、次に説明する
図9の手順で参照される。
【0091】
なお、S52で文書の画像中から顔画像が1つも認識できなかった場合、又はS54で画像中の顔画像に対応するユーザIDが1つも特定できなかった場合は、被写体リストは空となる。
【0092】
プロセッサ102は、ユーザがメール送信画面200内の宛先表呼び出しボタン204を押下したときに、
図9の手順を実行する。
図9の手順のS24以外のステップは
図5の手順の同符号の各ステップと同じである。
図5の手順と同符号のステップについては説明を省略する。
【0093】
この手順では、S16の後プロセッサ102は、宛先リスト(すなわちユーザが今回の送信の際に選んだユーザのリスト)内のユーザID群が、
図8の手順で生成された被写体リスト内のユーザID群と一致するか否かを判定する(S24)。S24の判定結果がNoの場合、プロセッサ102は、S10に戻って宛先表画面210の表示を続行し、ユーザからの次の操作を待つ。これに対し、S24の判定結果がYesの場合、プロセッサ102は、宛先表画面210を閉じる(S20)。
【0094】
この例では、写真画像に写っているすべての人物が宛先に選ばれた時点で宛先表画面210が自動的に閉じるので、写真画像を被写体の各人に送信するというよくある利用シーンにおいて、ユーザの操作の手間が低減される。
【0095】
<制御の例4>
この例は、上述の第3の例と同様、ユーザが選んだ宛先に対する送信対象のデータが写真画像である場合のものである。
【0096】
第3の例では写真画像に写っている被写体の個々の人物を特定したのに対して、この第4の例では、人物の特定は行わず、単に写真画像に写っている人数を求める。そして、ユーザが今回送信対象に指定したデータが写真の画像データである場合、ユーザが宛先を選んでいく過程で、その写真に写っている人数と同じ数の宛先を選んだ時点で、宛先表画面210を閉じる。
【0097】
すなわち、この第4の例は、ユーザから選択を受け付けた単一又は複数の宛先へ送信される画像に含まれる人物の数が、前記単一又は複数の宛先に含まれる宛先の数と一致する、という条件が満たされる場合に、宛先表画面210を閉じるものである。
【0098】
この例では、プロセッサ102は、ユーザから送信対象の文書が入力又は指定された場合、その文書が画像データかどうか判定し、画像データであれば、その画像データに対して公知の顔認識処理を行う。そして、プロセッサ102は、顔認識処理により認識したその画像データ内の顔の数を求め、メモリ104に記憶する。
【0099】
またプロセッサ102は、ユーザがメール送信画面200内の宛先表呼び出しボタン204を押下したときに、
図10の手順を実行する。
図10の手順のS26以外のステップは
図5の手順の同符号の各ステップと同じである。
図5の手順と同符号のステップについては説明を省略する。
【0100】
この手順では、S16の後プロセッサ102は、宛先リスト(すなわちユーザが今回の送信の際に選んだユーザのリスト)内のユーザIDの数が、メモリ104に記憶している人数(すなわち送信対象の画像データ内の顔の数)と一致するか否かを判定する(S26)。S26の判定結果がNoの場合、プロセッサ102は、S10に戻って宛先表画面210の表示を続行し、ユーザからの次の操作を待つ。これに対し、S26の判定結果がYesの場合、プロセッサ102は、宛先表画面210を閉じる(S20)。
【0101】
この例では、写真画像に写っている人数と同じ数の宛先が選ばれた時点で宛先表画面210が自動的に閉じるので、写真画像を被写体全員に送信するというよくある利用シーンにおいて、ユーザの操作の手間が低減される。
【0102】
<制御の例5>
この例は、宛先表画面210内の宛先表211に表示される宛先候補に、1つの宛先を示す第1種の宛先候補と、複数の宛先をグループ化したものである第2種の宛先候補という2種類の宛先候補が存在する場合の例である。
【0103】
ここで「1つの宛先」又は「複数の宛先」というときの宛先は、単一のメールアドレス、単一の電話番号(すなわちファックス番号)、単一のIPアドレスのように、単一の宛先アドレスのことである。第1種の宛先候補は、単一の宛先アドレスを表す。これに対して、第2種の宛先候補は、複数の「宛先」すなわち複数の宛先アドレスを1つのグループにまとめたものに名前を付けたものである。例えば、ある会社の例えば知的財産部のすべてのメンバのメールアドレスからなるグループを、「知的財産部」と名付けて宛先表211に登録した場合、宛先表211内の「知的財産部」という名前の宛先候補は、第2種の宛先候補である。
【0104】
以下の説明では、それら2種類の宛先候補の呼び名の紛らわしさを避けるため、第1種の宛先候補のことを個人宛先候補と呼び、第2種の宛先候補のことをグループ宛先候補と呼ぶこととする。
【0105】
グループ宛先候補は、例えば、会社の部署ごとや、会社内で動的に構成されるタスクチームごとに作成されることが考えられる。
【0106】
また、この第5の例では、情報処理装置は2つの種類の宛先表211を有している。
【0107】
第1の種類の宛先表は、情報処理装置に登録されている全ての宛先候補の中から選抜された宛先候補群のみが登録された宛先表である。この宛先表のことを「お気に入り」宛先表と呼ぶ。情報処理装置を操作するユーザたちが頻繁に利用する宛先候補を選抜し、「お気に入り」宛先表に登録する。情報処理装置を利用する全てのユーザが、1つの「お気に入り」宛先表を共用する利用形態もあり得るし、情報処理装置に登録されたユーザごとにそのユーザ専用の「お気に入り」宛先表を用いる利用形態もあり得る。「お気に入り」宛先表に含まれる宛先候補のことを「お気に入り」の宛先候補と呼ぶ。
【0108】
第2の種類の宛先表は、情報処理装置に登録されている全ての宛先候補のうちの「お気に入り」宛先表に登録されていない宛先候補群が少なくとも登録されている宛先表である。例えば、第2の種類の宛先表は、情報処理装置に登録されている全ての宛先候補のうちの「お気に入り」宛先表に登録されていない宛先候補群のみを含むものであってもよい。また、それら宛先候補群に加えて「お気に入り」宛先表に含まれる1以上の宛先候補を更に含んだもの(例えば情報処理装置に登録されている全ての宛先候補を含んだもの)であってもよい。以下では、第2の種類の宛先表のことを「お気に入り」との対比で、「一般」宛先表と呼ぶことにする。
【0109】
図11に例示するように、宛先表画面210内には、「お気に入り」宛先表211a又は「一般」宛先表211bが表示される。
図11に示す例では、タブ230を選択すると「お気に入り」宛先表211aが表示され、タブ232を選択すると「一般」宛先表211bが表示される。
【0110】
「お気に入り」宛先表211a内の宛先候補212a及び212dはグループ宛先候補であり、宛先候補212b及び212cは個人宛先候補である。なお、図示は省略したが、グループ宛先候補は「一般」宛先表211bにも含まれてよい。「お気に入り」宛先表211aをユーザごとに用意する例では、宛先表画面210内には、情報処理装置にログインしているユーザの「お気に入り」宛先表211aが表示される。
【0111】
一つの例では、プロセッサ102は、メール送信画面200内の宛先表呼び出しボタン204を押下したとき最初に表示する宛先表画面210には、「お気に入り」宛先表211aの方を表示する。「一般」宛先表211bには膨大な数の宛先候補が含まれることが一般的であるのに対し、「お気に入り」宛先表211aに含まれる宛先候補の数はそれよりもはるかに少ないことが一般的である。ユーザが希望する宛先が「お気に入り」宛先表211aに含まれている場合には、「お気に入り」宛先表211aからの方がその宛先をはるかに早く見つけることができる。そして、ユーザが希望する宛先が「お気に入り」宛先表211aに含まれている確率は高い。なお、ユーザの希望する宛先が「お気に入り」宛先表211a内にない場合は、ユーザはタブ232を選んで「一般」宛先表211bを開き、その中から希望の宛先を探すことになる。
【0112】
なお、この第5の例の宛先表画面210は、「お気に入り」宛先表211aと「一般」宛先表211bとを別々の画面として切り替えて表示するもの(
図11はその一例)に限らない。この代わりに、例えば、「お気に入り」宛先表211a内の宛先候補群の後ろに「一般」宛先表211b内の宛先候補群を並べた1つの大きな宛先表211を用意し、この宛先表を宛先表画面210内に表示する方式もある。この方式では、宛先表呼び出しボタン204を押下したとき最初に表示する宛先表画面210内には、まず「お気に入り」の宛先候補群が表示される。ユーザは、宛先表画面210内に表示された宛先候補群の中に希望するものがない場合は、スクロールボタンにより、表示する宛先候補群をスクロールさせていき、希望する宛先候補を探す。スクロールを進めると、「一般」宛先表211b内の宛先候補群が順に宛先表画面210内に表示され、ユーザはそれら宛先候補群から希望する宛先を選択する。
【0113】
この第5の例では、ユーザが今回の送信の際の最初の宛先の選択において、宛先表画面210内に表示された「お気に入り」の宛先候補群のうちのグループ宛先候補を選択した場合に、その宛先表画面210を閉じる。
【0114】
ユーザがあるグループのメンバ全員に電子メールを送りたい場合、そのグループを表すグループ宛先候補が宛先表内にあれば、そのグループ宛先候補を電子メールの宛先に選択するはずである。また、グループの全メンバにメールを送るケースと、グループの全メンバに他の宛先を加えた宛先群にメールを送るケースとを考えた場合、わざわざグループ宛先候補を用意していることからみて前者のケースの方がより頻繁に起こると考えられる。もし既存のグループ宛先候補に加えて更に別の個人宛先候補を選択してメールを送信することが頻繁であるのなら、その個人宛先候補をそのグループ宛先候補のメンバに追加してしまう運用がなされる可能性が高い。また、情報処理装置に登録された数あるグループ宛先候補の中でも、あえて「お気に入り」に登録されている(すなわちよく使う)グループ宛先候補は、「お気に入り」でないグループ宛先候補よりもグループ単体で選ばれる可能性が高いと考えられる。このようなことから、「お気に入り」の宛先候補群からグループ宛先候補が選択された場合に、宛先表画面210を閉じるのである。
【0115】
この例では、プロセッサ102は、ユーザがメール送信画面200内の宛先表呼び出しボタン204を押下したときに、
図12の手順を実行する。
図12の手順のS28以外のステップは
図5の手順の同符号の各ステップと同じである。
図5の手順と同符号のステップについては説明を省略する。
【0116】
この手順では、S16の後プロセッサ102は、宛先リスト内の宛先の数が1であること、及びその宛先は「お気に入り」の宛先候補群から選ばれたグループ宛先候補であること、の両方が満たされるか判定する(S28)。S28の判定結果がNoの場合、プロセッサ102は、S10に戻って宛先表画面210の表示を続行し、ユーザからの次の操作を待つ。これに対し、S28の判定結果がYesの場合、プロセッサ102は、宛先表画面210を閉じる(S20)。
【0117】
<制御の例5のバリエーション>
宛先候補に「お気に入り」とそうでないものと区別を設けない情報処理装置等を考えた場合、ユーザが宛先表画面210からグループ宛先候補をえらんだときに、プロセッサ102がその宛先表画面210を自動的に閉じるようにしてもよい。
【0118】
また、別の例として、ユーザが宛先表画面210から「お気に入り」の宛先候補を選んだときに、プロセッサ102がその宛先表画面210を自動的に閉じるようにしてもよい。
【0119】
<制御の例6>
この例は、ユーザが過去に情報処理装置から送信を行った際の宛先の選択の傾向に基づいて、宛先表画面210を閉じるかどうかを判定する。より詳しくは、この例では、そのユーザが過去に単独宛先の送信(すなわち宛先が1つの送信)を頻繁に行っている場合に、ユーザが今回の送信の最初の宛先を宛先表画面210から選んだ時点で、宛先表画面210を閉じる。すなわち、過去の送信履歴から、ユーザが単独宛先で送信する傾向が強いことが分かる場合には、宛先が1つ選択された時点で、宛先表画面210を閉じるのである。
【0120】
この例では、情報処理装置は、
図13に例示するように、送信履歴情報に「送信者」欄が含まれる。「送信者」欄には、履歴レコードが示す送信を指示したユーザのユーザIDが記録される。
【0121】
この例では、プロセッサ102は、ユーザがメール送信画面200内の宛先表呼び出しボタン204を押下したときに、
図14の手順を実行する。
図14の手順のS30以外のステップは
図5の手順の同符号の各ステップと同じである。
図5の手順と同符号のステップについては説明を省略する。
【0122】
この手順では、S16の後プロセッサ102は、次の2つの条件の両方が共に満たされるかを判定する(S30)。1つ目の条件は、宛先リスト内の宛先の数が1であることであり、2つ目の条件は、送信履歴情報内のそのユーザが送信者である履歴レコードの中に単独宛先の履歴レコードの数が予め定められた閾値以上あること、である。S30の判定結果がNoの場合、プロセッサ102は、S10に戻って宛先表画面210の表示を続行し、ユーザからの次の操作を待つ。これに対し、S30の判定結果がYesの場合、プロセッサ102は、宛先表画面210を閉じる(S20)。
【0123】
具体例として送信履歴情報が
図13に例示した状態であり、S30で用いる閾値が3回である場合を考える。この場合に、ユーザ「A」が情報処理装置にログインし、メール送信画面200の宛先表呼び出しボタン204を押下して宛先表画面210を開いたとする。この場合、送信履歴情報には、送信者が「A」である単独宛先の履歴レコードが3つあるので、ユーザ「A」がその宛先表画面210から最初の宛先を選んだ時点でS30の判定結果がYesとなり、その宛先表画面210は閉じられる。
【0124】
また、この第6の例の変形例として、S30で用いる2つ目の条件を次のように変更したものも考えられる。すなわち、この変形例では、2つ目の条件として、送信履歴情報内のそのユーザが送信者である履歴レコード群のうち、直近の閾値以上の数の履歴レコードのすべてが単独宛先のものである、という条件を用いる。この変形例は、送信者の直近の宛先選択の動向をより重視したものといえる。
【0125】
以上、メール送信の場合を例にとって、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態の手法は、電子メール以外のプロトコルを用いた送信、例えばファクシミリ送信や、FTPその他のデータ転送プロトコルによる送信等にも適用可能である。
【符号の説明】
【0126】
102 プロセッサ、104 メモリ、106 補助記憶装置、108 入出力装置、110 ネットワークインタフェース、112 バス、114 スキャナ制御回路、116 プリンタ制御回路、118 ファクシミリ装置、200 メール送信画面、202 宛先欄、204 宛先表呼び出しボタン、206 送信ボタン、210,220 宛先表画面、211 宛先表、211a 「お気に入り」宛先表、211b 「一般」宛先表、212 宛先候補、214,216 スクロールボタン、218 「閉じる」ボタン、230,232 タブ。