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特許7556207複合装置、情報処理装置、連携方法および連携プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】複合装置、情報処理装置、連携方法および連携プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240918BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240918BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
G06F3/12 303
G06F3/12 326
G06F3/12 331
G06F3/12 353
B41J29/38
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020066990
(22)【出願日】2020-04-02
(65)【公開番号】P2021164122
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-02-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108523
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 雅博
(72)【発明者】
【氏名】松田 英之
【審査官】豊田 好一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-181345(JP,A)
【文献】特開2008-159022(JP,A)
【文献】特開2017-188076(JP,A)
【文献】特開2006-067480(JP,A)
【文献】特開2019-029727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/12
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれがネットワークに接続された第1装置と第2装置とを含む複合装置であって、
前記第1装置は、前記ネットワークに接続された連携候補装置から装置情報を取得する装置情報取得手段と、
取得された前記装置情報に基づいて、当該装置情報を取得した連携候補装置が前記複合装置を構成する前記第2装置かどうか判断する判断手段と、
前記連携候補装置が前記第2装置と判断される場合、前記第2装置と判断された前記連携候補装置と連携するための設定をする連携設定手段と、
前記ネットワークに接続された装置を探索する探索手段と、を備え
前記判断手段は、前記探索手段により複数の連携候補装置が検出され、かつ、検出された複数の前記連携候補装置のいずれもが前記第1装置と連携しておらず、かつ検出された複数の前記連携候補装置のうちに他のいずれの装置とも連携しない単一の連携候補装置が存在する場合、他のいずれの装置とも連携しない単一の連携候補装置を前記第2装置と判断する、複合装置。
【請求項2】
それぞれがネットワークに接続された第1装置と第2装置とを含む複合装置であって、
前記第1装置は、前記ネットワークに接続された連携候補装置から装置情報を取得する装置情報取得手段と、
取得された前記装置情報に基づいて、当該装置情報を取得した連携候補装置が前記複合装置を構成する前記第2装置かどうか判断する判断手段と、
前記連携候補装置が前記第2装置と判断される場合、前記第2装置と判断された前記連携候補装置と連携するための設定をする連携設定手段と、備え、
前記連携設定手段は、前記第1装置を識別するための装置識別情報を前記装置情報として前記第2装置に設定し、
前記判断手段は、前記ネットワークに接続された装置に前記第1装置を識別するための前記装置識別情報が設定されている場合、前記ネットワークに接続された装置を前記第2装置と判断する、複合装置。
【請求項3】
それぞれがネットワークに接続された第1装置と第2装置とを含む複合装置であって、
前記第1装置は、前記ネットワークに接続された連携候補装置から装置情報を取得する装置情報取得手段と、
取得された前記装置情報に基づいて、当該装置情報を取得した連携候補装置が前記複合装置を構成する前記第2装置かどうか判断する判断手段と、
前記連携候補装置が前記第2装置と判断される場合、前記第2装置と判断された前記連携候補装置と連携するための設定をする連携設定手段と、を備え、
前記連携設定手段は、前記第2装置に前記第1装置のネットワークアドレスを設定させ、
前記第2装置のネットワークアドレスを設定する、複合装置。
【請求項4】
前記連携設定手段は、前記第1装置が前記第2装置と連携した後に再起動する場合、前記第1装置に新たに割り当てられたネットワークアドレスを前記第2装置に設定させる、請求項に記載の複合装置。
【請求項5】
それぞれがネットワークに接続された第1装置と第2装置とを含む複合装置であって、
前記第1装置は、前記ネットワークに接続された連携候補装置から装置情報を取得する装置情報取得手段と、
取得された前記装置情報に基づいて、当該装置情報を取得した連携候補装置が前記複合装置を構成する前記第2装置かどうか判断する判断手段と、
前記連携候補装置が前記第2装置と判断される場合、前記第2装置と判断された前記連携候補装置と連携するための設定をする連携設定手段と、を備え、
前記第1装置は、記憶手段をさらに備え、
前記連携設定手段は、前記記憶手段が有する所定の記憶領域または前記記憶手段に記憶された所定のデータの前記ネットワークにおける位置を示す位置情報を前記第2装置に設定し、前記第1装置が前記第2装置と連携した後に再起動する場合、前記第2装置と連携により設定された前記第2装置のネットワークアドレスを用いて、前記位置情報を前記第2装置に設定する、複合装置。
【請求項6】
それぞれがネットワークに接続された第1装置と第2装置とを含む複合装置であって、
前記第1装置は、前記ネットワークに接続された連携候補装置から装置情報を取得する装置情報取得手段と、
取得された前記装置情報に基づいて、当該装置情報を取得した連携候補装置が前記複合装置を構成する前記第2装置かどうか判断する判断手段と、
前記連携候補装置が前記第2装置と判断される場合、前記第2装置と判断された前記連携候補装置と連携するための設定をする連携設定手段と、を備え、
前記第2装置は、前記第1装置と連携した後に再起動する場合、前記第1装置との連携により設定された前記第1装置のネットワークアドレスを用いて、前記第1装置に起動したことを通知する通知手段を、さらに備え、
前記連携設定手段は、前記通知を受けることに応じて、前記第2装置との連携により設定された前記第2装置のネットワークアドレスを前記第2装置に新たに割り当てられたネットワークアドレスで更新する、複合装置。
【請求項7】
ネットワークに接続された連携候補装置から連携設定情報を取得する連携設定情報取得手段と、
取得された前記連携設定情報が、自装置が含まれる複合装置を構成することを示す場合、前記連携候補装置を連携対象装置と判断する判断手段と、
前記連携対象装置と連携するための設定をする連携設定手段と、を備え
前記連携設定手段は、前記連携対象装置に自装置のネットワークアドレスを設定させ、前記連携対象装置のネットワークアドレスを設定する、情報処理装置。
【請求項8】
ネットワークに接続された連携候補装置から連携設定情報を取得する連携設定情報取得手段と、
取得された前記連携設定情報が、自装置が含まれる複合装置を構成することを示す場合、前記連携候補装置を連携対象装置と判断する判断手段と、
前記連携対象装置と連携するための設定をする連携設定手段と、
前記連携候補装置を探索する探索手段と、を備え、
前記判断手段は、前記探索手段により検出される前記連携候補装置が複数でかつ検出された複数の前記連携候補装置のいずれもが自装置と連携していない場合、検出された複数の前記連携候補装置のうち他のいずれの装置とも連携しない単一の装置を前記連携対象装置と判断する、情報処理装置。
【請求項9】
それぞれがネットワークに接続された第2装置と第1装置とを含む複合装置で実行される連携方法であって、
前記ネットワークに接続された装置から装置情報を取得する装置情報取得ステップと、
取得された前記装置情報に基づいて、当該装置情報を取得した連携候補装置が前記複合装置を構成する前記第2装置かどうか判断する判断ステップと、
前記ネットワークに接続された装置が前記第2装置と判断される場合、前記第2装置と連携するための設定をする連携設定ステップと、を前記第1装置に実行させ
前記判断ステップは、前記ネットワークに接続された装置のうちから複数の前記連携候補装置が検出され、かつ、検出された複数の前記連携候補装置のいずれもが前記第1装置と連携しておらず、かつ検出された複数の前記連携候補装置のうちに他のいずれの装置とも連携しない単一の連携候補装置が存在する場合、他のいずれの装置とも連携しない単一の連携候補装置を前記第2装置と判断するステップを含む、連携方法。
【請求項10】
ネットワークに接続された連携候補装置から連携設定情報を取得する連携設定情報取得ステップと、
取得された前記連携設定情報が、自装置が含まれる複合装置を構成することを示す場合、前記連携候補装置を連携対象装置と判断する判断ステップと、
前記連携対象装置と連携するための設定をする連携設定ステップと、を情報処理装置に実行させ
前記連携設定ステップは、前記連携対象装置に自装置のネットワークアドレスを設定させ、前記連携対象装置のネットワークアドレスを設定するステップを含む、連携方法。
【請求項11】
それぞれがネットワークに接続された第2装置と第1装置とを含む複合装置で実行される連携プログラムであって、
前記ネットワークに接続された装置から装置情報を取得する装置情報取得ステップと、
取得された前記装置情報に基づいて、当該装置情報を取得した連携候補装置が前記複合装置を構成する前記第2装置かどうか判断する判断ステップと、
前記ネットワークに接続された装置が前記第2装置と判断される場合、前記第2装置と連携するための設定をする連携設定ステップと、を前記第1装置を制御するコンピューターに実行させ
前記判断ステップは、前記ネットワークに接続された装置のうちから複数の前記連携候補装置が検出され、かつ、検出された複数の前記連携候補装置のいずれもが前記第1装置と連携しておらず、かつ検出された複数の前記連携候補装置のうちに他のいずれの装置とも連携しない単一の連携候補装置が存在する場合、他のいずれの装置とも連携しない単一の連携候補装置を前記第2装置と判断するステップを含む、連携プログラム。
【請求項12】
ネットワークに接続された連携候補装置から連携設定情報を取得する連携設定情報取得ステップと、
取得された前記連携設定情報が、自装置が含まれる複合装置を構成することを示す場合、前記連携候補装置を連携対象装置と判断する判断ステップと、
前記連携対象装置と連携するための設定をする連携設定ステップと、を情報処理装置を制御するコンピューターに実行させ
前記連携設定ステップは、前記連携対象装置に自装置のネットワークアドレスを設定させ、前記連携対象装置のネットワークアドレスを設定するステップを含む、連携プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複合装置、情報処理装置、連携方法および連携プログラムに関し、特に、それぞれがネットワークに接続される複数の装置を含む複合装置、その複合装置に含まれる情報処理装置、複合装置または情報処理装置で実行される連携方法およびその連携方法を複合装置を制御するコンピューターまたは情報処理装置を制御するコンピューターに実行させる連携プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多機能デジタル画像形成装置であるMFP(Multi Function Peripherals)等の画像形成装置と、サーバーとを備えた複合装置が知られている。この複合装置において、MFPおよびサーバーそれぞれがネットワークに接続される場合、一方から他方をネットワーク上で識別する必要がある。しかしながら、ネットワークにおいてMFPとサーバーとに割り当てられるネットワークアドレスは、ユーザーにより定められた規則によって異なるため、固定するべきではない。
【0003】
特開2009-181345号公報には、MFPのリモート接続ドライバが遠隔操作してサーバ装置のアプリケーションを起動させるとき、サーバ装置では、MFPから送信された操作開始信号に基づいて、デバイス設定マネージャが操作開始信号を送信したMFPを遠隔操作元装置であると識別し、アプリケーションを利用するMFPとして自動設定する連携システムが記載されている。
【0004】
しかしながら、特開2009-181345号公報に記載の連携システムにおいては、MFPのリモート接続ドライバがサーバ装置のアプリケーションを遠隔操作するために、MFPにおいてサーバー装置のアプリケーションを特定する必要がある。このため、MFPを操作するユーザーがサーバー装置のアプリケーションを特定する指示を入力しなければならない。したがって、ユーザーは、サーバー装置を特定する情報を知る必要があり、操作が煩雑であるといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2009-181345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、ネットワークに接続された2つの装置を連携させる操作を容易にした複合装置を提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、ネットワークに接続された2つの装置を連携させる操作を容易にした情報処理装置を提供することである。
【0008】
この発明のさらに他の目的は、ネットワークに接続された2つの装置を連携させる操作を容易にした連携方法を提供することである。
【0009】
この発明のさらに他の目的は、ネットワークに接続された2つの装置を連携させる操作を容易にした連携プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した目的を達成するために、この発明のある局面によれば、複合装置は、それぞれがネットワークに接続された第1装置と第2装置とを含む複合装置であって、第1装置は、ネットワークに接続された連携候補装置から装置情報を取得する装置情報取得手段と、取得された装置情報に基づいて、当該装置情報を取得した連携候補装置が複合装置を構成する第2装置かどうか判断する判断手段と、連携候補装置が第2装置と判断される場合、第2装置と判断された連携候補装置と連携するための設定をする連携設定手段と、ネットワークに接続された装置を探索する探索手段と、を備え、判断手段は、探索手段により複数の連携候補装置が検出され、かつ、検出された複数の連携候補装置のいずれもが第1装置と連携しておらず、かつ検出された複数の連携候補装置のうちに他のいずれの装置とも連携しない単一の連携候補装置が存在する場合、他のいずれの装置とも連携しない単一の連携候補装置を第2装置と判断する。
【0011】
この局面に従えば、第1装置がネットワークに接続された装置から取得された装置情報に基づいてネットワークに接続された装置が第2装置と判断し、ネットワークに接続された装置が第2装置と判断される場合、第2装置と連携するための設定をする。このため、第1装置と第2装置とがネットワークに接続された状態で、2つの装置を連携させることができる。その結果、ネットワークに接続された2つの装置を連携させる操作を容易にした複合装置を提供することができる。
【0015】
また、探索により検出された複数の装置のいずれとも第1装置が連携しておらず、かつ検出された複数の装置のうちに他のいずれの装置とも連携しない単一の連携対象装置が存在する場合、第1装置と第2装置とが連携される。このため、第1装置と第2装置のいずれか一方とその他に複数の装置がネットワークに接続されている状態で、他方がネットワークに接続されると、第1装置と第2装置とを連携させることができる。
【0020】
この発明の他の局面によれば、複合装置は、それぞれがネットワークに接続された第1装置と第2装置とを含む複合装置であって、第1装置は、ネットワークに接続された連携候補装置から装置情報を取得する装置情報取得手段と、取得された装置情報に基づいて、当該装置情報を取得した連携候補装置が複合装置を構成する第2装置かどうか判断する判断手段と、連携候補装置が第2装置と判断される場合、第2装置と判断された連携候補装置と連携するための設定をする連携設定手段と、備え、連携設定手段は、第1装置を識別するための装置識別情報を装置情報として第2装置に設定し、判断手段は、ネットワークに接続された装置に第1装置を識別するための装置識別情報が設定されている場合、ネットワークに接続された装置を第2装置と判断する。
【0021】
この局面に従えば、第1装置の装置識別情報が装置情報として設定されている第2装置を第1装置と連携させることができる。
【0022】
この発明の他の局面によれば、複合装置は、それぞれがネットワークに接続された第1装置と第2装置とを含む複合装置であって、第1装置は、ネットワークに接続された連携候補装置から装置情報を取得する装置情報取得手段と、取得された装置情報に基づいて、当該装置情報を取得した連携候補装置が複合装置を構成する第2装置かどうか判断する判断手段と、連携候補装置が第2装置と判断される場合、第2装置と判断された連携候補装置と連携するための設定をする連携設定手段と、を備え、連携設定手段は、第2装置に第1装置のネットワークアドレスを設定させ、第2装置のネットワークアドレスを設定する。
【0023】
この局面に従えば、第1装置および第2装置のネットワークアドレスが変更されても、第1装置と第2装置とを連携させることができる。
【0024】
好ましくは、連携設定手段は、第1装置が第2装置と連携した後に再起動する場合、第1装置に新たに割り当てられたネットワークアドレスを第2装置に設定させる。
【0025】
この局面に従えば、第1装置が再起動後に、第1装置と第2装置との間の通信が可能になる。
【0028】
この発明の他の局面によれば、複合装置は、それぞれがネットワークに接続された第1装置と第2装置とを含む複合装置であって、第1装置は、ネットワークに接続された連携候補装置から装置情報を取得する装置情報取得手段と、取得された装置情報に基づいて、当該装置情報を取得した連携候補装置が複合装置を構成する第2装置かどうか判断する判断手段と、連携候補装置が第2装置と判断される場合、第2装置と判断された連携候補装置と連携するための設定をする連携設定手段と、を備え、第1装置は、記憶手段をさらに備え、連携設定手段は、記憶手段が有する所定の記憶領域または記憶手段に記憶された所定のデータのネットワークにおける位置を示す位置情報を第2装置に設定し、第1装置が第2装置と連携した後に再起動する場合、第2装置と連携により設定された第2装置のネットワークアドレスを用いて、位置情報を第2装置に設定する。
【0029】
この局面に従えば、第1装置が第2装置と連携した後に再起動する場合、第2装置から第1装置を制御することができる。
【0030】
この発明の他の局面によれば、複合装置は、それぞれがネットワークに接続された第1装置と第2装置とを含む複合装置であって、第1装置は、ネットワークに接続された連携候補装置から装置情報を取得する装置情報取得手段と、取得された装置情報に基づいて、当該装置情報を取得した連携候補装置が複合装置を構成する第2装置かどうか判断する判断手段と、連携候補装置が第2装置と判断される場合、第2装置と判断された連携候補装置と連携するための設定をする連携設定手段と、を備え、第2装置は、第1装置と連携した後に再起動する場合、第1装置との連携により設定された第1装置のネットワークアドレスを用いて、第1装置に起動したことを通知する通知手段を、さらに備え、連携設定手段は、通知を受けることに応じて、第2装置との連携により設定された第2装置のネットワークアドレスを第2装置に新たに割り当てられたネットワークアドレスで更新する。
【0031】
この局面に従えば、第2装置が第1装置と連携した後に再起動する場合、第1装置と第2装置との間の通信が可能になる。
【0034】
この発明の他の局面によれば、情報処理装置は、ネットワークに接続された連携候補装置から連携設定情報を取得する連携設定情報取得手段と、取得された連携設定情報が、自装置が含まれる複合装置を構成することを示す場合、連携候補装置を連携対象装置と判断する判断手段と、連携対象装置と連携するための設定をする連携設定手段と、を備え、連携設定手段は、連携対象装置に自装置のネットワークアドレスを設定させ、連携対象装置のネットワークアドレスを設定する。
【0035】
この局面に従えば、ネットワークに接続された連携候補装置から取得された連携設定情報が他のいずれの装置とも連携しないことを示す場合に、連携候補装置が連携対象装置と判断され、連携対象装置と連携するための設定がされる。このため、情報処理装置と連携対象装置とがネットワークに接続された状態で、2つの装置を連携させることができる。その結果、ネットワークに接続された2つの装置を連携させる操作を容易にした情報処理装置を提供することができる。
【0038】
この発明のさらに他の局面によれば、情報処理装置は、ネットワークに接続された連携候補装置から連携設定情報を取得する連携設定情報取得手段と、取得された連携設定情報が、自装置が含まれる複合装置を構成することを示す場合、連携候補装置を連携対象装置と判断する判断手段と、連携対象装置と連携するための設定をする連携設定手段と、連携候補装置を探索する探索手段と、を備え、判断手段は、探索手段により検出される連携候補装置が複数でかつ検出された複数の連携候補装置のいずれもが自装置と連携していない場合、検出された複数の連携候補装置のうち他のいずれの装置とも連携しない単一の装置を連携対象装置と判断する。
【0039】
この局面に従えば、探索により検出された複数の装置のいずれとも第1装置が連携しておらず、かつ検出された複数の装置のうちに他のいずれの装置とも連携しない単一の連携対象装置が存在する場合、連携候補装置が連携対象装置と判断され、連携対象装置と連携される。このため、情報処理装置と連携対象装置のいずれか一方とその他に複数の装置がネットワークに接続されている状態で、他方がネットワークに接続されると、情報処理装置と連携対象装置とを連携させることができる。
【0040】
この発明のさらに他の局面によれば、連携方法は、それぞれがネットワークに接続された第2装置と第1装置とを含む複合装置で実行される連携方法であって、ネットワークに接続された装置から装置情報を取得する装置情報取得ステップと、取得された装置情報に基づいて、当該装置情報を取得した連携候補装置が複合装置を構成する第2装置かどうか判断する判断ステップと、ネットワークに接続された装置が第2装置と判断される場合、第2装置と連携するための設定をする連携設定ステップと、を第1装置に実行させ、判断手段は、ネットワークに接続された装置のうちから複数の連携候補装置が検出され、かつ、検出された複数の連携候補装置のいずれもが第1装置と連携しておらず、かつ検出された複数の連携候補装置のうちに他のいずれの装置とも連携しない単一の連携候補装置が存在する場合、他のいずれの装置とも連携しない単一の連携候補装置を第2装置と判断するステップを含む
【0041】
この局面に従えば、ネットワークに接続された2つの装置を連携させる操作を容易にした連携方法を提供することができる。
【0042】
この発明のさらに他の局面によれば、連携方法は、ネットワークに接続された連携候補装置から連携設定情報を取得する連携設定情報取得ステップと、取得された連携設定情報が、自装置が含まれる複合装置を構成することを示す場合、連携候補装置を連携対象装置と判断する判断ステップと、連携対象装置と連携するための設定をする連携設定ステップと、を情報処理装置に実行させ、連携設定ステップは、連携対象装置に自装置のネットワークアドレスを設定させ、連携対象装置のネットワークアドレスを設定するステップを含む
【0043】
この局面に従えば、ネットワークに接続された2つの装置を連携させる操作を容易にした連携方法を提供することができる。
【0044】
この発明のさらに他の局面によれば、連携プログラムは、それぞれがネットワークに接続された第2装置と第1装置とを含む複合装置で実行される連携プログラムであって、ネットワークに接続された装置から装置情報を取得する装置情報取得ステップと、取得された装置情報に基づいて、当該装置情報を取得した連携候補装置が複合装置を構成する第2装置かどうか判断する判断ステップと、ネットワークに接続された装置が第2装置と判断される場合、第2装置と連携するための設定をする連携設定ステップと、を第1装置を制御するコンピューターに実行させ、判断ステップは、ネットワークに接続された装置のうちから複数の連携候補装置が検出され、かつ、検出された複数の連携候補装置のいずれもが第1装置と連携しておらず、かつ検出された複数の連携候補装置のうちに他のいずれの装置とも連携しない単一の連携候補装置が存在する場合、他のいずれの装置とも連携しない単一の連携候補装置を第2装置と判断するステップを含む
【0045】
この局面に従えば、ネットワークに接続された2つの装置を連携させる操作を容易にした連携プログラムを提供することができる。
【0046】
この発明のさらに他の局面によれば、連携プログラムは、ネットワークに接続された連携候補装置から連携設定情報を取得する連携設定情報取得ステップと、取得された連携設定情報が、自装置が含まれる複合装置を構成することを示す場合、連携候補装置を連携対象装置と判断する判断ステップと、連携対象装置と連携するための設定をする連携設定ステップと、を情報処理装置を制御するコンピューターに実行させ、連携設定ステップは、連携対象装置に自装置のネットワークアドレスを設定させ、連携対象装置のネットワークアドレスを設定するステップを含む
【0047】
この局面に従えば、ネットワークに接続された2つの装置を連携させる操作を容易にした連携プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本実施の形態における複合装置の外観を示す斜視図である。
図2】複合装置が接続されるネットワークの一例を示す図である。
図3】複合装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4】複合装置のサーバーが備える第2制御部が有する機能の一例を示すブロック図である。
図5】複合装置のMFPが備える第1制御部が有する機能の一例を示すブロック図である。
図6】連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】初期連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】連携設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図9】装置側連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0050】
図1は、本実施の形態における複合装置の外観を示す斜視図である。図1を参照して、複合装置1は、MFP(Multi Function Peripheral)100と、MFP100の下方に配置されたサーバー200と、を含む。
【0051】
MFP100は、画像形成装置の一例であり、自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130と、画像形成部140と、給紙部150と、を含む。自動原稿搬送装置120は、原稿トレイ上にセットされた複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に原稿読取部130の原稿読み取り位置まで搬送し、原稿読取部130により原稿に形成された画像が読み取られた原稿を原稿排紙トレイに排出する。
【0052】
原稿読取部130は、光を照射する光源と、光を受光する光電変換素子とを含み、読取面に載置された原稿に形成されている画像を走査する。読取領域に原稿が載置されている場合、光源から照射された光は原稿で反射し、反射した光が光電変換素子で結像する。光電変換素子は、原稿で反射した光を受光すると、受光した光を電気信号に変換した画像データを生成する。
【0053】
給紙部150は、用紙を収容するための2つの給紙トレイを含む。給紙部150は、2つの給紙トレイのいずれかに収容された用紙を画像形成部140に搬送する。画像形成部140は、周知の電子写真方式により画像を形成するものであって、画像データに基づいて、給紙部150により搬送される用紙に画像を形成し、画像を形成した用紙を排紙トレイ155に排出する。
【0054】
本実施の形態における複合装置1は、ネットワークに接続されて使用される場合がある。図2は、複合装置が接続されるネットワークの一例を示す図である。図2を参照して、複合装置1は、LAN(ローカルエリアネットワーク)11に接続される。LAN11には、例えば、プリンター3と、パーソナルコンピューター(PC)5とが接続される。さらに、LAN11は、ゲートウェイ(G/W)15を介してインターネット13に接続される。さらに、インターネット13には、外部サーバー7が接続される。PC5および外部サーバー7は、情報処理装置の一例であり、一般的なコンピューターである。複合装置1は、LAN11を介して、プリンター3およびPC5と通信可能である。さらに、複合装置1は、LAN11、G/W15、インターネット13を介して、外部サーバー7と通信可能である。
【0055】
複合装置1は、サーバー200の筐体の上にMFP100の筐体を重ねた構造であり、外観上は1つの筐体に見える。複合装置1が設置される場合、MFP100とサーバー200とが同時に設置される。また、MFP100およびサーバー200それぞれが単体で設置が可能である。具体的には、MFP100が先に設置された後にサーバー200が設置される場合があり、サーバー200が先に設置された後にMFP100が設置される場合がある。いずれの場合であっても、サーバー200の筐体の上にMFP100の筐体が重ねられて、外観上は1つの筐体に見える。
【0056】
また、複合装置1が設置された後に、サーバー200が別のサーバーに置き換えられる場合がある。同様に、複合装置1が設置された後に、MFP100が別のMFPに置き換えられる場合がある。
【0057】
図3は、複合装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、MFP100は、MFP100の全体を制御する中央演算装置である第1制御部111と、装置LAN通信部112と、ROM(Read Only Memory)113と、RAM(Random Access Memory)114と、ファクシミリ部115と、自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130と、画像形成部140と、給紙部150と、操作パネル117と、を含む。中央演算装置は、ハードウェアプロセッサである。
【0058】
第1制御部111は、装置LAN通信部112、ROM113、RAM114、ファクシミリ部115、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル117と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0059】
ROM113は、第1制御部111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、第1制御部111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる画像データを一時的に記憶する。
【0060】
操作パネル117は、表示部118と操作部119とを含む。表示部118は、例えば、液晶表示装置(LCD)であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。なお、LCDに代えて、画像を表示する装置であれば、例えば、有機EL(electroluminescence)ディスプレイを用いることができる。操作部119は、表示部に重畳して設けられたタッチパネルと、ハードキーとを含む。
【0061】
ファクシミリ部115は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、PSTNにファクシミリデータを送信する、またはPSTNからファクシミリデータを受信する。ファクシミリ部115は、受信したファクシミリデータを画像形成部140でプリント可能なプリントデータに変換して、画像形成部140に出力する。これにより、画像形成部140は、ファクシミリ部115により受信されたファクシミリデータの画像を用紙に形成する。また、ファクシミリ部115は、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。
【0062】
装置LAN通信部112は、第1制御部111をLAN11に接続するためのインターフェースである。装置LAN通信部112は、TCP(Transmission Control Protocol)またはUDP(User Datagram Protocol)等の通信プロトコルで通信する。なお、LAN11の接続形態は有線または無線を問わない。
【0063】
サーバー200は、サーバー200の全体を制御する中央演算装置である第2制御部201と、第2制御部201が実行するためのプログラムを記憶するROM202と、第2制御部201の作業領域として使用されるRAM203と、第2制御部201をLAN11に接続するLAN通信部204と、外部記憶装置205と、データを不揮発的に記憶するハードディスクドライブ(HDD)207と、を含む。第2制御部201、ROM202、RAM203、LAN通信部204、外部記憶装置205は、バス221に接続される。
【0064】
ROM202は、第2制御部201が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM203は、第2制御部201がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。
【0065】
LAN通信部204は、第2制御部201をLAN11に接続するためのインターフェースである。LAN通信部204は、TCPまたはUDP等の通信プロトコルで通信する。なお、LAN11の接続形態は有線または無線を問わない。
【0066】
HDD207は、大容量記憶装置であり、第2制御部201により制御される。第2制御部201は、HDD207に記憶されたデータを読出し可能であり、また、HDD207にデータを書き込み可能である。
【0067】
外部記憶装置205は、第2制御部201により制御され、CD(Compact Disk)-ROM209A、または半導体メモリが装着される。第2制御部201は、外部記憶装置205を制御して、CD-ROM209Aまたは半導体メモリに記憶されたデータの読み出すことが可能であり、または、CD-ROM209Aまたは半導体メモリにデータを書き込みすることが可能である。
【0068】
HDD207および外部記憶装置205は、第2制御部201によりMFP100と共有設定されており、MFP100からアクセス可能に第2制御部201により設定される。このため、第1制御部111は、HDD207または外部記憶装置205に装着されたCD-ROM209Aに記憶されたデータを読出し可能であり、また、それらにデータを書き込み可能である。
【0069】
MFP100が備える第1制御部111は、LAN11を介してLAN11に接続されたサーバー200、プリンター3およびPC5と通信可能である。また、第1制御部111は、LAN11、G/W15を介してインターネット13に接続された外部サーバー7と通信可能である。同様に、サーバー200が備える第2制御部201は、LAN11を介してLAN11に接続されたMFP100、プリンター3およびPC5と通信可能である。また、第2制御部201は、LAN11、G/W15を介してインターネット13に接続された外部サーバー7と通信可能である。
【0070】
本実施の形態においては、第1制御部111はROM113に記憶されたプログラムを実行する例を説明するが、第1制御部111はHDD207または外部記憶装置205に装着されたCD-ROM209A等から第1制御部111が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。同様に、第2制御部201はHDD207または外部記憶装置205に装着されたCD-ROM209A等から第2制御部201が実行するためのプログラムを読出し、読み出したプログラムをRAM203にロードして実行するようにしてもよい。
【0071】
なお、第1制御部111または第2制御部201それぞれが実行するためのプログラムを記憶する記録媒体としては、CD-ROM209Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)などの半導体メモリ等の媒体でもよい。
【0072】
さらに、第1制御部111または第2制御部201が、LAN11またはインターネット13に接続されたコンピューターからプログラムをダウンロードしてHDD207に記憶する、または、LAN11またはインターネット13に接続されたコンピューターがプログラムをHDD207に書込みするようにしてもよい。この場合、第1制御部111は、HDD207に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行し、第2制御部201は、HDD207に記憶されたプログラムをRAM203にロードして実行する。ここでいうプログラムは、第1制御部111または第2制御部201により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0073】
本実施の形態における複合装置1において、サーバー200は、Webサーバー機能を有し、MFP100はクライアント機能を有する。第2制御部201がサーバーとして機能するためのWebサーバープログラムを実行し、第1制御部111がクライアントとして機能するためのブラウジングプログラムを実行する。具体的には、第2制御部201は、サーバー200を制御するための画面を含むWebページをMFP100に送信し、MFP100がWebページを表示部118に表示する。ユーザーは、表示部118に表示された画面を見て、所定の操作を操作部119に入力すると、ブラウジングプログラムを実行するタスクがサーバー200にユーザーにより入力された操作を送信する。サーバー200が備える第2制御部201は、MFP100から受信された操作に従って処理を実行する。サーバー200が備える第2制御部201が実行する処理は、例えば、MFP100で読み取って得られる画像データを記憶する処理、サーバー200に所定の設定値を設定する処理を含む。このように、MFP100とサーバー200とは連携して処理を実行する場合がある。
【0074】
サーバー200およびMFP100それぞれがLAN11に接続される。LAN11において、サーバー200およびMFP100それぞれに割り当てられるネットワークアドレスは、例えば、LAN11にDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバーが接続されている場合には、DHCPサーバーにより割り当てられる。このように、サーバー200とMFP100とに固定的なIPアドレスが必ずしも設定されるとは限らない。一方、サーバー200およびMFP100それぞれに固有の値が存在する。
【0075】
本実施の形態における複合装置1において、サーバー200とMFP100とは連携設定される場合、いずれか一方の装置に他方の装置を識別するための固有の値が設定される。2つの装置が連携設定される場合、一方の装置は、自装置に設定された他方の装置の固有の値に基づいて他方の装置と連携し、他方の装置は一方の装置に設定された自装置の固有の値に基づいて一方の装置と連携する。また、複合装置1において、サーバー200とMFP100とが連携設定されていない状態では、いずれの装置にも他方の装置を識別するための固有の値が設定されない。固有の値は、IPアドレス等の動的に変化することのある値でなく、静的な値である。固有の値は、例えば、装置に割り当てられたシリアル番号、UUID(Universally Unique Identifier)、MAC(Media Access Control)アドレス、名称を示す文字列としている。
【0076】
以下の説明では、複合装置1において、サーバー200とMFP100とが連携設定される場合、MFP100にサーバー200を識別するための固有の値が設定される場合を例に説明する。
【0077】
具体的には、MFP100は、連携設定情報を記憶している。連携設定情報は装置情報ともいう。連携設定情報は、自装置と連携する連携装置を識別するための装置識別情報である。したがって、サーバー200とMFP100とが連携設定された状態において、MFP100に記憶される連携設定情報は、連携装置であるサーバー200の装置識別情報を含む。装置識別情報は、例えば、連携装置に割り当てられたシリアル番号、UUID(Universally Unique Identifier)、MAC(Media Access Control)アドレス、または名称を示す文字列である。
【0078】
本実施の形態においては、連携設定情報は、MIB(Management Information Base)情報の一部に設定される。具体的には、連携設定情報がMIB情報のオブジェクトIDがsysLocationのオブジェクトとして設定される。MFP100の連携設定情報は、MFP100が他のいずれの装置とも連携していない場合、何も設定されない。MFP100がサーバー200と連携されるのは、MFP100およびサーバー200がLAN11に接続された後である。このため、MFP100およびサーバー200がLAN11に接続される前の段階では、MFP100の連携設定情報は、他のいずれの装置とも連携しないことを示す。具体的には、MFP100およびサーバー200がLAN11に接続される前の段階で、MFP100のMIB情報のオブジェクトIDがsysLocationのオブジェクトとしてNullが設定される。なお、Nullに代えて、他のいずれの装置とも連携しないことを示す情報が設定されてもよい。
【0079】
なお、MIB情報のオブジェクトとしては、これらに限定されず、いずれのオブジェクトを用いてもよい。また、連携設定情報は、MIB情報に限らず、サーバー200とMFP100との間で予め定められた情報が用いられてもよい。
【0080】
図4は、複合装置のサーバーが備える第2制御部が有する機能の一例を示すブロック図である。図4に示す機能は、第2制御部201が連携プログラムを実行することにより第2制御部201に実現される機能である。図4を参照して、第2制御部201は、LAN11に接続されている装置を探索する探索部251と、探索部251により検出された装置から連携設定情報を取得する連携設定情報取得部253と、連携設定情報に基づいて探索された装置が連携するべき連携対象装置か否かを判断する判断部255と、連携対象装置と判断される場合に連携対象装置と判断された装置と連携するために設定する連携設定部257と、再設定部259と、を含む。
【0081】
探索部251は、ブロードキャストで探索コマンドを送信する。探索コマンドは、たとえば、ARP(Address Resolution Protocol)に基づくARP要求コマンドまたは/およびICMP(Internet Control Message Protocol)のpingコマンドである。なお、マルチキャストで探索コマンドが送信されてもよい。以下、探索部251により検出された装置を検出装置という。また、一の装置が連携することが設定された他の装置を連携装置という。
【0082】
探索部251は、サーバー200の電源がONにされる場合、または、ユーザーにより所定の操作が入力される場合であって、連携装置が登録されていない場合に、LAN11に接続された装置を検出するために探索コマンドを送信する。LAN11に接続されるMFP100、プリンター3、PC5およびG/W15それぞれが、探索コマンドに応答するので、探索部251は、MFP100、プリンター3、PC5およびG/W15を検出する。探索部251は、検出されたMFP100、プリンター3、PC5およびG/W15それぞれのIPアドレスを連携設定情報取得部253に出力する。
【0083】
探索部251は、後述する連携設定部257によって連携装置のIPアドレスが設定されている場合に、連携装置が登録されていると判断し、連携装置のIPアドレスが設定されていない場合に、連携装置が登録されていないと判断する。ユーザ-により処置絵の操作が入力される場合は、例えば、サービスマンが、サーバー200に端末をUSB(Universal Serial Bus)ケーブルなどで接続し、その端末から探索を指示するコマンドを入力する場合である。なお、探索部251は、連携装置が登録されている場合であっても、サーバー200の電源がONにされる場合、または、ユーザーにより所定の操作が入力される場合に、探索コマンドを送信するようにしてもよい。
【0084】
連携設定情報取得部253は、探索部251により検出された装置それぞれから連携情報を取得する。連携情報は、装置種類情報と連携設定情報とを含む。具体的には、連携設定情報取得部253は、SNMP(Simple Network Management Protocol)に従って、検出装置からMIB情報を取得する。具体的には、連携設定情報取得部253は、MIB情報のオブジェクトID(OID)がsysDescrのオブジェクトを装置種類情報として取得し、MIB情報のオブジェクトIDがsysLocationのオブジェクトを連携設定情報として取得する。装置種類情報は、自装置の装置種類を識別するための情報である。装置種類は、プリンター、複合機、ファクシミリ、ゲートウェイ、ハブ等の装置の種類を示す情報である。装置種類は、例えば、その装置の機種を識別するための品番であってもよい。品番と、装置の種類とを関連付けたテーブルを参照することにより、装置の種類が特定される。なお、連携設定情報は装置情報ともいい、連携設定情報取得部253は、連携設定情報である装置情報を取得する装置情報取得部ともいう。
【0085】
連携設定情報取得部253は、装置種類情報に基づいて、探索部251により検出された装置、ここでは、MFP100、プリンター3、PC5およびG/W15のうちから連携候補装置を抽出する。連携設定情報取得部253は、連携候補装置のIPアドレスを判断部255に出力する。連携候補装置は、サーバー200が連携対象とする候補となる装置である。サーバー200が連携対象とする装置の種類は予め定められている。ここでは、サーバー200が連携対象とする装置を複合機としている。連携設定情報取得部253は、探索部251により検出された装置それぞれから取得された装置種類情報が複合機の種類を示す装置を連携候補装置に決定する。したがって、連携設定情報取得部253は、連携候補装置としてMFP100を抽出し、MFP100のIPアドレスを判断部255に出力する。
【0086】
判断部255は、連携設定情報取得部253から連携候補装置のIPアドレスが入力される。連携候補装置が複数の場合、複数の連携候補装置それぞれのIPアドレスが入力される。判断部255は、連携候補装置の連携設定情報に基づいて連携候補装置が連携するべき連携対象装置か否かを判断する。ここでは、連携対象装置は、サーバー200と一体的に組み合わされるMFP100である。
【0087】
判断部255は、単一装置判断部261と、複数装置判断部263と、を含む。単一装置判断部261は、連携候補装置が単一の場合に、連携候補装置を連携対象装置とし、連携対象装置から取得された連携設定情報に何も設定されていない場合、連携設定部257に初期連携指示を出力する。初期連携指示は、連携対象装置のIPアドレスを含む。連携対象装置は、サーバー200が連携するべき装置であり、ここでは、MFP100である。サーバー200とMFP100とが同時に設置される場合、サーバー200が設置された後にMFP100が設置される場合、サーバー200と別のMFPとが連携した後に、そのMFPが別のMFP100に置き換えられた場合が該当する。いずれの場合においても、MFP100のMIB情報のオブジェクトIDがsysLocationのオブジェクトに何も設定されていないことを示す値が設定される。何も設定されていないことを示す値は、例えば、Nullである。
【0088】
単一装置判断部261は、連携設定情報に装置識別情報が設定されている場合、その装置識別情報が自装置を特定するならば、連携設定部257に継続連携指示を出力する。継続連携指示は、連携対象装置のIPアドレスを含む。サーバー200の電源がOFFになった後に電源がONになる場合が該当する。単一装置判断部261は、連携設定情報に装置識別情報が設定されている場合、その装置識別情報が自装置を特定しないならば、連携設定部257に何も出力しない。
【0089】
複数装置判断部263は、連携候補装置が複数の場合に、複数の連携候補装置それぞれから取得される複数の連携設定情報のすべてがサーバー200の装置識別情報を含んでおらずかつ複数の連携設定情報のうちに何も設定されていない連携設定情報が1つ存在する場合、何も設定されていない連携設定情報を送信してきた連携候補装置を連携対象装置と判断し、連携設定部257に初期連携指示を出力する。初期連携指示は、連携対象装置のIPアドレスを含む。連携対象装置は、サーバー200が連携するべき装置であり、ここでは、MFP100である。サーバー200とMFP100とが同時に設置される場合、サーバー200が設置された後にMFP100が設置される場合、サーバー200と別のMFPとが連携した後に、そのMFPが別のMFP100に置き換えられた場合が該当する。
【0090】
複数装置判断部263は、連携候補装置が複数の場合に、複数の連携候補装置それぞれから取得される複数の連携設定情報のうちにサーバー200の装置識別情報が設定されている場合、複数の連携候補装置のうち連携設定情報にサーバー200の装置識別情報が連設定されている連携候補装置を連携対象装置と判断し、連携設定部257に継続連携指示を出力する。継続連携指示は、連携対象装置のIPアドレスを含む。サーバー200の電源がOFFになった後に電源がONになる場合が該当する。
【0091】
複数装置判断部263は、連携候補装置が複数の場合に、複数の連携候補装置それぞれから取得される複数の連携設定情報のすべてがサーバー200の装置識別情報を含んでおらずかつ複数の連携設定情報のうちに何も設定されていない連携設定情報が複数の場合、複数の連携候補装置のいずれもが連携対象装置でないと判断し、連携設定部257に何も出力しない。
【0092】
連携設定部257は、判断部255により決定された連携対象装置と連携するために設定する。連携設定部257は、連携設定指示部271と、アドレス設定部273と、アドレス設定指示部275と、位置設定指示部277とを含む。
【0093】
連携設定指示部271は、判断部255から初期連携指示が入力される場合、連携対象装置に連携設定指示を送信する。連携設定指示は、サーバー200を識別するための装置識別情報を含む連携設定情報を、MIB情報のオブジェクトIDがsysLocationのオブジェクトに設定するコマンドを含む。
【0094】
アドレス設定部273は、判断部255から初期連携指示または継続連携指示が入力される場合、連携対象装置に割り当てられたIPアドレスを、サーバー200が連携する連携装置のIPアドレスとして設定する。
【0095】
アドレス設定指示部275は、判断部255から初期連携指示または継続連携指示が入力される場合、連携対象装置にアドレス設定指示を送信する。アドレス設定指示は、サーバー200のIPアドレスを連携装置のIPアドレスとして設定するコマンドを含む。
【0096】
位置設定指示部277は、判断部255から初期連携指示または継続連携指示が入力される場合、連携対象装置に位置設定指示を送信する。位置設定指示は、HDD207が有する所定の記憶領域またはHDD207に記憶された所定のデータのLAN11における位置を示す位置情報を設定するコマンドを含む。位置情報は、サーバー200と連携対象装置とが連携して処理を実行するために、連携対象装置側からアクセスする記憶領域またはデータのネットワークアドレスである。位置情報は、例えば、URL(Uniform Resource Locator)である。位置情報の一例としては、連携対象装置がデータの格納先として、HDD207の記憶領域を示す。また、位置情報は、Webサーバーとして機能するサーバー200を制御するための画面を含むWebページのファイル名を示す。
【0097】
再設定部259は、連携装置から電源がONになったことを示す電源ON通知を受信することに応じて、連携設定部257に第1再設定指示を出力する。第1再設定指示は、電源ON通知を送信してきた連携装置のIPアドレスを含む。連携装置は、サーバー200との間で連携が完了した後に、電源がOFFされる場合がある。この場合、連携装置に割り当てられたIPアドレスが変更される場合がある。サーバー200の電源はOFFにならないので、サーバー200に割り当てられたIPアドレスは変更されない。連携装置は、電源がOFFになった後に電源がONになると、連携先のサーバー200に電源ON通知を送信する。したがって、第1再設定指示が出力される場合は、サーバー200のIPアドレスは変更されないが、連携装置のIPアドレスが変更される可能性がある場合である。
【0098】
連携設定部257のアドレス設定部273は、第1再設定指示が入力されることに応じて、連携装置のIPアドレスとして登録されているIPアドレスを、第1再設定指示に含まれるIPアドレスで更新する。
【0099】
また、再設定部259は、サーバー200の電源がONにされる場合であって、連携装置が登録されている場合に、連携設定部257に第2再設定指示を出力する。再設定部259は、連携装置のIPアドレスが設定されている場合に、連携装置が登録されていると判断する。第2再設定指示は、アドレス設定部273により設定された連携装置のIPアドレスである。
【0100】
連携設定部257のアドレス設定指示部275は、第2再設定指示が入力されることに応じて、第2再設定指示に含まれるIPアドレスが割り当てられた連携装置にアドレス設定指示を送信する。アドレス設定指示は、サーバー200の電源がONになった後にサーバー200に割り当てられたIPアドレスを連携装置のIPアドレスとして設定するコマンドを含む。
【0101】
また、連携設定部257の位置設定指示部277は、第2再設定指示が入力されることに応じて、第2再設定指示に含まれるIPアドレスが割り当てられた連携装置に位置設定指示を送信する。位置設定指示は、HDD207が有する所定の記憶領域またはHDD207に記憶された所定のデータのLAN11における位置を示す位置情報を設定するコマンドを含む。
【0102】
図5は、複合装置のMFPが備える第1制御部が有する機能の一例を示すブロック図である。図5に示す機能は、第1制御部111が装置側連携プログラムを実行することにより第1制御部111に実現される機能である。装置側連携プログラムは、連携プログラムの一部である。
【0103】
図5を参照して、MFP100が備える第1制御部111は、装置側設定部51と、電源ON通知部53と、を含む。装置側設定部51は、装置側連携設定部61と、装置側アドレス設定部63と、位置設定部65と、を含む。装置側連携設定部61は、サーバー200から連携設定指示を受信することに応じて、連携装置としてサーバー200を設定する。具体的には、連携設定指示に含まれるサーバー200を識別するための装置識別情報を、連携設定情報としてMIB情報のオブジェクトIDがsysLocationのオブジェクトに設定する。
【0104】
装置側アドレス設定部63は、サーバー200からアドレス設定指示を受信することに応じて、サーバー200のIPアドレスを連携装置のIPアドレスとして設定する。
【0105】
位置設定部65は、サーバー200から位置設定指示を受信することに応じて、位置情報を設定する。具体的には、装置側アドレス設定部63は、MFP100が原稿読取部130で原稿を読み取って取得された画像データの格納先として、HDD207の記憶領域を設定する。位置設定部65は、Webサーバーとして機能するサーバー200を制御するための画面を含むWebページのURLが関連付けられたボタンをメニュー画面に追加する。
【0106】
電源ON通知部53は、MFP100の電源がONになることに応じて、装置側連携設定部61により連携装置としてサーバー200が設定されていれば、サーバー200に電源ON通知を送信する。電源ON通知部53は、装置側アドレス設定部63により設定されたサーバー200のIPアドレスを用いて、電源ON通知を送信する。
【0107】
図6は、連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。連携処理は、サーバー200が備える第2制御部201が連携プログラムを実行することにより第2制御部201により実行される処理である。図6を参照して、第2制御部201は、電源がONになったか否かを判断する(ステップS01)。電源がONになるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、電源がONになったならば(ステップS01でYES)、処理はステップS02に進む。
【0108】
ステップS02においては、連携装置が登録されているか否かが判断される。後述する初期連携処理により連携装置のIPアドレスが登録されるので、連携装置のIPアドレスが登録されているか否かが判断される。連携装置のIPアドレスが登録されていれば処理はステップS03に進むが、そうでなければ処理はステップS05に進む。ステップS05においては、初期連携処理が実行され、処理はステップS06に進む。
【0109】
図7は、初期連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。図7を参照して、第2制御部201は、LAN11に接続されている装置を探索し(ステップS21)、処理をステップS22に進める。
【0110】
ステップS22においては、ステップS21において探索の結果検出される装置から装置種類情報が取得される。具体的には、MIB情報のうちオブジェクトIDがsysLocationのオブジェクトが装置種類情報として取得される。そして、連携候補装置が決定され(ステップS23)、処理はステップS24に進む。ステップS24においては、連携候補装置が単数か否かが判断される。連携候補装置が単数ならば処理はステップS25に進むが、そうでなければ処理はステップS30に進む。ここでは、連携候補装置としてMFP100が決定される場合を例に説明する。サーバー200とMFP100とが同時に設置される場合、サーバー200が設置された後にMFP100が設置される場合、サーバー200と別のMFPとが連携した後に、そのMFPが別のMFP100に置き換えられた場合が該当する。
【0111】
ステップS25においては、連携候補装置から連携設定情報が取得される。具体的には、MIB情報のうちオブジェクトIDがsysLocationに設定されたオブジェクトが連携設定情報としてMFP100から取得される。
【0112】
次のステップS26においては、連携候補装置が連携未設定装置か否かが判断される。連携候補装置が連携未設定装置ならば処理はステップS27に進むが、そうでなければ処理はステップS29に進む。連携候補装置から取得された連携設定情報に何も設定されていなければ、連携候補装置が連携未設定装置と判断される。ステップS27においては、連携候補装置が連携対象装置に決定され、連携設定指示が連携対象装置であるMFP100に送信され、処理はステップS28に進む。連携設定指示は、サーバー200を識別するための装置識別情報を含み、装置識別情報を連携対象装置であるMFP100に設定させるコマンドを含む。具体的には、コマンドは、MFP100のMIB情報のオブジェクトIDがsysLocationのオブジェクトにサーバー200の装置識別情報を設定するコマンドである。これにより、MFP100のMIB情報のオブジェクトIDがsysLocationのオブジェクトにサーバー200を識別するための装置識別情報が設定される。
【0113】
ステップS29においては、連携対象装置が自装置と連携するか否かが判断される。連携設定情報に設定されている装置識別情報がサーバー200を特定するならば連携対象装置が自装置と連携していると判断される。連携対象装置が自装置と連携しているならば処理はステップS28に進むが、そうでなければ処理は連携処理に戻る。ステップS28においては、連携設定処理が実行され、処理は連携処理に戻る。
【0114】
図8は、連携設定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図8を参照して、第2制御部201は、連携対象装置であるMFP100のIPアドレスを、連携装置のIPアドレスとして設定し(ステップS41)、処理をステップS42に進める。
【0115】
ステップS42においては、連携対象装置であるMFP100にアドレス設定指示が送信され、処理はステップS43に進む。アドレス設定指示は、サーバー200のIPアドレスを連携装置のIPアドレスとして設定するコマンドを含む。このため、アドレス設定指示を受信するMFP100においては、連携装置のIPアドレスとしてサーバー200のIPアドレスが設定される。
【0116】
ステップS43においては、連携対象装置であるMFP100に位置設定指示が送信され、処理は初期設定処理に戻る。位置設定指示は、HDD207が有する所定の記憶領域またはHDD207に記憶された所定のデータのLAN11における位置を示す位置情報を設定するコマンドを含む。このため、位置設定指示を受信するMFP100において、MFP100が原稿読取部130で原稿を読み取って取得された画像データの格納先として、HDD207の記憶領域が設定される。また、MFP100において、Webサーバーとして機能するサーバー200を制御するための画面を含むWebページのURLが関連付けられたボタンがメニュー画面に追加される。
【0117】
図7に戻って、処理がステップS30に進む場合、連携候補装置が複数の場合である。ステップS30においては、複数の連携候補装置のうちから処理対象の1つが選択され、処理はステップS31に進む。ステップS31においては、処理対象に選択された連携候補装置から連携設定情報が取得され、処理はステップS32に進む。具体的には、MIB情報のうちオブジェクトIDがsysLocationに設定されたオブジェクトを連携設定情報として連携候補装置から取得される。
【0118】
ステップS32においては、連携候補装置が自装置と連携するか否かが判断される。連携候補装置から取得された連携設定情報に設定されている装置識別情報がサーバー200を特定するならば連携対象装置が自装置と連携していると判断される。連携候補装置が自装置と連携しているならば処理はステップS39に進むが、そうでなければ処理はステップS33に進む。処理がステップS39に進む場合は、例えば、サーバー200が新たに設置される前に、ユーザーがMFP100にサーバー200を連携先の装置として設定する操作がされた場合である。ステップS39においては、連携設定処理が実行され、処理は連携処理に戻る。
【0119】
ステップS33においては、処理対象に選択されていない連携候補装置が存在するか否かが判断される。未選択の連携候補装置が存在すれば処理はステップS30に戻るが、そうでなければ処理はステップS34に進む。
【0120】
処理がステップS34に進む場合、複数の連携候補装置のすべてが、自装置と連携してない場合である。ステップS34においては、複数の連携候補装置のうちに連携未設定装置が存在するか否かが判断される。複数の連携候補装置から取得された複数の連携設定情報のうちに何も設定されていない連携設定情報が存在すれば、その連携設定情報を送信してきた連携候補装置が連携未設定装置と判断される。複数の連携候補装置のうちに連携未設定装置が存在すれば処理はステップS35に進むが、そうでなければ処理はステップS38に進む。
【0121】
ステップS35においては、連携未設定装置が単数か否かが判断される。連携未設定装置が単数ならば処理はステップS36に進むが、そうでなければ処理はステップS38に進む。ステップS36においては、連携未設定装置が連携対象装置に決定され、連携対象装置に連携設定指示が送信され、処理はステップS37に進む。ステップS37においては、連携設定処理が実行され、処理は連携処理に戻る。ステップS38においては、連携設定が解除され、処理は連携処理に戻る。具体的には、連携先の装置のIPアドレスが消去される。
【0122】
図6に戻って、ステップS01において、電源がONになったと判断され、ステップS02において連携装置が登録されていると判断される場合、処理はステップS03に進む。ここでは、MFP100のIPアドレスが連携装置のIPアドレスとして登録されている場合を例に説明する。
【0123】
ステップS03においては、連携装置であるMFP100にアドレス設定指示が送信され、処理はステップS04に進む。アドレス設定指示は、サーバー200のIPアドレスを連携装置のIPアドレスとして設定するコマンドを含む。このため、アドレス設定指示を受信するMFP100においては、連携装置のIPアドレスとしてサーバー200のIPアドレスが設定される。
【0124】
ステップS04においては、連携装置であるMFP100に位置設定指示が送信され、処理はステップS06に進む。位置設定指示は、HDD207が有する所定の記憶領域またはHDD207に記憶された所定のデータのLAN11における位置を示す位置情報を設定するコマンドを含む。このため、位置設定指示を受信するMFP100において、MFP100が原稿読取部130で原稿を読み取って取得された画像データの格納先として、HDD207の記憶領域が設定される。また、MFP100において、Webサーバーとして機能するサーバー200を制御するための画面を含むWebページのURLが関連付けられたボタンがメニュー画面に追加される。
【0125】
ステップS06においては、電源がOFFになったか否かが判断される。電源がOFFになったならば処理を終了するが、そうでなければ処理はステップS07に進む。ステップS07においては、連携装置であるMFP100から電源ON通知が受信されたか否かが判断される。電源ON通知が受信されたならば処理はステップS08に進むが、そうでなければ処理はステップS09に進む。電源ON通知を送信する装置は、連携装置であり、ここでは、MFP100である。
【0126】
ステップS08においては、電源ON通知を送信してきたMFP100のIPアドレスが連携装置のIPアドレスとして設定され、処理はステップS06に戻る。ステップS09においては、ユーザーによる指示が受け付けられたか否かが判断される。例えば、サービスマンが端末をサーバー200に直接または間接的に接続し、サーバーを操作する場合であって、サーバーに連携処理の実行を指示する操作を入力する場合がある。ユーザーによる連携処理の実行を指示する操作が受け付けられたならば処理は、ステップS10に進むが、そうでなければ処理はステップS06に戻る。ステップS10においては、ステップS05と同様に、初期連携処理が実行され、処理はステップS06に戻る。例えば、サーバー200がMFP100と連携した状態で、MFP100が別のMFPに置き換えられる場合、ユーザーによる連携処理の実行を指示する操作が受け付けられる。
【0127】
図9は、装置側連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。装置側連携処理は、MFP100が備える第1制御部111が装置側連携プログラムを実行することにより第1制御部111により実行される処理である。
【0128】
図9を参照して、MFP100が備える第1制御部111は、ステップS51において、電源がONになったか否かを判断する。電源がONになるまで待機状態となり(ステップS51でNO)、電源がONになったならば(ステップS51でYES)、処理はステップS52に進む。ステップS52においては、連携装置が登録されているか否かが判断される。後述するステップS57により、連携装置であるサーバー200のIPアドレスが設定されているか否かが判断される。連携装置が登録されていれば処理はステップS53に進むが、そうでなければ処理はステップS54に進む。ステップS53においては、サーバー200に電源ON通知が送信され、処理はステップS54に進む。
【0129】
ステップS54においては、サーバー200から連携設定指示が受信されたか否かが判断される。連携設定指示が受信されたならば処理はステップS55に進むが、そうでなければ処理はステップS56に進む。ステップS55においては、連携設定指示に含まれるサーバー200の装置識別情報が連携設定情報として設定され、処理はステップS56に進む。具体的には、サーバー200の装置識別情報がMIB情報のオブジェクトIDがsysLocationのオブジェクトに設定される。
【0130】
ステップS56においては、サーバー200からアドレス設定指示が受信されたか否かが判断される。アドレス設定指示が受信されたならば処理はステップS57に進むが、そうでなければ処理はステップS58に進む。ステップS57においては、サーバー200のIPアドレスが連携装置のIPアドレスとして設定され、処理はステップS58に進む。
【0131】
ステップS58においては、サーバー200から位置設定指示が受信されたか否かが判断される。位置設定指示が受信されたならば処理はステップS59に進むが、そうでなければ処理は終了する。ステップS59においては、位置設定指示に含まれる位置情報が設定される。具体的には、MFP100が原稿読取部130で原稿を読み取って取得された画像データの格納先として、HDD207の記憶領域が設定される。また、Webサーバーとして機能するサーバー200を制御するための画面を含むWebページのURLが関連付けられたボタンがメニュー画面に追加される。
【0132】
以上説明したように、本実施の形態における複合装置1は、それぞれがLAN11に接続されたサーバー200とMFP100とを含み、サーバー200およびMFP100がLAN11に接続される前の段階で、他のいずれの装置とも連携しないことを示す連携設定情報がMFP100に設定されている。サーバー200は、LAN11に接続された装置から取得された装置種類情報に基づいて、LAN11に接続された装置のうちから装置種類がMFP100と同じ複合機の連携対象装置を抽出する。そして、連携候補装置から連携設定情報を取得し、連携設定情報が他のいずれの装置とも連携しないことを示す場合にLAN11に接続された連携候補装置をMFP100と判断し、LAN11に接続された連携候補装置をMFP100と判断する場合、MFP100と判断された連携候補装置と連携するための設定をする。このため、サーバー200とMFP100とがLAN11に接続された状態で、2つの装置を連携させることができる。
【0133】
また、サーバー200は、LAN11に接続された装置を探索し、探索により単一の連携候補装置が検出され、かつ、検出された連携候補装置から取得される連携設定情報が他のいずれの装置とも連携しないことを示す場合、連携候補装置をMFP100と判断する。このため、サーバー200とMFP100とのいずれか一方がLAN11に接続された状態で、他方がLAN11に接続されると、サーバー200とMFP100とを連携させることができる。
【0134】
また、サーバー200は、LAN11に接続された装置を探索し、探索により複数の連携候補装置が検出され、かつ、検出された複数の連携候補装置いずれもがサーバー200と連携しておらず、かつ検出された複数の連携候補装置のうちに他のいずれの装置とも連携しない単一の連携候補装置が存在する場合、他のいずれの装置とも連携しない単一の連携候補装置をMFP100と判断する。このため、サーバー200とMFP100とのいずれか一方とその他に複数の装置がLAN11に接続されている状態で、他方がLAN11に接続されると、サーバー200とMFP100とを連携させることができる。
【0135】
また、サーバー200は、サーバー200を識別するための装置識別情報を連携設定情報としてMFP100に設定する。このため、サーバー200とMFP100とを連携させるための設定をサーバー200にする必要がないので、管理が容易である。
【0136】
また、装置識別情報は、ネットワークアドレスとは異なる情報である。このため、ネットワークアドレスが変更される場合であってもサーバー200とMFP100との連携を維持できる。
【0137】
また、サーバー200は、LAN11に接続された装置に連携設定情報としてサーバー200を識別するための装置識別情報が設定されている場合、LAN11に接続された装置をMFP100と判断する。このため、サーバー200とMFP100との連携を維持することができる。
【0138】
また、サーバー200は、MFP100にサーバー200のネットワークアドレスを設定させ、MFP100のネットワークアドレスを設定する。このため、サーバー200およびMFP100のネットワークアドレスが変更されても、サーバー200とMFP100との間で通信させることができる。
【0139】
また、サーバー200は、サーバー200がMFP100と連携した後に再起動する場合、サーバー200に新たに割り当てられたネットワークアドレスをMFP100に設定させる。このため、サーバー200が再起動後に、サーバー200とMFP100との間で通信させることができる。
【0140】
また、サーバー200は、HDD207をさらに備え、HDD207が有する所定の記憶領域またはHDD207に記憶されたWebページのデータのLAN11におけるネットワークアドレスを含む位置情報をMFP100に設定する。このため、MFP100からサーバー200を制御することができる。
【0141】
また、サーバー200は、サーバー200がMFP100と連携した後に再起動する場合、MFP100との連携により設定されたMFP100のネットワークアドレスを用いて、位置情報をMFP100に設定する。このため、サーバー200がMFP100と連携した後に再起動する場合、MFP100からサーバー200を制御することができる。
【0142】
また、MFP100は、サーバー200と連携した後に再起動する場合、サーバー200との連携により設定されたサーバー200のネットワークアドレスを用いて、サーバー200に起動したことを通知し、サーバー200は、MFP100から通知を受けることに応じて、MFP100との連携により設定されたMFP100のネットワークアドレスをMFP100に新たに割り当てられたネットワークアドレスで更新する。このため、MFP100がサーバー200と連携した後に再起動する場合、サーバー200とMFP100との間の通信が可能になる。
【0143】
また、連携設定情報は、MIB情報の所定の領域に設定される値である。このため、連携設定情報が容易に取得される。
【0144】
また、サーバー200は、LAN11に接続された連携候補装置から連携設定情報を取得し、連携設定情報が他のいずれの装置とも連携しないことを示す場合、連携候補装置を連携対象装置と判断し、連携対象装置と連携するための設定をする。このため、サーバー200とMFP100とがネットワークに接続された状態で、2つの装置を連携させることができる。
【0145】
また、サーバー200は、連携候補装置を探索し、探索により検出される連携候補装置が1つでかつ検出された連携候補装置から取得される連携設定情報が他のいずれの装置とも連携しないことを示す場合、連携候補装置を連携対象装置と判断する。このため、サーバー200とMFP100のいずれか一方がLAN11に接続された状態で他方がLAN11に接続されると、サーバー200とMFP100とを連携させることができる。
【0146】
また、サーバー200は、連携候補装置を探索し、探索により検出される連携候補装置が複数でかつ検出された複数の連携候補装置いずれもがサーバー200と連携していない場合、複数の連携候補装置のうち他のいずれの装置とも連携しない単一の装置を連携対象装置と判断する。このため、サーバー200とMFP100のいずれか一方とその他に複数の装置がLAN11に接続されている状態で、他方がLAN11に接続されると、サーバー200とMFP100とを連携させることができる。
【0147】
なお、本実施の形態においては、サーバー200が連携処理を実行し、MFP100が装置側連携処理を実行したが、MFP100が連携処理を実行し、サーバー200が装置側連携処理を実行してもよい。同様に、情報処理装置の一例としてサーバー200を説明したが、MFP100を情報処理装置として機能させてもよい。
【0148】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0149】
<付記>
(1)好ましくは、前記第1装置および前記第2装置が前記ネットワークに接続される前の段階で、他のいずれの装置とも連携しないことを示す装置情報が前記第2装置に設定されている。
(2)好ましくは、前記探索手段は、前記第1装置が前記ネットワークに接続された状態で、前記第2装置が前記ネットワークに接続されることに応じて探索する。
(3)好ましくは、前記探索手段は、前記第1装置が前記第2装置とは別の装置と連携されている状態で、前記別の装置が前記第2装置に置き換えられることに応じて、探索する。
(4)好ましくは、前記探索手段は、前記第2装置が前記ネットワークに接続された状態で、前記第1装置が前記ネットワークに接続されることに応じて探索する。
(5)好ましくは、前記探索手段は、前記第2装置が前記第1装置とは別の装置と連携されている状態で、前記別の装置が前記第1装置に置き換えられことに応じて探索する。
(6)好ましくは、前記装置識別情報は、前記第1装置に割り当てられたシリアル番号またはUUID(Universally Unique Identifier)、前記第1装置を示す文字列の少なくとも1つを含む。
【符号の説明】
【0150】
1 複合装置、3 プリンター、5 PC、7 外部サーバー、11 LAN、13 インターネット、100 MFP、200 サーバー、51 装置側設定部、53 電源ON通知部、61 装置側連携設定部、63 装置側アドレス設定部、65 位置設定部、112 装置LAN通信部、113 ROM、114 RAM、115 ファクシミリ部、117 操作パネル、118 表示部、119 操作部、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、201 第1制御部、202 ROM、203 RAM、204 LAN通信部、205 外部記憶装置、207 HDD、251 探索部、253 連携設定情報取得部、255 判断部、257 連携設定部、259 再設定部、261 単一装置判断部、263 複数装置判断部、271 連携設定指示部、273 アドレス設定部、275 アドレス設定指示部、277 位置設定指示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9