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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/249 20180101AFI20240918BHJP
   F21S 43/14 20180101ALI20240918BHJP
   F21S 43/145 20180101ALI20240918BHJP
   F21S 43/237 20180101ALI20240918BHJP
   F21S 43/243 20180101ALI20240918BHJP
   F21S 45/47 20180101ALI20240918BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20240918BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20240918BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20240918BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20240918BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20240918BHJP
   F21W 105/00 20180101ALN20240918BHJP
   F21Y 115/00 20160101ALN20240918BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20240918BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20240918BHJP
【FI】
F21S43/249
F21S43/14
F21S43/145
F21S43/237
F21S43/243
F21S45/47
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:55
F21W103:00
F21W103:35
F21W105:00
F21Y115:00
F21Y115:15
F21Y115:30
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020080829
(22)【出願日】2020-04-30
(65)【公開番号】P2021174755
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池之上 翔
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0078011(KR,A)
【文献】特開2017-208262(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102016111501(DE,A1)
【文献】特開2018-205651(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0276313(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/249
F21S 43/14
F21S 43/145
F21S 43/237
F21S 43/243
F21S 45/47
F21W 103/10
F21W 103/20
F21W 103/55
F21W 103/00
F21W 103/35
F21W 105/00
F21Y 115/00
F21Y 115/15
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源と、
複数の前記光源からの光を入射する入射面と、前記入射面の外周に接続され前記入射面から入射した前記光を内面反射する外壁面と、前記外壁面の内側に前記外壁面に対向して設けられ前記入射面から入射した前記光を内面反射する内壁面とを有する第1導光部と、
前記第1導光部と一体で設けられ、前記第1導光部からの前記光を導光して出射する第2導光部と
を備え、
前記第1導光部は、前記第2導光部よりも耐熱性の高い材料を用いて形成され、
複数の前記光源は、中心軸を中心とした円周上に前記入射面ごとに配置され、円周方向に配置され、
前記第1導光部は、前記光源側に向けて前記円周方向に分岐する複数の分岐部を有し、
前記入射面は、前記分岐部のそれぞれに設けられ、
それぞれの前記分岐部における前記外壁面は、前記中心軸を中心とした第1円筒面の一部であり、
それぞれの前記分岐部における前記内壁面は、前記中心軸を中心とし前記第1円筒面よりも径が小さい第2円筒面の一部であり、
それぞれの前記分岐部には、前記中心軸の軸回り方向の両側に側壁面が設けられ、
前記側壁面は、前記外壁面と前記内壁面とを前記中心軸を中心とした径方向に沿って接続し、前記入射面から入射した前記光を内面反射する
車両用灯具。
【請求項2】
前記第2導光部は、前記中心軸を中心とし前記第1円筒面と同一径の円柱状である
請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
複数の前記光源は、異なる波長の光を発光する前記光源を含み、
異なる波長の光を発光する前記光源は、周方向に隣り合って配置される
請求項1又は請求項に記載の車両用灯具。
【請求項4】
複数の前記光源は、周方向に等ピッチで配置される
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記第1導光部は、シリコン樹脂を用いて形成される
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
光源からの光を導光して発光させる車両用導光体を搭載した車両用灯具が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような車両用導光体は、光源から出射される光を車両用導光体の長手方向の端部に設けられた入射面から入射し、入射した光を長手方向に沿って導光して側面から出射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-205651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、光源から出射される光を効率的に利用するため、光源と車両用導光体の入射面との距離を小さくする構成が記載されている。しかしながら、光源を複数設け、複数の光源と車両用導光体の入射面との距離を小さくした場合、当該複数の光源で生じる熱の影響を考慮する必要がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、複数の光源で生じる熱の影響を考慮しつつ、当該複数の光源からの光を効率的に利用することが可能な車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用灯具は、複数の光源と、複数の前記光源からの光を入射する入射面と、前記入射面の外周に接続され前記入射面から入射した前記光を内面反射する外壁面と、前記外壁面の内側に前記外壁面に対向して設けられ前記入射面から入射した前記光を内面反射する内壁面とを有する第1導光部と、前記第1導光部と一体で設けられ、前記第1導光部で導光された前記光を導光して出射する第2導光部とを備え、前記第1導光部は、前記第2導光部よりも耐熱性の高い材料を用いて形成される。
【0007】
また、前記第1導光部は、前記光源側に向けて分岐する複数の分岐部を有し、前記入射面は、前記分岐部のそれぞれに設けられてもよい。
【0008】
また、前記第1導光部は、複数の前記分岐部が前記光源側にかけて広がった形状を有してもよい。
【0009】
また、複数の前記光源は、円周上に配置されてもよい。
【0010】
また、複数の前記光源は、異なる波長の光を発光する前記光源を含み、異なる波長の光を発光する前記光源は、周方向に隣り合って配置されてもよい。
【0011】
また、複数の前記光源は、周方向に等ピッチで配置されてもよい。
【0012】
また、前記第1導光部は、シリコン樹脂を用いて形成されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数の光源で生じる熱の影響を考慮しつつ、当該複数の光源からの光を効率的に利用することが可能な車両用灯具を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本実施形態に係る車両用灯具の一例を示す斜視図である。
図2図2は、光源の配置の一例を示す図である。
図3図3は、第1導光部の一例を示す斜視図である。
図4図4は、第1導光部の一例を示す斜視図である。
図5図5は、図4におけるA-A矢視断面図である。
図6図6は、変形例に係る車両用灯具の一部の構成を示す図である。
図7図7は、変形例に係る車両用灯具の一部の構成を示す図である。
図8図8は、変形例に係る車両用灯具の一部の構成を示す図である。
図9図9は、変形例に係る車両用灯具の一部の構成を示す図である。
図10図10は、変形例に係る光源の配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る車両用灯具の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0016】
図1は、本実施形態に係る車両用灯具100の一例を示す斜視図である。図1に示すように、車両用灯具100は、光源10と、第1導光部20と、第2導光部30と、放熱部材40とを備える。車両用灯具100は、例えばクリアランスランプ、ターンシグナルランプ、デイタイムランニングランプ、テールランプ、ストップランプ、又はこれらの各種ランプの組み合わせ等が挙げられる。車両用灯具100は、不図示の灯室内に収容される。
【0017】
[光源]
光源10は、本実施形態において、例えばLEDやOLED(有機EL)などの半導体型光源、レーザ光源等が用いられる。光源10は、後述する放熱部材40に支持される。光源10は、光を出射する発光面11を有する。発光面11は、後述の第1導光部20の入射面23に対向して配置される。図2は、光源10の配置の一例を示す図である。図2に示すように、光源10は、点Oを中心とする円周P上に複数配置される。本実施形態において、光源10は、例えば5つ配置された構成を例に挙げているが、これに限定されない。4つ以下又は6つ以上配置されてもよい。複数の光源10は、例えば円周Pの周方向に等ピッチで配置される。これにより、光源10から光を照射した場合に発生する熱を分散させることができる。
【0018】
[第1導光部]
第1導光部20は、光源10からの光を第2導光部30へと導光する。第1導光部20は、ランプハウス内に配置される不図示のブラケットにより支持される。図3及び図4は、第1導光部20の一例を示す斜視図である。図3は、第2導光部30側から見た状態を示す。図4は、光源10側から見た状態を示す。
【0019】
図3及び図4に示すように、第1導光部20は、例えば中心軸AXを中心とした円筒状に形成される。第1導光部20は、後述する第2導光部30よりも耐熱性の高い材料を用いて形成される。本実施形態において、第1導光部20は、例えばシリコン樹脂、ガラス等の材料を用いて形成される。第1導光部20は、後述する第2導光部30と一体成型される。一体成型により、第1導光部20と第2導光部30との間の接合強度を確保できる。また、第1導光部20としてシリコン樹脂を用いる場合、成型時の流動性が向上するため、径の細い第1導光部20でも容易に形成可能となる。また、第1導光部20としてシリコン樹脂を用いる場合、第2導光部30との密着性が向上するため、別途固定部材を設けることなく、第2導光部30との一体化を図ることができる。
【0020】
第1導光部20は、基部21と、分岐部22とを有する。基部21は、第2導光部30との接続部分に設けられる。分岐部22は、基部21から光源10側に向けて複数に分岐される。分岐部22は、例えば光源10の個数度同数が設けられる。本実施形態において、分岐部22は、5つ設けられる。
【0021】
第1導光部20は、各分岐部22における光源10側の先端に入射面23を有する。入射面23は、1つの光源10に対応して1つ設けられる。入射面23は、各光源10の発光面11に対向して設けられる。入射面23は、光源10からの光が入射する。
【0022】
第1導光部20は、入射面23の外周に接続される外壁面24を有する。外壁面24は、入射面23から入射した光を内面反射する。外壁面24は、複数の分岐部22に亘って円筒状に形成される。各分岐部22に設けられる外壁面24は、それぞれ中心軸AXを中心とした円筒面の一部の形状を有する。
【0023】
第1導光部20は、外壁面24に対向して設けられる内壁面25を有する。内壁面25は、入射面23から入射した光を内面反射する。内壁面25は、複数の分岐部22に亘って円筒状に形成される。各分岐部22に設けられる内壁面25は、それぞれ中心軸AXを中心とした円筒面の一部の形状を有する。
【0024】
第1導光部20は、外壁面24と内壁面25とを接続する側壁面26を有する。側壁面26は、中心軸AXの軸回り方向の両側に配置される。側壁面26は、入射面23から入射した光を内面反射する。
【0025】
第1導光部20は、入射面23から入射した光を、外壁面24、内壁面25及び側壁面26により内面反射しつつ第2導光部30へと導光することができる。
【0026】
図5は、図4におけるA-A矢視断面図である。図5に示すように、光源10は、入射面23に近接して配置される。例えば、入射面23と光源10の発光面11との距離は、1mm以下となるように配置される。第1導光部20は、シリコン樹脂、ガラス等の耐熱性の高い材料を用いて形成されるため、光源10で生じる熱に対して耐熱性を確保できる。
【0027】
[第2導光部]
第2導光部30は、第1導光部20と一体で設けられる。第2導光部30は、第1導光部20からの光を導光して出射する。第2導光部30は、入射面31及び出射面32を有する。入射面31は、第1導光部20からの光が入射する。出射面32は、導光された光を出射する。第2導光部30は、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等を用いて形成される。
【0028】
[放熱部材]
放熱部材40は、光源固定部41と、フィン42とを有する。放熱部材40は、例えばアルミニウム等の金属材料を用いて形成される。放熱部材40は、光源固定部41及びフィン42が一体成型される。光源固定部41は、例えば平板状であり、上記光源10を支持する。なお、光源10は、不図示の基板を介して光源固定部41に支持される。フィン42は、光源固定部41に複数設けられる。放熱部材40は、光源10で生じた熱を光源固定部41からフィン42を介して外部に放出する。放熱部材40は、図2に示す位置で光源10を支持する。この場合、光源10の熱が分散されるため、放熱性が向上する。このため、放熱部材40の小型化を図ることができる。また、光源10の出力を高める、つまり光源10からの発熱量が多くなる場合でも、十分放熱することができる。
【0029】
上記のように構成された車両用灯具100の動作を説明する。各光源10の発光面11から出射された光は、対応する分岐部22の入射面23から第1導光部20に入射する。光源10は、光の出射に伴って発熱する。本実施形態では、第1導光部20に内壁面25が設けられることにより、当該内壁面25が設けられない構成に比べて、第1導光部20の表面積が大きくなり、第1導光部20の放熱性が向上する。このため、光源10からの熱が第2導光部30へ伝わることが抑制される。第2導光部30は、光源10からの光を効率良く導光させるという観点から、第1導光部20よりも耐熱性の低いアクリル等の材料が用いられるため熱の影響を受けやすい。本実施形態の構成では、光源10からの熱が第2導光部30へ伝わることが抑制されるため、第2導光部30が熱の影響を受けることを抑制できる。
【0030】
また、第1導光部20の放熱性が向上することにより、当該内壁面25が設けられない構成に比べて、第1導光部20の耐熱性を確保することができる。したがって、光源10を入射面23に近接させて配置することが可能となり、光源10からの光を効率的に入射面23に入射させることができる。
【0031】
また、例えば車両用灯具100の発光量を向上させるため、光源10からの出力を大きくした場合には、光源10で生じる熱量も大きくなる。これに対して、本実施形態では、第1導光部20の放熱性が向上された構成であるため、第1導光部20の耐熱性を十分確保できる。
【0032】
また、光源10の発光面積を小さくすることで、相対的に光源10からの光量を増加させることもでき、光源10の発光面積に対応して入射面23の面積を小さくすることができるため、分岐部22を細くすることが可能となる。この場合、複数の光源10同士の距離を離して配置することができるため、放熱性を向上させることができる。第1導光部20としてシリコン樹脂を用いる場合、シリコン樹脂の弾性により、細くしても破断しにくい構成とすることができる。
【0033】
このように、光源10で生じる熱の影響を考慮することにより、多様な形態で、光源10からの光を効率的に利用することが可能となる。
【0034】
第1導光部20に入射した光は、外壁面24、内壁面25及び側壁面26により内面反射しながら分岐部22から基部21へと導光され、基部21から入射面31を介して第2導光部30に入射する。第1導光部20に内壁面25が設けられることにより、当該内壁面25が設けられない構成に比べて、入射面23から入射した光の内面反射の回数を多くすることができる。これにより、光の乱反射の光路を安定させることができ、第2導光部30からの出射光を均一にするなどの配光制御がし易くなる。
【0035】
第2導光部30に入射した光は、第2導光部30で内面反射しながら導光され、出射面32から外部に出射される。出射面32から出射された光は、例えば車両の正面側に照射される。
【0036】
以上のように、本実施形態に係る車両用灯具100は、複数の光源10と、複数の光源10からの光を入射する入射面23と、入射面23の外周に接続され入射面23から入射した光を内面反射する外壁面24と、外壁面24の内側に外壁面24に対向して設けられ入射面23から入射した光を内面反射する内壁面25とを有する第1導光部20と、第1導光部20と一体で設けられ、第1導光部20からの光を導光して出射する第2導光部30とを備え、第1導光部20は、第2導光部30よりも耐熱性の高い材料を用いて形成される。
【0037】
この構成によれば、光源10からの光を入射する入射面23を有する第1導光部20が第2導光部30よりも耐熱性の高い材料を用いて形成されるため、第2導光部30に直接光源10からの光を入射させる場合に比べて耐熱性を確保できる。また、第1導光部20に内壁面25が設けられることにより、当該内壁面25が設けられない構成に比べて、第1導光部20の表面積を大きくすることができる。このため、第1導光部20の放熱性を向上させることができる。これにより、第1導光部20の耐熱性を確保することができる。したがって、光源10を入射面23に近接させて配置することが可能となり、光源10からの光を効率的に入射面23に入射させることができる。また、例えば車両用灯具100の発光量を向上させるため、光源10からの出力を大きくした場合には、光源10で生じる熱量も大きくなる。これに対して、本実施形態では、第1導光部20の放熱性が向上された構成であるため、第1導光部20の耐熱性を十分確保できる。また、光源10の発光面積を小さくすることで、相対的に光源10からの光量を増加させることもでき、光源10の発光面積に対応して入射面23の面積を小さくすることができる。したがって、複数の光源10で生じる熱の影響を考慮しつつ、当該複数の光源10からの光を効率的に利用することが可能となる。更に、第1導光部20に内壁面25が設けられることにより、当該内壁面25が設けられない構成に比べて、入射面23から入射した光の内面反射の回数を多くすることができる。これにより、光の乱反射の光路を安定させることができ、第2導光部30からの出射光を均一にするなどの配光制御がし易くなる。
【0038】
本実施形態に係る車両用灯具100において、第1導光部20は、光源10側に向けて分岐する複数の分岐部22を有し、入射面23は、分岐部22のそれぞれに設けられる。この構成により、分岐部22の入射面23に対応する位置に光源10を配置することができるため、光源10を分散させることができる。これにより、複数の光源10から生じる熱を分散させることができる。また、第1導光部20をブラケットにより支持する場合、例えば複数の分岐部22に対応する位置及び寸法の開口部をブラケットに形成し、当該開口部に分岐部22を差し込む構成とすることで、分岐部22毎に支持することができる。この場合、第1導光部20を安定して支持することができる。
【0039】
本実施形態に係る車両用灯具100において、複数の光源10は、円周上に配置される。これにより、複数の光源10から生じる熱を効率的に分散させることができる。
【0040】
本実施形態に係る車両用灯具100において、複数の光源10は、周方向に等ピッチで配置される。これにより、円周上に配置される複数の光源10から生じる熱を更に効率的に分散させることができる。
【0041】
本実施形態に係る車両用灯具100において、第1導光部20は、シリコン樹脂を用いて形成される。これにより、高い耐熱性を確保することができる。
【0042】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、第1導光部20が基部21及び分岐部22を有する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。
【0043】
図6は、変形例に係る車両用灯具100Aの一部の構成を示す図である。図6に示すように、第2導光部30Aに複数の第1導光部20Aが接続された構成であってもよい。この場合、各第1導光部20Aは、上記実施形態における分岐部22の構成と同様である。つまり、第1導光部20Aは、入射面23Aと、外壁面24Aと、内壁面25Aとを有する構成である。
【0044】
第2導光部30Aは、第1導光部20Aとの接合部分に、凸部31A及び凹部32Aを有する。凸部31Aは、径方向の中央部が第1導光部20A側に突出した部分である。凹部32Aは、径方向の周縁部が凸部31Aに対して第1導光部20A側とは反対側に相対的に窪んだ部分である。凸部31Aと凹部32Aとの間には、側面部33Aが設けられる。第1導光部20Aは、内壁面25Aの一部が第2導光部30Aの側面部33Aに接合され、入射面23Aとは反対側の端面29Aが第2導光部30Aの凹部32Aに接合される。
【0045】
第1導光部20Aは、第2導光部30Aと一体成型される。一体成型により、第1導光部20Aと第2導光部30Aとの間の接合強度を確保できる。また、第1導光部20Aが第2導光部30の側面部33Aに接合されるため、さらに接合強度が確保される。
【0046】
また、上記実施形態では、第1導光部20において、複数の分岐部22が基部21から中心軸AXに沿って直線状に延びた構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。図7は、変形例に係る車両用灯具100Bの一部の構成を示す図である。
【0047】
図7に示すように、第1導光部20Bは、基部21Bと分岐部22Bとを有する。分岐部22Bは、基部21Bから光源10側にかけて径方向の外側に広がった形状を有する。分岐部22Bは、光源10側の端部が基部21Bの外周面よりも径方向の外側に突出している。第1導光部20Bは、各分岐部22Bにおいて、入射面23Bと、外壁面24Bと、内壁面25Bと、側壁面26Bとを有する。この構成により、光源10をより分散させることができるため、光源10で生じる熱を分散させることができる。
【0048】
また、上記実施形態では、第1導光部20において、光源10毎に分岐部22が設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。図8は、変形例に係る車両用灯具100Cの一部の構成を示す図である。
【0049】
図8に示すように、第1導光部20Cは、基部21Cと、2つに分岐された板状の分岐部22Cとを有する。分岐部22Cには、例えば一方向に延びる矩形状の入射面23Cと、外壁面24Cと、内壁面25Cとが設けられる。入射面23Cには、長手方向に沿って複数の光源10が対向配置される。この構成では、入射面23Cの長手方向に光源10の熱を分散させることができる。
【0050】
図9は、変形例に係る車両用灯具100Dの一部の構成を示す図である。図9に示すように、第1導光部20Dは、基部21Dと、円筒部22Dとを有する構成であってもよい。円筒部22Dは、上記実施形態に記載の分岐部22同士が円筒状に連結された構成である。第1導光部20Dは、円筒部22Dにおいて、入射面23Dと、外壁面24Dと、内壁面25Dとを有する。この構成により、第1導光部20Dにおける耐衝撃性が高められる。
【0051】
また、上記実施形態の構成において、例えば出射される光の種類が異なる光源が用いられてもよい。例えば、車両用灯具100がクリアランスランプ及びターンシグナルランプの2つの機能を有する場合について説明する。図10は、変形例に係る光源の配置を示す図である。図10に示すように、光源10Pは、例えばクリアランスランプの光となる白色光を出射する発光面11Pを有する。光源10Pの発光面11Pから出射した白色光は、例えば導光部材を介して車両外部に照射される。光源10Qは、例えばターンシグナルランプの光となる橙色(アンバー)光を出射する発光面11Qを有する。光源10Qの発光面11Qから出射した橙色光は、例えば導光部材を介して車両外部に照射される。
【0052】
図10に示す構成では、複数の光源10Pと、複数の光源10Qとが点Oを中心とする円周上に配置される。また、光源10Pと光源10Qとが周方向に隣り合って配置される。つまり、光源10Pと光源10Qとが周方向に1つおきに離れた状態で配置される。この場合、複数の光源10Pは、周方向に分散されて配置される。また、複数の光源10Qは、周方向に分散されて配置される。したがって、例えばターンシグナルランプとクリアランスランプのように一方の点灯時にもう一方が消灯するような使用となる場合においては、点灯する光源同士の距離を離して配置することができるため、熱を分散させることができる。これにより、複数の機能を一つの車両用灯具100に設定した場合でも、光源による熱の影響を抑制し、光源からの光を十分に利用することができる。
【0053】
また、上記実施形態では、第1導光部20と第2導光部30とを一体成型した構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、第1導光部20と第2導光部30とを別個に形成し、両者を嵌合することで一体化する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
AX…中心軸、P…円周、10,10P,10Q…光源、11…発光面、20,20A,20B,20C,20D…第1導光部、21,21B,21C,21D…基部、22,22C…分岐部、22D…円筒部、23,23A,23B,23C,23D,31…入射面、24,24A,24B,24C,24D…外壁面、25,25A,25B,25C,25D…内壁面、26,26B…側壁面、29A…端面、30,30A…第2導光部、31A…凸部、32…出射面、32A…凹部、33A…側面部、40…放熱部材、41…光源固定部、42…フィン、100,100A,100B,100C,100D…車両用灯具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10