(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240918BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020099529
(22)【出願日】2020-06-08
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
【審査官】久宗 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-131319(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0148287(US,A1)
【文献】特開2005-258729(JP,A)
【文献】特開2020-088463(JP,A)
【文献】特開2017-134011(JP,A)
【文献】特開2019-180102(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0034306(US,A1)
【文献】特許第7197123(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
外部装置との間で通信が確立している自装置に対して前記外部装置及び前記自装置とは異なる他の装置から送られる、前記通信の確立を解除する指示に従って、前記通信の確立を解除する、
情報処理装置であって、
前記外部装置又は前記自装置は、前記外部装置及び前記自装置のユーザに装着されて使用される表示装置を有し、
前記プロセッサは、更に、
前記指示に従って前記通信の確立を解除することができない場合、予め定められた画像を前記表示装置に表示させる、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
外部装置との間で通信が確立している自装置に対して前記外部装置及び前記自装置とは異なる他の装置から送られる、前記通信の確立を解除する指示に従って、前記通信の確立を解除する、
情報処理装置であって、
前記通信の確立が強制的に解除される装置と、前記通信の確立が強制的に解除されない装置とが予め定められており、
前記指示は特定の場所に対して送られ、
前記プロセッサは、
前記外部装置及び前記自装置の中の少なくとも1つの装置が、前記通信の確立が強制的に解除される装置として定められており、かつ、前記特定の場所の範囲内に配置されている場合、前記指示に従って前記通信の確立を解除する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記外部装置及び前記自装置が、前記通信の確立が強制的に解除されない装置として定められている場合、前記外部装置及び前記自装置の中の少なくとも1つの装置が、前記特定の場所の範囲内に配置されている場合であっても、前記通信の確立を解除しない、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
コンピュータが、
外部装置との間で通信が確立している自装置に対して前記外部装置及び前記自装置とは異なる他の装置から送られる、前記通信の確立を解除する指示に従って、前記通信の確立を解除する、
ように動作させるためのプログラムであって、
前記外部装置又は前記自装置は、前記外部装置及び前記自装置のユーザに装着されて使用される表示装置を有し、
前記
コンピュータは、更に、
前記指示に従って前記通信の確立を解除することができない場合、予め定められた画像を前記表示装置に表示させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
コンピュータが、
外部装置との間で通信が確立している自装置に対して前記外部装置及び前記自装置とは異なる他の装置から送られる、前記通信の確立を解除する指示に従って、前記通信の確立を解除する、
ように動作させるためのプログラムであって、
前記通信の確立が強制的に解除される装置と、前記通信の確立が強制的に解除されない装置とが予め定められており、
前記指示は特定の場所に対して送られ、
前記
コンピュータは、
前記外部装置及び前記自装置の中の少なくとも1つの装置が、前記通信の確立が強制的に解除される装置として定められており、かつ、前記特定の場所の範囲内に配置されている場合、前記指示に従って前記通信の確立を解除する、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、警報器が有する点検操作手段に対して所定時間の操作を行うことで各警報器のペアリング処理を行う警報システムが記載されている。
【0003】
特許文献2には、1つの子機と1つの親機とによって構成される親子ペアが複数設定されており、すべての親子ペアの通信状態を監視し、すべての親子ペアの通信状態に不具合があると判断した場合に、子機と親機の組み合わせが変更されるように各子機を制御する、無線通信システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-218632号公報
【文献】特開2019-186840号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、複数の装置の間で通信する技術が、不正な行為等に用いられることが考えられる。
【0006】
本発明の目的は、複数の装置の間で確立している通信を、当該複数の装置に含まれる装置からの指示によらない機器からの指示で解除することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
参考例1に係る構成は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、外部装置との間で通信が確立している自装置に対して前記外部装置及び前記自装置とは異なる他の装置から送られる、前記通信の確立を解除する指示に従って、前記通信の確立を解除する、情報処理装置である。
【0008】
参考例2に係る構成は、前記プロセッサは、前記外部装置及び前記自装置の中の少なくとも1つの装置の位置が、特定の場所の範囲内に含まれる場合、前記指示に従って前記通信の確立を解除する、ことを特徴とする参考例1に記載の情報処理装置である。
【0009】
参考例3に係る構成は、前記プロセッサは、前記通信が特定の時間に確立している場合、前記指示に従って前記通信の確立を解除する、ことを特徴とする参考例1又は参考例2に記載の情報処理装置である。
【0010】
参考例4に係る構成は、前記指示は、前記通信の確立を解除する権限を有する管理者によって与えられる、ことを特徴とする参考例1から参考例3のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
【0011】
参考例5に係る構成は、前記外部装置及び前記自装置の中の少なくとも1つの装置は、前記外部装置及び前記自装置のユーザに装着されて使用される装置であり、前記プロセッサは、前記外部装置及び前記自装置の中の少なくとも1つの装置が、前記ユーザに装着されている場合に、前記指示に従って前記通信の確立を解除する、ことを特徴とする参考例1から参考例4のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
【0012】
参考例6に係る構成は、前記外部装置又は前記自装置は、前記外部装置及び前記自装置のユーザに装着されて使用されるスピーカを有し、前記プロセッサは、更に、前記指示に従って前記通信の確立を解除することができない場合、予め定められた音量以上の音量を有する音を前記スピーカから発生させる、ことを特徴とする参考例1から参考例5のいずれか一項に記載の情報処理装置である。
【0013】
請求項1に係る発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、外部装置との間で通信が確立している自装置に対して前記外部装置及び前記自装置とは異なる他の装置から送られる、前記通信の確立を解除する指示に従って、前記通信の確立を解除する、情報処理装置であって、前記外部装置又は前記自装置は、前記外部装置及び前記自装置のユーザに装着されて使用される表示装置を有し、前記プロセッサは、更に、前記指示に従って前記通信の確立を解除することができない場合、予め定められた画像を前記表示装置に表示させる、ことを特徴とする情報処理装置である。
【0014】
請求項2に係る発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、外部装置との間で通信が確立している自装置に対して前記外部装置及び前記自装置とは異なる他の装置から送られる、前記通信の確立を解除する指示に従って、前記通信の確立を解除する、情報処理装置であって、前記通信の確立が強制的に解除される装置と、前記通信の確立が強制的に解除されない装置とが予め定められており、前記指示は特定の場所に対して送られ、前記プロセッサは、前記外部装置及び前記自装置の中の少なくとも1つの装置が、前記通信の確立が強制的に解除される装置として定められており、かつ、前記特定の場所の範囲内に配置されている場合、前記指示に従って前記通信の確立を解除する、ことを特徴とする情報処理装置である。
【0015】
請求項3に係る発明は、前記プロセッサは、前記外部装置及び前記自装置が、前記通信の確立が強制的に解除されない装置として定められている場合、前記外部装置及び前記自装置の中の少なくとも1つの装置が、前記特定の場所の範囲内に配置されている場合であっても、前記通信の確立を解除しない、ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
【0016】
請求項4に係る発明は、コンピュータが、外部装置との間で通信が確立している自装置に対して前記外部装置及び前記自装置とは異なる他の装置から送られる、前記通信の確立を解除する指示に従って、前記通信の確立を解除する、ように動作させるためのプログラムであって、前記外部装置又は前記自装置は、前記外部装置及び前記自装置のユーザに装着されて使用される表示装置を有し、前記コンピュータは、更に、前記指示に従って前記通信の確立を解除することができない場合、予め定められた画像を前記表示装置に表示させる、ことを特徴とするプログラムである。
請求項5に係る発明は、コンピュータが、外部装置との間で通信が確立している自装置に対して前記外部装置及び前記自装置とは異なる他の装置から送られる、前記通信の確立を解除する指示に従って、前記通信の確立を解除する、ように動作させるためのプログラムであって、前記通信の確立が強制的に解除される装置と、前記通信の確立が強制的に解除されない装置とが予め定められており、前記指示は特定の場所に対して送られ、前記コンピュータは、前記外部装置及び前記自装置の中の少なくとも1つの装置が、前記通信の確立が強制的に解除される装置として定められており、かつ、前記特定の場所の範囲内に配置されている場合、前記指示に従って前記通信の確立を解除する、ことを特徴とするプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
参考例1に係る構成によれば、複数の装置の間で確立している通信を、当該複数の装置に含まれる装置からの指示によらない機器からの指示で解除することができる。
【0018】
参考例2に係る構成によれば、特定の場所にて通信の確立を解除することができる。
【0019】
参考例3に係る構成によれば、特定の時間に通信の確立を解除することができる。
【0020】
参考例4に係る構成によれば、管理者以外の人による解除を防止することができる。
【0021】
参考例5に係る構成によれば、外部装置及び情報処理装置の中の少なくとも1つの装置が利用者によって装着されている場合に、通信の確立を解除することができる。
【0022】
参考例6に係る構成によれば、通信の確立を解除することができない場合であっても、スピーカの利用を妨害することができる。
【0023】
請求項1,4に係る発明によれば、複数の装置の間で確立している通信を、当該複数の装置に含まれる装置からの指示によらない機器からの指示で解除することができると共に、通信の確立を解除することができない場合であっても、表示装置の利用を妨害することができる。
【0024】
請求項2,5に係る発明によれば、複数の装置の間で確立している通信を、当該複数の装置に含まれる装置からの指示によらない機器からの指示で解除することができると共に、通信の確立が強制的に解除される装置が、特定の場所の範囲内に配置されている場合に、通信の確立を解除することができる。
【0025】
請求項3に係る発明によれば、通信の確立が強制的に解除されない装置が、特定の場所の範囲内に配置されている場合であっても、通信の確立が強制的に解除されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】ウェアラブルデバイスの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システムについて説明する。
図1には、本実施形態に係る情報処理システムの構成の一例が示されている。
【0028】
本実施形態に係る情報処理システムは、一例として、1又は複数のウェアラブルデバイス10と、1又は複数の端末装置12と、制御装置14とを含む。また、情報処理システムは、これら以外の装置(例えばサーバ等)を含んでもよい。
【0029】
ウェアラブルデバイス10、端末装置12及び制御装置14は、他の装置と通信する機能を有する。その通信は、ケーブルを利用する有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。つまり、各装置は、他の装置等とケーブルによって物理的に接続されて、情報を互いに送受信してもよいし、無線通信によって互いに情報を送受信してもよい。無線通信として、例えば、近距離無線通信やWi-Fi(登録商標)等が用いられる。これら以外の規格の無線通信が用いられてもよい。近距離無線通信は、例えば、Bluetooth(登録商標)やRFID(Radio Frequency Identifier)やNFC等である。各装置は、LAN(Local Area Network)やインターネット等の通信経路を介して他の装置と通信してもよい。また、各装置は、例えばインターネット等の通信経路Nを介して他の装置と通信してもよい。
【0030】
ウェアラブルデバイス10は、ユーザに装着されて使用される装置であり、スピーカ及び表示装置の中の少なくとも1つを有する装置である。ウェアラブルデバイス10は、例えば、ユーザの耳に装着されるヒアラブルデバイス(例えば、イヤフォンやヘッドフォンや補聴器等)であってもよいし、メガネ型のデバイスであってもよいし、ユーザの目(例えば眼球)に装着されるコンタクトレンズ型のデバイスであってもよいし、ユーザの腕や手や手首や指等に装着されるデバイス(例えば、スマートウォッチ等の腕時計型のデバイス等)であってもよいし、ユーザの首に掛けられるデバイスであってもよいし、ユーザの胴体(例えば腹部や胸部等)に装着されるデバイスであってもよいし、ユーザの皮膚に埋め込まれるデバイスであってもよい。ユーザの複数の部位にウェアラブルデバイス10が装着されてもよい。メガネ型のデバイスは、例えば、AR(Augmented Reality:拡張現実)やMR(Mixed Reality:複合現実)やVR(Virtual Reality:仮想現実)等の技術を用いて画像を表示する機能を有する。例えば、メガネ型のデバイスは、ARグラスやVRグラスやMRグラス等であってもよい。HMD(Head Mounted Display)が、ウェアラブルデバイス10として用いられてもよい。
【0031】
端末装置12は、例えば、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する)、タブレットPC、スマートフォン、スマートスピーカ又は携帯電話等である。端末装置12は、ユーザに装着や所持や携帯されて使用される装置であってもよいし、ユーザに装着や所持や携帯されずに設置されて使用される装置であってもよい。
【0032】
本実施形態では、ウェアラブルデバイス10と端末装置12との間に通信が確立されて、ウェアラブルデバイス10と端末装置12との間で情報が送受信される。その通信は、例えば無線通信である。具体的には、その通信は、Bluetooth等の近距離無線通信である。
【0033】
例えば、ウェアラブルデバイス10が、イヤフォン又はヘッドフォンを含むヒアラブルデバイスである場合、音楽データや音声データ等の音データが端末装置12からウェアラブルデバイス10に送信されて、その音データに基づく音が、ウェアラブルデバイス10のイヤフォン又はヘッドフォンから発せられる。
【0034】
ウェアラブルデバイス10が、ARグラス、VRグラス又はMRグラス等のように表示装置を含むデバイスである場合、画像データ(例えば静止画像データや動画像データ)が端末装置12からウェアラブルデバイス10に送信されて、その画像データに基づく画像が、ウェアラブルデバイス10の表示装置に表示される。
【0035】
ウェアラブルデバイス10は、イヤフォン又はヘッドフォンと、ARグラス、VRグラス又はMRグラス等のような表示装置と、を含むデバイスであってもよい。
【0036】
ここでの通信の確立の概念の範疇には、ウェアラブルデバイス10と端末装置12とが近距離無線通信によって接続されて情報が送受信されている状態、ウェアラブルデバイス10と端末装置12とが近距離無線通信によって接続されて情報の送受信が可能な状態、及び、ウェアラブルデバイス10と端末装置12との間でペアリング(つまり同期)が完了している状態等が含まれる。ペアリングは、相互認証、つまり、ウェアラブルデバイス10と端末装置12とが互いに認証し、互いに通信することを許可する処理である。ペアリングは、相互登録と称されることもある。ペアリングが完了している状態は、その相互認証が完了し、ウェアラブルデバイス10と端末装置12とが互いに通信することが可能な状態である。例えば、ウェアラブルデバイス10と端末装置12との間でペアリングが完了すると、ウェアラブルデバイス10と端末装置12との間でBluetoothを用いて情報を送受信することが可能となる。
【0037】
また、1又は複数のウェアラブルデバイス10と1又は複数の端末装置12との間で通信が確立されて、これらの間で情報が送受信されてもよい。例えば、1つのウェアラブルデバイス10と複数の端末装置12との間で通信が確立されてもよいし、複数のウェアラブルデバイス10と1つの端末装置12との間で通信が確立されてもよい。例えば、複数の装置へ情報を送信するマルチストリーム機能(例えば、Bluetoothによって実現される「マルチ・ストリーム・オーディオ」)や、周辺の機器へ情報を一斉配信することが可能な機能(例えば、Bluetoothによって実現される「ブロードキャスト・オーディオ」)等の技術を用いることで、1つの端末装置12から複数のウェアラブルデバイス10に情報を送信することができる。例えば、Bluetoothによって実現される「LE Audio」等が用いられてもよい。
【0038】
なお、ウェアラブルデバイス10又は端末装置12のいずれか一方の装置が、情報処理装置の一例であり、他方の装置が、外部装置の一例である。例えば、ウェアラブルデバイス10が情報処理装置の一例であり、端末装置12が外部装置の一例であってもよいし、それとは逆に、端末装置12が情報処理装置の一例であり、ウェアラブルデバイス10が外部装置の一例であってもよい。
【0039】
制御装置14は、ウェアラブルデバイス10と端末装置12との間に確立している通信のその確立を制御するように構成されている。制御装置14は、例えば、管理者によって使用される装置やサーバ等であり、他の装置の一例に相当する。
【0040】
例えば、制御装置14は、ウェアラブルデバイス10と端末装置12との間に確立している通信のその確立を解除する指示を示す解除情報を、当該ウェアラブルデバイス10及び当該端末装置12の中の少なくとも1つの装置に送信する。この解除情報は、その通信の確立を強制的に解除するための情報である。
【0041】
別の例として、ウェアラブルデバイス10がスピーカを有している場合(例えば、ウェアラブルデバイス10が、イヤフォン又はヘッドフォンを含むヒアラブルデバイスである場合)、制御装置14は、予め定められた音量以上の音量を有する特定の音を当該スピーカから発生させる指示を示す音量制御情報を、ウェアラブルデバイス10及び端末装置12の中の少なくとも1つの装置に送信してもよい。この音量制御情報は、その特定の音をスピーカから強制的に発生させるための情報である。特定の音は、例えば予め定められた音(例えばノイズ音や妨害音声等)であってもよいし、ランダムに変更されてもよい。特定の音は、地震等の自然災害や事件等の発生をユーザに知らせるための緊急警報等の音であってもよい。なお、音量制御情報は、消音を指示する情報であってもよいし、音量を下げる指示を示す情報であってもよい。
【0042】
更に別の例として、ウェアラブルデバイス10が表示装置を有している場合(例えば、ウェアラブルデバイス10が、ARグラス、VRグラス又はMRグラス等のように表示装置を含むデバイスである場合)、制御装置14は、予め定められた特定の画像を当該表示装置に表示させる指示を示す画像制御情報を、ウェアラブルデバイス10及び端末装置12の中の少なくとも1つの装置に送信してもよい。この画像制御情報は、その特定の画像を表示装置に強制的に表示させるための情報である。特定の画像は、例えば予め定められた画像であってもよいし、ランダムに変更されてもよい。例えば、特定の画像は、ユーザの視界を遮ることが可能な画像である。例えば、白色や黒色やそれ以外の色等の特定の色を表す画像や、特定の絵柄を表す画像等が、特定の画像であってもよい。
【0043】
制御装置14は、ウェアラブルデバイス10と端末装置12との間における通信の確立を解除することができない場合に、上記の特定の音をスピーカから発生させてもよいし、上記の特定の画像を表示装置に表示させてもよい。
【0044】
制御装置14は、通信経路Nを介して、ウェアラブルデバイス10や端末装置12に、解除情報や音量制御情報や画像制御情報を送信してもよいし、Bluetooth等の近距離無線通信を利用して、ウェアラブルデバイス10や端末装置12に、解除情報や音量制御情報や画像制御情報を送信してもよい。
【0045】
制御装置14には、ウェアラブルデバイス10及び端末装置12のそれぞれと通信するための情報(例えば、IPアドレス等のアドレス情報)、及び、ウェアラブルデバイス10及び端末装置12のそれぞれに関するその他の情報(例えば、ウェアラブルデバイス10及び端末装置12のそれぞれを識別するためのID等の情報)等が記憶される。これらの情報は、予め制御装置14に記憶されてもよいし、ウェアラブルデバイス10及び端末装置12の中の少なくとも1つの装置が特定の場所にて使用される場合に制御装置14に記憶されてもよいし、ウェアラブルデバイス10及び端末装置12の中の少なくとも1つの装置が特定の時間に使用される場合に制御装置14に記憶されてもよい。
【0046】
以下、
図2を参照して、ウェアラブルデバイス10のハードウェアの構成について説明する。
図2には、ウェアラブルデバイス10のハードウェアの構成の一例が示されている。
【0047】
ウェアラブルデバイス10は、例えば、通信装置16と、UI18と、メモリ20と、プロセッサ22とを含む。
【0048】
通信装置16は、通信チップや通信回路等を有する通信インターフェースであり、他の装置に情報を送信する機能、及び、他の装置から送信されてきた情報を受信する機能を有する。通信装置16は、無線通信機能を有してもよいし、有線通信機能を有してもよい。通信装置16は、例えば近距離無線通信を利用することで他の装置と通信してもよいし、LANやインターネット等の通信経路を介して他の装置と通信してもよい。本実施形態では、通信装置16は、Bluetooth等の近距離無線通信を利用することで1又は複数の端末装置12と通信する。また、通信装置16は、近距離無線通信やLANやインターネット等を利用することで制御装置14と通信してもよい。
【0049】
UI18はユーザインターフェースであり、液晶ディスプレイやELディスプレイ等の表示装置、及び、音を発生させる装置(例えばスピーカ)の中の少なくとも1つを含む。
【0050】
ウェアラブルデバイス10が、ユーザの耳に装着されて使用されるヒアラブルデバイスである場合、UI18は、イヤフォン又はヘッドフォンを含む。この場合、ウェアラブルデバイス10全体が、イヤフォン又はヘッドフォンであってもよい。例えば、無線イヤフォン又は無線ヘッドフォンが、ヒアラブルデバイスとしてのウェアラブルデバイス10の一例である。
【0051】
ウェアラブルデバイス10が、ユーザに装着されて使用される、メガネ型のウェアラブルデバイス(例えば、ARグラス、VRグラス、MRグラス等)や、ユーザの目に装着されて使用されるウェアラブルデバイス(例えば、ユーザの目の角膜に接触させて使用されるコンタクトレンズ型のウェアラブルデバイス)である場合、UI18は表示装置を含む。また、メガネ型のウェアラブルデバイスにおいては、表示装置はタッチパネルによって構成されてもよい。
【0052】
ウェアラブルデバイス10は、上述した無線イヤフォン又は無線ヘッドフォンと、メガネ型又はコンタクトレンズ型のウェアラブルデバイスと、を含む装置であってもよい。なお、UI18は、マイク等の集音装置を含んでもよい。
【0053】
メモリ20は、各種の情報を記憶する1又は複数の記憶領域を構成する装置である。メモリ20は、例えば、ハードディスクドライブ、各種のメモリ(例えばRAMやDRAMやROM等)、その他の記憶装置(例えば光ディスク等)、又は、それらの組み合わせである。1又は複数のメモリ20がウェアラブルデバイス10に含まれている。
【0054】
メモリ20には、例えば、ウェアラブルデバイス10を識別するための情報や通信するためのアドレス情報(例えば、ウェアラブルデバイス10のアドレス情報や端末装置12のアドレス情報や制御装置14のアドレス情報)等が記憶されている。例えば、IPアドレス、MACアドレス、又は、その他のアドレス(例えば電子メールアドレス等)が、アドレス情報として記憶されてもよい。
【0055】
プロセッサ22は、ウェアラブルデバイス10の各部の動作を制御するように構成されている。プロセッサ22は、メモリを有してもよい。
【0056】
例えば、プロセッサ22は、通信装置16を用いて各装置と通信する。具体的には、プロセッサ22は、端末装置12との間でBluetooth等の近距離無線通信を確立し、近距離無線通信によって端末装置12との間で情報を送受信する。また、プロセッサ22は、近距離無線通信又は他の通信を利用して、制御装置14との間で情報を送受信する。
【0057】
ウェアラブルデバイス10がイヤフォン又はヘッドフォンを含む場合、プロセッサ22は、音声データや音楽データやその他の音データに基づいて、イヤフォン又はヘッドフォンから音を発生させてもよい。ウェアラブルデバイス10が表示装置を含む場合、プロセッサ22は、画像データ(例えば静止画像データや動画像データ)を表示装置に表示させてもよい。音声データや画像データ等は、メモリ20に記憶されていてもよいし、端末装置12や制御装置14からウェアラブルデバイス10に送信されてもよい。
【0058】
その他、プロセッサ22は、UI18を介して入力された情報を受け付けてもよい。
【0059】
以下、
図3を参照して、端末装置12のハードウェアの構成について説明する。
図3には、端末装置12のハードウェアの構成の一例が示されている。
【0060】
端末装置12は、例えば、通信装置24と、UI26と、メモリ28と、プロセッサ30とを含む。
【0061】
通信装置24は、通信チップや通信回路等を有する通信インターフェースであり、他の装置に情報を送信する機能、及び、他の装置から送信されてきた情報を受信する機能を有する。通信装置24は、無線通信機能を有してもよいし、有線通信機能を有してもよい。通信装置24は、例えば近距離無線通信を利用することで他の装置と通信してもよいし、LANやインターネット等の通信経路を介して他の装置と通信してもよい。本実施形態では、通信装置24は、Bluetooth等の近距離無線通信を利用することで1又は複数のウェアラブルデバイス10と通信する。また、通信装置24は、近距離無線通信やLANやインターネット等を利用することで制御装置14と通信してもよい。
【0062】
UI26はユーザインターフェースであり、表示装置と操作装置とを含む。表示装置は、液晶ディスプレイやELディスプレイ等である。操作装置は、キーボードや入力キーや操作パネル等である。UI26は、表示装置と操作装置とを兼ね備えたタッチパネル等のUIであってもよい。また、マイクがUI26に含まれてもよいし、音を発するスピーカがUI26に含まれてもよい。
【0063】
メモリ28は、各種の情報を記憶する1又は複数の記憶領域を構成する装置である。メモリ28は、例えば、ハードディスクドライブ、各種のメモリ(例えばRAMやDRAMやROM等)、その他の記憶装置(例えば光ディスク等)、又は、それらの組み合わせである。1又は複数のメモリ28が端末装置12に含まれている。
【0064】
メモリ28には、例えば、端末装置12を識別するための情報や通信するためのアドレス情報(例えば、ウェアラブルデバイス10のアドレス情報や端末装置12のアドレス情報や制御装置14のアドレス情報)等が記憶されている。例えば、IPアドレス、MACアドレス、又は、その他のアドレス(例えば電子メールアドレス等)が、アドレス情報として記憶されてもよい。
【0065】
プロセッサ30は、端末装置12の各部の動作を制御するように構成されている。プロセッサ30は、メモリを有してもよい。
【0066】
例えば、プロセッサ30は、通信装置24を用いて各装置と通信する。具体的には、プロセッサ30は、ウェアラブルデバイス10との間でBluetooth等の近距離無線通信を確立し、近距離無線通信によってウェアラブルデバイス10との間で情報を送受信する。また、プロセッサ30は、近距離無線通信又は他の通信を利用して、制御装置14との間で情報を送受信する。
【0067】
ウェアラブルデバイス10がイヤフォン又はヘッドフォンを含む場合、プロセッサ30は、音声データや音楽データやその他の音データに基づいて、イヤフォン又はヘッドフォンから音を発生させてもよい。ウェアラブルデバイス10が表示装置を含む場合、プロセッサ30は、画像データ(例えば静止画像データや動画像データ)を表示装置に表示させてもよい。音声データや画像データ等は、ウェアラブルデバイス10のメモリ20に記憶されていてもよいし、端末装置12や制御装置14からウェアラブルデバイス10に送信されてもよい。つまり、イヤフォン又はヘッドフォンからの音の発生、及び、画像の表示は、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22によって行われてもよいし、端末装置12のプロセッサ30によって行われてもよい。
【0068】
以下、
図4を参照して、制御装置14のハードウェアの構成について説明する。
図4には、制御装置14のハードウェアの構成の一例が示されている。
【0069】
制御装置14は、例えば、通信装置32と、UI34と、メモリ36と、プロセッサ38とを含む。
【0070】
通信装置32は、通信チップや通信回路等を有する通信インターフェースであり、他の装置に情報を送信する機能、及び、他の装置から送信されてきた情報を受信する機能を有する。通信装置32は、無線通信機能を有してもよいし、有線通信機能を有してもよい。通信装置32は、例えば近距離無線通信を利用することで他の装置と通信してもよいし、LANやインターネット等の通信経路を介して他の装置と通信してもよい。本実施形態では、通信装置32は、近距離無線通信やLANやインターネット等を利用することで、ウェアラブルデバイス10や端末装置12と通信する。
【0071】
UI34はユーザインターフェースであり、表示装置と操作装置とを含む。表示装置は、液晶ディスプレイやELディスプレイ等である。操作装置は、キーボードや入力キーや操作パネル等である。UI34は、表示装置と操作装置とを兼ね備えたタッチパネル等のUIであってもよい。また、マイクがUI34に含まれてもよいし、音を発するスピーカがUI34に含まれてもよい。なお、UI34は制御装置14に含まれていなくてもよい。
【0072】
メモリ36は、各種の情報を記憶する1又は複数の記憶領域を構成する装置である。メモリ36は、例えば、ハードディスクドライブ、各種のメモリ(例えばRAMやDRAMやROM等)、その他の記憶装置(例えば光ディスク等)、又は、それらの組み合わせである。1又は複数のメモリ36が制御装置14に含まれている。
【0073】
メモリ36には、例えば、制御装置14を識別するための情報や通信するためのアドレス情報(例えば、ウェアラブルデバイス10のアドレス情報や端末装置12のアドレス情報や制御装置14のアドレス情報)等が記憶されている。例えば、IPアドレス、MACアドレス、又は、その他のアドレス(例えば電子メールアドレス等)が、アドレス情報として記憶されてもよい。
【0074】
プロセッサ38は、制御装置14の各部の動作を制御するように構成されている。プロセッサ38は、メモリを有してもよい。
【0075】
例えば、プロセッサ38は、通信装置32を用いて各装置と通信する。具体的には、プロセッサ38は、近距離無線通信又は他の通信を利用して、ウェアラブルデバイス10や端末装置12との間で情報を送受信する。
【0076】
以下、本実施形態に係る情報処理システムについて詳しく説明する。以下の説明では一例として、ウェアラブルデバイス10と端末装置12との間でペアリングが完了しており、制御装置14からの解除情報に従って、その完了したペアリングが解除されるものとする。
【0077】
ウェアラブルデバイス10と端末装置12との間でペアリングが完了している場合、制御装置14のプロセッサ38は、通信の確立を解除する指示を示す解除情報、つまり、その完了したペアリングを解除する指示を示す解除情報を、ウェアラブルデバイス10及び端末装置12の中の少なくとも1つの装置に送信する。
【0078】
例えば、制御装置14のメモリ36には、ウェアラブルデバイス10と端末装置12のそれぞれのアドレス情報が記憶されており、制御装置14のプロセッサ38は、そのアドレス情報を用いて、ウェアラブルデバイス10及び端末装置12の中の少なくとも1つの装置に解除情報を送信する。
【0079】
ここでは一例として、制御装置14は、ウェアラブルデバイス10に解除情報を送信するものとする。もちろん、制御装置14は、ウェアラブルデバイス10に解除情報を送信せずに、端末装置12に解除情報を送信してもよいし、ウェアラブルデバイス10と端末装置12の両方に解除情報を送信してもよい。
【0080】
制御装置14から解除情報を受信したウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、当該解除情報が示す解除の指示に従って、ウェアラブルデバイス10と端末装置12とのペアリングを解除する。これにより、ウェアラブルデバイス10と端末装置12との間で情報の送受信は行われない。例えば、ストリーミングによって音データや画像データが端末装置12からウェアラブルデバイス10に送信されてウェアラブルデバイス10にて再生されているときに、ペアリングが解除されると、音データや画像データは端末装置12からウェアラブルデバイス10に送信されず、音データや画像データはウェアラブルデバイス10にて再生されない。
【0081】
例えば、ウェアラブルデバイス10が、イヤフォン又はヘッドフォンを含むヒアラブルデバイスである場合において、ウェアラブルデバイス10と端末装置12とのペアリングが解除されると、音データは端末装置12からウェアラブルデバイス10に送信されず、イヤフォン又はヘッドフォンから音が出力されない。
【0082】
ウェアラブルデバイス10が、ARグラス、VRグラス又はMRグラス等のように表示装置を含むデバイスである場合において、ウェアラブルデバイス10と端末装置12とのペアリングが解除されると、画像データは端末装置12からウェアラブルデバイス10に送信されず、画像データはウェアラブルデバイス10に表示されない。
【0083】
また、1つのウェアラブルデバイス10と複数の端末装置12との間でペアリングが完了している場合、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、当該複数の端末装置12との間で完了しているすべてのペアリングを解除する。なお、解除する権限を有する管理者等によって、当該複数のペアリングの中から解除の対象となる特定のペアリングが指定された場合、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、当該特定のペアリングを解除し、それ以外のペアリングは解除しなくてもよい。
【0084】
また、複数のウェアラブルデバイス10と1つ端末装置12との間でペアリングが完了している場合、各ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、自身のペアリングを解除する。
【0085】
なお、解除情報が端末装置12に送信された場合、端末装置12のプロセッサ30は、解除情報が示す解除の指示に従って、ウェアラブルデバイス10と端末装置12とのペアリングを解除してもよい。このように、ペアリングの解除は、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22によって行われてもよいし、端末装置12のプロセッサ30によって行われてもよい。以下では、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22によってペアリングが解除される場合について説明するが、端末装置12のプロセッサ30によってペアリングが解除されてもよい。
【0086】
制御装置14のプロセッサ38は、ウェアラブルデバイス10と端末装置12との間でペアリングが完了していない場合であっても、解除情報をウェアラブルデバイス10及び端末装置12の中の少なくとも1つの装置に送信してもよい。この場合、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、当該ウェアラブルデバイス10と端末装置12とをペアリングする指示を受けても、解除情報に従って、ペアリングを実行しなくてもよい。このようにして、ペアリングの完了が防止されてもよい。
【0087】
ウェアラブルデバイス10がヒアラブルデバイスである場合において、解除情報に従って、ウェアラブルデバイス10と端末装置12とのペアリングを解除することができない場合、予め定められた音量以上の音量を有する特定の音が、イヤフォン又はヘッドフォンから発せられてもよい。例えば、ペアリングの解除が完了した場合に、解除の完了を示す情報が、ウェアラブルデバイス10から制御装置14に送信される構成が構築されているものとする。この場合において、制御装置14のプロセッサ38が、解除の完了を示す情報をウェアラブルデバイス10から受信しない場合(例えば、解除情報を送信した時点から予め定められた時間が経過しても、解除の完了を示す情報を受信しない場合)、制御装置14のプロセッサ38は、特定の音を発生させる指示を示す音量制御情報をウェアラブルデバイス10に送信する。ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、その音量制御情報に従って、特定の音を自装置のイヤフォン又はヘッドフォンから発生させる。例えば、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、再生中の音に特定の音を重ね合わせて再生する。つまり、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、特定の音を強制的に再生する。
【0088】
別の例として、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22が、解除情報に従ってペアリングを解除することができない場合、音量制御情報を受信しなくても、特定の音を自装置のイヤフォン又はヘッドフォンから発生させてもよい。つまり、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、解除情報を制御装置14から受信すると、端末装置12とのペアリングの解除を試み、その解除が成功しない場合、特定の音をイヤフォン又はヘッドフォンから発生させる。
【0089】
更に別の例として、制御装置14のプロセッサ38は、解除情報をウェアラブルデバイス10に送信せずに、音量制御情報をウェアラブルデバイス10に送信してもよい。この場合、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、端末装置12とのペアリングを解除せずに、その音量制御情報に従って、特定の音を自装置のイヤフォン又はヘッドフォンから発生させる。このように、ペアリングを解除せずに、特定の音をイヤフォン又はヘッドフォンから発生させてもよい。
【0090】
更に別の例として、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、解除情報を制御装置14から受信すると、特定の音を自装置のイヤフォン又はヘッドフォンから発生させ、特定の音を発生させた時点から予め定められた時間が経過すると、ペアリングを解除してもよい。
【0091】
なお、特定の音を発生させる制御は、ウェアラブルデバイス10との間でペアリングが完了している端末装置12のプロセッサ30によって行われてもよい。
【0092】
ウェアラブルデバイス10が、ARグラス、VRグラス又はMRグラス等のように表示装置を含むデバイスである場合において、解除情報に従ってウェアラブルデバイス10と端末装置12とのペアリングを解除することができない場合、予め定められた特定の画像が、当該表示装置に表示されてもよい。例えば、制御装置14のプロセッサ38は、ペアリングの解除の完了を示す情報を、解除情報の送信先であるウェアラブルデバイス10から受信しない場合、特定の画像を表示させる指示を示す画像制御情報をウェアラブルデバイス10に送信する。ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、その画像制御情報に従って、特定の音を自装置の表示装置に表示させる。例えば、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、再生中の画像に特定の画像を重ね合わせて再生する。つまり、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、特定の画像を強制的に表示する。
【0093】
別の例として、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、解除情報に従ってペアリングを解除することができない場合、画像制御情報を受信しなくても、特定の画像を自装置の表示装置に表示させてもよい。つまり、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、解除情報を制御装置14から受信すると、端末装置12とのペアリングの解除を試み、その解除が成功しない場合、特定の画像を表示装置に表示させる。
【0094】
更に別の例として、制御装置14のプロセッサ38は、解除情報をウェアラブルデバイス10に送信せずに、画像制御情報をウェアラブルデバイス10に送信してもよい。この場合、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、端末装置12とのペアリングを解除せずに、その画像制御情報に従って、特定の画像を自装置の表示装置に表示させる。このように、ペアリングを解除せずに、特定の画像を表示してもよい。
【0095】
更に別の例として、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、解除情報を制御装置14から受信すると、特定の画像を自装置の表示装置に表示させ、特定の画像を表示した時点から予め定められた時間が経過すると、ペアリングを解除してもよい。
【0096】
なお、音量制御情報や画像制御情報は制御装置14から端末装置12に送信され、当該端末装置12のプロセッサ30が、音量制御情報に従ってウェアラブルデバイス10から特定の音を発生させてもよいし、画像制御情報に従ってウェアラブルデバイス10に特定の画像を表示させてもよい。
【0097】
例えば、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、ウェアラブルデバイス10及び端末装置12の中の少なくとも1つの装置の位置が、特定の場所の範囲内に含まれる場合、解除情報に従って、ペアリングを解除してもよい。例えば、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、ウェアラブルデバイス10の位置が特定の場所の範囲内に含まれる場合、上記の解除情報に従ってペアリングを解除する。ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、端末装置12の位置が特定の場所の範囲内に含まれる場合、又は、ウェアラブルデバイス10と端末装置12のそれぞれの位置が特定の場所の範囲内に含まれる場合に、解除情報に従ってペアリングを解除してもよい。
【0098】
例えば、ウェアラブルデバイス10のメモリ20には、特定の場所を示す情報である特定場所情報が記憶されており、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、その特定場所情報に基づいて、ウェアラブルデバイス10や端末装置12の位置が特定の場所の範囲内に含まれるか否かを判断する。特定場所情報は、制御装置14からウェアラブルデバイス10に送信されてもよい。この場合、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、制御装置14から送られてきた特定場所情報に基づいて、ウェアラブルデバイス10や端末装置12の位置が特定の場所の範囲内に含まれるか否かを判断してもよい。
【0099】
各装置の位置を示す位置情報は、例えばGPS(Global Positioning System)等の公知の技術を利用することで取得される。例えば、ウェアラブルデバイス10と端末装置12は、それぞれGPS機能を有しており、それぞれ自装置の位置情報を取得する。ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、このようにして取得された位置情報が示す位置に基づいて、ウェアラブルデバイス10と端末装置12のそれぞれの位置が、特定の場所の範囲内に含まれるか否かを判断する。なお、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、端末装置12の位置情報を端末装置12から受信し、当該位置情報に基づいて、端末装置12の位置を特定する。
【0100】
また、ウェアラブルデバイス10のユーザが、ウェアラブルデバイス10又は端末装置12に、当該ユーザの位置を示す情報を入力してもよい。ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、このようにして入力された情報が示す位置を、ウェアラブルデバイス10又は端末装置12の位置として扱って、ウェアラブルデバイス10又は端末装置12の位置が、特定の場所の範囲内に含まれるか否かを判断してもよい。
【0101】
なお、特定の場所の範囲及び各装置の位置は、緯度及び経度によって定められてもよいし、基準となる位置を原点として、その原点からの相対的な位置(例えば座標)によって定められてもよいし、建物や部屋や広場等の名称や番号等によって定められてもよい。また、特定の場所の範囲及び各装置の位置は、高さを含む概念であってもよい。
【0102】
別の例として、制御装置14のプロセッサ38は、ウェアラブルデバイス10及び端末装置12の中の少なくとも1つの装置の位置が、特定の場所の範囲内に含まれる場合に、解除情報をウェアラブルデバイス10に送信してもよい。制御装置14のプロセッサ38は、ウェアラブルデバイス10又は端末装置12のいずれか一方の装置の位置が、特定の場所の範囲内に含まれる場合に、解除情報をウェアラブルデバイス10に送信してもよい。
【0103】
解除情報を受信したウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、解除情報に従って、ウェアラブルデバイス10と端末装置12とのペアリングを解除する。例えば、ウェアラブルデバイス10と端末装置12のそれぞれは、自装置の位置を示す位置情報を制御装置14に送信する。制御装置14のプロセッサ38は、ウェアラブルデバイス10と端末装置12のそれぞれから送られてきた位置情報に基づいて、ウェアラブルデバイス10と端末装置12のそれぞれの位置を特定する。
【0104】
特定の場所は、特に限定されるものではない。例えば、特定の場所は、学校、試験会場、教室、職場、病院、又は、病室等である。もちろん、これらは一例に過ぎず、別の場所が、特定の場所として定められてもよい。例えば、ペアリングの解除を指示する権限を有する管理者や、ウェアラブルデバイス10のユーザ等によって、特定の場所が指定されてもよい。
【0105】
例えば、特定場所情報が制御装置14のメモリ36に記憶されており、制御装置14のプロセッサ38は、その特定場所情報に基づいて、ウェアラブルデバイス10の位置や端末装置12の位置が、特定の場所の範囲内に含まれるか否かを判断する。
【0106】
例えば、ウェアラブルデバイス10が、イヤフォン又はヘッドフォンを含むヒアラブルデバイスである場合において、ウェアラブルデバイス10の位置が特定の場所の範囲内に含まれる場合、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、解除情報に従って、ウェアラブルデバイス10と端末装置12とのペアリングを解除する。これにより、音データが端末装置12からウェアラブルデバイス10に送信されず、ウェアラブルデバイス10は、イヤフォン又はヘッドフォンから音を発生させない。
【0107】
ウェアラブルデバイス10が、ARグラス、VRグラス、又は、MRグラス等の表示装置を含むデバイスである場合において、ウェアラブルデバイス10の位置が特定の位置の範囲内に含まれる場合、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、上記の解除情報に従って、ウェアラブルデバイス10と端末装置12とのペアリングを解除する。これにより、画像データが端末装置12からウェアラブルデバイス10に送信されず、ウェアラブルデバイス10は、画像を表示しない。
【0108】
制御装置14のプロセッサ38は、複数のウェアラブルデバイス10に解除情報を送信してもよい。例えば、制御装置14のプロセッサ38は、特定の場所の範囲内にある複数のウェアラブルデバイス10に解除情報を送信し、当該複数のウェアラブルデバイス10のそれぞれについて端末装置12とのペアリングを解除する。
【0109】
1つの応用例として、ウェアラブルデバイス10を有するユーザが、試験会場や学校等の特定の場所に入るときに、各ユーザのウェアラブルデバイス10のアドレスや各ユーザの端末装置12のアドレス等が、制御装置14に登録されることが考えられる。この場合、制御装置14のプロセッサ38は、その試験会場や学校内にある各ウェアラブルデバイス10に、ペアリングを解除する指示を示す解除情報を送信する。こうすることで、試験会場や学校等の特定の場所にて、ウェアラブルデバイス10と端末装置12との間で情報が送受信されない。例えば、ヒアラブルデバイスであるウェアラブルデバイス10に端末装置12から音データを送信したり、ARグラス等のように表示装置を有するウェアラブルデバイス10に端末装置12から画像データを送信したりすることができなくなる。これにより、ウェアラブルデバイス10を用いたカンニング等の不正行為を防止することができる。例えば、髪の長いヘアースタイルを有するユーザや帽子をかぶった人の耳に、ヒアラブルデバイスが装着されると、その装着を外部から認識することが困難な場合がある。この場合、他の人に気付かれずに、音声等によって情報を得ることができてしまう。このような場合に、ヒアラブルデバイスと端末装置12とのペアリングを強制的に解除することで、そのような事態の発生を防止することができる。
【0110】
また、制御装置14のプロセッサ38は、特定の場所の範囲内にあるウェアラブルデバイス10に解除情報を送信し続けてもよい。例えば、制御装置14のプロセッサ38は、端末装置12とのペアリングを解除されたウェアラブルデバイス10にも解除情報を送信し続けてもよい。こうすることで、ウェアラブルデバイス10が特定の場所内にある場合において、一旦解除されたペアリングが、再度完了されることを防止することができる。なお、制御装置14のプロセッサ38は、予め定められた時間間隔で解除情報をウェアラブルデバイス10に送信してもよい。
【0111】
また、ウェアラブルデバイス10の位置が特定の場所の範囲内に含まれる場合において、解除情報に従って、ウェアラブルデバイス10と端末装置12とのペアリングを解除することができない場合、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、上述した特定の音を自身のイヤフォン又はヘッドフォンから発生させてもよいし、上述した特定の画像を自身の表示装置に表示させてもよい。例えば、ペアリングを解除することができない場合、制御装置14のプロセッサ38は、上述した音量制御情報や画像制御情報をウェアラブルデバイス10に送信し、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、音量制御情報に従って特定の音を自装置のイヤフォン又はヘッドフォンから発生させてもよいし、画像制御情報に従って特定の画像を自装置の表示装置に表示させてもよい。ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、ペアリングを解除することができない場合、音量制御情報や画像制御情報を受信しなくても、特定の音をイヤフォン又はヘッドフォンから発生させてもよいし、特定の画像を表示装置に表示させてもよい。例えば、試験会場や学校等の特定の場所にて、ウェアラブルデバイス10と端末装置12とのペアリングを解除することができない場合、特定の音を発生させたり、特定の画像を表示したりすることが考えられる。
【0112】
別の例として、ウェアラブルデバイス10の位置が特定の場所の範囲内に含まれる場合、制御装置14のプロセッサ38は、解除情報をウェアラブルデバイス10に送信せずに、音量制御情報や画像制御情報をウェアラブルデバイス10に送信してもよい。この場合、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、音量制御情報に従って特定の音を自装置のイヤフォン又はヘッドフォンから発生させたり、画像制御情報に従って特定の画像を自装置の表示装置に表示させたりする。例えば、試験会場や学校等の特定の場所にて、ウェアラブルデバイス10から特定の音を発生させたり、ウェアラブルデバイス10に特定の画像を表示させたりすることが考えられる。
【0113】
特定の時間に、ウェアラブルデバイス10と端末装置12との間で通信が確立している場合(例えばペアリングが完了している場合)、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、解除情報に従って、その通信の確立(例えばペアリング)を解除してもよい。以下では、完了したペアリングが解除される場合について説明する。特定の時間は、例えば、特定の時間帯であってもよいし、特定の日時であってもよいし、日時や時間によって定められる特定の期間であってもよい。
【0114】
例えば、ウェアラブルデバイス10のメモリ20には、特定の時間を示す情報である特定時間情報が記憶されており、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、その特定時間情報に基づいて、現在の時刻が特定の時間(例えば特定の時間帯等)に含まれるか否かを判断する。特定時間情報は、制御装置14からウェアラブルデバイス10に送信されてもよい。この場合、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、制御装置14から送られてきた特定時間情報に基づいて、現在の時刻が特定の時間に含まれるか否かを判断する。
【0115】
別の例として、制御装置14のメモリ36に特定時間情報が記憶されており、制御装置14のプロセッサ38は、その特定時間情報が示す特定の時間に、解除情報をウェアラブルデバイス10に送信してもよい。解除情報を受信したウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、その解除情報に従って、端末装置12とのペアリングを解除する。
【0116】
制御装置14のプロセッサ38は、特定の時間に、複数のウェアラブルデバイス10に解除情報を送信してもよい。
【0117】
また、制御装置14のプロセッサ38は、特定の時間(例えば特定の時間帯等)に、ウェアラブルデバイス10に解除情報を送信し続けてもよい。例えば、制御装置14のプロセッサ38は、端末装置12とのペアリングが解除されたウェアラブルデバイス10にも解除情報を送信してもよい。こうすることで、特定の時間に一旦解除されたペアリングが、再度完了されることを防止することができる。なお、制御装置14のプロセッサ38は、予め定められた時間間隔で解除情報をウェアラブルデバイス10に送信してもよい。
【0118】
1つの応用例として、制御装置14のプロセッサ38は、試験開始前の予め定められた時刻に、解除情報をウェアラブルデバイス10に送信してもよい。また、制御装置14のプロセッサ38は、試験が行われている時間帯(例えば、試験開始前の予め定められた時刻から試験終了の時刻までの間)に、解除情報をウェアラブルデバイス10に送信し続けてもよい。
【0119】
また、特定の時間に、解除情報に従ってウェアラブルデバイス10と端末装置12とのペアリングを解除することができない場合、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、上述した特定の音を自身のイヤフォン又はヘッドフォンから発生させてもよいし、上述した特定の画像を自身の表示装置に表示させてもよい。例えば、ペアリングを解除することができない場合、制御装置14のプロセッサ38は、上述した音量制御情報や画像制御情報をウェアラブルデバイス10に送信し、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、音量制御情報に従って特定の音を自装置のイヤフォン又はヘッドフォンから発生させてもよいし、画像制御情報に従って特定の画像を自装置の表示装置に表示させてもよい。ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、ペアリングを解除することができない場合、音量制御情報や画像制御情報を受信しなくても、特定の音をイヤフォン又はヘッドフォンから発生させてもよいし、特定の画像を表示装置に表示させてもよい。例えば、試験中に、ウェアラブルデバイス10と端末装置12とのペアリングを解除することができない場合、特定の音を発生させたり、特定の画像を表示したりすることが考えられる。
【0120】
別の例として、特定の時間に、制御装置14のプロセッサ38は、解除情報をウェアラブルデバイス10に送信せずに、音量制御情報や画像制御情報をウェアラブルデバイス10に送信してもよい。この場合、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、音量制御情報に従って特定の音を自装置のイヤフォン又はヘッドフォンから発生させたり、画像制御情報に従って特定の画像を自装置の表示装置に表示させたりする。例えば、試験中に、ウェアラブルデバイス10から特定の音を発生させたり、ウェアラブルデバイス10に特定の画像を表示させたりすることが考えられる。
【0121】
また、特定の場所にて特定の時間に、ウェアラブルデバイス10と端末装置12とのペアリングが解除されてもよい。例えば、試験会場にて試験が実施されている時間帯に、ペアリングが解除されてもよい。また、特定の場所にて特定の時間に、特定の音がウェアラブルデバイス10から発せられたり、特定の画像がウェアラブルデバイス10に表示されたりしてもよい。
【0122】
ペアリングの解除の指示、特定の音の発生の指示、及び、特定の画像の表示の指示は、これらの指示を与える権限を有する管理者(例えば試験監督等)によって与えられてもよい。例えば、制御装置14にログインするための情報が管理者のみに与えられることで、管理者のみが制御装置14にログインして、これらの指示を与えてもよい。また、管理者が制御装置14を用いてこれらの指示を与えるときに、権限を有することを証明する情報(例えばIDやパスワード等)の入力が求められ、管理者がその情報を入力することで、これらの指示を与えることができるようにしてもよい。
【0123】
ウェアラブルデバイス10及び端末装置12の中の少なくとも1つの装置が、ユーザに装着されている場合に、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、解除情報に従って、端末装置12とのペアリングを解除してもよい。
【0124】
例えば、ヒアラブルデバイスであるウェアラブルデバイス10が、ユーザの耳に装着されている場合、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、解除情報に従って、端末装置12とのペアリングを解除する。イヤフォン又はヘッドフォン自体がヒアラブルデバイスを構成する場合においては、イヤフォンがユーザの耳に装着された場合や、ヘッドフォンが頭部に装着された場合に、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、解除情報に従って、端末装置12とのペアリングを解除する。
【0125】
また、ウェアラブルデバイス10がARグラス等のメガネ型のデバイスである場合において、ウェアラブルデバイス10がユーザの顔に装着された場合、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、解除情報に従って、端末装置12とのペアリングを解除する。
【0126】
制御装置14のプロセッサ38は、ウェアラブルデバイス10がユーザに装着された場合、解除情報を当該ウェアラブルデバイス10に送信してもよい。解除情報を受信したウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、その解除情報に従って端末装置12とのペアリングを解除する。
【0127】
例えば、ユーザの周囲に設置されているカメラ(例えば監視カメラや防犯カメラ等)によって当該ユーザが撮影され、制御装置14のプロセッサ38は、その撮影によって生成された画像データを解析することで、ユーザがウェアラブルデバイス10を装着しているか否かを判断する。カメラ以外の各種のセンサによって、ユーザがウェアラブルデバイス10を装着しているか否かの判断がなされてもよい。
【0128】
制御装置14のプロセッサ38は、ウェアラブルデバイス10がユーザに装着された場合、解除情報を当該ウェアラブルデバイス10に送信せずに、上述した音量制御情報や画像制御情報を当該ウェアラブルデバイス10に送信してもよい。当該ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、音量制御情報に従って特定の音を自装置のイヤフォン又はヘッドフォンから発生させたり、画像制御情報に従って特定の画像を自装置の表示装置に表示させたりする。
【0129】
ウェアラブルデバイス10が特定の場所の範囲内にある場合において、当該ウェアラブルデバイス10がユーザに装着された場合、制御装置14のプロセッサ38は、解除情報や音量制御情報や画像制御情報を当該ウェアラブルデバイス10に送信してもよい。つまり、ユーザが特定の場所にてウェアラブルデバイス10を装着した場合、当該ウェアラブルデバイス10と端末装置12とのペアリングが解除されたり、特定の音が当該ウェアラブルデバイス10から発せられたり、特定の画像が当該ウェアラブルデバイス10に表示されたりする。
【0130】
特定の時間にユーザがウェアラブルデバイス10を装着した場合、制御装置14のプロセッサ38は、解除情報や音量制御情報や画像制御情報を当該ウェアラブルデバイス10に送信してもよい。つまり、ユーザが特定の時間にウェアラブルデバイス10を装着した場合、当該ウェアラブルデバイス10と端末装置12とのペアリングが解除されたり、特定の音が当該ウェアラブルデバイス10から発せられたり、特定の画像が当該ウェアラブルデバイス10に表示されたりする。
【0131】
ユーザが、特定の時間に特定の場所にてウェアラブルデバイス10を装着した場合、制御装置14のプロセッサ38は、解除情報や音量制御情報や画像制御情報を当該ウェアラブルデバイス10に送信してもよい。
【0132】
なお、制御装置14から送られる解除情報に従ってペアリングを解除することを許可することが、ウェアラブルデバイス10や端末装置12に設定されてもよい。この場合、その許可が設定されているウェアラブルデバイス10において、解除情報に従ってペアリングが解除される。例えば、試験会場等の特定の場所に入るときに、ウェアラブルデバイス10にてその許可が設定されて、解除情報に従ってペアリングが解除されることが考えられる。
【0133】
通信の確立が強制的に解除される装置(例えば、ペアリングが強制的に解除される装置)と、通信の確立が強制的に解除されない装置(例えば、ペアリングが強制的に解除されない装置)とが、予め定められてもよい。ここでは一例として、ペアリングが解除される例を挙げて説明する。
【0134】
例えば、ペアリングが強制的に解除される1又は複数の装置を示す情報(例えばブラックリスト情報)と、ペアリングが強制的に解除されない1又は複数の装置を示す情報(例えばホワイトリスト情報)とが予め生成されて、制御装置14のメモリ36に記憶される。例えば、制御装置14のプロセッサ38は、管理者等の指示に従って、ウェアラブルデバイス10や端末装置12を、ブラックリスト情報又はホワイトリスト情報に登録する。
【0135】
ブラックリスト情報及びホワイトリスト情報は、ウェアラブルデバイス10のメモリ20や端末装置12のメモリ28に記憶されてもよい。別の例として、ウェアラブルデバイス10のメモリ20には、自装置であるウェアラブルデバイス10がブラックリスト情報又はホワイトリスト情報のいずれかに登録されている装置であることを示す情報が記憶されてもよい。同様に、端末装置12のメモリ28には、自装置である端末装置12がブラックリスト情報又はホワイトリスト情報のいずれかに登録されている装置であることを示す情報が記憶されてもよい。
【0136】
制御装置14のプロセッサ38は、特定の場所に対して解除情報を継続的又は断続的に送信する。
【0137】
例えば、ウェアラブルデバイス10と端末装置12との間でペアリングが完了している場合において、当該ウェアラブルデバイス10及び当該端末装置12の中の少なくとも1つの装置が、ブラックリスト情報に登録されており、かつ、解除情報の送信先である上記の特定の場所の範囲内に配置されている場合、当該ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22又は当該端末装置12のプロセッサ30は、解除情報に従ってペアリングを解除する。
【0138】
例えば、ウェアラブルデバイス10がブラックリスト情報に登録されており、かつ、上記の特定の場所の範囲内に配置されている場合、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22は、当該特定の場所に対して送信されている解除情報を受信し、当該解除情報に従ってペアリングを解除する。この場合、端末装置12がブラックリスト情報に登録されていない場合や、端末装置12が特定の場所の範囲内に配置されていない場合であっても、ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22はペアリングを解除する。
【0139】
また、ウェアラブルデバイス10がブラックリスト情報に登録されているが、上記の特定の場所の範囲内に配置されていない場合において、端末装置12が、上記の特定の場所の範囲内に配置されている場合、端末装置12のプロセッサ30は、当該特定の場所に対して送信されている解除情報を受信し、当該解除情報に従って、ペアリングを解除してもよいし、ペアリングを解除しなくてもよい。例えば、端末装置12のプロセッサ30は、端末装置12がブラックリスト情報に登録されている場合、ペアリングを解除し、端末装置12がブラックリスト情報に登録されておらずホワイトリスト情報に登録されている場合、ペアリングを解除しなくてもよい。
【0140】
一方、ウェアラブルデバイス10と端末装置12との間でペアリングが完了している場合において、当該ウェアラブルデバイス10及び当該端末装置12が、ブラックリスト情報に登録されておらずホワイトリスト情報に登録されている場合、当該ウェアラブルデバイス10及び当該端末装置12の中の少なくとも1つの装置が、上記の特定の場所の範囲内に配置されている場合であっても、当該ウェアラブルデバイス10のプロセッサ22又は当該端末装置12のプロセッサ30は、ペアリングを解除しない。この場合、当該特定の場所の範囲内に配置されている、当該ウェアラブルデバイス10及び当該端末装置12の少なくとも1つの装置は、当該特定の場所に対して送信されている解除情報を受信するが、ペアリングを解除しない。
【0141】
例えば、特定の場所は教室や試験室である。この場合、制御装置14のプロセッサ38は、教室や試験室内に対して解除情報を送信する。ブラックリスト情報には、生徒や受験者が有するウェアラブルデバイス10や端末装置12が登録され、ホワイトリスト情報には、教師や試験官が有するウェアラブルデバイス10や端末装置12が登録される。教師や試験官が有するウェアラブルデバイス10や端末装置12は、教室や試験室に対して送信されている解除情報を受信するが、ペアリングを解除しない。一方、生徒や受験者が有するウェアラブルデバイス10や端末装置12は、教室や試験室に対して送信されている解除情報を受信し、その解除情報に従ってペアリングを解除する。このように、教師や試験官が有するウェアラブルデバイス10や端末装置12のペアリングを強制的に解除せずに、生徒や受験者が有するウェアラブルデバイス10や端末装置12のペアリングを強制的に解除することが可能となる。教室や試験室は特定の場所の一例に過ぎず、他の特定の場所に関しても同様のことがいえる。
【0142】
なお、制御装置14のプロセッサ38は、特定の場所に対して、解除情報の代わりに、上述した音声制御情報や画像制御情報を送信してもよい。また、制御装置14のプロセッサ38は、ペアリングが解除されない場合、特定の場所に対して、音声制御情報や画像制御情報を送信してもよい。
【0143】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0144】
10 ウェアラブルデバイス、12 端末装置、14 制御装置。