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特許7556216ナビゲーションシステム、及びナビゲーション方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】ナビゲーションシステム、及びナビゲーション方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20240918BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20240918BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
G01C21/34
G01C21/26 P
A61B5/00 G
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020100257
(22)【出願日】2020-06-09
(65)【公開番号】P2021196175
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】上野 僚大
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-031699(JP,A)
【文献】特開2012-059264(JP,A)
【文献】特開2013-130918(JP,A)
【文献】特開2013-083486(JP,A)
【文献】特開2004-094593(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00 - 21/36
G01C 23/00 - 25/00
A61B 5/00 - 5/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの体重及び体脂肪率を含む身体情報を取得する身体情報取得部と、
ユーザの摂取した栄養成分を含む摂取情報を取得する摂取情報取得部と、
出発地及び目的地を設定する移動情報設定部と、
出発地から目的地までの移動経路及び移動手段を含む単数又は複数の案内情報を提供する案内情報提供部と、
ユーザの体重及び体脂肪率を含む前記身体情報並びにユーザの摂取した栄養成分を含む前記摂取情報を予め設定された基準に基づいてスコア化することにより求められたスコアを用いて、ユーザに対して運動を推奨する度合を判定するランク判定部とを備え、
前記案内情報の少なくとも一つは、ユーザごとに設定される個別案内情報であり、
前記個別案内情報は、前記ランク判定部により判定された前記度合が高いほど、移動に要する身体的負荷が大きくなるように前記移動経路及び前記移動手段の少なくとも一方が調整される案内情報であるナビゲーションシステム。
【請求項2】
前記ランク判定部は、ユーザの前記スコアが、予め前記スコアを複数段階に区分けして設定された運動推奨ランクのいずれに該当するかを判定し、
前記個別案内情報は、ユーザの前記運動推奨ランクが高いほど、移動に要する身体的負荷が大きくなるように前記移動経路及び前記移動手段の少なくとも一方が調整される請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
前記個別案内情報は、徒歩及び自転車から選ばれる第1移動手段を用いて移動する第1移動経路と、自動車及び公共交通機関から選ばれる第2移動手段を用いて移動する第2移動経路とを含み、ユーザの前記身体情報及び前記摂取情報に基づいて、前記第1移動経路の距離が変化する請求項1又は請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
移動情報設定部と、案内情報提供部と、ランク判定部とを備えるナビゲーションシステムにより案内情報を提供するナビゲーション方法であって、
前記移動情報設定部が、出発地及び目的地を設定する移動情報設定ステップと、
前記案内情報提供部が、出発地から目的地までの移動経路及び移動手段を含む単数又は複数の案内情報を提供する案内情報提供ステップと、
前記ランク判定部が、ユーザの体重及び体脂肪率を含む身体情報並びにユーザの摂取した栄養成分を含む摂取情報を予め設定された基準に基づいてスコア化することにより求められたスコアを用いて、ユーザに対して運動を推奨する度合を判定するランク判定ステップとを備え、
前記案内情報の少なくとも一つは、ユーザごとに設定される個別案内情報であり、
前記個別案内情報は、前記ランク判定ステップにおいて判定された前記度合が高いほど、移動に要する身体的負荷が大きくなるように前記移動経路及び前記移動手段の少なくとも一方が調整されるナビゲーション方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステム、及びナビゲーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地図データや道路データを用いて、出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーションシステムが知られている。このようなナビゲーションシステムについて、利用者に応じた最適なルートを検索するための様々な提案がなされている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、経路案内中の利用者の体調を監視し、利用者の体調に基づいて、案内メッセージを表示したり、案内経路を変更したりする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-183895号公報
【文献】特開2010-190648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、健康志向の普及により、ウォーキングなどの運動を行う人が増加している。一般的に、健康志向とは、栄養バランスの良い食生活と適度な運動を行うことと考えられている。しかしながら、適度な運動とは人それぞれ異なるため、自身にとって、どの程度の運動を行うことが適度であるかを判断することは難い。
【0005】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、利用者の健康状態に適した運動を提供するナビゲーションシステム、及びナビゲーション方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するナビゲーションシステムは、ユーザの体重及び体脂肪率を含む身体情報を取得する身体情報取得部と、ユーザの摂取情報を取得する摂取情報取得部と、出発地及び目的地を含む移動情報を設定する移動情報設定部と、出発地から目的地までの移動経路及び移動手段を含む単数又は複数の案内情報を提供する案内情報提供部とを備え、前記案内情報の少なくとも一つは、ユーザごとに設定される個別案内情報であり、前記個別案内情報は、ユーザの前記身体情報及び前記摂取情報に基づいて、移動に要する身体的負荷が変化するように前記移動経路及び前記移動手段の少なくとも一方が調整される。
【0007】
上記ナビゲーションシステムにおいて、前記身体情報及び前記摂取情報に基づいて、ユーザに対して運動を推奨する度合である運動推奨ランクが、予め設定された複数段階の運動推奨ランクのいずれに該当するかを判定するランク判定部を備え、前記個別案内情報は、ユーザの前記運動推奨ランクが高いほど、移動に要する身体的負荷が大きくなるように前記移動経路及び前記移動手段の少なくとも一方が調整されることが好ましい。
【0008】
上記ナビゲーションシステムにおいて、前記個別案内情報は、徒歩及び自転車から選ばれる第1移動手段を用いて移動する第1移動経路と、自動車及び公共交通機関から選ばれる第2移動手段を用いて移動する第2移動経路とを含み、ユーザの前記身体情報及び前記摂取情報に基づいて、前記第1移動経路の距離が変化することが好ましい。
【0009】
上記課題を解決するプログラムは、ユーザが保有するユーザ端末を、出発地及び目的地を含む移動情報を設定する移動情報設定部と、出発地から目的地までの移動経路及び移動手段を含む単数又は複数の案内情報を提供する案内情報提供部として機能させるプログラムであり、前記案内情報の少なくとも一つは、ユーザごとに設定される個別案内情報であり、前記個別案内情報は、ユーザの体重及び体脂肪率を含む身体情報並びにユーザの摂取情報に基づいて、移動に要する身体的負荷が変化するように前記移動経路及び前記移動手段の少なくとも一方が調整される案内情報である。
【0010】
上記課題を解決するナビゲーション方法は、出発地及び目的地を含む移動情報を設定する移動情報設定ステップと、出発地から目的地までの移動経路及び移動手段を含む単数又は複数の案内情報を提供する案内情報提供ステップとを備え、前記案内情報の少なくとも一つは、ユーザごとに設定される個別案内情報であり、前記個別案内情報は、ユーザの体重及び体脂肪率を含む身体情報並びにユーザの摂取情報に基づいて、移動に要する身体的負荷が変化するように前記移動経路及び前記移動手段の少なくとも一方が調整される。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、利用者の健康状態に適した運動を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ナビゲーションシステムのブロック図。
図2】身体情報記憶ステップのフローチャート。
図3】摂取情報記憶ステップのフローチャート。
図4】ナビゲーションステップのフローチャート。
図5】ナビゲーション画面の説明図。
図6】個別案内情報の説明図。
図7】結果表示部の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、ナビゲーションシステム、プログラム、及びナビゲーション方法の一実施形態を説明する。
図1に示すように、ナビゲーションシステム10は、携帯電話等のユーザが保有するユーザ端末20と、ユーザの身体情報を測定する測定機器30と、ユーザ端末と通信可能に構成されたナビゲーションサーバ40とを備えている。
【0014】
ユーザ端末20は、端末タッチパネル21と、端末タッチセンサ22と、端末通信部23と、端末CPU24と、端末メモリ25と、GPSセンサ26とを備えている。
端末タッチパネル21は、長手方向及び短手方向を有する矩形状である。端末タッチパネル21は、ユーザに対して報知を行うものであり、詳細には所望の画像を表示させるものである。本実施形態では、端末タッチパネル21が「端末操作部」に対応する。
【0015】
端末タッチセンサ22は、ユーザ端末20に対する操作の一種である、端末タッチパネル21に対する入力操作を検知するものである。上記入力操作としては、例えば、タッチ操作、スライド操作が挙げられる。詳細には、端末タッチセンサ22は、端末タッチパネル21に対して指が接触しているか否かを検知するとともに、指の接触が検知された場合にはその位置を検知する。そして、端末タッチセンサ22は、検知結果を端末CPU24に出力する。これにより、端末CPU24は、端末タッチパネル21に対する入力操作を把握できる。
【0016】
端末通信部23は、例えば、広域通信網としてのインターネットNT1を介して、測定機器30及びナビゲーションサーバ40と通信を行うための通信インターフェースである。端末通信部23は、例えば、直接インターネットNT1と繋がるように移動通信システムに対応するものであってもよいし、インターネットNT1に繋がっている機器と通信を行うものであってもよい。なお、広域通信網とは任意であり、例えば電話回線でもよい。
【0017】
端末CPU24は、端末メモリ25に記憶されている各種プログラムを用いて各種処理を実行するものである。詳細には、端末メモリ25には、端末タッチパネル21の表示制御、ナビゲーションサーバ40との間で所定の情報を送受信するための通信制御に関する端末用プログラム25aが記憶されている。端末CPU24は、端末用プログラム25aを読み出し実行することによって端末タッチパネル21の表示制御、並びに測定機器30及びナビゲーションサーバ40との間における通信制御を行う。端末用プログラム25aは、例えば、アプリケーションプログラムである。
【0018】
端末CPU24は、上記の表示制御及び通信制御を行う端末制御部として機能する。詳細には、端末CPU24は、例えば、端末タッチパネル21に表示されているアプリアイコンに対するタッチ操作が行われることに基づいて、端末用プログラム25aを読み出し、表示制御部及び通信制御に関する処理を実行する。これにより、測定機器30により測定された身体情報の受信、ナビゲーションサーバ40への移動情報の送信、及びナビゲーションサーバ40からの案内情報の受信を行う。詳細については後述する。
【0019】
測定機器30は、ユーザの体重及び体脂肪率を測定する体重計であり、ユーザの体重及び体脂肪率を測定する測定部31と、ユーザ端末20と通信を行う測定通信部32と、測定CPU33と、測定メモリ34とを備えている。測定CPU33は、測定メモリ34に記憶されている各種プログラムを実行することにより、予め登録された登録ユーザを識別する認証制御、登録ユーザに対応付けられたユーザ端末20への測定結果の送信する通信制御を行う。
【0020】
ナビゲーションサーバ40は、ユーザ端末20と通信を行うサーバ通信部41と、サーバCPU42と、サーバメモリ43とを備えている。
サーバCPU42は、サーバメモリ43に記憶されている各種プログラムを実行することにより、ユーザ端末20との間における通信制御や案内情報の生成を行う。詳細については後述する。
【0021】
サーバメモリ43には、ユーザ端末20との間で所定の情報を送受信するための通信制御、及び案内情報の生成に関するサーバ用プログラム43aが記憶されている。サーバCPU42は、サーバ用プログラム43aを読み出し実行することによってユーザ端末20との間の通信制御及び案内情報の生成に関する制御を行う。
【0022】
また、サーバメモリ43には、ユーザ端末20から送信されたユーザの身体情報及び摂取情報をユーザごとに記憶する第1記憶部43bと、時刻表などの公共交通機関の運行情報及び地図データを記憶する第2記憶部43cとが設けられている。
【0023】
以下では、ナビゲーションシステム10によりユーザ端末20へ出発地から目的地までの案内情報を提供する案内情報提供に係る構成について説明する。
ナビゲーションシステム10は、ユーザ端末20、測定機器30、及びナビゲーションサーバ40がそれぞれ、案内情報提供に係る処理を実行することにより、以下に記載する身体情報記憶ステップ、摂取情報記憶ステップ、及びナビゲーションステップを行うように構成されている。
【0024】
ナビゲーションステップは、ユーザにより指定された出発地から目的地までの案内情報を生成して提供するためのステップである。身体情報記憶ステップ及び摂取情報記憶ステップは、ナビゲーションステップにおける案内情報の生成に先立って、案内情報の生成に用いるためのユーザの身体情報及び摂取情報を事前に取得し、記憶しておくためのステップである。
【0025】
(身体情報記憶ステップ)
身体情報記憶ステップは、ユーザの身体情報をユーザ端末20からナビゲーションサーバ40に送信し、ナビゲーションサーバ40のサーバメモリ43に記憶させる工程である。
【0026】
身体情報記憶ステップにおいて取得されるユーザの身体情報は、必須構成として、ユーザの体重及び体脂肪率を含む。また、ユーザの身体情報は、体重及び体脂肪率以外の任意構成を含むものであってもよい。任意構成としては、例えば、BMI値(ボディマス指数)、血圧、脈拍、血糖値、体水分率、体筋肉率、骨密度、基礎代謝から選ばれる1種又は複数種が挙げられる。本実施形態では、一例として、ユーザの身体情報が体重及び体脂肪率から構成される場合について説明する。
【0027】
図2に示すように、ユーザ端末20の端末CPU24は、S101にて、身体情報記憶ステップを開始するための開始操作が行われるまで待機する。例えば、端末CPU24は、端末タッチパネル21に表示されているアプリアイコンに対するタッチ操作が行われることに基づいて、端末用プログラム25aを読み出し、端末タッチパネル21に身体情報記憶ステップを開始するための身体情報アイコンが表示された画面を表示させる(図示略)。この場合、開始操作は、身体情報アイコンに対するタッチ操作である。
【0028】
端末CPU24は、開始操作が行われた場合、詳細には端末タッチセンサ22によって身体情報アイコンへのタッチ操作が検知された場合には、体重及び体脂肪率を入力するための身体情報入力画面を表示させる(図示略)。端末CPU24は、身体情報入力画面を表示させた後、ステップS102にて、体重及び体脂肪率の入力が行われるまで待機している。
【0029】
この状態において、ユーザが測定機器30を用いて体重及び体脂肪率を測定するための操作を行うことによって、体重及び体脂肪率の入力が行われる。詳述すると、ユーザは、測定機器30を操作して、登録ユーザを特定するための認証を行うとともに、体重及び体脂肪率を測定する操作を行う。
【0030】
測定機器30の測定CPU33は、体重及び体脂肪率の測定が完了すると、登録ユーザに対応付けられたユーザ端末20へ測定結果を送信する。なお、ユーザ端末20への体重及び体脂肪率の入力は、測定機器30の認証制御及び送信制御を利用した上記の自動入力に代えて、ユーザの手作業により数値を入力する手動入力であってもよい。
【0031】
端末CPU24は、S103にて、入力された身体情報の送信操作が行われるまで待機する。送信操作は、身体情報入力画面に設けられる送信アイコンに対するタッチ操作である。
【0032】
端末CPU24は、送信操作が行われた場合、詳細には端末タッチセンサ22によって送信アイコンへのタッチ操作が検知された場合には、ステップS104にて、入力された身体情報をナビゲーションサーバ40へ送信して、ユーザ端末20における身体情報記憶ステップ処理を終了する。
【0033】
次に、ナビゲーションサーバ40のサーバCPU42は、S105にて、ユーザ端末20から送信された身体情報を受信する。身体情報が受信された場合、サーバCPU42は、S106にて、受信された身体情報を第1記憶部43bに記憶して、ナビゲーションサーバ40における身体情報記憶ステップ処理を終了する。
【0034】
(摂取情報記憶ステップ)
摂取情報記憶ステップは、ユーザの摂取情報をユーザ端末20からナビゲーションサーバ40に送信し、ナビゲーションサーバ40のサーバメモリ43に記憶させる工程である。
【0035】
摂取情報記憶ステップにおいて取得されるユーザの摂取情報は、ユーザの食事内容に基づく摂取情報である。上記摂取情報は、例えば、1回の食事にて摂取したカロリー摂取量及び栄養成分の一方又は両方である。上記栄養成分としては、例えば、たんぱく質、食塩、カリウム、リン、カルシウム、水分、鉄、脂質、コレステロール、炭水化物、食物繊維、ナトリウム、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、チアミン、糖分、飽和脂肪酸から選ばれる1種又は複数種が挙げられる。なお、上記摂取情報は、カロリー摂取量、たんぱく質、食塩、カリウム、リン、カルシウム、水分、鉄、脂質、コレステロール、炭水化物、食物繊維、ナトリウム、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、チアミン、糖分、飽和脂肪酸であることが好ましい。
【0036】
図3に示すように、ユーザ端末20の端末CPU24は、S201にて、摂取情報記憶ステップを開始するための開始操作が行われるまで待機する。例えば、端末CPU24は、端末タッチパネル21に表示されているアプリアイコンに対するタッチ操作が行われることに基づいて、端末用プログラム25aを読み出し、端末タッチパネル21に摂取情報記憶ステップを開始するための摂取情報アイコンが表示された画面を表示させる(図示略)。この場合、開始操作は、摂取情報アイコンに対するタッチ操作である。
【0037】
端末CPU24は、開始操作が行われた場合、詳細には端末タッチセンサ22によって摂取開始アイコンへのタッチ操作が検知された場合には、ステップS202にて、食事内容を入力するための摂取情報入力画面を表示させる(図示略)。端末CPU24は、食事内容入力画面を表示させた後、ステップS203にて、食事内容の入力が行われるまで待機している。
【0038】
この状態において、ユーザの操作に基づいて食事内容の入力が行われる。食事内容の入力方法としては、例えば、食事を構成する料理の品目及び量を入力する方法、ユーザ端末20が有するカメラ機能を用いて食事内容の画像を入力する方法が挙げられる。
【0039】
端末CPU24は、S203にて、入力された食事内容の送信操作が行われるまで待機する。送信操作は、摂取情報入力画面に設けられる送信アイコンに対するタッチ操作である。
【0040】
端末CPU24は、送信操作が行われた場合、詳細には端末タッチセンサ22によって送信アイコンへのタッチ操作が検知された場合には、ステップS204にて、入力された食事内容をナビゲーションサーバ40へ送信して、ユーザ端末20における摂取情報記憶ステップ処理を終了する。
【0041】
次に、ナビゲーションサーバ40のサーバCPU42は、S205にて、ユーザ端末20から送信された食事内容を受信する。身体情報が受信された場合、サーバCPU42は、S206にて、受信した食事内容に基づく摂取情報、即ち、その食事内容のカロリー摂取量、及びその食事内容に含まれる各栄養成分を算出する。そして、サーバCPU42は、S207にて、算出された摂取情報を第1記憶部43bに記憶して、ナビゲーションサーバ40における摂取情報記憶ステップ処理を終了する。
【0042】
なお、摂取情報は、例えば、食事内容の画像から料理の品目及び量を特定する学習済みの人工知能モデル、及び予め設定された料理の品目とカロリー摂取量及び各栄養成分との対応関係を示す対応情報を用いることにより算出できる。
【0043】
(ナビゲーションステップ)
図4に示すように、ユーザ端末20の端末CPU24は、ステップS301にて、ナビゲーションステップを開始するための開始操作が行われるまで待機する。例えば、端末CPU24は、端末タッチパネル21に表示されているアプリアイコンに対するタッチ操作が行われることに基づいて、端末用プログラム25aを読み出し、端末タッチパネル21にナビゲーションステップを開始するためのナビゲーションアイコンを表示させる(図示略)。この場合、開始操作は、ナビゲーションアイコンに対するタッチ操作である。
【0044】
端末CPU24は、開始操作が行われた場合、詳細には端末タッチセンサ22によってナビゲーションアイコンへのタッチ操作が検知された場合には、ステップS302にて、案内情報を提供するためのナビゲーション画面Gを表示させる。端末CPU24は、ナビゲーション画面Gを表示させた後、ステップS303にて、ユーザによる移動情報の入力操作及び送信操作が行われるまで待機している。移動情報は、出発地、目的地、目的地への到着時間を含む。
【0045】
図5に示すように、ナビゲーション画面Gには、出発地を入力するための出発地入力部51、目的地を入力するための目的地入力部52、及び到着時間を入力するための到着時間入力部53が表示されている。
【0046】
出発地入力部51をタッチすると、出発地の地名や施設名等を入力するための文字入力画面、又は地図上にて特定された位置を入力する地図入力画面が表示される。目的地入力部52をタッチすると、目的地の地名や施設名等を入力するための文字入力画面、又は地図上にて特定された位置を入力する地図入力画面が表示される。到着時間入力部53をタッチすると、時間入力画面が表示される。これらの各入力画面を操作することによって、タッチした入力部に対応する項目が入力される。なお、出発地入力部51には、初期入力情報として、ユーザ端末20に備えられるGPSセンサ26による検知結果に基づく現在地が予め入力されている。
【0047】
また、ナビゲーション画面Gには、確認アイコン54が設けられている。確認アイコン54は、ナビゲーションサーバ40への移動情報の送信の実行アイコンである。確認アイコン54は、出発地入力部51、目的地入力部52、及び到着時間入力部53の各項目が選択された状態にのみ操作を受け付けるように構成されている。
【0048】
図4に示すように、ステップS303の後、確認アイコン54に基づく移動情報の送信操作が行われた場合、端末CPU24は、ステップS304にて、移動情報をナビゲーションサーバ40に送信する処理を行う。そして、端末CPU24は、ステップS305にて、ナビゲーションサーバ40から案内情報を受信するまで待機する。本実施形態においては、ステップS301~S304が、出発地及び目的地を含む移動情報を設定する移動情報設定ステップに対応する。また、端末CPU24及び端末タッチパネル21が移動情報設定部に対応する。
【0049】
ナビゲーションステップにおいて、ナビゲーションサーバ40のサーバCPU42は、ステップS306にて、ユーザ端末20から送信された移動情報を受信するまで待機する。ユーザ端末20から送信された移動情報を受信した場合、サーバCPU42は、S307にて、移動情報を送信したユーザ端末20を保有するユーザに関する身体情報及び摂取情報をサーバメモリ43の第1記憶部43bから読み出すことにより取得する。取得される身体情報及び摂取情報は、それぞれ直近に記憶された最新の情報である。本実施形態においては、S307が、ユーザの身体情報を取得する身体情報取得ステップ及びユーザの摂取情報を取得する取得ステップに対応する。
【0050】
サーバCPU42は、ステップS308にて、取得した身体情報及び摂取情報に基づいて、ユーザの運動推奨ランクを判定する。運動推奨ランクは、ユーザに対して運動を推奨する度合であり、複数段階の運動推奨ランクが予め設定されている。本実施形態では、運動を推奨する度合が大きくなる順に、「A」、「B」、「C」の3段階の運動推奨ランクが設定されている。つまり、「A」、「B」、「C」の順で運動推奨ランクが高くなる。
【0051】
詳述すると、サーバCPU42は、身体情報及び摂取情報に含まれる各項目を予め設定された基準に基づいてスコア化し、身体情報及び摂取情報の総合スコアを求める。総合スコアを求める方法としては、例えば、各項目の数値とスコアとの対応関係について学習させた学習済みの人工知能モデルを用いた方法が挙げられる。
【0052】
そして、求められた総合スコアを用いて運動推奨ランクを判定する。本実施形態では、総合スコアを100点満点とし、100点満点中70点以上をランクA、50点以上70点未満をランクB、50点未満をランクCというように、予め総合スコアの点数が3段階に区分けされており、総合スコアの点数がいずれの区分けに属するかに基づいて運動推奨ランクを判定している。本実施形態では、サーバCPU42が「ランク判定部」に対応し、S308が、「ランク判定ステップ」に対応する。
【0053】
次に、サーバCPU42は、ステップS309にて、サーバメモリ43の第2記憶部43cに記憶されている運行情報及び地図データを用いて、ユーザ端末20から送信された移動情報における出発地から目的地までの移動経路、及び到着時間までに到着可能な移動手段を含む複数の案内情報を生成する。
【0054】
案内情報は、一つの一般案内情報と、一つの個別案内情報とからなる。一般案内情報は、徒歩による距離が最短となる一般的な案内情報である。個別案内情報は、判定されたユーザの運動推奨ランクに応じて、移動に要する身体的負荷、本実施形態では、徒歩や自転車による自力で移動する距離が変化するように調整されている案内情報である。
【0055】
個別案内情報には、徒歩及び自転車から選ばれる第1移動手段を用いて移動する第1移動経路と、自動車及び公共交通機関から選ばれる第2移動手段を用いて移動する第2移動経路とが含まれている。サーバCPU42は、ユーザの運動推奨ランクが高いほど、第1移動経路の距離が長くなるように移動手段を調整する。
【0056】
図6に、一般案内情報及び個別案内情報の一例を示す。個別案内情報1は、運動推奨ランクBのユーザを対象とする案内情報であり、一般案内情報と比較して、出発地からA駅までの区間の移動手段を「徒歩」+「バス」から「徒歩」に変更することにより、徒歩による移動距離が長くなっている。また、個別案内情報2は、運動推奨ランクCのユーザを対象とする案内情報であり、個別案内情報1と比較して、電車の降車駅をC駅から手前のB駅に変更し、B駅から目的地までの移動手段を「徒歩」とすることにより、徒歩による移動距離が更に長くなっている。
【0057】
サーバCPU42は、ステップS310にて、生成された一般案内情報及び個別案内情報を含む案内情報をユーザ端末20に送信する処理を行い、ナビゲーションサーバ40側におけるナビゲーションステップの処理を終了する。なお、ステップS310の後は、ステップS306へと戻り、ユーザ端末20からの移動情報の受信を待機する状態となる。
【0058】
ナビゲーションサーバ40からの送信された一般案内情報及び個別案内情報をユーザ端末20が受信した場合、端末CPU24は、ステップS311にて、端末タッチパネル21に表示されているナビゲーション画面Gの結果表示部55に案内情報である一般案内情報及び個別案内情報を表示させる(図5参照)。そして、ユーザ端末20側におけるナビゲーションステップの処理を終了する。ナビゲーション画面Gにおける結果表示部55の表示によって、ユーザに対して案内情報が提供される。本実施形態においては、端末CPU24及び端末タッチパネル21が案内情報提供部に対応する。また、ステップS311が案内情報提供ステップに対応する。
【0059】
図7に、ユーザの運動推奨ランクが「C」である場合に、ナビゲーション画面Gの結果表示部55に表示される一般案内情報及び個別案内情報の一例を示す。結果表示部55に表示される一般案内情報及び個別案内情報には、それぞれの案内情報に従って移動した場合の到着時間、所要時間、移動手段の組み合わせ、消費カロリー、徒歩による移動距離が表示される。個別案内情報には、ユーザの運動推奨ランクが表示される。
【0060】
また、結果表示部55に表示される一般案内情報及び個別案内情報にはそれぞれ、詳細アイコン56及び地図アイコン57が設けられている。詳細アイコン56をタッチすると、移動手段に用いる列車の時刻情報や路線情報、移動手段が切り替わる区間ごとの移動時間等の移動手段に関する具体的な情報が表示される(図示略)。また、地図アイコン57をタッチすると、地図上に移動経路が強調表示された移動経路を示す地図情報が表示される(図示略)。
【0061】
ユーザは、結果表示部55に表示される個別案内情報を確認することにより、自身の健康状態に適した運動量の移動経路及び移動手段を把握することができる。そして、結果表示部55に表示される個別案内情報に従って移動することにより自身の健康状態に適した運動を行うことができる。
【0062】
次に、本実施形態の作用について説明する。
ユーザ端末20において、案内情報を要求するための操作が行われた場合、出発地及び目的地を含む移動情報がナビゲーションサーバ40へ送信される。
【0063】
ナビゲーションサーバ40において、移動情報が受信されると、移動情報を送信したユーザ端末20に対応するユーザについて、第1記憶部43bに記憶されている体重及び体脂肪率を含む身体情報並びに摂取情報が取得される。そして、受信した移動情報と、身体情報及び摂取情報とに基づいて、個別案内情報を含む案内情報が生成される。個別案内情報は、ユーザの身体情報及び摂取情報に基づいて、移動に要する身体的負荷が変化するように移動手段の利用の有無や移動手段の利用区間が調整される案内情報である。生成された個別案内情報を含む案内情報は、ユーザ端末20へ送信されて、ユーザ端末20を通じてユーザに提供される。
【0064】
次に、本実施形態の効果について記載する。
(1)ナビゲーションシステム10は、ユーザの体重及び体脂肪率を含む身体情報を取得する身体情報取得部と、ユーザの摂取情報を取得する摂取情報取得部と、出発地及び目的地を含む移動情報を設定する移動情報設定部と、出発地から目的地までの移動経路及び移動手段を含む案内情報を提供する案内情報提供部とを備えている。案内情報の一つは、ユーザごとに設定される個別案内情報であり、個別案内情報は、ユーザの身体情報及び摂取情報に基づいて、移動に要する身体的負荷が変化するように移動手段が調整される案内情報である。
【0065】
上記構成によれば、ユーザに対して、個々の健康状態に応じた適度な運動を伴う案内経路を提供することができる。また、食事内容や体重の管理と関連付けて運動を行うことが可能である。
【0066】
(2)端末用プログラム25aは、ユーザが保有するユーザ端末を、出発地及び目的地を含む移動情報を設定する移動情報設定部と、出発地から目的地までの移動経路及び移動手段を含む案内情報を提供する案内情報提供部として機能させるプログラムである。案内情報の一つは、ユーザごとに設定される個別案内情報であり、個別案内情報は、ユーザの身体情報及び摂取情報に基づいて、移動に要する身体的負荷が変化するように移動手段が調整される案内情報である。上記構成によれば、(1)の効果を奏する。
【0067】
(3)ナビゲーション方法は、出発地及び目的地を含む移動情報を設定する移動情報設定ステップと、出発地から目的地までの移動経路及び移動手段を含む案内情報を提供する案内情報提供ステップとを備えている。案内情報の少なくとも一つは、ユーザごとに設定される個別案内情報であり、個別案内情報は、ユーザの身体情報及び摂取情報に基づいて、移動に要する身体的負荷が変化するように移動手段が調整される案内情報である。上記構成によれば、(1)の効果を奏する。
【0068】
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・移動情報は、到着時間を含まない構成であってもよい。移動情報は、経由地などの出発地、目的地、到着時間以外の情報を含むものであってもよい。
【0069】
・結果表示部55には、同じ運動推奨ランクに対応する異なる2以上の個別案内情報が表示されてもよい。
・同じ運動推奨ランクに対応する異なる2以上の個別案内情報を提供する構成において、実際の移動にユーザが採用した個別案内情報を記憶しておき、以降、移動情報が一致又は類似する個別案内情報を生成する際に、過去に採用された個別案内情報を用いた補正処理を行ってもよい。例えば、一定期間内に運動推奨ランクが低下したユーザ、即ち、運動不足が解消傾向にあるユーザが採用していた個別案内情報に近づけるように個別案内情報を補正する。
【0070】
・結果表示部55には、ユーザの運動推奨ランク以外の運動推奨ランクに対応する個別案内情報が表示されてもよい。この場合、ユーザは、強めの運動をしたいときには、自身の運動推奨ランクよりも高いランクに対応した個別案内情報を採用するなど、ユーザの意思に合わせた選択を行うことができる。結果表示部55に一般案内情報を表示しない構成としてもよい。この場合、一般案内情報の生成を省略できる。
【0071】
・個別案内情報において、移動に要する身体的負荷を変化させる方法は、移動手段を調整する方法に限定されない。例えば、第1移動手段を用いて移動する第1移動経路に関して、遠回りする経路や勾配のある経路を選択することによって移動に要する身体的負荷を調整させてもよい。
【0072】
・散歩経路を提供するナビゲーションシステムであってもよい。例えば、移動情報として、出発地及び目的地を共に現在地として設定した場合に、現在地に戻る環状の徒歩経路を含む個別案内情報が提供される構成とする。
【0073】
・個別案内情報の生成に用いる身体情報は、最新の1回の情報に限定されるものではない、直近の複数回の情報であってもよい。個別案内情報の生成に用いる摂取情報についても同様である。
【0074】
・身体情報及び摂取情報に基づいて、移動に要する身体的負荷が変化するように個別案内情報を変化させる構成であれば、運動推奨ランクを判別するための構成及び運動推奨ランクを判別する判別ステップを省略してもよい。
【0075】
・ナビゲーション画面Gの具体的な表示態様は任意である。
・測定機器30は、体重計に限定されなく、血圧計や脈拍等の体重及び体脂肪率以外の身体情報を測定する機器であってもよい。また、測定機器30が省略されたナビゲーションシステム10であってもよい。
【0076】
・個別案内情報の生成に用いる摂取情報は、食事内容からカロリー摂取量及び各栄養成分を推定する健康管理アプリ等のナビゲーションシステム10に含まれないアプリケーションによって記憶されたものを利用してもよい。この場合、摂取情報を記憶するための構成を省略できる。
【0077】
・運行情報及び地図データの一方又は両方を有していないナビゲーションシステム10であってもよい。この場合、外部のデータベースから必要となる情報を取得したり、他のアプリケーションを連動させて、そのアプリケーションにより作成された情報を取得したりする情報取得部を設ける。
【0078】
・ナビゲーションシステム10は、一つのナビゲーション装置のみにより構成されるものであってもよい。例えば、各ステップがユーザ端末20にて行われる構成であってもよい。
【符号の説明】
【0079】
10…ナビゲーションシステム
20…ユーザ端末
21…端末タッチパネル
23…端末通信部
24…端末CPU
25a…端末用プログラム
40…ナビゲーションサーバ
42…サーバCPU(生成部及び提供部)
43…サーバメモリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7