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特許7556222コールセンタシステム、情報処理装置、チャット履歴表示方法及びチャット履歴表示プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】コールセンタシステム、情報処理装置、チャット履歴表示方法及びチャット履歴表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/523 20060101AFI20240918BHJP
   G06Q 10/00 20230101ALI20240918BHJP
【FI】
H04M3/523
G06Q10/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020109832
(22)【出願日】2020-06-25
(65)【公開番号】P2022007103
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲川 優斗
(72)【発明者】
【氏名】浅川 知子
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-197977(JP,A)
【文献】特開2019-087879(JP,A)
【文献】特開2007-072835(JP,A)
【文献】米国特許第09762733(US,B1)
【文献】特開2021-157669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 3/523
G06F 13/00
G06Q 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が操作する装置と、前記顧客が操作する装置との間でチャットを行うチャットサーバと、前記顧客が操作する装置との間で通話する通話端末を管理する通話サーバとを有するコールセンタシステムであって、
前記チャットサーバは、
前記顧客が操作する装置との間のチャット履歴を、当該チャット履歴を識別する識別子毎に記憶する第1の記憶部を有し、
前記顧客が操作する装置は、
前記チャットサーバとのチャット中に、顧客による通話指示の操作を検出すると、前記識別子をDTMF(Dual Tone Multiple Frequency)信号で前記通話サーバに送信する通話部を有し、
前記通話サーバは、
前記顧客が操作する装置から受信した前記DTMF信号から前記識別子を取得する取得部と、
前記識別子に対応する、前記顧客が操作する装置からの着信に関わる電話を特定する電話管理番号を第2の記憶部に記憶する管理部と、
前記電話管理番号に関わる通話端末からの前記識別子の取得要求に対して前記識別子を通知する制御部とを有し、
前記電話管理番号に関わる通話端末は、
前記識別子に対応する前記チャット履歴を前記チャットサーバ内の前記第1の記憶部から抽出する抽出部と、
前記抽出部にて抽出した前記チャット履歴を操作画面に表示させる業務処理部と
を有することを特徴とするコールセンタシステム。
【請求項2】
顧客が操作する装置との間でチャットを行うチャットサーバと接続すると共に、前記顧客が操作する装置とのチャット履歴を、当該チャット履歴を識別する識別子毎に記憶する、前記チャットサーバに備えられた記憶部にアクセス可能な情報処理装置であって、
前記顧客が操作する装置からの着信通知を受信した場合に、前記顧客が操作する装置から受信したDTMF(Dual Tone Multiple Frequency)信号から取得した前記識別子を前記チャットサーバから取得し、前記チャットサーバから取得した前記識別子に対応する前記チャット履歴を前記記憶部から抽出する抽出部と、
前記抽出部にて抽出した前記チャット履歴を操作画面に表示させる業務処理部と、
前記チャット履歴を操作画面に表示させた状態で、前記着信通知に関わる前記顧客が操作する装置との通話を開始する通話部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項3】
前記チャットサーバは、
前記顧客が操作する装置である顧客端末から受信した前記DTMF信号から前記識別子を取得することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記チャットサーバは、
前記顧客が操作する装置が仮想デスクトップを用いて通信する顧客端末である場合、前記仮想デスクトップを提供するコンピュータから受信した前記DTMF信号から前記識別子を取得することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
顧客が操作する装置との間でチャットを行うチャットサーバと接続すると共に、前記顧客が操作する装置とのチャット履歴を、当該チャット履歴を識別する識別子毎に記憶する、前記チャットサーバに備えられた記憶部にアクセス可能なコンピュータが、
前記顧客が操作する装置からの着信通知を受信した場合に、前記顧客が操作する装置から受信したDTMF(Dual Tone Multiple Frequency)信号から取得した前記識別子を前記チャットサーバから取得し、前記チャットサーバから取得した前記識別子に対応する前記チャット履歴を前記記憶部から抽出し、
抽出した前記チャット履歴を操作画面に表示させ、
前記チャット履歴を操作画面に表示させた状態で、前記着信通知に関わる前記顧客が操作する装置との通話を開始する
処理を実行することを特徴とするチャット履歴表示方法。
【請求項6】
顧客が操作する装置との間でチャットを行うチャットサーバと接続すると共に、前記顧客が操作する装置とのチャット履歴を、当該チャット履歴を識別する識別子毎に記憶する、前記チャットサーバに備えられた記憶部にアクセス可能なコンピュータに、
記顧客が操作する装置からの着信通知を受信した場合に、前記顧客が操作する装置から受信したDTMF(Dual Tone Multiple Frequency)信号から取得した前記識別子を前記チャットサーバから取得し、前記チャットサーバから取得した前記識別子に対応する前記チャット履歴を前記記憶部から抽出し、
抽出した前記チャット履歴を操作画面に表示させ、
前記チャット履歴を操作画面に表示させた状態で、前記着信通知に関わる前記顧客が操作する装置との通話を開始する
処理を実行させることを特徴とするチャット履歴表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コールセンタシステム、情報処理装置、チャット履歴表示方法及びチャット履歴表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、オペレータ端末が利用者の利用者端末からの商品又はサービスの問合せに対して応答することで、商品又はサービスの利用を支援するサポートシステムが知られている。オペレータ端末は、利用者端末との間のチャット通信で応答するチャットオペレータ端末と、利用者端末との間の音声通話で応答する音声オペレータ端末とを有する。
【0003】
利用者端末とオペレータ端末とを管理するサーバは、利用者端末からチャットによる問合せを受付けた場合、利用者端末とチャットオペレータ端末との間のチャット通信を実行する。また、サーバは、利用者端末とチャットオペレータ端末との間のチャット内容を、利用者端末を識別する利用者IDに対応付けてチャット履歴として記憶している。
【0004】
サーバは、利用者端末から音声電話による問合せを受付けた場合、利用者端末と音声オペレータ端末との間の通話を実行する。また、サーバは、音声による問合せを受付けた場合、通話音声要求に含まれる利用者IDに対応するチャット履歴を抽出し、抽出したチャット履歴を、音声による応答を行う音声オペレータ端末に転送する。その結果、音声オペレータ端末のオペレータは、利用者のチャット履歴を見ながら、利用者に対して通話で応対できる。本システムでは、単一サーバが、チャット通信のチャットシステムと、通話の通話システムとを連携する仕組みである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2007-072835号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、一般的なコールセンタシステムでは、単一サーバではなく、利用者端末と音声オペレータ端末との間を電話網で接続する通話システムを管理する通話サーバと、利用者端末とチャットオペレータ端末との間をデータ通信網で接続するチャットシステムを管理するチャットサーバとが独立したシステム構成である。通話システムとチャットシステムとが独立したシステム構成では、チャット中の通話切替時にチャット履歴を音声オペレータ端末に転送する仕組みが複雑化し、通話システムとチャットシステムとを連携させるのが困難である。
【0007】
一つの側面では、複雑な仕組みを要することなく、チャットシステムと通話システムとの連携が図れるコールセンタシステム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの側面のコールセンタシステムは、顧客が操作する装置と、顧客が操作する装置との間でチャットを行うチャットサーバと、顧客が操作する装置との間で通話する通話端末を管理する通話サーバとを有する。チャットサーバは、顧客が操作する装置との間のチャット履歴を記憶する記憶部を有する。顧客が操作する装置は、チャットサーバとのチャット中に、顧客による通話指示の操作を検出すると、当該チャット履歴を識別する識別子をDTMF(Dual Tone Multiple Frequency)信号で通話サーバに送信する通話部を有する。通話サーバは、顧客が操作する装置から受信したDTMF信号から識別子を取得する取得部と、識別子に対応する電話管理番号を記憶部に記憶する管理部と、電話管理番号に関わる通話端末からの識別子の取得要求に対して識別子を通知する制御部とを有する。電話管理番号に関わる通話端末は、識別子に対応するチャット履歴をチャットサーバ内の記憶部から抽出する抽出部と、抽出部にて抽出したチャット履歴を操作画面に表示させる業務処理部とを有する。
【発明の効果】
【0009】
1つの側面によれば、複雑な仕組みを要することなく、識別子を電話網で伝送可能なDTMF信号で伝送することで、チャットサーバのチャットシステムと通話サーバの通話システムとの連携が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施例のコールセンタシステムの一例を示す説明図である。
図2図2は、顧客端末の一例を示すブロック図である。
図3図3は、チャットサーバの一例を示すブロック図である。
図4図4は、チャット履歴DBの一例を示す説明図である。
図5図5は、通話サーバの一例を示すブロック図である。
図6図6は、管理テーブルの一例を示す説明図である。
図7図7は、通話端末の一例を示すブロック図である。
図8図8は、チャット時の顧客端末の画面の一例を示す説明図である。
図9図9は、通話端末の画面の一例を示す説明図である。
図10図10は、チャット時のコールセンタシステムの処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図11図11は、チャット中の通話ボタン操作時のコールセンタシステムの処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図12図12は、チャットから通話切替時のコールセンタシステムの処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図13図13は、顧客側処理に関わる顧客端末の処理動作の一例を示すフローチャートである。
図14図14は、顧客側処理に関わる顧客端末の処理動作の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、チャット処理に関わるチャットサーバの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図16図16は、取得処理に関わるチャットサーバの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図17図17は、転送処理に関わる通話サーバの処理動作の一例を示すフローチャートである。
図18図18は、通話処理に関わる通話端末の処理動作の一例を示すフローチャートである。
図19図19は、チャット履歴表示プログラムを実行するコンピュータの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて、本願の開示するコールセンタシステム等の実施例を詳細に説明する。尚、各実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜組み合わせても良い。
【実施例
【0012】
図1は、本実施例のコールセンタシステムの一例を示す説明図である。図1に示すコールセンタシステム1は、顧客端末2と、チャットサーバ3と、コールセンタ構内システム4と、データ通信網8と、電話網9とを有する。コールセンタシステム1は、顧客端末2からの商品やサービスの問合せに対して、オペレータ等がチャットや通話で回答するシステムである。顧客端末2は、例えば、チャット通信機能や通話機能等を備えたスマホ端末やタブレット端末等の顧客が操作する装置である。チャットサーバ3は、顧客端末2との間のチャットを管理する、例えば、コンピュータ等の情報処理装置である。尚、チャットサーバ3及び通話サーバ5は、コンピュータとして例示したが、クラウドで実現して良く、適宜変更可能である。データ通信網8は、データ通信用の通信網である。電話網9は、通話用の通信網である。
【0013】
コールセンタ構内システム4は、通話サーバ5と、複数のチャット端末6と、複数の通話端末7と、構内通信網4Aとを有する。通話サーバ5は、通話端末7を管理する、例えば、コンピュータ等の情報処理装置である。チャット端末6は、チャット応対用のオペレータが使用する端末装置である。通話端末7は、電話応対のオペレータが使用する、例えば、音声通話機能のヘッドセットを接続したコンピュータ等の情報処理装置である。尚、説明の便宜上、チャット端末6及び通話端末7は別個に設ける場合を例示したが、チャット端末6及び通話端末7は共用にしても良い。構内通信網4Aは、通話端末7と通話サーバ5との間を接続する通信網である。データ通信網8は、顧客端末2と、チャットサーバ3と、チャット端末6と、通話端末7とを接続する。電話網9は、顧客端末2と通話サーバ5との間を接続する。
【0014】
図2は、顧客端末2の一例を示すブロック図である。図2に示す顧客端末2は、データ通信IF(Interface)21と、電話通信IF22と、入力IF23と、出力IF24と、ROM(Read Only Memory)25と、RAM(Random Access Memory)26と、CPU(Central Processing Unit)27とを有する。データ通信IF21は、データ通信網8との間のデータ通信を司るインタフェースである。電話通信IF22は、電話網9との間の電話通信を司るインタフェースである。入力IF23は、例えば、コマンド等を指示する操作ボタンや、顧客側の電話音声を収音するマイク等のインタフェースである。出力IF24は、例えば、チャット内容等の各種情報を表示する表示部や相手側の電話音声を音響出力するスピーカ等のインタフェースである。ROM25は、各種プログラム等を記憶する領域である。RAM26は、各種情報を記憶する領域である。CPU27は、顧客端末2全体を制御する。
【0015】
CPU27は、ROM25内のチャット通信プログラムをRAM26上に読み出し、読み出したチャット通信プログラムを実行することで、プロセス機能としてのチャット通信部27Aを有する。CPU27は、ROM25内の通話プログラムをRAM26上に読み出し、読み出した通話プログラムを実行することで、プロセス機能としての通話部27Bを有する。CPU27は、ROM25内の生成プログラムをRAM26上に読み出し、読み出した生成プログラムを実行することで、プロセス機能としての生成部27Cを有する。
【0016】
チャット通信部27Aは、チャットサーバ3と接続し、チャット自動応対装置34又はチャット端末6との間でチャット通信を実行する。通話部27Bは、通話サーバ5内の自動音声応答装置55と接続し、通話端末7との間で通話を実行する。生成部27Cは、チャット中に通話の切替操作を検出した場合、チャット中のチャット履歴を識別するKEY情報を生成する。尚、切替操作に限定されるものではなく、例えば、顧客による通話指示の操作でも良く、適宜変更可能である。生成部27Cは、現在日時と、チャット履歴に関わる顧客端末2の端末固有番号と、乱数とを連結した、DTMF(Dual Tone Multiple Frequency)信号に変換可能な文字列でKEY情報を生成する。
【0017】
図3は、チャットサーバ3の一例を示すブロック図である。図3に示すチャットサーバ3は、データ通信IF31と、入力IF32と、出力IF33と、チャット自動応対装置34と、ROM35と、RAM36と、HDD(Hard Disk Drive)37と、CPU38とを有する。データ通信IF31は、データ通信網8との間のデータ通信を司るインタフェースである。入力IF32は、例えば、コマンド等を指示する操作ボタン等のインタフェースである。出力IF33は、例えば、チャット内容等の各種情報を表示する表示部等のインタフェースである。チャット自動応対装置34は、顧客端末2からのチャット問合せに対して自動応対する、例えば、チャットボット等の自動応対装置である。
【0018】
ROM35は、各種プログラム等を記憶する領域である。RAM36は、各種情報を記憶する領域である。HDD37は、各種情報を記憶する領域である。CPU38は、チャットサーバ3全体を制御する。尚、説明の便宜上、チャット自動応対装置34は、チャットサーバ3内に有する場合を例示するが、チャットサーバ3と外部接続しても良く、適宜変更可能である。
【0019】
HDD37は、チャット履歴DB(Database)37Aを有する。チャット履歴DB37Aは、顧客端末2とのチャット履歴を記憶する記憶部である。図4は、チャット履歴DB37Aの一例を示す説明図である。図4に示すチャット履歴DB37Aは、ログID371と、セッションID372と、セッション内ID373と、発話内容374と、発話者375と、発話日時376とを対応付けて記憶する。ログID371は、チャット毎のログを識別するIDである。セッションID372は、セッションを識別するIDである。セッション内ID373は、同一セッションのチャット毎のログを識別するIDである。発話内容374は、例えば、チャットの内容である。発話者375は、例えば、チャットの発話がチャットボットか、オペレータか、顧客かを識別する情報である。発話日時376は、例えば、チャットの発話日時である。
【0020】
チャットサーバ3は、図4に示す顧客とチャットボット(チャット自動応対装置34)との間のチャット履歴を抽出する場合、顧客とチャットボットとのセッションを識別する“aaaa”に対応するチャット履歴を抽出できる。また、チャットサーバ3は、図4に示す顧客とオペレータ(チャット端末6)との間のチャット履歴を抽出する場合、顧客とオペレータとのセッションを識別する“bbbb”に対応するチャット履歴を抽出できる。また、チャットサーバ3は、図4に示すチャットボットが顧客に応対後、オペレータが当該顧客に応対し、更には、音声オペレータに切替えるまでのチャット履歴を抽出する場合、これらのセッションを識別する“cccc”でチャット履歴を抽出できる。
【0021】
発話内容374には、KEY情報が含まれている場合がある。KEY情報は、前述した通り、顧客端末2とのチャット中に通話切替された当該顧客端末2のチャットの履歴を識別する情報である。通話端末7は、チャット履歴をチャット履歴DB37Aから抽出する場合、当該チャット履歴を識別するKEY情報のセッションIDに対応したチャット履歴をチャット履歴DB37Aから検索する。通話端末7は、検索結果で得たセッションIDのチャット履歴をチャット履歴DB37Aから抽出する。
【0022】
図5は、通話サーバ5の一例を示すブロック図である。図5に示す通話サーバ5は、電話通信IF51と、構内通信IF52と、入力IF53と、出力IF54と、自動音声応答装置55と、ACD(Automatic Call Distributer)装置55Aと、ROM56と、RAM57と、HDD58と、CPU59とを有する。電話通信IF51は、電話網9との間の電話通信を司るインタフェースである。構内通信IF52は、構内通信網4Aとの間の通信を司るインタフェースである。入力IF53は、例えば、コマンド等を指示する操作ボタン等のインタフェースである。出力IF54は、例えば、各種情報を表示する表示部等のインタフェースである。
【0023】
自動音声応答装置55は、顧客端末2からの着信に自動応答し、チャット履歴を識別するKEY情報を受信し、ACD装置55Aに処理を引き継ぐ装置である。ACD装置55Aは、複数の通話端末7から任意の通話端末7を選択し、選択した通話端末7に対して顧客端末2からの着信を転送する応答装置である。ROM56は、各種プログラム等を記憶する領域である。RAM57は、各種情報を記憶する領域である。HDD58は、各種情報を記憶する領域である。CPU59は、通話サーバ5全体を制御する。尚、説明の便宜上、自動音声応答装置55は、通話サーバ5内に有する場合を例示するが、通話サーバ5と外部接続しても良く、適宜変更可能である。
【0024】
CPU59は、ROM56内の取得プログラムをRAM57上に読み出し、読み出した取得プログラムを実行することで、プロセス機能としての取得部59Aを有する。CPU59は、ROM56内の抽出プログラムをRAM57上に読み出し、読み出した抽出プログラムを実行することで、プロセス機能としての管理部59Bを有する。CPU59は、ROM56内の制御プログラムをRAM57上に読み出し、読み出した制御プログラムを実行することで、プロセス機能としての制御部59Cを有する。
【0025】
HDD58は、管理テーブル58Aを有する。図6は、管理テーブル58Aの一例を示す説明図である。図6に示す管理テーブル58Aは、電話管理番号581と、KEY情報582とを対応付けて管理する。電話管理番号581は、顧客端末2からの着信の電話呼を管理する番号である。KEY情報582は、電話呼の顧客端末2に対応するチャット履歴を識別する文字列である。文字列は、DTMF信号に変換可能な文字列である。
【0026】
図7は、通話端末7の一例を示すブロック図である。図7に示す通話端末7は、電話通信IF71と、構内通信IF72と、入力IF73と、出力IF74と、ROM75と、RAM76と、HDD77と、CPU78とを有する。電話通信IF71は、電話網9との間の電話通信を司るインタフェースである。構内通信IF72は、構内通信網4Aとの間の通信を司ると共に、データ通信網8との間の通信を司るインタフェースである。入力IF73は、例えば、コマンド等を指示する操作ボタンやオペレータ側の通話音声を集音するマイク等のインタフェースである。出力IF74は、例えば、各種情報を表示する表示部や相手側の通話音声を出力するスピーカ等のインタフェースである。
【0027】
ROM75は、各種プログラム等を記憶する領域である。RAM76は、各種情報を記憶する領域である。HDD77は、各種情報を記憶する領域である。CPU78は、通話端末7全体を制御する。
【0028】
CPU78は、ROM75内の通話プログラムをRAM76上に読み出し、読み出した通話プログラムを実行することで、プロセス機能としての通話部78Aを有する。CPU78は、ROM75内の抽出プログラムをRAM76上に読み出し、読み出した抽出プログラムを実行することで、プロセス機能としての抽出部78Bを有する。CPU78は、ROM75内の業務プログラムをRAM76上に読み出し、読み出した業務プログラムを実行することで、プロセス機能としての業務処理部78Cを有する。
【0029】
図8は、チャット時の顧客端末2の画面の一例を示す説明図である。図8に示す顧客端末2の画面には、チャット内容画面24Aと、チャット入力欄24Bと、送信ボタン24Cと、通話ボタン24Dとを有する。チャット内容画面24Aは、顧客側のチャット内容と、応対(オペレータ)側のチャット内容とが時系列で表示されるものである。チャット入力欄24Bは、顧客側のチャット内容を入力する欄である。送信ボタン24Cは、チャット入力欄24Bに入力したチャット内容を応対(オペレータ)側に送信するボタンである。通話ボタン24Dは、チャット中に通話に切替えるためのボタンである。
【0030】
図9は、通話端末7の画面の一例を示す説明図である。図9に示す通話端末7の画面は、業務アプリ画面74Aと、電話機能画面74Bとを有する。業務アプリ画面74Aは、顧客情報741Aと、チャット履歴742Aとを有する。顧客情報741Aは、例えば、顧客名と、顧客の購買履歴と、顧客の問合せ履歴等とを有する。チャット履歴742Aは、通話前の顧客のチャット内容を示すチャット履歴である。
【0031】
電話機能画面74Bは、現在の通話端末7の状態を示す状態情報741Bと、応答ボタン742Bと、切断ボタン743Bと、保留ボタン744Bと、転送ボタン745Bとを有する。状態情報741Bは、例えば、着信中、通話中や保留中等の通話端末7の状態情報である。更に、状態情報741Bには、着信番号やチャット履歴の有無の情報がある。応答ボタン742Bは、電話着信に応答するボタンである。切断ボタン743Bは、通話を切断するボタンである。保留ボタン744Bは、通話を保留するボタンである。転送ボタン745Bは、通話を転送するボタンである。
【0032】
次に本実施例のコールセンタシステム1の動作について説明する。図10は、チャット時のコールセンタシステム1の処理動作の一例を示すシーケンス図である。図10において顧客端末2は、チャット開始操作を検出した場合(ステップS1)、データ通信網8経由でチャット開始要求をチャットサーバ3に送信する(ステップS2)。尚、チャット開始操作は、チャット自動応対装置34とのチャット通信を開始するための操作である。チャットサーバ3は、チャット開始要求に応じてチャット開始要求をチャット自動応対装置34に送信する(ステップS3)。
【0033】
チャットサーバ3は、顧客端末2とチャット自動応対装置34との間のチャット通信を監視し(ステップS4)、顧客端末2とチャット自動応対装置34との間のチャット内容をチャット履歴DB37Aに順次保存する(ステップS5)。
【0034】
顧客端末2は、有人チャット開始操作を検出した場合(ステップS6A)、有人チャット開始要求をチャットサーバ3に送信する(ステップS6)。チャットサーバ3は、有人チャット開始要求を検出した場合、顧客端末2とのチャット通信をチャット自動応対装置34からチャット端末6に切替える(ステップS7)。チャットサーバ3は、データ通信網8経由で有人チャット開始要求をチャット端末6に送信する(ステップS8)。チャットサーバ3は、顧客端末2とチャット端末6との間のチャット通信を監視し(ステップS9)、顧客端末2とチャット端末6との間のチャット内容をチャット履歴DB37Aに順次保存する(ステップS10)。
【0035】
図11は、チャット中の通話ボタン操作時のコールセンタシステム1の処理動作の一例を示すシーケンス図である。図11において顧客端末2は、チャット自動応対装置34又はチャット端末6との間のチャット中に通話ボタン24Dのボタン操作を検出した場合(ステップS11及びS12)、KEY情報を生成する(ステップS13)。尚、KEY情報は、セッションID毎のチャット履歴を識別するDTMF信号に変換可能な文字列である。
【0036】
顧客端末2は、生成したKEY情報をチャットサーバ3に送信する(ステップS14)。チャットサーバ3は、KEY情報を受信した場合、KEY情報をチャット履歴DB37Aに保存する(ステップS15)。尚、KEY情報は、顧客端末2のチャットと同一のセッションIDで保存するものとする。そして、顧客端末2及びチャットサーバ3は、チャット通信の処理を終了する(ステップS16)。
【0037】
図12は、チャットから通話切替時のコールセンタシステム1の処理動作の一例を示すシーケンス図である。図12において顧客端末2は、ステップS16にてチャット通信の処理を終了した場合、電話網9を経由してコールセンタ構内システム4の通話サーバ5内の自動音声応答装置55に対して電話発信する(ステップS17)。尚、電話発信は、ステップS12の通話ボタン24Dのボタン操作による電話発信である。通話サーバ5内の自動音声応答装置55は、顧客端末2からの着信(電話発信)に自動応答する(ステップS18)。
【0038】
顧客端末2は、自動音声応答装置55からの応答信号に応じてKEY情報をDTMF信号に変換し、変換後のDTMF信号を通話サーバ5に電話網9経由で送信する(ステップS19)。通話サーバ5内の管理部59Bは、当該顧客端末2からの着信に関わる電話を特定する電話管理番号と、DTMF信号からのKEY情報とを対応付けて管理テーブル58Aに保存する(ステップS20)。
【0039】
通話サーバ5内のACD装置55Aは、通話端末7への転送を行う。そして、ACD装置55Aは、複数の通話端末7から、顧客端末2からの着信を転送する転送先の通話端末7を選択する(ステップS20A)。ACD装置55Aは、選択した転送先の通話端末7に対して、電話管理番号を含む着信通知を構内通信網4A経由で転送する(ステップS21)。
【0040】
通話端末7内の通話部78Aは、着信通知から電話管理番号を抽出し、抽出した電話管理番号を通話端末7内の業務処理部78Cに通知する(ステップS22)。業務処理部78Cは、電話管理番号を含むKEY取得要求を通話サーバ5に構内通信網4A経由で送信する(ステップS23)。通話サーバ5は、KEY取得要求内の電話管理番号を抽出し、抽出した電話管理番号に対応するKEY情報を管理テーブル58Aから抽出する。そして、通話サーバ5は、電話管理番号に対応するKEY情報を通話端末7の業務処理部78Cに構内通信網4A経由で送信する(ステップS24)。
【0041】
通話端末7内の業務処理部78Cは、KEY情報を受信した場合、KEY情報を含むチャット履歴取得要求をチャットサーバ3にデータ通信網8経由で送信する(ステップS25)。チャットサーバ3は、チャット履歴取得要求を受信した場合、チャット履歴をチャット履歴DB37Aから取得し、通話端末7内の業務処理部78Cにデータ通信網8経由で送信する(ステップS26)。業務処理部78Cは、チャットサーバ3から取得した履歴からKEY情報に対応するセッションIDのチャット履歴を抽出し(ステップS26A)、チャット履歴を画面表示する(ステップS27)。その結果、通話端末7のオペレータは、通話前に応対する顧客のチャット履歴を確認し、顧客に通話で応対できる。通話端末7内の通話部78Aは、電話網9経由で顧客端末2との間で通話を開始する(ステップS28)。
【0042】
図13は、顧客側処理に関わる顧客端末2の処理動作の一例を示すフローチャートである。図13において顧客端末2は、チャット開始操作を検出したか否かを判定する(ステップS31)。顧客端末2は、チャット開始操作を検出した場合(ステップS31:Yes)、チャット開始要求をチャットサーバ3にデータ通信網8経由で送信する(ステップS32)。
【0043】
顧客端末2は、チャットサーバ3からチャット開始要求に対する応答信号を受信したか否かを判定する(ステップS33)。顧客端末2は、応答信号を受信した場合(ステップS33:Yes)、チャットサーバ3経由でチャット自動応対装置34との通信を確立する(ステップS34)。
【0044】
顧客端末2は、問合せ内容の入力操作を検出したか否かを判定する(ステップS35)。顧客端末2は、問合せ内容の入力操作を検出した場合(ステップS35:Yes)、問合せ内容を画面表示する(ステップS36)。更に、顧客端末2は、入力した問合せ内容をチャットサーバ3にデータ通信網8経由で送信する(ステップS37)。尚、チャットサーバ3は、受信した問合せ内容をチャット自動応対装置34に送信する。チャット自動応対装置34は、問合せ内容に対応する応答内容を自動選択し、応答内容をチャットサーバ3に送信する。そして、チャットサーバ3は、受信した応答内容をデータ通信網8経由で顧客端末2に送信することになる。
【0045】
顧客端末2は、チャット自動応対装置34からの応答内容をチャットサーバ3からデータ通信網8経由で受信したか否かを判定する(ステップS38)。顧客端末2は、応答内容を受信した場合(ステップS38:Yes)、応答内容を画面表示する(ステップS39)。その結果、顧客は、画面表示中の応答内容を見て応答内容を認識できる。
【0046】
顧客端末2は、通話ボタン24Dのボタン操作を検出したか否かを判定する(ステップS40)。顧客端末2は、通話ボタン24Dのボタン操作を検出したのでない場合(ステップS40:No)、チャット終了操作を検出したか否かを判定する(ステップS41)。顧客端末2は、チャット終了操作を検出しなかった場合(ステップS41:No)、有人チャット開始操作を検出したか否かを判定する(ステップS42)。
【0047】
顧客端末2は、有人チャット開始操作を検出しなかった場合(ステップS42:No)、問合せ内容の入力操作を検出したか否かを判定すべく、ステップS35に移行する。顧客端末2は、有人チャット開始操作を検出した場合(ステップS42:Yes)、有人チャット開始要求をチャットサーバ3に送信する(ステップS43)。
【0048】
顧客端末2は、チャットサーバ3からの有人チャット開始要求に対する応答信号を受信したか否かを判定する(ステップS44)。顧客端末2は、有人チャット開始要求に対する応答信号を受信した場合(ステップS44;Yes)、チャットサーバ3を経由してチャット端末6との通信を確立する(ステップS45)。
【0049】
顧客端末2は、チャット端末6との通信を確立した後、問合せ内容の入力操作を検出したか否かを判定する(ステップS46)。顧客端末2は、問合せ内容の入力操作を検出した場合(ステップS46:Yes)、問合せ内容を画面表示する(ステップS47)。更に、顧客端末2は、入力した問合せ内容をチャットサーバ3にデータ通信網8経由で送信する(ステップS48)。尚、チャットサーバ3は、受信した問合せ内容をチャット端末6に送信する。チャット端末6のオペレータは、問合せ内容に応じて応答内容を入力し、応答内容をチャットサーバ3に送信する。そして、チャットサーバ3は、受信した応答内容をデータ通信網8経由で顧客端末2に送信することになる。
【0050】
顧客端末2は、チャットサーバ3から問合せ内容に対する応答内容をデータ通信網8経由で受信したか否かを判定する(ステップS49)。顧客端末2は、応答内容を受信した場合(ステップS49:Yes)、応答内容を画面表示する(ステップS50)。その結果、顧客は、画面表示中の応答内容を見て応答内容を認識できる。
【0051】
顧客端末2は、通話ボタン24Dのボタン操作を検出したか否かを判定する(ステップS51)。顧客端末2は、通話ボタン24Dのボタン操作を検出しなかった場合(ステップS51:No)、チャット終了操作を検出したか否かを判定する(ステップS52)。顧客端末2は、チャット終了操作を検出しなかった場合(ステップS52:No)、問合せ内容の入力操作を検出したか否かを判定すべく、ステップS46に移行する。
【0052】
また、顧客端末2は、チャット終了操作を検出した場合(ステップS52:Yes)、チャット通信を終了するチャット通信終了要求をチャットサーバ3にデータ通信網8経由で送信する(ステップS53)。そして、顧客端末2は、チャット通信を終了し(ステップS54)、図13に示す処理動作を終了する。
【0053】
また、顧客端末2は、チャット開始操作を検出しなかった場合(ステップS31:No)、図13に示す処理動作を終了する。また、顧客端末2は、チャットサーバ3からの応答信号を受信しなかった場合(ステップS33:No)、応答信号を受信したか否かを判定すべく、ステップS33に移行する。
【0054】
また、顧客端末2は、問合せ内容の入力操作を検出しなかった場合(ステップS35:No)、通話ボタン24Dのボタン操作を検出したか否かを判定すべく、ステップS40に移行する。また、顧客端末2は、チャットサーバ3から応答内容を受信しなかった場合(ステップS38:No)、チャット自動応対装置34からの応答内容を受信したか否かを判定すべく、ステップS38に移行する。
【0055】
また、顧客端末2は、通話ボタン24Dのボタン操作を検出した場合(ステップS40:Yes)、チャット中から通話に切替えるべく、図14に示すM1に移行する。顧客端末2は、チャット終了操作を検出した場合(ステップS41:Yes)、チャット通信終了要求をチャットサーバ3に送信すべく、ステップS53に移行する。
【0056】
また、顧客端末2は、チャットサーバ3からの応答信号を受信しなかった場合(ステップS44:No)、応答信号を受信したか否かを判定すべく、ステップS44に移行する。また、顧客端末2は、問合せ内容の入力操作を検出しなかった場合(ステップS46:No)、通話ボタン24Dのボタン操作を検出したか否かを判定すべく、ステップS51に移行する。また、顧客端末2は、チャットサーバ3から応答内容を受信しなかった場合(ステップS49:No)、チャット端末6からの応答内容を受信したか否かを判定すべく、ステップS49に移行する。また、顧客端末2は、通話ボタン24Dのボタン操作を検出した場合(ステップS51:Yes)、図14に示すM1に移行する。
【0057】
図14は、顧客側処理に関わる顧客端末2の処理動作の一例を示すフローチャートである。図14に示すM1において顧客端末2は、現在日時と、顧客端末2の端末固有番号と、乱数とを繋げてKEY情報を生成する(ステップS61)。尚、KEY情報は、チャット中のセッションIDのチャット履歴をチャット履歴DB37Aから抽出するための識別子である。顧客端末2は、生成したKEY情報をチャットサーバ3にデータ通信網8経由で送信する(ステップS62)。顧客端末2は、チャットサーバ3とのチャット通信を終了し(ステップS63)、オペレータとの通話を開始すべく、通話サーバ5内の自動音声応答装置55に対して電話網9経由で電話発信する(ステップS64)。
【0058】
顧客端末2は、自動音声応答装置55からの応答信号を受信したか否かを判定する(ステップS65)。顧客端末2は、自動音声応答装置55からの応答信号を受信した場合(ステップS65:Yes)、KEY情報をDTMF信号に変換し、変換後のDTMF信号を通話サーバ5の自動音声応答装置55に電話網9経由で送信する(ステップS66)。このとき、自動音声応答装置55は、通話サーバ5のHDD58内の管理テーブル58AにDTMF信号を変換した文字列と電話管理用の番号を紐づけて保存する。
【0059】
顧客端末2は、ACD装置55Aによって電話転送され、通話端末7との通信を確立し(ステップS67)、通話端末7との通話を開始する(ステップS68)。顧客端末2の顧客は、通話端末7のオペレータと通話で問合せできる。顧客端末2は、通話を開始した後、通話の切断操作を検出したか否かを判定する(ステップS69)。顧客端末2は、通話の切断操作を検出した場合(ステップS69:Yes)、通話端末7の通話を終了し(ステップS70)、図14に示す処理動作を終了する。
【0060】
顧客端末2は、自動音声応答装置55からの応答信号を受信しなかった場合(ステップS65:No)、自動音声応答装置55からの応答信号を受信したか否かを判定すべく、ステップS65に移行する。顧客端末2は、通話の切断操作を検出しなかった場合(ステップS69:No)、通話の切断操作を検出したか否かを判定すべく、ステップS69に移行する。
【0061】
図15は、チャット処理に関わるチャットサーバ3の処理動作の一例を示すフローチャートである。図15においてチャットサーバ3は、顧客端末2からのチャット開始要求をデータ通信網8経由で受信したか否かを判定する(ステップS71)。チャットサーバ3は、チャット開始要求を受信した場合(ステップS71:Yes)、チャット自動応対装置34との通信を確立する(ステップS72)。
【0062】
チャットサーバ3は、チャット自動応対装置34との通信を確立した後、顧客端末2に対して応答信号を送信する(ステップS73)。チャットサーバ3は、顧客端末2から問合せ内容を受信したか否かを判定する(ステップS74)。
【0063】
チャットサーバ3は、問合せ内容を受信した場合(ステップS74:Yes)、問合せ内容としての発話内容、セッションID、セッション内ID、発話者及び発話日時を対応付けたチャット履歴をチャット履歴DB37Aに保存する(ステップS75)。チャットサーバ3内のチャット自動応対装置34は、問合せ内容に対する応答内容を生成し(ステップS76)、応答内容を顧客端末2に送信する(ステップS77)。
【0064】
チャットサーバ3は、応答内容としての発話内容、セッションID、セッション内ID、発話者及び発話日時を対応付けてチャット履歴をチャット履歴DB37A内に保存する(ステップS78)。チャットサーバ3は、顧客端末2からのチャット終了要求を受信したか否かを判定する(ステップS79)。チャットサーバ3は、顧客端末2からのチャット終了要求を受信した場合(ステップS79:Yes)、顧客端末2とのチャット通信を終了し(ステップS80)、図15に示す処理動作を終了する。
【0065】
チャットサーバ3は、顧客端末2からのチャット終了要求を受信しなかった場合(ステップS79:No)、顧客端末2から有人チャット開始要求を受信したか否かを判定する(ステップS81)。チャットサーバ3は、有人チャット開始要求を受信した場合(ステップS81:Yes)、チャット端末6との通信を確立する(ステップS82)。
【0066】
チャットサーバ3は、チャット端末6との通信を確立した後、顧客端末2に対して応答信号を送信する(ステップS83)。チャットサーバ3は、顧客端末2から問合せ内容を受信したか否かを判定する(ステップS84)。
【0067】
チャットサーバ3は、問合せ内容を受信した場合(ステップS84:Yes)、問合せ内容としての発話内容、セッションID、セッション内ID、発話者及び発話日時を対応付けたチャット履歴をチャット履歴DB37Aに保存する(ステップS85)。チャットサーバ3は、問合せ内容をチャット端末6に転送する(ステップS86)。チャットサーバ3は、チャット端末6からの問合せ内容に対する応答内容を受信したか否かを判定する(ステップS87)。チャットサーバ3は、応答内容を受信した場合(ステップS87:Yes)、応答内容を顧客端末2に送信する(ステップS88)。
【0068】
チャットサーバ3は、応答内容としての発話内容、セッションID、セッション内ID、発話者及び発話日時を対応付けてチャット履歴をチャット履歴DB37A内に保存する(ステップS89)。チャットサーバ3は、顧客端末2からのチャット終了要求を受信したか否かを判定する(ステップS90)。チャットサーバ3は、顧客端末2からのチャット終了要求を受信した場合(ステップS90:Yes)、顧客端末2とのチャット通信を終了すべく、ステップS80に移行する。
【0069】
チャットサーバ3は、顧客端末2からのチャット終了要求を受信したのでない場合(ステップS90:No)、顧客端末2からKEY情報を受信したか否かを判定する(ステップS91)。チャットサーバ3は、KEY情報を受信した場合(ステップS91:Yes)、KEY情報としての発話内容、セッションID、セッション内ID、発話者及び発話日時を対応付けてチャット履歴をチャット履歴DB37A内に保存する(ステップS92)。更に、チャットサーバ3は、顧客端末2とのチャット通信を終了すべく、ステップS80(M2)に移行する。
【0070】
また、チャットサーバ3は、顧客端末2からKEY情報を受信しなかった場合(ステップS91:No)、顧客端末2からの問合せ内容を受信したか否かを判定すべく、ステップS74に移行する。また、チャットサーバ3は、顧客端末2からのチャット開始要求を受信しなかった場合(ステップS71:No)、図15に示す処理動作を終了する。
【0071】
また、チャットサーバ3は、顧客端末2からの問合せ内容を受信しなかった場合(ステップS74:No)、顧客端末2からのチャット終了要求を受信したか否かを判定すべく、ステップS79に移行する。また、チャットサーバ3は、顧客端末2からの問合せ内容を受信しなかった場合(ステップS84:No)、顧客端末2からのチャット終了要求を受信したか否かを判定すべく、ステップS90に移行する。
【0072】
チャットサーバ3は、チャット中のチャット内容をセッションIDに対応付けてチャット履歴DB37Aに保存する。更に、チャットサーバ3は、顧客端末2がチャット中から通話に切替える際にKEY情報を顧客端末2から受信した場合、KEY情報をチャット内容としてセッションIDに対応付けてチャット履歴DB37Aに保存する。その結果、チャットサーバ3は、KEY情報を含むチャット履歴をチャット履歴DB37Aに保存し、所望の顧客端末2のチャット履歴を抽出できる。
【0073】
図16は、取得処理に関わるチャットサーバ3の処理動作の一例を示すフローチャートである。図16においてチャットサーバ3は、データ通信網8経由で通話端末7からチャット履歴取得要求を受信したか否かを判定する(ステップS101)。チャットサーバ3は、チャット履歴取得要求を受信した場合(ステップS101:Yes)、チャット履歴を通話端末7に送信し(ステップS102)、図16に示す処理動作を終了する。通話端末7は、チャットサーバ3から受信したチャット履歴を画面表示する。その結果、通話端末7のオペレータは、通話応対前に顧客端末2のチャット履歴を確認し、当該顧客端末2の顧客に通話で応対できる。チャットサーバ3は、チャット履歴取得要求を受信しなかった場合(ステップS101:No)、図16に示す処理動作を終了する。
【0074】
図17は、転送処理に関わる通話サーバ5の処理動作の一例を示すフローチャートである。図17において通話サーバ5は、顧客端末2から電話着信を検出したか否かを判定する(ステップS111)。通話サーバ5は、顧客端末2から電話着信を検出した場合(ステップS111:Yes)、自動音声応答装置55で顧客端末2からの電話着信に応答する(ステップS112)。
【0075】
通話サーバ5内の自動音声応答装置55は、顧客端末2からの電話着信の応答に応じて応答信号を顧客端末2に電話網9経由で送信する(ステップS113)。更に、通話サーバ5は、顧客端末2からのDTMF信号を受信したか否かを判定する(ステップS114)。通話サーバ5は、顧客端末2からのDTMF信号を受信した場合(ステップS114:Yes)、DTMF信号からKEY情報を抽出する(ステップS115)。その結果、通話サーバ5では、データ通信網8ではなく、電話網9経由で伝送可能なDTMF信号でKEY情報を取得できる。
【0076】
通話サーバ5は、抽出したKEY情報と顧客端末2の電話管理番号とを対応付けて管理テーブル58A内に保存する(ステップS116)。通話サーバ5は、複数の通話端末7の内、顧客端末2の着信を転送する転送先の通話端末7を選択する(ステップS117)。通話サーバ5は、転送先の通話端末7に対して顧客端末2からの着信通知を転送する(ステップS118)。尚、着信通知は、顧客端末2の電話を特定する電話管理番号を含む。
【0077】
通話サーバ5は、通話端末7からKEY取得要求を受信したか否かを判定する(ステップS119)。通話サーバ5は、通話端末7からKEY取得要求を受信した場合(ステップS119:Yes)、KEY取得要求から電話管理番号を抽出する(ステップS120)。
【0078】
通話サーバ5は、抽出した電話管理番号に対応するKEY情報を管理テーブル58Aから抽出し(ステップS121)、抽出したKEY情報を転送先の通話端末7に通知し(ステップS122)、図17に示す処理動作を終了する。その結果、転送先の通話端末7は、通話サーバ5内の管理テーブル58Aから電話管理番号に対応するKEY情報を取得できる。
【0079】
通話サーバ5は、顧客端末2からのDTMF信号を受信しなかった場合(ステップS114:No)、複数の通話端末7の内、顧客端末2の着信に対応する転送先の通話端末7を選択する(ステップS123)。通話サーバ5は、転送先の通話端末7に対して顧客端末2からの着信通知を転送し(ステップS124)、図17に示す処理動作を終了する。また、通話サーバ5は、顧客端末2から電話着信を検出しなかった場合(ステップS111:No)、図17に示す処理動作を終了する。
【0080】
図18は、通話処理に関わる通話端末7の処理動作の一例を示すフローチャートである。図18において通話端末7は、通話サーバ5から着信通知を受信したか否かを判定する(ステップS131)。通話端末7は、着信通知を受信した場合(ステップS131:Yes)、着信通知から電話管理番号を抽出する(ステップS132)。
【0081】
通話端末7は、抽出した電話管理番号を含むKEY取得要求を通話サーバ5に送信する(ステップS133)。通話端末7は、通話サーバ5からKEY情報を受信したか否かを判定する(ステップS134)。
【0082】
通話端末7は、通話サーバ5からKEY情報を受信した場合(ステップS134:Yes)、チャット履歴取得要求をチャットサーバ3に送信する(ステップS135)。通話端末7は、KEY情報に対応するセッションIDのチャット履歴がチャット履歴DB37A内にあるか否かを判定する(ステップS136A)。通話端末7は、KEY情報に対応したセッションIDのチャット履歴がある場合(ステップS136A:Yes)、KEY情報に対応するセッションIDのチャット履歴をチャット履歴DB37Aから検索する(ステップS136B)。
【0083】
通話端末7は、検索結果である顧客端末2の電話に関するチャット履歴を画面表示する(ステップS137)。その結果、通話端末7のオペレータは、顧客端末2のチャット履歴を認識しながら、当該顧客端末2の顧客に対して通話で応対できる。通話端末7は、着信通知に関わる顧客端末2との通信を開始し(ステップS138)、顧客端末2との通話終了を検出したか否かを判定する(ステップS139)。
【0084】
通話端末7は、顧客端末2との通話終了を検出した場合(ステップS139:Yes)、顧客端末2との通信を終了し(ステップS140)、図18に示す処理動作を終了する。通話端末7は、通話サーバ5から着信通知を受信しなかった場合(ステップS131:No)、図18に示す処理動作を終了する。
【0085】
通話端末7は、通話サーバ5からKEY情報を受信しなかった場合(ステップS134:No)、着信通知の顧客端末2に対する通話を開始すべく、ステップS138に移行する。通話端末7は、KEY情報に対応したセッションIDのチャット履歴がない場合(ステップS136A:No)、着信通知に関わる顧客端末2との通信を開始すべく、ステップS138に移行する。通話端末7は、顧客端末2との通話終了を検出しなかった場合(ステップS139:No)、顧客端末2との通話終了を検出したか否かを判定すべく、ステップS139に移行する。
【0086】
本実施例では、電話網9経由で顧客端末2からチャット履歴を識別するKEY情報をDTMF信号で通話サーバ5に通知し、通話サーバ5からKEY情報を転送先の通話端末7に送信する。そして、通話端末7は、KEY情報に対応するチャット履歴をチャット履歴DB37Aから抽出し、抽出したチャット履歴を画面表示する。その結果、KEY情報の通知にDTMF信号を利用するため、既存の通話サーバ5にデータ通信のインタフェースを設けることなく、チャットサーバ3のチャットシステムと通話サーバ5の通話システムとの連携が図れるため、チャットシステムの導入が容易となる。
【0087】
しかも、通話端末7は、通話前に顧客のチャット履歴を操作画面上に表示する。その結果、通話端末7のオペレータは、電話応対前にチャット履歴を確認することで通話時間を短縮できるため、効率的な業務が可能となる。更に、通話端末7のオペレータは、チャットボット/チャットオペレータ応対中に顧客を特定するIDを得られないような不特定顧客向けのチャットサービスであっても、電話応対移行後にチャット履歴を参照できる。しかも、顧客端末2の顧客は、複数回同じ問い合わせをする必要がなくなるため、ユーザビリティが向上する。
【0088】
尚、本実施例の顧客端末2はデータ通信網8及び電話網9と接続し、顧客端末2がKEY情報をDTMF信号で電話網9を経由して通話サーバ5に伝送する場合を例示した。しかしながら、顧客端末2が仮想デスクトップでデータ通信網8及び電話網9と接続する場合、仮想デスクトップを提供するサーバが「顧客が操作する装置」となる。従って、仮想デスクトップを提供するサーバが、顧客端末2のKEY情報を生成し、KEY情報をDTMF信号で電話網9経由で通話サーバ5に転送することになる。
【0089】
顧客端末2は、チャット中に通話ボタン24Dのボタン操作を検出した場合、現在日時、端末固有番号及び乱数を連結したKEY情報を生成する場合を例示した。しかしながら、KEY情報は現在日時、端末固有番号及び乱数に限定されるものではなく、何れか一つでも良いし、他の識別情報、すなわちチャット履歴を識別できる識別子であれば良く、適宜変更可能である。
【0090】
顧客端末2がKEY情報を生成する場合を例示したが、チャットサーバ3がKEY情報を生成しても良い。この場合、チャットサーバ3がKEY情報を生成した場合、KEY情報を顧客端末2に送信しても良く、適宜変更可能である。
【0091】
また、図示した各部の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0092】
更に、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。また、各種処理機能は、CPU等で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良い。
【0093】
各種情報を記憶する領域は、例えば、ROM(Read Only Memory)や、SDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)やNVRAM(Non-Volatile Random Access Memory)等のRAM(Random Access Memory)で構成しても良い。
【0094】
ところで、本実施例で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをコンピュータ内のCPU等のプロセッサで実行させることによって実現できる。そこで、以下では、上記実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータ200の一例を説明する。図19は、履歴表示プログラムを実行するコンピュータ200の一例を示す説明図である。
【0095】
図19に示す履歴表示プログラムを実行するコンピュータ200は、通信IF210と、入力装置220と、出力装置230と、ROM240と、RAM250と、CPU260と、バス270とを有する。通信IF210、入力装置220、出力装置230、ROM240、RAM250及びCPU260は、バス270を介して接続される。通信IF210は、顧客が操作する装置と接続する電話網との通信を司る。チャットサーバには、顧客が操作する装置とのチャット履歴を記憶する記憶部を有する。コンピュータ200は、情報処理装置と接続すると共に、チャットサーバ内の記憶部にアクセス可能である。情報処理装置は、顧客が操作する装置から受信したDTMF信号から識別子を取得し、識別子に対応する電話管理番号を記憶する。更に、情報処理装置は、電話管理番号に関わるコンピュータ200からの識別子の取得要求に対して識別子を通知する。入力装置220は、例えば、音声通話機能のヘッドセットやコマンド入力機能のキーボード等である。出力装置230は、例えば、操作画面等を表示する表示装置である。
【0096】
そして、ROM240には、上記実施例と同様の機能を発揮するチャット履歴表示プログラムが予め記憶されている。ROM240は、チャット履歴表示プログラムとして抽出プログラム240A及び業務処理プログラム240Bが記憶されている。尚、ROM240ではなく、図示せぬドライブでコンピュータ読取可能な記録媒体にチャット履歴表示プログラムが記録されていても良い。また、記録媒体としては、例えば、CD-ROM、DVDディスク、USBメモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等でも良い。
【0097】
そして、CPU260は、抽出プログラム240AをROM240から読み出し、RAM250上で抽出プロセス250Aとして機能させる。更に、CPU260は、業務処理プログラム240BをROM240から読み出し、RAM250上で業務処理プロセス250Bとして機能させる。
【0098】
CPU260は、顧客が操作する装置から受信したDTMF信号から取得した識別子を情報処理装置から取得する。CPU260は、情報処理装置から取得した識別子に対応するチャット履歴を記憶部から抽出する。CPU260は、抽出したチャット履歴を操作画面に表示させる。その結果、DTMF信号を使用して識別子を取得するため、チャットサーバのチャットシステムと当該コンピュータ200の通話システムとの連携が図れる。
【符号の説明】
【0099】
1 コールセンタシステム
2 顧客端末
3 チャットサーバ
5 通話サーバ
7 通話端末
27B 通話部
27C 生成部
37A チャット履歴DB
58A 管理テーブル
59A 取得部
59B 管理部
59C 制御部
78B 抽出部
78C 業務処理部
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