(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】食品添加物用過酢酸水溶液
(51)【国際特許分類】
A23L 3/3508 20060101AFI20240918BHJP
A23L 3/358 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
A23L3/3508
A23L3/358
(21)【出願番号】P 2020139150
(22)【出願日】2020-08-20
【審査請求日】2023-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000004466
【氏名又は名称】三菱瓦斯化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100110663
【氏名又は名称】杉山 共永
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】杉本 和志
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 守悟
(72)【発明者】
【氏名】村井 克之
【審査官】戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/102742(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 3/00-3/54
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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
過酢酸を
14.0~
14.5質量%、過酸化水素を5.0~
6.5質量%、酢酸を
45.0~50.0質量%、
1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸を0.6~0.8質量%、及び水
のみを含み、70℃以上の引火点を有する、食品添加物用過酢酸水溶液
であって、
前記水溶液中の過酸化水素と過酢酸の存在比が、質量比で、過酸化水素/過酢酸=0.40以下である、前記食品添加物用過酢酸水溶液。
【請求項2】
70℃未満の発熱開始温度を有さない、請求項
1に記載の食品添加物用過酢酸水溶液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品添加物として使用される過酢酸水溶液に関する。
【背景技術】
【0002】
酢酸と過酸化水素とを原料として、過酢酸水溶液が合成できることは古くから知られている。例えば、特公昭61-10465号、特公昭37-7459号公報、或いはFRANK P. GREENSPANの報告(J. Amer. Chem. Soc., 68, 907(1946))には、反応条件や原料仕込比の選択により、過酢酸濃度が1~50重量%の過酢酸水溶液が合成できることが記載されている。
【0003】
また、そのようにして得られた過酢酸水溶液は、例えば、特公昭61-10465号、特公昭61-14122号公報に記載されているように、その酸化力のために優れた殺菌、消毒、漂白等の能力を有することも古くから知られている。一方、過酢酸水溶液は、他の有機過酸と同様、元来不安定な物質であり、加熱したり、不純物による汚染などにより、激しく分解するため、使用に際して、貯蔵安定性が劣ることが大きな欠点となっていた。この問題の解決のため、特許文献1では、アルミニウムを所定量含有する過酸化水素水溶液を用いることにより、得られる過酢酸水溶液の貯蔵安定性を向上させている。
【0004】
過酢酸水溶液は、一般的に、除菌成分である過酢酸や過酸化水素の濃度が高いほど除菌効果を上げることができる。しかしながら、過酢酸水溶液の成分の1つである過酸化水素には多量に摂取した場合には弱い発癌性が認められており、食品添加物として使用する場合、食品から過酸化水素が検出されないことが求められている。また、過酢酸水溶液を使用したり、輸送する際には、引火・爆発などの危険性を十分に回避することも重要である。このように食品添加物用過酢酸水溶液には、高い除菌効果以外にも数々の要望があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、引火・爆発の可能性を低減させつつ生体へ悪影響を及ぼす危険性のない食品添加物用過酢酸水溶液を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、かかる問題点を解決するため鋭意検討した結果、過酢酸、過酸化水素、酢酸、及び水を特定量含有させることにより、引火・爆発の可能性を低減させつつ生体へ悪影響を及ぼす危険性のない食品添加物用過酢酸水溶液を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の通りである。
<1> 過酢酸を13.0~15.5質量%、過酸化水素を5.0~17.0質量%、酢酸を25.0~50.0質量%、及び水を含み、70℃以上の引火点を有する、食品添加物用過酢酸水溶液である。
<2> 前記水溶液中の過酸化水素と過酢酸の存在比が、質量比で、過酸化水素/過酢酸=0.60以下である、上記<1>に記載の食品添加物用過酢酸水溶液である。
<3> 70℃未満の発熱開始温度を有さない、上記<1>または<2>に記載の食品添加物用過酢酸水溶液である。
<4> さらに、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸を0.6~1.0質量%含む、上記<1>から<3>のいずれかに記載の食品添加物用過酢酸水溶液である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、引火・爆発の可能性を低減させつつ生体へ悪影響を及ぼす危険性のない食品添加物用過酢酸水溶液を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の食品添加物として使用される過酢酸水溶液について具体的に説明する。なお、以下に説明する材料及び構成等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。なお、本明細書において、数値範囲を「~」を用いて示した時、その両端の数値を含む。
【0010】
本発明の一実施形態は、過酢酸を13.0~15.5質量%、過酸化水素を5.0~17.0質量%、酢酸を25.0~50.0質量%、及び水を含み、70℃以上の引火点を有する、食品添加物用過酢酸水溶液である。
本発明の過酢酸水溶液は、過酢酸を好ましくは13.4~15.2質量%含み、より好ましくは14.0~14.5質量%含み、過酸化水素を好ましくは5.0~8.0質量%含み、より好ましくは5.0~6.5質量%含み、酢酸を好ましくは40.0~50.0質量%含み、より好ましくは45.0~50.0質量%含む。
過酢酸の濃度が、13.0質量%未満では、過酢酸の安定性が低下するため好ましくなく、また15.5質量%を超えると取扱い時の危険性が大きくなって好ましくない。また、過酸化水素の濃度は、17.0質量%を超えると、同様であり好ましくなく、酢酸の濃度も50質量%を超えると、人体への刺激性や臭気の面で好ましくない。
【0011】
本発明の過酢酸水溶液は、さらに、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸を0.6~1.0質量%含むことが好ましく、0.6~0.8質量%含むことがより好ましい。1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸の使用量が1.0質量%より多いと、過酢酸水溶液が食品添加物の成分規格に合致しなくなることがあり、一方、0.6質量%より少ないと、過酢酸水溶液の貯蔵安定性が低下することがある。
【0012】
本発明の過酢酸水溶液の引火点は、70℃以上であるが、高ければ高いほど引火しにくく安全であるため、好ましくは72℃以上であり、より好ましくは74である。引火点が70℃以上であると、輸送する際に引火・爆発などの危険性を十分に回避することができる。本発明において、引火点の上限は特に限定はないが、通常は200℃未満である。本発明において引火点は、後述する実施例において記載された方法で測定することができる。
【0013】
本発明の過酢酸水溶液中の過酸化水素と過酢酸の存在比が、質量比で、過酸化水素/過酢酸=0.60以下であることが好ましく、過酸化水素/過酢酸=0.40以下であることがより好ましい。過酸化水素/過酢酸の値が小さいほど、除菌時に過酸化水素濃度が低くなり、除菌後に過酸化水素が残り難いため好ましい。逆に、過酸化水素/過酢酸の値が大きいほど、過剰の過酸化水素が食品中に残存しやすくなるため好ましくない。
【0014】
本発明の過酢酸水溶液は、70℃未満の発熱開始温度を有さないことが好ましい。70℃未満の発熱開始温度を有さないと、輸送する際に引火・爆発などの危険性を十分に回避することができる。本発明の過酢酸水溶液は、発熱開始温度を有さないか、あるいは、発熱開始温度を有する場合には、150℃以上の発熱開始温度を有することがより好ましく、210~250℃の発熱開始温度を有することが特に好ましい。本発明において発熱開始温度とは、消防法危険物5類試験におけるものであり、後述する実施例において記載された方法で測定することができる。
【0015】
本発明の過酢酸水溶液の製造方法としては、過酸化水素水溶液および酢酸溶液を混合する工程を含み、好ましくは、更に1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸を混合する工程を含む。
前記過酸化水素水溶液は、過酸化水素を好ましくは30~40質量%、より好ましくは32~38質量%、特に好ましくは35~36質量%含有する。前記過酸化水素水溶液が、過酸化水素を30~40質量%含有することにより、安全で、安定で、食品添加物の成分規格に合致した過酸化水素となるため好ましい。
【0016】
本発明の過酢酸水溶液の製造方法において、酢酸溶液と過酸化水素水溶液から過酢酸水溶液を得る反応は、次の式に従う平衡反応であることが知られている。
【化1】
本反応の反応速度は、比較的遅く、反応時間短縮のために、プロトン酸触媒を用いることができる。酢酸溶液は、水溶液の形で加えてもよいが、反応時間短縮のためには、より高濃度のものが望ましく、通常、氷酢酸が用いられる。過酸化水素水溶液の濃度は、反応時間短縮のためには、より高濃度のものが望ましいが、取扱時の安全性から考えると、より低濃度のものが望ましく、より好ましくは32~38質量%、より好ましくは35~36質量%の水溶液が用いられる。
【0017】
本発明で好ましく用いる1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(以下、「HEDP」と呼ぶことがある)は、金属封止作用を有するプロトン酸であり、得られた過酢酸水溶液の貯蔵安定性の向上に寄与する。本発明の過酢酸水溶液を得るためには、種々の方法が考えられるが、一般には上記の1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸の存在下で、過酸化水素水溶液及び酢酸溶液を、好ましくは1:1~5モル、より好ましくは1:2~4モルの割合で反応させる方法で行われる。必要な場合には、その反応粗液を水、過酸化水素水溶液あるいは酢酸溶液のうちの1つ以上で希釈することもできる。
【0018】
前記混合工程において混合する温度は、25~35℃が好ましくは、25~30℃がより好ましい。混合する温度が25~35℃であると、反応速度が遅くなり過ぎず、かつ、酢酸の揮発及び過酸化水素、過酢酸の分解が抑えられる点で好ましい。
前記混合工程において混合する時間は、60分以下が好ましく、10~60分がより好ましい。混合する時間が、60分を超えると、混合に要する電力消費量が大きくなり、コストが上がることがある。
前記混合工程において混合をした後に、1日以上静置することが反応が完了する点で好ましく、1~10日静置することがより好ましい。
【0019】
本発明の別の一実施形態は、本発明の過酢酸水溶液と、食品とを接触させる、食品の除菌方法である。過酢酸水溶液と食品とを接触させる方法としては、例えば、過酢酸水溶液中に食品を浸漬させる方法や、食品に過酢酸水溶液を噴霧させる方法などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の過酢酸水溶液は、貯蔵安定性に優れているため、食品の除菌方法に使用した場合にも利点が多い。
【実施例】
【0020】
以下、実施例により本実施形態を更に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。各物性値の測定は、以下に示す方法で行った。
【0021】
<過酢酸水溶液中の過酸化水素濃度>
過酢酸水溶液中の過酸化水素濃度の測定は酸化還元滴定により行った。具体的には試料約0.1gを精密に量り、250mLの三角フラスコに入れ、0.5mol/L硫酸を75mL加えて検液とした。この検液にフェロイン試液を数滴加えて、0.1mol/L硫酸セリウム(IV)溶液で滴定し、過酸化水素濃度を算出した。
【0022】
<過酢酸水溶液中の酢酸及び過酢酸濃度>
過酢酸水溶液中の酢酸及び過酢酸濃度の測定は中和滴定により行った。具体的には試料約0.1gを精密に量り、100mLビーカーに入れ、純水約50mLを加えて検液とした。この検液を0.1mol/L水酸化ナトリウム溶液で滴定し、第一変曲点での添加量から酢酸濃度、第一変曲点から第二変曲点までの添加量から過酢酸濃度を算出した。
【0023】
<過酸化水素/過酢酸>
過酸化水素濃度を過酢酸濃度で除すことにより算出した。
【0024】
<過酢酸水溶液の引火点>
過酢酸水溶液の引火点は、引火点が80℃未満である場合にはタグ密閉式引火点試験、引火点が80℃以上の場合にはクリーブランド開放式引火点試験により測定した。JIS-K2265の方法に準じ、タグ密閉式引火点試験器、及びクリーブランド開放式引火点試験器を使用した。
【0025】
<過酢酸水溶液の発熱開始温度及び発熱量>
過酢酸水溶液の発熱開始温度及び発熱量は、示差走査熱量計(DSC6220-ASD2、(株)日立ハイテクサイエンス製)により測定した。具体的には、α-アルミナを基準物質として、過酢酸水溶液を1mg程度、耐圧性のセルに密栓した。10℃/minで加熱し、得られたチャートから発熱開始温度及び発熱量を算出した。
【0026】
<生姜の除菌>
生姜を30~80g程度の大きさにカットし、土などを落とすために水で洗浄した。洗浄した生姜片の表面の水気をペーパータオルで除いた後、過酢酸濃度80ppmとなるよう過酢酸水溶液を水で希釈した希釈液に10分間浸漬し、除菌した。除菌した生姜片は浸漬前の重量に対して浸漬後の重量増加量が2%以下となるよう水切りを行った。
【0027】
<除菌後の過酸化水素の検出>
・除菌後の過酸化水素の検出に必要な薬液を以下の通り準備した。
リン酸一カリウム27.2g(富士フイルム和光純薬株式会社製)を水に溶かして1000mLとしたものを第1液、リン酸ニナトリウム71.6g(富士フイルム和光純薬株式会社製)を水に溶かして1000mLとしたものを第2液とした。第1液375mL、第2液625mLを混合した液に、臭素酸カリウム5gを溶かし、氷冷下で1時間以上窒素を通気したものをリン酸緩衝液とした。
30%過酸化水素水(富士フイルム和光純薬株式会社製)をリン酸緩衝液で希釈して、過酸化水素濃度が0.2ppm、0.4ppm、0.8ppm、1.0ppmの検量線用標準液を調製した。
・除菌後の過酸化水素の検出の有無を以下の通り行った。
除菌後の過酸化水素の検出には、高感度過酸化水素計(オリテクターM5型、セントラル科学株式会社製)を使用した。具体的には、除菌後の生姜を100g、リン酸緩衝液を100mL、ポリエチレン製のチャック付き袋に入れ、1分間振とうした。上記生姜を浸したリン酸緩衝液をポリエチレン製ビーカーに移し、試験溶液とした。高感度過酸化水素計のレンジを1とし、過酸化水素濃度1.0ppmの検量線用標準液で校正した。過酸化水素濃度0.2ppmの検量線用標準液2mLを正確にとり、高感度過酸化水素計のセル内に入れ、スターラーで撹拌しながら窒素ガスを流した。窒素を通気したカタラーゼ溶液(過酸化水素計用カタラーゼ、セントラル科学株式会社製)20μLをセル内に注入し、出力値を記録した。過酸化水素濃度0.4ppm、0.8ppm、1.0ppmの検量線用標準液を過酸化水素濃度0.2ppmの検量線用標準液と同様の方法で、測定し、出力値から検量線を作成した。試験溶液を過酸化水素濃度0.2ppmの検量線用標準液と同様の方法で測定し、検量線から過酸化水素濃度を算出した。過酸化水素濃度が0.2ppm未満であった場合には検出されなかったものとし(判定:無)、過酸化水素濃度が0.2ppm以上であった場合には検出されたものとした(判定:有)。
【0028】
(実施例1)
純水83.4gと60質量%の1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)(イタルマッチジャパン株式会社製、製品名:デイクエスト2010)を15.0g、氷酢酸を527.3g(昭和電工株式会社製、製品名:99%純良酢酸)、35質量%の過酸化水素水溶液(三菱ガス化学株式会社製、製品名:35%過酸化水素)を374.3g、ポリエチレン容器内に入れ混合し、表1に示す割合に調整後、25℃で10日間静置することで、表2に示す過酢酸水溶液を得た。得られた過酢酸水溶液の引火点、発熱開始温度、発熱量、及び除菌後の過酸化水素の検出結果を表2に示す。
【0029】
(実施例2)
純水45.6gと60質量%の1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸を11.7g、氷酢酸を597.0g、35質量%の過酸化水素水溶液を345.7gに替える以外は、実施例1と同様にして表2に示す過酢酸水溶液を得た。得られた過酢酸水溶液の引火点、発熱開始温度、発熱量、及び除菌後の過酸化水素の検出結果を表2に示す。
【0030】
(実施例3)
純水28.2gと60質量%の1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸を11.7g、氷酢酸を603.0g、35質量%の過酸化水素水溶液を357.1gに替える以外は、実施例1と同様にして表2に示す過酢酸水溶液を得た。得られた過酢酸水溶液の引火点、発熱開始温度、発熱量、及び除菌後の過酸化水素の検出結果を表2に示す。
【0031】
(比較例1)
純水63.1gと60質量%の1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸を16.7g、氷酢酸を374.0g、35質量%の過酸化水素水溶液を45質量%過酸化水素水溶液(三菱ガス化学株式会社製、製品名:45%過酸化水素)546.3gに替える以外は、実施例1と同様にして表2に示す過酢酸水溶液を得た。得られた過酢酸水溶液の引火点、発熱開始温度、発熱量、及び除菌後の過酸化水素の検出結果を表2に示す。
【0032】
(比較例2)
純水67.7gと60質量%の1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸を11.7g、氷酢酸を649.5g、35質量%の過酸化水素水溶液を45質量%過酸化水素水溶液(三菱ガス化学株式会社製、製品名:45%過酸化水素)271.1gに替える以外は、実施例1と同様にして表2に示す過酢酸水溶液を得た。得られた過酢酸水溶液の引火点、及び除菌後の過酸化水素の検出結果を表2に示す。
【0033】
(比較例3)
純水60.1gと60質量%の1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸を11.7g、氷酢酸を683.8g、35質量%の過酸化水素水溶液を45質量%過酸化水素水溶液(三菱ガス化学株式会社製、製品名:45%過酸化水素)244.4gに替える以外は、実施例1と同様にして表2に示す過酢酸水溶液を得た。得られた過酢酸水溶液の引火点、及び除菌後の過酸化水素の検出結果を表2に示す。
【0034】
(比較例4)
純水0.1gと60質量%の1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸を11.7g、氷酢酸を706.1g、35質量%の過酸化水素水溶液を45質量%過酸化水素水溶液(三菱ガス化学株式会社製、製品名:45%過酸化水素)282.2gに替える以外は、実施例1と同様にして表2に示す過酢酸水溶液を得た。得られた過酢酸水溶液の引火点、及び除菌後の過酸化水素の検出結果を表2に示す。
【0035】
【0036】