(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】サーバ、及び、サーバのためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 51/00 20220101AFI20240918BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240918BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
H04L51/00
H04N1/00 127A
G06F3/12 303
G06F3/12 326
G06F3/12 359
(21)【出願番号】P 2020155754
(22)【出願日】2020-09-16
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 健
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-168759(JP,A)
【文献】特開2000-332814(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/00
H04N 1/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバであって、
1個以上の電子メールアドレスのそれぞれについて、当該電子メールアドレスと、プリンタを識別するプリンタ識別情報と、を関連付けて記憶するメモリと、
第1の外部装置から第1の画像ファイルを含む第1の電子メールを受信する第1の受信部であって、前記第1の電子メールは、前記メモリに記憶されている電子メールアドレスである第1の印刷アドレスと、前記メモリに記憶されていない電子メールアドレスである第1の一般アドレスと、を宛先アドレスとして含む、前記第1の受信部と、
前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信される場合に、第1の印刷要求を第1のプリンタに送信する第1の印刷要求送信部であって、前記第1の印刷要求は、前記第1の電子メールに含まれる前記第1の画像ファイルに対応する第1の画像の印刷を要求する信号であり、前記第1のプリンタは、前記第1の電子メールに含まれる前記第1の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている第1のプリンタ識別情報によって識別されるプリンタである、前記第1の印刷要求送信部と、
前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信された後に、第2の外部装置から第2の画像ファイルを含む第2の電子メールを受信する第2の受信部であって、前記第2の電子メールは、前記第1の印刷アドレスと、前記メモリに記憶されていない電子メールアドレスである第2の一般アドレスと、を宛先アドレスとして含む、前記第2の受信部と、
前記第2の外部装置から前記第2の電子メールが受信される場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであるのか否かを判断する判断部と、
前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールでないと判断される場合に、第2の印刷要求を前記第1のプリンタに送信する第2の印刷要求送信部であって、前記第2の印刷要求は、前記第2の電子メールに含まれる前記第2の画像ファイルに対応する第2の画像の印刷を要求する信号である、前記第2の印刷要求送信部と、を備え、
前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであると判断される場合に、前記第2の印刷要求は前記第1のプリンタに送信され
ず、
前記メモリに記憶されている前記1個以上の電子メールアドレスのそれぞれは、所定のドメインを含み、
前記第1の電子メールは、さらに、前記所定のドメインを含むと共に前記メモリに記憶されていない特定の電子メールアドレスを宛先アドレスとして含み、
前記サーバは、さらに、
前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信される場合に、前記宛先アドレスである前記第1の印刷アドレス、前記第1の一般アドレス、及び、前記特定の電子メールアドレスの中から、前記所定のドメインを含むと共に前記メモリに記憶されている前記第1の印刷アドレスを特定するアドレス特定部を備え、
前記第1のプリンタは、特定済みの前記第1の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている前記第1のプリンタ識別情報によって識別されるプリンタである、
サーバ。
【請求項2】
サーバであって、
1個以上の電子メールアドレスのそれぞれについて、当該電子メールアドレスと、プリンタを識別するプリンタ識別情報と、を関連付けて記憶するメモリと、
第1の外部装置から第1の画像ファイルを含む第1の電子メールを受信する第1の受信部であって、前記第1の電子メールは、前記メモリに記憶されている電子メールアドレスである第1の印刷アドレスと、前記メモリに記憶されていない電子メールアドレスである第1の一般アドレスと、を宛先アドレスとして含む、前記第1の受信部と、
前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信される場合に、第1の印刷要求を第1のプリンタに送信する第1の印刷要求送信部であって、前記第1の印刷要求は、前記第1の電子メールに含まれる前記第1の画像ファイルに対応する第1の画像の印刷を要求する信号であり、前記第1のプリンタは、前記第1の電子メールに含まれる前記第1の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている第1のプリンタ識別情報によって識別されるプリンタである、前記第1の印刷要求送信部と、
前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信された後に、第2の外部装置から第2の画像ファイルを含む第2の電子メールを受信する第2の受信部であって、前記第2の電子メールは、前記第1の印刷アドレスと、前記メモリに記憶されていない電子メールアドレスである第2の一般アドレスと、を宛先アドレスとして含む、前記第2の受信部と、
前記第2の外部装置から前記第2の電子メールが受信される場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであるのか否かを判断する判断部と、
前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールでないと判断される場合に、第2の印刷要求を前記第1のプリンタに送信する第2の印刷要求送信部であって、前記第2の印刷要求は、前記第2の電子メールに含まれる前記第2の画像ファイルに対応する第2の画像の印刷を要求する信号である、前記第2の印刷要求送信部と、を備え、
前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであると判断される場合に、前記第2の印刷要求は前記第1のプリンタに送信され
ず、
前記メモリは、前記1個以上の電子メールアドレスのそれぞれについて、当該電子メールアドレスと、前記プリンタ識別情報と、優先順位と、を関連付けて記憶し、
前記第1の電子メールは、さらに、前記メモリに記憶されている電子メールアドレスである第2の印刷アドレスであって、前記第1の印刷アドレスとは異なる前記第2の印刷アドレスを宛先アドレスとして含み、
前記第1の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている第1の優先順位は、前記第2の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている第2の優先順位よりも高く、
前記第1の印刷要求送信部は、前記第1のプリンタと第2のプリンタとのうちの高い優先順位に対応する前記第1のプリンタのみに前記第1の印刷要求を送信し、
前記第2のプリンタは、前記第1の電子メールに含まれる前記第2の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている第2のプリンタ識別情報によって識別されるプリンタである、
サーバ。
【請求項3】
前記判断部は、
前記メモリに記憶されているいずれかの電子メールアドレスが前記第2の電子メールの本文内に記述されている場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであると判断し、
前記メモリに記憶されているいずれの電子メールアドレスも前記第2の電子メールの本文内に記述されていない場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールでないと判断する、請求項1
又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記判断部は、
前記第2の電子メールのタイトルが返信又は転送を示す所定の文字列を含む場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであると判断し、
前記第2の電子メールのタイトルが前記所定の文字列を含まない場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールでないと判断する、請求項1
から3のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記判断部は、
前記第1の画像ファイルのファイル名と前記第2の画像ファイルのファイル名とが一致する場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであると判断し、
前記第1の画像ファイルの前記ファイル名と前記第2の画像ファイルの前記ファイル名とが一致しない場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールでないと判断する、請求項1から
4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記メモリは、さらに、画像の印刷が完了したことを示す印刷完了情報を含む電子メールが送信されるべき電子メールアドレスである通知アドレスを記憶し、
前記サーバは、さらに、
前記第1の電子メールに含まれる送信元アドレスが前記通知アドレスであり、かつ、前記第1の印刷要求が前記第1のプリンタに送信された後に、前記第1のプリンタから前記第1の画像の印刷が完了したことを示す印刷完了通知が受信される場合に、前記送信元アドレスを宛先アドレスとして含む第3の電子メールであって、前記第1の画像の印刷が完了したことを示す特定の印刷完了情報を含む前記第3の電子メールを送信する第1の電子メール送信部を備え、
前記送信元アドレスが前記通知アドレスでない場合に、前記第3の電子メールは送信されない、請求項1から
5のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項7】
前記サーバは、さらに、
前記送信元アドレスが前記通知アドレスでない場合に、前記送信元アドレスを宛先アドレスとして含む第4の電子メールであって、前記第1の電子メールを受信したことを示す受信情報を含む前記第4の電子メールを送信する第2の電子メール送信部を備える、請求項
6に記載のサーバ。
【請求項8】
前記第1の印刷要求送信部は、前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信され、かつ、前記送信元アドレスが前記通知アドレスである場合に、前記第1の印刷要求を前記第1のプリンタに送信し、
前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信され、かつ、前記送信元アドレスが前記通知アドレスでない場合に、前記第1の印刷要求は前記第1のプリンタに送信されない、請求項
6又は
7に記載のサーバ。
【請求項9】
サーバのためのコンピュータプログラムであって、
前記サーバは、1個以上の電子メールアドレスのそれぞれについて、当該電子メールアドレスと、プリンタを識別するプリンタ識別情報と、を関連付けて記憶するメモリを備え、
前記コンピュータプログラムは、前記サーバのコンピュータを、以下の各部、即ち、
第1の外部装置から第1の画像ファイルを含む第1の電子メールを受信する第1の受信部であって、前記第1の電子メールは、前記メモリに記憶されている電子メールアドレスである第1の印刷アドレスと、前記メモリに記憶されていない電子メールアドレスである第1の一般アドレスと、を宛先アドレスとして含む、前記第1の受信部と、
前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信される場合に、第1の印刷要求を第1のプリンタに送信する第1の印刷要求送信部であって、前記第1の印刷要求は、前記第1の電子メールに含まれる前記第1の画像ファイルに対応する第1の画像の印刷を要求する信号であり、前記第1のプリンタは、前記第1の電子メールに含まれる前記第1の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている第1のプリンタ識別情報によって識別されるプリンタである、前記第1の印刷要求送信部と、
前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信された後に、第2の外部装置から第2の画像ファイルを含む第2の電子メールを受信する第2の受信部であって、前記第2の電子メールは、前記第1の印刷アドレスと、前記メモリに記憶されていない電子メールアドレスである第2の一般アドレスと、を宛先アドレスとして含む、前記第2の受信部と、
前記第2の外部装置から前記第2の電子メールが受信される場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであるのか否かを判断する判断部と、
前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールでないと判断される場合に、第2の印刷要求を前記第1のプリンタに送信する第2の印刷要求送信部であって、前記第2の印刷要求は、前記第2の電子メールに含まれる前記第2の画像ファイルに対応する第2の画像の印刷を要求する信号であり、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであると判断される場合に、前記第2の印刷要求は前記第1のプリンタに送信されない、前記第2の印刷要求送信部と、
として機能さ
せ、
前記メモリに記憶されている前記1個以上の電子メールアドレスのそれぞれは、所定のドメインを含み、
前記第1の電子メールは、さらに、前記所定のドメインを含むと共に前記メモリに記憶されていない特定の電子メールアドレスを宛先アドレスとして含み、
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信される場合に、前記宛先アドレスである前記第1の印刷アドレス、前記第1の一般アドレス、及び、前記特定の電子メールアドレスの中から、前記所定のドメインを含むと共に前記メモリに記憶されている前記第1の印刷アドレスを特定するアドレス特定部として機能させ、
前記第1のプリンタは、特定済みの前記第1の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている前記第1のプリンタ識別情報によって識別されるプリンタである、
コンピュータプログラム。
【請求項10】
サーバのためのコンピュータプログラムであって、
前記サーバは、1個以上の電子メールアドレスのそれぞれについて、当該電子メールアドレスと、プリンタを識別するプリンタ識別情報と、を関連付けて記憶するメモリを備え、
前記コンピュータプログラムは、前記サーバのコンピュータを、以下の各部、即ち、
第1の外部装置から第1の画像ファイルを含む第1の電子メールを受信する第1の受信部であって、前記第1の電子メールは、前記メモリに記憶されている電子メールアドレスである第1の印刷アドレスと、前記メモリに記憶されていない電子メールアドレスである第1の一般アドレスと、を宛先アドレスとして含む、前記第1の受信部と、
前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信される場合に、第1の印刷要求を第1のプリンタに送信する第1の印刷要求送信部であって、前記第1の印刷要求は、前記第1の電子メールに含まれる前記第1の画像ファイルに対応する第1の画像の印刷を要求する信号であり、前記第1のプリンタは、前記第1の電子メールに含まれる前記第1の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている第1のプリンタ識別情報によって識別されるプリンタである、前記第1の印刷要求送信部と、
前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信された後に、第2の外部装置から第2の画像ファイルを含む第2の電子メールを受信する第2の受信部であって、前記第2の電子メールは、前記第1の印刷アドレスと、前記メモリに記憶されていない電子メールアドレスである第2の一般アドレスと、を宛先アドレスとして含む、前記第2の受信部と、
前記第2の外部装置から前記第2の電子メールが受信される場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであるのか否かを判断する判断部と、
前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールでないと判断される場合に、第2の印刷要求を前記第1のプリンタに送信する第2の印刷要求送信部であって、前記第2の印刷要求は、前記第2の電子メールに含まれる前記第2の画像ファイルに対応する第2の画像の印刷を要求する信号であり、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであると判断される場合に、前記第2の印刷要求は前記第1のプリンタに送信されない、前記第2の印刷要求送信部と、
として機能さ
せ、
前記メモリは、前記1個以上の電子メールアドレスのそれぞれについて、当該電子メールアドレスと、前記プリンタ識別情報と、優先順位と、を関連付けて記憶し、
前記第1の電子メールは、さらに、前記メモリに記憶されている電子メールアドレスである第2の印刷アドレスであって、前記第1の印刷アドレスとは異なる前記第2の印刷アドレスを宛先アドレスとして含み、
前記第1の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている第1の優先順位は、前記第2の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている第2の優先順位よりも高く、
前記第1の印刷要求送信部は、前記第1のプリンタと第2のプリンタとのうちの高い優先順位に対応する前記第1のプリンタのみに前記第1の印刷要求を送信し、
前記第2のプリンタは、前記第1の電子メールに含まれる前記第2の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている第2のプリンタ識別情報によって識別されるプリンタである、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、外部装置から電子メールを受信して、印刷要求をプリンタに送信するサーバに関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成装置と端末装置とを備えるネットワークシステムが開示されている。画像形成装置は、電子メールを受信すると、当該電子メールの宛先に設定されているアドレスを抽出する。画像形成装置は、1個のアドレスが抽出される場合に、電子メールに基づく印刷処理を実行し、複数のアドレスが抽出される場合に、電子メールに基づく印刷処理を実行しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術では、複数のアドレスを宛先アドレスとして含む電子メールに基づく印刷処理が実行されることをユーザが所望している場合であっても、印刷処理が実行されない。本明細書では、サーバが、複数のアドレスを宛先アドレスとして含む電子メールを受信する場合に、プリンタに印刷を実行させるのか否かを適切に切り替えることができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示されるサーバは、1個以上の電子メールアドレスのそれぞれについて、当該電子メールアドレスと、プリンタを識別するプリンタ識別情報と、を関連付けて記憶するメモリと、第1の外部装置から第1の画像ファイルを含む第1の電子メールを受信する第1の受信部であって、前記第1の電子メールは、前記メモリに記憶されている電子メールアドレスである第1の印刷アドレスと、前記メモリに記憶されていない電子メールアドレスである第1の一般アドレスと、を宛先アドレスとして含む、前記第1の受信部と、前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信される場合に、第1の印刷要求を第1のプリンタに送信する第1の印刷要求送信部であって、前記第1の印刷要求は、前記第1の電子メールに含まれる前記第1の画像ファイルに対応する第1の画像の印刷を要求する信号であり、前記第1のプリンタは、前記第1の電子メールに含まれる前記第1の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている第1のプリンタ識別情報によって識別されるプリンタである、前記第1の印刷要求送信部と、前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信された後に、第2の外部装置から第2の画像ファイルを含む第2の電子メールを受信する第2の受信部であって、前記第2の電子メールは、前記第1の印刷アドレスと、前記メモリに記憶されていない電子メールアドレスである第2の一般アドレスと、を宛先アドレスとして含む、前記第2の受信部と、前記第2の外部装置から前記第2の電子メールが受信される場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであるのか否かを判断する判断部と、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールでないと判断される場合に、第2の印刷要求を前記第1のプリンタに送信する第2の印刷要求送信部であって、前記第2の印刷要求は、前記第2の電子メールに含まれる前記第2の画像ファイルに対応する第2の画像の印刷を要求する信号である、前記第2の印刷要求送信部と、を備え、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであると判断される場合に、前記第2の印刷要求は前記第1のプリンタに送信されなくてもよい。
【0006】
上記の構成によると、サーバは、第1の外部装置から、第1の印刷アドレスと第1の一般アドレスとを宛先アドレスとして含む第1の電子メールを受信する場合に、第1の印刷要求を第1のプリンタに送信する。そして、サーバは、第1の外部装置から第1の電子メールを受信した後に、第2の外部装置から、第1の印刷アドレスと第2の一般アドレスとを宛先アドレスとして含む第2の電子メールを受信する。サーバは、第2の電子メールが第1の電子メールを利用して生成された電子メールでないと判断する場合に、第2の印刷要求を第1のプリンタに送信する。一方、サーバは、第2の電子メールが第1の電子メールを利用して生成された電子メールであると判断する場合に、第2の印刷要求を第1のプリンタに送信しない。このように、サーバは、複数のアドレスを宛先アドレスとして含む第2の電子メールを受信する場合に、第2の電子メールが第1の電子メールを利用して生成された電子メールであるか否かに応じて、第1のプリンタに印刷を実行させるのか否かを適切に切り替えることができる。
【0007】
上記のサーバを実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。また、上記のサーバと他のデバイス(例えば第1のプリンタ等)を備える通信システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図5】1個の印刷アドレスを宛先アドレスとして含む電子メールが送信されるケースAのシーケンス図を示す。
【
図6】ケースAの後にメール印刷機能が実行されるケースBのシーケンスを示す。
【
図7】ケースAの後にメール印刷機能が実行されないケースC及びDのシーケンスを示す。
【
図8】2個の印刷アドレスを宛先アドレスとして含む電子メールが送信されるケースEのシーケンス図を示す。
【
図9】誤った電子メールアドレスを宛先アドレスとして含む電子メールが送信されるケースFのシーケンス図を示す。
【
図10】メール印刷機能が実行されないケースGのシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施例)
(通信システム2の構成:
図1)
図1に示されるように、通信システム2は、複数個のプリンタ10A、10Bと、複数個のPC100A~100Cと、サーバ200と、を備える。プリンタ10A、10Bは、LAN(Local Area Networkの略)4に接続されている。LAN4は、インターネット6に接続されている。PC100A~100C、及び、サーバ200は、インターネット6に接続されている。プリンタ10A、10B、PC100A~100C、及び、サーバ200は、インターネット6を介して、通信可能である。
【0010】
(プリンタ10A、10Bの構成)
プリンタ10Aは、印刷機能を実行可能な周辺装置(即ちPC100A等の周辺装置)である。なお、プリンタ10Aは、印刷機能に加えて、スキャン機能、FAX機能等を実行可能な多機能機であってもよい。プリンタ10Aは、さらに、メール印刷機能を実行可能に構成されている。メール印刷機能は、電子メールに含まれる画像ファイルに対応する画像の印刷を実行する機能である。なお、変形例では、メール印刷機能は、電子メールの本文欄に挿入されている画像ファイルに対応する画像の印刷を実行する機能であってもよい。プリンタ10Aは、操作部12と、表示部14と、印刷実行部16と、通信インターフェース(以下ではインターフェースを「I/F」と記載する)20と、制御部30と、を備える。プリンタ10Aには、プリンタ10Aを識別する情報であるプリンタID「pr1」が割り当てられている。
【0011】
操作部12は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部12を操作することによって、様々な指示をプリンタ10Aに入力することができる。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部14は、いわゆるタッチパネル(即ち、操作部)としても機能する。印刷実行部16は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構である。通信I/F20は、LAN4に接続されている。通信I/F20は、無線I/Fであってもよいし、有線I/Fであってもよい。
【0012】
制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。プリンタ10Bは、プリンタID「pr2」が割り当てられている点を除いて、プリンタ10Aと同様である。
【0013】
(PC100A~100Cの構成)
PC100A~100Cは、プリンタ10Aを利用可能なユーザによって利用されるPCである。PC100Aは、電子メールアドレス「u1@user.com」を利用するユーザによって利用されるPCである。PC100Bは、電子メールアドレス「u2@user.com」を利用するユーザによって利用されるPCである。PC100Cは、電子メールアドレス「u3@user.com」を利用するユーザによって利用されるPCである。PC100A、100B、100Cは、それぞれ、電子メールアドレス「u1@user.com」、「u2@user.com」、「u3@user.com」を宛先アドレスとして含む電子メールを受信するように設定されている。
【0014】
(サーバ200の構成)
サーバ200は、プリンタ10A、10Bのベンダによってインターネット6上に設置される。なお、変形例では、サーバ200は、当該ベンダとは異なる事業者によってインターネット6上に設置されてもよい。サーバ200は、プリンタ10A、10Bにメール印刷機能を実行させるための通信を実行する。サーバ200は、サーバ200のドメイン「print.com」を含む電子メールアドレスを宛先アドレスとして含む電子メールを受信するように構成されている。
【0015】
サーバ200は、通信I/F220と、制御部230と、を備える。通信I/F220は、インターネット6に接続されている。制御部230は、CPU232と、メモリ234と、を備える。CPU232は、メモリ234に記憶されているプログラム236に従って、様々な処理を実行する。メモリ234は、上記のプログラム236の他に、通知リスト238と、アドレステーブル240と、を記憶する。
【0016】
通知リスト238には、メール印刷機能の利用が許可されているユーザに対応する電子メールアドレスが記憶される。通知リスト238内の電子メールアドレスは、プリンタ10A、10Bを利用するユーザ、プリンタ10A、10Bの管理者によって登録される。なお、変形例では、サーバ200の管理者によって、通知リスト238内の電子メールアドレスが登録されてもよい。以下では、通知リスト238内の電子メールアドレスを、「通知アドレス」と記載することがある。
【0017】
アドレステーブル240では、プリンタIDと、アクセストークンと、印刷アドレスと、優先順位と、が関連付けて記憶されている。アクセストークンは、対応するプリンタとのXMPP(eXtensible Messaging and Presence Protocolの略)セッションを確立するための認証情報である。印刷アドレスは、メール印刷機能を実行すべきプリンタを識別するための電子メールアドレスである。印刷アドレスは、サーバ200によって生成される。優先順位は、メール印刷機能を実行すべきプリンタが2個以上指定される場合に、いずれのプリンタがメール印刷機能を実行すべきかを判断する際に利用される情報である。本実施例において、優先順位は、プリンタ10A、10Bを利用するユーザ、プリンタ10A、10Bの管理者によって設定される。なお、変形例では、サーバ200の管理者によって、通知リスト238内の優先順位が設定されてもよい。また、変形例では、メール印刷機能を実行するプリンタとして指定された回数が多い順に優先順位が設定されてもよい。また、別の変形例では、サーバ200は、各プリンタの状態(「待機中」、「エラー状態」、「印刷実行中」等)を示す情報を定期的に受信するように構成されており、各プリンタの状態に応じて、優先順位が設定されてもよい。例えば、「待機中」を示すプリンタの優先順位が最も高く設定される。
【0018】
(セットアップ処理:
図2)
図2を参照して、メール印刷機能を実行するための通信に利用される情報をサーバ200に登録するとともに、プリンタ10A、10B及びサーバ200との間にXMPPセッションを確立するセットアップ処理を説明する。なお、以下では、各デバイスの各CPU(例えばサーバ200のCPU232等)が実行する処理について、理解の容易さの観点から、各CPUを主体として記載せずに、各デバイス(例えばサーバ200等)を主体として記載することがある。また、以下では、プリンタ10A、10Bとサーバ200との間では、LAN4とインターネット6を介して、通信が実行される。また、PC100A~100C、及び、サーバ200の間では、インターネット6を介して、通信が実行される。以下では、特に言及しない限り、「LAN4を介して」及び「インターネット6を介して」という説明を省略する。
【0019】
プリンタ10Aは、T10において、プリンタ10Aのメール印刷設定を「無効」から「有効」に変更するための操作をプリンタ10Aの管理者から受け付けると、メール印刷設定を「無効」から「有効」に変更する。メール印刷設定は、メール印刷機能の実行を許容するのか否かの設定を示す。「無効」は、メール印刷機能の実行を禁止することを示し、「有効」は、メール印刷機能の実行を許容することを示す。メール印刷設定は、デフォルトでは、「無効」を示す。次いで、プリンタ10Aは、T12において、メール印刷機能を実行するための通信に利用される情報の登録を要求する登録要求をサーバ200に送信する。登録要求は、プリンタID「pr1」を含む。
【0020】
サーバ200は、T12において、プリンタ10Aから登録要求を受信すると、T14において、印刷アドレス「p1@print.com」を生成する。印刷アドレス「p1@print.com」は、ローカル部「p1」と、サーバ200のドメイン名「print.com」と、を含む。次いで、サーバ200は、T16において、プリンタID「pr1」と、印刷アドレス「p1@print.com」と、を関連付けてアドレステーブル240に登録する。次いで、サーバ200は、T20において、PINコードCを生成する。なお、サーバ200は、プリンタID「pr1」とPINコードCとを関連付けてメモリ234に一時的に記憶する。次いで、サーバ200は、T22において、PINコードCをプリンタ10Aに送信する。
【0021】
プリンタ10Aは、T22において、サーバ200からPINコードCを受信すると、T24において、XMPPセッションを確立することを要求する確立要求をサーバ200に送信する。確立要求は、プリンタID「pr1」と、PINコードCと、を含む。
【0022】
サーバ200は、T24において、プリンタ10Aから確立要求を受信すると、確立要求内のPINコードCの認証を実行する。サーバ200は、確立要求内のプリンタID「pr1」及びPINコードCと、サーバ200のメモリ234内のプリンタID「pr1」及びPINコードCと、が一致するので、認証が成功したと判断する。次いで、サーバ200は、T30において、アクセストークンAT1を生成し、T32において、プリンタID「pr1」に関連付けて、アクセストークンAT1をアドレステーブル240に登録する。次いで、サーバ200は、T34において、アクセストークンAT1をプリンタ10Aに送信する。
【0023】
プリンタ10Aは、T34において、サーバ200から、アクセストークンAT1を受信すると、T40において、アクセストークンAT1を利用して、サーバ200とのXMPPセッションを確立する。サーバ200は、XMPPセッションを利用すれば、プリンタから要求を受信しなくても、当該プリンタが所属するLAN4のファイヤウォール(例えばルータによって形成されるファイヤウォール)を越えて、当該プリンタに要求を送信することができる。なお、サーバ200からプリンタに要求を送信する仕組みは、XMPPセッションではなく、他の手法であってもよい。例えば、プリンタとサーバ200との間にHTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secureの略)に従ったセッションが確立されてもよい。次いで、プリンタ10Aは、T50において、プリンタID「pr1」を含む印刷アドレス要求をサーバ200に送信する。印刷アドレス要求は、印刷アドレス要求内のプリンタIDに対応する印刷アドレスの送信を要求する信号である。
【0024】
サーバ200は、T50において、プリンタ10Aから印刷要求を受信すると、アドレステーブル240において、印刷要求内のプリンタID「pr1」に関連付けられている印刷アドレス「p1@print.com」を特定し、T52において、印刷アドレス「p1@print.com」を文字列として含む印刷データを生成する。次いで、サーバ200は、T54において、印刷アドレス「p1@print.com」を文字列として含む印刷データをプリンタ10Aに送信する。
【0025】
プリンタ10Aは、T56において、サーバ200から印刷データを受信すると、当該印刷データに対応する画像の印刷を実行する。これにより、印刷用紙に、印刷アドレス「p1@print.com」が印刷される。その後、プリンタ10Aの管理者は、プリンタ10Aを利用したメール印刷機能の実行を許可するユーザに、印刷アドレス「p1@print.com」を知らせる。これにより、プリンタ10Aを利用したメール印刷機能の実行が可能になる。以下では、プリンタ10Aとサーバ200との間の通信が実行される場合、アクセストークンAT1が利用されるが、「アクセストークンAT1」に関する記載を省略する。
【0026】
また、プリンタ10Bとサーバ200との間で、T10~T56と同様の処理が実行されると、プリンタ10Bを利用したメール印刷機能の実行が可能になる。なお、プリンタ10Bとサーバ200の間で実行されるT12では、プリンタID「pr2」を含む登録要求が通信される。また、サーバ200は、T14において、プリンタ10Bに対応する印刷アドレス「p2@print.com」を生成し、T16において、プリンタID「pr2」と、印刷アドレス「p2@print.com」と、を関連付けてアドレステーブル240に登録する。また、サーバ200は、T30において、アクセストークンAT2を生成し、T32において、プリンタID「pr2」に関連付けて、アクセストークンAT2をアドレステーブル240に登録する。また、サーバ200は、T52において、印刷アドレス「p2@print.com」を文字列として含む印刷データを生成し、T54において、印刷アドレス「p2@print.com」を文字列として含む印刷データをプリンタ10Bに送信する。プリンタ10Bは、T56において、印刷アドレス「p2@print.com」を文字列として含む印刷データに対応する画像の印刷を実行する。その後、プリンタ10Bの管理者は、プリンタ10Bを利用したメール印刷機能の実行を許可するユーザに、印刷アドレス「p2@print.com」を知らせる。これにより、プリンタ10Bを利用したメール印刷機能の実行が可能になる。以下では、プリンタ10Bとサーバ200との間の通信が実行される場合、アクセストークンAT2が利用されるが、「アクセストークンAT2」に関する記載を省略する。
【0027】
(サーバ処理;
図3)
続いて、
図3を参照して、サーバ200のCPU232によって実行されるサーバ処理について説明する。サーバ200の電源がONされると、
図3の処理が開始される。
【0028】
S10において、CPU232は、PCから、画像ファイルが添付されている電子メールを受信することを監視する。CPU232は、PCから、電子メールが受信される場合に、S10でYESと判断し、S12に進む。
【0029】
S12において、CPU232は、S10で受信した電子メール(以下では、「受信済み電子メール」と記載することがある)に含まれる1個以上の宛先アドレスを特定する。宛先アドレスとは、電子メールの「to」を示す領域である宛先アドレス欄(例えば、
図5の304)に記述されている電子メールアドレスである。なお、変形例では、電子メールの「cc」を示す領域に記述されている電子メールアドレスを宛先アドレスに含めてもよい。
【0030】
S14において、CPU232は、S12で特定した宛先アドレス(以下では、「特定済み宛先アドレス」と記載することがある)が、一般アドレスを含むのか否かを判断する。一般アドレスとは、サーバ200のドメイン名「print.com」を含まない電子メールアドレスであり、プリンタではなく、ユーザに割り当てられている電子メールアドレスである。CPU232は、特定済み宛先アドレスが一般アドレスを含む場合(S14でYES)に、S20に進む。一方、CPU232は、特定済み宛先アドレスが一般アドレスを含まない場合(S14でNO)に、S30に進む。
【0031】
S20において、CPU232は、受信済みメールが、過去にサーバ200が受信したことのある電子メールを利用して生成された電子メールであるのか否かを判断する。本実施例では、CPU232は、受信済み電子メールの「本文」を示す領域である本文欄(例えば、
図5の310)に、印刷アドレスが記述されているのか否かを判断する。CPU232は、本文欄に印刷アドレスが記述されている場合(S20でYES)に、
図3の処理を終了する。一方、CPU232は、本文欄に印刷アドレスが記述されていない場合(S20でNO)に、S30に進む。
【0032】
S30において、CPU232は、印刷処理を実行する。印刷処理は、メール印刷機能の実行をプリンタに実行させるための処理である。CPU232は、S30が終了すると、
図3の処理を終了する。
【0033】
(印刷処理;
図4)
続いて、
図3のS30で実行される印刷処理について説明する。S40において、CPU232は、受信済み電子メールの送信元アドレス欄に記述されている電子メールアドレス(以下では、「送信元アドレス」と記載することがある)が通知リスト238に登録されているのか否かを判断する。CPU232は、送信元アドレスが通知リスト238に登録されている場合(S40でYES)に、S50に進む。一方、CPU232は、送信元アドレスが通知リスト238に登録されていない場合(S40でNO)に、S90に進む。
【0034】
S90において、CPU232は、受信済み電子メールに含まれる送信元アドレスを宛先アドレスとして含む電子メールを作成し、当該電子メールを送信する。当該電子メールは、サーバ200が電子メールを受信したことを示す受信完了メッセージを含む。これにより、ユーザは、電子メールが受信されたことを知ることができる。CPU232は、S90の処理が終了すると、
図4の処理を終了する。
【0035】
また、S50において、CPU232は、特定済み宛先アドレスが、未記憶アドレスを含むのか否かを判断する。未記憶アドレスは、サーバ200のドメイン名「print.com」を含んでいるが、アドレステーブル240に登録されていない電子メールアドレスである。例えば、ユーザが入力を間違えた電子メールアドレス等が未記憶アドレスである。CPU232は、特定済み宛先アドレスが未記憶アドレスを含む場合(S50でYES)に、S52に進む。一方、CPU232は、特定済み宛先アドレスが未記憶アドレスを含まない場合(S50でNO)に、S52、S54をスキップして、S60に進む。
【0036】
S52において、CPU232は、未記憶アドレスを、特定済み宛先アドレスから除外する。
【0037】
S54において、CPU232は、特定済み宛先アドレスに含まれる印刷アドレスが0個であるのか否かを判断する。CPU232は、特定済み宛先アドレスに含まれる印刷アドレスが0個である場合(S54でYES)に、
図4の処理を終了する。一方、CPU232は、特定済み宛先アドレスに含まれる印刷アドレスが1個以上である場合(S54でNO)に、S60に進む。なお、S50でYES、及び、S54でYESと判断される場合とは、特定済み宛先アドレスに含まれる全ての電子メールアドレスが未記憶アドレスである場合である。
【0038】
S60において、CPU232は、特定済み宛先アドレスに含まれる印刷アドレスが2個以上であるのか否かを判断する。CPU232は、特定済み宛先アドレスに含まれる印刷アドレスが2個以上である場合(S60でYES)に、S62に進む。一方、CPU232は、特定済み宛先アドレスに含まれる印刷アドレスが1個である場合(S60でNO)に、S70に進む。
【0039】
S62において、CPU232は、アドレステーブル240において、特定済み宛先アドレスに含まれる2個以上の印刷アドレスのそれぞれに関連付けられている優先順位を特定する。
【0040】
S64において、CPU232は、S64で特定した優先順位を利用して、対象プリンタを特定する。対象プリンタは、メール印刷機能を実行させるプリンタである。CPU232は、アドレステーブル240において、優先順位が最も高い印刷アドレスに対応するプリンタIDを特定し、当該プリンタIDに対応するプリンタを対象プリンタとして特定する。
【0041】
S70において、CPU232は、アドレステーブル240において、特定済み宛先アドレスに含まれる1個の印刷アドレスに対応するプリンタIDを特定して、当該プリンタIDに対応するプリンタを対象プリンタとして特定する。
【0042】
S80において、CPU232は、受信済み電子メールに添付されている画像ファイルを変換して印刷データを生成し、印刷要求を対象プリンタに送信する。その後、CPU232は、対象プリンタから印刷データ要求を受信すると、生成済みの印刷データを対象プリンタに送信する。
【0043】
S82において、CPU232は、対象プリンタから印刷完了通知を受信する。印刷完了通知は、対象プリンタに送信した印刷データに対応する画像の印刷が完了したことを示す通知である。
【0044】
S84において、CPU232は、送信元アドレスを宛先アドレスとして含む電子メールを作成し、当該電子メールを送信する。当該電子メールは、印刷が完了したことを示す印刷完了メッセージを含む。これにより、ユーザは、メール印刷機能が実行されたことを知ることができる。なお、S82で対象プリンタから受信される通知は、画像の印刷が失敗したことを示すエラー通知であってもよい。この場合、CPU232は、S84において、画像の印刷に失敗したことを示すエラーメッセージを含む電子メールを送信する。CPU232は、S84が終了すると、
図4の処理を終了する。なお、変形例では、S82、S84の処理を省略可能である。
【0045】
(具体的なケース;
図5~
図9)
続いて、
図5~
図9を参照して、
図3、
図4の処理によって実現される具体的なケースについて説明する。
【0046】
(ケースA;
図5)
図5を参照して、1個の印刷アドレスを宛先アドレスとして含む電子メール300が送信されるケースAについて説明する。ケースAの初期状態は、
図2のセットアップ処理が完了した後の状態である。従って、サーバ200のアドレステーブル240には、プリンタID「pr1」と、アクセストークンAT1と、印刷アドレス「p1@printer.com」と、が対応付けて記憶されている。また、アドレステーブル240には、プリンタID「pr2」と、アクセストークンAT2と、印刷アドレス「p2@printer.com」と、が対応付けて記憶されている。また、アドレステーブル240において、プリンタID「pr1」には優先順位「1」が関連付けられており、プリンタID「pr2」には優先順位「2」が関連付けられている。また、通知リスト238には、電子メールアドレス「u1@user.com」、「u2@user.com」が登録されている。
【0047】
PC100Aは、電子メールの作成操作、宛先アドレス欄に電子メールアドレス「u2@user.com」及び「p1@print.com」を追加するための操作、タイトル欄に文字列「aaa」を記述するための操作、本文欄に文字列「Hello」を記述するための操作、及び、ファイル名「zzz.pdf」を有する画像ファイルを添付するための操作を受付けると、電子メール300を作成する。電子メール300では、送信元アドレス欄302に送信元アドレス「u1@user.cm」が記述されており、宛先アドレス欄304に宛先アドレス「u2@user.com」及び「p1@print.com」が記述されており、タイトル欄306にタイトル「aaa」が記述されており、ファイル名欄308にファイル名「zzz.pdf」が記述されており、本文欄310に本文「Hello」が記述されている。次いで、PC100Aは、電子メール300の送信操作を受け付けると、T110において、電子メール300を送信する。電子メールアドレス「u2@user.com」及び「p1@print.com」を宛先アドレスとして含むために、PC100B及びサーバ200に電子メール300が送信される。
【0048】
サーバ200は、T110において、PC100Aから電子メール300を受信すると(
図3のS10でYES)、電子メール300の宛先アドレス「u2@user.com」及び「p1@print.com」を特定する(S12)。次いで、サーバ200は、特定済み宛先アドレスが一般アドレス「u2@user.com」を含むと判断し(S14でYES)、印刷アドレスが本文欄310に記述されていないと判断する(S20でNO)。次いで、サーバ200は、電子メール300の送信元アドレス「u1@user.com」が通知リスト238に登録されていると判断し(S40でYES)、特定済み宛先アドレスが未記憶アドレスを含まないと判断し(S50でNO)、特定済み宛先アドレスに1個の印刷アドレス「p1@print.com」が含まれていると判断する(S60でNO)。次いで、サーバ200は、アドレステーブル240において、印刷アドレス「p1@print.com」に対応するプリンタID「pr1」を特定し、プリンタID「pr1」に対応するプリンタ10Aを対象プリンタとして特定する(S70)。次いで、サーバ200は、T120において、電子メール300に添付されている画像ファイル「zzz.pdf」を変換して印刷データPD1を生成する。次いで、サーバ200は、T122において、印刷要求をプリンタ10Aに送信し(S80)、T124において、プリンタ10Aから印刷データ要求を受信し、T126において、印刷データPD1をプリンタ10Aに送信する。
【0049】
プリンタ10Aは、T126において、サーバ200から印刷データPD1を受信すると、T130において、印刷データPD1に対応する画像の印刷を実行する。即ち、メール印刷機能が実行される。次いで、プリンタ10Aは、T132において、印刷完了通知をサーバ200に送信する。
【0050】
サーバ200は、T132において、プリンタ10Aから印刷完了通知を受信すると(S82)、電子メール320を作成し、T140において、電子メール320を送信する(S84)。電子メール320では、送信元アドレス欄322に送信元アドレス「p1@print.com」が記述されており、宛先アドレス欄324に宛先アドレス「u1@user.com」が記述されており、タイトル欄326にタイトル「Re:aaa」が記述されており、本文欄330に印刷完了メッセージ(文字列「Print has been completed」)が記述されている。電子メールアドレス「u1@user.com」を宛先アドレスとして含むため、PC100Aに電子メール320が送信される。PC100Aを利用するユーザは、電子メール320を開封することで、メール印刷機能が実行されたことを知ることができる。
【0051】
(ケースB;
図6)
続いて、
図6を参照して、PC100Aから電子メール300が送信された後に、メール印刷機能が実行されるケースBについて説明する。ケースBは、ケースAの後の状態である。即ち、PC100Bは、電子メール300を受信済である。
【0052】
PC100Bは、電子メールの作成操作、宛先アドレス欄に電子メールアドレス「p1@print.com」を追加するための操作、タイトル欄に文字列「bbb」を記述するための操作、及び、ファイル名「yyy.pdf」を有する画像ファイルを添付するための操作を受付けると、電子メール400を作成する。電子メール400では、送信元アドレス欄402に送信元アドレス「u2@user.cm」が記述されており、宛先アドレス欄304に宛先アドレス「p1@print.com」が記述されており、タイトル欄406にタイトル「bbb」が記述されており、ファイル名欄408にファイル名「yyy.pdf」が記述されている。本文欄410は、「空」である。次いで、PC100Bは、電子メール400の送信操作を受け付けると、T210において、電子メール400を送信する。電子メールアドレス「p1@print.com」を宛先アドレスとして含むために、サーバ200に電子メール400が送信される。
【0053】
サーバ200は、T210において、PC100Bから電子メール400を受信すると(
図3のS10でYES)、電子メール400の宛先アドレス欄404に記述されている電子メールアドレス「p1@print.com」を特定済みの宛先アドレスとして特定する(S12)。次いで、サーバ200は、特定済み宛先アドレスが一般アドレスを含まないと判断し(S14でNO)、電子メール400の送信元アドレス「u2@user.com」が通知リスト238に登録されていると判断し(S40でYES)、特定済み宛先アドレスが未記憶アドレスを含まないと判断する(
図4のS50でNO)。次いで、サーバ200は、アドレステーブル240において、特定済み宛先アドレスに含まれる印刷アドレス「p1@print.com」に対応するプリンタID「pr1」を特定し、プリンタID「pr1」に対応するプリンタ10Aを対象プリンタとして特定する(S60でNO、S70)。次いで、サーバ200は、T220において、電子メール400に添付されている画像ファイル「yyy.pdf」を変換して印刷データPD2を生成する。T222~T240は、印刷データPD2、電子メール420が通信される点を除いて、
図5のT122~T140と同様である。電子メール420の送信元アドレス欄422、タイトル欄426、本文欄430に記述されている内容は、それぞれ、
図5の電子メール320の送信元アドレス欄322、タイトル欄326、本文欄330に記述されている内容と同じである。電子メール420の宛先アドレス欄424には、送信元アドレス「u2@user.com」が記述されている。
【0054】
(ケースC;
図7)
続いて、
図7を参照して、PC100Aから電子メール300が送信された後に、メール印刷機能が実行されないケースCについて説明する。ケースCは、ケースAの後の状態である。即ち、PC100Bは、電子メール300を受信済である。
【0055】
PC100Bは、電子メール300への返信操作、及び、ファイル名「yyy.pdf」を有する画像ファイルを添付するための操作を受付けると、電子メール500を作成する。この場合、PC100Bは、送信元アドレス欄502に送信元アドレス「u2@user.com」が記述されており、宛先アドレス欄504に宛先アドレス「u1@user.com」及び「p1@print.com」が記述されており、タイトル欄506にタイトル「Re:aaa」が記述されており、本文欄510に電子メール300に関連する内容(電子メール300の送信元アドレス、宛先アドレス、本文)が記述されている電子メール500が作成される。本ケースでは、PC100Bを利用するユーザは、電子メール300を利用して、PC100Aにファイル名「yyy.pdf」を有する画像ファイルを送信することを所望している。このため、PC100Bを利用するユーザは、宛先アドレス欄504から電子メールアドレス「p1@print.com」を消去するための操作を実行し、かつ、本文欄510に記述されている印刷「p1@print.com」を含む文字列を消去するための操作を実行する必要がある。しかしながら、本ケースでは、PC100Bを利用するユーザは、宛先アドレス欄504から電子メールアドレス「u1@user.com」を消去するための操作、及び、本文欄510の電子メール300に関連する内容を消去するための操作を実行することなく、電子メール500の送信操作を実行してしまう。PC100Bは、電子メール500の送信操作を受け付けると、T310において、電子メール500を送信する。電子メールアドレス「u1@user.com」及び「p1@print.com」を宛先アドレスとして含むために、PC100A及びサーバ200に電子メール500が送信される。
【0056】
サーバ200は、T310において、PC100Bから電子メール500を受信すると(
図3のS10でYES)、電子メール500の宛先アドレス「u1@user.com」及び「p1@print.com」を特定する(S12)。次いで、サーバ200は、特定済み宛先アドレスが一般アドレス「u1@user.com」を含むと判断し(S14でYES)、印刷アドレス「p1@print.com」が本文欄510に記述されていると判断する(S20でYES)。この場合、サーバ200は、プリンタ10Aに印刷要求を送信しない。このように、ユーザが、メール印刷機能が実行されることを所望されていないにも関わらず、印刷アドレスが電子メール500の本文欄510に記述されている場合に、メール印刷機能が実行されることを抑制することができる。
【0057】
(ケースD;
図7)
続いて、
図7を参照して、PC100Aから電子メール300が送信された後に、メール印刷機能が実行されないケースDについて説明する。ケースDは、ケースAの後の状態である。即ち、PC100Bは、電子メール300を受信済である。
【0058】
PC100Bは、電子メール300の転送操作、宛先アドレス欄に電子メールアドレス「u3@user.com」及び「p1@print.com」を追加するための操作を受付けると、電子メール600を作成する。電子メール600の各欄602、610の内容は、それぞれ、電子メール500の各欄502、510の内容と同様である。ファイル名欄608の内容は、
図5の電子メール300のファイル名欄308の内容と同様である。また、電子メール600では、宛先アドレス欄604に宛先アドレス「u3@user.com」及び「p1@print.com」が記述あれており、タイトル欄606に「Fw:aaa」が記述されている。本ケースでは、PC100Bを利用するユーザは、電子メール300に添付されている画像ファイルを、PC100Cを利用するユーザに転送することを所望している。この場合、PC100Bを利用するユーザは、電子メールアドレス「u3@user.com」を宛先アドレス欄に追加すればよい。しかしながら、本ケースでは、PC100Bを利用するユーザは、宛先アドレスに、電子メールアドレス「u3@user.com」を追加するともに、電子メールアドレス「p1@print.com」を追加した後に、電子メール600の送信操作を実行してしまう。PC100Bは、電子メール600の送信操作を受け付けると、T410において、電子メール600を送信する。電子メールアドレス「u3@user.com」及び「p1@print.com」を宛先アドレスとして含むために、PC100C及びサーバ200に電子メール600が送信される。
【0059】
サーバ200は、T410において、PC100Bから電子メール600を受信すると(
図3のS10でYES)、電子メール600の宛先アドレス「u3@user.com」及び「p1@print.com」を特定する(S12)。次いで、サーバ200は、特定済み宛先アドレスが一般アドレス「u3@user.com」を含むと判断し(S14でYES)、印刷アドレス「p1@print.com」が本文欄610に記述されていると判断する(S20でYES)。この場合、サーバ200は、プリンタ10Aに印刷要求を送信しない。
【0060】
(ケースE;
図8)
続いて、
図8を参照して、2個の印刷アドレスを宛先アドレスとして含む電子メール700が送信されるケースEについて説明する。ケースEの初期状態は、ケースAの初期状態と同様である。
【0061】
PC100Aは、電子メールの作成操作、宛先アドレス欄に電子メールアドレス「u2@user.com」、「p1@print.com」、「p2@print.com」を追加するための操作、タイトル欄に文字列「aaa」を記述するための操作、本文欄に文字列「Hello」を記述するための操作、及び、ファイル名「zzz.pdf」を有する画像ファイルを添付するための操作を受付けると、電子メール700を作成する。電子メール700の各欄702、706、708、710の内容は、
図5の電子メール300の各欄302、306、308、310の内容と同じである。また、電子メール700では、宛先アドレス欄704に宛先アドレス「u2@user.com」、「p1@print.com」、及び、「p2@print.com」が記述されている。次いで、PC100Aは、電子メール700の送信操作を受け付けると、T510において、電子メール700を送信する。電子メールアドレス「u2@user.com」、「p1@print.com」、及び、「p2@print.com」を宛先アドレスとして含むために、PC100B及びサーバ200に電子メール700が送信される。
【0062】
サーバ200は、T510において、PC100Aから電子メール700を受信すると(
図3のS10でYES)、電子メール700の宛先アドレス「u2@user.com」、「p1@print.com」、及び、「p2@print.com」を特定する(S12)。次いで、サーバ200は、特定済み宛先アドレスが一般アドレス「u2@user.com」を含むと判断し(S14でYES)、印刷アドレスが本文欄710に記述されていないと判断する(S20でNO)。次いで、サーバ200は、電子メール700の送信元アドレス「u1@user.com」が通知リスト238に登録されていると判断し(S40でYES)、特定済み宛先アドレスが未記憶アドレスを含まないと判断し(S50でNO)、特定済み宛先アドレスに2個の印刷アドレス「p1@print.com」、「p2@print.com」が含まれていると判断する(S60でYES)。次いで、サーバ200は、アドレステーブル240において、2個の印刷アドレス「p1@print.com」、「p2@print.com」に関連付けられている優先順位「1」、「2」を特定する(S62)。次いで、サーバ200は、アドレステーブル240において、優先順位が高い印刷アドレス「p1@print.com」に関連付けられているプリンタID「pr1」を特定し、プリンタID「pr1」に対応するプリンタ10Aを対象プリンタとして特定する(S64)。次いで、サーバ200は、T520において、印刷データPD1を生成する。T522~532は、
図5のT122~T132と同様である。サーバ200は、T540において、電子メール720を送信する。電子メール720の各欄722、724、726、730の内容は、電子メール320の各欄322、324、326、330の内容と同じである。
【0063】
(ケースEの効果)
ケースEに示されるように、サーバ200は、2個の印刷アドレス「p1@print.com」、及び、「p2@print.com」を宛先アドレスとして含む電子メール700が受信される場合に、メモリ234内の高い優先順位に対応するプリンタ10Aのみに印刷要求を送信する(T522)。このような構成によると、2個の印刷アドレスを含む電子メールが受信される場合に、2個のプリンタによってメール印刷機能が実行されることを抑制することができる。例えば、2個の印刷アドレスを知り得た第三者から、2個の印刷アドレスを含む電子メールが受信される場合に、2個のプリンタによってメール印刷機能が実行されることを抑制することができる。これにより、無駄な印刷が実行されることを抑制することができる。
【0064】
(ケースF;
図9)
続いて、
図9を参照して、誤った電子メールアドレスを宛先アドレスとして含む電子メール800が送信されるケースFについて説明する。ケースFの初期状態は、
図5のケースAの初期状態と同じである。本ケースでは、PC100Aを利用するユーザが、電子メールアドレス「p1@print.com」と入力すべきにもかかわらず、電子メールアドレス「p3@print.com」と入力するケースを想定する。
【0065】
PC100Aは、電子メールの作成操作、宛先アドレス欄に電子メールアドレス「u2@user.com」、「p3@print.com」及び「p2@print.com」を追加するための操作、タイトル欄に文字列「aaa」を記述するための操作、本文欄に文字列「Hello」を記述するための操作、及び、ファイル名「zzz.pdf」を有する画像ファイルを添付するための操作を受付けると、電子メール800を作成する。電子メール800の各欄802、806、808、810の内容は、
図5の電子メール300の各欄302、306、308、310の内容と同じである。また、電子メール800の宛先アドレス欄804には、電子メールアドレス「u2@user.com」、「p3@print.com」及び「p2@print.com」が記述されている。次いで、PC100Aは、電子メール800の送信操作を受け付けると、T610において、電子メール800を送信する。電子メールアドレス「u2@user.com」、及び、「p2@print.com」を宛先アドレスとして含むために、PC100B及びサーバ200に電子メール800が送信される。
【0066】
サーバ200は、T610において、PC100Aから電子メール800を受信すると(
図3のS10でYES)、電子メール800の宛先アドレス「u2@user.com」、「p3@print.com」及び「p2@print.com」を特定する(S12)。次いで、サーバ200は、特定済み宛先アドレスが一般アドレス「u2@user.com」を含むと判断し(S14でYES)、印刷アドレスが本文欄810に記述されていないと判断する(S20でNO)。次いで、サーバ200は、電子メール800の送信元アドレス「u1@user.com」が通知リスト238に登録されていると判断し(S40でYES)、特定済み宛先アドレスが未記憶アドレス「p3@print.com」を含むと判断し(S50でYES)、特定済み宛先アドレスから未記憶アドレス「p3@print.com」を除外し(S52)、1個の印刷アドレス「p2@print.com」が電子メール800に含まれていると判断する(S54でNO、S60でNO)。次いで、サーバ200は、アドレステーブル240において、特定済み宛先アドレスに含まれる印刷アドレス「p2@print.com」に対応するプリンタID「pr2」を特定し、プリンタID「pr2」に対応するプリンタ10Bを対象プリンタとして特定する(S70)。次いで、サーバ200は、T620において、印刷データPD1を生成する。T622~T632は、通信対象がプリンタ10Bである点を除いて、
図5のT122~T132と同様である。サーバ200は、T640において、電子メール820を送信する。電子メール820の送信元アドレス欄822には、電子メールアドレス「p2@print.com」が記述されている。電子メール820のタイトル欄826、本文欄830の内容は、それぞれ、
図5の電子メール320のタイトル欄326、本文欄310の内容と同じである。
【0067】
(ケースFの効果)
ケースFに示されるように、サーバ200は、電子メール800が受信される場合に、特定済み宛先アドレス「u2@user.com」、「p3@print.com」及び「p2@print.com」から、サーバ200のドメイン「print.com」を含み、かつ、メモリ234に記憶されていない「p3@print.com」を除外する。そして、サーバ200は、特定済み宛先アドレスから「p3@print.com」が除外された後に、特定済み宛先アドレスから「p2@print.com」を特定し、印刷要求をプリンタ10Bに送信する(T622)。このような構成によると、データ印刷に要する時間を短縮することができる。
【0068】
(ケースG;
図10)
続いて、
図10を参照して、メール印刷機能が実行されないケースGについて説明する。ケースGの初期状態は、通知リスト238に電子メールアドレス「u1@user.com」が登録されていない点を除いて、ケースAの初期状態と同様である。
【0069】
まず、PC100Aは、電子メール900を作成する。電子メール900の各欄902、904、906、908、910の内容は、
図5の電子メール300の各欄302、304、306、308、310の内容と同じである。次いで、PC100Aは、電子メール900の送信操作を受付けると、T710において、電子メール900を送信する。
【0070】
サーバ200は、T710において、PC100Aから電子メール900を受信すると(
図3のS10でYES)、電子メール900の宛先アドレス「u2@user.com」及び「p1@print.com」を特定する(S12)。次いで、サーバ200は、特定済み宛先アドレスが一般アドレス「u2@user.com」を含むと判断し(S14でYES)、印刷アドレスが本文欄910に記述されていないと判断する(S20でNO)。次いで、サーバ200は、電子メール900の送信元アドレス「u1@user.com」が通知リスト238に登録されていないと判断し(S40でNO)、電子メール900を受信したことを示す受信完了メッセージ(文字列「Email has been received」)を含む電子メール920を作成する。電子メール920の各欄922、924、926の内容は、電子メール320の各欄322、324、326の内容と同じである。電子メール920の本文欄930には、受信完了メッセージが記述されている。サーバ200は、T715において、電子メール920を送信する(S90)。電子メールアドレス「u1@user.com」を宛先アドレスとして含むために、PC100Aに電子メール920が送信される。
【0071】
(ケースA、Gの効果)
図5のケースAに示されるように、サーバ200は、電子メール300の送信元アドレス「u1@user.com」が通知リスト238に記憶されており、かつ、プリンタ10Aから印刷完了通知が受信される場合(T132)に、電子メールアドレス「u1@user.com」を宛先アドレスとして含む電子メール320を送信する。一方、
図10のケースGに示されるように、サーバ200は、電子メール900の送信元アドレス「u1@user.com」が通知リスト238に記憶されていない場合に、受信完了メッセージを含む電子メール920を送信する(
図10のT915)。このような構成によると、送信元アドレスが通知リスト238に記憶されているのか否かによって、印刷完了メッセージを含む電子メールを送信するのか、受信完了メッセージを含む電子メールを送信するのかを適切に切替えることができる。
【0072】
また、
図5のケースAに示されるように、サーバ200は、電子メール300の送信元アドレス「u1@user.com」が通知リスト238に記憶されている場合に、印刷要求をプリンタ10Aに送信する(T122)。一方、
図10のケースGに示されるように、電子メール900の送信元アドレス「u1@user.com」が通知リスト238に記憶されていない場合に、印刷要求は送信されない。このような構成によると、送信元アドレスが通知リスト238に記憶されているのか否かによって、印刷要求を送信するのか否かを適切に切替えることができる。従って、プリンタ10A、10Bのユーザ、プリンタ10A、10Bの管理者は、メール印刷機能の利用を許可するユーザを適切に管理することができる。
【0073】
また、
図5のケースAに示されるように、サーバ200は、電子メール300の送信元アドレス「u1@user.com」が通知リスト238に記憶されている場合に、印刷要求をプリンタ10Aに送信し(T122)、プリンタ10Aから印刷完了通知を受信する場合(T132)に、印刷完了メッセージを含む電子メール320を送信する(T140)。一方、
図10のケースGに示されるように、サーバ200は、電子メール900の送信元アドレス「u1@user.com」が通知リスト238に記憶されていない場合に、受信完了メッセージを含む電子メール920を送信し(T915)、印刷要求を送信しない。このような構成によると、サーバ200は、送信元アドレスを利用しているユーザがメール印刷機能を利用可能であるのか否かによって、印刷完了メッセージを含む電子メール、及び、受信完了メッセージを含む電子メールのうちのいずれの電子メールを送信するのかを適切に切替えることができる。また、通知リスト238に登録されている電子メールアドレスに対応するユーザは、メール印刷機能の利用が許可されているユーザである。プリンタ10A、10Bに関する情報を当該ユーザに提供することは有益である。一方、通知リスト238に登録されていない電子メールアドレスに対応するユーザは、メール印刷機能の利用が許可されていないユーザである。このようなユーザには、プリンタ10A、10Bを利用するユーザ、及び、プリンタ10A、10Bを利用するユーザとは異なる第三者が含まれ得る。プリンタ10A、10Bに関する情報を第三者に提供することはセキュリティの観点から望ましくない。上記の構成によると、サーバ200は、第三者に対応する電子メールアドレスを送信元アドレスとして含む電子メールを受信する場合(
図3のS10でYES)に、当該電子メールアドレスが通知リスト238に登録されていないと判断し(
図4のS40でNO)、印刷完了メッセージを含む電子メールを送信することなく、受信完了メッセージを含む電子メールを送信する(S90)。従って、プリンタ10A、10Bに関する情報のセキュリティ性を高めることができる。
【0074】
(ケースA~Gの効果)
サーバ200は、PC100Aから、印刷アドレス「p1@print.com」と一般アドレス「u2@print.com」とを宛先アドレスとして含む電子メール300を受信する場合(
図3のT110)に、印刷要求をプリンタ10Aに送信する(
図5のT122)。そして、サーバ200は、PC100Aから電子メール300を受信した後に、PC100Bから、印刷アドレス「p1@print.com」と一般アドレス「u2@user.com」とを宛先アドレスとして含む電子メール400、500,600を受信する(
図6のT210、
図7のT310、T410)。サーバ200は、電子メール400が電子メール300を利用して生成された電子メールでないと判断する場合に、印刷要求をプリンタ10Aに送信する(
図6のT222)。一方、サーバ200は、電子メール500、600が電子メール300を利用して生成された電子メールであると判断する場合に、印刷要求をプリンタ10Aに送信しない。このように、サーバ200は、複数のアドレスが宛先アドレスとして指定されている電子メール400、500、600を受信する場合に、電子メール400、500、600が電子メール300を利用して生成された電子メールであるか否かによって、プリンタ10Aに印刷を実行させるのか否かを適切に切り替えることができる。特に、本実施例では、サーバ200は、メモリ234のアドレステーブル240に記憶されている電子メールアドレス(即ち印刷アドレス)が電子メール500、600の本文内に記述されている場合(
図7参照)に、電子メール500、600が電子メール300を利用して生成された電子メールであると判断し、メモリ234のアドレステーブル240に記憶されている電子メールアドレス(即ち印刷アドレス)が電子メール400の本文内に記述されていない場合(
図6参照)に、電子メール400が電子メール300を利用して生成された電子メールでないと判断する。
図7の電子メール500の本文欄510に示されるように、電子メール300に対する返信を実行するための操作が実行されると、電子メールの本文欄には、元の電子メール300の宛先アドレスが含まれる。このため、印刷アドレスが電子メールの本文欄に記述されているのか否かによって、電子メール400、500が電子メール300を利用して生成された電子メールであるの否かを適切に判断することができる。転送メールについても同様である。
【0075】
(対応関係)
プリンタ10Aが、「第1のプリンタ」の一例である。プリンタIDが、「プリンタ識別情報」の一例である。PC100A、PC100Bが、それぞれ、「第1の外部装置」、「第2の外部装置」の一例である。サーバ200のメモリ234が、「メモリ」の一例である。
図5の電子メール300、
図8の電子メール700、
図9の電子メール800が、「第1の電子メール」の一例である。ファイル名「zzz.pdf」を有する画像ファイルが、「第1の画像ファイル」の一例である。印刷アドレス「p1@print.com」が、「第1の印刷アドレス」の一例である。一般アドレス「u2@user.com」が、「第1の一般アドレス」の一例である。
図5のT122の印刷要求、
図8のT522の印刷要求、
図9のT622の印刷要求が、「第1の印刷要求」の一例である。プリンタID「pr1」が、「第1のプリンタ識別情報」の一例である。
図6の電子メール400、
図7の電子メール500、600が、「第2の電子メール」の一例である。ファイル名「zzz.pdf」を有する画像ファイル、及び、ファイル名「yyy.pdf」を有する画像ファイルが、「第2の画像ファイル」の一例である。一般アドレス「u2@user.com」、「u3@user.com」が、「第2の一般アドレス」の一例である。
図6のT222の印刷要求が、「第2の印刷要求」の一例である。
【0076】
サーバ200のドメイン「print.com」が、所定のドメインの一例である。
図9の電子メールアドレス「p3@print.com」が、「特定の電子メールアドレス」の一例である。
【0077】
プリンタ10Bが、「第2のプリンタ」の一例である。プリンタID「pr2」が、「第2のプリンタ識別情報」の一例である。印刷アドレス「p2@print.com」が、「第2の印刷アドレス」の一例である。アドレステーブル240内において、印刷アドレス「p1@print.com」に関連付けられている優先順位「1」、印刷アドレス「p2@print.com」に関連付けられている優先順位「2」が、それぞれ、「第1の優先順位」、「第2の優先順位」の一例である。通知リスト238に登録されている電子メールアドレスが、「通知アドレス」の一例である。
図5の電子メール500の送信元アドレス欄502に記述されている「u1@user.com」、及び、
図10の電子メール900の送信元アドレス欄902に記述されている「u1@user.com」が、「送信元アドレス」の一例である。
図5の電子メール320が、「第3の電子メール」の一例である。印刷完了メッセージが、「印刷完了情報」の一例である。
図10の電子メール920が、「第4の電子メール」の一例である。受信完了メッセージが、「受信情報」の一例である。
【0078】
図3のS10が、「第1の受信部」、「第2の受信部」によって実現される処理の一例である。
図4のS80が、「第1の印刷要求送信部」、「第2の印刷要求送信部」の一例である。
図3のS20が、「判断部」によって実行される処理の一例である。
【0079】
(第2実施例)
本実施例では、
図3のS20で実行される処理が第1実施例と異なる。
図3のS20において、サーバ200のCPU232は、S12で受信した電子メールのタイトル欄に、文字列「Re」又は「Fw」が含まれているのか否かを判断することによって、受信済みメールが、過去にサーバ200が受信したことのある電子メールを利用して生成された電子メールであるのか否かを判断する。CPU232は、受信済みの電子メールのタイトル欄に文字列「Re」又は「Fw」が含まれている場合(S20でYES)に、
図3の処理を終了する。一方、CPU232は、受信済みの電子メールのタイトル欄に文字列「Re」又は「Fw」が含まれていない場合(S20でNO)に、S30に進む。
【0080】
例えば、
図6のケースBにおいて、サーバ200は、電子メール400のタイトル欄406に文字列「Re」又は「Fw」が含まれていないと判断する(
図3のS20でNO)。この場合、第1実施例の場合と同様に、サーバ200は、T222において、印刷要求をプリンタ10Aに送信する。一方、
図7のケースCにおいて、サーバ200は、電子メール500のタイトル欄506に文字列「Re」が含まれていると判断する(S20でYES)。この場合、第1実施例の場合と同様に、印刷要求がプリンタ10Aに送信されない。
【0081】
図7の電子メール500のタイトル欄506に示されるように、電子メール300に対する返信を実行するための操作が実行されると、電子メールのタイトル欄には、文字列「Re」が記述される。このため、文字列「Re」が電子メールのタイトル欄に記述されているのか否かによって、電子メール400、500が電子メール300を利用して生成された電子メールであるの否かを適切に判断することができる。転送メールについても同様である。
【0082】
(第3実施例)
本実施例では、
図3のS20で実行される処理が第1実施例と異なる。本実施例のサーバ200のCPU232は、画像ファイルが添付されている電子メールを受信する場合に、当該電子メールのファイル名欄に記述されているファイル名をメモリ234に記憶するように構成されている。
図3のS20において、CPU232は、S12で受信した電子メールのファイル名欄に記述されているファイル名(以下では、「対象ファイル名」と記載することがある)と、メモリ234に記憶されているファイル名と、が一致するのか否かを判断することによって、受信済みメールが、過去にサーバ200が受信したことのある電子メールを利用して生成された電子メールであるのか否かを判断する。CPU232は、ファイル名が一致する場合(S20でYES)に、
図3の処理を終了する。一方、CPU232は、ファイル名が一致しない場合(S20でNO)に、S30に進む。
【0083】
例えば、
図5のケースAにおいて、サーバ200は、電子メール300を受信すると、ファイル名「zzz.pdf」を記憶する。そして、
図6のケースBにおいて、サーバ200は、電子メール400のファイル名欄408に記述されているファイル名「yyy.pdf」と、メモリ234に記憶されているファイル名「zzz.pdf」と、が一致しないと判断する(
図3のS20でNO)。この場合、第1実施例の場合と同様に、サーバ200は、T222において、印刷要求をプリンタ10Aに送信する。一方、
図7のケースDにおいて、サーバ200は、電子メール500のファイル名欄508に記述されているファイル名「zzz.pdf」と、メモリ234に記憶されているファイル名「zzz.pdf」と、が一致すると判断する(S20でYES)。この場合、第1実施例の場合と同様に、印刷要求がプリンタ10Aに送信されない。
【0084】
過去に受信した画像ファイルと同様の画像ファイルが添付されている電子メールを受信する場合、転送された電子メールである可能性が高い。このため、受信した電子メールのファイル名欄に記述されているファイル名と、メモリ234に記憶されているファイル名と、が一致するのか否かを判断することによって、電子メール500が電子メール300を利用して生成された電子メールであるの否かを適切に判断することができる。
【0085】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0086】
(第1変形例)「サーバ」は、2個以上のサーバによって構成されていてもよい。
【0087】
(第2変形例)サーバ200のCPU232は、
図3のS20において、例えば、受信済み電子メールの「本文」を示す領域である本文欄(例えば、
図5の310)に、印刷アドレスが記述されているのか否かを判断するとともに、S12で受信した電子メールのタイトル欄に、文字列「Re」又は「Fw」が含まれているのか否かを判断してもよい。CPU232は、第1実施例~第3実施例におけるS20の処理を2個以上組み合わせて実行してもよい。
【0088】
(第3変形例)
図4のS50~S54、S60、S62、S70を省略してもよい。本変形例では、サーバ200のCPU232は、S64において、サーバ200のドメイン「print.com」を含む電子メールアドレスのうち、受信済み電子メールの宛先アドレス欄の先頭に記述されている第1の電子メールアドレスを抽出する。そして、CPU232は、第1の電子メールアドレスが未記憶アドレスであるのか否かを判断し、第1の電子メールアドレスが未記憶アドレスでない場合(即ち印刷アドレスである場合)に、アドレステーブル240において、第1の電子メールアドレスに関連付けられているプリンタIDを特定し、S80以降の処理を実行する。一方、CPU232は、第1の電子メールアドレスが未記憶アドレスである場合に、受信済み電子メールの宛先アドレス欄において、第1の電子メールアドレスの次に記述されている第2の電子メールアドレスを抽出し、第2の電子メールアドレスが未記憶アドレスであるのか否かを判断する。CPU232は、印刷アドレスが特定されるまで、上記の処理を繰り返す。なお、サーバ200のドメイン「print.com」を含む全ての電子メールアドレスが未記憶アドレスであると判断される場合に、CPU232は、S90の処理を実行して、
図4の処理を終了する。なお、受信済み電子メールの宛先アドレス欄に記述されている2個以上の電子メールアドレスの中から1個の電子メールアドレスを抽出する順番は、ランダムであってもよい。本変形例では、「除外部」、及び、「アドレス特定部」を省略可能である。
【0089】
(第4変形例)サーバ200のアドレステーブル240に、優先順位が記憶されていなくてもよい。本変形例では、サーバ200は、S64において、受信済み電子メールの宛先アドレス欄に記載されている2個以上の印刷アドレスに対応する全てのプリンタを対象プリンタとして特定してもよい。
【0090】
(第5変形例)サーバ200のメモリ234が、通知リスト238を記憶していなくてもよい。本変形例では、
図4のS40、S90を省略可能である。本変形例では、「第2の電子メール送信部」を省略可能である。さらに、S84を省略してもよい。本変形例では、さらに、「第1の電子メール送信部」を省略可能である。
【0091】
(第6変形例)サーバ200の通知リスト238に、メール印刷機能の利用が禁止されているユーザに対応する電子メールアドレスが登録されていてもよい。
【0092】
(第7変形例)
図4のS90の後に、S50~S82と同様の処理が実行されてもよい。本変形例では、通知リスト238に登録される電子メールアドレスは、印刷完了メッセージを含む電子メールを送信すべき電子メールアドレスである。
【0093】
(第8変形例)第3実施例の変形例において、サーバ200は、画像ファイルが添付されている電子メールを受信する場合に、当該電子メールのファイル名欄に記述されているファイル名に関連付けて、当該電子メールの送信元アドレス、及び、宛先アドレス欄に記述されている一般アドレスを記憶してもよい。本変形例では、CPU232は、
図3のS20において、対象ファイル名と、メモリ234に記憶されているファイル名と、が一致し、かつ、受信済みの電子メールの送信元アドレスと、メモリ234において、対象ファイル名に関連付けられている電子メールアドレスと、が一致するのか否かを判断する。
【0094】
(第9変形例)通知リスト238を利用した処理(
図4のS40)(以下では、「通知リスト処理」と記載することがある)をサーバ200に実行させるのか否かを設定可能であってもよい。本変形例では、サーバ200のメモリ234には、通知リスト処理の実行が許可されていることを示す「ON」と、通知リスト処理の実行が許可されていないことを示すことが設定されていないことを示す「OFF」と、のどちらかの値を示す通知リスト情報が記憶される。プリンタ10A、10Bのユーザ、プリンタ10A、10Bの管理者によって、通知リスト情報が設定される。本変形例では、CPU232は、通知リスト情報が「ON」である場合に、S40~S90の処理を実行する。一方、CPU232は、通知リスト情報が「OFF」である場合に、S50~S84の処理を実行する。このような構成によると、サーバ200は、通知リスト情報が「ON」である状態において、対象PCから、通知リスト238に登録されている電子メールアドレス(即ち、メール印刷機能の利用が許可されているユーザに対応する電子メールアドレス)を送信先アドレスとして含む電子メールを受信する場合に、印刷要求をプリンタ10A、10Bに送信する。また、サーバ200は、通知リスト情報が「ON」である状態において、対象PCから、通知リスト238に登録されていない電子メールアドレス(即ち、メール印刷機能の利用が許可されていないユーザに対応する電子メールアドレス)を送信先アドレスとして含む電子メールを受信する場合に、印刷要求をプリンタ10A、10Bに送信しない。また、サーバ200は、通知リスト情報が「OFF」である状態において、対象PCから電子メールを受信する場合に、当該電子メールの送信元アドレスに関わらず、印刷要求をプリンタ10A、10Bに送信する。従って、プリンタ10A、10Bのユーザ、プリンタ10A、10Bの管理者は、メール印刷機能の利用を許可するユーザをより適切に管理することができる。なお、CPU232は、通知リスト情報が「OFF」である場合に、S82、S84を省略してもよい。この場合、CPU232は、S64又はS70の後に、S80、S90を実行する。このような構成によると、通知リスト情報が「OFF」である状態において、プリンタ10A、10Bに関する情報(例えば、印刷完了メッセージ)を含む電子メールが、通知リストに登録されていないメールアドレスを利用するユーザに送信されることを抑制することができる。
【0095】
(第10変形例)サーバ200は、プリンタ10A、10Bのそれぞれに対応する通知リストを記憶していてもよい。本変形例では、サーバ200のCPU232は、
図4において、S64、S70の後に、S40と同様の処理を実行する。即ち、CPU232は、対象プリンタが特定された後に、対象プリンタに対応する通知リストを利用して、受信済みメールの送信元アドレスが通知リストに登録されているのか否かを判断する。本変形例では、CPU232は、受信済みメールの送信元アドレスが通知リストに登録されていると判断する場合に、S80以降の処理を実行する。一方、CPU232は、受信済みメールの送信元アドレスが通知リストに登録されていないと判断する場合に、S90を実行する。なお、さらなる変形例では、通知リスト情報がサーバ200のメモリ234に記憶されていてもよい。本変形例では、CPU232は、S64、S70の後に、通知リスト情報が「ON」であるのか否かを判断する。CPU232は、通知リスト情報が「ON」である場合に、S40と同様の処理を実行する。そして、CPU232は、受信済みメールの送信元アドレスが対象プリンタに対応する通知リストに登録されている場合に、S80以降の処理を実行する。一方、CPU232は、受信済みメールの送信元アドレスが対象プリンタに対応する通知リストに登録されていない場合に、S90の処理を実行する。また、CPU232は、通知リスト情報が「OFF」である場合に、S80以降の処理を実行する。なお、CPU232は、通知リスト情報が「OFF」である場合に、S82、S84を省略してもよい。また、CPU232は、S82、S84を省略する場合に、S64又はS70の後に、S90を実行し、その後に、S80を実行してもよい。
【0096】
(第11変形例)上記の実施例では、サーバ200から送信される電子メールの送信元アドレス欄には、印刷アドレスが記述されている。例えば、
図5の電子メール320の送信元アドレス欄322には、印刷アドレス「p1@print.com」が記述されている。変形例では、サーバ200用の電子メールアドレス(例えば、「server@print.com」)が、サーバ200から送信される電子メールの送信元アドレス欄に記述されてもよい。
【0097】
(第12変形例)上記の各実施例では、
図2~
図10の各処理がソフトウェア(例えばプログラム36、236)によって実現されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0098】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
以下の項目は、出願当初の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
サーバであって、
1個以上の電子メールアドレスのそれぞれについて、当該電子メールアドレスと、プリンタを識別するプリンタ識別情報と、を関連付けて記憶するメモリと、
第1の外部装置から第1の画像ファイルを含む第1の電子メールを受信する第1の受信部であって、前記第1の電子メールは、前記メモリに記憶されている電子メールアドレスである第1の印刷アドレスと、前記メモリに記憶されていない電子メールアドレスである第1の一般アドレスと、を宛先アドレスとして含む、前記第1の受信部と、
前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信される場合に、第1の印刷要求を第1のプリンタに送信する第1の印刷要求送信部であって、前記第1の印刷要求は、前記第1の電子メールに含まれる前記第1の画像ファイルに対応する第1の画像の印刷を要求する信号であり、前記第1のプリンタは、前記第1の電子メールに含まれる前記第1の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている第1のプリンタ識別情報によって識別されるプリンタである、前記第1の印刷要求送信部と、
前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信された後に、第2の外部装置から第2の画像ファイルを含む第2の電子メールを受信する第2の受信部であって、前記第2の電子メールは、前記第1の印刷アドレスと、前記メモリに記憶されていない電子メールアドレスである第2の一般アドレスと、を宛先アドレスとして含む、前記第2の受信部と、
前記第2の外部装置から前記第2の電子メールが受信される場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであるのか否かを判断する判断部と、
前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールでないと判断される場合に、第2の印刷要求を前記第1のプリンタに送信する第2の印刷要求送信部であって、前記第2の印刷要求は、前記第2の電子メールに含まれる前記第2の画像ファイルに対応する第2の画像の印刷を要求する信号である、前記第2の印刷要求送信部と、を備え、
前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであると判断される場合に、前記第2の印刷要求は前記第1のプリンタに送信されない、サーバ。
(項目2)
前記判断部は、
前記メモリに記憶されているいずれかの電子メールアドレスが前記第2の電子メールの本文内に記述されている場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであると判断し、
前記メモリに記憶されているいずれの電子メールアドレスも前記第2の電子メールの本文内に記述されていない場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールでないと判断する、項目1に記載のサーバ。
(項目3)
前記判断部は、
前記第2の電子メールのタイトルが返信又は転送を示す所定の文字列を含む場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであると判断し、
前記第2の電子メールのタイトルが前記所定の文字列を含まない場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールでないと判断する、項目1又は2に記載のサーバ。
(項目4)
前記判断部は、
前記第1の画像ファイルのファイル名と前記第2の画像ファイルのファイル名とが一致する場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであると判断し、
前記第1の画像ファイルの前記ファイル名と前記第2の画像ファイルの前記ファイル名とが一致しない場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールでないと判断する、項目1から3のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目5)
前記メモリに記憶されている前記1個以上の電子メールアドレスのそれぞれは、所定のドメインを含み、
前記第1の電子メールは、さらに、前記所定のドメインを含むと共に前記メモリに記憶されていない特定の電子メールアドレスを宛先アドレスとして含み、
前記サーバは、さらに、
前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信される場合に、前記宛先アドレスである前記第1の印刷アドレス、前記第1の一般アドレス、及び、前記特定の電子メールアドレスの中から、前記所定のドメインを含むと共に前記メモリに記憶されている前記第1の印刷アドレスを特定するアドレス特定部を備え、
前記第1のプリンタは、特定済みの前記第1の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている前記第1のプリンタ識別情報によって識別されるプリンタである、項目1から4のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目6)
前記メモリは、前記1個以上の電子メールアドレスのそれぞれについて、当該電子メールアドレスと、前記プリンタ識別情報と、優先順位と、を関連付けて記憶し、
前記第1の電子メールは、さらに、前記メモリに記憶されている電子メールアドレスである第2の印刷アドレスであって、前記第1の印刷アドレスとは異なる前記第2の印刷アドレスを宛先アドレスとして含み、
前記第1の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている第1の優先順位は、前記第2の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている第2の優先順位よりも高く、
前記第1の印刷要求送信部は、前記第1のプリンタと第2のプリンタとのうちの高い優先順位に対応する前記第1のプリンタのみに前記第1の印刷要求を送信し、
前記第2のプリンタは、前記第1の電子メールに含まれる前記第2の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている第2のプリンタ識別情報によって識別されるプリンタである、項目1から5のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目7)
前記メモリは、さらに、画像の印刷が完了したことを示す印刷完了情報を含む電子メールが送信されるべき電子メールアドレスである通知アドレスを記憶し、
前記サーバは、さらに、
前記第1の電子メールに含まれる送信元アドレスが前記通知アドレスであり、かつ、前記第1の印刷要求が前記第1のプリンタに送信された後に、前記第1のプリンタから前記第1の画像の印刷が完了したことを示す印刷完了通知が受信される場合に、前記送信元アドレスを宛先アドレスとして含む第3の電子メールであって、前記第1の画像の印刷が完了したことを示す特定の印刷完了情報を含む前記第3の電子メールを送信する第1の電子メール送信部を備え、
前記送信元アドレスが前記通知アドレスでない場合に、前記第3の電子メールは送信されない、項目1から6のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目8)
前記サーバは、さらに、
前記送信元アドレスが前記通知アドレスでない場合に、前記送信元アドレスを宛先アドレスとして含む第4の電子メールであって、前記第1の電子メールを受信したことを示す受信情報を含む前記第4の電子メールを送信する第2の電子メール送信部を備える、項目7に記載のサーバ。
(項目9)
前記第1の印刷要求送信部は、前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信され、かつ、前記送信元アドレスが前記通知アドレスである場合に、前記第1の印刷要求を前記第1のプリンタに送信し、
前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信され、かつ、前記送信元アドレスが前記通知アドレスでない場合に、前記第1の印刷要求は前記第1のプリンタに送信されない、項目7又は8に記載のサーバ。
(項目10)
サーバのためのコンピュータプログラムであって、
前記サーバは、1個以上の電子メールアドレスのそれぞれについて、当該電子メールアドレスと、プリンタを識別するプリンタ識別情報と、を関連付けて記憶するメモリを備え、
前記コンピュータプログラムは、前記サーバのコンピュータを、以下の各部、即ち、
第1の外部装置から第1の画像ファイルを含む第1の電子メールを受信する第1の受信部であって、前記第1の電子メールは、前記メモリに記憶されている電子メールアドレスである第1の印刷アドレスと、前記メモリに記憶されていない電子メールアドレスである第1の一般アドレスと、を宛先アドレスとして含む、前記第1の受信部と、
前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信される場合に、第1の印刷要求を第1のプリンタに送信する第1の印刷要求送信部であって、前記第1の印刷要求は、前記第1の電子メールに含まれる前記第1の画像ファイルに対応する第1の画像の印刷を要求する信号であり、前記第1のプリンタは、前記第1の電子メールに含まれる前記第1の印刷アドレスに関連付けて前記メモリに記憶されている第1のプリンタ識別情報によって識別されるプリンタである、前記第1の印刷要求送信部と、
前記第1の外部装置から前記第1の電子メールが受信された後に、第2の外部装置から第2の画像ファイルを含む第2の電子メールを受信する第2の受信部であって、前記第2の電子メールは、前記第1の印刷アドレスと、前記メモリに記憶されていない電子メールアドレスである第2の一般アドレスと、を宛先アドレスとして含む、前記第2の受信部と、
前記第2の外部装置から前記第2の電子メールが受信される場合に、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであるのか否かを判断する判断部と、
前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールでないと判断される場合に、第2の印刷要求を前記第1のプリンタに送信する第2の印刷要求送信部であって、前記第2の印刷要求は、前記第2の電子メールに含まれる前記第2の画像ファイルに対応する第2の画像の印刷を要求する信号であり、前記第2の電子メールが前記第1の電子メールを利用して生成された電子メールであると判断される場合に、前記第2の印刷要求は前記第1のプリンタに送信されない、前記第2の印刷要求送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0099】
2:通信システム、4:LAN、6:インターネット、10A、10B:プリンタ、12:操作部、14:表示部、16:印刷実行部、20:通信I/F、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:プログラム、100A、100B、100C:PC、200:サーバ、220:通信I/F、230:制御部、232:CPU、234:メモリ、236:プログラム、238:通知リスト、240:アドレステーブル