(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】変換装置、メディア検知システム、画像形成装置、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
B65H 7/02 20060101AFI20240918BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240918BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240918BHJP
G01N 21/17 20060101ALI20240918BHJP
【FI】
B65H7/02
G03G15/00 303
B41J29/38 202
B41J29/38 206
G01N21/17 Z
(21)【出願番号】P 2020201935
(22)【出願日】2020-12-04
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】丸山 宏之
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-155038(JP,A)
【文献】特開2020-066478(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/02
G03G 15/00
B41J 29/38
G01N 21/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙物性に対応する1つ以上の内部センサーを含み記録媒体を測定して1つ以上の用紙物性
に対応する測定結果を取得する第1のメディアセンサー、および、
前記第1のメディアセンサーと異なる装置内に配置され、用紙物性に対応する1つ以上の内部センサーを含み
前記第1のメディアセンサーと独立して記録媒体を測定して1つ以上の用紙物性
に対応する測定結果を取得する第2のメディアセンサー、を備えるメディア検知システムで用いられる変換装置であって、
前記第1のメディアセンサーから、記録媒体を測定して得られた1つ以上の用紙物性の測定結果で構成される第1検知データを取得する取得部と、
取得した前記第1検知データを、前記第2のメディアセンサーの測定結果に基づく情報である変換データに変換する変換部と、
前記変換部が変換した変換データを出力する出力部と、
を備える変換装置。
【請求項2】
前記第2のメディアセンサーの測定結果に基づく情報である前記変換データは、
前記第2のメディアセンサーの前記内部センサーのセンサー出力への変換値、前記変換値に基づいて算出された、画像形成装置の制御パラメータの設定に用いるデータ、および前記制御パラメータの少なくともいずれかである、請求項1に記載の変換装置。
【請求項3】
前記画像形成装置は、用紙物性を測定した前記記録媒体に画像を形成する際に、前記変換データに基づいて設定された制御パラメータを用いて画像形成ならびに/または記録媒体の搬送および/もしくは後処理を制御する、請求項2に記載の変換装置。
【請求項4】
前記取得部は、前記第1検知データを、
前記第1のメディアセンサーから直接取得する、
前記第1のメディアセンサーと連携して動作する画像形成装置から取得する、
前記第1のメディアセンサーと連携して動作する情報処理装置から取得する、のいずれかである、請求項1から請求項3のいずれかに記載の変換装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記変換データを、
前記第1のメディアセンサー、
画像形成装置、
情報処理装置、および
前記変換装置に接続した可搬型記憶装置のいずれかに出力する、請求項1から請求項4のいずれかに記載の変換装置。
【請求項6】
出力先の前記画像形成装置は、前記第1、または第2のメディアセンサーと連携する画像形成装置である、請求項5に記載の変換装置。
【請求項7】
前記第1、および第2のメディアセンサーのうちの一方は、他方のメディアセンサーで測定できない1つ以上の用紙物性を測定可能な内部センサーを有する、または、
前記第1、および第2のメディアセンサーで、1つ以上の同じ用紙物性を測定するための前記内部センサー同士が、互いに異なる検知精度、もしくは検知特性である、
請求項1から請求項6のいずれかに記載の変換装置。
【請求項8】
前記第1および第2のメディアセンサーの前記内部センサーは共通の用紙物性を測定可能な内部センサーを含み、
前記変換部は、前記内部センサーが非共通の性能を有する用紙物性の測定結果について、前記第1検知データを前記変換データに変換する、請求項1から請求項7のいずれかに記載の変換装置。
【請求項9】
前記第1、および第2のメディアセンサーがそれぞれ有する共通の用紙物性を測定するための複数の前記内部センサーのうち、一部の前記内部センサーは共通の性能を有し、一部の前記内部センサーは、非共通の性能を有し、
前記変換部は、非共通の性能を有する前記内部センサーが測定する用紙物性の測定結果についてのみ前記変換データに変換する、請求項1から請求項8のいずれかに記載の変換装置。
【請求項10】
前記変換装置は、前記第1、および第2のメディアセンサー、画像形成装置、および情報処理装置のいずれかに搭載される、請求項1から請求項9のいずれかに記載の変換装置。
【請求項11】
前記変換装置が搭載された前記画像形成装置は、前記第1、または第2のメディアセンサーと連携する画像形成装置である、請求項10に記載の変換装置。
【請求項12】
前記第1、および第2のメディアセンサー、ならびに
用紙物性を測定した前記記録媒体に画像を形成する際に、前記変換データに基づいて設定された制御パラメータを用いて画像形成ならびに/または記録媒体の搬送および/もしくは後処理を制御する画像形成装置の識別情報に関し、
前記識別情報と、前記第1、および第2のメディアセンサー、ならびに前記画像形成装置の構成を関連付けた構成テーブルを記憶する記憶部を、さらに備え、
前記取得部は、前記第1、および第2のメディアセンサー、ならびに、前記画像形成装置から前記識別情報を取得し、
前記変換部は、前記第1検知データを、前記変換データに変換する際に、取得した前記識別情報、および前記構成テーブルを参照する、請求項1から請求項11のいずれかに記載の変換装置。
【請求項13】
前記第1、および第2のメディアセンサー、ならびに、前記画像形成装置から前記識別情報を取得した際に、前記構成テーブルに、いずれかの前記識別情報に関する情報がない場合には、
ネットワークで接続されたサーバーから取得した新たな構成テーブルで、前記記憶部の前記構成テーブルを更新する、請求項12に記載の変換装置。
【請求項14】
前記メディア検知システムは、さらに、用紙物性に対応する1つ以上の内部センサーを含み記録媒体を測定して1つ以上の用紙物性に対応する測定結果を取得する第3のメディアセンサーを含み、
変換データの指定情報を取得し、
前記変換部は、前記指定情報に基づいて、取得した前記第1検知データを、前記第2のメディアセンサーの測定結果に基づく情報である変換データ、または、第3のメディアセンサーの測定結果に基づく情報である変換データのいずれかに変換する、請求項1から請求項12のいずれかに記載の変換装置。
【請求項15】
前記変換部は、変換データを用いる画像形成装置の機能に基づいて、前記第2のメディアセンサーの測定結果に基づく情報である変換データ、または、第3のメディアセンサーの測定結果に基づく情報である第2変換データのいずれかに変換し、
前記画像形成装置は、変換された前記変換データ、または前記第2変換データを用いて、画像形成ならびに/または記録媒体の搬送および/もしくは後処理を制御する、請求項1から請求項12のいずれかに記載の変換装置。
【請求項16】
第1のメディアセンサーと、
第2のメディアセンサーと、
画像形成装置と、
請求項1から請求項15のいずれかに記載の変換装置と、
を備えるメディア検知システム。
【請求項17】
請求項1から請求項15のいずれかに記載の変換装置と、
記録媒体を搬送する搬送部と、
搬送された該記録媒体に対して画像を形成する画像形成部と、
制御部と、備え
前記制御部は、第1のメディアセンサー、または第2のメディアセンサーにより用紙物性を測定した前記記録媒体に画像を形成する際に、前記変換データに基づいて設定された制御パラメータを用いて前記画像形成部による画像形成ならびに/または前記搬送部による記録媒体の搬送および/もしくは後処理を制御する、画像形成装置。
【請求項18】
用紙物性に対応する1つ以上の内部センサーを含み記録媒体を測定して1つ以上の用紙物性
に対応する測定結果を取得する第1のメディアセンサー、および、
前記第1のメディアセンサーと異なる装置内に配置され、用紙物性に対応する1つ以上の内部センサーを含み
前記第1のメディアセンサーと独立して記録媒体を測定して1つ以上の用紙物性
に対応する測定結果を取得する第2のメディアセンサー、を含むメディア検知システムで用いられる変換装置を制御するプログラムであって、
前記第1のメディアセンサーから、記録媒体を測定して得られた1つ以上の用紙物性の測定結果で構成される第1検知データを取得するステップ(a)と、
前記ステップ(a)で取得した前記第1検知データを、前記第2のメディアセンサーの測定結果に基づく情報である変換データに変換するステップ(b)と、
前記ステップ(b)で変換した変換データを出力するステップ(c)と、
を含む処理をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変換装置、メディア検知システム、画像形成装置、および制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラー印刷業界においては、電子写真方式のプリンター等の画像形成装置が広く活用されてきている。カラー印刷業界に対応するPP(プロダクションプリント)の分野では、オフィスで用いられる場合に比べて多様な用紙への適応が求められる。そして、これらの多様な用紙に対して高品質な印刷を行うために、給紙トレイに収容している用紙特性を複数項目で設定し、設定した項目に応じた画像形成条件で印刷を行う画像形成装置がある。
【0003】
従来は、使用する用紙の紙種、坪量の用紙情報を、用紙のパッケージに表示されている情報等を参照しながら、ユーザーが操作パネルから入力する。画像形成装置は、この入力された用紙情報に基づいて、設定した画像形成条件で印刷を行う。
【0004】
一方で、このような用紙情報を入力する手間を省いたり、より詳細な情報を得たりするために、外付け、または内蔵型のメディアセンサーにより表面性と坪量を検知する技術がある(例えば特許文献1、2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-125237号公報
【文献】特開2009-029622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
画像形成装置側では、より詳細な用紙の情報を得るため、メディアセンサーが測定する用紙物性の項目を増やしたり、測定精度を向上させたセンサーに置き換えたりすることで、最新型のメディアセンサーでは、旧世代のものに比較して性能が向上することになる。画像形成装置では内蔵型のメディアセンサーの検知データを装置自体で使う場合には、問題とならない。しかしながら、外付けのメディアセンサーを使ったり、他の画像形成装置の内蔵型のメディアセンサーの検知データを別の画像形成装置で利用したりするような場合には、同じ機能のメディアセンサー同士でないと正しく利用できないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、異なる世代、または異なる形式のメディアセンサー間で機能または性能が異なる場合であっても、その検知データを正しく利用できるようにする変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0009】
(1)1つ以上の内部センサーを含み記録媒体を測定して1つ以上の用紙物性を測定する第1のメディアセンサー、および、1つ以上の内部センサーを含み記録媒体を測定して1つ以上の用紙物性を測定する第2のメディアセンサー、を備えるメディア検知システムで用いられる変換装置であって、
前記第1のメディアセンサーから、記録媒体を測定して得られた1つ以上の用紙物性の測定結果で構成される第1検知データを取得する取得部と、
取得した前記第1検知データを、前記第2のメディアセンサーの測定結果に基づく情報である変換データに変換する変換部と、
前記変換部が変換した変換データを出力する出力部と、
を備える変換装置。
【0010】
(2)前記第2のメディアセンサーの測定結果に基づく情報である前記変換データは、
前記第2のメディアセンサーの前記内部センサーのセンサー出力への変換値、前記変換値に基づいて算出された、画像形成装置の制御パラメータの設定に用いるデータ、および前記制御パラメータの少なくともいずれかである、上記(1)に記載の変換装置。
【0011】
(3)前記画像形成装置は、用紙物性を測定した前記記録媒体に画像を形成する際に、前記変換データに基づいて設定された制御パラメータを用いて画像形成ならびに/または記録媒体の搬送および/もしくは後処理を制御する、上記(2)に記載の変換装置。
【0012】
(4)前記取得部は、前記第1検知データを、
前記第1のメディアセンサーから直接取得する、
前記第1のメディアセンサーと連携して動作する画像形成装置から取得する、
前記第1のメディアセンサーと連携して動作する情報処理装置から取得する、のいずれかである、上記(1)から上記(3)のいずれかに記載の変換装置。
【0013】
(5)前記出力部は、前記変換データを、
前記第1のメディアセンサー、
画像形成装置、
情報処理装置、および
前記変換装置に接続した可搬型記憶装置のいずれかに出力する、上記(1)から上記(4)のいずれかに記載の変換装置。
【0014】
(6)出力先の前記画像形成装置は、前記第1、または第2のメディアセンサーと連携する画像形成装置である、上記(5)に記載の変換装置。
【0015】
(7)前記第1、および第2のメディアセンサーのうちの一方は、他方のメディアセンサーで測定できない1つ以上の用紙物性を測定可能な内部センサーを有する、または、
前記第1、および第2のメディアセンサーで、1つ以上の同じ用紙物性を測定するための前記内部センサー同士が、互いに異なる検知精度、もしくは検知特性である、
上記(1)から上記(6)のいずれかに記載の変換装置。
【0016】
(8)前記第1、および第2のメディアセンサーがそれぞれ有する共通の用紙物性を測定するための複数の前記内部センサーのうち、一部の前記内部センサーは共通の性能を有し、一部の前記内部センサーは、非共通の性能を有し、
前記変換部は、非共通の性能を有する前記内部センサーが測定する用紙物性の測定結果についてのみ前記変換データに変換する、上記(1)から上記(7)のいずれかに記載の変換装置。
【0017】
(9)前記変換装置は、前記第1、および第2のメディアセンサー、画像形成装置、および情報処理装置のいずれかに搭載される、上記(1)から上記(8)のいずれかに記載の変換装置。
【0018】
(10)前記変換装置が搭載された前記画像形成装置は、前記第1、または第2のメディアセンサーと連携する画像形成装置である、上記(9)に記載の変換装置。
【0019】
(11)前記第1、および第2のメディアセンサー、ならびに
用紙物性を測定した前記記録媒体に画像を形成する際に、前記変換データに基づいて設定された制御パラメータを用いて画像形成ならびに/または記録媒体の搬送および/もしくは後処理を制御する画像形成装置の識別情報に関し、
前記識別情報と、前記第1、および第2のメディアセンサー、ならびに前記画像形成装置の構成を関連付けた構成テーブルを記憶する記憶部を、さらに備え、
前記取得部は、前記第1、および第2のメディアセンサー、ならびに、前記画像形成装置から前記識別情報を取得し、
前記変換部は、前記第1検知データを、前記変換データに変換する際に、取得した前記識別情報、および前記構成テーブルを参照する、上記(1)から上記(10)のいずれかに記載の変換装置。
【0020】
(12)前記第1、および第2のメディアセンサー、ならびに、前記画像形成装置から前記識別情報を取得した際に、前記構成テーブルに、いずれかの前記識別情報に関する情報がない場合には、
ネットワークで接続されたサーバーから取得した新たな構成テーブルで、前記記憶部の前記構成テーブルを更新する、上記(11)に記載の変換装置。
【0021】
(13)前記メディア検知システムは、さらに、1つ以上の内部センサーを含み記録媒体を測定して1つ以上の用紙物性を測定する第3のメディアセンサーを含み、
変換データの指定情報を取得し、
前記変換部は、前記指定情報に基づいて、取得した前記第1検知データを、前記第2のメディアセンサーの測定結果に基づく情報である変換データ、または、第3のメディアセンサーの測定結果に基づく情報である変換データのいずれかに変換する、上記(1)から上記(11)のいずれかに記載の変換装置。
【0022】
(14)前記変換部は、変換データを用いる画像形成装置の機能に基づいて、前記第2のメディアセンサーの測定結果に基づく情報である変換データ、または、第3のメディアセンサーの測定結果に基づく情報である第2変換データのいずれかに変換し、
前記画像形成装置は、変換された前記変換データ、または前記第2変換データを用いて、画像形成ならびに/または記録媒体の搬送および/もしくは後処理を制御する、上記(1)から上記(11)のいずれかに記載の変換装置。
【0023】
(15)第1のメディアセンサーと、
第2のメディアセンサーと、
画像形成装置と、
上記(1)から上記(14)のいずれかに記載の変換装置と、
を備えるメディア検知システム。
【0024】
(16)上記(1)から上記(14)のいずれかに記載の変換装置と、
記録媒体を搬送する搬送部と、
搬送された該記録媒体に対して画像を形成する画像形成部と、
制御部と、備え
前記制御部は、第1のメディアセンサー、または第2のメディアセンサーにより用紙物性を測定した前記記録媒体に画像を形成する際に、前記変換データに基づいて設定された制御パラメータを用いて前記画像形成部による画像形成ならびに/または前記搬送部による記録媒体の搬送および/もしくは後処理を制御する、画像形成装置。
【0025】
(17)1つ以上の内部センサーを含み記録媒体を測定して1つ以上の用紙物性を測定する第1のメディアセンサー、および、1つ以上の内部センサーを含み記録媒体を測定して1つ以上の用紙物性を測定する第2のメディアセンサー、を含むメディア検知システムで用いられる変換装置を制御するプログラムであって、
前記第1のメディアセンサーから、記録媒体を測定して得られた1つ以上の用紙物性の測定結果で構成される第1検知データを取得するステップ(a)と、
前記ステップ(a)で取得した前記第1検知データを、前記第2のメディアセンサーの測定結果に基づく情報である変換データに変換するステップ(b)と、
前記ステップ(b)で変換した変換データを出力するステップ(c)と、
を含む処理をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る変換装置によれば、第1のメディアセンサーから、記録媒体を測定して得られた1つ以上の用紙物性の測定結果で構成される第1検知データを取得する取得部と、取得した第1検知データを、第2のメディアセンサーの測定結果に基づく情報である変換データに変換する変換部と、変換部が変換した変換データを出力する出力部と、を備える。このようにすることで、異なる世代、または異なる形式のメディアセンサー間で機能または性能が異なる場合であっても、その検知データを正しく利用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A】本実施形態に係るメディア検知システムの概略構成を示す図である。
【
図1B】第1の変形例に係るメディア検知システムの概略構成を示す図である。
【
図1C】第2の変形例に係るメディア検知システムの概略構成を示す図である。
【
図2】各世代のメディアセンサー80に搭載される内部センサーの種類、および性能を示す構成テーブルである。
【
図3】内部センサー1(正反射センサー)における改良型と旧型の性能差を示すグラフである。
【
図4】内部センサー2(透過光検出用のセンサー(坪量センサー))における改良型と旧型の性能差を示すグラフである。
【
図5】
図3に対して各センサーの精度情報を追加したグラフである。
【
図6】メディア検知システムの他の例を示す図である。
【
図8】変換装置におけるデータの流れを示すブロック図である。
【
図9】画像形成装置の制御パラメータ決定方式Iを示す模式図である。
【
図10】制御パラメータ決定方式Iを示す図である。
【
図11A】画像形成装置の制御パラメータ決定方式IIを示す模式図である。
【
図11B】
図11Aに対して、変換装置が生成した第1から第3変換データの出力先を追加した模式図である。
【
図12】第1、第2、第3変換データと、変換装置の処理内容をまとめた表である。
【
図13】制御パラメータ決定方式IIにおけるType1メディアセンサーに対応した決定処理を示す図である。
【
図14】制御パラメータ決定方式IIにおけるType3メディアセンサーに対応した決定処理を示す図である。
【
図15】制御パラメータ決定方式IIIを示す模式図である。
【
図16】制御パラメータ決定方式IIIにおけるType3のメディアセンサーに対応した決定処理を示す図である。
【
図17】変換元装置と利用先装置の各Typeの組み合わせにおける変換処理情報(変換テーブル)を示す図である。
【
図19】データ変換方法の読み出し処理を示すフローチャートである。
【
図20】
図19のステップS12の処理内容決定処理を示すサブルーチンフローチャートである。
【
図21】
図20のステップS116の変換処理情報更新処理を示すサブルーチンフローチャートである。
【
図22】検知データから変換データを生成する際の変換設定処理を示すフローチャートである。
【
図23】画像形成装置等の制御装置のディスプレイに表示される設定画面の例である。
【
図24A】変換設定の詳細設定処理を示すフローチャートである。
【
図24B】
図24AのステップS45の候補リスト自動選択処理を示すサブルーチンフローチャートである。
【
図25A】画像形成装置等の制御装置のディスプレイに表示される詳細設定画面の例である。
【
図25B】画像形成装置等の制御装置のディスプレイに表示される詳細設定画面の例である。
【
図26】自動設定における選択に用いる優先順位を示す図である。
【
図27】他の実施例における、第2、第3のメディアセンサーのいずれかに変換する例を説明するための図である。
【
図29】
図28のステップS05の本印刷準備処理を示すサブルーチンフローチャートである。
【
図30】
図29のステップS52の制御パラメータ決定処理1を示すサブルーチンフローチャートである。
【
図31A】ステップS503(およびS603)のデータ変換処理を示すサブルーチンフローチャートである。
【
図32】
図28のステップS06の本印刷処理を示すサブルーチンフローチャートである。
【
図33】
図32のステップS62の制御パラメータ決定処理2、およびステップS69の制御パラメータ決定処理3を示すサブルーチンフローチャートである。
【
図34】内蔵型のメディアセンサーを備える画像形成装置の概略構成を示す図である。
【
図35】内蔵型のメディアセンサー周辺の側面図である。
【
図36A】内蔵型のメディアセンサーを備える用紙搬送装置の概略構成を示す図である。
【
図36B】内蔵型のメディアセンサーを備える後処理装置の概略構成を示す図である。
【
図37】画像形成装置と用紙搬送装置を備える画像形成システムを含むメディア検知システムの概略構成を示すである。
【
図38】外付型のメディアセンサーの外観を示す斜視図、および側面図である。
【
図39】外付型のメディアセンサーの断面図、および下部筐体における検知領域等を示す模式上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。本実施形態においては、記録媒体には、印刷用紙(以下、単に用紙という)、各種フィルムが含まれる。特に用紙としては、植物由来の機械パルプ、および/または化学パルプを用いて製造されたものが含まれる。また記録媒体の種類としては、グロス紙、マット紙、普通紙、高光沢紙、等が含まれる。
【0029】
図1Aは、本実施形態に係るメディア検知システム1000の概略構成を示す図である。メディア検知システム1000は、第1のメディアセンサー80a、80b、第2のメディアセンサー80a、および変換装置30を有する。メディアセンサー80aは画像形成装置10等の他の装置に内蔵される内蔵型(インラインともいう)のメディアセンサー80aと、他の装置とは独立した外付型(オフラインともいう)のメディアセンサー80bとを含む(以下、80a、80bを総称して、単にメディアセンサー80ともいう)。それぞれのメディアセンサー80は、1つ以上の内部センサーを含み記録媒体を測定して1つ以上の用紙物性を測定する。例えばメディアセンサー80は、複数の内部センサーを含み、各内部センサーにより、用紙の厚み、坪量、表面性、電気抵抗、帯電性、曲げ強度、等の用紙物性を測定する。
【0030】
第1のメディアセンサー80は、取得元(変換元ともいう)のメディアセンサーであり測定した複数の用紙物性で構成される第1検知データを出力する。第2のメディアセンサー80は、最終段の出力装置である画像形成装置10(または後述の用紙搬送装置20、または後処理装置25)に連動するセンサーユニットである。画像形成装置10は、第2のメディアセンサーからの検知データ(第2検知データともいう)に基づいて画像形成、および用紙搬送に関する制御パラメータを設定する。後述するように第1、第2のメディアセンサー間で機能、性能が異なる場合にデータ変換を行う。例えば、第1のメディアセンサーが旧型(または新型)で、第2のメディアセンサーが新型(または旧型)の場合に、画像形成装置10が第1メディアセンサーの第1検知データを利用できるように、変換装置30がアップコンバート(またはダウンコンバート)のデータ変換を行う。メディアセンサー80a、80b、および画像形成装置10の機械構成の例については後述する(後述の
図34~
図39)。
【0031】
図1Aに示す態様の他に、
図1B、
図1Cのように構成してもよい。
図1Bに示す第1の変形例では、取得元の第1のメディアセンサーの検知データ(第1世代の第1検知データ)を、変換装置30で、第2のメディアセンサーの検知データ(第2世代の第2検知データ)に変換して、画像形成装置10に送る。
図1Cに示す第2の変形例では、取得元の第1のメディアセンサーの検知データ(第1世代の第1検知データ)を、変換装置30で、第2のメディアセンサーの検知データ(第2世代の第2検知データ)に変換して、メディアセンサー80aに戻す。これらの変換データは、第2世代のメディアセンサー80を装着している別の画像形成装置で使用して制御パラメータを決定する。
【0032】
(世代間(形式間)のメディアセンサー80の機能、性能の違い)
また、各メディアセンサー80は、上市時期が異なる複数の世代または形式(型番ともいう)(以下ではこれらをTypeともいう)があり、世代毎に内部センサーの種類(数)またはセンサー特性が異なり、測定できる用紙物性の種類および/または性能が異なる。一般に世代が新しい程、測定できる用紙物性の種類は多くなる。また、世代が新しい程センサーの性能(感度、測定範囲)、および精度が向上し、検知範囲が広くなる。
【0033】
図2は、各世代のメディアセンサー80に搭載される内部センサーの種類、および性能を示す構成テーブルである。同図では例として10種類の用紙物性を測定できる10個の内部センサーが、どの世代に搭載されているかを示している。なお、同図はあくまでも例時であり、用紙物性の種類、内部センサーの数はこれに限られず任意の数を適用してもよい。また、装置側では、各Typeの特定、および搭載する内部センサーの構成は、識別情報(製品種類情報)により識別できる。また、画像形成装置10においては、両面機能の有無、除電機能の有無、エンボス紙対応の有無、等についての構成情報(後述の
図27参照)を、識別情報から判別できる。除電機能では、用紙の電荷を除電して、用紙の静電による他の用紙、または他の部材(搬送経路の部材)への張り付きを防止する。エンボス紙対応では、エンボス紙の表面の凹凸に対応した、転写性を向上させるための構成である。例えば、材質をエンボス対応にした転写ローラーや、転写圧力を高圧力に変更することで、凹凸に転写ローラーの表面が追従し易くしたり、転写電流を大きくしたりして凹部での転写性を向上させる。
【0034】
「表面性1」は、内部センサー1により、用紙の表面性の平滑度に応じた物性として、表面性の状態を検出する。この表面性1は、後述する表面性検知部(
図35の表面性検知部60)により検出され、例えば、入射角度75度で光を用紙の表面に照射し、その用紙表面からの正反射光、拡散反射光を2つのセンサーによる光学的に検出する。
【0035】
「坪量」は、内部センサー2により、用紙の坪量に応じた物性を検出する。この坪量は、後述する坪量検知部(
図35の坪量検知部50)により検出され、透過型、および反射型の光学式センサーにより、用紙を透過する光の減衰量(透過率)を測定する。
【0036】
「紙厚」は、内部センサー3により、用紙の厚みに応じた物性を検出する。この紙厚は、後述する紙厚検知部(
図35の紙厚検知部40)により、2つの部材により用紙を挟み込み、その2つの部材間の距離により、用紙の厚みを機械的に測定する。
【0037】
「表面性2」は、内部センサー4により用紙の表面性の光沢度に応じた物性を検出する。この表面性2は、所定の入射角度で光を用紙の表面に照射し、その用紙表面からの正反射光を光学的に検出する。
【0038】
「表面性3」は、内部センサー5により、用紙の表面性の凹凸度合いを検出する。例えば、大きな入射角度(80度以上90度未満)で、用紙の表面に光を照射し、この状態を撮影し、得られた画像データを画像処理することにより表面の凹凸状態に応じた深さ量に関する指標を測定結果として出力する。
【0039】
「含水率1」は、内部センサー6により、用紙の含水率に応じた物性を検出する。この含水率は、例えば用紙の透過光により、近赤外線方式のOH基の光吸収量を光学的に検出する含水率センサーにより測定できる。また別の例として、偏向フィルターで分離した反射光を用いて用紙内部の反射成分の光量変化分を測定してもよい。
【0040】
「含水率2」は、内部センサー7により、含水率1の内部センサー6と同じ種類のセンサーにより測定するが、内部センサー6とは配置位置が異なる。含水率1は、内蔵型、および外付型のメディアセンサー80に搭載され得るが、含水率2は、画像形成装置10(または用紙搬送装置20)に内蔵されたメディアセンサー80においてのみ搭載され得る。具体的には、含水率1は、画像形成装置10の定着装置(用紙の加熱、加圧処理する装置)を通過する前の用紙を測定することで得られ、含水率2は、定着装置を通過した後に測定することで得られる。
【0041】
「紙抵抗」は、内部センサー8により、用紙の内部、または0表面の電気抵抗に応じた物性を検出する。例えば、用紙に高圧電圧を印加し、そのときの電圧と、流れる電流から電気的に測定する。
【0042】
「剛度」は、内部センサー9により、用紙の剛性に応じた物性を検出する。例えば、湾曲した搬送路に用紙を搬送させたときに、曲がった搬送路で、搬送路を構成する一方の外側ガイド板を、用紙が押す力、または変位量を機械的に測定する。
【0043】
「帯電量」は、内部センサー10により、用紙表面の帯電特性に応じた物性を検出する。例えば、内部センサー10は、非接触の電位センサーである。
【0044】
内部センサー1~10それぞれにより得られる用紙物性1~10は、
図2のテーブルに示すように、定着品質、2次転写品質、用紙の搬送品質、用紙の給紙トレイから給紙品質、色ずれ、パンチ不良、およびスタック不良、等の各品質項目に影響する。このうち、色ずれは、転写ニップに用紙が突入したときの振動、衝撃による色ずれ(多色の色間の位置ずれ)である。後述の後処理装置25により印刷済みの用紙に対して行われる後処理として、用紙に孔を開けるパンチ処理、各後処理を行うに際し複数前の用紙を重ねるスタック処理、複数枚の用紙をステープルにより綴じるステープル処理、用紙をカッターにより断裁する断裁処理、2つ折り、3つ折り(Z折)等の複数段に折る折処理、切断用のミシン目を用紙に設けるミシン目処理、複数の用紙の束の端部(背)に糊を塗布して、束を表紙で覆う製本処理がある。断裁不良、折不良、ミシン目不良、糊塗布不良は、これらの後処理に関する品質項目である。
【0045】
また、
図2のテーブルに示すように、各世代(Type1~6)により搭載する内部センサーの種類、および性能が異なる。例えば、Type1(第1世代)のメディアセンサー80では、内部センサー1~3のみが搭載され、Type4(第4世代)のメディアセンサー80では、内部センサー1~10の全てが搭載される。なお、内部センサー1の「改良1」、内部センサー2の「改良2」は、性能が向上した改良型のセンサーである。
【0046】
図3は、内部センサー1(正反射センサー)における改良型と旧型の性能差を示すグラフである。上述のように内部センサー1の正反射光を検出するセンサーは、旧型に比べて、改良型の方が、感度が高く、センシング範囲も広く、性能が向上している。
【0047】
図4は、内部センサー2の透過光検出用のセンサー(坪量センサー)における改良型と旧型の性能差を示すグラフである。
図3と同様に内部センサー2のセンサーは、旧型に比べて、改良型の方が、感度が高く、センシング範囲も広く、性能が向上している。
【0048】
また、センサーの性能の違いとしては、感度、およびセンシング範囲の他に精度がある。
図5は、
図3のグラフに対して各センサーの精度情報(バラツキ)を追加した示す図である。改良型の方が、旧型に比べて、センサーが補償するバラツキの上下限の範囲が狭く、精度が高い。
【0049】
(メディアセンサー80の各種の連携態様)
図6は、メディア検知システム1100の他の例を示す図である。
図6に示す例では、メディア検知システム1100は、複数の画像形成装置10x、10y、用紙搬送装置20、後処理装置25、サーバー90、情報処理装置91、複数のメディアセンサー80a、80b、および複数の変換装置30を含む。これらの各装置は、ネットワーク95により相互に通信接続する。メディアセンサー80a、80bそれぞれの世代は、上述したType1~Type6のいずれかである。同図に示すように変換装置30は、単体でネットワーク上に配置されてもよく、サーバー90、情報処理装置91等にローカル接続や、内蔵(制御装部上の動作)されてもよく、または画像形成装置10x、10y、メディアセンサー80b内に内蔵(制御部上で動作)してもよい。
【0050】
画像形成装置10xは、外付型のメディアセンサー80bと接続し、また、変換装置30を内蔵する。画像形成装置10xとこのメディアセンサー80bとの接続は、USB等のケーブルによる有線接続する。また、この接続は、Bluetooth(登録商標)等の短距離無線通信により無線接続するようにしてもよい。画像形成装置10yは、メディアセンサー80a、および変換装置30を内蔵する。用紙搬送装置20は、A3サイズ等の各種定型サイズ紙、または1300mm長の長尺紙をセットして、自動給紙し、内蔵されたメディアセンサー80aにより用紙物性を測定する。この用紙搬送装置20は、画像形成装置10に接続されてもよく、単体でコレーターとして機能してもよい。後処理装置25は、画像形成装置10等で処理された印刷済みの用紙に対して、各種の後処理を施す。この後処理装置25は、画像形成装置10や用紙搬送装置20と組み合わせ用いられてもよく、単体で使用してもよい。後処理装置25では,メディアセンサー80aの測定結果で、後処理制御パラメータを決定し、そのパラメータで後処理を制御する。
【0051】
サーバー90は、変換装置30を内蔵する。なお、サーバー90は、インターネット等のネットワーク上に配置された複数のサーバーによって仮想的に構築されるクラウドサーバーであってもよい。この場合、変換装置30は、クラウドサーバー上で機能する。また、ネットワーク95を介さずに、メディアセンサー80、変換装置30とそれぞれケーブル接続する画像形成装置10xと、画像形成装置10yが、P2Pで、直接、無線接続するようにしてもよい。情報処理装置91は、PC(パーソナルコンピューター)である。外付型のメディアセンサー80bと有線、または無線接続する。また情報処理装置91は、変換装置30を内蔵する。
【0052】
このように、第1のメディアセンサー80により用紙を測定して得られた用紙物性の測定結果(第1検知データ)は、経由する変換装置30により、第2のメディアセンサー80の測定結果に基づく情報である変換データに変換され、この変換データを最終的に利用する画像形成装置10、用紙搬送装置20、または後処理装置25(以下、これらを変換先、出力先、または利用先の装置ともいう)に送られて、用紙搬送や画像形成の制御パラメータの設定に用いられる。別の例として、第1のメディアセンサー80により用紙を測定して得られた用紙物性の測定結果(第1検知データ)は、経由する変換装置30により、最終的に利用する装置の構成に応じた形式の変換データに変換される。そして、一時的に他の装置(サーバー90、情報処理装置91)に保存され、その後に画像形成装置10等に送られ、その用紙搬送や画像形成の制御パラメータの設定に用いられる。
【0053】
変換装置30が第1検知データを取得する取得元の具体例としては、(a1)第1のメディアセンサー80から直接、(a2)第1のメディアセンサー80と連携する画像形成装置10、(a3)第1のメディアセンサー80と連携する情報処理装置91、(a4)第1のメディアセンサー80と連携する用紙搬送装置20、または後処理装置25がある。
【0054】
また、変換装置30により変換された、第2のメディアセンサー80の測定結果に基づく情報である変換データの出力先(利用先)としては、(b1)ネットワークに接続された第1のメディアセンサー80、(b2)ネットワークに接続された画像形成装置10、(b3)ネットワークに接続された情報処理装置91、(b4)変換装置30にケーブル接続されたUSBメモリ等の可搬型記憶装置がある。この(b1)の態様では、取得元と出力先は同じメディアセンサー80となる(
図1Cの第2変形例)。また、この(b2)の画像形成装置は、さらに、(b21)第1のメディアセンサー80と連携する画像形成装置10(すなわち(a1))、および(b22)第2のメディアセンサー80と連携する画像形成装置10が含まれる。また、変換装置30は、これらの(b21)、(b22)の画像形成装置10x、10yに搭載されていてもよい。
図1Cの第2変形例では、旧世代のセンサーを用いた用紙物性データを、現行世代のセンサー(バージョンアップのセンサーの物性出力に合わせてデータに変換(精度を上げることが目的)して、その値を旧世代のセンサーの接続している画像形成装置に戻すことで精度を上げた制御パラメータを決定することができる。
【0055】
第2のメディアセンサー80の測定結果に基づく情報である変換データの形式は、第1変換データ~第3変換データが含まれる。(1)第1変換データは、第2のメディアセンサーの内部センサーのセンサー出力への変換値(第2検知データ)である。(2)第2変換データは、この変換値に基づいて算出された、画像形成装置の制御パラメータの設定に用いるデータである。(3)第3変換データは、この制御パラメータである。これらの第1から第3変換データの形式については後述する。
【0056】
(変換装置30の構成)
図7は、変換装置30の構成を示すブロック図である。
図8は、変換装置30におけるデータの流れを示すブロック図である。
図7、
図8に示すように、変換装置30は、入力I/F(インターフェース)31、A/D変換部32、変換部33、記憶装置34、および出力I/F35を有する。
【0057】
(入力I/F31、A/D変換部32)
入力I/F31は、電気コネクター、またはイーサーネット規格等に準拠したネットワークI/Fであり、メディアセンサー80からデジタル変換された第1検知データを取得したり、
図8に示すようにメディアセンサー80の内部センサーからのアナログの電気信号を直接取得したりする。A/D変換部32は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。入力I/F31が単体で、またはA/D変換部32と協働することで、取得部として機能する。
【0058】
(変換部33)
変換部33は、CPU、ROM、RAM等により構成され、ROMや、記憶装置34に格納されているプログラムを実行することで、各種処理を実行し、プログラムにしたがって装置各部の制御や各種の演算処理を行う。変換部33は、第1のメディアセンサーの第1検知データを、出力先の出力装置に連動する第2のメディアセンサー測定結果に基づく情報である変換データ、すなわち以下に説明する第1~第3変換データのいずれかに変換する。変換部33は、入力データ変換処理部331、判別処理部332、および制御パラメータ決定処理部333として機能する。
【0059】
図8に示すように、入力データ変換処理部331は、後述する「第1変換データ」を生成する。判別処理部332は、入力データ変換処理部331から送られた第1変換データに基づいて、判別処理を行い、区分化された「第2変換データ」を生成する。第2変換データは、以下に説明するように紙種、および坪量の区分である。紙種の区分としては、例えばグロス紙、マット紙、普通紙、高光沢紙があり、坪量の区分として、例えば、62g/m
2~350g/m
2までの範囲において、任意の間隔で分割した11区分である。制御パラメータ決定処理部333は、入力データ変換処理部331から送られた第1変換データに基づいて、第3変換データを生成する。第3変換データは、画像形成装置10、用紙搬送装置20、または後処理装置25で使用される制御パラメータである。この第1変換データから第3変換データへの変換は、後述する制御パラメータ決定方式III(
図15、
図16参照)と同様の処理により行なえる。なお、制御パラメータ決定処理部333は、判別処理部332から第2変換データ(区分化データ)を受け取り、この第2変換データから、第3変換データを生成するようにしてもよい(
図8において破線矢印で示す)。この第2変換データから第3変換データへの変換は、後述する制御パラメータ決定方式IIと同様の処理により行える。
【0060】
(記憶装置34)
記憶装置34は、取得元のメディアセンサー80、および画像形成装置10のタイプを識別するための識別情報を取得し、これを記憶する。また、変換先、もしくは利用先のメディアセンサー80、画像形成装置10、用紙搬送装置20、および後処理装置25のタイプを識別する識別情報を取得し記憶する。これらの取得した識別情報は、各装置に記憶されている。また、各識別情報におけるセンサー構成を記述した構成テーブルを記憶する(
図2参照)。さらに、記憶装置34は、これらの識別情報の組み合わせにおける、変換処理する変換処理情報(後述の
図17参照)を記憶する。
【0061】
(出力I/F35)
出力I/F35は、電気コネクター、またはイーサーネット規格等に準拠したネットワークI/Fであり、生成した第1から第3変換データを選択して、画像形成装置10、サーバー90等の装置に出力する。出力I/F35は、出力部として機能する。
【0062】
また、変換装置30は、別に用意している制御装置により制御される。制御装置はCPU、RAM、ROM等を有し、変換装置30の動作を制御する。この制御装置は、画像形成装置10、用紙搬送装置20、または後処理装置25を制御するコントローラーであってもよく、メディアセンサー80の内部に設けた制御部であってもよく、また、情報処理装置91(PC)であってもよい。
【0063】
(制御パラメータ決定方式、および第1から第3変換データ)
(制御パラメータ決定方式I)
図9は、画像形成装置10の制御パラメータ決定方式Iを示す模式図であり、
図10は、決定方式Iにおける決定処理を示す図である。この制御パラメータ決定方式Iは、従来広く使われている方式であり、本願実施形態とは直接は関係ないが参考として示している。この決定方式Iでは、ユーザーが、画像形成装置10の操作パネル等から、使用する用紙の紙種、坪量(斤量)を入力する。画像形成装置10の制御部は、用紙の紙種、坪量の組み合わせにより、記憶部にあらかじめ記憶されている、それぞれの制御パラメータテーブルを参照することで、定着プロセス、転写プロセス、搬送・給紙プロセス、および後処理プロセスの制御パラメータを決定する。ここで搬送・給紙プロセスの制御パラメータとは、用紙の紙種/坪量に応じて、給紙トレイからの用紙の送り出しタイミング、搬送時のローラーの回転速度、または転写位置の直前に配置されたレジストローラーでの再稼働タイミングである。転写プロセスの制御パラメータとは、電子写真方式において二次転写ベルト上のトナーを用紙に転写する際の電圧・電流の出力である。定着プロセスでの制御パラメータとは、定着装置の加熱、加圧によりトナーを用紙に定着する際の、定着部材の制御温度、圧力、または用紙の搬送速度の設定である。後処理プロセスの制御パラメータとは、パンチ処理におけるパンチ押圧力量、スタッフ処理におけるスタック整合板の押し圧量や移動量、折処理やミシン目処理におけるクリーサの押し圧量、断裁処理での断裁押圧量、製本処理におけるくるみ製本の糊塗布量などの設定である。
【0064】
図10の例では、
図9とは異なり、紙種とは別にエンボス紙情報を入力している。画像形成装置10の制御部は、ユーザーにより入力されたエンボス紙情報、紙種情報、および坪量情報に基づいて、決定した制御パラメータ値で、画像形成装置10内の機能部材、すなわち定着装置、転写部、給紙搬送部を制御する。
【0065】
(制御パラメータ決定方式II)
図11Aは、画像形成装置10の制御パラメータ決定方式IIを示す模式図である。
図11Bは、
図11Aに対して、第1から第3変換データの出力先を追加した模式図である。この方式IIでは、メディアセンサー80aの各内部センサーから得られた検知データ(第1検知データ、または第2検知データ)に基づいて、画像形成装置10の制御部は、紙種と坪量の判別処理を行う。制御部は、判別処理により区分化した紙種、坪量に基づいて、制御パラメータ決定処理を行い、各制御パラメータを決定する。制御パラメータ決定処理は、紙種、坪量の区分数が異なる以外は、基本的には決定方式Iと同様である。
【0066】
(第1変換データ)
図12は、以下に説明する第1、第2、第3変換データと、変換部33の処理内容をまとめたものである。最初に第1変換データについて、
図8、および
図11Bを参照して説明する。
【0067】
変換部33の入力データ変換処理部331で、第1変換データに変換する際は、変換装置30は、メディアセンサー80の構成に対応した識別情報により、画像形成装置10に連動するメディアセンサー80、例えば内蔵のメディアセンサー80のType(上述の
図2参照)を把握する。そして、メディアセンサー80の内部センサーの種類、性能の違いに基づいて、変換式、または変換テーブルにより測定値の第1変換処理を行い、第1変換データを生成する。第1変換データは、
図12に示すように、(1)無変換、(2)データ変換1、(3)データ変換2、(4)置換えがある。以下、順に説明する。
【0068】
(1)第1変換処理としての無変換
第1、第2のメディアセンサーでTypeが同じ場合、またはTypeが異なっても一部の内部センサーが共通する場合がある。例えば、
図2において、Type1とType2では、内部センサー1~3は共通するので、入力データ変換処理部331は、これらの検知データの値を変換せずにそのまま、無変換で出力する。また、Type3とType1との間では、センサー1、2、4が互いに非共通の性能を有する、同じ用紙物性を測定するセンサーで、あり、センサー3は、互いに共通の性能を有するセンサーである。この場合、共通するセンサー2については無変換とし、非共通のセンサー1、2、4のみについて下記の第1変換処理(データ変換1、データ変換2、または置き換え)によるデータ変換を行う。
【0069】
(2)第1変換処理としてのデータ変換1
変換部33の入力データ変換処理部331は、例えば
図3に示す例において、改良型センサーの出力を、旧型センサーの出力に合わせる場合(以下、ダウングレード(DG)、またはデータ変換2ともいう)には、A点の出力値を、A’点にオフセット分を加え、B点の出力値をB’に合わせるように特性の傾きに補正係数を乗じる。
【0070】
(3)第1変換処理としてのデータ変換2
逆に旧型センサーの出力を、改良型センサーの出力に合わせる場合(以下、アップグレード(UG)、またはデータ変換1ともいう)には、入力データ変換処理部331は、A‘点の出力値を、A点にオフセット分を加え、B’点の出力値をBに合わせるように特性の傾きに補正係数を乗じる。
図4に示すセンサーの場合も同様の処理を、C、C’、D、D’点の出力に対して行うことにより、データ変換1、2の処理を行える。
【0071】
(4)第1変換処理としての置換え
変換部33の入力データ変換処理部331は、置換えとして、センサー情報が一部ない場合には、同じ用紙物性を検知する出力を、そのまま、または変換して用いる。例えば、
図2において、Type4とTyep5において、Tyep5のメディアセンサー側には、内部センサー7が無い。このような取得元の第1のメディアセンサー80がTyep5で、変換データの利用先の画像形成装置10が連携する第2のメディアセンサー80がType4の場合を例として説明する。
【0072】
この場合、内部センサー7の用紙物性7(含水率)の検知データがそもそも存在しないため、定着前の同じ用紙物性6(含水率)の検知データを代替として用いる。すなわち、内部センサー6の検知データに対して、各画像形成装置10の種類と定着設定温度、定着速度、機内温度から予め定めて補正係数を用いて変換した補正データを、内部センサー7の検知データとして置き換えて使用する。別の手法として、補正せずに、内部センサー6の検知データをそのまま置き換えて、内部センサー7の検知データとして使用してもよく、あるいは固定値に置き換えるようにしてもよい。ただし、このような別の手法を用いる場合には、品質が下がる懸念はあるが、最終的な制御パラメータを決めることで印刷が可能になることを優先とさせる場合に次善の処置として用いるようにしてもよい。
【0073】
(第2変換データ)
第2変換データは、紙種、坪量に区分化された判別結果である。
図8、および
図11Bを再び参照する。判別処理部332は、第1変換データ(変換値)に基づいて算出された、画像形成装置の制御パラメータの設定に用いるデータ、すなわち第2変換データを生成する。具体的には、判別処理部332は、判別処理により区分化された複数の紙種と区分化された複数の坪量のいずれかであると判別する。例えば、紙種区分が「普通紙」、坪量区分が「75~81 g/m
2」である第2変換データが生成される。
【0074】
(第3変換データ)
第3変換データは、出力先の画像形成装置10(あるいは、用紙搬送装置20、または後処理装置25)で用いられる用紙に応じて設定された制御パラメータである。
図8、および
図11Bに示すように、制御パラメータ決定処理部333は、以下に説明する制御パラメータ決定方式IIIと同様の処理により第1変換データ(検知データ)から直接、制御パラメータを決定する。あるいは、
図11Aに示した制御パラメータ決定方式IIと同様の処理により、制御パラメータ決定処理部333は、第1変換データから一度、第2変換データ(紙種、坪量区分)に変換したデータを用いて、制御パラメータを決定する。この変換装置30から送られる第1から第3変換データは、これらの種類を表す種類識別コード(以下単に「識別コード」という。識別コード:例えば1、2、3の識別番号はそれぞれ第1から第3変換データであることを示す。)が通信データに付与されている。
図11Bにおける変換データ種類の判別処理では、この識別コードに基づいて、変換データの送り先を決定する。
【0075】
図13は、制御パラメータ決定方式IIにおけるType1のメディアセンサー80に対応した決定処理を示す図である。
図14は、制御パラメータ決定方式IIにおけるType3のメディアセンサー80に対応した決定処理を示す図である。これらの処理は、
図11Aの図に対応する処理であり、
図13、
図14では、メディアセンサー80のタイプに応じて、各内部センサーの出力が、どの処理に用いられるかをより詳しく示している。例えば、
図14に示すように、エンボス紙の判別処理は、センサー5の検知データに基づいて行われる。また、紙種判別処理は、センサー1改、センサー2改、3の検知データに基づいて行われ、坪量区分決定処理は、センサー2改の検知データに基づいて行われる。
【0076】
図13、
図14のような処理において、変換装置30が、(1)紙種判別処理、および坪量区分決定処理、または、(2)各制御パラメータ決定処理を行う場合には、最終的に出力を行う画像形成装置に連動するメディアセンサー80のTypeを識別情報から把握する。そして、対応するTypeの組み合わせに応じたアルゴリズムにより、この(1)、(2)のいずれかの処理を行う。この(1)、(2)の処理の判別は、変換装置30から送られた変換データに付与される識別コードに基づいて行う。
【0077】
(制御パラメータ決定方式III)
図15は、制御パラメータ決定方式IIIを示す模式図である。制御パラメータ決定方式IIでは、一旦、紙種と坪量に区分化してから、制御パラメータを決定したが、この制御パラメータ決定方式IIIでは、用紙物性の検知データから直接、各制御パラメータを決定する。例えば、画像形成装置10の制御部は、内部センサー1~3の検知データから定着制御パラメータを決定し、内部センサー1、3、nの検知データから転写制御パラメータを決定する。なお、この制御パラメータの決定に際しては、画像形成装置10(または変換装置30)は、機械学習により学習した学習済みモデルを用いてもよい。
【0078】
変換装置30は、識別コードとともに第1変換データを出力する場合には、画像形成装置10に連動するメディアセンサー80、例えば内蔵のメディアセンサー80のTypeを認識する。そして、メディアセンサー80の内部センサーの種類、性能の違いに基づいて、変換式、または変換テーブルにより測定値の第1変換処理を行い、第1変換データ(第2検知データ)を生成し、画像形成装置10等に出力する。画像形成装置10ではこれを用いて、各制御パラメータを決定する。
【0079】
また、変換装置30は、識別コードとともに第3変換データを出力する場合には、画像形成装置10の識別情報から画像形成装置10のTypeを認識し、そのTypeに合わせたアルゴリズムにより、各制御パラメータを決定し、これを画像形成装置10に出力する。画像形成装置10では、受けとった制御パラメータを用いて、定着、画像形成、搬送、等の制御を行う。
【0080】
図16は、制御パラメータ決定方式IIIにおけるType3(
図2参照)のメディアセンサー80に対応した決定処理を示す図である。画像形成装置10の制御部は、
図16のような処理により、各内部センサー1~10、ならびに印刷条件および装置状態の情報に基づいて各制御パラメータ決定処理を行う。また、ユーザーへの情報提供用として、エンボス、紙種、坪量区分の判定を行い、判定結果を操作パネル等に表示する。このエンボス、紙種、坪量区分の判定結果は、基本的に画像形成等の制御には用いないが、それまでの制御パラメータ決定方式I、IIとの対応をとるためにユーザーに提供する。
【0081】
また、変換装置30が制御パラメータの決定処理を行う場合には、画像形成装置10の識別情報から画像形成装置10の連動するメディアセンサー80がType3であることを認識し、そのTypeに合わせたアルゴリズムにより、各制御パラメータを決定し、これを画像形成装置10に出力する。
【0082】
図17は、変換元装置と変換データの利用先装置(変換先装置)の各Typeの組み合わせにおける変換処理情報(変換テーブル)を示す図である。変換処理情報は、以下においては組合表(組み合わせ表)ともいう。同図の丸数字で示す各変換データは、
図12の表の変換データに対応する。同図おいてはスラッシュ(/)を「または」の意味で記載している。例えば、変換元と変換先が同じType1同士であれば(1)無変換となる。また変換元Tyep1から変換先Tyep2であれば、(2)データ変換1(UG)、または紙種、坪量区分の(5)判別データに変換する。
【0083】
このように、本実施形態では、変換装置30は、第1のメディアセンサーから、記録媒体を測定して得られた1つ以上の用紙物性の測定結果で構成される第1検知データを取得する取得部と、取得した前記第1検知データを、前記第2のメディアセンサーの測定結果に基づく情報である変換データに変換する変換部と、前記変換部が変換した変換データを出力する出力部と、を備える。これにより、第1、第2のメディアセンサーで世代が異なる等により機能または性能が異なる場合であっても、第1のメディアセンサーでの検知データを正しく利用できるようになる。
【0084】
(実施例)
(変換処理情報の読み出し、および更新処理)
次に、変換処理情報(組合表)の読み出し、および更新処理について説明する。
図18は、記憶装置34の構成を示すブロック図である。
図19から
図21は、データ変換方法の読み出し処理、および更新処理を示すフローチャートである。
【0085】
(ステップS11)
変換部33は、記憶装置34へ、変換元のメディアセンサー80の装置構成(Tyep)を示す識別情報と、変換先(利用先)が連動しているメディアセンサー80の装置構成を示す識別情報の組み合わせ情報を送信するとともに、変換処理情報の要求を送信する。
【0086】
(ステップS12)
記憶装置34は、データ変換処理情報の決定処理を行う。
図20は、記憶装置34で実行される、このステップS12の処理を示すサブルーチンフローチャートである。
【0087】
(ステップS111、S112)
記憶装置34は、記憶している組合表(例えば
図17)を比較し、識別情報の組み合わせに対応する変換条件があるか否かを判定し、組み合わせ項目が一致すれば(YES)、処理をステップS113に進め、一致しなければ(NO)、処理をステップS114に進める。
【0088】
(ステップS113)
記憶装置34は、項目が一致した変換処理情報を変換部33へ送信し、
図20の処理を終了し、
図19に戻り、ステップS12以下の処理を実行する。
【0089】
(ステップS114)
記憶装置34は、このデータ変換が、本印刷モード用であるか否かを判定し、本印刷モード用であれば(YES)、処理をステップS125に進め、そうでなければ(NO)、処理をステップS115に進める。ここで本印刷とは、印刷ジョブの最終出力のことであり、その前のテスト印刷(試し刷り、または仮印刷ともいう)を行う印刷準備処理の工程を経て、品質に問題がないことを確認した後に実行される。
【0090】
(ステップS115)
記憶装置34は、以下の更新処理をするための時間を確保するため、待ち変換処理情報の更新待ち、すなわちwait信号を変換部33に送信する。
【0091】
(ステップS116)
記憶装置34は、変換処理情報のテーブル(組合表)の更新処理を行う。
図21は、記憶装置34で実行される、このステップS116の処理を示すサブルーチンフローチャートである。
【0092】
(S1161)
ここでは、変換装置30が所定のサーバーに接続しているか否かを判定し、接続していれば(YES)、処理をステップS1162に進め、接続していなければ(NO)、処理をステップS1166に進める。このサーバーは、例えば、製造元、または販売会社が管理するものであり、新型のメディアセンサー80、または画像形成装置10が上市される等の所定の時期に、更新された変換処理情報のテーブルを配信する。
【0093】
(S1162)
記憶装置34は、サーバーから更新情報の読み出しを要求する。
【0094】
(S1163)
テーブルの更新情報があれば(YES)、すなわちサーバーから更新情報が送られてくれば処理をステップS1164に進める。更新情報がなければ(NO)、処理をステップS1165に進める。
【0095】
(S1164)
記憶装置34は、記憶している変換処理情報のテーブル、および組合表を新たなテーブルに変更(更新)する。
【0096】
(S1165)
ここでは、更新する変換処理情報テーブルがないので、特に処理をしない。
【0097】
(S1166)
ここでは、接続しているサーバーがない、すなわち、更新する変換処理情報がないので、特に処理をしない。またここでは、接続サーバーがない旨のステイタスを送信する。以上までの処理により
図21の処理を終了し、
図20に戻り、ステップS116以下の処理を実行する。なお、
図20、
図21での処理は、装置側から変換処理情報のデータ更新をサーバー側に要求するフローである。これらの図には記載していないが、サーバー側から変換処理情報のデータ更新のコマンドを受けて、変換装置の変換処理情報テーブルを更新することも可能である。
【0098】
(ステップS117)
図20に示すように、記憶装置34は、更新完了していれば(YES)、処理をステップS120に進め、変更していなければ(NO)、処理をステップS122に進める。
【0099】
(ステップS120)
記憶装置34は、変換処理情報の更新受付完了を変換部33に送信する。
【0100】
(ステップS121)
更新したテーブル(組合表)と、比較した変換処理情報を変換部33に送信する。
【0101】
(ステップS122)
記憶装置34は、更新情報がなければ(YES)、処理をステップS123に進め、そうでなければ(NO)、処理をステップS124に進める。
【0102】
(ステップS123)
記憶装置34は、変換処理情報更新情報なしのステイタスを変換部33に送信する。
【0103】
(ステップS124)
記憶装置34は、更新異常ステイタスを変換部33に送信する。以上までの処理により
図20の処理を終了し、
図19に戻り、ステップS12以下の処理を実行する。
【0104】
(ステップS125)
ここでは、変換処理情報テーブルを更新しない(更新不可)。本印刷モード時は変換処理情報テーブルの更新している時間が確保できないため、ここでは、更新を不許可にしている。
【0105】
(ステップS13)
図19に示すように、記憶装置34は、変換部33に変換処理情報を返信して、本処理を終了する(エンド)。
【0106】
(画像形成装置10側での印刷処理)
次に
図22から
図33を参照し、変換装置30を用いた画像形成装置10におけるメディアセンサー80と連携した印刷処理について説明する。
【0107】
(変換装置30でのメディアセンサー80との連携設定)
最初に変換装置30における検知データの変換条件の設定手順について説明する。
図22は、変換装置30で行われるメディアセンサー80の検知データから変換データを生成する際の変換設定処理を示すフローチャートである。
図23は、変換装置30を制御する画像形成装置10等の制御装置(
図7参照)のディスプレイ(操作パネル)に表示される設定画面の例である。
【0108】
(ステップS31)
プリントショップのオペレータ等のユーザーは、
図23の操作画面の欄a01を通じて、本印刷準備(試し刷り)でのメディアセンサー80の検知データの変換実施有無の設定を行う。
【0109】
(ステップS32)
実施有りの場合には、ユーザーは、さらに詳細設定を行える。
図23に示すように実施有り(「する」ボタン)が選択されている場合には、さらに「詳細設定」のボタンを押下することで、詳細設定を行える。この詳細設定については、
図24A、
図24B、
図25A、
図25Bで説明する。
【0110】
(ステップS33)
またユーザーは、操作画面の欄a02を通じて、本印刷中でのメディアセンサー検知データの変換実施有無の設定を行う。
【0111】
(ステップS34)
実施有りの場合には、ユーザーは、さらに詳細設定を行える。なお、
図23に示すように実施無し(「しない」ボタン)が選択されている場合には、詳細設定の処理は行わない。
【0112】
(ステップS35)
全ての設定が終わった後、操作画面の「設定登録」ボタンを押下することで、記憶装置34に設定が登録される。
【0113】
(詳細設定)
図24A、
図24Bは、変換設定の詳細設定処理を示すフローチャートであり、ステップS32、またはステップS34の処理に対応する。
図25A、
図25Bは、画像形成装置10等の制御装置のディスプレイ(操作パネル)に表示される詳細設定画面の例である。
【0114】
(ステップS41)
図25Aの操作画面においてユーザーは、欄a14のボタンの選択により「変換タイプ装置」の選択を、手動選択および自動選択の何れかに設定できる。
【0115】
(ステップS42)
図25Aの操作画面においてユーザーは、欄a11のボタンを押下する。これにより制御装置は、有線、もしくは無線のネットワークで接続している装置リストを、欄a21~a23に表示する。また装置リストには、メディアセンサー80であればそれ自体のTypeを表示し、他の装置であれば連携するメディアセンサー80のTypeを表示する。なお、欄a12を押下することで過去に利用した装置、または登録済みの装置のリストを呼び出すこともできる。なお欄a12で「記憶済み装置リスト表示」は、装置の記憶している装置情報を表示する。この場合は、欄a23の「変換データを使用する装置」の表示は「USBメモリ」のみに限定される(ネットワークに接続しているかどうか不明な装置もあるため)ため、強制的にUSBメモリへの出力とし他の選択を表示しない)。
【0116】
(ステップS43)
ユーザーは、欄a21の「情報データ取得元装置」のリストから、装置を選択する。
図25Aの例では、自機(印刷装置D)が選択されている。なお、
図25A、
図27等では「印刷装置」および「印刷機」は、画像形成装置10に相当する。
【0117】
(ステップS44)
ユーザーは、欄a22の「情報データ変換タイプ」のリストから、ユーザー(オペレータ)が組み合わせを考えて表示した全ての装置のリストから装置を選択する。
図25Aの例では、印刷装置Bが選択されている。なお、
図25Aにおいては、機能が搭載されていない未搭載機では、グレイアウト表示することで選択できないようにしている。例えば印刷装置Cは、変換装置30の機能が搭載されておらず、グレイアウト表示している。 未搭載機の例としては、メディアセンサーが製品化される前に既に市場で使われている画像形成装置や、メディアセンサーと接続していない(例えばオフラインで接続する画像形成装置でオフラインのメディアセンサーユニットを接続していない場合)画像形成装置がある。
図17の例では、未搭載機に関する記載は省略しているが、未搭載機への対応を行う場合には、このような未搭載機に対して、変換装置で変換した制御パラメータ値(第3変換データ)を渡すことで対応できる。
【0118】
(ステップS45)
自機(印刷装置D)の制御部は、変換タイプ装置候補リストの自動選択処理を行う。
図24Bは、このステップS45の自動選択処理を示すサブルーチンフローチャートである。
【0119】
(ステップS451)
制御部は、データ取得元印刷機と変換データを使用する印刷機の機能情報から装備している機能を抽出する。
【0120】
(ステップS452)
制御部は、ステップS451で抽出した機能と同じ機能を持った印刷機をデータ変換タイプの装置リストから抽出する。
【0121】
(ステップS453)
制御部は、ステップS452で抽出したデータ変換タイプの印刷機に搭載しているセンサータイプをセンサーType識別情報から判断する。
【0122】
(ステップS454)
制御部は、データ取得元のセンサーTYPEとデータ変換タイプの印刷機に装着(ローカル接続)しているセンサーTYPEの情報から、データ変換後に精度または特性が向上する順番に装置の候補リストを表示する。
図25Bは、自動設定(a14欄)が選択された場合に、制御部が自動で候補リスト(欄a22)を表示した例である。以上で
図24Bの処理を終了し、
図24Aに戻り、ステップS46以下の処理を続ける。なお、
図25Bのように自動設定が選択された場合、印刷装置から候補を選ぶため、PCやメディアセンサーユニットは候補抽出しない。これらを選択する場合は、ユーザーは、手動設定を選択する。
【0123】
(ステップS46)
ユーザーは、表示された「情報データ変換タイプの装置」の候補リスト(欄a22)から装置を選択する。
図25Bの例では、印刷装置Bが選択されている。ユーザーが候補を選択しない場合は、最上位に表示した候補を情報データ変換タイプの装置として選択し、変換を行う。
【0124】
(ステップS47)
ユーザーは、「変換データを使用する装置」のリスト(欄a23)から装置を選択する。
図25Bの例では、自機が選択されている。
【0125】
(ステップS48)
次にユーザーは、欄a13に示す「データ変換実行部」のリストから使用するデータ変換装置30を選択する。選択は、装置、サーバー、自動選択(オート)のいずれかに設定できる。自動選択(オート)に設定した場合には、変換データの反映に許される時間の長さにより、変換装置を選択する。
図26に示すように、自動選択の優先順位としては、高い順に画像形成装置10内、メディアセンサーユニット内、情報処理装置・サーバーである。サーバーとネットワーク接続していない場合は、サーバーの選択はグレイアウトして選択できない。
【0126】
(ステップS49)
ユーザーは、欄a15の「変換データ出力先」のリストから、装置を選択する。
図25Bの例では、「選択したデータを使用する装置」が選択されている。なお、ネットワークにつながっていない場合は、出力先として、自機にローカル接続したUSBメモリが無条件で選択される。ユーザーは、全ての設定を選択した後、「設定登録」ボタンを押下することで設定が完了する。
【0127】
図25A、
図25Bの例では、ネットワーク接続中の装置リストから、データ取得元(自機)、データ変換タイプ、変換データを使用する装置(自機)を選び、ネットワーク経由でデータを移動する設定で確定する。実際のメディアセンサー80により用紙物性の読み込み、データ変換、変換データの反映はメディアセンサー80の読み込み動作のシーケンスで行う。例えば、所定のタイミングで用紙をメディアセンサー80で読み取ったときに、以上のメディアセンサー連携画面(
図23、
図25A等)で設定した内容に従って、データ変換して出力する。そして、データを使用する装置は、出力された変換データを用いて、制御パラメータを決定する。この所定のタイミングとは、(1)用紙設定で用紙をメディアセンサー80で物性を読み取った時、(2)印刷中の用紙給紙時毎に用紙のメディアセンサー80で物性を読み取った時、(3)定着通過後の裏面印刷する前にメディアセンサー80で物性を読み取った時、等がある。
【0128】
以上説明したように、データ変換を装置に搭載している変換装置で変換条件を決め(設定し)変換を実行する場合は、データ変換実行部のリスト(欄a13)から装置を選択すると、欄a21~a23にネットワークに接続している装置が表示される。自機(印刷機D)が印刷する時、自機の取得した記録媒体の用紙物性測定データから、精度を向上した改良センサータイプType2で測定した結果に変換したデータを使用して自機の制御パラメータを変更して印刷を行うために、ネットワーク接続中装置リストから、データ取得元はセンサータイプType1を装着した自機(印刷装置Dを選択)、データ変換のタイプはセンサータイプType2を装着している印刷機Bを選択、変換データの出力先は自機(印刷装置D)を選択して設定登録を行う。この組み合わせのデータ変換を行った変換データから制御パラメータを決めることで、更に印刷媒体に適した制御パラメータで印刷することができる。
【0129】
また、「メディアセンサー連携画面」の実施例(
図25A,
図25B)では、「情報データ変換タイプの装置」をオペレータが選択するために表示を設けているが、オペレータが(ユーザー)設定する必要が無い「自動」を選択した場合、装置側(制御部)で自動的に選択し、選択した装置情報を表示する。さらに、この自動選択する場合、情報データ変換タイプの装置」(欄a22)の表示を無表示にするようにしてもよい。
【0130】
(第2、第3のメディアセンサー80の検知結果に基づく情報への変換)
次に、変換する情報を用いる画像形成装置10の機能に応じて、第1のメディアセンサー80での検知データを、第2のメディアセンサー80での検知結果に基づく情報または第3のメディアセンサー80での検知結果に基づく情報のいずれかに変換する実施例について説明する。
【0131】
図27は、第2、第3のメディアセンサーのいずれかに変換する例を説明するための図である。表1(表2も同様)では、左列の「両面」では、両面印刷機能の有無、およびこれに対応する用紙物性を測定する内部センサー6(含水率1)、または内部センサー7(含水率2)の有無を示している。中央列の「除電」では、搬送中の用紙表面に対する電荷除電機能の有無、および対応する用紙物性を測定する内部センサー10(帯電量)の有無を示している。右列の「エンボス」では、エンボス紙への印刷対応の有無、およびこれに対応する用紙物性を測定する内部センサー5(表面性3)の有無を示している。なお
図27における印刷機1は、
図25Bにおける自機、印刷装置Dに対応し、印刷機2は印刷装置A、印刷機3は印刷装置C、印刷機4は印刷装置Bにそれぞれ対応する。
【0132】
表1の例では、検知データの取得元の印刷機1に搭載されるメディアセンサー80は、Type2であり、その内部センサーで用紙物性のデータを取得する。
【0133】
表2の例では、表1の印刷機1との関係から、変換する画像形成装置、または情報データ変換タイプ装置は、印刷機2(Type3)、または印刷機4(Type6)が候補となる装置である。この印刷機2、4は、印刷機1と両面機能が共通するため選択可能である。印刷機3は除電およびエンボス機能を有するが、この機能は、取得元の印刷機1が備えていないので候補から除外できる。すなわち、同じ機能を持った印刷機でないので、候補から除外する(
図24B)。
【0134】
この印刷機の変換データの指定情報の設定は、変換装置30自体、またはこれを制御する制御装置に組み込まれた「指定条件判断アルゴリズム」で行う。判断条件は、取得元のメディアセンサー80の構成(Type)を示す識別情報(識別情報A)と、変換データを用いる装置の識別情報(識別情報B)から、同じ変換結果となる条件の装置情報を選択する。例えば、変換データを用いる装置が画像形成装置10であれば、指定条件判断アルゴリズムは、記憶しているデータベースを参照することで、識別情報Bから、この画像形成装置10が有する機能情報(両面、除電、エンボス対応、等)と、この画像形成装置10が対応するメディアセンサーのType情報を判別できる。
【0135】
(印刷処理)
次に
図28から
図33を参照し、画像形成装置10における印刷処理を説明する。
図28は、印刷処理を示すフローチャートである。
【0136】
(ステップS05)
画像形成装置10は、本印刷準備処理を実行する。この処理については、
図29に示すサブルーチンフローチャートで説明する。
【0137】
(ステップS06)
画像形成装置10は、ステップS05で設定した設定条件で、本印刷処理を実行する。この処理については、
図32に示すサブルーチンフローチャートで説明する。
【0138】
(本印刷準備処理(S05))
(ステップS51)
図29に示すように、本ステップでは、画像形成装置10自体の給紙トレイから用紙の給紙、および搬送を行う。あるいは外部のメディアセンサー80(80a、または80b)を用いる場合には、そのメディアセンサー80の測定位置にマニュアル等により用紙を給紙する。
【0139】
(ステップS52)
画像形成装置10、または変換装置30は、メディアセンサー80の検知データによる制御パラメータ決定処理1を実行する。決定処理1については
図30で後述する。
【0140】
(ステップS53)
ステップS52で設定した制御パラメータにより、画像形成装置10は、用紙に対して画像を形成するテスト印刷を行う。
【0141】
(ステップS54)
ユーザーは、テスト印刷を目視確認、または外部の測定器の測定結果等を参照することにより品質を確認し、品質が良好であれば(YES)、
図29のサブルーチン処理を終了し、
図28に戻りステップS50以下の処理を実行する。一方で、品質が良好でなければ(NO)、処理をステップS55に進める。
【0142】
(ステップS55)
ここでは、ユーザーは、各制御パラメータの微調整を行う。この微調整は、例えば、画像形成装置10の操作パネルの設定画面を通じて行う。以下は、処理をステップS53に戻し、テスト印刷以下の処理を繰り返す。
【0143】
(制御パラメータ決定処理1(ステップS52)のサブルーチン処理)
図30は、
図29のステップS52の制御パラメータ決定処理1を示すサブルーチンフローチャートである。
【0144】
(制御パラメータ決定処理1)
(ステップS501)
画像形成装置10に内蔵しているメディアセンサー80、またはこれ以外の他のメディアセンサー80の内部センサーにより用紙の測定を行い、第1検知データをえる。
【0145】
(ステップS502)
変換装置30を使用して、データ変換を行う場合(YES)、処理をステップS503に進める。一方で、内蔵のメディアセンサー80により測定する等によりデータ変換が不要であれば(NO)、ステップS503をスキップする。
【0146】
(ステップS503)
変換装置30は、データ変換処理を行う。
図31A、
図31Bは、ステップS503のデータ変換処理を示すサブルーチンフローチャートである。
【0147】
(データ変換処理)
(ステップS7001~S7003)
変換装置30は、取得元装置、変換装置、および変換先装置の構成を示す識別情報の読み込みを行う。この読み込みは、例えばネットワーク接続している各装置から取得する。
【0148】
(ステップS7004)
変換装置30は、データ変換処理方法の読み出しを行う。例えば記憶装置34に記憶している変換処理情報(
図17参照)からデータ変換処理方法を読み出す。
【0149】
(ステップS7005)
変換装置30の変換部33は、データ変換処理方法に従って、ステップS501(またはステップS601)で取得したメディアセンサー80の測定により得られた第1検知データに対して変換処理を行う。
【0150】
(ステップS7006)
変換装置30は、変換データ出力先が、データを使用する装置、例えば画像形成装置10であれば(YES)、処理をステップS7007に進め、そうでなければ(NO)、処理をステップS7008に進める。
【0151】
(ステップS7007)
変換装置30の出力部は、データを使用する装置に、ステップS7005で生成した変換データを出力する。
【0152】
(ステップS7008)
変換装置30は、本印刷準備モードでなければ(NO)、すなわち、本印刷モードであれば処理をステップS7009に進め、本印刷準備モードであれば(YES)、処理を
図31BのステップS7011に進める。
【0153】
(ステップS7009)
変換装置30は、出力先無しの警告ステイタスを返す。
【0154】
(ステップS7011)
図31Bに示すように、このステップでは、変換装置30は、変換データ出力先が、接続中のサーバーであれば(YES)、処理をステップS7012に進め、そうでなければ(NO)、処理をステップS7013に進める。
【0155】
(ステップS7012)
変換装置30は、変換データをサーバーに転送する。
【0156】
(ステップS7013)
変換装置30は、変換データ出力先が、情報処理装置であれば(YES)、処理をステップS7014に進め、そうでなければ(NO)、処理をステップS7015に進める。
【0157】
(ステップS7014)
変換装置30は、変換データを情報処理装置に転送する。
【0158】
(ステップS7015)
変換装置30は、変換データ出力先が、USBメモリであれば(YES)、処理をステップS7016に進め、そうでなければ(NO)、処理をステップS7017に進める。
【0159】
(ステップS7016)
変換装置30は、変換データを本体に接続しているUSBメモリに転送する。
【0160】
(ステップS7017)
変換装置30は、出力先無しの警告ステイタスを返す。以上で、
図31A、33Bのデータ変換処理に関するサブルーチン処理を終了し、
図30に戻りステップS503以下の処理を実行する。
【0161】
(ステップS504)
図30を再び参照する。ここでは、画像形成装置10は、データ変換処理により得られた変換データにより、制御パラメータを決定する。変換装置30で生成した変換データが、第3変換データ(制御パラメータ)であれば、画像形成装置10は、その第3変換データをそのまま利用する。
【0162】
変換装置30で生成した変換データが、第1変換データ(変換値)、または第2変換データ(制御パラメータの設定に用いるデータ(紙種、坪量区分))であれば、画像形成装置10は、
図11A、または
図15に示したような処理により、この変換データにより制御パラメータを決定する。以上により、
図30のサブルーチンフローチャートを終了し、
図29に戻り、ステップS52以下の処理を実行する。
【0163】
(本印刷(ステップS06))
(ステップS61)
図32に示すように、本ステップでは、画像形成装置10の給紙トレイから用紙の給紙搬送を行う。
【0164】
(ステップS62)
画像形成装置10、または変換装置30は、画像形成装置10に内蔵されたメディアセンサー80の測定で得られた第1検知データに基づく制御パラメータ決定処理2を実行する。この決定処理2、および後述の決定処理3については
図33で後述する。
【0165】
(ステップS63)
画像形成装置10は、用紙搬送を一時停止し、用紙を転写位置上流側のレジスト給紙位置(レジストローラーの位置)で待機させる。
【0166】
(ステップS64)
画像形成装置10は、ステップS62で決定された制御パラメータによる画像形成を開始する。
【0167】
(ステップS65~S67)
画像形成装置10は、一時停止していた用紙搬送を再スタートさせ、用紙へのトナー転写、および定着処理を行い用紙上に画像を形成する。
【0168】
(ステップS68)
画像形成装置10は、実行中の印刷が両面モードであれば(YES)、処理をステップS69に進め、両面モードでなければ(NO)、処理をステップS71に進める。
【0169】
(ステップS69)
画像形成装置10、または変換装置30は、画像形成装置10に内蔵されたメディアセンサー80の検知データに基づく制御パラメータ決定処理3を実行する。この決定処理3で決定された制御パラメータは、両面の2面目(裏面)の画像形成(次のステップS64)で用いられる。
【0170】
(ステップS70)
画像形成装置10は、用紙をスイッチバック搬送路で、表裏を裏返す用紙反転処理を行い、用紙を再び、レジスト給紙位置まで搬送し、ステップS63以下の処理を繰り返して、用紙の裏面への画像形成処理を行う。
【0171】
(ステップS71)
片面モードで片面の画像形成が終わった後、または両面モードで両面の画像形成が終わった後、画像形成装置10は、用紙を排紙する。
【0172】
(ステップS72)
画像形成装置10は、印刷ジョブで設定されている印刷枚数を完了していなければ(NO)、次の用紙に対するステップS61以下の処理を繰り返す。一方で、印刷枚数が完了したならば(YES)、印刷処理を終了する(エンド)。
【0173】
(制御パラメータ決定処理2、3)
(ステップS801)
画像形成装置10に内蔵しているメディアセンサー80により用紙の測定を行う。
【0174】
(ステップS802)
画像形成装置10は、データ変換を使用する設定になっているか否かを判定する。この設定は、
図22の処理により
図23の操作画面等で設定されたものである。データ変換を使用するのであれば(YES)、処理をステップS803に進め、使用しないのであれば(NO)、ステップS803をスキップする。
【0175】
(ステップS803)
ここでは変換装置30は、データ変換を行う。ここでは、
図31A、
図31Bで説明した処理を行う。
【0176】
(ステップS804)
画像形成装置10は、「データ変換しない」のステイタスを受けた場合(YES)、には、処理をステップS805に進め、そうでなければ(NO)、処理をステップS606に進める。ここでの「データ変換しない」のステイタスは、
図20のステップS125で生成されたステイタスである。例えば、変換処理情報(テーブル)の更新処理の処理時間等の関係でデータ変換をあきらめた場合である。
【0177】
(ステップS805)
画像形成装置10は、データ変換できなかったので、ステップS801の検知データを、元の各内部センサーで検出した用紙物性の検出値で置き換える。
【0178】
(ステップS806)
ここでは、画像形成装置10は、データ変換処理により得られた変換データ、または、ステップS801の測定により得られた検知データ(第1検知データ)により、制御パラメータを決定する。以上で
図33のサブルーチン処理を終了し、元の
図32のステップS62、またはステップS69の処理に戻り、以降の処理を実行する。
【0179】
(画像形成装置10、用紙搬送装置20およびメディアセンサー80の機械構成)
以下、
図34から
図39を参照し、画像形成装置10、用紙搬送装置20およびメディアセンサー80の機械構成について説明する。これらの図で説明するメディアセンサー80は、Type1(
図2参照)に相当する。なお、これらの各図面においては、図面においては、上下方向をZ方向、画像形成装置の正面、背面方向をX方向、これらのX、Z方向に直交する方向をY方向とする。X方向は、幅方向ともいう。
【0180】
図34は、内蔵型のメディアセンサー80aを備える画像形成装置10の概略構成を示す図である。画像形成装置10は、制御部11、記憶部12、画像形成部13、給紙搬送部14、操作パネル15、通信部(図示せず)、およびメディアセンサー80a、等を備える。制御部11は、CPU、ROM、RAM等により構成され、ROMや、記憶部12に格納されているプログラムを実行することで、各種処理を実行し、プログラムにしたがって装置各部の制御や各種の演算処理を行う。
【0181】
画像形成部13は、例えば電子写真方式により画像を形成する。
図34に示すように、画像形成部13は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の基本色のそれぞれに対応した書込部131、感光体ドラム132、および各色のトナー、キャリアからなる2成分現像剤を収容する現像器133、等を備える。また、画像形成部13は、さらに、中間転写ベルト134、2次転写部135、および定着部136を備える。各色の現像器133により、感光体ドラム132上に形成されたトナー画像は、中間転写ベルト134上で重ね合わせされ、2次転写部135の転写位置において搬送された用紙300に転写される。用紙300上のトナー画像は下流側の定着部136で加熱、加圧されることで用紙300上に定着される。
【0182】
給紙搬送部14は、給紙トレイ141等から給紙された用紙300を搬送する。用紙300の裏面にも画像を形成する両面印刷を行う場合には、片面に画像形成された用紙300を装置本体の下部にある両面画像形成用の搬送路144に搬送する。この搬送路144に搬送された用紙300は、スイッチバック搬送路で表裏を反転された後、片面用の搬送路143に合流し、再び画像形成部13で用紙300のもう一方の面に画像形成される。画像形成された用紙300は、排紙トレイ145上に排出される。
【0183】
制御部11は、上述の制御パラメータ決定処理により決定された各制御パラメータにより画像形成部による画像形成ならびに/または搬送部による記録媒体の搬送および/もしくは後処理を制御する。例えば、制御部11は、決定された制御パラメータにより、給紙搬送部14、2次転写部135、および定着部136を制御する。
【0184】
図35は、搬送路143に配置した内蔵型のメディアセンサー80aの構成を示す側面図である。メディアセンサー80aは、紙厚検知部40、坪量検知部50、表面性検知部60、および用紙押圧機構70で構成され、複数の用紙物性を測定する。この坪量検知部50は、透過型の第1の光学式センサーであり、表面性検知部60は、反射型の第2の光学式センサーである。用紙押圧機構70は、表面性検知部60により用紙物性を検知する際に、用紙を押さえる。
【0185】
図35に示すように、これらの構成要素のうち、搬送方向の上流側に紙厚検知部40が、下流側に坪量検知部50、表面性検知部60、および用紙押圧機構70が配置される。坪量検知部50、および表面性検知部60は、搬送方向の同じ位置に、幅方向(X方向)に並んで配置される。例えば坪量検知部50は、手前側に配置され、表面性検知部60は、奥側に配置される。上ガイド板182、および下ガイド板181の間に構成される搬送路143の上側には、表面性検知部60が配置され、下側には対向して用紙押圧機構70が配置される。搬送路143には、上流側から順に搬送ローラー対41、186、187が配置される。
【0186】
(紙厚検知部40)
紙厚検知部40は、搬送ローラー対41のニップに用紙300が搬送されることで、用紙300の厚みに応じて、従動ローラーの軸位置が変位する。この変位した軸の高さを測ることにより、用紙300の厚みを測定する。搬送ローラー対41は、2つのローラーのうち下側のローラーが固定(軸中心が固定)の駆動ローラーで、上側がその駆動ローラーに向けて離接可能に付勢された従動ローラーである。上側のローラーの高さは、変位センサーにより検出される。変位センサーは、上側のローラー軸に接触するアクチュエータ(検出レバー)とこのアクチュエターの回転量を測定するエンコーダーとで構成される。紙厚検知部40からは、例えば、用紙厚み(ミクロン)が用紙物性3(紙厚)の測定結果として出力される。
【0187】
(坪量検知部50)
坪量検知部50は、用紙300の坪量に応じた物性値を検出する透過型の光学式センサーであり、搬送路143の下方に配置した発光部と、上方に配置した受光部を備え、用紙300を透過する光の減衰量(透過率)を測定する。坪量検知部50からは、例えば、透過率が用紙物性2(坪量)の測定結果として出力される。
【0188】
(表面性検知部60)
表面性検知部60は、筐体、発光部、コリメートレンズ、および複数の受光部を備え、以下に説明するように用紙表面からの正反射光、拡散反射光を光学的に検出する。上ガイド板182には開口部(測定領域)が設けられ、この開口部は、受光部の照射領域になる。開口部まで搬送された用紙300は、一時停止する。その状態で下側から用紙押圧機構70により押さえられ用紙300は、位置決めされる。開口部内の基準面は、上ガイド板182の下面を含む仮想面であり、測定時には、基準面に被測定物であるこの位置決めされた用紙300の表面が配置される。発光部からはコリメートレンズにより略平行にされた照射光が、基準面に対して入射角75°で照射される。照射光の波長としては例えば465nmである。複数の受光部は、正反射光、および拡散反射光を受光する。例えば、反射角30度(拡散反射光用)、60度(拡散反射光用)、75度(正反射光用)の3箇所、または60度と75度の2箇所に配置される。表面性検知部60からは、この受光部の信号が用紙物性1(表面性1/平滑度)の測定結果として出力される。
【0189】
(用紙押圧機構70)
この用紙押圧機構70は、下ガイド板181の下方に配置される。用紙押圧機構70は、押圧部、駆動モーター、カム機構、等を備える。押圧部の上面は、駆動モーターの駆動により上下動する、下ガイド板181と並行な平面であり、通常の通紙時は、下ガイド板181と略同面であるが、測定時には、上昇し、用紙300を表面性検知部60側に押し付ける。押し付けた状態では、用紙300の搬送は停止する。
【0190】
(用紙搬送装置20)
図36Aは、内蔵型のメディアセンサー80aを備える用紙搬送装置20の概略構成を示す図である。用紙搬送装置20は、画像形成装置10の給紙搬送部14と同様の機能を有し、複数の給紙トレイ241~243にA3サイズ等の各種定型サイズ紙、または1300mm長の長尺紙をセットする。そしてこれらの給紙トレイから自動給紙し、内蔵されたメディアセンサー80aにより用紙物性を測定する。
【0191】
(後処理装置25)
図36Bは、内蔵型のメディアセンサー80aを備える後処理装置25の概略構成を示す図である。後処理装置25は、後処理部251、252を備え、画像形成装置10等により用紙に画像が形成された印刷済み用紙に対して、後処理を施す。後処理部251、252が実行する後処理としては、パンチ処理、ステープル処理、断裁処理、折処理、ミシン目処理、および製本処理の少なくとも1つが含まれる。
【0192】
(画像形成システム1)
図37は、画像形成装置10と用紙搬送装置20を備える画像形成システムを含む、メディア検知システム1200の概略構成を示すである。このようなメディア検知システム1200においても内蔵型のメディアセンサー80aにより用紙物性を測定できる。
【0193】
(外付型のメディアセンサー80b)
次に、
図38、
図39を参照し、外付型のメディアセンサー80bの構成について説明する。
図38は、外付型のメディアセンサーの外観を示す斜視図、および側面図である。
図39は、外付型のメディアセンサーの断面図、および下部筐体における検知領域等を示す模式上面図である。
【0194】
図38に示すように、メディアセンサー80bは、上部筐体81、および下部筐体82で構成される。メディアセンサー80bの上部正面には、点灯有無により装置の状態を示すためのLED表示部88が配置されている。下部筐体82の上面はユーザーにより挿入される用紙300を載置する載置面S2である。測定時には、ユーザーは、用紙300を挿入口から手動で通紙領域800内に挿入する。このとき、用紙300は、載置面S2上を滑りながら挿入方向(Y方向)に沿って移動し、奥側の壁S3に突き当たって停止する。
【0195】
図39(a)に示すように、メディアセンサー80bは、挿入口から奥側に向かって順に、坪量検知部500、第1メディアセットセンサー850、表面性検知部600、紙厚検知部400、および第2メディアセットセンサー860が配置される。また紙厚検知部400は、用紙押圧機構700の押圧板701上に搭載され、押圧板701の上下動にともない移動する。この押圧板701は、測定時に用紙300を抑える。また、メディアセンサー80bは、制御部および記憶部(図示せず)を備え、各種の動作を制御する。
【0196】
紙厚検知部400、坪量検知部500、表面性検知部600、および用紙押圧機構700は、それぞれ、上述した装置内のメディアセンサー80aの紙厚検知部400、坪量検知部500、表面性検知部600、および用紙押圧機構70と同じ機能を有する。第1メディアセットセンサー850、および第2メディアセットセンサー860は、検知領域での用紙の有無を検知する。例えばこれらのセンサーは、反射型のセンサーであり、検知領域(後述の検知領域a30)に向けて光を照射する発光部、および用紙300からの反射光を受光する受光部を備え、これらは通紙領域800の上方(上部筐体81)に配置される。
【0197】
図39(b)に示すように、メディアセンサー80bでは、挿入口から奥側に向かって順に、坪量検知部500の検知領域a50、第1メディアセットセンサー850の検知領域a85、表面性検知部600の検知領域a60、紙厚検知部400の検知領域a40、および第2メディアセットセンサー860の検知領域a86が配置される。
【0198】
坪量検知部500、および表面性検知部600、については、メディアセンサー80aの坪量検知部50、および表面性検知部60それぞれと同一であり、説明を省略する。用紙押圧機構700、および紙厚検知部400は、機能的には、メディアセンサー80aの押圧機構70、および紙厚検知部40それぞれと同じであるが、以下のようにローラー(ローラー対41)を用いずに、接触部402を用いる点で異なる。
【0199】
押圧領域a70は、用紙押圧機構700の押圧板701の押圧面に対応する。押圧板701には、検知領域a40に対応して開口が設けられており、その内側に紙厚検知部400の接触部402が配置される。接触部402は、所定範囲内で揺動し、上方に向けて(底面S1に向けて)付勢される。押圧板701を上部筐体81の底面S1に向けて持ち上げた状態において、用紙300があるときと、ないときの接触部402の高さそれぞれの高さ位置センサーで検知し、両者の差分(μm)により用紙300の厚さを検出する。
【0200】
メディアセンサー80bの制御部は、手前の第1メディアセットセンサー850がON(用紙有り)になることで、坪量検知部500による用紙物性の測定を開始する。続いて、奥側の第2メディアセットセンサー860がONになれば、用紙300がセットされたとして、用紙押圧機構70により、持ち上げた押圧板701により用紙300を抑えながら、紙厚検知部400、および表面性検知部600による用紙物性の測定を行う。その後、測定が終了した後、押圧板701を下降させて、用紙300をフリーにして、各種の用紙物性の測定を終了する。なお、用紙押圧機構70の機構に代えて、ユーザーが手動でレバーを操作することで、押圧板701を上下動させるようにしてもよい。この場合、持ち上げて、用紙300を抑えている間に、紙厚検知部400、および表面性検知部600による用紙物性の測定を行う。
【0201】
以上に説明した変換装置30、メディアセンサー80、および画像形成装置10の構成は、上記の実施形態の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記の構成に限られず、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。また、一般的な変換装置、画像形成装置、およびメディアセンサーが備える構成を排除するものではない。
【0202】
また、上述した実施形態に係る変換装置30における各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウェア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記プログラムは、例えば、USBメモリやDVD(Digital Versatile Disc)-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記プログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、装置の一機能としてその装置のソフトウェアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0203】
10 画像形成装置
20 用紙搬送装置
25 後処理装置
30 変換装置
31 入力I/F(取得部)
32 AD変換部
33 変換部
331 入力データ変換処理部
332 判別処理部
333 制御パラメータ決定処理部
34 記憶装置
35 出力I/F(出力部)
80、80a、80b メディアセンサー
90 サーバー
91 情報処理装置
95 ネットワーク
1000、1100、1200 メディア検知システム