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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20240918BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240918BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240918BHJP
   G06F 9/445 20180101ALI20240918BHJP
【FI】
G06F3/12 325
G06F3/12 303
G06F3/12 331
G06F3/12 373
B41J29/38
H04N1/00 127Z
G06F9/445 130
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021052097
(22)【出願日】2021-03-25
(65)【公開番号】P2022149791
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2024-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】立林 裕太朗
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-072869(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0099502(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
H04N 1/00
G06F 9/445
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
移行元機種の制御対象装置に関する、処理の利用履歴に関する利用履歴情報または機能の設定内容に関する設定情報を含む移行元機種情報を取得し、
移行先機種の制御対象装置に関する移行先機種情報を取得し、
前記移行先機種の制御対象装置を制御するための複数の制御ソフトウェアの中からインストールする制御ソフトウェアを選択するための画面において、前記移行元機種の前記利用履歴情報または前記設定情報のいずれかに応じて、インストールを推奨する制御ソフトウェアを切り替えて提示する
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
機種によって予め設定されているインストールを推奨する制御ソフトウェアの一覧を、前記移行元機種の前記利用履歴情報または前記設定情報のいずれかに応じて変更して、インストールを推奨する制御ソフトウェアとしてユーザに提示する
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
機種入れ替えが行われる前に予め前記移行元機種情報を取得して記憶手段に記憶し、
自装置に対して前記移行先機種の制御対象装置が接続された際に、前記移行先機種情報を取得し、かつ前記記憶手段から前記移行元機種情報を取得する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記移行先機種の制御対象装置を制御するための制御ソフトウェアを自装置にインストールする際に、前記移行元機種の前記利用履歴情報または前記設定情報のいずれかに応じて、インストールした制御ソフトウェアの設定を変更する
請求項1から3のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記移行元機種情報として、自装置にインストールされている前記移行元機種の制御対象装置を制御するための制御ソフトウェアに関する情報を取得する
請求項1から4のいずれか1項記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
自装置にインストールされている前記移行元機種の制御対象装置を制御するための制御ソフトウェアの利用状態を参照して、当該制御ソフトウェアに対応した前記移行先機種の制御対象装置用の制御ソフトウェアのインストールを推奨するか否かを切り替える
請求項5記載の情報処理装置。
【請求項7】
移行元機種の制御対象装置から、処理の利用履歴に関する利用履歴情報または機能の設定内容に関する設定情報を含む移行元機種情報を取得するステップと、
移行先機種の制御対象装置に関する移行先機種情報を取得するステップと、
前記移行先機種の制御対象装置を制御するための複数の制御ソフトウェアの中からインストールする制御ソフトウェアを選択するための画面において、前記移行元機種の前記利用履歴情報または前記設定情報のいずれかに応じて、インストールを推奨する制御ソフトウェアを切り替えて提示するステップと、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、設定項目に関する態様が異なる装置間においても設定情報をユーザの意図に沿うように移植することが可能な設定情報移植装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、ユーザがプリンタドライバを自己の画像処理装置にインストールする際に、そのプリンタドライバの印刷設定内容をユーザが所望する印刷設定内容に更新して自動的にインストールすることが可能な画像処理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-252457号公報
【文献】特開2008-217097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
PC等の情報処理装置から画像形成装置等の制御対象装置を利用する場合、情報処理装置に制御対象装置用の制御ソフトウェアをインストールする必要がある。一般的に、制御ソフトウェアは、ドライバやユーティリティ等の複数の制御ソフトウェアから構成されている。全ての制御ソフトウェアをインストールすると情報処理装置のストレージを圧迫するため、複数の制御ソフトウェアの中からユーザに推奨する制御ソフトウェアを提示し、ユーザが必要に応じて、インストールする制御ソフトウェアを選択する。
【0006】
制御対象装置を移行元機種から移行先機種に入れ替える機種入れ替えが行われた場合、情報処理装置にインストールされている制御対象装置用の制御ソフトウェアも更新する必要がある。情報処理装置において、移行先機種の制御対象装置に対しても、移行元機種の制御対象装置と同等の利用環境を実現するためには、移行先機種の制御対象装置用の制御ソフトウェアをインストールする際に、適切な制御ソフトウェアをユーザに推奨する必要がある。
【0007】
本発明の目的は、制御対象装置の機種入れ替えが行われ、移行先機種の制御対象装置用の制御ソフトウェアを情報処理装置にインストールする際に、機種に応じて一律な制御ソフトウェアをユーザに推奨する場合と比較して、ユーザの利用実態に合致した制御ソフトウェアをユーザに推奨することが可能な情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様の情報処理装置は、プロセッサを備え、プロセッサは、移行元機種の制御対象装置に関する、処理の利用履歴に関する利用履歴情報または機能の設定内容に関する設定情報を含む移行元機種情報を取得し、移行先機種の制御対象装置に関する移行先機種情報を取得し、移行先機種の制御対象装置を制御するための複数の制御ソフトウェアの中からインストールする制御ソフトウェアを選択するための画面において、移行元機種の利用履歴情報または設定情報のいずれかに応じて、インストールを推奨する制御ソフトウェアを切り替えて提示する。
【0009】
本発明の第2態様の情報処理装置は、第1態様の情報処理装置において、プロセッサは、機種によって予め設定されているインストールを推奨する制御ソフトウェアの一覧を、移行元機種の利用履歴情報または設定情報のいずれかに応じて変更して、インストールを推奨する制御ソフトウェアとしてユーザに提示する。
【0010】
本発明の第3態様の情報処理装置は、第1態様または第2態様の情報処理装置において、プロセッサは、機種入れ替えが行われる前に予め移行元機種情報を取得して記憶手段に記憶し、自装置に対して移行先機種の制御対象装置が接続された際に、移行先機種情報を取得し、かつ記憶手段から移行元機種情報を取得する。
【0011】
本発明の第4態様の情報処理装置は、第1態様から第3態様のいずれか1つの態様の情報処理装置において、プロセッサは、移行先機種の制御対象装置を制御するための制御ソフトウェアを自装置にインストールする際に、移行元機種の利用履歴情報または設定情報のいずれかに応じて、インストールした制御ソフトウェアの設定を変更する。
【0012】
本発明の第5態様の情報処理装置は、第1態様から第4態様のいずれか1つの態様の情報処理装置において、プロセッサは、移行元機種情報として、自装置にインストールされている移行元機種の制御対象装置を制御するための制御ソフトウェアに関する情報を取得する。
【0013】
本発明の第6態様の情報処理装置は、第5態様の情報処理装置において、プロセッサは、自装置にインストールされている移行元機種の制御対象装置を制御するための制御ソフトウェアの利用状態を参照して、この制御ソフトウェアに対応した移行先機種の制御対象装置用の制御ソフトウェアのインストールを推奨するか否かを切り替える。
【0014】
本発明の第7態様のプログラムは、移行元機種の制御対象装置から、処理の利用履歴に関する利用履歴情報または機能の設定内容に関する設定情報を含む移行元機種情報を取得するステップと、移行先機種の制御対象装置に関する移行先機種情報を取得するステップと、移行先機種の制御対象装置を制御するための複数の制御ソフトウェアの中からインストールする制御ソフトウェアを選択するための画面において、移行元機種の利用履歴情報または設定情報のいずれかに応じて、インストールを推奨する制御ソフトウェアを切り替えて提示するステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の第1態様の情報処理装置によれば、制御対象装置の機種入れ替えが行われ、移行先機種の制御対象装置用の制御ソフトウェアを情報処理装置にインストールする際に、機種に応じて一律な制御ソフトウェアをユーザに推奨する場合と比較して、ユーザの利用実態に合致した制御ソフトウェアをユーザに推奨することができる。
【0016】
本発明の第2態様の情報処理装置によれば、機種によって予め設定されているインストールを推奨する制御ソフトウェアの一覧を、機種に応じて一律な制御ソフトウェアをユーザに推奨する場合と比較して、ユーザの利用実態に合致した内容に変更して、ユーザに提示することができる。
【0017】
本発明の第3態様の情報処理装置によれば、情報処理装置に対して移行元機種の制御対象装置および移行先機種の制御対象装置が同時に接続されていなくても、制御対象装置の機種入れ替えが行われ、移行先機種の制御対象装置用の制御ソフトウェアを情報処理装置にインストールする際に、機種に応じて一律な制御ソフトウェアをユーザに推奨する場合と比較して、ユーザの利用実態に合致した制御ソフトウェアをユーザに推奨することができる。
【0018】
本発明の第4態様の情報処理装置によれば、インストールされた移行先機種の制御対象装置用の制御ソフトウェアについて、機種に応じて一律な制御ソフトウェアの設定とする場合と比較して、ユーザの利用実態に合致した状態とすることができる。
【0019】
本発明の第5態様の情報処理装置によれば、制御対象装置の機種入れ替えが行われ、移行先機種の制御対象装置用の制御ソフトウェアを情報処理装置にインストールする際に、機種に応じて一律な制御ソフトウェアをユーザに推奨する場合と比較して、さらにユーザの利用実態に合致した制御ソフトウェアをユーザに推奨することができる。
【0020】
本発明の第6態様の情報処理装置によれば、制御対象装置の機種入れ替えが行われ、移行先機種の制御対象装置用の制御ソフトウェアを情報処理装置にインストールする際に、機種に応じて一律な制御ソフトウェアをユーザに推奨する場合と比較して、さらにユーザの利用実態に合致した制御ソフトウェアをユーザに推奨することができる。
【0021】
本発明の第7態様のプログラムによれば、制御対象装置の機種入れ替えが行われ、移行先機種の制御対象装置用の制御ソフトウェアを情報処理装置にインストールする際に、機種に応じて一律な制御ソフトウェアをユーザに推奨する場合と比較して、ユーザの利用実態に合致した制御ソフトウェアをユーザに推奨することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態の画像形成システムのシステム構成を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態における端末装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本発明の第1実施形態における端末装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】画像形成システムにおける画像形成装置の機種入替時の接続態様を示す図であり、移行元機種と移行先機種とがともにネットワークに接続された状態を示す図である。
図5】画像形成システムにおける画像形成装置の機種入替時の接続態様を示す図であり、移行元機種が端末装置に接続され、移行先機種がネットワークに接続された状態を示す図である。
図6】推奨する制御ソフトウェアの切替条件を示す表である。
図7】初期設定時の推奨リストの表示態様を示す図である。
図8】推奨リストにおいて、推奨する制御ソフトウェアを切り替えた状態を示す図である。
図9】本発明の第1実施形態の画像形成システムにおける機種入替時の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
図10】本発明の第2実施形態の画像形成システムにおける機種入替時の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。
図1は第1実施形態の画像形成システムのシステム構成を示す図である。本実施形態の画像形成システムは、図1に示すように、情報処理装置としての端末装置10と、制御対象装置としての画像形成装置20とを備える。端末装置10と画像形成装置20とは、ネットワーク40により接続されている。
【0024】
端末装置10には、画像形成装置20を制御するための複数の制御ソフトウェアがインストールされている。画像形成システム1においては、端末装置10にインストールされている画像形成装置20用の制御ソフトウェアに基づいて、端末装置10の操作画面から、画像形成装置20に対して印刷等の各種のジョブ操作が可能である。なお、画像形成装置20は、印刷機能、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有するいわゆる複合機と呼ばれる装置である。
【0025】
また、ネットワーク40には、画像形成装置20を制御するための複数の制御ソフトウェアが保存されたサーバ30が接続されている。
【0026】
次に、本実施形態の画像形成システムにおける端末装置10のハードウェア構成を図2に示す。
【0027】
端末装置10は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)11と、メモリ12と、ハードディスクドライブ等の記憶装置13と、ネットワーク40を介して外部の装置等との間でデータの送信および受信を行う通信インタフェース(IFと略す。)14と、タッチパネルまたは液晶ディスプレイ並びにキーボードを含むユーザインタフェース(UIと略す。)装置15と、を有する。これらの構成要素は、制御バス16を介して互いに接続されている。
【0028】
CPU11は、メモリ12または記憶装置13に格納された制御プログラムに基づいて所定の処理を実行して、画像形成装置20の動作を制御するプロセッサである。なお、本実施形態では、CPU11は、メモリ12または記憶装置13内に格納された制御プログラムを読み出して実行するものとして説明するが、当該プログラムをCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記憶媒体に格納してCPU11に提供することも可能である。
【0029】
また、CPU11は、端末装置10にインストールされている画像形成装置20用の制御ソフトウェアに基づいて、画像形成装置20に対してジョブの実行指示を与える等の制御が可能である。
【0030】
通信IF14は、ネットワーク40を介して外部の装置等との間でデータの送信および受信を行う通信IF、および、USB(Universal Serial Bus)を介して外部の装置等との間でデータの送信および受信を行う通信IFを含む、複数の通信IFを備える。
【0031】
図3は、上記の制御プログラムが実行されることにより実現される端末装置10の機能構成を示すブロック図である。
【0032】
本実施形態の端末装置10は、図3に示すように、制御部51と、表示部52と、操作入力部53と、データ送受信部54とを備えている。
【0033】
表示部52は、制御部51により制御され、ユーザに各種情報を表示する。操作入力部53は、ユーザにより行われた各種操作情報を入力する。データ送受信部54は、端末装置10等の外部の装置との間でデータの送受信を行う。
【0034】
制御部51は、端末装置10の全体動作を制御していて、データ送受信部54を介して画像形成装置20にジョブの実行指示を送信したり、サーバ30から各種制御ソフトウェアをダウンロードする等の制御を行う。
【0035】
本実施形態の端末装置10は、画像形成装置20を移行元機種から移行先機種に入れ替える機種入れ替えが行われた場合、移行先機種用の制御ソフトウェアのインストール時に、移行先機種用の複数の制御ソフトウェアの中から、インストールを推奨する制御ソフトウェアを提示する。このとき、移行先機種に応じて一律な制御ソフトウェアをユーザに推奨する場合と比較して、ユーザの利用実態に合致した制御ソフトウェアをユーザに推奨するように構成されている。
【0036】
画像形成装置20の機種の入替時には、図4に示すように、移行元機種である画像形成装置20oldと移行先機種である画像形成装置20newとが、ともにネットワーク40に接続される。
【0037】
なお、本実施形態の説明では、図4に示すように、移行元機種である画像形成装置20oldと移行先機種である画像形成装置20newとがともにネットワーク40に接続された場合を例に説明するが、例えば、図5に示すように、画像形成装置20oldがUSBにより端末装置10に接続され、画像形成装置20newがネットワーク40に接続された状態とする等、画像形成装置20oldおよび画像形成装置20newの接続先については、特に限定されるものではない。
【0038】
上記のように、画像形成装置20の機種の入替時に、ユーザの利用実態に合致した制御ソフトウェアをユーザに推奨可能にするため、制御部51は、移行元機種情報取得部51aと、移行先機種情報取得部51bと、提示部51cと、設定変更部51dしての機能を備える。
【0039】
移行元機種情報取得部51aは、移行元機種の画像形成装置20oldに関する、処理の利用履歴に関する利用履歴情報または機能の設定内容に関する設定情報を含む移行元機種情報を取得する。また、移行元機種情報取得部51aは、移行元機種情報として、自装置である端末装置10にインストールされている画像形成装置20oldを制御するための制御ソフトウェアに関する情報を取得する。
【0040】
また、移行先機種情報取得部51bは、移行先機種の画像形成装置20に関する移行先機種情報を取得する。移行先機種情報は、移行先機種である画像形成装置20newの機種を特定する機種特定情報を少なくとも含む。
【0041】
また、提示部51cは、移行先機種の画像形成装置20を制御するための複数の制御ソフトウェアの中からインストールする制御ソフトウェアを選択するための画面において、移行元機種の利用履歴情報または設定情報のいずれかに応じて、インストールを推奨する制御ソフトウェアを切り替えて提示する。
【0042】
制御ソフトウェアとしては、各種のドライバおよびユーティリティがインストールされる。提示部51cは、先ず、インストールする制御ソフトウェアの候補を、移行先機種情報に基づいて決定する。具体的には、提示部51cは、移行先機種である画像形成装置20newに対応した制御ソフトウェアの種類をサーバ30に照会し、照会結果に基づいてインストールする制御ソフトウェアの候補を決定する。
【0043】
本実施形態の説明では、ドライバとしては、PCL(Printer Command Language)ドライバ、PS(PostScript)ドライバ、ファックスドライバ、スキャンドライバの4種類のドライバがインストール可能な例について説明する。また、ユーティリティとしては、USB接続用ステータスモニタ、ファックス宛先表ツール、ネットワークスキャナーの3種類のユーティリティがインストール可能な例について説明する。なお、制御ソフトウェアの種類については、上記に限定されるものではなく、種々の制御ソフトウェアをインストールすることができる。
【0044】
図6の表に示すように、制御ソフトウェアの種類毎に、初期推奨フラグ、推奨をONにする条件、および、推奨をOFFにする条件が設定されている。これらの情報は、画像形成装置20newに対応した制御ソフトウェアの種類をサーバ30に照会した際に、サーバ30から合わせて取得する。
【0045】
制御部51は、移行先機種である画像形成装置20new用の制御ソフトウェアをインストールする際に、インストールを推奨する制御ソフトウェアの一覧として、図7に示すように、上記7種類の制御ソフトウェアが表示されたインストール候補リストを表示する。
【0046】
インストール候補リストにおいて、各制御ソフトウェアの名称の右側にはチェックボックスが設けられており、インストールする制御ソフトウェアの決定時に、チェックボックスにチェックが付けられた制御ソフトウェアがインストールされる。
【0047】
制御部51は、ユーザが選択した制御ソフトウェアをサーバ30からダウンロードし、端末装置10にインストールする。
【0048】
制御部51は、インストールを推奨する制御ソフトウェアについては、予めチェックボックスにチェックを付けた状態で表示する。
【0049】
機種に応じて一律な制御ソフトウェアをユーザに推奨する場合には、図6の表において初期推奨フラグがONの制御ソフトウェアのみについて、予めチェックボックスにチェックが付けられた状態で表示される。その結果、図7に示すように、PCLドライバおよびネットワークスキャナーの2つの制御ソフトウェアのチェックボックスにチェックが付けられた状態で表示される。
【0050】
しかしながら、本実施の形態においては、提示部51cは、移行元機種の利用履歴情報または設定情報のいずれかに応じて、インストールを推奨する制御ソフトウェアを切り替えて提示する。
【0051】
例えば、提示部51cは、移行元機種である画像形成装置20oldの設定情報において、画像形成装置20oldのネットワーク接続が制限されている場合、画像形成装置20newにおいてもネットワーク接続が制限される可能性があるとみなし、USB接続用ステータスモニタの推奨をONにする。
【0052】
また、提示部51cは、移行元機種である画像形成装置20oldの利用履歴情報において、USBからのジョブが閾値以上の割合を占めている場合、USBの利用頻度が高いとみなして、USB接続用ステータスモニタの推奨をONにする。
【0053】
なお、各種機能の利用状態については、画像形成装置20oldから取得する態様に限らず、自装置である端末装置10にインストールされている画像形成装置20oldを制御するための制御ソフトウェアの利用状態を参照してもよい。
【0054】
このように、提示部51cは、移行元機種の利用履歴情報または設定情報のいずれかに応じて、ユーザの利用実態に合致した制御ソフトウェアをユーザに推奨するように、インストールを推奨する制御ソフトウェアを切り替える。
【0055】
その結果、図8に示すように、インストールを推奨する制御ソフトウェアが切り替えらえたインストール候補リストが表示される。図8の例では、PCLドライバ、USB接続用ステータスモニタ、およびネットワークスキャナーの3つの制御ソフトウェアのチェックボックスにチェックが付けられた状態で表示される。
【0056】
また、設定変更部51dは、移行先機種の画像形成装置20newを制御するための制御ソフトウェアを自装置にインストールする際に、移行元機種の利用履歴情報または設定情報のいずれかに応じて、インストールした制御ソフトウェアの設定を変更する。
【0057】
例えば、設定変更部51dは、画像形成装置20new用の制御ソフトウェアとして、自装置である端末装置10にインストールされている画像形成装置20old用の制御ソフトウェアと同種の制御ソフトウェアがインストールされる場合、画像形成装置20old用の制御ソフトウェアの設定内容と同じ設定内容に、インストールした画像形成装置20new用の制御ソフトウェアの設定を変更してもよい。
【0058】
次に、本実施形態の画像形成システムにおける機種入替時の処理の流れについて、図9のフローチャートを参照して説明する。
【0059】
まず、ユーザは、ステップS1において、端末装置10に対しインストーラの起動を指示する。これを受けて、端末装置10の制御部51は、ステップS1.1において、画像形成装置20new用のインストーラを起動する。
【0060】
次に、ユーザは、ステップS2において、インストーラの画面から装置検索を指示する。これを受けて、端末装置10の制御部51は、ステップS2.1において、ネットワーク40に接続されている画像形成装置を検索する。
【0061】
先ず、制御部51は、ステップS2.1.1において、移行元の画像形成装置20oldを検索する。ここで、制御部51が検索する移行元の画像形成装置20oldは、端末装置10に専用の制御ソフトウェアがインストールされており、かつネットワーク40に接続されている画像形成装置20oldである。
【0062】
次に、制御部51は、ステップS2.1.2において、移行先の画像形成装置20newを検索する。ここで、制御部51が検索する移行先の画像形成装置20newは、端末装置10に専用の制御ソフトウェアがインストールされておらず、かつネットワーク40に接続されている画像形成装置20newである。
【0063】
次に、端末装置10の制御部51は、ステップS2.2において、端末装置10にUSB接続されている画像形成装置を検索する。先ず、制御部51は、ステップS2.2.1において、移行元の画像形成装置20oldを検索する。次に、制御部51は、ステップS2.2.2において、移行先の画像形成装置20newを検索する。
【0064】
制御部51は、ステップS2.1において検索された装置を、インストーラの画面に表示する。
【0065】
次に、ユーザは、ステップS3において、インストーラの画面に表示されている移行元の画像形成装置20oldの中から、移行元の画像形成装置20oldを選択する。これを受けて、端末装置10の移行元機種情報取得部51aは、ステップS3.1において、移行元機種情報として画像形成装置20oldから機種設定および使用実績の情報を取得する。次に、端末装置10の移行元機種情報取得部51aは、ステップS3.2において、移行元機種情報として端末装置10のインストール済みの画像形成装置20old用の制御ソフトウェアの情報を取得する。
【0066】
次に、ユーザは、ステップS4において、インストーラの画面に表示されている移行先の画像形成装置20newの中から、移行先の画像形成装置20newを選択する。これを受けて、端末装置10の移行先機種情報取得部51bは、ステップS4.1において、移行先機種情報を取得する。
【0067】
次に、端末装置10の提示部51cは、ステップS4.2において、移行元機種情報の分析を行い、ステップS4.2.1において、図8に示すような制御ソフトウェアのインストール候補リストをインストーラの画面に表示する。
【0068】
次に、ユーザは、ステップS5において、インストーラの画面に表示されているインストール候補リストの中から、必要な制御ソフトウェアを選択して、インストールする制御ソフトウェアを決定する。
【0069】
これを受けて、端末装置10の制御部51は、ステップS5.1において、ユーザが選択した制御ソフトウェアをサーバ30からダウンロードし、端末装置10にインストールする。このとき、端末装置10の設定変更部51dは、インストールした制御ソフトウェアの設定を、移行元機種情報に基づいて変更する。以上で、画像形成システムにおける機種入替時の処理が終了する。
【0070】
[第2実施形態]
第1実施形態では、画像形成システムにおける機種入替時に、移行元の画像形成装置20oldと移行先の画像形成装置20newとが端末装置10に対して同時に接続されている場合について説明した。
【0071】
本実施形態では、画像形成システムにおける機種入替時に、移行元の画像形成装置20oldと移行先の画像形成装置20newとが端末装置10に対して個別に接続される場合について説明する。
【0072】
なお、本実施形態に係る端末装置10のハードウェア構成(図2および図3参照)は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0073】
以下、本実施形態の画像形成システムにおける機種入替時の処理の流れについて、図10のフローチャートを参照して説明する。
【0074】
まず、ユーザは、移行元の画像形成装置20oldが端末装置10に接続された状態で、ステップS11において、端末装置10に対しインストーラの起動を指示する。これを受けて、端末装置10の制御部51は、ステップS11.1において、画像形成装置20new用のインストーラを起動する。
【0075】
次に、ユーザは、ステップS12において、インストーラの画面から移行元装置検索を指示する。これを受けて、端末装置10の制御部51は、ステップS12.1において、ネットワーク40に接続されている画像形成装置を検索する。制御部51は、ステップS12.1.1において、移行元の画像形成装置20oldを検索する。
【0076】
次に、端末装置10の制御部51は、ステップS12.2において、端末装置10にUSB接続されている画像形成装置を検索する。制御部51は、ステップS12.2.1において、移行元の画像形成装置20oldを検索する。
【0077】
制御部51は、ステップS12.1において検索された移行元装置を、インストーラの画面に表示する。
【0078】
次に、ユーザは、ステップS13において、インストーラの画面に表示されている移行元の画像形成装置20oldの中から、移行元の画像形成装置20oldを選択する。これを受けて、端末装置10の移行元機種情報取得部51aは、ステップS13.1において、移行元機種情報として画像形成装置20oldから機種設定および使用実績の情報を取得する。次に、端末装置10の移行元機種情報取得部51aは、ステップS13.2において、移行元機種情報として端末装置10のインストール済みの画像形成装置20old用の制御ソフトウェアの情報を取得する。移行元機種情報取得部51aは、取得した移行元機種情報を記憶装置13に記憶する。
【0079】
次に、ユーザは、移行元の画像形成装置20oldが端末装置10から外され、移行先の画像形成装置20newが端末装置10に接続された状態で、ステップS14において、インストーラの画面から移行先装置検索を指示する。これを受けて、端末装置10の制御部51は、ステップS14.1において、ネットワーク40に接続されている画像形成装置を検索する。制御部51は、ステップS14.1.1において、移行先の画像形成装置20newを検索する。
【0080】
次に、端末装置10の制御部51は、ステップS14.2において、端末装置10にUSB接続されている画像形成装置を検索する。制御部51は、ステップS14.2.1において、移行先の画像形成装置20newを検索する。
【0081】
制御部51は、ステップS14.1において検索された移行先装置を、インストーラの画面に表示する。
【0082】
次に、ユーザは、ステップS15において、インストーラの画面に表示されている移行先の画像形成装置20newの中から、移行先の画像形成装置20newを選択する。これを受けて、端末装置10の移行先機種情報取得部51bは、ステップS15.1において、移行先機種情報を取得する。
【0083】
次に、端末装置10の提示部51cは、ステップS15.2において、記憶装置13から移行元機種情報を読み出して、移行元機種情報の分析を行い、ステップS15.2.1において、図8に示すような制御ソフトウェアのインストール候補リストをインストーラの画面に表示する。
【0084】
次に、ユーザは、ステップS16において、インストーラの画面に表示されているインストール候補リストの中から、必要な制御ソフトウェアを選択して、インストールする制御ソフトウェアを決定する。
【0085】
これを受けて、端末装置10の制御部51は、ステップS16.1において、ユーザが選択した制御ソフトウェアをサーバ30からダウンロードし、端末装置10にインストールする。このとき、端末装置10の設定変更部51dは、インストールした制御ソフトウェアの設定を、移行元機種情報に基づいて変更する。以上で、画像形成システムにおける機種入替時の処理が終了する。
【0086】
[変形例]
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0087】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0088】
また、上記実施形態では、パーソナルコンピュータ型の端末装置に対して本発明を適用した場合を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、予め設定された処理を実行する処理実行情報を記憶しておき、記憶している処理実行情報を用いて処理を実行するようなタブレットや携帯端末装置等の情報処理装置であれば、本発明を同様に適用することができるものである。また、制御対象装置についても、画像形成装置に限らず、種々の装置とすることができる。
【符号の説明】
【0089】
10 端末装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
14 通信インタフェース
15 ユーザインタフェース装置
16 制御バス
20 画像形成装置
20new 画像形成装置
20old 画像形成装置
30 サーバ
40 ネットワーク
51 制御部
51a 移行元機種情報取得部
51b 移行先機種情報取得部
51c 提示部
51d 設定変更部
52 表示部
53 操作入力部
54 データ送受信部
図1
図2
図3
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図10