(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】物品収容設備、物品収容方法、及び物品収容プログラム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20240918BHJP
【FI】
B65G1/137 Z
(21)【出願番号】P 2021129315
(22)【出願日】2021-08-05
【審査請求日】2023-12-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】宮本 雅哉
(72)【発明者】
【氏名】長久保 昭博
(72)【発明者】
【氏名】石井 達久
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-522247(JP,A)
【文献】特開平10-167421(JP,A)
【文献】特開2020-128266(JP,A)
【文献】特開平9-124118(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品が収容された容器を複数保持する収容棚と、
前記容器からの前記物品の取出し及び前記容器への前記物品の収容を行う移載装置又は作業者に対する作業指示を出力する出力装置が配置された作業ステーションと、
前記移載装置又は前記作業者である移載主体により前記物品を出し入れ自在に設けられ、前記移載主体から受け取った前記物品を一時的に保持する仮置き部と、
前記収容棚と前記作業ステーションとの間で前記容器を搬送する搬送装置と、
前記移載装置又は前記出力装置、及び前記搬送装置を制御する制御装置と、
を備えた物品収容設備であって、
前記容器に収容可能な前記物品の最大数を収容可能最大数とし、前記収容可能最大数未満の前記物品が収容された前記容器の状態を未満状態とし、前記物品が収容されていない前記容器の状態を空状態として、
前記制御装置は、
前記収容棚に前記未満状態の前記容器が複数保持されている場合に、前記未満状態の複数の前記容器のうちの1つを集約容器とすると共に別の少なくとも1つを取出容器として選択する選択処理と、
前記搬送装置を制御して、前記選択処理により選択された前記集約容器及び前記取出容器を前記収容棚から前記作業ステーションへ搬送する第1搬送処理と、
前記取出容器に収容された前記物品を取出対象物品とし、前記仮置き部に保持された前記物品を仮置き物品として、前記作業ステーションにおいて、前記移載装置又は前記出力装置を制御して、前記仮置き物品と前記取出対象物品との少なくとも一方を前記集約容器に収容することで前記集約容器における前記物品の収容数を前記収容可能最大数にし、全ての前記取出対象物品を前記集約容器に収容できなかった場合には、当該収容できなかった前記取出対象物品を前記仮置き部に保持させて、前記取出容器を前記空状態とする移載処理と、
前記移載処理の完了後、前記搬送装置を制御して、前記集約容器を前記作業ステーションから前記収容棚へ搬送すると共に、前記空状態となった前記取出容器を前記作業ステーションから搬出する第2搬送処理と、を実行する、物品収容設備。
【請求項2】
前記制御装置は、前記移載処理において、前記仮置き部に保持された前記仮置き物品がある場合には、前記仮置き物品を前記取出対象物品よりも優先して集約容器に収容する、請求項1に記載の物品収容設備。
【請求項3】
前記制御装置は、前記選択処理において、前記収容棚に保持されている前記未満状態の前記容器のうちからN個(Nは2以上の整数)の前記容器を選択し、選択した前記N個の前記容器のうちの収容されている前記物品の数が最も多い前記容器を前記集約容器とし、残りの前記容器を前記取出容器とする、請求項1又は2に記載の物品収容設備。
【請求項4】
前記N個は、前記選択処理を行う毎に、当該N個の前記容器に収容されている前記物品の数の合計が、1つの前記容器の前記収容可能最大数以上となり、且つ、最も少ない数となるように設定される、請求項3に記載の物品収容設備。
【請求項5】
前記制御装置は、前記選択処理において、前記収容棚に保持されている前記未満状態の前記容器の中に、同じ種類の前記物品が収容された前記容器が複数存在する場合には、それら同じ種類の前記物品が収容された前記容器を優先的に選択し、その中で収容されている前記物品の数が最も多い前記容器を前記集約容器とし、残りの前記容器を前記取出容器とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【請求項6】
前記制御装置は、前記選択処理において、前記物品の利用期限が定められている場合、前記利用期限が同じである前記物品が収容された前記容器を優先的に選択する、請求項1から5のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【請求項7】
前記制御装置は、前記物品の種類毎の出庫頻度の高さを示す出庫頻度情報を参照可能であり、前記選択処理において、前記収容棚に保持されている前記未満状態の全ての前記容器のうち、前記出庫頻度情報に示された出庫頻度が低い方からM種類(Mは2以上の整数)の前記物品がそれぞれ収容された前記容器を選択し、選択した前記容器のうち収容されている前記物品の数が最も多い前記容器を前記集約容器とし、残りの前記容器を前記取出容器とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の物品収容設備。
【請求項8】
複数の物品が収容された容器を複数保持する収容棚と、前記容器からの前記物品の取出し及び前記容器への前記物品の収容を行う移載装置又は作業者に対する作業指示を出力する出力装置が配置された作業ステーションと、前記移載装置又は前記作業者である移載主体により前記物品を出し入れ自在に設けられ、前記移載主体から受け取った前記物品を一時的に保持する仮置き部と、前記収容棚と前記作業ステーションとの間で前記容器を搬送する搬送装置と、を備えた物品収容設備における物品収容方法であって、
前記容器に収容可能な前記物品の最大数を収容可能最大数とし、前記収容可能最大数未満の前記物品が収容された前記容器の状態を未満状態とし、前記物品が収容されていない前記容器の状態を空状態として、
前記収容棚に前記未満状態の前記容器が複数保持されている場合に、前記未満状態の複数の前記容器のうちの1つを集約容器とすると共に別の少なくとも1つを取出容器として選択する選択工程と、
前記選択工程の後、前記搬送装置を制御して、前記選択工程により選択された前記集約容器及び前記取出容器を前記収容棚から前記作業ステーションへ搬送する第1搬送工程と、
前記第1搬送工程の後、前記取出容器に収容された前記物品を取出対象物品とし、前記仮置き部に保持された前記物品を仮置き物品として、前記作業ステーションにおいて、前記移載装置又は前記出力装置を制御して、前記仮置き物品と前記取出対象物品との少なくとも一方を前記集約容器に収容することで前記集約容器における前記物品の収容数を前記収容可能最大数にし、全ての前記取出対象物品を前記集約容器に収容できなかった場合には、当該収容できなかった前記取出対象物品を前記仮置き部に保持させて、前記取出容器を前記空状態とする移載工程と、
前記移載工程の後、前記搬送装置を制御して、前記集約容器を前記作業ステーションから前記収容棚へ搬送すると共に、前記空状態となった前記取出容器を前記作業ステーションから搬出する第2搬送工程と、を備えた、物品収容方法。
【請求項9】
複数の物品が収容された容器を複数保持する収容棚と、前記容器からの前記物品の取出し及び前記容器への前記物品の収容を行う移載装置又は作業者に対する作業指示を出力する出力装置が配置された作業ステーションと、前記移載装置又は前記作業者である移載主体により前記物品を出し入れ自在に設けられ、前記移載主体から受け取った前記物品を一時的に保持する仮置き部と、前記収容棚と前記作業ステーションとの間で前記容器を搬送する搬送装置と、を備えた物品収容設備を制御するためのプログラムであって、
前記容器に収容可能な前記物品の最大数を収容可能最大数とし、前記収容可能最大数未満の前記物品が収容された前記容器の状態を未満状態とし、前記物品が収容されていない前記容器の状態を空状態として、
前記収容棚に前記未満状態の前記容器が複数保持されている場合に、前記未満状態の複数の前記容器のうちの1つを集約容器とすると共に別の少なくとも1つを取出容器として選択する選択処理を実行する機能と、
前記搬送装置を制御して、前記選択処理により選択された前記集約容器及び前記取出容器を前記収容棚から前記作業ステーションへ搬送する第1搬送処理を実行する機能と、
前記取出容器に収容された前記物品を取出対象物品とし、前記仮置き部に保持された前記物品を仮置き物品として、前記作業ステーションにおいて、前記移載装置又は前記出力装置を制御して、前記仮置き物品と前記取出対象物品との少なくとも一方を前記集約容器に収容することで前記集約容器における前記物品の収容数を前記収容可能最大数にし、全ての前記取出対象物品を前記集約容器に収容できなかった場合には、当該収容できなかった前記取出対象物品を前記仮置き部に保持させて、前記取出容器を前記空状態とする移載処理を実行する機能と、
前記移載処理の完了後、前記搬送装置を制御して、前記集約容器を前記作業ステーションから前記収容棚へ搬送すると共に、前記空状態となった前記取出容器を前記作業ステーションから搬出する第2搬送処理を実行する機能と、をコンピュータに実現させるための、物品収容プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収容設備、物品収容方法、及び物品収容プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特開平11-310310号公報(特許文献1)には、棚に収容される容器の収容位置、及び各容器の物品の充填率を管理しながら、物品の貸出及び返却を管理する物品保管管理システムに関する技術が開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号又は名称は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に記載された物品保管管理システムでは、複数の容器(Y)を保管した棚(R)から、物品の充填率の低い容器(Y)を、1個又は複数個選択して出庫させる。そして、出庫した容器(Y)に収容されている全ての物品を取り出して、空の容器(Y)を作成する。取り出された物品は、棚(R)から出庫された集約用の容器(Y)に、当該集約用の容器(Y)が満杯になるまで詰替えられる。そして、満杯になった集約用の容器(Y)は、棚(R)に再度入庫される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、取出し用の容器から取り出した全ての物品が、1つの集約用の容器に入りきらない場合に、当該入りきらない物品をどのように取り扱うかについて開示されていない。しかし、実際には、取り出した物品の全てが1つの集約用の容器に入りきらないこともあり得る。また、棚(R)から出庫される容器(Y)を、集約用の容器に入りきらない物品が生じないように選択することも可能であると考えられる。しかし、その場合、取出し用の容器及び集約用の容器として選択可能な容器の組み合わせの制約が大きくなる。そのため、例えば、物品の種類や利用期限等の各種条件に基づいて、取り出した物品を1つの集約用の容器に集約したい場合等であっても、そのような集約を行うことが難しかった。
【0006】
そこで、取出し用の容器から取り出された全ての物品が、1つの集約容器に入りきらない場合であっても、別の集約容器への集約作業を行うことができる技術の提供が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記に鑑みた、物品収容設備の特徴構成は、複数の物品が収容された容器を複数保持する収容棚と、前記容器からの前記物品の取出し及び前記容器への前記物品の収容を行う移載装置又は作業者に対する作業指示を出力する出力装置が配置された作業ステーションと、前記移載装置又は前記作業者である移載主体により前記物品を出し入れ自在に設けられ、前記移載主体から受け取った前記物品を一時的に保持する仮置き部と、前記収容棚と前記作業ステーションとの間で前記容器を搬送する搬送装置と、前記移載装置又は前記出力装置、及び前記搬送装置を制御する制御装置と、を備えた物品収容設備であって、
前記容器に収容可能な前記物品の最大数を収容可能最大数とし、前記収容可能最大数未満の前記物品が収容された前記容器の状態を未満状態とし、前記物品が収容されていない前記容器の状態を空状態として、
前記制御装置は、前記収容棚に前記未満状態の前記容器が複数保持されている場合に、前記未満状態の複数の前記容器のうちの1つを集約容器とすると共に別の少なくとも1つを取出容器として選択する選択処理と、前記搬送装置を制御して、前記選択処理により選択された前記集約容器及び前記取出容器を前記収容棚から前記作業ステーションへ搬送する第1搬送処理と、前記取出容器に収容された前記物品を取出対象物品とし、前記仮置き部に保持された前記物品を仮置き物品として、前記作業ステーションにおいて、前記移載装置又は前記出力装置を制御して、前記仮置き物品と前記取出対象物品との少なくとも一方を前記集約容器に収容することで前記集約容器における前記物品の収容数を前記収容可能最大数にし、全ての前記取出対象物品を前記集約容器に収容できなかった場合には、当該収容できなかった前記取出対象物品を前記仮置き部に保持させて、前記取出容器を前記空状態とする移載処理と、前記移載処理の完了後、前記搬送装置を制御して、前記集約容器を前記作業ステーションから前記収容棚へ搬送すると共に、前記空状態となった前記取出容器を前記作業ステーションから搬出する第2搬送処理と、を実行する点にある。
【0008】
本構成によれば、未満状態の容器が複数ある場合に、それらの容器に収容された物品を1つの集約容器に集約することができる。従って、収容棚に保持される容器の数を少なくすることができ、収容棚の単位容積当たりに収容できる物品の数を多く確保することができる。そして、全ての取出対象物品を集約容器に収容できなかった場合であっても、収容できなかった取出対象物品を、仮置き部に保持させた仮置き物品として、次回以降の移載処理において集約容器に集約することができる。従って、1度の移載処理によっては取出容器に収容された取出対象物品の全てを集約容器に収容することができない場合であっても、取出容器から集約容器への集約作業を行うことができる。
【0009】
このように、本構成によれば、取出し用の容器から取り出された全ての物品が、1つの集約容器に入りきらない場合であっても、別の集約容器への集約作業を行うことができる。そのため、集約容器及び取出容器に収容された物品の数の合計が集約容器の収容可能最大数に一致していない組み合わせであっても、選択処理において集約容器及び取出容器として選択することができる。よって、集約容器に物品を集約する容器の組み合わせの自由度を高く確保することができる。
【0010】
上記に鑑みた、物品収容設備の技術的特徴は、物品収容方法や物品収容プログラムにも適用可能であり、そのため、本発明は、そのような方法やプログラムも権利の対象とすることができる。
【0011】
その場合における、物品収容方法の特徴構成は、複数の物品が収容された容器を複数保持する収容棚と、前記容器からの前記物品の取出し及び前記容器への前記物品の収容を行う移載装置又は作業者に対する作業指示を出力する出力装置が配置された作業ステーションと、前記移載装置又は前記作業者である移載主体により前記物品を出し入れ自在に設けられ、前記移載主体から受け取った前記物品を一時的に保持する仮置き部と、前記収容棚と前記作業ステーションとの間で前記容器を搬送する搬送装置と、を備えた物品収容設備における物品収容方法であって、
前記容器に収容可能な前記物品の最大数を収容可能最大数とし、前記収容可能最大数未満の前記物品が収容された前記容器の状態を未満状態とし、前記物品が収容されていない前記容器の状態を空状態として、
前記収容棚に前記未満状態の前記容器が複数保持されている場合に、前記未満状態の複数の前記容器のうちの1つを集約容器とすると共に別の少なくとも1つを取出容器として選択する選択工程と、前記選択工程の後、前記搬送装置を制御して、前記選択工程により選択された前記集約容器及び前記取出容器を前記収容棚から前記作業ステーションへ搬送する第1搬送工程と、前記第1搬送工程の後、前記取出容器に収容された前記物品を取出対象物品とし、前記仮置き部に保持された前記物品を仮置き物品として、前記作業ステーションにおいて、前記移載装置又は前記出力装置を制御して、前記仮置き物品と前記取出対象物品との少なくとも一方を前記集約容器に収容することで前記集約容器における前記物品の収容数を前記収容可能最大数にし、全ての前記取出対象物品を前記集約容器に収容できなかった場合には、当該収容できなかった前記取出対象物品を前記仮置き部に保持させて、前記取出容器を前記空状態とする移載工程と、前記移載工程の後、前記搬送装置を制御して、前記集約容器を前記作業ステーションから前記収容棚へ搬送すると共に、前記空状態となった前記取出容器を前記作業ステーションから搬出する第2搬送工程と、を備えている点にある。
【0012】
また、その場合における、物品収容プログラムの特徴構成は、複数の物品が収容された容器を複数保持する収容棚と、前記容器からの前記物品の取出し及び前記容器への前記物品の収容を行う移載装置又は作業者に対する作業指示を出力する出力装置が配置された作業ステーションと、前記移載装置又は前記作業者である移載主体により前記物品を出し入れ自在に設けられ、前記移載主体から受け取った前記物品を一時的に保持する仮置き部と、前記収容棚と前記作業ステーションとの間で前記容器を搬送する搬送装置と、を備えた物品収容設備を制御するためのプログラムであって、
前記容器に収容可能な前記物品の最大数を収容可能最大数とし、前記収容可能最大数未満の前記物品が収容された前記容器の状態を未満状態とし、前記物品が収容されていない前記容器の状態を空状態として、
前記収容棚に前記未満状態の前記容器が複数保持されている場合に、前記未満状態の複数の前記容器のうちの1つを集約容器とすると共に別の少なくとも1つを取出容器として選択する選択処理を実行する機能と、前記搬送装置を制御して、前記選択処理により選択された前記集約容器及び前記取出容器を前記収容棚から前記作業ステーションへ搬送する第1搬送処理を実行する機能と、前記取出容器に収容された前記物品を取出対象物品とし、前記仮置き部に保持された前記物品を仮置き物品として、前記作業ステーションにおいて、前記移載装置又は前記出力装置を制御して、前記仮置き物品と前記取出対象物品との少なくとも一方を前記集約容器に収容することで前記集約容器における前記物品の収容数を前記収容可能最大数にし、全ての前記取出対象物品を前記集約容器に収容できなかった場合には、当該収容できなかった前記取出対象物品を前記仮置き部に保持させて、前記取出容器を前記空状態とする移載処理を実行する機能と、前記移載処理の完了後、前記搬送装置を制御して、前記集約容器を前記作業ステーションから前記収容棚へ搬送すると共に、前記空状態となった前記取出容器を前記作業ステーションから搬出する第2搬送処理を実行する機能と、をコンピュータに実現させる点にある。
【0013】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】取出容器からの物品の取出し、及び集約容器への物品の集約作業の一例を模式的に示す平面図
【
図6】出庫頻度情報に基づく選択工程及び移載工程の一例を模式的に示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
1.物品収容設備
以下、本発明に係る物品収容設備1の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、物品収容設備1は、主要な構成として、物品Wを保管する収容棚4と、容器2を搬送する搬送装置7と、容器2に対して物品Wを出し入れする作業を行う作業ステーション5と、容器2から取り出した物品Wを保持する仮置き部6と、を備えている。
【0016】
以下では、後述する第2コンベヤ72に沿う方向を第1方向Xとし、第1方向Xと直交する方向を第2方向Yとする。また、第1方向Xの一方側(
図1における左側)を、第1方向第1側X1とし、他方側(
図1における右側)を第1方向第2側X2とする。同様に、第2方向Yの一方側(
図1における上側)を、第2方向第1側Y1とし、他方側(
図1における下側)を第2方向第2側Y2とする。
【0017】
本実施形態では、容器2は、物品Wを収容するように構成されている。容器2は、物品Wを収容した状態で、収容棚4に保持される。本例では、容器2は、上面が開口した箱型に形成されている。また本例では、収容棚4に保持されている複数の容器2は、互いに同じ形状及び大きさとされている。容器2には、複数の物品Wが収容可能である。図示の例では、1つの容器2に6個の物品Wが収容可能である。物品収容設備1では、複数種類の物品Wが取り扱われ、複数の容器2のそれぞれには、当該複数種類の物品Wのうちの、一部の種類(1種類又は複数種類)の物品Wが収容される。なお、容器2としては、汎用の容器を用いることができ、例えば、段ボール箱やコンテナ等を用いることができる。
【0018】
2.収容棚
収容棚4は、複数の物品Wが収容された容器2を複数保持するよう構成されている。本実施形態では、
図1に示すように、収容棚4は、後述する物品搬送経路Rを挟んで、作業ステーション5が配置されている側(図示の例では第2方向第2側Y2)とは反対側(図示の例では第2方向第1側Y1)に配置されている。また、収容棚4は、物品搬送経路Rの延在方向(図示の例では第1方向X)に並んで複数配置されている。収容棚4には、それぞれに容器2を保持可能な複数の収容部(不図示)が設けられている。複数の収容部の一部又は全部に、容器2が保管されている。
【0019】
本実施形態では、収容棚4は、不図示の倉庫内搬送装置と、入出庫コンベヤ42とを備えている。倉庫内搬送装置は、複数の収容部と入出庫コンベヤ42との間で、容器2を搬送する。倉庫内搬送装置としては、例えばスタッカークレーン等を用いることができる。入出庫コンベヤ42は、物品搬送経路Rに接続されており、物品搬送経路Rを走行する物品搬送車9との間で物品Wの受け渡しを行う。本例では、複数の入出庫コンベヤ42が物品搬送経路Rの延在方向(図示の例では第1方向X)に並んで配置されている。なお、入出庫コンベヤ42としては、例えば、ローラコンベヤ、ベルトコンベヤ、チェーンコンベヤ等の公知の各種コンベヤを用いることができる。
【0020】
3.搬送装置
図1に示すように、搬送装置7は、収容棚4と作業ステーション5との間で容器2を搬送する装置である。すなわち、搬送装置7は、1又は複数の物品Wが収容された容器2を、収容棚4と作業ステーション5との間で搬送する。本実施形態では、搬送装置7は、搬送コンベヤ70と、物品搬送経路R(物品Wの搬送経路)に沿って走行する物品搬送車9とを備えている。搬送コンベヤ70は、作業ステーション5と、物品搬送経路Rを走行する物品搬送車9との間で容器2を搬送する。物品搬送車9は、収容棚4と搬送コンベヤ70との間で容器2を搬送する。
【0021】
本実施形態では、搬送装置7は、搬送コンベヤ70として、複数のコンベヤを備えている。本例では、搬送装置7は、搬送コンベヤ70として、第1コンベヤ71から第5コンベヤ75を備えている。
図1に示すように、第1コンベヤ71は、物品搬送経路Rを走行してきた物品搬送車9から容器2を受け取って、作業ステーション5へ搬送する。また、第1コンベヤ71は、容器2を作業ステーション5から第2コンベヤ72との接続部まで搬送し、当該容器2を第2コンベヤ72に引き渡す。第2コンベヤ72は、第1コンベヤ71から容器2を受け取って、第3コンベヤ73又は第4コンベヤ74に引き渡す。第3コンベヤ73は、第2コンベヤ72から容器2を受け取って、物品搬送経路Rを走行してきた物品搬送車9に引き渡す。第4コンベヤ74は、第2コンベヤ72から容器2を受け取って、後述する空容器収容部50に引き渡す。図示の例では、第1コンベヤ71及び第3コンベヤ73は、それぞれが第2方向Yに沿うように並行に配置されている。第2コンベヤ72及び第4コンベヤ74は、第1方向Xに沿って配置されている。第2コンベヤ72と第4コンベヤ74との接続部分は、第2コンベヤ72から第3コンベヤ73と第4コンベヤ74とに分岐する分岐部76である。分岐部76には、容器2の搬送方向を転換する方向変換装置(いわゆるトランサー)が設けられている。
【0022】
また、搬送コンベヤ70を構成する複数のコンベヤのうち、第5コンベヤ75は、物品搬送経路Rを走行してきた物品搬送車9から容器2を受け取って、作業ステーション5まで搬送する。また、第5コンベヤ75は、容器2を作業ステーション5から物品搬送経路Rまで搬送し、当該容器2を物品搬送車9に引き渡す。図示の例では、第5コンベヤ75は、U字状に配設されている(
図1参照)。
【0023】
本実施形態では、搬送コンベヤ70の搬送経路上における、作業ステーション5に対応する位置に、作業位置10が設定されている。作業位置10は、作業ステーション5において、容器2からの物品Wの取出しや、容器2への物品Wの投入が行われる位置である。本例では、作業位置10は、第1作業位置11と、第2作業位置12とを含んでいる。第1作業位置11は、第1コンベヤ71の搬送経路上に位置している。また、第2作業位置12は、第5コンベヤ75の搬送経路上に位置している。
【0024】
本実施形態では、物品搬送経路Rは、物品搬送車9の走行方向を案内する軌道(レール)とされている。そして、
図1に示すように、物品搬送経路Rは、複数の収容棚4と隣接している。本例では、物品搬送経路Rは、入出庫コンベヤ42と、搬送コンベヤ70とに接続されている。また、物品搬送経路Rは、更に、物品収容設備1と外部との間で、物品Wと搬送する不図示の搬入出コンベヤにも接続されている。
【0025】
本例では、物品搬送経路Rは、物品搬送車9が周回可能な無端状の周回経路とされている。そして、物品搬送車9は、物品搬送経路Rを予め設定された一方向に走行する。
図1においては、物品搬送車9の走行方向を矢印で示している。本実施形態では、物品搬送車9は、容器2を搬送する。また、物品搬送車9は、コンベヤや出退動作するフォーク等を含む公知の移載機を備えている。これにより、物品搬送車9は、物品搬送経路Rに接続された各コンベヤとの間で容器2の受け渡しを行う。
【0026】
4.作業ステーション
作業ステーション5は、搬送装置7により搬送されてきた容器2からの物品Wの取出し及び当該容器2への物品Wの収容といった作業が行われる場所である。ここでは、このような容器2に対する物品Wの取出し及び収容等の作業を移載作業と総称する。作業ステーション5において移載作業を行う主体である移載主体3は、作業者P又は移載装置33(
図10参照)であるが、本例では作業者Pである。そして、本実施形態では、作業ステーション5において、出荷指示情報に基づいて指定された種類又は数量の物品Wを、収容棚4から出庫された容器2から取り出して、出荷用の空の容器2に移載するピッキング作業が行われる。ここで、出荷指示情報は、物品収容設備1の制御装置8或いは当該制御装置8よりも上位の制御装置によって生成される。更に、この作業ステーション5においては、収容棚4から出庫された複数の容器2に収容された物品Wを、1つの容器2に集約する集約作業が行われる。この集約作業は、満杯でない状態(後述する「未満状態」)の容器2に分かれて収容されている物品Wを1つの容器2に集約することで、収容棚4に保管される容器2の数を少なくして収容棚4の空き領域を増やし、収容棚4に更に多くの物品Wを収容可能とするために行われる。これらのピッキング作業及び集約作業は、移載作業の組み合わせにより実現される。
【0027】
本実施形態では、
図1に示すように、作業ステーション5は、搬送装置7と、後述する仮置き部6とに面するように配置されている。具体的には、作業ステーション5は、搬送コンベヤ70のうちの、第1コンベヤ71及び第5コンベヤ75と、仮置き部6とに隣接して配置されている。本例では、作業ステーション5において、作業者Pが、第1コンベヤ71の第1作業位置11にある容器2と第5コンベヤ75の第2作業位置12にある容器2との間で物品Wを移動させ、ピッキング作業を行う。また、作業ステーション5において、作業者Pが、第1コンベヤ71の第1作業位置11にある複数の容器2の間で物品Wを移動させ、或いは第1コンベヤ71の第1作業位置11にある容器2と仮置き部6との間で物品Wを移動させ、集約作業を行う。本実施形態では、
【0028】
ここで、物品Wの集約作業について、具体的に説明する。作業ステーション5において集約作業を行う場合、
図1に示すように、収容棚4から複数(
図1の例では3個)の容器2が出庫され、それら複数の容器2が、物品搬送車9及び第1コンベヤ71を介して第1作業位置11へ搬送される。そして、複数個の容器2のうちの1つを集約容器20とし、残りの容器2を後述する取出容器40として、作業者Pは、当該取出容器40から物品Wを全て取り出して集約容器20に収容する。すなわち、作業者Pは、取出容器40から集約容器20に物品Wを移し替える作業を行う。またこの際、作業者Pは、取出容器40から取り出した全部の物品Wが集約容器20に入りきらない場合は、当該入りきらない物品Wを、仮置き部6に保持させる。これにより、物品Wで満杯になった1つの容器2と、物品Wが入っていない空状態の残りの容器2とが生じる。そして、物品Wで満杯になった集約容器20は、収容棚4に戻される。一方で、物品Wが入っていない空状態の容器2は、作業ステーション5から搬出されるが、収容棚4には戻されない。
【0029】
図1に示すように、作業ステーション5には、容器2からの物品Wの取出し及び容器2への物品Wの収容を行う移載装置33又は作業者Pに対する作業指示を出力する出力装置13が配置されている。本実施形態では、作業ステーション5には、作業者Pに対する作業指示を出力する出力装置13が配置されている。この作業指示は、後述する作業指示情報DCに基づいて、制御装置8において生成される。そして、出力装置13は、作業指示情報DCに基づいた作業指示を出力する。本例では、出力装置13は、作業指示を表す文字や図形等の情報を作業者Pに向けて表示(出力の一例)する。作業ステーション5において、作業者Pは、作業指示情報DCに基づいて出力装置13に出力された作業指示に従って、物品Wの集約作業を行う。図示の例では、出力装置13は、第1コンベヤ71を挟んで、作業者Pがいる配置されている側とは反対側に設置されている。なお、本例では、出力装置13は、表示画面を備えたディスプレイであり、制御装置8から送信される作業指示情報DCに基づく作業指示を表示する。
【0030】
図1に示す例では、作業ステーション5は、作業者Pが配置される領域と、仮置き部6と、第1コンベヤ71の第1作業位置11と、第5コンベヤ75の第2作業位置12と、出力装置13とを含んでいる。なお、このような構成に限定されることなく、作業ステーション5に、第5コンベヤ75の第2作業位置12が含まれていない構成としても良い。この場合、作業ステーション5では、物品Wの集約作業のみが行われる。
【0031】
5.仮置き部
仮置き部6は、移載装置33又は作業者Pである移載主体3により物品Wを出し入れ自在に設けられ、移載主体3から受け取った物品Wを一時的に保持する役割を果たす。仮置き部6には、移載主体3により、容器2から取り出された物品Wのうち、一部又は全部の物品Wが一時的に保持される。本実施形態では、仮置き部6は、移載主体3としての作業者Pにより物品Wを出し入れ自在に構成されている。そして、仮置き部6には、作業者Pにより、取出容器40から取り出された物品Wのうち、集約容器20に入りきらなかった物品Wが一時的に保持される。作業者Pは、第1コンベヤ71の第1作業位置11において取出容器40から取り出した物品Wのうち、集約容器20に入りきらない物品Wを、仮置き部6に移載して保持させる。本例では、仮置き部6は、水平方向に沿って延在し、上面に複数の物品Wを載置できる載置部を備えた棚とされている。図示の例では、仮置き部6は、更に、第1方向Xに沿うように横長に設置されている。このため、仮置き部6には、載置部の延在方向(ここでは第1方向X)に沿って複数の物品Wを並べて置くことができる。なお、仮置き部6は、載置部を上下方向に複数段備えた構成とされていても良い。
【0032】
6.空容器収容部
図1に示すように、本実施形態では、物品収容設備1は、空容器収容部50を更に備えている。空容器収容部50は、空状態となった容器2を収容する。本例では、空容器収容部50は、第4コンベヤ74に接続されている。そして、第1作業位置11において、作業者Pにより物品Wが取り出されて空状態となった容器2(取出容器40)が、第2コンベヤ72及び第4コンベヤ74により空容器収容部50へ搬送される。空容器収容部50は、第4コンベヤ74から空状態の容器2を受け取る。この空容器収容部50の具体的構成は特に限定されないが、例えば、収納棚や搬送装置等を備える保管庫であっても良いし、作業者Pの作業により空状態の容器2を段積みして保管する作業エリアであっても良い。
【0033】
7.制御装置
図7に示すように、物品収容設備1は、移載装置33又は出力装置13、及び搬送装置7を制御する制御装置8を備えている。本実施形態では、作業ステーション5における移載主体3は作業者Pであるため、制御装置8は、出力装置13と、搬送装置7とを制御する。上述したように、搬送装置7は、搬送コンベヤ70と、物品搬送経路Rを走行する物品搬送車9とを備えており、制御装置8は、これらの装置の作動を制御する。本例では、制御装置8は、搬送装置7を構成する、第1コンベヤ71から第5コンベヤ75と、物品搬送車9との作動を制御する。また本例では、制御装置8は、更に、入出庫コンベヤ42及び不図示の倉庫内搬送装置の作動を制御する。
【0034】
本実施形態では、制御装置8は、記憶部83と、作業指示情報生成部82と、選択処理部81とを備えている。記憶部83は、収容棚4に保持されている複数の容器2のそれぞれについて、容器2の収容棚4における保持位置を示す位置情報D3と、容器2に収容された物品Wの種類を示す種類情報D1と、容器2に収容された物品Wの利用期限を示す期限情報D4と、物品Wの種類毎の出庫頻度の高さを示す出庫頻度情報D2とを記憶している。本例では、
図4に示すように、容器2の識別符号D5としての容器IDと、各容器2における物品Wの収容場所を示す収納場所符号D6としての場所符号と、各容器2に収容された物品Wのそれぞれについての種類情報D1及び期限情報D4と、が互いに関連付けられて、記憶部83に記憶されている。なお、本例では、種類情報D1は、物品Wの種類に関連付けられた識別符号D5である品名コードの情報とされている。また、期限情報D4は、物品Wが食品又は飲料であることを想定した賞味期限を示す情報とされている。なお、期限情報D4はこれに限らず、何かしらの期限が定められた物品Wについての期限を示す情報(利用期限や消費期限等)であると良い。また、本例では、
図5に示すように、物品Wの種類情報D1と、それぞれ物品Wの種類毎の出庫頻度の高さを示す出庫頻度情報D2とが互いに関連付けられて、記憶部83に記憶されている。ここで、出庫頻度情報D2に示される出庫頻度は、例えば、物品Wの種類毎の、単位時間あたりの出庫数に応じた値とされる。或いは、この出庫頻度は、物品Wの種類毎の、収容棚4に保管されている期間(保管期間)の平均値とされる。
【0035】
作業指示情報生成部82は、作業指示情報DCを生成する。作業指示情報DCは、作業ステーション5において物品Wの集約作業を行う作業者Pに対する、具体的な作業指示の基になる情報である。本例では、作業指示情報DCには、作業ステーション5に設置された出力装置13に出力する作業指示を作成するために必要な情報が含まれている。具体的には、作業指示情報DCは、作業者Pに向けて表示される、時々刻々変化する作業指示を表す文字や図形等の情報の基になる情報である。
【0036】
選択処理部81は、後述する選択処理を実行する。そして、当該選択処理を実行することにより、選択処理部81は、収容棚4に保持されている未満状態の複数の容器2の中から、1つを集約容器20として選択すると共に、別の少なくとも1つを取出容器40として選択する。そして、制御装置8は、選択処理部81により選択された集約容器20及び取出容器40を収容棚4から作業ステーション5へ搬送する第1搬送処理を実行する。
【0037】
制御装置8は、CPU等の演算処理装置を備えると共にメモリ等の周辺回路を備え、これらのハードウェアと、演算処理装置等のハードウェア上で実行されるプログラムとの協働により、制御装置8の各機能が実現される。制御装置8は、1つのハードウェアではなく、互いに通信可能な複数のハードウェア(複数の分離したハードウェア)の集合によって構成されてもよい。また、制御装置8は、本明細書で説明する各機能のうちの少なくとも後述する選択処理、第1搬送処理、移載処理、及び第2搬送処理を実行する機能を有していればよく、それ以外の機能は制御装置8とは別の制御装置(例えば、制御装置8の上位の制御装置(管理装置等)や、当該上位の制御装置から指令を受ける他の制御装置)が有する構成としてもよい。
【0038】
制御装置8は、物品Wの集約作業を行う場合に、選択処理(選択工程/選択機能)と、第1搬送処理(第1搬送工程/第1搬送機能)と、移載処理(移載工程/移載機能)と、第2搬送処理(第2搬送工程/第2搬送機能)とを、順次実行する。以下では、それぞれの処理について、物品収容方法と共に、具体的に説明する。ここで、制御装置8は、選択機能、第1搬送機能、第2搬送機能をコンピュータに実現させる物品収容プログラムにより、選択工程、第1搬送工程、移載工程、第2搬送工程を実行する。また、以下では、容器2に収容可能な物品Wの最大数を収容可能最大数とし、収容可能最大数未満の物品Wが収容された容器2の状態を未満状態とし、物品Wが収容されていない容器2の状態を空状態として説明する。なお、本実施形態では、1つの容器2は、規定の数の物品Wを収容する。本例では、1つの容器2に、複数、ここでは6つの物品Wを収容できる。すなわち、本例では、容器2の収容可能最大数は「6」である。
【0039】
図8は、物品収容設備1における、物品収容方法の一例を示すフローチャートである。
図8に示すように、制御装置8は、まず、選択処理部81により、収容棚4に保持されている未満状態の複数の容器2の中から、1つを集約容器20として選択し、別の少なくとも1つを取出容器40として選択する選択処理を実行する(ステップS1)。次に、制御装置8は、選択した集約容器20及び取出容器40を、収容棚4から作業ステーション5へ搬送する第1搬送工程を実行する(ステップS2)。そして、制御装置8は、仮置き部6に保持されている物品W及び取出容器40に収容されている物品Wを、集約容器20に移載すると共に、集約容器20に入りきらなかった残りの物品Wを仮置き部6に移載する、移載工程を実行する(ステップS3)。その後、制御装置8は、集約容器20を作業ステーション5から収容棚4に搬送すると共に、空状態の取出容器40を作業ステーション5から搬送する第2搬送工程を実行する(ステップS4)。
【0040】
7-1.選択処理
図2及び
図3に示すように、選択処理は、収容棚4に未満状態の容器2が複数保持されている場合に、未満状態の複数の容器2のうちの1つを集約容器20とすると共に別の少なくとも1つを取出容器40として選択する処理である。本実施形態では、制御装置8は、選択処理を実行して、収容棚4に保持されている未満状態の容器2から、複数の容器2を選択して、選択した複数の未満状態の容器2のうちの1つを集約容器20とし、残りの容器2を取出容器40として選択する。本実施形態では、この選択処理は、制御装置8が備える選択処理部81により実行される。
【0041】
本実施形態では、制御装置8は、選択処理において、収容棚4に保持されている未満状態の容器2のうちからN個(Nは2以上の整数)の容器2を選択し、選択したN個の容器2のうちの収容されている物品Wの数が最も多い容器2を集約容器20とし、残りの容器2を取出容器40として選択する。
図2に示した例では、制御装置8は、2回の選択処理で、それぞれN個(本例では3個)の容器2を選択している。そして、制御装置8は、選択したN個の容器2のうちの、収容されている物品Wの数が最も多い容器2を集約容器20と設定し、残りの(N-1)個の容器2を取出容器40と設定している。
【0042】
ここで、選択処理において選択される容器2の数であるN個は適宜設定可能である。本実施形態では、N個は、選択処理を行う毎に、当該N個の容器2に収容されている物品Wの数の合計が、1つの容器2の収容可能最大数以上となり、且つ、最も少ない数となるように設定される。これにより、制御装置8は、1回の移載処理において、集約容器20を、収容可能最大数の物品Wが収容された状態にすることができる。また、これにより、制御装置8は、仮置き部6に保持させる物品Wの数を最小限に抑えることができる。なお、このN個は、予め定めた固定値としても良い。或いは、上記とは別の何らかの条件により変動する変動値としても良い。
【0043】
本実施形態では、制御装置8は、選択処理において、選択可能な全ての未満状態の容器2のうち、収容されている物品Wの数が最も少ない方からN個(Nは2以上の整数)の容器2を選択する。つまり、制御装置8は、選択可能な全ての未満状態の容器2の中から、収容されている物品Wの数が少ない容器2を優先的に選択するよう構成されている。ここで、選択可能な未満状態の容器2の範囲は、当該選択処理に係る集約作業の集約条件に応じて定まる。例えば、集約条件が同じ種類の物品Wを1つの集約容器20に集約するという条件である場合、選択可能な未満状態の容器2は、同じ種類の物品Wが収容された容器2に限定される。また、例えば、集約条件が同じ利用期限の物品Wを1つの集約容器20に集約するという条件である場合、選択可能な未満状態の容器2は、同じ利用期限の物品Wが収容された容器2に限定される。また、例えば、集約条件が特にない場合、選択可能な未満状態の容器2は、収容棚4に保持されている全ての未満状態の容器2となる。そして、制御装置8は、集約条件に応じて選択可能な全ての未満状態の容器2のうち、収容されている物品Wの数が最も少ない方からN個(Nは2以上の整数)の容器2を選択する。このように、選択可能な未満状態の全ての容器2の中から、収容されている物品Wの数が少ない容器2を優先的に選択することにより、収容棚4に保持される容器2の数を効率的に減らすことができる。
【0044】
そこで、例えば、制御装置8は、選択処理において、収容棚4に保持されている未満状態の容器2の中に、同じ種類の物品Wが収容された容器2が複数存在する場合には、それら同じ種類の物品Wが収容された容器2を優先的に選択し、その中で収容されている物品Wの数が最も多い容器2を集約容器20とし、残りの容器2を取出容器40として選択すると好適である。これにより、同じ種類の物品Wを、1つの集約容器20に集約することができる。また、例えば、制御装置8は、選択処理において、物品Wの利用期限が定められている場合、利用期限が同じである物品Wが収容された容器2を優先的に選択すると好適である。これにより、同じ利用期限の物品Wを、1つの集約容器20に集約することができる。また、制御装置8は、選択処理において、これらの条件を組み合わせ、同じ種類の物品W、且つ、利用期限が同じである物品Wが収容された容器2を優先的に選択するようにしても良い。このようにすれば、同じ種類の物品Wであって、且つ、同じ利用期限である物品Wを、1つの集約容器20に集約できる。本例では、
図4及び
図7に示すように、制御装置8の記憶部83には、収容棚4に保管されている物品Wの位置情報D3、種類情報D1、期限情報D4が記憶されている。制御装置8は、これらの情報を参照することで、同じ種類、且つ、同じ利用期限の物品Wが収容された未満状態の容器2を優先的に選択する選択処理を実行することができる。
【0045】
また、本実施形態では、
図5及び
図7に示すように、制御装置8は、物品Wの種類毎の出庫頻度の高さを示す出庫頻度情報D2を参照可能である。その場合において、例えば、制御装置8は、選択処理において、収容棚4に保持されている未満状態の全ての容器2のうち、出庫頻度情報D2に示された出庫頻度が低い方からM種類(Mは2以上の整数)の物品Wがそれぞれ収容された容器2を選択し、選択した容器2のうち収容されている物品Wの数が最も多い容器2を集約容器20とし、残りの容器2を取出容器40としても好適である。本例では、上述のように、制御装置8は、出庫頻度情報D2を参照して、種類情報D1に示された物品Wの種類と、当該種類毎の出庫頻度の高さとの関係を取得し、それに基づいて、収容棚4に保持されている未満状態の全ての容器2のうち、出庫頻度が低い方からM種類の物品Wが収容された容器2を選択する。
図6に示す例では、制御装置8は、収容棚4に保持されている未満状態の4つの容器2のうち、出庫頻度が低い方から2種類の物品Wが収容された容器2、ここでは、種類「A」の物品Wが収容された容器2と、種類「C」の物品Wが収容された容器2とを選択している。また、制御装置8は、選択した容器2のうち収容されている物品Wの数が最も多い容器2である、種類「A」の物品Wが収容された容器2を集約容器20とし、残りの容器2である種類「C」の物品Wが収容された容器2を取出容器40としている。そして、本例では、集約容器20に4個の種類「A」の物品Wが収容され、取出容器40に3個の種類「C」の物品Wが収容されているので、制御装置8は、移載処理において、取出容器40から2個の種類「C」の物品Wを取り出して集約容器20に収容し、集約容器20にできなかった残り1個の種類「C」の物品Wを仮置き部6に保持させている。
【0046】
ここで、選択処理の具体例について、図面を用いて説明する。
図3に示す例では、制御装置8は、選択処理において、記憶部83に記憶されている、収容棚4に保持されている複数の容器2のそれぞれについての、収容されている物品Wの数及び種類の情報を参照して、収容棚4に保管されている複数の容器2の中から、同じ種類の複数の容器2を選択している。この際、制御装置8は、同じ種類の物品Wが収容された複数の容器2のうちから、収容されている物品Wの個数が最も少ない方からN個の容器2を選択する。
図3では、「〇」、「△」、「□」のそれぞれの図形が物品Wの種類を示している。そして、本例では、2回の選択処理により、「〇」の物品Wが収容された3つの容器2と、「△」の物品Wが収容された2つの容器2とがそれぞれ選択されている(
図3の破線で囲まれた容器2、及び2点鎖線で囲まれた容器2)。そして、制御装置8は、同じ種類の物品Wを収容したN個の容器2から、集約容器20を1つずつ選択すると共に、残りのそれぞれ(N-1)個の容器2を取出容器40として選択する。図示の例では、制御装置8は、「〇」の物品Wが収容された3つの選択された容器2のうちの、3個の物品Wが収容された容器2を集約容器20とし、残り2つの容器2を取出容器40として選択している。また、制御装置8は、「△」の物品Wが収容された3つの選択された容器2のうちの、4個の物品Wが収容された容器2を集約容器20とし、残り1つの容器2を取出容器40として選択している。
【0047】
7-2.第1搬送処理
制御装置8は、選択処理の完了後、第1搬送処理を実行する。第1搬送処理は、搬送装置7を制御して、選択処理により選択された集約容器20及び取出容器40を収容棚4から作業ステーション5へ搬送する処理である。本実施形態では、制御装置8は、収容棚4の倉庫内搬送装置、搬送コンベヤ70、及び物品搬送車9を制御して、集約容器20及び取出容器40を、収容棚4から作業ステーション5へ搬送する。より具体的には、制御装置8は、収容棚4から、集約容器20及び取出容器40を出庫させるように、不図示の倉庫内搬送装置と入出庫コンベヤ42とを制御する。本例では、その際、制御装置8は、取出容器40が集約容器20よりも先に出庫されるように、倉庫内搬送装置を制御する。そして、制御装置8は、第1コンベヤ71に、1つ以上の取出容器40の後に集約容器20が並ぶ状態で搬送されるように、入出庫コンベヤ42、及び物品搬送経路Rを走行する物品搬送車9を制御する。そして、制御装置8は、取出容器40及び集約容器20を、第1コンベヤ71の搬送経路上の位置である第1作業位置11へ搬送するように、第1コンベヤ71を制御する。
【0048】
7-3.移載処理
制御装置8は、第1搬送処理の完了後、移載処理を実行する。以下では、取出容器40に収容された物品Wを取出対象物品WAとし、仮置き部6に保持された物品Wを仮置き物品WBとする。移載処理は、作業ステーション5において、移載装置33又は出力装置13を制御して、仮置き物品WBと取出対象物品WAとの少なくとも一方を集約容器20に収容することで集約容器20における物品Wの収容数を収容可能最大数にし、全ての取出対象物品WAを集約容器20に収容できなかった場合には、当該収容できなかった取出対象物品WAを仮置き部6に保持させて、取出容器40を空状態とする処理である。本実施形態では、制御装置8は、出力装置13を制御して、移載処理を実行する。具体的には、制御装置8は、作業指示情報生成部82で生成された作業指示情報DCを出力装置13に送信する。そして、制御装置8は、この作業指示情報DCに基づく作業指示を出力装置13に出力させる。これにより、作業者Pは、出力装置13に出力された作業指示に従って、取出容器40から取出対象物品WAを取り出して、集約容器20に移載し、集約容器20に入りきらなかった取出対象物品WAを、仮置き部6に保持させる。また、作業者Pは、仮置き部6に保持されている仮置き物品WBを集約容器20に移載する。このようにして、物品Wが収容されていない空状態の取出容器40と、収容可能最大数の個数の物品Wを収容した、満杯の集約容器20とが作成される。本例では、作業者Pは、第1コンベヤ71の搬送経路上の第1作業位置11に位置する複数(
図1の例では2つ)の取出容器40から、全ての取出対象物品WAを取り出す。そして、作業者Pは、取出対象物品WAのうちの一部又は全部の取出対象物品WAを、取出容器40と共に搬送されてきている(本例では取出容器40に対して搬送方向の上流側(
図1参照)に位置する)集約容器20に移載して、当該集約容器20を満杯にする。ここで、集約容器20に入りきらずに残った取出対象物品WAは、作業者Pにより、仮置き部6に移載される。このように仮置き部6に移載された結果、仮置き部6に保持された取出対象物品WAが、仮置き物品WBとなる。
【0049】
本実施形態では、例えば
図2に示すように、制御装置8は、移載処理において、仮置き部6に保持された仮置き物品WBがある場合には、仮置き物品WBを取出対象物品WAよりも優先して集約容器20に収容する。これにより、仮置き物品WBが、仮置き部6に保持される期間を短く抑え易くすることができる。本例では、制御装置8は、仮置き部6に保持された仮置き物品WBがある場合には、当該仮置き物品WBを取出対象物品WAよりも優先的に集約容器20に収容するよう、作業指示情報DCを出力装置13に出力させる。なお、上述したような集約作業の集約条件に応じて、集約容器20に集約する物品Wの種類や利用期限等に制約がある場合がある。従って、仮置き部6に保持された仮置き物品WBであっても、集約条件に適合しない物品Wについては、移載処理において集約容器20に収容する対象とはならない。すなわち、制御装置8は、その時々の集約条件に応じて、当該集約条件に適合する仮置き物品WBがある場合には、仮置き物品WBを取出対象物品WAよりも優先して集約容器20に収容するように、移載処理を行う。このように、「仮置き物品WBを取出対象物品WAよりも優先して集約容器20に収容する」とは、集約条件が定められている場合には、当該集約条件に適合する仮置き物品WBを取出対象物品WAよりも優先して集約容器20に収容するということを意味する。なお、以下では、煩雑さを避けるため、仮置き部6に保持された仮置き物品WBの全てが、集約条件に適合する物品Wであるものとして説明する。
【0050】
作業者Pは、作業指示情報DCに基づいた作業指示に従って、仮置き部6の仮置き物品WBを取り出して、集約容器20に移載する。その後、集約容器20が満杯になっていない場合、すなわち、収容可能最大数の物品Wを収容していない場合には、取出対象物品WAのうちの一部又は全部の物品Wを当該集約容器20に移載する。そして、作業者Pは、集約容器20に入りきらなかった残りの取出対象物品WAがある場合には、当該残りの取出対象物品WAを、仮置き部6に移載する。このように、集約容器20に入りきらない物品Wが存在する場合、すなわち、集約容器20及び取出容器40に収容された物品Wの数の合計、或いは、集約容器20及び取出容器40に収容された物品Wの数と仮置き部6に保持された仮置き物品WBの数との合計が集約容器20の収容可能最大数に一致しないような集約容器20及び取出容器40の組み合わせであっても、選択処理において集約容器20及び取出容器40として選択することができる。よって、集約容器20に物品Wを集約する容器2の組み合わせの自由度を高く確保することができる。
【0051】
図2に示す例では、第1の移載処理において、複数の取出容器40から全ての取出対象物品WAが、作業者Pにより取り出されて、集約容器20に集約される。ここで、集約容器20に入りきらない取出対象物品WAは、集約容器20に移載されず、作業者Pにより仮置き部6に移載される。図示の例では、取出対象物品WAとして「A、B、C、D」の4個の物品Wが2つの取出容器40から取り出される。集約容器20には、「E、F、G、H」の4個の物品Wが収容されており、2個の物品Wを新たに収容することができる。本例では、この時点において、仮置き部6に保持された仮置き物品WBは存在しない。よって、集約容器20には、取出対象物品WAのうちの「A、B」の2個の物品Wが収容される。そして、「C、D」の2個の物品Wが、仮置き部6に移載され、2つの取出容器40はいずれも空状態となる。以上で第1の移載処理が完了する。その後、第2の移載処理において、複数の取出容器40から全ての取出対象物品WAが、作業者Pにより取り出されて、新たな集約容器20に集約される。図示の例では、取出対象物品WAとして「I、J、K、L」の4個の物品Wが2つの取出容器40から取り出される。集約容器20には、「M、N、O」の3個の物品Wが収容されており、3個の物品Wを新たに収容することができる。本例では、仮置き部6には、第1の移載処理により生じた仮置き物品WBとして、「C、D」の2個の物品Wが保持されている。よって、当該仮置き物品WBである「C、D」の2個の物品Wが優先的に集約容器20に収容される。そして、取出対象物品WAからは、1個の物品Wが集約容器20に収容される。具体的には、集約容器20には、取出対象物品WAのうちの「I」の物品Wが収容される。そして、「J、K、L」の3個の物品Wが、仮置き部6に移載され、2つの取出容器40はいずれも空状態となる。以上で第2の移載処理が完了する。
【0052】
図9は、物品収容方法における、移載工程の一例を示すフローチャートである。制御装置8は、選択工程及び第1搬送工程の完了後、移載工程を実行する。この移載工程において、制御装置8は、先ず、仮置き部6に保持されている仮置き物品WBが存在するか否かを判断する(ステップS21)。例えば、制御装置8は、過去に作業指示情報生成部82において生成された作業指示情報DCを参照することで、取出容器40から仮置き部6に移載した物品W、及び、仮置き部6から集約容器20に移載した物品Wを把握することが可能である。或いは、制御装置8は、仮置き部6を撮影するように設置された撮影装置(図示を省略)による撮影画像の画像認識処理を行い、仮置き部6に保持されている物品Wの有無、物品Wの数、各物品Wの種類の少なくとも一部の情報を取得することが可能である。そこで、制御装置8は、これらの情報に基づいて、仮置き部6に保持されている仮置き物品WBが存在するか否かを判断する。そして、仮置き物品WBが存在すると判断した場合(ステップS21:YES)、制御装置8は、仮置き物品WBを取出対象物品WAよりも優先して集約容器20に収容するように制御を行う。これにより、制御装置8は、仮置き物品WBのうちの一部又は全部の物品Wを、集約容器20に移載するよう、作業指示情報DCを出力装置13に出力させる(ステップS22)。上記のように、仮置き部6に保持された仮置き物品WBの全てが集約条件に適合する物品Wである場合、制御装置8は、集約容器20に収容可能である限り、仮置き物品WBの全部を集約容器20に移載するように制御を行う。また、仮置き部6に保持された仮置き物品WBの一部のみが集約条件に適合する物品Wである場合、制御装置8は、そのような集約条件に適合する一部の仮置き物品WBのみを集約容器20に移載するように制御を行う。
【0053】
その後、制御装置8は、集約容器20の空き領域に取出対象物品WAを移載するように、作業指示情報DCを出力装置13に出力させる(ステップS23)。そして、制御装置8は、取出対象物品WAのうち、集約容器20に入りきらない物品W、すなわち、余った取出対象物品WAがあるか否かを判断する(ステップS24)。制御装置8は、選択処理において選択された集約容器20及び取出容器40のそれぞれに収容された物品Wの数の情報と、仮置き部6に保持されている仮置き物品WBの数の情報とに基づいて、集約容器20に入りきらない取出対象物品WAの数の情報を取得することができる。よって、制御装置8は、この情報に基づいて、集約容器20に入りきらない取出対象物品WAの有無を判定することができる。そして、制御装置8は、余った取出対象物品WAがあると判断した場合(ステップS24:YES)、当該余った取出対象物品WAを、仮置き部6に移載するように、作業指示情報DCを出力装置13に出力させる(S25)。
【0054】
なお、制御装置8は、仮置き物品WBが存在しないと判断した場合(ステップS21:No)、取出対象物品WAのみを集約容器20に移載するように、作業指示情報DCを出力装置13に出力させる(S23)。また、制御装置8は、余った取出対象物品WAが無いと判断した場合(ステップS24:No)、取出対象物品WAの仮置き部6への移載は行わず、移載工程を完了する。
【0055】
7-4.第2搬送処理
制御装置8は、移載処理の完了後、第2搬送処理を実行する。第2搬送処理は、移載処理の完了後、搬送装置7を制御して、集約容器20を作業ステーション5から収容棚4へ搬送すると共に、空状態となった取出容器40を作業ステーション5から搬出する処理である。本実施形態では、制御装置8は、移載処理の完了後、収容可能最大数の物品Wを収容した、満杯の集約容器20を、収容棚4に戻す(入庫する)ように、第1コンベヤ71、第2コンベヤ72、第3コンベヤ73、及び物品搬送車9を制御する(
図1参照)。また、制御装置8は、物品Wを収容していない空状態となった取出容器40を、空容器収容部50へ搬送するように、第1コンベヤ71、第2コンベヤ72、第3コンベヤ73、及び第4コンベヤ74を制御する。これにより、収容棚4から取出した複数の容器2のうち、満杯になった集約容器20のみが収容棚4へ戻されて、残りの空状態の容器2は、空容器収容部50に収容される。これにより、収容棚4に保持される容器2の数を少なくでき、収容棚4の単位容積当たりに収容できる物品Wの数を多くすることができる。
【0056】
8.その他の実施形態
次に、物品収容設備、物品収容方法、及び物品収容プログラムのその他の実施形態について説明する。
【0057】
(1)上記の実施形態では、作業ステーション5における移載主体3が作業者Pである構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、作業ステーション5における移載主体3は、移載装置33であっても良い。
図10に示す例では、作業者Pに代えて、移載装置33が作業ステーション5に配置されている。この場合、制御装置8は、作業指示情報DCを移載装置33に送信する。そして、移載装置33は、作業指示情報DCに基づいて動作することで集約作業を行う。具体的には、移載装置33は、取出容器40から取出対象物品WAを取り出す。そして、移載装置33は、取出対象物品WAの一部又は全部を集約容器20に移載する。また、移載装置33は、集約容器20に入りきらなかった取出対象物品WAを、仮置き部6に移載する。更に、移載装置33は、仮置き部6に仮置き物品WBが保持されている場合、当該仮置き物品WBを集約容器20に移載する作業も行う。このような移載装置33としては、公知のピッキングロボットを用いることができる。なお、作業ステーション5に作業者Pと移載装置33との双方が互いに干渉しないように配置されていても良い。
【0058】
(2)上記の実施形態では、制御装置8は、移載処理において、仮置き部6に保持された仮置き物品WBがある場合には、仮置き物品WBを取出対象物品WAよりも優先して集約容器20に収容する構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、制御装置8は、移載処理において、仮置き部6に保持された仮置き物品WBが存在する場合であっても、取出対象物品WAを当該仮置き物品WBよりも優先して集約容器20に移載しても良い。上述したような集約作業の集約条件や、その他の条件に応じて、仮置き物品WBと取出対象物品WAとの優先順位を適宜設定すると好適である。
【0059】
(3)上記の実施形態では、制御装置8は、選択処理において、選択した複数の未満状態の容器2のうちの収容されている物品Wの数が最も多い容器2を集約容器20とする構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、例えば、選択した複数の未満状態の容器2のうちの収容されている物品Wの数が最も多い容器2以外の容器2を集約容器20として選択しても良い。例えば、容器2に収容されている物品Wの種類等、容器2に収容されている物品Wの数以外の条件によって集約容器20を選択しても良い。
【0060】
(4)上記の実施形態では、N個は、選択処理を行う毎に、当該N個の容器2に収容されている物品Wの数の合計が、1つの容器2の収容可能最大数以上となり、且つ、最も少ない数となるように設定される構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、N個は、選択処理を行う毎に、当該N個の容器2に収容されている物品Wの数の合計が、1つの容器2の収容可能最大数以上となり、且つ、最も少ない数より多い数となるように設定されていても良い。また、N個は、当該N個の容器2に収容されている物品Wの数の合計が、1つの容器2の収容可能最大数未満となるように設定されても良い。仮置き部6に保持された仮置き物品WBの数を考慮して「N個」が設定されても好適である。例えば、N個の容器2に収容されている物品Wの数と、仮置き部6に保持された仮置き物品WBの数(集約条件が定められている場合には集約条件に適合する仮置き物品WBの数)との合計が、1つの容器2の収容可能最大数以上となるように、「N個」が設定されても好適である。
【0061】
(5)上記の実施形態では、制御装置8は、選択処理において、収容棚4に保持されている未満状態の容器2の中に、同じ種類の物品Wが収容された容器2が複数存在する場合、それら同じ種類の物品Wが収容された容器2を優先的に選択する構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、制御装置8は、異なる種類の物品Wが収容された容器2を、1回の選択処理において優先的に選択するようにしても良い。このような構成は、例えば、同時に使用される複数種類の物品Wを、1つの集約容器20に収容するような場合に好適である。
【0062】
(6)上記の実施形態では、制御装置8は、選択処理において、物品Wの利用期限が定められている場合、利用期限が同じである物品Wが収容された容器2を優先的に選択する構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、制御装置8は、選択処理において、物品Wの利用期限を考慮せずに容器2を選択しても良い。
【0063】
(7)上記の実施形態では、制御装置8は、選択処理において、出庫頻度情報D2を参照して、収容棚4に保持されている未満状態の全ての容器2のうち、出庫頻度情報D2に示された出庫頻度が低い方からM種類(Mは2以上の整数)の物品Wがそれぞれ収容された容器2を選択する構成を例として説明した。しかしそのような構成に限定されることなく、制御装置8は、出庫頻度情報D2を参照して、例えば、出庫頻度が高い方からM種類の物品Wがそれぞれ収容された容器2を選択しても良い。また、制御装置8は、選択処理において、物品Wの種類毎の出庫頻度を考慮せずに容器2を選択しても良い。
【0064】
(8)上述した各実施形態(上記の実施形態及びその他の実施形態を含む;以下同様)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【0065】
9.上記実施形態の概要
以下では、上記において説明した物品収容設備の概要について説明する。
【0066】
物品収容設備は、複数の物品が収容された容器を複数保持する収容棚と、前記容器からの前記物品の取出し及び前記容器への前記物品の収容を行う移載装置又は作業者に対する作業指示を出力する出力装置が配置された作業ステーションと、前記移載装置又は前記作業者である移載主体により前記物品を出し入れ自在に設けられ、前記移載主体から受け取った前記物品を一時的に保持する仮置き部と、前記収容棚と前記作業ステーションとの間で前記容器を搬送する搬送装置と、前記移載装置又は前記出力装置、及び前記搬送装置を制御する制御装置と、を備えた物品収容設備であって、
前記容器に収容可能な前記物品の最大数を収容可能最大数とし、前記収容可能最大数未満の前記物品が収容された前記容器の状態を未満状態とし、前記物品が収容されていない前記容器の状態を空状態として、
前記制御装置は、前記収容棚に前記未満状態の前記容器が複数保持されている場合に、前記未満状態の複数の前記容器のうちの1つを集約容器とすると共に別の少なくとも1つを取出容器として選択する選択処理と、前記搬送装置を制御して、前記選択処理により選択された前記集約容器及び前記取出容器を前記収容棚から前記作業ステーションへ搬送する第1搬送処理と、前記取出容器に収容された前記物品を取出対象物品とし、前記仮置き部に保持された前記物品を仮置き物品として、前記作業ステーションにおいて、前記移載装置又は前記出力装置を制御して、前記仮置き物品と前記取出対象物品との少なくとも一方を前記集約容器に収容することで前記集約容器における前記物品の収容数を前記収容可能最大数にし、全ての前記取出対象物品を前記集約容器に収容できなかった場合には、当該収容できなかった前記取出対象物品を前記仮置き部に保持させて、前記取出容器を前記空状態とする移載処理と、前記移載処理の完了後、前記搬送装置を制御して、前記集約容器を前記作業ステーションから前記収容棚へ搬送すると共に、前記空状態となった前記取出容器を前記作業ステーションから搬出する第2搬送処理と、を実行する。
【0067】
本構成によれば、未満状態の容器が複数ある場合に、それらの容器に収容された物品を1つの集約容器に集約することができる。従って、収容棚に保持される容器の数を少なくすることができ、収容棚の単位容積当たりに収容できる物品の数を多く確保することができる。そして、全ての取出対象物品を集約容器に収容できなかった場合であっても、収容できなかった取出対象物品を、仮置き部に保持させた仮置き物品として、次回以降の移載処理において集約容器に集約することができる。従って、1度の移載処理によっては取出容器に収容された取出対象物品の全てを集約容器に収容することができない場合であっても、取出容器から集約容器への集約作業を行うことができる。
【0068】
このように、本構成によれば、取出し用の容器から取り出された全ての物品が、1つの集約容器に入りきらない場合であっても、別の集約容器への集約作業を行うことができる。そのため、集約容器及び取出容器に収容された物品の数の合計、或いは、集約容器及び取出容器に収容された物品の数と仮置き部に保持させた仮置き物品の数との合計が集約容器の収容可能最大数に一致しないような集約容器及び取出容器の組み合わせであっても、選択処理において集約容器及び取出容器として選択することができる。よって、集約容器に物品を集約する容器の組み合わせの自由度を高く確保することができる。
【0069】
ここで、前記制御装置は、前記移載処理において、前記仮置き部に保持された前記仮置き物品がある場合には、前記仮置き物品を前記取出対象物品よりも優先して集約容器に収容すると好適である。
【0070】
仮置き部に保持された仮置き物品は、作業ステーション以外の場所へ搬送することが難いため、その用途が制限される。本構成によれば、仮置き部に物品が保持される期間を短く抑え易い。よって、物品の用途が制限される期間を短く抑えることができる。
【0071】
また、前記制御装置は、前記選択処理において、前記収容棚に保持されている前記未満状態の前記容器のうちからN個(Nは2以上の整数)の前記容器を選択し、選択した前記N個の前記容器のうちの収容されている前記物品の数が最も多い前記容器を前記集約容器とし、残りの前記容器を前記取出容器とすると好適である。
【0072】
本構成によれば、選択したN個の容器のうち、収容されている物品の数が最も多い容器を集約容器とするため、取出容器から物品を取り出す作業を少なく抑え、移載処理の効率を高め易い。
【0073】
また、前記N個は、前記選択処理を行う毎に、当該N個の前記容器に収容されている前記物品の数の合計が、1つの前記容器の前記収容可能最大数以上となり、且つ、最も少ない数となるように設定されると好適である。
【0074】
本構成によれば、1度目の移載処理において、集約容器を満杯にすることができると共に、仮置き部に保持させる仮置き物品の数を最小限に抑えることができる。
【0075】
また、前記制御装置は、前記選択処理において、前記収容棚に保持されている前記未満状態の前記容器の中に、同じ種類の前記物品が収容された前記容器が複数存在する場合には、それら同じ種類の前記物品が収容された前記容器を優先的に選択し、その中で収容されている前記物品の数が最も多い前記容器を前記集約容器とし、残りの前記容器を前記取出容器とすると好適である。
【0076】
本構成によれば、収容棚に保持される容器の数を少なくしつつ、同じ種類の物品同士を集約容器に収容できるため、同じ種類の物品が同じ容器に収容された状態を作り易い。
【0077】
また、前記制御装置は、前記選択処理において、前記物品の利用期限が定められている場合、前記利用期限が同じである前記物品が収容された前記容器を優先的に選択すると好適である。
【0078】
本構成によれば、同じ利用期限の物品同士を、集約容器に収容できるため、同じ利用期限の物品が同じ容器に収容された状態を作り易い。
【0079】
また、前記制御装置は、前記物品の種類毎の出庫頻度の高さを示す出庫頻度情報を参照可能であり、前記選択処理において、前記収容棚に保持されている前記未満状態の全ての前記容器のうち、前記出庫頻度情報に示された出庫頻度が低い方からM種類(Mは2以上の整数)の前記物品がそれぞれ収容された前記容器を選択し、選択した前記容器のうち収容されている前記物品の数が最も多い前記容器を前記集約容器とし、残りの前記容器を前記取出容器とすると好適である。
【0080】
本構成によれば、収容棚に保持される容器の数を少なくしつつ、出庫頻度の低い物品を1つの容器に集約することができる。従って、例えば、出庫頻度の低い物品が集約された容器を、収容棚における入出庫部から遠い位置に配置することができる。これにより、入出庫頻度が高い物品が収容された容器を、入出庫部に近い位置、すなわち入出庫が容易な位置に配置することができる。
【0081】
複数の物品が収容された容器を複数保持する収容棚と、前記容器からの前記物品の取出し及び前記容器への前記物品の収容を行う移載装置又は作業者に対する作業指示を出力する出力装置が配置された作業ステーションと、前記移載装置又は前記作業者である移載主体により前記物品を出し入れ自在に設けられ、前記移載主体から受け取った前記物品を一時的に保持する仮置き部と、前記収容棚と前記作業ステーションとの間で前記容器を搬送する搬送装置と、を備えた物品収容設備における物品収容方法であって、
前記容器に収容可能な前記物品の最大数を収容可能最大数とし、前記収容可能最大数未満の前記物品が収容された前記容器の状態を未満状態とし、前記物品が収容されていない前記容器の状態を空状態として、
前記収容棚に前記未満状態の前記容器が複数保持されている場合に、前記未満状態の複数の前記容器のうちの1つを集約容器とすると共に別の少なくとも1つを取出容器として選択する選択工程と、前記選択工程の後、前記搬送装置を制御して、前記選択工程により選択された前記集約容器及び前記取出容器を前記収容棚から前記作業ステーションへ搬送する第1搬送工程と、前記第1搬送工程の後、前記取出容器に収容された前記物品を取出対象物品とし、前記仮置き部に保持された前記物品を仮置き物品として、前記作業ステーションにおいて、前記移載装置又は前記出力装置を制御して、前記仮置き物品と前記取出対象物品との少なくとも一方を前記集約容器に収容することで前記集約容器における前記物品の収容数を前記収容可能最大数にし、全ての前記取出対象物品を前記集約容器に収容できなかった場合には、当該収容できなかった前記取出対象物品を前記仮置き部に保持させて、前記取出容器を前記空状態とする移載工程と、前記移載工程の後、前記搬送装置を制御して、前記集約容器を前記作業ステーションから前記収容棚へ搬送すると共に、前記空状態となった前記取出容器を前記作業ステーションから搬出する第2搬送工程と、を備えている。
【0082】
本構成によれば、未満状態の容器が複数ある場合に、それらの容器に収容された物品を1つの集約容器に集約することができる。従って、収容棚に保持される容器の数を少なくすることができ、収容棚の単位容積当たりに収容できる物品の数を多く確保することができる。そして、全ての取出対象物品を集約容器に収容できなかった場合であっても、収容できなかった取出対象物品を、仮置き部に保持させた仮置き物品として、次回以降の移載工程において集約容器に集約することができる。従って、1度の移載工程によっては取出容器に収容された取出対象物品の全てを集約容器に収容することができない場合であっても、取出容器から集約容器への集約作業を行うことができる。
【0083】
このように、本構成によれば、取出し用の容器から取り出された全ての物品が、1つの集約容器に入りきらない場合であっても、別の集約容器への集約作業を行うことができる。そのため、集約容器及び取出容器に収容された物品の数の合計が集約容器の収容可能最大数に一致していない組み合わせであっても、選択工程において集約容器及び取出容器として選択することができる。よって、集約容器に物品を集約する容器の組み合わせの自由度を高く確保することができる。
【0084】
複数の物品が収容された容器を複数保持する収容棚と、前記容器からの前記物品の取出し及び前記容器への前記物品の収容を行う移載装置又は作業者に対する作業指示を出力する出力装置が配置された作業ステーションと、前記移載装置又は前記作業者である移載主体により前記物品を出し入れ自在に設けられ、前記移載主体から受け取った前記物品を一時的に保持する仮置き部と、前記収容棚と前記作業ステーションとの間で前記容器を搬送する搬送装置と、を備えた物品収容設備を制御するためのプログラムであって、
前記容器に収容可能な前記物品の最大数を収容可能最大数とし、前記収容可能最大数未満の前記物品が収容された前記容器の状態を未満状態とし、前記物品が収容されていない前記容器の状態を空状態として、
前記収容棚に前記未満状態の前記容器が複数保持されている場合に、前記未満状態の複数の前記容器のうちの1つを集約容器とすると共に別の少なくとも1つを取出容器として選択する選択処理を実行する機能と、前記搬送装置を制御して、前記選択処理により選択された前記集約容器及び前記取出容器を前記収容棚から前記作業ステーションへ搬送する第1搬送処理を実行する機能と、前記取出容器に収容された前記物品を取出対象物品とし、前記仮置き部に保持された前記物品を仮置き物品として、前記作業ステーションにおいて、前記移載装置又は前記出力装置を制御して、前記仮置き物品と前記取出対象物品との少なくとも一方を前記集約容器に収容することで前記集約容器における前記物品の収容数を前記収容可能最大数にし、全ての前記取出対象物品を前記集約容器に収容できなかった場合には、当該収容できなかった前記取出対象物品を前記仮置き部に保持させて、前記取出容器を前記空状態とする移載処理を実行する機能と、前記移載処理の完了後、前記搬送装置を制御して、前記集約容器を前記作業ステーションから前記収容棚へ搬送すると共に、前記空状態となった前記取出容器を前記作業ステーションから搬出する第2搬送処理を実行する機能と、をコンピュータに実現させる。
【0085】
本構成によれば、未満状態の容器が複数ある場合に、それらの容器に収容された物品を1つの集約容器に集約することができる。従って、収容棚に保持される容器の数を少なくすることができ、収容棚の単位容積当たりに収容できる物品の数を多く確保することができる。そして、全ての取出対象物品を集約容器に収容できなかった場合であっても、収容できなかった取出対象物品を、仮置き部に保持させた仮置き物品として、次回以降における移載処理を実行する機能により、集約容器に集約することができる。従って、1度の移載処理によっては取出容器に収容された取出対象物品の全てを集約容器に収容することができない場合であっても、取出容器から集約容器への集約作業を行うことができる。
【0086】
このように、本構成によれば、取出し用の容器から取り出された全ての物品が、1つの集約容器に入りきらない場合であっても、別の集約容器への集約作業を行うことができる。そのため、集約容器及び取出容器に収容された物品の数の合計が集約容器の収容可能最大数に一致していない組み合わせであっても、選択処理を実行する機能において集約容器及び取出容器として選択することができる。よって、集約容器に物品を集約する容器の組み合わせの自由度を高く確保することができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本開示に係る技術は、物品収容設備、物品収容方法、及び物品収容プログラムに利用することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 :物品収容設備
2 :容器
3 :移載主体
4 :収容棚
5 :作業ステーション
6 :仮置き部
7 :搬送装置
8 :制御装置
13 :出力装置
20 :集約容器
33 :移載装置
40 :取出容器
W :物品
WA :取出対象物品
WB :仮置き物品