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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】物品搬送設備
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240918BHJP
   B65G 49/07 20060101ALI20240918BHJP
   B61B 13/00 20060101ALI20240918BHJP
   G05D 1/43 20240101ALI20240918BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G49/07 Z
B61B13/00 U
B61B13/00 V
G05D1/43
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022082917
(22)【出願日】2022-05-20
(65)【公開番号】P2023170850
(43)【公開日】2023-12-01
【審査請求日】2024-02-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】城石 景祐
(72)【発明者】
【氏名】豊島 直哉
(72)【発明者】
【氏名】田村 健二
【審査官】渡井 高広
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-75749(JP,A)
【文献】特開2003-67054(JP,A)
【文献】特開2003-182567(JP,A)
【文献】特開2006-313462(JP,A)
【文献】特開平11-16984(JP,A)
【文献】特開2000-353015(JP,A)
【文献】特開2016-184690(JP,A)
【文献】特開2006-113967(JP,A)
【文献】特開2011-221687(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B65G 49/07
G05D 1/43
B61B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた走行経路に沿って走行して物品を搬送する複数の物品搬送車を備えた物品搬送設備であって、
前記走行経路は、
複数の処理装置間を接続するように配置された主搬送経路と、
前記主搬送経路から分岐し、前記処理装置のポートに前記物品を移載するための位置である移載用位置を通り、前記主搬送経路に合流する第1分岐経路と、
前記移載用位置よりも下流で前記第1分岐経路から分岐し、又は前記主搬送経路から分岐し、前記移載用位置よりも上流で前記第1分岐経路に合流する第2分岐経路と、を備え、
前記物品を保持している前記物品搬送車を実搬送車とし、前記物品を保持していない前記物品搬送車を空搬送車として、
前記第1分岐経路における前記移載用位置よりも上流側に、前記実搬送車を待機させるための第1待機区間が設定され、
前記第2分岐経路に、前記空搬送車を待機させるための第2待機区間が設定されている、物品搬送設備。
【請求項2】
前記第1分岐経路と前記第2分岐経路との合流部が、前記移載用位置に対して上流側に隣接配置されている、請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
前記第1待機区間と前記第2待機区間とのそれぞれは、複数台の前記物品搬送車が待機可能な長さを有する、請求項1又は2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記第1分岐経路は、N(Nは2以上の整数)個の前記移載用位置を通り、
前記第1待機区間は、N台の前記実搬送車を待機させることができる長さを有し、
前記第2待機区間は、N台の前記空搬送車を待機させることができる長さを有する、請求項3に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記物品搬送車を制御する制御装置を更に備え、
前記制御装置は、前記ポートに前記物品を引き渡したことにより前記実搬送車から前記空搬送車に変化した前記物品搬送車を、前記第2待機区間へ移動させる、請求項1又は2に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
前記物品搬送車を制御する制御装置を更に備え、
前記制御装置は、
前記ポートが前記物品を受け取り可能な状態である場合には、前記第1分岐経路と前記第2分岐経路との合流部において、前記実搬送車を優先的に通過させ、
前記ポートから前記処理装置による処理後の前記物品を搬出する場合には、前記合流部において、前記空搬送車を優先的に通過させる、請求項1又は2に記載の物品搬送設備。
【請求項7】
前記制御装置は、
前記ポートから前記処理装置による処理後の前記物品を搬出する場合であって、前記第2待機区間に前記空搬送車が待機している場合には、前記第2待機区間に待機している前記空搬送車を前記移載用位置に向かわせ、前記第2待機区間に前記空搬送車が待機していない場合には、前記第2待機区間以外に位置している前記空搬送車を前記移載用位置に向かわせる、請求項6に記載の物品搬送設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め定められた走行経路に沿って走行して物品を搬送する複数の物品搬送車を備えた物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような物品搬送設備の一例が、特開平11-029205号公報(特許文献1)に開示されている。以下、背景技術の説明において括弧内に示す符号は特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1の物品搬送設備(自走式搬送設備)は、複数の物品搬送車(AGV5)が走行する主線経路(6a)及び副線経路(6b)を備えている。主線経路(6a)は、収納棚(ストッカ2)と複数の処理装置(10)とを接続するループ状の走行経路である。副線経路(6b)は、収納棚に対して下流側の主線経路(6a)から分岐して、上流側の主線経路(6a)に合流する走行経路である。物品搬送車は、主線経路(6a)を走行して、処理装置(10)から受け取った物品(カセット1)を収容棚に引き渡すと、副線経路(6b)に移動する。これにより、収容棚から物品を受け取って処理装置に搬送する後続の物品搬送車との競合を避けつつ、副線経路(6b)を利用した物品の搬送を行えるため、物品搬送設備全体における搬送効率が向上する。
【0004】
ところで、特許文献1の物品搬送設備では、物品搬送車は、主線経路(6a)上のストッカ前停止位置(8a)に停車して、収納棚が備えるポート(入口ポート7a、出口ポート7b)との間で物品の受け渡しを行う。このため、物品搬送車が当該ポートとの間で物品の受け渡しを行う間、主線経路(6a)を走行する他の物品搬送車は、主線経路上退避位置(9a)で停車して待機しなければならない。このように、上記の物品搬送設備では、主線経路(6a)での他の物品搬送車の走行が妨げられる点で、物品の搬送効率の向上に改善の余地があった。また、このような物品搬送設備では、主線経路(6a)での物品搬送車の渋滞が生じ易くなるため、物品搬送車の数を増やして物品の搬送効率を向上させることも困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平11-029205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、ポートの手前で待機する物品搬送車により主搬送経路における物品搬送車の通行が妨げられることを回避でき、物品搬送車による物品の搬送を効率的に行うことができる物品搬送設備の実現が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る物品搬送設備は、予め定められた走行経路に沿って走行して物品を搬送する複数の物品搬送車を備えた物品搬送設備であって、
前記走行経路は、
複数の処理装置間を接続するように配置された主搬送経路と、
前記主搬送経路から分岐し、前記処理装置のポートに前記物品を移載するための位置である移載用位置を通り、前記主搬送経路に合流する第1分岐経路と、
前記移載用位置よりも下流で前記第1分岐経路から分岐し、又は前記主搬送経路から分岐し、前記移載用位置よりも上流で前記第1分岐経路に合流する第2分岐経路と、を備え、
前記物品を保持している前記物品搬送車を実搬送車とし、前記物品を保持していない前記物品搬送車を空搬送車として、
前記第1分岐経路における前記移載用位置よりも上流側に、前記実搬送車を待機させるための第1待機区間が設定され、
前記第2分岐経路に、前記空搬送車を待機させるための第2待機区間が設定されている
【0009】
本構成によれば、主搬送経路における物品搬送車の走行を妨げることなく、移載用位置に対して上流側に、実搬送車と空搬送車との双方を待機させておくことができる。これにより、処理装置のポートに処理後の物品が出てきた後、すぐに当該ポートに空搬送車を向かわせることができる。また、物品が搬出された後の処理装置のポートに実搬送車をすぐに向かわせて新たな物品を当該ポートに供給することができる。従って、処理装置に対する物品の搬入及び搬出を効率的に行うことができる。
ここで、第2分岐経路が第1分岐経路から分岐している場合、ポートに物品を移載した後の空搬送車は、主搬送経路における物品搬送車の走行を妨げることなく、すぐに第2待機区間に向かうことができる。
また、第2分岐経路が主搬送経路から分岐している場合、例えば、移載用位置に実搬送車が停車している状態でも、主搬送経路を走行する空搬送車が速やかに第2待機区間に向かうことができる。
このように本開示によれば、ポートの手前で待機する物品搬送車により主搬送経路における物品搬送車の通行が妨げられることを回避でき、処理装置に対する物品の搬送を効率的に行うことができる。
【0010】
物品搬送設備のさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】物品搬送設備の平面図
図2】物品搬送車の側面図
図3】第1分岐経路、第2分岐経路、第1処理装置の配置を模式的に示す平面図
図4】実搬送車の走行経路を模式的に示す平面図
図5】空搬送車の走行経路を模式的に示す平面図
図6】空搬送車及び実搬送車の走行経路を模式的に示す平面図
図7】空搬送車及び実搬送車の走行経路を模式的に示す平面図
図8】制御ブロック図
図9】第2実施形態に係る第1分岐経路及び第2分岐経路の配置を模式的に示す平面図
図10】第3実施形態に係る物品搬送設備の平面図
図11】第3実施形態に係る第1分岐経路及び第2分岐経路の配置を模式的に示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
物品搬送設備の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
〔第1実施形態〕
図1及び図2に示すように、物品搬送設備1は、予め定められた走行経路2に沿って走行して物品Wを搬送する複数の物品搬送車10を備えている。本実施形態では、走行経路2に沿ってレール20が設けられており、複数の物品搬送車10は、レール20に案内されて走行経路2に沿って走行するように構成されている。すなわち、レール20によって、物品搬送車10の走行経路2が形成されている。本実施形態では、レール20は、床面よりも上方に設けられている。具体的には、図2に示すように、レール20は、天井から吊り下げ支持される状態で天井に固定されている。すなわち、本実施形態では、物品搬送車10は、天井側に設けられたレール20に沿って走行する天井搬送車である。なお、本例では、走行経路2に沿って一対のレール20が設けられている。そして、物品搬送車10は、一対のレール20に案内されて走行経路2に沿って走行する。複数の物品搬送車10は、走行経路2の各部を互いに同一の方向(図1において矢印で示す方向)に走行するように制御される。すなわち、本例では、走行経路2は一方通行の経路である。なお、走行経路2は、レール20のように物理的に形成されていなくてもよく、仮想的に設定されてもよい。また、物品搬送車10は、天井搬送車以外の搬送車であってもよい。
【0014】
図1及び図2に示すように、物品搬送設備1は、第1処理装置81と、第2処理装置82とを備えている。第1処理装置81及び第2処理装置82は、走行経路2に沿うように配置されている。第1処理装置81及び第2処理装置82は、物品Wを処理対象とする装置である。本実施形態では、物品Wは、半導体ウェハ等の基板(収容物の一例)を収容する容器であり、第1処理装置81及び第2処理装置82は、物品Wに収容された収容物に対して処理(例えば、洗浄処理やエッチング処理等)を行う。本例では、複数の第1処理装置81と複数の第2処理装置82とが走行経路2に沿って配置されている。そして、複数の物品搬送車10のそれぞれは、走行経路2を走行して、自己と、第1処理装置81及び第2処理装置82との間で物品Wの移載を行う。図示の例では、第1処理装置81は、第2処理装置82よりも平面視で大きく形成されている。
【0015】
本実施形態では、図1及び図2に示すように、第1処理装置81は、N(Nは2以上の整数)個の第1ポート81aを備えている。すなわち、第1処理装置81は、複数の第1ポート81aを備えている。本例では、各第1処理装置81が、それぞれ同数(N個)の第1ポート81aを備えている。また、本例では、複数の第2処理装置82のそれぞれは、単一の第2ポート82aを備えている。そして、物品搬送車10は、第1ポート81a及び第2ポート82aとの間で物品Wの受け渡しを行う。第1ポート81aには、第1処理装置81による処理対象の物品Wが搬入出され、第2ポート82aには、第2処理装置82による処理対象の物品Wが搬入出される。図示の例では、それぞれの第1処理装置81は、第1ポート81aを2つずつ備えている。なお、第1処理装置81が「処理装置」に相当し、第1ポート81aが「ポート」に相当する。
【0016】
上述したように、本実施形態では、物品搬送車10は、天井側に設けられたレール20に沿って走行する天井搬送車である。具体的には、図2に示すように、物品搬送車10は、レール20上を転動する車輪11aを備えてレール20に沿って走行する走行部11と、走行部11に吊り下げ状態で支持されてレール20よりも下側に位置する本体部12と、を備えている。本体部12は、物品Wを支持可能な昇降体12bと、昇降体12bを昇降させる昇降機構12cとを備えている。昇降機構12cは、昇降体12bを吊り下げ支持する索状体12aが巻回された巻回体を、正方向又は逆方向に回転させて索状体12aを巻き取り又は繰り出すことで、昇降体12bを走行部11に対して昇降させるように構成されている。具体的には、昇降機構12cは、物品搬送車10の走行時の高さ(本実施形態では、昇降体12bが本体部12のカバー内に位置する高さ)である第1高さと、第1高さよりも低い高さであって昇降体12bと物品Wの移載対象箇所(第1ポート81a、第2ポート82a)との間で物品Wを受け渡す(授受する)高さである第2高さとの間で、昇降体12bを昇降させる。
【0017】
なお、本実施形態では、後述の第1分岐経路5(図1)に沿う方向を第1方向Xとし、上下方向Z視で第1方向Xに直交する方向を第2方向Yとして説明する。また、以下では、物品Wを保持している物品搬送車10を実搬送車10aとし、物品Wを保持していない物品搬送車10を空搬送車10bとして、説明する。
【0018】
本実施形態では、走行経路2は、主搬送経路4と、第1分岐経路5と、第2分岐経路6と、を備えている。以下では、主搬送経路4、第1分岐経路5、及び第2分岐経路6のそれぞれの構成について具体的に説明する。
【0019】
図1に示すように、主搬送経路4は、複数の第1処理装置81間を接続するように配置されている。本実施形態では、主搬送経路4は、第1分岐経路5を介して複数の第1処理装置81間を接続するように配置されている。また、主搬送経路4は、複数の第1処理装置81間に加えて、複数の第2処理装置82間を接続するように配置されている。より具体的には、主搬送経路4は、第1処理装置81の第1ポート81aに対応する位置(第1移載用位置23)を有する経路(第1分岐経路5)同士を接続することで、複数の第1処理装置81間を接続している。また、主搬送経路4は、第2処理装置82の第2ポート82aに対応する位置(第2移載用位置24)と、異なる第2処理装置82の第2ポート82aに対応する位置(異なる第2移載用位置24)とを接続することで、複数の第2処理装置82間を接続している。
【0020】
本実施形態では、図1に示すように、主搬送経路4は、1つの環状の第1経路41と、複数の環状の第2経路42と、第1経路41及び第2経路42を接続する複数の接続経路45とを備えている。第2経路42は、複数の処理装置(第1処理装置81、第2処理装置82)を接続するように配置されている。本例では、複数の第2経路42のうちの一部の第2経路42が、第1分岐経路5を介して複数の第1処理装置81間を接続し、残りの第2経路42が、複数の第2処理装置82間を接続している。
【0021】
また、本例では、複数の第2経路42は、第1経路41に対して第1方向Xの両外側に分かれて配置されている。また、これらの第2経路42は、第2方向Yに隣接するように配置されている。図示の例では、第1経路41に対して第1方向Xの一方側に配置された複数(ここでは3つ)の第2経路42のうちの、2つの第2経路42に、第1処理装置81が2つずつ接続されている。第1処理装置81と第2経路42との間には、第1分岐経路5が配置されており、第1分岐経路5を介して、第1処理装置81と第2経路42とが接続されている。残りの第2経路42には、複数(ここでは6つ)の第2処理装置82が接続されている。
【0022】
図1に示すように、第2経路42は、第1方向Xに沿う第1区間43と、第1区間43に平行に配置される第2区間44と、第1区間43及び第2区間44の端部同士を連結する連結区間46とを備えている。これにより、第2経路42は、環状に形成されている。そして、第1区間43及び第2区間44のそれぞれにおける第1経路41を向く側の端部と第1経路41とが、接続経路45で接続されている。第1処理装置81及び第2処理装置82は、第1区間43又は第2区間44に沿うように配置されている。図示の例では、第1区間43と第2区間44とはそれぞれ直線状の区間となっている。
【0023】
本例では、第2移載用位置24は、第1区間43及び第2区間44に設定されている。また、本例では、第2移載用位置24は、上下方向Z視で第2処理装置82の第2ポート82aと重複している。図示の例では、第2処理装置82は、単一の第2ポート82aを備えている。そして、第2処理装置82は、第1区間43と第2区間44とのそれぞれに複数(ここでは3つ)ずつ並んで配置されている。このため、第1区間43及び第2区間44には、複数(ここでは3つ)の第2移載用位置24がそれぞれ設定されている。物品搬送車10は、第2移載用位置24で停車して、第2ポート82aとの間で物品Wの受け渡しを行う。
【0024】
本実施形態では、物品搬送車10は、第1経路41及び複数の第2経路42においては、いずれも同じ周回方向に走行する。図1では、物品搬送車10の走行方向を矢印で示している。
【0025】
図1及び図3に示すように、第1分岐経路5は、主搬送経路4から分岐し、処理装置の第1ポート81aに物品Wを移載するための位置である第1移載用位置23を通り、主搬送経路4に合流する。本実施形態では、第1分岐経路5は、第2経路42から分岐して第1移載用位置23を通り第2経路42に合流する。本例では、第1分岐経路5は、第2経路42の第1区間43から分岐して第1移載用位置23を通り第1区間43に合流する。また、第1分岐経路5は、第2経路42の第2区間44から分岐して第1移載用位置23を通り第2区間44に合流する。なお、第1移載用位置23が「移載用位置」に相当する。
【0026】
本実施形態では、図3から図6に示すように、第1分岐経路5は、第1分岐接続部5aと第1本線部5bと第1合流接続部5cとを備えている。第1分岐接続部5aは、第2経路42の第1区間43又は第2区間44から分岐する区間であり、第2経路42を走行する物品搬送車10が第1分岐経路5に乗り移る区間である。第1本線部5bは、物品搬送車10が第1方向Xに沿って直進できる区間であり、第1分岐接続部5aと第1合流接続部5cとを接続する区間である。第1合流接続部5cは、物品搬送車10が第1分岐経路5から第2経路42の第1区間43又は第2区間44に合流する(乗り移る)区間である。図1の例では、このような第1分岐経路5は、第2経路42の第2方向Yの両側にそれぞれ設けられている。
【0027】
本実施形態では、第1移載用位置23は、第1分岐経路5に設定されている。具体的には、第1移載用位置23は、第1本線部5bに設定されている。図3に示すように、本例では、第1移載用位置23は、上下方向Z視で、第1処理装置81の第1ポート81aと重複している。物品搬送車10は、第1本線部5bの第1移載用位置23に停車して、第1ポート81aとの間で物品Wの受け渡しをする。また、本実施形態では、第1分岐経路5は、N(Nは2以上の整数)個の第1移載用位置23を通るように形成されている。具体的には、複数の第1処理装置81のそれぞれは、上述したように、N個の第1ポート81aを備えている。このため、1つの第1本線部5bには、第1移載用位置23が、対応する第1ポート81aと同じ数、設定されている。このような複数の第1移載用位置23は、第1方向Xに並ぶように配置されている。図3から図6の例では、第1処理装置81は、第1ポート81aを2つ備えているため、第1本線部5bには、これら2つの第1ポート81aに対応するように、2つの第1移載用位置23が設定されている。
【0028】
図3から図6に示すように、第1分岐経路5における第1移載用位置23よりも上流側に、実搬送車10aを待機させるための第1待機区間51が設定されている。本実施形態では、第1本線部5bにおける第1移載用位置23よりも上流側に第1待機区間51が設定されている。また、第1待機区間51は、複数の第1移載用位置23のうちの最も上流側の第1移載用位置23よりも上流側に設定されている。ここで、第1待機区間51は、第1移載用位置23へ向かう物品搬送車10のうちの実搬送車10aが停車して待機するために設定された区間である。上述のように、実搬送車10aは、物品Wを保持している物品搬送車10である。実搬送車10aは、第1移載用位置23に停車中の先行の物品搬送車10(実搬送車10a、空搬送車10b)との衝突を回避するため、第1待機区間51で停車して待機する。
【0029】
図1及び図3に示すように、第2分岐経路6は、第1移載用位置23よりも下流で第1分岐経路5から分岐し、又は主搬送経路4から分岐し、第1移載用位置23よりも上流で第1分岐経路5に合流する。本実施形態では、第2分岐経路6は、第1移載用位置23よりも下流で第1分岐経路5から分岐し、第1移載用位置23よりも上流で第1分岐経路5に合流する。より詳細には、第2分岐経路6は、第1移載用位置23(ここでは最も下流側に位置する第1移載用位置23)よりも下流の第1本線部5bから分岐して、第1本線部5bにおける第1移載用位置23(ここでは最も上流側に位置する第1移載用位置23)よりも上流の第1本線部5bに合流する。そして、本実施形態では、第1分岐経路5と第2分岐経路6との合流部25が、第1移載用位置23に対して上流側に隣接配置されている。本例では、合流部25は、複数の第1移載用位置23のうちの最も上流側に位置する第1移載用位置23に対して、上流側に隣接配置されている。また、本実施形態では、第1分岐経路5と第2分岐経路6との分岐部26が、第1移載用位置23に対して下流側に隣接配置されている。本例では、分岐部26は、複数の第1移載用位置23のうちの最も下流側に位置する第1移載用位置23に対して、下流側に隣接配置されている。
【0030】
図3から図6に示すように、第2分岐経路6は、第2分岐接続部6aと第2本線部6bと第2合流接続部6cとを備えている。第2分岐接続部6aは、第1分岐経路5の第1本線部5bにおいて、第1移載用位置23よりも下流側から分岐する区間であり、第1ポート81aに物品Wを引き渡した後の物品搬送車10(空搬送車10b)が第2分岐経路6に乗り移る(分岐する)区間である。本例では、第2分岐接続部6aと第1本線部5bとの接続部分が、第1分岐経路5と第2分岐経路6との分岐部26とされている。第2本線部6bは、第2分岐接続部6aと第2合流接続部6cとを接続する区間である。図示の例では、第2本線部6bは、第1処理装置81を囲むように配置されているが、第2分岐経路6を走行する物品搬送車10と第1処理装置81との干渉を回避できる場合には、上下方向Z視で第1処理装置81と重複する部分を有するように第2分岐経路6が形成されていてもよい。第2合流接続部6cは、物品搬送車10(空搬送車10b)が第2分岐経路6から第1分岐経路5の第1本線部5bに合流する(乗り移る)区間である。本例では、第2合流接続部6cと第1本線部5bとの接続部分が、第1分岐経路5と第2分岐経路6との合流部25とされている。この第2合流接続部6cと第1本線部5bとの接続部分(合流部25)は、前述の第1待機区間51と、第1移載用位置23との間に形成されていると共に、後述の第2待機区間61と、第1移載用位置23との間に形成されている。本例では、複数(ここでは2つ)の第1移載用位置23は、合流部25と分岐部26との間に配置されている。同様に、複数の第1ポート81aは、合流部25と分岐部26との間に配置されている。図1の例では、第1分岐経路5及び第2分岐経路6は、第2経路42の第2方向Yの両側にそれぞれ設けられている。
【0031】
図3から図6に示すように、第2分岐経路6に、空搬送車10bを待機させるための第2待機区間61が設定されている。本実施形態では、第2本線部6bに、第2待機区間61が設定されている。本例では、第2待機区間61は、第2本線部6bにおける、第2分岐経路6と第1分岐経路5との合流部25に近い位置に設定されている。ここで、第2待機区間61は、第1移載用位置23へ向かう物品搬送車10のうちの空搬送車10bが停車して待機するために設定された区間である。第1移載用位置23で物品Wを第1ポート81aに引き渡した後の物品搬送車10(空搬送車10b)は、第1分岐経路5の第1本線部5bから第2分岐経路6に乗り移り、第2待機区間61で停車して待機する。これにより、第2待機区間61で予め待機している空搬送車10bが、第1移載用位置23に速やかに移動して、第1ポート81aから物品Wを受け取ることができる。
【0032】
図3から図6に示すように、本実施形態では、第1待機区間51と第2待機区間61とのそれぞれは、複数台の物品搬送車10が待機可能な長さを有している。具体的には、第1待機区間51は、N台の実搬送車10aを待機させることができる長さを有し、第2待機区間61は、N台の空搬送車10bを待機させることができる長さを有する。すなわち、第1待機区間51に待機させることができる実搬送車10aの台数の上限はN以上であり、第2待機区間61に待機させることができる空搬送車10bの台数の上限はN以上である。このように、本実施形態では、第1待機区間51と第2待機区間61とのそれぞれは、対応する第1処理装置81の第1ポート81aの数(N個)と同数の物品搬送車10を待機させることができる。本例では、第1待機区間51と第2待機区間61とのそれぞれは、第1ポート81aの数、すなわち設定された第1移載用位置23の数と同じ台数の物品搬送車10が直列に待機できる長さを有している。図3から図6の例では、1つの第1処理装置81に2個の第1ポート81aが設けられており、これに対応するように2つの第1移載用位置23が設定されている。そして、第1待機区間51と第2待機区間61とのそれぞれは、物品搬送車10を2台ずつ直列に停車させることができる長さを有している。
【0033】
図3に示す状況では、第1待機区間51に複数台の実搬送車10aが予め停車している。同様に、第2待機区間61にも複数台の空搬送車10bが予め停車している。これにより、第1移載用位置23に実搬送車10a又は空搬送車10bを速やかに供給することができる。そして、第1移載用位置23で物品Wを第1ポート81aに引き渡した物品搬送車10(空搬送車10b)が、第1分岐経路5から第2分岐経路6の第2待機区間61に移動することで、継続的に空搬送車10bを第2待機区間61に供給できる。また、第1処理装置81による処理後の物品Wを第1ポート81aから回収した実搬送車10aは、第1分岐経路5から主搬送経路4(ここでは第2経路42)に速やかに移動することができる。従って、単位時間当たりに第1処理装置81が処理する処理対象物の数が増加することから、第1処理装置81の稼働効率(処理対象物に対する処理効率)の向上を図ることができる。
【0034】
なお、本例では、図1に示すように、複数の第2経路42のうちの一部に第1分岐経路5及び第2分岐経路6が設けられている。具体的には、複数の第2経路42のうちの一部に第1処理装置81が複数設けられている。そして、第1分岐経路5及び第2分岐経路6は、これらの第1処理装置81のそれぞれに対応するように設けられている。しかし、複数の第2経路42の全てに第1処理装置81が設けられており、これに対応するように全ての第2経路42に第1分岐経路5及び第2分岐経路6が設けられていても良い。
【0035】
また、本例では、第1処理装置81と第2処理装置82とは、それぞれ異なる第2経路42に設けられているが、第1処理装置81と第2処理装置82とが同じ第2経路42に設けられていても良い。
【0036】
図8に示すように、本実施形態に係る物品搬送設備1は、設備全体における物品Wの搬送と処理装置(第1処理装置81、第2処理装置82)の作動とを制御する第1制御装置91を備えている。また、物品搬送設備1は、物品搬送車10を制御する第2制御装置92を備えている。本例では、第2制御装置92は、第1制御装置91からの指令に応じて物品搬送車10を制御する。これらの各制御装置は、マイクロコンピュータ等のプロセッサを備えると共に、メモリ等の周辺回路を備え、これらのハードウェアと、プロセッサ等のハードウェア上で実行されるプログラムとの協働により、各制御装置の各機能が実現される。第1制御装置91は、第2制御装置92と相互に通信可能に接続されている。なお、第2制御装置92が「制御装置」に相当する。
【0037】
本実施形態では、第2制御装置92は、第1搬送制御と第2搬送制御とを実行する。第1搬送制御は、第1処理装置81の第1ポート81aに対して物品Wを受け渡すための制御である。第2搬送制御は、第2処理装置82の第2ポート82aに対して物品Wを受け渡すための制御である。以下では、まず、第2搬送制御について説明する。
【0038】
第2制御装置92は、物品Wを第2処理装置82に搬送する指令を第1制御装置91から受けた場合、例えば、この第2処理装置82に最短の時間で到着する実搬送車10aを主搬送経路4に位置する複数の実搬送車10aの中から選択する。そして、第2制御装置92は、搬送先である第2処理装置82の第2ポート82aに物品Wを搬送するように当該実搬送車10aを制御する。実搬送車10aは、現在位置から最短経路を走行して、搬送先の第2ポート82aに対応する第2移載用位置24で停車する。そして、実搬送車10aは、当該第2ポート82aに物品Wを引き渡す。このように物品Wを引き渡して実搬送車10aから空搬送車10bに変化した物品搬送車10は、例えば、第2制御装置92から次回の搬送指令を受けるまで、第2移載用位置24で停車して待機する。
【0039】
第2制御装置92は、物品Wを第2処理装置82から受け取る指令を第1制御装置91から受けた場合、例えば、この第2処理装置82に最短の時間で到着する空搬送車10bを選択する。そして、第2制御装置92は、当該第2処理装置82の第2ポート82aに対応する第2移載用位置24に移動するようにこの空搬送車10bを制御する。空搬送車10bは、主搬送経路4上の現在位置から最短経路を経て、受取先の第2ポート82aに対応する第2移載用位置24に移動し、第2ポート82aから物品Wを受け取る。このように物品Wを受け取って空搬送車10bから実搬送車10aに変化した物品搬送車10は、例えば、第2制御装置92から次回の搬送指令を受けるまで、第2移載用位置24で停車して待機する。
【0040】
また、図7に示すように、第2制御装置92は、移動先の第2移載用位置24に先行の物品搬送車10が停車しており、後続の物品搬送車10が当該第2移載用位置24に到達できない場合は、後続の物品搬送車10を、当該第2移載用位置24よりも手前側で停車(待機)させる。同様に、第2制御装置92は、移動先の第2移載用位置24よりも上流側に位置する別の第2移載用位置24に先行の物品搬送車10が停車しており、後続の物品搬送車10が移動先の第2移載用位置24に到達できない場合は、後続の物品搬送車10を、当該上流側の第2移載用位置24よりも手前側で停車(待機)させる。図7の例では、第1区間43において最も上流側にある第2移載用位置24に先行の物品搬送車10(ここでは実搬送車10a)が停車している。このため、後続の物品搬送車10(ここでは空搬送車10b)は、第1区間43よりも上流側の連結区間46で停車(待機)している。第2制御装置92は、上記のように物品搬送車10を制御することで、後続の物品搬送車10と先行の物品搬送車10との衝突を回避しつつ、物品搬送車10に物品Wの搬送を行わせている。このように、第2経路42に直接処理装置を接続する構成では、第2経路42が一方通行の経路であることから、先行の物品搬送車10が停車をすると、後続の物品搬送車10も停車する必要がある。従って、物品搬送車10の第2経路42における円滑な走行が直接的又は間接的に妨げられ、物品Wの搬送効率が低下し易くなる。一方、物品Wの搬送効率を高めるために、主搬送経路4を走行する物品搬送車10の台数を増やすと、第2経路42において停車する物品搬送車10の台数が増加する。よって、特に第2経路42において渋滞が生じ易くなり、却って物品Wの搬送効率は低下する。
【0041】
上記の点に鑑みて、本実施形態に係る物品搬送設備1は、図3から図6に示すように、第2経路42に分岐経路(第1分岐経路5、第2分岐経路6)を設けて、分岐経路を介して処理装置(ここでは第1処理装置81)と第2経路42とを接続している。これにより物品搬送車10は、第2経路42において停車することなく、ポート(ここでは第1ポート81a)に対して物品Wの受け渡しをすることができる。以下では、分岐経路を走行する物品搬送車10を制御する第1搬送制御について具体的に説明する。
【0042】
図4に示すように、本実施形態では、第2制御装置92は、物品Wを第1処理装置81の第1ポート81aに搬送する指令を第1制御装置91から受けた場合、第1待機区間51で停車(待機)している実搬送車10aを、当該第1ポート81aに向かわせる。実搬送車10aは、合流部25を通過して、搬送先の第1ポート81aに対応する第1移載用位置23で停車し、物品Wを当該第1ポート81aに引き渡す。第2制御装置92は、第1ポート81aに物品Wを引き渡したことにより実搬送車10aから空搬送車10bに変化した物品搬送車10を、第2待機区間61へ移動させる。具体的には、空搬送車10bは、第1移載用位置23から第1本線部5bを走行して第2分岐経路6の第2分岐接続部6aに乗り移る。そして、空搬送車10bは、第2本線部6bを走行して、第2待機区間61で停車する。図示の例では、第1本線部5bの下流側の端部領域から第2分岐接続部6aに乗り移り、第2本線部6bを走行して、第2合流接続部6cの手前側に設定された第2待機区間61で停車(待機)する。
【0043】
図5に示すように、本実施形態では、第2制御装置92は、物品Wを第1処理装置81の第1ポート81aから受け取る指令を第1制御装置91から受けた場合、第2待機区間61で停車(待機)している空搬送車10bを、当該第1ポート81aに向かわせる。空搬送車10bは、合流部25を通過して第1本線部5bに乗り移り、受取先の第1ポート81aに対応する第1移載用位置23で停車して、第1ポート81aから物品Wを受け取る。物品Wを受け取って空搬送車10bから実搬送車10aに変化した物品搬送車10は、新たな搬送指令に基づいて、第1合流接続部5cから主搬送経路4(ここでは第2経路42)に合流走行する。
【0044】
本実施形態では、図4に示すように、第2制御装置92は、第1ポート81aが物品Wを受け取り可能な状態である場合には、第1分岐経路5と第2分岐経路6との合流部25において、実搬送車10aを優先的に通過させる。また、図5に示すように、第1ポート81aから第1処理装置81による処理後の物品Wを搬出する場合には、合流部25において、空搬送車10bを優先的に通過させる。このようにして、第1待機区間51で待機する実搬送車10aと第2待機区間61で待機する空搬送車10bとの合流部25における競合を回避している。本例では、第2制御装置92は、第1制御装置91から受信する複数の第1ポート81aの情報(ここでは、第1ポート81aが物品Wを受取可能な状態であるか、或いは処理後の物品Wを搬出する状態であるかに関する情報)に基づいて、第1待機区間51及び第2待機区間61で待機する複数の物品搬送車10に、移動先の第1移載用位置23を下流側から順次割り付ける。そして、第2制御装置92は、下流側の第1移載用位置23に割り付けられた物品搬送車10から順次、移動先の第1移載用位置23に移動するように複数の物品搬送車10を制御する。図4の例では、第1待機区間51の最も合流部25に近い側で待機する実搬送車10aに対して、最も下流側の第1移載用位置23が割り付けられている。この場合、第2制御装置92は、当該実搬送車10aを、第2待機区間61の空搬送車10bに対して優先的に移動させて、搬送先の第1移載用位置23に向かわせる。図5の例では、第2待機区間61の最も合流部25に近い側で待機する空搬送車10bに対して、最も下流側の第1移載用位置23が割り付けられている。この場合、第2制御装置92は、当該空搬送車10bを、第1待機区間51の実搬送車10aに対して優先的に移動させて、受取先の第1移載用位置23に向かわせる。
【0045】
また、本実施形態では、第2制御装置92は、主搬送経路4を走行する物品搬送車10(実搬送車10a、空搬送車10b)を、待機区間(第1待機区間51、第2待機区間61)に供給する制御を実行する。本例では、第2制御装置92は、第1処理装置81の処理完了時刻を考慮して、待機区間(第1待機区間51、第2待機区間61)に主搬送経路4を走行する物品搬送車10を移動させる制御を行う。具体的には、第1処理装置81は、第1処理装置81が物品Wを処理して第1ポート81aに搬出する時刻(処理完了時刻)を予測し、処理完了時刻に関する情報を第1制御装置91に送信する。第2制御装置92は、第1制御装置91から、第1処理装置81の処理完了時刻に関する情報を受け取ると、処理完了時刻よりも規定時間前に、第1待機区間51に主搬送経路4の実搬送車10aが到着し、第2待機区間61に主搬送経路4の空搬送車10bが到着するように、主搬送経路4を走行する物品搬送車10を制御する。また、例えば、第2制御装置92は、処理完了時刻よりも規定時間前に、第2待機区間61の最も合流部25に近い側の空搬送車10bを、物品Wが出てくる第1ポート81aに対応する第1移載用位置23に移動させる。仮に、物品Wが出てくる上記第1ポート81aに対応する第1移載用位置23よりも手前側(上流側)の第1移載用位置23に、異なる物品搬送車10が停車している場合は、この物品搬送車10が移動を開始してから、上記空搬送車10bを移動させると好適である。このように、第2制御装置92は、各第1処理装置81の状況に応じて、実搬送車10a及び空搬送車10bをそれぞれ制御できると好適である。
【0046】
本実施形態では、上記のように、第2制御装置92は、第1ポート81aから第1処理装置81による処理後の物品Wを搬出する場合であって、第2待機区間61に空搬送車10bが待機している場合には、第2待機区間61に待機している空搬送車10bを第1移載用位置23に向かわせる。一方、図6に示すように、第2制御装置92は、第2待機区間61に空搬送車10bが待機していない場合には、第2待機区間61以外に位置している空搬送車10bを第1移載用位置23に向かわせる。本例では、第2制御装置92は、第2待機区間61に空搬送車10bが1台も待機していない場合は、主搬送経路4(第1経路41又は第2経路42)に位置している複数の空搬送車10bのうちの、当該第2待機区間61に最短時間で到達する空搬送車10bを選択して、当該空搬送車10bを上記第2待機区間61に向かわせる。この場合、第2制御装置92は、第1待機区間51に待機する全ての実搬送車10aを移動させると共に、選択した空搬送車10bを対象となる第1ポート81aに向かわせる。これにより、当該空搬送車10bは、第2経路42から第1分岐経路5に分岐走行して、第1ポート81aに到着できる。本例では、第2制御装置92は、第1待機区間51で待機中の全ての実搬送車10aを、第2待機区間61に向かわせる。このような1台又は複数台の実搬送車10aは、第1待機区間51から分岐部26を通過して第2分岐経路6に分岐走行して、第2待機区間61に移動する。この場合、第2制御装置92は、第1ポート81aが物品Wを受け取り可能な状態である場合には、合流部25において、第2待機区間61の実搬送車10aを優先的に通過させる。
【0047】
〔第2実施形態〕
物品搬送設備の第2実施形態について、図9を参照して説明する。以下では、本実施形態の物品搬送設備1について、第1実施形態の相違点を中心に説明する。特に明記しない点については、第1実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0048】
図9に示すように、第2分岐経路6は、主搬送経路4から分岐し、第1移載用位置23よりも上流で第1分岐経路5に合流する。本実施形態では、第2分岐経路6は、第1分岐経路5に対して下流側の主搬送経路4から分岐する。言い換えると、第2分岐経路6は、複数の第1移載用位置23に対して下流側の主搬送経路4から分岐する。本例では、第2分岐経路6は、第1合流接続部5cと第2経路42との合流地点よりも下流側の第2経路42から分岐する。第2分岐接続部6aは、上記合流地点よりも下流側の第2経路42から分岐する区間であり、第1ポート81aに物品Wを引き渡した後の物品搬送車10(空搬送車10b)や、第1分岐経路5を経由していない空搬送車10bが第2経路42から第2分岐経路6に乗り移る(分岐する)区間である。第2分岐接続部6aに分岐した空搬送車10bは、第2本線部6bを走行して第2待機区間61に移動して停車(待機)する。
【0049】
本例では、第2制御装置92は、第2待機区間61に空搬送車10bが待機していない場合には、主搬送経路4(第1経路41又は第2経路42)に位置している複数の空搬送車10bのうちの、第2待機区間61に最短時間で到達する空搬送車10bを選択して、当該空搬送車10bを第2待機区間61に向かわせる。この場合、空搬送車10bは、第1分岐経路5を経由することなく、第2経路42から第2分岐経路6に分岐走行して、第2待機区間61に移動する。従って、第2実施形態では、第1待機区間51で停車(待機)する実搬送車10aが、第2分岐経路6を走行することはない。
【0050】
〔第3実施形態〕
物品搬送設備の第3実施形態について、図10及び図11を参照して説明する。以下では、本実施形態の物品搬送設備1について、第1実施形態及び第2実施形態との相違点を中心に説明する。特に明記しない点については、第1実施形態及び第2実施形態と同様であり、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0051】
図10及び図11に示すように、第2分岐経路6は、主搬送経路4から分岐し、第1移載用位置23よりも上流で第1分岐経路5に合流する。本実施形態では、図11に示すように、第2分岐経路6は、対応する第1分岐経路5が接続されている第2経路42とは異なる第2経路42から分岐し、第1移載用位置23よりも上流で第1分岐経路5に合流する。本例では、第2分岐経路6は、対応する第1分岐経路5が接続されている第2経路42に隣接する第2経路42(ここでは、第2区間44)から分岐する。図示の例では、第2分岐経路6は、第1分岐経路5が接続されている第2経路42に対して第2方向Yに隣接する第2経路42から分岐する。また、本例では、第2分岐接続部6aは、上記のように隣接する第2経路42の第2区間44から分岐する区間であり、当該隣接する第2経路42を走行する空搬送車10bが第2分岐経路6に乗り移る(分岐する)区間である。第2分岐接続部6aに分岐した空搬送車10bは、第2本線部6bを走行して第2待機区間61に移動して停車(待機)する。図示の例では、隣接する第2経路42において、第2処理装置82の第2ポート82aに物品Wを引き渡して空搬送車10bに変化した物品搬送車10が、速やかに第2分岐接続部6aに乗り移り、第2方向Yに沿うように配置された第2本線部6bを走行して第2待機区間61に移動できるように構成されている。すなわち、第2区間44から第2分岐接続部6aに分岐する地点が、複数(ここでは2つ)の第2移載用位置24のうちの最も下流側の第2移載用位置24に隣接して配置されている。なお、図11の例では、隣接する第2経路42には第2処理装置82が設けられているが、第1処理装置81が設けられていてもよい。
【0052】
本実施形態では、図10及び図11に示すように、主搬送経路4は、第3経路47を更に備えている。第3経路47は、第1経路41と第2経路42とを接続している。本例では、図10に示すように、第3経路47は、第1経路41と第2経路42とを接続すると共に、複数の第2経路42間を接続している。第3経路47は、第1経路41に対しては直接接続されており、第2経路42に対しては、複数の連結経路48を介して間接的に接続されている。図10の例では、第3経路47は、第1分岐経路5、第2分岐経路6、及び複数の第2経路42を囲むように配置されている。また、第3経路47は、第1経路41に対して第1方向Xの両外側に分かれて配置された複数の第2経路42に対応するように、第1方向Xに分かれて複数(ここでは2つ)配置されている。複数の第3経路47のそれぞれは、第1経路41の第2方向Yの端部領域に接続されている。
【0053】
本例では、図10及び図11に示すように、連結経路48は、第2経路42と第3経路47とを接続している。連結経路48は、第1連結経路48aと第2連結経路48bとを備えている。第1連結経路48aは、第1区間43の移載用位置(第1移載用位置23又は第2移載用位置24)よりも下流側の位置から分岐して、第3経路47に合流するように配置されている。第2連結経路48bは、第3経路47から分岐して、第2区間44における移載用位置(第2移載用位置24)よりも上流側の位置に合流するように配置されている。
【0054】
図10及び図11に示す状況では、第2待機区間61で待機する空搬送車10bは、第2制御装置92の指令により、合流部25を通過して第1移載用位置23で停車すると、第1ポート81aから物品Wを受け取る。物品Wを受け取って空搬送車10bから実搬送車10aに変化した物品搬送車10は、物品Wの搬送先となるポート(第1ポート81a又は第2ポート82a)に対応する移載用位置(第1移載用位置23又は第2移載用位置24)に移動する。実搬送車10aは、例えば、第3経路47を走行して、第2方向Yに隣接する第2経路42の第2区間44における移載用位置(ここでは、第2移載用位置24)に移動し、対応するポート(ここでは、第2ポート82a)に物品Wを引き渡してもよい(図11参照)。その後、物品Wを引き渡して実搬送車10aから空搬送車10bに変化した物品搬送車10は、上述のように、第2待機区間61に移動して停車(待機)する。また、第1待機区間51で待機する実搬送車10aは、第1移載用位置23で停車して、第1ポート81aに物品Wを引き渡して空搬送車10bに変化してもよいし、隣接する第2区間44の移載用位置(ここでは、第2移載用位置24)で停車して、対応するポート(ここでは、第2ポート82a)に物品Wを引き渡して空搬送車10bに変化してもよい。上記のように第1ポート81aに物品Wを引き渡して実搬送車10aから空搬送車10bに変化した物品搬送車10は、例えば、第3経路47(ここでは、第2方向Yに隣接する第2経路42間を接続する第3経路47)を走行して、第2待機区間61に移動する。
【0055】
このように、本実施形態では、主搬送経路4が第3経路47を更に備えることにより、第2分岐経路6が、対応する第1分岐経路5が接続されている第2経路42とは異なる第2経路42から分岐する構成であっても、第2制御装置92は、空搬送車10bを速やかに第2待機区間61に移動させることができる。
【0056】
なお、図10及び図11の例では、処理装置(第1処理装置81及び第2処理装置82)は、第3経路47に沿うように設けられていない。しかし、第3経路47に、1つ又は複数の移載用位置(第1移載用位置23及び第2移載用位置24)を配置して、移載用位置に対応するように1つ又は複数の処理装置を設けることもできる。
【0057】
〔その他の実施形態〕
次に、物品搬送設備のその他の実施形態について説明する。
【0058】
(1)上記第1実施形態では、複数の第2経路42のうちの一部に、第1処理装置81と、これに対応する分岐経路(第1分岐経路5、第2分岐経路6)とが配置されている構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、複数の第2経路42の全てに第1処理装置81と、これに対応する分岐経路が配置されていてもよい。また、第2処理装置82のそれぞれに対応するように、分岐経路が配置されていてもよい。また、隣接する複数の処理装置(第1処理装置81、第2処理装置82)に対して、1組の分岐経路(第1分岐経路5、第2分岐経路6)を配置させる構成としてもよい。このように、物品搬送設備1において、処理装置や分岐経路の配置は、適宜変更できると好適である。
【0059】
(2)上記各実施形態では、第1分岐経路5と第2分岐経路6との合流部25が、第1移載用位置23に対して上流側に隣接配置されている構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、合流部25は、第1移載用位置23に対して上流側に隣接配置されていなくてもよい。例えば、合流部25は、第1分岐経路5の第1本線部5bの上流側の端部領域に配置されていてもよい。この場合、第1待機区間51は、第1分岐接続部5aに設定されていてもよい。
【0060】
(3)上記各実施形態では、第1待機区間51と第2待機区間61とのそれぞれは、複数台の物品搬送車10が待機可能な長さを有している構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、第1待機区間51と第2待機区間61とのそれぞれが、1台の物品搬送車10のみ待機可能な長さを有していても良い。また、第1待機区間51と第2待機区間61との長さを異ならせることで、第1待機区間51で待機可能な物品搬送車10の台数と、第2待機区間61で待機可能な物品搬送車10の台数とを異ならせる構成としてもよい。また、第1待機区間51及び第2待機区間61を複数車線として、複数の物品搬送車10が並列に停車できる構成としてもよい。
【0061】
(4)上記各実施形態では、複数の第1処理装置81のそれぞれは、N(Nは2以上の整数)個の第1ポート81aを備え、これにより、第1分岐経路5が、N個の第1移載用位置23を通るように形成されている構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、第1分岐経路5が通るN個の第1移載用位置23に、第1処理装置81の第1ポート81aに物品Wを移載するための第1移載用位置23と、これとは別の第1処理装置81の第1ポート81aに物品Wを移載するための第1移載用位置23とが含まれていてもよい。また、各第1処理装置81は、単一の第1ポート81aを備えていてもよく、この場合、例えば、第1分岐経路5は、単一の第1移載用位置23を通るように形成される。また、複数の第1処理装置81のそれぞれが同数の第1ポート81aを備えていなくてもよく、必要に応じて、それぞれの第1処理装置81ごとに第1ポート81aの数を異ならせてもよい。
【0062】
(5)上記各実施形態では、第2制御装置92は、第1ポート81aに物品Wを引き渡したことにより実搬送車10aから空搬送車10bに変化した全ての物品搬送車10を、第2待機区間61へ移動させる構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、第1ポート81aに物品Wを引き渡して空搬送車10bに変化した複数の物品搬送車10のうちの一部は、第2待機区間61に向かうことなく、主搬送経路4に合流走行するようにしてもよい。
【0063】
(6)上記各実施形態では、第1ポート81aから第1処理装置81による処理後の物品Wを搬出する場合には、合流部25において、空搬送車10bを優先的に通過させる構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、第1ポート81aから第1処理装置81による処理後の物品Wを搬出する場合に、合流部25において、空搬送車10bを優先的に通過させなくてもよい。例えば、第1待機区間51で待機する実搬送車10aの台数が、第2待機区間61で待機する空搬送車10bの台数よりも規定台数多い場合は、一旦、合流部25において、実搬送車10aを優先的に通過させ、第2経路42に合流走行させる構成とすることもできる。
【0064】
(7)上記各実施形態では、第2制御装置92は、第2待機区間61に空搬送車10bが待機していない場合には、第2待機区間61以外に位置している空搬送車10bを第1移載用位置23に向かわせる構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、第2制御装置92は、第2待機区間61に空搬送車10bが待機していない場合においても、第1待機区間51から第1ポート81aに移動して物品Wを引き渡した空搬送車10bが第2待機区間61に到着するのを待って、当該空搬送車10bを第1移載用位置23に向かわせてもよい。
【0065】
(8)上記第2実施形態では、第2分岐経路6は、第1分岐経路5に対して下流側の第2経路42から分岐する構成を例として説明したが、これには限定されない。例えば、第2分岐経路6は、第1分岐経路5に対して下流側の接続経路45や、第1分岐経路5に対して下流側の第1経路41から分岐させることもできる。
【0066】
(9)上記第3実施形態では、第2分岐経路6は、第1分岐経路5が接続されている第2経路42に隣接する第2経路42から分岐している構成を例として説明した。しかしこのような構成に限定されることなく、第2分岐経路6は、第1分岐経路5が接続されていない複数の第2経路42のうちのいずれかの第2経路42から分岐させることもできる。
【0067】
(10)なお、上述した各実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用すること(その他の実施形態として説明した実施形態同士の組み合わせを含む)も可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0068】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記において説明した荷卸し装置の概要について説明する。
【0069】
本開示に係る物品搬送設備は、予め定められた走行経路に沿って走行して物品を搬送する複数の物品搬送車を備えた物品搬送設備であって、
前記走行経路は、
複数の処理装置間を接続するように配置された主搬送経路と、
前記主搬送経路から分岐し、前記処理装置のポートに前記物品を移載するための位置である移載用位置を通り、前記主搬送経路に合流する第1分岐経路と、
前記移載用位置よりも下流で前記第1分岐経路から分岐し、又は前記主搬送経路から分岐し、前記移載用位置よりも上流で前記第1分岐経路に合流する第2分岐経路と、を備え、
前記物品を保持している前記物品搬送車を実搬送車とし、前記物品を保持していない前記物品搬送車を空搬送車として、
前記第1分岐経路における前記移載用位置よりも上流側に、前記実搬送車を待機させるための第1待機区間が設定され、
前記第2分岐経路に、前記空搬送車を待機させるための第2待機区間が設定されている
【0070】
本構成によれば、主搬送経路における物品搬送車の走行を妨げることなく、移載用位置に対して上流側に、実搬送車と空搬送車との双方を待機させておくことができる。これにより、処理装置のポートに処理後の物品が出てきた後、すぐに当該ポートに空搬送車を向かわせることができる。また、物品が搬出された後の処理装置のポートに実搬送車をすぐに向かわせて新たな物品を当該ポートに供給することができる。従って、処理装置に対する物品の搬入及び搬出を効率的に行うことができる。
ここで、第2分岐経路が第1分岐経路から分岐している場合、ポートに物品を移載した後の空搬送車は、主搬送経路における物品搬送車の走行を妨げることなく、すぐに第2待機区間に向かうことができる。
また、第2分岐経路が主搬送経路から分岐している場合、例えば、移載用位置に実搬送車が停車している状態でも、主搬送経路を走行する空搬送車が速やかに第2待機区間に向かうことができる。
このように本開示によれば、ポートの手前で待機する物品搬送車により主搬送経路における物品搬送車の通行が妨げられることを回避でき、処理装置に対する物品の搬送を効率的に行うことができる。
【0071】
ここで、前記第1分岐経路と前記第2分岐経路との合流部が、前記移載用位置に対して上流側に隣接配置されていると好適である。
【0072】
本構成によれば、第2待機区間に待機している空搬送車を、移載用位置に迅速に到達させ易い。従って、処理装置のポートに処理後の物品が出てきた後、すぐに当該物品を搬出することができる。
【0073】
また、前記第1待機区間と前記第2待機区間とのそれぞれは、複数台の前記物品搬送車が待機可能な長さを有すると好適である。
【0074】
本構成によれば、移載用位置の上流側に、複数台の実搬送車と複数台の空搬送車とを待機させることができる。従って、移載用位置に実搬送車及び空搬送車を速やかに向かわせることができる。よって、処理装置に対する物品の搬入及び搬出をより効率的に行うことが可能になる。
【0075】
また、前記第1分岐経路は、N(Nは2以上の整数)個の前記移載用位置を通り、
前記第1待機区間は、N台の前記実搬送車を待機させることができる長さを有し、
前記第2待機区間は、N台の前記空搬送車を待機させることができる長さを有すると好適である。
【0076】
本構成によれば、第1分岐経路が複数の移載用位置を通る場合において、これら複数の移載用位置の上流側に、移載用位置と同じ数の実搬送車及び空搬送車を待機させることができる。よって、複数の移載用位置のそれぞれに、実搬送車及び空搬送車を迅速に向かわせることができる。従って、処理装置に対する物品の搬入及び搬出を更に効率的に行うことができる。
【0077】
また、前記物品搬送車を制御する制御装置を更に備え、
前記制御装置は、前記ポートに前記物品を引き渡したことにより前記実搬送車から前記空搬送車に変化した前記物品搬送車を、前記第2待機区間へ移動させると好適である。
【0078】
本構成によれば、実搬送車から空搬送車に変化した物品搬送車は、物品を引き渡した移載用位置から第2分岐経路の第2待機区間に直接向かうことができる。従って、空搬送車の走行距離を短く抑えることができ、物品搬送設備の全体でのエネルギ効率を高め易い。
【0079】
また、前記物品搬送車を制御する制御装置を更に備え、
前記制御装置は、
前記ポートが前記物品を受け取り可能な状態である場合には、前記第1分岐経路と前記第2分岐経路との合流部において、前記実搬送車を優先的に通過させ、
前記ポートから前記処理装置による処理後の前記物品を搬出する場合には、前記合流部において、前記空搬送車を優先的に通過させると好適である。
【0080】
本構成によれば、ポートの状態に応じて実搬送車及び空搬送車のいずれか一方を優先して移載用位置に向かわせることができる。よって、物品を速やかにポートに搬入又はポートから搬出することができる。
【0081】
また、前記制御装置は、
前記ポートから前記処理装置による処理後の前記物品を搬出する場合であって、前記第2待機区間に前記空搬送車が待機している場合には、前記第2待機区間に待機している前記空搬送車を前記移載用位置に向かわせ、前記第2待機区間に前記空搬送車が待機していない場合には、前記第2待機区間以外に位置している前記空搬送車を前記移載用位置に向かわせると好適である。
【0082】
本構成によれば、第2待機区間に空搬送車が待機しているか否かの状況に応じて、適切に空搬送車を選択して移載用位置に向かわせることができる。
【0083】
本開示に係る物品搬送設備は、上述した各効果のうち、少なくとも1つを奏することができればよい。
【符号の説明】
【0084】
1 :物品搬送設備
2 :走行経路
4 :主搬送経路
5 :第1分岐経路
6 :第2分岐経路
10 :物品搬送車
10a :実搬送車
10b :空搬送車
23 :第1移載用位置(移載用位置)
25 :合流部
51 :第1待機区間
61 :第2待機区間
81 :第1処理装置(処理装置)
81a :第1ポート(ポート)
W :物品
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11