(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/25 20230101AFI20240918BHJP
H04W 72/0446 20230101ALI20240918BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20240918BHJP
H04W 72/54 20230101ALI20240918BHJP
H04W 92/18 20090101ALN20240918BHJP
【FI】
H04W72/25
H04W72/0446
H04W72/0453
H04W72/54 110
H04W92/18
(21)【出願番号】P 2022562787
(86)(22)【出願日】2020-04-14
(86)【国際出願番号】 CN2020084781
(87)【国際公開番号】W WO2021207944
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2023-04-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ ジャオバン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/174742(WO,A1)
【文献】特表2023-520706(JP,A)
【文献】国際公開第2018/028417(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/243966(WO,A1)
【文献】Qualcomm Incorporated,Discussion on QoS design for NR PC5 communication,3GPP TSG RAN WG2 #105 R2-1901729,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_105/Docs/R2-1901729.zip>,2019年02月15日
【文献】Intel Corporation,Summary#2 for AI 7.2.4.2.2 Mode-2 Resource Allocation,3GPP TSG RAN WG1 #97 R1-1907771,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_97/Docs/R1-1907771.zip>,2019年05月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末デバイスにおいて、第2の端末デバイスのサイドリンク送信パラメータに基づいて、前記第2の端末デバイスのサイドリンク送信用リソースが含まれるリソースプール内のリソースの占有を特定することと、
前記リソースの占有に関する情報を前記第2の端末デバイスに送信することと、
を含む、通信方法。
【請求項2】
前記第2の端末デバイスから、前記サイドリンク送信用リソースをスケジューリングするための要求を受信することと、
前記第2の端末デバイスの前記サイドリンク送信パラメータを取得することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の端末デバイスの前記サイドリンク送信パラメータを取得することは、
前記第1の端末デバイスにおいて予め設定された前記サイドリンク送信パラメータを取得することを含み、
前記サイドリンク送信パラメータは、前記リソースプールに関連付けられる、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記サイドリンク送信パラメータを取得することは、
前記要求から前記サイドリンク送信パラメータを取得することを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の端末デバイスの前記サイドリンク送信パラメータを取得することは、
前記要求に対する応答を前記第2の端末デバイスに送信することと、
前記第2の端末デバイスから前記サイドリンク送信パラメータを受信することと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の端末デバイスの前記サイドリンク送信パラメータを取得することは、
前記サイドリンク送信パラメータの一部を前記第2の端末デバイスから受信することと、
前記サイドリンク送信パラメータの前記一部と、前記第1の端末デバイスに記憶されたサイドリンク送信パラメータとに基づいて、前記サイドリンク送信パラメータを特定することと、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の端末デバイスの前記サイドリンク送信パラメータを取得することは、
前記第2の端末デバイスから、無線リソース制御シグナリングまたはMAC制御要素を介して前記第2の端末デバイスの前記サイドリンク送信パラメータを取得することを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記リソースプール内の前記リソースの占有を特定することは、
センシングウィンドウ内のサイドリンクチャネルをセンシングすることと、
前記センシングの結果から、第2の端末デバイスと異なる端末デバイスのサイドリンク制御情報及びサイドリンク測定値の少なくとも1つを取得することと、
前記サイドリンク送信パラメータと、前記サイドリンク制御情報及び前記サイドリンク測定値の少なくとも1つとに基づいて、前記リソースプール内の前記リソースの占有を特定することと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記リソースプール内の前記リソースの占有に関する前記情報を送信することは、
前記リソースプール内の前記リソースの占有を、所定の周波数粒度及び所定の時間粒度で示すビットマップを送信することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記所定の周波数粒度は、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)及び物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)の少なくとも1つにおける送信に使用されるサブチャネルの数であり、前記所定の時間粒度は、スロットまたはシンボルである、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の端末デバイスの前記サイドリンク送信パラメータは、レイヤ1優先度、利用可能なパケット遅延バジェット、スロット内のサイドリンク送信に使用されるサブチャネルの数、リソース予約インターバル、及び前記リソースプールに関連付けられる帯域幅パートインデックスのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の端末デバイス及び前記第2の端末デバイスの一方は、中継端末デバイスであり、前記第1の端末デバイス及び前記第2の端末デバイスの他方は、遠隔端末デバイスである、
請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、通信分野に関し、特に、通信のための方法、デバイス、及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
ある通信システムは、V2X(Vehicle to Everything)通信及びD2D(Device to Device)通信が実行可能である。V2X通信は、サイドリンク通信技術などの通信技術に基づくことができる。このために、サイドリンクリソースプール及びサイドリンクチャネルは、そのような通信に参加する車両のために確立され得る。
【0003】
V2X通信では、リソースの割当及び選択方式をそれぞれ指定する2つのサイドリンク送信モードがある。第1モード(以下、NR V2Xモード1またはモード1とも呼ばれる)において、一方の端末デバイスは、gNode Bなどのネットワークデバイスによって割り当てられたリソースを使用して、他方の端末デバイスとV2X通信を実行可能である。第2モード(以下、NR V2Xモード2またはモード2とも呼ばれる)において、端末デバイス同士は、予め設定されたリソースプールにおいて自律的に選択されたリソースを使用して、互いにV2X通信を行うことができる。V2X通信は、道路交通安全及び人身安全に密接に関連しているため、信頼性の向上、リソース協調の改善、及びサイドリンク通信における遅延の低減が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の例示的な実施形態は、一般にV2X通信におけるリソース協調の解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様では、通信方法が提供される。この方法は、第1の端末デバイスにおいて、第2の端末デバイスのサイドリンク送信パラメータに基づいて、前記第2の端末デバイスのサイドリンク送信用リソースが含まれるリソースプール内のリソースの占有を特定することを含む。この方法は、前記リソースの占有に関する情報を前記第2の端末デバイスに送信することをさらに含む。
【0006】
第2態様では、通信方法が提供される。この方法は、第2の端末デバイスにおいて、前記第2の端末デバイスのサイドリンク送信用リソースが含まれたリソースプール内のリソースの占有に関する情報を前記第1の端末デバイスから受信することを含み、前記情報は、前記第2の端末デバイスのサイドリンク送信パラメータに基づくものである。この方法は、前記リソースプールから、前記情報に基づいてサイドリンク送信用リソースセットを特定することをさらに含む。
【0007】
第3態様では、通信方法が提供される。この方法は、第1の端末デバイスにおいて、前記第1の端末デバイスのサイドリンク送信パラメータに基づいて、前記第1の端末デバイスのサイドリンク送信用リソースが含まれたリソースプール内のリソースの占有を特定することを含む。この方法は、第2の端末デバイスのサイドリンク送信用リソースを選択することを支援するために、前記リソースの占有に関する情報及び前記サイドリンク送信パラメータを第2の端末デバイスに送信することをさらに含む。
【0008】
第4態様では、通信方法が提供される。この方法は、第2の端末デバイスにおいて、第1の端末デバイスのサイドリンク送信用リソースが含まれたリソースプール内のリソースの占有に関する情報と、前記第1の端末デバイスのサイドリンク送信パラメータとを前記第1の端末デバイスから受信することをさらに含み、前記リソースの占有は、前記第1の端末デバイスのサイドリンク送信パラメータに基づいて特定される。この方法は、前記リソースプールから、前記情報と、前記第1の端末デバイスのサイドリンク送信パラメータと、前記第2の端末デバイスのサイドリンク送信パラメータとに基づいて、サイドリンク送信用リソースの第1セットを特定することをさらに含む。
【0009】
第5態様では、端末デバイスが提供される。この端末デバイスは、プロセッサと、命令を記憶するメモリとを備える。前記メモリ及び前記命令は、前記プロセッサによって、第1態様に係る方法を前記端末デバイスに実行させるように構成される。
【0010】
第6態様では、端末デバイスが提供される。この端末デバイスは、プロセッサと、命令を記憶するメモリとを備える。前記メモリ及び前記命令は、前記プロセッサによって、第2態様に係る方法を前記端末デバイスに実行させるように構成される。
【0011】
第7態様では、端末デバイスが提供される。この端末デバイスは、プロセッサと、命令を記憶するメモリとを備える。前記メモリ及び前記命令は、前記プロセッサによって、第3態様に係る方法を前記端末デバイスに実行させるように構成される。
【0012】
第8態様では、端末デバイスが提供される。この端末デバイスは、プロセッサと、命令を記憶するメモリとを備える。前記メモリ及び前記命令は、前記プロセッサによって、第4態様に係る方法を前記端末デバイスに実行させるように構成される。
【0013】
第9態様では、命令が記憶されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、デバイスの少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、第1態様に係る方法を前記デバイスに実行させる。
【0014】
第10態様では、命令が記憶されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、デバイスの少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、第2態様に係る方法を前記デバイスに実行させる。
【0015】
第11態様では、命令が記憶されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、デバイスの少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、第3態様に係る方法を前記デバイスに実行させる。
【0016】
第12態様では、命令が記憶されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、デバイスの少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、第4態様に係る方法を前記デバイスに実行させる。
【0017】
なお、上記の発明の概要は、本開示の実施形態の主要なまたは本質的な特徴を特定するものでもなく、本開示の範囲を限定するものでもない。本開示の他の特徴は、以下の説明により容易に理解できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
添付図面を参照しながら本開示のいくつかの実施形態をより詳細に説明することを通して、本開示の上記及び他の目的、特徴、及び利点がより明らかになる。
【0019】
【
図1】
図1は、本開示のいくつかの実施形態を実施可能な通信環境の模式図である。
【0020】
【
図2】
図2は、本開示のいくつかの実施形態に係るリソース協調プロセスの一例を示すシグナリングチャートである。
【0021】
【
図3】
図3は、本開示のいくつかの実施形態に係る方法の一例を示すフローチャートである。
【0022】
【
図4】
図4は、本開示のいくつかの実施形態に係るリソースプールにおけるリソースの占有を示す模式図である。
【0023】
【
図5】
図5は、本開示のいくつかの実施形態に係る方法の別の例を示すフローチャートである。
【0024】
【
図6】
図6は、本開示のいくつかの実施形態に係るリソース協調プロセスの一例を示すシグナリングチャートである。
【0025】
【
図7】
図7は、本開示のいくつかの実施形態に係る方法の一例を示すフローチャートである。
【0026】
【
図8A】
図8Aは、リソースプール内のリソースの占有を特定するための第1の特定方式を示す模式図である。
【0027】
【
図8B】
図8Bは、リソースプール内のリソースの占有を特定するための第2の特定方式を示す模式図である。
【0028】
【
図8C】
図8Cは、リソースプール内のリソースの占有を特定するための第3の特定方式を示す模式図である。
【0029】
【
図9】
図9は、本開示のいくつかの実施形態に係る方法の一例を示すフローチャートである。
【0030】
【
図10】
図10は、本開示のいくつかの実施形態の実行に適したデバイスの簡略化されたブロック図である。
【0031】
図中、同一または類似の参照符号は、同一または類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本開示の原理を、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明する。なお、これらの実施形態は、例示の目的のみで記載され、当業者が本開示を理解して実施するためのものであって、本開示の範囲を限定するものではない。本明細書で説明される開示は、以下に説明されるもの以外の様々な態様で実施されることができる。
【0033】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者にとって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0034】
本明細書で使用されている用語「端末デバイス」とは、無線または有線通信機能を有する任意のデバイスを指す。端末デバイスの例として、ユーザ機器(UE:User Equipment)、パーソナルコンピュータ、デスクトップ、移動電話、セルラー電話、携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)、ポータブルコンピュータ、タブレット、ウェアラブルデバイス、IoT(internet of things)デバイス、IoE(Internet of Everything)デバイス、マシンタイプ通信(MTC:Machine Type Communication)デバイス、V2X(ここで、「X」とは、歩行者、車両、またはインフラストラクチャー/ネットワークを指す)通信用車載デバイス、デジタルカメラなどの画像キャプチャデバイス、ゲームデバイス、音楽記憶及び再生機器、または無線や有線インターネットアクセス及びブラウジングを可能にするインターネット機器等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
本明細書で使用される用語「ネットワーク装置」または「基地局」(BS:base station)とは、端末デバイスが通信できるセルまたはカバレッジを提供またはホストすることができる装置を指す。ネットワーク装置の例としては、ノードB(NodeBまたはNB)、Evolved NodeB(eNodeBまたはeNB)、次世代ノードB(gNB:next generation NodeB)、送受信ポイント(TRP:Transmission Reception Point)、リモート無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)、無線ヘッド(RH:Radio Head)、リモート無線ヘッド(RRH:Remote Radio Head)、フェムトノード、ピコノードなどの低電力ノード等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
本明細書で使用される用語「リソース」、「送信リソース」、「リソースブロック」、「物理リソースブロック」、「アップリンクリソース」または「ダウンリンクリソース」とは、端末デバイス間や、端末デバイスとネットワーク装置間の通信を行うための任意のリソースを指す。例えば、時間領域内のリソース、周波数領域内のリソース、空間領域内のリソース、コード領域内のリソース、または通信を可能にする任意の他のリソースなどが挙げられる。以下では、送信リソースの一例として、周波数領域のリソース及び時間領域のリソースを使用して、本開示のいくつかの実施形態を説明する。なお、本開示の実施形態は、他の領域における他のリソースにも同等に適用可能である。
【0037】
本明細書で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が単数形であることを明確に示さない限り、複数形も含むことを意図している。用語「含む(include)」及びその変形は、「・・・を含むが、これに限定されない」ことを意味するオープンな用語として読み取られる。「に基づく(based on)」という用語は、「少なくとも部分的に基づく(at least in part based on)」として読み取られる。「一(one)実施形態」及び「一(a)実施形態」という用語は、「少なくとも一つの実施形態」として読み取られる。「別の実施形態」という用語は、「少なくとも一つの別の実施形態」として読み取られる。
【0038】
本明細書では、様々な要素を説明するために、「第1の(first)」、「第2の(second)」等の用語が使用されるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、1つの要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。例えば、例示的な実施形態の範囲内において、第1の要素は、第2の要素と称され得、同様に、第2の要素は、第1の要素と称され得る。本明細書で使用される「及び/または」という用語は、列挙された用語のうちのいずれか1つまたは複数による組み合わせのすべてを含む。
【0039】
いくつかの例では、値、手順、または装置は、「最もよい」、「最も低い」、「最も高い」、「最小」、「最大」などとして言及される。そのような説明は、多くの使用される機能的選択肢から選択可能であるが、このような選択は、必ずしも他の選択に比べてより良い、より小さい、より高い、またはより好ましいことを示すわけではない。
【0040】
上記のように、端末デバイス同士は、モード2において、予め設定されたリソースプールにおいて自律的に選択されたリソースを使用して、互いにV2X通信を行うことができる。V2X通信には、通信の信頼性及び時間遅延が重要であるため、端末デバイスは、通信を行う前にリソースプール内の利用可能なリソースを特定しなければならない。通常、端末デバイスは、センシングウィンドウ内のサイドリンクチャネルをセンシングして、サイドリンク制御情報(SCI:sidelink control information)、及び該端末デバイスに近接する他の端末デバイスからのレイヤ1基準信号受信電力(L1 RSRP:reference signal received powerとも呼ばれる)などのサイドリンク測定値を取得する。このようなセンシング結果は、V2X通信システムにおける他の端末デバイスによるリソースプール内のリソースの占有を示す。
【0041】
V2X通信において、複数の端末デバイスの間で端末デバイス間の協調が行われる。特に、端末デバイスは、L1優先度、利用可能なパケット遅延バジェット、スロット内のサイドリンク送信に使用されるサブチャネルの数、リソース予約インターバル、リソースプールに関連付けられる帯域幅パートインデックスなどの、自身の送信パラメータを使用してサイドリンクチャネルをセンシングすることにより、リソースプール内の使用されたリソースを排除する。そして、該端末デバイスは、他の端末デバイスのV2X通信用リソースを選択するために、占有されていないリソースセットを特定し他の端末デバイスに示すことができる。しかし、2つの端末デバイスのサイドリンク送信パラメータが異なる場合、センシング結果が不精確になる恐れがある。その結果、該端末デバイスの送信パラメータに基づいて特定された候補リソースセットが、他の端末デバイスのサイドリンク送信に適さない場合がある。
【0042】
本開示のいくつかの実施形態は、上記の問題及びその他の潜在的ないくつかの問題を解決するために、V2X通信におけるリソース協調のための解決策を提供する。この解決策によれば、第1の端末デバイスは、第2の端末デバイスのサイドリンク送信パラメータに基づいて、第2の端末デバイスのサイドリンク送信用リソースが含まれるリソースプール内のリソースの占有を特定する。第1の端末デバイスは、リソースの占有に関する情報を第2の端末デバイスに送信する。第2の端末デバイスは、第1の端末デバイスから情報を受信すると、該情報に基づいて、リソースプールからサイドリンク送信用リソースのセットを特定する。これにより、第1の端末デバイスと第2の端末デバイスとの間のサイドリンクリソースの協調を実現し、リソースの衝突を回避することができる。また、V2X通信の信頼性及び遅延を大幅に改善することができる。
【0043】
図1は、本開示のいくつかの実施形態が実行され得る例示的な通信ネットワーク100を示す模式図である。
図1に示すように、通信ネットワーク100は、端末デバイス110(「第1の端末デバイス110」と称する)と、端末デバイス120-1及び端末デバイス120-2(「第2の端末デバイス120」と総称するか、個別に「第2の端末デバイス120」と称する)。なお、通信ネットワーク100は、ネットワーク装置(図示せず)をさらに含んでもよい。ネットワーク装置は、第1の端末デバイス110及び第2の端末デバイス120と、それぞれの無線通信チャネルを介して通信可能である。なお、
図1におけるデバイスの数は、一例であって、本開示を限定するものではない。通信ネットワーク100は、本開示の実行に適用する任意の好適な数のネットワーク装置及び/または端末デバイスを含んでもよい。
【0044】
図1では、第1の端末デバイス110及び第2の端末デバイス120は、V2X通信可能な車両として示されている。なお、本開示の実施形態は、移動電話、センサなどの車両以外の端末デバイスにも適用可能である。
【0045】
いくつかの実施形態では、第1の端末デバイス110は、端末デバイス120-1と既にサイドリンクを確立している。つまり、第1の端末デバイス110と、端末デバイス120-1との間で進行中の通信セッションを確立している。この場合、端末デバイス120-1は、セッション内端末デバイスと呼ばれる。
【0046】
他の実施形態では、第1の端末デバイス110は、端末デバイス120-2とのサイドリンクを確立していない。換言すれば、第1の端末デバイス110と、端末デバイス120-1との間で進行中の通信セッションを確立していない。この場合、端末デバイス120-1は、セッション外端末デバイスと呼ばれる。
【0047】
第2の端末デバイス120-1は、リソース協調手順を開始するために、自身のサイドリンク送信用リソースをスケジューリングするための要求を第1の端末デバイス110に送信する。第1の端末デバイス110は、該要求を受信すると、ACK応答等の応答を第2の端末デバイス120-1に送信する。このように、第1の端末デバイス110と第2の端末デバイスとの間で協調アソシエーションが確立される。そして、端末デバイス間の協調が開始される。
【0048】
通信ネットワーク100において、1つの端末デバイスは、1つ以上の他の端末デバイスと協調アソシエーションを確立してもよい。つまり、1つの端末デバイスは、1つ以上の端末デバイスにリソース協調を提供してもよく、或いは、該1つの端末デバイスは、1以上の端末デバイスからリソース協調を提供されてもよい。
【0049】
例えば、第1の端末デバイス110がリソース協調手順を開始する場合、第2の端末デバイス120-1及び120-2の両方が第1の端末デバイス110にリソース協調を提供可能である。この場合、第1の端末デバイス110は、第2の端末デバイス120-1及び120-2のうち、リンク品質が最も良いものを選択して協調アソシエーションを確立してもよい。また、2つ以上の第2の端末デバイス120が存在する場合、第1の端末デバイス110は、リンク品質が所定の閾値以上である第2の端末デバイス120を1つ以上選択して協調アソシエーションを確立してもよい。リンク品質は、例えば、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)、物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH)、物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)、及びPC5インタフェース上で測定された物理サイドリンク発見チャネル(PSDCH)のL3フィルタRSRPまたは参照信号受信品質(RSRQ)である。
【0050】
他の例として、第1の端末デバイス110は、第2の端末デバイス120-1及び120-2の両方からリソースをスケジューリングするための要求を受信する。第1の端末デバイス110は、第2の端末デバイス120-1及び120-2のうち、リンク品質が最も良いものを選択するか、またはリンク品質が所定の閾値以上である一つ以上の第2の端末デバイス120を選択して協調アソシエーションを確立する。
【0051】
いくつかの実施形態において、例えば、セルのカバレッジがない場合や通信品質が悪い場合には、第1の端末デバイス110及び第2の端末デバイス120のうちの一つが中継端末デバイスとして機能し、残りの第1の端末デバイス110及び第2の端末デバイス120が遠隔端末デバイスとして機能する。第1の例では、第1の端末デバイス110が中継端末デバイスであり、第2の端末デバイス120が遠隔端末デバイスである。第1の端末デバイス110がリソース協調を行いたい場合、リソースをスケジューリングするための要求を自身の遠隔端末デバイスである第2の端末デバイス120-1及び120-2の少なくとも1つに送信することが好ましい。また、第1の端末デバイス110がリソース協調を提供可能な場合には、自身の遠隔端末デバイスを含む他の端末デバイスからリソースをスケジューリングするための要求を受信する。好ましくは、第2の端末デバイス120-1及び120-2のうちの少なくとも1つにリソース協調を提供する。
【0052】
この例では、第2の端末デバイス120の観点から、第2の端末デバイス120がリソース協調を行いたい場合、リソース協調を提供可能な他の端末デバイスに対して、自身の中継端末デバイスである第1の端末デバイス110にリソースをスケジューリングするための要求を送信することが好ましい。また、第2の端末デバイス120がリソース協調を提供可能な場合には、自身の中継端末デバイスを含む他の端末デバイスからリソースをスケジューリングするための要求を受信する。好ましくは、第1の端末デバイス110にリソース協調を提供する。
【0053】
第2の例では、第1の端末デバイス110が遠隔端末デバイスであり、第2の端末デバイス120が中継端末デバイスである。第1の端末デバイス110がリソース協調を行いたい場合、リソース協調を提供可能な他の端末デバイスに対して、自身の中継端末デバイスである第2の端末デバイス120にリソースをスケジューリングするための要求を送信することが好ましい。また、第1の端末デバイス110がリソース協調を提供可能な場合には、自身の中継端末デバイスを含む他の端末デバイスからリソースをスケジューリングするための要求を受信する。好ましくは、第2の端末デバイス120にリソース協調を提供する。
【0054】
この例では、第2の端末デバイス120の観点から、第2の端末デバイス120がリソース協調を行いたい場合、リソース協調を提供可能な他の端末デバイスについて、第1の端末デバイス110を含む自身の遠隔端末デバイスにリソースをスケジューリングするための要求を送信することが好ましい。また、第2の端末デバイス120がリソース協調を提供可能な場合には、自身の中継端末デバイスを含む他の端末デバイスからリソースをスケジューリングするための要求を受信する。好ましくは、第1の端末デバイス110にリソース協調を提供する。
【0055】
第1の端末デバイス110及び第2の端末デバイス120のいずれかについて、上位層は、リソースセンシング手順をトリガーして、サイドリンク送信パラメータを物理層に送信する。物理層は、サイドリンク送信パラメータに基づいてサイドリンクチャネルをセンシングし、センシング結果を上位層に返信する。そして、上位層は、センシング結果に基づいて、リソースプールからサイドリンク送信用リソースを選択する。第1の端末デバイス110及び第2の端末デバイス120のいずれかがセンシング不可能である場合、サイドリンク送信用リソースは、サイドリンクリソースプールからランダムに選択される。或いは、例えば、第2の端末デバイス120がセンシング機能が備えられていないが、第1の端末デバイス110は、第2の端末デバイス120のためのサイドリンクチャネルをセンシングする。
【0056】
通信ネットワーク100における通信は、モバイル通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、LTEエボリューション(LTE-Evolution)、LTEアドバンスト(LTE-A:LTE-Advanced)、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA:Wideband Code Division Multiple Access)、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN:GSM EDGE Radio Access Network)、マシン型通信(MTC:Machine Type Communication)などを含む任意の適切な規格に準拠してもよいが、これらに限定されない。また、これらの通信は、従来の、またはこれから開発される任意世代の通信プロトコルに従って実施可能である。通信プロトコルは、例えば、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)の通信プロトコルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
図2は、本開示のいくつかの実施形態に係るリソース協調プロセス200を一例として示す例示的なシグナリングチャートである。
図2に示すように、プロセス200は、
図1に示される第1の端末デバイス110及び第2の端末デバイス120に関わる。なお、プロセス200は、図示しない他の動作を含んでもよく、及び/または図示したいくつかの動作を省略してもよい。本開示の範囲は、これに限定されない。さらに、プロセス200は、本明細書において連続的に実行されるが、少なくとも一部の動作が、同時にまたは
図2に示した順と異なる順で実行されてもよい。
【0058】
図2に示すように、第2の端末デバイス120は、協調アソシエーションを確立するために、サイドリンク送信用リソースをスケジューリングするための要求を第1の端末デバイス110に送信する(210)。第1の端末デバイスは、該要求を受信すると、例えば、該要求に対するACK応答を第2の端末デバイス120に送信する(220)。これにより、第1の端末デバイス110と第2の端末デバイス120との協調アソシエーションが確立される。第1の端末デバイス110は、第2の端末デバイス120のサイドリンク送信パラメータを取得する(230)。
【0059】
第1の端末デバイス110は、複数の方式で第2の端末デバイス120のサイドリンク送信パラメータを取得することができる。いくつかの実施形態では、第2の端末デバイス120のサイドリンク送信パラメータは、第1の端末デバイス110において予め設定されている。この場合、サイドリンク送信パラメータは、第2の端末デバイス120のサイドリンク送信用に既定したリソースプールに関連付けられる。
【0060】
他の実施形態では、第2の端末デバイス120のサイドリンク送信パラメータは、PC5無線リソース制御(RRC:radio resource control)シグナリング、またはMAC制御要素などの上位層シグナリングを介して第2の端末デバイス120から送信される。例えば、サイドリンク送信パラメータは、リソースをスケジューリングするための要求と共に送信される。別の例では、サイドリンク送信パラメータは、第2の端末デバイス120の要求に対する応答を受信した後に送信される。
【0061】
シグナリングオーバーヘッドを節約するために、第2の端末デバイス120は、サイドリンク送信パラメータの一部、例えば、予め第1の端末デバイス110に送信されたサイドリンク送信パラメータに対するサイドリンク送信パラメータの変更された部分を送信してもよい。この例では、第1の端末デバイス110は、第2の端末デバイス120からサイドリンク送信パラメータの一部を受信すると、記憶されたサイドリンク送信パラメータを更新して、このサイドリンク送信パラメータの一部と、第1の端末デバイスに記憶されたサイドリンク送信パラメータとに基づいて、サイドリンク送信パラメータを特定する。
【0062】
第1の端末デバイス110は、第2の端末デバイス120のサイドリンク送信パラメータに基づいて、リソースプール内のリソースの占有を特定する(240)。特に、いくつかの実施形態では、第1の端末デバイスは、センシング ウィンドウ内のサイドリンクチャネルをセンシングする。センシング ウィンドウにおいて、第1の端末デバイス110は、第2の端末デバイス120と異なる端末デバイス、例えば、第1の端末デバイス自体または第3の端末デバイス(図示せず)のサイドリンク制御情報(SCI:sidelink control information)及びサイドリンク測定値の少なくとも1つを取得する。リソースプール内のリソースの占有は、第2の端末デバイス120のサイドリンク送信パラメータに基づいて、第1の端末デバイス110において特定される。
【0063】
第1の端末デバイス110は、第2の端末デバイス120にリソースの占有に関する情報を送信する(250)。第2の端末デバイス120は、該情報を受信すると、該情報に基づいて、リソースプールからサイドリンク送信用のリソースセットを特定する(260)。該情報は、様々な形態であってもよく、以下でより詳細に説明される。
【0064】
本開示の実施形態によれば、候補リソースセットは、第2の端末デバイス120のサイドリンク送信パラメータに基づいて第1の端末デバイス110において特定されることにより、UE間協調の実現性及びリソースセンシングの精度が向上する。
【0065】
図3は、本開示のいくつかの実施形態に係るUE間協調の方法300を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、該方法300は、
図1に示すような第1の端末デバイス110及び第2の端末デバイス120などの端末デバイスにおいて実施することができる。加えてまたは代替的に、該方法300は、
図1に示されていない他の端末デバイスにおいても実施することができる。議論のために、一般性を損なわないよう、該方法300は、
図1を参照して、第1の端末デバイス110によって実行されるものとして説明される。
【0066】
ブロック310において、第1の端末デバイス110は、第2の端末デバイス120のサイドリンク送信パラメータに基づいて、リソースプール内のリソースの占有を特定する。V2X通信システムにおいて、1つ以上のリソースプールは、サイドリンク送信用リソースを提供するためのネットワーク装置によって予め構成される。該リソースプールは、リソースプールインデックスによって識別されてもよいし、帯域幅パートインデックスに関連付けられてもよい。いくつかの実施形態では、該リソースプールは、第2の端末デバイス120のサイドリンク送信用リソースを含む。
【0067】
ブロック320において、第1の端末デバイス110は、リソースの占有に関する情報を第2の端末デバイス120に送信する。上述したように、このような情報は、複数の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、該情報の形態は、リソースプール内のリソースの占有を、所定の周波数粒度及び所定の時間粒度で示すビットマップである。この例では、ビットマップの周波数粒度は、PSSCH及びPSCCHの少なくとも一方の送信に使用されるサブチャネルの数であり、時間粒度は、スロットまたはシンボルである。
【0068】
図4は、本開示のいくつかの実施形態に係るリソースプールにおけるリソースの占有を示す模式図である。
図4に示すように、斜線パターンのブロック、例えばブロック410は、リソースプール内に占有された時間-周波数リソースを表す。ブランクブロック、例えばブロック420は、第2の端末デバイス120のサイドリンク通信に利用可能な占有されていない時間-周波数リソースを表す。情報がビットマップの形態である実施形態では、ビット0は、対応するリソースが占有されていないことを示し、ビット1は、対応するリソースが占有されていないことを示しており、その逆も同様である。また、ビットマップの長さは、例えば、L=T*(B-L_
subCH+1)として定義される。ここで、Tは、第1の端末デバイス110の選択画面におけるスロット/シンボルの数である。Bは、リソースプール内のサブチャネル数を示し、L_
subCHは、サイドリンク送信に使用されるサブチャネル数を示す。例えば、T=8、B=3、L_
subCH=2の場合、
図4に示す占有を示すビットマップは、[0011001100110011]または[01010101010101]である。
【0069】
図5は、本開示のいくつかの実施形態に係るUE間協調の方法500を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、該方法500は、
図1に示すような第1の端末デバイス110及び第2の端末デバイス120などの端末デバイスにおいて実施することができる。加えてまたは代替的に、該方法500は、
図1に示されていない他の端末デバイスにおいても実施することができる。議論のために、一般性を損なわないよう、該方法500は、
図1を参照して、第2の端末デバイス120によって実行されるものとして説明される。
【0070】
ブロック510において、第2の端末デバイス120は、リソースプール内のリソースの占有に関する情報を第1の端末デバイス110から受信する。該リソースプールは、第2の端末デバイス120のサイドリンク送信用リソースを提供するように構成される。この例では、該情報は、第2の端末デバイス120のサイドリンク送信パラメータに基づくものである。
【0071】
ブロック520において、第2の端末デバイスは、該情報に基づいて、リソースプールからサイドリンク送信用リソースのセットを特定する。特に、第2の端末デバイスは、該情報に基づいてリソースプールにおける占有されていないリソースを特定する。例えば、
図4に示すような占有である場合、ビットマップを復号すると、第2の端末デバイス120は、ブロック420などのブランクパターンに示される時間周波数リソースを、そのサイドリンク送信用リソースの候補として特定する。第2の端末デバイス120は、全ての占有されていないリソースを使用してもよく、或いは、サイドリンク送信を実行するために占有されていないリソースからリソースのセットを選択してもよい。
【0072】
図6は、本開示のいくつかの実施形態に係るリソース協調の別の例であるプロセス600を示すシグナリングチャートである。
図6に示すように、プロセス600は、
図1に示された第1の端末デバイス110及び第2の端末デバイス120に関わる。なお、プロセス600は、図示しない他の動作を含んでもよく、及び/または図示したいくつかの動作を省略してもよい。本開示の範囲は、これに限定されない。さらに、プロセス600は、本明細書において連続的に実行されるが、少なくとも一部の動作が、同時にまたは
図6に示した順と異なる順序で実行されてもよい。
【0073】
図6に示すように、第2の端末デバイス120は、協調アソシエーションを確立するために、サイドリンク送信用リソースをスケジューリングするための要求を第1の端末デバイス110に送信する(610)。第1の端末デバイスは、該要求を受信すると、例えば、該要求に対するACK応答を第2の端末デバイス120に送信する(620)。これにより、第1の端末デバイス110と第2の端末デバイス120との協調アソシエーションが確立される。ステップ610及び620は、
図2に示したステップ210及び220と同様の任意のステップである。例えば、第1の端末デバイス110と第2の端末デバイス120との間で通信接続または協調アソシエーションが既に確立されている場合、ステップ610及び620が省略される。
【0074】
第1の端末デバイス110は、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信パラメータに基づいて、リソースプール内のリソースの占有を特定する(630)。この例では、リソースプールは、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信用リソースを提供するように構成される。
【0075】
リソースの占有の特定に使用されるサイドリンク送信パラメータは様々であり、例えば、L1優先度、利用可能なパケット遅延バジェット、スロット内のサイドリンク送信に使用されるサブチャネルの数、リソース予約インターバル、リソースプールインデックス、またはリソースプールに関連付けられる帯域幅パートインデックスなどを含むが、これらに限定されない。なお、送信パラメータは、環境、通信規格、プロトコル、要件、及び/または他の関連要因に応じて変更可能である。即ち、本明細書に記載されるサイドリンク送信パラメータは例であり、本開示の態様に限定されるものではない。
【0076】
いくつかの実施形態では、リソースの占有を特定するために、第1の端末デバイス110は、そのセンシングウィンドウ内におけるPSCCHまたはPSSCHなどのサイドリンクチャネルをセンシングする。上述したように、第1の端末デバイス110は、そのセンシングウィンドウにおいて、第2の端末デバイス120と異なる端末デバイス、例えば、第1の端末デバイス自体または第3の端末デバイス(図示せず)のSCI及びサイドリンク測定値の少なくとも1つを取得する。プロセス200と異なって、本実施形態では、第1の端末デバイス110は、次いで、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信パラメータと、サイドリンク制御情報及びサイドリンク測定値の少なくとも1つとに基づいて、リソースプール内のリソースの占有を特定する。
【0077】
他の実施形態では、例えば、第1の端末デバイスがセンシング不可能または第2の端末デバイス120からサイドリンク送信パラメータが受信されていない場合、或いは、RRCからの構成に従う場合、第1の端末デバイス110は、第1の端末デバイス110が占有するリソースのセットとして、ある時間帯における占有されていない時間リソースを特定する。
【0078】
第1の端末デバイス110は、第2の端末デバイスによる自身のサイドリンク送信用リソースの選択を支援するために、リソースの占有に関する情報及び第1の端末デバイス110のサイドリンク送信パラメータを第2の端末デバイスに送信する。第1の端末デバイス110によるサイドリンク送信パラメータの送信タイミングは、自由である。いくつかの実施形態では、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信パラメータは、PC5 RRCシグナリングまたはMAC制御要素などの上位層シグナリングを介してリソースの占有に関する情報とともに送信される。他の実施形態では、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信パラメータは、情報の送信後に送信される。本開示は、この態様に限定されない。
【0079】
情報が受信されると、第2の端末デバイス120は、該情報と、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信パラメータと、第2の端末デバイス120のサイドリンク送信パラメータとに基づいて、リソースプールから、サイドリンク送信用リソースのセットを特定する(650)。該特定(650)の詳細については後述する。
【0080】
本開示の実施形態によれば、第2の端末デバイス120は、自身のサイドリンク送信パラメータを予め第1の端末デバイス110に送信する必要がない。第1の端末デバイス110の観点からは、第1の端末デバイス110は第2の端末デバイス120に対して追加のセンシング処理を行う必要がない。リソースプール内における自身のリソースの占有に関する情報に加えて、その情報の特定に使用されるサイドリンク送信パラメータも、第2の端末デバイス120に提供されることにより、第2の端末デバイス120は、この情報を考慮するか否かを判断してから、自身のサイドリンク送信用リソースを選択する。その結果、第1の端末デバイス110と第2の端末デバイス120との間のリソース協調手順は、より相応しくかつより効果的であり、V2X通信の信頼性を向上させ、遅延を低減する。
【0081】
図7は、本開示のいくつかの実施形態に係るUE間協調の方法700を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、該方法700は、
図1に示すような第1の端末デバイス110及び第2の端末デバイス120などの端末デバイスにおいて実施することができる。加えてまたは代替的に、該方法700は、
図1に示されていない他の端末デバイスにおいても実施可能である。議論のために、一般性を損なわないよう、該方法700は、
図1を参照して、第1の端末デバイス110によって実行されるものとして説明される。
【0082】
ブロック710において、第1の端末デバイス110は、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信パラメータに基づいて、リソースプール内のリソースの占有を特定する。リソースプール内におけるリソースの占有の特定方法は様々である。いくつかの実施形態では、第1の端末デバイス110は、既に端末デバイス120-1とサイドリンクを確立している。つまり、第1の端末デバイス110と第2の端末デバイス120との間に、ユニキャストリンクやグループキャストリンクなどのセッション内リンクが存在している。第1の端末デバイス110は、一定時間帯において自身のサイドリンク送信に占有されるリソースのセットを特定する。
【0083】
いくつかの実施形態では、サイドリンク送信を周期的に行う第1の端末デバイス110は、第1の端末デバイス110の送信が行われるスロットまたはシンボルを特定する。
図8Aは、リソースプール内のリソースの占有を特定するための第1の特定方式を示す模式図である。
図8Aに示すように、第1の端末デバイス110は、スロットインデックス0、1、2、インターバルI
1、及び第1の端末デバイス110が占有するスロット数またはシンボル数を第2の端末デバイス120に送信する。或いは、第1の端末デバイス110は、インターバルI
1と、第1の端末デバイス110が占有するスロット数またはシンボル数と、上位層シグナリングが示す基準時間T
0に対するオフセットT
offsetとを、第2の端末デバイス120に送信する。
【0084】
他の実施形態では、第1の端末デバイス110は、第1の特定方式に従って、第1の端末デバイス110の送信が行われるまたは予約されるスロットまたはシンボルのセットを特定する。
図8Bは、リソースプール内のリソースの占有を特定するための第2の特定方式を示す模式図である。
図8Bに示すように、第1の端末デバイス110は、時刻T
1において、第2の端末デバイス120からリソースをスケジューリングするための要求を受信する。時刻T
2において、第1の端末デバイス110は、第1のスロットセットn
1が予約されることを特定する。時刻T
3において、第1の端末デバイス110は、将来の第1の端末デバイス110の送信用に第2のスロットセットn
2が選択されることを特定する。スロットセットn
1及びn
2は、1つ以上のスロットを含む。セットn
1及びn
2の特定は、第1の端末デバイス110の上位層から由来してもよい。時刻T
4において、第1の端末デバイス110は、リソースの占有に関する情報を第2の端末デバイス120に送信する。第1の端末デバイス110は、占有されるリソースのセットとして、第1の時間帯T
4-T
1における占有されていない時間リソースを特定する。この例では、第1の端末デバイス110は、占有されるリソースのセットとして、選択されたまたは予約されたリソーススロットn
1及びn
2の全部または一部を特定する。
【0085】
さらに他の実施形態では、第1の端末デバイス110は、第2の特定方式に従って、第1の端末デバイス110の送信が行われる、または予約されるスロットまたはシンボルのセットを特定する。
図8Cは、リソースプール内のリソースの占有を特定する第3の特定方式を示す模式図である。
図8Cに示すように、時刻T
1において、第1の端末デバイス110は、リソースをスケジューリングするための要求を第2の端末デバイス120から受信する。時刻T
2-T
4において、第1の端末デバイス110は、第1の端末デバイス110の将来の送信用に予約されるまたは選択されるスロットセットn
1、n
2及びn
3をそれぞれ特定する。時刻T
5において、第1の端末デバイス110は、リソースの占有に関する情報を第2の端末デバイス120に送信する。加えて、上位層シグナリングを介して構成される第1の端末デバイス110の処理時間と、所定の時間オフセット(例えば、タイミングアドバンスオフセット、フレーム境界時間オフセット等)の少なくとも一方を考慮して、第1の端末デバイス110は、リソースの占有のセットを特定する際に、時点T
2’から時点T
5までの第2の時間帯に受信される指示のみを考慮する。つまり、第1の端末デバイス110は、所定の時間帯T
2’-T
1の間に特定されたリソースの占有を抜かして、占有されるリソースのセットとして、セットn
2及びn
3に含まれるスロットの全部または一部を特定する。最後のスロットのセットが特定された時点から情報が送信された時点までの時間帯、すなわち、この例では、時間帯T
5-T
4は、上位層によって構成される、または第1の端末デバイス110の処理時間に関連付けられる時間帯より大きいでなければならない。
【0086】
さらに他の実施形態では、例えば、第1の端末デバイス110がセンシング不可能である場合、第2の端末デバイス120からサイドリンク送信パラメータが受信されない。或いは、RRCシグナリングを介した構成に従う場合、第1の端末デバイス110は、第1の端末デバイス110が占有するリソースのセットとして、ある時間帯における占有されていない時間リソースを特定することによって、リソースプール内のリソースの占有を特定する。
【0087】
ブロック720において、第1の端末デバイス110は、リソースの占有に関する情報と、自身のサイドリンク送信パラメータを第2の端末デバイス120に送信する。上述したように、そのような情報の形態が様々である。いくつかの実施形態では、該情報の形態は、
図4に示すように、リソースプール内のリソースの占有を、所定の周波数粒度及び所定の時間粒度で示すビットマップである。
【0088】
他の実施形態では、第1の端末デバイス110は、PC5 RRCシグナリングなどの上位層シグナリングを介して、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信に占有されるリソースのセットを示す情報を送信する。例えば、8Aに示すように、サイドリンク送信が定期的に行われる第1の端末デバイス110は、インデックスと、インターバルと、第1の端末デバイス110が占有するスロット数またはシンボル数とを第2の端末デバイス120に送信する。別の例では、第1の端末デバイス110は、インターバルと、第1の端末デバイス110が占有するスロット数またはシンボル数と、上位層シグナリングが示す基準時間に対するオフセットとを第2の端末デバイス120に送信する。
図8B及び8Cの場合、第1の端末デバイス110は、リソースのセットを示す情報として、第1の時間帯T
4-T
1または第2の時間帯T
5-T
2’の間に特定されたスロットのスロットインデックスを送信する。
【0089】
シグナリングオーバーヘッドを節約するために、第1の端末デバイス110は、サイドリンク送信パラメータの一部、例えば、以前第2の端末デバイス120に送信されたサイドリンク送信パラメータに対するサイドリンク送信パラメータの変更された部分を送信する。この例では、第2の端末デバイス120は、サイドリンク送信パラメータの該部分を第1の端末デバイス110から受信すると、記憶されたサイドリンク送信パラメータを更新し、サイドリンク送信パラメータの該部分と、第2の端末デバイス120に記憶されたサイドリンク送信パラメータとに基づいてサイドリンク送信パラメータを特定する。
【0090】
図9は、本開示のいくつかの実施形態に係るUE間協調の方法900を示すフローチャートである。いくつかの実施形態では、該方法900は、
図1に示すような第1の端末デバイス110及び第2の端末デバイス120などの端末デバイスにおいて実施することができる。加えてまたは代替的に、該方法900は、
図1に示されていない他の端末デバイスにおいても実施可能である。議論のために、一般性を損なわないよう、該方法900は、
図1を参照して、第2の端末デバイス120によって実行されるものとして説明される。
【0091】
ブロック910において、第2の端末デバイス120は、リソースプール内のリソースの占有に関する情報と、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信パラメータとを第1の端末デバイス110から受信する。この例では、リソースプールは、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信用リソースを提供するように構成される。リソースの占有は、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信パラメータに基づいて特定される。
【0092】
前述したように、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信パラメータを送信するタイミングが自由であるため、第2の端末デバイス120は、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信パラメータを情報とともに受信してもよい。或いは、第2の端末デバイス120は、情報の受信後に、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信パラメータを受信してもよい。本開示は、この態様に限定されない。
【0093】
ブロック920において、第2の端末デバイス120は、リソースプールから、情報と、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信パラメータと、第2の端末デバイス120のサイドリンク送信パラメータとに基づいて、第2の端末デバイス120のサイドリンク送信用リソースの第1のセットを特定する。上述したように、該情報の形態は、様々である。例えば、該情報は、
図4に関連して説明されるようなビットマップである。そのため、ここでは繰り返さない。
【0094】
或いは、該情報は、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信に占有される第2のリソースセットを示す。この実施形態では、該情報は、第2のリソースセットとして、ある時間帯における占有されていない時間リソースを示す。これは、
図8に関連して説明したため、ここでは繰り返さない。
【0095】
いくつかの実施形態では、第2の端末デバイス120のサイドリンク送信用リソースの第1のセットを特定するために、第2の端末デバイス120は、所定のルールに基づいて、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信パラメータと、第2の端末デバイス120のサイドリンク送信パラメータとをさらに比較する。所定のルールは、サイドリンク送信パラメータのうちの少なくとも1つと関連付けられてもよい。サイドリンク送信パラメータは、L1優先度、利用可能なパケット遅延バジェット、スロット内のサイドリンク送信に使用されるサブチャネル数、リソース予約インターバル、リソースプールインデックス、リソースプールインデックス、リソースプールに関連付けられる帯域幅パートインデックスなどを含むが、これに限定されない。
【0096】
特に、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信パラメータと第2の端末デバイス120のサイドリンク送信パラメータとが所定のルールを満たす場合、第2の端末デバイス120は、リソースの占有に関する情報に基づいて、リソースプールから占有されていないリソースを特定する。一実施形態では、第1の端末デバイス110のL1優先度が第2の端末デバイス120のL1優先度以下である場合、所定のルールを満たす。例えば、第1の端末デバイス110のL1優先度が6であり、第2の端末デバイス120は、関連付けのSCIにおいて送信されるL1優先度2を有しているが、この場合、優先度が相対的に高い端末デバイスである第2の端末デバイス120は、優先度が相対的に低い他の端末デバイスである第1の端末デバイス110のサイドリンク送信パラメータに基づいて特定された情報を考慮して、リソース協調手順を実行可能である。
【0097】
別の例として、第1の端末デバイス110のスロットにおけるサイドリンク送信に使用されるサブチャネルの数が、第2の端末デバイス120のスロットにおけるサイドリンク送信に使用されるサブチャネルの数以上である場合、所定のルールを満たす。さらに別の例では、第1の端末デバイス110の利用可能なパケット遅延バジェットが第2の端末デバイス120の利用可能なパケット遅延バジェット以上である場合、所定のルールを満たす。さらに別の例では、第1の端末デバイス110のリソースプールに関連付けられたリソース予約インターバル、リソースプールのリソースプールインデックス、及び帯域幅パートインデックスの内の少なくとも1つが、第2の端末デバイス120の対応するものと同じである場合、所定のルールを満す。
【0098】
一方、第1の端末デバイス110のサイドリンク送信パラメータと、第2の端末デバイス120のサイドリンク送信パラメータとが所定のルールを満たさない場合、第2の端末デバイス120は、該情報を破棄してもよい。
【0099】
本開示の実施形態は、リソースプール内のリソースの占有に関する情報により、リソースプール内の候補リソースを明示的または暗黙的に示す方法を提供する。また、情報が特定された送信パラメータも第2の端末デバイスに提供されるため、本開示の解決案によれば、第2の端末デバイス120によるリソースの選択の際に、該情報が参照の価値があるか否かを判定することができる。該リソース協調案は、装置の複雑さ、ハードウェア構成、サービス要件等が異なる全ての種類の端末デバイスに寄与できる。
【0100】
図10は、本開示のいくつかの実施形態の実行に適したデバイス1000の簡略化されたブロック図である。デバイス1000は、
図1に示す第1の端末デバイス110及び第2の端末デバイス120の更なる例示的な実施形態と考えることができる。そのため、デバイス1000は、第1の端末デバイス110及び第2の端末デバイス120により実施可能であり、或いは第1の端末デバイス110及び第2の端末デバイス120の少なくとも一部として機能することができる。
【0101】
図に示すように、デバイス1000は、プロセッサ1010と、プロセッサ1010に接続されるメモリ1020と、プロセッサ1010に接続される適切な送信機(TX)及び受信機(RX)1040と、TX/RX1040に接続される通信インタフェースとを備える。メモリ1020は、プログラム1030の少なくとも一部を記憶する。TX/RX1040は、双方向通信に使用される。TX/RX1040は、通信を容易にするために少なくとも1つのアンテナを有するが、実際、本願に言及されたアクセスノードは複数のアンテナを有する。通信インタフェースは、他のネットワーク素子との通信に必要な任意のインタフェースを表すことができ、例えば、gNBsまたはeNBs間の双方向通信用X2インタフェース、モビリティ管理エンティティ(MME)/サービングゲートウェイ(S-GW)とgNBまたはeNBとの間の通信用S1インタフェース、gNBまたはeNBとリレーノード(RN:relay node)との間の通信用Unインタフェース、またはgNBまたはeNBと端末デバイスとの間の通信用Uuインタフェースなどが挙げられる。
【0102】
プログラム1030に含まれるプログラム命令は、関連プロセッサ1010によって実行されると、デバイス1000が
図3、
図5、
図7及び
図9のいずれかを参照して説明した本開示の実施形態に従って動作可能とする。本明細書の実施形態は、デバイス1000のプロセッサ1010によって実行可能なコンピュータソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実行される。プロセッサ1010は、本開示の様々な実施形態を実施するように構成される。さらに、プロセッサ1010とメモリ1020との組み合わせにより構成される処理手段1050は、本開示の様々な実施形態を実施可能である。
【0103】
メモリ1020は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってよく、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイス及びシステム、光学メモリデバイス及びシステム、固定メモリ及びリムーバブルメモリなどの任意の適切なデータ記憶技術を使用して実装され得るが、これらに限定されない。デバイス1000には、メモリ1020を1つのみ示しているが、デバイス1000にはいくつかの物理的に個別のメモリモジュールを有してもよい。プロセッサ1010は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ以上を備えてもよいが、これらに限定されない。デバイス1000は、メインプロセッサを同期させるクロックに時間的にスレーブ化される特定用途向け集積回路チップなどの複数のプロセッサを有してもよい。
【0104】
本開示の装置及び/またはデバイスに含まれる構成要素は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせなどを含む様々な方法で実装され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のユニットは、記憶媒体に記憶された機械実行可能な命令などのソフトウェア及び/またはファームウェアを使用して実装され得る。機械実行可能な命令に加えて、またはその代わりに、装置及び/またはデバイス内のユニットの一部または全部は、少なくとも部分的に、1つまたは複数のハードウェアロジック構成要素によって実装されてもよい。使用可能なハードウェアロジック構成要素は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field-programmable Gate Arrays)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application specific Integrated Circuit)、特定用途用標準品(ASSP:Application specific Standard Product)、SOC(System-on-a-chip system)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD:Complex Programmable Logic Device)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0105】
一般に、本開示の様々な実施形態は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、ロジック、またはそれらの任意の組み合わせで実施されてもよい。ある態様は、ハードウェアで実施されてもよく、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、または他のコンピューティング装置によって実行されるファームウェアまたはソフトウェアで実施されてもよい。なお、本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート、または他の画像表示を用いて図示及び説明されているが、本明細書に記載のブロック、装置、システム、技術または方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路またはロジック、汎用ハードウェアまたはコントローラもしくは他のコンピューティング装置、またはそれらのいくつかの組み合わせにおいて実施されてもよい。
【0106】
本開示はさらに、非一時的なコンピュータ可読媒体に有形的に記憶された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、
図7から
図10を参照して説明したプロセスまたは方法を実行するために、実際のまたは仮想プロセッサ上の装置内で実行される、プログラムモジュールに含まれるようなコンピュータ実行可能命令を含む。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などを含む。プログラムモジュールの機能は、様々な実施形態の要求に応じて、プログラムモジュール間で結合または分割してもよい。プログラムモジュールに対するマシン実行可能命令は、ローカルまたは分散装置内で実行されてもよい。分散装置では、プログラムモジュールはローカルとリモートの両方の記憶媒体に配置してもよい。
【0107】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはコントローラに提供されてもよい。これにより、プログラムコードがプロセッサまたはコントローラによって実行されると、フローチャート及び/またはブロック図に規定される機能/動作が実現される。プログラムコードは、完全にマシンで実行されてもよいし、その一部がマシンで実行されてもよいし、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとしてもよいし、一部がマシンで実行され且つ一部がリモートマシンで実行されてもよいし、完全にリモートマシンまたはサーバで実行されてもよい。
【0108】
上記プログラムコードは、命令実行システム、装置、またはデバイスによって、またはそれと関連付けられて使用されるためのプログラムを含む、または格納することができる任意の有形媒体であり得るマシン可読媒体で具現化されてもよい。マシン可読媒体は、マシン可読信号媒体またはマシン可読記憶媒体であってもよい。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置、デバイス、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のより具体的な例として、1つ以上のワイヤによる電気的接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバー、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光学式ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、または前記の任意の適切な組み合わせが挙げられる。
【0109】
さらに、動作が特定の順序で描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が図示の特定の順序または連続順序で実行されること、またはすべての描かれた動作が実行されることを要求するものではない。特定の状況では、マルチタスク及び並列処理が有利である場合がある。同様に、上記の説明にはいくつかの特定の実施形態の詳細が含まれているが、これらは本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、特定の実施形態に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。別々の実施形態で説明されている特定の特徴を組み合わせて単一の実施形態に実施されてもよい。逆に、単一の実施形態で説明されている様々な特徴も、複数の実施形態で個別に、または任意の適切なサブコンビネーションで実施されてもよい。
【0110】
なお、本開示は、構造的特徴及び/または方法論的動作に特有の用語で説明されたが、添付の特許請求の範囲で限定される本開示は、必ずしも上記の特定の特徴または動作に限定されない。むしろ、上記の特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。