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特許7556411情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-09-17
(45)【発行日】2024-09-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/90 20060101AFI20240918BHJP
   G06Q 50/26 20240101ALI20240918BHJP
【FI】
G01S13/90 127
G06Q50/26
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022573920
(86)(22)【出願日】2021-10-18
(86)【国際出願番号】 JP2021038424
(87)【国際公開番号】W WO2022149328
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-07-03
(31)【優先権主張番号】P 2021000637
(32)【優先日】2021-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】大野 翔平
(72)【発明者】
【氏名】石井 孝和
(72)【発明者】
【氏名】平田 寛道
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 大輔
(72)【発明者】
【氏名】粂野 博行
(72)【発明者】
【氏名】清水 太朗
(72)【発明者】
【氏名】牧山 紘
【審査官】▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-209780(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0319893(US,A1)
【文献】特開2020-143910(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111678489(CN,A)
【文献】特開2017-199225(JP,A)
【文献】MALEK, MD. Imtiaz et al.,“Real-Time IoT Based Urban Street Water-Logging Monitoring System Using Google Maps”,2020 2ND INTERNATIONAL CONFERENCE ON IMAGE PROCESSING AND MACHINE VISION (IPMV2020),2020年08月,Pages 100-104,<URL:https://doi.org/10.1145/3421558.3421574 >
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - G01S 7/42
G01S 13/00 - G01S 13/95
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成開口レーダによって地表面が観測された結果に基づくデータから生成された、前記地表面の変化を示す変化情報と前記地表面の建造物に設置された水位を測定するセンサから水位の情報とを取得する取得手段と、
前記変化情報と前記水位の情報とに基づいて、前記建造物の損害状況を推定する推定手段と、
前記変化情報に基づいて、前記センサから取得された前記水位の情報の尤度を算出する尤度算出手段と、
を備える、
情報処理装置。
【請求項2】
前記変化情報は、前記地表面の高さの変位を示す高さ変位情報を含み、
前記高さ変位情報は、前記建造物を含む範囲が、複数時点において観測された前記データに基づいて生成される、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記変化情報は、前記地表面に発生した水域を示す水域情報を含み、
前記水域情報は、前記建造物を含む範囲が、複数時点において観測された前記データに基づいて生成される、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定手段は、前記建造物と、前記建造物と異なる建造物であって、前記建造物の周辺に位置する、少なくとも一の他の建造物と、のそれぞれに対応する前記変化情報を比較することにより、前記建造物の損害状況を推定する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記変化情報に基づいて、光学センサを用いて上空から撮影する範囲を制御する範囲制御手段を備える、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得手段は、SNSの利用者によって前記SNSに投稿された情報である投稿情報のうち、前記変化情報に基づいて設定された所定の範囲内の位置を示す位置情報が付加された投稿情報、及び、当該所定の範囲内の位置を示す文字情報が含まれた投稿情報の、少なくとも一方である前記投稿情報を取得する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
さらに、取得された各種情報、算出された前記各種情報の尤度の情報、及び、推定された前記損害状況を出力する出力制御手段、を備える、請求項1乃至のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
合成開口レーダによって地表面が観測された結果に基づくデータから生成された、前記地表面の変化を示す変化情報と前記地表面の建造物に設置された水位を測定するセンサから水位の情報とを取得し、
前記変化情報と前記水位の情報とに基づいて、前記建造物の損害状況を推定し、
前記変化情報に基づいて、前記センサから取得された前記水位の情報の尤度を算出する、
情報処理方法。
【請求項9】
合成開口レーダによって地表面が観測された結果に基づくデータから生成された、前記地表面の変化を示す変化情報と前記地表面の建造物に設置された水位を測定するセンサから水位の情報とを取得する処理と、
前記変化情報と前記水位の情報とに基づいて、前記建造物の損害状況を推定する処理と、
前記変化情報に基づいて、前記センサから取得された前記水位の情報の尤度を算出する処理と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、合成開口レーダによって観測されたデータを処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
地震による土砂崩れ、大雨による河川の氾濫、及び火山の噴火等の災害発生時に、迅速に被災状況を確認することが求められる。
【0003】
特許文献1には、SNS(Social Networking Service)に投稿された情報から、エリア毎に、災害による影響レベルを決定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-109730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、災害発生後には、各建造物に対する損害状況を確認することが求められる場合がある。例えば、損害保険会社は、損害保険の対象となる建造物に対して損害状況に応じた保険金の試算を行う。そのため、損害保険会社の従業員は、被災した地域に赴き、目視で建造物の損害状況を確認する。しかしながら、このような方法では、建造物の損害状況の確認に時間がかかる虞がある。特に大規模災害時には、損害保険の対象となる建造物が広範囲に複数存在していたり、建造物に通じる道路が通行不可能になったりする可能性があるため、損害状況の確認にかかる時間がより増大する虞がある。
【0006】
特許文献1の技術では、被災状況の確認のために、SNSに投稿された情報を用いているが、SNSに投稿された情報だけでは、ユーザが所望する建造物に関する情報を得られないこともある。
【0007】
本開示は、上記課題を鑑みてなされたものであり、建造物の損害状況の確認を支援することが可能な情報処理装置等を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様にかかる情報処理装置は、合成開口レーダによって地表面が観測された結果に基づくデータから生成された、前記地表面の変化を示す変化情報を取得する取得手段と、前記変化情報に基づいて、前記地表面の建造物の損害状況を推定する推定手段と、を備える。
【0009】
本開示の一態様にかかる推定方法は、合成開口レーダによって地表面が観測された結果に基づくデータから生成された、前記地表面の変化を示す変化情報を取得し、前記変化情報に基づいて、前記地表面の建造物の損害状況を推定する。
【0010】
本開示の一態様にかかるコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、合成開口レーダによって地表面が観測された結果に基づくデータから生成された、前記地表面の変化を示す変化情報を取得する処理と、前記変化情報に基づいて、前記地表面の建造物の損害状況を推定する処理と、をコンピュータに実行させるプログラムを格納する。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、建造物の損害状況の確認を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の第1の実施形態の情報処理装置を含む支援システムの構成の一例を模式的に示す図である。
図2】本開示の第1の実施形態の情報処理装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3】本開示の第1の実施形態の情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図4】本開示の第2の実施形態の支援システムの機能構成の一例を含むブロック図である。
図5】本開示の第2の実施形態の情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図6】本開示の第2の実施形態の変形例1の情報処理装置が変化情報を生成する動作の一例を示すフローチャートである。
図7】本開示の第2の実施形態の変形例1の情報処理装置が出力要求を受け付けた場合の動作の一例を示すフローチャートである。
図8】本開示の第3の実施形態の支援システムの機能構成の一例を含むブロック図である。
図9】本開示の第3の実施形態の情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図10】本開示の第4の実施形態の支援システムの機能構成の一例を含むブロック図である。
図11】本開示の第4の実施形態の情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図12】本開示の第1、第2、第3及び第4の実施形態の情報処理装置を実現するコンピュータ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
<第1の実施形態>
第1の実施形態の情報処理装置について説明する。
【0015】
図1は、第1の実施形態の情報処理装置100を含む支援システム1000の構成の一例を模式的に示す図である。図1に示すように、支援システム1000は、情報処理装置100と、観測装置200と、記憶装置300と、を含む。支援システム1000は、端末装置400をさらに含むように構成されてもよいし、情報処理装置100と観測装置200とを備え、記憶装置300及び端末装置400と通信するように構成されてもよい。情報処理装置100は、例えば、観測装置200と記憶装置300と端末装置400と、ネットワークを介して通信可能に接続される。記憶装置300は、情報処理装置100に搭載されてもよい。記憶装置300には、後述する観測データが格納される。なお、記憶装置300には、建造物の位置情報等の、建造物に関する情報である建造物情報が格納されていてもよい。
【0016】
観測装置200は、例えば、人工衛星である。この場合、観測装置200は、上空の軌道上を移動しながら地表面を随時観測している。なお、観測装置200はこの例に限らない。例えば、観測装置200は、有人または無人の航空機であってもよい。有人の航空機は、例えば、飛行機、ヘリコプター、及び飛行船等である。無人の航空機は、UAV(Unmanned Aerial Vehicle)、小型無人機またはドローンと呼ばれることもある。有人の航空機と無人の航空機とを区別しない場合、単に航空機と称する。観測装置200が航空機である場合、観測装置200は、例えば、ユーザの指示に応じて飛行し、飛行している間に地表面の観測を行う。
【0017】
観測装置200は、観測装置200に搭載される合成開口レーダ(Synthetic Aperture Radar;SAR)を用いて、上空から地表面を観測する。観測装置200は、地表面を観測した結果に基づくデータである観測データを生成する。具体的には、観測装置200は、合成開口レーダを用いて上空から地表面に電磁波を照射し、地表面から合成開口レーダの方向に反射された電磁波(反射波)を取得する。観測データには、観測装置200が取得した反射波に関するデータが含まれる。反射波に関するデータは、例えば、反射波の強度、位相、及び偏波等のデータである。観測装置200は、合成開口レーダを用いることにより、広範囲の地表面の観測データを生成することができる。観測装置200は、合成開口レーダを用いることにより、天候が悪い場合であっても、地表面を観測した観測データを生成することができる。なお、本明細書において、「地表面」は、土地の表面上に存在する物体を含む。土地の表面上に存在する物体は、例えば、建造物、道路、及び森林等である。
【0018】
観測装置200は、随時、地表面を観測する。そして、観測装置200は、地表面の所定の範囲の観測を行うごとに、地表面を観測した結果に基づくデータである観測データを生成する。観測装置200は、例えば、観測データを記憶装置300に格納する。なお、観測装置200は、観測データを情報処理装置100または図示しない他の装置を介して記憶装置300に格納してもよい。また、観測データは、観測装置200が観測した結果を示すデータであってもよいし、観測装置200が観測した結果に所定の処理が施された結果を示すデータであってもよい。
【0019】
ここで、観測装置200によって観測された地表面の範囲を観測範囲とも称する。観測データは、例えば、観測範囲内の位置を示す位置データと、観測装置200が取得した反射波に関するデータと、の組み合わせを含むデータであってもよい。観測範囲内の位置とは、緯度及び経度の情報であってもよいし、地表面の位置を特定可能な他の情報であってもよい。観測データには、さらに、観測が行われた時点を示すデータが含まれてもよい。時点を示すデータは、観測が行われた日付の情報であってもよいし、観測が行われた日付及び時刻の情報であってもよい。観測データは、位置データと反射波に関するデータとを、マップで表した画像であってもよい。合成開口レーダによって取得される反射波に関するデータを示す画像をSAR画像とも称する。
【0020】
端末装置400は、例えば、パーソナルコンピュータであってもよいし、スマートフォンまたはタブレット型端末等の携帯型の端末であってもよい。端末装置400は、情報処理装置100によって生成された情報を出力してもよい。例えば、端末装置400は、後述する損害状況を示す情報を、端末装置400が備えるディスプレイに出力してもよい。
【0021】
[情報処理装置100の詳細]
次に、図2を用いて情報処理装置100の構成の詳細を説明する。図2は、第1の実施形態の情報処理装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、情報処理装置100は、取得部110と推定部120とを備える。
【0022】
取得部110は、例えば、災害または時間の経過によって発生する地表面の変化を示す変化情報を取得する。変化情報は、例えば、地表面の位置と、その位置における各種の変化と、が関連付けられた情報である。具体的には、変化情報には、地表面の高さの変位を示す高さ変位情報、及び、地表面に発生した水域を示す水域情報等が含まれる。このような変化情報は、例えば、取得部110が上述の観測データを受信し、観測データから各種変化を検出することによって生成される。例えば、高さ変位情報は、異なる時刻において所定の観測範囲が観測装置200によって観測された際に、観測範囲における観測データに含まれる反射波の位相差や強度差に基づいて生成される。例えば、同一の観測範囲に対して観測された反射波を干渉させ、位相差を算出することにより、位相差に応じた、地表面とレーダとの距離の差を算出することができる。算出された距離の差を利用することにより、高さ変位情報が生成される。この技術は、干渉SARとも呼ばれる。なお、高さ変位情報の生成方法はこの例に限らない。また、水域情報は、例えば、電磁波の性質を利用して生成される。例えば、レーダによって照射される電磁波は、水面において、レーダの方向に反射されづらい。そのため、反射波が観測されづらい箇所は水域である可能性が高い。このような電磁波の性質を利用して、観測データから、水域情報が生成される。なお、水域情報の生成方法はこの例に限らない。
【0023】
変化情報は、観測装置200によって生成されてもよいし、情報処理装置100によって生成されてもよい。また、変化情報は、支援システム1000と通信可能な、図示しない他の装置によって生成されてもよい。この場合、取得部110は、観測装置200または他の装置から変化情報を受信する。
【0024】
このように、取得部110は、合成開口レーダによって地表面が観測された結果に基づくデータから生成された、地表面の変化を示す変化情報を取得する。取得部110は、変化情報を推定部120に出力する。取得部110は、取得手段の一例である。
【0025】
推定部120は、地表面の建造物の損害状況を推定する。例えば、高さ変位情報が変化情報として用いられる場合、推定部120は、観測範囲内の建造物の位置、または、観測範囲内の建造物の位置を含む所定の範囲における、高さ変位情報を抽出する。このとき、建造物の位置情報は、例えば、記憶装置300に格納されている。推定部120は、例えば、抽出された高さ変位情報の示す値が、所定の閾値以上である場合、建造物の損害度合いが大きいと推定する。このとき、推定部120は、より具体的に、建造物が半壊している、または、全壊していると推定してもよい。また、抽出された高さ変位情報の示す値が、他の建造物における高さ変位情報の示す値よりも大きい場合に、推定部120は、対象の建造物の損害度合いが大きいと推定してもよい。また、推定される損害状況は、数値で示されてもよい。例えば、抽出された高さ変位情報の示す値が、所定の閾値以上である場合、推定部120は、建造物が半壊している可能性がX%(Xは実数)、または、建造物が全壊している可能性がY%(Yは実数)といったように、損害状況を推定してもよい。また、例えば、水域情報が変化情報として用いられる場合、推定部120は、建造物の位置、または、建造物の位置を含む所定の範囲が、水域を示しているか否か判定する。建造物の位置、または、建造物の位置を含む所定の範囲が水域となっている場合、推定部120は、建造物の損害度合いが大きいと推定してもよい。このとき推定部120は、より具体的に、建造物が流されている、または、建造物が水没していると推定してもよい。また、例えば、複数の観測データから、建造物の位置の周辺に水域が発生していると判定された場合、推定部120は、建造物に浸水が発生していると推定してもよい。
【0026】
このように、推定部120は、変化情報に基づいて、地表面の建造物の損害状況を推定する。推定部120は、推定手段の一例である。
【0027】
[情報処理装置100の動作]
次に、情報処理装置100の動作の一例を、図3を用いて説明する。なお、本開示において、シーケンス図及びフローチャートの各ステップを「S101」のように、各ステップに付した番号を用いて表現する。
【0028】
図3は、情報処理装置100の動作の一例を説明するフローチャートである。取得部110は、合成開口レーダによって地表面が観測された結果に基づくデータから生成された、地表面の変化を示す変化情報を取得する(S101)。推定部120は、変化情報に基づいて、地表面の建造物の損害状況を推定する(S102)。
【0029】
なお、情報処理装置100は、S102の処理の後、推定した建造物の損害状況を、建造物に関するデータと関連付けて端末装置400に出力してもよい。
【0030】
このように、第1の実施形態の情報処理装置100は、合成開口レーダによって地表面が観測された結果に基づくデータから生成された、地表面の変化を示す変化情報を取得し、変化情報に基づいて、地表面の建造物の損害状況を推定する。これにより、情報処理装置100は、例えば、推定された損害状況を、建造物の損害状況を確認したいユーザに提供することができる。具体的には、例えば、情報処理装置100は、損害保険会社の従業員が保険金の試算を行う際に、建造物の損害状況の確認のために活用可能な情報を、迅速に提供することができる。また、例えば、損害保険会社の従業員が、災害発生後に迅速な保険金支払いのために、損害状況を推定して保険金の試算を行う場合がある。このような場合に、情報処理装置100は、建造物の損害状況の確認のために活用可能な情報を提供することができるので、推定される損害状況と損害状況の実態との乖離を小さくすることができる。そのため、情報処理装置100は、損害保険会社の従業員による、余分な保険金の支払いを抑えることができる。さらに、情報処理装置100は、合成開口レーダによって得られた情報を用いているので、ユーザがいる位置から距離が大きく離れた建造物に対しても、損害状況を推定することができる。すなわち、第1の実施形態の情報処理装置100は、建造物の損害状況の確認を支援することができる。
【0031】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態の情報処理装置について説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態で説明した情報処理装置等について、より詳細に説明する。図4は、第2の実施形態の支援システム1001の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、支援システム1001は、第1の実施形態における情報処理装置100に代わり情報処理装置101を備え、それ以外については、第1の実施形態で説明した支援システム1000と同様である。すなわち、支援システム1001は、情報処理装置101と、観測装置200と、記憶装置300と、を備える。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態で説明した内容と重複する内容については、一部説明を省略する。
【0032】
[記憶装置300の詳細]
記憶装置300は、観測データ記憶部310と地理空間情報記憶部320とを備える。観測データ記憶部310には、観測装置200によって生成された観測データが格納される。観測データは、例えば、観測装置200から送信される。
【0033】
地理空間情報記憶部320には、地理空間情報が格納される。地理空間情報は、地表面の位置を示す位置データと、当該位置の地形に関するデータ、当該位置に存在する物体に関するデータ、当該位置において発生した事象に関するデータ、及び当該位置を示す画像データ等とが関連付けられた情報である。地形に関するデータには、例えば、地形図、地質を示す情報、及び地盤を示す等が含まれる。物体に関するデータには、例えば、建造物に関する情報等が含まれる。事象に関するデータには、例えば、過去に発生した災害及び事故に関する情報や、ハザードマップ等が含まれる。位置を示す画像データには、例えば、空中写真及び衛星画像等が含まれる。地理空間情報には、計測や調査によって得られたデータ、及び当該データに基づく分析の結果を表す情報が含まれてもよい。例えば、高さ変位情報に基づいて推定された地盤の特徴を示す情報が含まれてもよい。また、地理空間情報には、計測や調査によって得られたデータに基づいて人為的に定められた情報が含まれてもよい。また、地理空間情報には、災害情報、交通情報、及び天気の情報等の、インターネット上に公開されている情報が含まれてもよい。地理空間情報は、例えば、地理情報システム(Geographic Information System:GIS)と呼ばれるシステムにおいて用いられる。GISは、例えば、地図に、地図上の位置に対応する上述の各種データを重畳して出力する。地理空間情報は、GISデータと呼ばれることもある。なお、地理空間情報は、GIS専用のデータに限らない。
【0034】
本実施形態において、地理空間情報には、建造物情報が含まれる。建造物情報は、例えば、建造物名、建造物の位置、建造物の階数(または高さ)、及び建造物の築年数等を示す情報である。建造物情報には、さらに、木造や鉄骨造等の建築物の構造の種類を示す情報が含まれてもよい。建造物情報は、例えば、ユーザが有している情報である。例えば、ユーザが、損害保険会社であれば、建造物情報は、損害保険会社が有している情報であり、損害保険の対象とする建造物に関する情報であってもよい。この例に限らず、建造物情報は、建造物を管理する事業者が有する情報であってもよい。地理空間情報においては、例えば、地表面の位置と、当該位置に存在する建造物の建造物情報と、が関連付けられている。
【0035】
また、地理空間情報には、監視カメラ等の撮影装置によって建造物内部及び周辺が撮影された撮影画像が含まれてもよい。この場合、監視カメラ等の撮影装置が、支援システム1001とネットワークを介して通信可能に接続される。
【0036】
[情報処理装置101の詳細]
図4に示すように、情報処理装置101は、取得部111と、推定部121と、生成部130と、受付部140と、出力制御部150と、を備える。なお、取得部111及び推定部121のそれぞれは、取得部110及び推定部120のそれぞれの動作に加え、以降に説明する動作を行う。
【0037】
受付部140は、端末装置400から出力要求を受け付ける。出力要求は、例えば、端末装置400にユーザが所定の入力を行うことにより通知される。受付部140は、例えば、端末装置400から、損害状況の出力要求を受け付ける。損害状況の出力要求には、例えば、ユーザが損害状況を確認したい時点の情報と、損害状況を確認したい範囲を指定する情報が含まれる。この他に、受付部140は、端末装置400から地理空間情報の出力要求を受け付けてもよい。地理空間情報の出力要求には、例えば、出力する情報の種類や出力する地図上の範囲等の情報が含まれる。
【0038】
取得部111は、変化情報を取得する。具体的には、取得部111は、所定の期間における、地表面の所定の範囲の変化情報を取得する。所定の期間及び所定の範囲は、受付部140によって受け付けられた出力要求に応じて設定されるが、予め設定されていてもよい。例えば、取得部111は、出力要求に含まれる時点の情報が示す時点を含む一定期間の変化情報であって、出力要求に含まれる範囲を含む地表面の範囲の変化情報を取得する。
【0039】
また、取得部111は、地理空間情報記憶部320に含まれる情報を取得してもよい。例えば、取得部111は、出力要求によって示される範囲内の建造物の建造物情報を取得してもよい。また、取得部111は、出力要求によって示される範囲の、地形に関するデータ、や、事象に関するデータを取得してもよい。具体的には、取得部111は、出力要求によって示される範囲の地質に関する情報や、当該範囲の過去の災害情報及びハザードマップ等を取得してもよい。また、例えば、取得部111は、出力要求によって示される範囲の天気の情報を取得してもよい。
【0040】
また、取得部111は、建造物または建造物周辺に設置される各種のセンサによって測定及び検知された情報を取得してもよい。例えば、建造物に水位を測定するセンサが設置されていた場合、取得部111は、センサによって測定された水位の情報を取得してもよい。この場合、例えば、センサによって測定された水位の情報と、水位が測定された時刻の情報と、センサが設置された建造物の位置情報と、が関連付けられて、地理空間情報として地理空間情報記憶部320に、随時格納される。このとき、センサは、支援システム1001とネットワークを介して通信可能に接続される。
【0041】
推定部121は、取得部111によって取得された情報に基づいて、建造物の損害状況を推定する。具体的には、例えば、推定部121は、変化情報に含まれる水域情報から、建造物の周辺に水域が発生していると判定した場合に、さらに、センサによって測定された水位の情報に応じて、建造物に浸水が発生していると推定する。また、推定部121は、ハザードマップや地質に関する情報と、変化情報とから、建造物の損害状況を推定してもよい。具体的には、例えば、推定部121は、ハザードマップや地質に関する情報から、土砂災害等の発生しやすい地域を特定する。そして、推定部121は、特定された地域において、建造物に対する高さ変位情報が所定の値以上である場合、建造物の損害度合いが大きいと推定する。また、推定部121は、建造物情報をさらに用いて損害状況を推定してもよい。例えば、推定部121は、建造物情報に含まれる、建造物の築年数や構造の情報と、変化情報とから、建造物の損害度合いを推定してもよい。この例に限らず、推定部121は、地理空間情報記憶部320に含まれる情報と変化情報とを適宜利用して、建造物の損害状況を推定してもよい。
【0042】
また、推定部121は、複数の建造物における変化情報に基づいて、建造物の損害状況を推定してもよい。例えば、地震の発生後に、特定の建造物に対応する高さ変位情報の示す値が、当該特定の建造物の周辺の建造物(例えば、特定の建造物と隣接している建造物)に対応する高さ変位情報の示す値に比べて大きく、両者の値に一定以上の差があるとする。このような場合、推定部121は、特定の建造物は、地震の揺れによって損壊が発生したと推定することができる。また、特定の建造物と、特定の建造物の周辺の建造物と、のそれぞれに対応する高さ変位情報の示す値が、それぞれ一定以上の値であるとする。このような場合、特定の建造物は、地震の揺れ、または、土砂崩れによって損壊が発生したと推定することができる。さらに、例えば、河川の氾濫が発生し、水域情報において、特定の建造物の周辺に水域が発生したと示されているとする。推定部121は、特定の建造物の階数(または高さ)と、特定の建造物の周辺の建造物の階数(または高さ)とを取得する。例えば、周辺の建造物の階数が1階であり、特定の建造物の階数が2階であるとする。そして、周辺の建造物に対応する位置に水域が発生している場合、推定部121は、少なくとも、特定の建造物の1階には浸水が発生していると推定することができる。このように、推定部121は、特定の建造物と、当該特定の建造物と異なる建造物であって、当該特定の建造物周辺に位置する、少なくとも一の他の建造物と、のそれぞれに対応する変化情報を比較することにより、特定の建造物の損害状況を推定してもよい。
【0043】
生成部130は、観測データに基づいて変化情報を生成する。具体的には、生成部130は、観測データ記憶部310から観測データを読み出す。このとき生成部130は、同じ範囲が観測された観測データであって、複数の時点において観測された観測データを読み出す。観測データが、合成開口レーダによって得られた画像である場合、生成部130は、例えば、複数の観測データの、同じ位置に対応する画素を比較することにより変化情報を生成してもよい。また、生成部130は、高さ変位情報を生成する際に、複数の観測データを用いて、上述した干渉SARと呼ばれる技術を用いてもよい。なお、生成される変化情報の範囲は、観測範囲すべてであってもよいし、観測範囲内の予め設定された範囲であってもよい。また、生成部130は、生成した変化情報を、地理空間情報として、地理空間情報記憶部320に格納してもよい。このように、生成部130は、複数の時点の観測データに基づいて変化情報を生成する。
【0044】
なお、生成部130は、観測データが生成されるごとに(すなわち、観測データ記憶部310に観測データが格納されるごとに)変化情報を生成してもよいし、端末装置400からの所定の要求に応じて変化情報を算出してもよい。例えば、災害が発生した場合に、災害の発生後の損害状況の出力要求が、受付部140によって受け付けられたとする。このような場合、生成部130は、災害前後において、建造物を含む範囲が観測された観測データを用いて変化情報を算出する。ここで、上述のような要求があったときに、観測装置200が、災害後に、出力要求に含まれる範囲の観測を行っていない場合がある。このような場合に、生成部130は、観測装置200と異なる観測装置によって観測された観測データを用いて変化情報を生成してもよい。例えば、観測装置200が、衛星コンステレーションの衛星のうちの一つであるとする。このとき、生成部130は、衛星コンステレーションの衛星のうちの他の衛星によって観測された災害後の観測データと、観測装置200によって観測された災害前の観測データとを用いて変化情報を生成してもよい。当該他の衛星は、観測のリアルタイム性を上げるために、観測装置200よりも回帰周期の短い衛星であってもよい。また、生成部130は、観測装置200によって観測された災害前の観測データと、観測装置200と異なる航空機によって観測された災害後の観測データと、を用いて変化情報を生成してもよい。すなわち、生成部130は、一の観測装置によって生成された観測データと、他の観測装置によって生成された観測データと、に基づいて、変化情報を生成してもよい。これにより、情報処理装置101は、上述のような要求があった場合に迅速に変化情報を生成することができるので、損害状況の推定も迅速に行うことができる。
【0045】
出力制御部150は、端末装置400に各種の情報を出力する。例えば、受付部140が、損害状況の出力要求を受け付けた場合、出力制御部150は、推定部121によって推定された、建造物の損害状況を端末装置400に出力する。このとき、推定部121は、推定された損害状況を示す情報だけでなく、地理空間情報等、損害状況の推定に用いられた各種情報も共に出力してもよい。出力制御部150は、例えば、建造物の損害状況に加え、建造物を含む範囲の変化情報、建造物を含む範囲のハザードマップ、及び建造物に設置されたセンサから取得された水位の情報等を出力する。出力制御部150は、各種情報を、例えば、端末装置400が有するディスプレイ等の表示装置に表示させるよう制御する。また、受付部140が、地理空間情報の出力要求を受け付けた場合、出力制御部150は、例えば、出力要求において指定された地表面の位置と、当該位置に対応する情報であって、出力要求において指定された情報と、を端末装置400に出力する。
【0046】
出力制御部150は、端末装置400に出力する情報を、文字情報で出力してもよいし、表形式で出力してもよい。また、出力制御部150は、出力要求に示された範囲を含む地図に、各種情報を重畳した重畳画像を端末装置400に出力してもよい。例えば、出力制御部150は、地図上に、変化情報である高さ変位情報と、ハザードマップと、推定された建設物の損害状況と、を重畳した重畳画像を端末装置400に出力してもよい。さらに、出力制御部150は、このような重畳画像において、地図上の建造物がある位置に、建造物を示すアイコンを重畳してもよい。また、出力制御部150は、端末装置400に出力した重畳画像に対して、ユーザが建造物のアイコンをクリックする等、建造物を選択した際に、選択された建造物の損害状況や、選択された建造物の位置に対応する各種の地理空間情報を出力してもよい。この場合、例えば、ユーザが端末装置400を通じて、建造物を選択し、受付部140は、ユーザによって建造物が選択されたことを受け付ける。そして、受付部140が、建造物が選択されたことを受け付けると、出力制御部150は、選択された建造物の詳細情報を端末装置400に出力する。
【0047】
[情報処理装置101の動作]
次に、情報処理装置101の動作を説明する。図5は、情報処理装置101の動作の一例を示すフローチャートである。なお、本動作例においては、観測装置200によって随時地表面の観測が行われ、観測データが観測データ記憶部310に格納されているものとする。また、端末装置400から損害状況の出力要求が通知されたものとする。
【0048】
情報処理装置101は、受付部140において、端末装置400から損害状況の出力要求を受け付ける(S201)。そして、生成部130は、変化情報を生成する(S202)。例えば、生成部130は、出力要求に含まれる時点の情報と、範囲を指定する情報と、を取得する。生成部130は、指定された範囲が観測された観測データのうち、出力要求に含まれる時点以降であって、当該時点に最も近い時刻に観測された観測データと、当該時点以前の観測データとを用いて変化情報を生成する。
【0049】
次に、取得部111は、各種情報を取得する(S203)。例えば、取得部111は、生成部130によって生成された変化情報と、地理空間情報記憶部320に含まれる、出力要求において指定された範囲の建造物の水位の情報や、当該指定された範囲のハザードマップの情報等を取得する。そして、推定部121は、取得部111によって取得された情報に基づいて、建造物の損害状況を推定する(S204)。出力制御部150は、推定された損害状況を示す情報と、推定に用いられた各種情報と、を端末装置400に出力する(S205)。
【0050】
このように、第2の実施形態の情報処理装置101は、合成開口レーダによって地表面が観測された結果に基づくデータから生成された、地表面の変化を示す変化情報を取得する。そして、情報処理装置101は、変化情報に基づいて、地表面の建造物の損害状況を推定する。これにより、第2の実施形態の情報処理装置101は、第1の実施形態の情報処理装置100と同様の効果を奏する。すなわち、第2の実施形態の情報処理装置101は、建造物の損害状況の確認を支援することができる。
【0051】
また、変化情報は、地表面の高さの変位を示す高さ変位情報を含む。そして、高さ変位情報は、建造物を含む範囲が、複数時点において観測された観測データに基づいて生成される。これにより、第2の実施形態の情報処理装置101は、例えば、建造物の高さの変位がわかるので、建造物の損害の度合いを推定することができる。
【0052】
また、変化情報は、地表面に発生した水域を示す水域情報を含む。そして、水域情報は、建造物を含む範囲が、複数時点において観測された観測データに基づいて生成される。これにより、第2の実施形態の情報処理装置101は、例えば、建造物周辺に存在する水域が、もともと存在していたものか、新たに発生したものか、判定することができるので、建造物に浸水が発生しているかどうかを推定することができる。
【0053】
また、第2の実施形態の情報処理装置101は、建造物と、当該建造物と異なる建造物であって、当該建造物周辺に位置する、少なくとも一の他の建造物と、のそれぞれに対応する変化情報を比較することにより、当該建造物の損害状況を推定する。これにより、情報処理装置101は、より詳細に推定された建造物の損害状況を、支援システム1001のユーザに提供することができる。
【0054】
また、第2の実施形態の情報処理装置101は、建造物に設置されたセンサから、水位の情報を取得し、変化情報と水位の情報とに基づいて、建造物の損害状況を推定する。これにより、第2の実施形態の情報処理装置101は、より詳細に、建造物に浸水が発生しているかどうかを推定するこができる。
【0055】
[変形例1]
第2の実施形態では、情報処理装置101が、端末装置400から出力要求を受け付けてから変化情報を生成する例について説明した。変化情報を生成するタイミングはこの例に限らない。
【0056】
図6は、変形例1の情報処理装置101が変化情報を生成する動作の一例を示すフローチャートである。変形例1の情報処理装置101は、観測データ記憶部310に観測データが格納された場合(S301の「No」)、変化情報を生成しない。観測データ記憶部310に観測データが格納された場合(S301の「Yes」)、生成部130は、格納された観測データと、当該観測データと同様の範囲が観測された観測データに基づいて、変化情報を生成する(S302)。そして、生成部130は、変化情報を地理空間情報として格納する(S303)。
【0057】
図7は、変形例1の情報処理装置101が、端末装置400から出力要求を受け付けた場合の動作の一例を示すフローチャートである。受付部140が端末装置400から受け付けた出力要求が、損害状況の出力要求を含む場合(S401の「Yes」)、取得部111は、出力要求に応じて、地理空間情報記憶部320に格納されている変化情報等を取得する(S402)。そして、推定部121は、取得された情報に基づいて、建造物の損害状況を推定する(S403)。受付部140が端末装置400から受け付けた出力要求が、損害状況の出力要求を含まない場合(S401の「No」)、情報処理装置101は、S402及びS403の処理を行わない。そして、出力制御部150は、出力要求に応じた情報を出力する(S404)。例えば、損害状況の出力要求が受け付けられた場合、出力制御部150は、建造物の損害状況を示す情報を端末装置400に出力する。また、例えば、その他の地理空間情報の出力要求が受け付けられた場合、出力制御部150は、出力要求に応じた地理空間情報を端末装置400に出力する。
【0058】
[変形例2]
第2の実施形態では、損害状況の出力要求に、範囲を指定する情報を含む例について説明したが、この例に限らない。例えば、損害状況の出力要求には、範囲を指定する情報に代わり、建造物を指定する情報が含まれてもよい。建造物を指定する情報は、建造物の位置情報であってもよいし、建造物名であってもよい。また、損害状況の出力要求には、複数の建造物を指定する情報が含まれてもよい。この場合、取得部111は、指定された建造物を含む範囲の変化情報等を取得する。
【0059】
[変形例3]
また、推定部121は、複数の建造物の損害状況を推定した場合、推定した損害状況に応じて、建造物ごとに優先度を算出してもよい。例えば、優先度は、損害状況ごとに設定される。例えば、優先度は、損害の度合いが大きいほど高く設定される。推定部121は、複数の建造物のそれぞれに対して、異なる優先度を算出してもよいし、複数の建造物のうちの一部であって、2以上の建造物に対して、同じ優先度を算出してもよい。出力制御部150は、算出された優先度と、建造物とを対応づけた情報を出力してもよい。
【0060】
これにより、情報処理装置101は、例えば、ユーザに対して、どの建造物を優先的に確認すべきであるか提示することができる。例えば、ユーザが損害保険会社であれば、情報処理装置101は、優先度を、保険金の算出を行う順番の参考情報として提示することができる。
【0061】
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態の情報処理装置について説明する。第3の実施形態では、変化情報を用いて、さらなる情報を取得する例について説明する。図8は、第3の実施形態の支援システム1002の構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、支援システム1002は、第2の実施形態における情報処理装置101に代わり、情報処理装置102を備え、それ以外については、第2の実施形態で説明した支援システム1001と同様である。すなわち、支援システム1002は、情報処理装置102と、観測装置200と、記憶装置300と、を備える。なお、第3の実施形態において、第1の実施形態及び第2の実施形態で説明した内容と重複する内容については、一部説明を省略する。
【0062】
[情報処理装置102の詳細]
図8に示すように、情報処理装置102は、取得部112と、推定部121と、生成部130と、受付部140と、出力制御部151と、範囲制御部160と、を備える。取得部112と出力制御部151とのそれぞれは、取得部111及び出力制御部150のそれぞれの動作に加え、以下に説明する動作を行う。
【0063】
取得部112は、後述する範囲制御部160によって制御された範囲が撮影された撮影画像を取得する。このときに取得される撮影画像は、光学センサが搭載された衛星または航空機が、上空から撮影した光学画像であって、衛星画像または空中写真である。光学センサが搭載された衛星または航空機は、例えば観測装置200であってもよいし、観測装置200と異なる装置であってもよい。
【0064】
また、取得部112は、範囲制御部160によって制御された範囲に関する投稿情報を取得する。投稿情報とは、SNSの利用者によって、SNSに投稿された情報である。投稿情報には、文字情報及び画像が含まれる。また、投稿情報には、SNSの利用者の位置情報が付加されることもある。取得部112は、図示しないSNSサーバから、投稿情報を取得する。この場合、支援システム1001とSNSサーバとは、ネットワークを介して通信可能に接続されている。取得部112は、投稿情報のうち、損害状況に関わる内容を含む投稿情報を取得する。例えば、取得部112は、「災害」、「地震」、「損壊」及び「浸水」等の文字情報を含む投稿情報を取得する。このときに、取得部112は、範囲制御部160によって制御された範囲内の位置情報が付加された投稿情報や、当該制御された範囲内の位置を示す文字情報が含まれた投稿情報を取得する。
【0065】
出力制御部151は、取得部112によって取得された撮影画像、または、投稿情報を端末装置400に出力する。このとき、出力制御部151は、推定部121によって推定された建造物の損害状況、及び、推定に用いられた各種情報に加えて、撮影画像、または、投稿情報を出力してもよい。また、出力制御部151は、範囲制御部160によって制御された範囲を示す情報を出力してもよい。なお、出力制御部151が各種情報を出力するタイミングは異なってよい。
【0066】
範囲制御部160は、変化情報に基づいて、情報を取得する範囲を制御する。範囲制御部160は、範囲制御手段の一例である。情報を取得する範囲は、例えば、上空から光学センサを用いて撮影する範囲として用いられる。例えば、高さ変位情報の示す値が所定の値以上である箇所がある場合、範囲制御部160は、当該箇所を含む範囲を、光学センサを用いて撮影する範囲として設定する。また、例えば、範囲制御部160は、水域情報に基づいて、水域が発生した個所を含む範囲を、光学センサを用いて撮影する範囲として設定してもよい。そして、範囲制御部160は、設定した範囲を撮影するように、光学センサを搭載した装置(例えば、光学衛星)に指示を行ってもよい。このように、範囲制御部160は、変化情報に基づいて、光学センサを用いて上空から撮影する範囲を制御してもよい。
【0067】
また、範囲制御部160が制御する、情報を取得する範囲は、取得部112が投稿情報を取得する際に用いられてもよい。上述したように、取得部112は、範囲制御部160によって設定された範囲内の位置情報が付加された投稿情報や、当該設定された範囲内の位置を示す文字情報が含まれた投稿情報を取得する。このように、取得部112は、変化情報に基づいて設定された所定の範囲内の位置を示す位置情報が付加された投稿情報、及び、所定の範囲内の位置を示す文字情報が含まれた投稿情報を取得する。
【0068】
[情報処理装置102の動作]
次に、情報処理装置102の動作を説明する。図9は、情報処理装置102の動作の一例を示すフローチャートである。なお、本動作例においては、観測装置200によって随時地表面の観測が行われ、観測データが観測データ記憶部310に格納されているものとする。また、端末装置400から損害状況の出力要求が通知されたものとする。
【0069】
S501乃至S504の処理は、図5のS201乃至S204の処理と同様であるため、記載を省略する。範囲制御部160は、生成された変化情報に基づいて、情報を取得する範囲を制御する(S505)。例えば、範囲制御部160は、高さ変位情報の示す値が所定の値以上である箇所を含む範囲を、情報を取得する範囲として設定する。そして、例えば、範囲制御部160は、設定した範囲を、光学センサを用いて上空から撮影する範囲とし、光学センサを搭載する観測装置に撮影の要求を行う。そして、取得部112は、範囲制御部160によって制御された範囲が撮影された撮影画像を取得する(S506)。また、取得部112は、範囲制御部160によって制御された範囲に基づいて、投稿情報を取得する(S507)。出力制御部151は、各種情報を出力する(S508)。例えば、出力制御部151は、推定された損害状況を示す情報と、推定に用いられた情報と、S506の処理において取得された撮影画像と、S507の処理において取得された投稿情報と、を端末装置400に出力する。
【0070】
なお、本動作例において説明された処理の順番は、図9に示す順番に限らない。例えばS505乃至S507の処理は、S502の処理以降であればよい。また、S508の処理は、S504の処理以降、随時行われてもよい。
【0071】
このように、第3の実施形態の情報処理装置102は、合成開口レーダによって地表面が観測された結果に基づくデータから生成された、地表面の変化を示す変化情報を取得する。そして、情報処理装置102は、変化情報に基づいて、地表面の建造物の損害状況を推定する。これにより、第3の実施形態の情報処理装置102は、第1の実施形態の情報処理装置100及び第2の実施形態の情報処理装置101と同様の効果を奏する。すなわち、第3の実施形態の情報処理装置102は、建造物の損害状況の確認を支援することができる。
【0072】
また、第3の実施形態の情報処理装置102は、変化情報に基づいて、光学センサを用いて上空から撮影する範囲を制御する。これにより、情報処理装置102は、地表面の変化が所定の基準より大きい箇所に対して、光学センサによる撮影の指示を行うことができる。例えば、災害時に、地表面のどの範囲を撮影すればよいかわからない場合がある。このような場合であっても、情報処理装置102は、上空から撮影する範囲を制御することができるので、撮影画像の取得を迅速に行うための支援を行うことができる。また、情報処理装置102は、推定された損害状況に加え、取得された撮影画像を提供することができる。そのため、支援システム1002のユーザは、建造物の損害状況をより詳細に確認することができる。すなわち、第3の実施形態の情報処理装置102は、建造物の損害状況のより詳細な確認のための支援をすることができる。
【0073】
また、第3の実施形態の情報処理装置102は、SNSの利用者によって前記SNSに投稿された情報である投稿情報のうち、変化情報に基づいて設定された所定の範囲内の位置を示す位置情報が付加された投稿情報、及び、当該所定の範囲内の位置を示す文字情報が含まれた投稿情報の少なくとも一方を取得する。これにより、第3の実施形態の情報処理装置102は、ユーザの所望する情報を含むSNSの投稿情報を提供することができる。そのため、支援システム1002のユーザは、建造物の損害状況をより詳細に確認することができる。また、支援システム1002のユーザは、例えば、投稿情報に含まれる画像や文字情報から、推定された建造物の損害状況や、各種取得された情報の確からしさを検証することができる。すなわち、第3の実施形態の情報処理装置102は、建造物の損害状況のより詳細な確認のための支援をすることができる。
【0074】
[変形例4]
第3の実施形態で説明したSNSは、支援システム1002のユーザ(例えば、損害保険会社)が提供している、損害状況の確認のために提供されているサービスであってもよい。
【0075】
この場合、例えば範囲制御部160は、決定した範囲の周辺に住む、SNSの利用者に対して投稿を依頼する。SNSの利用者は、例えば、災害発生後に、災害の影響があった建造物または建造物周辺を撮影した画像と、位置情報とを含む投稿情報を投稿する。取得部112は、SNSの利用者によって投稿された投稿情報を取得する。
【0076】
なお、範囲制御部160は、SNSに投稿された情報と利用者の情報とを関連付けて管理してもよい。範囲制御部160は、SNSに投稿された投稿情報の内容及び投稿の回数に応じて、利用者ごとにポイントを算出してもよい。また、変形例4の情報処理装置102は、別途管理部を備えてもよい。管理部が、SNSに投稿された情報と利用者の情報とを関連付けて管理してもよいし、ポイントの算出を行ってもよい。これにより、支援システム1002のユーザは、投稿情報を投稿したSNSの利用者に対して所定のサービスを提供することが可能となる。例えば、支援システム1002のユーザが損害保険会社であれば、損害保険会社は、算出されたポイントに応じて、SNSの利用者に対して返礼品を送付したり、保険料の減額を行ったりするサービスを提供することが考えられる。これにより、変形例4の支援システム1002は、より多くの投稿情報を収集することができる。
【0077】
[変形例5]
範囲制御部160は、推定部121の推定結果に基づいて、情報を取得する範囲を決定してもよい。具体的には、例えば、範囲制御部160は、推定部121によって損害度合いが大きいと推定された建造物の位置を含む範囲を、情報を取得する範囲として決定してもよい。
【0078】
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態の情報処理装置について説明する。第4の実施形態では、取得した情報の尤度を算出する例について説明する。図10は、第4の実施形態の支援システム1003の構成の一例を示すブロック図である。図10に示すように、支援システム1003は、第3の実施形態における情報処理装置102に代わり、情報処理装置103を備え、それ以外については、第3の実施形態で説明した支援システム1002と同様である。すなわち、支援システム1003は、情報処理装置103と、観測装置200と、記憶装置300と、を備える。なお、第4の実施形態において、第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態で説明した内容と重複する内容については、一部説明を省略する。
【0079】
[情報処理装置103の詳細]
図10に示すように、情報処理装置103は、取得部112と、推定部121と、生成部130と、受付部140と、出力制御部152と、範囲制御部160と、尤度算出部170と、を備える。
【0080】
尤度算出部170は、取得部112によって取得された情報の尤度を算出する。尤度は例えば数値であり、数値が高ければ尤度が高く、数値が低ければ尤度が低いことを示す。具体的には、例えば、取得部112によって、建造物に設置されている水位を測定するセンサから、水位の情報を取得したとする。このとき、例えば、水位の情報が、建造物の床上10cmであることを示しているとする。この場合、尤度算出部170は、変化情報に含まれる水域情報から、上記センサが設置された建造物周辺に水域が発生しているか否か判定する。当該建造物周辺に水域が発生していない場合、水位の情報が、いたずらまたはセンサの誤検知によって得られた情報である可能性が高い。そのため、尤度算出部170は、当該建造物において測定された水位の情報に対して、低い尤度を算出する。また、尤度算出部170は、上記センサが設置された建造物周辺に水域が発生している場合、建造物と、発声した水域の距離が近いほど高い尤度を算出してもよい。また、尤度算出部170は、変化情報だけでなく、上記センサが設置された建造物周辺のハザードマップ等、過去の災害情報や、上記センサが設置された建造物周辺に関する投稿情報も用いて尤度を算出してもよい。また、これにより、さらに正確に尤度の算出を行うことができる。このように、尤度算出部170は、変化情報に基づいて、センサから取得された水位の情報の尤度を算出する。尤度算出部170は、尤度算出手段の一例である。
【0081】
なお、尤度が算出される情報は、センサから取得された水位の情報に限らない。例えば、尤度算出部170は、投稿情報の尤度を算出してもよい。例えば、一の投稿情報に、地震が発生したことを示す文字情報が含まれていたとする。このとき尤度算出部170は、一の投稿情報に関連付けられた位置情報を含む所定の範囲内の位置情報と関連付けられた他の投稿情報を抽出する。そして、尤度算出部170は、抽出された投稿情報のうち、既知の自然言語処理を用いて、地震が発生したことを示す内容の投稿情報を特定する。例えば、特定された投稿情報が無かった場合や、特定された投稿情報の数が所定の値未満である場合、尤度算出部170は、当該一の投稿情報の尤度を小さくする。また、尤度算出部170は、特定された投稿情報の数が多くなるにつれて、当該一の投稿情報の尤度を大きくしてもよい。
【0082】
出力制御部152は、各種情報を端末装置400に出力する際に、算出された尤度の情報を出力する。例えば、センサから取得された水位の情報を出力する際に、水位の情報に関連付けて尤度を示す情報を出力する。
【0083】
[情報処理装置103の動作]
次に、情報処理装置103の動作を説明する。図11は、情報処理装置103の動作の一例を示すフローチャートである。なお、本動作例においては、端末装置400から損害状況の出力要求が受け付けられ、変化情報が生成されているものとする。
【0084】
取得部112は、各種情報を取得する(S601)。このとき、取得部112は、例えば、変化情報に加え、建造物に設置されたセンサから取得された水位の情報も取得したとする。推定部121は、取得された情報に基づいて損害状況を推定する(S602)。尤度算出部170は、取得された情報の尤度を算出する(S603)。例えば、尤度算出部170は、水位の情報の尤度を、変化情報に基づいて算出する。そして、出力制御部152は、各種情報を端末装置400に出力する(S604)。例えば、出力制御部152は、推定された損害状況と、推定に用いられた水位の情報と、水位の情報の尤度と、を出力する。なお、S602の処理とS603の処理との順番は入れ替えてもよいし、同時に行われてもよい。
【0085】
このように、第4の実施形態の情報処理装置103は、取得された情報の尤度を算出する。例えば、情報処理装置103は、建造物に設置されたセンサから取得された水位の情報の尤度を、変化情報に基づいて算出する。これにより、第4の実施形態の情報処理装置103は、取得された情報の尤度を、支援システム1003のユーザに提供することができるので、より効果的に、建造物の損害状況の確認を支援することができる。
【0086】
[変形例6]
推定部121は、建造物の損害状況を推定する際に、尤度が所定の値未満である情報を省いてもよい。例えば、特定の建造物に設置されたセンサから取得された水位の情報の尤度が、所定の値未満であるとする。この場合、当該水位の情報を用いずに、損害状況を推定してもよい。
【0087】
<情報処理装置のハードウェアの構成例>
上述した第1、第2、第3及び第4の実施形態の情報処理装置を構成するハードウェアについて説明する。図12は、各実施形態における情報処理装置を実現するコンピュータ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図12が示す各ブロックは、各実施形態における情報処理装置及び情報処理方法を実現するコンピュータ装置10と、ソフトウェアとの組み合わせにより実現できる。
【0088】
図12に示すように、コンピュータ装置10は、プロセッサ11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、記憶装置14、入出力インタフェース15、バス16、及びドライブ装置17を備える。なお、情報処理装置は、複数の電気回路によって実現されてもよい。
【0089】
記憶装置14は、プログラム(コンピュータプログラム)18を格納する。プロセッサ11は、RAM12を用いて本情報処理装置のプログラム18を実行する。具体的には、例えば、プログラム18は、図3図5図6図7図9及び図11に示す処理をコンピュータに実行させるプログラムを含む。プロセッサ11が、プログラム18を実行することに応じて、本情報処理装置の各構成要素(上述した、取得部110、111、112、推定部120、121等)の機能が実現される。プログラム18は、ROM13に記憶されていてもよい。また、プログラム18は、記憶媒体20に記録され、ドライブ装置17を用いて読み出されてもよいし、図示しない外部装置から図示しないネットワークを介してコンピュータ装置10に送信されてもよい。
【0090】
入出力インタフェース15は、周辺機器(キーボード、マウス、表示装置など)19とデータをやり取りする。入出力インタフェース15は、データを取得または出力する手段として機能する。バス16は、各構成要素を接続する。
【0091】
なお、情報処理装置の実現方法には様々な変形例がある。例えば、情報処理装置は、専用の装置として実現することができる。また、情報処理装置は、複数の装置の組み合わせに基づいて実現することができる。
【0092】
各実施形態の機能における各構成要素を実現するためのプログラムを記憶媒体に記録させ、該記憶媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記憶媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記憶媒体、及びそのプログラム自体も各実施形態に含まれる。
【0093】
該記憶媒体は、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD(Compact Disc)-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、またはROMであるが、この例に限らない。また該記憶媒体に記録されたプログラムは、単体で処理を実行しているプログラムに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS(Operating System)上で動作して処理を実行するプログラムも各実施形態の範疇に含まれる。
【0094】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【0095】
また、本明細書において、建造物の損害状況を確認したいユーザ(支援システムのユーザ)の一例として、損害保険会社を挙げているが、この例に限らない。地震による被害状況調査や浸水痕跡調査を行う自治体等もユーザの一例として挙げられる。本明細書に記載された技術は、各種の場面で適用可能である。
【0096】
この出願は、2021年1月6日に出願された日本出願特願2021-000637を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0097】
100、101、102、103 情報処理装置
110、111、112 取得部
120、121 推定部
130 生成部
140 受付部
150、151、152 出力制御部
160 範囲制御部
170 尤度算出部
200 観測装置
300 記憶装置
400 端末装置
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11
図12